JPWO2004025300A1 - 固定化用担体および固相 - Google Patents

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Abstract

本発明は、性質の異なる多種多様な物質を、特異的、効率的かつ再現性良く固定化させるための、最適な担体表面を形成した固定化用担体を提供すること、および当該担体の使用により改善された特性を有する固相を提供することを目的とする。本発明の固定化担体は、担体の表面に電解質薄膜が設けられていることを特徴とする。該固定化用担体は、例えば、抗原抗体反応、核酸のハイブリダイゼーション、レセプターアッセイ、バイオセンサーなどに用いる固相の作製に応用可能である。

Description

本発明は、固相上での抗原抗体反応、固相上での核酸のハイブリダイゼーション、固相上でのレセプターとリガンドの反応、固相上での酵素と基質の反応、細胞の固定化などに用いられる固定化用担体に関し、当該担体を利用した固相に関する。
固相上での抗原抗体反応、固相上での核酸のハイブリダイゼーション、固相上でのレセプターとリガンドの反応、固相上での酵素と基質の反応を測定する系に用いられる固定化用担体は、ポリスチレンやポリカーボネートなどのプラスチック、セルロースなどの生体高分子物質、ガラス、セラミック樹脂、金属、導電性プラスチックなどを材質とするが、それらの担体については固定化する物質の結合量を制御するため、材質の選択から始まり、材質の選択で解決できない場合にはプラズマ、ガンマー線、紫外線あるいはオゾンなどにより表面を改質して固定化用担体としての最適化を計っていた。しかしながら、従来の最適化法では改質条件の再現性などに問題があったり、また、マイクロプレートやラテックス粒子などの固相に対しては表面を均一に改質することが困難であった。とりわけ、限られたいくつかの条件を変更することのみで、異なる性質をもつ多種多様な物質を効率的に結合させるための最適な表面改質を行うことは特に困難を極めた。そのため、固相に目的の物質を固定化するための条件検討に多大な労力を費やす必要があり、場合によっては全く固定化できない場合もあったため、物質の固定化を自由にコントロールできる固定化用担体が切に望まれていた。
なお、上記の背景技術に関し、「微生物菌体固定化用粒状担体及び粒状担体の製造装置」と題する特許文献(国際公開第WO97/19978号パンフレット)は、(a)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する親水性光硬化性樹脂、(b)光重合開始剤、及び(c)アルカリ金属イオンまたは多価金属イオンとの接触によりゲル化する能力のある水溶性高分子多糖類を含んでなる液状組成物を、アルカリ金属イオンまたは多価金属イオンを含有する水性媒体中に滴下して該組成物を粒状にゲル化し、活性光線を照射して硬化せしめてなり、比重が1.00〜1.20で且つ表面のn−パラフィンとのなす接触角が2°〜30°であり、微生物の付着に適した表面を有する微生物菌体固定化用粒状担体について開示している。ただし、当該活性光線の照射は、光硬化性樹脂の光重合により粒状担体の強度を高めるためのものであり(第14頁第6乃至8行目)、当該文献においては、得られた担体の更なる表面改質について何も開示されていない。
また、特許文献(特開2000−65832号公報)は、試料の前処理を回避し、正しい検査結果を得ることができるフィルター状生物学的特異反応測定用担体、並びに該生物学的特異反応測定用担体を用いた測定方法に関しており、1〜100μmの細孔径を有するフィルター状の有機ポリマーからなることを特徴とするフィルター状生物学的特異反応測定用担体について開示している。当該フィルター状の有機ポリマーには、従来技術に従って、更に繊維表面の加水分解、コロナ放電、プラズマ処理、UV−オゾン処理、カルボジイミド(結合剤)などの活性物質の塗布よりなる群から選ばれた少なくとも1種の表面処理がなされ得るとされている(第4頁第5欄〔0011〕段落および〔0015〕段落)。
従って、本発明は、性質の異なる多種多様な物質を、特異的、効率的かつ再現性良く固定化させるための、最適な担体表面を形成した固定化用担体を提供すること、および当該担体の使用により改善された特性を有する固相を提供することを課題とする。
本発明の固定化用担体は、その表面に電解質薄膜が設けられていることを特徴とする。すなわち、本発明の第1は、
(1)担体の表面に電解質薄膜が設けられていることを特徴とする固定化用担体である。
上記電解質薄膜の材料としては無機材料を用いることもできるが、高分子材料を用いてそれを形成することが好ましい。従って、本発明の第2は、
(2)前記電解質薄膜が高分子材料により形成される上記(1)の固定化用担体である。
また、上記の電解質薄膜はポリアニオン又はポリカチオンのいずれかよりなる薄膜とすることができ、従って、本発明の第3は、
(3)前記電解質薄膜がポリアニオン薄膜又はポリカチオン薄膜のいずれかよりなる上記(2)の固定化用担体である。
より好ましくは、上記の電解質薄膜が、複数の異なるポリアニオン薄膜またはポリカチオン薄膜を任意に組み合わせて積層した積層膜として形成され得る。特に好ましくは、上記ポリアニオン薄膜とポリカチオン薄膜とを交互に積層して当該電解質薄膜を形成する。すなわち、本発明の第4は、
(4)前記電解質薄膜がポリアニオン薄膜とポリカチオン薄膜が交互に積層されてなる上記(2)の固定化用担体である。
本発明の固定化用担体は、例えば、抗原抗体反応、核酸のハイブリダイゼーション、レセプターアッセイ、バイオセンサーなどに用いる固相の作製に応用可能である。特に、本発明の固定化用担体は、例えば、生体由来物質・組織・細胞・菌体・ウィルスあるいはそれらと結合又は親和性を有する物質などの固定化などに用いられ、有利には、測定対象物質を固相に補足する際にその対となる補足物質を該固相担体上に結合するための最適な固相担体表面を提供する。従って、本発明の第5は、
