JPWO2004023159A1 - ガラス線量計の線量分布読取方法およびその装置 - Google Patents

ガラス線量計の線量分布読取方法およびその装置 Download PDF

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Abstract

放射線の照射を受けた蛍光ガラス素子を紫外線で励起し、そのときの蛍光ガラス素子の蛍光検出面から発生する蛍光強度によって放射線量を読取るにあたって、前記蛍光ガラス素子からの蛍光強度を検出する検出器として二次元カメラを使用し、予め設定した1つまたは複数の画素からなる画素区分毎に蛍光強度を計測する蛍光強度計測ステップと、前記各画素区分毎に計測した蛍光強度を線量に変換するステップと、各画素区分毎の線量および線量分布を出力するステップとを具備することによって、所定位置に所定量だけ放射線照射がなされたかどうかを高い精度で確認でき、これにより放射線治療の信頼性向上に寄与するガラス線量計の線量分布読取方法およびその装置を提供することができる。

Description

本発明は、二次元カメラを使用して、ガラス線量計の二次元または三次元線量および線量分布を同時に読取るガラス線量計の線量分布読取方法およびその装置に関するものである。
近年、放射線治療にはガンマナイフやサイバーナイフといった放射線治療装置が用いられている。これらの放射線治療装置では、照射されるガンマ線のナロービームを正確に病巣部に集中照射する必要がある。そのため、治療を行う前に、CTやMRIなどの検査を行い、放射線照射量や照射位置を正確に確認しておくことが重要である。
ところが、放射線治療が適用される病巣部は、頭蓋内など外科的手術が困難な部位であることが多いため、実際のビームプロファイルおよび照射線量を確認することは難しかった。現在、この種の照射線量測定には、ガンマ線に感光するフィルムが使われている。しかし、この種のフィルムでは放射線治療において集中照射されるような高線量測定には向かず、分布は分かるものの正確な線量測定ができないという欠点があった。
また最近では、ガフクロミックと呼ばれるラジオクロミックフィルムが使用されている。このフィルムは銀塩フィルムのように感光作用を利用するのではなく、電離放射線照射量に比例する変色作用(青色に変化)を利用しており、暗室での現像処理を必要としないという利点がある。しかし、このラジオクロミックフィルムは保存温度により感度が変化するという問題があり、正確な線量測定には不向きである。さらに、フィルム単価が高価であり、再使用ができないため、経済的に不利である。
一方、従来から、測定精度が高く且つコスト的にも優れたものとしてガラス線量計が知られている。ガラス線量計は銀イオンを含有したリン酸塩ガラスからなる蛍光ガラス素子を具備しており、この蛍光ガラス素子がイオン化放射線の被曝により活性化した後、紫外線で励起されると、所定のガラス面から蛍光が発生するようになっている。このときの蛍光強度は被曝放射線量に比例するため、蛍光強度から放射線量を求めることができるものである。
以上のようなガラス線量計は、熱処理によりリセットできるため再使用が可能であり、高線量においても正確な測定が可能であるため、上記の放射線治療装置への適用が考えられている。このような放射線治療におけるガラス線量計の使用様態としては、ガンマナイフやサイバーナイフなどの放射線治療装置の照射位置(治療の際に病巣部が来るべき位置)に蛍光ガラス素子を設置して、放射線照射を行い、事前のCTやMRIなどの検査から求められた照射位置に所定の線量が照射されるかを確認するものなどが考えられる。
従来のガラス線量計の具体例としては、特開平3−102283号公報に開示のものがある。これは、被曝事故解析の観点から、個人線量計における放射線の線質および入射方向を知ることを目的としており、ダイアフラムで蛍光検出位置(又は面積)を変えて蛍光検出を行うものである。入射方向の推定は、同公報第26図のように中央にスリット(フィルタ不在部分)を有する線量計素子を使うことで、入射方向によって被曝線量のピーク位置がずれることを利用しており(この構造の線量計でわかる蛍光強度分布は1次元分布)、ナロービームの照射ではなく全身被曝を想定しているこの装置では、本発明が目的とする正確な線量分布測定は不可能である。
また、蛍光強度分布を検出可能な放射線量読取装置として、日本国特許第3014225号公報記載のものがある。この装置は、特開平3−102283号公報と同様フィルタを設けたガラス素子における蛍光ピークの位置から放射線入射方向の推定を目的とした線量読取装置において、蛍光検出器にCCDなどのエリアセンサを使用したものである。ただし、この出願当時には、CCDカメラでは充分な感度が得られなかったため、検出器をガラス素子に密接させる(同公報請求項1)、検出器とガラス素子との間に電子増倍プレートを介在させる(同公報請求項2)構成としており、CCDの画素に相当するような詳細な蛍光強度分布を把握することは困難であった。
また、日本国特許第3057168号公報には、窒素ガスレーザを光源とする蛍光ガラス線量計測定装置において、紫外線励起光源の出力変動による蛍光強度変動を補正する技術が開示されているが、この技術は蛍光ガラス素子が受ける励起紫外線総量の変動補正に関するものである。
しかしながら、上記の技術には次のような問題点があった。すなわち、従来のガラス線量計では光電子増倍管などにより蛍光強度の総量のみを検出しているため、二次元および三次元の線量分布を読取ることができず、放射線治療装置による照射範囲及びその放射線量を把握できなかった。また、放射線入射方向を推定できるものでも蛍光ガラス素子にフィルタを併用しなければならず、本発明が目的とするナロービーム照射での線量分布を読取ることはできなかった。特に、蛍光ガラス素子は通常薄い板状またはフィルム状であるため、ビーム集中点を含む平面上に素子を確実にセットすることは難しい。そのため、三次元の線量分布を読取ることにより、ビーム集中点とその周辺部における線量および線量分布を把握することができる技術の開発が切望されていた。
