JPWO2005039380A1 - 悪性黒色腫(メラノーマ)の診断剤 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、悪性黒色腫(メラノーマ)の新規かつ臨床的に有用な診断剤を提供することである。本発明によれば、GPC3に対する抗体、又はGPC3の発現を検出できるプローブ若しくはプライマーを含む、悪性黒色腫(メラノーマ)の診断剤が提供される。

Description

本発明は、悪性黒色腫(メラノーマ)の診断剤及び診断キット、並びに悪性黒色腫(メラノーマ)の診断方法に関する。
メラノーマは悪性黒色腫と呼ばれる皮膚がんの一種である。皮膚がんの種類は多様であるが、メラノーマは最も悪性度が高い皮膚がんである。皮膚を構成している細胞のなかにメラニン色素を産生する細胞があり、これを色素細胞(メラノサイト)と呼ぶが、この細胞ががん化したものがメラノーマである。
日本におけるメラノーマの発生数は人口10万人当たり1.5〜2人程度であり、日本では年間1500人〜2000人程度発生していると推測されている。欧米では人口10万人あたり10数人以上の発生率と言われ、オーストラリアでは人口10万人あたり20数人以上の発生率で世界一発生数が高いと言われている。それだけに欧米やオーストラリアの人々はメラノーマに関心を持ち、メラノーマの発生に注意をしている。また、驚くことに、外国でも日本でもメラノーマの発生数は年々増加傾向が認められている。最近の調査では、日本におけるこの病気による年間死亡者数は450人前後もいる。メラノーマは何歳の人でも発生しているが、特に40歳以上になると発生が多くなり、60歳〜70歳台が最も多くなっている。小児の発生は非常に少ないが、発生しないということはなく、最近20〜30歳台の若年者の発生が多くなっている傾向がある。性別では特にどちらかに多いという傾向はなく、男女どちらにも発生する。日本人のメラノーマが発生しやすい部位は、足底(足のうら)が最も多く、約3割程度を占めている。足や指の爪の部分にも多くできることが、日本人の特徴である。そのほか、欧米人と同様に体、手、足、顔、頭など、どこの皮膚にも発生する。
一方、血清腫瘍マーカーの測定は、メラノーマの診断のみならず、術後症例における再発の早期発見と、進行期例の治療効果の判定に重要である。メラノーマの腫瘍マーカーとしては、これまでに血清のLDHや5−S−cysteinyl dopa(5−S−CD)の有用性が知られていたが、さらに近年、S−100β蛋白およびmelanoma inhibitory activity(MIA)がより鋭敏なマーカーとして報告されている。日本においては、メラノーマの腫瘍マーカーとしては、5−S−CDが広く用いられている。しかし、いずれの腫瘍マーカーも、Stage IVといったかなり進行したものでないと陽性にならず、メラノーマの診断や、術後再発の早期発見という面では、有用性は限られているといわざるを得ない。
本発明者等は先に、23,040種の遺伝子を含むゲノムワイドのcDNAマイクロアレイの使用によって、20種の原発性肝細胞癌(HCC)および胎生期を含む様々な正常臓器におけるこれらの遺伝子の発現プロファイルを検討し、グリピカン3(glypican−3;GPC3)が、胎生期の肝臓、腎臓、肺に発現し、成人の正常臓器では胎盤以外ほとんど発現しないのに対し、ほとんどのHCCで高発現することを見いだした。さらに、このグリピカン3(glypican−3;GPC3)が、分泌蛋白であり、ELISA法を用いて40%のHCC患者の血清中にグリピカン3(glypican−3;GPC3)を検出することができ、これが、HCCの新しい腫瘍マーカーとして有用であることを報告した(Nakatsura,T.ら,ら,Biochem.Biophys.Res.Commun.306,16−25(2003))。
1996年、Piliaらは、グリピカンファミリーのメンバーの1種をコードするグリピカン3(glypican−3;GPC3)が、Simpson−Golabi−Behmel症候詳(SGBS)患者において変異していることを報告した(Pilia,G.ら,Nat.Genet.12,241−247(1996))。SGBSは出生前後の過成長、及び女性キャリアにおける非常に軽い表現型から男性乳児の致死的症状までの幅広い臨床的発現によって特徴付けられるX連鎖障害である(Neri,G.ら,Am.J.Med.Genet.79,279−283(1998))。SGBSの臨床的特徴としては、特徴的な顔貌(distinct facial appearance)、口蓋裂、合指、多指、副乳、嚢胞性及び異形成腎、先天性心欠陥等が挙げられる(Behmel,A.