JPWO2004022410A1 - 車両用位置調整式ステアリングコラム装置 - Google Patents
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Abstract
車体に取付けるための車体取付部4c、及び左右一対の対向平板部4a,4bを有する車体側ブラケット4と、管状の素材の一部を膨出して形成し且つ車体側ブラケットの一対の対向平板部4a,4bに圧接するための膨出部13を有するステアリングコラム2と、一対の対向平板部4a,4b及び膨出部13を貫通すると共に、操作レバー8の回転に伴って、一対の対向平板部4a,4bの間隔を調整するための軸杆5と、を備えており、ステアリングコラム2は、軸杆5から少なくとも車体取付部4cまでの間に、軸杆5が膨出部13を貫通する貫通部位の幅と、略同じ幅の部位を有している。
Description
本発明は、ステアリングコラムの管状の素材の一部を膨出した膨出部を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置に関する。
一般に、車両用ステアリング装置にはステアリングコラムを上下方向に移動させてステアリングホイールの位置を運転者に好ましい位置に調整するチルト機構が備えられる。このチルト機構にはレバー式クランプ機構が備えられ、チルト操作ではレバー操作でクランプを緩め、ステアリングコラムの自由な動作を可能にする一方、位置調整後にクランプを締付け、ステアリングコラムの拘束状態を保持することができるようになっている。
すなわち、ステアリング装置は、図13に示すように、軸心に沿って軸受(図示せず)を介してステアリングシャフト1を支持するステアリングコラム2と、クランプ機構3とを備える。クランプ機構3はチルトブラケット4、チルトボルト5、ナット6、ディスタンスブラケット7、チルトレバー8ならびに一対の固定カム9および可動カム10を備える。
たとえば、チルトレバー8の回動により可動カム10が回動し、これと組み合った固定カム9との相対変位が生じ、このとき、チルトボルト5の軸方向に相対変位が生じる。この動作によってチルトブラケット4の支持部4a、4b間でディスタンスブラケット7が挟持され、これによってステアリングコラム2を固定することができる。一方、逆方向へのチルトレバー8の操作によってチルトボルト5が逆方向に動き、このとき、ステアリングコラム2の固定が緩むことによりステアリングコラム2を所望の角度に傾けることが可能になる。
ところで、ステアリングコラム2の支持剛性の不足を補うため、たとえば、図14に示すように、ディスタンスブラケット7についてその両側面をステアリングコラム2の中心を超える位置まで延長する対策を試みることがある。同様な目的のために、図15に示すように、チルトブラケット4の支持部4a、4b間に樹脂製のスペーサ11を挟み込む、別の対策も提案されている。
しかしながら、上記2つの対策は所期の目的は達成できるとしても、たとえば、ディスタンスブラケット7の両側面を延長するものではディスタンスブラケット7が大形化することで、重量の増加を招き、望ましい対策とはいえない。一方、スペーサ11を挟み込む対策ではクランプ機構3を構成する部品の数が増すことが避けられない。このため、製造コストが大きく上昇し、これも望ましい対策といえない。
そこで、本発明の目的は、ステアリングコラムの支持のために特別な部材を介在させることなく、支持剛性を高めるようにした車両用位置調整式ステアリングコラム装置を提供することにある。
すなわち、ステアリング装置は、図13に示すように、軸心に沿って軸受(図示せず)を介してステアリングシャフト1を支持するステアリングコラム2と、クランプ機構3とを備える。クランプ機構3はチルトブラケット4、チルトボルト5、ナット6、ディスタンスブラケット7、チルトレバー8ならびに一対の固定カム9および可動カム10を備える。
たとえば、チルトレバー8の回動により可動カム10が回動し、これと組み合った固定カム9との相対変位が生じ、このとき、チルトボルト5の軸方向に相対変位が生じる。この動作によってチルトブラケット4の支持部4a、4b間でディスタンスブラケット7が挟持され、これによってステアリングコラム2を固定することができる。一方、逆方向へのチルトレバー8の操作によってチルトボルト5が逆方向に動き、このとき、ステアリングコラム2の固定が緩むことによりステアリングコラム2を所望の角度に傾けることが可能になる。
ところで、ステアリングコラム2の支持剛性の不足を補うため、たとえば、図14に示すように、ディスタンスブラケット7についてその両側面をステアリングコラム2の中心を超える位置まで延長する対策を試みることがある。同様な目的のために、図15に示すように、チルトブラケット4の支持部4a、4b間に樹脂製のスペーサ11を挟み込む、別の対策も提案されている。
しかしながら、上記2つの対策は所期の目的は達成できるとしても、たとえば、ディスタンスブラケット7の両側面を延長するものではディスタンスブラケット7が大形化することで、重量の増加を招き、望ましい対策とはいえない。一方、スペーサ11を挟み込む対策ではクランプ機構3を構成する部品の数が増すことが避けられない。このため、製造コストが大きく上昇し、これも望ましい対策といえない。
そこで、本発明の目的は、ステアリングコラムの支持のために特別な部材を介在させることなく、支持剛性を高めるようにした車両用位置調整式ステアリングコラム装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の第1の態様に係る車両用位置調整式ステアリングコラム装置は、車体に取付けるための車体取付部、及び略上下方向に延在した左右一対の対向平板部を有する車体側ブラケットと、
ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、管状の素材の一部を膨出して形成してあり且つ前記車体側ブラケットの一対の対向平板部に圧接するための膨出部を有するステアリングコラムと、
前記一対の対向平板部、及び前記膨出部を貫通する軸杆と、操作レバーの回転に伴って、前記軸杆に作用して前記一対の対向平板部の間隔を調整するための調整機構と、を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置において、
前記ステアリングコラムは、前記軸杆から少なくとも前記車体取付部までの間に、前記軸杆が前記膨出部を貫通する貫通部位の幅と、略同じ幅の部位を有することを特徴とする。
また、本発明の第2の態様に係る車両用位置調整式ステアリングコラム装置は、車体に取付けるための車体取付部、及び略上下方向に延在した左右一対の対向平板部を有する車体側ブラケットと、
ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、管状の素材の一部を膨出して形成してあり且つ前記車体側ブラケットの一対の対向平板部に圧接するための膨出部を有するステアリングコラムと、
前記一対の対向平板部、及び前記膨出部を貫通する軸杆と、操作レバーの回転に伴って、該軸間に作用して前記一対の対向平板部の間隔を調整するための調整機構と、を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置において、
前記ステアリングコラムは、前記軸杆から少なくとも前記車体取付部までの間に、前記軸杆が前記膨出部を貫通する貫通部位の幅よりも、大きい幅の部位を有することを特徴とする。
さらに、本発明の第3の態様に係る車両用位置調整式ステアリングコラム装置は、車体に取付けるための車体取付部、及び略上下方向に延在した左右一対の対向平板部を有する車体側ブラケットと、
ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、管状の素材の一部を膨出して形成してあり且つ前記車体側ブラケットの一対の対向平板部に圧接するための第1膨出部を有するステアリングコラムと、
前記一対の対向平板部、及び前記第1膨出部を貫通する軸杆と、操作レバーの回転に伴って、該軸間に作用して前記一対の対向平板部の間隔を調整するための調整機構と、を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置において、
前記ステアリングコラムは、その略中央部から前記車体取付部側で膨出した第2膨出部を有し、
前記ステアリングコラムは、前記軸杆から少なくとも前記車体取付部までの間に、前記軸杆が前記第1膨出部を貫通する貫通部位の幅、及び前記第2膨出部の幅と、略同じ幅の部位を有することを特徴とする。
さらに、本発明の第4の態様に係る車両用位置調整式ステアリングコラム装置は、車体に取付けるための車体取付部、及び略上下方向に延在した左右一対の対向平板部を有する車体側ブラケットと、
ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、管状の素材の一部を膨出して形成してあり且つ前記車体側ブラケットの一対の対向平板部に圧接するための第1膨出部を有するステアリングコラムと、
前記一対の対向平板部、及び前記第1膨出部を貫通する軸杆と、操作レバーの回転に伴って、該軸杆に作用して前記一対の対向平板部の間隔を調整するための調整機構と、を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置において、
前記ステアリングコラムは、その略中央部から前記車体取付部側で膨出した第2膨出部を有し、
前記ステアリングコラムは、前記軸杆から少なくとも前記車体取付部までの間に、前記軸杆が前記第1膨出部を貫通する貫通部位の幅、及び前記第2膨出部の幅よりも、大きい幅の部位を有することを特徴とする。
ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、管状の素材の一部を膨出して形成してあり且つ前記車体側ブラケットの一対の対向平板部に圧接するための膨出部を有するステアリングコラムと、
前記一対の対向平板部、及び前記膨出部を貫通する軸杆と、操作レバーの回転に伴って、前記軸杆に作用して前記一対の対向平板部の間隔を調整するための調整機構と、を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置において、
前記ステアリングコラムは、前記軸杆から少なくとも前記車体取付部までの間に、前記軸杆が前記膨出部を貫通する貫通部位の幅と、略同じ幅の部位を有することを特徴とする。
また、本発明の第2の態様に係る車両用位置調整式ステアリングコラム装置は、車体に取付けるための車体取付部、及び略上下方向に延在した左右一対の対向平板部を有する車体側ブラケットと、
ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、管状の素材の一部を膨出して形成してあり且つ前記車体側ブラケットの一対の対向平板部に圧接するための膨出部を有するステアリングコラムと、
前記一対の対向平板部、及び前記膨出部を貫通する軸杆と、操作レバーの回転に伴って、該軸間に作用して前記一対の対向平板部の間隔を調整するための調整機構と、を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置において、
前記ステアリングコラムは、前記軸杆から少なくとも前記車体取付部までの間に、前記軸杆が前記膨出部を貫通する貫通部位の幅よりも、大きい幅の部位を有することを特徴とする。
さらに、本発明の第3の態様に係る車両用位置調整式ステアリングコラム装置は、車体に取付けるための車体取付部、及び略上下方向に延在した左右一対の対向平板部を有する車体側ブラケットと、
ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、管状の素材の一部を膨出して形成してあり且つ前記車体側ブラケットの一対の対向平板部に圧接するための第1膨出部を有するステアリングコラムと、
前記一対の対向平板部、及び前記第1膨出部を貫通する軸杆と、操作レバーの回転に伴って、該軸間に作用して前記一対の対向平板部の間隔を調整するための調整機構と、を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置において、
前記ステアリングコラムは、その略中央部から前記車体取付部側で膨出した第2膨出部を有し、
前記ステアリングコラムは、前記軸杆から少なくとも前記車体取付部までの間に、前記軸杆が前記第1膨出部を貫通する貫通部位の幅、及び前記第2膨出部の幅と、略同じ幅の部位を有することを特徴とする。
さらに、本発明の第4の態様に係る車両用位置調整式ステアリングコラム装置は、車体に取付けるための車体取付部、及び略上下方向に延在した左右一対の対向平板部を有する車体側ブラケットと、
ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、管状の素材の一部を膨出して形成してあり且つ前記車体側ブラケットの一対の対向平板部に圧接するための第1膨出部を有するステアリングコラムと、
前記一対の対向平板部、及び前記第1膨出部を貫通する軸杆と、操作レバーの回転に伴って、該軸杆に作用して前記一対の対向平板部の間隔を調整するための調整機構と、を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置において、
前記ステアリングコラムは、その略中央部から前記車体取付部側で膨出した第2膨出部を有し、
前記ステアリングコラムは、前記軸杆から少なくとも前記車体取付部までの間に、前記軸杆が前記第1膨出部を貫通する貫通部位の幅、及び前記第2膨出部の幅よりも、大きい幅の部位を有することを特徴とする。
図1Aは、本発明の第1実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置の側面図であり、図1Bは、図1Aのb−b線に沿った断面図である。
図2A−2Cは、図1A、1Bに示されるステアリングコラムの要部を示す図であり、図2Aはステアリングコラムの斜視図、図2Bはステアリングコラムの側面図、図2Cはステアリングコラムの断面図である。
