JPWO2004052472A1 - ゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ - Google Patents

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紀彦 中原
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Abstract

本発明のゴルフクラブヘッドは、ホーゼル部、フェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を備えた外殻構成部分を有し、さらに、前記クラウン部に用いるクラウン部材と前記外殻構成部分に用いる他の部材とを接着する接合部を有する。前記外殻構成部分に用いる部材の厚さと前記フェース部のゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向の弾性率との積として換算剛性を定義するとき、前記ソール部に用いられるソール部材の0.8倍以下の換算剛性を備えた部材が前記クラウン部材に用いられる。また、前記クラウン部材が、積層された複数の繊維強化材で構成された層からなり、前記積層された層の少なくとも2層は、前記フェース部におけるゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に対して45〜90度の補強繊維の配向角を有する。本発明のゴルフクラブは、上記ゴルフクラブヘッドを備えて構成される。

Description

本発明は、ウッドタイプのゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブに関し、更に詳細には、二つ以上の部材で構成されたゴルフクラブヘッドおよびこのゴルフクラブヘッドを有するゴルフクラブに関する。
従来より、ゴルフクラブヘッドとしてウッドタイプの中空金属製ゴルフクラブヘッドが知られている。このようなウッドタイプのゴルフクラブヘッドは容積が大きく、フェース面積を大きくして広いスイートスポットを形成できることから、ますます大容積化の傾向にある。一方、ゴルフクラブヘッドが大型化すると重量も増加してゴルフスウィングする際に振り抜きづらくなるため、軽量化が必要になる。これら大容積化と軽量化という二律背反する要求を満足させるため、チタンまたはチタン合金のような軽金属を用いた中空金属製のウッドタイプのゴルフクラブが提案されている(例えば、特開2002−186691号公報および特開2002−315855号公報参照)。
このような軽金属を用いた中空型ウッドタイプのゴルフクラブヘッドは大容積化と軽量化という上記二律背反する要求を満たすものである。しかし、チタンまたはチタン合金のような特殊な金属は材料自体が高価なため、ゴルフクラブヘッドのコストが高くなるという問題がある。更に加工性や、ゴルフクラブヘッドの部分ごとに使用する材料を変える、といった設計の自由度が制限されるという問題もある。
このため、軽金属以外の複合材料を用いたゴルフクラブヘッドを提案するものもある(例えば、特開2001−190719号公報および特開平11−290488号公報参照)。前記特開2001−190719号公報では、複合材料のプリプレグシートを雌型の成形型内に収容して複合材料からなるゴルフクラブヘッドを製造する。また、前記特開平11−290488号公報では金属基材の上に長繊維を積層して金属基複合材料を形成してフェース面に使用する。
しかし、前記特開2001−190719号公報のように雌型の成形型内に複合材料のプリプレグシートを収容して一体成形する方法では、製造に手間がかかり、工程が複雑になるという問題がある。更に十分な反発性が得られないという問題もある。
一方、前記特開平11−290488号公報のように溶接して接合する方法では、十分な反発性および耐久性が得られないという問題がある。更に、異なる種類の金属で形成された部材を接合する場合には溶接することができず、機械的締結により接合する必要があり、コストアップに繋がるという問題がある。
本発明は上記従来の問題を解決するためになされたものであり、高い水準の反発性と耐久性とを備え、反発性と耐久性のバランスがとれており、しかも低コストで製造できるゴルフクラブヘッドおよびこのゴルフクラブヘッドを用いたゴルフクラブを提供することを目的とする。
第1図は、本発明のゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。第2図は、本発明のゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。第3図Aは、本発明のゴルフクラブヘッドの斜視図であり、第3図Bは、第3図Aに示すゴルフクラブヘッドを用いたゴルフクラブの斜視図である。第4図AおよびBは、本発明におけるゴルフクラブヘッドのクラウン部材を説明する図である。第5図AおよびBは、ゴルフクラブでゴルフボールを打撃したときの変形を分かりやすく説明した説明図である。第6図A〜Cは、クラウン換算剛性の変化に対するゴルフボールのバックスピン量の変化を示した図である。第7図A〜Cはクラウン換算剛性の変化に対するゴルフボールの打出角度の変化を示した図である。第8図A〜Cはクラウン換算剛性の変化に対するゴルフボールの初速度の変化を示した図である。第9図は、ゴルフクラブヘッドにわけるクラウン部材の繊維配向角を説明する図である。第10図は、本発明のゴルフクラブヘッドの製造方法のフローチャートである。
本発明は、ホーゼル部、フェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を備えた外殻構成部分と、前記クラウン部に用いるクラウン部材と前記外殻構成部分に用いる他の部材とを接着した接合部とを有するゴルフクラブヘッドであって、前記外殻構成部分に用いる部材の厚さと、この部材における、前記フェース部のゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向の弾性率との積をこの部材における換算剛性として定義するとき、前記ソール部に用いるソール部材の0.8倍以下の換算剛性を備えた部材が前記クラウン部材に用いられることを特徴とするゴルフクラブヘッドを提供する。
ここで、換算剛性に用いる前記クラウン部材は、前記フェース部と接続した前記クラウン部の接続端に沿った、この接続端から50mm以内の前記クラウン部の領域において、前記クラウン部の総表面積の5%以上の表面積を占める領域に用いる部材をいう。また、換算剛性に用いるソール部材は、前記フェース部と接続した前記ソール部の接続端に沿った、この接続端から50mm以内の前記ソール部の領域において、前記ソール部の総表面積の5%以上の表面積を占める領域に用いる部材をいう。
その際、前記接合部において、互いに異なる材料で形成された部材が接合されているのが好ましい。また、前記接合部で接合される部材が、それぞれ、金属、繊維強化金属(FRM)、金属基複合材料(MMC)、繊維強化プラスチック(FRP)およびセラミック基複合材料(CMC)からなる群から選択される材料で形成されているのが好ましい。その際、前記クラウン部材が、例えば、繊維強化プラスチック(FRP)で形成される。
また、本発明は、ホーゼル部、フェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を備えた外殻構成部分と、前記クラウン部に用いるクラウン部材と前記外殻構成部分に用いる他の部材とを接着した接合部とを有するゴルフクラブヘッドであって、前記クラウン部材が、積層された複数の繊維強化材で構成された層からなり、前記積層された層の少なくとも2層は、前記フェース部におけるゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に対して45〜90度の繊維配向角を有し、前記繊維配向角が前記フェース面の向く方向に対して45〜90度である層の数が、前記積層された層の数の50%以上を占めることを特徴とするゴルフクラブヘッドを提供する。
また、本発明は、ホーゼル部、フェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を備えた外殻購成部分と、前記クラウン部に用いるクラウン部材と前記外殻構成部分に用いる他の部材とを接着した接合部とを有するゴルフクラブヘッドであって、前記クラウン部材が、積層された複数の繊維強化材で構成された層からなり、前記積層された層の少なくとも2層は、前記フェース部におけるゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に対して45〜90度の繊維配向角を有し、前記繊維配向角が前記フェース面の向く方向に対して45〜90度である層の補強繊維の質量が、前記積層された層の全体の補強繊維の質量の50%以上を占めることを特徴とするゴルフクラブヘッドを提供する。
ここで、前記繊維配向角が45〜90度とは、フェース面の向く方向に対して絶対値で45度以上90度以下であることをいい、より具体的には−45度〜−90度あるいは+45度〜+90度の範囲にあることをいう。好ましくは、45度以上90度未満である。この場合、+45度、−45度は含まれ、+90度および−90度は含まれない。
また、補強繊維が異なった2方向、例えば配向角−45度および+45度に補強繊維を配向した織布状のクロスプリプレグ状のものを用いて構成してもよい。
その際、前記外殻構成部分に用いる部材の厚さと、この部材における、前記フェース部のゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向の弾性率との積をこの部材における換算剛性として定義するとき、前記ソール部に用いるソール部材の0.8倍以下の換算剛性を備えた部材が前記クラウン部材に用いられるのが好ましい。
また、前記クラウン部材は、繊維強化金属(FRM)および繊維強化プラスチック(FRP)のいずれか一方の材料で形成されているのが好ましい。
また、前記フェース面の向く方向に対して45〜90度の繊維配向角を有する少なくとも2層は、補強繊維が互いにフェース面の向く方向に対して異なる方向に傾斜して交錯層を形成するのが好ましい。この場合、補強繊維の交錯する角度は、略直角(85度以上95度以下)であるのが好ましい。
さらに、本発明は、ホーゼル部、フェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を備えた外殻構成部分と、前記クラウン部に用いるクラウン部材と前記外殻構成部分に用いる他の部材とを接着した接合部とを有するゴルフクラブヘッドであって、前記クラウン部材が、積層された複数の繊維強化材で構成された層からなり、前記積層された層の少なくとも2層は、前記フェース部におけるゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に対して45〜90度の繊維配向角を有し、前記外殻構成部分に用いる部材の厚さと、この部材における、前記フェース部のゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に沿った弾性率との積をこの部材における換算剛性として定義するとき、前記クラウン部材は、前記ソール部に用いるソール部材の0.8倍以下の換算剛性を備えていることを特徴とするゴルフクラブヘッドを提供する。
また、本発明は、ゴルフクラブヘッド、ゴルフクラブシャフトおよびグリップを有するゴルフクラブであって、前記ゴルフクラブヘッドは、ホーゼル部、フェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を備えた外殻構成部分と、前記クラウン部に用いるクラウン部材と前記外殻構成部分に用いる他の部材とを接着した接合部とを有し、前記クラウン部材が、積層された複数の繊維強化材で構成された層からなり、前記積層された層の少なくとも2層は、前記フェース部におけるゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に対して45〜90度の繊維配向角を有し、前記クラウン部材において、例えば、前記繊維配向角が前記フェース面の向く方向に対して45〜90度である層の数が、前記積層された層の数の50%以上を占めることを特徴とするゴルフクラブを提供する。
さらに、本発明は、ゴルフクラブヘッド、ゴルフクラブシャフトおよびグリップを有するゴルフクラブであって、前記ゴルフクラブヘッドは、ホーゼル部、フェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を備えた外殻構成部分と、前記クラウン部に用いるクラウン部材と前記外殻構成部分に用いる他の部材とを接着した接合部とを有し、前記クラウン部材が、積層された複数の繊維強化材で構成された層からなり、前記積層された層の少なくとも2層は、前記フェース部におけるゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に対して45〜90度の繊維配向角を有し、前記クラウン部材において、前記繊維配向角が前記フェース面の向く方向に対して45〜90度である層の補強繊維の質量が、前記積層された層の全体の補強繊維の質量の50%以上を占めることを特徴とするゴルフクラブを提供する。
以下、本発明の実施形態に係るゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドについて説明する。第1図および第2図は本発明のゴルフクラブヘッド1の分解斜視図であり、第3図Aは本発明のゴルフクラブヘッド1の斜視図であり、第3図Bはゴルフクラブヘッド1を用いたゴルフクラブ4の斜視図である。第3図Aに示すように、本発明のゴルフクラブヘッド1は、クラウン部11、サイド部21、ソール部31、ホーゼル部51、およびフェース部41を外郭構成部分として具備する中空ゴルフクラブヘッドである。
