JPWO2005080849A1 - 螺旋補強ホース - Google Patents
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Abstract
Description
更に詳しくは、ホース本体内に延伸モノフィラメント(monofilament:単繊維)をホース軸方向へ螺旋状に巻回した螺旋補強ホースに関する。
[特許文献1]
実公昭63−46783号公報(第1−2頁、第1図−第3図)
しかし乍ら、このような従来の螺旋補強ホースでは、線径の太い延伸モノフィラメントを使うため、大きな外径サイズのホースを作るには、ホースサイズに合わせて太い延伸モノフィラメントを巻回する必要があるものの、そもそも太い延伸モノフィラメントは需要が極めて少なく、製造業者に太い延伸モノフィラメントの規格が無いために入手が困難であり、しかも製造業者に特別注文することになることから極めて高価になるという問題があった。
更に、延伸モノフィラメントが線径が太くなれば剛性も強くなるため、モノフィラメントを巻回する設備が大型化して生産性が悪いと共に、ホース本体の軟質合成樹脂に比べてモノフィラメントの剛性が強いため、ホースの内外面に凹凸が発生して、例えば液溜まりなどの不純物の溜まりが発生するという問題もあった。
そこで、本発明のうち請求項1記載の発明は、線径の細い延伸モノフィラメントを使用可能にすることを目的としたものである。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明の目的に加えて、耐圧性能を高くしながらホースの肉厚を更に薄くしてホース内外面の平坦度を高めることを目的としたものである。
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の発明の目的に加えて、ホース内の流体を外部から透視可能にすることを目的としたものである。
請求項4記載の発明は、請求項1、2または3に記載の発明の目的に加えて、ホースの捻れによる破損を防止しながら識別ラインにより使用用途やタイプに応じてホースを識別可能にすることを目的としたものである。
請求項5記載の発明は、請求項1、2、3または4に記載の発明の目的に加えて、延伸モノフィラメントの色により使用用途やタイプに応じてホースを容易に識別可能にすることを目的としたものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、前記延伸モノフィラメントの断面形状を、その芯幅が芯厚より大きい扁平にした構成を加えたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成に、前記ホース軸方向へ並べた複数本の延伸モノフィラメントの間隔よりホース軸方向へ隣り合う螺旋ピッチを離して、透視可能な無芯部をホース軸方向へ部分的に形成した構成を加えたことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1、2または3記載の発明の構成に、前記ホース本体の外表面に、軸線方向へ延びる識別ラインを設け、この識別ラインをホース本体の色と異なる色にした構成を加えたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1、2、3または4記載の発明の構成に、前記ホース軸方向へ並べた複数本の延伸モノフィラメントの色を変え、ホース本体を透視可能な材料で形成した構成を加えたことを特徴とする。
前述した構成から生じる本発明のうち請求項1記載の発明は、延伸モノフィラメントをホース軸方向へ複数本並べたまま等ピッチで螺旋状に巻回することにより、これら延伸モノフィラメントの間隔が狭くなって、夫々の線径を細くしても該部分における耐圧性能が低下しない。
従って、線径の細い延伸モノフィラメントを使用することができる。
その結果、線径の太い延伸モノフィラメントを使う従来のものに比べ、大きな外径サイズのホースを作る場合でも、供給が安定している市販の延伸モノフィラメントを使うことができて、安価に製造できると共に、ホースの厚みを薄くすることができ、軽量で可撓性に優れた螺旋補強ホースを安価に提供できる。
更に細い延伸モノフィラメントは剛性が低いため、ホース内外面が平坦となって、例えば液溜まりなどの不純物の溜まりが発生するのを防止できて、ホース内の流体の流れを良くすることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加えて、延伸モノフィラメントの断面形状を、その芯幅が芯厚より大きい扁平にすることにより、受圧面積が広がると共に、ホース本体の肉厚が薄くなって、各延伸モノフィラメントが配置された箇所のホース本体が膨らみ難くなる。
