JPWO2004096814A1 - ポリ塩化ビフェニル誘導体及びこれを使用した測定法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、下記一般式(1):〔式中、X及びYは同一又は相異なって水素原子又は塩素原子を示し、R1はビオチン残基を示し、R2は同一又は相異なってアルギニン残基又はリジン残基を示し、nは1〜5の整数を示し、mは1〜3の整数を示す。〕で表されるビオチン化PCB誘導体、及び該誘導体を標識体として利用することを特徴とするPCB又はコプラナーPCBの免疫測定法に関する。本発明によれば、迅速且つ簡便にPCB又はコプラナーPCBを測定・検出することができる。

Description

本発明は、新規なポリ塩化ビフェニル(以下、「PCB」という)誘導体、及びこれを使用したPCB又はコプラナーPCBの改良された免疫測定法に関する。
PCBは毒性が強く、製造、使用が禁止されているが、過去に製造されたものが、環境中の大気、河川、土壌、底質に拡散されており、また、製造物も多量に保管されたままになっている。そして、2001年6月にPCB処理特別措置法が成立し、同年7月に施行されたことから、現在保管しているPCBを2016年までに無害化処理することが企業に義務付けられている。
一方、コプラナーPCBはPCBのうち平面構造を有するPCBであり、ダイオキシン類に属し、毒性係数(TEF)が定められている。そして、1999年に発表されたダイオキシン類特別措置法に基づき、地域の自浄能力を基本目標として、TEFに従って環境基準が定められ、環境保全がなされている。
従来、PCBの測定に関しては、主にガスクロマトグラフィー(GC)が行われている。しかしながら、この方法はGC機器をもつ特別な施設を要し、多数の検体(サンプル)の処理能力に限界があり、また、上記に示したPCB分解処理事業が進むことから、適性に分解されているか否かを調査するため、PCB測定の需要はさらに増すことが予想される。
従って、より簡便で多数の検体中のPCBを迅速に測定・検出できる方法が望まれ、最近では、免疫測定(ELISA)によるPCBの測定法が報告されている(例えば、フィールド アナリテイカルケミストリー アンド テクノロジー(Field analytical chemistryand technology),1999年,3巻,p179−184)。
しかしながら、該ELISA法は間接競合法によるもので、PCB自体を測定プレートに固定しなければならず、現在特定化学物質第一類に属するPCBは永久保管が義務付けられているため、プレート自体も保管対象となってしまうという問題がある。
本発明は、上記の保管の問題もなくPCB又はコプラナーPCBを簡便に測定できる方法を提供することを目的とする。より詳細には、本発明は、上述した免疫測定法本来の利点は保持したままで、PCB又はコプラナーPCBを測定プレートに固相化することなく測定・検出できる改良された免疫測定法及びこれに用いられる標識体を提供することをその主要な目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(1)で表される新規なビオチン化PCB誘導体が、上記目的に合致する免疫測定法における標識体として有用であることを見出した。
すなわち、本発明は、一般式(1):
Figure 2004096814
〔式中、X及びYは同一又は相異なって水素原子又は塩素原子を示し、Rはビオチン残基を示し、Rは同一又は相異なってアルギニン残基又はリジン残基を示し、nは1〜5の整数を示し、mは1〜3の整数を示す。〕
で表されるビオチン化PCB誘導体を提供するものである。
また、本発明は、上記ビオチン化PCB誘導体を標識体として利用することを特徴とするPCB又はコプラナーPCBの免疫測定法を提供するものである。
本発明のビオチン化PCB誘導体を用いれば、PCB又はコプラナーPCBを測定プレートに固相化することなくPCB又はコプラナーPCBを測定・検出できる。従って、プレート自体を保管しなければならないという問題を起こすことなく、迅速且つ簡便にPCB又はコプラナーPCBを測定・検出することができる。
図1は、実施例2に従い作成された本発明免疫測定法における標準曲線である。
本発明のビオチン化PCB誘導体は、免疫測定系の液相に可溶である(水溶性である)ことによって特徴付けられる。従って、これはPCB又はコプラナーPCB免疫測定法における標識体として極めて有用である。