本発明の目的は、ガラス線量計の二次元、三次元の線量および線量分布を読取ることにより、所定位置に所定量だけ放射線照射がなされたかどうかを高い精度で確認でき、これにより放射線治療の信頼性向上に寄与するガラス線量計の線量分布読取方法およびその装置を提供することにある。
本発明の第1の側面によれば、放射線の照射を受けた蛍光ガラス素子を紫外線で励起し、そのときの蛍光ガラス素子の蛍光検出面から発生する蛍光強度によって放射線量を読取るガラス線量計の放射線量読取方法であって、前記蛍光ガラス素子からの蛍光強度を検出する検出器として二次元カメラを使用し、予め設定した1つまたは複数の画素からなる画素区分毎に蛍光強度を計測する蛍光強度計測ステップと、前記各画素区分毎に計測した蛍光強度を線量に変換するステップと、各画素区分毎の線量および線量分布を出力するステップとを含む。
本発明の第9の側面によれば、第1の側面に係る発明を装置の観点から捉えたものであり、放射線の照射を受けた蛍光ガラス素子を紫外線で励起し、そのときの蛍光ガラス素子の蛍光検出面から発生する蛍光強度によって放射線量を読取るガラス線量計の放射線量読取装置であって、前記蛍光ガラス素子からの蛍光強度を検出する検出器として二次元カメラを備え、予め設定した1つまたは複数の画素からなる画素区分毎に蛍光強度を計測する蛍光強度計測部と、前記各画素区分毎に計測した蛍光強度を線量に変換する線量算出部と、各画素区分毎の線量および線量分布を出力する線量分布出力部とを備える。
以上のような第1,第9の側面の発明によれば、二次元カメラを用いることでガラス線量計の二次元線量および線量分布を同時に読取ることができる。したがって、放射線の照射位置や照射量を高い精度で確認することが可能であり、放射線治療の信頼性を高めることができる。
本発明の第2の側面によれば、放射線の照射を受けた蛍光ガラス素子を紫外線で励起し、そのときの蛍光ガラス素子の蛍光検出面から発生する蛍光強度によって放射線量を読取るガラス線量計の放射線量読取方法であって、前記蛍光ガラス素子からの蛍光強度を検出する検出器として、二次元カメラを使用し、前記蛍光ガラス素子の蛍光検出面以外の側面から、前記蛍光ガラス素子の厚み方向に紫外線の入射位置を変えて薄層状の紫外線を照射し、各照射位置における画素区分毎の蛍光強度を前記二次元カメラを用いて計測する蛍光強度計測ステップと、前記紫外線の入射位置を変えて計測した複数のデータを合成して、前記蛍光ガラス素子の三次元線量および三次元線量分布を出力する三次元データ出力ステップとを含む。
本発明の第11の側面によれば、第2の側面に係る発明を装置の観点から捉えたものであり、放射線の照射を受けた蛍光ガラス素子を紫外線で励起し、そのときの蛍光ガラス素子の蛍光検出面から発生する蛍光強度によって放射線量を読取るガラス線量計の放射線量読取装置であって、前記蛍光ガラス素子からの蛍光強度を検出する検出器として二次元カメラを備え、前記蛍光ガラス素子の蛍光検出面以外の側面から、前記蛍光ガラス素子の厚み方向に紫外線の入射位置を変えて薄層状の紫外線を照射し、各照射位置における蛍光強度を前記二次元カメラを用いて計測する蛍光強度計測部と、前記紫外線の入射位置を変えて計測した複数のデータを合成して、前記蛍光ガラス素子の三次元線量および三次元線量分布を出力する三次元データ出力部とを備える。
以上のような第2,第11の側面に係る発明によれば、二次元カメラを用いて画素区分毎の蛍光強度を計測すると同時に、蛍光ガラス素子の厚み方向に紫外線の入射位置を変えて各画素区分の計測値を複数個求めることで、ガラス線量計における三次元線量および線量分布を読取ることができる。したがって、ビーム集中点とその周辺部における線量および線量分布を的確に把握することが可能である。これにより、放射線の照射位置や照射量を正確に確認でき、放射線治療の信頼性を高めることができる。
本発明の第3の側面によれば、第2の側面に係る発明において、前記蛍光ガラス素子としてブロック状のガラスを使用し、前記蛍光強度計測ステップでは、前記薄層状の紫外線をブロック状のガラスに対して上下方向に走査して、各照射位置の蛍光強度を計測する。
本発明の第4の側面によれば、第2の側面に係る発明において、前記蛍光ガラス素子として積層された複数の薄板ガラスを使用し、前記蛍光強度計測ステップでは、前記薄層状の紫外線を各薄板ガラス毎に照射して、各薄板ガラス毎にその蛍光強度を計測する。
これら第3,第4の側面に係る発明によれば、1つのブロック状ガラスからなるガラス線量計、あるいは積層された複数の薄板ガラスからなるガラス線量計において、その三次元線量および線量分布を読取ることが可能である。
本発明の第5の側面によれば、第2〜第4の側面に係る発明のいずれか1つにおいて、前記蛍光ガラス素子を移動させることにより紫外線の入射位置を変える。
本発明の第12の側面によれば、第5の側面に係る発明を装置の観点から捉えたものであり、第11の側面に係る発明において、前記蛍光ガラス素子を上下方向または左右方向に移動させるスライド機構を備える。
このような第5,第12の側面に係る発明によれば、紫外線の入射位置を変える際、蛍光ガラス素子の方を動かすので励起紫外線の光路は変わらない。そのため、経時変化による光路のぶれを抑えることができる。また、蛍光発生位置も変化しないので二次元カメラの焦点を移動させる必要がなく、安定した計測が可能である。
