JP7016254B2 - 電気掃除機用ホースおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、合成樹脂製のホース壁にらせん状補強体が一体化された電気掃除機用ホース、特に樹脂被覆硬鋼線を捲回してらせん状補強体が形成された電気掃除機用ホースに関するものである。
樹脂被覆硬鋼線をらせん状に捲回してらせん状補強体とし、円筒状のホース壁に一体化した電気掃除機用ホース(クリーナホース)は、軽量であると共に、硬鋼線によりホースの円筒状形態が確実に維持される。このような電気掃除機用ホースは、取り扱い性に優れると共に、負圧がかかっても、らせん状補強体によりホースがつぶれない。また、硬鋼線の導電性を利用して、電気信号を伝達し、あるいは電力を供給することも可能である。このようなホースは電気掃除機に適している。
例えば、特許文献1の電気掃除機用ホースは、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーによりホース壁が形成されており、硬度の高いポリウレタン系熱可塑性エラストマーによって被覆された硬鋼線が螺旋補強体としてホース壁に一体化されたホースである。このホースによれば、柔軟性を維持しながら、より軽量として脱塩ビを実現できる。
特開2005-95668号公報
ところで、特許文献1のクリーナホースにおいて、らせん状補強体の被覆に割れや亀裂が生じたりするといった、らせん状補強体に関する品質上の問題が生ずることがある。
本発明の目的は、樹脂被覆硬鋼線を捲回形成したらせん状補強体を用いた電気掃除機用ホースにおいて、らせん状補強体に関連するホースの品質を高めることにある。
発明者は、鋭意検討の結果、補強体の被覆の割れや亀裂の発生が、樹脂被覆硬鋼線をらせん状にコイリングする工程で発生しやすいことを突きとめた。そして、さらに検討を重ね、樹脂被覆硬鋼線がコイリングされる際の姿勢が特定の姿勢となるように管理すれば上記課題が解決できることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、合成樹脂製のホース壁に、樹脂被覆硬鋼線をらせん状に捲回したらせん状補強体が一体化された電気掃除機用ホースであって、樹脂被覆硬鋼線の樹脂被覆にはウェルドが存在し、前記樹脂被覆硬鋼線の外周面には、樹脂被覆鋼線の断面において、樹脂被覆のウェルドに対し所定の角度をなすように、周方向の所定の位置に硬鋼線の長さ方向に沿って目印が付けられており、ホースの中心軸を含む断面で見た際に、前記目印が硬鋼線の中心周りに所定の角度に位置するように、ホースの全長にわたってらせん状補強体がホース壁に一体化されており、樹脂被覆鋼線の断面において、硬鋼線の中心周りに、ホース半径方向外側を時計の12時方向、ホース半径方向内側を時計の6時方向として、時計の3時の方向もしくは9時の方向に、前記ウェルドが位置している、電気掃除機用ホースである(第1発明)。
また、本発明は、らせん状補強体とホース壁を備える電気掃除機用ホースの製造方法であって、合成樹脂を硬鋼線と一緒に押出成形して樹脂被覆硬鋼線を製造しながら、樹脂被覆鋼線の断面において、樹脂被覆に生ずたウェルドに対し所定の角度をなすように、樹脂被覆の外周の周方向の所定の位置に目印を付ける第1工程と、第1工程に引き続き行われる、コイリング装置により樹脂被覆硬鋼線をらせん状に捲回形成する工程であって、当該工程では、らせんの中心軸を含む断面で見た際に、前記目印が硬鋼線の中心周りに所定の角度に位置し、前記ウェルドがコイリング装置のコイリング部に接触しないようにコイリングを行ってらせん状補強体が形成される第2工程と、第2工程に引き続き、合成樹脂により円筒状のホース壁を形成し、らせん状補強体をホース壁に一体化する第3工程とを備える、電気掃除機用ホースの製造方法である(第発明)。
