JPWO2005037968A1 - シリコンインゴット切断用スラリー及びそれを用いるシリコンインゴットの切断方法 - Google Patents

シリコンインゴット切断用スラリー及びそれを用いるシリコンインゴットの切断方法 Download PDF

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Abstract

この発明に係るシリコンインゴット切断用スラリーでは、塩基性物質の含有量を、スラリーの液体成分全体の質量に対して少なくとも3.5質量%とし、スラリーの液体成分中の水分に対して質量比で0.5〜5.0の有機アミンを含有させ、且つスラリーのpHを12以上としている。また、この発明に係るシリコンインゴットの切断方法では、上記シリコンインゴット切断用スラリーを65℃〜95℃で使用している。その結果、シリコンインゴット切断加工時の切断抵抗が低減され、高品質のウエハを効率よく得ることができる。

Description

本発明は、半導体用及び太陽電池用のウエハを製造するために、単結晶、多結晶又はアモルファスのシリコンインゴットを切断する際に使用するシリコンインゴット切断用スラリー及びそれを用いるシリコンインゴットの切断方法に関する。
従来、シリコンインゴットの切断には、小さい切断代および均一な厚さで切断することや一度に多数枚のウエハを切断することができるワイヤーソーが用いられている。このワイヤーソーを用いたシリコンインゴットの切断は、走行するワイヤーにシリコンインゴットを押し付けつつ、その切断界面に砥粒を含む切断用スラリーを導入することによって行われている。このようなワイヤーを用いたシリコンインゴットの切断においては、高いウエハ品質を維持すると共に、切断速度を向上させ、切断代や切断ピッチを小さくして、ウエハ加工費を削減することが要求されている。
高いウエハ品質を維持するためには、切断用スラリー中の砥粒の分散性を高め、切削性能を常に一定に保つ必要がある。このため、キサンタンガムやポリビニルアルコールのような増粘剤を切断用スラリーに添加して粘度を高め、砥粒の沈降を抑制することが行われている。しかし、このような切断用スラリーを使用して切断加工を長時間行うと、加工中にスラリー粘度が上昇していき、切断溝からのワイヤーの引き抜き抵抗が大きくなるため、ワイヤーの送り速度を低下させる必要があった。これに応じてシリコンインゴットの送り速度、すなわち切断速度を低下させる必要が生じて切断効率を低下させていた。また、ワイヤーの引き抜き抵抗が過大となり、ワイヤーの破断も招いていた。
一方、切断代を小さくするには、ワイヤー径を小さくすればよいが、その分ワイヤーの破断強度が低下するため、ワイヤーに掛かる張力を小さくする必要がある。シリコンインゴットの切断は、圧力転写であるラッピング作用で行われているので、ワイヤーの張力を小さくすると、切断速度が遅くなり、ワイヤーの変位(撓み)が大きくなる。ワイヤーの変位(撓み)が大きくなると、切断方向と直行する方向におけるワイヤーの変位も大きくなり、ウエハの反り、厚さむら、微小な凹凸(ソーマーク)が発生し、ウエハの品質が低下する。このようなワイヤー撓みを小さくするために、切断速度の遅延に応じてシリコンインゴットの送り速度を低下させると、切断効率を低下させることになる。ワイヤーの送り速度を高めて、切断速度の遅延を補ってシリコンインゴットの送り速度を高くすると、切断界面での砥粒の分散不良に対するマージンがなくなり、張力の突発的な上昇によってワイヤー破断が発生する。
従って、高いウエハ品質を維持すると共に、切断速度を向上させ、シリコンインゴットの切断代や切断ピッチを小さくするためには、切断抵抗を低減することが必要である。
そこで、固定砥粒ワイヤーと、遊離砥粒を含むスラリー又は濃度が2%以下のKOHアルカリ溶液とを用いてシリコンインゴットを切断する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2000−343525号公報
固定砥粒ワイヤーと遊離砥粒を含むスラリーとを用いる従来の切断方法は、遊離砥粒を運搬する媒体として固定ワイヤーを使用し、遊離砥粒の切断界面への導入量の不確定さを低減して平均的な遊離砥粒導入量を増やすとともに、固定砥粒を同時に作用させてシリコンインゴットをラッピング切断する作用を持つ。切断におけるいわゆる刃数の増大が見込め、切断効率を上昇させて見かけ上の切断抵抗を下げている。しかしながら、裸のワイヤーを用いる場合に比べ、切断屑や遊離砥粒の排出が困難になり、切断界面における液中の切断屑や遊離砥粒濃度が高くなって、切断界面におけるスラリー粘度が高くなるという問題がある。また、固定砥粒ワイヤーは非常に高価であり、これを使用することは著しく経済性を欠いている。
