JPWO2004041909A1 - エチレンオキシド用重合触媒組成物および当該組成物を用いたポリ(エチレンオキシド)の製造方法 - Google Patents

エチレンオキシド用重合触媒組成物および当該組成物を用いたポリ(エチレンオキシド)の製造方法 Download PDF

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Abstract

従来法に比べて分子量が低く、分子量分布幅が比較的狭い範囲のポリエチレンオキシドを生成させることが可能なエチレンオキシド用重合触媒組成物と、当該触媒組成物を利用したポリエチレンオキシドの製造方法を提供する。この触媒組成物は、約2万〜20万の分子量範囲を有したポリ(エチレンオキシド)ポリマーを直接重合によって高収率にて経済的に製造することが可能な触媒組成物であって、成分A:有機アルミニウム化合物と、成分B:アルカリ金属アルコキシド化合物又はアルカリ金属水酸化化合物の少なくとも1種とを含むことを特徴とする。尚、本製造方法では、上記触媒組成物の触媒を用いて、従来法と同様の重合条件下で上記分子量範囲のポリ(エチレンオキシド)ポリマーが製造できる。

Description

本発明は、エチレンオキシドの重合の際に使用される触媒組成物(エチレンオキシド用重合触媒組成物)、及びポリ(エチレンオキシド)の製造方法に関する。さらに詳しくは、比較的低い分子量を有しシャープな分子量分布を有するポリ(エチレンオキシド)を高収率にて製造することが可能なエチレンオキシド用重合触媒組成物および当該ポリ(エチレンオキシド)の製造方法に関する。
これまで、エチレンオキシドのポリマーは、2つの分子量範囲において製造されている。最大分子量が約2万〜3万以下であるものは、「ポリエチレングリコール」と呼ばれている。このような材料に関する非特許文献としては、K.C.Frisch et al:″Ring Opening Polymerization″,New York,Marcel Dekker(1969年)や、T.Saegusa:″Ring Opening Polymerization″,Washington,Am.Chem.Soc.発行、1977年が挙げられる。
一方、約数十万〜約800万の分子量を有したエチレンオキシドポリマーは、「ポリ(エチレンオキシド)」と呼ばれている。このような技術がを記載された特許文献としては、米国特許第2971988号明細書、特公昭45−7751号公報及び特公昭53−27319号公報が挙げられる。
エチレンオキシドポリマーに関する文献は非常に混乱している。ポリエチレングリコールとポリ(エチレンオキシド)という2つの用語が置き換え可能に使用されている場合もしばしばある。実際に、ケミカルアブストラクトには、エチレンオキシドのポリマーについての索引番号一つだけしか存在せず、2つの別々の分子量範囲のものだけが製造可能とされてきており、これらが全く異なった方法によって製造されるという重大な違いが区別されていない。
これらの方法の一方は、既に延べたように、約1万〜3万の間の最大分子量のものだけを製造することが可能であり、もう一つの方法は、約10万〜90万の間及びそれ以上の最小分子量のものだけを製造することが可能である。従って、約3万以上で、約10万以下の分子量を有したエチレンオキシドポリマーの範囲が、以前は製造できなかったことが明らかである。このような中間の分子量を有したポリマーについての多くの用途を考慮すると、現存する分子量ギャップを埋めることについての幅広い要求が存在している。
又、数十万以上の分子量範囲であるエチレンオキシドポリマーは、分子量分布の点で一般的に非常に幅広く、分子量は製造の間に制御することが困難であることも真実である。
更に、10万以上の分子量を有したエチレンオキシドポリマーを高収量で経済的に製造することは非常に困難である。一般に知られている手法は、100万以上の分子量となるようにして最初に製造されたポリマーを、10万〜90万の範囲にある所望の分子量ポリマーを得るためにガンマ線照射により分子量を小さくすることである。
それゆえ、これまでに達成できなかった範囲の、約1万〜3万以上で、約10万以下の分子量の範囲内にあるエチレンオキシドポリマーに対する要望が存在している。しかしながら、今日までに、このような結果を達成することが可能な適した触媒は開示されてきていない。
