JPH0622632B2 - 吸着体および除去装置 - Google Patents

吸着体および除去装置

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JPH0622632B2
JPH0622632B2 JP62224472A JP22447287A JPH0622632B2 JP H0622632 B2 JPH0622632 B2 JP H0622632B2 JP 62224472 A JP62224472 A JP 62224472A JP 22447287 A JP22447287 A JP 22447287A JP H0622632 B2 JPH0622632 B2 JP H0622632B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は体液中から抗DNA抗体を吸着除去あるいは吸着
回収するための抗DNA抗体の吸着体およびそれを用いる
抗DNA抗体の除去装置に関する。
[従来の技術および発明が解決しようとする問題点] 自己免疫疾患はその名称のごとく自己の組織の構成成分
に対する抗体(以下、自己抗体という)が出現する疾患
であるが、代表的な自己免疫疾患である全身性エリスマ
トーデス(以下、SLEという)では細胞の核成分、とり
わけデオキシリボ核酸(以下、DNAという)に対する抗
抗体(以下、抗DNA抗体という)が体液中に出現し、そ
の病態と密接な関連があることが知られている。産生さ
れた自己抗体が病気の発症に関わる機序は必ずしも明確
ではないが、自己抗体自身が細胞を障害する機能、ある
いは自己抗体が抗原と結合して免疫複合体を形成し組織
に沈着することにより組織障害をおこす機構などが提唱
されている。SLEのばあいは発生した抗DNA抗体が同じく
血中に流出した細胞由来のDNAと免疫複合体を形成し、
血管壁、腎糸球体などに沈着することによりそれぞれ血
管炎、ループス腎炎を発症することが知られており、実
際SLEでは腎不全により死亡する例が多い。
このように産生した抗DNA抗体または該抗体とDNAとの免
疫複合体によりさまざまな症状がひきおこされるわけで
あるから、SLEの治療には抗DNA抗体のコントロールが非
常に重要である。
従来より抗DNA抗体の産生を抑制する目的でステロイド
剤、免疫抑制剤、免疫調節剤、抗炎症剤などがSLEの治
療に広く用いられている。なかでもステロイド剤はもっ
とも一般的に用いられ、パルス治療と呼ばれるステロイ
ドの短期超大量投与療法もしばしば行なわれている。し
かしながら、ステロイドは少量の投与によっても副作用
を生じさせやすいので、ステロイドの短期超大量投与療
法によればさらに大きな副作用を生じさせやすくなるの
は自明である。また、これらの薬剤は長期にわたって用
いられることが多く、そのようなばあいには副作用がさ
らに出やすく、また薬剤耐性によりしだいに増量しなけ
ればならないことも多いため、症例によってはこれらの
薬剤の使用が不可能であったり、充分な効果を発揮しな
いばあいも多い。とくにSLEの活動期は抗DNA抗体の抑制
がもっとも必要な時期であるにもかかわらず、上記の理
由によりパルス療法や免疫抑制剤などの薬剤を用いる強
力な療法を採用できないばあいも多い。
一方、これらの薬剤療法とは別のアプローチとして、体
液中の抗DNA抗体を対外循環により直接除去しようとす
る試みがなされている。もっとも簡便な方法は、抗DNA
抗体を含む患者の血漿を健常人の血漿と交換する、いわ
ゆる血漿交換療法である。この方法によって血中の抗DN
A抗体は大幅に低下し、症状の改善が見られている。し
かしながらこの方法では大量の健常血漿が必要となり高
価であるばかりでなく、該療法処置中に血清肝炎などの
感染の危険性を伴うため広く普及するには至っていな
い。
血漿交換療法では血漿中のすべての成分が除去され、健
常血漿と交換されるわけであるが、これに対して病因物
質である抗DNA抗体を選択的に除去する目的で、分子サ