ゴルフクラブ4は、第3図Bに示すように、ゴルフクラブヘッド1、ゴルフクラブシャフト6、およびグリップ8を有し、ゴルフクラブヘッド1は、ゴルフクラブシャフト6の一方の端に設けられ、グリップ8は、ゴルフクラブシャフト6の他方の端に設けられている。
ここで、ゴルフクラブヘッド1の外殻構成部分に用いられる構成要素を部材という。例えば、クラウン部11が独立した構成要素から形成される場合、クラウン部11を形成する構成要素をクラウン部材という。同様にフェース部41を形成する構成要素をフェース部材、ソール部を形成する構成要素をソール部材という。ただし、例えばサイド部21とソール部31とが一体的に成形されている場合、ソール部材とは、一体成形した構成要素のうち、ソール部31を形成する部分をいう。また、事後的に付加された構成要素は部材には含まれない。なお、後述する換算剛性比に用いるクラウン部材は、第4図AおよびBに示す斜線の領域(領域R,R,R)に用いられる部材をいう。この点は後述する。
第1図に示すように、これらクラウン部11、サイド部21、ソール部31、ホーゼル部51、およびフェース部41のうち、クラウン部11およびフェース部41はそれぞれ1つの独立したクラウン部材10、1つのフェース部材40から構成されている。一方、サイド部21、ソール部31およびホーゼル部31は、一体的に成形されたゴルフクラブヘッド本体60から構成されている。これらのクラウン部材10、フェース部材40およびゴルフクラブヘッド本体60はそれぞれ中空ゴルフクラブヘッドを構成する別個の外殻構成部材であり、これらを接合することにより、ゴルフクラブヘッド1が形成されている。
フェース部材40、ゴルフクラブヘッド本体60は金属、例えばチタンまたはチタン合金で形成されており、クラウン部材10は炭素繊維強化プラスチック(CFRP)で形成されている。クラウン部材10は、例えば3層乃至7層の炭素繊維を補強繊維とし、配向角をフェース面の向く方向に対して45度乃至90度の範囲で変えて積層し、この積層体をエポキシ樹脂等に含浸して乾燥させたプリプレグをクラウン部51を平面に展開した展開図の輪郭に沿って裁断し、これをクラウン部51の形状に成形して硬化したものからなる。したがって、第1図および第2図に示したように、クラウン部材10は略球面の一部を切り取った形状に湾曲している。クラウン部材10の厚さは打球時の衝撃に耐えられる強度を維持できる厚さであればよく、特に限定されない。代表的にはクラウン部材10の厚さは0.3〜2.0mmであるのが好ましい。クラウン部材10の質量は特に限定されないが、ゴルフクラブヘッド1全体の質量の3〜10%であるのが好ましい。
クラウン部材10において、フェース部41のゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向の弾性率(ヤング率)とこのクラウン部材10の厚さとの積をクラウン換算剛性として定義し、ソール部31において、フェース部41のゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向の弾性率とこのソール部31の厚さとの積をソール換算剛性と定義したとき、クラウン換算剛性が前記ソール換算剛性の0.8以下となっている。
ここで上記弾性率は、ゴルフクラブヘッド1を水平な基準面上に通常のアドレスポジションに設置したとき、以下のように定義される。
すなわち、弾性率は、ゴルフクラブヘッド1を水平な基準面上に通常のアドレスポジションに設置したときに定まるフェース面の向く方向に沿い、しかも前記基準面に対して垂直であり、かつフェース部のフェース面に垂直な平面でクラウン部を切断した時のクラウン部の切断線に沿った方向における値である。
ここで、フェース面の向く方向とは、通常のアドレスポジションに設置したゴルフクラブヘッド1を前記基準面に対して垂直上方から見たときの、基準面に平行な平面上におけるフェース面の向く方位方向をいう。通常のアドレスポジションに設置するとは、ゴルフクラブヘッド1をライ角度通りに設置し、かつ、その時のゴルフクラブシャフトの中心軸とゴルフクラブヘッドのフェース部のリーディングエッジとが基準面の垂直上方から見て互いに平行になるように、つまりフェースアングルが0度になるように設置することをいう。ライ角度通りに設置とはゴルフクラブヘッドの底面を成すソール部のラウンド面と基準面との間の隙間がトウ側およびヒール側で略等しくなるように設置することをいう。ソール部のラウンド面が不明瞭な場合、フェース面に形成されているスコアラインと基準面とが平行になるように設置してもよい。また、ゴルフクラブにおいて、ソール部のラウンド面が不明瞭であり、かつスコアラインが直線状でない等により基準面との平行か否かの判別が困難な場合は、ライ角度は、ライ角度(度)=(100−クラブ長さ(インチ))にて設定される。例えば、44インチのクラブ長さであれば、ライ角度は100−44=56度になる。
ここで、クラブ長さは、社団法人日本ゴルフ用品協会が定める測定法により測定される。測定器としては、株式会社鴨下精衡所製のクラブ・メジャーIIが挙げられる。
このようにして定まるソール換算剛性に対するクラウン換算剛性の比率(換算剛性比)、ソール換算剛性/クラウン換算剛性の値は、後述するように、ゴルフボールの初期弾道特性を効果的に変化させるには0.8以下であればよい。このようにクラウン換算剛性をソール換算剛性の0.8倍以下とすることによって、打撃面にてゴルフボールを打撃した時のゴルフボールのバックスピン量を減らし、打ち出し角度を大きくすることができる。
第5図AおよびBは、ゴルフクラブでゴルフボールを打撃した時の様子を分かり易く説明した説明図である。第5図Aに示すようにゴルフボールBを打撃したとき、フェース部41のフェース面にゴルフボールのインパクト力が加わり、このインパクト力はクラウン部およびソール部に伝わるが、インパクト力によって生じるクラウン部およびソール部の剪断変形について考えると、クラウン換算剛性がソール換算剛性の0.8倍以下となっているので、クラウン部の剪断変形はソール部の剪断変形に比べて大きくなる。このため、フェース部41のフェース面は僅かにロフト角度が大きくなる方向に変形する。このゴルフボールのインパクト時のフェース面の変形は、ゴルフボールのバックスピン量および打ち出し角度に影響を与える。
第6図A〜Cは、ソール換算剛性を一定(113(GPa・mm))にしてクラウン換算剛性を変化させた場合のバックスピン量の変化を、ヘッドスピード34m/秒,40m/秒および46m/秒毎に示している。第6図A〜Cに示すように、ヘッドスピードによって変化の程度は変わるが、いずれの場合もクラウン換算剛性が低下することで、バックスピン量が低下することがわかる。
一方、第7図A〜Cは、ソール換算剛性を一定(113(GPa・mm))にしてクラウン換算剛性を変化させた場合の打ち出し角度の変化をヘッドスピード34m/秒,40m/秒および46m/秒毎に示している。第7図A〜Cに示すように、ヘッドスピードによって変化の程度は変わるが、いずれの場合もクラウン換算剛性が低下することで、打ち出し角度が大きくなることがわかる。
また第8図A〜Cは、ソール換算剛性を一定(113(GPa・mm))にしてクラウン換算剛性を変化させた場合のゴルフボールの初速度の変化を、ヘッドスピード34m/秒,40m/秒および46m/秒毎に示している。第8図A〜Cに示すように、いずれの場合もゴルフボールの初速度が最大となるクラウン換算剛性が存在することがわかる。
このようなクラウン換算剛性を有する部材として、繊維強化プラスティック材料(FRP)を用いた複合材料、例えば炭素繊維を補強繊維とした炭素繊維強化プラスティック材料(CFRP)が好適に用いられる。例えば、下記表1に示すように、7層の複合材料や3層の複合材料を作製することができ、基準値に対して0.37倍から5.63倍の間の倍率で換算剛性を変化させることができる。ここで、基準値とは、所定の基準方向に対して配向角を±45度交互に傾斜させて積層した4層の炭素繊維強化プラスチック材料の上に所定の基準方向に対して配向角が90度の炭素繊維強化プラスチック材料を最上層に積層した5層の複合材料における換算剛性の値である。基準方向とは、ゴルフクラブヘッドを平面状の基準面上に通常のアドレスポジションに設置したときフェース面の向く方向(方位方向)が定まるが、このときのフェース面の向く方向(方位方向)をいう。クラウン部材が湾曲していることから、より具体的には、フェース面の向く方向を含む前記基準面に垂直な平面でクラウン部を切断したときの切断線に沿った方向である。以降、配向角はこの基準方向に対する傾斜角度をいう。
ここで、表1中、例えば3層の積層数で、配向角が0,90°の部材は、最下層から最上層に向かって、90°,0°,90°の配向角で形成されたものであり、7層の積層数で、配向角が±60°,90°の部材は、最下層から最上層に向かって+60°,−60°,+60°,−60°,+60°,−60°,90°の配向角で構成されたものである。このような複合材料をクラウン部材10に用いてゴルフクラブヘッド1を作製し、ゴルフボールの試打を行ってゴルフボールの初期弾道特性を計測することによって、第6図A〜C、第7図A〜Cおよび第8図A〜Cに示すグラフを得ることができる。
Figure 2004052472
クラウン部を構成する繊維強化プラスチック(FRP)層の積層数は特に限定されないが、代表的には2層乃至10層であり、3層乃至7層であることが好ましい。積層数をこの範囲内にすることにより、耐久性と反発性とのバランスをより向上させることができる。またこれらの積層された繊維強化プラスチック(FRP)層のうち、積層数の50%以上の層が、前記基準方向(配向角0度の方向)に対して45〜90度の繊維配向角の補強繊維を有する層から構成されている。また、積層された複数のFRP層の厚さが異なる場合、この複数のFRP層のうち、45〜90度の配向角の補強繊維を有する層の補強繊維の質量が、積層される層全体の補強繊維の質量の50%以上を占めるように構成してもよい。
また、上記繊維強化プラスチック(FRP)層に用いる補強繊維の弾性率は35×10kg重/mm以下であることが好ましい。この範囲にすることにより、十分な耐久性が確保される。なお、下記表2は、各種合金材料における換算剛性の上記基準値に対する倍率を表している。合金材料の換算剛性は、上記炭素繊維強化プラスチック材料を用いた積層複合材料の換算剛性に比べて概して高い。
本発明においては、クラウン部材の積層された層の少なくとも2層は、ゴルフクラブヘッドのフェース面の向く方向に対して45〜90度の補強繊維の配向角(繊維配向角)を有する。ここで、45〜90度とは、フェース面の向く方向に対する配向角の絶対値が45〜90度であることを意味し、具体的には、配向角が−45度〜−90度あるいは+45度〜+90度の範囲にあることをいう。好ましくは、90度(+90度、−90度)の配向角は除かれる。45度以上90度未満とすることで、より反発性と耐久性のバランスがとれる。第9図は、フェース面の向く方向Dに対して、クラウン部材における補強繊維の配向角の範囲Rを示している。なお、本発明においては、繊維強化プラスチック層における補強繊維が異なった2方向、例えば配向角−45度および+45度に補強繊維を配向した織布状のクロスプリプレグ状のものを用いて構成することもできる。この場合の構成される層は2層構成として扱う。
Figure 2004052472
ゴルフクラブヘッド本体60は、サイド部21、ソール部31およびホーゼル部51を一体的に成形した部材であり、たとえばチタン合金を鋳造して形成されている。第1図および第3図に示したように、サイド部21を構成する側面はウッドタイプのゴルフクラブヘッドの側面に対応した、外側に膨らんだ湾曲した形状を備えている。一方、サイド部21の上端縁から延設されたのりしろ部20aは、クラウン部11の外周縁に対応した、外側に膨らんだ湾曲形状を備えている。のりしろ部20aの上表面にエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂あるいはシアノアクリレート樹脂等による厚さ0.03〜1.5mmの接着剤層(図示省略)が形成されており、この接着剤層を介して前記クラウン部材10の下面と接合した接合部が形成されている。接着剤の替わりに、のりしろ部20aに樹脂フィルムを設けて接着層を構成することもできる。例えば、樹脂フィルムとして、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、変性ナイロン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチルセルロース樹脂および酢酸セルロース樹脂などの熱可塑性樹脂フィルムが例示される。接着層として形成する上記接着剤や上記樹脂フィルムは、後述するのりしろ部40aにも同様に用いることができる。
サイド部21の厚さは、打球時の衝撃に耐えられる厚さであれば良く、特に限定されない。代表的にはサイド部21の厚さは0.5〜2.0mmであるのが好ましい。
第1図および第3図に示したように、ソール部31を構成する面はウッドタイプのゴルフクラブヘッドの底面に対応した、外側に膨らんだ湾曲した形状を備えている。ソール部31の厚さは、打球時の衝撃に耐えられる厚さであれば良く、特に限定されない。代表的にはソール部31の厚さは1.0〜3.0mmであるのが好ましい。
