JPWO2005043146A1 - バイオセンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

メディエータに対する酸素の影響を回避し、かつ試料溶液中の測定対象物を、迅速かつ簡便に、高精度で測定できるバイオセンサを提供する。電極を有する基板を準備し、前記電極表面に、メディエータと界面活性剤と緩衝剤と層状無機化合物とを含有する溶媒を塗布して、前記メディエータの自然酸化を防止する無機ゲル層を形成し、さらに、前記層上に、酸化還元酵素を含む酵素試薬層を形成してバイオセンサを製造できる。このバイオセンサは、前記無機ゲル層によって、測定対象物と酸化還元酵素との反応によって還元されたメディエータが、溶存酸素等により再酸化されることなく、電気化学的に測定される。

Description

本発明は、試料中の測定対象物を電気化学的に測定するバイオセンサに関する。
従来、特定の測定対象物を含む試料液について、例えば、試料液の希釈や攪拌等を行わずに、簡便かつ迅速に前記測定対象物を定量できるバイオセンサが広く使用されている。このようなバイオセンサは、例えば、電気絶縁性の基板上に、スクリーン印刷等の方法によって作用極(測定極ともいう)と対極とを有する電極系を形成し、その上に、前記測定対象物と反応する酸化還元酵素およびメディエータ(電子伝達物質)等を含む試薬層を形成することにより作製できる(例えば、特許文献1参照)。この試薬層に、前記測定対象物を含む試料液を接触させると、前記酸化還元酵素の触媒作用によって、例えば、前記測定対象物が酸化され、前記メディエータが還元される。この還元されたメディエータ(以下、「還元型メディエータ」という)を、前記電極系を用いた電気化学的手法により再酸化し、これにより得られた酸化電流値から前記試料液中の測定対象物の濃度が算出できる。
しかしながら、反応雰囲気中に酸素が存在したり、試料液中に溶存酸素が存在する場合、前記還元型メディエータは、前述のように電気化学的に再酸化されるだけでなく、前記酸素によっても再酸化されてしまう。このため、電気化学的な再酸化による酸化電流値に誤差が生じ、測定精度が低下するという問題があった。
このような問題を回避する方法として、例えば、窒素雰囲気下での測定等が考えられるが、これでは手間がかかり操作も煩雑となる。また、全く酸素が無い条件下では、酵素反応に酸素を必要とする酸化還元酵素を使用することができないという問題もあり、適用範囲が非常に狭くなる。
特開平1−291153号公報
そこで、本発明の目的は、メディエータに対する酸素の影響を回避し、かつ試料液中の測定対象物を、迅速かつ簡便に、高精度で測定できるバイオセンサの提供である。
前記目的を達成するために、本発明のバイオセンサの製造方法は、電極を有する基板を準備し、前記電極表面に、少なくともメディエータと界面活性剤と緩衝剤と層状無機化合物とを含有する無機ゲル層を形成する工程を含む製造方法である。
また、本発明のバイオセンサは、前記本発明の製造方法により製造したバイオセンサである。
本発明者らは、バイオセンサについて、試料中の測定対象物と酸化還元酵素との反応によって還元されたメディエータ(還元型メディエータ)が自然酸化されることを防止すべく、鋭意研究を行った。その結果、一般に、例えば、層状無機化合物によって無機ゲル層が形成されることは知られているが、無機ゲル層がさらに界面活性剤および緩衝剤を含有することによって、前記還元型メディエータの自然酸化を防止する効果を発揮する無機ゲル層を形成できることを見出した。このような方法によって、前記自然酸化防止の効果が得られることは、本発明者らが初めて見出した事である。前述のような方法で無機ゲル層を形成すれば、試料中の測定対象物を間接的に測定するための前記還元型メディエータが、例えば、測定雰囲気中の酸素や試料中の溶存酸素等によって再酸化されることを防止できる。このため、前記還元型メディエータの再酸化による測定誤差が解消された、測定精度に優れるバイオセンサを提供できる。なお、本発明において、「前記メディエータの自然酸化」とは、例えば、バイオセンサの使用時における液体試料中の溶存酸素や、空気中の水分に吸収された酸素(例えば、保存時に空気中水分が空気中酸素を吸収する)によって、前記メディエータが酸化されることをいう。
界面活性剤および緩衝剤存在下で無機ゲル層を形成することによって、酸化防止機能が発揮されるのは、おそらく以下に示すメカニズムによると推測される。
例えば、前記メディエータと界面活性剤と緩衝剤と層状無機化合物とを含有する分散液を塗布して形成された前記無機ゲル層内においては、前記メディエータが前記層状無機化合物のシート内にしっかりとはまり込んだ複合体を形成し、前記メディエータが液体試料等に含まれる溶存酸素と接触するのを防止していると考えられる。通常、試料液中には酸素が溶存しているため、前述のように層状無機化合物が水をシャットアウトすることにより、前記メディエータに対する前記溶存酸素の攻撃を防止できるのである。そして、前述のようにさらに界面活性剤が存在することによって、層状無機化合物とメディエータとが重合して不溶化することなく、これらの複合体が分散された状態となり、前記効果を十分に発揮できる無機ゲル層を形成できるのである。
また、前記分散液が緩衝剤を含むことによって、均一な無機ゲル層の形成が可能になり、酸化防止機能をより一層向上することができるのである。これは、前記緩衝剤が、前記メディエータと層状無機化合物との複合体を形成する際にバインダーとして作用するためと考えられる。このバインダーとしての作用によって、メディエータと層状無機化合物との結合がより一層強固となった複合体が形成されるため、例えば、溶存酸素を含む液体をさらにシャットアウトでき、酸素によるメディエータの再酸化が防止できる。一方、この場合、前記界面活性剤は、前記緩衝剤と、層状無機化合物およびメディエータとが、重合体を形成して分散不可能になることを防止する、いわゆるブロック剤としての機能も果たすと考えられる。
本発明のバイオセンサは、前述のような方法で製造することによって、例えば、メディエータが、測定雰囲気中の酸素や試料中の溶存酸素等によって再酸化されることを防止できる。このため本発明のバイオセンサは、前記還元型メディエータの再酸化による測定誤差が解消され、測定精度に優れる。
本発明の製造方法によって得られるバイオセンサは、酸化還元酵素からメディエータへの電子の授受は、水ではなく、前記層状無機化合物の層間、つまり電気二重層を介して行われると考えられる。このため、水分が前記無機ゲル層によってシャットアウトされる本発明のバイオセンサによれば、例えば、高湿度環境等においても劣化を防止できるという効果を奏するのである。また、前記層状無機化合物の電気二重層は、水よりも電子を通し易いため、反応速度の増大にもつながると考えられる。
また、本発明の製造方法によるバイオセンサは、上述のような酸素の遮断によって、例えば、酸化による電極の錆の発生等も防止できる。
なお、本発明において、前記メディエータの自然酸化を防止する無機ゲル層を、「酸化防止層」ともいう。
[図1]図1は、本発明の実施形態において、バイオセンサの製造方法の一例を示す工程図であり、(A)〜(F)は、それぞれ、各工程を示す。
[図2]図2は、前記実施形態におけるバイオセンサの断面図である。
[図3]図3は、本発明の実施例において、グルコースセンサで試料を測定した場合の電流値の経時変化を示すグラフであって、同図(A)が実施例、同図(B)が比較例の結果をそれぞれ示す。
[図4]図4は、本発明のその他の実施例において、試料中における溶存酸素濃度と変化率(%)との関係を示すグラフである。
[図5]図5は、本発明のさらにその他の実施例において、試料中における溶存酸素濃度と変化率(%)との関係を示すグラフである。
[図6]図6は、本発明のさらにその他の実施例において、試料中における溶存酸素濃度と変化率(%)との関係を示すグラフである。
本発明において、前記層状無機化合物は、層状粘土鉱物であることが好ましく、特に好ましくは膨潤性粘土鉱物である。
前記層状無機化合物とは、例えば、無機物の多面体が平面状に連なってシート構造を形成し、このシート構造がさらに層状に重なって結晶構造を形成したものということができる。前記多面体の形状としては、例えば、四面体シート、八面体シート等があり、具体的には、例えば、Si四面体、Al八面体等があげられる。このような層状無機化合物としては、例えば、層状粘土鉱物、ハイドロタルサイト、スメクタイト、ハロイサイト、カオリン鉱物、雲母等が含まれる。
前記層状粘土鉱物とは、一般に、粘土(細かい土状の無機粒状物で、水で湿った状態において可塑性を示すもの)の大半を占めるアルミニウムケイ酸塩鉱物があげられ、これは、通常、Siが4つの酸素原子(O)に囲まれたSi四面体と、AlまたはMgが6つの水酸基(OH基)あるいは6つの酸素原子に囲まれたAl八面体またはMg八面体とを最小構成単位としている。
