JPWO2004107490A1 - 加湿装置 - Google Patents

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Abstract

加湿膜と少なくとも1層の通気性補強材の積層体からなるプリーツ成形体とその外辺部に設けられた補強フレームからなるプリーツエレメント、プリーツエレメントの両側に設けられた乾燥側・湿潤側の流路、各流路に備えられた1組以上の吸気口・排気口、および、外部配管と吸気口・排気口の間に備えられた圧力緩衝部からなり、プリーツエレメントの内部が加湿膜によって分割され、それぞれが乾燥側・湿潤側の流路の一部もしくは全部を構成することを特徴とする加湿装置。

Description

本発明は、加湿装置に関する。更に詳しくは、加湿膜と少なくとも1層の通気性補強材の積層体からなるプリーツ成形体とその外辺部に設けられた補強フレームからなるプリーツエレメント、プリーツエレメントの両側に設けられた乾燥側・湿潤側の流路、各流路に備えられた1組以上の吸気口・排気口、および、外部配管と吸気口・排気口の間に備えられた圧力緩衝部からなり、プリーツエレメントの内部が加湿膜によって分割され、それぞれが乾燥側・湿潤側の流路の一部もしくは全部を構成することを特徴とする加湿装置に関する。本発明の加湿装置は加湿性能、圧力損失、容積効率および物理的耐久性に優れており、各種気体を効率よく加湿できるため、燃料電池などの加湿装置として好適に使用することができる。
従来技術
燃料電池は、水素、メタノール等の燃料を電気化学的に酸化することによって電気エネルギーを取り出す一種の発電装置であり、近年、クリーンなエネルギー供給源として注目されている。燃料電池は、用いられる電解質の種類によって、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、固体高分子電解質型等に分類されるが、このうち固体高分子電解質型燃料電池は、標準的な作動温度が100℃以下と低く、かつ、エネルギー密度が高いことから、電気自動車等の電源として幅広い応用が期待されている。
固体高分子電解質型燃料電池の基本構成は、イオン交換膜とその両面に接合された一対のガス拡散電極からなり、一方の電極に水素、他方に酸素を供給し、両電極間を外部負荷回路へ接続することによって発電させるものである。より具体的には、水素側電極でプロトンと電子が生成され、プロトンは、イオン交換膜の内部を移動して酸素側電極に達した後、酸素と反応して水を生成する。一方、水素側電極から導線を伝って流れ出した電子は、外部負荷回路において電気エネルギーが取り出された後、さらに導線を伝って酸素側電極に達し、前記水生成反応の進行に寄与する。
固体高分子電解質型燃料電池に使用されるイオン交換膜の材質としては、高い化学的安定性を有することから、フッ素系イオン交換樹脂が広く用いられており、中でも主鎖がパーフルオロカーボンであって、側鎖末端にスルホン酸基を有するデュポン社製の「ナフィオン(登録商標)」が広く用いられている。こうしたフッ素系イオン交換樹脂は、当業者にはよく知られているように、高いイオン伝導性を発現させるためには水で十分に膨潤させておくことが必要である。したがって、水の供給に制限のある移動体用途、具体的には、車載燃料電池においては、このための水の確保が大きな課題となっている。
燃料電池は前述したとおり、反応に伴って酸素側電極で水を生成するため、酸素側の排気に含まれる水蒸気を利用して酸素側または水素側の吸気を加湿することができれば、別途、水タンク等を用意することなく水を自給自足することが可能になる。本発明では、加湿膜を介して一方の側面にある気体の水蒸気を用いて他方の側面にある気体を加湿する装置のことを「加湿装置」と呼称する。車載燃料電池用の加湿装置については、下記のような特性が求められている。
1)加湿性能…燃料電池運転に必要十分な加湿量
2)圧力損失…コンプレッサーに負担をかけない低圧損
3)容積効率
4)耐久性
こうした加湿装置の従来技術としては、例えば、日本国特開平11−354142号公報には、燃料電池単電池の積層方向と同一方向に積層された複数の半透膜(水蒸気透過膜)からなる加湿装置が開示されている。当該技術によれば、酸素側または水素側の吸気を加湿することが可能であるが、十分な加湿に必要な膜面積を確保するには相当枚数を積層する必要があるため、枚数に応じて半透膜のシール部分が増してコストが高くなるとともに、枚数に応じて気体流路(セパレーター)の数も増すため、容積効率に欠けていた。
日本国特開平8−273687号公報には、水蒸気透過膜が中空糸であることを特徴とする加湿装置が開示されている。当該技術によれば、中空糸を用いるため日本国特開平11−354142号公報のようなセパレーターは不要であるため容積効率を改善することが出来る。しかし、中空糸のかたより等によって気体の流れが不均質になりやすいため、十分な加湿性能を得られない場合があった。また、中空糸の内部・外部とも高速の気流にさらされるために自励振動や外部振動によって中空糸のばたつきが発生し、中空糸が互いに摩擦して摩耗または破損しやすい、または中空糸両端の固定部に無理な力がかかって破損しやすい、という問題があった。
日本国特開2002−252012号公報には、シート状の水蒸気透過膜をひだ折りにして円筒プリーツ状に丸め、その合わせ目を気密的にシールし、円筒プリーツの両端はドーナツ状の端板により気密的にシールした円筒プリーツ構造からなる加湿装置が開示されている。当該技術によれば、平膜をプリーツ状にして用いるため、 日本国特開平11−354142号公報のようなコストおよび容積効率上の問題や、日本国特開平8−273687号公報のような物理的耐久性の問題を回避することは可能であるが、当該特許文献の明細書の図3や段落30に記載されているように、円筒プリーツは、通常、外径の半分程度の内径からなる空洞(デッドスペース)を有するため容積効率が低い問題があった。また、該特許文献の図2に開示されているとおり、気体導入口211と気体導出口212が円筒プリーツ表面に直接設けられていたため、大半の気流がこれらの接続部に吹き付けられ、周辺部の加湿膜に気流を均等に供給することが難しいという問題があった。
上記のように、従来の加湿装置には解決すべき課題が多く残されており、未だ満足な加湿装置が得られていないのが現状であった。
発明の概要
このような状況下、本発明者等は、従来技術の上記問題を解決し、加湿性能、圧力損失、容積効率および耐久性に優れた加湿装置を開発すべく鋭意検討を行った。その結果、加湿膜と少なくとも1層の通気性補強材の積層体からなるプリーツ成形体とその外辺部に設けられた補強フレームからなるプリーツエレメント、プリーツエレメントの両側に設けられた乾燥側・湿潤側の流路、各流路に備えられた1組以上の吸気口・排気口、および、外部配管と吸気口・排気口の間に備えられた圧力緩衝部からなり、プリーツエレメントの内部が加湿膜によって分割され、それぞれが乾燥側・湿潤側の流路の一部もしくは全部を構成することを特徴とする加湿装置によってこれを達成できることを見出し、本発明を成すに至った。
従って、本発明の目的は、加湿性能、圧力損失、容積効率および耐久性に優れた加湿装置であって、燃料電池に好適に使用できる加湿装置を提供することにある。
本発明の上記及びその他の諸目的、諸特徴並びに諸利益は、添付の図面を参照しながら述べる次の詳細な説明及び請求の範囲の記載から明らかになる。
図1は、本発明の加湿装置の実施形態の1例である燃料電池システムの構成を示す概略図であり;
図2(a)は、本発明で用いるプリーツ成形体の1例を示す概略図であり;
図2(b)は、本発明で用いるプリーツ成形体の他の1例を示す概略図であり;
図2cは、本発明における加湿エレメントの流路の構成を示す概略図であり;
図3(a)は、本発明で好適に使用できる平面型プリーツエレメントの1例を示す概略図であり;
図3(b)は、本発明で好適に使用できる平面型プリーツエレメント(図3(a)に示す)を、プリーツ方向と垂直に切断した概略断面図であり;
図3(c)は、本発明で好適に使用できる平面型プリーツエレメント(図3(a)に示す)を、プリーツ方向と平行に切断した概略断面図であり;
図4(a)は、本発明で用いられる平面型プリーツエレメントのシール材の1例を示す、プリーツ方向と垂直に切断した断面図あり;
図4(b)は、本発明で用いられる平面型プリーツエレメントのシール材の1例を示す、プリーツ方向と平行に切断した断面図であり;
図4(c)は、本発明で用いられる平面型プリーツエレメントのシール材の1例を示す、プリーツ方向と平行に見た外観図であり;
図4(d)は、本発明で用いられる平面型プリーツエレメントのシール材の1例を示す、プリーツ方向と垂直に見た外観図であり;
図5(a)は、本発明で用いられる平面型プリーツエレメントのシール材の更に他の1例を示す、プリーツ方向と垂直に切断した断面図であり;
図5(b)は、本発明で用いられる平面型プリーツエレメントのシール材の他の1例を示す、プリーツ方向と平行に切断した断面図であり;
図5(c)は、本発明で用いられる平面型プリーツエレメントのシール材の他の1例を示す、プリーツ方向と平行に見た外観図であり;
図5(d)は、本発明で用いられる平面型プリーツエレメントのシール材の他の1例を示す、プリーツ方向と垂直に見た外観図であり;
図6aは、流路を設ける前のプリーツエレメントを示す概略図であり;
