JPWO2004084848A1 - 育毛剤および育毛剤組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、発毛や育毛を促進する効果に優れ、かつ連続使用に十分耐え得る安全性を備えた発毛・育毛成分を発見し、これを有効成分とした育毛剤を提供することを課題とする。本発明によりミカン科ヘンルーダ属植物を疎水性溶媒、親水性溶媒または含水溶媒により抽出して抽出液を得、必要により該抽出液を濃縮して抽出物を得ることを特徴とする抽出物の製造方法、および得られた抽出物を含有することを特徴とする育毛剤が提供される。また、本発明によりヘンルーダ属植物抽出物の他、更に血流促進剤、抗菌剤、抗炎症剤、保湿剤、栄養供給剤からなる群から選ばれる薬効成分の1種または2種以上を更に含有する育毛剤組成物が提供される。
Description
本発明は、ミカン科ヘンルーダ属植物の植物体から抽出して得られた抽出物を含有する、優れた発毛、育毛作用を持つ育毛剤に関するものである。本発明の育毛剤及び育毛組成物は、特に医薬部外品や化粧品などの分野において利用される。
社会環境の変化によるストレスや食生活の変化などが一因となり、近年薄毛や抜け毛、脱毛に悩む人が増加傾向にある。また、この傾向は、中高齢層から若年齢層にひろがりつつあることから、薄毛や抜け毛、脱毛の発症原因、メカニズムについての解明が求められている。最近では、毛生えのメカニズムについて多くの研究がなされているが未だ不明な点が多く、そのため各種生薬や薬剤を配合した育毛剤が非常に多く市販されている。例えば、ヨクイニン、イチョウ、カシュウ等の抽出エキス(特公平1−13451号公報、特開平2−48514号公報)を配合したしたもの、また、ビタミンE、アロキサジン、ピリジンN−オキシド、アデノシン−3’、5’−サイクリックモノホスフェート等(特開昭64−56608号公報、特開平1−261321号公報、特開平2−204406号公報)がある。
これら植物抽出物や生薬等が配合された市販の育毛剤は、薄毛や抜け毛、脱毛の発症の一因とされるフケ、痒みの改善などの予防に有効とされ、発毛や育毛を促進するとされている。しかしながら、その発毛・育毛効果には個人差が大きく、顕著な効果を示すものは殆どないのが実状である。それゆえに、より効果の高い新たな育毛剤の開発が求められている。
これら植物抽出物や生薬等が配合された市販の育毛剤は、薄毛や抜け毛、脱毛の発症の一因とされるフケ、痒みの改善などの予防に有効とされ、発毛や育毛を促進するとされている。しかしながら、その発毛・育毛効果には個人差が大きく、顕著な効果を示すものは殆どないのが実状である。それゆえに、より効果の高い新たな育毛剤の開発が求められている。
これまでに提供された育毛剤には、上記の例に挙げたとおり、各種の化合物や植物抽出物、生薬エキスが配合されているが、実際に顕著な効果を示すものは殆どなく、またある程度の効果を有するものであっても、副作用や皮膚刺激により皮膚炎を起こすなど連続使用が困難である等の欠点があった。そのため、発毛や育毛を促進する効果に優れ、かつ連続使用に十分耐え得る安全性を備えた発毛・育毛成分を発見し、これを有効成分とした育毛剤を提供することが課題であった。
本発明者らは、上記の課題に鑑み、脱毛防止、発毛、育毛等に有効で、安全性に優れた天然植物由来の抽出物について評価を重ねた結果、ミカン科ヘンルーダ属植物の抽出物に非常に高い育毛効果を見出し、且つ連続使用における安全性にも問題がないことを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、ミカン科ヘンルーダ属植物を例えば疎水性溶媒、親水性溶媒または含水溶媒により抽出し、得られた抽出物を含有することを特徴とする育毛剤に関する。また、本発明は、ミカン科ヘンルーダ属植物からの抽出物の製造方法に関する。また本発明は、ミカン科ヘンルーダ属植物の抽出物の他、更に血流促進剤、抗菌剤、抗炎症剤、保湿剤、栄養供給剤からなる群から選ばれる1種または2種以上の薬効成分を含有する育毛剤組成物に関する。
本発明のヘンルーダ属植物の抽出物を有効成分として配合することにより、優れた発毛・育毛効果を有し、また、長期連用による皮膚障害等も認められず安全面での弊害もない育毛剤が提供される。
本発明者らは、上記の課題に鑑み、脱毛防止、発毛、育毛等に有効で、安全性に優れた天然植物由来の抽出物について評価を重ねた結果、ミカン科ヘンルーダ属植物の抽出物に非常に高い育毛効果を見出し、且つ連続使用における安全性にも問題がないことを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、ミカン科ヘンルーダ属植物を例えば疎水性溶媒、親水性溶媒または含水溶媒により抽出し、得られた抽出物を含有することを特徴とする育毛剤に関する。また、本発明は、ミカン科ヘンルーダ属植物からの抽出物の製造方法に関する。また本発明は、ミカン科ヘンルーダ属植物の抽出物の他、更に血流促進剤、抗菌剤、抗炎症剤、保湿剤、栄養供給剤からなる群から選ばれる1種または2種以上の薬効成分を含有する育毛剤組成物に関する。