ら,Hum.Genet.67,409−413(1984);Garganta,C.L.及びBodurtha,J.N.,Am.J.Med.Genet.44,129−135(1992);Golabi,M.及びRosen,L.,Am.J.Med.Genet.17,345−358(1984);及びGurrieri,F.ら,Am.J.Med.Genet.44,136−137(1992))。GPC3変異のほとんどは点突然変異またはエクソンを含む数塩基の欠失であると報告されている(Hughes−Benzie,R.M.ら,Am.J.Med.Genet.66,227−234(1996);Lindsay,S.ら,J.Med.Genet.34,480−483(1997);Veugelers.M.ら,Hum.Mol.Genet.9,1321−1328(2000);及びXuan,J.Y.ら,J.Med.Genet.36,57−58(1999))。また、患者の表現型と変異の位置に相関性がないことから、SGBSは機能的GPC3タンパク質の欠損と、ファミリー内及びファミリー間の表現型の際に関連する他の遺伝的要因によって引き起こされる可能性が挙げられており(Hughes−Benzie,R.M.ら,Am.J.Med.Genet.66,227−234(1996))、GPC3欠損マウスの研究からも、この仮説に対する支持が得られている(Cano−Gauci,D.F.ら,J.Cell Biol.146,255−264(1999))。これらのマウスはSGBS患者に見られる、過成長、嚢胞性及び異形成腎を含む異常のいくつかを有している。
ノーザンブロット解析を用いた研究から、GPC3 mRNAはHCC、胎盤、胎児肝臟、胎児肺、胎児腎臓で過剰発現していることが報告されている(Zhu,Z.W.ら,Gut 48,558−564(2001);Hsu.H.C.ら,Cancer Res.57,5179−5184(1997);及びPellegrini,M.ら,Dev Dyn.213,431−439(1998))。
また、GPC3は細胞増殖の阻害剤であり、ある種の腫瘍細胞においてアポトーシスを誘導し得るため(Cano−Gauci,D.F.ら,J.Cell Biol.146,255−264(1999);及びDuenas Gonzales,A.ら,J.Cell Biol.141,1407−1414(1998))、GPC3発現が種々の起源の腫瘍においてダウンレギュレートされているという報告がある。Linらは、GPC3は正常な卵巣で発現しているが、ある種の卵巣癌細胞系においては検出できないことを示した(Lin,H.ら,Cancer Res.59,807−810(1999))。GPC3発現が見られない全てのケースにおいて、GPC3プロモーターが過度にメチル化されており、コード領域における変異はなく、また脱メチル化剤で処理することによってGPC3発現は回復した。更に、GPC3の異所性発現は数種の卵巣癌細胞系においてコロニー形成活性を阻害することが報告されている。GPC3と癌を関連付ける他のデータとしては、正常なラット中皮細胞及び中皮腫細胞系に関するディファレンシャルmRNAディスプレイ研究から得られたものがある(Murthy,S.S.ら,Oncogene 19,410−416(2000))。この研究において、GPC3は腫瘍細胞系において絶えずダウンレギュレートされていることが見出された。更に、同様のダウンレギュレーションは原発性ラット中皮腫及びヒトの中皮腫由来の細胞系においても見られている。卵巣癌と同様に、GPC3コード配列中に変異は見出されていないが、ほとんどの細胞系でGPC3プロモーター領域に異常なメチル化が見られている。報告されているように(Duenas Gonzales,A.ら,J.Cell Biol.141,1407−1414(1998))、中皮腫細胞系におけるGPC3の異所性発現はコロニー形成活性を阻害することが示された。更に最近、Xiangらは、GPC3がヒトの乳癌においても発現していないことを報告した(Xiang,Y.Y.ら,Oncogene 20,7408−7412(2001))。これらのデータから、GPC3がこれらの癌における成長の負のレギュレーターとして作用し得ることが示唆される。すなわち、GPC3の発現は成人のGPC3陽性組織から生じる癌における腫瘍の進行の間に低減し、この低減が悪性の表現型の発生において何らかの役割を果たしているように思われる。