ビオチンは、ビオチン/アビジンの特異結合を利用した間接標識剤として慣用されており、また、一般の酵素類と比較して、低分子(分子量244.31)であることより、免疫測定法における標識体としての利用が好ましいものの、それ自体水溶性に欠けており、水溶性に欠けるPCBとの結合体は、当然に水不溶性であるため、上記免疫測定法には採用することが極めて困難である。
これに対して、本発明のビオチン化PCB誘導体は、PCB又はコプラナーPCB免疫測定法への利用に適した水溶性を具備しており、しかも抗PCB抗体との交差反応性を消失しないものであり、これらの点より、斯界で要望されるPCB又はコプラナーPCB免疫測定法への利用に適したものである。
一般式(1)中、Xが水素原子であり、Yが塩素原子であり、nが5であり且つmが2である本発明ビオチン化PCB誘導体は、毒性係数が定められておらず、毒性係数の定められているコプラナーPCBに比し、毒性が極めて低いと予想され、従ってこの誘導体を利用することは、その安全性が高く保たれると考えられる。
一般式(1)における−(R−NHNH−Rは、Rで示されるビオチン残基のカルボキシル基と、Rで示されるアミノ酸残基のカルボキシル基がヒドラゾ基を介して結合することを意味する。
また、Rで示されるアミノ酸残基(Arg及びLys)は、特に断らない限り、D体及びL体の両者を包含するものとする。
本発明のビオチン化PCB誘導体は、例えば、下記一般式(2)で示される化合物と、一般式(3)で示される化合物との縮合反応により製造することができる。
Figure 2004096814
〔式中、R、R、X、Y、m、nは前記に同じ。〕
ここで一般式(3)の化合物は、通常の液相法及び固相法を包含する一般的なペプチド化学合成法に従い、例えば、ビオチンヒドラジド及び所望のアミノ酸の1種を、又は2種以上を順次、縮合反応させることにより製造することができる。該合成法において、採用される縮合反応も、公知の各種縮合反応に従うことができる。
該合成法に採用される縮合反応としては、例えば、アジド法、混合酸無水物法、DCC法、活性エステル法、酸化還元法、DPPA(ジフェニルホスホリルアジド法)、DCC+添加物(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシスクシンアミド、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド等)、ウッドワード法等を例示できる。
これら各方法に利用される溶媒も、この種のペプチド縮合反応に慣用される各種の溶媒から適宜選択することができる。その例としては、例えばN−メチリピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等及びこれらの混合溶媒等を例示できる。
尚、上記縮合反応において、反応に関与しない官能基は、常法に従い、通常の保護基により保護でき、これらは反応終了後に脱離できる。これら各反応方法は公知であり、それらに用いられる試薬類も公知のものから適宜選択できる。
例えば、アミノ基の保護基としては、ベンシルオキシカルボニル、第三級ブトキシカルボニル(Boc)、イソボルニルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル等を例示できる。
アルギニンのグアニジノ基の保護基としては、例えば2,2,5,7,8−ペンタメチルクロモン−6−スルホニル(Pmc)、2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル(Pbf)、ニトロ、ベンジルオキシカルボニル、Boc、p−トルエンスルホニル等を例示できる。
これら保護基の脱離反応もまた慣用される方法、例えば、接触還元法や、液体アンモニア/ナトリウム、フッ化水素、臭化水素、塩化水素、トリフルオロ酢酸(TFA)、酢酸、メタンスルホン酸等を用いる方法等に従い実施できる。
一般式(2)の化合物と一般式(3)の化合物の縮合反応も、上記した縮合反応に準じて実施することができ、保護基の導入と脱離も同様にして行うことができる。
尚、一般式(2)の化合物は、公知の方法(Toxicology and Appliedpharmacology,50,137−146(1979)等)に従い容易に製造することができる。
斯くして得られる本発明の一般式(1)で表されるビオチン化PCB誘導体は、定法に従い、高速液体クロマトグラフィー等の各種の精製手段により適宜その精製を行うことができる。