本発明のヘンルーダ属植物の抽出物を有効成分として配合することにより、優れた発毛・育毛効果を有し、また、長期連用による皮膚障害等も認められず安全面での弊害もない育毛剤が提供される。
以下、本発明について詳述する。
本発明に用いるヘンルーダ属植物としては、ルタ・グラビオレンス(Ruta graveolens)、ルタ・チャレペンシス(Ruta chalepensis)、ルタ・モンタナ(Ruta montana)、ルタ・アンガスティフォリア(Ruta angustifolia)、ルタ・コルシカ(Ruta corsica)等が挙げられる。この中で、ルタ・グラビオレンスは、南ヨーロッパ原産の多年草植物であり「ルー」の名で知られているハーブで、全体にやや刺激臭の強い精油を含有し、少量がハーブティーとしても利用されている。
本発明に使用するヘンルーダ属植物の抽出物を得るには、当該植物を構成する組織全体またはその一部である植物体の各部位、好ましくは葉、茎、花等の器官、または全草を乾燥後あるいは生植物のまま裁断したものを用いる。
使用する抽出溶媒は、当植物乾燥物または生植物の重量当たりに対して2〜20倍量の抽出溶媒が用いられる。
抽出溶媒としては、疎水性溶媒、親水性溶媒又は含水溶媒であり、具体的には水、低級1価アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等)、低級アルキルエステル(酢酸エチル等)、炭化水素(ベンゼン、ヘキサン、ペンタン)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル、アセトニトリル等)が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。
抽出方法は特に限定されないが、常温または加温下でおこなう。その方法としては浸漬抽出などの通常抽出、ソックスレー抽出等がある。抽出時間に制限はないが一般的に1時間〜2週間が好ましい。
本発明において抽出物とは、ヘンルーダ属植物の組織全体またはその一部である植物体の各部位から抽出される成分の全てまたはその一部を含むものである。
本発明に係る抽出物は抽出時の溶媒を含むもの、溶媒を一部/又は全部を濃縮等の操作により除去したもの、乾燥したものを包含する。本発明の育毛剤とは、上記の抽出物を含むものである。
本発明に係わる抽出物を得る具体的な方法としては、まず第1の工程としてミカン科ヘンルーダ属植物を疎水性溶媒、親水性溶媒又は含水溶媒を用いて抽出して抽出液を得る必要がある。具体的な方法としては例えば、ルタ・グラビオレンス乾燥植物体100gに対して抽出溶媒1〜1.5Lを用い、室温下で1週間浸漬抽出する。そして、必要に応じて第2の工程として上記で得られた抽出液を濃縮する。具体的には例えば、吸引濾過後、溶媒を除くために減圧濃縮することによって乾固した抽出物が得られる。ここで得られた抽出物はそのまま、あるいは適宜の溶媒等で溶解または分散希釈し基剤中に配合して、本発明の育毛剤を得ることができる。また、ここで得られた抽出物を各1Lの水およびヘキサン、あるいは水およびクロロホルムを用いて分配抽出し、得られたヘキサンまたはクロロホルム層を減圧濃縮することによって乾固した抽出物が得られる。ここで得られた抽出物はそのまま、あるいは適宜の溶媒等で溶解または分散希釈し基剤中に配合して、本発明の育毛剤を得ることが出来る。
本発明の育毛剤におけるヘンルーダ属植物抽出物の乾物換算あたりの配合量は、特には限定されないが、好ましくは、総量を基準として0.01〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%である。
また、本発明に係る育毛剤組成物には、上記したヘンルーダ属植物抽出物以外に血流促進剤、抗菌剤、抗炎症剤、保湿剤、栄養供給剤からなる群から選ばれる1種または2種以上の薬効成分を適宜配合することが可能である。
本発明におけるヘンルーダ属植物の抽出物には、これ自体に優れた発毛・育毛効果があるが、血流促進剤、抗菌剤、抗炎症剤、保湿剤、栄養供給剤からなる群から選ばれる薬効成分の1種または2種以上を配合することにより、更に効果を高めることが可能である。具体的な薬効剤としては、以下のものが例示できる。また、誘導体には形成可能なエステルや塩が含まれる。本発明の育毛剤組成物は、(A)上記のミカン科ヘンルーダ属植物の抽出物と、(B)上記の血流促進剤、抗菌剤、抗炎症剤、保湿剤、栄養供給剤からなる群から選ばれる薬効成分の1種または2種以上を含有するものである。(B)の配合量は特に限定されるものではないが、育毛剤に対し10重量%以下が好ましい。
(血流促進剤)
血流促進剤としては、ビタミンE及びその誘導体、センブリエキス、ニンニクエキス、ショウガエキス、トウガラシエキス、ローズマリーエキス等が挙げられる。