(5)検出物に結合する物質あるいは親和性をもつ物質を固定化するために用いられる上記(1)〜(4)のいずれかの固定化用担体である。
本発明の固定化用担体に固定化される対象としては、タンパク、糖タンパク、ペプチド、糖ペプチド、多糖、核酸、脂質、糖脂質などの生体由来物質、細胞あるいはそれらと結合する物質又は親和性をもつ物質が例示できる。従って、本発明の第6は、(6)タンパク、糖タンパク、ペプチド、糖ペプチド、多糖、核酸、脂質、糖脂質などの生体由来物質、細胞あるいはそれらと結合する物質又は親和性をもつ物質を固定化するために用いられる上記(1)〜(5)のいずれかの固定化用担体である。
また、本発明は、上記(1)〜(4)に記載の固定化用担体を利用した、各種の測定・試験などに供し得る固相をも提供し、当該固相においては、例えば、検出物に結合する物質あるいは親和性をもつ物質、とりわけ、タンパク、糖タンパク、ペプチド、糖ペプチド、多糖、核酸、脂質、糖脂質などの生体由来物質、細胞あるいはそれらと結合する物質又は親和性をもつ物質などが極めて特異的、効率的かつ再現性良く固定化されている。従って、本発明の第7および第8は、
(7)上記(1)〜(4)のいずれかの固定化用担体上に、検出物に結合する物質あるいは親和性をもつ物質を固定化した固相であり、
(8)上記(1)〜(4)のいずれかの固定化用担体上に、タンパク、糖タンパク、ペプチド、糖ペプチド、多糖、核酸、脂質、糖脂質などの生体由来物質、細胞あるいはそれらと結合する物質又は親和性をもつ物質を固定化した固相である。
上記の各構成により、本発明は、性質の異なる多種多様な物質を、特異的、効率的かつ再現性良く結合させ得る固定化用担体を提供することを可能にし、優れた特性を有する固相を提供する。
本発明の固定化用担体には、その基材の表面に電解質薄膜が設けられる。
本発明の固定化用担体の基材の材質としては、当業者に周知のいかなるものを用いてもよく、ポリスチレンやポリカーボネートなどのプラスチック、セルロースなどの生体高分子物質、ガラス、セラミック樹脂、金属、導電性プラスチックなどが例示できるが、これに限定されない。これらの基材は、所望の用途に応じて任意の形態、例えば、マイクロプレートやビーズ、メンブレン、クロマトストリップチップ、チューブ、ニードル、或いは溝状体のような形態となすことができる。
本明細書で用いる「電解質薄膜」の用語に関し、一般に「電解質」という用語は水溶性の材料に対して用いられるが、本発明に利用可能な電解質薄膜を作成する上では、必ずしも水溶性の材料を用いる必要はない。例えば、荷電微粒子のような不溶性や、油性の材料であっても、有機溶媒に分散した状態で用いれば本発明の電解質薄膜の材料として利用可能である。また、本発明の電解質薄膜の材料は、必ずしもポリマー(高分子材料)である必要はなく、高分子材料以外にも無機材料などを用いることができるが、薄膜化や製造コスト低減の面で高分子材料がより好ましい。
当該高分子材料としては、電解質ポリマーが好適に利用し得、負の電解質ポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリパラフェニレン(−)、ポリチオフェン−3−酢酸、ポリアミド酸等の水溶性のアニオン性ポリマーが例示でき、正の電解質ポリマーとしては、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレン(+)、ポリパラフェニレンビニレン、ポリエチルイミン等の水溶性のカチオン性ポリマーが用いられるが、これに限定されない。
本発明の固定化用担体の基材表面に設けられる電解質薄膜は、当該担体の表面上に多種多様な物質を、特異的、効率的かつ再現性良く結合させる吸着膜として作用し、それは一層の薄膜から形成されてもよく、また複数の薄膜層からなる積層膜として形成されてもよい。積層膜として上記電解質薄膜を形成する場合は、正の電荷を持った第1の帯電(電解質)膜と、負の電荷を持った第2の帯電膜とを任意に組み合わせて積層し当該電解質薄膜を形成することができる。一般には、同種電荷同士の反発を考慮し、第1の帯電膜と第2の帯電膜とを交互に積層することがより好ましい。また、正の電荷をもった複数種類の帯電膜と、負の電荷をもった複数種類の帯電膜を、任意に、或いは電荷が交互になるように積層してもよい。
負または正に帯電したどちらか一方の薄膜のみを形成して、一層よりなる電解質薄膜を形成する場合には、例えば上記のアニオン性ポリマーの水溶液またはカチオン性ポリマーの水溶液のいずれかに担体基材の表面を浸せばよい。
また、積層膜として電解質薄膜を形成する場合には、負の電解質ポリマー薄膜と正の電解質ポリマー薄膜とを任意に、或いは交互に組み合わせて積層するが、負の電解質ポリマー薄膜と正の電解質ポリマー薄膜との積層(吸着)膜の一種である交互吸着積層膜は、例えば、G.Decker,Thin Solid Films,210/211,831(1992),D.S.Yoo,Macromolecules,31,4309(1998)、有賀克彦,化学と工業,第52巻,第7号,853−856頁に記載の方法を用いて、形成することができる。一般的には、負の電解質ポリマー(アニオン)水溶液と正の電解質ポリマー(カチオン)水溶液とに担体を交互に浸す作業を行えばよい。
また、浸漬の他、注射筒、ピペット、分注器、刷毛・ブラシ、インクジェットノズル、スタンプあるいは印刷などを用いてポリマー溶液を担体上の任意の個所に滴下・塗布・噴霧・押印することで、担体表面に任意に本発明の電解質薄膜を形成することも可能である。さらに、原子間力顕微鏡の探針を用いたディップペンナノリソグラフィーにより極微小領域に塗布することも可能である。
