JP4454580B2 - 加湿装置 - Google Patents
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Description
1)加湿性能…燃料電池運転に必要十分な加湿量
2)圧力損失…コンプレッサーに負担をかけない低圧損
3)容積効率
4)耐久性
また、該特許文献の図2に開示されているとおり、気体導入口211と気体導出口212が円筒プリーツ表面に直接設けられていたため、大半の気流がこれらの接続部に吹き付けられ、周辺部の加湿膜に気流を均等に供給することが難しいという問題があった。
上記のように、従来の加湿装置には解決すべき課題が多く残されており、未だ満足な加湿装置が得られていないのが現状であった。
従って、本発明の目的は、加湿性能、圧力損失、容積効率および耐久性に優れた加湿装置であって、燃料電池に好適に使用できる加湿装置を提供することにある。
本発明の上記及びその他の諸目的、諸特徴並びに諸利益は、添付の図面を参照しながら述べる次の詳細な説明及び請求の範囲の記載から明らかになる。
次に、本発明の理解を容易にするために、まず本発明の基本的特徴及び好ましい諸態様を列挙する。
3.乾燥側および湿潤側のいずれかの流路において、2組以上の吸気口・排気口を備えることを特徴とする前項1または2に記載の加湿装置。
4.乾燥側および湿潤側のいずれかの流路において、流路分割数が2以上であることを特徴とする前項1〜3のいずれかに記載の加湿装置。
5.加湿膜の120℃熱収縮率が10%以下、であることを特徴とする前項1〜4のいずれかに記載の加湿装置
7.プリーツエレメントの長さが300mm以下、であることを特徴とする前項1〜6のいずれかに記載の加湿装置。
8.プリーツエレメントへの座屈強度が10kPa以上、であることを特徴とする前項1〜7のいずれかに記載の加湿装置。
10.乾燥側及び湿潤側のいずれかの流路において、空間部流路に流路制御手段を備えることを特徴とする前項1〜9のいずれかに記載の加湿装置。
11.2個以上のプリーツエレメントが平面的に配置されることを特徴とする前項1〜10のいずれかに記載の加湿装置。
12.2個以上のプリーツエレメントが積層され、積層された隣接するプリーツエレメント間で乾燥側または湿潤側流路を共有することを特徴とする前項1〜11のいずれかに記載の加湿装置。
1.乾燥作用ガスを、キャリアーガスに同伴された水蒸気を含有する湿潤ガスを用いて加湿するための加湿装置であって、
プリーツ成形体及びその外周部に固定された補強フレームからなるプリーツエレメント、
湿潤ガス供給側流路(A)(前記「湿潤側流路」を意味する)、及び
乾燥ガス加湿側流路(B)(前記「乾燥側流路」を意味する)
を包含し、
該湿潤ガス供給側流路(A)及び乾燥ガス加湿側流路(B)はぞれぞれ該プリーツエレメントの両側に設けられており、
該プリーツ成形体が、該湿潤ガスから水蒸気を選択的に透過することができる加湿層(前記「加湿膜」により形成される)、及び該加湿層の少なくとも片面に積層されてなる通気性補強層(前記「通気性補材」により形成される)を含む積層体からなり、
該湿潤ガス供給側流路(A)は、該湿潤ガスを導入するための少なくとも1つの吸気口(A−1)、及び貧水蒸気キャリアーガスからなる排出ガスを抜き出すための排気口(A−2)を有し、
該乾燥ガス加湿側流路(B)は、該乾燥作用ガスを導入するための少なくとも1つの吸気口(B−1)、及び加湿した作用ガスを抜き出すための少なくとも1つの排気口(B−2)を有し、
湿潤ガス気流緩衝手段(湿潤ガス供給側流路(A)に関連して前記「圧力緩衝部」を形成するための手段)が、湿潤ガスを導入するための該少なくとも1つの吸気口(A−1)と関連して設けられており、乾燥ガス気流緩衝手段(乾燥ガス加湿側流路(B)に関連して前記「圧力緩衝部」を形成するための手段)が、乾燥作用ガスを導入するための該少なくとも1つの吸気口(B−1)と関連して設けられており、
使用時には、該少なくとも1つの吸気口(A−1)から湿潤ガス流通室に導入された湿潤ガスが、該プリーツ成形体を介して、該少なくとも1つの吸気口(B−1)から加湿室に導入された乾燥作用ガスに水蒸気を供給することにより、該乾燥作用ガスを加湿する、ことを特徴とする加湿装置。
3.吸気口(A−1)、排気口(A−2)、吸気口(B−1)及び排気口(B−2)のうち少なくとも1つが2個以上存在することを特徴とする前項1又は2に記載の加湿装置。
4.湿潤ガス供給側流路(A)及び乾燥ガス加湿側流路(B)からなる群より選ばれる少なくとも1つの流路において、流路分割数が2以上であることを特徴とする前項1〜3のいずれかに記載の加湿装置。
6.該プリーツ成形体のプリーツの平均高さが5mm以上200mm以下であることを特徴とする前項1〜5のいずれかに記載の加湿装置。
7.該プリーツ成形体の、プリーツと平行方向に測定した長さが300mm以下であることを特徴とする前項1〜6のいずれかに記載の加湿装置。
8.該プリーツエレメントの座屈強度が10kPa以上であることを特徴とする前項1〜7のいずれかに記載の加湿装置。
湿潤ガス供給側流路(A)の乾燥ガス加湿側流路(B)に対する容積比(V)が0.5〜100であり、
該プリーツ成形体のプリーツピッチ(P)の該プリーツ積層体の厚み(T)に対する比(M)が0.8〜3.0であることを特徴とする前項1〜8のいずれかに記載の加湿装置。
10.湿潤ガス供給側流路(A)及び乾燥ガス加湿側流路(B)からなる群より選ばれる少なくとも1つの流路において、該流路における、該プリーツ成形体及びその凹部の空間を除く空間として定義される空間部流路にガス気流制御手段(前記「流路制御手段」を意味する)を備えることを特徴とする前項1〜9のいずれかに記載の加湿装置。
