JP4668180B2 - 癌疾患の再発を予測する方法 - Google Patents

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Description

本発明は癌疾患の観察および予測に関し、特に癌疾患の進行および再発の早期予測に関するものである。
癌は人間の主要死亡原因であり、冒される人の数は毎年増加している。癌に対する種々の処置法、例えば化学療法、内分泌治療、放射線治療および外科手術などは最近数十年の間に驚くほど改良されたとはいえ、それらは完全とはほど遠いものであり、特に後期の癌患者ではそう言える。このため患者の腫瘍の早期発見のために多くの研究が費やされてきた。
腫瘍および腫瘍病期を決定するために用いられる一つの方法は、患者における細胞増殖の測定である。腫瘍におけるDNA−合成細胞(S−期細胞)の割合がそれらの増殖速度の尺度として使用される。DNA−合成細胞は以前は放射性標識チミジンによって測定された(オートラジオグラフィー)。チミジンのハロゲン同族体(BrdU)およびこれらに対する抗体類の取り込みが定量的フローサイトメトリーDNA測定値と共に使用された。同位体標識チミジンおよびBrdUを使用する際の欠点は、生きている細胞だけが測定できることである。そのためこれらの方法は選ばれた患者並びに限られた数の研究に使用されたに過ぎない[非特許文献1]。さらに、フローサイトメトリー法は増殖細胞と非増殖細胞とを見分けることができない。S−期細胞の測定は腫瘍ではさらに複雑である、というのは癌腫細胞のDNA含有量は良性細胞のそれと差がないからである(非特許文献2)。
DNA合成そのものを測定する代わりに、増殖細胞に関連するマーカー、例えばKi−67およびPCNA(増殖細胞核抗原)などが使用されてきた。Ki−67は、G0を除く全ての細胞周期に現れる(非特許文献3)。Ki−67に対する抗体類は新鮮組織並びにホルマリン固定およびパラフィン埋封組織で利用できる。細胞増殖速度に応じて、PCNAは全ての細胞周期に現れる。種々の固定法において、PCNAはKi−67ほど敏感ではない(非特許文献4)。DNA合成に関係するその他のタイプの蛋白および酵素に対する抗体類(DNAポリメラーゼ、リボヌクレオチド還元酵素)について試験が行われたが、成功する結果は限られていた[非特許文献5]。
ピリミジン・サルベージ経路の酵素であるピリミジンチミジンキナーゼ(TK)はチミジンからチミジン一燐酸への燐酸化を触媒する。ヒト細胞におけるTKは、異なる遺伝子によってコードされる2種類の型、すなわち細胞質蛋白(TK1)およびミトコンドリア蛋白(TK2)としてあらわれる。ヒトTK1およびTK2はそれぞれ染色体17q23.2−q25.3および16q22−q23.1に位置する。TK1転写体は、ヌクレオシドキナーゼ類に典型的な高度に保存された領域を有する25.5kDa蛋白をコードする。しかしこの酵素ファミリの結晶構造はまだ決定されていない。TK1の発現は細胞周期によって調節され、TK1の調節はmRNAレベルと共に増殖中の細胞においてピークになる。TK1 mRNAのスプライシングおよび翻訳も、異なる増殖期の細胞では変動する。TK1レベルは主として翻訳後メカニズムによって調節され、特に分裂細胞における非常に活発なプロテアーゼ発現による差別的分解によって調節される。TK1のC末端領域は特殊配列、KEN、を含む。これはアナファーゼ促進複合体/サイクロソーム−Cdh1−媒介性経路によるTK1の有糸分裂的分解のシグナルであることが最近判明した[非特許文献6]。TK2は細胞周期によって調節されず、静止細胞に見いだされる唯一のTK酵素である[非特許文献7〜非特許文献12]。
上記マーカー類の大部分は組織における細胞増殖を確認するために使用されている。しかしチミジンキナーゼ活性は、ヒト乳癌における増殖マーカーとして組織の細胞質フラクションに確認されてきた。1692名の乳癌患者の研究では[ブレト(Broet)、J.Clin.Oncol.19巻:p.2778、2000]、細胞質中の高いTK1活性は、短い生存期間並びに内分泌治療(タモキシフェン)結果の不良と関連していた[非特許文献13]。その他にチミジンキナーゼは、その酵素活性を測定することによって、血清中の細胞増殖マーカーとしても用いられている。
血清TK(STK)酵素活性と高増殖との間には密接な関連性があるため、それは細胞増殖の、したがって悪性腫瘍発見の敏感で有用なマーカーと考えられている[非特許文献14〜非特許文献30]。こうして、STK酵素活性は種々の血液腫瘍患者における腫瘍マーカーとして使用されている。しかし、STK活性は充実癌の患者では良いマーカーでないことが判明した。
STK酵素活性の95%以上がTK1に対応し、その一方で5%未満がTK2に対応する。STKの組成および特性はまだ十分には理解されていない。結果は、STKがその他の血清蛋白と結合したとも考えられるTK1の重合体型であり、約700kDaの総分子量を有することを示している[非特許文献31]。
1984年に、基質としてチミジン類似体である5−ヨード−2’−デオキシウリジンを用い、STK活性は血清学的増殖マーカーとして確認された[非特許文献32]。そして現在は市販のRIA−キット−[125I]−ラジオアッセイとして入手できる(サングテク・メディカルAB(Sangtec Medical AB),ストックホルム、スエーデン、最近ディアソリン社(DiaSorin Inc.)によって買収された)。STK活性アッセイは急性白血病および慢性白血病(CLL)、ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫の患者の腫瘍の広がりおよび予後を推定するのに有用であるが、充実腫瘍の症例においては役に立たない[非特許文献33]。CLL患者において、STK酵素活性は治療に対する反応性及び生存期間の両方に関して有用な予後情報を提供する。この方法は、特に白血病およびリンパ腫疾患には相対的に有効であるとはいえ、5−ヨード−2’−デオキシウリジンはSTK(TK1)活性のための特異的基質ではない。さらに、[125I]−ラジオ−ヨード−デオキシウリジンは短い半減期(4週間)をもち、STK酵素活性は温度およびpHの変化に非常に敏感であり、ラジオアッセイは専門的機器(γ−シンチレーションカウンタ)、同位元素研究室および高度に熟練した人を必要とする。このようなラジオアッセイ法の欠点がこのアッセイの臨床的使用を妨げていると考えられる。
そのため、STK反応産物に対する抗体に基づく新しいSTK活性キットが最近開発された。抗−TK1抗体も最近10年間に作られたが、大部分は基礎研究のためのポリクローナル抗体で、商業的使用のためのものではない。最近マウスモノ−およびポリクローナル抗−TK1抗体が、可能な臨床的目的のために、すなわち乳癌[非特許文献34]および肺癌[非特許文献35]のために開発された。臨床的使用のためではなく基礎研究のために一つの抗−TK1モノクローナル抗体が市販されている(QEDビオサイエンス社、サンジエゴ、USA、2003)。