反対に、HCCの場合、腫瘍は胎児においてのみGPC3を発現する肝臓組織から生じ、GPC3発現は悪性への形質転換において再び現れる傾向がある。GPC3の再発現がこれらの腫瘍の進行において重要であるか否かは明らかでない。ここ数年の間に、細胞表面ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)が線維芽細胞増殖因子(FGF)及びWnt等のヘパリン結合性成長因子の最適活性に必要であることが明らかとなった(Yayon,A.ら,Cell 64,841−848(1991);及びSchlessinger,J.ら,Cell 83,357−360(1995))。グリピカンはGPIアンカー型細胞表面HSPGのファミリーであり、腫瘍形成とGPC3の発現レベルの関係におけるこの組織特異的な差異は、GPC3が各組織において成長と生存因子を異なって調節しているためではないかと推測される。GPC3は少なくともこれらの臓器において癌胎児性タンパク質として働いているように思われる。一般に、癌胎児性タンパク質は腫瘍の進行において重要な役割を持つとはされていないが、腫瘍マーカーまたは免疫治療の標的として使用されてきた(Coggin,J.H.Jr.,CRC Critical Reviews in Oncology/Hematology 5,37−55(1992);及びMatsuura,H.及びHakomori S.−I.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.82,6517−6521(1985))。GPC3の癌胎児性挙動が臨床的用途に利用し得るか否か、このグリピカンの再発現がHCCの進行において重要であるか否かは、更に研究の余地がある。
メラノーマの腫瘍マーカーとしては、血清のLDHや日本で広く用いられている5−S−cysteinyldopa(5−S−CD)、さらに近年、より鋭敏なマーカーとして報告されているS−100β蛋白およびmelanoma inhibitory activity(MIA)があるが、いずれの腫瘍マーカーも、Stage IVといったかなり進行したものでないと陽性にならず、メラノーマの早期診断や、術後再発の早期発見という面では、有用性は限られているといわざるを得ない。メラノーマの早期診断には他に有用な腫瘍マーカーが必要である。即ち、本発明は、悪性黒色腫(メラノーマ)の新規かつ臨床的に有用な診断剤を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者等は、先に、cDNAマイクロアレイに基づいてヒト肝細胞癌において特異的に過剰発現している新規な癌胎児性タンパク質としてグリピカン3(GPC3)を同定し、HCC患者血清中に可溶性GPC3タンパク質を検出し、GPC3はHCCの新たな腫瘍マーカーとなり得ることを明らかにした。本発明者等は今回、マウスメラノーマ細胞株B16にGPC3が発現することを初めて発見し、GPC3がメラノーマにおいてもHCCと同様に高発現しており、有用な腫瘍マーカーになりうるのではないかと考えた。そこで本発明者等は、確認のための実験を行った結果、GPC3がメラノーマにおいて今までになかった早期診断のできる腫瘍マーカーであることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(6)を提供する。
(1) GPC3に対する抗体、又はGPC3の発現を検出できるプローブ若しくはプライマーを含む、悪性黒色腫(メラノーマ)の診断剤。
(2) GPC3に対する抗体、又はGPC3の発現を検出できるプローブ若しくはプライマーを含む、悪性黒色腫(メラノーマ)の診断のためのキット。
(3) サンプル中のGPC3を検出又は測定することを含む、悪性黒色腫(メラノーマ)の診断方法。
(4) サンプルとGPC3に対する抗体とを接触させることを含む、(3)に記載の診断方法。
(5) サンプル中のGPC3を定量することを含む、(3)又は(4)に記載の診断方法。
(6) 悪性黒色腫(メラノーマ)の腫瘍マーカーとしてGPCを使用する方法。
図1は、GPC3 mRNAの発現を示す。
A:マウス細胞系におけるGPC3 mRNAの発現
レーン1:EL4,2:Colon26,3:B16,4:MH129F,5:MH129P,6:MH134
その結果、B16メラノーマ細胞系においてGPC3 mRNAの強い発現が示されたが、EL4,Colon26,MH129F,MH129P,MH134ではそのような発現は見られなかった。
B:ヒトメラノーマ細胞株におけるGPC3 mRNAの発現
レーン1:164,2:888mel,3:Ihara,4:CRL1579,5:526mel,6:G361,7:MeWo,8:SK−MEL−28,9:SK−MEL−19,10:Colo38,11:HMV−I,12:HEMn(melanocyte)
