JP2005126535A - シリコンインゴット切削用スラリー及びそれを用いるシリコンインゴットの切断方法 - Google Patents

シリコンインゴット切削用スラリー及びそれを用いるシリコンインゴットの切断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シリコンインゴット切断加工時の切断抵抗を低減して、高品質のウエハを効率よく得ることができるシリコンインゴット切削用スラリー及びそれを用いるシリコンインゴットの切断方法を提供すること。
【解決手段】砥粒を含有し、ワイヤーソーによりシリコンインゴットを切削する際に使用するシリコンインゴット切削用スラリーにおいて、前記砥粒の平均粒径R(μm)が、ワイヤーとシリコンインゴット切削面との平均距離X(μm)に対して、式 X−10≦R≦X+10を満たし、且つ前記スラリーの液体成分に対する前記砥粒の質量比が0.25〜1.0であることを特徴とする。上記スラリーを使用してワイヤーソーによりシリコンインゴットを切断する。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体用及び太陽電池用のウエハを製造するために、ワイヤーソーにより単結晶、多結晶又はアモルファスのシリコンインゴットを切削する際に使用するシリコンインゴット切削用スラリー及びそれを用いるシリコンインゴットの切断方法に関する。
従来、シリコンインゴットの切断には、小さい切断代および均一な厚さで切断することや一度に多数枚のウエハを切断することができるワイヤーソーが用いられている。このワイヤーソーを用いたシリコンインゴットの切断は、走行するワイヤーにシリコンインゴットを押し付けつつ、その切削界面に砥粒を含む切削用スラリーを導入することによって行われている。このようなワイヤーを用いたシリコンインゴットの切断においては、高いウエハ品質を維持すると共に、切断速度を向上させ、切断代や切断ピッチを小さくして、ウエハ加工費を削減することが要求されている。
切断代を小さくするには、ワイヤー径を小さくすればよいが、その分ワイヤーの破断強度が低下するため、ワイヤーに掛かる張力を小さくする必要がある。張力を小さくすると、切削界面における砥粒の分散不良から切断抵抗が増大して、ワイヤーの変位(撓み)が大きくなるので、切断速度が低下したり、ウエハの反り、厚さむら、微小な凹凸(ソーマーク)が発生し、ウエハの品質が低下する。また、無理にインゴットの送り速度を高くすると、ワイヤーに大きな張力が生じるため、結果としてワイヤーの破断を生じる。また、切断ピッチを小さくしてウエハを薄くすると、切断抵抗によってウエハに微小なクラックが発生したり、切断加工中にウエハが保持部材から脱落したりする。
従って、高いウエハ品質を維持すると共に、切断速度を向上させたり、シリコンインゴットの切断代や切断ピッチを小さくするためには、切断抵抗を低減することが必要である。
そこで、固定砥粒ワイヤーと遊離砥粒を含むスラリーとを用いてシリコンインゴットを切断する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、平均粒径が9.4μm以下のダイヤモンド砥粒を分散させたワイヤーソー用水性スラリーが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2000−343525号公報 特開2002−60777号公報
しかしながら、固定砥粒ワイヤーと遊離砥粒を含むスラリーとを用いる従来の切断方法では、遊離砥粒を運搬する媒体として固定砥粒ワイヤーを単に使用し、遊離砥粒によるラッピング作用でシリコンインゴットを切断しており、見かけ上、固定砥粒ワイヤーによる切断抵抗を下げているに過ぎない。更に、裸のワイヤーを用いる場合に比べ、切断屑や遊離砥粒が切削界面から排出され難いという問題がある。その上、固定砥粒ワイヤーは非常に高価であり、これを使用することは著しく経済性を欠いている。
また、平均粒径が9.4μm以下のダイヤモンド砥粒を分散させた従来のワイヤーソー用水性スラリーを用いるシリコンインゴットの切削では、切断抵抗をある程度下げられるものの、切削速度が低いという問題がある。
したがって、本発明は、上記のような課題を解決しようとするものであり、シリコンインゴット切断加工時の切断抵抗を低減して、高品質のウエハを効率よく得ることができるシリコンインゴット切削用スラリー及びそれを用いるシリコンインゴットの切断方法を提供することを目的としている。