(抗菌剤)
抗菌剤としては、ヒノキチオール、イソプロピルメチルフェノール、グリチルレチン酸、エタノール等が挙げられる。
(抗炎症剤)
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、チアミン塩酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチド、ニコチン酸アミド、塩化コリン、アロエ抽出物、アルニカ抽出物、アシタバ抽出物、ウコン抽出物、キハダ抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、コンフリー抽出物、スイカズラ抽出物、セージ抽出物、ワレモコウ抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、ムクロジ抽出物、ユーカリ抽出物、ヨモギ抽出物、レンゲソウ抽出物、コンドロイチン硫酸及びその誘導体等が挙げられる。
(保湿剤)
保湿剤としては、グリセリン、ニンジン抽出液、アロエ抽出液、冬虫夏草抽出液、プラセンタ抽出液、ホホバ油、ローヤルゼリー、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、トレハロース等が挙げられる。
(栄養供給剤)
栄養補給剤としては、グリシン、アラニン、アルギニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、スレオニン、リジン等のアミノ酸及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、パントテン酸カルシウム、ニコチン酸アミド、チアミン塩酸塩、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ビオチン等のビタミン類が挙げられる。
本発明の育毛剤を製造するには種々の方法が挙げられる。例えば、ミカン科ヘンルーダ属植物の抽出物を適当な溶媒に溶解または懸濁させて、液剤、懸濁剤、乳剤、エアゾール剤またはローション剤等の液体状の製剤としても良く、軟膏、ゲルまたはクリームなどの半固形状の製剤としても良い。半固形状の製剤とする場合には、各種のワックス及びロウ類、高級アルコール、多価アルコール、無機顔料などを配合することができる。
ワックス及びロウ類としてはミツロウ、合成ワックスなどを例示することができる。高級アルコールとしてはセチルアルコールを例示することができ、多価アルコールとしてはグリセリン、ワセリン、ラノリンなどを例示することができる。
このような製剤とする場合には、一般に揮散し得る希釈剤または溶剤を使用することが、適用部位に活性成分を残存させることが可能となるために好ましい。このような希釈剤または液剤としては、エタノール、イソプロパノールなどの炭素数1−4のアルコール類などを挙げることができる。
本発明の育毛剤組成物を製造するために使用されるものとしてはこの他に、乳化剤、pH調整剤、ロウ類、芳香剤、保存剤、溶解補助剤、着色剤またはその他の適当な添加剤を使用することができる。乳化剤としては各種の高級アルコール、多価アルコール、脂肪酸、各種脂質などを例示することができる。また、ロウ類としてはミツロウ、木ロウ、各種合成ワックスなどを例示することができる。また、保存剤としてはアジ化ナトリウムを例示することができる。また、着色剤としては各種色素を例示することができる。
また、本発明の育毛剤には、上記の血流促進剤、抗菌剤、抗炎症剤、保湿剤、栄養供給剤に加えて、必要に応じて、通常の皮膚化粧料に用いられる添加物、例えば水性成分、油性成分、粉末成分、アルコール類、エステル類、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、色剤、香料、抗酸化剤、pH調整剤、キレート剤等の成分を配合することができる。
本発明の育毛剤としては種々の剤型が挙げられる。例えば、シャンプー、リンス、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアトリーメント、ポマード等が挙げられ、常法に従って調製することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例に先立ち、本発明のヘンルーダ属植物抽出物の製造例および得られた抽出物の育毛評価に関する試験方法とその結果について説明する。
[製造例1]
ルタ・グラビオレンスの全草乾燥植物体100gに対して10倍量のメタノールを加え、室温で96時間浸漬抽出し吸引濾過で残渣を濾別した。得られた抽出液を減圧下で濃縮乾固し、ルタ・グラビオレンスの抽出物12.5gを得た。
[製造例2]
ルタ・グラビオレンスの全草生植物体100gに対して15倍量のメタノールを加え超音波抽出処理を30分間行い吸引濾過で残渣を濾別した。この処理を2回繰り返して実施し、得られた抽出液を減圧下で濃縮乾固してルタ・グラビオレンスの抽出物9.6gを得た。