形成させる電解質薄膜の膜厚に特に制限はないが、1層の厚み0.1〜50nm、積層数1〜1000層、膜厚0.001〜50μmが好ましく、1層の厚み0.1〜50nm、積層数1〜500層、膜厚0.001〜25μmがより好ましく、1層の厚み0.1〜50nm、積層数1〜100層、膜厚0.001〜5μmが特に好ましい。膜を形成させる際の温度は、4〜60℃が好ましく、10〜45℃がより好ましく、15〜37℃が特に好ましい。また、アニオン性ポリマー水溶液またはカチオン性ポリマー水溶液に浸漬させる時間については特に制限がないが、1〜60分が好ましく、3〜30分がより好ましく、3〜15分が特に好ましい。
前記の交互積層膜を形成させる際には、1層形成後、速やかに次の層の形成に入ってもよく、また何日か時間をおいてから次の層を形成させてもよい。膜形成工程における洗浄工程は、一般的には水で担体を洗い流すだけで洗浄は完了する。水の純度については、膜形成に支障がなければ特に規定はない。また、洗浄に用いる液は必ずしも水である必要はなく、高分子電解質が溶ける溶媒を用いることも可能である。
なお、上記のとおり、一般に「電解質」という用語は、水溶性の材料に対して用いられるが、本発明に利用可能な膜を作成する上では、必ずしも水溶性の材料を用いる必要はない。例えば、荷電微粒子(例えば、フェライト微粒子)のような不溶性の材料や油性の材料でも、有機溶媒や水に分散した状態で用いれば、本発明の電解質膜の材料として利用可能である。また、本発明の電解質膜の材料は必ずしもポリマー(高分子材料)である必要はない。例えば、金属錯体モノマーをカチオン膜として、あるいは無機酸化物をアニオン膜として用いることも可能である。
膜が形成された後の固定化用担体は常温で保管が可能であり、通常1年以上の安定性を持つ。
本発明の固定化用担体には、その後、各種の物質、例えば、生体由来物質・組織・細胞・菌体・ウィルスあるいはそれらと結合又は親和性を有する物質、とりわけ、タンパク、糖タンパク、ペプチド、糖ペプチド、多糖、核酸、脂質、糖脂質、ビタミン類、ステロイド、カテコールアミンおよびチロキシンなどのホルモン類、プロスタグランディン類、GABA、アセチルコリン、セロトニンおよびドーパミンなどの各種神経伝達物質、抗生物質などに代表される生体由来物質、細胞あるいはそれらと結合する物質又は親和性をもつ物質などが固定化され得るが、当該固定化に際しては当業者に公知のいかなる方法を用いても差し支えない。このように各種の物質が担体上に固定化された固相は、該固相を利用した各種の抗原抗体反応、核酸のハイブリダイゼーション、レセプターアッセイ、バイオセンサーなどに好適に用いることができる。
以上のように、本発明によれば、優れた固定化能力及び安定性を持つ固定化用担体を非常に簡単な作業工程で作製でき、優れた特性を有する固相が提供される。
本発明の固定化用担体によれば、電解質薄膜を固定化用担体の基材表面にコートすることで、該コートされた担体表面に目的の物質を効率的かつ再現性良く固定化することが可能になり、優れた特性を有する固定化用担体およびそれを利用した固相が提供される。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明が以下の実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
96ウェルマイクロプレートをポリアクリル酸水溶液(濃度10−2M)に、25℃にて15分間浸漬した後、水で洗浄した。この時、ポリアクリル酸水溶液のpHは3.5に保持した。一方、0.1M 2−(N−モルフォリノ)エタンスルフォン酸(MES)バッファー(pH6)に、5’末端をアミノ化したオリゴデオキシチミジン(20mer)を1.3mMになるように加え、さらに1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)を25mMとなるように加えた溶液を調製した。上記プレートのウェルに、調製した溶液を75μLずつ加え、60℃で6時間反応させ、オリゴデオキシチミジンをウェル内表面に固定化した。未反応のオリゴデオキシチミジンを水で洗い流した後、0.5vol%の蛍光検出試薬OliGreenを含む10mMトリス(ヒドロキシ)アミノメタン塩酸塩−1mMエチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸(TE)バッファー(pH8.0)を75μL加えて蛍光測定した。別に、オリゴデオキシチミジンを固定化していないウェルにも蛍光検出試薬を加えて蛍光強度を測定し、ブランクとして差し引いた。
n=8で試験した結果、表1に示すように、得られたマイクロプレートでは蛍光強度は各ウェルともに強く、オリゴデオキシチミジンが多数結合していることが分かった。
(比較例1)
合成石英製低圧水銀灯を用いて、96ウェルマイクロプレートに紫外線を2000mJ/cm照射した。このマイクロプレートを用いて、実施例1と同様にオリゴデオキシチミジンをウェル内表面に固定化し、以下、実施例1と同様の操作を行った。
n=8で試験した結果、表1に示すように、得られたマイクロプレートでは蛍光強度は実施例1に比べて弱く、再現性も悪かった。
Figure 2004025300