米国特許第5,698,409号においてオネイル(O’Neil)は、ラジ(Raji)細胞から得た、TK1の酵素的活性100kDaテトラマー型に対して生成したモノクローナル抗体(mAb)を開示している。上記mAbは、患者の生物学的サンプル中のこの酵素的活性型TK1だけを確認するために使用される。さらに、オネイルは、上記mAbを使用することに加えてラジオ標識チミジンを使用してTK活性を測定しなければならない。測定されたTK1活性を用いて種々の型の癌を診断し、観察する。それらの抗−TK1モノクローナル抗体の特性から、これら抗体の特異性について疑問が生まれた、すなわちそれらはSDSゲル電気泳動ウエスタンブロット法によって期待されるものよりも高分子量の蛋白と反応する(ヒトHeLa細胞の抽出液中の45kDa 対 25kDa)。さらに、上記抗体類はこの分野のその他の研究者によって見いだされた別の(より高い)濃度範囲に出現する血清蛋白を検出する。すなわちある人は血清を16000倍希釈しなければならず、またある人は未希釈の血清を使用する。これらの事実は、それらの抗体が酵素的活性を有するTK1および/またはTK2に加えて、その他の蛋白とも反応することを示唆する。その上、オネイルの方法は上記のラジオ標識チミジン類似体を使用する場合と同様な問題で障害がある。
クロイワら[非特許文献36]は26の抗−TK1モノクローナル抗体を開発し、試験した。これらの抗体の特性はより期待できるものである、すなわちそれらはウエスタンブロット法で、ヒトHeLaの抽出液中の25kDaの分子量を有する蛋白と反応し、その他の蛋白との交差反応性は報告されていない。ELISA法において充実腫瘍患者からの血清中でこれらの抗体を使用した際、彼らは上記血清TK1レベルと健常者からの血清TK1レベルとの間に有意差を見いださなかった。
米国特許第5,698,409号 ウィルソン(Wilson),Acta Oncol.,30巻:p.903、1991 トリブカイト(Tribukait)、World J.Urol.5巻:p.108、1987年 ショルゼン(Scholzen)、J.Cellular Physiol.、182巻:p.311、2000年 ホール(Hall)、Cell Tissue Kinet.,25巻:p.502、1990年 ウィルソン、Acta Oncol.30巻:p.903、1991年 キー(Ke)、Mol Cell Biol.、24巻:p.514、2004年 ウィンタースバーガー(Wintersberger)、Biochem.Soc.Trans.,25巻:p.303、1997 シャーリ(Sherley)、J.Biol.Chem.263巻:p.8350、1988年 ヒー(He)、Cell.Prolif.24巻:p.3、1991年 カウフマン(Kauffman) Mol.Cell Biol.11巻:p.2538、1991年 ヘングストシュレーガ(Hengstschl ger)J.Biol.Chem.269巻:p.13836、1994年 ムンチ−ピータ−スン(Munch−Petersen)J.Biol.Chem.266巻:p.9032、1991年 フェケンス(Foekens)、Cancer Res.,61巻:p.1421、2001年 ヒー、Internal.J.Biol.Marker,15巻:p.139、2000年 ズー(Zou)、Internal.J.Biol.Marker、17巻:p.135、2002年 ヒー、Biochemica Biophysica Acta,1289巻:p.25、1996年 ヒー、Europ.J.Cell Biol.、70巻:p.117、1996年 ウー(Wu)Anticancer Res.,6巻:p.4867、2000年 マオ(Mao)Cancer Inves.20巻:p.922、2002年 ワング(Wang),Analysis Cell.Pathology,23巻:p.11、2001年 キロイワ(Kiroiwa)、J.Immuno.Methods,253巻p.1、2001年 カールストレム(Karlstr m)Mol Cell Biochem.92巻;p.23、1990年 グロノウィッチ(Gronowich)Br.J.Cancer,47巻:p.487、1983年 グロノウィッチ、Int.J.Cancer,15巻:p.5、1984年 ツァング(Zhang)、Cancer Detection Prev.25巻:p.8、2001年 ボエラ(Voeller)、Anti−Cancer Drugs 12巻:p.555、2001年 Kuriowa、J. Immunol.Methods,253巻:p.1、2001年
本発明の一般的目的は、対象における癌疾患の進行および再発を早期に予測するための試験を提供することである。
本発明のまた別の目的は、対象における癌疾患の進行の確度を推定するための決定補助法(決定をサポートする方法)を提供することである。
本発明の特別な目的は、癌処置後の対象における腫瘍の局所的および/または転移性出現または再発を早期に予測することである。
これらのおよびその他の目的は、添付の特許請求の範囲により規定される本発明によって明らかになる。
要するに本発明は、癌と診断され、癌の可能な処置を受けている患者における癌の進行および再発の確度を早期に予測または推定することに関するものである。本発明は、癌と診断された、または癌処置後(例えば手術、化学療法、内分泌療法、放射線治療および/または免疫治療後)の対象、好ましくは哺乳動物対象、より好ましくはヒト対象から得たサンプル、好ましくは血清サンプルなどの体液サンプル中の、チミジンキナーゼ1(TK1)蛋白を含む免疫反応性物質(IM)の結合反応レベルを測定することに基づく。この測定されたIM結合反応レベルに基づいて腫瘍再発の確度が推定される。
測定されるIM結合反応レベルはある実施形態においては上記対象で複数回測定される。好ましくは第一回目のサンプル採取および結合反応測定は上記対象において癌処置開始後1カ月以内、より好ましくは治療が終わる前、例えば癌処置を開始する前におこなわれる。第二のサンプルは処置開始後に、例えば癌処置後1年以内に採取するのが好ましい。より好ましくは第二のIM結合反応レベルの測定は、上記対象で処置開始後、または処置終了後1カ月から1年までの間、例えば1カ月から6カ月までの間、または約3カ月後におこなわれる。いずれの場合も、第二のIM結合反応レベルは、上記同一対象において第一のIM結合反応レベル測定から最低1週間、例えば数週間、1カ月、または複数月経過するまでは測定しない。