本発明の可撓性ホース(第1発明)によれば、らせん状補強体の被覆材(樹脂被覆)に割れや亀裂が生ずることが抑制され、らせん状補強体に関連するホースの品質が向上する。例えば、目印を樹脂被覆硬鋼線の被覆の弱い部分(ウェルド)と対応付けた場合には、らせん状補強体の樹脂被覆に割れや亀裂が入ることを抑制できる
また、第2発明の製造方法によれば、らせん状補強体の被覆材(樹脂被覆)に割れや亀裂が生ずることが抑制されて、らせん状補強体に関連する品質の高い電気掃除機用ホースを、効率的に製造できる
第1実施形態の電気掃除機用ホースが適用される電気掃除機の構成を示す図である。 第1実施形態の電気掃除機用ホースの一部断面図である。 第1実施形態の電気掃除機用ホースのホース壁部分の拡大断面図である。 第1実施形態の電気掃除機用ホースを構成するらせん状補強体の構造を示す図である。 第1実施形態の電気掃除機用ホースのホース壁を形成する可撓性条帯の断面図である。 コイリング工程の概要を示す模式図である。 コイリング工程のコイリング部の概要を示す模式図である。 第2実施形態の電気掃除機用ホースのホース壁部分の拡大断面図である。
以下、図面に基づいて、本発明に係る電気掃除機用ホースの実施形態について説明する。図1は電気掃除機の全体の構成を示し、図2は第1実施形態の電気掃除機用ホースの一部断面図、図3は図2に示すホースのホース壁付近の拡大断面図、図4はらせん状補強体の構造の図、図5はホース壁を形成するための可撓性条帯の一例を示した断面図である。
図1において、電気掃除機用ホースAは、掃除機本体10に設けられた吸気口に接続パイプ11を介してホースAの一端が接続され、ホースAの他端は手元操作部12に接続され、手元操作部12に連続して延長管13、続いて床用ノズル14が接続されて電気掃除機が構成されている。
電気掃除機用ホースAは、図2に示すように構成され、柔軟性を有するホース壁1が円筒状に合成樹脂によって形成され、ホース壁1の内周面には、ホースを保形補強し、負圧によるホースのつぶれを防止するらせん状補強体2が螺旋状に添着一体化されている。ホース壁1は軟質合成樹脂製であり、無負荷状態で、図3に示すような断面形状を有する。図3は図の下側をホース内側として示している。電気掃除機用ホースAでは、らせん状補強体2、2によって実質的にホース壁1の円筒状形状が維持されている。
ホース壁1とらせん状補強体2の一体化は、典型的には接着もしくは溶着により行われるが、これに限定されない。また、らせん状補強体2はホース壁の内周面に一体化されていてもよいし、外周面に設けられていてもよいし、ホース壁に埋入されていてもよい。本実施形態では、ホース壁が外周に向かい突条となるように形成された部分の内周面に、らせん状補強体2が接着されている。また、らせん状補強体2が設けられる本数、すなわち、らせんの条数は特に限定されないが、通常1条から4条である。本実施形態においては、2条のらせん状に、らせん状補強体2,2が設けられている。
ホース壁1を構成する合成樹脂材料は、円筒状で可撓性を有するホース壁が構成できれば、特に限定されず、好ましくは、JIS-K7215に準拠して測定した硬度で50~80HDA程度の硬度を有する熱可塑性樹脂が使用できる。軟質塩化ビニル樹脂(PVC樹脂)や、熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU樹脂)、エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA樹脂)などが特に好ましい。本実施形態においては、ホース壁1は軟質塩化ビニル樹脂により構成されている。
らせん状補強体2について説明する。図4に断面及び外周面を斜視図で示すように、らせん状補強体2は、硬鋼線21が、合成樹脂製の被覆材22に埋入された樹脂被覆硬鋼線20がらせん状に捲回形成されて構成されている。硬鋼線21はホース壁1を円筒状に維持する補強体として機能する。また、硬鋼線21は、導電性を有し、ホースの一端から他端にわたって電気信号や電力のやり取りを可能とする。