本発明の目的は、約2万〜20万の分子量範囲を有したポリ(エチレンオキシド)ポリマーを高収率で直接重合によって経済的に製造することが可能な重合触媒組成物と、その重合触媒組成物を利用したポリ(エチレンオキシド)ポリマーの製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、エチレンオキシドを直接重合させてポリ(エチレンオキシド)を製造するに際し、特定の重合触媒組成物を用いると、極めて良好にエチレンオキシドの重合がなされ、しかも、その分子量分布が非常にシャープとなり、得られるポリマーの分子量が特定範囲内に制御できることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
本特許出願には、これまでのいかなる製造技術によっても入手できなかった範囲のエチレンオキシドポリマーを製造するための物質組成物及び方法が開示されている。この分子量範囲の下側限界は1万〜3万であり、一方、この範囲の上側限界は約10万である。
又、本特許出願の目的は、2つの成分、すなわち成分Aと成分Bから成る新規な触媒組成物を開示することでもある。これら成分Aと成分Bが一緒に使用された際、得られた触媒「システム」は、エチレンオキシドの重合をうまく開始させることができ、低い多分散度により特徴付けられる、狭い分子量分布を有した約2万〜約20万の所望の範囲内にある分子量を生じさせることができ、高収率にて、しかも直接重合によって経済的にエチレンオキシドの重合を達成することが可能である。
又、本特許出願は、幅広い範囲の有用な適用領域を開示するものでもある。
ある種の触媒成分が、エチレンオキシドの極めて効率の良い重合をもたらすことが見い出された。更に、これらのポリマーが特異な狭い分子量分布を有し、目的とする分子量の制御が容易に達成できることも見い出された。
本発明において有用な上記の触媒は、一般的には2つの成分から成る。この第1成分である成分Aは、有機アルミニウム化合物である。第2成分である成分Bは、少なくともアルカリ金属アルコキシド化合物又はアルカリ金属水酸化化合物から構成される。
本発明の開示の更に別の目的は、ポリエチレンオキシドポリマーのある範囲のものを製造するための方法を開示することである。これらのポリマーは、狭い分子量分布を有しており、本願に記載された新規な触媒組成物によって製造される。本発明の触媒組成物は、有機アルミニウム化合物と、アルカリ金属アルコキシド化合物又はアルカリ金属水酸化化合物とから成り、アルカリ金属アルコキシド化合物又はアルカリ金属水酸化化合物がそれぞれ単独で使用されても、あるいはアルカリ金属アルコキシド化合物とアルカリ金属水酸化化合物が一緒に使用されても、エチレンオキシドの重合を開始させて所望のポリエチレンオキシドポリマーを生産する。
即ち、本発明のポリ(エチレンオキシド)ポリマー製造用触媒組成物は、約2万〜20万の分子量範囲を有したポリ(エチレンオキシド)ポリマーを直接重合によって高収率にて経済的に製造することが可能な触媒組成物であって、当該触媒組成物が、成分A:有機アルミニウム化合物と、成分B:アルカリ金属アルコキシド化合物又はアルカリ金属水酸化化合物の少なくとも1種とを含むことを特徴とする。
又、本発明は、約2万〜20万の範囲内にある所望の分子量に調節可能な触媒組成物を用いるポリ(エチレンオキシド)の製造方法であって、当該方法では、成分A:有機アルミニウム化合物と、成分B:アルカリ金属アルコキシド化合物又はアルカリ金属水酸化化合物の少なくとも1種とを含む触媒組成物が使用され、前記触媒組成物中の前記成分Aと前記成分Bの比率を調整し、低い多分散度(多分散度2.0未満)により特徴付けられる、狭い分子量分布を有した比較的低分子量のポリ(エチレンオキシド)を得ることを特徴とする。
まず、本発明のポリ(エチレンオキシド)ポリマー製造用触媒組成物について説明する。
