JPWO2005063443A1 - アルミホイールの表面処理方法 - Google Patents
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Abstract
ノンクロム処理を実施する際に問題となるアルミニウム表面上に付着したアルカリ物質を、アルミニウム素地を傷めることなく剥離除去することで、アルミニウム母材に対する密着性を向上させることのできるアルミホイールの表面処理方法を提供する。また、6価クロムを含有したクロム酸クロメート処理と同等の防食性を付与し得る、ノンクロムの塗装前処理としてのアルミホイールの表面処理方法を提供する。さらに、作業者の健康や自然環境に対し悪影響がなく、かつ、アルミニウム素材の表面を傷つけることなく塗装を剥離することが可能なアルミホイールの表面処理方法を提供する。
アルミホイール表面に投射材を吹き付けるブラスト処理工程を含むアルミホイールの表面処理方法である。投射材として、熱硬化性樹脂を主成分とする粒径100〜2000μmの範囲のプラスチック投射材を用いる。
アルミホイール表面に投射材を吹き付けるブラスト処理工程を含むアルミホイールの表面処理方法である。投射材として、熱硬化性樹脂を主成分とする粒径100〜2000μmの範囲のプラスチック投射材を用いる。
Description
本発明はアルミホイールの表面処理方法に関し、詳しくは、アルミホイール表面上の付着物や塗装を、ブラスト処理を用いて剥離するアルミホイールの表面処理方法に関する。
各種アルミニウム製品における塗装前処理は、一般に、湯洗、脱脂、水洗、化成処理、水洗の各工程を経ることにより行われる。ところが、高圧鋳造法、中でも特にスクイズキャスト法により得られたアルミニウム製品では、その表層部に離型剤(アルカリ物質)が固着してしまい、通常の洗浄工程ではその固着物質を完全に除去することができないという問題があった。
製品表面にクロム酸クロメートなどの6価クロムを使用した化成処理を行っておけば、その強い酸化力により表層部を溶かして強固な自己防食機能を有するクロム酸化皮膜を形成することができ、アルカリ物質が存在する場合でも、金属との密着性については問題を生ずることはない。しかし、近年、EU諸国のELV(廃自動車:End of Life Vehicles)規制、WEEE(廃電気電子機器:Waste Electrical and Electronic Equipment)規制、RoHS(有害物質使用:Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment)規制等により、6価クロム、鉛、水銀、カドミウムなどの有害物質が使用できなくなることが決まり、自動車部品製造各社はこれらの物質を塗装等に含まない製品を制作することが必要となった。そのため、従来はアルミニウムを用いた部品において数多く行われていた6価クロムを含む化成処理を中止して、6価クロムを含まない化成処理(ノンクロム処理)に切り替える必要が生じ、種々検討がなされてきた。
かかるノンクロム処理としては、燐酸亜鉛、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニウム、陽極酸化皮膜などによる処理が挙げられるが、いずれの物質も6価クロムのような強力な酸化力は有しないため、高圧鋳造法などによってアルミニウム表面に付着した離型剤(アルカリ物質)が残留する場合には母材との密着性が低下する場合があり、十分なものとは言えなかった。
従って、これらアルミニウム製品表面に付着したアルカリ物質を除去する技術が必要となるが、アルミニウムの母材表面を傷めることなく、表層のアルカリ物質のみを短時間で剥離処理することのできる方法については、これまで存在しなかった。
また、上記の各種ノンクロム処理は、6価クロムを含有するクロム酸クロメート処理に匹敵する防食性を有するものではないため、上記各種規制の流れから、クロム酸クロメート処理に代替し得るような、より優れた防食性に付与できる塗装前処理が求められていた。
一方、塗装不良品の剥離方法としては、一般に、溶剤を使用した方法が多く用いられている。しかし、塗装剥離用の溶剤は、一般的に揮発性の有機溶媒が多く、作業者の健康を害するという点のみならず、その処理も問題であり、自然環境保護の観点からも使用の見直しが検討されてきている。