このように癌疾患の進行予測は2つのIM結合反応レベルの比較に基づいて、またはそれらから誘導される量の吟味によって行われる。例えば、第二のIM結合反応レベルが第一のIM結合反応レベルに等しいかまたはそれを超えている場合、上記対象は腫瘍再発の高い確度を有する。言い方を変えると、第二の(後続の)IM結合反応レベルと第一のIM反応レベルとの比が1より大きいかまたは1に等しい場合は腫瘍再発の確度が高い。
或いは、対象の測定IM結合レベルを健常者の体液サンプルから測定された正常IM結合反応レベルに比較することができ、局所的および/または転移腫瘍の出現をこの比較に基づいて予測することができる。
IM結合反応レベルは、体液(例えば血清)サンプルと、TK1蛋白に親和性を有するリガンドとを接触させることによって測定するのが好ましい。本発明の好ましい実施形態において、上記リガンドはTK1蛋白の表面露出エピトープに特異的に結合する抗体、より好ましくはTK1蛋白のC−末端部の明確に決められた免疫原性配列に特異的に結合する抗体である。このリガンドは好ましくは酵素的に活性な型および不活性な型両方のTK1蛋白を検出することができ、その他の巨大分子と複合体化したTK1蛋白も検出できると考えられる。その後抗体結合量を適切な高感度のアッセイによって、好ましくは高性能化学ルミネッセンス(ECL)ドットブロットアッセイ系、より好ましくはニトロセルロース膜を使用するECLドットブロットアッセイ系によって測定される。
この測定されたIM結合反応レベルから、例えば組換えヒトTK1(rhTK1)などの標準を使用してIM濃度を決定できる。このような場合、抗−TK1抗体を使用する結合反応を種々の既知濃度のrhTK1を含むサンプル中で測定し、結合反応対濃度の標準曲線を作成する。癌の処置を受けた対象のその後のIM結合反応レベル測定値を、標準曲線を使用して対応するIM濃度に関連づけることができる。癌進行および再発の確度はこのIM濃度に直接基づいて推定される。
これは、本発明において癌疾患の処置を受けた患者の癌疾患の再発はTK1蛋白を含む免疫反応性物質の結合反応レベルまたは濃度レベルに基づいて決められることを意味する。これは腫瘍再発予測のためにチミジンキナーゼ活性を使用する先行技術とは明らかに異なる。
癌と診断され、処置した後最初の数カ月以内にIM結合反応レベルを決定することによって、その後(処置後1ないし3年、恐らく10年以内に)癌疾患再発のリスクの高い患者を検知し、確認することができる。かくして本発明は腫瘍再発の高いおよび低いリスクを有する患者を早期に検出することができ、これによって鑑別処置を可能にし、上記処置の成功の機会を高め、患者の生存期間を延ばすだけでなく、非効率で不必要な処置を回避することもできる。
TK1蛋白含有免疫反応性物質としては、血清TK1蛋白などのTK1蛋白、酵素的活性および/または不活性のモノマーおよび/またはポリマー(ジメア、テトラマーなど)型のTK1蛋白、および/またはその他の分子、例えばインヒビタのような蛋白などと複合体化したTK1蛋白がある。
本発明は大部分の型の癌に適用でき、特に充実腫瘍、例えば乳癌、胃癌および肺癌などに適する。本発明は下記の利点を有する。
−腫瘍再発のリスクを有する処置ずみ癌患者の早期発見。
−過剰処置を回避して鑑別癌処置を可能にし、および/または治療方針の変更を可能にする決定補助を提供する。
−癌患者の生存の機会および生活の質を高めることができる。
本発明によって提供されるその他の利点は、以下に記す本発明の実施形態の説明を読むことによって理解される。
本発明は本発明のその他の目的および利点と共に、下記の説明および添付の図面を参照することによって非常によく理解される。
別途記載がない限り、本明細書に使用される全ての技術的および科学的用語は本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。本発明を明確にするために、本明細書には次の定義が使用される。
“チミジンキナーゼ”(ATP:チミジン−5’ホスフォトランスフェラーゼ、インターナショナル・ユニオン・オブ・バイオケミストリー・クラシフィケーション・システムではEC.2.7.1.21)はピリミジン・サルベージ経路の酵素であり、チミジンを燐酸化してチミジン一燐酸にする。ヒト細胞ではTKは2種類の型がある。異なる遺伝子によってコードされる細胞質チミジンキナーゼ1(TK1)型と、ミトコンドリアチミジンキナーゼ2(TK2)型である。“TKの酵素活性”とは、チミジンからチミジン一燐酸への燐酸化を触媒するTKの役割を言う。
“TK1蛋白を含む免疫反応性物質(IM)”とは、TK1蛋白を含む物質または組成物を言う。IM物質はTK1蛋白の酵素的活性および不活性型の両方を含み、モノマー、ポリマー(例えばジメア、テトラマー)TK1蛋白型および/またはTK1蛋白の全ての型を含む。上記物質は、それに加えて、またはそれに代わって、蛋白およびポリペプチドなどのその他分子と複合体化した(酵素的活性または不活性)TK1蛋白を含むことができる。
本発明の一態様により、癌処置を受ける対象、好ましくは哺乳動物対象、より好ましくはヒト対象において癌疾患の進行および再現または再発を早期に予測する方法が提供される。上記方法は上記対象から採取したサンプル中のチミジンキナーゼ1(TK1)蛋白を含む免疫反応性物質の結合反応レベルを測定することを含む。外観または癌腫瘍の再現によって示されるような癌疾患の進行確度を、その後測定IM結合反応レベルに直接基づいて推定する。
本発明の特定の態様において、結合反応レベルは、酵素的活性および不活性型両方のTK1蛋白を含む免疫反応性物質において測定される。本発明の実施形態において、この結合反応レベルは、TK1に親和性を有するリガンドを使用して、対象から得たサンプル中のIM濃度レベルとして表される。癌の進行および再発の確度は測定されたIM濃度レベルに直接基づいて推定される。
本発明の実施形態において、IM結合反応レベルは上記対象において複数時点、すなわち少なくとも2時点で測定される。疾患再現の確度はこれら少なくとも2つの結合反応レベルの比較に基づく。本発明の好ましい実施形態において、第1回のサンプル採取および結合反応測定は癌処置の開始後1カ月以内、より好ましくは処置の終わる前、例えば上記対象の癌処置が開始する前、または上記癌疾患の診断に伴って行われる。少なくとも第二のサンプルは好ましくは処置の開始後、例えば癌処置後1年以内に対象から採取され、IM結合反応レベルが分析される。より好ましくは、第二のIM結合反応レベルは、処置の開始後または処置が終わった後1カ月から1年までの間に、例えば1カ月と6カ月との間、または大体3カ月に測定される。いずれの場合でも、第二のIM結合反応レベルは、同じ対象の第1回のIM結合反応レベルの測定から少なくとも1週間、例えば数週間、1カ月または数カ月までは測定しないのが好ましい。