図6bは、本発明における、空間部流路が無い場合の加湿エレメントの1例を示す概略図であり;
図6cは、本発明における、空間部流路を有する場合の加湿エレメントの1例を示す概略図であり;
図7は、本発明において平面型プリーツエレメントを使用する場合の、加湿エレメントの吸気口・排気口の関係の1例を示す概略図であり;
図8(a)は、内寸長さX、内寸幅Yの平面型プリーツエレメントの上面概略図であり;
図8(b)は、内寸長さX、内寸幅Yの平面型プリーツエレメント(図8(a)に示す)を流路分割しないで用いる場合における、吸気口・排気口の配置を示す概略図であり;
図8(c)は、内寸長さX、内寸幅Yの平面型プリーツエレメント(図8(a)に示す)を流路分割数2にする場合に用いるプリーツエレメントを示す上面概略図であり;
図8(d)は、内寸長さX、内寸幅Yの平面型プリーツエレメント(図8(a)に示す)を流路分割数2にした場合における、吸気口・排気口の配置の1例を示す概略図であり;
図9(a)は、本発明における圧力緩衝部の気体の流し方の1例を示す概略図であり;
図9(b)は、本発明における圧力緩衝部の気体の流し方の他の1例を示す概略図であり;
図9(c)は、本発明における圧力緩衝部の気体の流し方の更に他の1例を示す概略図であり;
図10(a)は、圧力プレート式ハウジングを説明する概略図であり;
図10(b)は、圧力プレート式ハウジング(図10(a)に示す)の分解図であり;
図11(a)は、圧力プレート式ハウジング(図10(a)に示す)のプリーツ方向に平行に切断した断面図であり;
図11(b)は、圧力プレート式ハウジング(図10(a)に示す)のプリーツ方向に垂直に切断した断面図であり;
図12(a)は、本発明において圧力プレートハウジングを用いる場合の1例を示す、プリーツ方向に平行に切断した断面図であり;
図12(b)は、本発明において圧力プレートハウジングを用いる場合の1例を示す、プリーツ方向と垂直に切断した断面図であり;
図13(a)は、本発明における加湿エレメントの分割の1例を示す、プリーツ方向と平行方向に切断した断面図であり;
図13(b)は、本発明における加湿エレメントの分割の1例を示す、プリーツ方向と垂直に切断した断面図であり;
図14は、本発明における加湿エレメントの積層の1例を示す概略図であり;
図15(a)は、円筒型プリーツエレメントの1例を示す概略図であり;
図15(b)は、円筒型プリーツエレメント(図15(a)に示す)における、プリーツ成形体の上面図であり;そして
図15(c)は、円筒型プリーツエレメント(図15(a)に示す)をプリーツ方向に平行に切断した断面図である。
符号の説明
1 燃料電池
2 加湿エレメント
3 コンプレッサー
4 水素供給源
5 補強フレーム
6 プリーツエレメント
7 シール材
8 ハウジング
9 圧力緩衝部
21、21S、21M 乾燥側流路
22、22S、22M 湿潤側流路
23 加湿膜基材
23A 加湿膜
23B 通気性補強材
31、32、33、34、41、42 配管
35、37、211、221 吸気口
36、38、212、222 排気口
51 接着剤
61 吸気口・排気口の幅
62 吸気口・排気口の長さ
63 吸気口・排気口の間隔
70 流路構成手段
81 スタッドボルト
82 補強材
91、92 開口部A
93 開口部Aの対向面
A 開口部A
B 開口部B
発明の詳細な説明
本発明の基本的な態様によれば、加湿膜と少なくとも1層の通気性補強材の積層体からなるプリーツ成形体とその外辺部に設けられた補強フレームからなるプリーツエレメント、プリーツエレメントの両側に設けられた乾燥側・湿潤側の流路、各流路に備えられた1組以上の吸気口・排気口、および、外部配管と吸気口・排気口の間に備えられた圧力緩衝部からなり、プリーツエレメントの内部が加湿膜によって分割され、それぞれが乾燥側・湿潤側の流路の一部もしくは全部を構成することを特徴とする加湿装置が提供される。
次に、本発明の理解を容易にするために、まず本発明の基本的特徴及び好ましい諸態様を列挙する。
1.加湿膜と少なくとも1層の通気性補強材の積層体からなるプリーツ成形体とその外辺部に設けられた補強フレームからなるプリーツエレメント、プリーツエレメントの両側に設けられた乾燥側・湿潤側の流路、各流路に備えられた1組以上の吸気口・排気口、および、外部配管と吸気口・排気口の間に備えられた圧力緩衝部からなり、プリーツエレメントの内部が加湿膜によって分割され、それぞれが乾燥側・湿潤側の流路の一部もしくは全部を構成することを特徴とする加湿装置。
2.2枚の圧力プレートの中に少なくとも1個のプリーツエレメントが配置され、各プリーツエレメントの補強フレーム端部と2枚の圧力プレートが互いに密着して1つの気密空間を構成することを特徴とする、前項1に記載の加湿装置。
3.乾燥側および湿潤側のいずれかの流路において、2組以上の吸気口・排気口を備えることを特徴とする前項1または2に記載の加湿装置。
4.乾燥側および湿潤側のいずれかの流路において、流路分割数が2以上であることを特徴とする前項1〜3のいずれかに記載の加湿装置。
5.加湿膜の120℃熱収縮率が10%以下、であることを特徴とする前項1〜4のいずれかに記載の加湿装置
6.プリーツの高さが5mm以上200mm以下、であることを特徴とする前項1〜5のいずれかに記載の加湿装置。
7.プリーツエレメントの長さが300mm以下、であることを特徴とする前項1〜6のいずれかに記載の加湿装置。
8.プリーツエレメントへの座屈強度が10kPa以上、であることを特徴とする前項1〜7のいずれかに記載の加湿装置。
9.流路高さのプリーツ高さに対する比率Cが、乾燥側・湿潤側それぞれにおいて、流路内部のいずれかの点で1.0以上5.0以下、湿潤側流路容積の乾燥側流路容積に対する比率Vが0.5以上100以下、プリーツピッチPの加湿膜基材厚さTに対する比率Mが0.8以上3.0以下、であることを特徴とする前項1〜8のいずれかに記載の加湿装置。
10.乾燥側及び湿潤側のいずれかの流路において、空間部流路に流路制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の加湿装置。
11.2個以上のプリーツエレメントが平面的に配置されることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の加湿装置。
12.2個以上のプリーツエレメントが積層され、積層された隣接するプリーツエレメント間で乾燥側または湿潤側流路を共有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の加湿装置。
より具体的には、本発明は以下の通りである。
1.乾燥作用ガスを、キャリアーガスに同伴された水蒸気を含有する湿潤ガスを用いて加湿するための加湿装置であって、
プリーツ成形体及びその外周部に固定された補強フレームからなるプリーツエレメント、
湿潤ガス供給側流路(A)(前記「湿潤側流路」を意味する)、及び
乾燥ガス加湿側流路(B)(前記「乾燥側流路」を意味する)
を包含し、
該湿潤ガス供給側流路(A)及び乾燥ガス加湿側流路(B)はぞれぞれ該プリーツエレメントの両側に設けられており、
該プリーツ成形体が、該湿潤ガスから水蒸気を選択的に透過することができる加湿層(前記「加湿膜」により形成される)、及び該加湿層の少なくとも片面に積層されてなる通気性補強層(前記「通気性補材」により形成される)を含む積層体からなり、
該湿潤ガス供給側流路(A)は、該湿潤ガスを導入するための少なくとも1つの吸気口(A−1)、及び貧水蒸気キャリアーガスからなる排出ガスを抜き出すための排気口(A−2)を有し、
該乾燥ガス加湿側流路(B)は、該乾燥作用ガスを導入するための少なくとも1つの吸気口(B−1)、及び加湿した作用ガスを抜き出すための少なくとも1つの排気口(B−2)を有し、
湿潤ガス気流緩衝手段(湿潤ガス供給側流路(A)に関連して前記「圧力緩衝部」を形成するための手段)が、湿潤ガスを導入するための該少なくとも1つの吸気口(A−1)と関連して設けられており、乾燥ガス気流緩衝手段(乾燥ガス加湿側流路(B)に関連して前記「圧力緩衝部」を形成するための手段)が、乾燥作用ガスを導入するための該少なくとも1つの吸気口(B−1)と関連して設けられており、
使用時には、該少なくとも1つの吸気口(A−1)から湿潤ガス流通室に導入された湿潤ガスが、該プリーツ成形体を介して、該少なくとも1つの吸気口(B−1)から加湿室に導入された乾燥作用ガスに水蒸気を供給することにより、該乾燥作用ガスを加湿する、
ことを特徴とする加湿装置。
2.2枚の圧力プレートの間に該プリーツエレメントが配置され、プリーツエレメントの補強フレーム端部と2枚の圧力プレートが互いに密着して1つの気密空間を構成することを特徴とすることを特徴とする前項1に記載の加湿装置。
3.吸気口(A−1)、排気口(A−2)、吸気口(B−1)及び排気口(B−2)のうち少なくとも1つが2個以上存在することを特徴とする前項1又は2に記載の加湿装置。
4.湿潤ガス供給側流路(A)及び乾燥ガス加湿側流路(B)からなる群より選ばれる少なくとも1つの流路において、流路分割数が2以上であることを特徴とする前項1〜3のいずれかに記載の加湿装置。
5.該加湿層を形成するために使用した加湿膜に関して120℃で測定した該加湿層の熱収縮率が10%以下であることを特徴とする前項1〜4のいずれかに記載の加湿装置。