近年、EU諸国では、これら揮発性有機溶剤の使用自体を制限するVOC(揮発性有機化合物:Volatile Organic Compound)規制が制定されており、有害な有機溶剤は削減されていく方向にある。また、わが国日本においても、PRTR(化学物質管理促進:Pollutant Release and Transfer Register)法により、その使用が厳しく管理されるとともに、その使用基準についても、大気汚染防止法、水質汚濁防止法、環境基準法等で厳しく規制されている。
これに対し、ブラスト処理を用いてアルミニウム製品の塗装を剥離する手法も行われているが、この塗装剥離は、通常、ピーニングを行う際に用いられるステンレスショット材等にて実施されるのが一般的である。
ところが、このステンレスショット材等を使用すると、塗装のみならずアルミニウム表面をも削り取ってしまい、既に切削加工を施した部分まで再加工する必要が生じていた。また、エッジ部分などはステンレスの高い切削性により削られて丸くなってしまう(タレル)という問題点もあった。さらに、粉体塗装などの塗膜が非常に厚くなる手法を用いた場合には、逆に塗装がなかなか剥離できないという問題が生ずる場合もあった。
その他、投射材として、比較的硬度の低い金属であるZnやCuショット材を用いることも考えられるが、Znはアルミニウム表面にくすんだ色を付着させるため、一般に塗装製品の剥離には適用が困難であり、また、Cuについては、Cuが表面に残留するとアルミニウム素地を腐食させてしまうため、使用することができなかった。
なお、樹脂材料を基材としたプラスチック投射材の技術も従来から知られており、例えば、特許文献1、2等に記載がある。また、特許文献3には、界面活性剤を含有しない樹脂粒子からなる投射材を吹き付けてブラスト処理を施すことにより基体表面の塗装前処理を行う下地処理方法が記載されており、樹脂粒子として熱硬化性樹脂を主成分とするものを用いてアルミ板の基体を処理することも記載されている。
特開2001−277129号公報(特許請求の範囲等)
国際公開第00/45994号パンフレット
特開2003-311210号公報(特許請求の範囲、[0042]等)
そこで、本発明の第1の目的は、上記各種ノンクロム処理を実施する際に問題となるアルミニウム表面上に付着したアルカリ物質を、アルミニウム素地を傷めることなく剥離除去することで、アルミニウム母材に対する密着性を向上させることのできるアルミホイールの表面処理方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、6価クロムを含有したクロム酸クロメート処理に匹敵する程度の防食性を付与し得る、ノンクロムの塗装前処理としてのアルミホイールの表面処理方法を提供することにある。
さらに、本発明の第3の目的は、作業者の健康や自然環境に対し悪影響がなく、かつ、アルミニウム素材の表面を傷つけることなく塗装を剥離することが可能なアルミホイールの表面処理方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のアルミホイールの表面処理方法は、アルミホイール表面に投射材を吹き付けるブラスト処理工程を含むアルミホイールの表面処理方法において、前記投射材として、熱硬化性樹脂を主成分とする粒径100〜2000μmの範囲のプラスチック投射材を用いることを特徴とするものである。
本発明においては、前記ブラスト処理工程後に、6価クロムを含まない化成処理工程を行うことが好ましい。また、表面に離型剤が付着したアルミホイールに適用することも好ましく、この場合には、前記ブラスト処理工程後、前記化成処理工程前に、洗浄工程を行う。さらに、本発明は、表面に塗装が施されたアルミホイールに適用することも好ましい。
本発明によれば、上記構成とすることにより、ノンクロム処理に先立ってアルミホイール表面の表面積を増大させることができ、その後に施す塗装の密着性を向上することができる。また、表面に離型剤の付着したアルミホイールに適用した場合には、上記ブラスト処理工程と、ノンクロム処理工程に先立って行う洗浄工程とを併用することで、アルミニウムの母材自体は傷めずに、表面に形成された離型剤の皮膜のみを粉々に破壊、洗浄して、除去することができ、塗装の密着性向上効果を得ることができる。さらに、表面に塗装が施されたアルミホイールに適用した場合には、アルミニウム素材の表面を傷つけることなく塗装のみを剥離することができ、特に、塗膜の厚い粉体塗装品などについても短時間で剥離を行うことが可能となる。本発明の表面処理方法においては、プラスチック投射材を用いることから、各種金属投射材を用いた場合のようにアルミニウム表面を不必要に傷つけ、または削り取ることにより外観を損ねるおそれがなく、かつ、作業者の健康や自然環境に対し悪影響がないという利点を有するものであり、各種アルミホイールに好適に適用可能である。