固定砥粒ワイヤーとアルカリ溶液とを用いる従来の切断方法では、切断屑が切断界面で目詰まりを起こし、この切断屑の溶解にアルカリ溶液の一部が使用されてしまうため、アルカリ溶液の切断面への働きが低下する。また、凝集した切断屑は切断面に微小なクラックを与えることがあるが、アルカリ溶液はこのようなクラックを拡大するように選択的に働き、切断面を荒らすことになる。切断屑の排出抵抗は、切断抵抗の増大に寄与し、結果的にウエハの反り、厚さむら、微小な凹凸を発生させる。アルカリ溶液の十分な働きを得るには、ワイヤーの送り速度、シリコンインゴット送り速度を大幅に低下させる必要があり、切断効率の著しい低下を招く。
したがって、本発明は、上記のような課題を解決しようとするものであり、シリコンインゴット切断加工時の切断抵抗を低減して、高品質のウエハを効率よく得ることができるシリコンインゴット切断用スラリー及びそれを用いるシリコンインゴットの切断方法を提供することを目的としている。
本発明は、砥粒及び塩基性物質を含有するシリコンインゴット切断用スラリーにおいて、前記塩基性物質の含有量が、前記スラリーの液体成分全体の質量に対して少なくとも3.5質量%であること、前記スラリーが、前記スラリーの液体成分中の水分に対して質量比で0.5〜5.0の有機アミンを含有すること、及び前記スラリーのpHが12以上であることを特徴とするシリコンインゴット切断用スラリーである。
また、本発明は、砥粒及び塩基性物質を含有するシリコンインゴット切断用スラリーを用いてシリコンインゴットを切断する方法において、前記塩基性物質の含有量が、前記スラリーの液体成分全体の質量に対して少なくとも3.5質量%であること、前記スラリーが、前記スラリーの液体成分中の水分に対して質量比で0.5〜5.0の有機アミンを含有すること、前記スラリーのpHが12以上であること、及び前記スラリーを65℃〜95℃で使用することを特徴とするシリコンインゴットの切断方法である。
本発明によれば、塩基性物質の含有量を、スラリーの液体成分全体の質量に対して少なくとも3.5質量%とし、スラリーの液体成分中の水分に対して質量比で0.5〜5.0の有機アミンを含有させ、且つスラリーのpHを12以上とすることによって、シリコンインゴット切断加工時の切断抵抗を低減することができるので、高品質のウエハを効率よく得ることができる。
[図1]本発明の一実施形態において切断されたウエハの断面の表層部の輪郭をトレースした図である。
[図2]本発明の一実施形態で用いたマルチワイヤーソーの概略図である。
[図3]本発明の一実施形態におけるシリコンインゴットの切断部拡大図である。
[図4]マルチワイヤーソーを用いるシリコンインゴットの切断における各パラメーターの関係を示す図である。
[図5]本発明の一実施形態で用いた研磨装置の概略図である。
[図6]実施例1におけるシリコンインゴット切断用スラリーの粘度を示すグラフである。
[図7]比較例1、2及び3におけるシリコンインゴット切断用スラリーの粘度を示すグラフである。
本発明によるシリコンインゴット切断用スラリーは、砥粒及び塩基性物質を含有する。そして、塩基性物質の含有量が、スラリーの液体成分全体の質量に対して、少なくとも3.5質量%であり、スラリーの液体成分中の水分に対して質量比で0.5〜5.0の有機アミンを更に含有し、且つスラリーのpHが12以上であることを特徴とする。
本発明において、砥粒としては、一般的に研磨材として用いられるものであればよく、例えば、炭化ケイ素、酸化セリウム、ダイヤモンド、窒化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素を挙げることができ、これらを単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。このような砥粒に用いることのできる化合物は市販されており、具体的には炭化ケイ素としては、商品名GC(Green Silicon Carbide)及びC(Black Silicon Carbide)((株)フジミインコーポレーテッド社製)、酸化アルミニウムとしては、商品名FO(Fujimi Optical Emery)、A(Regular Fused Alumina)、WA(White Fused Alumina)及びPWA(Platelet Calcined Alumina)((株)フジミインコーポレーテッド社製)等が挙げられる。
