JPWO2004108696A1 - アルキレンカーボネートの製造方法 - Google Patents

アルキレンカーボネートの製造方法 Download PDF

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Abstract

アルキレンオキサイドを反応器中で触媒の存在下に二酸化炭素と反応させて、アルキレンカーボネートを含有する反応混合物を反応器中に得るアルキレンカーボネートの製造方法であって、上記反応器は、配管を介して熱交換器のプロセス側流路と連通して循環回路を形成しており、反応中又は反応後に、温度が140℃〜200℃の熱交換媒体を上記熱交換器の熱交換側流路に流しながら、反応器と熱交換器のプロセス側流路とを含む上記循環回路にプロセス液を流して、プロセス側流路の内部温度を135℃〜200℃に維持することを特徴とする製造方法。

Description

本発明は、アルキレンカーボネートの製造方法に関する。更に詳細には、アルキレンオキサイドを反応器中で触媒の存在下に二酸化炭素と反応させて、アルキレンカーボネートを含有する反応混合物を反応器中に得るアルキレンカーボネートの製造方法であって、上記反応器は、配管を介して熱交換器のプロセス側流路と連通して循環回路を形成しており、反応中又は反応後に、温度が140℃〜200℃の熱交換媒体を上記熱交換器の熱交換側流路に流しながら、反応器と熱交換器のプロセス側流路とを含む上記循環回路にプロセス液を流して、プロセス側流路の内部温度を135℃〜200℃に維持することを特徴とする製造方法に関する。本発明の方法でアルキレンカーボネートを製造すると、熱交換器のプロセス側流路の内壁に汚れ物質が生成付着するのを防止するか又は付着した汚れ物質を除去することができるので、熱交換器の除熱能力が低下せず、連続的且つ長期間安定にアルキレンカーボネートを製造することが可能となる。
従来技術
触媒の存在下に、アルキレンオキサイドを二酸化炭素と反応させてアルキレンカーボネートを製造するための反応は、液相反応でありながら96.23KJ/molという非常に大きな反応熱を発生させる。その為、アルキレンカーボネートの工業生産においては、安定して反応熱を除去することが安定運転とプロセスの安全化の為に特に重要である。通常、アルキレンカーボネートを製造する際には、発生する反応熱を除去するのに熱交換器が用いられている。しかし、触媒の存在下に、アルキレンオキサイドと二酸化炭素とからアルキレンカーボネートを製造するためのシステムの運転を一定の期間続けていると、熱交換器のプロセス側流路の内壁に汚れ物質が生成付着し、除熱能力が低下する。従って、従来の製造方法には、このような熱交換器の除熱能力の低下によって、アルキレンカーボネートの安定した連続製造が難しくなるという問題が伴う。
例えば、日本国特開昭50−14632号公報の実施例においては、アルキレンカーボネートを製造する際に発生する反応熱を除去するために、二重管式又は多管式の熱交換器を用い、反応器の反応温度が175℃、第2および第3反応器の反応温度が180℃の条件で運転している。しかし、熱交換器に供給する冷却用流体とその供給温度に関する記載はなく、熱交換器における汚れ物質の生成付着を防止する方法に関する記載もない。
また、日本国特開昭54−98765号公報の実施例においても反応器と熱交換器とを含む循環経路を用いてアルキレンカーボネートを製造している。具体的には、反応器出口で測定した反応温度を190℃に調整するために、冷却用流体として110℃の水を熱交換器の冷媒側流路に供給し、その結果、熱交換器から排出される水蒸気(冷媒)の温度が160℃又は170℃になったことが記載されている。しかし、この公報にも、熱交換器における汚れ物質の生成付着を防止する方法に関する記載はない。
更に上記したいずれの公報にも、アルキレンカーボネート製造時の反応熱を熱交換器を用いて除去する方法が開示されているものの、熱交換器のプロセス側流路の内壁に付着した汚れ物質を容易に洗浄するための化学洗浄法は開示されていない。
一般的な熱交換器の清掃、洗浄法としては、機器を解体開放してから付着した汚れ物質を除去する機械的洗浄方法と、機器を解体開放せずに薬品で汚れ物質を溶解や剥離させて除去する化学洗浄方法が知られている。機械的洗浄方法としては、ブラシ、ドリル等を電動又はエアーモーターで駆動して熱交換器のチューブ内面を清掃する方法、高圧ポンプで20〜30MPaに加圧した水を細いノズルから噴射させて、熱交換器に付着している汚れ物質を強制的に剥離させ吹き飛ばす方法、砂(又は鉄粒)を高圧空気で吹き付けて汚れ物質を除去するサンドブラスト法等が挙げられる。化学洗浄法では、付着した汚れ物質の種類に応じて洗浄液の種類、量、温度条件、洗浄法等の検討が必要である(例えば、玉置明善編者「化学プラント建設便覧」、日本国、丸善、昭和55年11月30日第7刷発行、1305〜1306頁を参照)。しかし、アルキレンカーボネート製造後の熱交換器を洗浄する方法としては、機械的洗浄方法しか実施されておらず、有効な化学薬品も化学洗浄方法も未だ知られていない。
発明の概要
以上のような状況に鑑み、本発明者らは、熱交換器のプロセス側流路の内壁に汚れ物質が生成付着するのを防止するかまたは付着した汚れ物質を簡便に除去することで、熱交換器の除熱能力の低下を防止し、連続的に安定にアルキレンカーボネートを製造するための方法を開発すべき鋭意研究を行った。その結果、アルキレンカーボネートの製造時に熱交換器のプロセス側流路に付着する汚れ物質は116〜165℃で約40wt%強が分解し揮散することを見出した。この知見に基づき、反応器が配管を介して熱交換器のプロセス側流路と連通する循環回路を形成している反応系において、アルキレンカーボネートを製造するためにアルキレンオキサイドを反応器中で二酸化炭素と反応させ、上記反応中又は反応後に、温度が140℃〜200℃の熱交換媒体を熱交換器の熱交換側流路に流しながら、上記循環回路にプロセス液を流して、プロセス側流路の内部温度を135℃〜200℃に維持することで、熱交換器のプロセス側流路の内壁に汚れ物質が生成付着することを防止するか又は付着した汚れ物質を除去することができることを見出した。本発明者らは、上記の知見に基づき本発明を完成するに至ったものである。