図3A、3Bは、本発明の第2の実施の形態に係るステアリングコラムを示すもので、図3Aはステアリングコラムの側面図、図3Bはステアリングコラムの断面図である。
図4A、4Bは、本発明の第3の実施の形態に係るステアリングコラムを示すもので、図4Aはステアリングコラムの側面図、図4Bはステアリングコラムの断面図である。
図5A、5Bは、本発明の第4の実施の形態に係るステアリングコラムを示すもので、図5Aはステアリングコラムの側面図、図5Bはステアリングコラムの断面図である。
図6A、6Bは、本発明の第4の実施の形態の変形例に係るステアリングコラムを示すもので、図6Aはステアリングコラムの側面図、図6Bはステアリングコラムの断面図である。
図7は、本発明の第5実施の形態に係る車両用チルト・テレスコピック式ステアリング装置全体の側面図を示す。
図8は、図7のA−A線に沿ったステアリングコラムの膨出部のみの断面図である。
図9Aは、図7のA−A線に沿った断面図であって、コラムの締付固定を解除している状態を示し、図9Bは、同断面図であって、コラムを締付固定している状態を示す。
図10Aは、本発明の第6実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置のステアリングコラムの要部拡大側面図であり、図10Bは、図10Aのb−b線に沿った断面図である。
図11は、本発明の第7実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置の横断面図である。
図12Aは、本発明の第7実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置のステアリングコラムの要部拡大側面図であり、図12Bは、図12Aのb−b線に沿った断面図である。
図13は、従来のステアリングコラム装置の一例を示す断面図である。
図14は、従来のステアリングコラム装置の異なる例を示す断面図である。
図15は、従来のステアリングコラム装置の異なる例を示す断面図である。
図2A−2Cは、図1A、1Bに示されるステアリングコラムの要部を示す図であり、図2Aはステアリングコラムの斜視図、図2Bはステアリングコラムの側面図、図2Cはステアリングコラムの断面図である。
図3A、3Bは、本発明の第2の実施の形態に係るステアリングコラムを示すもので、図3Aはステアリングコラムの側面図、図3Bはステアリングコラムの断面図である。
図4A、4Bは、本発明の第3の実施の形態に係るステアリングコラムを示すもので、図4Aはステアリングコラムの側面図、図4Bはステアリングコラムの断面図である。
図5A、5Bは、本発明の第4の実施の形態に係るステアリングコラムを示すもので、図5Aはステアリングコラムの側面図、図5Bはステアリングコラムの断面図である。
図6A、6Bは、本発明の第4の実施の形態の変形例に係るステアリングコラムを示すもので、図6Aはステアリングコラムの側面図、図6Bはステアリングコラムの断面図である。
図7は、本発明の第5実施の形態に係る車両用チルト・テレスコピック式ステアリング装置全体の側面図を示す。
図8は、図7のA−A線に沿ったステアリングコラムの膨出部のみの断面図である。
図9Aは、図7のA−A線に沿った断面図であって、コラムの締付固定を解除している状態を示し、図9Bは、同断面図であって、コラムを締付固定している状態を示す。
図10Aは、本発明の第6実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置のステアリングコラムの要部拡大側面図であり、図10Bは、図10Aのb−b線に沿った断面図である。
図11は、本発明の第7実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置の横断面図である。
図12Aは、本発明の第7実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置のステアリングコラムの要部拡大側面図であり、図12Bは、図12Aのb−b線に沿った断面図である。
図13は、従来のステアリングコラム装置の一例を示す断面図である。
図14は、従来のステアリングコラム装置の異なる例を示す断面図である。
図15は、従来のステアリングコラム装置の異なる例を示す断面図である。
(第1の実施の形態:チルト式)
本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1Aは、本発明の第1実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置の側面図であり、図1Bは、図1Aのb−b線に沿った断面図である。
図2A−2Cは、図1A、1Bに示されるステアリングコラムの要部を示す図であり、図2Aはステアリングコラムの斜視図、図2Bはステアリングコラムの側面図、図2Cはステアリングコラムの断面図である。
図1Aに示すように、ステアリングコラム2内には、上端にステアリングホイール100を有するステアリングシャフト1が回転自在に支持してある。ステアリングシャフト1は、車両後方側の軸受101と車両前方側の軸受102とにより、ステアリングコラム2に回転自在に支持してある。
このステアリングコラム2は、その下端部で、車体側ロアーブラケット103により、その中間部で、側面視略L字状の車体側アッパーブラケット4(チルトブラケット)により車体に取付けてある。
略U字状の車体側ロアーブラケット103には、コラム側ロアーブラケット104が挟持してある。このコラム側ロアーブラケット104は、後述する液圧バルジ成形法等によりステアリングコラム2に一体的に形成してあってもよく、溶接によりステアリングコラム2に取付けてあってもよい。
車体側ロアーブラケット103には、車両前方に開口した切欠き部105が形成してある。この切欠き部105に、コラム側ロアーブラケット104に挿通したチルト中心ボルト106が係止してある。これにより、二次衝突時には、ステアリングコラム2は、コラム側ロアーブラケット104と共に、車体側ロアーブラケット103から離脱して、車両前方に移動できるようになっている。
チルト式ステアリングコラム装置は、軸心に沿って図示しない軸受を介してステアリングシャフト1を支持するステアリングコラム2と、後に詳述されるステアリングコラム2の膨出部13に取り付けられるクランプ機構3とを有する。このクランプ機構3はチルトブラケット4、チルトボルト5、ナット6、チルトレバー8ならびに一対の固定カム9および可動カム10を備えている。車体に固定されたチルトブラケット4の中心にステアリングコラム2が配置される。
チルトブラケット4(車体側ブラケット)は、ステアリングコラム2の両側を軸方向に延びる一対の対向平板部4a,4bと、車体側に固定され、ステアリングコラム2の横断方向に延びる車体取付部4cと、から一体的に構成してある。但し、一対の対向平板部4a,4bと、車体取付部4cとは、別体に構成してあってもよい。車体側アッパーブラケット4(チルトブラケット)は、二次衝突時、チルトボルト5に加わる衝撃エネルギーにより、その一対の対向平板部4a,4bを車体取付部4cに対して車両前方に向けて折曲しながら、コラプス荷重を発生させて衝撃エネルギーを吸収しつつ、チルトボルト5と共に車両前方に移動するようになっている。この構成に代えて、アッパブラケット4を車体側ブラケットとコラム側ブラケットとに分けて、両者間に樹脂製カプセル等を介して二次衝突時にコラム側ブラケットを離脱可能に構成しても良い。
チルトボルト5(軸杆)は、チルトブラケット4の対向平板部4a、4bに形成した一対のチルト調整用長孔5a,5bと、ステアリングコラム2の膨出部13に形成した丸孔16,16と、チルトレバー8と、固定カム9と、可動カム10とを挿通して設けられ、一端のねじ部にナット6が螺合してある。一対の固定カム9と、可動カム10とは、それぞれ、チルトブラケット4の対向平板部4aのチルト調整用長孔5aと、チルトレバー8とに係合してある。
チルトレバー8の回転に伴って、常時非回転の固定カム9に対して、可動カム10が回転し、これにより、チルトボルト5(軸杆)がその軸方向に引っ張られて、一対の対向平板部4a,4bの間隔を変化させるようになっている。
図2Aに示すように、ステアリングコラム2は液圧バルジ成形法で管状の素材からコラムの軸方向中間部の一部を膨出させて形成した膨出部13を有する。
この膨出部13は、図2B、2Cに示すように、それぞれ対向平板部4a,4bと対向する、クランプ機構のための一対の平面部14と、管状の素材から平面部14に変化する変化部15と、を備えている。
この平面部14は、左右方向スパンS1を保持し、変化部15は、スパンS1と略同一の左右方向スパンS2を保って形成される。なお、S1は、丸孔16を穿った部分のスパンである。
すなわち、本実施の形態は、S1≒S2であることを特徴とする。
但し、図示例(図2A−2C)に於いては、ステアリングコラム2の直径をDとすると、S2≒Dであるが、これに限られるものではなく、S2≠Dであってもよい。
この平面部14には、液圧バルジ成形法で穿孔される、それぞれチルトボルト5を挿通する、貫通孔、たとえば、丸孔16を穿っている。
一方、平面部14と同一スパンを保って形成される変化部15の上下方向の位置は、丸孔16と車体取付部4cとの間にある。平面部14と変化部15とは同じ素材の一部を膨出して成形されるので、両者は実質的な厚さにおいて相違しない。これは後に述べる各実施の形態においても同様である。
本実施の形態においては、チルト操作において、チルトレバー8を回動すると、チルトレバー8と係合する可動カム10が固定カム9に対して相対変位する。このとき、チルトボルト5(軸杆)がその軸方向に引っ張られて、チルトブラケット4の対向平板部4a、4bが夫々内側に向かって移動し、ステアリングコラム2の膨出部13を外側から締付ける。
この締付け過程では、クランプ機構のある平面部14と同様に、変化部15でも強い締付け力をもってチルトブラケット4とステアリングコラム2とを圧接することができる。すなわち、同等の左右方向スパンS1およびスパンS2を有する平面部14および変化部15によってチルトブラケット4が平面部14および変化部15に接したとき、対向平板部4a、4b内面と一様に密着し、均一な締め付け力が発生する。このため、平面部14と同様に、変化部15でも強い締付け力をもってチルトブラケット4とステアリングコラム2とを圧接することができる。
本実施の形態の膨出部13は、ステアリングコラム2の素材の一部を膨出させて形成したもので、ステアリングコラム2の中心を超えて延ばす大形のディスタンスブラケットを使用しないので、ステアリングコラム装置の重量を増加させない。一方、樹脂製スペーサのような特別な部材を使用しないので、クランプ機構3を簡素に構成することが可能で、部品点数の減少によりステアリングコラム装置を安価に製作することができる。
このように、本実施の形態においては、チルトブラケット4の対向平板部4a、4b間でステアリングコラム2を挟持するとき、平面部14と同様に、変化部15でも強い締付け力をもって、対向平板部4a,4bと圧接することができ、特別の部材を介在させることなく、ステアリングコラム2の支持剛性を高めることができる。
なお、上述したように、本実施の形態は、S1≒S2であることを特徴とするものであり、図示例(図2A−2C)に於いては、ステアリングコラム2の外径をDとすると、S2≒Dであるが、これに限られるものではなく、S2≠Dであってもよい。
(第2の実施の形態:テレスコピック式)
本発明の第2の実施の形態について、図3A、3Bを参照して説明する。図3A、3Bは、本発明の第2の実施の形態に係るステアリングコラムを示すもので、図3Aはステアリングコラムの側面図、図3Bはステアリングコラムの断面図である。
本第2実施の形態のステアリングコラムは、上記第1の実施の形態と異なり、テレスコピック式であるが、図1A、1Bの構造(クランプ機構3、車体側ブラケット4、軸杆5等の構造、位置関係等)は、本第2実施の形態のステアリングコラムにも適用することができる。
なお、図3A、3Bに示したステアリングコラムは、テレスコピック式、又はチルト・テレスコピック式ステアリング装置に適用することができる。
ステアリングコラム2は、図3A、3Bに示すように、液圧バルジ成形法で管状の素材のコラム軸方向中間部における一部を膨出させて形成した膨出部17を有する。
この膨出部17は、それぞれ図1A、1Bに示した対向平板部4a,4bに対向する一対の平面部18と、管状の素材から平面部18に変化する変化部19と、を備えている。
これらの平面部18は、左右方向スパンS1を保持し、変化部19は、スパンS1と略同一の左右方向スパンS2を保って形成される。なお、S1は、長孔20を穿った部分のスパンである。
すなわち、本実施の形態は、S1≒S2であることを特徴とする。
但し、図示例(図2A−2C)に於いては、ステアリングコラム2の外径をDとすると、S2≒Dであるが、これに限られるものではなく、S2≠Dであってもよい。
この平面部18には、それぞれ締付けボルト(図示せず)を挿通する、貫通孔、たとえば、長孔20を穿っている。
また、平面部18と同一スパンを保って形成される変化部19の上下方向の位置は、長孔20と車体取付部4cとの間にある。
本実施の形態においては、クランプ機構3のある平面部18と同様に、変化部19でも強い締付け力をもって、対向平板部4a、4bと圧接することができる。すなわち、同等の左右方向スパンS1、スパンS2を有する平面部18および変化部19によって対向平板部4a,4bが平面部18および変化部19に接したとき、対向平板部4a,4b内面と一様に密着し、均一な締め付け力が生じる。このため、平面部18と同様に、変化部19でも強い締付け力をもって、対向平板部4a,4bと圧接することができる。
本実施の形態においてはブラケットでテレスコピック用ステアリングコラム2を挟持するとき、平面部18と同様に、変化部19でも強い締付け力をもって、対向平板部4a,4bと圧接することができ、特別の部材を介在させることなく、ステアリングコラム2の支持剛性を高めることができる。
なお、上述したように、本実施の形態は、S1≒S2であることを特徴とするものであり、図示例(図2A−2C)に於いては、ステアリングコラム2の外径をDとすると、S2≒Dであるが、これに限られるものではなく、S2≠Dであってもよい。