従って、耐圧性能を高くしながらホースの肉厚を更に薄くしてホース内外面の平坦度を高めることができる。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明の効果に加えて、ホース軸方向へ並べた複数本の延伸モノフィラメントの間隔に比べ、ホース軸方向へ隣り合う螺旋ピッチを離して、透視可能な無芯部をホース軸方向へ部分的に形成することにより、延伸モノフィラメントが邪魔とならずに無芯部からホース内を通る流体などが見える。
従って、ホース内の流体を外部から透視することができる。
請求項4の発明は、請求項1、2または3の発明の効果に加えて、ホース本体と異なる色の識別ラインが軸方向へ一直線となるようにホースの両端部を夫々配管接続することにより、捻れのない最適なホースの配管が可能となると共に、配管が短くても識別ラインが軸方向へ一直線状に延びるから他の配管と見分け易く、しかも識別ラインの色違いで外観の異なる多種類のホースが得られる。
従って、ホースの捻れによる破損を防止しながら識別ラインにより使用用途やタイプに応じてホースを識別することができる。
請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の発明の効果に加えて、ホース軸方向へ並べた複数本の延伸モノフィラメントの色を変え、ホース本体を透視可能な材料で形成することにより、延伸モノフィラメントの色違いで外観の異なる多種類のホースが得られる。
従って、延伸モノフィラメントの色により使用用途やタイプに応じてホースを容易に識別することができる。
図2は、本発明の実施例2を示す螺旋補強ホースの一部切欠正面図である。 図3は、本発明の実施例3を示す螺旋補強ホースの一部切欠正面図である。
発明を実施するための最良な形態
本発明の螺旋補強ホースAは、図1〜図3に示す如く、例えば塩化ビニル樹脂などの軟質な熱可塑性合成樹脂で円筒状に成形されたホース本体1の内部に、例えばポリエステル樹脂やナイロン樹脂など硬質な合成樹脂でコイルスプリング状に成形した線径の細い延伸モノフィラメント2を、ホース軸方向へ複数本並べたまま等ピッチで螺旋状に巻回している。
以下、本発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
上記ホース本体1は、例えば実公昭63−46783号公報に記載されるように内層と外層とで構成し、これら内層と外層との間に二本の延伸モノフィラメント2,2を挟入巻着して螺旋補強ホースAとするか、或いは例えば特公昭50−31198号公報に記載されるような従来周知のホース製造方法によって、二本の延伸モノフィラメント2,2が入った帯状体を螺旋状に巻回し、その隣接する面相互を接着して螺旋補強ホースAとする。
更に詳しく説明すれば、実公昭63−46783号公報のような積層によるホース製造方法は、先ず、押出機から内層を溶融又は半溶融状態で連続的に押し出し、この内層の上に、延伸モノフィラメント2をホース軸方向へ二本並べたまま螺旋状に巻き付け、その上に押出機から外層を溶融又は半溶融状態で連続的に押し出して積層することにより、これら内層と外管との間に二本の延伸モノフィラメント2,2を挟入巻着して一体化される。
特公昭50−31198号公報のような螺旋接着によるホース製造方法は、先ず、ホース軸方向へ二本並べた延伸モノフィラメント2,2の周囲を軟質合成樹脂で被覆した帯状体を、押出機から連続的に溶融又は半溶融状態で押し出し、これを片持ち状態で支持されたスパイラルシャフトの外表面に対し螺旋状に巻回しながら、該帯状体の隣接する面相互を接着することにより、管状に成形して一体化される。
また図示例の場合には、ホース軸方向へ並べた二本の延伸モノフィラメント2,2間のピッチSと、ホース軸方向へ隣り合う螺旋ピッチPとの寸法比を3:7にすることで、両延伸モノフィラメント2,2の間隔、詳しくは両者間のピッチSより螺旋ピッチPを離して、透視可能な無芯部1aをホース軸方向へ部分的に形成しているが、これら延伸モノフィラメント2,2間のピッチSと螺旋ピッチPとの寸法比は3:7に限定されず、図示せぬがそれ以外に例えば2:8や4:6にするなど、変更が可能である。
次に、斯かる螺旋補強ホースAの作用効果について説明する。
ホース軸方向へ二本並べた延伸モノフィラメント2,2を等ピッチでホース軸方向へ螺旋状に巻回したため、これら延伸モノフィラメント2,2間のピッチSが狭くなって、夫々の線径を細くしても、該部分における耐圧性能が低下せず、線径の太い一本の延伸モノフィラメントを巻回したものと略同等又はそれ以上の耐圧性能が得られる。
それにより、線径の細い延伸モノフィラメントを使えて、その分だけホース本体1の肉厚寸法Tを薄くすることができて、螺旋補強ホースAの軽量化が図れると共に可撓性が向上する。
本実施例では、各延伸モノフィラメント2の断面形状を、その芯幅寸法Wが芯厚寸法Dより大きい扁平にしたため、受圧面積が広がると共に、ホース本体1の肉厚寸法Tが薄くなって、各延伸モノフィラメント2が配置された箇所のホース本体1が膨らみ難くなる。
それにより、耐圧性能を高くしながらホースの肉厚寸法Tを更に薄くしてホース内外面の平坦度を高めることができる。