従って、本発明の主たる1つの目的は、熱交換器のプロセス側流路の内壁に汚れ物質が生成付着することを防止するか又は付着した汚れ物質を簡便に除去することによって、熱交換器の除熱能力の低下を防ぎ、連続的且つ長期間安定にアルキレンカーボネートを製造する方法を提供することである。
本発明の上記及びその他の諸目的、諸特徴ならびに諸利益は、添付の図面を参照しながら行う以下の詳細な説明及び請求の範囲から明らかになる。
図1は、実施例1で用いた、アルキレンカーボネートを連続的に製造するためのシステムのを示す該略図である。
符号の説明
1: 二酸化炭素供給ポンプ
2: エチレンオキサイド供給ポンプ
3: 触媒供給ポンプ
4: 二酸化炭素蒸発器
5〜8,11,12,15,18〜19,21,22,24〜26: 配管
9: 反応器循環ポンプ
10: 反応器
13: 反応器循環流量計
14: 熱交換器
16: 反応器温度調節弁
17: 熱交換媒体用流量計
20: 送り出し調節弁
23: 反応器ベントガス調節弁
T1,T2,t1,t2: 温度計
発明の詳細な説明
本発明の1つの態様によれば、アルキレンカーボネートの製造方法であって、下記式(1):
Figure 2004108696
(式中、R、R、R及びRは名々独立に水素原子、炭素数1〜8の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜8の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜8の芳香族炭化水素基を表す)
で表されるアルキレンオキサイドを反応器中で触媒の存在下に二酸化炭素と反応させて、反応混合物を反応器中に得、該反応混合物は下記式(2):
Figure 2004108696
(式中、R、R、R及びRは式(1)において定義した通りである)
で表されるアルキレンカーボネート含有し、
該反応器は、配管を介して熱交換器のプロセス側流路と連通して循環回路を形成しており、該熱交換器は、温度を所定の温度範囲内に調整した熱交換媒体を流すための熱交換側流路と、アルキレンカーボネートの製造に関連して熱交換が行われるプロセス液を流すためのプロセス側流路とを有し、
該製造方法は、上記反応中又は反応後に、温度が140℃〜200℃の熱交換媒体を該熱交換器の熱交換側流路に流しながら、該反応器と該熱交換器のプロセス側流路とを含む上記循環回路にプロセス液を流して、プロセス側流路の内部温度を135℃〜200℃に維持することを特徴とする製造方法が提供される。
次に本発明の理解を容易にするために、本発明の基本的特徴及び好ましい態様を列挙する。
1.アルキレンカーボネートの製造方法であって、下記式(1):
Figure 2004108696
(式中、R、R、R及びRは名々独立に水素原子、炭素数1〜8の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜8の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜8の芳香族炭化水素基を表す)
で表されるアルキレンオキサイドを反応器中で触媒の存在下に二酸化炭素と反応させて、反応混合物を反応器中に得、該反応混合物は下記式(2):
Figure 2004108696
(式中、R、R、R及びRは式(1)において定義した通りである)
で表されるアルキレンカーボネート含有し、
該反応器は、配管を介して熱交換器のプロセス側流路と連通して循環回路を形成しており、該熱交換器は、温度を所定の温度範囲内に調整した熱交換媒体を流すための熱交換側流路と、アルキレンカーボネートの製造に関連して熱交換が行われるプロセス液を流すためのプロセス側流路とを有し、
該製造方法は、上記反応中又は反応後に、温度が140℃〜200℃の熱交換媒体を該熱交換器の熱交換側流路に流しながら、該反応器と該熱交換器のプロセス側流路とを含む上記循環回路にプロセス液を流して、プロセス側流路の内部温度を135℃〜200℃に維持することを特徴とする製造方法。
2.該反応中に、アルキレンオキサイドと二酸化炭素とを反応させて得た反応混合物をプロセス液として流すことを特徴とする、前項1に記載の製造方法。
3.該反応後に、洗浄液をプロセス液として流すことを特徴とする、前項1に記載の製造方法。
4.該アルキレンオキサイドがエチレンオキサイドであり、該アルキレンカーボネートがエチレンカーボネートであることを特徴とする、前項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
以下に、本発明を詳細に説明する。
触媒の存在下に、アルキレンオキサイドと二酸化炭素からアルキレンカーボネートを製造する反応は、発熱反応であるため、アルキレンカーボネートの工業生産においては、通常、反応熱は熱交換器を用いて除去する。しかし、アルキレンカーボネートの製造をある程度続けていると、熱交換器のプロセス側流路に汚れ物質が生成付着する。その結果、熱交換器の除熱能力が低下して、アルキレンカーボネートを安定且つ連続的に製造することができなくなる。また、汚れ物質が付着した熱交換器を洗浄するために多大な時間と労力が必要となる。本発明者らは、これらの問題を解決するために種々検討を行った。