[製造例3]
ルタ・グラビオレンスの全草乾燥植物体100gに対して10倍量の50%エタノールを加え、室温で168時間浸漬抽出し、吸引濾過で残渣を濾別した。得られた抽出液を減圧下で濃縮して溶媒を除去後凍結乾燥し、ルタ・グラビオレンスの抽出物19.9gを得た。
[製造例4]
ルタ・グラビオレンスの全草乾燥植物体100gに対して10倍量の水を加え、90℃で2時間加温抽出した後吸引濾過で残渣を濾別した。得られた抽出液を冷却して凍結乾燥し、ルタ・グラビオレンスの抽出物19gを得た。
[製造例5] 育毛剤の製造
上記製造例1により得られたルタ・グラビオレンスの抽出物を用い下記の組成の育毛剤を調製した。
育毛剤の組成
配合成分 配合量(wt%)
ルタ・グラビオレンス抽出物(製造例1) 5.0
酢酸トコフェロール 0.1
パントテニルアルコール 0.2
ニコチン酸アミド 0.1
ポリオキシエチレン(E060)硬化ヒマシ油 0.2
1,3−ブタンジオール 2.0
1−メントール 0.1
ヒノキチオール 0.05
エタノール 55.0
香料 0.1
精製水 37.15
次に、本発明の育毛剤が如何に発毛、育毛効果の点で優れているかを実証するために行った試験結果を示す。
[試験例1]マウス毛成長評価試験
(1)試験試料
本発明品:ルタ・グラビオレンス抽出物(製造例3)を5%含有する70%エタノール水分散液
対照品:ミノキシジルを1%含有する70%エタノール水分散液
コントロール:70%エタノール水溶液
(2)試験方法
47〜48日齢のC3H/HeNCrj(SPF)、雄、日本チャールス・リバー社のマウスを用いて試験を実施した。試験開始3日前にマウスの背部をカミソリで剃毛後、マウスの体重を測定、皮膚に異常の認められない個体を選別して、各群の体重がほぼ均一になるように1群10匹に群分けした。投与検体は試験開始日から1日1回、36日間、マウスの背部に100μL塗布し、塗布1日目、5、7、10、13、16、19、22、25、28、31、34、および37日目に表1に示すスコアで採点し、各個体でスコア5になる日数を求めた。各検体の発毛・育毛効果は、判定スコアが5になった日数を指標として統計学的解析をもとに、無塗布群とコントロール、本発明品、対照品間で行った。検定結果を表2に示す。
表2の検定結果から明らかなように、本発明品であるルタ・グラビオレンス抽出物は、無塗布、コントロール群と比較してスコアが5になった日数が大幅に短縮していることがわかる。また、経口降圧剤として臨床試験中の副作用で発毛作用が確認され、その後皮膚外用剤・発毛剤としてOTC(一般用医薬品)に承認された対照品と比較してもほぼ同じスコアであることから、本発明品であるルタ・グラビオレンス抽出物には、明らかな発毛・育毛促進作用が認められる。
[試験例2]ヒト発毛・育毛評価試験
本発明品を配合した育毛剤を実際に使用した場合の効果について評価試験を実施した。
(1)試料
本発明品配合品:後記記載の実施例1〜4のヘアトニック
比較品 :後記記載の実施例1のヘアトニックからルタ・グラビオレンス抽出物(製造例3)を除いた(水を増量)もの
(2)試験方法
試験は薄毛症、脱毛症を訴える25名(25〜50歳)をパネラーとて5群に分け、各試料を毎日、朝と夜洗髪後頭部にまんべんなく塗布する方法で行った。評価は使用開始3ヶ月目と6ヶ月目に行い、うぶ毛、硬毛が生えてきたと感じたパネラーがどの程度増えたかを計測した。更に、試験終了時に頭皮の状態の改善や、ふけ発生の減少についても聞き取り調査をおこなった。その結果を表3に示す。
表3の結果から明らかのように、本発明品のルタ・グラビオレンス抽出物配合の育毛剤を塗布した群では、何れもうぶ毛が生えた、硬毛が生えたと感じたパネラーが増えていることから、C3Hマウスでの試験結果と同様に、人においても発毛・育毛効果が認められた。また、試験終了時に頭皮の状態が改善され、ふけの発生が減少したと申告したパネラーが実施例1および実施例4で5名、実施例2で2名数えられた。このことから本発明品配合の育毛剤には、頭皮の状態を改善する効果もあることが認められた。更に、本試験期間中に何れのパネラーにも頭皮の状態の悪化や炎症性の反応等、皮膚障害は全く観察されなかったことから、長期連続使用に十分耐え得る安全性を有していることも確認された。
以下に、種々の剤型と本発明によるルタ・グラビオレンス抽出物含有育毛剤(又は育毛剤組成物)の配合例を実施例として記述する。
[実施例1〜4] ヘアトニック
表4に示す配合成分及び配合割合を用い、各成分を加温溶解し、可溶化してヘアトニックを調製した。なお、配合割合は重量%である。
[実施例5] ヘアシャンプー
配合成分 配合量(wt%)
(A) ラウリル酸ジエタノールアミド 5.0
プロピレングリコール 5.0
塩化アルキルトリメチルアンモニウム 0.2
グリセリン 0.2
1−メントール 0.1
ルタ・グラビオレンス抽出物(製造例1) 1.0