6.該プリーツ成形体のプリーツの平均高さが5mm以上200mm以下であることを特徴とする前項1〜5のいずれかに記載の加湿装置。
7.該プリーツ成形体の、プリーツと平行方向に測定した長さが300mm以下であることを特徴とする前項1〜6のいずれかに記載の加湿装置。
8.該プリーツエレメントの座屈強度が10kPa以上であることを特徴とする前項1〜7のいずれかに記載の加湿装置。
9.湿潤ガス供給側流路(A)の高さの該プリーツ成形体のプリーツの平均高さに対する比(C)及び乾燥ガス加湿側流路(B)の高さの該プリーツ成形体のプリーツの平均高さに対する比(C’)がそれぞれ1.0〜5.0であり、
湿潤ガス供給側流路(A)の乾燥ガス加湿側流路(B)に対する容積比(V)が0.5〜100であり、
該プリーツ成形体のプリーツピッチ(P)の該プリーツ積層体の厚み(T)に対する比(M)が0.8〜3.0であることを特徴とする前項1〜8のいずれかに記載の加湿装置。
10.湿潤ガス供給側流路(A)及び乾燥ガス加湿側流路(B)からなる群より選ばれる少なくとも1つの流路において、該流路における、該プリーツ成形体及びその凹部の空間を除く空間として定義される空間部流路にガス気流制御手段(前記「流路制御手段」を意味する)を備えることを特徴とする前項1〜9のいずれかに記載の加湿装置。
11.該プリーツエレメントを少なくとも2つ含有し、該該プリーツエレメントが横方向に並べて配置されてなる前項1〜10のいずれかに記載の加湿装置。
12.該プリーツエレメントを少なくとも2つ含有し、該プリーツエレメントが積層され、積層された隣接するプリーツエレメント間で湿潤ガス供給側流路(A)または乾燥ガス加湿側流路(B)を共有することを特徴とすることを特徴とする前項1〜10のいずれかに記載の加湿装置。
以下、本発明を詳細に説明する。
[各部の定義]
本発明において、「加湿エレメント」は、加湿機能を担う最小単位をいい、加湿膜基材からなるプリーツ成形体、その外辺部に設けられた補強フレーム、プリーツ成形体の両面に設けられた吸気口、排気口、流路からなる。
本発明において、「加湿膜基材」は、加湿膜と少なくとも1層の通気性補強材からなる、加湿エレメントの基本構成部材をいい、必要に応じて加湿膜と通気性補強材の積層体とすることが出来る。
本発明における「加湿膜」は、水蒸気を含む混合気体から水蒸気を優先的に透過させ得る一種の選択透過膜をいい、所定の水蒸気存在下でのみ選択透過性を示す膜(後述する多孔性加湿膜など)もこれに含まれる。上記加湿膜が示す、水蒸気以外の気体を透過させない性質を特に「耐リーク性」と呼称する場合がある。本発明においては、耐リーク性に優れた上記加湿膜として、プリーツ加工可能な「平膜」を用いることを特徴とする。
本発明において、「通気性補強材」は、プリーツ内部で隣接する加湿膜の密着を妨げることによって良好な膜利用効率を達成するための手段に資するものであり、更にプリーツ成形体に必要な自立性を付与するための補助的な機能を担う。
本発明において、「プリーツ成形体」は、平膜状の加湿膜基材をプリーツ加工することによって得られた構造体をいう。尚、本発明において、「プリーツ加工」は、加湿膜基材にV字、U字、Ω字等が横方向に連続してなる断面形状(例えば図2a及びb参照)を付与するような加工をいう。プリーツ加工された加湿膜基材は、プリーツ加工をしていない加湿膜基材に比べ、同じ投影面積、同じ容積の中により大きな膜面積を収納することができる。
本発明において、「補強フレーム」は、プリーツ成形体の周囲と気密的に接着することによってプリーツエレメントを構成するための構造材をいう。すなわち、プリーツ成形体の端面と一体化することによって、プリーツエレメントの上面と下面を気密的に分離する機能を持つ。補強フレームとしては、樹脂、金属、FRP等、目的に応じて各種材料を用いることが出来る。
本発明において、「プリーツエレメント」は、加湿エレメントの構成部材のうちプリーツ成形体と補強フレームから成る集合体をいう。すなわち、適切な吸気口、排気口、流路を備える前の加湿エレメントと言うことが出来る。
本発明における「ハウジング」は、加湿エレメントに加湿機能以外の機能(機械的破壊からの保護機能、外部配管との接続機能、等)を提供するための補助手段をいう。多くの場合、加湿エレメントはハウジングに収納ないしは接続されることによって実用上必要な機能が追加され「加湿装置」を構成する。
本発明において、プリーツの「長さ」とはプリーツと平行な方向、プリーツの「幅」とはプリーツと垂直な方向、における寸法ないしは距離を言う。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
[燃料電池システム]
図1は、本発明の実施形態の例を示す燃料電池システム構成図である。(尚、図1においては、本発明における加湿のシステムをよりわかりやすくするため、ハウジングは明示されていない。)この燃料電池は水素と空気を用いる。加湿エレメント2は、空気が導入される乾燥側流路21と、燃料電池1からのカソード側排気が導入される湿潤側流路22、吸気口211および221、排気口212および222、これらの流路を分離する加湿膜基材23、とを具備している。この加湿エレメント2の乾燥側流路21の吸気口211は、空気供給源であるコンプレッサー3が配管31で接続されており、乾燥側流路21の排気口212は、燃料電池1のカソード側の吸気口35と配管32で接続されている。湿潤側流路22の吸気口221は、燃料電池1のカソード側の排気口36と配管33で接続されており、湿潤側流路22の排気口222は、排気用の配管34が接続されている。水素供給源4は、燃料電池1のアノード側の吸気口37と配管41で接続されており、燃料電池1のアノード側の排気口38には排気用の配管42が接続されている。
燃料電池1のカソード側からの排気は、電池反応で生成された水、加湿エレメント2から供給されて燃料電池1の内部で吸収されなかった水、並びに加湿エレメント2から供給されて電池反応に使用されなかった酸素および酸素以外の気体(窒素等)からなる混合気体である。この混合気体は、配管33から加湿エレメント2の湿潤側流路22に導入されるが、加湿膜基材23は水蒸気のみを透過するため、湿潤側流路22内の水蒸気が乾燥側流路21に移動し、乾燥側流路21内の空気が加湿される。加湿された空気は、配管32を通って燃料電池1のカソード側の吸気口35に導入される。したがって、この加湿エレメント2は、水蒸気以外の気体組成や圧力を変化させることなく燃料電池運転に必要な加湿を安定して行うことができる。このため、本発明の加湿エレメントは、特に燃料電池自動車への搭載に適している。
乾燥側流路はコンプレッサー3で加圧されているため、湿潤側流路よりも全圧は高くなる。加湿膜は前記した水蒸気透過性に加え、全圧差に対する十分な耐リーク性、すなわち空気を含む他の気体に対する非透過性を併せ持つ必要がある。
[加湿膜]
加湿膜の水蒸気透過性は様々な方法で評価することが可能であるが、例えばJIS−L1099に記載の透湿度で評価することが出来る。加湿膜の空気を含む他の気体に対する非透過性は様々な方法で評価することが可能であるが、例えばJIS−P−8117に記載の透気度で評価することが出来る。加湿エレメントを燃料電池用途に使用する場合は、上記特性に加えて耐熱性を有することが好ましい。加湿膜は、多孔性加湿膜、均質加湿膜、複合加湿膜、に分類される。
加湿膜の透湿度は、好ましくは100g/m/hr以上、より好ましくは500g/m/hr以上、更に好ましくは1000g/m/hr以上、特に好ましくは1500g/m/hr以上である。
加湿膜の透気度は、好ましくは500秒以上、より好ましくは1000秒以上、更に好ましくは10000秒以上、更に好ましくは100000秒以上、特に好ましくは1000000秒以上である。なお、後述の多孔性加湿膜は湿潤下でのみ非透過性を発現するため、非透過性の尺度として透気度は使用しない。
加湿膜の熱収縮率は、100℃で12%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、8%以下が更に好ましく、6%以下が更に好ましく、4%以下が特に好ましい。尚、本発明において、熱収縮率は、100℃にて60秒間加熱した際の収縮率である。
加湿膜の膜厚は、1μm以上1000μm以下が好ましい。膜厚の下限は5μm以上がより好ましく、10μm以上が更に好ましく、20μm以上が最も好ましい。膜厚の上限は500μm以下がより好ましく、300μm以下が更に好ましく、200μm以下が最も好ましい。膜厚が1μm未満になると、機械強度が不足する場合があり、膜厚が1000μmを越えると、水蒸気透過性が低下する場合がある。
[多孔性加湿膜]
多孔性加湿膜としては、織布、不織布、微多孔膜等を用いることができる。当業者にはよく知られているように、孔径10μm以下の多孔性加湿膜に水蒸気を含む気体が接触するといわゆる「ケルビン凝縮」が発生し、多孔性加湿膜の微細孔に水蒸気が凝縮して一種の液膜が形成され、耐リーク性が発現する。当該液膜は水からなるため水蒸気透過性が高く、自由表面水と同等の速度で水蒸気を透過することができる。