癌疾患の進行および/または腫瘍再発の予測は2つのIM結合反応レベルの比較、またはそれらから誘導された量の研究に基づいておこなわれる。例えば、第二のIM結合反応レベルが第一のIM結合反応レベルに等しいかまたはそれを超えている場合上記対象は癌再発の確度が高い。言い換えれば、第二の(後の)IM結合反応レベルと第一のIM結合反応レベルとの比が1を超えているか1である場合、腫瘍再発の確度が高い。
対象におけるIM結合反応レベルは、好ましくは癌処置中および処置後の数時点に、例えば上記患者の手術後、化学療法処置開始後、内分泌療法処置の開始後、放射線療法処置の開始後、および/または免疫療法処置の開始後に、周期的または間欠的に測定される。したがってIMレベルを治療後の翌年中に、例えば次の5ないし10年までに測定してできるだけ早く対象の癌疾患の進行を見つけるのが好ましい。しかし大部分の型の癌、特に充実癌の型では本発明の方法は癌処置後最初の6カ月以内、例えば最初の3カ月に何らかの癌再発を見いだすことができると考えられる。これらのその後の結合反応レベルは同じ対象でより早く測定された対応する結合反応レベル、例えば上述の第一のIM結合反応レベルに比較するのが好ましい。
言い換えれば、本発明は、癌処置後最初の数カ月(一般的には0−6カ月、ある癌では0−3カ月)以内に、対象に新たに(局所的および/または転移性)腫瘍が戻ってきたかどうかを予測することができる。こうして、癌疾患が処置後2年以内に始めて再出現するとしても、本発明は処置後数カ月以内にその進行および再発を予測できる。このような早期予測によって、追加的処置および/または処置法の変更が行われ、予測された局所的および/または転移性腫瘍の出現を阻止できる。それに加えて、再発の可能性が高いと予測された対象は、新しい腫瘍ができるだけ早く発見されるように綿密な監視下に置かれ、それによって対象の生存の機会は高まるかも知れない。同じアッセイによる低リスク患者の確認も、過剰処置または不必要な処置を受けるリスクを減らすというやり方で患者の生活の質をも改善する。
本発明の別の実施形態では、測定されたIM結合反応レベルを、腫瘍のない健常者から測定された正常な結合反応レベルと比較する。この場合癌進行および再発の確度の推定はこの比較に基づく。例えば測定IMレベルが正常IMレベルより有意に高い場合、疾患が進行および再発する可能性がある。上に述べたように、IM結合反応レベルは複数の異なる時点に、例えば癌処置前から始めて、処置中および処置後も続けて測定するのが好ましい。
測定IMレベルと比較するための正常なまたは健常者のIM結合反応レベル(濃度または量)は、健常者からの一連のサンプル、好ましくは血清サンプルなどの体液サンプルのIM結合反応を測定することによって決定できる。これらの健康な対象は証明できる腫瘍を一切もたない、またはもったことがない、すなわち腫瘍または癌疾患の臨床的徴候を何ら示さないのが好ましい。これらの対照健常者のIM結合反応レベルは、以下により詳細に述べるように、被検対象における結合反応レベルの測定と同じ方法を使用して測定される。ある実施形態において、正常なIM結合反応レベルは健康対象の一連のサンプルから測定されるIM結合反応レベルの平均値である。
健康なヒト対象におけるIM濃度レベルは約1pM以下であり、ヒト腫瘍患者ではこのレベルは数百pMに上昇する。2または3pMまたはそれ以上の測定IM濃度を異常レベルと決めることができ、したがって腫瘍疾患進行の確度に対応する。しかし癌疾患再発の確度に相当する濃度レベルは、腫瘍の型や対象の種類の違いによって異なることがある。
米国特許第5,698,409号によって代表される先行技術の予測法は、背景の段落で簡単に述べたように、血清サンプル中のTK(およびTK1)の酵素活性の測定値に基づく。上述の患者において、オネイルはTK1の酵素的活性なテトラマー100kDa型に結合し(TK1のテトラマー100kDa型の活性部位に結合すると考えられる)、TK1酵素活性を阻害するモノクローナル抗体を使用している。TK酵素活性に基づいて腫瘍の再発を予測するために、オネイルは(血清)TK酵素活性と、TK1含有免疫反応性物質のレベル(濃度)との間に直接的相関性があると仮定している。本発明によって示されるように、そのような相関関係は健常者や、非癌−疾患、例えば腎不全、出血および肺感染症などの患者に存在する。TK血清活性と濃度との相関関係は癌のわずかの型で癌処置前にも見いだされる。しかしそのような相関関係は癌処置中または、特に癌処置後には見いだされない。癌患者における血清TK1(STK1)濃度と血清TK(STK)の酵素活性との相関関係の欠如を説明するものとして考えられるのは、STK1濃度およびSTK活性がチミジンキナーゼの異なるサブ集団を反映しているということである。その上、IM/STK1濃度および/またはSTK酵素活性をコントロールする血清中の調節因子(類)が考えられる。さらに、TK酵素活性はpHおよび温度の変化に非常に敏感であることも知られている。
癌処置後にSTK酵素活性の測定に基づいて(すなわち酵素活性領域の測定値に基づく)腫瘍再発の確度を判断する先行技術の方法、例えば米国特許第5,698,409号に開示されたモノクローナル抗体を使用し、STK1の結合反応(濃度)レベルとSTK酵素活性との相互関係を推定する前記方法は間違った予測を与える、特に充実腫瘍の場合にこれが言える。
しかし、本発明に述べる抗体を使用してIM(STK1)の結合反応レベルまたは濃度を測定し、測定された結合反応レベルまたは濃度(すなわち結合反応または濃度領域における測定値)に直接基づいて癌疾患の進行を推定することによって、はるかに正確な腫瘍疾患予測がおこなわれる。
本発明による癌進行の予測は、対象からの生物学的サンプル、好ましくは体液サンプル、例えば血清サンプル中のIMの結合反応(濃度または量)レベル、例えばTK1蛋白濃度などに基づく。(血清)サンプル中の1Mの結合反応レベルは種々のリガンドを使用する当業者に公知の数種の方法で測定できる。本発明の現在好ましい実施形態において、IM結合反応レベルはサンプルを特殊のTK抗体と接触させ、その後上記抗体の結合を測定する。この抗体結合は当業者に公知の幾つかの方法によって測定できる。IM結合反応レベルは化学的に明確な標準に関連づけるのが好ましい。現在好ましい実施形態において、上記標準はヒトTK1、例えば組換え、単離され、実質的に精製されたヒトTK1(rhTK1)である。これはワング(Wang)らによって記載された方法[ワング、Biochemistry、38巻:p.16993、1999]によって作製される。こうして、癌処置を受ける対象またはすでに癌を処置した対象から採取したサンプルに使用される同じ抗−TK抗体(リガンド)を、種々の濃度既知のrhTK1を含む試験サンプルに使用する。それぞれの試験サンプルの抗体結合を測定することによって、抗体結合と濃度レベルとの相互関係の標準曲線が得られる。IM濃度はその後、測定された抗体結合並びに標準曲線から決定できる。濃度レベルと結合反応レベルとのもう一つの関係は、測定したIM結合反応測定値を対応する濃度値のインプットおよびアウトプットとして使用するマッピング関数である。このような関数は上記標準曲線および/またはrhTK1含有試験サンプルを用いて決定できる。