1 入口部
2 スロート部
3 出口部
11 回転軸
12 ノズル
13 ブラストブース本体
14 ドア部
15 窓
16 作業手袋
17 ブラストホース
18 エアー供給口
19 投射材受け
2 スロート部
3 出口部
11 回転軸
12 ノズル
13 ブラストブース本体
14 ドア部
15 窓
16 作業手袋
17 ブラストホース
18 エアー供給口
19 投射材受け
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明は、アルミホイール表面に投射材を吹き付けるブラスト処理工程を含むアルミホイールの表面処理方法であり、かかる投射材として、熱硬化性樹脂を主成分とする粒径100〜2000μmの範囲のプラスチック投射材を用いる点に特徴を有する。
本発明は、アルミホイール表面に投射材を吹き付けるブラスト処理工程を含むアルミホイールの表面処理方法であり、かかる投射材として、熱硬化性樹脂を主成分とする粒径100〜2000μmの範囲のプラスチック投射材を用いる点に特徴を有する。
上記ブラスト処理工程により、アルミニウム表面に微細な凹凸を形成して表面積を増大して、塗装の密着性を向上させることができるので、その上で6価クロムを含まない化成処理、いわゆるノンクロム処理を施すことで、6価クロムを使用した化成処理に匹敵する防食性を得ることができる。即ち、本発明においては、6価クロムを使用した化成処理のような自己防食機能を持たせることはできないが、塗膜の密着性を向上させることで塗膜のピンホールからの糸錆びの進行を遅らせて、アルミニウム表面の腐食を遅らせることが可能となる。従って本発明に係るブラスト処理工程は、6価クロムを含まない化成処理工程の前処理として有効であり、これら工程の組み合わせにより、6価クロムを使用した化成処理に匹敵する塗装前処理を達成することができる。
具体的には、平板に対してブラスト処理を施すことにより、図1に示すような凹凸状態が形成されるものと考えられる。図示するような、円錐の突起ができた場合を想定してモデル計算を行うと、図示するように突起の寸法を半径r、高さ2rとすれば、1個の円錐の表面積は、πr2√5 で表される。この場合、円錐の元の底面積は、πr2 であることから、ブラスト処理により、円錐1個あたりの表面積は、√5倍になることがわかる。
この場合、金属等のショットブラストにて大きく粗れた表面に上記ブラスト処理を施すことにより、さらに細かい凹凸をつけて表面積を増大させることもできる。また、プラスチック投射材の粒径や硬度を変えることで、所望の表面を得ることが可能である。
また、本発明を表面に離型剤が付着したアルミホイールに適用する場合には、ブラスト処理工程後、化成処理工程前に、洗浄工程を行う。高圧鋳造法、特にスクイズキャスト法等を用いた場合にアルミニウム表面に付着した離型剤(アルカリ物質)の表面皮膜は、ブラスト処理だけでは取り除くことができないが、本発明によりブラスト処理後に所定の洗浄工程を施して、投射材の吹き付けにより破壊されたアルカリ物質をアルミニウム表面から洗い流すことで、除去することが可能となると考えられる。これにより、アルミニウム母材との密着性を向上することが可能となる。
ブラスト処理工程後、洗浄工程および化成処理工程を行う手順としては、例えば、ブラスト処理−湯洗−脱脂−水洗−化成処理−水洗とすることができるが、これ以外の工程で行うことも可能である。
さらに、本発明を表面に塗装が施されたアルミホイールに適用した場合には、作業者が有機溶剤などの有害物質に曝されることがないため、作業者が安全に、しかも短時間で塗装を剥離することが可能となる。これに対し、従来の溶剤を用いた剥離方法では、塗膜厚によって異なるが、3〜5時間程度の剥離時間を要していた。また、ブラスト材にプラスチック投射材を用いているためアルミニウム素材自体をほとんど傷めることなく塗装剥離できるので、アルミニウム素材の再加工が不要であるという利点もある。