(B) トリクロロカルバニリド 0.2
精製水 88.2
(C) 香料 0.1
(製法)
(A)成分を80℃にて加熱混合後冷却し、(B)成分を添加し、次いで(C)を添加してヘアシャンプーを調製した。
[実施例6]ヘアリンス
配合成分 配合量(wt%)
(A) 流動パラフィン 10.0
塩化アルキルトリメチルアンモニウム 0.2
セタノール 2.0
ルタ・グラビオレンス抽出物(製造例2) 2.0
(B) 1,3−ブチレングリコール 5.0
塩酸ジフェンヒドラミン 0.01
精製水 40.0
(C) ニコチン酸トコフェロール 0.02
精製水 40.67
(D) 香料 0.1
(製法)
(A)成分及び(B)成分を80℃に加熱混合し、乳化する。その後40℃付近まで冷却し、(C)成分を添加し、次いで(D)を添加してヘアリンスを調製した。
[実施例7]ヘアクリーム
配合成分 配合量(wt%)
(A) ルタ・グラビオレンス抽出物(製造例4) 3.0
流動パラフィン 30.0
固形パラフィン 1.0
ワセリン 15.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル 2.0
ビタミンEアセテート 0.2
(B) 塩酸ジフェンヒドラミン 0.01
プロピレングリコール 5.0
パラオキシ安息香酸エチル 0.5
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
精製水 43.09
(C) 香料 0.1
(製法)
(A)成分を80℃にて混合溶解する。次に予め80℃に加熱溶解しておいた(B)成分を(A)に少しずつ加えクリーム状とした。その後40℃まで冷却し(C)加えてヘアクリームを調製した。
上記実施例5〜7で得られた本発明品のルタ・グラビオレンス抽出物含有育毛剤について、実施例1〜4と同様の方法、またはその他基剤の一般的な使用に準ずる方法で発毛・育毛効果の検定を行ったところ、何れも優れた効果を示した。また、頭皮の状態の悪化や炎症性の反応等の皮膚障害は全く観察されなかった。
本発明に用いるヘンルーダ属植物としては、ルタ・グラビオレンス(Ruta graveolens)、ルタ・チャレペンシス(Ruta chalepensis)、ルタ・モンタナ(Ruta montana)、ルタ・アンガスティフォリア(Ruta angustifolia)、ルタ・コルシカ(Ruta corsica)等が挙げられる。この中で、ルタ・グラビオレンスは、南ヨーロッパ原産の多年草植物であり「ルー」の名で知られているハーブで、全体にやや刺激臭の強い精油を含有し、少量がハーブティーとしても利用されている。
本発明に使用するヘンルーダ属植物の抽出物を得るには、当該植物を構成する組織全体またはその一部である植物体の各部位、好ましくは葉、茎、花等の器官、または全草を乾燥後あるいは生植物のまま裁断したものを用いる。
使用する抽出溶媒は、当植物乾燥物または生植物の重量当たりに対して2〜20倍量の抽出溶媒が用いられる。
抽出溶媒としては、疎水性溶媒、親水性溶媒又は含水溶媒であり、具体的には水、低級1価アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等)、低級アルキルエステル(酢酸エチル等)、炭化水素(ベンゼン、ヘキサン、ペンタン)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル、アセトニトリル等)が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。
抽出方法は特に限定されないが、常温または加温下でおこなう。その方法としては浸漬抽出などの通常抽出、ソックスレー抽出等がある。抽出時間に制限はないが一般的に1時間〜2週間が好ましい。
本発明において抽出物とは、ヘンルーダ属植物の組織全体またはその一部である植物体の各部位から抽出される成分の全てまたはその一部を含むものである。
本発明に係る抽出物は抽出時の溶媒を含むもの、溶媒を一部/又は全部を濃縮等の操作により除去したもの、乾燥したものを包含する。本発明の育毛剤とは、上記の抽出物を含むものである。
本発明に係わる抽出物を得る具体的な方法としては、まず第1の工程としてミカン科ヘンルーダ属植物を疎水性溶媒、親水性溶媒又は含水溶媒を用いて抽出して抽出液を得る必要がある。具体的な方法としては例えば、ルタ・グラビオレンス乾燥植物体100gに対して抽出溶媒1〜1.5Lを用い、室温下で1週間浸漬抽出する。そして、必要に応じて第2の工程として上記で得られた抽出液を濃縮する。具体的には例えば、吸引濾過後、溶媒を除くために減圧濃縮することによって乾固した抽出物が得られる。ここで得られた抽出物はそのまま、あるいは適宜の溶媒等で溶解または分散希釈し基剤中に配合して、本発明の育毛剤を得ることができる。また、ここで得られた抽出物を各1Lの水およびヘキサン、あるいは水およびクロロホルムを用いて分配抽出し、得られたヘキサンまたはクロロホルム層を減圧濃縮することによって乾固した抽出物が得られる。ここで得られた抽出物はそのまま、あるいは適宜の溶媒等で溶解または分散希釈し基剤中に配合して、本発明の育毛剤を得ることが出来る。