多孔性加湿膜の孔径は、0.001μm以上10μm以下が好ましい。孔径の下限は0.005μm以上がより好ましく、0.01μm以上が更に好ましい。孔径の上限は5μm以下がより好ましく、1μm以下が更に好ましく、0.5μm以下がより更に好ましく、0.2μm以下が特に好ましく、0.1μm以下が最も好ましい。孔径が0.001μm未満では、水蒸気透過性が不足する場合があり、孔径が10μmを越えると、ケルビン凝縮が発生しにくい場合がある。
多孔性加湿膜の気孔率は、5%以上90%以下が好ましく、気孔率の下限は10%以上がより好ましく、20%以上が更に好ましく、30%以上が更に好ましく、40%以上が特に好ましい。気孔率が5%未満では、水蒸気透過性が不十分な場合があり、気孔率が90%を越えると、機械強度が不足する場合がある。
[均質加湿膜]
水蒸気透過性材料からなる均質膜を、均質加湿膜という。
水蒸気透過性材料としては、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、セルロースエーテル、デンプン等の非電解質高分子やこれらの共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルピリジン、ポリアミノ酸等の電解質高分子やこれらの共重合体および塩、さらには前述したようなフッ素系イオン交換樹脂等、吸水性または含水性樹脂として知られる樹脂であれば公知のどのような材料でも使用可能である。必要に応じて、イオン架橋、化学架橋、放射線架橋等の架橋、繊維補強、フィブリル補強等の補強を施すことにより含水率の調整や水への不溶化をはかることができる。
水蒸気透過性材料の含水率は、5%以上95%以下が好ましい。均質多孔膜の含水率の下限は、20%以上がより好ましく、40%以上が更に好ましく、60%以上が更に好ましく、80%以上が特に好ましい。含水率の上限は、90%以下がより好ましい。含水率が5%未満になると、十分な加湿性能を示すことが難しくなる場合があり、含水率が95%を越えると、乾燥時の体積収縮が大きい、機械強度が低い、等の問題が発生する場合がある。
[複合加湿膜]
織布、不織布、微多孔膜等の多孔性基材に水蒸気透過性材料を塗布または含浸することにより得られる複合膜を、複合加湿膜という。
水蒸気透過性材料としては、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、セルロースエーテル、デンプン等の非電解質高分子やこれらの共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルピリジン、ポリアミノ酸等の電解質高分子やこれらの共重合体および塩、更には前述したようなフッ素系イオン交換樹脂等、吸水性または含水性樹脂として知られる樹脂であれば公知のどのような材料でも使用可能である。必要に応じて、イオン架橋、化学架橋、放射線架橋等の架橋、繊維補強、フィブリル補強等の補強を施すことにより含水率の調整や水への不溶化をはかることができる。
水蒸気透過性材料の含水率は、5%以上95%以下が好ましい。含水率の下限は20%以上がより好ましく、40%以上が更に好ましく、60%以上が更に好ましく、80%以上が特に好ましい。含水率の上限は90%以下がより好ましい。含水率が5%未満では、十分な加湿性能を示すことが難しい場合があり、含水率が95%を越えると、乾燥時の体積収縮が大きい、機械強度が低い等の問題が生じる場合がある。
多孔性基材の気孔率は、5%以上95%以下が好ましい。気孔率の下限は10%以上がより好ましく、20%以上が更に好ましく、30%以上が更に好ましく、40%以上が最も好ましい。気孔率が5%未満では、水蒸気透過性が不足する場合があり、気孔率が95%を越えると、機械強度が不足する場合がある。
[通気性補強材]
通気性補強材は網状または多孔質状のシートであり、加湿膜と積層することによってプリーツピッチを維持しプリーツの深部へ良好に気体を導くことが出来る。また、加湿膜は一般的に剛性に欠けるが、通気性補強材と積層することによってプリーツ成形体の自立性や構造強度(特に座屈強度)を改善することが出来る。
通気性補強材は加湿膜の両面もしくは片面に設けることが出来る。特に、加湿膜を介して圧力差が存在する場合は少なくとも低圧側(多くは湿潤側)に設けることが好ましい。
通気性補強材としては、織布、不織布、樹脂製ネット(ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等)、金属製ネット等を使用することが出来るが、このうち、樹脂製ネット、金属製ネットが好ましい。
通気性補強材の膜厚は、10μm以上5000μm以下が好ましく、膜厚の下限は100μm以上がより好ましく、200μm以上が更に好ましく、500μm以上が特に好ましい。膜厚の上限は3000μm以下がより好ましく、2000μm以下が更に好ましく、1000μm以下が特に好ましい。膜厚が10μm未満では、機械強度が不足する場合があり、膜厚が5000μmを越えると、水蒸気透過性が低下する場合がある。なお、通気性補強材の厚さは、JIS−L1096に記載の方法で測定される。
通気性補強材の気孔率は、30%以上95%以下が好ましく、気孔率の下限は40%以上がより好ましく、50%以上が更に好ましく、60%以上が更に好ましく、70%以上が特に好ましい。気孔率が30%未満では、水蒸気透過性が不足する場合があり、気孔率が95%未満では、機械強度が不足する場合がある。
通気性補強材の熱収縮率は、100℃で12%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、8%以下が更に好ましく、6%以下が更に好ましく、4%以下が特に好ましい。
通気性補強材の透気度は、100秒以下が好ましく、より好ましくは10秒以下、特に好ましくは1秒以下である。
ネットを使用する際のメッシュ数は、2以上1000以下が好ましい。メッシュ数の下限は3以上がより好ましく、5以上が更に好ましく、10以上が更に好ましく、12以上が特に好ましい。メッシュ数の上限は100以下がより好ましく、50以下が更に好ましく、30以下が更に好ましく、20以下が特に好ましい。
ネットを使用する際の線径は、0.01mm以上2mm以下が好ましい。線径の下限は0.02mm以上がより好ましく、0.04mm以上が更に好ましく、0.06mm以上が更に好ましく、0.08mm以上が特に好ましい。線径の上限は1mm以下がより好ましく、0.6mm以下が更に好ましく、0.4mm以下が更に好ましく、0.2mm以下が特に好ましい。
メッシュ数が100以下のネットを使用する場合は、加湿膜を保護するため、加湿膜と通気性補強材の間に薄手の通気性補強材を設けることが好ましい。この種の通気性補強材として、片面または両面を平滑化処理したものがより好ましい。
[プリーツ成形体]
平膜状の加湿膜基材にプリーツ加工を施すことによってプリーツ成形体が得られる。通常は、加湿膜と通気性補強材からなる積層体に対してプリーツ加工を施すが、何らかの必要性がある場合は、加湿膜単独でプリーツ加工を施したあとプリーツ間に通気性補強材を挿入することも可能である。
図2a、bは、本発明のプリーツ成形体の例の概略図を示す。図2では、加湿膜23Aと通気性補強材23Bで構成された加湿膜基材をプリーツ加工することによって得られたプリーツ成形体を示している。
プリーツ加工の方法としては、公知の方法が使用可能であり、例えばレシプロ(アコーディオン)プリーツマシンやロータリープリーツマシンを用いることが出来る。
プリーツの高さHは、プリーツ成形体の山から山までの高さであり、高さHが一定でない場合は、高さの平均値をHとすることができる。高さHは、5mm以上200mm以下が好ましい。高さHの下限は10mm以上がより好ましく、15mm以上が更に好ましい。高さHの上限は150mm以下がより好ましく、100mm以下が更に好ましく、80mm以下が更に好ましく、50mm以下が特に好ましい。
[補強フレーム]
プリーツエレメントの構成部材である補強フレームは、平面状であってもよいしコの字形等の折り曲げ部を設けてもかまわない。コの字形断面などの折り曲げ部を設けると、補強フレームの強度およびプリーツ成形体との接着面積が増えるとともに、折り曲げ部を介してハウジングと気密的に接続することも容易になるため好ましい。後述するように、本発明においては、補強フレームの端面にハウジングを気密的に接続することが特に好ましい。尚、本発明における補強フレームの端部とは、例えば、平面状の補強フレームを用いるときはプリーツ成形体の上面もしくは下面に向いた切断面、折り曲げ部を設けた補強フレームを設けた補強フレームを用いるときは折り曲げた部分の面、をいう。
補強フレームの板厚は、0.1mm以上5mm以下が好ましい。板厚の下限は、0.2mm以上がより好ましく、0.5mm以上が更に好ましい。板厚の上限は、4mm以下がより好ましく、3mm以下が更に好ましく、2mm以下が特に好ましい。
補強フレームの高さは、通常はプリーツの高さHにあわせて設定されるが、補強フレームの高さの内寸をプリーツの高さより意図的に長くすることによって、後述するような「空間部流路」を設けることが出来る。複数の材料を組み合わせて補強フレームとする際には、接続部の強度を増すため入れ子構造とすることが好ましい。
補強フレームの折り曲げ部の幅は、1mm以上50mm以下が好ましい。折り曲げ部の幅の下限は5mm以上がより好ましく、10mm以上が更に好ましい。折り曲げ部の幅の上限は40mm以下がより好ましく、30mm以下が更に好ましく、20mm以下が特に好ましい。
[プリーツエレメント]