硬鋼線21は、いわゆるスチール線やピアノ線である。硬鋼線21の断面形状は円形であることが好ましい。本実施形態のように、硬鋼線21が裸線の状態で、合成樹脂製の被覆材22に埋入されていてもよい。また、硬鋼線21はメッキされていてもよい。
らせん状補強体2(樹脂被覆硬鋼線20)の被覆材22を構成する合成樹脂は、ホース壁1とらせん状補強体2との一体化が可能な合成樹脂であれば、特に限定されない。被覆材22を構成する合成樹脂は、ホース壁1を構成する合成樹脂と接着可能もしくは溶着可能な合成樹脂であることが好ましい。本実施形態においては、被覆材22は、硬質塩化ビニル樹脂により構成されている。
図4に示したように、らせん状補強体2(樹脂被覆硬鋼線20)の被覆材22の外周面は円形の断面を有していることが好ましい。すなわち、らせん状補強体2は、外周面が円筒状である線材であることが好ましい。らせん状補強体2の断面における被覆材の外周面の円形は、真円に近いことが好ましいが、厳密な真円である必要はない。
また、らせん状補強体2(樹脂被覆硬鋼線20)の外周面には、周方向の所定の位置に硬鋼線の長さ方向に沿って目印3が付けられている。本実施形態では、目印は、樹脂被覆に生ずるウェルド(図4では破線で示す)Wの位置に対応して付けられている。すなわち、目印3は、樹脂被覆硬鋼線20の内部構造と対応するように、長さ方向に沿って付けられている。
本実施形態では、目印3は連続した線状に設けられている。目印の形態は連続した線状に限定されず、他の形態、例えば、破線状や、点線状であってもよく、点が所定の間隔で打たれたような形態であってもよい。目印は、所定の幅で樹脂被覆硬鋼線の外周面を塗り分けたような帯状であってもよい。このような目印は典型的には印刷・塗布やマーキング等の手段により樹脂被覆硬鋼線の外周面に設けられる。また、目印は、樹脂被覆硬鋼線の外周面に設けられた突条や凹溝であってもよい。こうした突条や凹溝は、硬鋼線を樹脂で被覆する際の押出工程で設けることができる。
図3に示したように、ホースの中心軸を含む断面で見た際に、目印3が硬鋼線21の中心周りに所定の角度に位置するように、らせん状補強体2がホース壁1に一体化されている。本実施形態では、目印3が硬鋼線21の中心周りに時計の3時の方向に位置している。目印3は樹脂被覆硬鋼線20の樹脂被覆材22に存在するウェルドWに対応した位置に付けられているので、ウェルドWが周方向でその位置に位置することになる。電気掃除機用ホースAでは、ホースの全長にわたって、このように目印3の位置が調整された状態で、らせん状補強体2がホース壁1に一体化されている。
第1実施形態の電気掃除機用ホースAは、例えばいわゆるスパイラル成形方法等の、公知のホース製造方法により、以下のようにして製造することができる。
(第1工程)
まず、硬鋼線21を、被覆材22となる合成樹脂とともに一緒に押出して(共押出して)、樹脂被覆硬鋼線20を製造する。樹脂被覆硬鋼線を製造しながら、被覆材22の外周面に対し周方向に所定の位置に目印を付ける。例えば、目印は、インクをローラーやペン等により塗布することに付けることができる。樹脂被覆硬鋼線を製造(被覆の形成)と並行して目印を付けることにより、確実に樹脂被覆硬鋼線の内部の構造に対応づけて目印を付けることができる。例えば、本実施形態では、被覆材を形成する押出金型の構造上、被覆材22にウェルドが生ずる部分に目印を付けている。製造された樹脂被覆硬鋼線は、一旦ボビン等に巻き取っておく。
(第2工程)
