JPWO2005075555A1 - 熱可塑性エラストマー組成物、成形品、及び低硬度シール材 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物、成形品、及び低硬度シール材 Download PDF

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Abstract

〔A〕デカリン溶媒中135℃で測定した極限粘度が3.5dl/g以上のエチレン・α−オレフィン系共重合体5〜60質量%、〔B〕ポリオレフィン系樹脂1〜20質量%及び〔C〕鉱物油系軟化剤30〜94質量%(但し、〔A〕、〔B〕及び〔C〕の合計は100質量%である。)の合計100質量部に対し、〔D〕水添ジエン系重合体0.1〜50質量部を含有し、少なくとも前記〔A〕エチレン・α−オレフィン系共重合体及び前記〔B〕ポリオレフィン系樹脂が、架橋剤の存在下で動的に熱処理されてなる熱可塑性エラストマー組成物、あるいはこの熱可塑性エラストマー組成物のうち、〔A〕成分を〔A1〕デカリン溶媒中135℃で測定した極限粘度が3.5dl/g以上のエチレン・α−オレフィン系共重合体20〜80質量%及び〔C1〕鉱物油系軟化剤20〜80質量%(但し、〔A1〕及び〔C1〕の合計は100質量%である。)からなる油展ゴムに置換した熱可塑性エラストマー組成物である。成形加工性に優れ、硬度が低く、鉱物油等の軟化剤がブリードアウトすることなく柔軟性があり、ゴム弾性(反発弾性、圧縮永久歪み)に優れ、リサイクル性を有する。

Description

本発明は、熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた成形品、低硬度のシール材に関し、更に詳しくは、成形加工性に優れ、硬度が低く、柔軟性があり、ゴム弾性(反発弾性、圧縮永久歪み)に優れ、鉱物油系軟化剤のブリードアウトがない熱可塑エラストマー組成物及び成形品、更に熱可塑エラストマー組成物を用いた低硬度のシール材に関する。
事務機器用、自動車用、建材用等のシール材等に用いられるシール類は非常に柔らかく、加硫ゴムや加硫発泡ゴム、発泡ポリウレタン、あるいは柔軟性材料として有用な熱可塑性エラストマー組成物からの改良検討が試みられている(特許文献1〜3を参照)。熱可塑性エラストマー組成物としては特許文献1等に開示されているが、この文献の組成物では、柔軟性が十分ではなく、更に鉱物油等の軟化剤等を添加すると、成形品から軟化剤がブリードアウトする、ゴム弾性が低下する等といった問題があった。
また、加硫ゴムや加硫発泡ゴム、発泡ポリウレタンは柔軟性、シール性などの特性は満たすものの、近年資源的な観点から要請の高いリサイクル性を満足しないという問題がある。
特開2002−201313号公報 特開2002−251061号公報 特開平7−234579号公報
本発明は、成形加工性に優れ、硬度が低く、鉱物油等の軟化剤がブリードアウトすることなく柔軟性があり、ゴム弾性(反発弾性、圧縮永久歪み)に優れた熱可塑エラストマー組成物とその成形品及び低硬度のシール材を提供することを目的とする。
本発明によれば、以下に示す熱可塑エラストマー組成物とその成形品及び低硬度のシール材が提供される。
(1)〔A〕デカリン溶媒中135℃で測定した極限粘度が3.5dl/g以上のエチレン・α−オレフィン系共重合体5〜60質量%、
〔B〕ポリオレフィン系樹脂1〜20質量%及び
〔C〕鉱物油系軟化剤30〜94質量%(但し、〔A〕、〔B〕及び〔C〕の合計は100質量%である。)の合計100質量部に対し、
〔D〕水添ジエン系重合体0.1〜50質量部を含有し、
少なくとも前記〔A〕エチレン・α−オレフィン系共重合体及び前記〔B〕ポリオレフィン系樹脂が、架橋剤の存在下で動的に熱処理されてなる、
熱可塑性エラストマー組成物。
(2)〔X〕〔A1〕デカリン溶媒中135℃で測定した極限粘度が3.5dl/g以上のエチレン・α−オレフィン系共重合体20〜80質量%及び〔C1〕鉱物油系軟化剤20〜80質量%(但し、〔A1〕及び〔C1〕の合計は100質量%である。)からなる油展ゴム5〜60質量%、
〔B1〕ポリオレフィン系樹脂1〜20質量%及び
〔C2〕鉱物油系軟化剤30〜94質量%(但し、〔X〕、〔B1〕及び〔C2〕の合計は100質量%である。)の合計100質量部に対し、
〔D1〕水添ジエン系重合体0.1〜50質量部を含有し、
少なくとも前記〔A1〕エチレン・α−オレフィン系共重合体及び前記〔B1〕ポリオレフィン系樹脂が、架橋剤の存在下で動的に熱処理されてなる、
熱可塑性エラストマー組成物。
(3)上記水添ジエン系重合体〔D〕は、共役ジエン化合物からなる単量体単位を含む重合体の水素添加物、並びに、共役ジエン化合物からなる単量体単位及びビニル芳香族化合物からなる単量体単位を含む重合体の水素添加物から選ばれる少なくとも1種である上記(1)又は(2)に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
(4)JIS K6253によるデュロメーターE硬度が80以下である上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
(5)上記エチレン・α−オレフィン系共重合体〔A〕及び〔A1〕を構成するエチレン単量体単位の含有量は、エチレン単量体単位及びα−オレフィン化合物からなる単量体単位を含む全単量体単位の合計を100モル%とした場合に、35〜95モル%である上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
(6)上記鉱物油系軟化剤〔C〕、〔C1〕及び〔C2〕は、パラフィン系鉱物油である上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
(7)上記架橋剤は、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド及びジ−t−ブチルパーオキサイドから選ばれる有機過酸化物である上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
(8)本熱可塑性エラストマー組成物中のエチレン・α−オレフィン系共重合体の23℃におけるシクロヘキサン不溶分が60質量%以上である上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
(9).上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる成形品。
(10)上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物を用いてなる低硬度シール材。
(11)JIS K6253に準拠したデュロA硬度が40以下である上記(10)に記載の低硬度シール材。
(12)O−リング状、シート状及び棒状から選ばれるいずれか一の形状に形成される上記(10)又は(11)に記載の低硬度シール材。
(13)上記(10)乃至(12)のいずれかに記載の低硬度シール材を構成部品とする容器。
(14)上記(10)乃至(12)のいずれかに記載の低硬度シール材からなるシール部と筐体部とから構成される複合体が射出成形にて成形されてなる容器。
(15)前記筐体部が熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマー組成物からなり、リサイクル可能である上記(14)に記載の容器。
(16)上記(10)乃至(12)のいずれかに記載の低硬度シール材を構成部品とするトナーケース。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、〔A〕デカリン溶媒中135℃で測定した極限粘度が3.5dl/g以上のエチレン・α−オレフィン系共重合体5〜60質量%、〔B〕ポリオレフィン系樹脂1〜20質量%及び〔C〕鉱物油系軟化剤30〜94質量%(但し、〔A〕、〔B〕及び〔C〕の合計は100質量%である。)の合計100質量部に対し、〔D〕水添ジエン系重合体0.1〜50質量部を含有し、少なくとも前記〔A〕エチレン・α−オレフィン系共重合体及び前記〔B〕ポリオレフィン系樹脂が、架橋剤の存在下で動的に熱処理されてなることにより、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、真空成形、積層成形、カレンダー成形等による成形加工性に優れ、硬度が低く、鉱物油系軟化剤がブリードアウトすることなく柔軟性があり、ゴム弾性(反発弾性、圧縮永久歪み)に優れる。
また、他の本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、〔X〕〔A1〕デカリン溶媒中135℃で測定した極限粘度が3.5dl/g以上のエチレン・α−オレフィン系共重合体20〜80質量%及び〔C1〕鉱物油系軟化剤20〜80質量%(但し、〔A1〕及び〔C1〕の合計は100質量%である。)からなる油展ゴム5〜60質量%、〔B1〕ポリオレフィン系樹脂1〜20質量%及び〔C2〕鉱物油系軟化剤30〜94質量%(但し、〔X〕、〔B1〕及び〔C2〕の合計は100質量%である。)の合計100質量部に対し、〔D1〕水添ジエン系重合体0.1〜50質量部を含有し、少なくとも前記〔A1〕エチレン・α−オレフィン系共重合体及び前記〔B1〕ポリオレフィン系樹脂が、架橋剤の存在下で動的に熱処理されてなることにより、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、真空成形、積層成形、カレンダー成形等による成形加工性に優れ、硬度が低く、鉱物油系軟化剤がブリードアウトすることなく柔軟性があり、ゴム弾性(反発弾性、圧縮永久歪み)に優れる。
上記水添ジエン系重合体〔D〕が、共役ジエン化合物からなる単量体単位を含む重合本の水素添加物、並びに、共役ジエン化合物からなる単量体単位及びビニル芳香族化合物からなる単量体単位を含む重合体の水素添加物から選ばれる少なくとも1種である場合には、JIS K6253で規定されるデュロメーターE硬度を80以下とすることができ、柔らかい組成物とすることができる。
また、本熱可塑性エラストマー組成物中のエチレン・α−オレフィン系共重合体の23℃におけるシクロヘキサン不溶分が60質量%以上である場合には、ゴム弾性及び機械的強度に優れる。
また、本発明の成形品は、硬度が低く、鉱物油系軟化剤がブリードアウトすることなく柔軟性があり、ゴム弾性(反発弾性、圧縮永久歪み)に優れる。さらに、本発明のシール材は、熱可塑性エラストマー組成物により構成されているため、リサイクルが可能になり、省資源的に極めて優れるものである。
また、この低硬度シール材を構成部品として用いる容器は、このシール材からなるシール部と筐体部とを射出成形により短時間で一体成形することができ、作業性が省力化された、リサイクル性に優れた容器を提供することができる。
[図1]本発明の低硬度シール材を構成部品とするシール部付き容器を示す写真である。
[図2]図1のシール部付き容器をシール部と筐体部に分離した状態を示す写真である。
[図3]水漏れ落下試験を示す説明図である。
符号の説明
1…シール部、2…筐体部、10…容器、11…蓋、12…ダブルクリップ、13…ダンボール紙、14…パッキン、15…水。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の第1の態様の熱可塑性エラストマー組成物は、〔A〕デカリン溶媒中135℃で測定した極限粘度が3.5dl/g以上のエチレン・α−オレフィン系共重合体5〜60質量%、〔B〕ポリオレフィン系樹脂1〜20質量%及び〔C〕鉱物油系軟化剤30〜94質量%(但し、〔A〕、〔B〕及び〔C〕の合計は100質量%である。)の合計100質量部に対し、〔D〕水添ジエン系重合体0.1〜50質量部を含有し、少なくとも前記〔A〕エチレン・α−オレフィン系共重合体及び前記〔B〕ポリオレフィン系樹脂が、架橋剤の存在下で動的に熱処理されてなるものである。
また、本発明の第2の態様の熱可塑性エラストマー組成物は、〔X〕〔A1〕デカリン溶媒中135℃で測定した極限粘度が3.5dl/g以上のエチレン・α−オレフィン系共重合体20〜80質量%及び〔C1〕鉱物油系軟化剤20〜80質量%(但し、〔A1〕及び〔C1〕の合計は100質量%である。)からなる油展ゴム5〜60質量%、〔B1〕ポリオレフィン系樹脂1〜20質量%及び〔C2〕鉱物油系軟化剤30〜94質量%(但し、〔X〕、〔B1〕及び〔C2〕の合計は100質量%である。)の合計100質量部に対し、〔D1〕水添ジエン系重合体0.1〜50質量部を含有し、少なくとも前記〔A1〕エチレン・α−オレフィン系共重合体及び前記〔B1〕ポリオレフィン系樹脂が、架橋剤の存在下で動的に熱処理されてなるものである。