(第3の実施の形態:チルト式)
本発明の第3の実施の形態について図4A、4Bを参照して説明する。図4A、4Bは、本発明の第3の実施の形態に係るステアリングコラムを示すもので、図4Aはステアリングコラムの側面図、図4Bはステアリングコラムの断面図である。
本第3実施の形態のステアリングコラムは、上記第1の実施の形態と同様に、チルト式であり、図1A、1Bの構造(クランプ機構3、車体側ブラケット4、軸杆5等の構造、位置関係等)は、本第3実施の形態のステアリングコラムにも適用することができる。
なお、図4A、4Bに示したステアリングコラムは、チルト式ステアリング装置に適用することができる。
チルト用ステアリングコラム2は、図4A、4Bに示すように、液圧バルジ成形法で管状の素材のコラム軸方向中間部における一部を膨出させて形成した膨出部21を有する。
この膨出部21は、それぞれ図1Bに示した対向平板部4a,4bに対向する一対の平面部22と、一対の変化部23と、を備えている。
変化部23は、ステアリングコラム2の直径Dに略等しい左右方向スパンS4を保持し、平面部22は、該S4よりわずかに小さい左右方向スパンS3を保って形成される。なお、S3は、丸孔16をうがった部分のスパンである。
但し、DとS4とは、略等しいと述べたが、これに限られるものではなく、D<S4であっても、D>S4であってもよい。
なお、S3とS4は、傾斜でつないでいる。つまり、同一平面上にある。
この平面部22にはそれぞれ諦付けボルト(図示せず)を挿通する、丸孔16を穿っている。
また、平面部22と異なるスパンを保って形成される変化部23の上下方向の位置は、丸孔16と車体取付部4cとの間にある。
本実施の形態においては、特に平面部22のスパンS3よりも大きいスパンS4を有する変化部23によって、対向平板部4a,4bとより確実に圧接することができる。すなわち、クランプ機構3の中心と変化部23との間に離間距離が存在しても、クランプ機構3による締付け力を平面部22および変化部23の双方に均等に作用させることができる。
こうして、対向平板部4a,4bでステアリングコラム2を挟持するとき、変化部23で強力な締付け力をもって部材同士を圧接することができる。この結果、ステアリングコラム2の支持において高い支持剛性を得ることができる。
本実施の形態においては、対向平板部4a,4bでチルト用ステアリングコラム2を挟持するとき、平面部22のスパンS3よりも大きいスパンS4を有する変化部23によって、対向平板部4a,4bとより確実に圧接することができ、特別の部材を介在させることなく、ステアリングコラム2の支持剛性を高めることができる。
但し、DとS4とは、略等しいと述べたが、これに限られるものではなく、D<S4であっても、D>S4であってもよい。
(第4の実施の形態:チルト式)
本発明の第4の実施の形態について、図5A、5Bを参照して説明する。図5A、5Bは、本発明の第4の実施の形態に係るステアリングコラムを示すもので、図5Aはステアリングコラムの側面図、図5Bはステアリングコラムの断面図である。
本第4実施の形態のステアリングコラムは、上記第1の実施の形態と同様に、チルト式であり、図1A、1Bに示された構造(クランプ機構3、車体側ブラケット4、軸杆5等の構造、位置関係等)は、本第4実施の形態のステアリングコラムにも適用することができる。
なお、図5A、5Bに示したステアリングコラムは、チルト式ステアリング装置に適用することができる。
チルト用ステアリングコラム2は、図5A、5Bに示すように、液圧バルジ成形法で管状の素材のコラム軸方向中間部における一部を、上下方向2箇所で膨出させて形成した一対の第1及び第2膨出部24a,24bを有している。
第1膨出部24aは、それぞれ、図1A、1Bに示した対向平板部4a,4bに対向する一対の第1平面部25,25を備えている。第2膨出部24bは、それぞれ、丸孔16と車体取付部4cとの間に位置する一対の第2平面部26,26を備えている。
第1平面部25は、左右方向スパンS3を保ち、第2平面部26は、スパンS3と同等か、それよりも僅かに大きい左右方向スパンS4を保って形成される。なお、S3は、丸孔16を穿った部分のスパンである。
すなわち、本実施の形態は、S4≧S3であることを特徴とする。
また、本実施の形態では、(S3またはS4)とDとが等しい。ただし、これに限られるものではなく、(S3,S4)>Dであっても、(S3,S4)<Dであっても良い。
さらに、第1平面25と第2平面26とは、同一平面で形成してもよい。
本実施の形態においては特に第1平面部25のスパンS3と同等か、それよりも大きいスパンS4を有する第2平面部26によって、対向平板部4a,4bにより確実に圧接することができる。すなわち、クランプ機構の中心と第2平面部26との間に離間距離が存在しても、クランプ機構による締付け力を第1平面部25および第2平面部26の双方に均等に作用させることができる。
こうして、対向平板部4a,4bでステアリングコラム2を挟持するとき、第2平面部26で強力な締付け力をもって部材同士を圧接させることができる。この結果、ステアリングコラム2の支持において高い支持剛性を得ることができる。
(第4実施の形態の変形例)
なお、本実施の形態は、上記のものに代えて、図6A、6Bに示すように、第1平面部25および第2平面部26(丸孔16と車体取付部4cとの間に位置する)は、ステアリングコラム2の外径Dに対して十分に大きい左右方向スパンS3、S4を保つように形成してもよい。
第1平面部25は、左右方向スパンS3を保ち、第2平面部26は、スパンS3と同等か、それよりも僅かに大きい左右方向スパンS4を保って形成される。なお、S3は、丸孔16を穿った部分のスパンである。
すなわち、本変形例は、S4≧S3であることを特徴とする。
また、本変形例では、S4>S5であり、S3>S5である。
さらに、本変形例では、S5とDとが等しい。ただし、これに限られるものではなく、S5>Dであっても、S5<Dであっても良い。
さらに、第1平面25と第2平面26とは、同一平面で形成してもよい。
本実施の形態においては、対向平板部4a,4bでチルト用ステアリングコラム2を挟持するとき、第1平面部25のスパンS3と同等か、それよりも大きいスパンS4を有する第2平面部26によって、対向平板部4a,4bとより確実に圧接することができ、特別の部材を介在させることなく、ステアリングコラム2の支持剛性を高めることができる。
(第5実施の形態:チルト・テレスコピック式)
図7は、本発明の第5実施の形態に係る車両用チルト・テレスコピック式ステアリング装置全体の側面図を示す。図8は、図7のA−A線に沿ったステアリングコラムの膨出部のみの断面図である。図9Aは、図7のA−A線に沿った断面図であって、コラムの締付固定を解除している状態を示し、図9Bは、同断面図であって、コラムを締付固定している状態を示す。
図7、図8、図9A、9Bにおいて、本発明の第5実施の形態に係る車両用チルト・テレスコピック式ステアリング装置では、ステアリングコラム31には、ステアリングシャフト32が回転自在に支持してあり、ステアリングシャフト32の車両後方端には、ステアリングホイール33が装着してある。
ステアリングコラム31の中央部は、車体取付アッパブラケット35に揺動自在に支持されている。車体取付アッパブラケット35は車体側に固定され、ステアリングコラム31の横断方向に延びる一対の水平部分35a、35a(車体取付部)と該一対の水平部分35a、35aに一体で該一対の水平部分35a、35aより垂下して、ステアリングコラム31の両側を軸方向に延びる一対の対向平板部35b、35bとを有している。該一対の対向平板部35b、35bには一対のチルト調整用長孔36、36が形成してある。
なお、一対の水平部分35a、35aと、一対の対向平板部35b、35bとは、別体に形成してあってもよい。
ステアリングコラム31の軸方向中央部には後述するハイドロフォーム法により膨出部37が一体成形されている。ステアリングコラム31に一体成形した膨出部37には、車体取付アッパブラケット35の対向平板部35b、35bのそれぞれに接触して車体取付アッパブラケット35に支持される両側部37a、37aが一体成形され、これら両側部37a、37aに一対のコラム位置調整用長孔38、38が形成してある。一対のチルト調整用長孔36、36と一対のコラム位置調整用長孔38,38にはクランプ機構48を有する締付ボルト39が挿通されて、締付ボルト39に操作レバー40が回動自在に取付けられている。クランプ機構48はカム機構を有する公知のもので良い。
ステアリングコラム31の車両前方下端部は、車体取付ロアブラケット34に揺動自在に支持されている。車体取付ロアブラケット34は車体側に固定され、ステアリングコラム31の横断方向に延びる一対の水平部分34a、34aと該一対の水平部分34a、34aに一体で該一対の水平部分34a、34aより垂下して、ステアリングコラム31の両側を軸方向に延びる一対の対向平板部34b、34bとを有している。該一対の対向平板部34b、34bには一対のブラケット支持孔34c、34cが形成してある。
ステアリングコラム31の車両前方下端部には、ステアリングコラム31に例えば溶接等により支持ブラケット部44が設けられている。支持ブラケット部44は車体取付ロアーブラケット34の対向平板部34b、34bのそれぞれに接触して支持される両側部44a、44aが形成され、これら両側部44a、44aにコラム位置調整用の一対の長孔46、46が形成されている。支持ブラケット44は、これら長孔46、46とブラケット支持孔34c、34cとにそれぞれヒンジピン45、45を介して車体取付ブラケット34に摺動および回動自在に支持されている。このようにして、チルト・テレスコピック式ステアリング装置が構成されている。
なお、支持ブラケット部44は、後述するハイドロフォーム法によりステアリングコラム31に一体的に形成してある。但し、別体に構成してあっても良い。
以上のように構成されたチルト・テレスコピック式ステアリング装置において、チルト・テレスコピック位置を調整して固定する際(コラム位置調整時)には、操作レバー40を締付方向に回動すると、締付ボルト39の頭部と調整ナット41との間隔が狭くなり、車体取付アッパブラケット35の一対の対向平板部35b、35bがステアリングコラム31の膨出部7の両側部37a、37aにそれぞれ圧接固定される。これにより、ステアリングコラム31のチルト・テレスコピック位置が固定される。
一方、チルト・テレスコピック位置の調整時には、操作レバー40を解除方向に回動すると、締付ボルト39の頭部と調整ナット41との間隔が拡がり、車体取付アッパブラケット35の一対の対向平板部35b、35bとステアリングコラム31の膨出部37の両側部37a、37aとの圧接固定がそれぞれ解除される。これにより、ステアリングコラム41のチルト・テレスコピック位置の調整をおこなうことができる。以上の操作により、ステアリングコラム31を所望のチルト・テレスコピック位置に調整することができる。
図8に示すように、本実施の形態では、単一ブランクである鋼管状の素材を、ハイドロフォーム法により、膨出部37を一体的に備えたステアリングコラム31に成形し、膨出部37の両側部37a、37aに、クランプ機構48を有する締付ボルト39を挿通する一対のコラム位置調整用長孔38、38が形成してある。クランプ機構48は、第1実施形態のカム機構を有するものでも良い。
本実施の形態では、膨出部37の両側部37a,37aは、その上側の間隔(Du)より下側の間隔(Dd)が僅かに狭くなるように傾斜して形成してある。Duは、コラム位置調整用長孔38を穿った部分のスパンである。
従って、両者の接触面積を増大して、ステアリングコラム31の車体への保持力を高くすることができる。これにより、ひいては、振動剛性を向上することができ、衝突時の保持力も増大することができる。
ここで、ハイドロフォーム法とは、薄肉の鋼管を金型内に収納し、鋼管内に圧力水もしくは油を充填し、銅管を膨らませて所望形状に成形する方法であり、もしくは、簡易な方法として、ゴムなどを用い充填して膨出させる方法であり、プレス成型の後に溶接して閉断面構造の部材を製造する場合に比べて、溶接箇所が無いことから熱変形が少なく、加工、製造コストの削減や軽量化を図れるといった利点がある。
このように、本実施の形態では、膨出部7がステアリングコラム31に一体的な閉断面構造としてあるため、ステアリングコラム31自体を高剛性にして、ステアリングコラム31の車体への保持力を高くすることができると共に、製造コスト(材料費、加工費、及び組立費)や重量を削減することができる。
なお、本発明に係る実施の形態において、ステアリングコラムはハイドロフォーム法で製造される場合について説明したが、ハイドロフォーム法に限定されず、ゴムバルジ成形法、爆発バルジ成形法、プレス成形法等を用いて製造することも可能である。
また、本実施の形態では、Dd<Duである。ただし、ステアリングコラム2の直径D(図示略)とすると、本実施の形態では、Du≒Dとしてるが、これに限定されず、Du≠Dであってもよい。
(第6実施の形態:チルト式)
図10Aは、本発明の第6実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置のステアリングコラムの要部拡大側面図であり、図10Bは、図10Aのb−b線に沿った断面図である。
本第6実施の形態のステアリングコラムは、上記第1の実施の形態と同様に、チルト式であり、図1A、1Bの構造(クランプ機構3、車体側ブラケット4、軸杆5等の構造、位置関係等)は、本第4実施の形態のステアリングコラムにも適用することができる。
なお、図10A、10Bに示したステアリングコラムは、チルト式ステアリング装置に適用することができる。
チルト用ステアリングコラム51は、図10A、10Bに示すように、液圧バルジ成形法で管状の素材のコラム軸方向における一部を、上下方向2箇所で膨出させて形成した一対の第1及び第2膨出部52a,52bを有している。
第1膨出部52aは、それぞれ、図1A、1Bに示した対向平板部4a,4bに対向する一対の第1平面部53,53を備えている。第2膨出部52bは、それぞれ、丸孔55と車体取付部4cとの間に位置する一対の第2平面部54,54を備えている。