砥粒の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、好ましくは1μm〜60μm、より好ましくは5μm〜20μmである。砥粒の平均粒子径が1μm未満であると、切断速度が著しく遅くなってしまい実用的ではなく、砥粒の平均粒子径が60・mを超えると、切断後のウエハ表面の表面粗さが大きくなり、ウエハ品質が低下してしまうことがあるため好ましくない。
また、砥粒の含有量は、特に限定されるものではないが、シリコンインゴット切断用スラリー全体の質量に対して、好ましくは20質量%〜60質量%である。砥粒の含有量が20質量%未満であると、切断速度が遅くなって、実用性が乏しくなることがあり、砥粒の含有量が60質量%を超えると、スラリーの粘度が過大になって、スラリーを切断界面に導入し難くなることがある。
本発明において、塩基性物質としては、スラリー中で塩基として作用する物質であればよく、例えば、金属水酸化物を挙げることができ、より具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類水酸化物を挙げることができる。そして、これらを単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、シリコンインゴットとの反応性の観点から、アルカリ金属水酸化物が好ましい。
塩基性物質の含有量は、シリコンインゴット切断用スラリーの液体成分全体の質量に対して、少なくとも3.5質量%、好ましくは少なくとも4.0質量%であって、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。塩基性物質の含有量が少なすぎる場合には、切断抵抗が十分に低減されず、多すぎる場合には、スラリーのpHが飽和してしまい、添加したほどには切断抵抗が低減されず、コストに無駄が多くなって好ましくない。
本発明におけるシリコンインゴット切断用スラリーは、塩基性物質の他に、有機アミンを含有する。有機アミンと塩基性物質とを混合させると、塩基性物質単独よりも化学的作用が高まることが実験で分かった。有機アミンは、増粘剤としての働きを持ち、水分との相溶性がよく、更にはキサンタンガムやポリビニルアルコールのような従来の増粘剤と比べて水分の蒸発による粘度上昇を抑制することができる。このような有機アミンとしては、公知のものを制限なく使用することができ、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン類、脂肪族アミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類が挙げられる。そして、これらを単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、コストや取り扱い性の観点から、アルカノールアミン類が好ましく、トリエタノールアミンがより好ましい。
スラリー中の有機アミンの含有量は、スラリーの液体成分中の水分に対して質量比で0.5〜5.0であり、好ましくは1.0〜4.0である。スラリーの液体成分中の水分に対して有機アミンの質量比が0.5未満の場合には、切断加工時のスラリーの粘度変化を十分に抑制することができないばかりか、スラリーの初期粘度が低くなるため好ましくない。また、有機アミンは塩基性物質ほどの強い塩基性を持たないために、スラリーの液体成分中の水分に対して有機アミンの質量比が5.0以下では一種の緩衝作用によってスラリーのpHは大きく変化しない。しかし、スラリーの液体成分中の水分に対して有機アミンの質量比が5.0を越える場合には、スラリーの化学的作用が鈍くなって、切断速度の低下が起こるため好ましくない。
また、市販のクーラント(理化商会社製リカマルチノール、大智化学社製ルナクーラント)、トリエタノールアミン及び水酸化ナトリウムの割合を変えた溶液を用いて、シリコン片に対する化学的作用について調べた。下記表1に示す組成の溶液No.1〜8を調製し、これにシリコン片(縦10mm、横10mm、厚さ3mm)を10個ずつ浸漬させた。液温を80℃とし、浸漬後3分経ってから5分間水上置換法により、シリコン片と溶液との反応によって発生する水素の量を測定した。表1中の各成分は質量比で示している。水素発生量は、シリコン片の単位重量当たりの量を示しており、水素発生量が多いほど化学的作用が高いことを示す。