フェース部材40はゴルフクラブヘッド1のフェース部41を平面に押し広げた展開図の上部にのりしろ部40aを付加した図に沿ってチタンまたはチタン合金板をトリミングしたものをプレス加工してフェース部41とのりしろ部40aとを形成したものである。第1図および第3図に示したように、フェース部41を構成する面はウッドタイプのゴルフクラブヘッドのフェース面に対応して略平面を成している。
本実施形態ではフェース部材40にのりしろ部40aが設けられているが、クラウン部材やソール部材にのりしろ部が設けられてもよい。また、クラウン部と接合するのりしろ部20a,40aは、第2図に示すようにクラウン部材の周上にわたって設けられているが、クラウン部材の一部分、例えば一辺上に有していてもよい。このような場合でも、後述する反発性および耐久性をバランスよく確保することができ、本発明の実施形態に含まれる。
一方、フェース部41の上端縁から延設されたのりしろ部40aは、クラウン部11の外周縁に対応した、外側に膨らんだ湾曲形状を備えている。またのりしろ部40aの両端は前記サイド部材20ののりしろ部20aの両端と一致する形状に形成されており、のりしろ部40aはのりしろ部20aと連続した曲面を形成している。のりしろ部40aの上表面にエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂あるいはシアノアクリレート樹脂等による厚さ0.03〜1.5mmの接着剤層(図示省略)が接着のために形成され、この接着剤層を介して前記クラウン部材10下面と接合された接合部が形成されている。勿論、上述した樹脂フィルムによって接着層を構成してもよい。このようにフェース部41を金属で形成することにより、打球時に心地よい打球音を響かせることができる。
一方、フェース部材40の下端側と両側面にはのりしろ部は形成されていない。フェース部材40の厚さは、打球時の衝撃に耐えられる厚さであれば良く、特に限定されない。代表的にはフェース部材40の厚さは1.5〜4.0mmであるのが好ましい。フェース部材40の下端と前記ソール部31正面とは一致するような形状に形成されており、フェース部材40下端とソール部31正面とは例えば溶接により接合されている。フェース部材40の左右両端と前記ゴルフクラブヘッド本体60のサイド部21の左右両端とは一致する形状に形成されており、フェース部材40の左右両端と前記サイド部21の左右両端とは、例えば溶接により接合されている。
なお、ゴルフクラブヘッド本体60を構成するソール部31、サイド部21およびホーゼル部51は別々の独立した部材として構成されていてもよい。例えば一枚のチタンまたはチタン合金板を展開図状にトリミングしてプレス加工し、ソール部材、サイド部材を形成し、別に形成したホーゼル部材を各部の境界部分で溶接或いは各部材の外周縁に延設したのりしろ部を介して接着して一体化する方法である。
第2図に示すように、ゴルフクラブヘッド1は、クラウン部材10が炭素繊維で補強された繊維強化プラスチック(CFRP)を用いた複合材料で形成され、チタンまたはチタン合金で形成されたゴルフクラブヘッド中間体101と接着剤で接着されて接合されている。
なお、上記実施形態では、クラウン部材10およびソール部材31のそれぞれが同一の材料で構成されているが、これらの部材はそれぞれ複数種類の材料で構成されたものであってもよい。この場合、換算剛性比に用いるクラウン部材は、フェース部41と接続したクラウン部11の接続端に沿った、この接続端から50mm以内のクラウン部11の領域において、クラウン部11の総表面積の5%以上の表面積を占める領域に用いる部材である。また、換算剛性比に用いるソール部材は、フェース部41と接続したソール部の接続端に沿った、この接続端から50mm以内のソール部の領域において、このソール部の総表面積の5%以上の表面積を占める領域に用いる部材である。
ここで、クラウン部の総表面積はサイド部との接続端、フェース部との接続端およびネック部材の接続端によって囲まれる部分の総表面積であり、これらの接続端は曲率半径の変化によって知ることができる。同様に、ソール部の総表面積はサイド部およびフェース部との接続端によって囲まれる部分の総表面積である。ゴルフクラブヘッドは外表面に塗装が施されてクラウン部の領域が明確でない場合、ゴルフクラブヘッドを切断し、内面の接合部分を調べることでサイド部、クラウン部およびソール部の端を知ることもできる。さらに、クラウン部が明確でない場合、ゴルフクラブヘッドを水平の基準面上に通常のアドレスポジションに設置し、ゴルフクラブを基準面に対して垂直上方から見下ろした時の打撃面を除く投影面積を前記クラウン部の総表面積として用いてもよい。
第4図AおよびBに示すゴルフクラブヘッドを用いて上記クラウン部材について詳細に説明する。なお、ソール部材についても同様に定義される。
第4図Aに示すゴルフクラブヘッドは、クラウン部材が合金や複合材料等を用いた1つの材料で構成されたものであり、第4図Bに示すゴルフクラブヘッドは、クラウン部材が合金や複合材料等、種類の異なる2つの材料で構成されたものである。
第4図Aに示すゴルフクラブヘッドの場合、フェース部41と接続したクラウン部11の接続端Eに沿った、この接続端から50mm以内のクラウン部11の領域(図中の斜線で示される領域R)において、クラウン部11の総表面積の5%以上の表面積を占める領域に用いられる部材が本発明における換算剛性比に用いるクラウン部材となる。一方、第4図Bに示すゴルフクラブヘッドは、領域Rに異なる2つの材料が層状に構成され(例えば下層にチタン合金からなる層、上層に5層の繊維強化プラスチック材から成る層で構成され)、一方、領域Rは1つの材料によって構成されている(例えば5層の繊維強化プラスチック材からなる層で構成されている)。この場合、領域Rとクラウン部11の接続端に沿った、この接続端から50mm以内のクラウン部11の領域(第4図A中の領域R参照)との重なる部分の表面積がクラウン部11の総表面積の5%以上である場合、この重なる部分に用いる部材が本発明の換算剛性比に用いるクラウン部材となる。また、同様に、領域Rと領域Rの重なる部分の表面積がクラウン部11の総表面積の5%以上である場合、この重なる部分に用いる部材が本発明における換算剛性比に用いるクラウン部材となる。したがって、第4図Bに示すようなクラウン部を有するゴルフクラブヘッドの場合、クラウン部材が複数定められる場合がある。同様にソール部材についても複数定められる場合がある。この場合、換算剛性比は、複数の定められるクラウン部材および複数のソール部材の中でいずれか1つのクラウン部材およびソール部材の組み合わせにおいて0.8以下であればよい。例えば、繊維強化プラスチックの層からなるクラウン部材と、金属や合金からなるクラウン部材と、繊維強化プラスチックの層および合金が層状に積層されたクラウン部材が定められる場合、これらのクラウン部材の換算剛性をそれぞれ求め、このうちのいずれか1つの換算剛性がソール部の換算剛性との比率において0.8以下となっていればよい。
次に、本実施形態に係るゴルフクラブヘッド1の製造方法について説明する。第10図は本実施形態に係るゴルフクラブヘッド1の製造方法の流れを示したフローチャートである。本実施形態に係るゴルフクラブヘッド1を製造するには、まずサイド部とソール部とが一体化されたゴルフクラブヘッド本体60を、チタン合金、例えば6−4Ti合金を鋳造することにより製造する(ステップ1)。ゴルフクラブヘッド本体60を作製した後、このゴルフクラブヘッド本体60のフェース部41にフェース部材40を例えば溶接することにより接合する(ステップ2)。こうしてゴルフクラブヘッド本体60にフェース部材40が溶接されたゴルフクラブヘッド中間体101が得られる。
上記ゴルフクラブヘッド中間体101の作製と並行して、クラウン部材10を作製する。クラウン部材10を作製するには、まず炭素繊維強化プラスチック(CFRP)シート(以下、「CFRPシート」または「カーボンシート」という。)を用意する。このCFRPシートを所望の繊維配向方向で所望の形状、例えば本実施形態では、クラウン部材10を平面に押し広げた形状に裁断する。次いで3層乃至7層の、例えば繊維配向方向が45〜90度であるCFRPシートを積層してクラウン部材10を得る。
次いで、こうして形成されたクラウン部材10を、型枠、すなわちクラウン部材10の最終形状の曲面を備えた型枠内にセットし、所定温度、所定圧力で硬化して接着する(ステップ3)。この接着工程では、例えば3〜8kg/cmの内圧をかけた状態で15分間155℃の状態に維持して内圧成形し、更に135℃の温度で1時間維持してポストキュアさせる。本実施形態では、クラウン部材10を形成するCFRPのマトリックスを構成する樹脂、例えばエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂あるいはシアノアクリレート樹脂等が接着剤として機能する。以上の工程により、未塗装のゴルフクラブヘッドが得られる。
クラウン部11をCFRPシートを用いて形成することにより、ゴルフクラブヘッド1の上部を軽量化でき、ひいてはゴルフクラブヘッド1の重心を下げることができる。また、CFRPシートでクラウン部11を形成してクラウン部11の弾性率を調整することにより、打ち出されたゴルフボールの反発係数が調整された、種々のゴルフクラブヘッドを提供することができる。更に、複雑な曲面等、さまざまな形状のクラウン部11を備えたゴルフクラブヘッドを容易かつ安価に製造することができる。また、後述するように、耐衝撃性および耐環境性等の耐久性の高いクラウン部を備えたゴルフクラブヘッドを提供することができる。
クラウン部材10をゴルフクラブヘッド中間体101に接着する前に、のりしろ部20aおよび40aの各表面と、これらに貼り合わされるクラウン部材10外周縁下面にはブラスト処理等の表面粗化処理を施しておくのが好ましい。接合表面を表面粗化処理することにより、機械的強度の高い接合部を形成することができる。
各部材の接着に用いられる接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シアノアクリレート樹脂等を挙げることができる。このように、接着剤と、接着すべきクラウン部材10の部分と、のりしろ部20aおよび40aとで形成される接合部は200kgf/cm以上の引張剪断強度を備えていることが好ましく、温度50℃かつ相対湿度95%の環境下に2週間放置後に200kgf/cm以上の引張剪断強度を維持していることが更に好ましい。200kgf/cm以上という高い引張剪断強度を有する接合部を形成することにより、より優れた耐久性を備えたゴルフクラブヘッドを得ることができる。
上記引張剪断強度を備えた接合部を得るためには、前記のりしろ部20a,40aの幅を5mm〜20mmにしたり、のりしろ部20a,40aの面積を1500mm〜4500mmにする方法が挙げられる。
こうして形成したゴルフクラブヘッド1に対して、更にペーパーがけなどによりバリ取りを行い(ステップ4)、例えばナイロンのようなプライマーを塗布し、しかる後に所定のパターンに塗装する(ステップ5)。かくして第3図に示したような完成品としてのゴルフクラブヘッド1が得られる。
第1図から明らかなように、本実施形態のゴルフクラブヘッド1は中空構造を備えている。このようにゴルフクラブヘッドを中空化することにより、ゴルフクラブヘッド自体を軽量化できる。また、薄板状の金属や各種複合材料を接着することにより容易に製造できる。更に本実施形態ではクラウン部材10としてCFRPからなる部材を用いているが、ゴルフクラブヘッドが、質量比率で4%以上を占める繊維強化プラスチック(FRP)からなる部材と、金属材料からなる部材とから構成されているのが好ましい。また、ゴルフクラブヘッドを構成する各部材が繊維強化プラスチック(FRP)と金属とを用いて構成されてもよい。質量比率で4%以上のFRPからなる部材を用いることにより、大容積化と軽量化とを両立させるとともに、打ち出されたゴルフボールの初期弾道特性すなわち初期速度、打ち出し角度、バックスピン量等を効果的に調整することができる。この効果を効果的に発生させるには質量比率が4〜48%であるのが好ましい。
以上説明したように、本発明のゴルフクラブヘッド1は、クラウン部材10、サイド部21、ソール部31およびホーゼル部51を備えるゴルフクラブヘッド本体60とフェース部材40とをそれぞれ別個に作製し、これらの部材を接合した構造になっているので、前記各部材ごとに厚さを選択することができる。直接打球時の衝撃力が作用しない構成部、例えばサイド部21、ソール部31には比較的薄く成形することにより、ゴルフクラブヘッド1の重量マージンを従来の一体成形したものに比べて、より多く得られ、設計の自由度を広げることができる。
その一方で、サイド部21およびフェース部材40の外周縁にそれぞれ、のりしろ部20aおよび40aを形成し、これらののりしろ部20a,40aに接着剤を塗布して、サイド部21、ソール部材31およびホーゼル部51を一体化したゴルフクラブヘッド本体60とフェース部材40とからなるゴルフクラブヘッド中間体101とクラウン部材10とを接着により接合している。そのため、接着剤の層(接着層)とこの接着層を両側から挟持するクラウン部材10と、のりしろ部20aおよび40aとで形成される接合部の面積が溶接やネジ止めの場合と比較して広くなる。肉厚も不連続的に厚くなることなく、比較的薄い部分が接合部全体に広がる。そのため、打球時の応力が集中せず、分散される。更に、接着剤層自身が緩衝材として機能するため、打球時の衝撃が接着剤層に吸収されて緩和される。そのため、使用する板材の厚さを薄くしたにもかかわらず、十分な機械的強度が得られる。