抗体結合のために使用するアッセイ法は対象、特に健常者の少量のIMを十分敏感に検出しなければならない。アッセイ法は少なくとも1pM、好ましくは少なくとも0.7pM、より好ましくは少なくとも0.5pM、例えば少なくとも0.3pMのIM濃度レベルを十分敏感に検出しなければならない。このような高感度のアッセイ法の一例は、高性能化学ルミネッセンス(ECL)ドットブロットアッセイである。当業者には公知であるように、ECLドットブロットアッセイの操作はウエスタンブロット法と実質的に同じである。基本的には、血清(またはその他の体液)をニトロセルロース膜などの膜上に塗布する。(任意に)ブロックした後、一次(抗−TK1)抗体を加え、その後ビオチニル化二次抗体を加える。膜を、その後Hを含む緩衝溶液に浸し、その後アビジン−HRP−ストレプトアビジン(アビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼ−ストレプトアビジン)および/またはストレプトアビジン−HRPを含む緩衝溶液と共にインキュベートする。その後例えばデジタルCCD(Charged Coupled Device)カメラによって、またはX線フィルムにさらすことによって光を検出する。ECLドットブロットアッセイは0.3pM未満の濃度レベルを検出することができる[ヒー、Internal.J.Biol.Marker、15巻:p.139、2000]。
もう一つの可能なアッセイ法はRIA(ラジオイムノアッセイ)である。この方法では(抗−TK1)抗体を同位元素、例えば125Iで標識化する。この方法はECLドットブロットと同様に敏感であるとはいえ、使用する125Iは、半減期が数週間という不安定な同位元素である。その上、抗体結合の測定には通常、高価な検出機器(γ−シンチレーションカウンタ)が必要である。
上述のIMアッセイ法に使用する抗体類は、TK1蛋白のエピトープ、好ましくはヒト対象からのTK1蛋白のエピトープ、より好ましくはヒトTK1蛋白の酵素的活性型および不活性型両方のエピトープに特異的に結合するポリクローナルおよび/またはモノクローナル抗体である。上記エピトープは好ましくはTK1の活性部位から(物理的に)離れている、すなわち抗体類は、活性部位に直接結合することによってTK1の酵素活性に実質的に影響を与えたり前記酵素活性を阻害したりしてはいけない。本発明により上記抗体類は好ましくはTK1蛋白のC−末端部分に特異的に結合し、より好ましくはアミノ酸179からアミノ酸234までのTK1蛋白配列、またはその部分、例えばアミノ酸195からアミノ酸225までの配列、例えばアミノ酸210からアミノ酸224までの配列など、またはアミノ酸179からアミノ酸234までのTK1蛋白のアミノ酸配列を含むポリペプチド配列に特異的に結合する。このような抗体類の例は米国特許第6,083,707号に記載されており、この内容は参考として本発明に含まれる。この米国特許において、TK1のC−末端の15アミノ酸(KPGEAVAARKLFAPQ、配列番号:1またはアセチル−KPGEAVAARKLFAPQ、配列番号:2)長さの配列に対するポリクローナル抗体が作製される。本発明の抗体はTK1蛋白の表面露出部分(エピトープ)に対して作られる。上記の配列の一つに対する抗体を使用することによって、TK1蛋白の結合反応レベルおよび濃度、そして多分その他の分子と複合体化したTK1の結合反応レベルおよび濃度レベルを測定できる。これは、本発明の抗体類が、上記抗体が親和性を有するエピトープを含むTK1抗体の総量(TK1蛋白の酵素的活性型および不活性型、およびその他の分子と複合体化したTK1蛋白も含む)を好適に決定することを意味する。
ある血清中の作用物質をブロックすると、例えば抗体が結合するエピトープをブロックすることによって、および/またはTK1蛋白への結合に際して抗体結合エピトープが接近可能な(表面)部位から抗体が接近できない部位に移動するように変化することによって、TK1蛋白に対する抗体類の結合が阻止されるかも知れない。
ある特定の実施形態において、本発明の予想法は決定補助法、すなわち非診断的方法である。これが意味するところは、決定補助法は決定補助情報、例えば単に暫定的な結果である結合反応、濃度または見込み値を生み出すということである。最終的診断を下すには追加的データ並びに医者の能力が一般的に必要である。さらに、IM結合反応レベル(IM濃度レベル)以外のその他のパラメーター、例えば対象の病歴、年齢および性別、腫瘍のタイプ、遺伝因子などが腫瘍疾患の進行に影響するかも知れない。したがって本発明は、どの測定値を採用すべきかを医者が決断する際の基礎となる決定補助を与えるものである。
本発明は非制限的に次のような数種類の型の癌に適用できる;線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、骨膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原生癌、腎細胞癌、肝(細胞)癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルム腫瘍、頸癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状膠細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣細胞腫、血管芽細胞腫、乏突起[神経]膠腫、メラノーマ、神経芽細胞腫および網膜芽細胞腫、白血病、例えば急性リンパ性白血病(ALL)および急性骨髄性白血病(骨髄芽細胞性、前骨髄性、骨髄単球性、単球性および赤白血病)、慢性白血病(慢性骨髄性白血病、慢性顆粒球性白血病、および慢性リンパ性白血病)、真性赤血球増加症、リンパ腫(ホジキン病および非ホジキン病)、多発性骨髄腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症およびH鎖病など。本発明は、特に乳癌および胃癌などの充実腫瘍を伴う癌の進行の予測に適用される。