Figure 2005037968
Figure 2005037968
本発明によるシリコンインゴット切断用スラリーの初期粘度は、特に限定されるものではないが、回転粘度計(例えば、ブルックフィールド社製、プログラマブルレオメータDV−III)を用いて、90℃、ずり速度57.6[s−1]において、50〜120mPa・sが好ましい。シリコンインゴット切断用スラリーの初期粘度が低過ぎると、ワイヤーに塗布したスラリーが垂れ落ち易くなることがあり、初期粘度が高過ぎると、シリコンインゴット切断部へのスラリー供給量が不足する。また、切断加工中のスラリー粘度は、特に限定されるものではないが、回転粘度計(例えば、ブルックフィールド社製、プログラマブルレオメータDV−III)を用いて、90℃、ずり速度57.6[s−1]において、160mPa・s以下が好ましく、120mPa・s以下がより好ましい。切断加工中のスラリー粘度が高過ぎると、シリコンインゴット切断部におけるスラリーの均一な分散が妨げられ、切断速度が低下したり、ワイヤーが破断したりすることがある。
本発明において、スラリーの液体成分としては、水、公知のクーラント及びこれらの混合物を用いることができる。ここで用いる水としては、不純物含有量の少ないものが好ましいが、これに限定されるものではない。具体的には、純水、超純水、市水、工業用水等が挙げられる。水の含有量は、特に限定されるものではないが、シリコンインゴット切断用スラリー全体の質量に対して、好ましくは10質量%〜40質量%である。
また、クーラントとしては、ポリエチレングリコール、ベンゾトリアゾール、オレイン酸等を含む切削補助混合液として一般的に用いられるものであればよい。このようなクーラントは市販されており、具体的には商品名リカマルチノール(理化商会社製)、ルナクーラント(大智化学産業社製)等が挙げられる。クーラントの含有量は、特に限定されるものではないが、シリコンインゴット切断用スラリー全体の質量に対して、好ましくは10質量%〜40質量%である。
本発明によるシリコンインゴット切断用スラリーは、塩基性物質により強塩基性を有する。そのためシリコンインゴット切断界面は、以下の式(1)に示すような反応によって脆弱化されると共に、砥粒によってラッピングされる。
Si+4HO→Si(OH)+2H (1)
そして、上式から分かるように、スラリーのpHが高い(強塩基性である)ほど、シリコンの反応がより促進される。このため、本発明によるシリコンインゴット切断用スラリーは、12以上、好ましくは13以上のpHを有する。スラリーのpHが低すぎる場合には、シリコンの反応(脆弱化)速度が低く、切断速度を向上させることができないため好ましくない。
また、本発明のシリコンインゴット切断用スラリーは、65℃〜95℃で使用する。スラリーを使用する温度が65℃未満の場合には、反応が活性化されないため切断抵抗が十分に低減されず、95℃を超える場合には、スラリー中の液体成分(主に水分)の蒸発によって反応に必要な水分が不足し、切断抵抗が増大するので、好ましくない。
ただし、本発明のシリコンインゴット切断用スラリーを使用する温度が65℃未満、例えば、25℃程度の場合であっても、切断によって発生する加工応力(残留歪み)を除去しながら切断を進め、低歪みのウエハを得ること(特開2000−343525号公報に記載されるような効果)は可能である。
そこで、上記効果を確認するため、本発明のシリコンインゴット切断用スラリーA及び従来のシリコンインゴット切断用スラリーBそれぞれを25℃で用いて、マルチワイヤーソーにより多結晶のシリコンインゴット(150mm角、25mm長)を切断する実験を行った。
<スラリーA>
トリエタノールアミン:水:水酸化ナトリウム:砥粒=1:1:0.078:1.2(質量比)
<スラリーB>
リカマルチノール(理化商会社製):砥粒=2.078:1.2(質量比)
切断されたウエハの断面をSEM(走査型電子顕微鏡)により観察した結果を図1に示す。図1の(a)及び(b)は、シリコンインゴット切断用スラリーA及びBそれぞれを用いて切断されたウエハの断面の表層部の輪郭をトレースした図である。