前記層状粘土鉱物の構造としては、例えば、前記Si四面体が他のSi四面体と1つの面を共有して、残る頂点の酸素原子を同方向に向けて六角網状のシートを形成し(以下「四面体シート」という)、一方、Al八面体またはMg八面体が他の八面体と稜角を共有してシートを形成し(八面体シート)、前記四面体シートと前記八面体シートとが層状に積層された構造があげられる。具体的には、例えば、前記四面体シートと前記八面体シートとが1枚ずつ重なった1:1層が、さらに何層も積層された構造の鉱物を1:1型鉱物;2枚の四面体シートで1枚の八面体シートを挟んだ2:1層が、さらに何枚も積層された構造の鉱物を2:1型鉱物;前記2:1層の層間に、さらにもう一枚の八面体シートが挟まれた構造の鉱物を2:1:1型鉱物と、それぞれ呼ばれている。また、例えば、八面体シートが、Mg(OH)で全ての八面体位置に金属イオンを有するものを3八面体型(Trioctahedral)といい、八面体シートが、Al(OH)で1/3が空孔になっているものを2八面体型(Dioctahedral)という。この中でも、本発明における前記層状無機化合物としては、2:1型鉱物が好ましい。
前記層状無機化合物を構成する元素としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、酸素、水素、フッ素、炭素等があげられ、いずれか一種類でもよいし、二種類以上で構成されてもよい。特に制限されないが、具体例として、例えば、下記式(1)〜(9)に示す化合物等があげられ、これらの化合物は、例えば、結晶水を含んでもよい。これらの下記式は、鉱物学的または化学的に純粋な化合物としての式であるが、実際には、例えば、ケイ酸ナトリウムなどの不純物を含む場合がある。このため、元素分析等によって化学式を定めた場合、これらの式と必ずしも一致しないことは、例えば、文献(D.W,Thompson,J.T.Butterworth,J.Colloid Interf.Sci.,151,236−243(1992))等においても記載されている。
Si(Al2−xMg)O10 ・・・(1)
前記式(1)において、好ましくは、Mは、H、Li、NaおよびKからなる群から選択された少なくとも一つであって、XはOHおよびFの少なくとも一方であって、は2未満の正数である。
(Si4−xAl)Al1210 ・・・(2)
前記式(2)において、好ましくは、Mは、H、Li、NaおよびKからなる群から選択された少なくとも一つであって、XはOHおよびFの少なくとも一方であって、は4未満の正数である。
Si(Mg3−xLi)O10 ・・・(3)
前記式(3)において、好ましくは、Mは、H、Li、NaおよびKからなる群から選択された少なくとも一つであって、XはOHおよびFの少なくとも一方であって、は3未満の正数である。
(Si4−xAl)Mg10 ・・・(4)
前記式(4)において、好ましくは、Mは、H、Li、NaおよびKからなる群から選択された少なくとも一つであって、XはOHおよびFの少なくとも一方であって、は4未満の正数である。
MSiMg2.510 ・・・(5)
前記式(5)において、Mは、好ましくはLiおよびNaの少なくとも一方であり、より好ましくはNaであり、Xは、好ましくはOHおよびFの少なくとも一方であり、より好ましくはFである。
SiMg10 ・・・(6)
前記式(6)において、Mは、好ましくはLiおよびNaの少なくとも一方であり、より好ましくはLiであり、Xは、好ましくはOHおよびFの少なくとも一方であり、より好ましくはFである。
MgAl12(OH)16 ・・・(7)
前記式(7)において、Xは、好ましくはハロゲン、NO、SO、COおよびOHからなる群から選択された少なくとも一つの基およびアニオン型有機酸の少なくとも一方であって、より好ましくはCOであり、は、Xがハロゲン、OH、NOまたは一価有機酸のとき、好ましくは2であって、XがSO、COまたは二価の有機酸のとき、好ましくは1である。
Na0.33Si(Mg2.67Li0.33)O10 ・・・(8)
前記式(8)において、Xは、好ましくはOHおよびFの少なくとも一方であって、好ましくはOHである。
Naa−b(Si4−aAl)(Mg3−bAl)O10 ・・・(9)
前記式(9)において、Xは、好ましくはOHおよびFの少なくとも一方であり、好ましくはOHであり、は、好ましくは4未満の正数であり、は、好ましくは3未満の正数であり、a−b>0であることが好ましい。
前記層状無機化合物の具体例としては、例えば、カオリナイト、ハロイサイト、蛇紋石等の1:1型粘土鉱物;タルク、パイロフィライト、スメクタイト、バーミキュライト(前記式(2)で表されるもの、以下同様)、フッ素四ケイ素雲母(前記式(5))やテニオナイト(前記式(6))を含む雲母等の2:1型粘土鉱物;クロライト等の2:1:1型粘土鉱物;2:1〜2:1:1型の中間鉱物;イモゴライト等の準晶質粘土鉱物;アロフェン等の非晶質粘土鉱物;ハイドロタルサイト(前記式(7))等が挙げられる。
また、スメクタイトには、例えば、同型置換された四面体、八面体格子中のイオン種によってモンモリロナイト(前記式(1))、モンモリロナイトが40〜80%含まれる天然物であるベントナイト、バイデライト(前記式(2))等の2八面体型;ヘクトライト(前記式(3)、好ましくは前記式(8))、サポナイト(前記式(4)、好ましくは前記式(9))、ノントロナイト等の3八面体型等が含まれる。
ハイドロタルサイトは、例えば、前記式(7)で表わされる。具体的には、例えば、MgAl(OH)16CO・4HOで表される層状鉱物であって、Mg(OH)(ブルーサイト:中心にMg2+を持つ酸素八面体の層が積み重なった構造を持つ)のMg2+の一部が、Al3+に同型置換している。これは正電荷を有するが、層間のCO 2−によって電気的中性を保っており、陰イオン交換能をもつものである。なお、ケイ酸塩鉱物ではないが、通常、粘土鉱物として取り扱われる。
前述のような層状無機化合物の組成の例を、下記表1に示す。なお、下記表1において、「MI」は、1価陽イオンで代表させた交換性陽イオンを示し、例えば、H、Na、K、Li等である。
Figure 2005043146
Figure 2005043146
前記層状無機化合物の平均孔径は、特に限定されないが、例えば、溶媒に対して均一に分散できる程度の粒径であることが好ましい。前記層状無機化合物は、一般に板状の粒子であり、かつ、複数個の粒子が凝集と劈開を繰り返す動的平衡にあるため、平均粒径を定義すること自体が困難であるが、例えば、光散乱法や電子顕微鏡を用いた観察等の手段により測定した場合に、水中に分散させた状態で、1nm〜20μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは10nm〜2μmの範囲である。
これら粘土鉱物等の層状無機化合物は、例えば、4級アンモニウム塩等のピラーを立てて、層間距離や層間の電荷や極性をあらかじめ調整することもできる。
前述のような層状無機化合物のうち、より好ましくは2:1型粘土鉱物であり、特に好ましくはイオン交換能を有する膨潤性粘土鉱物である。
前記膨潤性粘土鉱物のうち、より好ましくはベントナイト、スメクタイト、バーミキュライト、合成フッ素雲母等であり、特に好ましくは合成ヘクトライトや合成サポナイト等の合成スメクタイト;合成フッ素雲母に代表される膨潤性合成雲母;Na型雲母等の合成雲母(天然の雲母は、通常、非膨潤性の粘土鉱物である)等である。これらの層状無機化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
このような層状無機化合物としては、例えば、市販品が使用でき、コープケミカル(株)製の商品名ルーセンタイトSWN、商品名ルーセンタイトSWF(合成ヘクトライト)、商品名ME(フッ素雲母)、クニミネ工業(株)製の商品名スメクトンSA(合成サポナイト)、協和化学工業(株)製の商品名チキソピーW(合成ヘクトライト)、商品名キョーワード500(合成ハイドロタルサイト)、ラポー社製の商品名ラポナイト(合成ヘクトライト)、(株)ナカライテスク社製の天然ベントナイト、(株)豊順鉱業社製の商品名マルチゲル(ベントナイト)等が挙げられる。
本発明において、前記界面活性剤としては両性界面活性剤が好ましく、より好ましくは、例えば、同一分子内に正電荷と負電荷とを有する両性界面活性剤であり、例えば、アルキルアミノカルボン酸(またはその塩)、カルボキシベタイン、スルホベタインおよびホスホベタイン等があげられる。これらの中でも、さらに好ましくは、同一分子内に正電荷と負電荷とを有し、かつ、前記正電荷と負電荷とが離間している両性界面活性剤であり、例えば、カルボキシベタイン、スルホベタインおよびホスホベタイン等である。具体的には、前記カルボキシベタインとして、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等、前記スルホベタインとして、CHAPS、CHAPSOおよびアルキルヒドロキシスルホベタイン等が使用できる。これらの中でも好ましくは、スルホベタインであり、より好ましくはCHAPS、CHAPSO、特に好ましくはCHAPSである。