本発明の腫瘍モニタリングおよび予測法を図7にまとめる。工程S1で始まり、癌を処置した対象、好ましくは哺乳動物対象、より好ましくはヒト対象から得たサンプル、好ましくは体液サンプル、例えば血清サンプルにおいて、(酵素的活性および不活性)TK1蛋白を含む免疫反応性物質(IM)の結合反応レベルを測定する。対象からのサンプル採取が行われるときに癌処置が終了している必要はない。IM結合反応レベルはリガンド、好ましくはTK1蛋白に特異的に結合する抗体、より好ましくはTK1蛋白のC−末端部分に特異的に結合する抗体を用いて測定する。工程S2において、局所的および/または転移腫瘍の再発または出現によって示されるような、癌疾患の進行または再現の確度を、測定されたIM結合反応レベルに直接基づいて推定する。この確度は測定されたIM結合反応レベルと、同一対象または健康な対象について前に測定したIM結合反応レベルとの比較に基づいて推定してもよい。
発明のもう一つの態様により、癌処置を受けた対象における癌疾患の進行を予測するためのシステムが提供される。上記対象においてIM結合反応レベルまたはIMの濃度レベル、例えば血清TK1蛋白濃度などを上に述べたアッセイ法の一つによって測定する。測定された結合反応レベルまたは濃度は、上記システムのインプットデータであり、より好ましくはそれと同時に健常者のIM結合反応(濃度)レベルおよび/または上記対象で前に測定された結合反応レベルも上記システムにインプットされ、上記対象における癌再発の確度を推定する。
上記システムは、腫瘍進行予測または神経網様構造に適用できる専用ソフトウエアを備えたコンピューター装置でよい。そのようなソフトウエアを設計するために、癌処置を受けた対象およびその後腫瘍が進行した対象および腫瘍が再発しない対象それぞれから得られる幾つかのIMレベル測定値を使用する。これらの測定値に直接基づいて、上記ソフトウエアはIM結合反応レベルから腫瘍進行および再発を推定することができる。
上記システムはより正確な推定のために追加的インプットパラメーター、例えばその他の病歴のパラメーター、対象の年齢および性別、癌のタイプ、遺伝マーカー、その他の生化学的パラメーターなども必要であるかも知れない。上記システムまたは上記システムの専用ソフトウエアは等式を用いるようになっており、その等式にはIM結合反応レベルまたはIM濃度(およびその他のパラメーターも)が入力される。上記ソフトウエア/システムがその後上記の確度推定値を計算する。或いは1つまたは複数のカットオフ限界値を用いて推定値を決定する。こうして、対象で測定されたIM結合反応または濃度の数値に直接基づいて腫瘍再発の確度を推定することは、測定されたIM結合反応値(濃度)が、多分その他のインプットパラメーターと共に、或る(基礎的)関数に入力されることも予期している。基礎的アイディアは、上記推定が結合反応(濃度)領域の測定値に直接基づいており、推定のために結合反応領域から酵素活性領域へのマッピングを必要としないことである。
上記システムは対象サンプル中のIM結合反応レベルを決定するための装置も組み込むことができる。このような場合、体液サンプルが上記システムに入れられる。上記システムはIMレベルを測定し、そのIMレベルに直接基づいて腫瘍進行および再発確度の推定値を計算する。そのような結合反応測定装置は上記のアッセイ法、すなわち抗−TK1抗体を用いるECLドットブロットまたはRIAのいずれかに基づく。
ECLドットブロットアッセイ
ECLドットブロットアッセイの操作法は、少し変更を加えたウエスタンブロット法操作と同じである[ヒー、Internal.J.Biol.Marker、15巻:p.139、2000]。非ヘパリン加血液チューブから静脈血の血清3μlをニトロセルロース膜上に直接塗布する(HybandTM−C、アマーシャム)。血液サンプルを朝7時から9時までの間に朝食前の人から採取した。非ヘパリン加チューブに採取した静脈血は+4℃で少なくとも24時間は保存することができ、または1500gで5分間遠心分離し、その後−20℃で5年間、−80℃で10年以上保存することができる。その後、最初にヒーらが報告したように[ヒー、Europ.J.Cell Bio.,70巻:p.117、1996]組換えヒトTK1(rhTK1)を標準として使用し、その後ワングらが記載したように変更を加えた[ワング、Biochemistry、38巻:p.16993、1999]。使用した膜をTBS(トリス緩衝食塩液)中で10%脱脂ミルクで4時間ブロックし、その後一次(抗−TK1)抗体を加え、+4℃で一晩、または室温で2時間インキュベートした。ビオチニル化二次抗体と共に室温で1時間インキュベーション後、膜を3%Hを加えたTBS緩衝液中に5分間浸した。膜をその後TBS緩衝液中でアビジン−HRP−ストレプトアビジンと共にインキュベートし、X−線フィルムにさらした。フィルム上の単一スポットの強度をレーザー濃度計によって測定した。既知濃度のrhTK1の強度から、IMの強度を再計算し、pMとして表した。
抗−TK1抗体の特徴づけ
抗−TK1抗体をウエスタンブロット、等電点電気泳動、免疫沈降反応および免疫組織化学によって特徴づけた。結果は下の表1にまとめる。ウエスタンブロット法によると、15アミノ酸長ペプチド配列(配列番号:2)に対するモノクローナル抗体(mAb1D11およびmAb1E3)またはrhTK1に対するモノクローナル抗体(mAb26−3およびmAb26−5)はヒト腫瘍細胞中のTK1蛋白のネイティブ型並びに悪性腫瘍患者の血清中のTK1蛋白を認識するが、TK1蛋白の変性25サブユニットを認識しない。電気泳動ゲルにおいて、健常者血清のTK1陰性細胞には、または拮抗抗原の存在下では、バンドは見つからなかった。免疫沈降試験の結果、mAb1E3は、TK1蛋白の活性部位に指向していないとはいえ、TK1の酵素活性に影響を与えることが判明した。mAb26−3+5およびmAb1D11は、TK1蛋白と免疫複合体を形成することによって上澄み液のTK1活性を阻害する。上記複合体はペレットとして集められる。等電点電気泳動法の結果、mAb26−3+5でブロットされたTK1蛋白がpI値≒7.0を有することが判明した。しかしmAb1D11およびmAb1E3でブロットした場合はバンドは検出されなかった。ポリクローナル・ウサギ抗−TK1抗体(pAb)はSDSゲル電気泳動法でサブユニット25kDaを認識し、TK1のpI値≒8.3を与える。TK1蛋白の31アミノ酸配列またはアミノ酸194〜225に対するヒナドリIgY抗−TK1抗体(SSTK Biotech Inc.,中国)は、TK1のネイティブ型もサブユニット25kDaも両方共認識し、pI値≒8.3を与える。全TK1蛋白(QED Bioscience Inc,San Diego,USA)に対するモノクローナル抗体(mAb USA)はTK1の25kDaサブユニットを認識する。