本発明は、砥粒を含有し、ワイヤーソーによりシリコンインゴットを切削する際に使用するシリコンインゴット切削用スラリーにおいて、前記砥粒の平均粒径R(μm)が、ワイヤーとシリコンインゴット切削面との平均距離X(μm)に対して、下記の式
X−10≦R≦X+10 (ただし、R>0)
を満たし、且つ前記スラリーの液体成分に対する前記砥粒の質量比が0.25〜1.0であることを特徴とするシリコンインゴット切削用スラリーである。
また、本発明は、砥粒を含有するシリコンインゴット切削用スラリーを使用してワイヤーソーによりシリコンインゴットを切断する方法において、前記砥粒の平均粒径R(μm)が、ワイヤーとシリコンインゴット切削面との平均距離X(μm)に対して、下記の式
X−10≦R≦X+10 (ただし、R>0)
を満たし、且つ前記スラリーの液体成分に対する前記砥粒の質量比が0.25〜1.0であることを特徴とするシリコンインゴットの切断方法である。
本発明によれば、砥粒の平均粒径R(μm)が、ワイヤーとシリコンインゴット切削面との平均距離X(μm)に対して、下記の式
X−10≦R≦X+10 (ただし、R>0)
を満たすようにし、且つスラリーの液体成分に対する砥粒の質量比を0.25〜1.0とすることによって、シリコンインゴット切断加工時の切断抵抗を低減することができるので、高品質のウエハを効率よく得ることができる。
本発明によるシリコンインゴット切削用スラリーは、砥粒を含有するものであって、砥粒の平均粒径R(μm)が、ワイヤーとシリコンインゴット切削面との平均距離X(μm)に対して、式 X−10≦R≦X+10を満たすものである。さらにスラリーの液体成分に対する砥粒の質量比は0.25〜1.0である。
まず、本発明において、砥粒の平均粒径をR(μm)、ワイヤーとシリコンインゴット切削面との平均距離をX(μm)としたときに、X−10≦R≦X+10を満たすスラリーに限定した理由について、図1を参照しつつ説明する。
図1はワイヤーソーを用いるシリコンインゴット2の切断における各パラメーターの関係を示す図である。図1から分かるように、ワイヤーピッチW、目標ウエハ厚さS、ワイヤー径dなどの切削条件を設定すれば、ワイヤー3とシリコンインゴット2切削面との平均距離Xは、式 X=(W−S−d)/2から簡単に求めることができる。そして、ワイヤー3とシリコンインゴット2切削面との平均距離Xに対して、砥粒22の平均粒径Rが小さくなると、砥粒22自体の切削能力が低くなる上に、ワイヤー3とシリコンインゴット2切削面と間に存在する砥粒22に十分な摩擦力が働かず、切削に寄与しない砥粒22が増加する。そのため切断抵抗が増大する。これに対して、砥粒22の平均粒径Rが大きくなると、切削表面に微小な凹凸(ソーマーク)が発生し易くなる上に、切削面に砥粒22が運ばれ難くなり切断抵抗が増大する。このように砥粒22の平均粒径Rやワイヤー3とシリコンインゴット2切削面との平均距離Xは、切断抵抗に極めて大きな影響を与えると考えられる。
そこで、切削条件(ワイヤーピッチ、目標ウエハ厚さ、ワイヤー径等)やスラリーに含まれる砥粒の平均粒径を変えて、ワイヤーソーによりシリコンインゴットの切断を行った。その結果、従来よりも切断代や切断ピッチを小さくしてシリコンインゴットを切断する場合、特にワイヤーピッチ390μm、目標ウエハ厚さ260μm及びワイヤー径100μmの切削条件でシリコンインゴット2の切断を行う場合、平均粒径R(μm)が、X−10≦R≦X+10を満たす砥粒22を含有するスラリーを用いることにより、切断抵抗を大幅に低減できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。この式は、砥粒22の平均粒径Rをワイヤー3とシリコンインゴット2切削面との平均距離Xの関数として表わしているために、ワイヤーピッチW、目標ウエハ厚さS、ワイヤー径dを変えた場合にも成立する。
なお、本発明における砥粒の平均粒径Rとは、電気抵抗法により測定された値である。この平均粒径Rを測定する装置としては、例えば、ベックマン・コールター社製のコールターカウンターマルチサイザーII型が挙げられる。