本発明において、前記緩衝剤としては、アミン系緩衝剤が好ましく、例えば、Tris、ACES、CHES、CAPSO、TAPS、CAPS、Bis−Tris、TAPSO、TES、TricineおよびADA等があげられ、好ましくはACES、Trisであり、より好ましくはACESである。これらの物質は、1種類でもよいし2種類以上を併用してもよい。
また、前記緩衝剤としては、カルボキシル基を有する緩衝剤も好ましく、例えば、酢酸−酢酸Na緩衝剤、リンゴ酸−酢酸Na緩衝剤、マロン酸−酢酸Na緩衝剤、コハク酸−酢酸Na緩衝剤等があげられ、この中でもコハク酸−酢酸Na緩衝剤が好ましい。
前記アミン系緩衝剤と前記界面活性剤との組み合わせとしては、例えば、TrisとCHAPS、ACESとCHAPS、ACESとCHAPSOの組み合わせ等があげられ、より好ましくはCHAPSとACESである。また、カルボキシル基と有する緩衝剤と前記界面活性剤との組み合わせとしては、例えば、コハク酸−酢酸NaとCHAPSまたはCHAPSO、マロン酸−酢酸NaとCHAPS、リンゴ酸−酢酸NaとCHAPSまたはCHAPSO、酢酸−酢酸NaとCHAPS等が挙げられ、好ましくはコハク酸−酢酸NaとCHAPSの組合わせである。
本発明において、前記メディエータとしては、例えば、後述するような酸化還元酵素と測定対象物との反応によって還元型となり、電気化学的に酸化され、酸化電流によって検出できるものが好ましく、従来公知のものが使用できる。
具体的には、フェリシアン化カリウム、p−ベンゾキノンおよびその誘導体、フェナジンメトサルフェート、インドフェノール、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール等のインドフェノール誘導体、β−ナフトキノン−4−スルホン酸カリウム、フェロセン、フェロセンカルボン酸等のフェロセン誘導体、オスミウム錯体、ルテニウム錯体、NAD、NADP、ピロロキノリンキノン(PQQ)、メチレンブルー、cytochtome c、cytochrome b、銅錯体等が使用できる。これらの中でも、好ましくはフェリシアン化カリウム、フェロセン、オスミウム錯体、ルテニウム錯体、NAD、NADP等が使用できる。
また、この他にも、例えば、1,1’−ジメチル−4,4’−ビピリジリウム塩、1,1’−ジベンジル−4,4’−ビピリジリウム塩、1,4−ジアミノベンゼン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、N−メチルフェナジニウム塩、1−ヒドロキシ−5−メチルフェナジニウム塩、1−メトキシ−5−メチルフェナジニウム塩、9−ジメチルアミノベンゾアルファフェノキサジン−7−イウム塩、ヘキサシアノ鉄(II)塩、7−ヒドロキシ−3H−フェノキサジン−3−オン 10−オキシド、3,7−ジアミノ−5−フェニルフェナジニウム塩、3−(ジエチルアミノ)−7−アミノ−5−フェニルフェナジニウム塩、1,4−ベンゼンジオール、1,4−ジヒドロキシ−2,3,5−トリメチルベンゼン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ベンゼンジアミン、Δ2,2’−ビ−1,3−ジチオール、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,5−ジメチルベンゾキノン、2,3,5,6−テトラメチル−2,5−シクロヘキサジエン−1,4−ジオン、2,6−ジクロロ−4−[(4−ヒドロキシフェニル)イミノ]−2,5−シクロヘキサジエン−1−オン、2,6−ジクロロ−4−[(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)イミノ]−2,5−シクロヘキサジエン−1−オン、7−(ジエチルアミノ)−3−イミノ−8−メチル−3H−フェノキサジン塩、3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウム塩等がメディエータとして使用できる。
本発明の製造方法において、前記無機ゲル層は、少なくともメディエータと界面活性剤と緩衝剤と層状無機化合物とを含有する分散液を塗布することによって、形成することが好ましい。
また、本発明においては、前記無機ゲル層の上に、酸化還元酵素を含有する層を形成し、積層体の試薬層としてもよいし、または、前記分散液にさらに酸化還元酵素を含有させ、前記酸化還元酵素を含有する無機ゲル層を電極表面に形成し、単層の試薬層としてもよい。このように単層の試薬層を形成する場合、酸化還元酵素を含有する層とメディエータを含有する層とを別途形成する必要がないため、製造が一層簡便となる。このようなバイオセンサは、例えば、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)のように、酵素反応に、酸素を必要としない酵素を使用する場合、特に好ましい。
前記酸化還元酵素としては、例えば、試料中の測定対象物および前記メディエータと酸化還元反応するものであれば特に制限されず、測定対象物の種類等に応じて適宜決定できる。
具体的には、例えば、グルコースオキシダーゼ(GOD)、ピラノースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、乳酸オキシダーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼ、アルコールオキシダーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、ピリルビン酸オキシダーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、アミノ酸デヒドロゲナーゼ、ギ酸デヒドロゲナーゼ、グリセロールデヒドロゲナーゼ、アシル−CoAオキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、4−ヒドロキシ安息香酸ヒドロキシラーゼ、マレイン酸デヒドロゲナーゼ、サルコシンオキシダーゼ、ウリカーゼ等があげられる。
前記酸化還元酵素と前記メディエータとの組み合わせは、特に制限されないが、例えば、GODとフェリシアン化カリウム、GDHとルテニウム錯体、コレステロールデヒドロゲナーゼとフェロセン、アルコールデヒドロゲナーゼと銅錯体の組み合わせ等があげられる。
(実施形態1)
本発明の第1のバイオセンサ製造方法の一例について、図1および図2に基づいて説明する。図1(A)〜(F)は、バイオセンサを製造する一連の工程を示した斜視図である。また、図2は、前記図1(F)に示すバイオセンサのI−I方向断面図である。なお、図1(A)〜(F)および図2において、同一箇所には同一符号を付している。
図1(F)および図2に示すように、このバイオセンサ1は、基板11、リード部12aを有する作用極12とリード部13aを有する対極13とから構成された電極系、絶縁層14、メディエータと層状無機化合物と界面活性剤とを含む無機ゲル層(酸化防止層)16、酸化還元酵素を含む酵素試薬層17、開口部を有するスペーサー18および貫通孔20を有するカバー19を備えている。図1(B)に示すように、基板11の一方の端部(両図において右側)上には、検出部15が設けられており、検出部15には、作用極12と対極13とが、基板11の幅方向に並行して配置されている。前記両電極の一端は、それぞれリード部12a、13a(両図において左側)となり、これらと、検出部15における他端とが、垂直となるように配置されている(図1(A))。また、作用極12と対極13との間は、絶縁部となっている。このような電極系を備えた基板11の上には、図1(B)に示すように、リード部12a、13aおよび検出部15を除いて、絶縁層14が積層されており、絶縁層14が積層されていない前記検出部15上には、無機ゲル層16および酵素試薬層17がこの順序で積層されている。そして、絶縁層14の上には、図1(E)に示すように、検出部15に対応する箇所が開口部になっているスペーサー18が配置されている。さらにスペーサー18の上には、前記開口部に対応する一部に貫通孔20を有するカバー19が配置されている(図1(F))。このバイオセンサ1において、前記開口部の空間部分であり、かつ、前記酵素試薬層17および絶縁層14とカバー19とに挟まれた空間部分が、キャピラリー構造の試料供給部21となる。そして、前記貫通孔20が、試料を毛管現象により吸入するための空気孔となる。
このバイオセンサ1の大きさは、特に制限されず、供給する試料の量等により適宜設定できるが、例えば、全体長さ5〜50mm、全体幅1〜50mm、最大厚み2000〜500μm、最小厚み50〜500μmである。なお、「長さ」とは、バイオセンサの長手方向の長さをいい、「幅」とは、幅方向の長さをいう(以下、同じ)。