さらに、本発明によれば、金属投射材を用いた場合のように表面を削ることなく剥離処理を行うことができるので、再塗装を実施しても問題はなく、従来、通常2回程度までしか行えなかった塗装剥離を繰り返し何回でも行うことができる。さらにまた、その高い研削性により、粉体塗装品などの塗膜が非常に厚くなる塗装品に対しても、短時間で塗装を剥離することが可能であり、かつ、アルミ表面を腐食させることもない。なお、剥離後のアルミ素地がそれぞれ異なるように、ブラスト処理による素地の改変は殆どなく、ブラスト処理によって金属投射材の場合のように素地に投射材が叩き込まれることはない。また、アルミ表面に粉塵の静電付着は発生するが、所定の洗浄工程を経ることで表面の粉塵は容易に除去することができる。
この場合、上記ブラスト処理工程と、溶剤を用いた溶剤処理工程とを併用して塗膜を剥離することも可能であり、また、最初に金属投射材にてアルミニウム素地を傷めない程度に塗装表面を粗落としして、その後、プラスチック投射材にて仕上げることも可能である。
また、使用するプラスチック投射材の粒径や硬度を適宜調整して、最初に大きいかまたは硬い投射材で処理を行い、仕上げ処理においてより細かい(柔らかい)粒子を用いて複数回のブラスト処理を行う2段階以上の方式も考えられる。このような多段式処理方式を用いる場合には、上記金属、プラスチック投射材に限らず、同等の硬度の他材料も適用することができる。
本発明において投射材(ブラスト材)に用いられる熱硬化性樹脂としては、特に制限されるものではないが、例えば、メラミン樹脂(メラミン−フォルムアルデヒド樹脂)、ユリア樹脂(尿素−フォルムアルデヒド樹脂)、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、グアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができ、その他、これら樹脂に匹敵する硬度を有する樹脂も使用することが可能である。かかる投射材は、吹き付け後、回収し、30〜40回程度繰り返し循環させて使用することができる。
かかる投射材としては、具体的には例えば、粒径50〜1000μmの範囲の熱硬化性樹脂成形物の粉砕物であって、各粒子が実質的に鋭利な稜線を持つ不定形な多面体であり、かつ、分級段階ごとに粒度がほぼ均質化された粉砕物を好適に用いることができる。このような粉砕物は、前記特許文献2に記載の方法により得ることができる。
本発明の表面処理方法に用いるブラスト装置としては、直噴射式のエア式ブラスト装置が好適であるが、その他、遠心式、バレル式なども使用可能であり、特に制限されるものではない。用途や使用環境に応じて適宜選定して用いることができる。
プラスチック投射材の吹き付けに用いるノズルとしては、特に制限されるものではなく、通常ブラスト処理に用いるものを適宜選択して使用することが可能であるが、本発明においては特に、以下に述べる所定形状を有するノズルを用いることが好ましい。具体的には、内部のスロート部の終端から出口先端に向かって、ノズル長手方向に対し0.5〜1.5°の広がり角度θで内径が広がってテーパー状をなし、かつ前記スロート部終端から前記出口先端までの長さBと前記スロート部の径Aとの比(B/A)が10以上である形状を有するものであり、プラスチック研削材専用の高速ノズルとして好適なノズルである。
図2に、かかるノズルを長手方向に沿って切断したときの内部断面形状を示す。図示するように、このノズルの内部構造は、入口部1、スロート部2および出口部3により構成されており、出口部3が、スロート部2の終端から出口先端に向かって、ノズル長手方向に対し0.5〜1.5°、好ましくは1.0〜1.3°の広がり角度θで内径の広がったテーパー状を呈している。この広がり角度θが0.5°未満であるか、または1.5°を超えると許容しえない剥離能力の低下をきたすことになる。
また、図示するノズルにおいて、スロート部2の終端から出口部3の先端までの長さBとスロート部2の径Aとの比(B/A)は、10以上、好ましくは15〜25である。この比が10未満であると許容しえない剥離能力の低下をきたし、一方、25を超えてノズル設計することは実用上殆どありえない。