本発明の第6の側面によれば、放射線の照射を受けた蛍光ガラス素子を紫外線で励起し、そのときの蛍光ガラス素子の蛍光検出面から発生する蛍光強度によって放射線量を読取るガラス線量計の放射線量読取方法であって、前記蛍光ガラス素子からの蛍光強度を検出する検出器として二次元カメラを使用し、前記蛍光ガラス素子として積層された複数の薄板ガラスを使用し、前記薄板ガラス1枚ずつについて、画素区分毎の蛍光強度を前記二次元カメラを用いて計測する蛍光強度計測ステップと、前記薄板ガラス毎の計測値を記憶する計測値記憶ステップと、記憶した計測値を積層順に順次読出し、または合成することにより、前記蛍光ガラス素子の三次元線量および三次元線量分布を出力する三次元データ出力ステップとを含む。
本発明の第10の側面によれば、第6の側面に係る発明を装置の観点から捉えたものであり、第9の側面に係る発明において、前記薄板ガラス毎の計測値を記憶する計測値記憶部と、記憶した計測値を積層順に順次読出し、または合成することにより、前記蛍光ガラス素子の三次元線量および三次元線量分布を出力する三次元データ出力部とを備える。
以上のような第6,第10の側面によれば、二次元カメラを用いて画素区分毎の蛍光強度を計測すると同時に、薄板ガラス1枚ずつの計測値を求め、それを積層順に順次読出し、または合成することでガラス線量計における三次元線量および線量分布を読取ることができる。したがって、上記第2、第11の発明と同じく、ビーム集中点とその周辺部における線量および線量分布を的確に把握することが可能であり、放射線の照射位置や照射量を正確に確認できる。また、薄板ガラス1枚ずつについて読取ることで、紫外線の入射位置を変える手段がなくとも三次元線量および線量分布を読取れるので、装置の小型化が可能である。
本発明の第7の側面によれば、第1〜第6の側面に係る発明のいずれか1つにおいて、蛍光ガラス素子に均一に放射線を照射した基準ガラス線量計を用いて前記紫外線の強度分布を読取る紫外線強度分布測定ステップと、前記基準ガラス線量計から得られた紫外線の強度分布に基づいて、測定対象であるガラス線量計の各画素区分毎の線量および線量分布を補正する第1の補正ステップを含む。
本発明の第13の側面によれば、第7の側面に係る発明を装置の観点から捉えたものであり、第9〜第12の側面に係る発明のいずれか1つにおいて、蛍光ガラス素子に均一に放射線を照射した基準ガラス線量計を具備し、前記基準ガラス線量計から得られた紫外線の強度分布に基づいて、測定対象であるガラス線量計の各画素区分毎の線量および線量分布を補正する補正部を備える。
以上のような第7、第13の側面に係る発明では、まず励起光である紫外線の強度分布を求め、それに基づいて、測定対象であるガラス線量計の各画素区分毎の線量および線量分布を補正している。そのため、紫外線の強度分布による影響を確実に各画素区分から排除することができ、より正確な蛍光強度の計測が可能である。したがって、各画素区分毎の線量および線量分布を高い精度で読取ることができ、いっそう信頼性が向上する。
本発明の第8の側面によれば、第1〜第7の側面に係る発明のいずれか1つにおいて、前記紫外線の強度の時間変動を検知する時間変動検知ステップと、検知された時間変動の影響を前記各画素区分毎の線量および線量分布より除去する第2の補正ステップを含む。
本発明の第14の側面によれば、第8の側面に係る発明を装置の観点から捉えたものであり、第9〜第13のいずれか1つの発明において、前記紫外線の強度の時間変動を検知する時間変動検知部を設け、前記時間変動検知部において検知された時間変動の影響を、前記各画素区分毎の線量および線量分布より除去する第2の補正手段を備える。
以上のような第8、第14の側面に係る発明では、紫外線励起光の強度の時間変動を求め、その影響を除去するようにガラス線量計の各画素区分毎の線量および線量分布を補正している。したがって、第7、第13の発明と同じく、各画素区分毎の線量および線量分布の測定精度を高めることができる。
図1は、本発明に係る第1の実施の形態の装置構成を示す図である。
図2は、第1の実施の形態の画像処理装置の構成を示す機能ブロック図である。
図3は、本発明に係る第2の実施の形態の装置構成を示す図である。
図4は、第2の実施の形態の画像処理装置の構成を示す機能ブロック図である。
図5は、本発明に係る第3の実施の形態の装置構成を示す図である。
図6は、第3の実施の形態の画像処理装置の構成を示す機能ブロック図である。
図7は、本発明に係る第4の実施の形態の要部構成図である。
図8は、本発明に係る第5の実施の形態の装置構成を示す図である。
図9は、本発明に係る第7の実施の形態のガラス線量計の感度曲線を示す図である。
以下、本発明の実施の形態の一例について図面を参照して具体的に説明する。なお、各実施の形態において共通する部材に関しては同一の符号を付す。
(1)第1の実施の形態
図1は、本実施形態の装置構成の一例を示す図であり、図2は、本実施形態の画像処理装置の構成を機能ブロック図として示したものである。
(1−1)装置構成
図1において、1はガラス線量計、2は紫外線励起光源、3は二次元カメラ、4は画像処理装置、5は表示装置である。ガラス線量計1は蛍光ガラス素子を有している。蛍光ガラス素子は薄板ガラスからなり、その大きさは30mm×30mm×1mm、最大で100mm×100mm×1mm程度である。また、蛍光ガラス素子の蛍光検出面の全周囲をマスクするようにダイアフラムが最低1mm幅で取り付けられている。これは、ガラス素子のエッジ部分からの散乱光でエッジ部分が明るくなり、測定値に影響を与えることを回避するためである。このような蛍光ガラス素子では、蛍光検出面側から励起紫外線を照射する場合に、前記ダイアフラムは励起用マスクと蛍光検出用マスクとを兼ねている。