以下、各構成要素について、更に具体的に説明する。
1.エチレン・α−オレフィン系共重合体(〔A〕及び〔A1〕)
このエチレン・α−オレフィン系共重合体(以下、単に「EAO系共重合体」ともいう。)は、エチレン単量体単位(a1)と、エチレンを除く炭素数が3以上のα−オレフィンからなる単量体単位(a2)とを含む共重合体である。
上記エチレン単量体単位(a1)の構成量は、EAO共重合体を構成する単量体単位の全量を100モル%とした場合、好ましくは35〜95モル%、より好ましくは40〜90モル%、特に好ましくは45〜85モル%である。エチレン単量体単位(a1)の構成量が多すぎると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性が十分でなくなる傾向にあり、一方、少なすぎると、機械的強度が十分でない場合がある。
上記単量体単位(a2)を形成することとなるα−オレフィンとしては、炭素数が3以上であるものが好ましく、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチルブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、炭素数が3〜10のものが更に好ましく、このようなα−オレフィンを用いることにより、上記EAO共重合体に他の単量体単位を含む場合に他の単量体を共重合させやすくすることができる。尚、特に好ましいα−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンであり、プロピレン及び1−ブテンがより好ましい。
上記単量体単位(a2)の含有量は、EAO共重合体を構成する単量体単位の全量を100モル%とした場合、好ましくは5〜65モル%、より好ましくは10〜45モル%、特に好ましくは15〜40モル%である。単量体単位(a2)の構成量が少なすぎると、得られる熱可塑性エラストマー組成物が所望のゴム弾性を示さない場合がある。一方、多すぎると、得られる組成物の耐久性が低下する場合がある。
上記EAO共重合体は、上記単量体単位(a1)及び(a2)から構成される二元共重合体であってもよいし、これらの単量体単位(a1)及び(a2)と、更に他の単量体単位(a3)とから構成される重合体(三元共重合体、四元共重合体等)であってもよい。この他の単量体単位としては、非共役ジエン化合物からなる単量体単位等が挙げられる。
非共役ジエン化合物としては、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘキサジエン等の直鎖の非環状ジエン化合物、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、5,7−ジメチルオクタ−1,6−ジエン、3,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、7−メチルオクタ−1,6−ジエン、ジヒドロミルセン等の分岐連鎖の非環状ジエン化合物、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2,5−ジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン等の脂環式ジエン化合物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等が好ましい。
上記単量体単位(a3)を含有するEAO共重合体を用いる場合には、上記単量体単位(a3)の構成量は、EAO共重合体を構成する単量体単位の全量を100モル%とした場合、好ましくは10モル%以下、より好ましくは1〜8モル%である。上記単量体単位(a3)の構成量が多すぎると、得られる組成物の耐久性が低下する場合がある。
上記EAO系共重合体の極限粘度(デカリン溶媒中、135℃で測定)は、3.5dl/g以上であり、好ましくは3.8dl/g以上、より好ましくは4.0〜7.0dl/gである。この極限粘度が3.5dl/g未満であると、得られる熱可塑性エラストマー組成物から鉱物油系軟化剤がブリードアウトしたり、ゴム弾性が低下する場合がある。
上記EAO系共重合体としては、分子中の水素原子の一部が塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子に置換されたハロゲン化共重合体を用いることができる。
また、これらの共重合体の存在下に、塩化ビニル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸の誘導体〔(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリルアミド等〕、マレイン酸、マレイン酸の誘導体(無水マレイン酸、マレイミド、マレイン酸ジメチル等)、共役ジエン化合物(ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等)等の不飽和モノマーを重合して得られるグラフト重合体を用いることもできる。
上記EAO系共重合体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の第1の態様の熱可塑性エラストマー組成物に含有されるEAO系共重合体〔A〕の含有量は、このEAO系共重合体〔A〕と、ポリオレフィン系樹脂〔B〕と、鉱物油系軟化剤〔C〕との合計を100質量%とした場合、5〜60質量%であり、好ましくは10〜58質量%、より好ましくは15〜55質量%である。上記EAO系共重合体〔A〕の含有量が多すぎると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性が十分でなくなる場合があり、一方、少なすぎると、鉱物油系軟化剤〔C〕がブリードアウトする場合がある。
本発明の第2の態様の熱可塑性エラストマー組成物とするための油展ゴム〔X〕を構成するエチレン・α−オレフィン系共重合体〔A1〕は、上記説明したものをそのまま用いることができる。この油展ゴム〔X〕を構成するEAO系共重合体〔A1〕及び鉱物油系軟化剤〔C1〕の割合は、これらの合計を100質量%とした場合、それぞれ20〜80質量%及び20〜80質量%であり、好ましくは25〜75質量%及び25〜75質量%、より好ましくは30〜70質量%及び30〜70質量%である。
本発明の第2の態様の熱可塑性エラストマー組成物に含有される油展ゴム〔X〕の含有量は、この油展ゴム〔X〕と、ポリオレフィン系樹脂〔B〕と、鉱物油系軟化剤〔C2〕との合計を100質量%とした場合、5〜60質量%であり、好ましくは10〜58質量%、より好ましくは15〜55質量%である。上記油展ゴム〔X〕の含有量が多すぎると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性が十分でなくなる場合があり、一方、少なすぎると、鉱物油系軟化剤〔C1〕及び/又は〔C2〕がブリードアウトする場合がある。
上記EAO系共重合体(〔A〕又は〔A1〕)は、例えば、チーグラー・ナッタ触媒と、可溶性バナジウム化合物と、有機アルミニウム化合物とを含む溶媒からなる触媒の存在下で、エチレン、α−オレフィン及び非共役ジエンを、必要に応じて分子量調節剤として水素を供給しつつ重合する方法等の、中・低圧法による重合方法により得ることができる。また、その重合は気相法(流動床又は攪拌床)、液相法(スラリー法又は溶液法)によって行うことができる。
上記可溶性バナジウム化合物としては、例えば、VOCl及びVClの少なくとも一方とアルコールとの反応生成物を用いることが好ましい。アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール及びn−ドデカノール等を用いることができるが、これらのうち、炭素数3〜8のアルコールが好ましく用いられる。
また、上記有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジクロリド、トリメチルアルミニウムと水との反応生成物であるメチルアルミノキサン等が挙げられる。これらのうち、特にエチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリドとトリイソブチルアルミニウムとの混合物、トリイソブチルアルミニウムとブチルアルミニウムセスキクロリドとの混合物が好ましく用いられる。更に、上記溶媒としては、炭化水素が好ましく用いられ、これらのうち、特にn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサンが好ましく用いられる。これらは1種単独であるいは2種以上を併用することができる。
なお、非油展のエチレン・α−オレフィン系共重合体〔A〕および油展ゴム〔X〕である油展エチレン・α−オレフィン系共重合体の形態としては、ベール、クラム、ペレット、粉体(ベール粉砕品を含む)のいずれの形態であってもよい。また、非油展エチレン・α−オレフィン系共重合体〔A〕と油展エチレン・α−オレフィン系共重合体〔X〕とを併用してもよい。
2.ポリオレフィン系樹脂(〔B〕及び〔B1〕)
上記ポリオレフィン系樹脂としては、1種以上のα−オレフィンからなる単量体単位の合計が、50モル%を超えて含まれるものであれば、単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。共重合体の場合は、α−オレフィン同士の共重合体であってもよいし、α−オレフィンと、このα−オレフィンと共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。また、このポリオレフィン系樹脂は、結晶性樹脂及び/又は非結晶性樹脂を用いることができる。
上記ポリオレフィン系樹脂として、結晶性ポリオレフィン系樹脂(B−a)を用いる場合、この結晶性は、X線回折による結晶化度で50%以上であり、好ましくは53%以上、より好ましくは55%以上である。また、この結晶化度は、密度と密接に関係しており、例えば、ポリプロピレンの場合、α型結晶(単斜晶形)の密度は0.936g/cm、スメチカ型微結晶(擬六方晶形)の密度は0.886g/cm、非晶質(アタクチック)成分の密度は0.850g/cmである。また、ポリ−1−ブテンの場合、アイソタクチック結晶成分の密度は0.91g/cm.非晶質(アタクチック)成分の密度は0.87g/cmである。
従って、上記結晶性ポリオレフィン系樹脂(B−a)の密度は、好ましくは0.89g/cm以上、より好ましくは0.90〜0.94g/cmであり、この範囲とすることにより結晶化度を50%以上とすることができる。尚、上記結晶性ポリオレフィン系樹脂(B−a)の結晶化度が50%未満であり且つ密度が0.89g/cm未満であると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の耐熱性、強度等が低下する傾向にある。
上記結晶性ポリオレフィン系樹脂(B−a)を形成することとなる好ましいα−オレフィンは、炭素数が2以上のものであり、より好ましくは炭素数が2〜12のものである。これらのうち、プロピレン及び1−ブテンが好ましい。
上記結晶性ポリオレフィン系樹脂(B−a)を構成するα−オレフィンからなる単量体単位(b1)の含有量は、この結晶性ポリオレフィン系樹脂(B−a)を構成する単量体単位の全量を100モル%とした場合、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90〜100モル%である。
上記結晶性ポリオレフィン系樹脂(B−a)が共重合体である場合、この共重合体は、ブロック共重合体及びランダム共重合体のいずれであってもよい。但し、上記の結晶化度のブロック共重合体とするためには、α−オレフィンからなる単量体単位(b1)を除く構成単位の合計量は、ブロック共重合体を構成する単量体単位の全量を100モル%とした場合、好ましくは40モル%以下であり、より好ましくは20モル%以下である。上記ブロック共重合体は、チーグラー・ナッタ触媒を用いるリビング重合により得ることができる。
また、上記の結晶化度のランダム共重合体とするためには、α−オレフィンからなる単量体単位(b1)を除く構成単位の合計量は、ランダム共重合体を構成する単量体単位の全量を100モル%とした場合、好ましくは15モル%以下であり、より好ましくは10モル%以下である。