次いで、コイリング装置に対し樹脂被覆硬鋼線20を供給し、硬鋼線21を塑性変形させて、所定の径とピッチのらせん状を呈するらせん状補強体2を捲回形成する。図6にコイリング装置全体の概要を示し、図7にコイリング装置のコイリング部を示す。コイリング装置では、ボビンBから樹脂被覆硬鋼線20がコイリング部に供給されて、コイリングされ、らせん状補強体2が形成される。例えば図7に示すように、コイリング部には、3つのローラーR1,R2,R3が設けられていて、樹脂被覆硬鋼線20がこれらローラーの間に挟まれながら通過することで所定の螺旋形状が与えられる。なお、コイリング装置のコイリング部の具体的構成は、ローラーを使用した物に限られず、ガイドを利用した物であってもよく、ガイドとローラーを併用する物であってもよく、シャフト(芯金)を利用した物であってもよい。
このコイリング工程では、形成されるらせん形状の中心軸を含む断面で見た際に(即ち図3に示した断面で見た際に)、目印3が硬鋼線21の中心周りに所定の角度に位置するようにコイリングが行われ、らせん状補強体2が形成される。本実施形態では、図7に示すように、樹脂被覆硬鋼線20の手前側に目印3が位置するように、樹脂被覆硬鋼線20がコイリング部(ローラーR1,R2,R3)に供給され、捲回形成される。完成したらせん状補強体2では、図3のように、硬鋼線21の中心周りに時計の3時の方向に目印が来ることになる。
必須ではないが、コイリング工程では、樹脂被覆硬鋼線20がコイリング装置のコイリング部に供給される箇所で、すなわち、コイリング部の上流側で、樹脂被覆外周の目印3の周方向の位置を監視することが好ましい。本実施形態では、ローラーR1,R2,R3の上流側に設けられた光学式監視装置Mにより監視装置Mを通過する樹脂被覆硬鋼線20の外周面の目印3の周方向位置を観察、監視している。
また、必須ではないが、コイリング工程では、樹脂被覆の外周に付された目印3の周方向の位置が所期の位置となるように、樹脂被覆硬鋼線20がコイリング装置に供給される際の回転姿勢をフィードバック制御することが好ましい。例えば、本実施形態では、コイリング部(ローラーR1,R2,R3)に樹脂被覆硬鋼線20を供給するボビンBが、樹脂被覆硬鋼線20が供給されるラインm周りに回転可能なように構成されており、光学式監視装置Mにより検出された樹脂被覆硬鋼線20の目印の位置が所定の位置となるように、ボビンBのラインm周りの回転姿勢がフィードバック制御される。監視やフィードバック制御を行うことにより、目印3が所期の位置に来ることがより確実になる。
(第3工程)
所定断面を有する押出ダイを備える押出成形機を用いて、ホース壁1になるべき合成樹脂を、所定の温度で押出して、図5に示すような断面を有する可撓性条帯T1を押出成形する。
次いで、第2工程で得られたらせん状補強体2と、可撓性条帯T1を、公知のホース成形軸に対して供給する。ホース成形軸に捲回されたらせん状補強体2,2を覆うように、可撓性条帯T1を螺旋状に捲回し、互いに隣接する可撓性条帯T1の側縁部S1、S2をらせん状補強体2のホース外周側で重ね合わせて接着一体化して円筒状のホース壁1とするとともに、ホース壁1とらせん状補強体2を接合する。可撓性条帯T1が膨出形成された突条部分が、ホース壁1とらせん状補強体2の接合部となる。また、可撓性条帯T1の側縁部S1,S2が重なり合うように接合された部分の内側でもホース壁1とらせん状補強体2、2が接着される。
2条のらせん状補強体2,2と可撓性条帯T1を連続的にホース成形軸に供給しながら、以上の工程を連続して行うことにより、不定長の電気掃除機用ホースAを得ることができる。可撓性条帯T1の側縁部の接着一体化やらせん状補強体2への接合は、熱融着により行うこともでき、その場合は、押出成形された可撓性条帯T1がまだ熱い間に捲回し一体化することが好ましい。また、熱可塑性接着剤(ホットメルト)や溶剤系の接着剤を使用して接合しても良い。