図1から明らかなように、本発明のシリコンインゴット切断用スラリーAでは、ウエハ表面が平滑であり、断面にクラックは見られなかった。これに対して従来のシリコンインゴット切断用スラリーBでは、ウエハ表面が荒れており、表面から3〜7μm程度の深さに至るクラックが見られた。さらに、加工中のワイヤー撓み量を渦電流式変位センサで計測したところ、本発明のシリコンインゴット切断用スラリーAを用いた場合には、シリコンインゴット切断用スラリーBを用いた場合と比較して平均で6%少なかった(即ち、切断抵抗が平均で6%小さいことが分かった)。
本発明によるシリコンインゴット切断用スラリーには、製品の品質保持および性能安定化を図る目的や、シリコンインゴットの種類、加工条件等に応じて、各種の公知の添加剤を加えてもよい。このような添加剤としては、例えば、保湿剤、潤滑剤、防錆剤、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム塩のようなキレート剤、ベントナイトのような砥粒分散補助剤等を挙げることができる。
本発明のシリコンインゴット切断用スラリーは、上記の各成分を所望の割合で混合することにより調製することができる。各成分を混合する方法は任意であり、例えば、翼式撹拌機で撹拌することにより行うことができる。また、各成分の混合順序についても任意である。更に、精製などの目的で、調製されたシリコンインゴット切断用スラリーにさらなる処理、例えば、濾過処理、イオン交換処理等を行ってもよい。
本発明によるシリコンインゴットの切断方法では切断装置が用いられる。ここで使用される切断装置としては、任意のものを用いることができるが、例えば、バンドソー、ワイヤーソー、マルチバンドソー、マルチワイヤーソー、外周刃切断装置および内周刃切断装置が挙げられる。これらの中でも特に、直径の大きい、例えば、6インチ以上のインゴットを切断する際には、ワイヤーソー及びマルチワイヤーソーが好ましい。その理由は、他の切断装置に比べて、小さい切断代および均一な厚さでインゴットを切断することができ、一度に多数枚のウエハを切断することができるからである。
ここで、本発明によるシリコンインゴットの切断方法を、切断装置としてマルチワイヤーソーを用いた場合を例にとって説明する。図2に示すように、マルチワイヤーソー10は、シリコンインゴット2を固定し、押し下げるためのインゴット送り機構1と、裸のワイヤー3を送るためのワイヤー送り機構と、シリコンインゴット切断用スラリーを供給するためのスラリー撹拌・供給タンク8と、シリコンインゴット切断用スラリーを裸のワイヤー3に塗布するためのスラリー塗布ヘッド9と、裸のワイヤー3を送り出すためのワイヤー送出機構5と、裸のワイヤー3を巻き取るためのワイヤー巻取機構6と、裸のワイヤー3の張力を一定に保つための張力制御ローラー7とを備えている。そして、ワイヤー送り機構は、同期回転する二本の回転ローラー4を備え、その回転ローラー4の外周にはワイヤー3を案内する溝が形成されている。また、ここで用いる裸のワイヤーとしては、金属製のものや樹脂製のものが挙げられ、切断効率の観点から、金属性のものがより好ましい。
このようなマルチワイヤーソーによりシリコンインゴットを切断する際には、インゴット送り機構1に固定されたシリコンインゴット2を裸のワイヤー3に接触させる。裸のワイヤー3は、ワイヤー送り機構と同期するワイヤー送出機構5から送り出されると共に、ワイヤー巻取機構6で巻き取られる。また、スラリー撹拌・供給タンク8から供給されたシリコンインゴット切断用スラリーは、スラリー塗布ヘッド9を介してワイヤー3上に塗布される。そして、図3に示すように、シリコンインゴット切断用スラリーが、走行する裸のワイヤー3によりシリコンインゴット切断部に運ばれると、シリコンインゴット2がラッピング作用によって削られ、切断される。
つぎに、マルチワイヤーソー10を用いるシリコンインゴット2の切断における評価方法について、図4を参照しつつ説明する。図4はマルチワイヤーソー10を用いるシリコンインゴット2の切断における各パラメーターの関係を示す図であり、図4の(a)はシリコンインゴット2の切断方法を示す模式図、図4の(b)は図4の(a)のA−A矢視断面図である。図4において、シリコンインゴット2の送り速度をV、ワイヤー3の送り速度をU、切断抵抗をP、切断方向に直角な方向のワイヤー3の変位をδ、切断方向のワイヤー3の変位をδ、ワイヤー3の張力をTとすると、以下の実験式が一般に知られている。