本発明の触媒組成物中に含有される成分Aは、適当な有機アルミニウム化合物から構成され、分子内にAl−C結合しか有しないものである。この成分Aは、いかなるAl−O結合も有しないものである。Al−C結合を含む化合物はいずれも、本発明の開示内容の請求の範囲に包含される。適した有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジフェニルイソブチルアルミニウム及びモノフェニルジイソブチルアルミニウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。適した有機アルミニウム化合物の類の中で最も好ましい化合物は、トリイソブチルアルミニウムである。適した有機アルミニウム化合物(成分A)としては、個々の化合物だけでなく、有機アルミニウム化合物の1種以上の混合物も挙げられる。
一方、成分Bのアルカリ金属アルコキシドとしては、セシウム、ルビジウム、カリウム、ナトリウム、リチウム等のメトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、カリウムt−ブトキシドが最も好ましい。
又、成分Bは、アルカリ金属水酸化物であっても良い。具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。アルカリ金属水酸化物の中では、水酸化カリウムが最も好ましい。
又、成分Bは、アルカリ金属アルコキシドとアルカリ金属水酸化物の混合物から構成されても良い。
特定の触媒混合物が使用される本発明においては、有効な添加量の重合反応を阻害しない範囲内で任意の公知の触媒用添加剤が使用されても良い。このような物質は、成分Aと成分Bとの触媒組成物と併用された際にもエチレンオキシドの重合反応を阻害しない。このような技術が開示された特許文献としては、特開昭62−232433号公報が挙げられる。
前記成分Aの有機アルミニウム化合物の、前記成分Bのアルカリ金属アルコキシド及び/又はアルカリ金属水酸化物に対する割合の有効なモル数は、3mol以上である。
前記成分Aと成分Bとを共に含む前記触媒組成物の有用な濃度は、エチレンオキシドに対して0.1〜5.0モル%Al原子である。好ましくは、0.2〜3.0モル%の範囲が望ましい。最も好ましくは、0.4〜1.5モル%の範囲が最適である。
触媒濃度が約0.4モル%未満では、重合速度が遅くなる傾向がある。又、触媒濃度が約0.2モル%未満では、重合が進み難い場合がある。
本発明者等は、本発明の触媒組成物の作用機構を科学的に正確に明らかにではないが、成分B中のアルカリ金属イオンが重合を開始させるように機能する一方で、成分Aのアルミニウム原子−含有化合物が、効果的なエチレンオキシド重合に適した立体化学的な配置をとるように作用するものと考えられる。従って、得られるポリエチレンオキシドポリマーの目的とする分子量の制御は、成分Aの有機アルミニウム化合物のモル比を、成分Bのモル比に対して調節することによって効果的に達成することができる。
次に、前述の触媒組成物を用いたポリ(エチレンオキシド)の製造方法について説明する。
本願明細書に記載される触媒組成物を用いるエチレンオキシドの重合は、他の触媒組成物について既に刊行された公知の方法を用いて実施することができる。このような技術が開示された特許文献としては、特公昭45−7751号公報や特公昭53−27319号公報が挙げられる。例えば、窒素やヘリウムなどの無水で不活性なガスの存在下で室温において、アルカリ金属アルコキシド又はアルカリ金属水酸化化合物のいずれかを、適当な溶媒中に最初に添加する。その後で、有機アルミニウム化合物を上記溶媒に添加する。最後に、必要量のエチレンオキシドを添加し、重合を開始させる。
公知の適した溶媒の具体例としては、エーテル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン系溶媒、ケトン類が挙げられる。本発明の目的のために、これら溶媒の2種以上を併用することもできる。最も好ましい脂肪族性溶媒としては、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、シクロペンタン、工業用ヘキサン、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどが挙げられる。このような疎水性溶媒は非常に好ましい。というのは、重合反応によって生じたポリ(エチレンオキシド)粉末が乾燥しやすく、しかも、このような揮発性の有機物質中に粉末が溶解しないため、凝集させることなく取り扱える。