紫外線励起光源2にはキセノンフラッシュランプを使用している。キセノンフラッシュランプはUVから赤外までの光を含むため、励起光入射側にUV透過フィルタ(ここでは330nm〜370nm程度の波長のみを透過させる)2aを設置し、蛍光検出側すなわち二次元カメラ3の入射口には、紫外線励起光源2からの紫外線をカットするフィルタ(ここでは380nm程度以下の紫外線をカット)3aと、蛍光ガラス素子からの蛍光(波長600〜700nm程度、あるいは600nm以上)のみを透過するフィルタ(干渉フィルタ)3bを設置する。
干渉フィルタ3bの目的は、蛍光ガラス素子から発生した蛍光(RPL)のみを効率良く透過させるためのものであり、また、紫外線カットフィルタ3aの目的は、干渉フィルタ3bやレンズに紫外線が当った場合に蛍光が発生するのを防止するために使用される。
紫外線励起方法としては、蛍光ガラス素子の蛍光検出面側から紫外線励起光源2からの励起紫外線を照射し、同面直交方向に配置した二次元カメラ3で読取りを行うように構成されている。
二次元カメラ3としては、ガンマナイフなど高線量の場合には、冷却型CCDカメラ(1344×1024画素など)が用いられる。この冷却型CCDカメラは、ノイズが低く分解能が高いため、高精度の分布測定が可能であり、特に高線量を測定する場合に適している。CCDカメラは時間分解ができないが、高線量を測定する場合、プレドーズが相対的に極めて小さく問題にならないため、時間分解測定は不要だからである。
また、低線量も含む場合には、IIカメラ(640×480画素など)が用いられる。低線量の場合、プレドーズを除去するために時間分解測定が必要なためである(IIカメラは時間分解が可能)。なお、時間分解測定については特公平4−77274号公報、特公平4−78144号公報に記載の技術と基本的に同様である。
二次元カメラ3に対して蛍光ガラス素子のサイズが大きく、細部にわたる分布測定が必要な場合や低線量まで測定する場合などは、蛍光ガラス素子を複数画面に分割して読取り、合成すれば良い。逆に、二次元カメラ3の画素数までの解像度が必要無いときには、ビニングにより複数画素をまとめて1画素相当の出力として処理することが可能である。ビニングとは2×2画素、4×4画素を1画素として扱う処理のことであり、請求の範囲に記載した『画素区分』とは、このような処理を施した1まとまりの画素をいう。
画像処理装置4は二次元カメラにおける各画素区分毎に蛍光強度を計測し、所定のデータ処理を行う装置であり、表示装置5は各画素区分毎の線量および線量分布を表示出力する装置である。
(1−2)画像処理装置の構成
本実施形態に用いられる画像処理装置4は、図2に示したように構成されている。すなわち、画像処理装置4には、二次元カメラ3からの画像データを受信する画像データ受信部41と、所定のデータ処理を行うデータ処理部42と、データ記憶部43と、処理データを表示装置に処理する処理データ出力部44とが設けられている。
また、前記データ処理部42には、複数画素をまとめて1画素区分として扱う画素区分設定部421、その画素区分毎の蛍光強度を測定する蛍光強度測定部422、画素区分毎の線量を算出する線量算出部423、二次元の線量分布を作成する線量分布作成部424、及び複数個の二次元データに基づいて三次元データを作成する三次元データ作成部425が設けられている。
(1−3)読取方法および装置の動作
次に、第1の実施の形態に係るガラス線量計の線量分布読取方法および装置の動作について説明する。まず、図1に示したように、放射線を基準照射した基準ガラス線量計(図示せず)と、測定対象のガラス線量計1とを用意し、それぞれに紫外線励起光源2から励起紫外線を照射して、発生する蛍光を二次元カメラ3に取り入れ、二次元カメラ3にて蛍光画像を得る。この画像データを画像処理装置4に取り込み、予め設定した各画素区分毎の蛍光強度を計測する(蛍光強度計測ステップ)。
なお、画素当たりの蛍光発生量は微弱であるため、蛍光強度の計測は一定時間(例えば、10秒程度)励起光に露光させ、その間に発生した蛍光を受光して二次元カメラ3に蓄積した電荷を読み出している。また、ガラス蛍光素子に対する励起紫外線の照射や蛍光強度の計測は、暗環境下(暗箱を構成する筐体内)で行う。
そして、各画素区分毎に計測した蛍光強度を線量に変換する。具体的には放射線を基準照射した基準ガラス線量計と測定対象のガラス線量計1との比を求めることで、各画素区分における線量を算出する。続いて、表示装置5により各画素区分毎の線量および線量分布を表示する(線量分布出力ステップ)。
なお、表示装置5における表示例としては次のようなモードがある。
a:二次元分布を線量に応じて色分けして画像表示
b:二次元分布を線量値に応じて三次元グラフ表示
c:特定線上、特定断面の線量値をグラフ表示
d:画像表示した画面上のマウスポインタ指示位置のスポット線量値表示
e:二次元分布の各スポットにおける線量値をマトリクス状に表示
f:特定線領域の面積表示
g:線量の最大値又は最小値とその位置の表示
h:照射領域が円形状スポットの場合、その中心位置及び線量値表示
また、表示に際してガウスフィルタや高速フーリエ変換(FFT)等のノイズ低減処理を施すことも可能である。
(1−4)作用効果
以上のような第1の実施の形態によれば、二次元カメラ3を用いることでガラス線量計の二次元線量および線量分布を同時に読取ることができる。したがって、放射線の照射位置や照射量を高い精度で確認でき、放射線治療の信頼性向上に大きく貢献することができる。また、第1の実施の形態では、蛍光ガラス素子の蛍光検出面側から励起紫外線を照射し、同面直交方向に配置した二次元カメラで読取りを行っているため、励起光を平行に保つための光学系が必要なく、構成を容易に簡略化できる。