本発明のビオチン化PCB誘導体の利用によれば、通常の免疫測定法、例えば酵素免疫測定法(ELISA法)等の方法に従って、PCB又はコプラナーPCBの特異的且つ高感度な測定・検出が可能である。ここで、PCBとは、ビフェニル骨格に塩素1〜10個が結合した化合物をいい、例えば産業界で使用されていたカネクロール、アロクロール等のPCB異性体(2〜6塩素化体)混合物も含まれる。
本発明の免疫測定法は、当該ビオチン化PCB誘導体を測定系の標識体として利用するものであり、それ以外は通常の各種免疫分析方法に従い実施することができる。
測定系の抗PCB抗体は、所望により、各種の任意の固相に固定化して用いることができる。当該固相としては、この種の技術分野において慣用の各種の固相が利用できる。該固相への抗体の固定化も、特に制限はなく、通常の物理的結合及び化学的結合のいずれによっても実施することができる。
免疫反応も特に制限はなく、通常の免疫測定法で採用されている条件、例えば、一般には45℃以下、通常4〜40℃にて約0.5から数時間程度の条件下に実施することができる。また、反応に使用される溶媒及びそのpHも当該反応に悪影響を与えないものであれば、特に制限されない。その例としては、例えばクエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液、酢酸緩衝液等を挙げることができる。
本発明測定法は、好適には、本発明標識体を用いる競合法に従い実施することができる。例えば、抗PCB抗体を固相化してなる固相化抗体に、標識体としての本発明誘導体の存在下に、測定対象のPCBを含み得る検体を加えて、抗原抗体反応(競合)を行わせる。次いで、固相化抗体に結合した標識体を通常のアビジンからなる検出試薬を用いて測定する。
ここでアビジンからなる検出試薬としては、特に制限されることなく一般に当業界で採用されている各種の標識剤で修飾されたアビジンあるいはストレプトアビジンを広く用いることができる。アビジンの標識剤としては、特に制限されず、従来公知のもの又は将来使用され得るいずれのものをも用いることができる。具体的には、ペルオキシダーゼ(HRP)やアルカリフォスファターゼ(ALP)等の酵素類を好ましいものとして例示することができる。これら標識剤によるアビジンの修飾は、自体公知の方法に従って実施できる。また、これらの修飾体は、市販品としても入手できる。
また、抗PCB抗体がプレートに固相化されており、PCB、コプラナーPCB及び標識体は直接プレートに固相化されないことから、発色後にpHを操作することにより容易に液相に移行し得る。
尚、標準品(スタンダード)としては、PCB或いはその構造類似物質が利用でき、特にPCBの一つである下記の3,4,5−Trichlorobiphenylが好ましいものとして例示できる。
Figure 2004096814
本発明に係るPCB又はコプラナーPCBの特異的測定・検出法の特に好ましい一例としては、後述する実施例に記載の高感度ELISA法が挙げられる。
本発明に係るPCB又はコプラナーPCBの測定・検出に際しては、本発明ビオチン化PCB誘導体を有効成分として含有する測定キットを利用するのが簡便である。斯かるキットには、当該誘導体に加えて、前記したアビジンからなる検出試薬、抗PCB抗体、標準品及びアッセイ緩衝液等の、当該測定・検出を実施するのに際して必要な、任意の他の試薬をさらに包含させることができる。
本発明に係るPCB又はコプラナーPCBの測定法は、被検物質としてのヒト及び動物中の、即ちヒト及び動物の組織、血液、尿、骨髄液、唾液及び魚類の組織及び血液中の測定・検出に有効な手段を与えるものであり、外因性物質の生体刺激一分泌機構或いは臓器組織への影響の解明・研究に役立つものである。
本発明に係るPCB又はコプラナーPCBの測定法は、被検物質としての灰、土壌、底質、オイル、河川、海水、排水、大気等環境中のPCB又はコプラナーPCBの測定・検出にも有用である。
本発明測定法に利用される抗PCB抗体は、測定対象であるPCB或いはコプラナーPCBに特異反応性を有するものであれば、特に制限はなく、これらは前記した各種公知の抗体或いはそれらに準じて製造した抗体であることができる。該抗体には、温血動物の抗血清や鶏卵抗体等のポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体が含有され、対象とするPCB異性体に応じて適宜選択することができる。
上記において免疫抗原としては、好ましくは前記一般式(2)で表される化合物のキャリア蛋白結合体であることができる。