更に、各延伸モノフィラメント2の断面形状を図示せる如く楕円形にすれば、該延伸モノフィラメント2の周囲を覆うホース本体1に割れなどの悪影響が少ない。
また、ホース軸方向へ並べた複数本の延伸モノフィラメント2間のピッチSよりホース軸方向へ隣り合う螺旋ピッチPを離して、透視可能な無芯部1aをホース軸方向へ部分的に形成したため、扁平な延伸モノフィラメント2が邪魔とならずに無芯部1aからホース内を通る流体などが見える。
上記識別ライン3は、例えば塩化ビニル樹脂やポリエチレンなどのホース本体1と同質で異なる色の熱可塑性樹脂を、ホース外表面1bに押出形成して両者を一体化させるか、又はホース本体1と同質で異なる色の熱可塑性樹脂製テープをホース外表面1bに加熱圧着して一体化させている。
図示例の場合には、ホース軸方向へ一直線状に延びる識別ライン3を一本のみ形成したが、その本数や太さや色は一種類に限定されず、例えば異なる色で同じ幅寸法のものを複数本配置したり、違う幅寸法のものを複数本配置するか、又はホース外表面1bと略面一となるように埋設したり、更に必要に応じて図示せる如く識別ライン3の上に、例えば会社名や径サイズなどの文字を重ねて印刷しても良い。
従って、図2に示すものは、上述した実施例1と同様な作用効果が得られる以外に、ホース本体1と異なる色の識別ライン3が軸方向へ一直線となるようにホースの両端部を夫々配管接続すれば、捻れのない最適なホースの配管が可能となると共に、配管が短くても識別ライン3が軸方向へ一直線状に延びているから他の配管と見分け易く、しかも識別ライン3の色違いで外観の異なる多種類のホースが得られる。
それにより、ホースの捻れによる破損を防止しながら識別ライン3により使用用途やタイプに応じてホースを識別できるという利点がある。
例えば一方の延伸モノフィラメント2の少なくとも外表面を白色とした場合には、他方の延伸モノフィラメント2の少なくとも外表面が、白色以外の緑色や赤色や青色など、明確に区別できる組み合わせが好ましい。
更に図示例の場合には、ホース軸方向へ並べた二本の延伸モノフィラメント2,2間のピッチSを0にして相互に当接させると共に、これら両者が当接した状態の断面形状を楕円形に形成するなどして、その芯幅寸法Wが芯厚寸法Dより大きい扁平にしているが、これに限定されず、図1に示した実施例1のように延伸モノフィラメント2,2を離して両者間のピッチSと螺旋ピッチPとの寸法比を例えば2:8や3:7や4:6などにしても良い。
また図2に示した実施例のようにホース本体1の外表面1bに軸線方向へ延びる識別ライン3を設けても良い。
従って、図3に示すものは、上述した実施例1と同様な作用効果が得られる以外に、ホース軸方向へ並べた二本の延伸モノフィラメント2,2の色を変え、ホース本体1を透視可能な材料で形成したため、延伸モノフィラメント2,2の色違いで外観の異なる多種類のホースが得られる。
それにより、延伸モノフィラメント2,2の色により使用用途やタイプに応じてホースを容易に識別できるという利点がある。
尚、前示実施例1〜3では、ホース本体1を透明又は半透明などの内部が透視可能な材料で成形したが、これに限定されず、ホース本体1を不透明な材料で形成しても良い。
更にホース本体1の内部に、延伸モノフィラメント2をホース軸方向へ二本並べたまま等ピッチで螺旋状に巻回した場合を示したが、これに限定されず、延伸モノフィラメント2をホース軸方向へ三本以上並べたまま等ピッチで螺旋状に巻回しても良い。
この場合には、延伸モノフィラメント2を本数を増やした分だけ、更に線径の細い延伸モノフィラメントを使うことができる。
また、各延伸モノフィラメント2の断面形状を楕円形に形成するなどして、その芯幅寸法Wが芯厚寸法Dより大きい扁平にした場合を示したが、これに限定されず、図示せぬが楕円形以外の断面形状で扁平にしたり、扁平でなく断面円形にしても良い。
Claims (5)
- ホース本体(1)内に延伸モノフィラメント(2)をホース軸方向へ螺旋状に巻回した螺旋補強ホースにおいて、
前記延伸モノフィラメント(2)をホース軸方向へ複数本並べたまま等ピッチで螺旋状に巻回したことを特徴とする螺旋補強ホース。 - 前記延伸モノフィラメント(2)の断面形状を、その芯幅(W)が芯厚(D)より大きい扁平にした請求項1記載の螺旋補強ホース。
- 前記ホース軸方向へ並べた複数本の延伸モノフィラメント(2)間のピッチ(S)よりホース軸方向へ隣り合う螺旋ピッチ(P)を離して、透視可能な無芯部(1a)をホース軸方向へ部分的に形成した請求項1または2記載の螺旋補強ホース。
- 前記ホース本体(1)の外表面(1b)に、軸線方向へ延びる識別ライン(3)を設け、この識別ライン(3)をホース本体(1)の色と異なる色にした請求項1、2または3記載の螺旋補強ホース。
- 前記ホース軸方向へ並べた複数本の延伸モノフィラメント(2)の色を変え、ホース本体(1)を透視可能な材料で形成した請求項1、2、3または4記載の螺旋補強ホース。
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