先ず、熱交換器のプロセス側流路に付着し、除熱能力を低下させる汚れ物質の物性を確認した。その為に、エチレンカーボネートを約30日間製造した後に、点検開放が容易な反応器循環ポンプのストレーナーを開放し、点検を行った。その結果、放熱によって温度が比較的低くなるストレーナー底部の内部壁面に、極く少量の、薄膜状で弾力性がある粘着性重合物等を含む汚れ物質(以下、屡々、「汚れ物質」と称する)の付着が確認された。そこで、汚れ物質の物性試験と各種分析を行う為に、ストレーナー内部の極少量の汚れ物質を採取した。
赤外分光光度計(米国、BioRad社製のFTS−575C/UMA−500)を用いて、粘着性重合物等を含む汚れ物質の顕微−IRを測定した。その結果から、この汚れ物質は、カルボニル結合、エステル結合、エーテル結合等の構造を有する化合物であると推定された。さらに解析を進めた結果、この汚れ物質が、エチレングリコール及びエチレンカーボネートを主成分とする重合体、及びエステル化した重合物が混じり合った物であることが判明した。
重合物等を容易に溶解する物質を用いると、熱交換器の化学洗浄が容易となることから、アセトン、メタノール、トルエン、ベンジルアルコール、酢酸エチル、100℃の熱水、1N−NaOH、1N−HCl、ジメチルフォルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、o−ジクロロベンゼン、エチレンカーボネート等を溶解試験液に用いて、汚れ物質の溶解試験を試みた。しかし、いずれの薬品にも汚れ物質は溶解しなかった。
次に、低温型示差走査熱量計(日本国、セイコーインスツルメント社製のDSC−220C)を用いて、昇温速度10℃/分、常温から360℃間のサイクルテストの条件で、汚れ物質の示差熱分析(DSC)を行った。その結果、常温から360℃の昇温時には135℃前後と約223℃前後に明確な吸熱ピークがあり、360℃に達した後に常温に降温して再び昇温した時には、以前に見られた吸熱ピークが全く消失しているという驚くべき現象が見られた。
また、示差熱熱重量同時測定装置(日本国、セイコーインスツルメント社製のTG/DTA−220)を用いて、昇温速度10℃/分、常温から600℃間の条件で、汚れ物質の重量変化を測定した。その結果、水分によると思われる重量減少が116℃以下では20%であることが認められた。更に温度を上昇させると汚れ物質は分解し、116℃〜165℃間では43%、165℃〜411℃間では25%の重量減少があり、その後441℃〜600℃の間では重量減少が認められなかった。これらの測定結果より、熱交換器に付着している汚れ物質は、比較的低い温度である116〜165℃で40%強が分解し揮散することが判明した。
本発明者らは、汚れ物質の付着状況とこれらの分析結果から、熱交換器に供給する熱交換媒体の温度が140℃未満と低い場合には、熱交換器のプロセス側流路となる伝熱管の表面温度が下がり、重合物等の汚れ物質が熱交換器の伝熱管内壁に生成付着し易くなり、除熱能力の低下原因になるものと推察した。そこで、熱交換器のプロセス側流路の内壁に汚れ物質が付着した場合には、洗浄液を入れて循環回路内を循環させ、熱交換器の温度を116〜165℃に維持すれば、汚れ物質は容易に分解され、分解されずに残った汚れ物質も粘着性を失い、伝熱管から剥離して洗浄液に分散するので、有効な化学洗浄が行えるのではないかとの仮説を立てた。本発明者らは、この仮説を実証するために、水とエチレンカーボネートをそれぞれ洗浄液として用い、汚れ物質の付着した熱交換器の洗浄を上述の方法で試みた。その結果、どちらの洗浄液を用いても熱交換器のプロセス側流路に付着した汚れ物質は除去され、除熱能力は完全に回復することが認められた。
引き続き、アルキレンカーボネート製造中の熱交換器における汚れ物質の生成付着を防止し、長期間安定にアルキレンカーボネートを製造するための方法について検討を行った。そのために、先ず、重合物等を含む汚れ物質が生成付着しないか又は付着しても分解して剥離し易くなり、熱交換器の除熱低下が起こらない条件を特定するために、温度調節用流体の供給温度を段階的に上げながらアルキレンカーボネートを製造する試験を行った。その結果、驚くべきことに、熱交換器の熱交換側流路に供給する熱交換媒体の温度を140℃に上げると、除熱能力の低下はなくなり、更に145℃に上げて運転を続けると、徐々に総括伝熱係数(U)が高い値となり、除熱能力が回復する現象が認められた。
熱交換器の熱交換側流路に供給する熱交換媒体の温度を140℃に上げると除熱能力が低下しなくなった理由は、次のように考えられる。熱交換器の熱交換側流路に140℃以上の熱交換媒体を供給すると、プロセス側流路の表面温度が135℃以上と高くなり、重合物などの汚れ物質がプロセス側流路の内壁に付着し難くなる為と考えられる。更に熱交換媒体の温度を145℃に上げると、プロセス側流路に少量付着していた汚れ物質が熱分解で低分子化し、残存する汚れ物質(重合物等)も剥離し易い物質に変化して、微細な微粒子となって液中に分散する為に除熱能力が回復したと考えられる。これらの知見に基づき、本発明は完成した。
前に述べたように、本発明は、アルキレンカーボネートの製造方法であって、下記式(1):
Figure 2004108696
(式中、R、R、R及びRは名々独立に水素原子、炭素数1〜8の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜8の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜8の芳香族炭化水素基を表す)