上記ランダム共重合体は、例えば、チーグラー・ナッタ触媒と、可溶性バナジウム化合物と、有機アルミニウム化合物と、溶媒とを含む触媒成分の存在下で、α−オレフィン等を重合することにより得ることができる。重合方法としては、中・低圧法等が挙げられ、気相法(流動床又は攪拌床)、液相法(スラリー法又は溶液法)等で行うことができる。尚、重合時には、必要に応じて、水素ガス等の分子量調節剤を用いてもよい。
上記可溶性バナジウム化合物としては、VOCl及び/又はVClと、アルコールとの反応生成物を用いることが好ましい。アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、n−ドデカノール等が挙げられる。これらのうち、炭素数3〜8のアルコールが好ましい。
また、上記有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジクロリド、トリメチルアルミニウムと水との反応生成物であるメチルアルミノキサン等が挙げられる。これらのうち、エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリドとトリイソブチルアルミニウムとの混合物、トリイソブチルアルミニウムとブチルアルミニウムセスキクロリドとの混合物が好ましい。
更に、上記溶媒としては、炭化水素が好ましく、特に、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサンが好ましい。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記結晶性ポリオレフィン系樹脂(B−a)の融点、即ち、示差走査熱量測定法による最大ピーク温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上である。この融点が100℃未満では、十分な耐熱性及び強度が発揮されない傾向にある。
また、上記結晶性ポリオレフィン系樹脂(B−a)のメルトフローレート(温度230℃、荷重2.16kg)(以下、単に「MFR」という)は、好ましくは0.1〜1,000g/10分、より好ましくは0.5〜500g/10分、更に好ましくは1〜100g/10分である。このMFRが0.1g/10分未満では、原料組成物の混練加工性、押出加工性等が不十分となる傾向にある。一方、1,000g/10分を超えると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の強度が低下する傾向にある。
従って、上記結晶性ポリオレフィン系樹脂(B−a)としては、結晶化度が50%以上、密度が0.89g/cm以上、エチレン単量体単位の含有量が20モル%以下、融点が100℃以上、且つ、MFRが0.1〜100g/10分であるものが好ましく、特に、融点が140〜170℃であるポリプロピレン及び/又はプロピレンとエチレンとの共重合体を用いることが特に好ましい。
上記結晶性ポリオレフィン系樹脂(B−a)は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ポリオレフィン系樹脂として、非結晶性ポリオレフィン系樹脂(B−b)(以下、「非晶質ポリオレフィン系樹脂(B−b)」ともいう。)を用いる場合、この結晶性は、X線回折による結晶化度で50%未満であり、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下である。また、密度から見た場合、上記非晶質ポリオレフィン系樹脂(B2)の密度は、好ましくは0.85〜0.89g/cm、より好ましくは0.85〜0.88g/cmである。
上記非晶質ポリオレフィン系樹脂(B−b)を形成することとなる好ましいα−オレフィンは、炭素数が3以上のものであり、より好ましくは3〜12のものである。
上記非晶質ポリオレフィン系樹脂(B−b)を構成するα−オレフィンからなる単量体単位(b2)の含有量は、この非晶質ポリオレフィン系樹脂(B−b)を構成する単量体単位の全量を100モル%とした場合、好ましくは60モル%以上である。
上記非晶質ポリオレフィン系樹脂(B−b)としては、アタクチックポリプロピレン、アタクチックポリ1−ブテン等の単独重合体、50モル%を超えるプロピレンと、他のα−オレフィン(エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等)とからなる共重合体、50モル%を超える1−ブテンと、他のα−オレフィン(エチレン、プロピレン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等)とからなる共重合体等が挙げられる。
アタクチックポリプロピレン及びアタクチックポリ−1−ブテンは、ジルコノセン化合物−メチルアルミノキサン触媒を用いる重合によって得ることができる。
また、上記アタクチックポリプロピレンは、前記結晶性ポリオレフィン系重合体(B−a)として例示したポリプロピレンの副生成物として得ることができる。
上記非晶質ポリオレフィン系樹脂(B−b)が共重合体である場合、この共重合体は、ブロック共重合体及びランダム共重合体のいずれであってもよい。但し、ブロック共重合体の場合、50モル%を超えて構成されるα−オレフィンからなる単量体単位(b2)は、アタクチック構造で結合している必要がある。このブロック共重合体は、チーグラー・ナッタ触媒を用いるリビング重合により得ることができる。また、ランダム共重合体は、上記結晶性ポリオレフィン系重合体(B−a)と同様の方法により得ることができる。
尚、上記非晶質ポリオレフィン系樹脂(B−b)が、炭素数が3以上であるα−オレフィンとエチレンとの共重合体である場合、この非晶質ポリオレフィン系樹脂(B−b)を構成する単量体単位の全量を100モル%とした場合、上記α−オレフィンからなる単量体単位(b2)の含有量は、好ましくは60〜100モル%である。
上記非晶質ポリオレフィン系樹脂(B−b)としては、アタクチックポリプロピレン、50モル%を超えるプロピレン単量体単位とエチレン単量体単位とを含む共重合体、プロピレンと1−ブテンとの共重合体が特に好ましい。
上記非晶質ポリオレフィン系樹脂(B−b)のGPCによるポリスチレン換算の数平均分子量Mnは、好ましくは1,000〜20,000、より好ましくは1,500〜15,000である。
上記非晶質ポリオレフィン系樹脂(B−b)は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ポリオレフィン系樹脂は、上記結晶性ポリオレフィン系樹脂(B−a)及び非晶質ポリオレフィン系樹脂(B−b)をそれぞれ単独で用いてもよいし、目的、用途等に応じて組み合わせて用いてもよい。
本発明の第1の態様の熱可塑性エラストマー組成物に含有されるポリオレフィン系樹脂〔B〕の含有量は、EAO系共重合体〔A〕と、ポリオレフィン系樹脂〔B〕と、鉱物油系軟化剤〔C〕との合計を100質量%とした場合、1〜20質量%であり、好ましくは3〜18質量%、より好ましくは5〜15質量%である。上記ポリオレフィン系樹脂〔B〕の含有量が多すぎると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性が十分でなくなる傾向にあり、一方、少なすぎると、混練加工性が低下する傾向がある。
また、本発明の第2の態様の熱可塑性エラストマー組成物に含有されるポリオレフィン系樹脂〔B1〕の含有量は、油展ゴム〔X〕と、ポリオレフィン系樹脂〔B1〕と、鉱物油系軟化剤〔C2〕との合計を100質量%とした場合、1〜20質量%であり、好ましくは3〜18質量%、より好ましくは5〜15質量%である。上記ポリオレフィン系樹脂〔B1〕の含有量が多すぎると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性が十分でなくなる傾向にあり、一方、少なすぎると、混練加工性が低下する傾向がある。
3.鉱物油系軟化剤(〔C〕、〔C1〕及び〔C2〕)
この鉱物油系軟化剤は、従来よりゴム製品等に用いられているものであれば特に限定されず、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系の鉱物油が挙げられる。
尚、鉱物油系炭化水素からなるゴ厶用軟化剤は、一般に、芳香族環、ナフテン環、及びパラフィン鎖の三者の混合物である。パラフィン鎖の炭素数が全炭素数中の50%以上を占めるものがパラフィン系鉱物油、ナフテン環の炭素数が全炭素数中の30〜45%のものがナフテン系鉱物油、芳香族環の炭素数が全炭素数中の30%以上のものが芳香族系鉱物油と、それぞれ分類されている。
上記パラフィン系、ナフテン系、芳香族系の鉱物油は、これらを組み合わせてもちいることができ、更には、それぞれを1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、〔C〕、〔C1〕及び〔C2〕のいずれにおいても、パラフィン系鉱物油が好ましく、特に水添パラフィン系鉱物油が好ましい。パラフィン系鉱物油としては、例えば、出光興産社製「ダイアナプロセスオイルPW90」、「ダイアナプロセスオイルPW380」等が挙げられる。
上記鉱物油系軟化剤のGPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは、好ましくは300〜2,000、より好ましくは500〜1,500である。また、40℃における動粘度は、好ましくは20〜800cSt、より好ましくは50〜600cStである。更に、流動点は、好ましくは−40〜0℃、より好ましくは−30〜0℃である。
上記鉱物油系軟化剤は、ポリブテン系、ポリブタジエン系等の低分子量の炭化水素等と併用することができる。
本発明の第1の態様の熱可塑性エラストマー組成物に含有される鉱物油系軟化剤〔C〕の含有量は、EAO系共重合体〔A〕と、ポリオレフィン系樹脂〔B〕と、鉱物油系軟化剤〔C〕との合計を100質量%とした場合、30〜94質量%であり、好ましくは32〜87質量%、より好ましくは35〜80質量%である。上記鉱物油系軟化剤〔C〕の含有量が多すぎると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の強度が十分でなくなる傾向にあり、また、鉱物油系軟化剤〔C〕がブリードアウトする場合がある。一方、少なすぎると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性が十分でなくなる傾向にある。
また、本発明の第2の態様の熱可塑性エラストマー組成物に含有される鉱物油系軟化剤〔C2〕は、油展ゴム〔X〕を構成する鉱物油系軟化剤〔C1〕と同じものであってもよいし、異なる種類のものであってもよい。この鉱物油系軟化剤〔C2〕の含有量は、油展ゴム〔X〕と、ポリオレフィン系樹脂〔B〕と、鉱物油系軟化剤〔C2〕との合計を100質量%とした場合、30〜94質量%であり、好ましくは32〜87質量%、より好ましくは35〜80質量%である。上記鉱物油系軟化剤〔C2〕の含有量が多すぎると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の強度が十分でなくなる傾向にあり、また、鉱物油系軟化剤〔C2〕がブリードアウトする場合がある。一方、少なすぎると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性が十分でなくなる傾向にある。
尚、本発明の第2の態様の熱可塑性エラストマー組成物に含有される鉱物油系軟化剤の全量は、第1の態様の熱可塑性エラストマー組成物に含有される鉱物油系軟化剤の全量に比べて少ない。第2の態様では、油展ゴム〔X〕中に、既に鉱物油系軟化剤〔C1〕が含有されているからである。
4.水添ジエン系重合体(〔D〕及び〔D1〕)
上記水添ジエン系重合体としては、共役ジエン化合物からなる単量体単位を含むジエン系重合体の水素添加物であれば特に限定されず、(I)共役ジエン化合物からなる単量体単位のみを含む(共)重合体の水素添加物、(II)共役ジエン化合物からなる単量体単位及びこの共役ジエン化合物と重合可能な化合物(例えば、ビニル芳香族化合物等)からなる単量体単位を含む重合体等の水素添加物等が挙げられる。
上記水添ジエン系重合体は、上記(I)、上記(II)等について、それぞれ、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。また、上記(I)及び上記(II)の組み合わせであってもよい。この水添ジエン系重合体は、本熱可塑性エラストマー組成物中において架橋されていてもよいし、架橋されていなくてもよい。