上記キャリア蛋白としては、抗原又はハプテンの免疫原性を高めるものとして当該分野で慣用の各種キャリア蛋白、例えばアルブミン、グロブリン、チオグロブリン、ヘモシアニン等の各種動物蛋白質やポリリジン等を制限なく採用できる。これらキャリア蛋白質は、前記した縮合反応と同様にして、慣用の試薬を用いた縮合反応により、一般式(2)の化合物との結合体とすることができる。
斯くして得られるキャリア蛋白結合体は、それ自体所望の免疫原性を有し、本発明測定法に良好に採用し得る特異抗体製造用の免疫抗原として使用できる。尚、かかる免疫抗原は、所望により、上記キャリア蛋白結合体を高分子吸着体に吸着させて得られる吸着体として使用することもできる。
ここで、高分子吸着体としては、免疫原性を高めるものとして、当該分野で慣用される各種高分子物質を採用することができ、例えば、ポリビニルピロリドン、ラテックス、ブタチオグロブリン等の血清蛋白質及び炭素末等を例示できる。該高分子吸着体と上記キャリア蛋白質とを常法に従い混和することにより所望の吸着体が得られる。
上記免疫抗原を用いた免疫及び所望の抗体の取得操作も、常法に従うことができる。例えば、ポリクローナル抗体の製造は、ウサギ、ヒツジ、モルモット、ニワトリのような温血動物に、上記免疫抗原を通常、フロイントの完全アジュバントと混和して調製した乳化物を、複数回注射免疫し、得られる抗血清を常法に従い取得することにより実施できる。また、ニワトリの場合には、上記免疫抗原を複数回免疫して、該ニワトリが産卵する鶏卵にイムノグロブリン(IgY)を産生させ、そして該鶏卵の卵黄より、常法に従いIgYを取得することによっても、所望のポリクローナル抗体を得ることができる。
また、斯かる抗体は、勿論モノクローナル抗体として取得することもできる。該モノクローナル抗体は、例えば上記免疫抗原をフロイントの完全アジュバントとともにマウスに複数回投与して免疫し、抗体を産生させるとともに、例えば細胞融合等の常法に従い、得られる抗体産生細胞と骨髄脾細胞を分離し、該細胞の培養により取得することができる。斯くして得られる抗体は、所望により、硫安塩析、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー等の常法に従いさらに精製することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。しかし、これらの実施例は非制限的なものであり、本発明の範囲はそれらの例によって限定解釈されるべきものではない。
実施例1 ビオチン化PCB誘導体の作製
上記一般式(1)のうち、nが5、mが2でRはいずれもアルギニン(Arg)残基である6−(3,3’,4’,5’−tetrachlorobiphenyl−4−yloxy)hexanoyl−Arg−Arg−NHNH−biotinを作製するにあたり、上記一般式(3)のうち、mが2でRはいずれもArg残基であるH−Arg(Pbf)−Arg(Pbf)−NHNH−biotinの作製を行った。
即ち、Fmoc−Arg(Pbf)−OH(648.8mg)、HOBt(135.1mg)及びbiotin−N(258.3mg)をDMF(5mL)に溶解後、−10℃でWSCD(211.7μL)を加え室温で18時間攪拌した。溶媒を留去、残さを酢酸エチルに溶解し、1N HCl、5%NaHCO及び飽和食塩水で洗浄後、無水NaSOで乾燥、ろ過した。ろ液を濃縮、残さに石油エーテルを加え固化後、酢酸エチルー石油エーテルより再沈殿しFmoc−Arg(Pbf)−NHNH−biotin(800.2mg)を得た。
ここで得たFmoc−Arg(Pbf)−NHNH−biotin(800.2mg)を20%ピペリジンのジクロロメタン溶液(5mL)に溶解、室温で10分間攪拌後溶媒留去、残さを酢酸エチルに溶解した。酢酸エチル層を蒸留水及び飽和食塩水で洗浄、乾燥後、溶媒留去し残さにエーテルを加え固化しH−Arg(Pbf)−NHNH−biotinを366.8mg得た。
このH−Arg(Pbf)−NHNH−biotin(366.8mg)、HOBt(89.2mg)及びFmoc−Arg(Pbf)−OH(374.7mg)をDMF(5mL)に溶解、−10℃でWSCD(116.4μL)を加え室温で18時間攪拌後、溶媒を留去した。残さに氷冷下蒸留水を加え固化、メタノールーエーテルから再沈殿しFmoc−Arg(Pbf)−Arg(Pbf)−NHNH−biotin(635.2mg)を得た。