イズにより病因物質を分離する血漿分離膜法が開発され
た。この方法では膜により血漿を高分子量画分と低分子
量画分に分離し、病因物質が含まれている高分子量画分
を廃棄し、主要蛋白であるアルブミンが含まれている低
分子量画分を患者に戻すが、抗DNA抗体は分子量約16万
のIgG(免疫グロブリンG)が主であり、アルブミン
(分子量約6万)と分子量が近いため両者間の分離は悪
く、抗DNA抗体を除去する際にアルブミンも大量に除去
され、さらに病因物質と同等以上の分子量の蛋白はすべ
て除去されるなどの欠点がある。
したがって病因物質である抗DNA抗体をより選択的に除
去し、体液中の他の有用成分がほとんど失われることの
ない除去手段の出現が望まれていた。
そこで本発明者らは、かかる実情に鑑み鋭意研究を重ね
た結果、体液中の有効成分をほとんど失うことなく抗DN
A抗体のみを選択的に吸着しうる吸着体を見出し、本発
明を完成するに至った。
[問題点を解決するための手段] すなわち本発明は、水不溶性多孔質体にアニオン性官能
基を有する化合物が固定されてなる抗DNA抗体の吸着体
ならびに流体の流入口および流出口を有する容器、流体
および該流体に含まれる成分は通過できるが、水不溶性
多孔質体にアニオン性官能基を有する化合物が固定され
てなる抗DNA抗体の吸着体は通過できないフィルター、
および前記容器内に充填された前記抗DNA抗体の吸着体
からなる抗DNA抗体の除去装置に関する。
[実施例] 本明細書において体液とは血液、血漿、血清、膜水、リ
ンパ液、関節内液およびこれらからえられた分画成分、
ならびにその他の生体由来の液性成分をいう。
本発明に用いる水不溶性多孔質体は、大きな径の連続し
た細孔を有するものが好ましい。すなわち抗DNA抗体は
IgG、IgM(免疫グロブリンM)などの免疫グロブ
リンからなり、分子量が16〜90万の巨大分子であるた
め、これを効率よく吸着するためには抗DNA抗体が容易
に多孔質体内に浸入しうることが必要である。
細孔径の測定方法には種々あり、水銀圧入法がもっとも
よく用いられているが、親水性多孔質体のばあいには適
用が難しい。これにかわる細孔径の目安として排除限界
分子量がよく用いられ、親水性多孔質体、疎水性多孔質
体いずれにも適用できる。排除限界分子量とは成書(た
とえば波多野博行、花井俊彦著、実験高速液体クロマト
グラフィー、化学同人)などに述べられているごとく、
ゲル浸透クロマトグラフィにおいて細孔内に侵入できな
い(排除される)分子のうちもっとも小さい分子量をも
つ物の分子量をいう。
排除限界分子量は対象とする化合物により異なることが
知られており、一般に球状蛋白質、デキストラン、ポリ
エチレングリコールなどについてよく調べられており、
抗DNA抗体にもっとも類似していると思われる球状蛋白
質(ビールスを含む)を用いてえられた値を用いるのが
適当である。
排除限界の異なる種々の水不溶性多孔質体を用いて検討
した結果、予想に反し排除限界分子量が抗DNA抗体の分
子量より小さい10万程度のものでもある程度の吸着能を
示し、また細孔径の大きいもの程能力が大きいわけでな
く、むしろ能力が低下したり抗DNA抗体以外の蛋白が吸
着されること、すなわち最適な細孔径の範囲が存在する
ことが明らかになった。すなわち10万未満の排除限界分
子量を持つ水不溶性多孔質体を用いたばあいは抗DNA抗
体の吸着量は小さく実用に耐えないが、排除限界分子量
が10万ないし15万と抗DNA抗体の分子量に近い水不溶性
多孔質体を用いてもある程度実用に供しうる吸着体がえ
られた。一方排除限界分子量が大きくなるにつれ、抗DN
A抗体の吸着量は増加するがやがて頭打ちとなり、排除
限界分子量が6000万以上になると表面積がが少なすぎ吸
着量は目立って低下するばかりなく、目的とする抗DNA
抗体以外の成分の吸着、すなわち非特異吸着が増加し選
択性がいちじるしく低下する。
したがって本発明に用いる水不溶性多孔質体の好ましい
排除限界分子量は10万以上6000万以下であり、さらに好