第1平面部53は、第1及び第2平面部53,54の間の変化部のスパンをWとすると、該Wより小さい左右方向スパンXを有している。即ち、W≧Xとなっている。なお、Xは、丸孔55をうがった部分のスパンである。
第2平面部54は、Wより小さい左右方向スパンYを有している。即ち、W≧Yとなっている。なお、Yは、第2平面部54の上側のスパンである。
このように、W≧X、W≧Yの関係を満足すれば、Y>Xであっても、Y<Xであってもよい。
なお、W≧X、W≧Yであれば、XとYの関係は如何であってもよく、WとDとの関係も如何であってもよい。
このように、W≧X、W≧Yに形成してあることから、上述した実施の形態と同様に、対向平板部4a,4bでステアリングコラム2を挟持するとき、第1及び第2平面部53,54で強力な締付け力をもって部材同士を圧接させることができる。この結果、ステアリングコラム2の支持において高い支持剛性を得ることができる。
(第7実施の形態:チルト式)
図11は、本発明の第7実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置の横断面図である。
図12Aは、本発明の第7実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置のステアリングコラムの要部拡大側面図であり、図12Bは、図12Aのb−b線に沿った断面図である。
図11に示すように、チルト式ステアリングコラム装置は、軸心に沿って図示しない軸受を介してステアリングシャフト61を支持するステアリングコラム62と、ステアリングコラム62の膨出部73に取り付けられるクランプ機構63とを有する。
このクランプ機構63は、チルトブラケット64、チルトボルト65(軸杆)、ナット66、チルトレバー68ならびに一対の固定カム69および可動カム70を備える。
チルトブラケット64(車体側ブラケット)は、ステアリングコラム61の両側を軸方向に延びる一対の対向平板部64a,64bと、車体側に固定され、ステアリングコラム61の横断方向に延びる車体取付部64cと、から一体的に構成してある。但し、一対の対向平板部64a,64bと、車体取付部64cとは、別体に構成してあってもよい。一対の対向平板部64a,64bには、それぞれ、チルト調整用長孔79a,79bが形成してある。
なお、本実施の形態では、車体取付部64cは、ステアリングコラム62の軸線よりも下側に配置してあり、一対の対向平板部64a,64cは、この車体取付部64cから略上方に向けて延在してある。
チルトボルト65(軸杆)は、チルトブラケット64の対向平板部64a、64b、ステアリングコラム62の膨出部、チルトレバー68ならびに固定カム69および可動カム70を挿通して設けられ、一端のねじ部にナット66が螺合している。一対の固定カム69および可動カム70は、それぞれチルトブラケット64の対向平板部64aおよびチルトレバー68と係合している。
即ち、チルトレバー68の回転に伴って、常時非回転の固定カム69に対して、可動カム70が回転し、これにより、チルトボルト65(軸杆)がその軸方向に引っ張られて、一対の対向平板部64a,64bの間隔を変化させるようになっている。
図12A、12Bに示すように、ステアリングコラム62は、液圧バルジ成形法で管状の素材からコラムの軸方向中間部の一部を膨出させて形成した膨出部73を有する。
この膨出部73は、それぞれ対向平板部64a,64bと対向する、クランプ機構63のための一対の平面部74と、管状の素材から平面部74に変化する変化部75と、を備えている。
平面部74は、変化部75のスパンをZ2とすると、該Z2より小さいスパンZ1を有している。すなわち、Z2>Z1である。なお、Z1は、丸孔76を穿った部分のスパンである。
また、Z2とDとの関係は、Z2≒Dであるが、如何であってもよい。
平面部14には、液圧バルジ成形法で穿孔される、それぞれチルトボルト(軸杆)を挿通する、貫通孔、たとえば、丸孔76を穿っている。
本実施の形態においては、チルト操作において、チルトレバー68を回動すると、チルトレバー68と係合する可動カム70が固定カム69に対して相対変位する。このとき、チルトボルト65(軸杆)がその軸方向に引っ張られて、チルトブラケット64の対向平板部64a、64bが夫々内側に向かって移動し、ステアリングコラム62の膨出部73を外側から締付ける。
この締付け過程では、クランプ機構のある平面部74と同様に、変化部75でも強い締付け力をもってチルトブラケット64とステアリングコラム62とを圧接することができる。
このように、本実施の形態においては、チルトブラケット64の対向平板部64a、64b間でステアリングコラム62を挟持するとき、平面部74と同様に、変化部75でも強い締付け力をもって、対向平板部64a,64bを圧接することができ、特別の部材を介在させることなく、ステアリングコラム62の支持剛性を高めることができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々変形可能である。例えば、本発明に係る車両用位置調整式ステアリングコラム装置は、チルト式、テレスコピック式、及びチルト・テレスコピック式のいずれであってもよい。
以上説明したように、本発明によれば、特別の部材を介在させることなく、ステアリングコラムの支持剛性を高めることが可能になる。また、ステアリングコラムに一体的に形成した膨出部と、車体取付ブラケットの対向平板部との接触面積を増大して、ステアリングコラムの車体への保持力を高くすることができる車両用ステアリング装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1Aは、本発明の第1実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置の側面図であり、図1Bは、図1Aのb−b線に沿った断面図である。
図2A−2Cは、図1A、1Bに示されるステアリングコラムの要部を示す図であり、図2Aはステアリングコラムの斜視図、図2Bはステアリングコラムの側面図、図2Cはステアリングコラムの断面図である。
図1Aに示すように、ステアリングコラム2内には、上端にステアリングホイール100を有するステアリングシャフト1が回転自在に支持してある。ステアリングシャフト1は、車両後方側の軸受101と車両前方側の軸受102とにより、ステアリングコラム2に回転自在に支持してある。
このステアリングコラム2は、その下端部で、車体側ロアーブラケット103により、その中間部で、側面視略L字状の車体側アッパーブラケット4(チルトブラケット)により車体に取付けてある。
略U字状の車体側ロアーブラケット103には、コラム側ロアーブラケット104が挟持してある。このコラム側ロアーブラケット104は、後述する液圧バルジ成形法等によりステアリングコラム2に一体的に形成してあってもよく、溶接によりステアリングコラム2に取付けてあってもよい。
車体側ロアーブラケット103には、車両前方に開口した切欠き部105が形成してある。この切欠き部105に、コラム側ロアーブラケット104に挿通したチルト中心ボルト106が係止してある。これにより、二次衝突時には、ステアリングコラム2は、コラム側ロアーブラケット104と共に、車体側ロアーブラケット103から離脱して、車両前方に移動できるようになっている。
チルト式ステアリングコラム装置は、軸心に沿って図示しない軸受を介してステアリングシャフト1を支持するステアリングコラム2と、後に詳述されるステアリングコラム2の膨出部13に取り付けられるクランプ機構3とを有する。このクランプ機構3はチルトブラケット4、チルトボルト5、ナット6、チルトレバー8ならびに一対の固定カム9および可動カム10を備えている。車体に固定されたチルトブラケット4の中心にステアリングコラム2が配置される。
チルトブラケット4(車体側ブラケット)は、ステアリングコラム2の両側を軸方向に延びる一対の対向平板部4a,4bと、車体側に固定され、ステアリングコラム2の横断方向に延びる車体取付部4cと、から一体的に構成してある。但し、一対の対向平板部4a,4bと、車体取付部4cとは、別体に構成してあってもよい。車体側アッパーブラケット4(チルトブラケット)は、二次衝突時、チルトボルト5に加わる衝撃エネルギーにより、その一対の対向平板部4a,4bを車体取付部4cに対して車両前方に向けて折曲しながら、コラプス荷重を発生させて衝撃エネルギーを吸収しつつ、チルトボルト5と共に車両前方に移動するようになっている。この構成に代えて、アッパブラケット4を車体側ブラケットとコラム側ブラケットとに分けて、両者間に樹脂製カプセル等を介して二次衝突時にコラム側ブラケットを離脱可能に構成しても良い。
チルトボルト5(軸杆)は、チルトブラケット4の対向平板部4a、4bに形成した一対のチルト調整用長孔5a,5bと、ステアリングコラム2の膨出部13に形成した丸孔16,16と、チルトレバー8と、固定カム9と、可動カム10とを挿通して設けられ、一端のねじ部にナット6が螺合してある。一対の固定カム9と、可動カム10とは、それぞれ、チルトブラケット4の対向平板部4aのチルト調整用長孔5aと、チルトレバー8とに係合してある。
チルトレバー8の回転に伴って、常時非回転の固定カム9に対して、可動カム10が回転し、これにより、チルトボルト5(軸杆)がその軸方向に引っ張られて、一対の対向平板部4a,4bの間隔を変化させるようになっている。
図2Aに示すように、ステアリングコラム2は液圧バルジ成形法で管状の素材からコラムの軸方向中間部の一部を膨出させて形成した膨出部13を有する。
この膨出部13は、図2B、2Cに示すように、それぞれ対向平板部4a,4bと対向する、クランプ機構のための一対の平面部14と、管状の素材から平面部14に変化する変化部15と、を備えている。
この平面部14は、左右方向スパンS1を保持し、変化部15は、スパンS1と略同一の左右方向スパンS2を保って形成される。なお、S1は、丸孔16を穿った部分のスパンである。
すなわち、本実施の形態は、S1≒S2であることを特徴とする。
但し、図示例(図2A−2C)に於いては、ステアリングコラム2の直径をDとすると、S2≒Dであるが、これに限られるものではなく、S2≠Dであってもよい。
この平面部14には、液圧バルジ成形法で穿孔される、それぞれチルトボルト5を挿通する、貫通孔、たとえば、丸孔16を穿っている。
一方、平面部14と同一スパンを保って形成される変化部15の上下方向の位置は、丸孔16と車体取付部4cとの間にある。平面部14と変化部15とは同じ素材の一部を膨出して成形されるので、両者は実質的な厚さにおいて相違しない。これは後に述べる各実施の形態においても同様である。
本実施の形態においては、チルト操作において、チルトレバー8を回動すると、チルトレバー8と係合する可動カム10が固定カム9に対して相対変位する。このとき、チルトボルト5(軸杆)がその軸方向に引っ張られて、チルトブラケット4の対向平板部4a、4bが夫々内側に向かって移動し、ステアリングコラム2の膨出部13を外側から締付ける。
この締付け過程では、クランプ機構のある平面部14と同様に、変化部15でも強い締付け力をもってチルトブラケット4とステアリングコラム2とを圧接することができる。すなわち、同等の左右方向スパンS1およびスパンS2を有する平面部14および変化部15によってチルトブラケット4が平面部14および変化部15に接したとき、対向平板部4a、4b内面と一様に密着し、均一な締め付け力が発生する。このため、平面部14と同様に、変化部15でも強い締付け力をもってチルトブラケット4とステアリングコラム2とを圧接することができる。
本実施の形態の膨出部13は、ステアリングコラム2の素材の一部を膨出させて形成したもので、ステアリングコラム2の中心を超えて延ばす大形のディスタンスブラケットを使用しないので、ステアリングコラム装置の重量を増加させない。一方、樹脂製スペーサのような特別な部材を使用しないので、クランプ機構3を簡素に構成することが可能で、部品点数の減少によりステアリングコラム装置を安価に製作することができる。
このように、本実施の形態においては、チルトブラケット4の対向平板部4a、4b間でステアリングコラム2を挟持するとき、平面部14と同様に、変化部15でも強い締付け力をもって、対向平板部4a,4bと圧接することができ、特別の部材を介在させることなく、ステアリングコラム2の支持剛性を高めることができる。
なお、上述したように、本実施の形態は、S1≒S2であることを特徴とするものであり、図示例(図2A−2C)に於いては、ステアリングコラム2の外径をDとすると、S2≒Dであるが、これに限られるものではなく、S2≠Dであってもよい。
(第2の実施の形態:テレスコピック式)
本発明の第2の実施の形態について、図3A、3Bを参照して説明する。図3A、3Bは、本発明の第2の実施の形態に係るステアリングコラムを示すもので、図3Aはステアリングコラムの側面図、図3Bはステアリングコラムの断面図である。
本第2実施の形態のステアリングコラムは、上記第1の実施の形態と異なり、テレスコピック式であるが、図1A、1Bの構造(クランプ機構3、車体側ブラケット4、軸杆5等の構造、位置関係等)は、本第2実施の形態のステアリングコラムにも適用することができる。
なお、図3A、3Bに示したステアリングコラムは、テレスコピック式、又はチルト・テレスコピック式ステアリング装置に適用することができる。
ステアリングコラム2は、図3A、3Bに示すように、液圧バルジ成形法で管状の素材のコラム軸方向中間部における一部を膨出させて形成した膨出部17を有する。
この膨出部17は、それぞれ図1A、1Bに示した対向平板部4a,4bに対向する一対の平面部18と、管状の素材から平面部18に変化する変化部19と、を備えている。
これらの平面部18は、左右方向スパンS1を保持し、変化部19は、スパンS1と略同一の左右方向スパンS2を保って形成される。なお、S1は、長孔20を穿った部分のスパンである。
すなわち、本実施の形態は、S1≒S2であることを特徴とする。
但し、図示例(図2A−2C)に於いては、ステアリングコラム2の外径をDとすると、S2≒Dであるが、これに限られるものではなく、S2≠Dであってもよい。