上記(I)としては、水添ブタジエンブロック共重合体等が挙げられる。
また、上記(II)としては、(i)ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックと共役ジエン化合物からなる重合体ブロックとを含むブロック共重合体(例えば、水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体、水添スチレン・イソプレンブロック共重合体、水添スチレン・ブタジエン・イソプレンブロック共重合体等)、(ii)ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックと、共役ジエン化合物及びビニル芳香族化合物からなるランダム共重合体ブロックとを含むブロック共重合体、(iii)共役ジエン化合物からなる重合体ブロックと、共役ジエン化合物及びビニル芳香族化合物からなる共重合体ブロックとを含むブロック共重合体、(iv)共役ジエン化合物からなる重合体ブロックと、ビニル芳香族化合物及び共役ジエン化合物からなり且つビニル芳香族化合物からなる単量体単位が漸増するテーパー状ブロックとを含むブロック共重合体、(v)共役ジエン化合物及びビニル芳香族化合物からなるランダム共重合体ブロックと、ビニル芳香族化合物及び共役ジエン化合物からなり且つビニル芳香族化合物からなる単量体単位が漸増するテーパー状ブロックとを含むブロック共重合体等が挙げられる。
共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましい。
また、ビニル芳香族化合物としては、スチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、スチレンが好ましい。
上記水添ジエン系重合体は、分子中の水素原子の一部が塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子に置換されたハロゲン化水添ジエン系重合体を用いることができる。
また、これらの重合体の存在下に、塩化ビニル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸の誘導体〔(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリルアミド等〕、マレイン酸、マレイン酸の誘導体(無水マレイン酸、マレイミド、マレイン酸ジメチル等)、共役ジエン化合物(ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等)等の不飽和モノマーを重合して得られるグラフト重合体を用いることもできる。
上記水添ジエン系重合体の水素添加率は、好ましくは70%以上であり、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上である。尚、この「水素添加率」とは、水素添加前のジエン系重合体を構成する共役ジエン単位の側鎖もしくは主鎖中のオレフィン性不飽和結合の数に対し、水素添加された側鎖もしくは主鎖中のオレフィン性不飽和結合の数の割合を示す値である。
上記水添ジエン系重合体は、未架橋の重合本を用いてもよいし、架橋された重合体を用いてもよい。また、これらを組み合わせて用いてもよい。尚、架橋された水添ジエン系重合体は、後述する方法等従来より公知の方法により得ることができる。
上記水添ジエン系重合体は、5質量%トルエン溶液とした場合の30℃における溶液粘度は、好ましくは5mPa・s以上であり、より好ましくは10mPa・s以上である。このトルエン溶液粘度は、分子量の代用指標であり、5mPa・s未満では、得られる熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度が低下する傾向にある。
上記水添ジエン系重合体としては、水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体、水添スチレン・ブタジエン・イソプレンブロック共重合体が好ましい。
上記水添ジエン系重合体としては、公知の方法によって容易に製造することができ、例えば、特開平2−36244号公報に開示された方法、即ち、共役ジエン化合物及びビニル芳香族化合物をリビングアニオン重合する方法等で水添前重合体を製造し、その後、この水添前重合体を触媒の存在下で水素添加する方法等によればよい。
リビングアニオン重合に際し、通常、有機リチウム化合物、有機ナトリウム化合物等の開始剤が用いられる。この有機リチウム化合物としては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等のアルキルリチウムが挙げられ、好ましく用いられる。また、重合時に用いる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、2−メチルブテン−1、2−メチルブテン−2等の炭化水素系溶媒が用いられる。尚、リビングアニオン重合の方式は、バッチ式であっても連続式であってもよく、重合温度は、通常、0〜120℃の範囲である。
また、リビングアニオン重合に際しては、エーテル、3級アミン、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)のアルコキシド、フェノキシド、スルホン酸塩等を併用し、その種類、使用量等を適宜選択することによって、得られる水添ブロック共重合体における側鎖にオレフィン性不飽和結合を有する共役ジエン単位の数の全共役ジエン単位の数に対する割合を容易に制御することができる。
更に、リビングアニオン重合の終了直前に、多官能のカップリング剤あるいは架橋剤を添加してカップリング反応あるいは架橋させることによって、重合体の分子量を大きくすることもできる。
カップリング剤としては、ジビニルベンゼン、1,2,4−トリビニルベンゼン、エポキシ化1,2−ポリブタジエン、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、ベンゼン−1,2,4−トリイソシアナート、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジオクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、テレフタル酸ジエチル、炭酸ジエチル、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,4−ビス(トリクロロメチル)ベンゼン、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、テトラクロロシラン、(ジクロロメチル)トリクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラエトキシシラン、テトラクロロスズ、1,3−ジクロロ−2−プロパノン等が挙げられる。これらのうち、ジビニルベンゼン、エポキシ化1,2−ポリブタジエン、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、テトラクロロシランが好ましい。
また、架橋剤としてはジビニルベンゼン、アジピン酸ジエステル、エポキシ化液状ブタジエン、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,2,4−ベンゼントリイソシアネート等が挙げられる。
上記のようにして得られた水添前重合体を、例えば、炭化水素系溶媒中で水添触媒の存在下に水素圧1〜100kg/cm、−10〜150℃の範囲の温度で反応させて、所望の水添ジエン系重合体とすることができる。
水添触媒としては、Ti、V、Co、Ni、Zr、Ru、Rh、Pd、Hf、Re、Pt等の周期表Ib、IVb、Vb、VIb、VIIb及びVIII族元素から選ばれる金属元素を含む化合物が用いられる。この化合物としては、Ti、Zr、Hf、Co、Ni、Pd、Pt、Ru、Rh、Re等の元素を含むメタロセン系化合物、Pd、Ni、Pt、Rh、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等の担体に担持させた担持型不均一系触媒、Ni、Co等の元素の有機塩又はアセチルアセトン塩と、有機アルミニウム等の還元剤とを組み合わせた均一系チーグラー型触媒、Ru、Rh等の有機金属化合物又は錯体、水素を吸蔵させたフラーレン、カーボンナノチューブ等が挙げられる。これらの水添触媒は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、不活性有機溶媒中、均一系で水添反応が可能な、Ti、Zr、Hf、Co及びNiから選ばれる元素を含むメタロセン化合物や、Ti、Zr及びHfから選ばれる元素を含むメタロセン化合物が好ましい。また、安価で工業的に有用な、チタノセン化合物とアルキルリチウムとを反応させて得られる水添触媒も好ましい。
尚、水添後は、必要に応じて触媒の残渣を除去することにより、あるいは、フェノール系又はアミン系の老化防止剤を添加することにより、反応溶液から生成した水添ジエン系重合体を単離する。水添ジエン系重合体の単離は、例えば、反応溶液にアセトン、アルコール等を加えて沈殿させる方法、反応溶液を攪拌下の熱湯中に投入し、その後、溶媒を蒸留除去する方法等により行うことができる。
上記水添ジエン系重合体としては、以下の市販品を用いることができる。例えば、クラレ社製の「セプトン」(水添スチレン・ブタジエン・イソプレンブロック共重合体として好ましいグレードは、4044、4055、4077等であり、水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体としては、8007、8004、8006等である。)、「ハイブラー」等、旭化成社製の「タフテック」(好ましいグレードは、H1052、H1031、H1041、H1051、H1062、H1943、H1913、H1043、H1075、JT−90P等である。)等、JSR社製の「ダイナロン」(水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体として好ましいグレードは、8600、8900等である。)等、クレイトンポリマーズ社製の「クレイトン」(水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体として好ましいグレードは、G1650、G1651、G1652、G1657等である。)等を用いることができる。
本発明の第1の態様の熱可塑性エラストマー組成物に含有される水添ジエン系重合体〔D〕の含有量は、EAO系共重合体〔A〕、ポリオレフィン系樹脂〔B〕及び鉱物油系軟化剤〔C〕の合計を100質量部とした場合、0.1〜50質量部であり、好ましくは0.5〜45質量部、更に好ましくは1〜40質量部である。上記水添ジエン系重合体〔D〕の含有量が多すぎると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の流動性が悪化する場合がある。一方、少なすぎると、鉱物油系軟化剤〔C〕がブリードアウトする場合がある。
尚、この場合のエチレン・α−オレフィン系共重合体〔A〕、ポリオレフィン系樹脂〔B〕及び鉱物油系軟化剤〔C〕の含有量の組み合わせは、これらの合計を100質量%とした場合、それぞれ、5〜60質量%、1〜20質量%及び30〜94質量%であり、好ましくは10〜58質量%、3〜18質量%及び32〜87質量%、更に好ましくは15〜55質量%、5〜15質量%及び35〜80質量%である。
本発明の第2の態様の熱可塑性エラストマー組成物に含有される水添ジエン系重合体〔D1〕の含有量は、油展ゴム〔X〕、ポリオレフィン系樹脂〔B1〕及び鉱物油系軟化剤〔C2〕の合計を100質量部とした場合、0.1〜50質量部であり、好ましくは0.5〜45質量部、更に好ましくは1〜40質量部である。上記水添ジエン系重合体〔D1〕の含有量が多すぎると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の流動性が悪化する場合がある。一方、少なすぎると、鉱物油系軟化剤〔C2〕がブリードアウトする場合がある。
本発明の第1及び第2の態様の熱可塑性エラストマー組成物には、エチレン・α−オレフィン系共重合体、ポリオレフィン系樹脂及び水添ジエン系重合体以外に、他の重合体成分が含有されていてもよい。他の重合体成分としては、得られる熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度、柔軟性等を阻害しないものであれば、特に限定されない。