(2)第2の実施の形態
図3は、本実施形態の装置構成の一例を示す図であり、図4は、本実施形態の画像処理装置4の構成を機能ブロック図として示したものである。
(2−1)装置構成
図3において、1aは放射線を基準照射した基準ガラス線量計、1bは測定対象であるガラス線量計である。基準ガラス線量計1aとは、137Csのようなγ線を蛍光ガラス素子全体に基準照射したものである。これらガラス線量計1a,1bはガラス搬送テーブル7上に載置されている。ガラス搬送テーブル7はガラス線量計1a,1bを二次元カメラ3の真下に移動させるものである。また、二次元カメラ3および画像処理装置4にはカメラコントローラ8が電気的に接続されている。
(2−2)画像処理装置の構成
本実施形態に用いられる画像処理装置4は、図4に示したように構成されている。すなわち、図2に示したデータ処理部に、さらに、蛍光ガラス素子に均一に放射線を照射した基準ガラス線量計を用いて紫外線の強度分布を測定する強度分布測定部426と、この紫外線の強度分布に基づいて、測定対象であるガラス線量計の各画素区分毎の線量および線量分布を補正する第1の補正部427が設けられている。その他の構成は、図2に示した画像処理装置と同様であるので、説明は省略する。
(2−3)読取方法および装置の動作
次に、第2の実施の形態に係るガラス線量計の線量分布読取方法および装置の動作について説明する。まず、基準ガラス線量計1aと、測定対象のガラス線量計1とを用意し、ガラス搬送テーブル7を移動することによって、それぞれに紫外線励起光源2から励起紫外線を照射して、発生する蛍光を二次元カメラ3に取り入れ、二次元カメラ3にて蛍光画像を得る。これらの画像データを画像処理装置4に取り込み、各画素区分の蛍光強度を計測する(蛍光強度計測ステップ)。
基準ガラス線量計1aにおいては、γ線照射が蛍光ガラス素子全体に均一に行われているので、基準ガラス線量計1aから得られる強度分布は、紫外線励起光源2自体の強度分布となる(紫外線強度分布測定ステップ)。この基準ガラス線量計1aから得られた紫外線強度分布と、測定対象であるガラス線量計1bから得られた分布との比を求めることにより紫外線励起光源2の強度分布による影響を割出す。そして、これを除去するように画像処理装置4がガラス線量計1bにおける線量および線量分布を補正する(第1の補正ステップ)。続いて、各画素区分毎に補正した蛍光強度を線量に変換し(線量変換ステップ)、基準ガラス線量計1aと測定対象のガラス線量計1bとの比を求めることで、各画素区分における線量を算出する。最終的に、表示装置5により各画素区分毎の線量および線量分布を表示する(線量分布出力ステップ)。
(2−3)作用効果
以上のような第2の実施の形態では、基準ガラス線量計1aを用いて紫外線励起光源2の強度分布を求め、それに基づいて測定対象であるガラス線量計1bにおける線量および線量分布を補正することができる。つまり、二次元分布測定そのものに影響する励起光源2の強度分布を是正し、ガラス線量計1bの各画素区分毎における励起光のばらつきを排除することにより、より正確に蛍光強度を計測することができる。このような第2の実施の形態によれば、ガラス線量計1bの線量および線量分布をより高い精度で読取ることができるので、信頼性がさらに向上するという効果がある。
さらに、図3に示した第2の実施の形態においては、基準ガラス線量計1aと測定対象のガラス線量計1bとをガラス搬送テーブル7により入れ替えて、1台の二次元カメラ3だけで蛍光強度の計測を行っている。二次元カメラ3は高価なので、この構成を採用すれば、経済的な負担が少なくて済むといった利点がある。また、同一のカメラ3により蛍光強度計測を行うので、カメラの感度差の影響を受けることがなく、安定して計測を実施できる。
また、前記実施の形態では、励起光の強度分布を読取る際、励起光をカメラで直接受光せず、基準照射した基準ガラス線量計1aからの蛍光を受光して行っているが、これは蛍光ガラス素子の蛍光発生に対する温度依存性を相殺することを意図している。
(3)第3の実施の形態
図5は、本実施形態の装置構成の一例を示す図であり、図6は、本実施形態の画像処理装置4の構成を機能ブロック図として示したものである。
(3−1)装置構成
図5において、ガラス線量計1に近接して石英板12が配置されている。石英板12は紫外線励起光源2からの励起紫外線の一部を反射させるようになっている。また、石英板12と向い合ってレンズ13が設置され、レンズ13から光が送られる部分に高線量照射ガラス線量計9が設けられている。高線量照射ガラス線量計9の下方にはフォトダイオード10が配置され、フォトダイオード10にはプリアンプ11が電気的に接続されている。さらに、プリアンプ11は画像処理装置4に電気的に接続されている。これらの部材によって、紫外線励起光の強度の時間変動を検知するように構成されている。
(3−2)画像処理装置の構成
本実施形態に用いられる画像処理装置4は、図6に示したように構成されている。すなわち、図2に示したデータ処理部に、さらに、紫外線励起光の時間変動を検知する時間変動検知部428と、この紫外線の時間変動に基づいて、測定対象であるガラス線量計の各画素区分毎の線量および線量分布を補正する第2の補正部429が設けられている。その他の構成は、図2に示した画像処理装置と同様であるので、説明は省略する。
(3−3)読取方法および装置の動作
次に、第3の実施の形態に係るガラス線量計の線量分布読取方法および装置の動作について説明する。まず、放射線を基準照射した基準ガラス線量計1aと、測定対象のガラス線量計1bとを用意し、それぞれに紫外線励起光源2から励起紫外線を照射して、発生した蛍光を二次元カメラ3に取り入れ、二次元カメラ3にて蛍光画像を得る。これらの画像データを画像処理装置4およびカメラコントローラ8に取り込み、各画素区分の蛍光強度を計測する(蛍光強度計測ステップ)。