164,888mel,Ihara,CRL1579,MeWoメラノーマ細胞系においてGPC3 mRNAの強い発現が示され、526mel,G361,SK−MEL−28細胞系において中程度の発現が示されたが、SK−MEL−19,Colo38,HMV−Iではそのような発現は見られなかった(図1B)。尚、培養メラノサイトにも若干発現がみられた。
C:ヒトメラノーマ組織におけるGPC3 mRNAの発現
レーン1:正常皮膚,2:Pt1メラノーマ原発巣,3:Pt2メラノーマ原発巣,4:Pt2メラノーマリンパ節転移巣,5:Pt3メラノーマ原発巣,6:Pt4メラノーマ原発巣,7:先天性色素性母斑症例1,8:先天性色素性母斑症例2
正常皮膚にはGPC3 mRNAの発現は認めなかったが、ほとんどのメラノーマ組織でGPC3 mRNAの発現を認めた。一方、先天性色素性母斑でもGPC3 mRNAの発現を認めた。
図2は、免疫組織化学分析によるメラノーマおよび色素性母斑におけるGPC3タンパクの発現を示す。
A:(Pt6)X100 GPC3 メラノーマ癌部非癌部境界部,B:(Pt7)X200 GPC3メラノーマ癌部,C:色素性母斑症例3 X100 GPC3
正常皮膚にはGPC3タンパクがほとんど発現しないのに対し、メラノーマ細胞および色素性母斑では、GPC3タンパクが高発現していた。
図3Aはメラノーマ細胞系の培養上清中に分泌されるGPC3タンパク質のELISAによる定量の結果を示す。HepG2細胞1×10個の24時間培養後の培養上清1ml中のGPC3タンパク質の濃度を1U/mlと規定した。HepG2培養上清中のGPC3タンパク質の量よりは少ないが、11種類のメラノーマ細胞株のうち、5種類の培養上清中にGPC3タンパクが検出された。
図3Bはメラノーマ患者血清中の可溶性GPC3タンパク質の存在を示す。91名の術前メラノーマ患者、5名の巨大先天性色素性母斑患者、及び60名の健康なドナー(HD)の血清中のGPC3タンパク質の量をELISAによって評価した(図3B)。60名のHD、5名の巨大先天性色素性母斑患者の血清中にはGPC3タンパク質は全く検出されなかった。91名のメラノーマ患者の39.6%(36/91)、5名の巨大先天性色素性母斑患者の0%(0/5)、HDの0%(0/60)がGPC3タンパク質陽性であった。さらに、そのうち、術後の経過をおうことができた14例すべてにおいて、摘出手術後には血清中にGPC3タンパクが検出されなくなった。
図4Aはメラノーマ患者血清中のStage別可溶性GPC3タンパク質の存在を示す。(+)は術前患者、(−)は術後で患者さんにメラノーマが存在しないと思われる症例。Nは症例数。
図4Bはメラノーマ患者血清中のStage別5−S−CDを示す。
図4Aと同じ症例の5−S−CD(nmol/L)を示す。カットオフ値を10(nmol/L)に設定した。
図4Cはメラノーマ患者血清中のStage別MIAを示す。
図4Aと同じ症例のMIA(ng/ml)を示す。カットオフ値を17(ng/ml)に設定した。
本発明者等は、(Nakatsura,T.ら,Biochem.Biophys.Res.Commun.306,16−25(2003))に記載の方法を用い、グリピカン3(GPC3)がメラノーマの早期診断に有用な血清腫瘍マーカーであることを見いだした。
ヒトGPC3タンパク質のアミノ酸配列は公知であり、例えばGenBankのタンパク質データベースにAccession No.NP004475として登録されており、当業者であれば容易に入手することができる。
本発明は、GPC3に対する抗体、又はGPC3の発現を検出できるプローブ若しくはプライマーを含む、悪性黒色腫(メラノーマ)の診断剤を提供する。
GPC3に対する抗体は、当業者に公知の方法(例えば、「新生化学実験講座1,タンパク質I,389−406,東京化学同人」参照)により調製することが可能である。GPCタンパク質はアミノ酸配列が前記のように公知であり、該アミノ酸配列に基づいて通常のタンパク質発現技術を用いて製造でき、また市販のもの(Santa Cruz,CA)を利用することも可能である。市販のGPC3を用いる場合は、必要に応じてSDS−OutTM(Sodium Dodecyl Sulfate Precipitation Reagent;PIERCE,Rockford,ILより購入)を用いてSDSを除いて使用することが好ましい。またGPC3の部分ペプチドは、GPC3のアミノ酸配列から適当な部分配列を選択し、通常のペプチド合成技術を用いて製造できる。