そのような重合体成分としては、アイオノマー樹脂、アミノアクリルアミド重合体、ポリエチレン無水マレイン酸グラフト重合体、ポリイソブチレン、エチレン・塩化ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキサイド、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリプロピレン無水マレイン酸グラフト重合体、ポリイソブチレン及びその無水マレイン酸グラフト重合本、塩素化ポリプロピレン、4−メチルペンテン−1樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、ACS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、MBS樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、ビニルアルコール樹脂、ビニルアセタール樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ニトリルゴム及びその水素添加物、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ブチルゴム、天然ゴム、塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、単純ブレンド型オレフィン系熱可塑性エラストマー、インプラント型オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーが挙げられる。これらの重合体成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
5.添加剤
本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、上記成分以外に、酸化防止剤、帯電防止剤、ブロッキング剤、シール性改良剤、滑剤、老化防止剤、熱安定剤、耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、銅害防止剤等の安定剤、防菌・防かび剤、分散剤、可塑剤、結晶核剤、難燃剤、粘着付与剤、発泡助剤、染科、顔料(酸化チタン等)、カーボンブラック等の着色剤、フェライト等の金属粉末、ガラス繊維、金属繊維等の無機繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の有機繊維、複合繊維、チタン酸カリウムウィスカー等の無機ウィスカー、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、タルク、湿式シリカ、乾式シリカ、アルミナ、アルミナシリカ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、けい藻土、グラファイト、軽石、エボ粉、コットンフロック、コルク粉、硫酸バリウム、フッ素樹脂、ポリマービーズ等の充填剤又はこれらの混合物、ポリオレフィンワックス、セルロースパウダー、ゴム粉、木粉等の充填剤、低分子量ポリマー等の各種添加剤が含有されていてもよい。
6.熱可塑性エラストマー組成物
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、少なくともエチレン・α−オレフィン系共重合体及びポリオレフィン系樹脂が、架橋剤の存在下で動的に熱処理されてなるものである。即ち、架橋されたエチレン・α−オレフィン系共重合体及び架橋されたポリオレフィン系樹脂を含む。また、製造時に用いられる水添ジエン系重合体が未架橋物であった場合には、動的熱処理により架橋されていてもよい。尚、「動的に熱処理する」とは、剪断力を加えること及び加熱することの両方を行うことをいう。
上記架橋剤としては特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂の融点以上の温度における動的熱処理により、EAO系共重合体及びポリオレフィン系樹脂のそれぞれを架橋、あるいは、EAO系共重合体及びポリオレフィン系樹脂の両方を架橋できる化合物が好ましい。
上記架橋剤としては、有機過酸化物、フェノール系架橋剤、硫黄、硫黄化合物、p−キノン、p−キノンジオキシムの誘導体、ビスマレイミド化合物、エポキシ化合物、シラン化合物、アミノ樹脂、ポリオール架橋剤、ポリアミン、トリアジン化合物、金属石鹸等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、有機過酸化物及びフェノール樹脂架橋剤が好ましい。
有機過酸化物としては、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキセン−3、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,2’−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−イソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルパーオキシド、p−メンタンパーオキシド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジラウロイルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジ(t−ブチルパーオキシ)パーベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン及びα,α−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドが好ましい。
また、フェノール系架橋剤としては、例えば、下記一般式(I)で示されるp−置換フェノール系化合物、o−置換フェノール・アルデヒド縮合物、m−置換フェノール・アルデヒド縮合物、臭素化アルキルフェノール・アルデヒド縮合物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、p−置換フェノール系化合物が好ましい。
Figure 2005075555
上記一般式(I)において、Xはヒドロキシル基、ハロゲン化アルキル基又はハロゲン原子であり、Rは炭素数1〜15の飽和炭化水素基、nは0〜10の整数である。
尚、p−置換フェノール系化合物は、アルカリ触媒の存在下においてp−置換フェノールとアルデヒド(好ましくはホルムアルデヒド)との縮合反応により得ることができる。
上記架橋剤の使用量は、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造に用いる重合体成分の合計量100質量部に対して、好ましくは0.01〜20質量部、より好ましくは0.1〜15質量部、更に好ましくは1〜10質量部である。
尚、上記架橋剤として有機過酸化物を使用する場合には、好ましくは0.05〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部である。この有機過酸化物の使用量が多すぎると、架橋度が過度に高くなり、成形加工性が悪化したり、機械的物性が低下する傾向にある。一方、少なすぎると、架橋度が不足し、得られる熱可塑性エラストマー組成物のゴム弾性及び機械的強度が低下する場合がある。
また、上記架橋剤としてフェノール系架橋剤を使用する場合には、好ましくは0.2〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部である。このフェノール系架橋剤の使用量が多すぎると、成形加工性が悪化させる傾向にある。一方、少なすぎると、架橋度が不足し、得られる熱可塑性エラストマー組成物のゴム弾性及び機械的強度が低下する場合がある。
尚、上記架橋剤は、架橋助剤あるいは架橋促進剤と併用することにより架橋反応を穏やかに行うことができ、特に均一な架橋を形成することができる。特に、上記架橋剤として有機過酸化物を用いる場合には、硫黄、硫黄化合物(粉末硫黄、コロイド硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、表面処理硫黄、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等)、オキシム化合物(p−キノンオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンオキシム等)、多官能性モノマー類(エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−トルイレンビスマレイミド、無水マレイン酸、ジビニルベンゼン、ジ(メタ)アクリル酸亜鉛等)等の架橋助剤を用いることが好ましい。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうち、p,p’−ジベンゾイルキノンオキシム、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジビニルベンゼンが好ましい。
尚、上記架橋助剤のうち、N,N’−m−フェニレンビスマレイミドは、架橋剤としての作用を有するため、架橋剤として使用することもできる。
上記架橋剤として有機過酸化物を使用する場合の架橋助剤の使用量は、熱可塑性エラストマー組成物の製造に用いる重合体成分の合計量100質量部に対して、好ましくは10質量部以下、より好ましくは0.2〜5質量部である。この架橋助剤の使用量が多すぎると、架橋度が過度に高くなり、成形加工性が低下したり、機械的物性が低下する傾向にある。
また、上記架橋剤としてフェノール系架橋剤を用いる場合には、金属ハロゲン化物(塩化第一すず、塩化第二鉄等)、有機ハロゲン化物(塩素化ポリプロピレン、臭化ブチルゴム、クロロプレンゴム等)等の架橋促進剤を併用し、架橋速度を調節することができる。また、架橋促進剤のほかに、更に、酸化亜鉛等の金属酸化物やステアリン酸等の分散剤を併用することがより望ましい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、架橋されたエチレン・α−オレフィン系共重合体を含むが、架橋されたエチレン・α−オレフィン系共重合体の含有量は、シクロヘキサンに対する不溶分で評価することができる。即ち、本熱可塑性エラストマー組成物に含まれるエチレン・α−オレフィン系共重合体の23℃におけるシクロヘキサン不溶分は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは65質量%以上、更に好ましくは70質量%以上である。上記シクロヘキサン不溶分が60質量%未満では、ゴム弾性及び機械的強度が低下する場合がある。尚、上記シクロヘキサン不溶分の測定方法は、下記の通りである。
<シクロヘキサン不溶分の測定方法>
熱可塑性エラストマー組成物を約200mg秤量して、細かく裁断する。その後、得られた細片を密閉容器中にて100mlのシクロヘキサンに23℃で48時間浸漬する。次いで、このシクロヘキサン溶液を濾過し、濾紙上の残渣を、真空乾燥機(105℃)により1時間乾燥する。浸漬前の熱可塑性エラストマー組成物の質量から、乾燥残渣の質量及び熱可塑性エラストマー組成物の中の理論鉱物油系軟化剤量を減じた値(〔A〕、〔A1〕中の可溶した非架橋のエチレン・α−オレフィン系共重合体)を「補正された最終質量(p)」とする。
一方、浸漬前の熱可塑性エラストマー組成物の質量から、エチレン・α−オレフィン系共重合体(〔A〕、〔A1〕の合計量)の質量を求め、「補正された初期質量(q)」とする。
ここに、シクロヘキサン不溶分は、(EAO共重合体中の不溶分/EAO共重合体全量)であり、次式により求められる。
シクロヘキサン不溶分[質量%]=〔{補正された最終質量(p)}÷{補正された初期質量(q)}〕×100
本発明の熱可塑性エラストマー組成物のデュロメーターE硬度(JIS K6253による)は、好ましくは80以下であり、より好ましくは75以下、更に好ましくは70以下である。
7.熱可塑性エラストマー組成物の製造方法
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、架橋剤の存在下で動的に熱処理されたエチレン・α−オレフィン系共重合体及びポリオレフィン系樹脂を含むような方法であれば、特に限定されない。