本発明において用いられる砥粒としては、一般的に研磨材として用いられるものであればよく、例えば、炭化ケイ素、酸化セリウム、ダイヤモンド、窒化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素を挙げることができ、これらを単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。このような砥粒に用いることのできる化合物は市販されており、具体的には炭化ケイ素としては、商品名GC(Green Silicon Carbide)及びC(Black Silicon Carbide)((株)フジミインコーポレーテッド社製)、酸化アルミニウムとしては、商品名FO(Fujimi Optical Emery)、A(Regular Fused Alumina)、WA(White Fused Alumina)及びPWA(Platelet Calcined Alumina)((株)フジミインコーポレーテッド社製)等が挙げられる。また、その平均粒径R(μm)は、ワイヤーとシリコンインゴット切削面との平均距離Xに対して、以下の式 X−10≦R≦X+10を満たすものであればよい。
また、スラリー中の砥粒の含有量は、スラリーの液体成分に対する質量比(スラリー中の砥粒質量/スラリーの液体成分質量)で0.25〜1.0であり、好ましくは0.5〜0.75である。スラリーの液体成分に対する砥粒の質量比が0.25未満であると、切削に寄与する砥粒が少な過ぎるために、切削速度が遅くなる。一方、スラリーの液体成分に対する砥粒の質量比が1.0を超えると、余剰の砥粒がシリコンインゴット切削部の入口(走行するワイヤーがシリコンインゴットに進入する部分)に溜まり、スラリーが均一に分散されなくなって、切削速度が遅くなる。その上、砥粒は消耗品であるため、砥粒の含有量を多くすることはコストの無駄が多くなって好ましくない。
本発明におけるスラリーの液体成分としては、水、公知のクーラント及びこれらの混合物を用いることができる。ここで用いる水としては、不純物含有量の少ないものが好ましいが、これに限定されるものではない。具体的には、純水、超純水、市水、工業用水等が挙げられる。水の含有量は、特に限定されるものではないが、シリコンインゴット切削用スラリー全体の質量に対して、好ましくは10質量%〜75質量%である。
また、クーラントとしては、ポリエチレングリコール、ベンゾトリアゾール、オレイン酸等を含む切削補助混合液として一般的に用いられるものであればよい。このようなクーラントは市販されており、具体的には商品名マルチリカノール(理化商会社製)、ルナクーラント(大智化学産業社製)等が挙げられる。クーラントの含有量は、特に限定されるものではないが、シリコンインゴット切削用スラリー全体の質量に対して、好ましくは0質量%〜50質量%である。
本発明によるシリコンインゴット切削用スラリーには、製品の品質保持および性能安定化を図る目的や、シリコンインゴットの種類、加工条件等に応じて、各種の公知の添加剤を加えてもよい。このような添加剤としては、例えば、保湿剤、潤滑剤、防錆剤、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム塩のようなキレート剤、ベントナイトのような砥粒分散補助剤等を挙げることができる。
本発明のシリコンインゴット切削用スラリーは、上記の各成分を所望の割合で混合することにより調製することができる。各成分を混合する方法は任意であり、例えば、翼式撹拌機で撹拌することにより行うことができる。また、各成分の混合順序についても任意である。更に、精製などの目的で、調製されたシリコンインゴット切削用スラリーにさらなる処理、例えば、濾過処理、イオン交換処理等を行ってもよい。
本発明によるシリコンインゴットの切断方法では、切断装置としてシングルワイヤーソーやマルチワイヤーソーが用いられる。その理由は、他の切断装置に比べて、小さい切断代および均一な厚さでインゴットを切断することができ、且つ一度に多数枚のウエハを切断することができるからである。
ここで、本発明によるシリコンインゴットの切断方法を、マルチワイヤーソーを用いた場合を例にとって説明する。図2に示すように、マルチワイヤーソー10は、シリコンインゴット2を固定し、押し下げるためのインゴット送り機構1と、裸のワイヤー3を送るためのワイヤー送り機構と、シリコンインゴット切削用スラリーを供給するためのスラリー撹拌・供給タンク8と、シリコンインゴット切削用スラリーを裸のワイヤー3に塗布するためのスラリー塗布ヘッド9と、裸のワイヤー3を送り出すためのワイヤー送出機構5と、裸のワイヤー3を巻き取るためのワイヤー巻取機構6と、裸のワイヤー3の張力を一定に保つための張力制御ローラー7とを備えている。そして、ワイヤー送り機構は、同期回転する二本の回転ローラー4を備え、その回転ローラー4の外周にはワイヤー3を案内する溝が形成されている。また、ここで用いる裸のワイヤーとしては、金属製のものや樹脂製のものが挙げられ、切削効率の観点から、金属性のものがより好ましい。