プリーツ成形体の外周部を補強フレーム内周部に接着固定することによってプリーツエレメントを構成する。プリーツエレメントは、その形状によって円筒型と平面型に大別される。
「円筒型」はプリーツと平行方向の加湿膜の両端が互いに接着されるタイプであり、プリーツと垂直方向の両端に合計2面の補強フレーム(主にドーナツ型)を備える。「平面型」はプリーツと平行方向の両端が互いに接着されないタイプであり、プリーツと垂直方向と平行方向の両端にそれぞれ2面、合計4面の補強フレーム(主に矩形)を備える。円筒型と平面型との相違はプリーツと平行方向の両端が互いに接着されるか否かにあり、接着されないものは具体的な形状に依らず平面型に含まれる。
構造から推察されるとおり、円筒型は中央部にデッドスペースを生じるため平面型より原理的に容積効率が低くなるが、平面型よりシール箇所が少ないため、用途や目的によっては好ましく使用出来る。車載燃料電池用をはじめとした一般用途においては、デッドスペースのない平面型を好ましく使用出来る。
図3(a)は、平面型プリーツエレメント、図15(a)は円筒型プリーツエレメントの例を示す概略図である。図3(b)及び図15(b)は、それぞれプリーツ方向と垂直に切断した断面図、図3(c)及び図15(c)は、それぞれプリーツ方向と平行に切断した断面図である。プリーツ成形体23の外辺部と補強フレーム5の内周部を接着する方法としては、例えば、コの字断面の補強フレーム内周部に接着剤51を流し込んだあと、プリーツ成形体23を導入して硬化させてもかまわないし、熱融着により接合してもかまわない。
図4(a)、図4(b)、図4(c)、図4(d)、および図5(a)、図5(b)、図5(c)、図5(d)は、平面型プリーツエレメントのシール材の例を示す概略図である。図4(a)及び図5(a)は、プリーツ方向と垂直に切断した断面図、図4(b)及び図5(b)は、プリーツ方向と平行に切断した断面図、図4(c)及び図5(c)は、プリーツ方向と平行に見た外観図、図4(d)及び図5(d)は、プリーツ方向と垂直に見た外観図である。図4(a)〜(d)では、補強フレームの側面にシール材7が全周にわたって備えられている。図5(a)〜(d)では、シール材7は補強フレームの上部と下部の折り曲げ部の全周にわたって備えられている。これ以外に、シール材をハウジングに備えて、補強フレームに備えないことも可能であるし、ハウジングと補強フレームの両方にシール材を備えることも可能である。さらに、気密を確保できるような処置を別途とる場合は、ハウジングと補強フレームの両方にシール材を備えないことも可能である。
シール材7としては、O−リング、ゴムシート、金属シート、接着剤等、本発明の目的から外れない範囲で様々なシール材を使用できる。このうち、O−リングおよびゴムシートが好ましい。O−リングを使う場合は、ハウジング側または補強フレーム側に溝加工を行ってO−リングを固定することが好ましい。シール材7としてゴムシートを使う場合は、厚みが厚すぎると内圧によってゴムシートが押し出されることがあるので、ゴムシートの厚みは好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下、特に好ましくは1mmである。
ピッチPは、プリーツ成形体の隣接する山と山の間の距離であり、ピッチが一定でない場合は、ピッチの平均値をPとすることができる。ピッチPは0.1mm以上10mm以下が好ましい。ピッチPの下限は0.4mm以上がより好ましく、0.6mm以上が更に好ましく、0.8mm以上が更に好ましく、1.0mm以上が特に好ましい。ピッチPの上限は8mm以下がより好ましく、6mm以下が更に好ましく、4mm以下が更に好ましい。ピッチPは、補強フレームの内幅と収納したいプリーツの山数で調整することが出来る。
ピッチPの加湿膜基材の厚さTに対する比率Mは、0.5以上3.0以下が好ましい。比率Mの下限は、より好ましくは0.8以上、更に好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.2以上、更に好ましくは1.4以上特に好ましくは1.6以上である。比率Mの上限は、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.2以下、更に好ましくは2.1以下、更に好ましくは2.0以下、特に好ましくは1.9以下である。比率Mが0.8未満の場合、ピッチが狭くなるため通気性が低下して加湿性能が損なわれやすい。比率Mが3.0を越えると、ピッチが広くなるため収納できる膜面積が小さくなるとともに、気流で加湿膜基材がばたつくため摩耗または破損しやすい、または加湿膜両端の固定部に無理な力がかかって破損しやすい。
なお、比率Mが2.0とはプリーツの中で隣接する加湿膜基材表面が互いに接していることを示しており、比率Mが2.0以下とはプリーツの中で加湿膜基材が圧縮されて薄くなっていることを示している。図2(a)は、断面がV字状の1例であり、比率Mは3.0である。図2(b)は、断面がU字状の1例であり、比率Mは2.0である。
プリーツエレメントの座屈強度は10kPa以上が好ましく、20kPa以上がより好ましく、40kPa以上が更に好ましく、60kPa以上が更に好ましく、80kPa以上が更に好ましく、100kPa以上が特に好ましい。尚、本発明において、座屈強度はJIS K−7220に記載の方法に準拠し、プリーツ高さの5%/秒の速さでプリーツエレメントをプリーツ高さ方向に圧縮したときの10%変形時の応力で定義される。
一般的なプリーツエレメントは、長辺と短辺を有する矩形であるが、ハウジングの梁間隔を短くして耐圧性を向上させる目的から、プリーツエレメントの短辺は不必要に長くしないことが好ましい。好ましい短辺の長さは300mm以下であり、250mm以下がより好ましく、200mm以下が更に好ましく、150mm以下が更に好ましく、100mm以下が特に好ましい。梁間隔を短くする必要がない場合においても短辺の長さは1000mm以下が好ましく、500mm以下がより好ましい。ハウジングの梁間隔については後述する。
[加湿エレメント]
プリーツエレメントに適切な吸気口、排気口、流路(特に明記しない限りこれら3つを総称して流路と呼称する)を設けることによって加湿エレメントを構成する。
図6(a)は流路を設ける前のプリーツエレメント、図6(b)及び図6(c)は本発明における加湿エレメントの例を示す概略図であり、図中Eと記載された範囲が加湿エレメントに相当する。図6(b)及び図6(c)において、点線は湿潤側流路、実線は乾燥側流路を表している。
図6(b)は、流路構成手段70を用いてプリーツエレメント上に「流路」を構成する例を示している。流路構成手段としては、例えばウレタンフォームのような追従性の高い材料に2つの開口部(吸気口・排気口)を形成したシート状の材料を用いることが可能であり、これをプリーツエレメント6の表面に備えることによってプリーツエレメント上に流路が構成される。図6(b)の加湿エレメントは、シール材7を介してハウジング8と接続している。図6(b)のハウジングは、加湿機能以外の補助機能、すなわち、機械的破壊からの保護機能、外部配管との接続機能等を加湿エレメントに提供している。
図6(c)は、流路構成手段70の代替としてハウジング8を用いて「流路」を構成する例を示している。図6(c)のハウジングは、加湿機能以外の補助機能を提供するだけではなく、流路の一部を構成することで「加湿機能」の一部を提供しているとみなすことが出来る。
図6(c)のような構成を取ると、プリーツエレメントとハウジング内表面の間に空間が生じる。本発明においては、この流路を「空間部流路」、プリーツエレメント内部の流路を「基材部流路」と呼称する。加湿エレメントが空間部流路を持つ場合、空間部流路に金網等の流路制御手段を設置することによって通気抵抗を調整することが出来る。例えば、空間部流路の通気抵抗を大きくすると圧損は大きくなるが、基材部流路へ流れる気流が増えるため加湿性能が向上する場合がある。流路制御手段の好ましい例としては、プレート、樹脂製ネット、金属製ネット等の材料を挙げられる。
[空間部流路を有する加湿エレメント]
図2(c)は、加湿エレメントが空間部流路を有する場合の構成を示す概略図である。乾燥側流路21および湿潤側流路22は、それぞれ空間部流路21S、22S、および基材部流路21M、22Mからなっている。尚、Hはプリーツ成形体の高さを表す。
流路高さのプリーツ高さに対する比率C:[(H+S)/H]は、湿潤側・乾燥側のそれぞれにおいて、流路内部のいずれかの点で1.0以上、5.0以下であることが好ましい。ここでいう流路高さとは、プリーツ成形体の高さHに、湿潤側流路又は乾燥側流路の空間部高さSを加えた高さをいう。尚、空間部高さSは、例えば図2(c)では空間部流路22S又は21Sの高さを指す。比率Cの上限は2.0以上が好ましく、1.5以下が更に好ましく、1.2以下が更に好ましく、1.1以下が更に好ましく、1.05以下が特に好ましい。尚、比率Cが1.0の場合、流路構成手段が加湿エレメントの膜面に接していることを意味する。比率Cが10を超えると、吸気口から導入された気体の多くが空間部流路を通過するため、十分な加湿性能を示すことが難しい。