本発明の重合反応は、従来技術として公知の幅広い温度範囲において実施することができる。このような技術が開示されている特許文献としては、特公昭45−7751号公報や特公昭53−27319号公報が挙げられる。しかしながら、このような重合反応は0〜50℃の範囲内で実施されることが好ましい。このような範囲は、当業者により用いられる温度範囲と同様である。
以下に記載される製造例に関連して、本発明を説明する。これらの実施例は、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。実施例において、「部」及び「%」は重量基準によるものとして使用されている。これらの実施例は全て、窒素、ヘリウムなどの不活性ガスを用いたものであり、無水条件下で行われたものである。尚、実施例中の多分散度は、分子量分布を表す指数であり、重合により得られた生成物の分子量及び分子量分布(多分散度)〔Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)〕は、GPC(水系)により測定した。
1Lのオートクレーブ中に、脱水n−ヘキサン200mlを仕込み、カリウムt−ブトキシド1.0mmolを加えた。次に、1.0Mのトリイソブチルアルミニウム(Al(i−Bu)3)のn−ヘキサン溶液を10ml加え、本発明の重合触媒組成物を得た。
その後、1.0molのエチレンオキシドガスを、1.5時間の時間をかけてゆっくりと反応器内の溶液中に供給した。この反応温度は、周囲の空気の温度(すなわち25℃)であった。
指定量のエチレンオキシドの添加終了後、この系を約2時間攪拌してn−ヘキサン中のポリエチレンオキシド粉末を含むスラリーを得た。
このようにして得られたスラリーを濾過し、減圧条件下で乾燥することにより最終的に粉体状のポリエチレンオキシド粉末を得た。
この反応の収率は99.5%であった。GPCにより測定された分子量は40,000であり、多分散度は1.28であった。
この実施例は、実施例1の2.4倍の2.4molのエチレンオキシドを反応器内に供給される以外は同一の方法を用いて行われた。
得られたポリエチレンオキシドの収率は97%であった。GPCにより測定された分子量は100,000であり、多分散度は1.48であった。
実施例1に記載される同様の方法を用い、触媒系は、カリウムt−ブトキシドの濃度を1.0mmolから0.6mmolに減らし、1.0Mのトリイソブチルアルミニウム(Al(i−Bu)3)のn−ヘキサン溶液の量を10mlから6mlに変更した。そして、上記の触媒系の入った反応器に、2.4molのエチレンオキシドを2時間かけて供給し、その後、この系を20時間攪拌させた。
このようにして得られたn−ヘキサン中のポリエチレンオキシドのスラリーを濾過に引き続いて、減圧条件下にて乾燥することにより最終的に粉体状の製品が得られた。
この反応の収率は70%であり、生じた分子量は、GPCにより測定されたものとして150,000であった。多分散度は1.96であった。
実施例1〜3に示されるように、(使用される触媒系の濃度に対して)使用するエチレンオキシドの量が2倍であったり3倍であるとき、得られるポリエチレンオキシドの分子量は、2倍及び3倍にそれぞれ増加した。これら3つの場合の結果においては、エチレンオキシドの重合を開始させるために本発明の触媒系を使用した場合には、低い多分散度を有した少なくとも分子量150,000までのポリエチレンオキシドの所望の分子量が達成でき、制御できる。
比較例1
実施例1に記載される同様の方法を用い、触媒系は、1.0Mのトリイソブチルアルミニウム(Al(i−Bu)3)を含むn−ヘキサン溶液の代わりに、アルミニウムイソプロポキサイド(Al(OCH(CH3)2)3)10mmolに置き換えた。このような触媒系を用いて重合を行ったところ、収率は2%にすぎなかった。このようにして得られた分子量は、GPCにより測定されたものとして25,000であり、多分散度は2.48であった。
本発明の目的は、本発明の方法によって生成する、固体状、粒状、粉末状の形態の比較的低分子量のポリ(エチレンオキシド)を製造することである。上記の粉末形態は、従来技術によって生成されるポリエチレングリコールを越える重大な利点を有している。というのは、これらは、10,000〜30,000などの最大分子量範囲において一般的にワックスタイプの物質だからである。