11.該プリーツエレメントを少なくとも2つ含有し、該該プリーツエレメントが横方向に並べて配置されてなる前項1〜10のいずれかに記載の加湿装置。
12.該プリーツエレメントを少なくとも2つ含有し、該プリーツエレメントが積層され、積層された隣接するプリーツエレメント間で湿潤ガス供給側流路(A)または乾燥ガス加湿側流路(B)を共有することを特徴とすることを特徴とする前項1〜10のいずれかに記載の加湿装置。
[各部の定義]
本発明において、「加湿エレメント」は、加湿機能を担う最小単位をいい、加湿膜基材からなるプリーツ成形体、その外辺部に設けられた補強フレーム、プリーツ成形体の両面に設けられた吸気口、排気口、流路からなる。
本発明において、「加湿膜基材」は、加湿膜と少なくとも1層の通気性補強材からなる、加湿エレメントの基本構成部材をいい、必要に応じて加湿膜と通気性補強材の積層体とすることが出来る。
本発明において、「通気性補強材」は、プリーツ内部で隣接する加湿膜の密着を妨げることによって良好な膜利用効率を達成するための手段に資するものであり、更にプリーツ成形体に必要な自立性を付与するための補助的な機能を担う。
本発明において、「補強フレーム」は、プリーツ成形体の周囲と気密的に接着することによってプリーツエレメントを構成するための構造材をいう。すなわち、プリーツ成形体の端面と一体化することによって、プリーツエレメントの上面と下面を気密的に分離する機能を持つ。補強フレームとしては、樹脂、金属、FRP等、目的に応じて各種材料を用いることが出来る。
本発明における「ハウジング」は、加湿エレメントに加湿機能以外の機能(機械的破壊からの保護機能、外部配管との接続機能、等)を提供するための補助手段をいう。多くの場合、加湿エレメントはハウジングに収納ないしは接続されることによって実用上必要な機能が追加され「加湿装置」を構成する。
本発明において、プリーツの「長さ」とはプリーツと平行な方向、プリーツの「幅」とはプリーツと垂直な方向、における寸法ないしは距離を言う。
[燃料電池システム]
図1は、本発明の実施形態の例を示す燃料電池システム構成図である。(尚、図1においては、本発明における加湿のシステムをよりわかりやすくするため、ハウジングは明示されていない。)この燃料電池は水素と空気を用いる。加湿エレメント2は、空気が導入される乾燥側流路21と、燃料電池1からのカソード側排気が導入される湿潤側流路22、吸気口211および221、排気口212および222、これらの流路を分離する加湿膜基材23、とを具備している。この加湿エレメント2の乾燥側流路21の吸気口211は、空気供給源であるコンプレッサー3が配管31で接続されており、乾燥側流路21の排気口212は、燃料電池1のカソード側の吸気口35と配管32で接続されている。湿潤側流路22の吸気口221は、燃料電池1のカソード側の排気口36と配管33で接続されており、湿潤側流路22の排気口222は、排気用の配管34が接続されている。水素供給源4は、燃料電池1のアノード側の吸気口37と配管41で接続されており、燃料電池1のアノード側の排気口38には排気用の配管42が接続されている。
乾燥側流路はコンプレッサー3で加圧されているため、湿潤側流路よりも全圧は高くなる。加湿膜は前記した水蒸気透過性に加え、全圧差に対する十分な耐リーク性、すなわち空気を含む他の気体に対する非透過性を併せ持つ必要がある。
加湿膜の水蒸気透過性は様々な方法で評価することが可能であるが、例えばJIS−L1099に記載の透湿度で評価することが出来る。加湿膜の空気を含む他の気体に対する非透過性は様々な方法で評価することが可能であるが、例えばJIS−P−8117に記載の透気度で評価することが出来る。加湿エレメントを燃料電池用途に使用する場合は、上記特性に加えて耐熱性を有することが好ましい。加湿膜は、多孔性加湿膜、均質加湿膜、複合加湿膜、に分類される。
加湿膜の透湿度は、好ましくは100g/m2/hr以上、より好ましくは500g/m2/hr以上、更に好ましくは1000g/m2/hr以上、特に好ましくは1500g/m2/hr以上である。
加湿膜の透気度は、好ましくは500秒以上、より好ましくは1000秒以上、更に好ましくは10000秒以上、更に好ましくは100000秒以上、特に好ましくは1000000秒以上である。なお、後述の多孔性加湿膜は湿潤下でのみ非透過性を発現するため、非透過性の尺度として透気度は使用しない。
加湿膜の膜厚は、1μm以上1000μm以下が好ましい。膜厚の下限は5μm以上がより好ましく、10μm以上が更に好ましく、20μm以上が最も好ましい。膜厚の上限は500μm以下がより好ましく、300μm以下が更に好ましく、200μm以下が最も好ましい。膜厚が1μm未満になると、機械強度が不足する場合があり、膜厚が1000μmを越えると、水蒸気透過性が低下する場合がある。
多孔性加湿膜としては、織布、不織布、微多孔膜等を用いることができる。当業者にはよく知られているように、孔径10μm以下の多孔性加湿膜に水蒸気を含む気体が接触するといわゆる「ケルビン凝縮」が発生し、多孔性加湿膜の微細孔に水蒸気が凝縮して一種の液膜が形成され、耐リーク性が発現する。当該液膜は水からなるため水蒸気透過性が高く、自由表面水と同等の速度で水蒸気を透過することができる。
多孔性加湿膜の気孔率は、5%以上90%以下が好ましく、気孔率の下限は10%以上がより好ましく、20%以上が更に好ましく、30%以上が更に好ましく、40%以上が特に好ましい。気孔率が5%未満では、水蒸気透過性が不十分な場合があり、気孔率が90%を越えると、機械強度が不足する場合がある。
水蒸気透過性材料からなる均質膜を、均質加湿膜という。