このように機械的強度を維持しながら軽量化できるため、重量を従来品と同程度に維持しつつ、ゴルフクラブヘッド1の体積を300〜580ccまで大型化することができ、スイートスポットの面積を大きくすることができる。更に上記実施形態では、金属としてのチタンまたはチタン合金と、複合材料としてのCFRPとの2種類の材料を組み合わせてなるゴルフクラブヘッド1を例にして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、接合部を有する部材が複数あってもよいし、接合する部材は同一部材でも異種部材でもよい。更に例えば、クラウン部材、サイド部材、ソール部材、フェース部材、ホーゼル部材をそれぞれ異なる材料で形成し、これらを接着剤を用いて接合することもできる。このように構成部分ごとに異なる材料、例えば異種金属で形成した各部材を用いることにより設計の自由度を広げ、新たな特性を備えたゴルフクラブヘッドを形成することもできる。
なお、ここで異種金属とは、単体金属の場合種類が異なる金属であるほか、合金の場合は、比較する合金との間で、共通する金属元素の組成比率のうち小さい方の値を取り出して合計したときの値が20%未満である場合をいう。例えば、6−4チタン合金(Ti:Al:V=90:6:4)と15−5−3チタン合金(Ti:Mo:Zr:Al=77:15:5:3)とを比較する場合、上記合計値が80%(77+3)となるので、6−4チタン合金と15−5−3チタン合金とは異種金属とはいわない。
このように部材どうしを接着することにより接合するので、異種金属で形成された部材どうしを接着剤により接合してゴルフクラブヘッドを形成することができる。従って溶接による接合ができなかった異種金属を組み合わせてゴルフクラブヘッドを形成することができる。
更に、例えば、複合材料としては、金属製のマトリックス中にAlからなる補強繊維を分散させた繊維強化金属(FRM)、金属製のマトリックス中にカーボン繊維の補強材を分散させた金属基複合材料(MMC)、樹脂製のマトリックス中に無機材料製の補強繊維を分散させた繊維強化プラスチック(FRP)およびセラミック製のマトリックス中にSiC繊維の補強材を分散させたセラミック基複合材料(CMC)からなる群から選択される材料を挙げることができる。
このように様々な特性を備えた材料を組み合わせて用いることができるので、設計の自由度が広がる。すなわち特定の性質を備えた材料を適所に用いることにより、ゴルフボールの初期弾道特性や重心位置等の様々な特性を備えたゴルフクラブヘッドを提供することができる。また安価な材料を適所に用いることにより製造コストを抑えることもできる。更に、異なる種類の複合材料を接着剤により接合するので、一体成形時のような雌型成形型や大型の設備を必要としない。そのため、低コストかつ容易に製造可能なゴルフクラブヘッドを提供することができる。
以下、本発明の実施例ついて説明する。下記に示した方法で試験片および試験ヘッドを作製し、環境試験を行った後、試験片については引張剪断試験を行い、試験ヘッドについては実打耐久試験を行った。
1.試験片の作製
試験片としては、長さ100mm×幅25.4mmのゴルフクラブヘッド用の6−4Ti製チタン合金板を使用し、2枚の試験片のそれぞれの端部から13mmの位置まで接着剤を塗布して接合した。また接着剤としては、エポキシ系接着剤とアクリル系接着剤とを使用した。試験片の種類としては、ブラスト処理(TH01,TH03)、ブラスト処理なし(TH02,TH04)の試験片を作製した。
2.試験ヘッド(ゴルフクラブヘッド)の作製
CFRPシート(カーボンシート)を用いて第2図に示すようにクラウン部材10を構成し、別途作製された6−4Ti製のゴルフクラブヘッド中間体101に接着剤を用いて貼り合わせて第2図に示すような試験ヘッドを作製した。接着剤としてはエポキシ系接着剤とアクリル系接着剤とを用いた。試験ヘッドの種類としては、ブラスト処理(TH01−H,TH03−H)、ブラスト処理なし(TH02−H,TH04−H)を作製した。この作製した試験ヘッドに横浜ゴム株式会社製 TRX−DUO M40(商品名)用のゴルフクラブシャフトを取り付けて45インチのクラブ長さのゴルフクラブを作製した。
3.試験方法
試験片と作製したゴルフクラブとを温度50℃、相対湿度95%の環境に晒し、それぞれ0週間、2週間後に、初速度50m/秒で打ち出されたゴルフボールをフェース部の中心から10mm上の位置に衝突させ、試験ヘッドが破壊されるまでのボール衝突数を記録した。ボール衝突数は最大で5000発とした。ゴルフボールは、横浜ゴム株式会社製TRX(商品名)を用いた。一方、試験片は、各試験片の接着強度(引張剪断強度)を測定することにより評価した。各試験の結果を表3および表4に示す。
Figure 2004052472
Figure 2004052472
表3の結果から分かるように、試験ヘッドにエポキシ系接着剤を塗布してCFRPシート(カーボンシート)からなるクラウン部材を接着した試験ヘッドTH01−H,TH02−Hは5000発打っても変化なく、優れた耐久性を備えていることが分かった。一方、アクリル系接着剤を塗布してCFRPシートからなるクラウン部材を接着した試験ヘッドTH03−H,TH04上は3000発打つ前にCFRPシートが剥離してしまい、強度的には不十分であることが分かった。
また、表4の結果から分かるように、試験片TH01〜02は200kgf/cm以上の引張剪断強度を備えている。試験片TH03、TH04は200kgf/cm未満の引張剪断強度であることが分かった。但し、ブラスト処理を施していない試験片TH02およびTH04は、ブラスト処理を施した試験片TH01、TH03、TH04と比較すると、相対的に環境性試験の値が劣る傾向にあることが実証された。このことから、ブラスト処理を施すことが好ましいことが判明した。
(実験例)
各種材料で形成されたクラウン部材10と、ゴルフクラブヘッド中間体101とを接着した場合の効果を確認するため、以下の実験を行った。すなわち、クラウン部材10を形成する材料、クラウン部材10を形成する複合材料中の補強繊維の配向角、およびクラウン部材とゴルフクラブヘッド中間体101とを接合する方法とが異なる8種類の試験ヘッド(テストゴルフクラブヘッド)を用意し、このテストゴルフクラブヘッドに横浜ゴム株式会社製 TRX−DUO M40(商品名)用のゴルフクラブシャフトを取り付けて45インチのクラブ長さのゴルフクラブを作製した。各テストゴルフヘッドの剛性値、反発性および耐久性を調べた。なお、試験に用いたゴルフボールは、横浜ゴム株式会社製TRX(商品名)である。
テストゴルフクラブヘッドは、CH01〜CH05,FH01〜FH03の8種類のゴルフクラブヘッドである。各テストゴルフクラブヘッドCH01〜CH05,FH01〜FH03のクラウン部材の形成材料、各クラウン部材の複合材料中の補強繊維の配向角、剛性値、クラウン部材とゴルフクラブヘッド中間体との接合方法、反発性試験結果、耐久性試験結果を表5に示した。
補強繊維の配向角はフェースーバック方向(フェース面の向く方向、ゴルフボールの打球進行方向)を0度とし、トゥーヒール方向(フェース部の表面に平行な方向)を90度とした。また、実施例1乃至実施例4のクラウン部材では積層したカーボンシートの全プライ数の1/2以上がフェース面の向く方向に対して45〜90度の配向角を備えている。またカーボンシート中の炭素繊維の弾性率は24×10kg重/mm、厚さ0.173mmであった。表中「CFRP」はカーボン繊維強化プラスチックを意味し、同「AFRP」はアラミド繊維を補強繊維として用いたアラミド繊維強化プラスチックを意味する。上記試験を行ったところ、表5に示した結果が得られた。表5中の反発性および耐久性の値は大きいほど各特性が優れている。
Figure 2004052472
表5の結果から明らかなように、実施例1乃至実施例5(CH01〜CH05)と比較例1(FH01)とを比較すると、クラウン部材とゴルフクラブヘッド中間体との接合方法に溶接を用いた比較例1に比較して、接着を用いた実施例1〜5は反発性、耐久性ともに優れており、反発性と耐久性とのバランスがよいことが判明した。これら実施例1乃至5は全て換算剛性比(クラウン換算剛性/ソール換算剛性)がいずれも0.8以下である。また、補強繊維の配向角を0度および90度にした比較例2では、換算剛性比が実施例1乃至5より高い0.90であり、比較例1と同程度の低い反発性と耐久性しか得られなかった。更に、ビス止めを用いた比較例3は、換算剛性比が0.11であり、反発性こそ比較例1より改善されたものの、耐久性が著しく低下した。また、配向角90度の補強繊維を有さない実施例1、3は、配向角90度の補強繊維を有する実施例2に比べて反発性および耐久性が共に向上した。
さらに、実施例1乃至4の結果をみると、積層した補強繊維シートのうち、補強繊維の配向角がフェース面の向く方向に対して45〜90度傾斜した層の層数の割合が50%以上のときに反発性、耐久性が高く、反発性と耐久性とのバランスがとれていることが判明した。反発性試験はボールスピード160feet/秒の条件で行った。耐久性試験はボールスピード50m/秒の条件で行い、打点位置はフェース部のセンターから10mm上の位置とした。
以上、本発明のゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブについて詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
本発明によれば、高い水準の反発性および耐久性を備え、反発性と耐久性とのバランスがとれたゴルフクラブヘッドを提供することができる。
【書類名】 明細書
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウッドタイプのゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブに関し、更に詳細には、二つ以上の部材で構成されたゴルフクラブヘッドおよびこのゴルフクラブヘッドを有するゴルフクラブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ゴルフクラブヘッドとしてウッドタイプの中空金属製ゴルフクラブヘッドが知られている。このようなウッドタイプのゴルフクラブヘッドは容積が大きく、フェース面積を大きくして広いスイートスポットを形成できることから、ますます大容積化の傾向にある。一方、ゴルフクラブヘッドが大型化すると重量も増加してゴルフスウィングする際に振り抜きづらくなるため、軽量化が必要になる。これら大容積化と軽量化という二律背反する要求を満足させるため、チタンまたはチタン合金のような軽金属を用いた中空金属製のウッドタイプのゴルフクラブが提案されている(例えば、下記特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
このような軽金属を用いた中空型ウッドタイプのゴルフクラブヘッドは大容積化と軽量化という上記二律背反する要求を満たすものである。しかし、チタンまたはチタン合金のような特殊な金属は材料自体が高価なため、ゴルフクラブヘッドのコストが高くなるという問題がある。更に加工性や、ゴルフクラブヘッドの部分ごとに使用する材料を変える、といった設計の自由度が制限されるという問題もある。
【0004】
このため、軽金属以外の複合材料を用いたゴルフクラブヘッドを提案するものもある(例えば、下記特許文献3および特許文献4参照)。特許文献3では、複合材料のプリプレグシートを雌型の成形型内に収容して複合材料からなるゴルフクラブヘッドを製造する。また、特許文献4では金属基材の上に長繊維を積層して金属基複合材料を形成してフェース面に使用する。
【0005】
しかし、特許文献3のように雌型の成形型内に複合材料のプリプレグシートを収容して一体成形する方法では、製造に手間がかかり、工程が複雑になるという問題がある。更に十分な反発性が得られないという問題もある。
【0006】
一方、特許文献4のように溶接して接合する方法では、十分な反発性および耐久性が得られないという問題がある。更に、異なる種類の金属で形成された部材を接合する場合には溶接することができず、機械的締結により接合する必要があり、コストアップに繋がるという問題がある。
【0007】
【特許文献1】特開2002−186691号公報
【特許文献2】特開2002−315855号公報
【特許文献3】特開2001−190719号公報
【特許文献4】特開平11−290488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記従来の問題を解決するためになされたものであり、高い水準の反発性と耐久性とを備え、反発性と耐久性のバランスがとれており、しかも低コストで製造できるゴルフクラブヘッドおよびこのゴルフクラブヘッドを用いたゴルフクラブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ホーゼル部、フェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を備えた外殻構成部分と、前記クラウン部に用いるクラウン部材と前記外殻構成部分に用いる他の部材とを接着した接合部とを有するゴルフクラブヘッドであって、前記クラウン部材は繊維強化材料で形成され、かつ前記他の部材は金属材料で形成され、前記外殻構成部分に用いる部材の厚さと、この部材における、前記フェース部のゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向の弾性率との積をこの部材における換算剛性として定義するとき、前記ソール部に用いるソール部材の0.8倍以下の換算剛性を備えた部材が前記クラウン部材に用いられることを特徴とするゴルフクラブヘッドを提供する。
【0010】