本発明の育毛剤におけるヘンルーダ属植物抽出物の乾物換算あたりの配合量は、特には限定されないが、好ましくは、総量を基準として0.01〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%である。
また、本発明に係る育毛剤組成物には、上記したヘンルーダ属植物抽出物以外に血流促進剤、抗菌剤、抗炎症剤、保湿剤、栄養供給剤からなる群から選ばれる1種または2種以上の薬効成分を適宜配合することが可能である。
本発明におけるヘンルーダ属植物の抽出物には、これ自体に優れた発毛・育毛効果があるが、血流促進剤、抗菌剤、抗炎症剤、保湿剤、栄養供給剤からなる群から選ばれる薬効成分の1種または2種以上を配合することにより、更に効果を高めることが可能である。具体的な薬効剤としては、以下のものが例示できる。また、誘導体には形成可能なエステルや塩が含まれる。本発明の育毛剤組成物は、(A)上記のミカン科ヘンルーダ属植物の抽出物と、(B)上記の血流促進剤、抗菌剤、抗炎症剤、保湿剤、栄養供給剤からなる群から選ばれる薬効成分の1種または2種以上を含有するものである。(B)の配合量は特に限定されるものではないが、育毛剤に対し10重量%以下が好ましい。
(血流促進剤)
血流促進剤としては、ビタミンE及びその誘導体、センブリエキス、ニンニクエキス、ショウガエキス、トウガラシエキス、ローズマリーエキス等が挙げられる。
(抗菌剤)
抗菌剤としては、ヒノキチオール、イソプロピルメチルフェノール、グリチルレチン酸、エタノール等が挙げられる。
(抗炎症剤)
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、チアミン塩酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチド、ニコチン酸アミド、塩化コリン、アロエ抽出物、アルニカ抽出物、アシタバ抽出物、ウコン抽出物、キハダ抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、コンフリー抽出物、スイカズラ抽出物、セージ抽出物、ワレモコウ抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、ムクロジ抽出物、ユーカリ抽出物、ヨモギ抽出物、レンゲソウ抽出物、コンドロイチン硫酸及びその誘導体等が挙げられる。
(保湿剤)
保湿剤としては、グリセリン、ニンジン抽出液、アロエ抽出液、冬虫夏草抽出液、プラセンタ抽出液、ホホバ油、ローヤルゼリー、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、トレハロース等が挙げられる。
(栄養供給剤)
栄養補給剤としては、グリシン、アラニン、アルギニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、スレオニン、リジン等のアミノ酸及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、パントテン酸カルシウム、ニコチン酸アミド、チアミン塩酸塩、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ビオチン等のビタミン類が挙げられる。
本発明の育毛剤を製造するには種々の方法が挙げられる。例えば、ミカン科ヘンルーダ属植物の抽出物を適当な溶媒に溶解または懸濁させて、液剤、懸濁剤、乳剤、エアゾール剤またはローション剤等の液体状の製剤としても良く、軟膏、ゲルまたはクリームなどの半固形状の製剤としても良い。半固形状の製剤とする場合には、各種のワックス及びロウ類、高級アルコール、多価アルコール、無機顔料などを配合することができる。
ワックス及びロウ類としてはミツロウ、合成ワックスなどを例示することができる。高級アルコールとしてはセチルアルコールを例示することができ、多価アルコールとしてはグリセリン、ワセリン、ラノリンなどを例示することができる。
このような製剤とする場合には、一般に揮散し得る希釈剤または溶剤を使用することが、適用部位に活性成分を残存させることが可能となるために好ましい。このような希釈剤または液剤としては、エタノール、イソプロパノールなどの炭素数1−4のアルコール類などを挙げることができる。
本発明の育毛剤組成物を製造するために使用されるものとしてはこの他に、乳化剤、pH調整剤、ロウ類、芳香剤、保存剤、溶解補助剤、着色剤またはその他の適当な添加剤を使用することができる。乳化剤としては各種の高級アルコール、多価アルコール、脂肪酸、各種脂質などを例示することができる。また、ロウ類としてはミツロウ、木ロウ、各種合成ワックスなどを例示することができる。また、保存剤としてはアジ化ナトリウムを例示することができる。また、着色剤としては各種色素を例示することができる。