水蒸気透過性材料としては、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、セルロースエーテル、デンプン等の非電解質高分子やこれらの共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルピリジン、ポリアミノ酸等の電解質高分子やこれらの共重合体および塩、さらには前述したようなフッ素系イオン交換樹脂等、吸水性または含水性樹脂として知られる樹脂であれば公知のどのような材料でも使用可能である。必要に応じて、イオン架橋、化学架橋、放射線架橋等の架橋、繊維補強、フィブリル補強等の補強を施すことにより含水率の調整や水への不溶化をはかることができる。
織布、不織布、微多孔膜等の多孔性基材に水蒸気透過性材料を塗布または含浸することにより得られる複合膜を、複合加湿膜という。
水蒸気透過性材料としては、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、セルロースエーテル、デンプン等の非電解質高分子やこれらの共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルピリジン、ポリアミノ酸等の電解質高分子やこれらの共重合体および塩、更には前述したようなフッ素系イオン交換樹脂等、吸水性または含水性樹脂として知られる樹脂であれば公知のどのような材料でも使用可能である。必要に応じて、イオン架橋、化学架橋、放射線架橋等の架橋、繊維補強、フィブリル補強等の補強を施すことにより含水率の調整や水への不溶化をはかることができる。
多孔性基材の気孔率は、5%以上95%以下が好ましい。気孔率の下限は10%以上がより好ましく、20%以上が更に好ましく、30%以上が更に好ましく、40%以上が最も好ましい。気孔率が5%未満では、水蒸気透過性が不足する場合があり、気孔率が95%を越えると、機械強度が不足する場合がある。
通気性補強材は網状または多孔質状のシートであり、加湿膜と積層することによってプリーツピッチを維持しプリーツの深部へ良好に気体を導くことが出来る。また、加湿膜は一般的に剛性に欠けるが、通気性補強材と積層することによってプリーツ成形体の自立性や構造強度(特に座屈強度)を改善することが出来る。
通気性補強材は加湿膜の両面もしくは片面に設けることが出来る。特に、加湿膜を介して圧力差が存在する場合は少なくとも低圧側(多くは湿潤側)に設けることが好ましい。
通気性補強材としては、織布、不織布、樹脂製ネット(ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等)、金属製ネット等を使用することが出来るが、このうち、樹脂製ネット、金属製ネットが好ましい。
通気性補強材の気孔率は、30%以上95%以下が好ましく、気孔率の下限は40%以上がより好ましく、50%以上が更に好ましく、60%以上が更に好ましく、70%以上が特に好ましい。気孔率が30%未満では、水蒸気透過性が不足する場合があり、気孔率が95%未満では、機械強度が不足する場合がある。
通気性補強材の透気度は、100秒以下が好ましく、より好ましくは10秒以下、特に好ましくは1秒以下である。
ネットを使用する際のメッシュ数は、2以上1000以下が好ましい。メッシュ数の下限は3以上がより好ましく、5以上が更に好ましく、10以上が更に好ましく、12以上が特に好ましい。メッシュ数の上限は100以下がより好ましく、50以下が更に好ましく、30以下が更に好ましく、20以下が特に好ましい。
メッシュ数が100以下のネットを使用する場合は、加湿膜を保護するため、加湿膜と通気性補強材の間に薄手の通気性補強材を設けることが好ましい。この種の通気性補強材として、片面または両面を平滑化処理したものがより好ましい。
平膜状の加湿膜基材にプリーツ加工を施すことによってプリーツ成形体が得られる。通常は、加湿膜と通気性補強材からなる積層体に対してプリーツ加工を施すが、何らかの必要性がある場合は、加湿膜単独でプリーツ加工を施したあとプリーツ間に通気性補強材を挿入することも可能である。
図2a、bは、本発明のプリーツ成形体の例の概略図を示す。図2では、加湿膜23Aと通気性補強材23Bで構成された加湿膜基材をプリーツ加工することによって得られたプリーツ成形体を示している。
プリーツの高さHは、プリーツ成形体の山から山までの高さであり、高さHが一定でない場合は、高さの平均値をHとすることができる。高さHは、5mm以上200mm以下が好ましい。高さHの下限は10mm以上がより好ましく、15mm以上が更に好ましい。高さHの上限は150mm以下がより好ましく、100mm以下が更に好ましく、80mm以下が更に好ましく、50mm以下が特に好ましい。
プリーツエレメントの構成部材である補強フレームは、平面状であってもよいしコの字形等の折り曲げ部を設けてもかまわない。コの字形断面などの折り曲げ部を設けると、補強フレームの強度およびプリーツ成形体との接着面積が増えるとともに、折り曲げ部を介してハウジングと気密的に接続することも容易になるため好ましい。後述するように、本発明においては、補強フレームの端面にハウジングを気密的に接続することが特に好ましい。尚、本発明における補強フレームの端部とは、例えば、平面状の補強フレームを用いるときはプリーツ成形体の上面もしくは下面に向いた切断面、折り曲げ部を設けた補強フレームを設けた補強フレームを用いるときは折り曲げた部分の面、をいう。
補強フレームの高さは、通常はプリーツの高さHにあわせて設定されるが、補強フレームの高さの内寸をプリーツの高さより意図的に長くすることによって、後述するような「空間部流路」を設けることが出来る。複数の材料を組み合わせて補強フレームとする際には、接続部の強度を増すため入れ子構造とすることが好ましい。