ここで、換算剛性に用いる前記クラウン部材は、前記フェース部と接続した前記クラウン部の接続端に沿った、この接続端から50mm以内の前記クラウン部の領域において、前記クラウン部の総表面積の5%以上の表面積を占める領域に用いる部材をいう。また、換算剛性に用いるソール部材は、前記フェース部と接続した前記ソール部の接続端に沿った、この接続端から50mm以内の前記ソール部の領域において、前記ソール部の総表面積の5%以上の表面積を占める領域に用いる部材をいう。
その際、前記繊維強化材料は、繊維強化金属(FRM)又は繊維強化プラスチック(FRP)であるのが好ましい。
【0011】
また、本発明は、ホーゼル部、フェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を備えた外殻構成部分と、前記クラウン部に用いるクラウン部材と前記外殻構成部分に用いる他の部材とを接着した接合部とを有するゴルフクラブヘッドであって、前記クラウン部材が、積層された複数の繊維強化材で構成された層からなり、前記積層された層の少なくとも2層は、前記フェース部におけるゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に対して45〜90度の繊維配向角を有し、前記繊維配向角が前記フェース面の向く方向に対して45〜90度である層の数が、前記積層された層の数の50%以上を占め、クラウン部材の厚さは0.3〜2mmであって、さらに前記他の部材は金属材料で形成されていることを特徴とするゴルフクラブヘッドを提供する。
【0012】
また、本発明は、ホーゼル部、フェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を備えた外殻構成部分と、前記クラウン部に用いるクラウン部材と前記外殻構成部分に用いる他の部材とを接着した接合部とを有するゴルフクラブヘッドであって、前記クラウン部材が、積層された複数の繊維強化材で構成された層からなり、前記積層された層の少なくとも2層は、前記フェース部におけるゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に対して45〜90度の繊維配向角を有し、前記繊維配向角が前記フェース面の向く方向に対して45〜90度である層の補強繊維の質量が、前記積層された層の全体の補強繊維の質量の50%以上を占め、クラウン部材の厚さは0.3〜2mmであって、さらに前記他の部材は金属材料で形成されていることを特徴とするゴルフクラブヘッドを提供する。
【0013】
ここで、前記繊維配向角が45〜90度とは、フェース面の向く方向に対して絶対値で45度以上90度以下であることをいい、より具体的には−45度〜−90度あるいは+45度〜+90度の範囲にあることをいう。好ましくは、45度以上90度未満である。この場合、+45度、−45度は含まれ、+90度および−90度は含まれない。
また、補強繊維が異なった2方向、例えば配向角−45度および+45度に補強繊維を配向した織布状のクロスプリプレグ状のものを用いて構成してもよい。
その際、前記外殻構成部分に用いる部材の厚さと、この部材における、前記フェース部のゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向の弾性率との積をこの部材における換算剛性として定義するとき、前記ソール部に用いるソール部材の0.8倍以下の換算剛性を備えた部材が前記クラウン部材に用いられるのが好ましい。
また、前記クラウン部材は、繊維強化金属(FRM)および繊維強化プラスチック(FRP)のいずれか一方の材料で形成されているのが好ましい。
また、前記フェース面の向く方向に対して45〜90度の繊維配向角を有する少なくとも2層は、補強繊維が互いにフェース面の向く方向に対して異なる方向に傾斜して交錯層を形成するのが好ましい。この場合、補強繊維の交錯する角度は、略直角(85度以上95度以下)であるのが好ましい。
【0014】
さらに、本発明は、ホーゼル部、フェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を備えた外殻構成部分と、前記クラウン部に用いるクラウン部材と前記外殻構成部分に用いる他の部材とを接着した接合部とを有するゴルフクラブヘッドであって、前記クラウン部材が、積層された複数の繊維強化材で構成された層からなり、前記積層された層の少なくとも2層は、前記フェース部におけるゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に対して45〜90度の繊維配向角を有し、前記外殻構成部分に用いる部材の厚さと、この部材における、前記フェース部のゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に沿った弾性率との積をこの部材における換算剛性として定義するとき、前記クラウン部材は、前記ソール部に用いるソール部材の0.8倍以下の換算剛性を備え、前記他の部材は金属材料で形成されていることを特徴とするゴルフクラブヘッドを提供する。
【0015】
また、本発明は、ゴルフクラブヘッド、ゴルフクラブシャフトおよびグリップを有するゴルフクラブであって、前記ゴルフクラブヘッドは、ホーゼル部、フェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を備えた外殻構成部分と、前記クラウン部に用いるクラウン部材と前記外殻構成部分に用いる他の部材とを接着した接合部とを有し、前記クラウン部材が、積層された複数の繊維強化材で構成された層からなり、前記積層された層の少なくとも2層は、前記フェース部におけるゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に対して45〜90度の繊維配向角を有し、前記クラウン部材において、例えば、前記繊維配向角が前記フェース面の向く方向に対して45〜90度である層の数が、前記積層された層の数の50%以上を占め、前記クラウン部材の厚さは0.3〜2mmであり、さらに前記他の部材は金属材料で形成されていることを特徴とするゴルフクラブを提供する。
【0016】
さらに、本発明は、ゴルフクラブヘッド、ゴルフクラブシャフトおよびグリップを有するゴルフクラブであって、前記ゴルフクラブヘッドは、ホーゼル部、フェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を備えた外殻構成部分と、前記クラウン部に用いるクラウン部材と前記外殻構成部分に用いる他の部材とを接着した接合部とを有し、前記クラウン部材が、積層された複数の繊維強化材で構成された層からなり、前記積層された層の少なくとも2層は、前記フェース部におけるゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に対して45〜90度の繊維配向角を有し、前記クラウン部材において、前記繊維配向角が前記フェース面の向く方向に対して45〜90度である層の補強繊維の質量が、前記積層された層の全体の補強繊維の質量の50%以上を占め、前記クラウン部材の厚さは0.3〜2mmであり、さらに前記他の部材は金属材料で形成されていることを特徴とするゴルフクラブを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、高い水準の反発性および耐久性を備え、反発性と耐久性とのバランスがとれたゴルフクラブヘッドを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係るゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドについて説明する。第1図および第2図は本発明のゴルフクラブヘッド1の分解斜視図であり、第3図Aは本発明のゴルフクラブヘッド1の斜視図であり、第3図Bはゴルフクラブヘッド1を用いたゴルフクラブ4の斜視図である。第3図Aに示すように、本発明のゴルフクラブヘッド1は、クラウン部11、サイド部21、ソール部31、ホーゼル部51、およびフェース部41を外郭構成部分として具備する中空ゴルフクラブヘッドである。
ゴルフクラブ4は、第3図Bに示すように、ゴルフクラブヘッド1、ゴルフクラブシャフト6、およびグリップ8を有し、ゴルフクラブヘッド1は、ゴルフクラブシャフト6の一方の端に設けられ、グリップ8は、ゴルフクラブシャフト6の他方の端に設けられている。
【0019】
ここで、ゴルフクラブヘッド1の外殻構成部分に用いられる構成要素を部材という。例えば、クラウン部11が独立した構成要素から形成される場合、クラウン部11を形成する構成要素をクラウン部材という。同様にフェース部41を形成する構成要素をフェース部材、ソール部を形成する構成要素をソール部材という。ただし、例えばサイド部21とソール部31とが一体的に成形されている場合、ソール部材とは、一体成形した構成要素のうち、ソール部31を形成する部分をいう。また、事後的に付加された構成要素は部材には含まれない。なお、後述する換算剛性比に用いるクラウン部材は、第4図AおよびBに示す斜線の領域(領域R1,R2,R3)に用いられる部材をいう。この点は後述する。
【0020】
第1図に示すように、これらクラウン部11、サイド部21、ソール部31、ホーゼル部51、およびフェース部41のうち、クラウン部11およびフェース部41はそれぞれ1つの独立したクラウン部材10、1つのフェース部材40から構成されている。一方、サイド部21、ソール部31およびホーゼル部31は、一体的に成形されたゴルフクラブへッド本体60から構成されている。これらのクラウン部材10、フェース部材40およびゴルフクラブヘッド本体60はそれぞれ中空ゴルフクラブヘッドを構成する別個の外殻構成部材であり、これらを接合することにより、ゴルフクラブヘッド1が形成されている。
【0021】
フェース部材40、ゴルフクラブヘッド本体60は金属、例えばチタンまたはチタン合金で形成されており、クラウン部材10は炭素繊維強化プラスチック(CFRP)で形成されている。クラウン部材10は、例えば3層乃至7層の炭素繊維を補強繊維とし、配向角をフェース面の向く方向に対して45度乃至90度の範囲で変えて積層し、この積層体をエポキシ樹脂等に含浸して乾燥させたプリプレグをクラウン部51を平面に展開した展開図の輪郭に沿って裁断し、これをクラウン部51の形状に成形して硬化したものからなる。したがって、第1図および第2図に示したように、クラウン部材10は略球面の一部を切り取った形状に湾曲している。クラウン部材10の厚さは打球時の衝撃に耐えられる強度を維持できる厚さであればよく、特に限定されない。代表的にはクラウン部材10の厚さは0.3〜2.0mmであるのが好ましい。クラウン部材10の質量は特に限定されないが、ゴルフクラブヘッド1全体の質量の3〜10%であるのが好ましい。
【0022】
クラウン部材10において、フェース部41のゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向の弾性率(ヤング率)とこのクラウン部材10の厚さとの積をクラウン換算剛性として定義し、ソール部31において、フェース部41のゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向の弾性率とこのソール部31の厚さとの積をソール換算剛性と定義したとき、クラウン換算剛性が前記ソール換算剛性の0.8以下となっている。
【0023】
ここで上記弾性率は、ゴルフクラブヘッド1を水平な基準面上に通常のアドレスポジションに設置したとき、以下のように定義される。
すなわち、弾性率は、ゴルフクラブヘッド1を水平な基準面上に通常のアドレスポジションに設置したときに定まるフェース面の向く方向に沿い、しかも前記基準面に対して垂直であり、かつフェース部のフェース面に垂直な平面でクラウン部を切断した時のクラウン部の切断線に沿った方向における値である。
【0024】
ここで、フェース面の向く方向とは、通常のアドレスポジションに設置したゴルフクラブヘッド1を前記基準面に対して垂直上方から見たときの、基準面に平行な平面上におけるフェース面の向く方位方向をいう。通常のアドレスポジションに設置するとは、ゴルフクラブヘッド1をライ角度通りに設置し、かつ、その時のゴルフクラブシャフトの中心軸とゴルフクラブヘッドのフェース部のリーディングエッジとが基準面の垂直上方から見て互いに平行になるように、つまりフェースアングルが0度になるように設置することをいう。ライ角度通りに設置とはゴルフクラブヘッドの底面を成すソール部のラウンド面と基準面との間の隙間がトウ側およびヒール側で略等しくなるように設置することをいう。ソール部のラウンド面が不明瞭な場合、フェース面に形成されているスコアラインと基準面とが平行になるように設置してもよい。また、ゴルフクラブにおいて、ソール部のラウンド面が不明瞭であり、かつスコアラインが直線状でない等により基準面との平行か否かの判別が困難な場合は、ライ角度は、ライ角度(度)=(100−クラブ長さ(インチ))にて設定される。例えば、44インチのクラブ長さであれば、ライ角度は100−44=56度になる。
ここで、クラブ長さは、社団法人日本ゴルフ用品協会が定める測定法により測定される。測定器としては、株式会社鴨下精衡所製のクラブ・メジャーIIが挙げられる。
【0025】
このようにして定まるソール換算剛性に対するクラウン換算剛性の比率(換算剛性比)、ソール換算剛性/クラウン換算剛性の値は、後述するように、ゴルフボールの初期弾道特性を効果的に変化させるには0.8以下であればよい。このようにクラウン換算剛性をソール換算剛性の0.8倍以下とすることによって、打撃面にてゴルフボールを打撃した時のゴルフボールのバックスピン量を減らし、打ち出し角度を大きくすることができる。