P∝V/U (3)
δ∝P/T (4)
δ∝P/T (5)
これらの式に基づき、マルチワイヤーソー10を用いるシリコンインゴット2の切断において、切断方向に直角な方向のワイヤー3の変位δ及び切断方向のワイヤー3の変位δ(撓み)を測定することによって、切断速度や切断抵抗を評価することができる。
これを詳細に説明すれば、まず、ワイヤー3によってシリコンインゴット2の切断界面に砥粒22を含むスラリーが導入される。そして、スラリー中の砥粒22の偏在やワイヤー3の偏摩耗及びねじれによって、切断方向に直角な方向のワイヤー3の変位δおよび切断方向のワイヤー3の変位δが生じる。δは切断方向に直角な方向のワイヤー3の変位であるので、この値が大きくなると、シリコンインゴット2を切断して得られるウエハの反り、厚さむら、微小な凹凸(ソーマーク)が発生し、ウエハの品質が低下する。従ってδは小さいほどよい。また、δが大きくなると、切断界面でのワイヤー3に切断方向の遅れがでて、所望の切断速度が得られないため、δは小さいほどよい。ワイヤー3の張力Tが一定であるとすると、式(4)及び(5)より、δ及びδを小さくするためには切断抵抗Pを低減すればよい。そして、式(3)から分かるように、切断抵抗Pを低減するには、シリコンインゴット2の送り速度Vを小さくするかワイヤー3の送り速度Uを大きくすれば良いことになる。しかし、シリコンインゴット2の送り速度Vは、シリコンインゴット2の切断速度に比例するため、あまり小さくすることはできない。ワイヤー3の送り速度Uを大きくすると、ワイヤー長を長くする必要が生じ、ワイヤー費用が嵩むことになる。従ってUをあまり大きくすることはできない。このように各パラメーターは各々密接に関係しているので、ウエハの切断効率や品質を考慮した上で、バランスを取るように各パラメーターを設定し、切断速度や切断抵抗の評価を行う。
なお、マルチワイヤーソーを用いる場合を例にとって各パラメーターを説明したが、ワイヤーソーを用いる場合も同様である。
また、切断速度や切断抵抗を評価する他の方法として、図5に示すような研磨装置を用いる方法が挙げられる。
研磨装置21は、シリコンインゴット切断用スラリー11を溜めておくためのビーカー12と、前記スラリー11を加熱および磁石回転子13により攪拌するためのヒーター・攪拌器14と、前記スラリー11の温度を測定するための温度計15と、研磨パッド16を貼り付けた回転テーブル17と、前記スラリー11を、送液チューブ18を介して研磨パッド16上に供給するための送液ポンプ19と、シリコンインゴット2を固定し、研磨パッド16に押し付けるための研磨ヘッド20とを備えている。
このような研磨装置21においてシリコンインゴット2を研磨する際には、シリコンインゴット切断用スラリー11をヒーター・撹拌器14によって攪拌しながら、加熱する。回転テーブル17を所定の回転数で回転させ、このシリコンインゴット切断用スラリー11を送液ポンプ19で研磨パッド16上に塗布すると共に、研磨ヘッド20先端に固定されたシリコンインゴット2を所定の押圧で研磨パッド16に押し付ける。そして、一定時間経過後のシリコンインゴット2の質量変化から、研磨速度を求めることができ、また、研磨後のシリコンインゴット表面の微小な凹凸を観察することにより、研磨抵抗の大小(これはワイヤーソーを用いる場合の切断抵抗に相当する)を知ることができる。予備実験を行った結果、図5に示す方法で測定した研磨速度Epとマルチワイヤーソー10(図2参照)における切断速度Ewとの間に、Ew/Ep=3/5の相関があることが分かった。
したがって、研磨速度およびシリコンインゴット研磨表面の評価によって、ワイヤーソーを用いる場合の切断速度および切断抵抗を評価することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
8質量部の水酸化ナトリウムを100質量部の水に溶解して塩基性水溶液とし、この水溶液と100質量部のトリエタノールアミンと100質量部のポリエチレングリコールとを混合した。この混合溶液に、100質量部のSiC砥粒(フジミインコーポレーテッド社製、GC#1000、平均粒子径約10μm)を加えて攪拌し、シリコンインゴット切断用スラリーを調製した。この時、スラリーの液体成分中の水分に対してトリエタノールアミンの質量比は、100÷100=1.0となる。また、得られたスラリーの25℃におけるpHは13.3であり、90℃、ずり速度57.6[s−1]における初期粘度は50mPa・sであった。