96ウェルマイクロプレートをポリアクリル酸水溶液(濃度10−2M)に、25℃にて15分間浸漬して水で洗浄し、次にポリアリルアミン水溶液(濃度10−2M)に25℃にて15分間浸漬して水で洗浄し、これを交互に10回繰り返すことで交互積層膜を形成した。この時、両電解質水溶液のpHは3.5に保持した。100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)にダニ抗原タンパク質(Der f II、生化学工業製)を5μg/mLになるように溶解し、交互積層膜を形成したプレートのウェルに100μL入れて4℃で一晩吸着させた。PBSでウェルを3回洗浄後、1%牛血清アルブミン溶液(KPL社製Diluent/Blocking Solution Concenrateを蒸留水で10倍希釈)を400μL入れ、25℃で1時間反応させ未反応の固相をブロッキングした。PBSでウェルを3回洗浄後、ダニ特異IgE抗体を持つダニアレルギー患者血清100μLをウェルに入れ、25℃で2時間反応させた。PBSでウェルを3回洗浄後、1μg/mLに調製したペルオキシダーセ標識抗ヒトIgE抗体(KPL社製)を100μL入れ、25℃で1時間反応させた。PBSでウェルを5回洗浄後、TMB(KPL社製3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン)を100μL加えて3分間反応させ、次いで1Mリン酸を100μL加えて反応を止めた。マイクロプレートリーダを用いて450nmの吸光度を測定した。陰性対照として、ダニアレルギー患者血清の代わりに健常人血清を入れたウェルにも同様な操作を行った。陰性対照の5重測定から標準偏差(SD)を求め、さらにそれを2倍した数値を5重測定の平均値に加えたものをMEAN+2SDとした。一方、ダニアレルギー患者血清の5重測定から標準偏差(SD)を求め、さらにそれを2倍した数値を5重測定の平均値から引いたものをMEAN−2SDとした。MEAN−2SDからMEAN+2SDを引いた値が0または負の場合を陰性(−)、正の場合を陽性(+)とした。
その結果を表2に示す。表2から明らかなように、全てのダニアレルギー患者を陽性(+)と判定することができた。
(比較例2)
合成石英製低圧水銀灯を用いて、96ウェルマイクロプレートに紫外線を2000mJ/cm照射した。このマイクロプレートを用いて、実施例2と同様にダニ抗原タンパク質の固定化を行い、以下、実施例2と同様の操作及び計算を実施した。表2に示すように、得られたマイクロプレートでは全てのダニアレルギー患者を陽性(+)と判定することはできなかった。
Figure 2004025300
96ウェルマイクロプレートに、ポリアリルアミン水溶液(濃度10−2M、pH5.0)を分注し、25℃にて3分間置いて水で洗浄し、次にポリアクリル酸水溶液(濃度10−2M、pH2.5)を分注し、25℃にて3分間置いて水で洗浄した。これを交互に2.5回繰り返すことで交互積層膜を形成した。100mMリン酸ナトリウム緩衝溶液(PBS)(pH7.0)にウサギ由来アルドラーゼを1μg/μLになるように溶解し、交互積層膜を形成したプレートのウェルに100μL入れて、4℃で一晩吸着させた。PBSでウェルを3回洗浄後、1%牛血清アルブミン溶液(KPL社製Diluent/Blocking Solution Concentrateを蒸留水で10倍に希釈)を360μL入れ、25℃で1時間吸着させ、ブロッキングした。アルブミン溶液を除き、ペルオキシダーゼ標識アルドラーゼ特異抗体のPBS溶液100μLをウェルに入れ、25℃で2時間反応させた。PBSでウェルを4回洗浄後、TMB(KPL社製3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン)を100μL加えて15分間反応させ、1Mリン酸を100μL加えて反応を止めた。マイクロプレートリーダを用いて450nmの吸光度を測定した。n=8で試験した結果、表3に示すように、交互積層膜を形成したウェルでは、吸光度が高かった。
(比較例3)
交互積層膜を形成していない96ウェルマイクロプレートに、実施例3と同様にアルドラーゼを吸着させ、ブロッキングの後、ペルオキシダーゼ標識アルドラーゼ特異抗体を加え、TMB反応により吸光度を測定した。表3に示すように、吸光度は実施例3に比べて弱かった。
Figure 2004025300
96ウェルマイクロプレートに、ポリアリルアミン水溶液(濃度10−2M、pH5.0)を分注し、25℃にて3分間置いて水で洗浄し、次にポリアクリル酸水溶液(濃度10−2M、pH2.5)を分注し、25℃にて3分間置いて水で洗浄した。これを交互に4.5回繰り返すことで交互積層膜を形成した。100mMリン酸ナトリウム緩衝溶液(PBS)(pH7.0)に卵白由来リゾチームを10ng/μLになるように溶解し、交互積層膜を形成したプレートのウェルに100μL入れて、4℃で一晩吸着させた。PBSでウェルを3回洗浄後、1%牛血清アルブミン溶液(KPL社製Diluent/Blocking Solution Concentrateを蒸留水で10倍に希釈)を360μL入れ、25℃で1時間吸着させ、ブロッキングした。アルブミン溶液を除き、ペルオキシダーゼ標識リゾチーム特異抗体のPBS溶液100μLをウェルに入れ、25℃で2時間反応させた。PBSでウェルを4回洗浄後、TMB(KPL社製3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン)を100μL加えて15分間反応させ、1Mリン酸を100μL加えて反応を止めた。マイクロプレートリーダを用いて450nmの吸光度を測定した。n=8で試験した結果、表4に示すように、交互積層膜を形成したウェルでは、吸光度が高かった。
(比較例4)
交互積層膜を形成していない96ウェルマイクロプレートに、実施例4と同様にリゾチームを吸着させ、ブロッキングの後、ペルオキシダーゼ標識リゾチーム特異抗体を加え、TMB反応により吸光度を測定した。表4に示すように、吸光度は実施例4に比べて弱かった。
Figure 2004025300
本発明は、固相上での抗原抗体反応、固相上での核酸のハイブリダイゼーション、固相上でのレセプターとリガンドの反応、固相上での酵素と基質の反応、細胞の固定化などに用いられる固定化用担体に関し、当該担体を利用した固相に関する。