上述の、および表1に示した全ての抗体は細胞系でもパラフィン埋封材料中でも免疫組織化学的染色のために使用できる。抗−TK1抗体反応は、腫瘍細胞の細胞質に局在した。TK1酵素活性に欠ける突然変異細胞並びに静止リンパ球では染色は全くまたはほとんど見られなかった。こうして、被検抗−TK1抗体を使用してIM結合反応レベルおよび濃度を測定できる。これらの抗体はTK1蛋白の異なるエピトームも認識する。これはTK1の種々のサブ集団を同定すると考えられる。
健康対象におけるIM濃度およびSTK酵素活性
上記のドットブロットECLイムノアッセイによって測定されるIM(STK1)濃度を健常者のRIAアッセイによって測定したSTK酵素活性と比較し、結果を図1および表2に示す。IM濃度およびSTK酵素活性は両方共低かった(それぞれ2pMおよび2U/L未満)。これらの健常者ではIM濃度とSTK酵素活性間に有意な相関関係があった(r=0.67、p<0.01)。
IM濃度およびSTK活性を非癌患者でも測定した。腎機能異常、出血、肝硬変および肺感染症および非感染性疾患などの患者19名中6名において、IM濃度およびSTK活性は健康対照に比較してそれぞれ1.6倍および1.8倍上昇した。1出血症例および1肝硬変症例ではIM濃度はカットオフ値2pMの5倍、STK活性は2.4U/Lの2−4倍であった。非癌患者のこれらのタイプの患者ではIM(STK1)濃度とSTK活性との間に有意な相関関係があった(表2)
a:有意値は0.05より小さく、0.01より大きい。
処置前の腫瘍患者におけるIM濃度およびSTK活性
9種類の悪性腫瘍を有する腫瘍患者752名のIM(STK1)濃度をECLドットブロットイムノアッセイによって測定し、健常者に比較して200倍も高いことが判明した。IM濃度を形態学的良性病巣を有する患者の血清でも測定した。測定濃度の結果を図2に示した。図2中、Aは白血病患者、Bは胃の腫瘍、Cは結腸腫瘍、Dは直腸腫瘍、Eは乳腫瘍、Fは肺腫瘍、Gはリンパ腫、Hはヘパトーマ、Iは脳腫瘍、Jはその他の悪性腫瘍、Kは形態学的良性病巣およびLは健常者をそれぞれ示す。悪性腫瘍患者ではIM濃度はほぼ正常値(カットオフ2pM)(29/752)から100pMまで(711/752)に見いだされ、若干の症例では200pMにもなった(13/752)。このように、悪性腫瘍患者の約95パーセントがIMのカットオフ値2pMよりも高いIM濃度を示す。
腫瘍、良性病巣、非癌性疾患の患者および健常者264名においてSTK酵素活性も平行して測定した。IM濃度は種々の患者間で広く変動したが、STK活性の変動は限られていた。良性病巣、白血病、乳癌および胃癌では、癌処置前の患者のIM濃度とSTK活性との間に有意な相関関係が認められた(表2を参照されたい)が、大部分の被検腫瘍タイプにおいて未処置患者に相関関係は認められなかった。図4を参照されたい。
胃腸管の癌を有する68名の手術前の患者のIM(STK1)濃度を、臨床TNM(UICC、第5版、1997)に示されるガイドラインにより、転移のあるなし(転移なし(M0)n=46、転移あり(M1)n=22)および分化程度(高いまたは中程度の分化n=56および低い分化n=12)に関しても研究した。結果を表3にまとめる。IM濃度は転移患者(M1)では転移のない患者(M0)に比べて4.5倍高かった(p<0.01)。低分化腫瘍を有する患者の濃度も、高/中程度分化腫瘍を有する患者に比べて有意差はないとはいえ(p>0.05)、高かった。
胃癌
胃癌(GC)患者43名においてIM(STK1)濃度およびSTK酵素活性をドットブロットECLイムノアッセイおよびRIA活性アッセイによってそれぞれ測定した。図3は腫瘍患者の1例(P3)からのウエスタンブロットおよびドットブロット、健常者(healthy(健康))のドットブロットおよび種々濃度のヒト組換えTK1(rhTK1)のドットブロットを示す。術前患者の測定STK1濃度およびSTK活性値を表4に示す。手術前の腫瘍患者ではIM濃度およびSTK活性は有意に高かった。
術後35日に、腫瘍のない症例においてIM濃度は約半分に有意に減少し(p=0.0106)、その一方でSTK酵素活性は減少しなかった。転移患者(M1)では術後35日にIM濃度はさらに173%に増加した。このような増加はSTK酵素活性には見られなかった。表5を参照されたい。術後7日目のM0患者のIM濃度が変化しなかったのは、一部は手術傷と関連したIM濃度の増加によるものである(データは示されず)。
表4および表5から明らかなように、STK酵素活性とは対照的に、IM濃度を使用して胃癌の処置の結果をモニターすることができる。さらにIM濃度レベルは癌疾患の再発を検知することができるが、STK活性はできない。
白血病
白血病患者24名において、IM(STK1)濃度をドットブロットECLイムノアッセイによって測定し、STK酵素活性をRIAアッセイによって測定した。処置開始前の上記患者ではこれら2パラメーター間に有意な相関関係があった(r=0.44)。図4のAを参照されたい。
これら24名の患者中、6名を処置中および処置後に追跡した。化学療法を受けている患者ではIM濃度は減少した。化学療法が終わったときにIM濃度は増加した。STK酵素活性は処置開始後も高かった。これはIM濃度がSTK活性に比べて、処置の結果を予測するためのより確実なアッセイであることを示唆する。
乳癌
アジュバント内分泌療法のコントロールド臨床試験に含まれた120名の乳癌患者群で、これら患者の67名において術後3カ月目に血清中IM(STK1)濃度を抗−TK1ヒナドリIgY抗体を用いて測定した(表1参照)。3カ月目のIM濃度を術後21日目のそれと関連づけた。12名の患者に遠隔転移癌が発生し、中間追跡期間11.6年の間に7つの局所領域の腫瘍が最初の事象として発生した。
上記67名の患者を相対的IM濃度<0.78、0.78−1.08または>1.08を有する等しい大きさの3患者群に分類した。上記相対的IM濃度は術後3カ月のIM濃度を術後21日目の対応するIM濃度で割ることによって得られる。腫瘍再発(遠隔領域または局所領域)が起きた患者の多変量解析を、結節−およびER状態、腫瘍サイズ、内分泌療法および年齢を考慮して行った結果、相対的IM濃度>1.08の患者は相対的IM濃度<0.78を有する患者とは統計的有意に異なることが判明した(p=0.004)。相対的IM濃度>1.08を有する患者における再発の危険率は、相対的濃度<0.78を有する患者より約6−7倍高かった。
a:年齢(<45歳、≧45歳)、結節状態(pN0、pN+)、腫瘍サイズ(<20mm、≧20mm)、ER状態(ER−、ER+)および内分泌療法(あり、なし)を調製。患者7名はER状態に関する情報がなかったためこの分析から除外された。
b:術後3カ月目および3週間目に測定したIM濃度の比率。カットオフ点はIM分布を3つの等しい大きさの群に分けることによって得た。
c:トレンドの試験。
d:信頼限界
e:局所領域−または遠位−再発