ましくはより選択性吸着容量の大きい点から40万以上20
00万以下であるのがよい。
つぎに水不溶性多孔質体の多孔構造については表面多孔
性よりも全多孔性が好ましく、空孔容積が吸着容量が大
きいという点から20%以上であることが好ましい。水不
溶性多孔質体の形状は、粒状、球状、繊維状、膜状、ホ
ローファイバー状など任意の形状を選ぶことができる。
粒子状の水不溶性多孔質体を用いるばあい、その粒子径
は1μm未満のばあい圧力損失が大きく、5000μmをこ
えるばあい吸着容量が小さい点から1μm以上5000μm
以下であるのが好ましい。
本発明に用いる水不溶性多孔質体は有機性、無機性のい
ずれであってもよいが、目的とする抗DNA抗体以外の体
液成分の吸着(いわゆる非特異吸着)の少ないものが好
ましい。親水性である方が非特異吸着が少ないので水不
溶性多孔質体は疎水性であるよりも、親水性であるほう
が好ましく、分子中に水酸基を有する化合物よりなる水
不溶性多孔質体がより好ましい。
本発明に使用する水不溶性多孔質体の代表例としては、
アガロース、デキストラン、ポリアクリルアミドなどの
軟質多孔質体、多孔質ガラス、多孔質シリカゲルなどの
無機多孔質体、ポリメチルメタクリレート、ポリビニル
アルコール、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体など
の合成高分子および/またはセルロースなどの天然高分
子を原料とする多孔質ポリマーハードゲルなどがあげら
れるがこれらに限定されるわけではない。
本発明の吸着体を対外循環治療に用いる際には、血液、
血漿のごとき抗粘性流体を高速で流す必要があるため、
圧密化を引起こさない充分な機械的強度を有するる硬質
水不溶性多孔質体を用いるのが好ましい。すなわち硬質
多孔質体とは後記参考例に示すごとく、水不溶性多孔質
体を円筒状カラムに均一に充填し、水性流体を流通した
ばあいの圧力損失と流量との関係が少なくとも0.3kg
/cm2まで直接関係にあるものをいう。
本発明に用いるアニオン性官能基はpHが中性付近で負に
帯電するような官能基であればいかなるものも使用しう
る。これらの代表例としては、カルボキシル基、スルホ
ン酸基、スルホン基、硫酸エステル基、シラノール基、
リン酸エステル基、フェノール性水酸基などがあげられ
るがこれらに限定されるわけではない。
なかでもカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル
基およびリン酸エステル基がが抗DNA抗体に対する親和
性が強く好ましい。
アニオン性官能基を有する化合物としては、分子内に1
つのアニオン性官能基を有するモノアニオン化合物であ
っても、複数のアニオン性官能基を有するポリアニオン
化合物であってもよい。ポリアニオン化合物は抗DNA抗
体に対する親和性が大きく、また単位量の多孔質体に多
くのアニオン性官能基を導入しやすいので好ましい。な
かでも分子量が1000以上のポリアニオン化合物は親和
性、アニオン性官能基導入量の点で好ましい。ポリアニ
オン化合物が有するアニオン性官能基は1種類であって
もよいし、2種類であってもよい。
本発明に用いるポリアニオン化合物の代表例としては、
ポリアクリル酸、ポリビニル硫酸、ポリビニルスルホン
酸、ポリビニルリン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ
スチレンリン酸、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン
酸、ポリメタクリル酸、ポリリン酸、スチレン−マレイ
ン酸共重合体などの合成ポリアニオン化合物、およびヘ
パリン、デキストラン硫酸、コンドロイチン、コンドロ
イチン硫酸、ホスホマンナン、キチン、キトサンなどの
アニオン性官能基含有多糖類があげられるがこれらに限
定されるわけではない。
本発明の吸着体に固定されているアニオン性官能基を有