で表されるアルキレンオキサイドを反応器中で触媒の存在下に二酸化炭素と反応させて、反応混合物を反応器中に得、該反応混合物は下記式(2):
Figure 2004108696
(式中、R、R、R及びRは式(1)において定義した通りである)
で表されるアルキレンカーボネート含有し、
該反応器は、配管を介して熱交換器のプロセス側流路と連通して循環回路を形成しており、該熱交換器は、温度を所定の温度範囲内に調整した熱交換媒体を流すための熱交換側流路と、アルキレンカーボネートの製造に関連して熱交換が行われるプロセス液を流すためのプロセス側流路とを有し、
該製造方法は、上記反応中又は反応後に、温度が140℃〜200℃の熱交換媒体を該熱交換器の熱交換側流路に流しながら、該反応器と該熱交換器のプロセス側流路とを含む上記循環回路にプロセス液を流して、プロセス側流路の内部温度を135℃〜200℃に維持することを特徴とする製造方法である。
本発明のアルキレンカーボネートの製造方法で原料として使用するアルキレンオキサイドは、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 2004108696
(式中、R、R、R及びRは名々独立に水素原子、炭素数1〜8の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜8の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜8の芳香族炭化水素基を表す。)
このようなアルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ビニルエチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド及びスチレンオキサイド等が挙げられ、特にエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドが入手の容易さなどの点で好ましい。
本発明においては、上記アルキレンオキサイドを触媒の存在下で二酸化炭素との反応に反応器中で付して、反応混合物を反応器中に得る。反応混合物は、下記式(2)で表されるアルキレンカーボネートを含有する。
Figure 2004108696
(式中のR、R、R及びRは式(1)において定義した通りである。)
アルキレンカーボネートの具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、シクロヘキセンカーボネート及びスチレンカーボネートが挙げられ、本発明の製造方法は、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートの製造に好ましく用いられる。
アルキレンオキサイドと二酸化炭素からアルキレンカーボネートを得る反応は、以下の式(3)で表される。
Figure 2004108696
(式中のR、R、R及びRは式(1)において定義した通りである。)
本発明の製造方法では、アルキレンオキサイドと二酸化炭素とを触媒の存在下で反応に付す。使用する触媒は、上記式(3)の反応を実施するために通常用いられる触媒であれば特に限定はない。具体的には、テトラエチルアンモニウムブロマイド、5員環/6員環炭化水素のハロゲン化物、ロダンアンモニウム又はその熱分解生成物のような有機物質系触媒、金属又はアルカリ金属の臭化物や沃化物などの無機物質系触媒、並びにこれらに少量のアルコール類や水を添加したものなどが用いられるが、触媒回収の容易な無機物質系の触媒が好ましい。触媒の使用量には特に限定はないが、反応系に対して0.1〜3wt%が好ましく、0.1〜2wt%が更に好ましい。
アルキレンカーボネートを製造する際の反応温度は、通常、100〜200℃、好ましくは150〜190℃である。反応圧力は、通常、2〜15MPa、好ましくは4〜12MPaである。反応時間は、原料であるアルキレンオキサイドと二酸化炭素の組成比、アルキレンオキサイドの種類、使用触媒の種類と濃度、反応温度等によって異なる。例えば、完全混合反応器の滞留液量と全供給液量から求められる平均滞留時間を反応時間と定義すると、通常、0.5〜10Hr、好ましくは1〜5Hrである。
本発明を実施するに当り、原料であるアルキレンオキサイドと二酸化炭素の量比は、アルキレンオキサイドに対する二酸化炭素のモル比で表して、通常、1〜5、好ましくは1〜2である。通常、反応器から余剰の二酸化炭素ガスを放出すると、同伴する未反応のアルキレンオキサイドも増える。従って、アルキレンオキサイドと二酸化炭素の量比を調整する際には、余剰の二酸化炭素ガスを反応器から放出するのではなく、反応器圧力が一定となるように二酸化炭素供給量を調整する方法が好ましい。
本発明において上記反応を実施するための反応器は、配管を介して熱交換器のプロセス側流路と連通して循環回路を形成している。アルキレンカーボネートを製造するための反応方式としては、完全混合の反応器、完全混合反応器を直列に用いた多段反応方式、プラグフロー反応器、完全混合反応器とプラグフロー反応器を組み合せた方式等の、一般的に用いられる反応方式を使用することができる。
アルキレンカーボネートを完全混合方式の反応器を用いて製造する場合には、反応混合物中に二酸化炭素が溶解し易いように、大流量の反応液をポンプで循環する方法が好ましい。通常、単位時間当たりの循環回数は10〜50回/Hrであり、好ましくは20〜40回/Hrである。反応混合物をポンプ循環する配管の途中に熱交換器を設けて、反応熱の除去を行う場合には、大流量の循環を行うと、熱交換器の冷却能力が上がるので好ましい。