このようなマルチワイヤーソーによりシリコンインゴットを切断する際には、インゴット送り機構1に固定されたシリコンインゴット2を裸のワイヤー3に接触させる。裸のワイヤー3は、ワイヤー送り機構と同期するワイヤー送出機構5から送り出されると共に、ワイヤー巻取機構6で巻き取られる。また、スラリー撹拌・供給タンク8から供給されたシリコンインゴット切削用スラリーは、スラリー塗布ヘッド9を介してワイヤー3上に塗布される。そして、図3に示すように、シリコンインゴット切削用スラリーが、走行する裸のワイヤー3によりシリコンインゴット切削界面に運ばれると、シリコンインゴット2がラッピング作用によって削られ、切断される。
つぎに、マルチワイヤーソー10を用いるシリコンインゴット2の切断における評価方法について、図4を参照しつつ説明する。図4はマルチワイヤーソー10を用いるシリコンインゴット2の切断における各パラメーターの関係を示す図であり、図4の(a)はシリコンインゴット2の切断方法を示す模式図、図4の(b)は図4の(a)のA−A矢視断面図である。図4において、シリコンインゴット2の送り速度をV、ワイヤー3の送り速度をU、切断抵抗をP、切断方向に直角な方向のワイヤー3の変位をδ、切断方向のワイヤー3の変位をδ、ワイヤー3の張力をTとすると、以下の実験式が一般に知られている。
P∝V/U (3)
δ∝P/T (4)
δ∝P/T (5)
これらの式に基づき、マルチワイヤーソー10を用いるシリコンインゴット2の切断において、切断方向に直角な方向のワイヤー3の変位δ及び切断方向のワイヤー3の変位δ(撓み)を測定することによって、切断速度や切断抵抗を評価することができる。
これを詳細に説明すれば、まず、ワイヤー3によってシリコンインゴット2の切削界面に砥粒22を含むスラリーが導入される。そして、スラリー中の砥粒22の偏在によって、切断方向に直角な方向のワイヤー3の変位δおよび切断方向のワイヤー3の変位δが生じる。δは切断方向に直角な方向のワイヤー3の変位であるので、この値が大きくなると、シリコンインゴット2を切断して得られるウエハの反り、厚さむら、微小な凹凸(ソーマーク)が発生し、ウエハの品質が低下する。従ってδは小さいほどよい。また、δが大きくなると、切削界面でのワイヤー3に切断方向の遅れがでて、所望の切断速度が得られないため、δは小さいほどよい。ワイヤー3の張力Tが一定であるとすると、式(4)及び(5)より、δ及びδを小さくするためには切断抵抗Pを低減すればよい。そして、式(3)から分かるように、切断抵抗Pを低減するには、シリコンインゴット2の送り速度Vを小さくするかワイヤー3の送り速度Uを大きくすれば良いことになる。しかし、シリコンインゴット2の送り速度Vは、シリコンインゴット2の切断速度に比例するため、あまり小さくすることはできない。ワイヤー3の送り速度Uを大きくすると、ワイヤー長を長くする必要が生じ、ワイヤー費用が嵩むことになる。従ってUをあまり大きくすることはできない。このように各パラメーターは各々密接に関係しているので、ウエハの切削効率や品質を考慮した上で、バランスを取るように各パラメーターを設定し、切断速度や切断抵抗の評価を行う。
なお、マルチワイヤーソーを用いる場合を例にとって各パラメーターを説明したが、シングルワイヤーソーを用いる場合も同様である。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
50質量部の水と50質量部のクーラント(大智化学産業社製、ルナクーラント#691)とを混合した。この混合溶液に、100質量部のSiC砥粒(フジミインコーポレーテッド社製、GC#1000、平均粒径R=10μm)を加えて攪拌し、シリコンインゴット切削用スラリーNo.4を調製した。
平均粒径Rの異なるSiC砥粒を用いて、シリコンインゴット切削用スラリーNo.4と同様にしてシリコンインゴット切削用スラリーNo.1〜3及び5〜9をそれぞれ調製した。
得られたシリコンインゴット切削用スラリーNo.1〜9を用いて、下記に示す切削条件で多結晶のシリコンインゴット(150mm角、25mm長)を切断してウエハを作製した。この切削条件におけるワイヤーとシリコンインゴット切削面との平均距離Xは、(390−260−100)/2=15μmである。また、本実施例では切断抵抗の大きさを表わす指標として、ワイヤーのたわみ量を測定した。結果を図5及び表1に示す。
<切削条件>
切断装置 :マルチワイヤーソー
ワイヤー径 :100μm(JFEスチール社製、型式SRH)
ワイヤー走行速度:600m/分
ワイヤーピッチ :390μm
目標ウエハ厚さ :260μm