【0026】
第5図AおよびBは、ゴルフクラブでゴルフボールを打撃した時の様子を分かり易く説明した説明図である。第5図Aに示すようにゴルフボールBを打撃したとき、フェース部41のフェース面にゴルフボールのインパクト力が加わり、このインパクト力はクラウン部およびソール部に伝わるが、インパクト力によって生じるクラウン部およびソール部の剪断変形について考えると、クラウン換算剛性がソール換算剛性の0.8倍以下となっているので、クラウン部の剪断変形はソール部の剪断変形に比べて大きくなる。このため、フェース部41のフェース面は僅かにロフト角度が大きくなる方向に変形する。このゴルフボールのインパクト時のフェース面の変形は、ゴルフボールのバックスピン量および打ち出し角度に影響を与える。
【0027】
第6図A〜Cは、ソール換算剛性を一定(113(GPa・mm))にしてクラウン換算剛性を変化させた場合のバックスピン量の変化を、ヘッドスピード34m/秒,40m/秒および46m/秒毎に示している。第6図A〜Cに示すように、ヘッドスピードによって変化の程度は変わるが、いずれの場合もクラウン換算剛性が低下することで、バックスピン量が低下することがわかる。
【0028】
一方、第7図A〜Cは、ソール換算剛性を一定(113(GPa・mm))にしてクラウン換算剛性を変化させた場合の打ち出し角度の変化をヘッドスピード34m/秒,40m/秒および46m/秒毎に示している。第7図A〜Cに示すように、ヘッドスピードによって変化の程度は変わるが、いずれの場合もクラウン換算剛性が低下することで、打ち出し角度が大きくなることがわかる。
【0029】
また第8図A〜Cは、ソール換算剛性を一定(113(GPa・mm))にしてクラウン換算剛性を変化させた場合のゴルフボールの初速度の変化を、ヘッドスピード34m/秒,40m/秒および46m/秒毎に示している。第8図A〜Cに示すように、いずれの場合もゴルフボールの初速度が最大となるクラウン換算剛性が存在することがわかる。
【0030】
このようなクラウン換算剛性を有する部材として、繊維強化プラスティック材料(FRP)を用いた複合材料、例えば炭素繊維を補強繊維とした炭素繊維強化プラスティック材料(CFRP)が好適に用いられる。例えば、下記表1に示すように、7層の複合材料や3層の複合材料を作製することができ、基準値に対して0.37倍から5.63倍の間の倍率で換算剛性を変化させることができる。ここで、基準値とは、所定の基準方向に対して配向角を±45度交互に傾斜させて積層した4層の炭素繊維強化プラスチック材料の上に所定の基準方向に対して配向角が90度の炭素繊維強化プラスチック材料を最上層に積層した5層の複合材料における換算剛性の値である。基準方向とは、ゴルフクラブヘッドを平面状の基準面上に通常のアドレスポジションに設置したときフェース面の向く方向(方位方向)が定まるが、このときのフェース面の向く方向(方位方向)をいう。クラウン部材が湾曲していることから、より具体的には、フェース面の向く方向を含む前記基準面に垂直な平面でクラウン部を切断したときの切断線に沿った方向である。以降、配向角はこの基準方向に対する傾斜角度をいう。
【0031】
ここで、表1中、例えば3層の積層数で、配向角が0,90°の部材は、最下層から最上層に向かって、90°,0°,90°の配向角で形成されたものであり、7層の積層数で、配向角が±60°,90°の部材は、最下層から最上層に向かって+60°,−60°,+60°,−60°,+60°,−60°,90°の配向角で構成されたものである。このような複合材料をクラウン部材10に用いてゴルフクラブヘッド1を作製し、ゴルフボールの試打を行ってゴルフボールの初期弾道特性を計測することによって、第6図A〜C、第7図A〜Cおよび第8図A〜Cに示すグラフを得ることができる。
【0032】
【表1】
Figure 2004052472

【0033】
クラウン部を構成する繊維強化プラスチック(FRP)層の積層数は特に限定されないが、代表的には2層乃至10層であり、3層乃至7層であることが好ましい。積層数をこの範囲内にすることにより、耐久性と反発性とのバランスをより向上させることができる。またこれらの積層された繊維強化プラスチック(FRP)層のうち、積層数の50%以上の層が、前記基準方向(配向角0度の方向)に対して45〜90度の繊維配向角の補強繊維を有する層から構成されている。また、積層された複数のFRP層の厚さが異なる場合、この複数のFRP層のうち、45〜90度の配向角の補強繊維を有する層の補強繊維の質量が、積層される層全体の補強繊維の質量の50%以上を占めるように構成してもよい。
また、上記繊維強化プラスチック(FRP)層に用いる補強繊維の弾性率は35×103 kg重/mm2 以下であることが好ましい。この範囲にすることにより、十分な耐久性が確保される。なお、下記表2は、各種合金材料における換算剛性の上記基準値に対する倍率を表している。合金材料の換算剛性は、上記炭素繊維強化プラスチック材料を用いた積層複合材料の換算剛性に比べて概して高い。
本発明においては、クラウン部材の積層された層の少なくとも2層は、ゴルフクラブヘッドのフェース面の向く方向に対して45〜90度の補強繊維の配向角(繊維配向角)を有する。ここで、45〜90度とは、フェース面の向く方向に対する配向角の絶対値が45〜90度であることを意味し、具体的には、配向角が−45度〜−90度あるいは+45度〜+90度の範囲にあることをいう。好ましくは、90度(+90度、−90度)の配向角は除かれる。45度以上90度未満とすることで、より反発性と耐久性のバランスがとれる。第9図は、フェース面の向く方向Dに対して、クラウン部材における補強繊維の配向角の範囲R4を示している。なお、本発明においては、繊維強化プラスチック層における補強繊維が異なった2方向、例えば配向角−45度および+45度に補強繊維を配向した織布状のクロスプリプレグ状のものを用いて構成することもできる。この場合の構成される層は2層構成として扱う。
【0034】
【表2】
Figure 2004052472

【0035】
ゴルフクラブヘッド本体60は、サイド部21、ソール部31およびホーゼル部51を一体的に成形した部材であり、たとえばチタン合金を鋳造して形成されている。第1図および第3図に示したように、サイド部21を構成する側面はウッドタイプのゴルフクラブヘッドの側面に対応した、外側に膨らんだ湾曲した形状を備えている。一方、サイド部21の上端縁から延設されたのりしろ部20aは、クラウン部11の外周縁に対応した、外側に膨らんだ湾曲形状を備えている。のりしろ部20aの上表面にエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂あるいはシアノアクリレート樹脂等による厚さ0.03〜1.5mmの接着剤層(図示省略)が形成されており、この接着剤層を介して前記クラウン部材10の下面と接合した接合部が形成されている。接着剤の替わりに、のりしろ部20aに樹脂フィルムを設けて接着層を構成することもできる。例えば、樹脂フィルムとして、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、変性ナイロン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチルセルロース樹脂および酢酸セルロース樹脂などの熱可塑性樹脂フィルムが例示される。接着層として形成する上記接着剤や上記樹脂フィルムは、後述するのりしろ部40aにも同様に用いることができる。
【0036】
サイド部21の厚さは、打球時の衝撃に耐えられる厚さであれば良く、特に限定されない。代表的にはサイド部21の厚さは0.5〜2.0mmであるのが好ましい。
【0037】
第1図および第3図に示したように、ソール部31を構成する面はウッドタイプのゴルフクラブヘッドの底面に対応した、外側に膨らんだ湾曲した形状を備えている。ソール部31の厚さは、打球時の衝撃に耐えられる厚さであれば良く、特に限定されない。代表的にはソール部31の厚さは1.0〜3.0mmであるのが好ましい。
【0038】
フェース部材40はゴルフクラブヘッド1のフェース部41を平面に押し広げた展開図の上部にのりしろ部40aを付加した図に沿ってチタンまたはチタン合金板をトリミングしたものをプレス加工してフェース部41とのりしろ部40aとを形成したものである。第1図および第3図に示したように、フェース部41を構成する面はウッドタイプのゴルフクラブヘッドのフェース面に対応して略平面を成している。
本実施形態ではフェース部材40にのりしろ部40aが設けられているが、クラウン部材やソール部材にのりしろ部が設けられてもよい。また、クラウン部と接合するのりしろ部20a,40aは、第2図に示すようにクラウン部材の周上にわたって設けられているが、クラウン部材の一部分、例えば一辺上に有していてもよい。このような場合でも、後述する反発性および耐久性をバランスよく確保することができ、本発明の実施形態に含まれる。
【0039】
一方、フェース部41の上端縁から延設されたのりしろ部40aは、クラウン部11の外周縁に対応した、外側に膨らんだ湾曲形状を備えている。またのりしろ部40aの両端は前記サイド部材20ののりしろ部20aの両端と一致する形状に形成されており、のりしろ部40aはのりしろ部20aと連続した曲面を形成している。のりしろ部40aの上表面にエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂あるいはシアノアクリレート樹脂等による厚さ0.03〜1.5mmの接着剤層(図示省略)が接着のために形成され、この接着剤層を介して前記クラウン部材10下面と接合された接合部が形成されている。勿論、上述した樹脂フィルムによって接着層を構成してもよい。このようにフェース部41を金属で形成することにより、打球時に心地よい打球音を響かせることができる。
【0040】
一方、フェース部材40の下端側と両側面にはのりしろ部は形成されていない。フェース部材40の厚さは、打球時の衝撃に耐えられる厚さであれば良く、特に限定されない。代表的にはフェース部材40の厚さは1.5〜4.0mmであるのが好ましい。フェース部材40の下端と前記ソール部31正面とは一致するような形状に形成されており、フェース部材40下端とソール部31正面とは例えば溶接により接合されている。フェース部材40の左右両端と前記ゴルフクラブヘッド本体60のサイド部21の左右両端とは一致する形状に形成されており、フェース部材40の左右両端と前記サイド部21の左右両端とは、例えば溶接により接合されている。
【0041】
なお、ゴルフクラブヘッド本体60を構成するソール部31、サイド部21およびホーゼル部51は別々の独立した部材として構成されていてもよい。例えば一枚のチタンまたはチタン合金板を展開図状にトリミングしてプレス加工し、ソール部材、サイド部材を形成し、別に形成したホーゼル部材を各部の境界部分で溶接或いは各部材の外周縁に延設したのりしろ部を介して接着して一体化する方法である。
【0042】
第2図に示すように、ゴルフクラブヘッド1は、クラウン部材10が炭素繊維で補強された繊維強化プラスチック(CFRP)を用いた複合材料で形成され、チタンまたはチタン合金で形成されたゴルフクラブヘッド中間体101と接着剤で接着されて接合されている。
【0043】
なお、上記実施形態では、クラウン部材10およびソール部材31のそれぞれが同一の材料で構成されているが、これらの部材はそれぞれ複数種類の材料で構成されたものであってもよい。この場合、換算剛性比に用いるクラウン部材は、フェース部41と接続したクラウン部11の接続端に沿った、この接続端から50mm以内のクラウン部11の領域において、クラウン部11の総表面積の5%以上の表面積を占める領域に用いる部材である。また、換算剛性比に用いるソール部材は、フェース部41と接続したソール部の接続端に沿った、この接続端から50mm以内のソール部の領域において、このソール部の総表面積の5%以上の表面積を占める領域に用いる部材である。
ここで、クラウン部の総表面積はサイド部との接続端、フェース部との接続端およびネック部材の接続端によって囲まれる部分の総表面積であり、これらの接続端は曲率半径の変化によって知ることができる。同様に、ソール部の総表面積はサイド部およびフェース部との接続端によって囲まれる部分の総表面積である。ゴルフクラブヘッドは外表面に塗装が施されてクラウン部の領域が明確でない場合、ゴルフクラブヘッドを切断し、内面の接合部分を調べることでサイド部、クラウン部およびソール部の端を知ることもできる。さらに、クラウン部が明確でない場合、ゴルフクラブヘッドを水平の基準面上に通常のアドレスポジションに設置し、ゴルフクラブを基準面に対して垂直上方から見下ろした時の打撃面を除く投影面積を前記クラウン部の総表面積として用いてもよい。
【0044】
第4図AおよびBに示すゴルフクラブヘッドを用いて上記クラウン部材について詳細に説明する。なお、ソール部材についても同様に定義される。
第4図Aに示すゴルフクラブヘッドは、クラウン部材が合金や複合材料等を用いた1つの材料で構成されたものであり、第4図Bに示すゴルフクラブヘッドは、クラウン部材が合金や複合材料等、種類の異なる2つの材料で構成されたものである。