固相上での抗原抗体反応、固相上での核酸のハイブリダイゼーション、固相上でのレセプターとリガンドの反応、固相上での酵素と基質の反応を測定する系に用いられる固定化用担体は、ポリスチレンやポリカーボネートなどのプラスチック、セルロースなどの生体高分子物質、ガラス、セラミック樹脂、金属、導電性プラスチックなどを材質とするが、それらの担体については固定化する物質の結合量を制御するため、材質の選択から始まり、材質の選択で解決できない場合にはプラズマ、ガンマー線、紫外線あるいはオゾンなどにより表面を改質して固定化用担体としての最適化を計っていた。しかしながら、従来の最適化法では改質条件の再現性などに問題があったり、また、マイクロプレートやラテックス粒子などの固相に対しては表面を均一に改質することが困難であった。とりわけ、限られたいくつかの条件を変更することのみで、異なる性質をもつ多種多様な物質を効率的に結合させるための最適な表面改質を行うことは特に困難を極めた。そのため、固相に目的の物質を固定化するための条件検討に多大な労力を費やす必要があり、場合によっては全く固定化できない場合もあったため、物質の固定化を自由にコントロールできる固定化用担体が切に望まれていた。
なお、上記の背景技術に関し、「微生物菌体固定化用粒状担体及び粒状担体の製造装置」と題する特許文献(国際公開第WO97/19978号パンフレット)は、(a)1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する親水性光硬化性樹脂、(b)光重合開始剤、及び(c)アルカリ金属イオンまたは多価金属イオンとの接触によりゲル化する能力のある水溶性高分子多糖類を含んでなる液状組成物を、アルカリ金属イオンまたは多価金属イオンを含有する水性媒体中に滴下して該組成物を粒状にゲル化し、活性光線を照射して硬化せしめてなり、比重が1.00〜1.20で且つ表面のn−パラフィンとのなす接触角が2°〜30°であり、微生物の付着に適した表面を有する微生物菌体固定化用粒状担体について開示している。ただし、当該活性光線の照射は、光硬化性樹脂の光重合により粒状担体の強度を高めるためのものであり(第14頁第6乃至8行目)、当該文献においては、得られた担体の更なる表面改質について何も開示されていない。
また、特許文献(特開2000−65832号公報)は、試料の前処理を回避し、正しい検査結果を得ることができるフィルター状生物学的特異反応測定用担体、並びに該生物学的特異反応測定用担体を用いた測定方法に関しており、1〜100μmの細孔径を有するフィルター状の有機ポリマーからなることを特徴とするフィルター状生物学的特異反応測定用担体について開示している。当該フィルター状の有機ポリマーには、従来技術に従って、更に繊維表面の加水分解、コロナ放電、プラズマ処理、UV−オゾン処理、カルボジイミド(結合剤)などの活性物質の塗布よりなる群から選ばれた少なくとも1種の表面処理がなされ得るとされている(第4頁第5欄〔0011〕段落および〔0015〕段落)。
従って、本発明は、性質の異なる多種多様な物質を、特異的、効率的かつ再現性良く固定化させるための、最適な担体表面を形成した固定化用担体を提供すること、および当該担体の使用により改善された特性を有する固相を提供することを課題とする。
本発明の固定化用担体は、その表面に電解質薄膜が設けられていることを特徴とする。すなわち、本発明の第1は、
(1)担体の表面に電解質薄膜が設けられていることを特徴とする固定化用担体である。
上記電解質薄膜の材料としては無機材料を用いることもできるが、高分子材料を用いてそれを形成することが好ましい。従って、本発明の第2は、
(2)前記電解質薄膜が高分子材料により形成される上記(1)の固定化用担体である。
また、上記の電解質薄膜はポリアニオン又はポリカチオンのいずれかよりなる薄膜とすることができ、従って、本発明の第3は、
(3)前記電解質薄膜がポリアニオン薄膜又はポリカチオン薄膜のいずれかよりなる上記(2)の固定化用担体である。
より好ましくは、上記の電解質薄膜が、複数の異なるポリアニオン薄膜またはポリカチオン薄膜を任意に組み合わせて積層した積層膜として形成され得る。特に好ましくは、上記ポリアニオン薄膜とポリカチオン薄膜とを交互に積層して当該電解質薄膜を形成する。すなわち、本発明の第4は、
(4)前記電解質薄膜がポリアニオン薄膜とポリカチオン薄膜が交互に積層されてなる上記(2)の固定化用担体である。
本発明の固定化用担体は、例えば、抗原抗体反応、核酸のハイブリダイゼーション、レセプターアッセイ、バイオセンサーなどに用いる固相の作製に応用可能である。特に、本発明の固定化用担体は、例えば、生体由来物質・組織・細胞・菌体・ウィルスあるいはそれらと結合又は親和性を有する物質などの固定化などに用いられ、有利には、測定対象物質を固相に補足する際にその対となる補足物質を該固相担体上に結合するための最適な固相担体表面を提供する。従って、本発明の第5は、
(5)検出物に結合する物質あるいは親和性をもつ物質を固定化するために用いられる上記(1)〜(4)のいずれかの固定化用担体である。
本発明の固定化用担体に固定化される対象としては、タンパク、糖タンパク、ペプチド、糖ペプチド、多糖、核酸、脂質、糖脂質などの生体由来物質、細胞あるいはそれらと結合する物質又は親和性をもつ物質が例示できる。従って、本発明の第6は、(6)タンパク、糖タンパク、ペプチド、糖ペプチド、多糖、核酸、脂質、糖脂質などの生体由来物質、細胞あるいはそれらと結合する物質又は親和性をもつ物質を固定化するために用いられる上記(1)〜(5)のいずれかの固定化用担体である。
また、本発明は、上記(1)〜(4)に記載の固定化用担体を利用した、各種の測定・試験などに供し得る固相をも提供し、当該固相においては、例えば、検出物に結合する物質あるいは親和性をもつ物質、とりわけ、タンパク、糖タンパク、ペプチド、糖ペプチド、多糖、核酸、脂質、糖脂質などの生体由来物質、細胞あるいはそれらと結合する物質又は親和性をもつ物質などが極めて特異的、効率的かつ再現性良く固定化されている。従って、本発明の第7および第8は、