する化合物は1種類であってもよいし、2種類以上であ
ってもよい。
本発明の吸着体は、水不溶性多孔質体にアニオン性官能
基を有する化合物が固定された状態のものをいう。その
ようなアニオン性官能基を有する化合物の固定された状
態をうるためのアニオン性官能基の吸着体への導入方法
は種々あり、いかなる方法で導入してもよいが、代表的
な導入方法としては (1) アニオン性官能基あるいは容易にアニオン性官能
基に変換しうる官能基を含有する化合物をモノマーある
いは架橋剤として用いる重合によって吸着体を形成させ
る方法、 (2) アニオン性官能基を含有する化合物を水不溶性多
孔質体に固定させる方法、 (3) アニオン性官能基を形成する化合物と水不溶性多
孔質体を直接反応させることによって、水不溶性多孔質
体にアニオン性官能基を有する化合物を固定させる方法 などがあげられる。
もちろんガラス、シリカ、アルミナなどもともとアニオ
ン性官能基を含有するアニオン性官能基含有化合物を吸
着体として用いてもよい。
(1)の方法において用いるアニオン性官能基あるいは容
易にアニオン性官能基に変換しうる官能基を含有するモ
ノマーあるいは架橋剤の代表例としては、アクリル酸お
よびそのエステル、メタクリル酸およびそのエステル、
スチレンスルホン酸などがあげられるがこれらに限定さ
れるわけではない。
(2)の方法、すなわちアニオン性官能基を含有する化合
物を水不溶性多孔質体に固定させる方法としては、物理
的吸着による方法、イオン結合による方法、共有結合に
より固定する方法などがあり、いかなる方法を用いても
よいが、治療目的に吸着体を用いるには、滅菌時あるい
は治療中にアニオン性官能基含有化合物が離脱しないこ
とが重要であるので、強固な固定が可能な共有結合法が
好ましい。
共有結合によりアニオン性官能基含有化合物を固定させ
るばあい、アニオン性官能基含有化合物がアニオン性官
能基以外に固定に利用できる官能基を有するのが好まし
い。
固定に利用できる官能基の代表例としては、アミノ基、
アミド基、カルボキシル基、酸無水物基、スクシニルイ
ミド基、水酸基、チオール基、アルデヒド基、ハロゲン
基、エポキシ基、シラノール基などがあげられるがこれ
に限定されるわけではない。
これらの官能基を有するアニオン性官能基含有化合物は
多数存在するが、実施例に記載したタウリン、スルファ
ニル酸、グリシン、ホスホリルエタノールアミンなどは
その一例である。
また、アニオン性官能基を含有する化合物のうち硫酸エ
ステル基を含有する化合物の代表例としては、アルコー
ル、糖類、グリコールなどの水酸基含有化合物の硫酸エ
ステルがあげられるが、これらのなかでも多価アルコー
ルの部分硫酸エステル化物、とりわけ糖類の硫酸エステ
ル化物が硫酸エステル基、固定に必要な官能基の双方を
含んでいるうえに、生体適合性および活性ともに高く、
さらに硫酸化多糖類は容易に水不溶性多孔質体に固定し
うることからとくに好ましい。
つぎに(3)の方法、すなわちアニオン性官能基を形成す
る化合物と水不溶性多孔質体とを反応させることによっ
て、水不溶性多孔質体にアニオン性官能基を有する化合
物を固定させてアニオン性官能基を導入する方法の代表
例として水酸基含有多孔質体に硫酸エステル基を導入す
る反応があげられる。このばあい、水酸基含有水不溶性
多孔質体とクロロスルホン酸、濃硫酸などの試薬を反応
させることによって直接硫酸エステル基を導入すること
ができる。
導入されるアニオン性官能基の量は、吸着体1mlあたり
0.01μmol以上10mmol以下が好ましい。0.01μm
ol未満のばあい吸着能力が充分でなく、10mmolを
こえるばあい非特異吸着が多すぎて実用に供することが
困難になる。より好ましいアニオン性官能基導入量は1
μmol以上100μmol以下であるのがよい。
本発明の吸着体を用いて体液から抗DNA抗体を除去する
方法には種々あり、いかなる方法を用いてもよいが、流
体の流入口および流出口を有する容器、流体および該流
体に含まれる成分は通過できるが、水不溶性多孔質体に