補強フレームの折り曲げ部の幅は、1mm以上50mm以下が好ましい。折り曲げ部の幅の下限は5mm以上がより好ましく、10mm以上が更に好ましい。折り曲げ部の幅の上限は40mm以下がより好ましく、30mm以下が更に好ましく、20mm以下が特に好ましい。
プリーツ成形体の外周部を補強フレーム内周部に接着固定することによってプリーツエレメントを構成する。プリーツエレメントは、その形状によって円筒型と平面型に大別される。
「円筒型」はプリーツと平行方向の加湿膜の両端が互いに接着されるタイプであり、プリーツと垂直方向の両端に合計2面の補強フレーム(主にドーナツ型)を備える。「平面型」はプリーツと平行方向の両端が互いに接着されないタイプであり、プリーツと垂直方向と平行方向の両端にそれぞれ2面、合計4面の補強フレーム(主に矩形)を備える。円筒型と平面型との相違はプリーツと平行方向の両端が互いに接着されるか否かにあり、接着されないものは具体的な形状に依らず平面型に含まれる。
構造から推察されるとおり、円筒型は中央部にデッドスペースを生じるため平面型より原理的に容積効率が低くなるが、平面型よりシール箇所が少ないため、用途や目的によっては好ましく使用出来る。車載燃料電池用をはじめとした一般用途においては、デッドスペースのない平面型を好ましく使用出来る。
ピッチPは、プリーツ成形体の隣接する山と山の間の距離であり、ピッチが一定でない場合は、ピッチの平均値をPとすることができる。ピッチPは0.1mm以上10mm以下が好ましい。ピッチPの下限は0.4mm以上がより好ましく、0.6mm以上が更に好ましく、0.8mm以上が更に好ましく、1.0mm以上が特に好ましい。ピッチPの上限は8mm以下がより好ましく、6mm以下が更に好ましく、4mm以下が更に好ましい。ピッチPは、補強フレームの内幅と収納したいプリーツの山数で調整することが出来る。
なお、比率Mが2.0とはプリーツの中で隣接する加湿膜基材表面が互いに接していることを示しており、比率Mが2.0以下とはプリーツの中で加湿膜基材が圧縮されて薄くなっていることを示している。図2(a)は、断面がV字状の1例であり、比率Mは3.0である。図2(b)は、断面がU字状の1例であり、比率Mは2.0である。
一般的なプリーツエレメントは、長辺と短辺を有する矩形であるが、ハウジングの梁間隔を短くして耐圧性を向上させる目的から、プリーツエレメントの短辺は不必要に長くしないことが好ましい。好ましい短辺の長さは300mm以下であり、250mm以下がより好ましく、200mm以下が更に好ましく、150mm以下が更に好ましく、100mm以下が特に好ましい。梁間隔を短くする必要がない場合においても短辺の長さは1000mm以下が好ましく、500mm以下がより好ましい。ハウジングの梁間隔については後述する。
プリーツエレメントに適切な吸気口、排気口、流路(特に明記しない限りこれら3つを総称して流路と呼称する)を設けることによって加湿エレメントを構成する。
図6(a)は流路を設ける前のプリーツエレメント、図6(b)及び図6(c)は本発明における加湿エレメントの例を示す概略図であり、図中Eと記載された範囲が加湿エレメントに相当する。図6(b)及び図6(c)において、点線は湿潤側流路、実線は乾燥側流路を表している。
図6(b)は、流路構成手段70を用いてプリーツエレメント上に「流路」を構成する例を示している。流路構成手段としては、例えばウレタンフォームのような追従性の高い材料に2つの開口部(吸気口・排気口)を形成したシート状の材料を用いることが可能であり、これをプリーツエレメント6の表面に備えることによってプリーツエレメント上に流路が構成される。図6(b)の加湿エレメントは、シール材7を介してハウジング8と接続している。図6(b)のハウジングは、加湿機能以外の補助機能、すなわち、機械的破壊からの保護機能、外部配管との接続機能等を加湿エレメントに提供している。
図6(c)のような構成を取ると、プリーツエレメントとハウジング内表面の間に空間が生じる。本発明においては、この流路を「空間部流路」、プリーツエレメント内部の流路を「基材部流路」と呼称する。加湿エレメントが空間部流路を持つ場合、空間部流路に金網等の流路制御手段を設置することによって通気抵抗を調整することが出来る。例えば、空間部流路の通気抵抗を大きくすると圧損は大きくなるが、基材部流路へ流れる気流が増えるため加湿性能が向上する場合がある。流路制御手段の好ましい例としては、プレート、樹脂製ネット、金属製ネット等の材料を挙げられる。
図2(c)は、加湿エレメントが空間部流路を有する場合の構成を示す概略図である。乾燥側流路21および湿潤側流路22は、それぞれ空間部流路21S、22S、および基材部流路21M、22Mからなっている。尚、Hはプリーツ成形体の高さを表す。
流路高さのプリーツ高さに対する比率C:[(H+S)/H]は、湿潤側・乾燥側のそれぞれにおいて、流路内部のいずれかの点で1.0以上、5.0以下であることが好ましい。ここでいう流路高さとは、プリーツ成形体の高さHに、湿潤側流路又は乾燥側流路の空間部高さSを加えた高さをいう。尚、空間部高さSは、例えば図2(c)では空間部流路22S又は21Sの高さを指す。比率Cの上限は2.0以上が好ましく、1.5以下が更に好ましく、1.2以下が更に好ましく、1.1以下が更に好ましく、1.05以下が特に好ましい。尚、比率Cが1.0の場合、流路構成手段が加湿エレメントの膜面に接していることを意味する。比率Cが10を超えると、吸気口から導入された気体の多くが空間部流路を通過するため、十分な加湿性能を示すことが難しい。
本発明において、加湿エレメントは、その両面にそれぞれ少なくとも1組の吸気口・排気口を備える。本発明においては、膜利用効率の観点から加湿エレメントの幅方向にわたって気体を均等に流すことが好ましい。図7は、加湿エレメントの吸気口・排気口の関係を示す概略図である。