基板11の大きさは、例えば、長さ5〜50mm、幅1〜50mm、厚み1000〜10μmであり、絶縁層14の大きさは、例えば、長さ5〜50mm、幅1〜50mm、厚み10〜200μmであり、検出部15の大きさは、例えば、長さ0.1〜10mm、幅0.1〜10mmであり、無機ゲル層16の大きさは、例えば、長さ0.1〜10mm、幅0.1〜10mm、厚み0.001〜500μmであり、酵素試薬層17の大きさは、長さ0.1〜10mm、幅0.1〜10mm、厚み0.001〜500μmである。スペーサーの大きさは、例えば、長さ1〜50mm、幅1〜50mm、厚み10〜1000μmであり、その開口部は、例えば、長さ0.1〜10mm、幅0.01〜10mmである。カバー19の大きさは、例えば、長さ5〜50mm、幅1〜50mm、厚み10〜1000μmであり、その貫通孔は、例えば、直径0.1〜10mmである。
無機ゲル層16における層状無機化合物の含有量は、供給する試料の種類やその量、検出部15の面積等に応じて適宜決定できるが、例えば、検出部15の面積1cm当たり、0.003〜30mgの範囲、好ましくは0.1〜10mgの範囲、より好ましくは0.3〜3mgの範囲である。具体的に、前記層状無機化合物がスメクタイトの場合、例えば、前記面積1cm当たり、0.003〜30mgの範囲、好ましくは0.1〜10mgの範囲、より好ましくは0.3〜3mgの範囲である。前記含有量が面積1cm当たり0.003mg以上であれば、例えば、十分に酸素遮断効果を発揮でき、また、面積1cm当たり30mg以下であれば、酵素遮断効果および再現性、反応性をより一層向上できる。なお、前記面積当たりの層状無機化合物の量は、無機ゲル層16の厚みに関係しており、前述のように、層の厚みは、0.001〜500μmの範囲が好ましい。
また、無機ゲル層16における界面活性剤(例えば、両性界面活性剤)の含有量は、例えば、前記層状無機化合物の量に応じて適宜決定できるが、層状無機化合物300mgに対して、例えば、0.1mmol〜100mmolの範囲、好ましくは0.5mmol〜10mmol、より好ましくは0.5mmol〜1mmolの範囲である。
また、無機ゲル層16におけるメディエータの含有量は、例えば、測定試料の種類、測定対象物の種類、後述する酵素試薬層における酸化還元酵素の量等によって適宜決定できるが、例えば、検出部15の面積1cm当たり、10mmol〜100molが好ましく、より好ましくは10mmol〜50mmol、特に好ましくは15mmol〜20mmolの範囲である。
この無機ゲル層16は、さらに緩衝剤を含有してもよい。無機ゲル層16における前記緩衝剤の含有量は、例えば、前記層状無機化合物の量に応じて適宜決定でき、層状無機化合物0.3gに対して、緩衝剤は、例えば、0.1mmol〜100mmolが好ましく、より好ましくは1mmol〜50mmol、特に好ましくは10mmol〜20mmolの範囲である。
前記酵素試薬層17における酸化還元酵素の含有量は、特に制限されず、試料の種類やその量、測定対象物の種類や量等に応じて適宜決定できる。具体的には、検出部15の面積1cm当たり、例えば、0.1U〜100KUの範囲であり、好ましくは、1U〜10KUの範囲であり、より好ましくは1U〜100Uの範囲である。
また、酵素試薬層17中の酵素量と前記無機ゲル層16中のメディエータとの割合は、例えば、酵素1000Uあたり、メディエータ0.01〜1Mの範囲、好ましくは0.01〜0.5Mの範囲、より好ましくは50mM〜200mMの範囲である。
このようなバイオセンサは、例えば、以下のようにして作製できる。
まず、電極系を形成するための基板11を準備する。前記基板11の材料としては、電気絶縁性材料が好ましく、例えば、プラスチック、ガラス、紙、セラミックス、ゴム等があげられる。前記プラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、アクリル樹脂、ガラスエポキシ等があげられる。
つぎに、図1(A)に示すように、基板11上にリード部12aを有する作用極12およびリード部13aを有する対極13からなる電極系を形成する。なお、電極の形状は、図1(A)に示す形状には何ら制限されない。前記電極としては、カーボン電極、金電極、パラジウム電極、白金電極等が好ましく、その種類に応じて、例えば、スクリーン印刷、コーティング法、蒸着法等の公知の方法により形成できる。
カーボン電極の場合は、例えば、カーボンインキを前記基板11上にスクリーン印刷する手段、コーティングする手段等により形成できる。
また、前記金電極は、例えば、蒸着法、メッキ法、スパッタ法、金箔貼付法等により形成できる。前記蒸着法は、例えば、イオンプレーティング法により、真空度1.33×10−4Pa、入力パワー300W、レート5×10−1nm/秒、時間2分の条件で、例えば、PETなどのプラスチックシート上に金を蒸着して、さらにキスカット装置を用いて、前記シート上に蒸着された金箔層に切れ目を入れる方法である。これにより、切れ目部分が絶縁部となり、作用極および対極からなる電極系が形成できる。
続いて、図1(B)に示すように、前記電極系12、13を形成した基板11上に絶縁層14を形成する。この絶縁層は、電極のリード部12a、13a(図1(B)において左側)と、後述する無機ゲル層等を形成する検出部15を除いた基板11上に形成する。
前記絶縁層14は、例えば、絶縁性樹脂を溶媒に溶解した絶縁ペーストを前記基板11上に印刷し、これを加熱処理または紫外線処理して形成することができる。
前記絶縁性樹脂としては、例えば、ポリエステル、ブチラール樹脂、フェノール樹脂等があげられ、前記溶媒としては、例えば、カルビトールアセテート、二塩基酸エステル系混合溶剤(DBEソルベント)等があげられる。前記ペーストにおける前記絶縁性樹脂の濃度は、例えば、65〜95重量%の範囲が好ましく、より好ましくは75〜90重量%の範囲であり、特に好ましくは80〜85重量%の範囲である。
前記加熱処理の条件は、使用する前記絶縁性樹脂の種類に応じて適宜決定できる。
なお、前記絶縁層14は、前記印刷法以外に、例えば、コーティング、膜はりつけ、エッチング等の方法によっても形成できる。
次に、図1(C)に示すように、絶縁層14が形成されていない検出部15において、基板11および電極12、13上に、無機ゲル層16を形成する。無機ゲル層16は、例えば、メディエータおよび界面活性剤を含み、かつ前記層状無機化合物が分散された分散液を調製し、これを前記検出部15に分注して、乾燥することによって形成できる。なお、この無機ゲル層16は、必ずしも常時ゲル状である必要はなく、使用前は、前記乾燥工程によって乾燥した状態であってもよく、液体試料等を含浸した場合に、ゲル状となることが好ましい。
前記分散液の調製に使用する溶媒としては、例えば、水、緩衝液アルコール、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が使用でき、この中でも好ましくは超純水である。
前記分散液における前記層状無機化合物の濃度は、例えば、0.1〜100mg/mLの範囲であり、好ましくは1〜100mg/mLの範囲であり、より好ましくは10〜30mg/mLの範囲である。また、前記分散液における前記界面活性剤の濃度は、例えば、1〜200mMの範囲であり、好ましくは1〜100mMの範囲であり、より好ましくは1〜10mMの範囲である。
また、分散液における層状無機化合物と界面活性剤との添加割合としては、前記層状無機化合物300mgに対して、界面活性剤が、例えば、0.1mmol〜100mmolの範囲、好ましくは0.5mmol〜10mmol、より好ましくは0.5mmol〜1mmolの範囲である。
また、前記分散液における前記メディエータの濃度は、例えば、1〜1000mMの範囲であり、好ましくは100〜800mMの範囲であり、より好ましくは200〜500mMの範囲であり、特に好ましくは300mM付近である。
前記分散液は、さらに、前述のようなアミン系等の緩衝剤を含むことが好ましく、この場合、前記緩衝剤の濃度は、例えば、1〜100mMの範囲であり、好ましくは10〜500mMの範囲であり、より好ましくは50〜200mMの範囲である。また、層状無機化合物に対する前記緩衝剤の添加割合としては、前記層状無機化合物0.3gに対して、前記緩衝剤が、例えば、0.1mmol〜100mmolが好ましく、より好ましくは1mmol〜50mmol、特に好ましくは10mmol〜20mmolの範囲である。
また、前記界面活性剤と前記緩衝剤の添加量は、例えば、前述のように無機微粒子に対する割合で決定できるため、前記界面活性剤と前記緩衝剤の添加割合(モル比A:B)は、特に制限されないが、例えば、A:B=1:1〜1:250の範囲であり、好ましくは1:10〜1:100の範囲であり、より好ましくは1:25〜1:50の範囲である。