切削速度 :350μm/分
次に、得られたウエハを水で洗浄して、乾燥させた後、ウエハ表面のソーマークの有無を目視にて評価した。これらの結果を表1に示す。
Figure 2005126535
図5及び表1から明らかなように、平均粒径R(μm)が(X−10)≦R≦(X+10)、即ち、5≦R≦25を満たす砥粒を含有し、且つスラリーの液体成分に対する砥粒の質量比が0.5である本発明のスラリー(No.3〜7)を用いると、ワイヤーたわみ量が5.5mm以下と小さく、得られたウエハ表面にソーマークが少なかった。
従って、これを用いるシリコンインゴットの切断方法では、切断抵抗を大幅に低減することができるので、シリコンインゴットの切断代や切断ピッチを小さくしても、高品質のウエハを効率よく得ることができる。また、安価な裸のワイヤーを使用しているにも関わらず、優れた切断効率を達成することができるので、工業化適性の観点から見て大変優れている。
これに対して、平均粒径R(μm)が5≦R≦25の範囲外にある砥粒を含むスラリー(No.1、2、8及び9)では、ワイヤーたわみ量が大きく、得られたウエハ表面にソーマークが多く観察された。
〔実施例2〕
下記の表2に示す組成のシリコンインゴット切削用スラリーNo.10〜18を、実施例1と同様にしてそれぞれ調製した。
Figure 2005126535
得られたシリコンインゴット切削用スラリーNo.10〜18を用いて、実施例1と同様にして、シリコンインゴットを切断してウエハを作製し、評価を行った。結果を図6及び表3に示す。
Figure 2005126535
図6及び表3から明らかなように、平均粒径Rが10μmであり、且つスラリーの液体成分に対する砥粒の質量比が0.25〜1.0の範囲にある本発明のスラリー(No.12〜15)を用いると、ワイヤーたわみ量が5.5mm以下と小さく、得られたウエハ表面にソーマークが少なかった。
従って、これを用いるシリコンインゴットの切断方法では、切断抵抗を大幅に低減することができるので、シリコンインゴットの切断代や切断ピッチを小さくしても、高品質のウエハを効率よく得ることができる。
これに対して、スラリーの液体成分に対する砥粒の質量比が0.25〜1.0の範囲外にあるスラリー(No.10、11、16、17及び18)では、ワイヤーたわみ量が大きく、得られたウエハ表面にソーマークが多く観察された。
ワイヤーソーを用いるシリコンインゴットの切断における各パラメーターの関係を示す図である。 本発明の一実施形態で用いたマルチワイヤーソーの概略図である。 本発明の一実施形態におけるシリコンインゴットの切断部拡大図である。 マルチワイヤーソーを用いるシリコンインゴットの切断における各パラメーターの関係を示す図である。 実施例1におけるワイヤーたわみ量を示すグラフである。 実施例2におけるワイヤーたわみ量を示すグラフである。
符号の説明
1 インゴット送り機構、2 シリコンインゴット、3 ワイヤー、4 回転ローラー、5 ワイヤー送出機構、6 ワイヤー巻取機構、7 張力制御ローラー、8 スラリー攪拌・供給タンク、9 スラリー塗布ヘッド、10 マルチワイヤーソー、11 シリコンインゴット切削用スラリー、12 ビーカー、13 磁石回転子、14 ヒーター・攪拌器、15 温度計、16 研磨パッド、17 回転テーブル、18 送液チューブ、19 送液ポンプ、20 研磨ヘッド、21 研磨装置、22 砥粒。

Claims (2)

  1. 砥粒を含有し、ワイヤーソーによりシリコンインゴットを切削する際に使用するシリコンインゴット切削用スラリーにおいて、
    前記砥粒の平均粒径R(μm)が、ワイヤーとシリコンインゴット切削面との平均距離X(μm)に対して、下記の式
    X−10≦R≦X+10 (ただし、R>0)
    を満たし、且つ
    前記スラリーの液体成分に対する前記砥粒の質量比が0.25〜1.0である
    ことを特徴とするシリコンインゴット切削用スラリー。
  2. 砥粒を含有するシリコンインゴット切削用スラリーを使用してワイヤーソーによりシリコンインゴットを切断する方法において、
    前記砥粒の平均粒径R(μm)が、ワイヤーとシリコンインゴット切削面との平均距離X(μm)に対して、下記の式
    X−10≦R≦X+10 (ただし、R>0)
    を満たし、且つ
    前記スラリーの液体成分に対する前記砥粒の質量比が0.25〜1.0である
    ことを特徴とするシリコンインゴットの切断方法。
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