ポリクローナル抗体の調製は、例えば、ウサギ、モルモット、マウス、ニワトリなどの動物に適量のGPC3タンパク質またはその部分ペプチドを投与する。投与は、抗体産生を促進するアジュバント(FIAやFCA)と共に行ってもよい。投与は、通常、数週間ごとに行う。免疫を複数回行うことにより、抗体価を上昇させることができる。最終免疫後、免疫動物から採血を行うことにより抗血清が得られる。この抗血清に対し、例えば、硫酸アンモニウム沈殿や陰イオンクロマトグラフィーによる分画、プロテインAや固定化抗原を用いたアフィニティー精製を行うことにより、ポリクローナル抗体を調製することができる。一方、モノクローナル抗体の調製は、例えば、GPC3タンパク質もしくはその部分ペプチドを、上記と同様に動物に免疫し、最終免疫後、この免疫動物から脾臟またはリンパ節を採取する。この脾臟またはリンパ節に含まれる抗体産生細胞とミエローマ細胞とをポリエチレングリコールなどを用いて融合し、ハイブリドーマを調製する。目的のハイブリドーマをスクリーニングし、これを培養し、その培養上清からモノクローナル抗体を調製することができる。モノクローナル抗体の精製は、例えば、硫酸アンモニウム沈殿や陰イオンクロマトグラフィーによる分画、プロテインAや固定化抗原を用いたアフィニティー精製により行うことができる。尚、本発明の目的のためには、抗体はGPC3のいかなるエピトープを認識するものであっても良い。
本発明で使用する抗体は、上記の通り調製したイムノグロブリン分画を使用してもよいが、さらにGPC3タンパク質との結合部位のみを分離したF(ab’),Fab’,Fabなどの分画を使用することもできる。
診断剤としての正確性のためには、抗体はヒト型抗体もしくはヒト抗体であることが好ましい。ヒト型抗体は、例えば、マウス−ヒトキメラ抗体であれば、GPC3タンパク質に対する抗体を産生するマウス細胞から抗体遺伝子を単離し、そのH鎖定常部をヒトIgE H鎖定常部遺伝子に組換え、マウス骨髄腫細胞に導入することにより調製できる。また、ヒト抗体は、免疫系をヒトと入れ換えたマウスにGPC3タンパク質を免疫することにより調製することが可能である。
本発明の診断剤における抗体の濃度は特に限定されないが、例えば0.1から10μg/mlの濃度で用いることができる。診断剤には上記GPC3に対する抗体の他に、必要に応じて薬学的に許容される担体等を適宜含有させることができる。
本発明は更に、サンプル中のGPC3を検出又は測定することを含む、メラノーマの診断方法を提供する。例えば、サンプルとGPC3に対する抗体を接触させることによって、サンプル中のGPC3を検出又は測定することができる。本発明におけるサンプルとしては、メラノーマに罹患しているおそれのある被験者から得られる血清、唾液又は尿などの体液、あるいは皮膚組織切片等が挙げられるが、特に好ましくは血清である。サンプルと上記抗体との接触は、当分野において通常行われている方法に基づいて行えばよく、特に限定するものではない。
皮膚組織切片をサンプルとする場合は、常法に従って作製した臓器の組織切片をGPC3に対する抗体を用いて、免疫染色を行い、GPC3の発現の有無を見ることによって、悪性黒色腫(メラノーマ)が生じているかどうかを判定することができる。
また、血清などの体液をサンプルとする場合には、例えばサンプルと上記抗体との接触の後、サンプル中に存在し得るGPC3と抗体との特異的結合を、蛍光物質や発光物質、酵素等で標識した二次抗体等を使用して定量的に検出することにより行うことができる。
即ち、本発明の方法によりサンプル中のGPC3を検出又は測定するためには、サンプルとGPC3に対する抗体とを反応させ、反応生成物である複合体を検出すればよい。酵素、放射性物質、蛍光物質などの標識をあらかじめ抗体に結合させておくことにより、反応生成物である複合体を検出することが可能になる。具体的には、GPC3に対する抗体を用いて、例えばサンドイッチ法、競合法、凝集法、またウエスタンブロッティング法などの公知の測定法によりGPC3を検出又は測定することによって悪性黒色腫(メラノーマ)の診断が可能である。
また、診断のための反応をウェル等の液相中で行ってもよく、あるいはGPC3に対する抗体を固定した固相支持体上で行ってもよい。この場合、メラノーマに罹患していない正常なサンプル、あるいはメラノーマであることが判明しているサンプルを用いて予め作製した標準値と比較することによって、測定された値がメラノーマ陽性であるか否かを判定することができる。また、診断の際には、多数のメラノーマ患者と健常人の血清中GPC3量を測定して、カットオフ値を設定することが好ましい。
本発明の診断方法は、メラノーマに罹患しているか否かの診断に用いることができる他、メラノーマに対する治療の効果を確認するために経時的に行うこともできる。