前記溶媒に対する、前記メディエータ、前記層状無機化合物および界面活性剤等の各成分の添加順序は特に制限されないが、例えば、まず、前記溶媒に層状無機化合物を添加し、十分に攪拌した後、界面活性剤を添加する。そして、さらに前記緩衝剤を添加してから、最後にメディエータを溶解することが好ましい。この順序によると、メカニズムは不明であるが、より一層均一で、酸素との接触が防止される無機ゲル層を形成することができる。なお、前記緩衝剤は、界面活性剤と共に添加してもよいが、特に好ましくは、界面活性剤の添加後である。
また、前記分散液の調製方法は特に制限されないが、例えば、使用するメディエータの種類等に応じて、pHの調整や使用する緩衝剤の種類を選択することが好ましい。以下に、メディエータの種類に応じた具体的な例をあげる。
まず、中性付近での使用が好ましいメディエータを使用する場合の例を説明する。一般に、スメクタイトのような層状無機化合物(無機ゲル)は、水等の溶媒に溶解すると透明化するが、その分散液のpHは高アルカリ性(pH10付近)である。一方、中性付近での使用が好ましいメディエータや酵素等は、安定なpH条件下、すなわち、中性付近で添加することが好ましい。ところが、無機ゲルは、中性付近で白濁したり沈殿が生じる場合がある。この場合に、緩衝剤として前述のようなアミン系緩衝剤を添加すれば、前記分散液のpHを中性付近に調整でき、且つ、メカニズムは不明であるが、中性付近であるにもかかわらず、沈殿を生じることもなく、メディエータを添加することができるのである。そして、結果として、前述のように、メディエータの再酸化を十分に防止できる無機ゲル層を確実に形成できるのである。なお、両性界面活性剤のような界面活性剤を添加してから、アミン系緩衝剤を添加することによって、調製する分散液の白濁や沈殿を十分に防止できることも、本発明者らがはじめて見出したことでさる。具体的な添加順序としては、層状無機化合物の分散液に、界面活性剤を添加した後、アミン系緩衝剤を添加することが好ましい。アミノ系緩衝剤を添加した後の分散液のpHは、例えば、9〜5の範囲であり、好ましくは8〜6であり、より好ましくは7.5〜7である。
中性付近での使用が好ましいメディエータとしては、例えば、ファリシアン化カリウム、シトクロムC、PQQ、NAD、NADP、銅錯体等があげられる。
また、酸性付近での使用が好ましいメディエータを使用する場合には、以下のような調製方法が好ましい。前述のように、一般に、層状無機化合物(無機ゲル)を溶媒に溶解すると透明化し、その分散液のpHは強アルカリ性となる。この場合、酸性付近での使用が好ましいメディエータを添加するためには、例えば、前記分散液にHClのような酸を添加して、前記分散液のpHを酸性側に調整し、前記界面活性剤を添加した後に、前述のようなカルボキシル基を有する緩衝剤を添加してpH調整を行い、メディエータを添加することが好ましい。
このような方法が好ましいのは以下の理由による。スメクタイトのような無機層状化合物は、その分散液にHCl等の酸を添加して、強酸性条件とすると(例えば、pH2付近)、一旦は白濁して凝集を生じるが、さらに攪拌を続けることによって(例えば、24時間程度)、酸性側であっても分散液を透明化できることを、本発明者らは見出した。しかし、この状態の分散液では、前述のようにバインダーとなる緩衝剤が入っておらず、緩衝剤による効果が得られない上に、酵素を使用することを考慮すると、pH2等の強酸性では、酵素が失活するおそれがある。そこで、さらなる検討によって、本発明者らは、強酸性付近で透明化している分散液に、両性界面活性剤のような界面活性剤を添加した後、カルボキシル基を有する緩衝剤を添加して、メディエータや酵素の各成分に支障をきたさないpH(例えば、pH4.5付近)に設定することで、沈殿の発生を十分に防止し、メディエータや酵素を十分に安定な状態で使用できることを見出したのである。
前記分散液のpHは、はじめに1〜3の強酸性とすることが好ましく、より好ましくは1.5〜2である。使用する酸としては、特に制限されないが、例えば、塩酸、リン酸、酢酸等である。強酸性下での前記分散液の攪拌条件は、特に制限されないが、攪拌時間が、例えば、12〜72時間であり、好ましくは18〜48時間であり、特に好ましくは24〜30時間である。また、カルボキシル基を有する緩衝剤の添加によって、前記分散液のpHは、3〜6に設定することが好ましく、より好ましくは4〜5であり、特に好ましくは4.5〜4.8である。
酸性付近での使用が好ましいメディエータとしては、例えば、ルテニウム錯体、オスミウム錯体、フェロセン、フェナジンメトサルフェート、インドフェノール、メチレンブルー等が挙げられる。
前記溶媒に、層状無機化合物、界面活性剤および緩衝剤を添加した後は、一時静置しておくことが好ましく、静置時間は、例えば、24時間以上が好ましく、より好ましくは3日以上である。
この分散液の検出部15への注入割合は、例えば、検出部15の大きさ、分散液における前記層状無機化合物等の含量、前記層状無機化合物の種類等によって適宜決定できる。具体的には、検出部15の面積当たり(cm)、例えば、前記層状無機化合物0.003〜30mgの範囲になるように前記分散液を注入することが好ましく、より好ましくは0.1〜10mgの範囲であり、特に好ましくは0.3〜3mgの範囲である。したがって、分散液の層状無機化合物の濃度が、0.3重量%の場合、検出部の面積当たり(cm)、例えば、0.001〜10mLの範囲を注入することが好ましく、より好ましくは0.03〜3.3mLの範囲であり、特に好ましくは0.1〜1mLの範囲である。
また、前記分散液を検出部15に注入する方法は、特に制限されないが、例えば、自動駆動式分注機等を用いて行うことができる。
注入した前記分散液を乾燥する手段は、特に制限されないが、例えば、自然乾燥、風乾、減圧乾燥、凍結減圧乾燥等の方法が採用できる。また、これらの手段を組み合わせてもよい。その処理温度は、10〜60℃の範囲が好ましく、より好ましくは25〜50℃の範囲であり、特に好ましくは30〜40℃の範囲である。また、相対湿度RHは、5〜40%の範囲が好ましく、より好ましくは10〜20%の範囲であり、特に好ましくは10〜15%の範囲である。なお、処理時間は、例えば、乾燥手段に応じて適宜決定できるが、1〜60分の範囲が好ましく、より好ましくは5〜30分の範囲であり、特に好ましくは5〜10分の範囲である。
さらに、図1(D)に示すように、前記無機ゲル層16の上に、酵素試薬層17を形成する。この酵素試薬層17は、前記酸化還元酵素を含有する酵素液を調製して、これを前記無機ゲル層16上に注入し、乾燥することによって形成できる。また、前記酸化還元酵素としては、例えば、前述のようなものが使用できる。
前記酵素液は、例えば、酵素を溶媒に十分に溶解させて調製できる。前記溶媒としては、特に制限されないが、例えば、水、緩衝液、エタノール、メタノール、ブタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)およびテトラヒドロフラン等の有機溶剤等が使用できる。前記緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液、グッド緩衝液等があげられ、そのpHは、酵素の種類に応じて適宜決定できるが、例えば、5〜10の範囲が好ましく、より好ましくは6〜9の範囲、特に好ましくは7〜8の範囲である。また、水としては、例えば、精製水、蒸留水、超純水等があげられ、この中でも不純物が極めて少なく高精度のバイオセンサが作製可能であることから超純水が好ましい。
前記酵素液中の試薬の濃度は、特に制限されないが、例えば、1〜10KU/mLの範囲が好ましく、より好ましくは3〜6KU/mLの範囲である。
また、前記酵素液は、さらに界面活性剤を含むことが好ましく、特に両性界面活性剤を含むことが好ましい。前記両性界面活性剤としては、例えば、前述と同様のものが使用できる。
この酵素液は、酸化還元酵素の他に、例えば、酸化還元酵素の基質とならない糖類や、アミノ酸およびその誘導体、イミダゾール等のアミン化合物、ベタイン等を含んでもよい。前記糖類としては、例えば、スクロース、ラフィノース、ラクチトール、リビトール、アラビトール等があげられる。これらの中でも、前記糖類は、例えば、酵素の安定性向上に、前記アミノ酸、その誘導体およびベタインは、例えば、試薬の乾燥による固化の防止、イミダゾールは、例えば、メディエータの安定化等の目的で添加することができる。
前記酵素液の注入量は、形成する酵素試薬層17の大きさ、試薬の濃度、試料の量、測定対象物の種類等により適宜決定できる。
注入した前記酵素液の乾燥手段は、特に制限されないが、例えば、自然乾燥、風乾、減圧乾燥、凍結減圧乾燥等の方法が採用でき、これらの手段を組み合わせてもよい。乾燥条件としては、例えば、温度10〜60℃の範囲、相対湿度RH5〜40%の範囲、時間1〜60分の範囲である。また、試薬として酵素を使用する場合には、酵素の種類に応じて、失活しないように適宜温度を設定すればよい。
つぎに、図1(E)に示すように、絶縁層14上にスペーサー18を配置する。図示のように、スペーサー18は、前記酵素試薬層17に対応する箇所が開口部となっている。