また、ガラス線量計1a,1bに対する紫外線励起光源2からの紫外線照射と同時に、石英板7は紫外線照射の一部を反射させ、レンズ13がこれを集光する。その後、高線量照射ガラス線量計9に当てて蛍光が発生する。高線量照射ガラス線量計9にて発生した蛍光をフォトダイオード10が検出し、プリアンプ11がこれを電気信号に変換する。
画像処理装置4はこの電気信号と前記画像データとを取り込む。その際、基準ガラス線量計1aからの画像データに対しては、基準ガラス線量計1aの画像データ取り込み時の高線量照射ガラス線量計9からの信号で除算することにより、紫外線励起光源2の励起光の時間変動を検知する。一方、測定対象のガラス線量計1bからの画像データに対しても、ガラス線量計1bの画像データ取り込み時の高線量照射ガラス線量計9からの信号で除算することで、紫外線励起光源2の励起光の時間変動を検知する(時間変動検知ステップ)。
その後、ガラス線量計1a,1bの補正後の各画素区分における蛍光強度の比を求めることにより、画像処理装置4が検知された時間変動の影響を各画素区分毎の線量および線量分布より除去する(第2の補正ステップ)。続いて、各画素区分毎に補正した蛍光強度を線量に変換し、基準ガラス線量計1aと測定対象のガラス線量計1bとの比を求めることで、各画素区分における線量を算出する。最終的に、表示装置5により各画素区分毎の線量および線量分布を表示する(線量分布出力ステップ)。
(3−4)作用効果
以上のような第3の実施の形態によれば、紫外線励起光源2からの紫外線励起光の強度の時間変動を割出し、その影響を除去するようにガラス線量計1a,1bの各画素区分毎における線量および線量分布を補正することができる。このため、上記第2の実施の形態と同じく、各画素区分毎の線量および線量分布の測定精度が大幅に向上する。
(4)第4の実施の形態
(4−1)構成
第4の実施の形態は、図7に示すように、ガラス線量計が、積層された複数の薄板ガラス1cからなり、そのガラス線量計に放射線が照射された場合に適合するもので、薄層状の紫外線を各薄板ガラス毎に照射し、二次元カメラでそれぞれの薄板ガラス1cについて画素区分毎の蛍光強度を計測する蛍光強度計測手段と、その計測値を記憶する計測値記憶手段と、記憶した計測値を積層順に順次読出し、または合成することにより、ガラス線量計の三次元線量および三次元線量分布を出力する三次元データ出力手段とを備えており、ガラス線量計の三次元線量および三次元線量分布を出力するように構成されている。なお、読取方法および装置の動作ならびに作用効果に関しては、基本的に上記第1〜第3の実施の形態と同様である。
(4−2)読取方法および装置の動作
第4の実施の形態に係るガラス線量計の線量分布読取方法および装置では、積層された複数の薄板ガラス1cからなる蛍光ガラス素子の蛍光検出面以外の側面から薄層状の紫外線を照射して、各薄板ガラス1c毎に、蛍光検出面からの蛍光強度を二次元カメラ3を用いて計測し(蛍光強度計測ステップ)、各薄板ガラス1c毎のデータとして記憶する。そして、各薄板ガラス1c毎に求めたデータを合成することにより、蛍光ガラス素子の三次元線量および三次元線量分布を出力する(三次元データ出力ステップ)。なお、積層された薄板ガラス1cを1枚ずつ分離した状態で読み取る場合には、図1に示す第1の実施の形態のように蛍光ガラス素子の蛍光検出面側から励起紫外線を照射することも可能である。
(4−3)作用効果
このような第4の実施の形態によれば、二次元カメラ3を用いて、積層された複数の薄板ガラス1cのそれぞれについて蛍光強度を計測し、各データを合成することにより、ガラス線量計1における三次元線量および線量分布を読取ることができる。したがって、ビーム集中点とその周辺部における線量および線量分布を的確に把握することができ、放射線の照射位置や照射量を正確に確認でき、放射線治療の信頼性を高めることができる。
(5)第5の実施の形態
(5−1)構成
第5の実施の形態は、図8に示すように、蛍光ガラス素子としてブロック状のガラス1dを使用し、薄層状の紫外線をブロック状のガラス1dに対して照射する際に、その照射位置を上下方向に走査して、各照射位置における蛍光強度を順次計測するように構成されている。このとき、ブロック状のガラス1dには、側方からスリットを介して薄層状の励起紫外線2aを入射させている。なお、読取方法および装置の動作ならびに作用効果に関しては、基本的に上記第4の実施の形態と同様である。
(5−2)作用効果
このような第5の実施の形態によれば、ブロック状のガラス1dからなる蛍光ガラス素子の厚み方向に薄層状の紫外線2aを照射する際に、その入射位置を上下方向に順次変えて、各位置の蛍光強度を二次元カメラ3を用いて計測することにより、ガラス線量計1における三次元線量および線量分布を読取ることができる。したがって、ビーム集中点とその周辺部における線量および線量分布を的確に把握することができ、放射線の照射位置や照射量を正確に確認でき、放射線治療の信頼性を高めることができる。
(6)第6の実施の形態
(6−1)構成
第6の実施の形態は、上記第4又は第5の実施の形態において、蛍光ガラス素子を上下方向に移動させるスライド機構を備えており、紫外線励起ビーム入射位置を変えるとき、スライド機構を動作させて蛍光ガラス素子を移動させる点に特徴がある。なお、スライド機構の駆動には、周知の駆動機構が使用でき、蛍光ガラス素子に対する紫外線励起ビーム入射位置を所定のピッチごと変えられればよい。
(6−2)作用効果