得られたシリコンインゴット切断用スラリーを用いて、下記に示す研磨条件で多結晶シリコンインゴット試料(3mm×3mm×厚さ1mm)を研磨した。スラリーを所定時間毎(0、2、4及び7時間)に採取し、回転粘度計(ブルックフィールド社製、プログラマブルレオメータDV−III)を用いて、ずり速度57.6[s−1]における粘度を測定した。結果を図6及び表2に示す。
<研磨条件>
研磨パッド :直径200mm(ビューラー社製、研磨用バフ、ウルトラパッド8インチウエハ用)
試料位置 :パッドの中心から65mm
研磨テーブル回転数 :200rpm
スラリー供給量 :65cc/分
スラリー供給位置 :パッドの中心から65mm、試料の30°回転後方
スラリー温度 :90℃
試料押圧 :10N
〔比較例1〕
8質量部の水酸化ナトリウムを100質量部の水に溶解して塩基性水溶液とし、この水溶液と、100質量部のポリエチレングリコールと、従来の増粘剤として7.5質量部のポリビニルアルコールゲル(重合度1500のポリビニルアルコールと、水とを質量比1:9で混合しゲル化したもの)とを混合した。この混合溶液に、100質量部のSiC砥粒(フジミインコーポレーテッド社製、GC#1000、平均粒子径約10μm)を加えて攪拌し、シリコンインゴット切断用スラリーを調製した。得られたスラリーの25℃におけるpHは13.8であり、また、90℃、ずり速度57.6[s−1]における初期粘度は30mPa・sであった。
得られたシリコンインゴット切断用スラリーを用いて、実施例1と同様にして粘度を測定した。結果を図7及び表2に示す。
〔比較例2〕
10.0質量部のポリビニルアルコールゲル(重合度1500のポリビニルアルコールと、水とを質量比1:9で混合しゲル化したもの)を混合する以外は比較例1と同様にして、シリコンインゴット切断用スラリーを調製した。得られたスラリーの25℃におけるpHは13.8であり、また、90℃、ずり速度57.6[s−1]における初期粘度は50mPa・sであった。
得られたシリコンインゴット切断用スラリーを用いて、実施例1と同様にして粘度を測定した。結果を図7及び表2に示す。
〔比較例3〕
15.0質量部のポリビニルアルコールゲル(重合度1500のポリビニルアルコールと、水とを質量比1:9で混合しゲル化したもの)を混合する以外は比較例1と同様にして、シリコンインゴット切断用スラリーを調製した。得られたスラリーの25℃におけるpHは13.8であり、また、90℃、ずり速度57.6[s−1]における初期粘度は90mPa・sであった。
得られたシリコンインゴット切断用スラリーを用いて、実施例1と同様にして粘度を測定した。結果を図7及び表2に示す。
Figure 2005037968
図6及び表2から明らかなように、本発明によるシリコンインゴット切断用スラリーでは、研磨加工時間が経過してもスラリーの粘度が大きく上昇することはなかった。従って、このスラリーを用いて、ワイヤーソーによりシリコンインゴットを切断する方法では、スラリーの粘度変化を抑制し、切断性能を長時間にわたって一定に保つことができる。
これに対して、従来の増粘剤であるポリビニルアルコールを用いて粘度を調製したスラリー(比較例1〜3)では、研磨加工を長時間行うと、水の蒸発によって粘度が上昇すると共に、時間の経過に伴って粘度の変化率が増大した。従って、スラリーの粘度変化を小さくすることはできなかった(図7参照)。
[実施例2]
実施例1と同様のシリコンインゴット切断用スラリーを用いて、下記に示す研磨条件で多結晶シリコンインゴット試料(3mm×3mm×厚さ1mm)を研磨した。研磨前後の試料の質量変化から研磨量を求め、研磨時間で除して研磨速度を求めた。結果を表3に示す。
<研磨条件>
研磨パッド :直径200mm(ビューラー社製、研磨用バフ、ウルトラパッド8インチウエハ用)
試料位置 :パッドの中心から65mm
研磨テーブル回転数 :200rpm
研磨時間 :5分
スラリー供給量 :65cc/分
スラリー供給位置 :パッドの中心から65mm、試料の30゜回転後方
スラリー温度 :80℃
試料押圧 :10N
次に、得られたウエハを水で洗浄して、乾燥させた後、顕微鏡にてインゴットの研磨表面を観察し、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