吸気口・排気口の幅61は、加湿エレメントの内幅に対して、50%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上が更に好ましく、95%以上が特に好ましい。
吸気口・排気口の断面積は、外部配管の断面積に対して、10%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、50%以上が更に好ましく、100%以上がより更に好ましく、200%以上が特に好ましく、300%以上が最も好ましい。
吸気口・排気口の形状は、前記の好ましい範囲の中で、長方形、楕円形、菱形、台形、およびこれらを複数組み合わせた集合体等、任意の形状を採用することが出来る。このうち、幅方向に長い長方形の場合は、2つの短辺を直線ではなく半円形とすることによって機械加工を容易にすることが出来るため好ましい。
本発明の加湿装置は、要求性能に応じて膜面積を適切に設定することが必要である。要求性能が高くて大面積の加湿膜を必要とする場合、前述したようにプリーツエレメントの短辺は梁間隔及び圧損の観点から不必要に長くしないことが好ましいため、長辺方向に著しく長くさせざるを得ない場合がある。このような場合は「流路分割」を行うことによって同じ基本性能のまま加湿エレメントのコンパクト化をはかることが出来る。
流路分割の方法の1つとして、プリーツエレメントの長辺方向に物理的に分割して、複数のプリーツエレメントからなる加湿装置を構成する方法が考えられる。しかしながら、分割ごとに吸気口・排気口・外部手段等を設ける必要があるため加湿装置全体が煩雑化しやすい。本発明の流路分割はこうした方法も含むが、下記のような方法を用いることがより好ましい。
図8(a)は、内寸長さXmm、内寸幅Ymmのプリーツエレメント(以下、「プリーツエレメントA」と称する)の上面概略図であり、図8(b)は図(a)のプリーツエレメントの内寸幅と同じ幅で長さZmmの開口部2箇所を備えるプリーツエレメントを加湿装置に用いる場合における、吸気口・排気口の配置を示す概略図である。尚、プリーツエレメントの「内寸長さ」及び「内寸幅」とは、補強フレームの部分を除いたプリーツエレメントの内寸を指す。
図1のように本発明の加湿装置を1個の燃料電池と接続することを想定した場合、外部配管は乾燥側・湿潤側とも吸気と排気の2本ずつしかないため、加湿エレメントの片面に3個以上の開口部を備える場合は何らかの分岐手段を用いて外部配管と接続する必要がある。分岐手段は特に制限はなく、目的に応じて幾何学的に可能なあらゆる組合せを用いることが出来る。本発明においてはこうした分岐手段を接続配管と呼称する。
加湿エレメントをハウジングと接続することによって、加湿機能以外の補助機能(機械的破壊からの保護機能、外部配管との接続機能、等)が付与された実用的な加湿装置が構成される。本発明において、ハウジングは多くの場合に好ましく用いられる。
ハウジングとしては、従来、エアフィルターなどにおいて、プリーツエレメント全体を収納するような「容器型」が知られているが、本発明ではプリーツエレメントの補強フレームを容器の1部として用い、プリーツエレメントの両面に配置された2枚の圧力プレートと補強フレームの端部が互いに密着することによって気密容器を構成するような「プレート型」を好ましく用いることができる。
このような構成をとることにより、ハウジングの大幅な簡易化が容易になるとともに、所定の強度を有する補強フレームが応力(上下からはさまれる力)をプリーツ成形体にかわって支えることにより、高圧気体にも耐えうる丈夫な加湿装置を構成することが容易になった。また、圧力プレート式ハウジングを用いると、装置の分解等が容易になるため、コンパクトな装置構成でありながら高いメンテナンス性を併せ持つことができるという利点もある。
2枚の圧力プレート8とプリーツエレメント6は、補強フレーム5を介して気密的に接触(密着)している。圧力プレートとプリーツエレメントの密着手段として、図11(a)では、プリーツエレメントの周囲に設けられた複数のスタッドボルト81からなる加圧手段を用いている。加圧手段としては、この他に、接着、溶接等の接合手段をはじめ、公知の様々な密着手段を用いることができるが、加圧プレート外部に設けたクランプ等の構造材によって密着することもできる。
湿潤側吸気口221から導入された湿潤気体は、図11(a)の点線で示す湿潤側流路22を左から右方向に流れ、湿潤側排気口222から排出される。一方、乾燥側吸気口211から導入された乾燥気体は、図11(a)の実線で示す乾燥側流路21を右から左に流れ、乾燥側排気口212から排出される。この過程の中で、湿潤気体の中に含まれる水蒸気が加湿膜を介して乾燥気体に移動する。
使用気体の圧力が高い場合は、前記のような厚さの補強フレームであっても変形する可能性がある。このような場合は、加湿エレメントの外周部に図12(b)に示すような補強材82を導入することができる。
2枚の圧力プレート8とプリーツエレメント6は、補強フレーム5を介して気密的に接触するが、この際、圧力プレート8と補強フレーム5の間に、必要に応じてシール材7を導入することができる。
本発明において、特に、外部配管径よりプリーツエレメント上の吸気口が広い場合、外部配管を加湿エレメントの中央に接続すると、接続部に大半の気流が吹き付けられ、周辺部の加湿膜に十分な気流が供給できない恐れがある。例えば、図10(a)において、221、222、212、211で示される吸排気管の内径がプリーツエレメント上の吸気口より大幅に狭い場合などがこれに相当する。このような場合、外部配管の気体導入口とプリーツエレメント上の吸気口の間に圧力緩衝部を設ける必要がある。本発明において、圧力緩衝部は、加湿エレメントの吸気口・排気口で起こる上記局所吹き付けを防止するために用いられる整流手段の呼称であり、外部配管と吸気口・排気口の間にハウジングが提供する補助機能の一部として設けられる。本発明において、圧力緩衝部は多くの場合に好ましく用いられる。