さらに本発明の悪性黒色腫(メラノーマ)の診断においてGPC3を検出又は測定する場合、GPC3を蛋白質として検出するだけではなく、GPC3のmRNAを検出する方法を用いてもよい。即ち、GPC3のmRNAとハイブリダイズしうるDNAまたはRNAを試料と反応させ、試料中のGPC3のmRNAと、DNAまたはRNAとのハイブリダイゼーション生成物を検出すればよい。mRNAを検出する方法としては、例えばin situハイブリダイゼーション法、ノーザンブロッテイング法、RT−PCR法などが挙げられる。即ち、本発明によれば、GPC3の発現を検出できるプローブ若しくはプライマーを含む、悪性黒色腫(メラノーマ)の診断剤が提供される。上記プローブ若しくはプライマーは、公知のヒトGPC3タンパク質のアミノ酸配列(例えばGenBankのタンパク質データベースのAccession No.NP004475)に基づいて当業者であれば適宜設計及び入手することができる。
本発明はさらに、GPC3に対する抗体、又はGPC3の発現を検出できるプローブ若しくはプライマーを含む、悪性黒色腫(メラノーマ)の診断のためのキットを提供する。本発明のキットとしては、GPC3に対する抗体を用いる場合には、例えば、サンドイッチ法、競合法、凝集法、またウエスタンブロッティング法などの分析を行うのに必要な試薬を含むキットが挙げられる。また、GPC3の発現を検出できるプローブ若しくはプライマーを用いる場合には、in situハイブリダイゼーション法、ノーザンブロッテイング法、RT−PCR法などの分析を行うのに必要な試薬を含むキットが挙げられる。
本発明はさらに、悪性黒色腫(メラノーマ)の腫瘍マーカーとしてGPC3を使用する方法にも関する。該方法は、悪性黒色腫(メラノーマ)の腫瘍マーカーとしてGPC3を使用することによって悪性黒色腫(メラノーマ)を診断する方法の全てを包含するものであり、その態様が限定されない。悪性黒色腫(メラノーマ)の腫瘍マーカーとしてGPC3を使用する方法の具体例としては、GPC3に対する抗体を用いてサンプル中のGPC3を、例えば、サンドイッチ法、競合法、凝集法、またウエスタンブロッティング法などにより検出又は測定する方法、並びに、GPC3の発現を検出できるプローブ若しくはプライマーを用いることによって、サンプル中のGPC3の発現をin situハイブリダイゼーション法、ノーザンブロッテイング法、RT−PCR法などにより検出又は測定する方法が包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]マウス細胞株におけるGPC3 mRNAの発現
逆転写−PCR(RT−PCR)を用いたGPC3 mRNA発現を検討した。マウス細胞系であるMH129F,MH129P及びMH134は東北大学加齢医学研究所医用細胞資源センターから入手した。EL4,Colon26,B16は熊本大学のM.Ogawa博士よりご供与頂いた。
RT−PCRは公知の方法(例えばNakatsura,T.ら,Biochem.Biophys.Res.Commun.281,936−944(2001))に従って行った。500bpの断片を増幅するマウスGPC3遺伝子特異的PCRプライマーを設計し、これを用いて94℃、5分の初期変性、及び58℃のアニーリング温度での30増幅サイクルからなるRT−PCR反応を行った。用いたGPC3 PCRプライマー配列は、センス:5’−ACGGGATGGTGAAAGTGAAGA−3’(配列番号1)、アンチセンス:5’GAAAGAGAAAAGAGGGAAACA−3’(配列番号2)である。
マウス細胞系におけるGPC3 mRNAの発現を比較した。その結果、B16メラノーマ細胞系においてGPC3 mRNAの強い発現が示されたが、EL4,Colon26,MH129F,MH129P,MH134ではそのような発現は見られなかった(図1A)。
[実施例2]ヒトメラノーマ細胞株におけるGPC3 mRNAの発現
逆転写−PCR(RT−PCR)を用いたGPC3 mRNA発現を検討した。メラノーマ細胞系であるG361,CRL1579,SK−MEL−28,HMV−I及びHMV−IIは東北大学加齢医学研究所医用細胞資源センターから入手した。526mel,888melは慶応大学のY.Kawakami博士よりご供与頂いた。また、Ihara、MeWo,colo38は熊本大学のT.Kageshita博士よりご供与頂いた。さらに、培養ヒト表皮メラニン細胞HEMnは、クラボウ(倉敷紡績株式会社)より購入した。