ここで得たFmoc−Arg(Pbf)−Arg(Pbf)−NHNH−biotin(635.2mg)を先の方法と同様に20%ピペリジンのジクロロメタン溶液(5mL)で室温10分間処理し、残さを酢酸エチルに溶解、蒸留水及び飽和食塩水で洗浄、乾燥後、溶媒を留去した。残さをメタノールに懸濁し不溶物をろ去後、ろ液を濃縮、残さにエーテルを加え503.2mgのH−Arg(Pbf)−Arg(Pbf)−NHNH−biotinを得た。
上記一般式(2)のうちnが5の6−(3,3’,4’,5’−tetrachlorobiphenyl−4−yloxy)hexanoic acid(8.4mg)、HOBt(5.9mg)及びH−Arg(Pbf)−Arg(Pbf)−NHNH−biotin(23.7mg)をDMF(3mL)に溶解、−10℃でWSCD(7.8μL)を加え室温で18時間攪拌後、溶媒を留去した。残さに氷冷下蒸留水を加え固化し粗生成物26.7mgを得た。この粗生成物(26.7mg)をTIPS(0.15mL)を含むTFA(3.85mL)に溶解し、室温で2時間攪拌後溶媒を留去後、残さにエーテルを加え粗生成物6−(3,3’,4’,5’−tetrachlorobiphenyl−4−yloxy)hexanoyl−Arg−Arg−NHNH−biotin(17.8mg)を得た。ここで得た粗生成物17.8mgを50%酢酸(3mL)に溶解し0.2%TFA/アセトニトリル混合溶媒系を用いる逆相HPLCにより精製し、目的の化合物6−(3,3’,4’,5’−tetrachlorobiphenyl−4−yloxy)hexanoyl−Arg−Arg−NHNH−biotinを6.0mg得た。
実施例2 ビオチン化PCB誘導体を使用した免疫測定法
(1)抗体固相化プレートの作製
96ウエルのマイクロプレートの各ウエルに、D−PBS(日水製薬)で1.2μg/mLに調整した抗PCB IgG抗体を100μLづつ分注した。4℃で18〜24時間静置後、洗浄液(0.9% NaCl,0.05% Tween 20含有)で3回洗浄後、ブロッキング液(1% BSA,5% ソルビトール含有D−PBS)を各ウエルに300μLづつ分注して4℃で18〜24時間静置した。上清を捨て、25℃インキュベーターにて一晩乾燥させ、抗PCB抗体固相化プレートを得た。
(2)標準液の調製
3,4,5−Trichlorobiphenyl(CIL社製)をDMSOに溶かし、濃度63μg/mLの標準液とした。この溶液をクエン酸緩衝液(0.05% BSA,0.6M NaCl,0.05% NaN含有100mMクエン酸)にて、3000ng/mLに希釈調整後、クエン酸緩衝液で4倍希釈の操作を行い、6濃度の標準希釈液を調製した。
(3)標識体の調製
実施例1で得たビオチン化PCB誘導体を吸光度2.0となるようにクエン酸緩衝液で希釈して使用した。
(4)酵素標識体の調製
Streptavidin−HRP(Oncogene社製)をStabilizyme−HRP(SurModics社製)で20μg/mLに調整し、これを用時にリン酸緩衝液(0.1%BSA,0.1%プロクリン,0.005%Tween20含有D−PBS)で801倍希釈して使用した。
(5)発色液
TMB液(DAKO社製)を使用した。
(6)測定
抗PCB抗体固相化プレートの各ウエルに標準品50μL又は測定すべき検体50μLを加え、さらに上記標識体50μLを添加し、プレートをシールで密封し、室温にて2時間反応させた。つづいて、各ウエルを洗浄液で3回洗浄後、上記酵素標識体を100μLずつ注入し、室温で1時間反応させた。各ウエルを3回洗浄後、発色液を100μLずつ注入し、室温で10分間反応させ、停止液として2N硫酸100μLずつ加え、マイクロプレート用吸光度計を用いて、波長450nm(対照波長650nm)の吸光度を測定した。斯くして得られた標準曲線を図1に示す。

Claims (3)

  1. 一般式(1):
    Figure 2004096814
    〔式中、X及びYは同一又は相異なって水素原子又は塩素原子を示し、Rはビオチン残基を示し、Rは同一又は相異なってアルギニン残基又はリジン残基を示し、nは1〜5の整数を示し、mは1〜3の整数を示す。〕
    で表されるビオチン化PCB誘導体。
  2. Xが水素原子であり、Yが塩素原子であり、nが5であり、mが2である請求項1記載のビオチン化PCB誘導体。
  3. 請求項1記載のビオチン化PCB誘導体を標識体として利用することを特徴とするPCB又はコプラナーPCBの免疫測定法。
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