圧力緩衝部は、外部配管側と加湿エレメント側にそれぞれ開口部Aと開口部Bを備える。開口部Aは外部配管と同じ形状をもち、開口部Bは加湿エレメントの吸気口・排気口と同じ形状を持つ。開口部Bの幅は開口部Aの幅にくらべて広い場合が多いが、外部配管と吸気口・排気口の幅が近い場合は、圧力緩衝部を省略することが出来る。
例えば点線で表記された湿潤側流路においては、外部配管から左のパイプの開口部91に導入された気体は、金属板で封鎖された対向面93にぶつかってパイプ内部に比較的均一な圧力場を形成する。その後、パイプの下部に設けられた開口部Bから加湿エレメントの内部に導入され、加湿膜を介して乾燥側流路へ水蒸気を透過させたあと、開口部Bから右のパイプの中に排気される。排気された気体はパイプの中で比較的均一な圧力場を形成したあと開口部Aから外部配管へ排気される。
圧力緩衝部の開口部Bの幅は、圧力緩衝部の幅の50%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上が更に好ましく、95%以上がより更に好ましい。
圧力緩衝部の開口部Bの断面積は、開口部Aの断面積の50%以上が好ましく、100%以上がより好ましく、200%以上が更に好ましく、300%以上がより更に好ましく、400%以上が特に好ましく、500%以上が最も好ましい。
乾燥気体と湿潤気体が加湿膜を介して接触する形式としては、対向流、並行流、直交流、放射流等、公知のさまざまな形式をとることができる。このうち対向流または並行流が好ましい。
図13は、本発明において加湿エレメントの分割例を示す概略図である。図13によると、2枚の圧力プレートの中に2個のプリーツエレメント6が配置されている。プリーツエレメントはそれぞれ吸気口・排気口・流路を備えており、2枚のプレートの中に2個の加湿エレメントを構成している。このような構成をとる利点は主に圧力プレートにあり、図13に示すように圧力プレートの外周部に加えて2個のプリーツエレメントの間にも加圧手段(図13ではスタッドボルト81)を備えることが出来るため、スタッドボルトとスタッドボルトの間隔(梁間隔)を短くすることが可能であり、材料強度的に、より簡単な(より強度の低い、より軽量な、より安価な)圧力プレートを用いることができる。
図14は、本発明において加湿エレメントの積層例を示す概略図である。本発明において、ハウジングに複数の加湿エレメントを備えることによって大きな膜面積を得ることができる。例えば、本発明において、プリーツの高さPは5mm以上、200mm以下が好ましいが、何らかの理由で加湿装置の平面方向への大きさの制限が強く、かつ、高さ方向への大きさの制限が弱い場合、高さ200mm以下の加湿エレメントを乾燥側流路または湿潤側流路を共有しながら積層することによって大きな膜面積を達成することができる。
本発明の加湿装置の性能は以下のような指標で評価することが出来る。以下の説明では簡略化のために乾燥側入口、乾燥側出口、湿潤側入口、湿潤側出口をそれぞれDI、DO、WI、WOと呼称する。
水分移動量(g/分)=DO水蒸気流量−DI水蒸気流量
容積あたり水分移動量(g/分/L)=水分移動量/プリーツエレメント容積
平均水蒸気分圧差(kPa)=(WI水蒸気分圧+WO水蒸気分圧−DI水蒸気分圧−DO水蒸気分圧)/2
交換能力(g/分/kPa)=水分移動量/平均水蒸気分圧差
容積あたり交換能力(g/分/kPa/L)=交換能力/プリーツエレメント容積
総合性能(g/分/kPa2/L)=容積あたり交換能力/圧損和×1000
圧損は、乾燥側・湿潤側とも、50kPa以下が好ましく、20kPa以下がより好ましく、10kPa以下が更に好ましく、5kPa以下がより更に好ましく、3kPa以下が特に好ましい。圧損が50kPaを超えて高い場合は多くの加湿用途において加湿装置で失われるエネルギーが無視できなくなるため好ましくない。
総合性能は、10以上が好ましく、20以上がより好ましく、40以上が更に好ましく、60以上がより更に好ましく、80以上が特に好ましい。
ポリエチレン製微多孔膜(膜厚16μm、目付け9g/m2気孔率40%、透気度300秒)を、パーフルオロイオン交換樹脂溶液(旭化成(株)製、Aciplex−SS−1000)に連続浸漬装置を使用して浸漬し、80℃で乾燥することにより複合加湿膜を得た。このときのパーフルオロイオン交換樹脂の塗工目付け量は4g/m2であった。
作成した加湿膜の片面に通気性補強材としてポリプロピレン製ネットA(目付け104g/m2、繊維径0.3mm、開口率66%、厚さ0.7mm)及びポリプロピレン製ネットB(目付け50g/m2、繊維径0.25mm、開口率86%、厚さ0.5mm)を、反対面にポリプロピレン製ネットC(目付け50g/m2、繊維径0.25mm、開口率86%、厚さ0.5mm)を配置し、プリーツ高さHを40mmとしてプリーツ成形を行い、プリーツ成形体を作成した。得られたプリーツ成形体の外周部にエポキシ接着剤を用いて折り曲げ部の幅10mmの補強フレームを密着固定することにより、幅400mm、長さ120mm、高さ44mmの平面型プリーツエレメントを作成した。プリーツエレメントの山数Nは176山、ピッチPは2.3mm、ピッチPの加湿膜基材の厚さTに対する比率Mは1.4であった。
プリーツエレメントの座屈強度は、JIS K−7220に記載の方法に準拠し、プリーツ高さHに対して5%/秒の速さでプリーツエレメントを圧縮したときの10%変形時の応力として測定した。圧縮に用いる圧力板は直径3cmの円板とし、円板の全面でプリーツエレメントを圧縮した。算出に用いる断面積は円板の面積とした。測定の結果、プリーツエレメントの座屈強度は110kPaであった。