アニオン性官能基を有する化合物が固定されてなる抗DN
A抗体の吸着体は通過できないフィルター、おおよび前
記容器内に充填された前記抗DNA抗体の吸着体からなる
抗DNA抗体の除去装置に体液を通液する方法が簡便で好
ましい。
第2図に本発明の抗DNA抗体の除去装置の一実施例の概
略断面図を示す。第2図中、(1)および(2)はそれぞれの
流体の流入口と流出口、(3)は本発明の吸着体、(4)およ
び(5)は流体および流体に含まれる成分は通過できるが
本発明の吸着体は通過できないフィルターまたはメッシ
ュ、(6)はカラム、(7)は容器である。ここで流体の流入
口側のフィルター(4)は存在しなくてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、
本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
参考例 両端に孔径15μmのフィルターを装着したガラス製カラ
ム(内径9mm、カラム長150mm)にアガロースゲル(Bio
gel A5m:商品名、バイオラド社製、粒径50〜100メッシ
ユ)、合成ポリマーよりなるゲル、トヨパールHW65(商
品名、東洋曹達工業(株)製、粒径50〜100μm)、およ
び多孔質セルロースゲル、セルロファインGC-700(商品
名、チッソ(株)製、粒径45〜100μm)をそれぞれ均一
に充填し、ペリスタティックポンプによりカラム内に水
を流通し、流量と圧力損失Δpとの関係を求めた。その
結果を第1図に示す。同図より明らかなように軟質ゲル
であるアガロースゲルは一定の流量以上では圧密化を起
こし、圧力を増加させても流量が増加しないのに対し、
トヨパール、セルロファインなどの硬質ゲルは圧力の増
加にほぼ比例して流量が増加する。
製造例1 多孔質セルロースゲルであるCKゲルA3(商品名、チッソ
(株)製、球状蛋白質の排除限界分子量5000万、粒径45〜
105μm)100mlに20%NaOH40g、ヘプタン120gおよび
ノニオン系界面活性剤トゥイーン20(商品名:花王アト
ラス(株)製)を10滴加えた。40℃で2時間撹拌後、エピ
クロルヒドリン50gを加えて2時間撹拌し、ゲルを水洗
濾過してエポキシ化セルロースゲル(以下、エポキシ化
ゲルという)をえた。
実施例1 実施例1でえたエポキシ化ゲル5mlにスルファニル酸0.
17gを10mlの水に溶解してpH9.9に調整した溶液を加
え、常温で24時間振盪し、0.5%モノエタノールアミン
水溶液を加えて振盪し未反応のエポキシ基を封止してス
ルファニル酸が固定されたセルロースゲルをえた。固定
されたスルファニル酸により導入されたアニオン性官能
基量は吸着体1mlあたり6.5μmolであった。
実施例2 製造例1でえたエポキシ化ゲル5mlにホスホリルエタノ
ールアミン0.1gを10mlの水に溶解してpH9.6に調整した
溶液を加え、40℃で4時間振盪し、0.5%モノエタノー
ルアミン水溶液を加えて振盪し未反応のエポキシ基を封
止してホスホリルエタノールアミンが固定されたセルロ
ースゲルをえた。固定されたホスホリルエタノールアミ
ンにより導入されたアニオン性官能基量は吸着体1mlあ
たり4μmolであった。
実施例3 製造例1でえたエポキシ化ゲル5mlに分子量約5000、イ
オウ含量15%のデキストラン硫酸ナトリウム4gおよび
水5mlを加えpH9に調整して45℃で16時間振盪した。そ
の後、ゲルを濾別して、2M食塩水溶液、0.5M食塩水溶
液および水を用いてこの順に洗浄し、0.5%モノエタノ
ールアミン水溶液を加えて振盪し未反応のエポキシ基を
封止してデキストラン硫酸ナトリウムが固定されたセル
ロースゲルをえた。固定されたデキストラン硫酸により
導入されたアニオン性官能基量は吸着体1mlあたり10μ
molであった。
実施例4 製造例1でえたエポキシ化ゲル5mlにグリシン0.22gを
10mlの水に溶解してpH9.8に調整した溶液を加え、常温