本発明に用いられる熱交換器は、温度を所定の温度範囲内に調整した熱交換媒体を流すための熱交換側流路と、アルキレンカーボネートの製造に関連して熱交換が行われるプロセス液を流するためのプロセス側流路とを有するものである。プロセス液とは、熱交換器によって処理される(即ち、温度が調節される)液体であり、熱交換媒体とは、プロセス液の温度を調節するための媒体である。そして熱交換器の熱交換側流路とは、熱交換媒体を流すための流路であり、プロセス側流路とは、プロセス液を流すための流路である。本発明で用いる熱交換器は、温度が140℃〜200℃の熱交換媒体を熱交換器の熱交換側流路に流し、プロセス側流路の内部温度を135℃〜200℃に維持することのできるものであれば特に限定はない。例えば、反応器内部に設ける蛇管式熱交換器、二重管式熱交換器、一般的な多管式熱交換器などを単独又は組み合わせて用いることができる。本発明においては、伝熱面積を大きくし、装置の小型化が可能な多管式熱交換器を用いるのが好ましい。
多管式熱交換器を用いる場合には、プロセス液と熱交換媒体は、多管式熱交換器のチューブ側及びシェル側のいずれを熱交換側流路又はプロセス側流路にしてもかまわない。熱交換器のチューブ側及びシェル側のそれぞれに何を通液するかは、小型の熱交換器を用いるために総括伝熱係数(U)を大きくする場合や、汚れ物質が付着しやすい流体をチューブ側に通液することで洗浄を容易にする場合等、必要に応じて適宜選択すればよい。
本発明で用いる熱交換器は、予熱器と冷却器の両方として機能する装置が好ましい。このような熱交換器は、スタートアップ時は反応液を反応開始温度まで昇温する予熱器として使用し、定常運転中は反応熱の除去を行う為の冷却器として使用することができる。
熱交換器のプロセス側流路の材質はプロセス液に対する耐蝕性があれば特に限定はない。鉄錆はその触媒作用によりアルキレンオキサイドの重合物の生成原因となるので、ステンレス鋼を用いるのが好ましい。
本発明で用いる熱交換媒体は、その温度を140℃〜200℃、好ましくは140℃〜180℃に維持することのできるものであれば特に限定はなく、一般的に熱交換媒体として用いられる水、蒸気、熱媒油等が挙げられる。熱交換媒体としては、熱的に安定で蒸気圧の低い熱媒油が、熱交換器の設計圧を低くできるので好ましい。更に、熱媒油は温度調整が容易なので、熱交換媒体として用いると、熱交換媒体の供給量の増減で反応温度が調整できるので、アルキレンカーボネート製造装置の運転操作が容易となる。
本発明は、熱交換器に供給する熱交換媒体の温度を特定条件に調整した点で、従来技術とは基本的に相違する。本発明の製造方法においては、アルキレンカーボネートを製造するためのアルキレンオキサイドと二酸化炭素との反応中又は反応後に、温度が140℃〜200℃、好ましくは140℃〜180℃の熱交換媒体を熱交換器の熱交換側流路に流しながら、反応器と熱交換器のプロセス側流路とを含む上記循環回路にプロセス液を流して、プロセス側流路の内部温度を135℃〜200℃、好ましくは135℃〜180℃に維持することを特徴とする。本発明においては、上記反応中に、アルキレンオキサイドと二酸化炭素とを反応させて得た反応混合物をプロセス液として流し、熱交換器のプロセス側流路の内壁に汚れ物質が生成付着することを防止するか、または上記反応後に、洗浄液をプロセス液として流し、熱交換器のプロセス側流路の内壁に付着した汚れ物質を除去する。これらの方法によってアルキレンカーボネートを製造すると、熱交換器の構造や熱交換媒体の種類に関わらず、アルキレンカーボネートを長期間安定に製造することが可能となる。
アルキレンカーボネートを製造するためのアルキレンオキサイドと二酸化炭素との反応中の熱交換媒体の温度に特に限定はない。熱交換媒体の温度が高いほどプロセス側流路の内部温度も高くなるので汚れ物質の生成付着を防止する為には好ましいが、反応温度を100℃〜200℃に一定に保つために必要な除熱量、反応温度と熱交換媒体温度との温度差(ΔT)、伝熱面積、及びプロセス液と熱交換媒体の通液量を考慮して、最適温度を選択すればよい。しかし、本発明の方法においては、上記反応中に、温度が140℃〜200℃、好ましくは140℃〜180℃の熱交換媒体を熱交換器の熱交換側流路に流しながら、反応器と熱交換器のプロセス側流路とを含む上記循環回路にアルキレンオキサイドと二酸化炭素とを反応させて得た反応混合物をプロセス液として流して、プロセス側流路の内部温度を135℃〜200℃、好ましくは135℃〜180℃に維持することで、熱交換器のプロセス側流路の内壁に汚れ物質が生成付着することを防止することが好ましい。
前に述べたように、本発明においては、熱交換器に供給する熱交換媒体の温度が140℃〜200℃であり、熱交換器のプロセス側流路の内部温度が135℃〜200℃であれば、熱交換器のプロセス側流路の内壁に汚れ物質が生成付着することはほとんどない。しかし、熱交換媒体の温度が140℃未満の場合には、汚れ物質の生成付着が進行し、熱交換媒体の供給量を増やして除熱量を維持する必要が生じる。しかし、熱交換媒体の供給量を増やすことには、ポンプの能力や配管の圧力損失等の問題からも限界があり、いずれは除熱量が下がって反応温度の維持ができなくなるので、運転を継続することができなくなり、運転停止に至る。一方、200℃を越える熱交換媒体を用いて除熱すれば、反応温度を200℃以下に維持することが難しくなる。また、副反応が起こり易くなり、反応器気相部のアルキレンオキサイド濃度が高くなるので、安全性が低下する。