前記スペーサー18の材料としては、例えば、樹脂製フィルムやテープ等が使用できる。また、両面テープであれば、前記絶縁膜14との接着だけでなく、後述するカバー19も容易に接着できる。この他にも、例えば、レジスト印刷等の手段によりスペーサーを形成してもよい。
つぎに、図1(F)に示すように、前記スペーサー17上にカバー19を配置する。前記カバー19の材料としては、特に制限されないが、例えば、各種プラスチック等が使用でき、好ましくは、PET等の透明樹脂があげられる。
このようにして作製したバイオセンサ1は、長期間保存する場合、湿気の影響を防ぐため、例えば、モレキュラーシーブ、シリカゲル、酸化カルシウム等の乾燥剤と共に密封保存することが好ましい。
このバイオセンサ1は、例えば、ある一定の時間で所定の電圧を加える手段、前記バイオセンサから伝達される電気信号を測定する手段、前記電気信号を測定対象物濃度に演算する演算手段等の種々の手段を備えた測定機器と組み合わせて使用できる。
このバイオセンサ1の使用方法について、試料が全血、測定対象物がグルコース、酸化還元酵素がGDH、メディエータがフェリシアン化カリウムである例をあげて説明する。
まず、全血試料をバイオセンサ1の開口部21の一端に接触させる。この開口部21は、前述のようにキャピラリー構造となっており、その他端に対応するカバー19には空気孔20が設けられているため、毛管現象によって前記試料が内部に吸引される。吸引された前記試料は、検出部15上に設けられた酵素試薬層17に浸透し、酵素試薬層17中のGDHを溶解して、さらに酵素試薬層17の下層である無機ゲル層16表面に達する。そして、表面に達した試料中のグルコースと、GDHと、無機ゲル層16中のフェリシアン化カリウムとが反応する。具体的には、測定対象物であるグルコースはGDHにより酸化され、その酸化反応により移動した電子によって、フェリシアン化カリウムが還元され、フェロシアン化カリウム(フェロシアンイオン)が生成される。
この際、試料は酵素試薬層17を通過して無機ゲル層16に達するが、無機ゲル層16を通過して電極表面に到達することはない。このため、還元されたフェロシアン化カリウムが試料中の溶存酸素によって再酸化することが防止できると考えられ、これによって測定精度の低下が抑制される。なお、電極表面に水分が到達していないことは、電子顕微鏡によって確認されている。また、前記試料中に含まれる赤血球等の不純物も、層状無機化合物の間を通過することができないため、この無機ゲル層16を通過することなく、電極12、13表面への吸着も防止される。
そして、無機ゲル層16中で還元されたフェロシアン化カリウムと、無機ゲル層16の下に位置する電極との間で、電子授受が行われ、これによってグルコース濃度が測定できるのである。具体的には以下のように行うことができる。
全血試料の供給から一定時間経過後、前記電圧を加える手段により対極13と作用極12との間に電圧を印加して、電極と接触している前記還元型のフェロシアン化カリウム(フェロシアンイオン)を電気化学的にフェリシアン化カリウムに酸化し、その際の酸化電流を、作用極12のリード部12aを介して前記電気信号を測定する手段等によって検出する。この酸化電流の値は、試料中のグルコース濃度に比例するため、これを前記演算手段によりグルコース濃度に演算すれば、試料中のグルコース濃度を求めることができる。
このようなバイオセンサによれば、前述のように溶存酸素等の影響による、還元型メディエータの再酸化が防止され、測定の精度や再現性が向上できる。
本実施形態においては、本発明のバイオセンサをグルコース測定に適用する例を示したが、これには制限されず、例えば、測定対象物に応じて試薬を適宜決定し、各種測定対象についてのバイオセンサとすることができる。具体的には、例えば、乳酸測定用バイオセンサの場合はラクテートオキシダーゼ、アルコール測定用バイオセンサの場合はアルコールオキシダーゼ、コレステロール測定用センサの場合はコレステロールオキシダーゼ等が使用できる。また、グルコース測定用バイオセンサの場合、例えば、ピラノースオキシダーゼやグルコースオキシダーゼ等も試薬として使用できる。
また、前記無機ゲル層と酵素試薬層とを積層する代りに、前述の層状無機化合物等を分散した分散液に、さらに酸化還元酵素を添加して、検出部15に、酵素試薬層と無機ゲル層を兼ねる単層を形成してもよい。この場合、前記分散液における酸化還元酵素量等は特に制限されず、例えば、前述のような添加量を参考にできる。
以下に示すようにして、前記図1(F)と同じ構造のグルコースセンサを作製した。
まず、グルコースセンサの絶縁基板11として、PET製基板(長さ50mm、幅6mm、厚み250μm)を準備し、その一方の表面に、スクリーン印刷により、リード部をそれぞれ有する作用極12および対極13からなるカーボン電極系を形成した。
つぎに、以下に示すようにして前記電極上に絶縁層14を形成した。まず、絶縁性樹脂ポリエステルを、濃度75重量%になるように溶媒カルビトールアセテートに溶解させて絶縁性ペーストを調製し、これを前記電極上にスクリーン印刷した。印刷条件は、300メッシュスクリーン、スキージ圧40kgであり、印刷する量は、電極面積1cm当たり0.002mLとした。なお、検出部15上と、リード部12a、13a上には、スクリーン印刷を行わなかった。そして、90℃で60分間加熱処理することによって絶縁層14を形成した。
続いて、前記絶縁層14を形成しなかった前記検出部15に、以下に示すようにして無機ゲル層16を形成した。まず、合成スメクタイトである商品名「ルーセンタイトSWN」(コープケミカル社製)0.6gを精製水100mLに懸濁し、約8〜24時間攪拌した。この合成スメクタイト懸濁液のpHは、約10であった。この合成スメクタイト懸濁液10mLに、10%(w/v)CHAPS(同仁化学研究所製)水溶液0.1mL、1.0M ACES緩衝液(pH7.4:同仁化学研究所製)5.0mLおよび精製水4.0mLをこの順序で添加し、さらにメディエータとして[Ru(NH]Cl(アルドリッチ社製)1.0gを混合した。この混合液を無機ゲル層形成液とする(pH7.5)。なお、この無機ゲル形成液における組成物の最終濃度を以下に示す。
ルーセンタイトSWN 0.3%(w/v)
CHAPS 0.3%(w/v)
ACES緩衝液(pH7.5) 100mM
[Ru(NH]Cl 5.0%(w/v)
この無機ゲル形成液1.0μLを、検出部15に分注した。なお、検出部15の表面積は約0.1cmであり、前記検出部15における電極12、13の表面積は約0.12cmであった。そして、これを、30℃、相対湿度10%の条件下で10分間乾燥させて、無機ゲル層16を形成した。
さらに、前記無機ゲル層16の上に、酵素試薬層17を形成した。これは、5000U/mL GDH水溶液1.0μLを、検出部15の前記無機ゲル層16の上に分注して、30℃、相対湿度10%の条件下で10分間乾燥させて形成した。
最後に、開口部を有するスペーサー18を絶縁層14上に配置し、さらに、前記スペーサー18上に空気孔となる貫通孔20を有するカバー19を配置してバイオセンサ1を作製した。前記カバー19と絶縁層14とに挟まれたスペーサー18の開口部の空間が、キャピラリー構造となるため、これを試料供給部21とした。
なお、比較例1としては、無機ゲル層形成液の調製において、前記合成スメクタイト懸濁液の代りに精製水を用いた以外は、実施例1と同様にしてグルコースセンサを作製した。
前記実施例1で作製したグルコースセンサを用いて、グルコース濃度に応じた応答電流の経時変化を測定した例である。
液体試料としては、ヒト全血を用いた。まず、採血後の全血を37℃で約1日放置して、グルコース濃度0mg/100mLに調整した。つぎに、これにグルコースを添加して、各種グルコース濃度(約200、400、600mg/100mL)の試料を調製した。なお、グルコース無添加の全血をグルコース濃度0mg/100mLとした。そして、実施例2として、前記グルコースセンサ1に200mVの電圧を印加してから、試料を試料供給部21に点着し、その点着5秒後の応答電流のタイムコースを測定した。比較例2として、比較例1のグルコースセンサについても同様にして測定を行った。なお、実施例および比較例ともに、計3回ずつ測定を行った(n=3)。これらの結果を図3(A)(B)に示す。図3は、グルコースセンサで試料を測定した場合の電流値の経時変化を示すグラフであって、同図(A)が実施例2、同図Bが比較例2の結果をそれぞれ示す。
同図(A)に示すように、実施例1のグルコースセンサによれば、同図(B)に示す比較例1のグルコースセンサよりも、応答電流値のピークがより早い時間で現れ、かつピーク電流値も高い値が得られた。このように高いピーク電流値が得られたのは、実施例1のグルコースセンサによれば、無機ゲル層において酸素が遮断されるため、グルコースとGDHとの反応によって還元されたメディエータが、酸素によって再酸化されることなく、電気化学的に酸化され、その酸化電流を測定できたからであると考えられる。また、電流値のピークが早い時間で現れたのは、電極上の無機ゲル層中において、スメクタイトのシート内にメディエータである[Ru(NH]Clがはまり込んで強固に固定化されているため、電極表面にスメクタイトを介してメディエータがゆるく固定化された状態となり、電極近傍のメディエータ濃度が大きくなって、反応速度が増大したものと考えられる。