一般的な方法としては、エチレン・α−オレフィン系共重合体、ポリオレフィン系樹脂、鉱物油系軟化剤、水添ジエン系重合体及び架橋剤を含む原料組成物を調製し、この原料組成物の動的熱処理を行う。
他の方法としては、(i)エチレン・α−オレフィン系共重合体(又は油展ゴム)、ポリオレフィン系樹脂及び架橋剤を含む原料組成物を調製し、この原料組成物の動的熱処理を行った後、他の原料成分を添加する方法、(ii)エチレン・α−オレフィン系共重合体(又は油展ゴム)、ポリオレフィン系樹脂、水添ジエン系重合体及び架橋剤を含む原料組成物を調製し、この原料組成物の動的熱処理を行った後、他の原料成分を添加する方法等とすることができる。
原料組成物を調製する際に用いるエチレン・α−オレフィン系共重合体、ポリオレフィン系樹脂及び水添ジエン系重合体は、そのまま用いてもよいし、それぞれ、同一又は異なる添加剤を含む組成物として用いてもよい。尚、エチレン・α−オレフィン系共重合体を使用する際の形状としては、ベール、クラム、ペレット、粉体(ベール又はクラムの粉砕品を含む)のいずれであってもよく、形状の異なるエチレン・α−オレフィン系共重合体を組み合わせて用いてもよい。
第1の態様の熱可塑性エラストマー組成物とするために用いられる全原料成分(I)中のエチレン・α−オレフィン系共重合体〔A〕、ポリオレフィン系樹脂〔B〕及び鉱物油系軟化剤〔C〕の含有量の組み合わせは、これらの合計を100質量%とした場合、それぞれ、5〜60質量%、1〜20質量%及び30〜94質量%であり、好ましくは10〜58質量%、3〜18質量%及び32〜87質量%、更に好ましくは15〜55質量%、5〜15質量%及び35〜80質量%である。
第2の態様の熱可塑性エラストマー組成物とするためは、予め、エチレン・α−オレフィン系共重合体〔A1〕と鉱物油系軟化剤〔C1〕とからなる油展ゴム〔X〕を準備し、この油展ゴム〔X〕を、架橋剤等他の原料成分と共に用いる。
尚、第1の態様の熱可塑性エラストマー組成物とするために用いられる全原料成分(II)中の油展ゴム〔X〕、ポリオレフィン系樹脂〔B1〕及び鉱物油系軟化剤〔C2〕の含有量の組み合わせは、これらの合計を100質量%とした場合、それぞれ、5〜60質量%、1〜20質量%及び30〜94質量%であり、好ましくは10〜58質量%、3〜18質量%及び32〜87質量%、更に好ましくは15〜55質量%、5〜15質量%及び35〜80質量%である。
熱可塑性エラストマー組成物を製造する際に、「動的に熱処理する」ために用いる装置としては、溶融混練装置等が挙げられる。この溶融混練装置による処理は連続式でもよいし、バッチ式でもよい。
この溶融混練装置としては、例えば、開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリーミキサー、一軸押出機、二軸押出機、連続式混練機、加圧ニーダー等が挙げられる。これらのうち、経済性、処理効率等の観点から、一軸押出機、二軸押出機、連続式混練機等の連続式の溶融混練装置を用いることが好ましい。連続式の溶融混練装置は、同一又は異なる装置を2台以上組み合わせて用いてもよい。
上記二軸押出機を用いる場合には、L/D(スクリュー有効長さLと外径Dとの比)が30以上であることが好ましく、より好ましくは36〜60である。また、この二軸押出機としては、例えば、2本のスクリューが噛み合うもの、噛み合わないもの等の任意の二軸押出機を使用することができるが、2本のスクリューの回転方向が同一方向でスクリューが噛み合うものがより好ましい。
このような二軸押出機としては、池貝社製「PCM」、神戸製鋼所社製「KTX」、日本製鋼所社製「TEX」、東芝機械社製「TEM」、ワーナー社製「ZSK」等が挙げられる。
また、上記連続式混練機を用いる場合には、L/D(スクリュー有効長さLと外径Dとの比)が5以上であることが好ましく、より好ましくはL/D10である。
このような連続式混練機としては、神戸製鋼所社製「ミクストロンKTX・LCM・NCM」、日本製鋼所社製「CIM・CMP」等が挙げられる。
動的熱処理の際の処理温度は、通常、120〜350℃、好ましくは150〜290℃である。処理時間は、通常、20秒間〜320分間、好ましくは30秒間〜25分間である。
また、混合物に加える剪断力は、ずり速度で10〜20,000/sec、好ましくは100〜10,000/secである。
上記のようにして得られた熱可塑性エラストマー組成物は、硬度、特にデュロE、デュロAが低く、柔軟性があり、ゴム弾性に優れる。従って、目的、用途に応じ、この熱可塑性エラストマー組成物のみからなる成形品とした場合にも、上記優れた性質を生かすことができる。本発明の熱可塑性エラストマー組成物からなる成形品の製造方法としては、例えば、押出成形法、カレンダー成型法、溶剤キャスト法、射出成形法、真空成形法、パウダースラッシュ成形法、加熱プレス法等が挙げられる。
8.成形品
本発明の成形品は、上記熱可塑性エラストマー組成物からなることを特徴とする。
本発明の成形品は、他の材料からなる部品等と積層、接合等により複合化した製品とすることができる。
他の材料としては、例えば、ゴム、樹脂、本発明以外の熱可塑性エラストマー組成物、金属(合金)、ガラス、布、木材等が挙げられる。
ゴム及び樹脂としては、本発明の熱可塑性エラストマー組成物に配合可能な他の重合体成分として例示したものを用いることができる。
金属(合金)としては、ステンレス、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル、亜鉛、鉛、錫や、自動車、船舶、家電製品等で使用されているニッケル・亜鉛合金、鉄・亜鉛合金、鉛・錫合金等が挙げられる。
9.熱可塑性エラストマー組成物からなるシール材:
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の中でも、JIS K6253に準拠したデュロA硬度が40以下、好ましくは35以下、より好ましくは30以下、特に好ましくは22以下のものは、シール材として用いることが好ましい。また、この熱可塑性エラストマー組成物は、JIS K6262に準拠した圧縮永久歪み(測定条件:70℃、22時間)が、好ましくは40%以下、より好ましくは38%以下、さらに好ましくは35%以下と小さい。そして、このような特性を有する熱可塑性エラストマー組成物を用いてなるシール材は、シール性が極めて優れているとともに、鉱物油系軟化剤がブリードアウトすることなく、しかも熱可塑性エラストマー組成物により構成されているため、リサイクルが可能かつ容易になり、省資源的に極めて優れるものである。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物からなるシール材の製造方法としては、例えば、押出成形法、カレンダー成型法、溶剤キャスト法、射出成形法、真空成形法、パウダースラッシュ成形法、加熱プレス法等を用いることができる。
得られるシール材の形状としては特に限定されないが、例えばO−リング状、シート状、または棒状などが挙げられる。また、シール材を栓としても用いることができる。
本発明のシール材は、これをシール部に形成し、他の材料からなる筐体部などの部品等と積層、接合等により複合化した、例えば、複写機用、プリンタ用のトナーケースのような容器等の製品とすることができる。ここで、他の材料としては、例えば、ゴム、樹脂、本発明以外の熱可塑性エラストマー組成物、金属(合金)、ガラス、布、木材等が挙げられる。
容器などの製品とした場合、筐体部は上記したような種々の材料を使用することができるが、リサイクル可能な材料から構成することが好ましい。中でも、筐体部が熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマー組成物からなるものがリサイクルが可能かつ容易で好ましい。
リサイクル可能な筐体部用の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱可塑性エラストマー組成物としては、熱可塑性エラストマー組成物を形成するために用いられる原料組成物の説明において、他の重合体成分として例示したものの中から熱可塑性を有するものが好適に用いられる。例えば、アイオノマー樹脂、アミノアクリルアミド重合体、ポリエチレン及びその無水マレイン酸グラフト重合体、ポリイソブチレン、エチレン・塩化ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキサイド、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリプロピレン及びその無水マレイン酸グラフト重合体、ポリイソブチレン及びその無水マレイン酸グラフト重合体、塩素化ポリプロピレン、4−メチルペンテン−1樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、ACS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、MBS樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、ビニルアルコール樹脂、ビニルアセタール樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、単純ブレンド型オレフィン系熱可塑性エラストマー、インプラント型オレフィン系熱可塑性エラストマー、動的架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーが挙げられる。これらの重合体成分は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、筐体側の材料として、シール材と相容性の良いオレフィン系材料を選定すれば、筐体部とシール部が熱融着した容器を得ることができる。一方、筐体部の材料としてシール材と相容性の悪い材料(例えば、官能基を含有した熱可塑性樹脂)を選定すれば、シール部と筐体部が融着することなく複合化することができる。
具体的にいうと、シール材と相容性の良い筐体側の材料として、ポリプロピレンやポリエチレンが挙げられ、シール材と相容性の筐体側の悪い材料として、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレンが挙げられる。
本発明の容器としては、熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー組成物以外の材料である金属(合金)、ガラス、布、木材等も用いることができ、例えば、金属(合金)としては、ステンレス、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル、亜鉛、鉛、錫や、自動車、船舶、家電製品等で使用されているニッケル・亜鉛合金、鉄・亜鉛合金、鉛・錫合金等を挙げることができる。
本発明のシール材は、これをシール部に形成し、好ましくは、筐体部とともに射出成形にて複合化されることにより、容器(シール部を装着した筐体部)に形成することができる。そして、その容器において、本発明のシール材からなるシール部はトナー等の粉体や液体などの内容物を収納するにあたり、極めて優れたシール性能を発揮することができる。
射出成形による複合化方法としては、コアバック法、ダイスライド法、ロータリー法などのような二色又は二種類以上の樹脂をそれぞれ別々の射出シリンダーから金型内部に順次、射出充填して異種材料あるいは異色材料の成形品を作る成形法が挙げられる。複数回射出して多層あるいは多色成形品を得ることもできる。
ロータリー法とは、第一シリンダより一色(一材)目の材料を射出成形し、一度型開きをして、一次成形品をコア側に付着させたまま、金型回転盤を180°回転させて型を閉じ、第二シリンダより二色(二材)目の材料を射出成形し、再び型開きを行い、成形品を金型から取り出することにより、複合化された射出成形品を製造する方法である。
コアバック法とは、一次成形と二次成形とからなり、一次成形時には、キャビテイの一部を移動コアで封鎖しておき、空いているキャビテイに溶融樹脂を射出充填して一次半成形品を成形し、二次成形時には移動コアを退避させ、退避させた空間に溶融樹脂を射出して、一次半成形品と一体化した成形品を得る方法である。
本発明のシール材を用いた容器の製造法として、射出成形の中でも、ダイスライド法〔DSI(Die Slide Injection)〕を好ましい成形法として挙げることができる。DSI法を簡単に説明すると、以下の通りである。