上記形態の電気掃除機用ホース及びその製造方法の作用効果を説明する。上記実施形態の電気掃除機用ホース及びその製造方法によれば、らせん状補強体2を樹脂被覆硬鋼線20から捲回形成する際にらせん状補強体2の被覆材22に割れや亀裂が生ずることが抑制され、電気掃除機用ホースのらせん状補強体に関連する品質が向上する。
従来技術においては、らせん状補強体における線材の姿勢については、特に関心が払われておらず、被覆の割れや亀裂との関係も知られていなかった。
発明者らは、検討を重ねる中で、らせん状補強体となる樹脂被覆硬鋼線20には、目視しにくいものの、共押出という製造方法に由来し、被覆材22の周方向の所定の位置にウェルドWが存在していることに着目した。そして、さらに検討を行い、コイリング工程の中で、このようなウェルドWがローラーやガイドに強く接触すると、割れや亀裂が生じやすくなり品質上の問題が生じやすくなることを発見した。そして、発明者らは、目視しにくいウェルドであっても、目印があれば、所定の位置に来るように管理でき、品質問題の発生を抑制できることを着想し、上記実施形態の発明に至った。
上記実施形態の電気掃除機用ホースによれば、樹脂被覆硬鋼線20の外周面には、周方向の所定の位置に目印3が付けられており、らせん状補強体2において、目印が硬鋼線の中心周りに所定の角度に位置するように、ホース壁に一体化されている。これにより、目印3を利用して、目視しがたい樹脂被覆硬鋼線20の内部構造をうまく反映してらせん状補強体2を構成でき、ホースの品質を高めることができ、そのようなホースを効率よく製造することができる。
例えば、上記実施形態の電気掃除機用ホースAおよびその製造方法によれば、ウェルドWに合致する周方向位置に目印3が付けられていて、コイリング工程においては、目印3が、ローラーR1,R2,R3との接触を避けるよう、図7での手前側に来るような姿勢で、らせん状補強体2が捲回形成される。これにより、ウェルドWが存在する部分とローラーR1,R2,R3との接触が回避され、被覆材22のウェルドWでの割れや亀裂の発生が抑制されてホースの品質が向上する。
また、コイリング工程において、樹脂被覆硬鋼線20がコイリング装置に供給される箇所で、樹脂被覆材22の外周の目印3の周方向位置を監視するようにした場合には、目印3の位置ずれが所定の大きさに達したら、コイリングやホースの製造を中止するようにして、品質の低いホースを製造しないようにでき、品質の高い電気掃除機用ホースの製造効率がさらに高められる。また、監視した目印3の周方向の位置をフィードバック制御に利用することもできる。
また、コイリング工程において、樹脂被覆材22の外周に付された目印3の周方向位置が所期の位置となるように、樹脂被覆硬鋼線20がコイリング装置に供給される際の回転姿勢をフィードバック制御するようにした場合には、特に、品質の高い電気掃除機用ホースの製造効率が高められる。
発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、これら実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
上記実施形態の電気掃除機用ホースAでは、ウェルドWの位置と目印3の位置が周方向に略一致するように目印を設けた例を示したが、目印と、らせん状補強体(樹脂被覆硬鋼線)の内部構造の対応関係はこれに限定されない。らせん状補強体2に捲回された時点でのウェルドWの位置が好ましい位置に配置できるのであれば、ウェルドWの位置と目印3の周方向位置は、一致している必要はなく、硬鋼線21の中心周りに所定の角度(例えば90度、180度)ずれた位置であってもよい。例えば、コイリング工程における監視装置Mで監視しやすくなるように、ウェルドWの位置と目印3の周方向の位置関係を決定してもよい。