このような第6の実施の形態によれば、紫外線励起光源2から出た紫外線の入射位置を変える際、蛍光ガラス素子の方を移動させるので、励起紫外線の光路は動くことがない。そのため、経時変化による光路のぶれを抑止することができる。また、励起紫外線の光路が変わらなければ、蛍光が発生する位置も変化しないので、二次元カメラを移動させたり、焦点を合わせたりする必要がない。したがって、読取り作業をスムーズに実施することができ、且つ安定した計測が可能である。なお、蛍光ガラス素子の移動方向は左右方向でも良く、移動ピッチも薄板ガラスの厚さ分に合わせるなど適宜選択自在である。
(7)第7の実施の形態
第7の実施の形態は、本発明をIMRT(Intensity−Modulated Radiation Therapy=強度変調放射線治療)に適用した例に関している。IMRTは、ある照射面での照射線量に強弱をつけることができる放射線治療方法である。IMRTにおいては、標的容積(PTV)に線量を集中し、かつ近接する重要臓器(OAR)への線量を許容以下に抑えるための治療計画により設定された線量と、実際に照射された線量との差異を極力小さくする必要があり、その実際の線量の測定・QAには、現在フィルムが使用されている。しかし、フィルムでは線量の相対分布は分かるものの、線量値を正確に読み取ることが難しい、上限線量が低い、蓄積線量の測定が困難などの問題があり、線量値と分布を正確に測定できるシステムが望まれている。また、ダイオード方式の分布線量測定装置では、裏面からの照射線量の読取ができないという問題がある。
したがって、IMRTにおいても本発明のガラス線量計を適用すれば、これらの問題点を解消でき、線量値とその分布を正確に測定できる。特に、IMRTでは周辺臓器への線量も把握する必要があるため、ガラス線量計の以下の利点が有効であると考えられる。
1.相対分布ではなく、分布とともにその部位の線量値が正確に測定できる。
2.図9は、本実施形態に係るガラス線量計の感度曲線を示す図であり、横軸に照射線量(Gy)をとり、縦軸に読取線量(Gy)をとっている。図9は、薄い板状(1mm程度)のガラス線量計を使用した場合を示している。約20Gy程度までは直線的に読取りができる。約100Gy程度になると読取感度は若干低下するが、実用的には十分測定可能である。なお、高線量域での感度低下分はあらかじめ感度特性を把握しておくことにより補正することが可能である。
フィルムでは通常7Gy程度、高くても30Gy程度までしか測定できないが、このようにガラス線量計を使用することにより、100Gy以上の高線量まで測定できる。実際の治療では、数十Gyの照射が行われ、少なくとも50Gyまで測定できるものが要望されている。
3.ガラス線量計では、照射・読取した後、アニールせずに追加照射して、蓄積線量の読取ができる。
4.表面からだけでなく、裏面からの照射も測定できる。
5.ガラスプレートのサイズは、特願2002−256917では最大100×100×1mmと記載したが、200×200×数mmも可能であり、周辺臓器を含む範囲の線量把握が可能である。
(8)他の実施の形態
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、ガラス線量計の二次元分布測定を行う場合であっても、図8に示したように側方からスリットを介して薄層状の励起紫外線を入射させても良い。このような実施の形態によれば、励起光断面をスリットにより規制できるので、ガラス素子の厚みが異なっても励起光が照射される体積は常に一定であり、ガラス厚さ方向に対する加工精度の影響を受けることがない。
また、励起光源2の強度分布を読取るとき、励起光を分岐して2つの二次元カメラを用いても良い。この場合には、基準照射線量計と測定対象線量計の計測を同時に行うことができる。したがって、光源2は時間変動の影響を受けることがないといったメリットがある(2台の二次元カメラの感度差はあらかじめ計っておいて補正することも可能である)。
さらに、構成部材の寸法も適宜変更可能であり、三次元分布測定用としては薄板ガラスを必要に応じて3〜5層程度積層したものか、あるいは5mm程度のブロックが望ましい。ガンマナイフやサイバーナイフの照射誤差は大きくても1mm程度なので、この程度の厚さで十分に照射の中心を捕捉することが可能である。なお、薄板ガラスを積層した場合は互いに接着せず、重ね合わせた状態でファントム中に埋め込んで形成する。
さらにまた、上記した各実施の形態に記述した装置の構成を組み合わせて使用できることは言うまでもない。
本発明のガラス線量計の線量分布読取方法およびその装置によれば、蛍光ガラス素子からの蛍光強度を検出する検出器として二次元カメラを使用することにより、ガラス線量計の二次元、三次元の線量および線量分布を容易に読取ることができるので、所定位置に所定量だけ放射線照射がなされたかどうかを高い精度で確認して、これにより放射線治療の信頼性向上に寄与することができる。

Claims (14)

  1. 放射線の照射を受けた蛍光ガラス素子を紫外線で励起し、そのときの蛍光ガラス素子の蛍光検出面から発生する蛍光強度によって放射線量を読取るガラス線量計の放射線量読取方法であって、
    前記蛍光ガラス素子からの蛍光強度を検出する検出器として二次元カメラを使用し、
    予め設定した1つまたは複数の画素からなる画素区分毎に蛍光強度を計測する蛍光強度計測ステップと、
    前記各画素区分毎に計測した蛍光強度を線量に変換するステップと、
    各画素区分毎の線量および線量分布を出力するステップとを具備するガラス線量計の線量分布読取方法。
  2. 放射線の照射を受けた蛍光ガラス素子を紫外線で励起し、そのときの蛍光ガラス素子の蛍光検出面から発生する蛍光強度によって放射線量を読取るガラス線量計の放射線量読取方法であって、