(7)上記(1)〜(4)のいずれかの固定化用担体上に、検出物に結合する物質あるいは親和性をもつ物質を固定化した固相であり、
(8)上記(1)〜(4)のいずれかの固定化用担体上に、タンパク、糖タンパク、ペプチド、糖ペプチド、多糖、核酸、脂質、糖脂質などの生体由来物質、細胞あるいはそれらと結合する物質又は親和性をもつ物質を固定化した固相である。
上記の各構成により、本発明は、性質の異なる多種多様な物質を、特異的、効率的かつ再現性良く結合させ得る固定化用担体を提供することを可能にし、優れた特性を有する固相を提供する。
本発明の固定化用担体には、その基材の表面に電解質薄膜が設けられる。
本発明の固定化用担体の基材の材質としては、当業者に周知のいかなるものを用いてもよく、ポリスチレンやポリカーボネートなどのプラスチック、セルロースなどの生体高分子物質、ガラス、セラミック樹脂、金属、導電性プラスチックなどが例示できるが、これに限定されない。これらの基材は、所望の用途に応じて任意の形態、例えば、マイクロプレートやビーズ、メンブレン、クロマトストリップ、チップ、チューブ、ニードル、或いは溝状体のような形態となすことができる。
本明細書で用いる「電解質薄膜」の用語に関し、一般に「電解質」という用語は水溶性の材料に対して用いられるが、本発明に利用可能な電解質薄膜を作成する上では、必ずしも水溶性の材料を用いる必要はない。例えば、荷電微粒子のような不溶性や、油性の材料であっても、有機溶媒に分散した状態で用いれば本発明の電解質薄膜の材料として利用可能である。また、本発明の電解質薄膜の材料は、必ずしもポリマー(高分子材料)である必要はなく、高分子材料以外にも無機材料などを用いることができるが、薄膜化や製造コスト低減の面で高分子材料がより好ましい。
当該高分子材料としては、電解質ポリマーが好適に利用し得、負の電解質ポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリパラフェニレン(−)、ポリチオフェン−3−酢酸、ポリアミド酸等の水溶性のアニオン性ポリマーが例示でき、正の電解質ポリマーとしては、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレン(+)、ポリパラフェニレンビニレン、ポリエチルイミン等の水溶性のカチオン性ポリマーが用いられるが、これに限定されない。
本発明の固定化用担体の基材表面に設けられる電解質薄膜は、当該担体の表面上に多種多様な物質を、特異的、効率的かつ再現性良く結合させる吸着膜として作用し、それは一層の薄膜から形成されてもよく、また複数の薄膜層からなる積層膜として形成されてもよい。積層膜として上記電解質薄膜を形成する場合は、正の電荷を持った第1の帯電(電解質)膜と、負の電荷を持った第2の帯電膜とを任意に組み合わせて積層し当該電解質薄膜を形成することができる。一般には、同種電荷同士の反発を考慮し、第1の帯電膜と第2の帯電膜とを交互に積層することがより好ましい。また、正の電荷をもった複数種類の帯電膜と、負の電荷をもった複数種類の帯電膜を、任意に、或いは電荷が交互になるように積層してもよい。
負または正に帯電したどちらか一方の薄膜のみを形成して、一層よりなる電解質薄膜を形成する場合には、例えば上記のアニオン性ポリマーの水溶液またはカチオン性ポリマーの水溶液のいずれかに担体基材の表面を浸せばよい。
また、積層膜として電解質薄膜を形成する場合には、負の電解質ポリマー薄膜と正の電解質ポリマー薄膜とを任意に、或いは交互に組み合わせて積層するが、負の電解質ポリマー薄膜と正の電解質ポリマー薄膜との積層(吸着)膜の一種である交互吸着積層膜は、例えば、G.Decker, Thin Solid Films, 210/211, 831(1992), D.S.Yoo, Macromolecules, 31, 4309(1998)、有賀克彦,化学と工業,第52巻,第7号,853−856頁に記載の方法を用いて、形成することができる。一般的には、負の電解質ポリマー(アニオン)水溶液と正の電解質ポリマー(カチオン)水溶液とに担体を交互に浸す作業を行えばよい。
また、浸漬の他、注射筒、ピペット、分注器、刷毛・ブラシ、インクジェットノズル、スタンプあるいは印刷などを用いてポリマー溶液を担体上の任意の個所に滴下・塗布・噴霧・押印することで、担体表面に任意に本発明の電解質薄膜を形成することも可能である。さらに、原子間力顕微鏡の探針を用いたディップペンナノリソグラフィーにより極微小領域に塗布することも可能である。
形成させる電解質薄膜の膜厚に特に制限はないが、1層の厚み0.1〜50nm、積層数1〜1000層、膜厚0.001〜50μmが好ましく、1層の厚み0.1〜50nm、積層数1〜500層、膜厚0.001〜25μmがより好ましく、1層の厚み0.1〜50nm、積層数1〜100層、膜厚0.001〜5μmが特に好ましい。膜を形成させる際の温度は、4〜60℃が好ましく、10〜45℃がより好ましく、15〜37℃が特に好ましい。また、アニオン性ポリマー水溶液またはカチオン性ポリマー水溶液に浸漬させる時間については特に制限がないが、1〜60分が好ましく、3〜30分がより好ましく、3〜15分が特に好ましい。
前記の交互積層膜を形成させる際には、1層形成後、速やかに次の層の形成に入ってもよく、また何日か時間をおいてから次の層を形成させてもよい。膜形成工程における洗浄工程は、一般的には水で担体を洗い流すだけで洗浄は完了する。水の純度については、膜形成に支障がなければ特に規定はない。また、洗浄に用いる液は必ずしも水である必要はなく、高分子電解質が溶ける溶媒を用いることも可能である。