RT−PCRは公知の方法(例えばNakatsura,T.ら,Biochem.Biophys.Res.Commun.281,936−944(2001))に従って行った。939bpの断片を増幅するヒトGPC3遺伝子特異的PCRプライマーを設計し、これを用いて94℃、5分の初期変性、及び58℃のアニーリング温度での30増幅サイクルからなるRT−PCR反応を行った。用いたGPC3 PCRプライマー配列は、センス:5’−GTTACTGCAATGTGGTCATGC−3’(配列番号3)、アンチセンス:5’−CTGGTGCCCAGCACATGT−3’(配列番号4)であり、対照実験のためのβ−アクチンPCRプライマー配列は、センス:5’−CCTCGCCTTTGCCGATCC−3’(配列番号5)、アンチセンス:5’−GGATCTTCATGAGGTAGTCAGTC−3’(配列番号6)である。
対照であるβ−アクチンmRNAによる標準化の後、メラノーマ細胞系におけるGPC3 mRNAの発現を比較した。その結果、164,888mel,Ihara,CRL1579,MeWoメラノーマ細胞系においてGPC3 mRNAの強い発現が示され、526mel,G361,SK−MEL−28細胞系において中程度の発現が示されたが、SK−MEL−19,Colo38,HMV−Iではそのような発現は見られなかった(図1B)。尚、培養メラノサイトにも若干発現がみられた。
[実施例3]ヒトメラノーマ組織におけるGPC3 mRNAの発現
同様に、ヒト正常皮膚、ヒトメラノーマ、ヒト色素性母斑組織におけるGPC3 mRNAの発現を調べた。検体は、熊本大学医学部皮膚科学講座において治療されたインフォームドコンセントの得られたものを、T.Kageshita博士より御供与頂いた。その結果、正常皮膚にはGPC3 mRNAの発現は認めなかったが、ほとんどのメラノーマ組織でGPC3 mRNAの発現を認めた。一方、先天性色素性母斑でもGPC3 mRNAの発現を認めた。
[実施例4]メラノーマにおけるGPC3タンパク質の発現
21名のメラノーマ患者から切除したメラノーマ組織周辺のメラノーマ及び非癌性領域および11名の色素性母斑患者から切除した色素性母斑組織周辺の色素性母斑及び正常皮膚領域におけるGPC3の免疫組織化学分析を行った。
免疫組織化学分析は、当分野において公知の方法に従って行った(Nakatsura,T.ら,Biochem.Biophys.Res.Commun.281,936−944(2001))。ホルマリン固定してパラフィン包埋した厚さ4μmの組織サンプル切片を1:200に希釈した抗−GPC3抗体と共に染色した。代表的な結果を図2に示す。
図2A,Bに示すように、メラノーマ2例とも、正常皮膚にはGPC3タンパクがほとんど発現しないのに対し、メラノーマ細胞では、GPC3タンパクが高発現していた。一方、図2Cに示すように、色素性母斑でもGPC3タンパクは高発現していた。メラノーマの21例中17例(81.0%)および色素性母斑の11例中10例でGPC3タンパクは高発現していた。
[実施例5]メラノーマ細胞系の培養上清及びメラノーマ患者血清中の可溶性GPC3タンパク質の存在
GPC3 303−464のアミノ酸に対応する組換えタンパク質に対して作製された抗−GPC3ウサギポリクローナル抗体(Santa Cruz,California)のビオチン化のためにFluoReporter Mini−Biotin−XX Protein Labeling Kit(F−6347)(Molecular Probes,Inc.,Eugene)を使用した。96ウェルのELISAプレート(Nunc,Denmark)を4℃で一晩、PBS、pH7.4中0.1μg/ウェルの抗−ヒトGPC3 303−464(Santa Cruz)でコートした。次いで、100%ブロックエース(大日本製薬株式会社)を用い、室温で1時間、プレートをブロッキングした。陽性対照の標準サンプル及び培養上清、10%ブロックエースで200倍希釈した患者血清をビオチン化抗−GPC3抗体と共に添加し、室温で2時間インキュベーションした。PBSで3回洗浄した後、各ウェルにHRP−コンジュゲートストレプトアビジン(ENDOGEN,Woburn)を添加した。30分のインキュベーションの後、プレートをPBSで3回洗浄し、TMB基質溶液(ENDOGEN)を添加した。解析のためにELISAリーダー(モデル550、Bio−Rad)を405nmで用いた。