得られたプリーツエレメントを、図12のような4箇所の開口部及び圧力緩衝部が設けてある圧力プレートと接続することにより、乾燥側・湿潤側とも流路分割数が1である加湿エレメント及び加湿装置を構成した。乾燥側・湿潤側は互いに向流接触となるよう吸気口を配置し、外部配管と接続した。このとき、開口部Aの断面積5.1cm2、圧力緩衝部容積の比率VBは0.8、加湿エレメントの吸気口及び排気口の幅380mm、長さ20mm、圧力緩衝部の幅400mm、長さ38mm、及び圧力緩衝部の開口部Bの幅380mm、長さ20mmとした。また、流路高さのプリーツ高さに対する比率Cは湿潤側1.08(空間部流路高さ3.0mm)、乾燥側1.02(空間部流路高さ1.0mm)であり、湿潤側流路容積の乾燥側流路容積に対する比率Vは1.05とした。また、湿潤側の空間部には流路制御手段として金網(厚さ3mm、線径1.5mm、開口率78%)を配置した。
作製した加湿装置の湿潤側入口に相対湿度90%で温度80℃の湿潤空気を、乾燥流量3000NL/minで圧力40kPaGとなるように供給するとともに、乾燥側入口に相対湿度1%で温度80℃の乾燥空気を乾燥流量3000NL/minで圧力60kPaGとなるように供給した。
これらの条件で1時間運転した後に、湿潤側出口及び乾燥側出口の圧力・相対湿度・温度より、加湿膜を介して移動した水分量を計測した。
得られた結果を表1に示す。
プリーツエレメントを図8bのような6箇所の開口部及び圧力緩衝部が設けてあるハウジングと接続することにより、乾燥側・湿潤側ともに流路分割数が2である加湿エレメント及び加湿装置を構成した。ここで、湿潤側は中央の開口部を吸気口とし、外部配管に接続した。乾燥側は両端の開口部を吸気口とし、接続配管で1本に集合してから外部配管に接続した。その他は実施例1と同様の構成とした。
この加湿装置を実施例1と同じ条件で評価を行った。
得られた結果を表1に示す。
特開2002−252012号公報の実施例1と同様に、円筒型プリーツエレメント(ピッチ高さ24mm、山数94山)と外周部に圧力緩衝部を備えないハウジング(内筒径90mm、長さ400mm、外筒径150mm、長さ400mm)を作製し、該特許文献の図2と同様の加湿装置を構成した。この加湿装置の内側流路に湿潤空気を、外側流路に乾燥空気を供給し、評価した。この時、湿潤側入口の相対湿度を65%とした以外は実施例1と同様の評価条件とした。得られた結果を表1に示す。
比較例1で作製した加湿装置は圧力緩衝部を有さないため、気流の供給が不均一であり、本発明の加湿装置と比較して、加湿能力が大きく劣るものであった。
図2(a)は、本発明で用いるプリーツ成形体の1例を示す概略図であり;
図2(b)は、本発明で用いるプリーツ成形体の他の1例を示す概略図であり;
図2cは、本発明における加湿エレメントの流路の構成を示す概略図であり;
図3(a)は、本発明で好適に使用できる平面型プリーツエレメントの1例を示す概略図であり;
図3(b)は、本発明で好適に使用できる平面型プリーツエレメント(図3(a)に示す)を、プリーツ方向と垂直に切断した概略断面図であり;
図3(c)は、本発明で好適に使用できる平面型プリーツエレメント(図3(a)に示す)を、プリーツ方向と平行に切断した概略断面図であり;
図4(a)は、本発明で用いられる平面型プリーツエレメントのシール材の1例を示す、プリーツ方向と垂直に切断した断面図あり;
図4(b)は、本発明で用いられる平面型プリーツエレメントのシール材の1例を示す、プリーツ方向と平行に切断した断面図であり;
図4(c)は、本発明で用いられる平面型プリーツエレメントのシール材の1例を示す、プリーツ方向と平行に見た外観図であり;
図4(d)は、本発明で用いられる平面型プリーツエレメントのシール材の1例を示す、プリーツ方向と垂直に見た外観図であり;
図5(a)は、本発明で用いられる平面型プリーツエレメントのシール材の更に他の1例を示す、プリーツ方向と垂直に切断した断面図であり;
図5(b)は、本発明で用いられる平面型プリーツエレメントのシール材の他の1例を示す、プリーツ方向と平行に切断した断面図であり;
図5(c)は、本発明で用いられる平面型プリーツエレメントのシール材の他の1例を示す、プリーツ方向と平行に見た外観図であり;
図5(d)は、本発明で用いられる平面型プリーツエレメントのシール材の他の1例を示す、プリーツ方向と垂直に見た外観図であり;
図6aは、流路を設ける前のプリーツエレメントを示す概略図であり;
図6bは、本発明における、空間部流路が無い場合の加湿エレメントの1例を示す概略図であり;
図6cは、本発明における、空間部流路を有する場合の加湿エレメントの1例を示す概略図であり;
図7は、本発明において平面型プリーツエレメントを使用する場合の、加湿エレメントの吸気口・排気口の関係の1例を示す概略図であり;
図8(a)は、内寸長さX、内寸幅Yの平面型プリーツエレメントの上面概略図であり;
図8(b)は、内寸長さX、内寸幅Yの平面型プリーツエレメント(図8(a)に示す)を流路分割しないで用いる場合における、吸気口・排気口の配置を示す概略図であり;
図8(c)は、内寸長さX、内寸幅Yの平面型プリーツエレメント(図8(a)に示す)を流路分割数2にする場合に用いるプリーツエレメントを示す上面概略図であり;
図8(d)は、内寸長さX、内寸幅Yの平面型プリーツエレメント(図8(a)に示す)を流路分割数2にした場合における、吸気口・排気口の配置の1例を示す概略図であり;
図9(a)は、本発明における圧力緩衝部の気体の流し方の1例を示す概略図であり;
図9(b)は、本発明における圧力緩衝部の気体の流し方の他の1例を示す概略図であり;
図9(c)は、本発明における圧力緩衝部の気体の流し方の更に他の1例を示す概略図であり;