なお、上記のとおり、一般に「電解質」という用語は、水溶性の材料に対して用いられるが、本発明に利用可能な膜を作成する上では、必ずしも水溶性の材料を用いる必要はない。例えば、荷電微粒子(例えば、フェライト微粒子)のような不溶性の材料や油性の材料でも、有機溶媒や水に分散した状態で用いれば、本発明の電解質膜の材料として利用可能である。また、本発明の電解質膜の材料は必ずしもポリマー(高分子材料)である必要はない。例えば、金属錯体モノマーをカチオン膜として、あるいは無機酸化物をアニオン膜として用いることも可能である。
膜が形成された後の固定化用担体は常温で保管が可能であり、通常1年以上の安定性を持つ。
本発明の固定化用担体には、その後、各種の物質、例えば、生体由来物質・組織・細胞・菌体・ウィルスあるいはそれらと結合又は親和性を有する物質、とりわけ、タンパク、糖タンパク、ペプチド、糖ペプチド、多糖、核酸、脂質、糖脂質、ビタミン類、ステロイド、カテコールアミンおよびチロキシンなどのホルモン類、プロスタグランディン類、GABA、アセチルコリン、セロトニンおよびドーパミンなどの各種神経伝達物質、抗生物質などに代表される生体由来物質、細胞あるいはそれらと結合する物質又は親和性をもつ物質などが固定化され得るが、当該固定化に際しては当業者に公知のいかなる方法を用いても差し支えない。このように各種の物質が担体上に固定化された固相は、該固相を利用した各種の抗原抗体反応、核酸のハイブリダイゼーション、レセプターアッセイ、バイオセンサーなどに好適に用いることができる。
以上のように、本発明によれば、優れた固定化能力及び安定性を持つ固定化用担体を非常に簡単な作業工程で作製でき、優れた特性を有する固相が提供される。
本発明の固定化用担体によれば、電解質薄膜を固定化用担体の基材表面にコートすることで、該コートされた担体表面に目的の物質を効率的かつ再現性良く固定化することが可能になり、優れた特性を有する固定化用担体およびそれを利用した固相が提供される。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明が以下の実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
(参考例1)
96ウェルマイクロプレートをポリアクリル酸水溶液(濃度10−2M)に、25℃にて15分間浸漬した後、水で洗浄した。この時、ポリアクリル酸水溶液のpHは3.5に保持した。一方、0.1M 2−(N−モルフォリノ)エタンスルフォン酸(MES)バッファー(pH6)に、5’末端をアミノ化したオリゴデオキシチミジン(20mer)を1.3mMになるように加え、さらに1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)を25mMとなるように加えた溶液を調製した。上記プレートのウェルに、調製した溶液を75μLずつ加え、60℃で6時間反応させ、オリゴデオキシチミジンをウェル内表面に固定化した。未反応のオリゴデオキシチミジンを水で洗い流した後、0.5vol%の蛍光検出試薬OliGreenを含む10mMトリス(ヒドロキシ)アミノメタン塩酸塩−1mMエチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸(TE)バッファー(pH8.0)を75μL加えて蛍光測定した。別に、オリゴデオキシチミジンを固定化していないウェルにも蛍光検出試薬を加えて蛍光強度を測定し、ブランクとして差し引いた。
n=8で試験した結果、表1に示すように、得られたマイクロプレートでは蛍光強度は各ウェルともに強く、オリゴデオキシチミジンが多数結合していることが分かった。
(比較例1)
合成石英製低圧水銀灯を用いて、96ウェルマイクロプレートに紫外線を2000mJ/cm照射した。このマイクロプレートを用いて、参考例1と同様にオリゴデオキシチミジンをウェル内表面に固定化し、以下、参考例1と同様の操作を行った。
n=8で試験した結果、表1に示すように、得られたマイクロプレートでは蛍光強度は参考例1に比べて弱く、再現性も悪かった。
Figure 2004025300
(実施例2)
96ウェルマイクロプレートをポリアクリル酸水溶液(濃度10−2M)に、25℃にて15分間浸漬して水で洗浄し、次にポリアリルアミン水溶液(濃度10−2M)に25℃にて15分間浸漬して水で洗浄し、これを交互に10回繰り返すことで交互積層膜を形成した。この時、両電解質水溶液のpHは3.5に保持した。100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)にダニ抗原タンパク質(Der f II、生化学工業製)を5μg/mLになるように溶解し、交互積層膜を形成したプレートのウェルに100μL入れて4℃で一晩吸着させた。PBSでウェルを3回洗浄後、1%牛血清アルブミン溶液(KPL社製Diluent/Blocking Solution Concenrateを蒸留水で10倍希釈)を400μL入れ、25℃で1時間反応させ未反応の固相をブロッキングした。PBSでウェルを3回洗浄後、ダニ特異IgE抗体を持つダニアレルギー患者血清100μLをウェルに入れ、25℃で2時間反応させた。PBSでウェルを3回洗浄後、1μg/mLに調製したペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgE抗体(KPL社製)を100μL入れ、25℃で1時間反応させた。PBSでウェルを5回洗浄後、TMB(KPL社製3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン)を100μL加えて3分間反応させ、次いで1Mリン酸を100μL加えて反応を止めた。マイクロプレートリーダを用いて450nmの吸光度を測定した。陰性対照として、ダニアレルギー患者血清の代わりに健常人血清を入れたウェルにも同様な操作を行った。陰性対照の5重測定から標準偏差(SD)を求め、さらにそれを2倍した数値を5重測定の平均値に加えたものをMEAN+2SDとした。一方、ダニアレルギー患者血清の5重測定から標準偏差(SD)を求め、さらにそれを2倍した数値を5重測定の平均値から引いたものをMEAN−2SDとした。MEAN−2SDからMEAN+2SDを引いた値が0または負の場合を陰性(−)、正の場合を陽性(+)とした。