第4図Aに示すゴルフクラブヘッドの場合、フェース部41と接続したクラウン部11の接続端Eに沿った、この接続端から50mm以内のクラウン部11の領域(図中の斜線で示される領域R1)において、クラウン部11の総表面積の5%以上の表面積を占める領域に用いられる部材が本発明における換算剛性比に用いるクラウン部材となる。一方、第4図Bに示すゴルフクラブヘッドは、領域R2に異なる2つの材料が層状に構成され(例えば下層にチタン合金からなる層、上層に5層の繊維強化プラスチック材から成る層で構成され)、一方、領域R3は1つの材料によって構成されている(例えば5層の繊維強化プラスチック材からなる層で構成されている)。この場合、領域R2とクラウン部11の接続端に沿った、この接続端から50mm以内のクラウン部11の領域(第4図A中の領域R1参照)との重なる部分の表面積がクラウン部11の総表面積の5%以上である場合、この重なる部分に用いる部材が本発明の換算剛性比に用いるクラウン部材となる。また、同様に、領域R3と領域R1の重なる部分の表面積がクラウン部11の総表面積の5%以上である場合、この重なる部分に用いる部材が本発明における換算剛性比に用いるクラウン部材となる。したがって、第4図Bに示すようなクラウン部を有するゴルフクラブヘッドの場合、クラウン部材が複数定められる場合がある。同様にソール部材についても複数定められる場合がある。この場合、換算剛性比は、複数の定められるクラウン部材および複数のソール部材の中でいずれか1つのクラウン部材およびソール部材の組み合わせにおいて0.8以下であればよい。例えば、繊維強化プラスチックの層からなるクラウン部材と、金属や合金からなるクラウン部材と、繊維強化プラスチックの層および合金が層状に積層されたクラウン部材が定められる場合、これらのクラウン部材の換算剛性をそれぞれ求め、このうちのいずれか1つの換算剛性がソール部の換算剛性との比率において0.8以下となっていればよい。
【0045】
次に、本実施形態に係るゴルフクラブヘッド1の製造方法について説明する。第10図は本実施形態に係るゴルフクラブヘッド1の製造方法の流れを示したフローチャートである。本実施形態に係るゴルフクラブヘッド1を製造するには、まずサイド部とソール部とが一体化されたゴルフクラブヘッド本体60を、チタン合金、例えば6−4Ti合金を鋳造することにより製造する(ステップ1)。ゴルフクラブヘッド本体60を作製した後、このゴルフクラブヘッド本体60のフェース部41にフェース部材40を例えば溶接することにより接合する(ステップ2)。こうしてゴルフクラブヘッド本体60にフェース部材40が溶接されたゴルフクラブヘッド中間体101が得られる。
【0046】
上記ゴルフクラブヘッド中間体101の作製と並行して、クラウン部材10を作製する。クラウン部材10を作製するには、まず炭素繊維強化プラスチック(CFRP)シート(以下、「CFRPシート」または「カーボンシート」という。)を用意する。このCFRPシートを所望の繊維配向方向で所望の形状、例えば本実施形態では、クラウン部材10を平面に押し広げた形状に裁断する。次いで3層乃至7層の、例えば繊維配向方向が45〜90度であるCFRPシートを積層してクラウン部材10を得る。
【0047】
次いで、こうして形成されたクラウン部材10を、型枠、すなわちクラウン部材10の最終形状の曲面を備えた型枠内にセットし、所定温度、所定圧力で硬化して接着する(ステップ3)。この接着工程では、例えば3〜8kg/cm2 の内圧をかけた状態で15分間155℃の状態に維持して内圧成形し、更に135℃の温度で1時間維持してポストキュアさせる。本実施形態では、クラウン部材10を形成するCFRPのマトリックスを構成する樹脂、例えばエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂あるいはシアノアクリレート樹脂等が接着剤として機能する。以上の工程により、未塗装のゴルフクラブヘッドが得られる。
【0048】
クラウン部11をCFRPシートを用いて形成することにより、ゴルフクラブヘッド1の上部を軽量化でき、ひいてはゴルフクラブヘッド1の重心を下げることができる。また、CFRPシートでクラウン部11を形成してクラウン部11の弾性率を調整することにより、打ち出されたゴルフボールの反発係数が調整された、種々のゴルフクラブヘッドを提供することができる。更に、複雑な曲面等、さまざまな形状のクラウン部11を備えたゴルフクラブヘッドを容易かつ安価に製造することができる。また、後述するように、耐衝撃性および耐環境性等の耐久性の高いクラウン部を備えたゴルフクラブヘッドを提供することができる。
【0049】
クラウン部材10をゴルフクラブヘッド中間体101に接着する前に、のりしろ部20aおよび40aの各表面と、これらに貼り合わされるクラウン部材10外周縁下面にはブラスト処理等の表面粗化処理を施しておくのが好ましい。接合表面を表面粗化処理することにより、機械的強度の高い接合部を形成することができる。
【0050】
各部材の接着に用いられる接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シアノアクリレート樹脂等を挙げることができる。このように、接着剤と、接着すべきクラウン部材10の部分と、のりしろ部20aおよび40aとで形成される接合部は200kgf/cm2 以上の引張剪断強度を備えていることが好ましく、温度50℃かつ相対湿度95%の環境下に2週間放置後に200kgf/cm2以上の引張剪断強度を維持していることが更に好ましい。200kgf/cm2 以上という高い引張剪断強度を有する接合部を形成することにより、より優れた耐久性を備えたゴルフクラブヘッドを得ることができる。
【0051】
上記引張剪断強度を備えた接合部を得るためには、前記のりしろ部20a,40aの幅を5mm〜20mmにしたり、のりしろ部20a,40aの面積を1500mm2 〜4500mm2 にする方法が挙げられる。
【0052】
こうして形成したゴルフクラブヘッド1に対して、更にペーパーがけなどによりバリ取りを行い(ステップ4)、例えばナイロンのようなプライマーを塗布し、しかる後に所定のパターンに塗装する(ステップ5)。かくして第3図に示したような完成品としてのゴルフクラブヘッド1が得られる。
【0053】
第1図から明らかなように、本実施形態のゴルフクラブヘッド1は中空構造を備えている。このようにゴルフクラブヘッドを中空化することにより、ゴルフクラブヘッド自体を軽量化できる。また、薄板状の金属や各種複合材料を接着することにより容易に製造できる。更に本実施形態ではクラウン部材10としてCFRPからなる部材を用いているが、ゴルフクラブヘッドが、質量比率で4%以上を占める繊維強化プラスチック(FRP)からなる部材と、金属材料からなる部材とから構成されているのが好ましい。また、ゴルフクラブヘッドを構成する各部材が繊維強化プラスチック(FRP)と金属とを用いて構成されてもよい。質量比率で4%以上のFRPからなる部材を用いることにより、大容積化と軽量化とを両立させるとともに、打ち出されたゴルフボールの初期弾道特性すなわち初期速度、打ち出し角度、バックスピン量等を効果的に調整することができる。この効果を効果的に発生させるには質量比率が4〜48%であるのが好ましい。
【0054】
以上説明したように、本発明のゴルフクラブヘッド1は、クラウン部材10、サイド部21、ソール部31およびホーゼル部51を備えるゴルフクラブヘッド本体60とフェース部材40とをそれぞれ別個に作製し、これらの部材を接合した構造になっているので、前記各部材ごとに厚さを選択することができる。直接打球時の衝撃力が作用しない構成部、例えばサイド部21、ソール部31には比較的薄く成形することにより、ゴルフクラブヘッド1の重量マージンを従来の一体成形したものに比べて、より多く得られ、設計の自由度を広げることができる。
【0055】
その一方で、サイド部21およびフェース部材40の外周縁にそれぞれ、のりしろ部20aおよび40aを形成し、これらののりしろ部20a,40aに接着剤を塗布して、サイド部21、ソール部材31およびホーゼル部51を一体化したゴルフクラブヘッド本体60とフェース部材40とからなるゴルフクラブヘッド中間体101とクラウン部材10とを接着により接合している。そのため、接着剤の層(接着層)とこの接着層を両側から挟持するクラウン部材10と、のりしろ部20aおよび40aとで形成される接合部の面積が溶接やネジ止めの場合と比較して広くなる。肉厚も不連続的に厚くなることなく、比較的薄い部分が接合部全体に広がる。そのため、打球時の応力が集中せず、分散される。更に、接着剤層自身が緩衝材として機能するため、打球時の衝撃が接着剤層に吸収されて緩和される。そのため、使用する板材の厚さを薄くしたにもかかわらず、十分な機械的強度が得られる。
【0056】
このように機械的強度を維持しながら軽量化できるため、重量を従来品と同程度に維持しつつ、ゴルフクラブヘッド1の体積を300〜580ccまで大型化することができ、スイートスポットの面積を大きくすることができる。更に上記実施形態では、金属としてのチタンまたはチタン合金と、複合材料としてのCFRPとの2種類の材料を組み合わせてなるゴルフクラブヘッド1を例にして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、接合部を有する部材が複数あってもよいし、接合する部材は同一部材でも異種部材でもよい。更に例えば、クラウン部材、サイド部材、ソール部材、フェース部材、ホーゼル部材をそれぞれ異なる材料で形成し、これらを接着剤を用いて接合することもできる。このように構成部分ごとに異なる材料、例えば異種金属で形成した各部材を用いることにより設計の自由度を広げ、新たな特性を備えたゴルフクラブヘッドを形成することもできる。
【0057】
なお、ここで異種金属とは、単体金属の場合種類が異なる金属であるほか、合金の場合は、比較する合金との間で、共通する金属元素の組成比率のうち小さい方の値を取り出して合計したときの値が20%未満である場合をいう。例えば、6−4チタン合金(Ti:Al:V=90:6:4)と15−5−3チタン合金(Ti:Mo:Zr:Al=77:15:5:3)とを比較する場合、上記合計値が80%(77+3)となるので、6−4チタン合金と15−5−3チタン合金とは異種金属とはいわない。
【0058】
このように部材どうしを接着することにより接合するので、異種金属で形成された部材どうしを接着剤により接合してゴルフクラブヘッドを形成することができる。従って溶接による接合ができなかった異種金属を組み合わせてゴルフクラブヘッドを形成することができる。
【0059】
更に、例えば、複合材料としては、金属製のマトリックス中にAl23 からなる補強繊維を分散させた繊維強化金属(FRM)、金属製のマトリックス中にカーボン繊維の補強材を分散させた金属基複合材料(MMC)、樹脂製のマトリックス中に無機材料製の補強繊維を分散させた繊維強化プラスチック(FRP)およびセラミック製のマトリックス中にSiC繊維の補強材を分散させたセラミック基複合材料(CMC)からなる群から選択される材料を挙げることができる。
【0060】
このように様々な特性を備えた材料を組み合わせて用いることができるので、設計の自由度が広がる。すなわち特定の性質を備えた材料を適所に用いることにより、ゴルフボールの初期弾道特性や重心位置等の様々な特性を備えたゴルフクラブヘッドを提供することができる。また安価な材料を適所に用いることにより製造コストを抑えることもできる。更に、異なる種類の複合材料を接着剤により接合するので、一体成形時のような雌型成形型や大型の設備を必要としない。そのため、低コストかつ容易に製造可能なゴルフクラブヘッドを提供することができる。
【0061】
【実施例】
以下、本発明の実施例ついて説明する。下記に示した方法で試験片および試験ヘッドを作製し、環境試験を行った後、試験片については引張剪断試験を行い、試験ヘッドについては実打耐久試験を行った。
【0062】
1.試験片の作製
試験片としては、長さ100mm×幅25.4mmのゴルフクラブヘッド用の6−4Ti製チタン合金板を使用し、2枚の試験片のそれぞれの端部から13mmの位置まで接着剤を塗布して接合した。また接着剤としては、エポキシ系接着剤とアクリル系接着剤とを使用した。試験片の種類としては、ブラスト処理(TH01,TH03)、ブラスト処理なし(TH02,TH04)の試験片を作製した。
【0063】
2.試験ヘッド(ゴルフクラブヘッド)の作製
CFRPシート(カーボンシート)を用いて第2図に示すようにクラウン部材10を構成し、別途作製された6−4Ti製のゴルフクラブヘッド中間体101に接着剤を用いて貼り合わせて第2図に示すような試験ヘッドを作製した。接着剤としてはエポキシ系接着剤とアクリル系接着剤とを用いた。試験ヘッドの種類としては、ブラスト処理(TH01−H,TH03−H)、ブラスト処理なし(TH02−H,TH04−H)を作製した。この作製した試験ヘッドに横浜ゴム株式会社製 TRX−DUO M40(商品名)用のゴルフクラブシャフトを取り付けて45インチのクラブ長さのゴルフクラブを作製した。
【0064】
3.試験方法
試験片と作製したゴルフクラブとを温度50℃、相対湿度95%の環境に晒し、それぞれ0週間、2週間後に、初速度50m/秒で打ち出されたゴルフボールをフェース部の中心から10mm上の位置に衝突させ、試験ヘッドが破壊されるまでのボール衝突数を記録した。ボール衝突数は最大で5000発とした。ゴルフボールは、横浜ゴム株式会社製TRX(商品名)を用いた。一方、試験片は、各試験片の接着強度(引張剪断強度)を測定することにより評価した。各試験の結果を表3および表4に示す。
【0065】
【表3】
Figure 2004052472
【0066】
【表4】
Figure 2004052472

【0067】
表3の結果から分かるように、試験ヘッドにエポキシ系接着剤を塗布してCFRPシート(カーボンシート)からなるクラウン部材を接着した試験ヘッドTH01−H,TH02−Hは5000発打っても変化なく、優れた耐久性を備えていることが分かった。一方、アクリル系接着剤を塗布してCFRPシートからなるクラウン部材を接着した試験ヘッドTH03−H,TH04−Hは3000発打つ前にCFRPシートが剥離してしまい、強度的には不十分であることが分かった。