この平面部18には、それぞれ締付けボルト(図示せず)を挿通する、貫通孔、たとえば、長孔20を穿っている。
また、平面部18と同一スパンを保って形成される変化部19の上下方向の位置は、長孔20と車体取付部4cとの間にある。
本実施の形態においては、クランプ機構3のある平面部18と同様に、変化部19でも強い締付け力をもって、対向平板部4a、4bと圧接することができる。すなわち、同等の左右方向スパンS1、スパンS2を有する平面部18および変化部19によって対向平板部4a,4bが平面部18および変化部19に接したとき、対向平板部4a,4b内面と一様に密着し、均一な締め付け力が生じる。このため、平面部18と同様に、変化部19でも強い締付け力をもって、対向平板部4a,4bと圧接することができる。
本実施の形態においてはブラケットでテレスコピック用ステアリングコラム2を挟持するとき、平面部18と同様に、変化部19でも強い締付け力をもって、対向平板部4a,4bと圧接することができ、特別の部材を介在させることなく、ステアリングコラム2の支持剛性を高めることができる。
なお、上述したように、本実施の形態は、S1≒S2であることを特徴とするものであり、図示例(図2A−2C)に於いては、ステアリングコラム2の外径をDとすると、S2≒Dであるが、これに限られるものではなく、S2≠Dであってもよい。
(第3の実施の形態:チルト式)
本発明の第3の実施の形態について図4A、4Bを参照して説明する。図4A、4Bは、本発明の第3の実施の形態に係るステアリングコラムを示すもので、図4Aはステアリングコラムの側面図、図4Bはステアリングコラムの断面図である。
本第3実施の形態のステアリングコラムは、上記第1の実施の形態と同様に、チルト式であり、図1A、1Bの構造(クランプ機構3、車体側ブラケット4、軸杆5等の構造、位置関係等)は、本第3実施の形態のステアリングコラムにも適用することができる。
なお、図4A、4Bに示したステアリングコラムは、チルト式ステアリング装置に適用することができる。
チルト用ステアリングコラム2は、図4A、4Bに示すように、液圧バルジ成形法で管状の素材のコラム軸方向中間部における一部を膨出させて形成した膨出部21を有する。
この膨出部21は、それぞれ図1Bに示した対向平板部4a,4bに対向する一対の平面部22と、一対の変化部23と、を備えている。
変化部23は、ステアリングコラム2の直径Dに略等しい左右方向スパンS4を保持し、平面部22は、該S4よりわずかに小さい左右方向スパンS3を保って形成される。なお、S3は、丸孔16をうがった部分のスパンである。
但し、DとS4とは、略等しいと述べたが、これに限られるものではなく、D<S4であっても、D>S4であってもよい。
なお、S3とS4は、傾斜でつないでいる。つまり、同一平面上にある。
この平面部22にはそれぞれ諦付けボルト(図示せず)を挿通する、丸孔16を穿っている。
また、平面部22と異なるスパンを保って形成される変化部23の上下方向の位置は、丸孔16と車体取付部4cとの間にある。
本実施の形態においては、特に平面部22のスパンS3よりも大きいスパンS4を有する変化部23によって、対向平板部4a,4bとより確実に圧接することができる。すなわち、クランプ機構3の中心と変化部23との間に離間距離が存在しても、クランプ機構3による締付け力を平面部22および変化部23の双方に均等に作用させることができる。
こうして、対向平板部4a,4bでステアリングコラム2を挟持するとき、変化部23で強力な締付け力をもって部材同士を圧接することができる。この結果、ステアリングコラム2の支持において高い支持剛性を得ることができる。
本実施の形態においては、対向平板部4a,4bでチルト用ステアリングコラム2を挟持するとき、平面部22のスパンS3よりも大きいスパンS4を有する変化部23によって、対向平板部4a,4bとより確実に圧接することができ、特別の部材を介在させることなく、ステアリングコラム2の支持剛性を高めることができる。
但し、DとS4とは、略等しいと述べたが、これに限られるものではなく、D<S4であっても、D>S4であってもよい。
(第4の実施の形態:チルト式)
本発明の第4の実施の形態について、図5A、5Bを参照して説明する。図5A、5Bは、本発明の第4の実施の形態に係るステアリングコラムを示すもので、図5Aはステアリングコラムの側面図、図5Bはステアリングコラムの断面図である。
本第4実施の形態のステアリングコラムは、上記第1の実施の形態と同様に、チルト式であり、図1A、1Bに示された構造(クランプ機構3、車体側ブラケット4、軸杆5等の構造、位置関係等)は、本第4実施の形態のステアリングコラムにも適用することができる。
なお、図5A、5Bに示したステアリングコラムは、チルト式ステアリング装置に適用することができる。
チルト用ステアリングコラム2は、図5A、5Bに示すように、液圧バルジ成形法で管状の素材のコラム軸方向中間部における一部を、上下方向2箇所で膨出させて形成した一対の第1及び第2膨出部24a,24bを有している。
第1膨出部24aは、それぞれ、図1A、1Bに示した対向平板部4a,4bに対向する一対の第1平面部25,25を備えている。第2膨出部24bは、それぞれ、丸孔16と車体取付部4cとの間に位置する一対の第2平面部26,26を備えている。
第1平面部25は、左右方向スパンS3を保ち、第2平面部26は、スパンS3と同等か、それよりも僅かに大きい左右方向スパンS4を保って形成される。なお、S3は、丸孔16を穿った部分のスパンである。
すなわち、本実施の形態は、S4≧S3であることを特徴とする。
また、本実施の形態では、(S3またはS4)とDとが等しい。ただし、これに限られるものではなく、(S3,S4)>Dであっても、(S3,S4)<Dであっても良い。
さらに、第1平面25と第2平面26とは、同一平面で形成してもよい。
本実施の形態においては特に第1平面部25のスパンS3と同等か、それよりも大きいスパンS4を有する第2平面部26によって、対向平板部4a,4bにより確実に圧接することができる。すなわち、クランプ機構の中心と第2平面部26との間に離間距離が存在しても、クランプ機構による締付け力を第1平面部25および第2平面部26の双方に均等に作用させることができる。
こうして、対向平板部4a,4bでステアリングコラム2を挟持するとき、第2平面部26で強力な締付け力をもって部材同士を圧接させることができる。この結果、ステアリングコラム2の支持において高い支持剛性を得ることができる。
(第4実施の形態の変形例)
なお、本実施の形態は、上記のものに代えて、図6A、6Bに示すように、第1平面部25および第2平面部26(丸孔16と車体取付部4cとの間に位置する)は、ステアリングコラム2の外径Dに対して十分に大きい左右方向スパンS3、S4を保つように形成してもよい。
第1平面部25は、左右方向スパンS3を保ち、第2平面部26は、スパンS3と同等か、それよりも僅かに大きい左右方向スパンS4を保って形成される。なお、S3は、丸孔16を穿った部分のスパンである。
すなわち、本変形例は、S4≧S3であることを特徴とする。
また、本変形例では、S4>S5であり、S3>S5である。
さらに、本変形例では、S5とDとが等しい。ただし、これに限られるものではなく、S5>Dであっても、S5<Dであっても良い。
さらに、第1平面25と第2平面26とは、同一平面で形成してもよい。
本実施の形態においては、対向平板部4a,4bでチルト用ステアリングコラム2を挟持するとき、第1平面部25のスパンS3と同等か、それよりも大きいスパンS4を有する第2平面部26によって、対向平板部4a,4bとより確実に圧接することができ、特別の部材を介在させることなく、ステアリングコラム2の支持剛性を高めることができる。
(第5実施の形態:チルト・テレスコピック式)
図7は、本発明の第5実施の形態に係る車両用チルト・テレスコピック式ステアリング装置全体の側面図を示す。図8は、図7のA−A線に沿ったステアリングコラムの膨出部のみの断面図である。図9Aは、図7のA−A線に沿った断面図であって、コラムの締付固定を解除している状態を示し、図9Bは、同断面図であって、コラムを締付固定している状態を示す。
図7、図8、図9A、9Bにおいて、本発明の第5実施の形態に係る車両用チルト・テレスコピック式ステアリング装置では、ステアリングコラム31には、ステアリングシャフト32が回転自在に支持してあり、ステアリングシャフト32の車両後方端には、ステアリングホイール33が装着してある。
ステアリングコラム31の中央部は、車体取付アッパブラケット35に揺動自在に支持されている。車体取付アッパブラケット35は車体側に固定され、ステアリングコラム31の横断方向に延びる一対の水平部分35a、35a(車体取付部)と該一対の水平部分35a、35aに一体で該一対の水平部分35a、35aより垂下して、ステアリングコラム31の両側を軸方向に延びる一対の対向平板部35b、35bとを有している。該一対の対向平板部35b、35bには一対のチルト調整用長孔36、36が形成してある。
なお、一対の水平部分35a、35aと、一対の対向平板部35b、35bとは、別体に形成してあってもよい。
ステアリングコラム31の軸方向中央部には後述するハイドロフォーム法により膨出部37が一体成形されている。ステアリングコラム31に一体成形した膨出部37には、車体取付アッパブラケット35の対向平板部35b、35bのそれぞれに接触して車体取付アッパブラケット35に支持される両側部37a、37aが一体成形され、これら両側部37a、37aに一対のコラム位置調整用長孔38、38が形成してある。一対のチルト調整用長孔36、36と一対のコラム位置調整用長孔38,38にはクランプ機構48を有する締付ボルト39が挿通されて、締付ボルト39に操作レバー40が回動自在に取付けられている。クランプ機構48はカム機構を有する公知のもので良い。
ステアリングコラム31の車両前方下端部は、車体取付ロアブラケット34に揺動自在に支持されている。車体取付ロアブラケット34は車体側に固定され、ステアリングコラム31の横断方向に延びる一対の水平部分34a、34aと該一対の水平部分34a、34aに一体で該一対の水平部分34a、34aより垂下して、ステアリングコラム31の両側を軸方向に延びる一対の対向平板部34b、34bとを有している。該一対の対向平板部34b、34bには一対のブラケット支持孔34c、34cが形成してある。
ステアリングコラム31の車両前方下端部には、ステアリングコラム31に例えば溶接等により支持ブラケット部44が設けられている。支持ブラケット部44は車体取付ロアーブラケット34の対向平板部34b、34bのそれぞれに接触して支持される両側部44a、44aが形成され、これら両側部44a、44aにコラム位置調整用の一対の長孔46、46が形成されている。支持ブラケット44は、これら長孔46、46とブラケット支持孔34c、34cとにそれぞれヒンジピン45、45を介して車体取付ブラケット34に摺動および回動自在に支持されている。このようにして、チルト・テレスコピック式ステアリング装置が構成されている。
なお、支持ブラケット部44は、後述するハイドロフォーム法によりステアリングコラム31に一体的に形成してある。但し、別体に構成してあっても良い。
以上のように構成されたチルト・テレスコピック式ステアリング装置において、チルト・テレスコピック位置を調整して固定する際(コラム位置調整時)には、操作レバー40を締付方向に回動すると、締付ボルト39の頭部と調整ナット41との間隔が狭くなり、車体取付アッパブラケット35の一対の対向平板部35b、35bがステアリングコラム31の膨出部7の両側部37a、37aにそれぞれ圧接固定される。これにより、ステアリングコラム31のチルト・テレスコピック位置が固定される。
一方、チルト・テレスコピック位置の調整時には、操作レバー40を解除方向に回動すると、締付ボルト39の頭部と調整ナット41との間隔が拡がり、車体取付アッパブラケット35の一対の対向平板部35b、35bとステアリングコラム31の膨出部37の両側部37a、37aとの圧接固定がそれぞれ解除される。これにより、ステアリングコラム41のチルト・テレスコピック位置の調整をおこなうことができる。以上の操作により、ステアリングコラム31を所望のチルト・テレスコピック位置に調整することができる。
図8に示すように、本実施の形態では、単一ブランクである鋼管状の素材を、ハイドロフォーム法により、膨出部37を一体的に備えたステアリングコラム31に成形し、膨出部37の両側部37a、37aに、クランプ機構48を有する締付ボルト39を挿通する一対のコラム位置調整用長孔38、38が形成してある。クランプ機構48は、第1実施形態のカム機構を有するものでも良い。
本実施の形態では、膨出部37の両側部37a,37aは、その上側の間隔(Du)より下側の間隔(Dd)が僅かに狭くなるように傾斜して形成してある。Duは、コラム位置調整用長孔38を穿った部分のスパンである。
従って、両者の接触面積を増大して、ステアリングコラム31の車体への保持力を高くすることができる。これにより、ひいては、振動剛性を向上することができ、衝突時の保持力も増大することができる。
ここで、ハイドロフォーム法とは、薄肉の鋼管を金型内に収納し、鋼管内に圧力水もしくは油を充填し、銅管を膨らませて所望形状に成形する方法であり、もしくは、簡易な方法として、ゴムなどを用い充填して膨出させる方法であり、プレス成型の後に溶接して閉断面構造の部材を製造する場合に比べて、溶接箇所が無いことから熱変形が少なく、加工、製造コストの削減や軽量化を図れるといった利点がある。
このように、本実施の形態では、膨出部7がステアリングコラム31に一体的な閉断面構造としてあるため、ステアリングコラム31自体を高剛性にして、ステアリングコラム31の車体への保持力を高くすることができると共に、製造コスト(材料費、加工費、及び組立費)や重量を削減することができる。
なお、本発明に係る実施の形態において、ステアリングコラムはハイドロフォーム法で製造される場合について説明したが、ハイドロフォーム法に限定されず、ゴムバルジ成形法、爆発バルジ成形法、プレス成形法等を用いて製造することも可能である。