で24時間振盪し、0.5%モノエタノールアミン水溶液を
加えて振盪し未反応のエポキシ基を封止してグリシンが
固定されたセルロースゲルをえた。固定されたグリシン
により導入されたアニオン性官能基量は吸着体1mlあた
り9μmolであった。
実施例5 製造例1でえたエポキシ化ゲル5mlにタウリン0.37gを
10mlの水に溶解してpH9.0に調整した溶液を加え、常温
で24時間振盪し、0.5%モノエタノールアミン水溶液を
加えて振盪し未反応のエポキシ基を封止してタウリンが
固定されたセルロースゲルをえた。固定されたタウリン
により導入されたアニオン性官能基量は吸着体1mlあた
り5μmolであった。
実施例6 CKゲルA-3、10mlを水洗後吸引濾過し、これにジメチル
スルホキシド6ml、2N-NaOH2.6ml、エピクロルヒドリン
1.5mlを加え40℃で2時間攪拌した。反応後ゲルを濾
別、水洗してエポキシ基の導入されたセルロースゲルを
えた。
これに濃アンモニア水6mlを加え40℃で2時間反応させ
てアミノ化セルロースゲルをえた。
このゲル5mlに分子量19〜50万のポリアクリル酸ナトリ
ウム0.2gを10mlの水に溶解してpH4.5に調整した溶液を
加え、さらに1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド200mgをpH4.5に保ちながら添加し、
4℃で24時間振盪した。反応後ゲルを濾別、水洗してポ
リアクリル酸の導入されたセルロースゲルをえた。固定
されたポリアクリル酸により導入されたアニオン性官能
基量は吸着体1mlあたり14μmolであった。
実施例7 多孔質セルロースゲルをCK-A22(商品名、チッソ(株)
製、球状蛋白質の排除限界分子量2000万、粒径45〜105
μm、架橋ゲル)、セルロファインGCL-2000(商品名、
チッソ(株)製、球状蛋白質の排除限界分子量300万、粒
径45〜105μm、架橋ゲル)、セルロファインGC-700
(商品名、チッソ(株)製、球状蛋白質の排除限界分子量
40万、粒径45〜105μm)、セルロファインGC-200m(商
品名、チッソ(株)製、球状蛋白質の排除限界分子量12
万、粒径45〜105μm)、セルロファインGCL-90(商品
名、チッソ(株)製、球状蛋白質の排除限界分子量3.5
万、粒径45〜105μm)にかえたほかは製造例1および
実施例3と同様にしてデキストラン硫酸ナトリウムの固
定されたセルロースゲルをえた。固定されたデキストラ
ン硫酸により導入されたアニオン性官能基量は吸着体1
mlあたりそれぞれ16、18、24、30、37μmolであった。
実施例8 エポキシ化架橋アガロースゲルであるエポキシアクティ
ベイティッドセファロースCL-6B(商品名、ファルマシ
アファインケミカルズ社製、球状蛋白質の排除限界分子
量400万、粒径45〜165μm)ゲルを用いたほかは実施例
3と同様の方法でデキストラン硫酸ナトリウムを固定し
た。固定されたデキストラン硫酸により導入されたアニ
オン性官能基量は吸着体1mlあたり20μmolであっ
た。
実施例9 ポリメタクリル酸メチルを主成分とする親水性多孔性硬
質ヒドロゲルであるFP-HG(商品名、三菱化成(株)製、
球状蛋白質の排除限界分子量400万、粒径120μm)を用
いたほかは製造例1および実施例3と同様にしてデキス
トラン硫酸が固定されたゲルをえた。固定されたデキス
トラン硫酸により導入されたアニオン性官能基量は吸着
体1mlあたり9μmolであった。
実施例10 実施例6と同様にしてえたアミノ化セルロースゲル2g
に、分子量5000、イオウ含量15%のデキストラン硫酸ナ
トリウム4gを0.1Mリン酸バッファー(pH8.0)8mlに
溶解した液を加え室温で16時間振盪した。反応後NaCNBH
320mgを加え室温で30分攪拌後、40℃で4時間加熱した
のちゲルを濾別水洗してデキストラン硫酸の固定された
セルロースゲルをえた。固定されたデキストラン硫酸に