まず、型を閉じた状態で、一次射出で一次成形品(中空品の半割り体)を成形し、一次成形品をキャビティに残したまま金型を開く。金型は、射出成形機に設けたダイスライド機構で移動できる構造になっている。この機構で金型を、一次成形品同士が向き合う位置に移動する。再度型を閉じ、一次成形品を突き合わせた合わせ目の部分をくるむように、ハチ巻き状に樹脂を二次射出し、一体化する。なお、上記の中空品成形法は、例えば、プラスチックスエージ「DSIによる中空射出成形技術の展開」(Aug.2002)、p74−84や特開昭62−87315号公報に記載されている。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。尚、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。また、実施例中の「%」及び「部」は、特に断らない限り質量基準である。
[実施例1]
1.熱可塑性エラストマー組成物の製造
下記に示すエチレン・α−オレフィン系共重合体と、鉱物油系軟化剤(出光興産社製水素添加パラフィン系鉱物油、商品名「ダイアナプロセスオイルPW380」)とを表1に示す割合で含有する油展ゴム(I)を調製した。その後、この油展ゴム(I)と、下記に示すポリオレフィン系樹脂と、上記鉱物油系軟化剤と、水添ジエン系重合体と、架橋剤及び架橋助剤を除く各種添加剤とを表2の配合割合で混合し、原料組成物を得た。この原料組成物を、予め150℃に加熱した加圧型ニーダー(容量10リットル、モリヤマ社製)に投入し、ポリオレフィン系樹脂が溶融して各成分が均一に分散するまで40rpm(ずり速度200/sec)で15分間混練し、その後、得られた溶融状態の混練物を、フィーダールーダー(モリヤマ社製)によりペレット化した。
次いで、上記ペレット、架橋剤及び架橋助剤を表2に示す割合でヘンシェルミキサーに投入し、30秒間混合した。その後、二軸押出機(同方向完全噛み合い型スクリュー、スクリューフライト部の長さLとスクリュー直径Dとの比L/D=33.5、池貝社製、形式PCM45)を用い、200℃、滞留時間1分30秒、300rpm、ずり速度400/secの処理時間で動的熱処理を行いながら押出して、ペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
(1)エチレン・α−オレフィン系共重合体
(I)エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体
エチレン単量体単位量は66モル%、5−エチリデン−2−ノルボルネン単量体単位量は4.5モル%であり、デカリン溶媒中、135℃で測定した極限粘度は5.5dl/gである。
(II)エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体
エチレン単量体単位量は66モル%、5−エチリデン−2−ノルボルネン単量体単位量は4.5モル%であり、デカリン溶媒中、135℃で測定した極限粘度は2.7dl/gである。
(2)ポリオレフィン系樹脂
(I)結晶性ポリプロピレン
日本ポリケム社製、商品名「ノバテックFL25R」(密度;0.90g/cm、MFR(温度230℃、荷重2.16kg);23g/10分)を用いた。
(II)プロピレン・1−ブテン非晶質共重合体
宇部レキセン社製、商品名「UBETAC APAO UT 2780」(プロピレン単量体単位量;71モル%、溶融粘度;8,000cPs、密度;0.87g/cm、X線回折による結晶化度;0%、GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量Mn;6,500)を用いた。
(3)水添ジエン系重合体
(I)スチレン・ブタジエン・イソプレン水添ジエン系重合体
クラレ社製、商品名「セプトン4077」(スチレン単量体単位量;30モル%、比重;0.91、水添率;98%、トルエン溶液粘度(30℃、濃度5質量%);300mPa・s、メルトフローレート(230℃、21.2N)は流動せず測定不能)を用いた。
(II)スチレン・ブタジエン水添ジエン系重合体
クラレ社製、商品名「セプトン8006」(スチレン単量体単位量;30モル%、比重;0.91、水添率;98%、トルエン溶液粘度(30℃、濃度5質量%);42mPa・s、メルトフローレート(230℃、21.2N)は流動せず測定不能)を用いた。
(III)スチレン・ブタジエン水添ジエン系重合体
クレイトンポリマーズ社製、商品名「G1651」(スチレン単量体単位量;33モル%、比重;0.91、水添率;99%、トルエン溶液粘度(30℃、濃度5質量%);50mPa・s、メルトフローレート(230℃、21.2N)は流動せず測定不能)を用いた。
(4)添加剤
(i)架橋剤
日本油脂社製、商品名「パーヘキサ25B−40」(5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン)を用いた。
(ii)架橋助剤
新日鉄化学社製ジビニルベンゼン(純度;96%)を用いた。
(iii)老化防止剤
チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名「イルガノックス1010」(テトラキス[メチレン3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)を用いた。
Figure 2005075555
2.熱可塑性エラストマー組成物の評価
上記で得た熱可塑性エラストマー組成物のペレットを、射出成形機(日本製鋼所製、型式「N−100」)により加工し、長さ120mm、幅120mm及び厚さ2mmのシート(試験片)を作製した。このシートを用いて各種評価に供した。その結果を表2に併記した。
(1)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に準じ、190℃、荷重21Nとして測定した。
(2)シクロヘキサン不溶分
本文中に記載の方法により、23℃で測定した。
(3)硬度(デュロE)
JIS K6253に準拠して測定開始5秒後の硬度を測定し、柔軟性の指標とした。
(4)硬度(デュロA)
JIS K6253に準拠してデュロA硬度における測定開始5秒後の硬度を測定し、柔軟性の指標とした。
(5)引張破断強度及び引張破断伸び
JIS K6251に準じて測定した。
(6)圧縮永久歪み
JIS K6262に準じて、70℃、22時間の条件で測定し、ゴム弾性の指標とした。
(7)反発弾性
JIS K6255に準じて、リュプケ式反発弾性試験機を用い、23℃で測定し、ゴム弾性の指標とした。
(8)成形外観(鉱物油系軟化剤のブリード試験)
上記シートより、縦40mm、横30mmの四角形状の試験片を打ち抜き、試験片を5℃の恒温槽中で168時間静置した後、外観を目視観察し、下記評価とした。
○;鉱物油系軟化剤のブリードなし
×;鉱物油系軟化剤のブリードあり
Figure 2005075555
Figure 2005075555
[実施例2〜3及び比較例1〜2]
各原料成分を表2の配合割合で用いた以外は、実施例1と同様にして各熱可塑性エラストマー組成物を得て、その評価を行った。その結果を表2に併記した。
尚、比較例2については、上記実施例1と同様にして、表1に記載の油展ゴム(II)を調製し、この油展ゴム(II)と、他の原料成分とを用い、表2の配合割合で混合し、各原料組成物を得た。
比較例3
油展ゴム(I)と、他の原料成分とを表2の配合割合で混合し、原料組成物を得た。この原料組成物を、予め150℃に加熱した加圧型ニーダー(容量10リットル、モリヤマ社製)に投入し、ポリオレフィン系樹脂が溶融して各成分が均一に分散するまで40rpm(ずり速度200/sec)で15分間混練し、その後、得られた溶融状態の混練物を、フィーダールーダー(モリヤマ社製)によりペレット化して熱可塑性エラストマー組成物を得て、評価した。その結果を表2に併記した。
表2の結果より、比較例1は、水添ジエン系重合体を含まない例であり、成形品の表面から鉱物油系軟化剤がブリードアウトし、外観が不良であった。比較例2は、水添ジエン系重合体を含むが、エチレン・α−オレフィン系共重合体の極限粘度が3.5dl/g未満であるため、鉱物油系軟化剤がブリードアウトし、外観が不良であった。また、比較例3は、動的架橋しない例であり、引張特性に劣るために機械的強度が不十分であり、圧縮永久歪みが高く、更に、鉱物油系軟化剤がブリードアウトし、外観が不良であった。
一方、実施例1〜3の熱可塑性エラストマー組成物は、硬度(デュロE)が54〜55、硬度(デュロA)が22〜26と非常に低硬度で、柔軟性に優れることが分かる。更に、圧縮永久歪みは、29〜33%と非常に小さく、反発弾性も57〜68%と十分に高く、ゴム弾性に優れる。また、いずれもブリードアウトの現象が認められず、外観性が良好であった。
[実施例4〜5、比較例4〜5]
1.熱可塑性エラストマー組成物の調製
下記に示す油展ゴム(X)、ポリオレフィン系樹脂、鉱物油系軟化剤、水添ジエン系重合体、及び添加剤(架橋剤及び架橋助剤を除く)を表3の配合割合で混合し、実施例1と同様にペレット化した。
次いで、上記ペレット、架橋剤及び架橋助剤を表3に示す割合でヘンシェルミキサーに投入し、30秒間混合した後、実施例1と同様に、二軸押出機を用いて動的熱処理を行いながら押出して、3種類(A,B,C)のペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
(1)油展ゴム(X)
油展共重合ゴム1:エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体(エチレン含量66モル%、5−エチリデン−2−ノルボルネン含量4.5モル%、極限粘度5.5dl/g)50質量%、パラフィン系軟化剤50質量%
(2)ポリオレフィン系樹脂
(I)結晶性ポリプロピレン
日本ポリケム社製、商品名「ノバテックFL25R」(密度;0.90g/cm、MFR(温度230℃、荷重2.16kg);23g/10分)を用いた。
(II)プロピレン・1−ブテン非晶質共重合体
宇部レキセン社製、商品名「UBETAC APAO UT 2780」(プロピレン単量体単位量;71モル%、溶融粘度;8,000cPs、密度;0.87g/cm、X線回折による結晶化度;0%、GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量Mn;6,500)を用いた。
(3)鉱物油系軟化剤
出光興産社製、商品名「ダイアナプロセスオイルPW90」(パラフィン系鉱物油)を用いた。
(4)水添ジエン系重合体
(I)スチレン・ブタジエン・イソプレン水添ジエン系重合体
クラレ社製、商品名「セプトン4077」(スチレン単量体単位量;30モル%、比重;0.91、水添率;98%、トルエン溶液粘度(30℃、濃度5質量%);300mPa・s、メルトフローレート(230℃、21.2N)は流動せず測定不能)を用いた。
(5)添加剤
(i)架橋剤
日本油脂社製、商品名「パーヘキサ25B−40」(5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン)を用いた。
(ii)架橋助剤
新日鉄化学社製ジビニルベンゼン(純度;96%)を用いた。
(iii)老化防止剤
チバスペシャルティケミカルズ社製、商品名「イルガノックス1010」(テトラキス[メチレン3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)を用いた。
Figure 2005075555
Figure 2005075555
2.熱可塑性エラストマー組成物の評価
上記で得た3種類の熱可塑性エラストマー組成物のペレットを、射出成形機(日本製鋼所製、型式「N−100」)により加工し、長さ120mm、幅120mm及び厚さ2mmのシート(試験片)を作製した。このシートを用いて各種評価に供した。その結果を表3に併記した。
(1)オイルブリード性
80℃、72時間の条件で放置した後のオイルブリード性を目視評価した。
○;鉱物油系軟化剤のブリードなし
×;鉱物油系軟化剤のブリードあり
3.シール部付き容器の作製
シール部付き容器の作製は、日本製鋼所社製220EII−P2M(二色成形用射出成形機)を用い、ダイスライド射出成形法(M−DSI法;商標)により、筐体部側をポリスチレン(日本ポリスチレン社製グレードH230)で成形(シリンダー温度210℃、金型温度50℃)した後、連続的にシール部側を熱可塑性エラストマー組成物で成形(シリンダー温度210℃、金型温度50℃)してシール部付き容器を得た。図1は、得られたシール部付き容器10を示しており、図2は、シール部付き容器10を構成する本発明の低硬度シール材からなるシール部1と、筐体部2を分離した状態を示す写真である。