また、本実施の形態では、Dd<Duである。ただし、ステアリングコラム2の直径D(図示略)とすると、本実施の形態では、Du≒Dとしてるが、これに限定されず、Du≠Dであってもよい。
(第6実施の形態:チルト式)
図10Aは、本発明の第6実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置のステアリングコラムの要部拡大側面図であり、図10Bは、図10Aのb−b線に沿った断面図である。
本第6実施の形態のステアリングコラムは、上記第1の実施の形態と同様に、チルト式であり、図1A、1Bの構造(クランプ機構3、車体側ブラケット4、軸杆5等の構造、位置関係等)は、本第4実施の形態のステアリングコラムにも適用することができる。
なお、図10A、10Bに示したステアリングコラムは、チルト式ステアリング装置に適用することができる。
チルト用ステアリングコラム51は、図10A、10Bに示すように、液圧バルジ成形法で管状の素材のコラム軸方向における一部を、上下方向2箇所で膨出させて形成した一対の第1及び第2膨出部52a,52bを有している。
第1膨出部52aは、それぞれ、図1A、1Bに示した対向平板部4a,4bに対向する一対の第1平面部53,53を備えている。第2膨出部52bは、それぞれ、丸孔55と車体取付部4cとの間に位置する一対の第2平面部54,54を備えている。
第1平面部53は、第1及び第2平面部53,54の間の変化部のスパンをWとすると、該Wより小さい左右方向スパンXを有している。即ち、W≧Xとなっている。なお、Xは、丸孔55をうがった部分のスパンである。
第2平面部54は、Wより小さい左右方向スパンYを有している。即ち、W≧Yとなっている。なお、Yは、第2平面部54の上側のスパンである。
このように、W≧X、W≧Yの関係を満足すれば、Y>Xであっても、Y<Xであってもよい。
なお、W≧X、W≧Yであれば、XとYの関係は如何であってもよく、WとDとの関係も如何であってもよい。
このように、W≧X、W≧Yに形成してあることから、上述した実施の形態と同様に、対向平板部4a,4bでステアリングコラム2を挟持するとき、第1及び第2平面部53,54で強力な締付け力をもって部材同士を圧接させることができる。この結果、ステアリングコラム2の支持において高い支持剛性を得ることができる。
(第7実施の形態:チルト式)
図11は、本発明の第7実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置の横断面図である。
図12Aは、本発明の第7実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置のステアリングコラムの要部拡大側面図であり、図12Bは、図12Aのb−b線に沿った断面図である。
図11に示すように、チルト式ステアリングコラム装置は、軸心に沿って図示しない軸受を介してステアリングシャフト61を支持するステアリングコラム62と、ステアリングコラム62の膨出部73に取り付けられるクランプ機構63とを有する。
このクランプ機構63は、チルトブラケット64、チルトボルト65(軸杆)、ナット66、チルトレバー68ならびに一対の固定カム69および可動カム70を備える。
チルトブラケット64(車体側ブラケット)は、ステアリングコラム61の両側を軸方向に延びる一対の対向平板部64a,64bと、車体側に固定され、ステアリングコラム61の横断方向に延びる車体取付部64cと、から一体的に構成してある。但し、一対の対向平板部64a,64bと、車体取付部64cとは、別体に構成してあってもよい。一対の対向平板部64a,64bには、それぞれ、チルト調整用長孔79a,79bが形成してある。
なお、本実施の形態では、車体取付部64cは、ステアリングコラム62の軸線よりも下側に配置してあり、一対の対向平板部64a,64cは、この車体取付部64cから略上方に向けて延在してある。
チルトボルト65(軸杆)は、チルトブラケット64の対向平板部64a、64b、ステアリングコラム62の膨出部、チルトレバー68ならびに固定カム69および可動カム70を挿通して設けられ、一端のねじ部にナット66が螺合している。一対の固定カム69および可動カム70は、それぞれチルトブラケット64の対向平板部64aおよびチルトレバー68と係合している。
即ち、チルトレバー68の回転に伴って、常時非回転の固定カム69に対して、可動カム70が回転し、これにより、チルトボルト65(軸杆)がその軸方向に引っ張られて、一対の対向平板部64a,64bの間隔を変化させるようになっている。
図12A、12Bに示すように、ステアリングコラム62は、液圧バルジ成形法で管状の素材からコラムの軸方向中間部の一部を膨出させて形成した膨出部73を有する。
この膨出部73は、それぞれ対向平板部64a,64bと対向する、クランプ機構63のための一対の平面部74と、管状の素材から平面部74に変化する変化部75と、を備えている。
平面部74は、変化部75のスパンをZ2とすると、該Z2より小さいスパンZ1を有している。すなわち、Z2>Z1である。なお、Z1は、丸孔76を穿った部分のスパンである。
また、Z2とDとの関係は、Z2≒Dであるが、如何であってもよい。
平面部14には、液圧バルジ成形法で穿孔される、それぞれチルトボルト(軸杆)を挿通する、貫通孔、たとえば、丸孔76を穿っている。
本実施の形態においては、チルト操作において、チルトレバー68を回動すると、チルトレバー68と係合する可動カム70が固定カム69に対して相対変位する。このとき、チルトボルト65(軸杆)がその軸方向に引っ張られて、チルトブラケット64の対向平板部64a、64bが夫々内側に向かって移動し、ステアリングコラム62の膨出部73を外側から締付ける。
この締付け過程では、クランプ機構のある平面部74と同様に、変化部75でも強い締付け力をもってチルトブラケット64とステアリングコラム62とを圧接することができる。
このように、本実施の形態においては、チルトブラケット64の対向平板部64a、64b間でステアリングコラム62を挟持するとき、平面部74と同様に、変化部75でも強い締付け力をもって、対向平板部64a,64bを圧接することができ、特別の部材を介在させることなく、ステアリングコラム62の支持剛性を高めることができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々変形可能である。例えば、本発明に係る車両用位置調整式ステアリングコラム装置は、チルト式、テレスコピック式、及びチルト・テレスコピック式のいずれであってもよい。
以上説明したように、本発明によれば、特別の部材を介在させることなく、ステアリングコラムの支持剛性を高めることが可能になる。また、ステアリングコラムに一体的に形成した膨出部と、車体取付ブラケットの対向平板部との接触面積を増大して、ステアリングコラムの車体への保持力を高くすることができる車両用ステアリング装置を提供することができる。
本発明は、ステアリングコラムの管状の素材の一部を膨出した膨出部を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置に関する。
一般に、車両用ステアリング装置にはステアリングコラムを上下方向に移動させてステアリングホイールの位置を運転者に好ましい位置に調整するチルト機構が備えられる。このチルト機構にはレバー式クランプ機構が備えられ、チルト操作ではレバー操作でクランプを緩め、ステアリングコラムの自由な動作を可能にする一方、位置調整後にクランプを締付け、ステアリングコラムの拘束状態を保持することができるようになっている。
すなわち、ステアリング装置は、図13に示すように、軸心に沿って軸受(図示せず)を介してステアリングシャフト1を支持するステアリングコラム2と、クランプ機構3とを備える。クランプ機構3はチルトブラケット4、チルトボルト5、ナット6、ディスタンスブラケット7、チルトレバー8ならびに一対の固定カム9および可動カム10を備える。
たとえば、チルトレバー8の回動により可動カム10が回動し、これと組み合った固定カム9との相対変位が生じ、このとき、チルトボルト5の軸方向に相対変位が生じる。この動作によってチルトブラケット4の支持部4a、4b間でディスタンスブラケット7が挟持され、これによってステアリングコラム2を固定することができる。一方、逆方向へのチルトレバー8の操作によってチルトボルト5が逆方向に動き、このとき、ステアリングコラム2の固定が緩むことによりステアリングコラム2を所望の角度に傾けることが可能になる。
ところで、ステアリングコラム2の支持剛性の不足を補うため、たとえば、図14に示すように、ディスタンスブラケット7についてその両側面をステアリングコラム2の中心を超える位置まで延長する対策を試みることがある。同様な目的のために、図15に示すように、チルトブラケット4の支持部4a、4b間に樹脂製のスペーサ11を挟み込む、別の対策も提案されている。
しかしながら、上記2つの対策は所期の目的は達成できるとしても、たとえば、ディスタンスブラケット7の両側面を延長するものではディスタンスブラケット7が大形化することで、重量の増加を招き、望ましい対策とはいえない。一方、スペーサ11を挟み込む対策ではクランプ機構3を構成する部品の数が増すことが避けられない。このため、製造コストが大きく上昇し、これも望ましい対策といえない。
そこで、本発明の目的は、ステアリングコラムの支持のために特別な部材を介在させることなく、支持剛性を高めるようにした車両用位置調整式ステアリングコラム装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の第1の態様に係る車両用位置調整式ステアリングコラム装置は、車体に取付けるための車体取付部、及び略上下方向に延在した左右一対の対向平板部を有する車体側ブラケットと、
ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、管状の素材の一部を膨出して形成してあり且つ前記車体側ブラケットの一対の対向平板部に圧接するための膨出部を有するステアリングコラムと、
前記一対の対向平板部、及び前記膨出部を貫通する軸杆と、操作レバーの回転に伴って、前記軸杆に作用して前記一対の対向平板部の間隔を調整するための調整機構と、を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置において、
前記ステアリングコラムは、前記軸杆から少なくとも前記車体取付部までの間に、前記軸杆が前記膨出部を貫通する貫通部位の幅と、略同じ幅の部位を有することを特徴とする。
ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、管状の素材の一部を膨出して形成してあり且つ前記車体側ブラケットの一対の対向平板部に圧接するための膨出部を有するステアリングコラムと、
前記一対の対向平板部、及び前記膨出部を貫通する軸杆と、操作レバーの回転に伴って、前記軸杆に作用して前記一対の対向平板部の間隔を調整するための調整機構と、を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置において、
前記ステアリングコラムは、前記軸杆から少なくとも前記車体取付部までの間に、前記軸杆が前記膨出部を貫通する貫通部位の幅と、略同じ幅の部位を有することを特徴とする。
また、本発明の第2の態様に係る車両用位置調整式ステアリングコラム装置は、車体に取付けるための車体取付部、及び略上下方向に延在した左右一対の対向平板部を有する車体側ブラケットと、
ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、管状の素材の一部を膨出して形成してあり且つ前記車体側ブラケットの一対の対向平板部に圧接するための膨出部を有するステアリングコラムと、
前記一対の対向平板部、及び前記膨出部を貫通する軸杆と、操作レバーの回転に伴って、該軸間に作用して前記一対の対向平板部の間隔を調整するための調整機構と、を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置において、
前記ステアリングコラムは、前記軸杆から少なくとも前記車体取付部までの間に、前記軸杆が前記膨出部を貫通する貫通部位の幅よりも、大きい幅の部位を有することを特徴とする。
ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、管状の素材の一部を膨出して形成してあり且つ前記車体側ブラケットの一対の対向平板部に圧接するための膨出部を有するステアリングコラムと、
前記一対の対向平板部、及び前記膨出部を貫通する軸杆と、操作レバーの回転に伴って、該軸間に作用して前記一対の対向平板部の間隔を調整するための調整機構と、を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置において、
前記ステアリングコラムは、前記軸杆から少なくとも前記車体取付部までの間に、前記軸杆が前記膨出部を貫通する貫通部位の幅よりも、大きい幅の部位を有することを特徴とする。
さらに、本発明の第3の態様に係る車両用位置調整式ステアリングコラム装置は、車体に取付けるための車体取付部、及び略上下方向に延在した左右一対の対向平板部を有する車体側ブラケットと、
ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、管状の素材の一部を膨出して形成してあり且つ前記車体側ブラケットの一対の対向平板部に圧接するための第1膨出部を有するステアリングコラムと、
前記一対の対向平板部、及び前記第1膨出部を貫通する軸杆と、操作レバーの回転に伴って、該軸間に作用して前記一対の対向平板部の間隔を調整するための調整機構と、を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置において、
前記ステアリングコラムは、その略中央部から前記車体取付部側で膨出した第2膨出部を有し、
前記ステアリングコラムは、前記軸杆から少なくとも前記車体取付部までの間に、前記軸杆が前記第1膨出部を貫通する貫通部位の幅、及び前記第2膨出部の幅と、略同じ幅の部位を有することを特徴とする。
ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、管状の素材の一部を膨出して形成してあり且つ前記車体側ブラケットの一対の対向平板部に圧接するための第1膨出部を有するステアリングコラムと、
前記一対の対向平板部、及び前記第1膨出部を貫通する軸杆と、操作レバーの回転に伴って、該軸間に作用して前記一対の対向平板部の間隔を調整するための調整機構と、を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置において、
前記ステアリングコラムは、その略中央部から前記車体取付部側で膨出した第2膨出部を有し、
前記ステアリングコラムは、前記軸杆から少なくとも前記車体取付部までの間に、前記軸杆が前記第1膨出部を貫通する貫通部位の幅、及び前記第2膨出部の幅と、略同じ幅の部位を有することを特徴とする。
さらに、本発明の第4の態様に係る車両用位置調整式ステアリングコラム装置は、車体に取付けるための車体取付部、及び略上下方向に延在した左右一対の対向平板部を有する車体側ブラケットと、
ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、管状の素材の一部を膨出して形成してあり且つ前記車体側ブラケットの一対の対向平板部に圧接するための第1膨出部を有するステアリングコラムと、
前記一対の対向平板部、及び前記第1膨出部を貫通する軸杆と、操作レバーの回転に伴って、該軸杆に作用して前記一対の対向平板部の間隔を調整するための調整機構と、を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置において、
前記ステアリングコラムは、その略中央部から前記車体取付部側で膨出した第2膨出部を有し、
前記ステアリングコラムは、前記軸杆から少なくとも前記車体取付部までの間に、前記軸杆が前記第1膨出部を貫通する貫通部位の幅、及び前記第2膨出部の幅よりも、大きい幅の部位を有することを特徴とする。
ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、管状の素材の一部を膨出して形成してあり且つ前記車体側ブラケットの一対の対向平板部に圧接するための第1膨出部を有するステアリングコラムと、
前記一対の対向平板部、及び前記第1膨出部を貫通する軸杆と、操作レバーの回転に伴って、該軸杆に作用して前記一対の対向平板部の間隔を調整するための調整機構と、を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置において、
前記ステアリングコラムは、その略中央部から前記車体取付部側で膨出した第2膨出部を有し、
前記ステアリングコラムは、前記軸杆から少なくとも前記車体取付部までの間に、前記軸杆が前記第1膨出部を貫通する貫通部位の幅、及び前記第2膨出部の幅よりも、大きい幅の部位を有することを特徴とする。
(第1の実施の形態:チルト式)
本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1Aは、本発明の第1実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置の側面図であり、図1Bは、図1Aのb−b線に沿った断面図である。
図2A−2Cは、図1A、1Bに示されるステアリングコラムの要部を示す図であり、図2Aはステアリングコラムの斜視図、図2Bはステアリングコラムの側面図、図2Cはステアリングコラムの断面図である。
図1Aに示すように、ステアリングコラム2内には、上端にステアリングホイール100を有するステアリングシャフト1が回転自在に支持してある。ステアリングシャフト1は、車両後方側の軸受101と車両前方側の軸受102とにより、ステアリングコラム2に回転自在に支持してある。
このステアリングコラム2は、その下端部で、車体側ロアーブラケット103により、その中間部で、側面視略L字状の車体側アッパーブラケット4(チルトブラケット)により車体に取付けてある。
略U字状の車体側ロアーブラケット103には、コラム側ロアーブラケット104が挟持してある。このコラム側ロアーブラケット104は、後述する液圧バルジ成形法等によりステアリングコラム2に一体的に形成してあってもよく、溶接によりステアリングコラム2に取付けてあってもよい。
車体側ロアーブラケット103には、車両前方に開口した切欠き部105が形成してある。この切欠き部105に、コラム側ロアーブラケット104に挿通したチルト中心ボルト106が係止してある。これにより、二次衝突時には、ステアリングコラム2は、コラム側ロアーブラケット104と共に、車体側ロアーブラケット103から離脱して、車両前方に移動できるようになっている。
チルト式ステアリングコラム装置は、軸心に沿って軸受101,102を介してステアリングシャフト1を支持するステアリングコラム2と、後に詳述されるステアリングコラム2の膨出部13に取り付けられるクランプ機構3とを有する。このクランプ機構3はチルトブラケット4、チルトボルト5、ナット6、チルトレバー8ならびに一対の固定カム9および可動カム10を備えている。車体に固定されたチルトブラケット4の中心にステアリングコラム2が配置される。
チルトブラケット4(車体側ブラケット)は、ステアリングコラム2の両側を軸方向に延びる一対の対向平板部4a,4bと、車体側に固定され、ステアリングコラム2の横断方向に延びる車体取付部4cと、から一体的に構成してある。但し、一対の対向平板部4a,4bと、車体取付部4cとは、別体に構成してあってもよい。車体側アッパーブラケット4(チルトブラケット)は、二次衝突時、チルトボルト5に加わる衝撃エネルギーにより、その一対の対向平板部4a,4bを車体取付部4cに対して車両前方に向けて折曲しながら、コラプス荷重を発生させて衝撃エネルギーを吸収しつつ、チルトボルト5と共に車両前方に移動するようになっている。この構成に代えて、アッパブラケット4を車体側ブラケットとコラム側ブラケットとに分けて、両者間に樹脂製カプセル等を介して二次衝突時にコラム側ブラケットを離脱可能に構成しても良い。
チルトボルト5(軸杆)は、チルトブラケット4の対向平板部4a、4bに形成した一対のチルト調整用長孔5a,5bと、ステアリングコラム2の膨出部13に形成した丸孔16,16と、チルトレバー8と、固定カム9と、可動カム10とを挿通して設けられ、一端のねじ部にナット6が螺合してある。一対の固定カム9と、可動カム10とは、それぞれ、チルトブラケット4の対向平板部4aのチルト調整用長孔5aと、チルトレバー8とに係合してある。
チルトレバー8の回転に伴って、常時非回転の固定カム9に対して、可動カム10が回転し、これにより、チルトボルト5(軸杆)がその軸方向に引っ張られて、一対の対向平板部4a,4bの間隔を変化させるようになっている。
図2Aに示すように、ステアリングコラム2は液圧バルジ成形法で管状の素材からコラムの軸方向中間部の一部を膨出させて形成した膨出部13を有する。
この膨出部13は、図2B、2Cに示すように、それぞれ対向平板部4a,4bと対向する、クランプ機構のための一対の平面部14と、管状の素材から平面部14に変化する変化部15と、を備えている。
この平面部14は、左右方向スパンS1を保持し、変化部15は、スパンS1と略同一の左右方向スパンS2を保って形成される。なお、S1は、丸孔16を穿った部分のスパンである。
すなわち、本実施の形態は、S1≒S2であることを特徴とする。
但し、図示例(図2A−2C)に於いては、ステアリングコラム2の直径をDとすると、S2≒Dであるが、これに限られるものではなく、S2≠Dであってもよい。
この平面部14には、液圧バルジ成形法で穿孔される、それぞれチルトボルト5を挿通する、貫通孔、たとえば、丸孔16を穿っている。
一方、平面部14と同一スパンを保って形成される変化部15の上下方向の位置は、丸孔16と車体取付部4cとの間にある。平面部14と変化部15とは同じ素材の一部を膨出して成形されるので、両者は実質的な厚さにおいて相違しない。これは後に述べる各実施の形態においても同様である。
本実施の形態においては、チルト操作において、チルトレバー8を回動すると、チルトレバー8と係合する可動カム10が固定カム9に対して相対変位する。このとき、チルトボルト5(軸杆)がその軸方向に引っ張られて、チルトブラケット4の対向平板部4a、4bが夫々内側に向かって移動し、ステアリングコラム2の膨出部13を外側から締付ける。
この締付け過程では、クランプ機構のある平面部14と同様に、変化部15でも強い締付け力をもってチルトブラケット4とステアリングコラム2とを圧接することができる。すなわち、同等の左右方向スパンS1 およびスパンS2 を有する平面部14および変化部15によってチルトブラケット4が平面部14および変化部15に接したとき、対向平板部4a、4b内面と一様に密着し、均一な締め付け力が発生する。このため、平面部14と同様に、変化部15でも強い締付け力をもってチルトブラケット4とステアリングコラム2とを圧接することができる。
本実施の形態の膨出部13は、ステアリングコラム2の素材の一部を膨出させて形成したもので、ステアリングコラム2の中心を超えて延ばす大形のディスタンスブラケットを使用しないので、ステアリングコラム装置の重量を増加させない。一方、樹脂製スペーサのような特別な部材を使用しないので、クランプ機構3を簡素に構成することが可能で、部品点数の減少によりステアリングコラム装置を安価に製作することができる。
このように、本実施の形態においては、チルトブラケット4の対向平板部4a、4b間でステアリングコラム2を挟持するとき、平面部14と同様に、変化部15でも強い締付け力をもって、対向平板部4a,4bと圧接することができ、特別の部材を介在させることなく、ステアリングコラム2の支持剛性を高めることができる。
なお、上述したように、本実施の形態は、S1≒S2であることを特徴とするものであり、図示例(図2A−2C)に於いては、ステアリングコラム2の外径をDとすると、S2≒Dであるが、これに限られるものではなく、S2≠Dであってもよい。
(第2の実施の形態:テレスコピック式)
本発明の第2の実施の形態について、図3A、3Bを参照して説明する。図3A、3Bは、本発明の第2の実施の形態に係るステアリングコラムを示すもので、図3Aはステアリングコラムの側面図、図3Bはステアリングコラムの断面図である。
本発明の第2の実施の形態について、図3A、3Bを参照して説明する。図3A、3Bは、本発明の第2の実施の形態に係るステアリングコラムを示すもので、図3Aはステアリングコラムの側面図、図3Bはステアリングコラムの断面図である。
本第2実施の形態のステアリングコラムは、上記第1の実施の形態と異なり、テレスコピック式であるが、図1A、1Bの構造(クランプ機構3、車体側ブラケット4、軸杆5等の構造、位置関係等)は、本第2実施の形態のステアリングコラムにも適用することができる。
なお、図3A、3Bに示したステアリングコラムは、テレスコピック式、又はチルト・テレスコピック式ステアリング装置に適用することができる。
ステアリングコラム2は、図3A、3Bに示すように、液圧バルジ成形法で管状の素材のコラム軸方向中間部における一部を膨出させて形成した膨出部17を有する。
この膨出部17は、それぞれ図1A、1Bに示した対向平板部4a,4bに対向する一対の平面部18と、管状の素材から平面部18に変化する変化部19と、を備えている。
これらの平面部18は、左右方向スパンS1を保持し、変化部19は、スパンS1と略同一の左右方向スパンS2を保って形成される。なお、S1は、長孔20を穿った部分のスパンである。
すなわち、本実施の形態は、S1≒S2であることを特徴とする。
但し、図示例(図3A−3B)に於いては、ステアリングコラム2の外径をDとすると、S2≒Dであるが、これに限られるものではなく、S2≠Dであってもよい。
この平面部18には、それぞれ締付けボルト(図示せず)を挿通する、貫通孔、たとえば、長孔20を穿っている。
また、平面部18と同一スパンを保って形成される変化部19の上下方向の位置は、長孔20と車体取付部4cとの間にある。
本実施の形態においては、クランプ機構3のある平面部18と同様に、変化部19でも強い締付け力をもって、対向平板部4a、4bと圧接することができる。すなわち、同等の左右方向スパンS1、スパンS2を有する平面部18および変化部19によって対向平板部4a,4bが平面部18および変化部19に接したとき、対向平板部4a,4b内面と一様に密着し、均一な締め付け力が生じる。このため、平面部18と同様に、変化部19でも強い締付け力をもって、対向平板部4a,4bと圧接することができる。
本実施の形態においてはブラケットでテレスコピック用ステアリングコラム2を挟持するとき、平面部18と同様に、変化部19でも強い締付け力をもって、対向平板部4a,4bと圧接することができ、特別の部材を介在させることなく、ステアリングコラム2の支持剛性を高めることができる。
なお、上述したように、本実施の形態は、S1≒S2であることを特徴とするものであり、図示例(図3A−3B)に於いては、ステアリングコラム2の外径をDとすると、S2≒Dであるが、これに限られるものではなく、S2≠Dであってもよい。
(第3の実施の形態:チルト式)
本発明の第3の実施の形態について図4A、4Bを参照して説明する。図4A、4Bは、本発明の第3の実施の形態に係るステアリングコラムを示すもので、図4Aはステアリングコラムの側面図、図4Bはステアリングコラムの断面図である。
本発明の第3の実施の形態について図4A、4Bを参照して説明する。図4A、4Bは、本発明の第3の実施の形態に係るステアリングコラムを示すもので、図4Aはステアリングコラムの側面図、図4Bはステアリングコラムの断面図である。
本第3実施の形態のステアリングコラムは、上記第1の実施の形態と同様に、チルト式であり、図1A、1Bの構造(クランプ機構3、車体側ブラケット4、軸杆5等の構造、位置関係等)は、本第3実施の形態のステアリングコラムにも適用することができる。
なお、図4A、4Bに示したステアリングコラムは、チルト式ステアリング装置に適用することができる。
チルト用ステアリングコラム2は、図4A、4Bに示すように、液圧バルジ成形法で管状の素材のコラム軸方向中間部における一部を膨出させて形成した膨出部21を有する。