本発明の表面処理方法は、例えば、図3に示す本発明の処理装置を用いて好適に行うことができる。図示する装置は、アルミホイールを固定して回転する回転軸11と、その軸方向に対向して離間して配置されたノズル12とを備えており、回転軸11の回転を制御する回転機構(図示せず)と、ノズル12をアルミホイールの半径方向に往復直線移動させる移動機構(図示せず)とを有する。従って、アルミホイールを回転軸11に固定して回転させながら、図示する例ではその鉛直上方に配置されているノズル12より投射材を吹き付けることで、アルミホイール表面のブラスト処理を効率的に行うことができる。ここで、ノズル12は上記移動機構によりホイール半径方向に移動しながら投射材の吹き付けを行うものであるが、移動速度および回転速度が一定であると、ノズル12がアルミホイールの中心に近づくほど、表面積あたりの吹き付け投射材量が増大し、結果として剥離状態が不均一となる。そのため、本発明の装置においては、剥離速度を一定に保持して均一な剥離を行うために、回転機構および移動機構のうちいずれか一方または双方を速度調整可能に形成して、ノズル12がホイール中心に近づくほど移動速度および回転速度のいずれか一方または双方を速くすることにより、良好な処理を実現している。なお、図示する装置において、符号13はブラストブース本体を示し、符号14は窓15を有するドア部を示し、符号16は外部から内部作業を行うための作業手袋、符号17は投射材供給用のブラストホース、符号18はエアー供給口、符号19は投射材受けを夫々示し、ブラストブース本体13の内部下方には使用後の投射材を回収する回収口(図示せず)が、内部上面にはノズル12の移動機構(図示せず)が、夫々設けられている。
以下、本発明の表面処理方法の具体的な実施例を示す。
SST試験
サンプルとして、前処理としてブラスト処理を行ったもの(ブラスト有りサンプル)と行わなかったもの(ブラスト無しサンプル)とを用意し、それぞれにつきクロム酸クロメート処理、または、燐酸亜鉛若しくは燐酸ジルコニウムを用いた処理(ノンクロム処理)をそれぞれ行って、その後、塩水噴霧試験(SST試験)を実施した。サンプルはアルミダイキャスト(アルミホイールカットサンプル、バーコル硬度80)であり、ブラスト処理の条件としては、装置として直圧式ブラスト装置を用い、投射材として(株)ブリヂストン製 商品名:MG−3(粒径:500〜850μm)を用いて、吹き付け圧0.45MPa、吹き付け距離約100mm、吹き付け時間30秒にて行った。ノズルとしては、先端口径6mmの図2に示すノズルを用いた。処理後の表面粗さRaは5〜6μmであった。
SST試験
サンプルとして、前処理としてブラスト処理を行ったもの(ブラスト有りサンプル)と行わなかったもの(ブラスト無しサンプル)とを用意し、それぞれにつきクロム酸クロメート処理、または、燐酸亜鉛若しくは燐酸ジルコニウムを用いた処理(ノンクロム処理)をそれぞれ行って、その後、塩水噴霧試験(SST試験)を実施した。サンプルはアルミダイキャスト(アルミホイールカットサンプル、バーコル硬度80)であり、ブラスト処理の条件としては、装置として直圧式ブラスト装置を用い、投射材として(株)ブリヂストン製 商品名:MG−3(粒径:500〜850μm)を用いて、吹き付け圧0.45MPa、吹き付け距離約100mm、吹き付け時間30秒にて行った。ノズルとしては、先端口径6mmの図2に示すノズルを用いた。処理後の表面粗さRaは5〜6μmであった。
結果として、クロム酸クロメート処理を行ったブラスト無しサンプルとノンクロム処理を行ったブラスト有りサンプルとでは、防食性の差は発生せず、ほぼ同等な性能であることがわかった。即ち、本発明に係るブラスト処理の効果により、ノンクロム処理の場合でも、クロム酸クロメート処理の場合と同様の防食性が得られることが確認できた。
BTB溶液反応試験
表面に離型剤のアルカリ物質が付着しているアルミダイキャストサンプル(アルミホイールカットサンプル、バーコル硬度80)に対し、吹き付け時間を90秒にした以外は上記SST試験と同様の条件で、ブラスト処理を行った。その後、所定の洗浄工程を行ってから、BTB溶液(PH試験液)による試験を行ったところ、明確な変色反応が見られた。これにより、ブラスト処理の実施によって、明らかにアルカリ物質が除去されていることが確かめられた。
表面に離型剤のアルカリ物質が付着しているアルミダイキャストサンプル(アルミホイールカットサンプル、バーコル硬度80)に対し、吹き付け時間を90秒にした以外は上記SST試験と同様の条件で、ブラスト処理を行った。その後、所定の洗浄工程を行ってから、BTB溶液(PH試験液)による試験を行ったところ、明確な変色反応が見られた。これにより、ブラスト処理の実施によって、明らかにアルカリ物質が除去されていることが確かめられた。
塗膜の密着性評価