従来技術でのワックスタイプの物質は、典型的には、本発明の固体状、粒状の低い多分散度のものよりも、例えば熱可塑性加工などの一定の用途において特に取り扱いが困難である。本発明のポリマーは粉末の形態で存在する。これらは、単独であっても、分子量の大きな又は小さなエチレンオキシドポリマーと共に使用した時でも、幅広い用途にて使用できる可能性をもたらす。これらはまた、他の水溶性ポリマー、部分水溶性ポリマー(すなわち疎水性に変性された、いわゆる「結合増粘剤」)、無機粘土増粘剤と組み合わせて、及び/又は水不溶性熱可塑性ポリマーと組み合わせて使用されても良い。
このような用途の具体例としては、限定されるものではないが、製紙、繊維、塗料、医療品、化粧品、パーソナルケア品、トイレタリー、セラミック、化成品、印刷製品、農林製品、水産分野、環境分野、土木・建材製品、電気、機器、機械、金属加工などが挙げられる。本発明の製品は、特に医療品、化粧品、パーソナルケア品及びトイレタリーにおいて有用である。

Claims (12)

  1. 約2万〜20万の分子量範囲を有したポリ(エチレンオキシド)ポリマーを直接重合によって高収率にて経済的に製造することが可能な触媒組成物であって、当該触媒組成物が、成分A:有機アルミニウム化合物と、成分B:アルカリ金属アルコキシド化合物又はアルカリ金属水酸化化合物の少なくとも1種とを含むことを特徴とするポリ(エチレンオキシド)ポリマー製造用触媒組成物。
  2. 前記有機アルミニウム化合物が、分子中にAl−O結合を有さずにAl−C結合を有した化合物であることを特徴とする請求項1記載の触媒組成物。
  3. 前記有機アルミニウム化合物が、トリアルキルアルミニウム化合物及びトリシクロアルキルアルミニウム化合物からなる群から選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の触媒組成物。
  4. 前記トリアルキルアルミニウム化合物が特に好ましくはトリ−イソブチルアルミニウムであることを特徴とする請求項3に記載の触媒組成物。
  5. 前記アルカリ金属アルコキシド化合物が特に好ましくはカリウムt−ブトキシドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の触媒組成物。
  6. 前記アルカリ金属水酸化化合物が好ましくは水酸化カリウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の触媒組成物。
  7. 前記成分Aが、前記成分B1モルに対して3モル以上含有されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の触媒組成物。
  8. 約2万〜20万の範囲内にある所望の分子量に調節可能な触媒組成物を用いてポリ(エチレンオキシド)を製造するための方法であって、当該方法においては、成分A:有機アルミニウム化合物と、成分B:アルカリ金属アルコキシド化合物又はアルカリ金属水酸化化合物の少なくとも1種とを含む触媒組成物が使用され、前記触媒組成物中の前記成分Aと前記成分Bの比率を調整し、低い多分散度により特徴付けられる、狭い分子量分布を有した比較的低分子量のポリ(エチレンオキシド)を得ることを特徴とするポリ(エチレンオキシド)の製造方法。
  9. 前記触媒組成物中の前記成分Aのモル比率を、前記成分B1モルに対して3モル以上に調整することを特徴とする請求項8に記載のポリ(エチレンオキシド)の製造方法。
  10. 前記触媒組成物の使用量が、エチレンオキシドに対して0.1〜5.0モル%Al原子であることを特徴とする請求項8又は9に記載のポリ(エチレンオキシド)の製造方法。
  11. さらに好ましくは前記触媒組成物の使用量が、エチレンオキシドに対して0.2〜3.0モル%Al原子であることを特徴とする請求項8又は9に記載のポリ(エチレンオキシド)の製造方法。
  12. 特に好ましくは前記触媒組成物の使用量が、エチレンオキシドに対して0.4〜1.5モル%Al原子であることを特徴とする請求項8又は9に記載のポリ(エチレンオキシド)の製造方法。
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