湿潤側流路容積の乾燥側流路容積に対する比率V:[(H+22S)/(H+21S)]は、0.5以上100以下であることが好ましい。ここでいう流路容積とは、プリーツ成形体の容積(端面の接着部等、水分移動に寄与しない容積は除く)に各流路空間部容積を加えた容積をいう。Vの下限は0.8以上がより好ましく、1.5以上が更に好ましく、2.0以上が特に好ましい。Vの上限は50以下がより好ましく、20以下が更に好ましく、10以下が更に好ましく、5以下が特に好ましい。Vが0.5未満では、乾燥流路側の圧損に比べて湿潤側流路の圧損が大きくなりすぎる。Vが100を超えると、湿潤側流路の圧損に比べて乾燥側流路の圧損が大きくなりすぎる。
[加湿エレメントの吸気口・排気口]
本発明において、加湿エレメントは、その両面にそれぞれ少なくとも1組の吸気口・排気口を備える。本発明においては、膜利用効率の観点から加湿エレメントの幅方向にわたって気体を均等に流すことが好ましい。図7は、加湿エレメントの吸気口・排気口の関係を示す概略図である。
吸気口・排気口の幅61は、加湿エレメントの内幅に対して、50%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上が更に好ましく、95%以上が特に好ましい。
吸気口・排気口の断面積は、外部配管の断面積に対して、10%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、50%以上が更に好ましく、100%以上がより更に好ましく、200%以上が特に好ましく、300%以上が最も好ましい。
吸気口・排気口の長さ62は、前記の幅と断面積から好ましい範囲を求めることが出来るが、通常は1mm以上1m以下の範囲で好ましい長さを求めることが出来る。長さの下限は5mm以上がより好ましく、10mm以上が更に好ましく、15mm以上がより更に好ましい。長さの上限は20cm以下が好ましく、10cm以下がより好ましく、5cm以下が更に好ましい。長さが1m以上の場合は圧損が大きくなるため好ましくない場合がある。
吸気口・排気口の形状は、前記の好ましい範囲の中で、長方形、楕円形、菱形、台形、およびこれらを複数組み合わせた集合体等、任意の形状を採用することが出来る。このうち、幅方向に長い長方形の場合は、2つの短辺を直線ではなく半円形とすることによって機械加工を容易にすることが出来るため好ましい。
[流路分割]
本発明の加湿装置は、要求性能に応じて膜面積を適切に設定することが必要である。要求性能が高くて大面積の加湿膜を必要とする場合、前述したようにプリーツエレメントの短辺は梁間隔及び圧損の観点から不必要に長くしないことが好ましいため、長辺方向に著しく長くさせざるを得ない場合がある。このような場合は「流路分割」を行うことによって同じ基本性能のまま加湿エレメントのコンパクト化をはかることが出来る。
流路分割の方法の1つとして、プリーツエレメントの長辺方向に物理的に分割して、複数のプリーツエレメントからなる加湿装置を構成する方法が考えられる。しかしながら、分割ごとに吸気口・排気口・外部手段等を設ける必要があるため加湿装置全体が煩雑化しやすい。本発明の流路分割はこうした方法も含むが、下記のような方法を用いることがより好ましい。
すなわち、プリーツエレメントを物理的に分割せず、短辺を支障のない範囲まで長くすることと引き換えに長辺を短くする。プリーツエレメントにこのような変形を行うと、当然ながら吸気口と排気口の間隔(すなわち図7の63)が拡大するため圧損や加湿性能が影響を受ける恐れがある。そこで、プリーツエレメントの変形と同時に、吸気口と排気口の間に新たな吸気口及び/又は排気口を追加する。以下、図8(a)〜(d)に参照して説明する。
図8(a)は、内寸長さXmm、内寸幅Ymmのプリーツエレメント(以下、「プリーツエレメントA」と称する)の上面概略図であり、図8(b)は図(a)のプリーツエレメントの内寸幅と同じ幅で長さZmmの開口部2箇所を備えるプリーツエレメントを加湿装置に用いる場合における、吸気口・排気口の配置を示す概略図である。尚、プリーツエレメントの「内寸長さ」及び「内寸幅」とは、補強フレームの部分を除いたプリーツエレメントの内寸を指す。
上記プリーツエレメントAを含む加湿エレメントと同等の加湿性能になるように、プリーツエレメントの長辺及び短辺の長さを調整して流路分割した加湿エレメントの1例として、図8(c)及び図8(d)で表されるような場合を挙げられる。すなわち、図8(c)は、内寸長さ2X−Zmm、内寸幅X×Y/(2X−Z)mmのプリーツエレメント(以下、「プリーツエレメントB」と称する)を上から見た概略図であり、図8(d)は、図8(c)のプリーツエレメントの内寸幅と同じ幅で長さZmmの開口部3箇所を備えるプリーツエレメントBを加湿装置に用いる場合における、吸気口・排気口の配置を示す概略図である。このような場合、一方の外部配管から何らかの分岐手段を介して両端の開口部と接続する。中央の開口部はそのままもう一方の外部配管と接続する。また、このような場合、吸気口(又は排気口)は2組存在するので、流路の流路分割数は2であるという。図8(a)〜(d)からわかるように、図8(d)の場合における吸気口・排気口の間隔は図8(b)の場合と同じであり、Xに対してZが小さい場合は片側の流路の幅はX×Y/(2X−Z)≒Y/2であり、流路2つ分の幅はY/2×2=Yとなり、図8(a)の場合と同じになる。本発明者らは、プリーツエレメントAとBが交換能力として同等の性能を示すことを見出した(実施例1及び2参照)。(尚、交換能力については後述する。)図8(a)及び図8(b)に示されるようなプリーツエレメントを図8(c)及び図8(d)のように吸気口・排気口を追加する方法と、プリーツエレメントを物理的に分割する方法とを比較すると、Bの方法は隣り合う流路で1つの開口部(前期の例では中央の開口部)を共有するため、加湿装置全体をコンパクト化できる利点がある。
湿潤側・乾燥側のいずれかの流路分割数が2の場合、加湿エレメントは互いに平行な3個の開口部を備え、3の場合は4個の開口部を備える。加湿エレメントの両面で異なる流路分割数を設定することも可能であり、例えば、一方の流路分割数が2で他方の流路分割数が3の場合、それぞれ3個と4個の開口部を備える。
図1のように本発明の加湿装置を1個の燃料電池と接続することを想定した場合、外部配管は乾燥側・湿潤側とも吸気と排気の2本ずつしかないため、加湿エレメントの片面に3個以上の開口部を備える場合は何らかの分岐手段を用いて外部配管と接続する必要がある。分岐手段は特に制限はなく、目的に応じて幾何学的に可能なあらゆる組合せを用いることが出来る。本発明においてはこうした分岐手段を接続配管と呼称する。
[ハウジング]
加湿エレメントをハウジングと接続することによって、加湿機能以外の補助機能(機械的破壊からの保護機能、外部配管との接続機能、等)が付与された実用的な加湿装置が構成される。本発明において、ハウジングは多くの場合に好ましく用いられる。
ハウジングとしては、従来、エアフィルターなどにおいて、プリーツエレメント全体を収納するような「容器型」が知られているが、本発明ではプリーツエレメントの補強フレームを容器の1部として用い、プリーツエレメントの両面に配置された2枚の圧力プレートと補強フレームの端部が互いに密着することによって気密容器を構成するような「プレート型」を好ましく用いることができる。
図10(a)及び図10(b)は、本発明で用いる加湿エレメント用ハウジングの好ましい例である圧力プレート式ハウジングを説明する概略図である。
このような構成をとることにより、ハウジングの大幅な簡易化が容易になるとともに、所定の強度を有する補強フレームが応力(上下からはさまれる力)をプリーツ成形体にかわって支えることにより、高圧気体にも耐えうる丈夫な加湿装置を構成することが容易になった。また、圧力プレート式ハウジングを用いると、装置の分解等が容易になるため、コンパクトな装置構成でありながら高いメンテナンス性を併せ持つことができるという利点もある。
図10(a)は、本発明の加湿装置の第1の例の外観の斜視図、図10(b)は、その加湿装置の分解図である。図11(a)は、図10(a)のプリーツ方向に平行方向に切断した断面図、図11(b)は、図10(a)のプリーツ方向に垂直方向に切断した断面図である。
2枚の圧力プレート8とプリーツエレメント6は、補強フレーム5を介して気密的に接触(密着)している。圧力プレートとプリーツエレメントの密着手段として、図11(a)では、プリーツエレメントの周囲に設けられた複数のスタッドボルト81からなる加圧手段を用いている。加圧手段としては、この他に、接着、溶接等の接合手段をはじめ、公知の様々な密着手段を用いることができるが、加圧プレート外部に設けたクランプ等の構造材によって密着することもできる。
図11(a)は、加湿膜で仕切られた下側の流路を乾燥側流路21、上側を湿潤側流路22としているが、これらは目的に応じて適宜逆に構成してもよい。乾燥側流路21と湿潤側流路22は、加湿膜基材23、補強フレーム5、圧力プレート8及び、必要に応じて、補強フレームと圧力プレートの間に介在するシール材7によって気密的に分離されており、乾燥側流路21は乾燥側吸気口211および乾燥側排気口212に、湿潤側流路22は、湿潤側吸気口221および湿潤側排気口222に接続されている。
湿潤側吸気口221から導入された湿潤気体は、図11(a)の点線で示す湿潤側流路22を左から右方向に流れ、湿潤側排気口222から排出される。一方、乾燥側吸気口211から導入された乾燥気体は、図11(a)の実線で示す乾燥側流路21を右から左に流れ、乾燥側排気口212から排出される。この過程の中で、湿潤気体の中に含まれる水蒸気が加湿膜を介して乾燥気体に移動する。