本発明においては、アルキレンカーボネートを製造するためのアルキレンオキサイドと二酸化炭素との反応によって熱交換器のプロセス側流路の内壁に汚れ物質が生成付着し、徐熱能力が低下した場合には、上記反応後に、洗浄液をプロセス液として流し、熱交換器のプロセス側流路の内壁に付着した汚れ物質を除去することが好ましい。具体的には、アルキレンカーボネートを製造するための反応後に、(1)反応器から反応混合物を抜き出して反応器を空にし、(2)反応器に洗浄液を入れ、そして(3)温度が140℃〜200℃、好ましくは140℃〜180℃の熱交換媒体を熱交換器の熱交換側流路に流しながら、反応器と熱交換器のプロセス側流路とを含む上記循環回路に洗浄液をプロセス液として流して、プロセス側流路の内部温度を135℃〜200℃、好ましくは135℃〜180℃に維持する。上記の方法でアルキレンカーボネートを製造すると、熱交換器の解体などを行うことなく、簡便且つ短時間に熱交換器のプロセス側流路の内壁に付着した汚れ物質を除去することができるので、熱交換器の除熱能力を回復させて、アルキレンカーボネートの製造を短時間に再開することが可能となる。尚、洗浄液をプロセス液として流して熱交換器のプロセス側流路の内壁に付着した汚れ物質を除去する方法は、必要であれば、アルキレンカーボネートを製造するための反応を開始する前に行うこともできる。
熱交換器の洗浄に用いる洗浄液は、粘着性重合物等を含む汚れ物質を溶解させるのではなく、特定の温度条件で付着物を分解して洗浄液に分散させるものである。従って、洗浄液は、洗浄を実施するプロセス側流路の内部温度(135℃〜200℃)で液状の物質であれば特に限定はない。好ましいのは、入手が容易で廃液処理が容易な水、又は蒸留操作で容易に製品として回収することのできるエチレンカーボネートである。特にエチレンカーボネートを製造した後に、製品であるエチレンカーボネートを洗浄液として用いると、反応器内に残液が残っても問題とならず、反応器内を乾燥する必要もないので好ましい。
残存する汚れ物質(主として粘着性がなくなった重合物)を熱交換器のプロセス側流路から剥離し易くするには、循環している洗浄液の温度を上げ下げして、プロセス側流路となる伝熱管を熱膨張で伸び縮みさせることが好ましい。この時、温度の下限と上限との差が大きいほど汚れ物質の伸びと収縮が大きくなるので効果は大きくなるが、温度を変化させるのに時間がかかるので、極端に大きな温度差は好ましくない。例えば、洗浄液温度の下限を100℃とし、上限を150℃として、上記のように熱交換媒体の温度を変化させればよい。
熱交換器を単独で洗浄してもよいが、反応器が配管を介して熱交換器のプロセス側流路と連通している循環回路全体を洗浄してもよい。反応混合物が循環している循環回路の中で放熱等により温度の低い部位には、熱交換器と同じような粘着性重合物を含む汚れ物質が生成付着していると考えられるので、循環回路全体に洗浄液を循環して汚れ物質を分解、剥離させる方法が好ましい。放熱などにより温度の低い部位としては、計器(例えば、温度計、液面計、圧力計、流量計)のノズル部、サンプリング用ノズル、配管の接続部フランジ、バルブのボンネット、循環ポンプのガス抜きと抜液ノズル、ストレーナなどが挙げられる。
上述した熱交換器の洗浄は、反応中に、アルキレンオキサイドと二酸化炭素とを反応させて得た反応混合物をプロセス液として流し、熱交換器のプロセス側流路の内壁に汚れ物質が生成付着することを防止することを特徴とする本発明のアルキレンカーボネートの製造方法を実施した後に行ってもよいが、熱交換器を反応温度の制御に用いる方法であれば、いかなる方法でアルキレンカーボネートを製造した後にも、熱交換器を洗浄するために実施することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
図1に示す製造装置を用いてエチレンカーボネートを製造した。
反応器10は、内径1.6mφ、直胴部長さ8m、容量20mで、反応器上部に二酸化炭素ガスの吸収効率を高めるための液分散ノズルを持った、ステンレス製の縦型円筒槽であり、配管を介して熱交換器のプロセス側流路と連通して循環回路を形成している。熱交換器14は、1パス熱交換器(伝熱面積1476.6m、チューブ外径42.7mmφ、チューブ長さ6.95m、チューブ本数172本)であり、チューブ側をプロセス側流路としてプロセス液を流し、シェル側を熱交換側流路として熱交換媒体を流す構造である。熱交換器14の熱交換側流路(シェル側)には、熱交換媒体として日本国、綜研化学製の熱媒油(商品名:KSK−oil−280)を流した。この熱媒油はスタートアップ時には加熱用流体として用い、定常運転時には冷却用流体として用いた。
原料の1つとして約5℃に冷却されたエチレンオキサイドを配管7からエチレンオキサイドポンプ2に供給し、そこで昇圧して、配管25を介して配管15から反応器10に2,500Kg/Hrで供給した。もう一方の原料である二酸化炭素については、液化二酸化炭素を配管5から二酸化炭素供給ポンプ1に供給した。そこで昇圧し、温水浴型の二酸化炭素蒸発器4でガス化させ、約90℃の温度で配管6から反応器10上部の気相部に約9.5MPaの一定圧力となるよう調節して供給した。平均的な二酸化炭素供給量は2,700Kg/Hrであった。
何らかの原因で反応器10の圧力が10MPa以上に上昇した場合には、反応器ベントガス調節弁23を開けて、反応器10内の気相ガスを配管22及び24を経由して排出し、反応器10の圧力を下げた。
触媒には、沃化カリウム(KI)を用い、エチレンカーボネート溶液に5wt%となるように調合した。触媒溶液は、エチレンカーボネート製品を精製した後に回収した回収触媒を9部及びフレッシュ触媒溶液を1部の割合で調合して、配管8から触媒供給ポンプ3に供給し、配管26から配管15を介して反応器10に供給した。反応器循環液(反応系)の沃化カリウム濃度が0.23〜0.26wt%となるように、触媒供給ポンプ3で、触媒溶液の供給量を274Kg/Hrに設定した。