インフォームドコンセントを得た後、熊本大学医学部皮膚科学講座において治療を受けたメラノーマ患者から血清サンプルを得た。GPC3はGPI−アンカー型膜タンパク質であり、分泌タンパク質である可能性が報告されている(Filmus J.,Glycobiology 11,19R−23R(2001))。本発明者らは先に、このグリピカン3(glypican−3;GPC3)が、分泌蛋白であり、ELISA法を用いて40%のHCC患者の血清中にグリピカン3(glypican−3;GPC3)を検出することができ、これが、HCCの新しい腫瘍マーカーとして有用であることを報告した(Nakatsura,T.ら,Biochem.Biophys.Res.Commun.306,16−25(2003))。そこで、今回、メラノーマにおいてもGPC3タンパク質が分泌されるかどうかの検出を試みた。
抗−GPC3 303−464抗体及びビオチン化抗−GPC3抗体を用いて酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)による検出を行った。GPC3 303−464に対応する市販の組換えタンパク質を用い、ELISA系におけるGPC3の定量の精度を確認した。HepG2培養上清の連続希釈を用い、ODデータに基づいてGPC3タンパク質を定量する標準曲線を評価した。1×10個のHepG2細胞を24時間培養した後の培養上清1ml中のGPC3タンパク質の濃度を1U/mlと規定した。HepG2培養上清中のGPC3タンパク質の量よりは少ないが、11種類のメラノーマ細胞株のうち、5種類の培養上清中にGPC3タンパクが検出された。また、培養メラノサイトの培養上清中にはGPC3タンパクは検出されなかった(図3A)。
次に、メラノーマ患者血清中の可溶性GPC3タンパク質の検出を行った(図3B)。91名の術前メラノーマ患者から血液サンプルを採取し、医療記録から患者のプロファイルを集めてTNM分類に基づいて臨床段階を決定した。91名のメラノーマ患者、5名の巨大先天性色素性母斑患者、及び60名の健康なドナー(HD)の血清中のGPC3タンパク質の量をELISAによって評価した(図3B)。60名のHDおよび5名の巨大先天性色素性母斑患者の血清中にはGPC3タンパク質は全く検出されなかった。91名のメラノーマ患者の39.6%(36/91)、5名の巨大先天性色素性母斑患者の0%(0/5)、HDの0%(0/60)がGPC3タンパク質陽性であった。さらに、そのうち、術後の経過をおうことができた14例すべてにおいて、摘出手術後には血清中にGPC3タンパクが検出されなくなった。表1は、メラノーマ患者血清中の可溶性GPC3,5−S−CD,MIAを示す。
Figure 2005039380
図4A,B,C,並びに表1の結果から明らかなように、従来のメラノーマの腫瘍マーカー、5−S−CD(図4B)、最近注目されているMIA(図4C)はいずれもStage III,IVの進行したメラノーマでしか有用でないが、GPC3(図4A)はStage0,I,IIの早期でもメラノーマの診断に有効で、メラノーマの新規な腫瘍マーカーとして有用であることが明らかとなった。なお、MIAの測定には、ドイツ Roche社のMIA ELISAキットを用いた。
表2は、メラノーマ肉眼分類別のメラノーマ患者血清中可溶性GPC3を示す。
Figure 2005039380
表2の結果は、日本人に多い足の裏にできる末端黒子型よりもむしろ欧米人に多くみられる表在拡大型や悪性黒子型の診断に若干強いことが示唆され、日本だけでなく、世界中のメラノーマの診断に十分寄与すると考えられた。
本発明により、GPC3がメラノーマを早期に診断できる腫瘍マーカーとして有用であることが実証された。本発明によりメラノーマの腫瘍マーカーとしてGPC3を使用することによって、メラノーマに罹患しているか否かを早期かつ簡便に診断することが可能になる。GPC3は、世界中の多くのメラノーマ患者に対する癌診断における用途に対して非常に有用である。
【配列表】
Figure 2005039380
Figure 2005039380

Claims (6)

  1. GPC3に対する抗体、又はGPC3の発現を検出できるプローブ若しくはプライマーを含む、悪性黒色腫(メラノーマ)の診断剤。
  2. GPC3に対する抗体、又はGPC3の発現を検出できるプローブ若しくはプライマーを含む、悪性黒色腫(メラノーマ)の診断のためのキット。
  3. サンプル中のGPC3を検出又は測定することを含む、悪性黒色腫(メラノーマ)の診断方法。
  4. サンプルとGPC3に対する抗体とを接触させることを含む、請求項3に記載の診断方法。
  5. サンプル中のGPC3を定量することを含む、請求項3又は4に記載の診断方法。
  6. 悪性黒色腫(メラノーマ)の腫瘍マーカーとしてGPCを使用する方法。
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