圧力プレートは、本発明の目的から外れない範囲で様々な構造のものが使用可能であるが、例えば、厚さ0.1mm〜50mmの平板に各種加工を施して作成することができる。圧力プレートの材質は、ステンレス、アルミ、プラスチックなどの各種材料を使用することができる。また、リブやハニカム構造材など、公知の材料技術により、必要に応じて軽量化することができる。圧力プレートが加湿エレメントと接触する面はシール性を向上させるために十分平滑であることが好ましい。
使用気体の圧力が高い場合は、前記のような厚さの補強フレームであっても変形する可能性がある。このような場合は、加湿エレメントの外周部に図12(b)に示すような補強材82を導入することができる。
2枚の圧力プレート8とプリーツエレメント6は、補強フレーム5を介して気密的に接触するが、この際、圧力プレート8と補強フレーム5の間に、必要に応じてシール材7を導入することができる。
[ハウジングと圧力緩衝部]
本発明において、特に、外部配管径よりプリーツエレメント上の吸気口が広い場合、外部配管を加湿エレメントの中央に接続すると、接続部に大半の気流が吹き付けられ、周辺部の加湿膜に十分な気流が供給できない恐れがある。例えば、図10(a)において、221、222、212、211で示される吸排気管の内径がプリーツエレメント上の吸気口より大幅に狭い場合などがこれに相当する。このような場合、外部配管の気体導入口とプリーツエレメント上の吸気口の間に圧力緩衝部を設ける必要がある。本発明において、圧力緩衝部は、加湿エレメントの吸気口・排気口で起こる上記局所吹き付けを防止するために用いられる整流手段の呼称であり、外部配管と吸気口・排気口の間にハウジングが提供する補助機能の一部として設けられる。本発明において、圧力緩衝部は多くの場合に好ましく用いられる。
圧力緩衝部は、外部配管側と加湿エレメント側にそれぞれ開口部Aと開口部Bを備える。開口部Aは外部配管と同じ形状をもち、開口部Bは加湿エレメントの吸気口・排気口と同じ形状を持つ。開口部Bの幅は開口部Aの幅にくらべて広い場合が多いが、外部配管と吸気口・排気口の幅が近い場合は、圧力緩衝部を省略することが出来る。
圧力緩衝部の構造は、前記の整流作用を有するものであればどのような構造でも使用可能であるが、例えば(1)開口部Aと開口部Bを接続する管であって、A−B間の長さが比較的長い構造、(2)開口部Aと開口部Bを接続する管であって、管の内部に不織布やネットからなる圧力緩衝用のフィルタを設けた構造、(3)開口部Aと開口部Bの気流の向きを互いに垂直とする構造、等を好ましく用いることができる。これらの構造をとることによって、開口部Bにおける圧力分布及び速度分布を比較的均一にすることが可能であり、プリーツエレメントの全面にわたって加湿膜を有効利用できるため好ましい。上記(1)〜(3)の構造のうち、特に(3)は他の構造よりもコンパクトで低圧損であるためより好ましい。ここで「互いに垂直」とは気流の向きを転じる概念を示す表記であり、90度に加えて30度〜150度の角度も含まれる場合がある。
例えば点線で表記された湿潤側流路においては、外部配管から左のパイプの開口部91に導入された気体は、金属板で封鎖された対向面93にぶつかってパイプ内部に比較的均一な圧力場を形成する。その後、パイプの下部に設けられた開口部Bから加湿エレメントの内部に導入され、加湿膜を介して乾燥側流路へ水蒸気を透過させたあと、開口部Bから右のパイプの中に排気される。排気された気体はパイプの中で比較的均一な圧力場を形成したあと開口部Aから外部配管へ排気される。
図12(a)及び図12(b)は、圧力緩衝部の例を示す概略図である。図12(a)はプリーツ方向と平行方向に切断した断面図、図12(b)はプリーツ方向と垂直方向に切断した断面図である。図12(a)及び図12(b)は、下部を長手方向に切断して長方形の開口部Bを作ったパイプを、ハウジングに溶接することで圧力緩衝部を構成している。図13(a)及び図13(b)は、角形のパイプを使用することと、後述する加湿エレメントの分割を行っていることを除いて、図12(a)及び図12(b)と同様の概略図を示している。
図9(a)、図9(b)及び図9(c)は、圧力緩衝部の気体の流し方の例を示す概略図である。図9(a)は、気体が上方から見て左手前から右奥へ流れる流路構成、図9(b)は、気体が左手前から右手前へ流れる流路構成、図9(c)は、気体が左手前と左奥の2箇所の吸気口から右手前と右奥の2箇所の排気口へ流れる流路構成をとっている。このうち、圧力緩衝作用は図9(c)の流路構成が最も好ましい。例えば、流路分割数が2以上の場合や、流路分割数が1でも圧力緩衝部が図9(c)のような構成をとる場合は、加湿装置の給排気口の総数が外部配管の総数(乾燥側入口、乾燥側出口、湿潤側入口、湿潤側出口の4本)を上回る。このような場合は、外部配管と圧力緩衝部の間に1本対複数本の分岐構造を有する接続配管を備える必要がある。接続配管は加湿装置側の複数本の吸気口もしくは排気口のそれぞれにおける流量ができるだけ均一になるような構造が好ましい。好ましい流量のばらつきは平均値に対して±20%以下、より好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下、更に好ましくは2%以下、特に好ましくは1%以下である。
圧力緩衝部の容積は、開口部Aと開口部Bで閉じられた空間の容積として定義される。外部配管の断面積とプリーツエレメント内幅の積を基準容積としたとき、圧力緩衝部の容積は基準容積に対して、0.1以上100以下が好ましい。本発明においてはこの比率を比率VBと呼称する。比率VBの下限は、0.2以上がより好ましく、0.5以上が更に好ましく、1.0以上がより更に好ましく、2.0以上が特に好ましい。VBが0.1未満の場合は十分な圧力緩衝作用を得られない場合がある。VBの上限は特に限定されないが、100を越えると装置が必要以上に大型化するため好ましくない。
圧力緩衝部の幅は、加湿エレメントの吸気口・排気口の幅に対して、50%以上800%以下が好ましい。幅の下限は、70%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましく、90%以上がより更に好ましい。幅の上限は、600%以下がより好ましく、400%以下が更に好ましく、200%以下がより更に好ましい。
圧力緩衝部の開口部Bの幅は、圧力緩衝部の幅の50%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上が更に好ましく、95%以上がより更に好ましい。
圧力緩衝部の開口部Bの断面積は、開口部Aの断面積の50%以上が好ましく、100%以上がより好ましく、200%以上が更に好ましく、300%以上がより更に好ましく、400%以上が特に好ましく、500%以上が最も好ましい。
乾燥気体と湿潤気体が加湿膜を介して接触する形式としては、対向流、並行流、直交流、放射流等、公知のさまざまな形式をとることができる。このうち対向流または並行流が好ましい。
[加湿エレメントの分割]
図13は、本発明において加湿エレメントの分割例を示す概略図である。図13によると、2枚の圧力プレートの中に2個のプリーツエレメント6が配置されている。プリーツエレメントはそれぞれ吸気口・排気口・流路を備えており、2枚のプレートの中に2個の加湿エレメントを構成している。このような構成をとる利点は主に圧力プレートにあり、図13に示すように圧力プレートの外周部に加えて2個のプリーツエレメントの間にも加圧手段(図13ではスタッドボルト81)を備えることが出来るため、スタッドボルトとスタッドボルトの間隔(梁間隔)を短くすることが可能であり、材料強度的に、より簡単な(より強度の低い、より軽量な、より安価な)圧力プレートを用いることができる。
[加湿エレメントの積層]
図14は、本発明において加湿エレメントの積層例を示す概略図である。本発明において、ハウジングに複数の加湿エレメントを備えることによって大きな膜面積を得ることができる。例えば、本発明において、プリーツの高さPは5mm以上、200mm以下が好ましいが、何らかの理由で加湿装置の平面方向への大きさの制限が強く、かつ、高さ方向への大きさの制限が弱い場合、高さ200mm以下の加湿エレメントを乾燥側流路または湿潤側流路を共有しながら積層することによって大きな膜面積を達成することができる。
[加湿エレメントの性能]
本発明の加湿装置の性能は以下のような指標で評価することが出来る。以下の説明では簡略化のために乾燥側入口、乾燥側出口、湿潤側入口、湿潤側出口をそれぞれDI、DO、WI、WOと呼称する。
水分移動量(g/分)=DO水蒸気流量−DI水蒸気流量
容積あたり水分移動量(g/分/L)=水分移動量/プリーツエレメント容積
平均水蒸気分圧差(kPa)=(WI水蒸気分圧+WO水蒸気分圧−DI水蒸気分圧−DO水蒸気分圧)/2
交換能力(g/分/kPa)=水分移動量/平均水蒸気分圧差
容積あたり交換能力(g/分/kPa/L)=交換能力/プリーツエレメント容積
総合性能(g/分/kPa/L)=容積あたり交換能力/圧損和×1000