また、アルミホイールのブラスト有りサンプルおよびブラスト無しサンプルについて、塗膜の密着性の比較試験を実施した。結果として、ブラスト無しサンプルについてノンクロム処理を行うと塗膜の密着性が低下する傾向があったが、ブラスト有りサンプルにおいては良好な密着性が保持された。
また、アルミホイールのブラスト有りサンプルおよびブラスト無しサンプルについて、塗膜の密着性の比較試験を実施した。結果として、ブラスト無しサンプルについてノンクロム処理を行うと塗膜の密着性が低下する傾向があったが、ブラスト有りサンプルにおいては良好な密着性が保持された。
塗膜の剥離試験
塗装済みのアルミホイールとして数種のものを用意し、塗装剥離試験を実施したところ、寸法や塗膜厚により処理時間に相違はあったものの、表面を傷めることなく、塗膜のみを完全に剥離することができた。剥離時間については、ノズルを複数本使用して、回転テーブルなどを使用して処理を行うことで、短縮できることも確かめられた。表面粗さについても大きな変化は見られなかった。
塗装済みのアルミホイールとして数種のものを用意し、塗装剥離試験を実施したところ、寸法や塗膜厚により処理時間に相違はあったものの、表面を傷めることなく、塗膜のみを完全に剥離することができた。剥離時間については、ノズルを複数本使用して、回転テーブルなどを使用して処理を行うことで、短縮できることも確かめられた。表面粗さについても大きな変化は見られなかった。
なお、上記いずれの試験および評価においても、ブラスト処理後、表面に付着した粉塵は、洗浄により容易に除去することができた。
本発明の表面処理方法は、四輪自動車や二輪自動車用等の各種アルミホイールの塗装前処理および塗装剥離に、好適に適用することができる。また、塗装不良品のリサイクルや塗装色換えなどにおいても使用可能である。
Claims (12)
- アルミホイール表面に投射材を吹き付けるブラスト処理工程を含むアルミホイールの表面処理方法において、前記投射材として、熱硬化性樹脂を主成分とする粒径100〜2000μmの範囲のプラスチック投射材を用いることを特徴とするアルミホイールの表面処理方法。
- 前記ブラスト処理工程後に、6価クロムを含まない化成処理工程を行う請求項1記載の表面処理方法。
- 表面に離型剤が付着したアルミホイールに適用され、前記ブラスト処理工程後、前記化成処理工程前に、洗浄工程を行う請求項2記載の表面処理方法。
- 表面に塗装が施されたアルミホイールに適用される請求項1記載の表面処理方法。
- 前記ブラスト処理工程において、前記プラスチック投射材の粒径および/または硬度を変えて複数回のブラスト処理を行う請求項4記載の表面処理方法。
- さらに、溶剤を用いた溶剤処理工程を含む請求項4または5記載の表面処理方法。
- 前記投射材として、さらに、金属投射材を用いる請求項4〜6のうちいずれか一項記載の表面処理方法。
- 前記投射材を吹き付け後、回収し、繰り返し循環させて使用する請求項1〜7のうちいずれか一項記載の表面処理方法。
- エア式ブラスト装置を用いる請求項1〜8のうちいずれか一項記載の表面処理方法。
- 前記プラスチック投射材として、粒径50〜1000μmの範囲の熱硬化性樹脂成形物の粉砕物であって、各粒子が実質的に鋭利な稜線を持つ不定形な多面体であり、かつ、分級段階ごとに粒度がほぼ均質化された粉砕物を用いる請求項1〜9のうちいずれか一項記載の表面処理方法。
- 前記プラスチック投射材の吹き付けノズルとして、内部のスロート部の終端から出口先端に向かって、ノズル長手方向に対し0.5〜1.5°の広がり角度θで内径が広がってテーパー状をなし、かつ前記スロート部終端から前記出口先端までの長さBと前記スロート部の径Aとの比(B/A)が10以上であるものを用いる請求項1〜10のうちいずれか一項記載の表面処理方法。
- アルミホイール表面に投射材を吹きつけてブラスト処理を行うアルミホイールの表面処理装置において、
前記アルミホイールを固定して回転する回転軸と、該回転軸と軸方向に対向して離間して配置されたノズルとを備え、前記回転軸の回転を制御する回転機構と、前記ノズルを前記アルミホイールの半径方向に往復直線移動させる移動機構とを有し、かつ、該回転機構および移動機構のうちいずれか一方または双方が、速度調整可能に形成されていることを特徴とするアルミホイールの表面処理装置。
Applications Claiming Priority (3)
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