その結果を表2に示す。表2から明らかなように、全てのダニアレルギー患者を陽性(+)と判定することができた。
(比較例2)
合成石英製低圧水銀灯を用いて、96ウェルマイクロプレートに紫外線を2000mJ/cm照射した。このマイクロプレートを用いて、実施例2と同様にダニ抗原タンパク質の固定化を行い、以下、実施例2と同様の操作及び計算を実施した。表2に示すように、得られたマイクロプレートでは全てのダニアレルギー患者を陽性(+)と判定することはできなかった。
Figure 2004025300
(実施例3)
96ウェルマイクロプレートに、ポリアリルアミン水溶液(濃度10−2M、pH5.0)を分注し、25℃にて3分間置いて水で洗浄し、次にポリアクリル酸水溶液(濃度10−2M、pH2.5)を分注し、25℃にて3分間置いて水で洗浄した。これを交互に2.5回繰り返すことで交互積層膜を形成した。100mMリン酸ナトリウム緩衝溶液(PBS)(pH7.0)にウサギ由来アルドラーゼを1μg/μLになるように溶解し、交互積層膜を形成したプレートのウェルに100μL入れて、4℃で一晩吸着させた。PBSでウェルを3回洗浄後、1%牛血清アルブミン溶液(KPL社製Diluent/Blocking Solution Concentrateを蒸留水で10倍に希釈)を360μL入れ、25℃で1時間吸着させ、ブロッキングした。アルブミン溶液を除き、ペルオキシダーゼ標識アルドラーゼ特異抗体のPBS溶液100μLをウェルに入れ、25℃で2時間反応させた。PBSでウェルを4回洗浄後、TMB(KPL社製3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン)を100μL加えて15分間反応させ、1Mリン酸を100μL加えて反応を止めた。マイクロプレートリーダを用いて450nmの吸光度を測定した。n=8で試験した結果、表3に示すように、交互積層膜を形成したウェルでは、吸光度が高かった。
(比較例3)
交互積層膜を形成していない96ウェルマイクロプレートに、実施例3と同様にアルドラーゼを吸着させ、ブロッキングの後、ペルオキシダーゼ標識アルドラーゼ特異抗体を加え、TMB反応により吸光度を測定した。表3に示すように、吸光度は実施例3に比べて弱かった。
Figure 2004025300
(実施例4)
96ウェルマイクロプレートに、ポリアリルアミン水溶液(濃度10−2M、pH5.0)を分注し、25℃にて3分間置いて水で洗浄し、次にポリアクリル酸水溶液(濃度10−2M、pH2.5)を分注し、25℃にて3分間置いて水で洗浄した。これを交互に4.5回繰り返すことで交互積層膜を形成した。100mMリン酸ナトリウム緩衝溶液(PBS)(pH7.0)に卵白由来リゾチームを10ng/μLになるように溶解し、交互積層膜を形成したプレートのウェルに100μL入れて、4℃で一晩吸着させた。PBSでウェルを3回洗浄後、1%牛血清アルブミン溶液(KPL社製Diluent/Blocking Solution Concentrateを蒸留水で10倍に希釈)を360μL入れ、25℃で1時間吸着させ、ブロッキングした。アルブミン溶液を除き、ペルオキシダーゼ標識リゾチーム特異抗体のPBS溶液100μLをウェルに入れ、25℃で2時間反応させた。PBSでウェルを4回洗浄後、TMB(KPL社製3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン)を100μL加えて15分間反応させ、1Mリン酸を100μL加えて反応を止めた。マイクロプレートリーダを用いて450nmの吸光度を測定した。n=8で試験した結果、表4に示すように、交互積層膜を形成したウェルでは、吸光度が高かった。
(比較例4)
交互積層膜を形成していない96ウェルマイクロプレートに、実施例4と同様にリゾチームを吸着させ、ブロッキングの後、ペルオキシダーゼ標識リゾチーム特異抗体を加え、TMB反応により吸光度を測定した。表4に示すように、吸光度は実施例4に比べて弱かった。
Figure 2004025300

Claims (8)

  1. 担体の表面に電解質薄膜が設けられていることを特徴とする固定化用担体。
  2. 前記電解質薄膜が高分子材料により形成される請求項1に記載の固定化用担体。
  3. 前記電解質薄膜がポリアニオン薄膜又はポリカチオン薄膜のいずれかよりなる請求項2記載の固定化用担体。
  4. 前記電解質薄膜がポリアニオン薄膜とポリカチオン薄膜が交互に積層されてなる請求項2記載の固定化用担体。
  5. 検出物に結合する物質あるいは親和性をもつ物質を固定化するために用いられる請求項1〜4のいずれか一項に記載の固定化用担体。
  6. タンパク、糖タンパク、ペプチド、糖ペプチド、多糖、核酸、脂質、糖脂質などの生体由来物質、細胞あるいはそれらと結合する物質又は親和性をもつ物質を固定化するために用いられる請求項1〜5のいずれか一項に記載の固定化用担体。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の固定化用担体上に、検出物に結合する物質あるいは親和性をもつ物質を固定化した固相。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の固定化用担体上に、タンパク、糖タンパク、ペプチド、糖ペプチド、多糖、核酸、脂質、糖脂質などの生体由来物質、細胞あるいはそれらと結合する物質又は親和性をもつ物質を固定化した固相。
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