より導入されたアニオン性官能基量は吸着体1mlあたり
18μmolであった。
実施例11 実施例1〜6および10でえられた吸着体1mlずつをポリ
プロピレン製ミニカラム(内径:7mm)に充填し、生理
的食塩水で洗浄したのち、生理的食塩水10倍希釈した抗
dsDNA抗体を含む血清0.1mlを通液し、さらに5mlの0.15
Mトリス-HCl緩衝液、pH7.6で洗い、そのすりぬけ分画の
抗体価を固相酵母抗体法(ELISA法)により測定した。
抗dsDNA抗体価は、DNAを付着したプレートに希釈した検
体を滴下し、抗原−抗体反応を行い、ペルオキシダーゼ
標識抗ヒト免疫グロブリン抗体を滴下し、酵素発色反応
をSLT-210(商品名、ラボサイエンス(株)製)にて測定
した。第1表に、各吸着体に固定されたアニオン性官能
基を有する化合物名および各吸着体の原血清の抗体価に
対するすり抜け分画中の抗体価を百分率で相対抗体価と
して示す。
第1表からポリアクリル酸またはデキストラン硫酸ナト
リウムが固定された吸着体の抗dsDNA抗体結合能はとく
にすぐれていることがわかる。
実施例12 実施例3および7〜9でえられた吸着体を用いたほか
は、実施例11と同様の方法で相対抗体価を求めた。結果
を用いた種々の水不溶性多孔質体名とともに第2表に示
す。
第2表から、排除限界分子量が抗DNA抗体の分子量約16
万より小いセルロースGC-200mおよびセルロースGCL-90
の抗dsDNA抗体結合能がややおとることがわかる。
実施例13 実施例1〜6および10でえられた吸着体を用い、抗ssDN
A抗体価の高いSLE患者の血清を用いたほかは、実施例11
と同様の方法で、相対抗ssDNA抗体価を求めた。結果を
各吸着体に固定されたアニオン性官能基含有化合物名と
ともに第3表に示す。
第3表からポリアニオン化合物の固定された吸着体の抗
ssDNA抗体結合能がすぐれていることがわかる。
[発明の効果] 本発明の吸着体およびそれを用いる除去装置は体液より
抗DNA抗体を選択的に除去する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は3種類のゲルを用いて流速と圧力損失との関係
を調べた結果を示すグラフである。 第2図は本発明の抗DNA抗体の除去装置の一実施例の概
略断面図である。 (図面の主要符号) (1):流入口 (2):流出口 (3):吸着体 (4)、(5):フィルター (7):容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/547 9015−2J

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水不溶性多孔質体にアニオン性官能基を有
    する化合物が固定されてなる抗DNA抗体の吸着体。
  2. 【請求項2】アニオン性官能基が硫酸エステル基、スル
    ホン酸基、カルボキシル基およびリン酸エステル基から
    なる群より選ばれた少なくとも1種類よりなるものであ
    る特許請求の範囲第1項記載の抗DNA抗体の吸着体。
  3. 【請求項3】アニオン性官能基を有する化合物が、1分
    子内に複数のアニオン性官能基を有するポリアニオン化
    合物である特許請求の範囲第1項記載の抗DNA抗体の吸
    着体。
  4. 【請求項4】水不溶性多孔質体が水酸基を有する化合物
    よりなる特許請求の範囲第1項記載の抗DNA抗体の吸着
    体。
  5. 【請求項5】流体の流入口および流出口を有する容器、
    流体および該流体に含まれる成分は通過できるが、水不
    溶性多孔質体にアニオン性官能基を有する化合物が固定
    されてなる抗DNA抗体の吸着体は通過できないフィルタ
    ー、および前記容器内に充填された前記抗DNA抗体の吸
    着体からなる抗DNA抗体の除去装置。
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