<評価基準>
○:インゴットの研磨表面に凹凸が少ない
△:インゴットの研磨表面に凹凸が多い
×:インゴットの研磨表面に凹凸が極めて多い
〔比較例4〕
258質量部のクーラント(大智化学産業社製、ルナクーラント#691)に100質量部のSiC砥粒(フジミインコーポレーテッド社製、GC#1000、平均粒子径約10μm)を加えて攪拌し、シリコンインゴット切断用スラリーを調製した。得られたスラリーの25℃におけるpHは6.7であった。
得られたスラリーを25℃で用いる以外は実施例2と同様にして、多結晶シリコンインゴット試料を研磨した。結果を表3に示す。
〔比較例5〕
97質量部の水と3.0質量部のトリエタノールアミンと100質量部のクーラント(大智化学産業社製、ルナクーラント#691)とを混合した。この混合溶液に100質量部のSiC砥粒(フジミインコーポレーテッド社製、GC#1000、平均粒子径約10μm)を加えて攪拌し、シリコンインゴット切断用スラリーを調製した。この時、スラリーの液体成分中の水分に対してトリエタノールアミンの質量比は、3.0÷100=0.03となる。また、得られたスラリーの25℃におけるpHは10.5であった。
得られたスラリーを用いて実施例2と同様にして、多結晶シリコンインゴット試料を研磨した。結果を表3に示す。
Figure 2005037968
表3から明らかなように、本発明によるシリコンインゴット切断用スラリーは、研磨速度が従来の砥粒含有スラリー(比較例4)の約1.5倍と高く、研磨表面に凹凸が少なかった。したがって、このスラリーを用いて、ワイヤーソーによりシリコンインゴットを切断する方法では、ウエハの生産効率を向上させることができ、且つ切断抵抗を低減することができるので、ウエハ品質を向上させることができる。また、切断抵抗を小さくした分だけ、インゴットの送り速度を大きくすることができるので、切断速度を更に高めることもできる。
これに対して、トリエタノールアミン含有量の異なるスラリー(比較例5)では研磨速度が低く、研磨表面に凹凸が多かった。
[実施例3]
スラリーの液体成分全体の質量に対して4.9質量%の水酸化ナトリウム、スラリーの液体成分中の水分に対して質量比で0.5のトリエタノールアミン及びスラリー全体の質量に対して33質量%の砥粒を含有するシリコンインゴット切断用スラリーを調製し、スラリー温度の差による切断抵抗の違いを調べた。なお、得られたスラリーの25℃におけるpHは13.8であった。
得られたシリコンインゴット切削用スラリーを用いて、下記に示す切断条件で図2のマルチワイヤーソーにより多結晶のシリコンインゴット(150mm角、25mm長)を切断し、加工中のワイヤー撓み量を渦電流式変位センサで計測した。
<切断条件>
ワイヤー径 :100μm(JFEスチール社製、型式SRH)
ワイヤーピッチ :0.39mm
ワイヤー送り速度 :600m/分
シリコンインゴット送り速度:0.35mm/分
スラリー温度 :25℃、80℃
実験の結果、スラリー温度80℃で行ったときのワイヤー撓み量は、スラリー温度25℃で行ったときのワイヤー撓み量と比較して平均で17%少なかった。即ち、切断抵抗が平均で17%小さくなることが分かった。

Claims (2)

  1. 砥粒及び塩基性物質を含有するシリコンインゴット切断用スラリーにおいて、
    前記塩基性物質の含有量が、前記スラリーの液体成分全体の質量に対して少なくとも3.5質量%であること、
    前記スラリーが、前記スラリーの液体成分中の水分に対して質量比で0.5〜5.0の有機アミンを含有すること、及び
    前記スラリーのpHが12以上であること
    を特徴とするシリコンインゴット切断用スラリー。
  2. 砥粒及び塩基性物質を含有するシリコンインゴット切断用スラリーを用いてシリコンインゴットを切断する方法において、
    前記塩基性物質の含有量が、前記スラリーの液体成分全体の質量に対して少なくとも3.5質量%であること、
    前記スラリーが、前記スラリーの液体成分中の水分に対して質量比で0.5〜5.0の有機アミンを含有すること
    前記スラリーのpHが12以上であること、及び
    前記スラリーを65℃〜95℃で使用することを特徴とするシリコンインゴットの切断方法。
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