また、上記実施形態の電気掃除機用ホースAの製造方法の説明では、所定断面形状を有する樹脂条帯T1がらせん状に捲回されてホース壁1が形成され、らせん状補強体2に一体化される例を示したが、ホース壁の形成工程はこれに限定されず、他の公知の製造方法によりホース壁を形成してもよい。例えば、らせん状補強体2の外側を覆うように、半溶融状態の軟質樹脂をチューブ状に押出成形してホース壁を形成し、らせん状補強体2に一体化してもよい。
また、コイリング装置の具体的構成とホース壁の形成方法の組み合わせは特に限定されない。例えば、コイリング工程ではシャフト(芯金)に樹脂被覆硬鋼線をらせん状に巻きつけてらせん状補強体を形成すると共に、当該らせん状補強体とシャフトを覆うように、半溶融状態の軟質樹脂をチューブ状に押出成形してホース壁を形成し、らせん状補強体とホース壁を一体化してホースを製造するようにしてもよい。
図8には、第2実施形態の電気掃除機用ホースA2のホース壁部分の拡大断面図を示す。第2実施形態の電気掃除機用ホースA2では、ホース壁1にらせん状補強体6が一体化され、らせん状補強体6を構成する樹脂被覆硬鋼線には周方向の所定の位置に目印3が設けられており、ホースの中心軸を含む断面で見た際に、目印3が硬鋼線の中心周りに所定の角度に位置する点は、第1実施形態の電気掃除機用ホースAと同様である。
このホースでも、電気掃除機用ホースのらせん状補強体に関連する品質を向上できる。
また、本実施形態の電気掃除機用ホースA2では、樹脂被覆硬鋼線の断面の外周形状が円形であると共に、硬鋼線61が被覆材62の外周形状に対し偏心して配置されている。すなわち、硬鋼線61を覆う合成樹脂製の被覆材62には、厚みが薄い部分と厚みが厚い部分とが周方向に偏在しており、図8では、硬鋼線61の右側で被覆材62が薄くなっている。また、この実施形態では、被覆材62の厚みが最も薄くなる部分の反対側に目印3が設けられている。
この様な実施形態であっても、らせん状補強体6が捲回形成された際に、目印3の位置が所定の位置に来るようにすれば、被覆材62の厚みが最も薄くなる部分が所定の位置に来る。したがって、樹脂被覆硬鋼線の断面の外周形状が円形であるにもかかわらず、コイリング装置のローラー等と強く接触する部分を避けて被覆材62の厚みが最も薄くなる部分を配置することができる。このようにすることで、らせん状補強体6の割れや亀裂の発生を抑制し、ホースの品質を高めることができる。
また、本実施形態の電気掃除機用ホースA2では、樹脂被覆硬鋼線の断面の外周形状が円形であり、硬鋼線61と共に導線63が樹脂被覆62に埋入されている。この場合、導線63と硬鋼線61とは互いに絶縁されていることが好ましい。導線63としては、導電性のある線材が広く使用できる。例えば、導線63は、銅線やアルミニウム線、銀線などの金属線であってもよく、金属テープであってもよい。あるいは導線63は、導電性の樹脂により形成された線材やテープであってもよい。また、導線63の形態は、モノフィラメントの導線であってもよく、複数の金属線等を集合させたマルチフィラメントの導線であってもよい。導線63が、複数の金属線がよりあわされたより線、もしくは、複数の金属線が編まれた編み線であることが好ましい。
樹脂被覆硬鋼線の樹脂被覆62に、硬鋼線61と共に導線63が埋入される場合には、目印3を導線63に対応付けて設けてもよい。例えば、本実施形態では、導線63が埋入されている位置に近接して、目印3が設けられている。導線が複数本設けられる場合には、特定の導線に合致する位置に目印を設けることが好ましい。
導線63が被覆材62に埋入される実施形態においては、らせん状補強体6が捲回形成された際に、目印3の位置が所定の位置に来るようにすれば、らせん状補強体6において、導線63が硬鋼線61に対し所定の位置に来るようにできる。したがって、樹脂被覆硬鋼線の断面の外周形状が円形であるにもかかわらず、らせん状補強体の所定の位置に導線63を配することができる。このようにすることで、導線63をらせん状補強体6から取り出したり、らせん状補強体6に埋入された導線63を電気的に接続したりする作業が簡単かつ確実なものとなり、ホースの品質を高めることができる。