また、本発明の育毛剤には、上記の血流促進剤、抗菌剤、抗炎症剤、保湿剤、栄養供給剤に加えて、必要に応じて、通常の皮膚化粧料に用いられる添加物、例えば水性成分、油性成分、粉末成分、アルコール類、エステル類、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、色剤、香料、抗酸化剤、pH調整剤、キレート剤等の成分を配合することができる。
本発明の育毛剤としては種々の剤型が挙げられる。例えば、シャンプー、リンス、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアトリーメント、ポマード等が挙げられ、常法に従って調製することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例に先立ち、本発明のヘンルーダ属植物抽出物の製造例および得られた抽出物の育毛評価に関する試験方法とその結果について説明する。
[製造例1]
ルタ・グラビオレンスの全草乾燥植物体100gに対して10倍量のメタノールを加え、室温で96時間浸漬抽出し吸引濾過で残渣を濾別した。得られた抽出液を減圧下で濃縮乾固し、ルタ・グラビオレンスの抽出物12.5gを得た。
[製造例2]
ルタ・グラビオレンスの全草生植物体100gに対して15倍量のメタノールを加え超音波抽出処理を30分間行い吸引濾過で残渣を濾別した。この処理を2回繰り返して実施し、得られた抽出液を減圧下で濃縮乾固してルタ・グラビオレンスの抽出物9.6gを得た。
[製造例3]
ルタ・グラビオレンスの全草乾燥植物体100gに対して10倍量の50%エタノールを加え、室温で168時間浸漬抽出し、吸引濾過で残渣を濾別した。得られた抽出液を減圧下で濃縮して溶媒を除去後凍結乾燥し、ルタ・グラビオレンスの抽出物19.9gを得た。
[製造例4]
ルタ・グラビオレンスの全草乾燥植物体100gに対して10倍量の水を加え、90℃で2時間加温抽出した後吸引濾過で残渣を濾別した。得られた抽出液を冷却して凍結乾燥し、ルタ・グラビオレンスの抽出物19gを得た。
[製造例5] 育毛剤の製造
上記製造例1により得られたルタ・グラビオレンスの抽出物を用い下記の組成の育毛剤を調製した。
育毛剤の組成
配合成分 配合量(wt%)
ルタ・グラビオレンス抽出物(製造例1) 5.0
酢酸トコフェロール 0.1
パントテニルアルコール 0.2
ニコチン酸アミド 0.1
ポリオキシエチレン(E060)硬化ヒマシ油 0.2
1,3−ブタンジオール 2.0
1−メントール 0.1
ヒノキチオール 0.05
エタノール 55.0
香料 0.1
精製水 37.15
次に、本発明の育毛剤が如何に発毛、育毛効果の点で優れているかを実証するために行った試験結果を示す。
[試験例1]マウス毛成長評価試験
(1)試験試料
本発明品:ルタ・グラビオレンス抽出物(製造例3)を5%含有する70%エタノール水分散液
対照品:ミノキシジルを1%含有する70%エタノール水分散液
コントロール:70%エタノール水溶液
(2)試験方法
47〜48日齢のC3H/HeNCrj(SPF)、雄、日本チャールス・リバー社のマウスを用いて試験を実施した。試験開始3日前にマウスの背部をカミソリで剃毛後、マウスの体重を測定、皮膚に異常の認められない個体を選別して、各群の体重がほぼ均一になるように1群10匹に群分けした。投与検体は試験開始日から1日1回、36日間、マウスの背部に100μL塗布し、塗布1日目、5、7、10、13、16、19、22、25、28、31、34、および37日目に表1に示すスコアで採点し、各個体でスコア5になる日数を求めた。各検体の発毛・育毛効果は、判定スコアが5になった日数を指標として統計学的解析をもとに、無塗布群とコントロール、本発明品、対照品間で行った。検定結果を表2に示す。
表2の検定結果から明らかなように、本発明品であるルタ・グラビオレンス抽出物は、無塗布、コントロール群と比較してスコアが5になった日数が大幅に短縮していることがわかる。また、経口降圧剤として臨床試験中の副作用で発毛作用が確認され、その後皮膚外用剤・発毛剤としてOTC(一般用医薬品)に承認された対照品と比較してもほぼ同じスコアであることから、本発明品であるルタ・グラビオレンス抽出物には、明らかな発毛・育毛促進作用が認められる。
[試験例2]ヒト発毛・育毛評価試験
本発明品を配合した育毛剤を実際に使用した場合の効果について評価試験を実施した。
(1)試料
本発明品配合品:後記記載の実施例1〜4のヘアトニック
比較品 :後記記載の実施例1のヘアトニックからルタ・グラビオレンス抽出物(製造例3)を除いた(水を増量)もの
(2)試験方法