本発明のグルコースセンサを用いて、試料の点着から一定時間経過後の応答電流値の再現性を確認した例である。
ヒト全血にグルコースを添加して、グルコース濃度0、103、415、616、824mg/100mLの試料をそれぞれ調製した。
実施例3として、前記無機ゲル層形成液におけるスメクタイト濃度(ルーセンタイトSWN)を0.24%(w/v)とした以外は、前記実施例1と同様にしてグルコースセンサを作製した。前記グルコースセンサの電極間に200mVの電圧を印加してから、試料を点着し、点着5秒後の応答電流値を測定した。前記測定は、同じグルコースセンサを用いて、各試料について、それぞれ計10回(n=10)行った。また、比較例3として、前記比較例1のグルコースセンサを用いて、前記実施例3と同様にして測定を行った(n=10)。
測定した実施例3および比較例3の応答電流値(n−10)から、測定の再現性を示すCV値を求めた。これらの結果を下記表2に示す。
Figure 2005043146
前記表2の結果から、比較例3は、特に試料中のグルコース濃度を824mg/100mLに増加させたことによって、CV値が7.30と大幅に変化したのに対し、実施例3によれば、CV値は2.34〜3.02の間で安定しており、前記グルコース濃度の増加に拘わらず、再現性よく測定できることがわかる。この結果から、実施例のグルコースセンサによれば、スメクタイトを含まない比較例のバイオセンサよりも高い再現性で測定できるといえる。
前記実施例3で作製したグルコースセンサについて、一定湿度および温度に曝露することによる影響を確認した例である。
前記グルコースセンサを、相対湿度80%、温度40℃に維持した室内に17時間放置して曝露した後、電極間に200mVの電圧を印加した。そして、グルコース濃度0、600mg/100mLとなるようにグルコースを添加したヒト全血試料を点着し、点着5秒後の応答電流値を測定した。これを実施例4とする。また、比較例4として、前記比較例1のグルコースセンサについても同様にして測定を行った。なお、実施例4および比較例4のコントロールとして、それぞれ前記グルコースセンサを用いて、前記通常の室温湿度(約25℃、約60%Rh)条件下で、前記試料についての応答電流値を測定した。そして、コントロールの電流値を100%とした場合の、前記実施例4および比較例4の感度(%)を求めた。以下の表3に結果を示す。
Figure 2005043146
前記表3に示すように、実施例3のグルコースセンサによれば、高湿度条件に曝露しても、比較例1のグルコースセンサに比べて曝露後の感度低下が小さいことがわかった。つまり、実施例3のグルコースセンサは、前述のように、無機ゲル層によって、例えば、空気中の水分や試料中の溶存酸素が遮断され、メディエータが酸素と接することを防止できるため、湿度に対する耐性を有しているといえる。
本発明のグルコースセンサについて、試料中の溶存酸素による影響を確認した例である。
ヒト全血にグルコースを添加して、グルコース濃度を111mg/100mLになるように試料を調製し、さらに溶存酸素が25.1mmHg付近(未調整)、92.0mmHg付近、および171.6mmHg付近になるようにそれぞれ調節した。溶存酸素濃度は、溶存酸素未調整(25.1mmHg)の前記試料を、試験管内で酸素と混和することによって、高濃度(92.0mmHg、171.6mmHg)に調整した。
実施例5として、前記無機ゲル層形成液におけるスメクタイト濃度(ルーセンタイトSWN)を、0.12%、0.24%、0.36%、0.48%(w/v)とした以外は、前記実施例1と同様にして4種類のグルコースセンサを作製した。そして、前記グルコースセンサの電極間に200mVの電圧を印加してから、前記試料を点着し、点着5秒後の応答電流値を測定した。これらの各グルコースセンサについて、溶存酸素未調整(25.1mmHg)の試料に対する前記応答電流値を基準として、下記式(10)より、各試料(溶存酸素92.0mmHg、171.6mmHg)の応答電流値の変化率(%)を求めた。また、比較例5として、前記比較例1のグルコースセンサについても同様にして測定を行い、変化率(%)を求めた。これらの結果を図4に示す。図4は、試料中における溶存酸素濃度と変化率(%)との関係を示すグラフであり、図において△、○、□、▽はそれぞれ実施例5であり、●は比較例5である。なお、変化率(%)は、絶対値が大きい程、応答電流が変化したことになる。
変化率(%)=[(A/B)−1]×100 ・・・(10)
A:溶存酸素調整試料の応答電流
B:溶存酸素未調整試料の応答電流
図4に示すように、実施例5によれば、試料の溶存酸素を増加させても、比較例5に比べて、変化率(%)の絶対値は小さかった。このことから、スメクタイトを含む実施例のグルコースセンサによれば、溶存酸素による感度低下が小さく、試料等の溶液中の溶存酸素の影響を軽減できることがわかった。
酸化還元酵素としてGODを用いた本発明のグルコースセンサについて、試料中の溶存酸素による影響を確認した例である。
無機ゲル層形成液として、以下の最終濃度となるように調製した分散液を使用し、酵素溶液として、GDH水溶液の代りに1200U/mLのGOD溶液(天野社製)を使用し、[Ru(NH]Clの代りにフェリシアン化カリウム(和光純薬工業社製)を、ACES緩衝液の代りにTris−HCl緩衝液(pH7.4:同仁化学研究所製)を使用した以外は、前記実施例1と同様にしてグルコースセンサを作製した。
ルーセンタイトSWN 0.3%(w/v)
CHAPS 0.1%(w/v)
Tris−Hcl緩衝液 100mM
フェリシアン化カリウム 3.0%(w/v)
なお、比較例6としては、無機ゲル層および酵素試薬層を形成する代りに、GOD1200U/mLおよびフェリシアン化カリウム3.0%(w/v)を含む溶液1μLを検出部に注入し、乾燥する以外は、前記実施例6と同様にしてバイオセンサを作製した。
ヒト全血にグルコースを添加して、グルコース濃度を600mg/100mLになるように試料を調製し、さらに溶存酸素が48.9mmHg(未調整)、106.4mmHg、および180.4mmHgになるようにそれぞれ調節した。溶存酸素濃度は、前記実施例5と同様に、溶存酸素未調整の前記試料を、試験管内で酸素と混和することによって、高濃度に調整した。
ヒト全血にグルコースを添加して、グルコース濃度600mg/100mLの試料を調製した。そして、前記グルコースセンサの電極間に500mVの電圧を印加し、試料点着5秒後の応答電流値を測定した。比較例6のグルコースセンサについても同様にして測定を行った。そして、実施例6および比較例6について、前記実施例5と同様に、溶存酸素未調整(48.9mmHg)の試料に対する前記応答電流値を基準として、前記式(10)より、各試料(溶存酸素106.4mmHg、180.4mmHg)に対する応答電流値の変化率(%)を求めた。これらの結果を図5に示す。図5は、試料中における溶存酸素濃度と変化率(%)との関係を示すグラフであり、同図において○が実施例6、●が比較例6の結果である。
図5に示すように、酸化還元酵素としてGODを用いた実施例6によっても、比較例6に比べて、試料中の溶存酸素による感度低下が小さく、溶存酸素の影響を軽減できたことがわかった。
実施例7は、界面活性剤としてCHAPS(両性界面活性剤)を、アミン系緩衝剤としてACES緩衝液をそれぞれ用いた実施例1で作製したグルコースセンサを使用した。一方、比較例7としては、界面活性剤としてCHAPSに代えてコール酸(アニオン系界面活性剤)を使用し、緩衝剤としてACESに代えてリン酸ナトリウムを使用した以外は、前記実施例1と同様にしてグルコースセンサを作製して、これを用いた。
ヒト全血にグルコースを添加して、グルコース濃度100mg/100mLの試料を調製し、さらに溶存酸素が34.7mmHg(未調整)、117.1mmHg、および185.3mmHg付近になるようにそれぞれ調節した。溶存酸素濃度は、前記実施例5と同様に、溶存酸素未調整の前記試料を、試験管内で酸素と混和することによって、高濃度に調整した。
そして、グルコースセンサの電極間に200mVの電圧を印加してから、前記試料を点着し、点着5秒後の応答電流値を測定した。これらの各グルコースセンサについて、溶存酸素未調整の試料に対する前記応答電流値を基準として、前記式(10)より、他の試料に対する応答電流値の変化率(%)を求めた。また、比較例7も、前記グルコースセンサを用いて同様にして測定を行い、変化率(%)を求めた。これらの結果を図6に示す。図6は、試料中における溶存酸素濃度と変化率(%)との関係を示すグラフであり、同図において○が実施例7、●が比較例7の結果である。