また、目印3が対応して付されるべき、樹脂被覆硬鋼線の内部構造は、上記実施形態において説明したような、ウェルドWや樹脂層の肉厚や、導線63に限定されない。例えば、樹脂被覆鋼線の被覆材が、異なる材料によって周方向に分割形成されている場合にも、上記実施形態のように、目印を利用して、異なる材料のうち特定の材料が特定の方向を向くようにらせん状補強体を構成できる。例えば、図3の第1実施形態の電気掃除機用ホースにおいて、樹脂被覆硬鋼線の被覆材22が、周方向の半分が耐摩耗性に富む材料で形成され、周方向の残り半分が接着性に富む材料で形成される場合に、こうした材料の違いに対応させて目印を設けておき、目印を用いて樹脂被覆硬鋼線の姿勢を制御しながららせん状補強体に捲回形成して、耐摩耗性に富む材料の側がホース内周面に露出するようにし、接着性に富む材料の側がホース壁1と接着されるようにでき、ホースの品質が高められる。
なお、樹脂被覆硬鋼線の被覆材22が、周方向に異なる材料によって分割形成されていて、樹脂の色が異なるなどその境界が明瞭に目視可能な場合には、その境界を目印として扱えば、らせん状補強体が形成される姿勢を適切に管理できる。
また、上記実施形態の説明では、電気掃除機として家庭用電気掃除機の一例を示したが、電気掃除機の種類は特に限定されない。上記実施形態の電気掃除機用ホースは、例えば、アップライト型の電気掃除機や、セントラル配管方式の電気掃除機などにも使用することができる。
電気掃除機用ホースは可撓性を有しており電気掃除機に使用でき、産業上の利用価値が高い。
A 電気掃除機用ホース
1 ホース壁
2 らせん状補強体
20 樹脂被覆硬鋼線
21 硬鋼線
22 被覆材
10 電気掃除機本体
12 手元操作部
13 延長管
14 床用ノズル

Claims (2)

  1. 合成樹脂製のホース壁に、樹脂被覆硬鋼線をらせん状に捲回したらせん状補強体が一体化された電気掃除機用ホースであって、
    樹脂被覆硬鋼線の樹脂被覆にはウェルドが存在し、
    前記樹脂被覆硬鋼線の外周面には、樹脂被覆鋼線の断面において、樹脂被覆のウェルドに対し所定の角度をなすように、周方向の所定の位置に硬鋼線の長さ方向に沿って目印が付けられており、
    ホースの中心軸を含む断面で見た際に、前記目印が硬鋼線の中心周りに所定の角度に位置するように、ホースの全長にわたってらせん状補強体がホース壁に一体化されており、
    樹脂被覆鋼線の断面において、硬鋼線の中心周りに、ホース半径方向外側を時計の12時方向、ホース半径方向内側を時計の6時方向として、時計の3時の方向もしくは9時の方向に、前記ウェルドが位置している、
    電気掃除機用ホース。
  2. らせん状補強体とホース壁を備える電気掃除機用ホースの製造方法であって、
    合成樹脂を硬鋼線と一緒に押出成形して樹脂被覆硬鋼線を製造しながら、樹脂被覆鋼線の断面において、樹脂被覆に生じたウェルドに対し所定の角度をなすように、樹脂被覆の外周の周方向の所定の位置に目印を付ける第1工程と、
    第1工程に引き続き行われる、コイリング装置により樹脂被覆硬鋼線をらせん状に捲回形成する工程であって、当該工程では、らせんの中心軸を含む断面で見た際に、前記目印が硬鋼線の中心周りに所定の角度に位置し、前記ウェルドがコイリング装置のコイリング部に接触しないようにコイリングを行ってらせん状補強体が形成される第2工程と、
    第2工程に引き続き、合成樹脂により円筒状のホース壁を形成し、らせん状補強体をホース壁に一体化する第3工程と
    を備える、電気掃除機用ホースの製造方法。
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