容積あたりの交換能力は、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましく、0.5以上が更に好ましく、0.7以上がより更に好ましく、1.0以上が特に好ましい。容積あたりの交換能力が0.1未満では十分な加湿を行うために必要な装置サイズが大きくなり過ぎるため好ましくない。多くの加湿用途において2.5以上の容積あたりの交換能力があれば十分に目的を達成することができる。
圧損は、乾燥側・湿潤側とも、50kPa以下が好ましく、20kPa以下がより好ましく、10kPa以下が更に好ましく、5kPa以下がより更に好ましく、3kPa以下が特に好ましい。圧損が50kPaを超えて高い場合は多くの加湿用途において加湿装置で失われるエネルギーが無視できなくなるため好ましくない。
総合性能は、10以上が好ましく、20以上がより好ましく、40以上が更に好ましく、60以上がより更に好ましく、80以上が特に好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例などにより何ら限定されるものではない。
[加湿膜]
ポリエチレン製微多孔膜(膜厚16μm、目付け9g/m気孔率40%、透気度300秒)を、パーフルオロイオン交換樹脂溶液(旭化成(株)製、Aciplex−SS−1000)に連続浸漬装置を使用して浸漬し、80℃で乾燥することにより複合加湿膜を得た。このときのパーフルオロイオン交換樹脂の塗工目付け量は4g/mであった。
[プリーツエレメント]
作成した加湿膜の片面に通気性補強材としてポリプロピレン製ネットA(目付け104g/m、繊維径0.3mm、開口率66%、厚さ0.7mm)及びポリプロピレン製ネットB(目付け50g/m、繊維径0.25mm、開口率86%、厚さ0.5mm)を、反対面にポリプロピレン製ネットC(目付け50g/m、繊維径0.25mm、開口率86%、厚さ0.5mm)を配置し、プリーツ高さHを40mmとしてプリーツ成形を行い、プリーツ成形体を作成した。得られたプリーツ成形体の外周部にエポキシ接着剤を用いて折り曲げ部の幅10mmの補強フレームを密着固定することにより、幅400mm、長さ120mm、高さ44mmの平面型プリーツエレメントを作成した。プリーツエレメントの山数Nは176山、ピッチPは2.3mm、ピッチPの加湿膜基材の厚さTに対する比率Mは1.4であった。
プリーツエレメントの座屈強度は、JIS K−7220に記載の方法に準拠し、プリーツ高さHに対して5%/秒の速さでプリーツエレメントを圧縮したときの10%変形時の応力として測定した。圧縮に用いる圧力板は直径3cmの円板とし、円板の全面でプリーツエレメントを圧縮した。算出に用いる断面積は円板の面積とした。測定の結果、プリーツエレメントの座屈強度は110kPaであった。
[加湿エレメント・加湿装置]
得られたプリーツエレメントを、図12のような4箇所の開口部及び圧力緩衝部が設けてある圧力プレートと接続することにより、乾燥側・湿潤側とも流路分割数が1である加湿エレメント及び加湿装置を構成した。乾燥側・湿潤側は互いに向流接触となるよう吸気口を配置し、外部配管と接続した。このとき、開口部Aの断面積5.1cm、圧力緩衝部容積の比率VBは0.8、加湿エレメントの吸気口及び排気口の幅380mm、長さ20mm、圧力緩衝部の幅400mm、長さ38mm、及び圧力緩衝部の開口部Bの幅380mm、長さ20mmとした。また、流路高さのプリーツ高さに対する比率Cは湿潤側1.08(空間部流路高さ3.0mm)、乾燥側1.02(空間部流路高さ1.0mm)であり、湿潤側流路容積の乾燥側流路容積に対する比率Vは1.05とした。また、湿潤側の空間部には流路制御手段として金網(厚さ3mm、線径1.5mm、開口率78%)を配置した。
[評価]
作製した加湿装置の湿潤側入口に相対湿度90%で温度80℃の湿潤空気を、乾燥流量3000NL/minで圧力40kPaGとなるように供給するとともに、乾燥側入口に相対湿度1%で温度80℃の乾燥空気を乾燥流量3000NL/minで圧力60kPaGとなるように供給した。
これらの条件で1時間運転した後に、湿潤側出口及び乾燥側出口の圧力・相対湿度・温度より、加湿膜を介して移動した水分量を計測した。
得られた結果を表1に示す。
加湿膜及び通気性補強材は実施例1と同様のものを使用し、プリーツ高さHを40mmとしてプリーツ成形を行った。プリーツ成形体の外周部にエポキシ接着剤を用いて折り曲げ部の幅10mmの補強フレームを密着固定することにより、幅200mm、長さ240mm、高さ44mmの平面型プリーツエレメントを作成した。プリーツエレメントの山数Nは88山、プリーツピッチPは2.3mmであった。
プリーツエレメントを図8bのような6箇所の開口部及び圧力緩衝部が設けてあるハウジングと接続することにより、乾燥側・湿潤側ともに流路分割数が2である加湿エレメント及び加湿装置を構成した。ここで、湿潤側は中央の開口部を吸気口とし、外部配管に接続した。乾燥側は両端の開口部を吸気口とし、接続配管で1本に集合してから外部配管に接続した。その他は実施例1と同様の構成とした。
この加湿装置を実施例1と同じ条件で評価を行った。
得られた結果を表1に示す。
比較例1
特開2002−252012号公報の実施例1と同様に、円筒型プリーツエレメント(ピッチ高さ24mm、山数94山)と外周部に圧力緩衝部を備えないハウジング(内筒径90mm、長さ400mm、外筒径150mm、長さ400mm)を作製し、該特許文献の図2と同様の加湿装置を構成した。この加湿装置の内側流路に湿潤空気を、外側流路に乾燥空気を供給し、評価した。この時、湿潤側入口の相対湿度を65%とした以外は実施例1と同様の評価条件とした。得られた結果を表1に示す。
比較例1で作製した加湿装置は圧力緩衝部を有さないため、気流の供給が不均一であり、本発明の加湿装置と比較して、加湿能力が大きく劣るものであった。
Figure 2004107490
本発明の加湿装置は、加湿性能、圧力損失、容積効率および物理的耐久性に優れているため、各種分野で用いる気体加湿装置として非常に有用であり、例えば、室内用加湿器や、特に、固体高分子型燃料電池用の加湿装置として好適に使用できる。

Claims (12)

  1. 加湿膜と少なくとも1層の通気性補強材の積層体からなるプリーツ成形体とその外周部に設けられた補強フレームからなるプリーツエレメント、プリーツエレメントの両側に設けられた乾燥側・湿潤側の流路、各流路に備えられた1組以上の吸気口・排気口、および、外部配管と吸気口・排気口の間に備えられた圧力緩衝部からなり、プリーツエレメントの内部が加湿膜によって分割され、それぞれが乾燥側・湿潤側の流路の一部もしくは全部を構成することを特徴とする加湿装置。
  2. 2枚の圧力プレートの中に少なくとも1個のプリーツエレメントが配置され、各プリーツエレメントの補強フレーム端部と2枚の圧力プレートが互いに密着して1つの気密空間を構成することを特徴とする、請求項1に記載の加湿装置。
  3. 乾燥側および湿潤側のいずれかの流路において、2組以上の吸気口・排気口を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の加湿装置。
  4. 乾燥側および湿潤側のいずれかの流路において、流路分割数が2以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の加湿装置。
  5. 加湿膜の120℃熱収縮率が10%以下、であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の加湿装置
  6. プリーツの高さが5mm以上200mm以下、であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の加湿装置。
  7. プリーツエレメントの長さが300mm以下、であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の加湿装置。
  8. プリーツエレメントの座屈強度が10kPa以上、であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の加湿装置。
  9. 流路高さのプリーツ高さに対する比率Cが、乾燥側・湿潤側それぞれにおいて、流路内部のいずれかの点で1.0以上5.0以下、湿潤側流路容積の乾燥側流路容積に対する比率Vが0.5以上100以下、プリーツピッチPの加湿膜基材厚さTに対する比率Mが0.8以上3.0以下、であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の加湿装置。
  10. 乾燥側及び湿潤側のいずれかの流路において、空間部流路に流路制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の加湿装置。
  11. 2個以上のプリーツエレメントが平面的に配置されたことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の加湿装置。
  12. 2個以上のプリーツエレメントが積層され、積層された隣接するプリーツエレメント間で乾燥側または湿潤側流路を共有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の加湿装置。
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