【0068】
また、表4の結果から分かるように、試験片TH01〜02は200kgf/cm2 以上の引張剪断強度を備えている。試験片TH03、TH04は200kgf/cm2未満の引張剪断強度であることが分かった。但し、ブラスト処理を施していない試験片TH02およびTH04は、ブラスト処理を施した試験片TH01、TH03、TH04と比較すると、相対的に環境性試験の値が劣る傾向にあることが実証された。このことから、ブラスト処理を施すことが好ましいことが判明した。
【0069】
(実験例)
各種材料で形成されたクラウン部材10と、ゴルフクラブヘッド中間体101とを接着した場合の効果を確認するため、以下の実験を行った。すなわち、クラウン部材10を形成する材料、クラウン部材10を形成する複合材料中の補強繊維の配向角、およびクラウン部材とゴルフクラブヘッド中間体101とを接合する方法とが異なる8種類の試験ヘッド(テストゴルフクラブヘッド)を用意し、このテストゴルフクラブヘッドに横浜ゴム株式会社製 TRX−DUO M40(商品名)用のゴルフクラブシャフトを取り付けて45インチのクラブ長さのゴルフクラブを作製した。各テストゴルフヘッドの剛性値、反発性および耐久性を調べた。なお、試験に用いたゴルフボールは、横浜ゴム株式会社製TRX(商品名)である。
【0070】
テストゴルフクラブヘッドは、CH01〜CH05,FH01〜FH03の8種類のゴルフクラブヘッドである。各テストゴルフクラブヘッドCH01〜CH05,FH01〜FH03のクラウン部材の形成材料、各クラウン部材の複合材料中の補強繊維の配向角、剛性値、クラウン部材とゴルフクラブヘッド中間体との接合方法、反発性試験結果、耐久性試験結果を表5に示した。
【0071】
補強繊維の配向角はフェース−バック方向(フェース面の向く方向、ゴルフボールの打球進行方向)を0度とし、トゥ−ヒール方向(フェース部の表面に平行な方向)を90度とした。また、実施例1乃至実施例4のクラウン部材では積層したカーボンシートの全プライ数の1/2以上がフェース面の向く方向に対して45〜90度の配向角を備えている。またカーボンシート中の炭素繊維の弾性率は24×103 kg重/mm2 、厚さ0.173mmであった。表中「CFRP」はカーボン繊維強化プラスチックを意味し、同「AFRP」はアラミド繊維を補強繊維として用いたアラミド繊維強化プラスチックを意味する。上記試験を行ったところ、表5に示した結果が得られた。表5中の反発性および耐久性の値は大きいほど各特性が優れている。
【0072】
【表5】
Figure 2004052472
【0073】
表5の結果から明らかなように、実施例1乃至実施例5(CH01〜CH05)と比較例1(FH01)とを比較すると、クラウン部材とゴルフクラブヘッド中間体との接合方法に溶接を用いた比較例1に比較して、接着を用いた実施例1〜5は反発性、耐久性ともに優れており、反発性と耐久性とのバランスがよいことが判明した。これら実施例1乃至5は全て換算剛性比(クラウン換算剛性/ソール換算剛性)がいずれも0.8以下である。また、補強繊維の配向角を0度および90度にした比較例2では、換算剛性比が実施例1乃至5より高い0.90であり、比較例1と同程度の低い反発性と耐久性しか得られなかった。更に、ビス止めを用いた比較例3は、換算剛性比が0.11であり、反発性こそ比較例1より改善されたものの、耐久性が著しく低下した。また、配向角90度の補強繊維を有さない実施例1、3は、配向角90度の補強繊維を有する実施例2に比べて反発性および耐久性が共に向上した。
【0074】
さらに、実施例1乃至4の結果をみると、積層した補強繊維シートのうち、補強繊維の配向角がフェース面の向く方向に対して45〜90度傾斜した層の層数の割合が50%以上のときに反発性、耐久性が高く、反発性と耐久性とのバランスがとれていることが判明した。反発性試験はボールスピード160feet/秒の条件で行った。耐久性試験はボールスピード50m/秒の条件で行い、打点位置はフェース部のセンターから10mm上の位置とした。
以上、本発明のゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブについて詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明のゴルフクラブヘッドの分解斜視図である(第1図)。
【図2】本発明のゴルフクラブヘッドの分解斜視図である(第2図)。
【図3】(a)は本発明のゴルフクラブヘッドの斜視図であり(第3図A)、(b)は、(a)に示すゴルフクラブヘッドを用いたゴルフクラブの斜視図である(第3図B)。
【図4】(a)および(b)は、本発明におけるゴルフクラブヘッドのクラウン部材を説明する図である(第4図AおよびB)。
【図5】(a)および(b)は、ゴルフクラブでゴルフボールを打撃したときの変形を分かりやすく説明した説明図である(第5図AおよびB)。
【図6】(a)〜(c)は、クラウン換算剛性の変化に対するゴルフボールのバックスピン量の変化を示した図である(第6図A〜C)。
【図7】(a)〜(c)は、クラウン換算剛性の変化に対するゴルフボールの打出角度の変化を示した図である(第7図A〜C)。
【図8】(a)〜(c)は、クラウン換算剛性の変化に対するゴルフボールの初速度の変化を示した図である(第8図A〜C)。
【図9】ゴルフクラブヘッドにおけるクラウン部材の繊維配向角を説明する図である(第9図)。
【図10】本発明のゴルフクラブヘッドの製造方法のフローチャートである(第10図)。
【符号の簡単な説明】
【0076】
1 ゴルフクラブヘッド
4 ゴルフクラブ
6 ゴルフクラブシャフト
8 グリップ
10 クラウン部材
11 クラウン部
20a,40a のりしろ部
21 サイド部
31 ソール部
40 フェース部材
41 フェース部
51 ホーゼル部
60 ゴルフクラブへッド本体
101 ゴルフクラブヘッド中間体

Claims (12)

  1. ホーゼル部、フェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を備えた外殻構成部分と、前記クラウン部に用いるクラウン部材と前記外殻構成部分に用いる他の部材とを接着した接合部とを有するゴルフクラブヘッドであって、
    前記外殻構成部分に用いる部材の厚さと、この部材における、前記フェース部のゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に沿った弾性率との積をこの部材における換算剛性として定義するとき、前記ソール部に用いるソール部材の0.8倍以下の換算剛性を備えた部材が前記クラウン部材に用いられることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記接合部において、互いに異なる材料で形成された部材が接合されている請求の範囲第1項に記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記接合部で接合される部材が、それぞれ、金属、繊維強化金属(FRM)、金属基複合材料(MMC)、繊維強化プラスチック(FRP)およびセラミック基複合材料(CMC)からなる群から選択される材料で形成されている請求の範囲第1項または第2項に記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記クラウン部材が、繊維強化プラスチック(FRP)で形成されていることを特徴とする請求の範囲第1項〜第3項のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
  5. ホーゼル部、フェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を備えた外殻構成部分と、前記クラウン部に用いるクラウン部材と前記外殻構成部分に用いる他の部材とを接着した接合部とを有するゴルフクラブヘッドであって、
    前記クラウン部材が、積層された複数の繊維強化材で構成された層からなり、前記積層された層の少なくとも2層は、前記フェース部におけるゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に対して45〜90度の繊維配向角を有し、前記繊維配向角が前記フェース面の向く方向に対して45〜90度である層の数が、前記積層された層の数の50%以上を占めることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  6. ホーゼル部、フェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を備えた外殻構成部分と、前記クラウン部に用いるクラウン部材と前記外殻構成部分に用いる他の部材とを接着した接合部とを有するゴルフクラブヘッドであって、
    前記クラウン部材が、積層された複数の繊維強化材で構成された層からなり、前記積層された層の少なくとも2層は、前記フェース部におけるゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に対して45〜90度の繊維配向角を有し、前記繊維配向角が前記フェース面の向く方向に対して45〜90度である層の補強繊維の質量が、前記積層された層の全体の補強繊維の質量の50%以上を占めることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  7. 前記外殻構成部分に用いる部材の厚さと、この部材における、前記フェース部のゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に沿った弾性率との積をこの部材における換算剛性として定義するとき、前記ソール部に用いるソール部材の0.8倍以下の換算剛性を備えた部材が前記クラウン部材に用いられる請求の範囲第5項また第6項に記載のゴルフクラブヘッド。
  8. 前記クラウン部材は、繊維強化金属(FRM)および繊維強化プラスチック(FRP)のいずれか一方の材料で形成されている請求の範囲第5項〜第7項のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
  9. 前記フェース面の向く方向に対して45〜90度の繊維配向角を有する少なくとも2層は、補強繊維が互いにフェース面の向く方向に対して異なる方向に傾斜して交錯層を形成する請求の範囲第5項〜第8項のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
  10. ホーゼル部、フェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を備えた外殻構成部分と、前記クラウン部に用いるクラウン部材と前記外殻構成部分に用いる他の部材とを接着した接合部とを有するゴルフクラブヘッドであって、
    前記クラウン部材が、積層された複数の繊維強化材で構成された層からなり、前記積層された層の少なくとも2層は、前記フェース部におけるゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に対して45〜90度の繊維配向角を有し、前記外殻構成部分に用いる部材の厚さと、この部材における、前記フェース部のゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に沿った弾性率との積をこの部材における換算剛性として定義するとき、前記クラウン部材は、前記ソール部に用いるソール部材の0.8倍以下の換算剛性を備えていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  11. ゴルフクラブヘッド、ゴルフクラブシャフトおよびグリップを有するゴルフクラブであって、
    前記ゴルフクラブヘッドは、ホーゼル部、フェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を備えた外殻構成部分と、前記クラウン部に用いるクラウン部材と前記外殻構成部分に用いる他の部材とを接着した接合部とを有し、
    前記クラウン部材が、積層された複数の繊維強化材で構成された層からなり、前記積層された層の少なくとも2層は、前記フェース部におけるゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に対して45〜90度の繊維配向角を有し、前記繊維配向角が前記フェース面の向く方向に対して45〜90度である層の数が、前記積層された層の数の50%以上を占めることを特徴とするゴルフクラブ。
  12. ゴルフクラブヘッド、ゴルフクラブシャフトおよびグリップを有するゴルフクラブであって、
    前記ゴルフクラブヘッドは、ホーゼル部、フェース部、ソール部、クラウン部、およびサイド部を備えた外殻構成部分と、前記クラウン部に用いるクラウン部材と前記外殻構成部分に用いる他の部材とを接着した接合部とを有し、
    前記クラウン部材が、積層された複数の繊維強化材で構成された層からなり、前記積層された層の少なくとも2層は、前記フェース部におけるゴルフボールを打撃するフェース面の向く方向に対して45〜90度の繊維配向角を有し、前記繊維配向角が前記フェース面の向く方向に対して45〜90度である層の補強繊維の質量が、前記積層された層の全体の補強繊維の質量の50%以上を占めることを特徴とするゴルフクラブ。
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