反応器10内の液保有量が14.5トンで一定となるように、反応混合物を反応器10から排出した。反応混合物の排出量は送り出し調節弁20で調整し、配管19及び21を通して排出した。
エチレンカーボネートの製造は、反応器10の底部に設けた温度計T1で測定した反応温度が176℃〜177℃となる条件下で実施した。反応中には、熱交換媒体を熱交換器14の熱交換側流路に流しながら、反応器10と熱交換器14のプロセス側流路とを含む上記循環回路に反応混合物を流した。具体的には、反応混合物は反応器10の出口から抜き出し、反応器循環ポンプ9で昇圧し、配管11と12を経て、熱交換器14に送った。そして熱交換器14で温度を調節した反応混合物は、配管15を通って反応器10にその入口から戻すことで、循環回路内を循環した。反応器10の反応混合物循環量は、反応器循環流量計13で監視し、約400トン/Hrで一定となるように調整した。その結果、反応器における平均滞留時間は2.65Hr、循環回数は28回/Hrであった。
熱交換器14においては、熱交換器出口に設けた温度計T2で測定した反応混合物の温度が173℃で一定となるように反応器温度調節弁16を自動制御して、熱交換媒体の流量を調整した。熱交換媒体は、配管18から熱交換器14のシェル側に供給した。熱交換器14に供給する熱交換媒体の温度は、初めは140℃に設定し、運転開始から23日目には145℃に昇温した。熱交換媒体の温度は熱交換器14の熱交換媒体供給口に設けた温度計t1で測定し、その流量変化は熱交換媒体のための流量計17で監視した。(尚、熱交換器14の熱交換媒体出口に設けた温度計t2で測定した温度も総括電熱係数(U)を計算するために記録した。)
このように、反応混合物の温度を熱交換器14の出口温度(即ち、温度計T2で測定した温度)で自動制御した結果、反応器底部に設けた温度計T1の温度は約176〜177℃の範囲でほぼ一定であった。
反応器10の気相中に存在するエチレンオキサイドの濃度は、オンラインのガスクロマトグラフを連続分析計として測定し、エチレンオキサイド反応率及び反応異常の早期発見の為に監視した。連続分析計で測定したエチレンオキサイド濃度は、反応器内の気相に対して3〜5Vol%の範囲であった。
エチレンカーボネートの出来高は4,970〜4,990Kg/Hr(平均4,978Kg/Hr)であった。
熱交換器14の汚れの進行及び除熱能力は、総括伝熱係数(U)を下記式により算出して評価した。
U=Q/{A×(ΔT)lm}
(式中、
U: 総括伝熱係数(KJ/m・Hr・℃)、
Q: 除熱量(KJ/Hr)=
(プロセス側流量)×(T−T)×比熱、
A: 伝熱面積=147.6m、そして
(ΔT)lm: 対数平均温度差=
{(T−t)−(T−t)}/ln{(T−t)/(T−t)}であり、
式中、T、T、t及びtはそれぞれ温度計T1、
T2、t1およびt2で測定した温度である。)
計算には、エチレンカーボネートを含有する反応混合物であるプロセス液の比熱(2.00KJ/Kg・℃)を式中の比熱として用いた。
エチレンカーボネート製造時の総括伝熱係数(U)を以下の表1にまとめた。
Figure 2004108696
表1からも明かなように、熱交換器に供給する熱交換媒体の温度を140℃にしたところ、総括伝熱係数(U)の低下は見られなかった。更に熱交換媒体の温度を145℃に上げて熱交換器に供給すると、総括伝熱係数(U)は運転経過と共に若干向上したので、熱交換器に付着していた汚れ物質が除去できたと考えられる。従って、本発明の方法によってエチレンカーボネートを連続的且つ長期間安定に製造することが可能となる。
比較例1
熱交換器14に供給する熱交換媒体の温度を100℃〜130℃とした以外は、実施例1と同様にエチレンカーボネートを製造した。
エチレンカーボネートの出来高は4,970〜4,990Kg/Hr(平均4,978Kg/Hr)であった。
エチレンカーボネート製造時の総括伝熱係数(U)を以下の表2にまとめた。
Figure 2004108696
表2から明かなように、熱交換器に供給する熱交換媒体の温度が140℃未満の場合には、総括伝熱係数(U)は徐々に低下した。その結果、反応熱の除去は十分に行われず、目標の反応温度(173℃)を維持できなくなり温度上昇が認められた(174℃〜175℃)ので、50日目に反応を停止した。単位時間当たりのエチレンカーボネートの出来高は実施例1と変わりなかったものの、長期間安定にエチレンカーボネートを製造することはできなかった。
熱交換器14に供給する熱交換媒体の温度を100℃〜120℃に設定した以外は、実施例1と同様にエチレンカーボネートを製造した。その結果、2日目には705KJ/m・Hr・℃だった総括伝熱係数(U)が38日目には372KJ/m・Hr・℃まで低下し、熱交換媒体の供給量に余裕がなくなったので、一旦反応を停止して、熱交換器14を次の方法で洗浄した。
洗浄液として水を用いた。反応器10内の反応混合物の全量を系外に抜き出した後に、70℃の温水13トンを反応器10に張り込み、反応器循環ポンプ9で昇圧し、反応器循環流量計13で約400トン/Hrに調整して循環回路を循環させた。洗浄液の循環を開始した後に、反応器10の気相部を窒素ガスで約0.8MPaに加圧し、ベントガス放出調節弁23を全閉にした。その後、熱交換器14のシェル側に160℃〜180℃の熱交換媒体を供給して、約30℃/Hrの速度で昇温した。洗浄液の循環温度が160℃になったらこの状態を約1.5時間保ち、次に約50℃/Hrの速度で降温させ、約100℃になったらこの状態で0.5時間保持した。全く同じ条件で洗浄液を約160℃に昇温し、1.5時間保持し、その後に約100℃に降温させて0.5時間保持するサイクル操作を5回繰り返して熱交換器14の洗浄を行った。