図10(a)は、圧力プレート式ハウジングを説明する概略図であり;
図10(b)は、圧力プレート式ハウジング(図10(a)に示す)の分解図であり;
図11(a)は、圧力プレート式ハウジング(図10(a)に示す)のプリーツ方向に平行に切断した断面図であり;
図11(b)は、圧力プレート式ハウジング(図10(a)に示す)のプリーツ方向に垂直に切断した断面図であり;
図12(a)は、本発明において圧力プレートハウジングを用いる場合の1例を示す、プリーツ方向に平行に切断した断面図であり;
図12(b)は、本発明において圧力プレートハウジングを用いる場合の1例を示す、プリーツ方向と垂直に切断した断面図であり;
図13(a)は、本発明における加湿エレメントの分割の1例を示す、プリーツ方向と平行方向に切断した断面図であり;
図13(b)は、本発明における加湿エレメントの分割の1例を示す、プリーツ方向と垂直に切断した断面図であり;
図14は、本発明における加湿エレメントの積層の1例を示す概略図であり;
図15(a)は、円筒型プリーツエレメントの1例を示す概略図であり;
図15(b)は、円筒型プリーツエレメント(図15(a)に示す)における、プリーツ成形体の上面図であり;そして
図15(c)は、円筒型プリーツエレメント(図15(a)に示す)をプリーツ方向に平行に切断した断面図である。
2 加湿エレメント
3 コンプレッサー
4 水素供給源
5 補強フレーム
6 プリーツエレメント
7 シール材
8 ハウジング
9 圧力緩衝部
21、21S、21M 乾燥側流路
22、22S、22M 湿潤側流路
23 加湿膜基材
23A 加湿膜
23B 通気性補強材
31、32、33、34、41、42 配管
35、37、211、221 吸気口
36、38、212、222 排気口
51 接着剤
61 吸気口・排気口の幅
62 吸気口・排気口の長さ
63 吸気口・排気口の間隔
70 流路構成手段
81 スタッドボルト
82 補強材
91、92 開口部A
93 開口部Aの対向面
A 開口部A
B 開口部B
Claims (12)
- 加湿膜と少なくとも1層の通気性補強材の積層体からなるプリーツ成形体とその外周部に設けられた補強フレームからなる平面型プリーツエレメント、該プリーツエレメントの両面に配置された2枚の圧力プレート(ハウジング)と補強フレームの端部が互いに密着することによって気密容器を構成する「プレート型」加湿装置であって、該プリーツエレメントの両側に設けられた乾燥側・湿潤側の流路、各流路に備えられた1組以上の吸気口・排気口、および、外部配管と吸気口・排気口の間に備えられた圧力緩衝部からなり、該圧力緩衝部は、外部配管側と加湿エレメント側にそれぞれ開口部Aと開口部Bを備え、開口部Aは外部配管と同じ形状をもち、開口部Bは加湿エレメントの吸気口・排気口と同じ形状を持ち、且つ該圧力緩衝部は下部を長手方向に切断して長方形の開口部Bを作ったパイプを該ハウジングに設けて構成され、プリーツエレメントの内部が加湿膜によって分割され、それぞれが乾燥側・湿潤側の流路の一部もしくは全部を構成することを特徴とする加湿装置。
- 2枚の圧力プレートの中に少なくとも1個のプリーツエレメントが配置され、各プリーツエレメントの補強フレーム端部と2枚の圧力プレートが互いに密着して1つの気密空間を構成することを特徴とする、請求項1に記載の加湿装置。
- 乾燥側および湿潤側のいずれかの流路において、2組以上の吸気口・排気口を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の加湿装置。
- 乾燥側および湿潤側のいずれかの流路において、流路分割数が2以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の加湿装置。
- 加湿膜の120℃熱収縮率が10%以下、であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の加湿装置
- プリーツの高さが5mm以上200mm以下、であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の加湿装置。
- プリーツエレメントの長さが300mm以下、であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の加湿装置。
- プリーツエレメントの座屈強度が10kPa以上、であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の加湿装置。
- 流路高さのプリーツ高さに対する比率Cが、乾燥側・湿潤側それぞれにおいて、流路内部のいずれかの点で1.0以上5.0以下、湿潤側流路容積の乾燥側流路容積に対する比率Vが0.5以上100以下、プリーツピッチPの加湿膜基材厚さTに対する比率Mが0.8以上3.0以下、であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の加湿装置。
- 乾燥側及び湿潤側のいずれかの流路において、空間部流路に流路制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の加湿装置。
- 2個以上のプリーツエレメントが平面的に配置されたことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の加湿装置。
- 2個以上のプリーツエレメントが積層され、積層された隣接するプリーツエレメント間で乾燥側または湿潤側流路を共有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の加湿装置。
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