試験は薄毛症、脱毛症を訴える25名(25〜50歳)をパネラーとて5群に分け、各試料を毎日、朝と夜洗髪後頭部にまんべんなく塗布する方法で行った。評価は使用開始3ヶ月目と6ヶ月目に行い、うぶ毛、硬毛が生えてきたと感じたパネラーがどの程度増えたかを計測した。更に、試験終了時に頭皮の状態の改善や、ふけ発生の減少についても聞き取り調査をおこなった。その結果を表3に示す。
表3の結果から明らかのように、本発明品のルタ・グラビオレンス抽出物配合の育毛剤を塗布した群では、何れもうぶ毛が生えた、硬毛が生えたと感じたパネラーが増えていることから、C3Hマウスでの試験結果と同様に、人においても発毛・育毛効果が認められた。また、試験終了時に頭皮の状態が改善され、ふけの発生が減少したと申告したパネラーが実施例1および実施例4で5名、実施例2で2名数えられた。このことから本発明品配合の育毛剤には、頭皮の状態を改善する効果もあることが認められた。更に、本試験期間中に何れのパネラーにも頭皮の状態の悪化や炎症性の反応等、皮膚障害は全く観察されなかったことから、長期連続使用に十分耐え得る安全性を有していることも確認された。
以下に、種々の剤型と本発明によるルタ・グラビオレンス抽出物含有育毛剤(又は育毛剤組成物)の配合例を実施例として記述する。
[実施例1〜4] ヘアトニック
表4に示す配合成分及び配合割合を用い、各成分を加温溶解し、可溶化してヘアトニックを調製した。なお、配合割合は重量%である。
[実施例5] ヘアシャンプー
配合成分 配合量(wt%)
(A) ラウリル酸ジエタノールアミド 5.0
プロピレングリコール 5.0
塩化アルキルトリメチルアンモニウム 0.2
グリセリン 0.2
1−メントール 0.1
ルタ・グラビオレンス抽出物(製造例1) 1.0
(B) トリクロロカルバニリド 0.2
精製水 88.2
(C) 香料 0.1
(製法)
(A)成分を80℃にて加熱混合後冷却し、(B)成分を添加し、次いで(C)を添加してヘアシャンプーを調製した。
[実施例6]ヘアリンス
配合成分 配合量(wt%)
(A) 流動パラフィン 10.0
塩化アルキルトリメチルアンモニウム 0.2
セタノール 2.0
ルタ・グラビオレンス抽出物(製造例2) 2.0
(B) 1,3−ブチレングリコール 5.0
塩酸ジフェンヒドラミン 0.01
精製水 40.0
(C) ニコチン酸トコフェロール 0.02
精製水 40.67
(D) 香料 0.1
(製法)
(A)成分及び(B)成分を80℃に加熱混合し、乳化する。その後40℃付近まで冷却し、(C)成分を添加し、次いで(D)を添加してヘアリンスを調製した。
[実施例7]ヘアクリーム
配合成分 配合量(wt%)
(A) ルタ・グラビオレンス抽出物(製造例4) 3.0
流動パラフィン 30.0
固形パラフィン 1.0
ワセリン 15.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル 2.0
ビタミンEアセテート 0.2
(B) 塩酸ジフェンヒドラミン 0.01
プロピレングリコール 5.0
パラオキシ安息香酸エチル 0.5
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
精製水 43.09
(C) 香料 0.1
(製法)
(A)成分を80℃にて混合溶解する。次に予め80℃に加熱溶解しておいた(B)成分を(A)に少しずつ加えクリーム状とした。その後40℃まで冷却し(C)加えてヘアクリームを調製した。
上記実施例5〜7で得られた本発明品のルタ・グラビオレンス抽出物含有育毛剤について、実施例1〜4と同様の方法、またはその他基剤の一般的な使用に準ずる方法で発毛・育毛効果の検定を行ったところ、何れも優れた効果を示した。また、頭皮の状態の悪化や炎症性の反応等の皮膚障害は全く観察されなかった。
Claims (7)
- ミカン科ヘンルーダ属植物の抽出物を含有することを特徴とする育毛剤。
- ヘンルーダ属植物がルタ・グラビオレンス(Ruta graveolens)であることを特徴とする請求項1記載の育毛剤。
- ミカン科ヘンルーダ属植物の葉、茎、花から選ばれる1種以上の器官を抽出部位として用いることを特徴とする請求項1記載の育毛剤。
- 抽出物が疎水性溶媒で前記植物体から抽出されたものであることを特徴とする請求項1記載の育毛剤。
- 抽出物が親水性溶媒又は含水溶媒で前記植物体から抽出されたものであることを特徴とする請求項1記載の育毛剤。
- 次の成分(A)及び(B)を含有する育毛剤組成物。
(A)ミカン科ヘンルーダ属植物の抽出物。
(B)血流促進剤、抗菌剤、抗炎症剤、保湿剤、栄養供給剤からなる群から選ばれる1種または2種以上の薬効成分。 - 以下の(1)及び(2)工程を含むことを特徴とするミカン科ヘンルーダ属植物抽出物の製造方法。
(1)ミカン科ヘンルーダ属植物を疎水性溶媒、親水性溶媒又は含水溶媒を用いて抽出して抽出液を得る工程、
(2)上記(1)で得られた抽出液を濃縮する工程。
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