このような洗浄を行った後に循環ポンプ9のストレーナー内を点検したところ、黒色のサラサラした微細粒子が約0.7Kg堆積していた。
反応器10内の洗浄液を全量系外に抜き出した後に、上述と同様にエチレンカーボネートの製造を再開した。エチレンカーボネートの出来高は平均4,978Kg/Hrとなり、運転条件が安定した2日目に総括伝熱係数(U)を求めたところ、洗浄前は372KJ/m・Hr・℃だった総括伝熱係数(U)は711KJ/m・Hr・℃に回復していた。従って、熱交換器の伝熱管に付着していた汚れ物質は、短期間の洗浄で十分に除去することができた。
熱交換器14に供給する熱交換媒体の温度を100℃〜130℃に設定した以外は実施例1と同様にエチレンカーボネートを製造した。その結果、2日目には708KJ/m・Hr・℃だった総括伝熱係数(U)が40日目には398KJ/m・Hr・℃まで低下し、熱交換媒体の供給量に余裕がなくなったので、一旦反応を停止して、熱交換器14を次の方法で洗浄した。
洗浄液にエチレンカーボネートを用い、実施例2と同様に熱交換器を洗浄した。具体的には、反応器10内のプロセス液を全量系外に抜き出した後に、エチレンカーボネート14.5トンを反応器10に張り込み、反応器循環ポンプ9で昇圧し、反応器循環流量計13で約400トン/Hrに調整して循環回路を循環させた。洗浄液の循環を開始した後に、反応器10の気相部を窒素ガスで約0.8MPaに加圧し、ベントガス放出調節弁23を全閉にした。その後、熱交換器14のシェル側に160℃〜180℃の熱交換媒体を供給して、約30℃/Hrで昇温した。洗浄液の循環温度が155℃になったらこの状態で約1.5時間保ち、次いで約50℃/Hrの速度で降温させ、約100℃になったらこの状態で15分間保持した。更に上記と同様に約155℃に昇温させて1.5時間保持し、その後に約100℃に降温させて15分間保持するサイクル操作を5回繰り返して洗浄を行った。
このような洗浄を行った後に循環ポンプのストレーナーを点検したところ、黒色のサラサラし微細粒子が約0.3Kg堆積していた。
反応器10内の洗浄液を全量系外に抜き出した後に、上述と同様にエチレンカーボネート製造のための運転を再開した。エチレンカーボネートの出来高は平均4,978Kg/Hrとなり、運転条件が安定した2日目に総括伝熱係数(U)を求めたところ、洗浄前は398KJ/m・Hr・℃だった総括伝熱係数(U)は703KJ/m・Hr・℃に回復していた。従って、熱交換器の伝熱管に付着していた汚れ物質は、短期間の洗浄で充分に除去することができた。
更に洗浄液であるエチレンカーボネートを精製すると、製品となるエチレンカーボネートを回収することができた。洗浄液に製品であるエチレンカーボネートを用いたので、洗浄液が反応器内部に残っても問題とならず、反応器内を乾燥する必要もなかった。
本発明の方法でアルキレンカーボネートを製造すると、熱交換器のプロセス側流路の内壁に汚れ物質が生成付着するのを防止することができるので、熱交換器の除熱能力が低下せず、連続的且つ長期間安定にアルキレンカーボネートを製造することが可能となる。また、アルキレンカーボネートの製造によって熱交換器のプロセス側流路に汚れ物質が付着した場合にも、熱交換器の解体などを行うことなく、簡便且つ短時間に熱交換器のプロセス側流路の内壁に付着した汚れ物質を除去することができるので、熱交換器の除熱能力を回復させて、アルキレンカーボネートの製造を容易に再開することが可能となる。

Claims (4)

  1. アルキレンカーボネートの製造方法であって、下記式(1):
    Figure 2004108696
    (式中、R、R、R及びRは名々独立に水素原子、炭素数1〜8の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜8の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜8の芳香族炭化水素基を表す)
    で表されるアルキレンオキサイドを反応器中で触媒の存在下に二酸化炭素と反応させて、反応混合物を反応器中に得、該反応混合物は下記式(2):
    Figure 2004108696
    (式中、R、R、R及びRは式(1)において定義した通りである)
    で表されるアルキレンカーボネート含有し、
    該反応器は、配管を介して熱交換器のプロセス側流路と連通して循環回路を形成しており、該熱交換器は、温度を所定の温度範囲内に調整した熱交換媒体を流すための熱交換側流路と、アルキレンカーボネートの製造に関連して熱交換が行われるプロセス液を流すためのプロセス側流路とを有し、
    該製造方法は、上記反応中又は反応後に、温度が140℃〜200℃の熱交換媒体を該熱交換器の熱交換側流路に流しながら、該反応器と該熱交換器のプロセス側流路とを含む上記循環回路にプロセス液を流して、プロセス側流路の内部温度を135℃〜200℃に維持することを特徴とする製造方法。
  2. 該反応中に、アルキレンオキサイドと二酸化炭素とを反応させて得た反応混合物をプロセス液として流すことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 該反応後に、洗浄液をプロセス液として流すことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  4. 該アルキレンオキサイドがエチレンオキサイドであり、該アルキレンカーボネートがエチレンカーボネートであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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