4.シール性能評価方法
(試験方法)
図3に示すように、上記3.で作製されたシール材付き容器(二色成形品)10に水15を90%充填した。次に、この容器10に蓋11を被せて端部をダブルクリップ(コクヨ社製:クリー34、口幅25mm)12(8個)で止めた。14はパッキンを示す。この容器10を1mの高さからダンボール紙13上に落として容器10内の水の漏れを確認した。なお、1個のサンプルで落下方向を変え5回テスト(n=5)した。結果を表4に示す。
Figure 2005075555
(評価結果)
表4に示す結果から明らかなように、本発明に係る低硬度シール材(熱可塑性エラストマー組成物=A,B)は水漏れせずに、シール性が良好であった。一方、硬度が40を超える熱可塑性エラストマー組成物を用いたシール材はシール性が悪かった。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、柔軟性、ゴム弾性(反発弾性、圧縮永久歪み)に優れているので、自動車のバンパー、外装用モール、ウィンドシール用ガスケット、ドアシール用ガスケット、トランクシール用ガスケット、ルーフサイドレール、エンブレム、インナーパネル、ドアトリム、コンソールボックス等の内外装表皮材、ウエザーストリップ等、耐傷付性の必要とされるレザーシート、航空機・船舶用のシール材及び内外装表皮材等、土木・建築用のシール材、内外装表皮材あるいは防水シート材等、一般機械・装置用のシール材等、弱電部品・水道のパッキン、燃料電池スタック中のシール材、表皮材あるいはハウジング等、鉄道用軌道パッド、情報機器用ロール、クリーニングブレード、電子部品用フィルム、半導体及び液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイ(FPD)製造工程の保護フィルム、シール材、写真等の画像保護膜、建材用化粧フィルム、医療用機器部品、電線、日用雑貨品、スポーツ用品等の一般加工品に幅広く利用することができる。
また、本発明の低硬度シール材は、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、真空成形、積層成形、カレンダー成形等により成形加工でき、極めて硬度が低く、シール性に優れ、鉱物油系軟化剤がブリードアウトすることなく、圧縮永久歪みが小さいという諸特性に優れているので、一般機械や装置用のシール材としで好適に用いることができる。しかも、このシール材は熱可塑性エラストマー組成物により構成されており、リサイクルが可能であって、地球環境的、省資源的に極めて優れている。
そして、この低硬度シール材と筐体とを二色射出成形により一体成形した容器は、各種の内容物を収納して漏れを確実になくして、使用時、運搬時に安心して用いることが出来る。
【0002】
のシール材が提供される。
(1)〔A〕デカリン溶媒中135℃で測定した極限粘度が3.5dl/g以上のエチレン・α−オレフィン系共重合体5〜60質量%、
〔B〕ポリオレフィン系樹脂1〜20質量%及び
〔C〕鉱物油系軟化剤30〜94質量%(但し、〔A〕、〔B〕及び〔C〕の合計は100質量%である。)の合計100質量部に対し、
〔D〕トルエン溶液粘度(30℃、濃度5質量%)が42mPa・s以上の水添ジエン系重合体0.1〜50質量部を含有し、
少なくとも前記〔A〕エチレン・α−オレフィン系共重合体及び前記〔B〕ポリオレフィン系樹脂が、架橋剤の存在下で動的に熱処理されてなる、(メタ)アクリレート系樹脂を含有しない、
熱可塑性エラストマー組成物。
(2)〔X〕〔A1〕デカリン溶媒中135℃で測定した極限粘度が3.5dl/g以上のエチレン・α−オレフィン系共重合体20〜80質量%及び〔C1〕鉱物油系軟化剤20〜80質量%(但し、〔A1〕及び〔C1〕の合計は100質量%である。)からなる油展ゴム5〜60質量%、
〔B1〕ポリオレフィン系樹脂1〜20質量%及び
〔C2〕鉱物油系軟化剤30〜94質量%(但し、〔X〕、〔B1〕及び〔C2〕の合計は100質量%である。)の合計100質量部に対し、
〔D1〕トルエン溶液粘度(30℃、濃度5質量%)が42mPa・s以上の水添ジエン系重合体0.1〜50質量部を含有し、
少なくとも前記〔A1〕エチレン・α−オレフィン系共重合体及び前記〔B1〕ポリオレフィン系樹脂が、架橋剤の存在下で動的に熱処理されてなる、(メタ)アクリレート系樹脂を含有しない、
熱可塑性エラストマー組成物。
(3)上記水添ジエン系重合体〔D〕は、共役ジエン化合物からなる単量体単位を含む重合体の水素添加物、並びに、共役ジエン化合物からなる単量体単位及びビニル芳香族化合物からなる単量体単位を含む重合体の水素添加物から選ばれる少なくとも1種である上記(1)又は(2)に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
(4)JIS K6253によるデュロメーターE硬度が80以下である上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
(5)上記エチレン・α−オレフィン系共重合体〔A〕及び〔A1〕を構成するエチレン単
【0002】
のシール材が提供される。
(1)〔A〕デカリン溶媒中135℃で測定した極限粘度が3.5dl/g以上のエチレ
ン・α−オレフィン系共重合体5〜60質量%、
〔B〕ポリオレフィン系樹脂1〜20質量%及び
〔C〕鉱物油系軟化剤30〜94質量%(但し、〔A〕、〔B〕及び〔C〕の合計は10
0質量%である。)の合計100質量部に対し、
〔D〕トルエン溶液粘度(30℃、濃度5質量%)が42mPa・s以上の水添ジエン系
重合体0.1〜50質量部を含有し、
少なくとも前記〔A〕エチレン・α−オレフィン系共重合体及び前記〔B〕ポリオレフィ
ン系樹脂が、架橋剤の存在下で動的に熱処理されてなる、(メタ)アクリレート系樹脂を
含有せず、JIS K6253に準拠したデュロA硬度が42以下である、
熱可塑性エラストマー組成物。
(2)〔X〕〔A1〕デカリン溶媒中135℃で測定した極限粘度が3.5dl/g以上
のエチレン・α−オレフィン系共重合体20〜80質量%及び〔C1〕鉱物油系軟化剤2
0〜80質量%(但し、〔A1〕及び〔C1〕の合計は100質量%である。)からなる
油展ゴム5〜60質量%、
〔B1〕ポリオレフィン系樹脂1〜20質量%及び
〔C2〕鉱物油系軟化剤30〜94質量%(但し、〔X〕、〔B1〕及び〔C2〕の合計
は100質量%である。)の合計100質量部に対し、
〔D1〕トルエン溶液粘度(30℃、濃度5質量%)が42mPa・s以上の水添ジエン
系重合体0.1〜50質量部を含有し、
少なくとも前記〔A1〕エチレン・α−オレフィン系共重合体及び前記〔B1〕ポリオレ
フィン系樹脂が、架橋剤の存在下で動的に熱処理されてなる、(メタ)アクリレート系樹
脂を含有せず、JIS K6253に準拠したデュロA硬度が42以下である、
熱可塑性エラストマー組成物。
(3)上記水添ジエン系重合体〔D〕は、共役ジエン化合物からなる単量体単位を含む重
合体の水素添加物、並びに、共役ジエン化合物からなる単量体単位及びビニル芳香族化合
物からなる単量体単位を含む重合体の水素添加物から選ばれる少なくとも1種である上記
(1)又は(2)に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
(4)JIS K6253によるデュロメーターE硬度が80以下である上記(1)乃至
(3)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
(5)上記エチレン・α−オレフィン系共重合体〔A〕及び〔A1〕を構成するエチレン

Claims (16)

  1. 〔A〕デカリン溶媒中135℃で測定した極限粘度が3.5dl/g以上のエチレン・α−オレフィン系共重合体5〜60質量%、
    〔B〕ポリオレフィン系樹脂1〜20質量%及び
    〔C〕鉱物油系軟化剤30〜94質量%(但し、〔A〕、〔B〕及び〔C〕の合計は100質量%である。)の合計100質量部に対し、
    〔D〕水添ジエン系重合体0.1〜50質量部を含有し、
    少なくとも前記〔A〕エチレン・α−オレフィン系共重合体及び前記〔B〕ポリオレフィン系樹脂が、架橋剤の存在下で動的に熱処理されてなる、
    熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 〔X〕〔A1〕デカリン溶媒中135℃で測定した極限粘度が3.5dl/g以上のエチレン・α−オレフィン系共重合体20〜80質量%及び〔C1〕鉱物油系軟化剤20〜80質量%(但し、〔A1〕及び〔C1〕の合計は100質量%である。)からなる油展ゴム5〜60質量%、
    〔B1〕ポリオレフィン系樹脂1〜20質量%及び
    〔C2〕鉱物油系軟化剤30〜94質量%(但し、〔X〕、〔B1〕及び〔C2〕の合計は100質量%である。)の合計100質量部に対し、
    〔D1〕水添ジエン系重合体0.1〜50質量部を含有し、
    少なくとも前記〔A1〕エチレン・α−オレフィン系共重合体及び前記〔B1〕ポリオレフィン系樹脂が、架橋剤の存在下で動的に熱処理されてなる、
    熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 上記水添ジエン系重合体〔D〕は、共役ジエン化合物からなる単量体単位を含む重合体の水素添加物、並びに、共役ジエン化合物からなる単量体単位及びビニル芳香族化合物からなる単量体単位を含む重合体の水素添加物から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. JIS K6253によるデュロメーターE硬度が80以下である請求項1乃至3のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 上記エチレン・α−オレフィン系共重合体〔A〕及び〔A1〕を構成するエチレン単量体単位の含有量は、エチレン単量体単位及びα−オレフィン化合物からなる単量体単位を含む全単量体単位の合計を100モル%とした場合に、35〜95モル%である請求項1乃至4のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 上記鉱物油系軟化剤〔C〕、〔C1〕及び〔C2〕は、パラフィン系鉱物油である請求項1乃至5のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  7. 上記架橋剤は、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド及びジ−t−ブチルパーオキサイドから選ばれる有機過酸化物である請求項1乃至6のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  8. 本熱可塑性エラストマー組成物中のエチレン・α−オレフィン系共重合体の23℃におけるシクロヘキサン不溶分が60質量%以上である請求項1乃至7のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる成形品。
  10. 請求項1乃至8のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物を用いてなる低硬度シール材。
  11. JISK6253に準拠したデュロA硬度が40以下である請求項10に記載の低硬度シール材。
  12. O−リング状、シート状及び棒状から選ばれるいずれか一の形状に形成される請求項10又は11に記載の低硬度シール材。
  13. 請求項10乃至12のいずれかに記載の低硬度シール材を構成部品とする容器。
  14. 請求項10乃至12のいずれかに記載の低硬度シール材からなるシール部と筐体部とから構成される複合体が射出成形にて成形されてなる容器。
  15. 前記筐体部が熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマー組成物からなり、リサイクル可能である請求項14に記載の容器。
  16. 請求項10乃至12のいずれかに記載の低硬度シール材を構成部品とするトナーケース。
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