5年の累積的再発発生率の推定値は相対的STK1濃度<0.78、0.78−1.08および>1.08それぞれで0.09(95パーセントCI:0.02−0.34)、0.23(95%CI:0.11−0.49)および0.48(95%CI:0.31−0.73)であった。図5を参照されたい。このように、癌処置後3カ月目の高いIM濃度(群>1.08によって示されるような)は、(局所地域または遠位)腫瘍再発の高い確度を明白に示すものである。
IM(STK1)濃度およびSTK酵素活性を37名の患者で測定した。これらの結果を、腫瘍マーカー分野では“ゴールデン・マーカー”と見なされているCA 15−3測定値とも比較した。図6は、術後3カ月目に測定されたIM濃度、STK活性およびCA 15−3濃度を、術後21日目の対応する数値のパーセントとして表したものである。15名の患者では(A)、術後1ないし5年以内に腫瘍が再発した。その一方で22名の患者(B)では腫瘍再発はなかった。図に示されるように、1ないし5年後に腫瘍が再発した患者(A)の50−60%では術後3カ月目にIM濃度はすでに顕著により高かった。しかし、STK活性またはCA 15−3値には、再発腫瘍のある患者(A)またはない患者(B)で差はなかった。IM濃度は、その後再発性癌疾患が起きなかった25−30%の患者(B)も予測した。
かくして、11.6年までの追跡期間中、遠位および/または局所領域再発性癌疾患が発生する患者はより高い相対的IM濃度を示す顕著な傾向があると結論づけられる。
このような情報を使用して、改善されたリスク評価により、アジュバント治療を回避、延長、または変更することができる。
添付の請求項によって決められる本発明の範囲を逸脱することなく本発明に種々の変更および変化が加えられ得ることは当業者には明らかである。
健常者における血清チミジンキナーゼ(STK)酵素活性と、TK1蛋白含有免疫反応性物質(IM)濃度(STK1)との相関関係を示す。 健常者および種々の型の腫瘍を有するヒト患者の血清中のIM濃度(STK1)を示す。図中、Aは白血病をあらわし、Bは胃腫瘍をあらわし、Cは結腸腫瘍をあらわし、Dは直腸腫瘍をあらわし、Eは乳腫瘍をあらわし、Fは肺腫瘍をあらわし、Gはリンパ腫をあらわし、Hは肝(細胞)腫をあらわし、Iは脳腫瘍をあらわし、Jはその他の悪性腫瘍をあらわし、Kは形態学的良性病巣をあらわし、Lは健常者をあらわす。 胃癌患者(P3)の、ウエスタンブロットおよびドットブロットによって測定したIM濃度(STK1)、健常者およびヒト組換えTK1のドットブロットを示す。 良性病巣をもつ患者および癌処置前の悪性腫瘍患者におけるIM濃度(STK1)とSTK酵素活性との相関関係を示す。図中、Aは白血病をあらわし、Bは胃腫瘍をあらわし、Cは結腸腫瘍をあらわし、Dは直腸腫瘍をあらわし、Eは肺腫瘍をあらわし、Fはリンパ腫をあらわし、Gは肝(細胞)癌をあらわし、Hは脳をあらわし、Iは形態学的良性病巣あらわし、Jは乳癌をあらわす。 術後3カ月目に測定されたTK1濃度を術後21日目の対応するSTK1濃度で割ることによって決定される相対的STK1濃度 <0.78、0.78−1.08および>1.08を有する等しい3群に分けられた67名の乳癌患者における再発の累積的発生率を示す。 後に癌腫瘍が再発した(A)および再発しなかった37名の乳癌患者における術後3カ月目の血清中のIM濃度(STK1)、STK酵素活性およびCA 15−3濃度の比較である。これらは術後21日目の測定値のパーセントとして表されている。 本発明の腫瘍再発予測法のフローダイアグラムの説明である。

Claims (11)

  1. 癌疾患を処置した対象における前記癌疾患の再発を予測する方法であって、
    チミジンキナーゼ1(TK1)蛋白親和性リガンドを前記対象から採取した体液サンプルと接触させる工程(前記リガンドは特異的に結合している)、
    前記サンプル中の前記TK1蛋白および/または前記TK1蛋白と他の分子との複合体のリガンド結合量を測定する工程、
    前記測定した前記リガンド結合量に基づきかつ前記TK1の酵素活性レベルを測定することなく、前記癌疾患の処置後の二つの特定の検査日の測定値の比を用いて癌疾患の再発の確度を推定する工程
    からなる方法。
  2. 記リガンド結合量測を前記癌疾患処置の開始後1カ月以内に行い
    その後、前記リガンド結合量の再測定を、前記癌処置開始後の1カ月から6カ月後に行う、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記リガンド結合量測定を前記癌処置の21日後に行い
    前記リガンド結合量の測定を、前記癌処置開始後の3カ月後に行う、
    請求項に記載の方法。
  4. 測定した前記二つのリガンド結合量測定値の比が1を超える場合は、前記癌疾患が再発していることを予測する工程をさらに含む
    請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記リガンド結合量と、前記TK1蛋白および/または前記TK1蛋白と他の分子との複合体の集中度の関係を、再結合TK1結合反応レベルと濃度レベルとの関連性を作成し、
    前記リガンド結合量および前記作成した関連性から前記濃度レベルを決定し、
    前記癌疾患の置後の1年後の再発の確度を推定する工程が、前記決定した濃度レベルに基づいて前記癌疾患の再発の確度を推定する
    請求項ないし請求項4のいずれかの項に記載の方法。
  6. 前記リガンドがTK1のC末端部に特異的に結合する抗体である
    請求項1ないし請求項5のいずれかの項に記載の方法。
  7. 前記リガンド
    配列番号:1によるアミノ酸配列、および
    配列番号:2によるアミノ酸配列
    から選択されるペプチド配列に対して生成する抗体であ
    請求項1ないし請求項6のいずれかの項に記載の方法。
  8. 前記リガンド結合測定工程が、高性能化学ルミネッセンス(ECL)ドットブロットイムノアッセイによって前記リガンド結合を測定する工程を含む
    請求項1ないし請求項7のいずれかの項に記載の方法。
  9. 前記癌疾患充実腫瘍癌疾患である
    請求項1ないし請求項8のいずれかの項に記載の方法。
  10. 前記癌疾患の進行の前記確度が前記リガンド結合量に直接基づいて推定される
    請求項1ないし請求項9のいずれかの項に記載の方法。
  11. 前記TK1蛋白と他の分子との複合体が、前記TK1蛋白と、蛋白またはポリペプチドなどのその他分子と複合体化した酵素的活性または不活性のTK1蛋白を含む
    請求項1ないし請求項10のいずれかの項に記載の方法。
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