図6に示すように、両性界面活性剤でなくアニオン性界面活性剤を用い、緩衝剤としてアミン系緩衝剤でなくリン酸ナトリウムを用いた比較例7のグルコースセンサでは、スメクタイトを含有しているにも拘わらず、実施例7と比較して、溶存酸素の影響を多大に受けていることがわかる。このことから、実施例のように、両性界面活性剤およびアミン系緩衝剤の存在下で、スメクタイトを含む無機ゲル層を形成することによって、試料中の酸素による影響を防止できることがわかる。また、比較例のようにアニオン性界面活性剤を用いた場合、分散液を電極上に載せ難く、作製自体が困難であった。
以下に示す方法により、無機ゲル形成液を調製した以外は、前記実施例1と同様にしてバイオセンサを作製した。
合成スメクタイト(商品名ルーセンタイトSWN:コープケミカル社製)0.6g、10%(w/v)CHAPS(同仁化学研究所製)水溶液1gおよび精製水98.4gとを混合し(合計100g)、このスメクタイト懸濁液を一晩攪拌した。攪拌後の懸濁液40gに、2NのHCl(4g)を添加して一晩(約24時間)攪拌した(攪拌機:商品名マグネチックスターラーHS−3E;株式会社井内盛栄堂製)。HClの添加によって、前記懸濁液は白濁したが、一晩攪拌した後、透明となった。さらに、この懸濁液に、200mMコハク酸−酢酸Na緩衝液(pH4.5)を、1:1となるように混合した。この緩衝液を混合した後の懸濁液は、そのpHが約4.5であった。前記緩衝剤を加えた懸濁液に、さらにメディエータとして[Ru(NH]Cl(アルドリッチ社製)を5%(w/v)となるように添加して、これを無機ゲル層形成液とした。なお、この無機ゲル形成液における組成物の最終濃度を以下に示す。
ルーセンタイトSWN 0.3%(w/v)
CHAPS 0.3%(w/v)
コハク酸−酢酸Na緩衝液(pH4.5) 100mM
[Ru(NH]Cl 5.0%(w/v)
以上のように、本発明のバイオセンサの製造方法によれば、例えば、試料中の測定対象物を間接的に測定するための還元型メディエータが、測定雰囲気中の酸素や試料中の溶存酸素等によって再酸化されることを防止できるため、前記還元型メディエータの再酸化による測定誤差が解消され、測定精度に優れるバイオセンサを提供できる。

Claims (31)

  1. バイオセンサの製造方法であって、
    電極を有する基板を準備し、前記電極表面に、少なくともメディエータと界面活性剤と緩衝剤と層状無機化合物とを含有する無機ゲル層を形成する工程を含むバイオセンサの製造方法。
  2. 前記界面活性剤が両性界面活性剤である請求項1記載の製造方法。
  3. 前記両性界面活性剤が、同一分子内に正電荷と負電荷とを有する界面活性剤である請求項2記載の製造方法。
  4. 前記両性界面活性剤が、アルキルアミノカルボン酸塩、カルボキシベタイン、スルホベタインおよびホスホベタインからなる群から選択された少なくとも一つの界面活性剤である請求項3記載の製造方法。
  5. 前記両性界面活性剤が、同一分子内に正電荷と負電荷とを有し、かつ、前記正電荷と負電荷とが離間している界面活性剤である請求項2記載の製造方法。
  6. 前記両性界面活性剤が、カルボキシベタイン、スルホベタインおよびホスホベタインからなる群から選択された少なくとも一つの界面活性剤である請求項5記載の製造方法。
  7. 前記両性界面活性剤が、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインである請求項2記載の製造方法。
  8. 前記両性界面活性剤が、CHAPS、CHAPSOおよびアルキルヒドロキシスルホベタインからなる群から選択された少なくとも一つのスルホベタインである請求項2記載の製造方法。
  9. 前記緩衝剤がアミン系緩衝剤である請求項1または2記載の製造方法。
  10. 前記アミン系緩衝剤が、Tris、ACES、CHES、CAPSO、TAPS、CAPS、Bis−Tris、TAPSO、TES、TricineおよびADAからなる群から選択された少なくとも一つの物質である請求項9記載の製造方法。
  11. 前記緩衝剤がカルボキシル基を有する緩衝剤である請求項1または2記載の製造方法。
  12. 前記カルボキシル基を有する緩衝剤が、酢酸−酢酸Na緩衝剤、リンゴ酸−酢酸Na緩衝剤、マロン酸−酢酸Na緩衝剤およびコハク酸−酢酸Na緩衝剤からなる群から選択された少なくとも一つの緩衝剤である請求項11記載の製造方法。
  13. 少なくともメディエータと界面活性剤と緩衝剤と層状無機化合物とを含有する分散液を塗布することによって、前記無機ゲル層を形成する請求項1または2記載の製造方法。
  14. 界面活性剤と層状無機化合物とを分散媒に分散させた後、緩衝剤を添加し、さらに、メディエータを添加することによって前記分散液を調製する請求項13記載の製造方法。
  15. 層状無機化合物を分散媒に分散させた後、界面活性剤を添加し、続いて、アミン系緩衝剤を添加してから、さらに、メディエータを添加することによって前記分散液を調製する請求項14記載の製造方法。
  16. 前記メディエータが、ファリシアン化カリウム、シトクロムC、PQQ、NAD、NADP、銅錯体およびルテニウム錯体からなる群から選択された少なくとも一つの物質である請求項15記載の製造方法。
  17. 前記アミン系緩衝剤を添加した後の分散液のpHが、5〜9の範囲である請求項15記載の製造方法。
  18. 層状無機化合物を分散媒に分散させ、強酸性条件下で攪拌した後、界面活性剤を添加し、続いてカルボキシル基を有する緩衝剤を添加してから、さらに、メディエータを添加することによって前記分散液を調製する請求項14記載の製造方法。
  19. 前記メディエータが、ルテニウム錯体、オスミウム錯体、フェロセン、フェナジンメトサルフェート、インドフェノールおよびメチレンブルーからなる群から選択された少なくとも一つの物質である請求項18記載の製造方法。
  20. 前記強酸性条件が、pH1〜3の範囲である請求項18記載の製造方法。
  21. カルボキシル基を有する緩衝剤を添加した後の分散液のpHが、3〜6の範囲である請求項18記載の製造方法。
  22. 前記無機ゲル層が、前記メディエータの自然酸化を防止する層である請求項1記載の製造方法。
  23. 前記無機ゲル層の上に、さらに酸化還元酵素を含有する層を形成する請求項1記の製造方法。
  24. 前記分散液に、さらに酸化還元酵素を含有させ、前記酸化還元酵素を含有する無機ゲル層を形成する請求項13記載の製造方法。
  25. 前記層状無機化合物が、層状粘土鉱物である請求項1記載の製造方法。
  26. 前記層状粘土鉱物が、膨潤性層状粘土鉱物である請求項25記載の製造方法。
  27. 前記分散液における層状無機化合物と界面活性剤との添加割合が、層状無機化合物0.3gに対して、界面活性剤1〜200mmolの範囲である請求項13記載の製造方法。
  28. 前記分散液における層状無機化合物と緩衝剤との添加割合が、層状無機化合物0.3gに対して、緩衝剤1〜1000mMの範囲である請求項13記載の製造方法。
  29. 前記酸化還元酵素が、グルコースオキシダーゼ(GOD)、ピラノースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、乳酸オキシダーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼ、アルコールオキシダーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、ピリルビン酸オキシダーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、アミノ酸デヒドロゲナーゼ、ギ酸デヒドロゲナーゼ、グリセロールデヒドロゲナーゼ、アシル−CoAオキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、4−ヒドロキシ安息香酸ヒドロキシラーゼ、マレイン酸デヒドロゲナーゼ、サルコシンオキシダーゼおよびウリカーゼからなる群から選択された少なくとも一つの酵素である請求項23または24記載の製造方法。
  30. 前記メディエータが、フェリシアン化カリウム、p−ベンゾキノンならびにその誘導体、インドフェノール誘導体、β−ナフトキノン−4−スルホン酸カリウム、フェロセン誘導体、オスミウム錯体、ルテニウム錯体、NAD、NADP、ピロロキノリンキノン(PQQ)、メチレンブルー、cytochrome c、cytochrome bおよび銅錯体からなる群から選択された少なくとも一つの物質である請求項1記載の製造方法。
  31. 請求項1記載のバイオセンサの製造方法により製造したバイオセンサ。
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