    前記蛍光ガラス素子からの蛍光強度を検出する検出器として、二次元カメラを使用し、
    前記蛍光ガラス素子の蛍光検出面以外の側面から、前記蛍光ガラス素子の厚み方向に紫外線の入射位置を変えて薄層状の紫外線を照射し、各照射位置における画素区分毎の蛍光強度を前記二次元カメラを用いて計測する蛍光強度計測ステップと、
    前記紫外線の入射位置を変えて計測した複数のデータを合成して、前記蛍光ガラス素子の三次元線量および三次元線量分布を出力する三次元データ出力ステップとを具備するガラス線量計の線量分布読取方法。
  3. 前記蛍光ガラス素子としてブロック状のガラスを使用し、
    前記蛍光強度計測ステップでは、前記薄層状の紫外線をブロック状のガラスに対して上下方向に走査して、各照射位置の蛍光強度を計測する請求項2に記載のガラス線量計の線量分布読取方法。
  4. 前記蛍光ガラス素子として積層された複数の薄板ガラスを使用し、
    前記蛍光強度計測ステップでは、前記薄層状の紫外線を各薄板ガラス毎に照射して、各薄板ガラス毎にその蛍光強度を計測する請求項2に記載のガラス線量計の線量分布読取方法。
  5. 前記蛍光ガラス素子を移動させることにより紫外線の入射位置を変える請求項2〜4のいずれか1項に記載のガラス線量計の線量分布読取方法。
  6. 放射線の照射を受けた蛍光ガラス素子を紫外線で励起し、そのときの蛍光ガラス素子の蛍光検出面から発生する蛍光強度によって放射線量を読取るガラス線量計の放射線量読取方法であって、
    前記蛍光ガラス素子からの蛍光強度を検出する検出器として二次元カメラを使用し、
    前記蛍光ガラス素子として積層された複数の薄板ガラスを使用し、
    前記薄板ガラス1枚ずつについて、予め設定した1つまたは複数の画素からなる画素区分毎にその蛍光強度を前記二次元カメラを用いて計測する蛍光強度計測ステップと、
    前記薄板ガラス毎の計測値を記憶する計測値記憶ステップと、
    記憶した計測値を積層順に順次読出し、または合成することにより、前記蛍光ガラス素子の三次元線量および三次元線量分布を出力する三次元データ出力ステップとを具備するガラス線量計の線量分布読取方法。
  7. 蛍光ガラス素子に均一に放射線を照射した基準ガラス線量計を用いて前記紫外線の強度分布を読取る紫外線強度分布測定ステップと、
    前記基準ガラス線量計から得られた紫外線の強度分布に基づいて、測定対象であるガラス線量計の各画素区分毎の線量および線量分布を補正する第1の補正ステップを含む請求項1〜6のいずれか1項に記載のガラス線量計の線量分布読取方法。
  8. 前記紫外線の強度の時間変動を検知する時間変動検知ステップと、
    検知された時間変動の影響を前記各画素区分毎の線量および線量分布より除去する第2の補正ステップを含む請求項1〜7のいずれか1項に記載のガラス線量計の線量分布読取方法。
  9. 放射線の照射を受けた蛍光ガラス素子を紫外線で励起し、そのときの蛍光ガラス素子の蛍光検出面から発生する蛍光強度によって放射線量を読取るガラス線量計の放射線量読取装置であって、
    前記蛍光ガラス素子からの蛍光強度を検出する検出器として二次元カメラを備え、
    予め設定した1つまたは複数の画素からなる画素区分毎に蛍光強度を計測する蛍光強度計測部と、
    前記各画素区分毎に計測した蛍光強度を線量に変換する線量算出部と、
    各画素区分毎の線量および線量分布を出力する線量分布出力部と、
    を具備するガラス線量計の線量分布読取装置。
  10. 前記蛍光ガラス素子として積層された複数の薄板ガラスを使用し、
    前記薄板ガラス毎の計測値を記憶する計測値記憶部と、
    記憶した計測値を積層順に順次読出し、または合成することにより、前記蛍光ガラス素子の三次元線量および三次元線量分布を出力する三次元データ出力部とを備えた請求項9に記載のガラス線量計の線量分布読取装置。
  11. 放射線の照射を受けた蛍光ガラス素子を紫外線で励起し、そのときの蛍光ガラス素子の蛍光検出面から発生する蛍光強度によって放射線量を読取るガラス線量計の放射線量読取装置であって、
    前記蛍光ガラス素子からの蛍光強度を検出する検出器として二次元カメラを備え、
    前記蛍光ガラス素子の蛍光検出面以外の側面から、前記蛍光ガラス素子の厚み方向に紫外線の入射位置を変えて薄層状の紫外線を照射し、各照射位置における蛍光強度を前記二次元カメラを用いて計測する蛍光強度計測部と、
    前記紫外線の入射位置を変えて計測した複数のデータを合成して、前記蛍光ガラス素子の三次元線量および三次元線量分布を出力する三次元データ出力部とを具備するガラス線量計の線量分布読取装置。
  12. 前記蛍光ガラス素子を上下方向または左右方向に移動させるスライド機構を備えた請求項11に記載のガラス線量計の線量分布読取装置。
  13. 蛍光ガラス素子に均一に放射線を照射した基準ガラス線量計を具備し、
    前記基準ガラス線量計から得られた紫外線の強度分布に基づいて、測定対象であるガラス線量計の各画素区分毎の線量および線量分布を補正する補正部を備えた請求項9〜12のいずれか1項に記載のガラス線量計の線量分布読取装置。
  14. 前記紫外線の強度の時間変動を検知する時間変動検知部を設け、
    前記時間変動検知部において検知された時間変動の影響を、前記各画素区分毎の線量および線量分布より除去する第2の補正部を備えた請求項9〜13のいずれか1項に記載のガラス線量計の線量分布読取装置。
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