この膨出部21は、それぞれ図1Bに示した対向平板部4a,4bに対向する一対の平面部22と、一対の変化部23と、を備えている。
変化部23は、ステアリングコラム2の直径Dに略等しい左右方向スパンS4を保持し、平面部22は、該S4よりわずかに小さい左右方向スパンS3を保って形成される。なお、S3は、丸孔16をうがった部分のスパンである。
但し、DとS4とは、略等しいと述べたが、これに限られるものではなく、D<S4であっても、D>S4であってもよい。
なお、S3の平面部22とS4の変化部23とは傾斜で繋いでいる。つまり、同一平面上にある。
この平面部22にはそれぞれ締付けボルト(図示せず)を挿通する、丸孔16を穿っている。
また、平面部22と異なるスパンを保って形成される変化部23の上下方向の位置は、丸孔16と車体取付部4cとの間にある。
本実施の形態においては、特に平面部22のスパンS3よりも大きいスパンS4を有する変化部23によって、対向平板部4a,4bとより確実に圧接することができる。すなわち、クランプ機構3の中心と変化部23との間に離間距離が存在しても、クランプ機構3による締付け力を平面部22および変化部23の双方に均等に作用させることができる。
こうして、対向平板部4a,4bでステアリングコラム2を挟持するとき、変化部23で強力な締付け力をもって部材同士を圧接することができる。この結果、ステアリングコラム2の支持において高い支持剛性を得ることができる。
本実施の形態においては、対向平板部4a,4bでチルト用ステアリングコラム2を挟持するとき、平面部22のスパンS3よりも大きいスパンS4を有する変化部23によって、対向平板部4a,4bとより確実に圧接することができ、特別の部材を介在させることなく、ステアリングコラム2の支持剛性を高めることができる。
但し、DとS4とは、略等しいと述べたが、これに限られるものではなく、D<S4であっても、D>S4であってもよい。
(第4の実施の形態:チルト式)
本発明の第4の実施の形態について、図5A、5Bを参照して説明する。図5A、5Bは、本発明の第4の実施の形態に係るステアリングコラムを示すもので、図5Aはステアリングコラムの側面図、図5Bはステアリングコラムの断面図である。
本発明の第4の実施の形態について、図5A、5Bを参照して説明する。図5A、5Bは、本発明の第4の実施の形態に係るステアリングコラムを示すもので、図5Aはステアリングコラムの側面図、図5Bはステアリングコラムの断面図である。
本第4実施の形態のステアリングコラムは、上記第1の実施の形態と同様に、チルト式であり、図1A、1Bに示された構造(クランプ機構3、車体側ブラケット4、軸杆5等の構造、位置関係等)は、本第4実施の形態のステアリングコラムにも適用することができる。
なお、図5A、5Bに示したステアリングコラムは、チルト式ステアリング装置に適用することができる。
チルト用ステアリングコラム2は、図5A、5Bに示すように、液圧バルジ成形法で管状の素材のコラム軸方向中間部における一部を、上下方向2箇所で膨出させて形成した一対の第1及び第2膨出部24a,24bを有している。
第1膨出部24aは、それぞれ、図1A、1Bに示した対向平板部4a,4bに対向する一対の第1平面部25,25を備えている。第2膨出部24bは、それぞれ、丸孔16と車体取付部4cとの間に位置する一対の第2平面部26,26を備えている。
第1平面部25は、左右方向スパンS3を保ち、第2平面部26は、スパンS3と同等か、それよりも僅かに大きい左右方向スパンS4を保って形成される。なお、S3は、丸孔16を穿った部分のスパンである。
すなわち、本実施の形態は、S4≧S3であることを特徴とする。
また、本実施の形態では、(S3またはS4)とDとが等しい。ただし、これに限られるものではなく、(S3,S4)>Dであっても、(S3,S4)<Dであっても良い。
さらに、第1平面25と第2平面26とは、同一平面で形成してもよい。
本実施の形態においては特に第1平面部25のスパンS3と同等か、それよりも大きいスパンS4を有する第2平面部26によって、対向平板部4a,4bにより確実に圧接することができる。すなわち、クランプ機構の中心と第2平面部26との間に離間距離が存在しても、クランプ機構による締付け力を第1平面部25および第2平面部26の双方に均等に作用させることができる。
こうして、対向平板部4a,4bでステアリングコラム2を挟持するとき、第2平面部26で強力な締付け力をもって部材同士を圧接させることができる。この結果、ステアリングコラム2の支持において高い支持剛性を得ることができる。
(第4実施の形態の変形例)
なお、本実施の形態は、上記のものに代えて、図6A、6Bに示すように、第1平面部25および第2平面部26(丸孔16と車体取付部4cとの間に位置する)は、ステアリングコラム2の外径Dに対して十分に大きい左右方向スパンS3、S4を保つように形成してもよい。
なお、本実施の形態は、上記のものに代えて、図6A、6Bに示すように、第1平面部25および第2平面部26(丸孔16と車体取付部4cとの間に位置する)は、ステアリングコラム2の外径Dに対して十分に大きい左右方向スパンS3、S4を保つように形成してもよい。
第1平面部25は、左右方向スパンS3を保ち、第2平面部26は、スパンS3と同等か、それよりも僅かに大きい左右方向スパンS4を保って形成される。なお、S3は、丸孔16を穿った部分のスパンである。
すなわち、本変形例は、S4≧S3であることを特徴とする。
また、本変形例では、S4>S5であり、S3>S5である。
さらに、本変形例では、S5とDとが等しい。ただし、これに限られるものではなく、S5>Dであっても、S5<Dであっても良い。
さらに、第1平面25と第2平面26とは、同一平面で形成してもよい。
本実施の形態においては、対向平板部4a,4bでチルト用ステアリングコラム2を挟持するとき、第1平面部25のスパンS3と同等か、それよりも大きいスパンS4を有する第2平面部26によって、対向平板部4a,4bとより確実に圧接することができ、特別の部材を介在させることなく、ステアリングコラム2の支持剛性を高めることができる。
(第5実施の形態:チルト・テレスコピック式)
図7は、本発明の第5実施の形態に係る車両用チルト・テレスコピック式ステアリング装置全体の側面図を示す。図8は、図7のA−A線に沿ったステアリングコラムの膨出部のみの断面図である。図9Aは、図7のA−A線に沿った断面図であって、コラムの締付固定を解除している状態を示し、図9Bは、同断面図であって、コラムを締付固定している状態を示す。
図7は、本発明の第5実施の形態に係る車両用チルト・テレスコピック式ステアリング装置全体の側面図を示す。図8は、図7のA−A線に沿ったステアリングコラムの膨出部のみの断面図である。図9Aは、図7のA−A線に沿った断面図であって、コラムの締付固定を解除している状態を示し、図9Bは、同断面図であって、コラムを締付固定している状態を示す。
図7、図8、図9A、9Bにおいて、本発明の第5実施の形態に係る車両用チルト・テレスコピック式ステアリング装置では、ステアリングコラム31には、ステアリングシャフト32が回転自在に支持してあり、ステアリングシャフト32の車両後方端には、ステアリングホイール33が装着してある。
ステアリングコラム31の中央部は、車体取付アッパブラケット35に揺動自在に支持されている。車体取付アッパブラケット35は車体側に固定され、ステアリングコラム31の横断方向に延びる一対の水平部分35a、35a(車体取付部)と該一対の水平部分35a、35aに一体で該一対の水平部分35a、35aより垂下して、ステアリングコラム31の両側を軸方向に延びる一対の対向平板部35b、35bとを有している。該一対の対向平板部35b、35bには一対のチルト調整用長孔36、36が形成してある。
なお、一対の水平部分35a、35aと、一対の対向平板部35b、35bとは、別体に形成してあってもよい。
ステアリングコラム31の軸方向中央部には後述するハイドロフォーム法により膨出部37が一体成形されている。ステアリングコラム31に一体成形した膨出部37には、車体取付アッパブラケット35の対向平板部35b、35bのそれぞれに接触して車体取付アッパブラケット35に支持される両側部37a、37aが一体成形され、これら両側部37a、37aに一対のコラム位置調整用長孔38、38が形成してある。一対のチルト調整用長孔36、36と一対のコラム位置調整用長孔38,38にはクランプ機構48を有する締付ボルト39が挿通されて、締付ボルト39に操作レバー40が回動自在に取付けられている。クランプ機構48はカム機構を有する公知のもので良い。
ステアリングコラム31の車両前方下端部は、車体取付ロアブラケット34に揺動自在に支持されている。車体取付ロアブラケット34は車体側に固定され、ステアリングコラム31の横断方向に延びる一対の水平部分34a、34aと該一対の水平部分34a、34aに一体で該一対の水平部分34a、34aより垂下して、ステアリングコラム31の両側を軸方向に延びる一対の対向平板部34b、34bとを有している。該一対の対向平板部34b、34bには一対のブラケット支持孔34c、34cが形成してある。
ステアリングコラム31の車両前方下端部には、ステアリングコラム31に例えば溶接等により支持ブラケット部44が設けられている。支持ブラケット部44は車体取付ロアーブラケット34の対向平板部34b、34bのそれぞれに接触して支持される両側部44a、44aが形成され、これら両側部44a、44aにコラム位置調整用の一対の長孔46、46が形成されている。支持ブラケット44は、これら長孔46、46とブラケット支持孔34c、34cとにそれぞれヒンジピン45、45を介して車体取付ブラケット34に摺動および回動自在に支持されている。このようにして、チルト・テレスコピック式ステアリング装置が構成されている。
なお、支持ブラケット部44は、後述するハイドロフォーム法によりステアリングコラム31に一体的に形成してある。但し、別体に構成してあっても良い。
以上のように構成されたチルト・テレスコピック式ステアリング装置において、チルト・テレスコピック位置を調整して固定する際(コラム位置調整時)には、操作レバー40を締付方向に回動すると、締付ボルト39の頭部と調整ナット41との間隔が狭くなり、車体取付アッパブラケット35の一対の対向平板部35b、35bがステアリングコラム31の膨出部37の両側部37a、37aにそれぞれ圧接固定される。これにより、ステアリングコラム31のチルト・テレスコピック位置が固定される。
一方、チルト・テレスコピック位置の調整時には、操作レバー40を解除方向に回動すると、締付ボルト39の頭部と調整ナット41との間隔が拡がり、車体取付アッパブラケット35の一対の対向平板部35b、35bとステアリングコラム31の膨出部37の両側部37a、37aとの圧接固定がそれぞれ解除される。これにより、ステアリングコラム31のチルト・テレスコピック位置の調整をおこなうことができる。以上の操作により、ステアリングコラム31を所望のチルト・テレスコピック位置に調整することができる。
図8に示すように、本実施の形態では、単一ブランクである鋼管状の素材を、ハイドロフォーム法により、膨出部37を一体的に備えたステアリングコラム31に成形し、膨出部37の両側部37a、37aに、クランプ機構48を有する締付ボルト39を挿通する一対のコラム位置調整用長孔38、38が形成してある。クランプ機構48は、第1実施形態のカム機構を有するものでも良い。
本実施の形態では、膨出部37の両側部37a,37aは、その上側の間隔(Du)より下側の間隔(Dd)が僅かに狭くなるように傾斜して形成してある。Duは、コラム位置調整用長孔38を穿った部分のスパンである。
従って、両者の接触面積を増大して、ステアリングコラム31の車体への保持力を高くすることができる。これにより、ひいては、振動剛性を向上することができ、衝突時の保持力も増大することができる。
ここで、ハイドロフォーム法とは、薄肉の鋼管を金型内に収納し、鋼管内に圧力水もしくは油を充填し、鋼管を膨らませて所望形状に成形する方法であり、もしくは、簡易な方法として、ゴムなどを用い充填して膨出させる方法であり、プレス成型の後に溶接して閉断面構造の部材を製造する場合に比べて、溶接箇所が無いことから熱変形が少なく、加工、製造コストの削減や軽量化を図れるといった利点がある。
このように、本実施の形態では、膨出部37がステアリングコラム31に一体的な閉断面構造としてあるため、ステアリングコラム31自体を高剛性にして、ステアリングコラム31の車体への保持力を高くすることができると共に、製造コスト(材料費、加工費、及び組立費)や重量を削減することができる。
なお、本発明に係る実施の形態において、ステアリングコラムはハイドロフォーム法で製造される場合について説明したが、ハイドロフォーム法に限定されず、ゴムバルジ成形法、爆発バルジ成形法、プレス成形法等を用いて製造することも可能である。
また、本実施の形態では、Dd<Duである。ただし、ステアリングコラム2の直径D(図示略)とすると、本実施の形態では、Du≒Dとしてるが、これに限定されず、Du≠Dであってもよい。
(第6実施の形態:チルト式)
図10Aは、本発明の第6実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置のステアリングコラムの要部拡大側面図であり、図10Bは、図10Aのb−b線に沿った断面図である。
図10Aは、本発明の第6実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置のステアリングコラムの要部拡大側面図であり、図10Bは、図10Aのb−b線に沿った断面図である。
本第6実施の形態のステアリングコラムは、上記第1の実施の形態と同様に、チルト式であり、図1A、1Bの構造(クランプ機構3、車体側ブラケット4、軸杆5等の構造、位置関係等)は、本第6実施の形態のステアリングコラムにも適用することができる。
なお、図10A、10Bに示したステアリングコラムは、チルト式ステアリング装置に適用することができる。
チルト用ステアリングコラム51は、図10A、10Bに示すように、液圧バルジ成形法で管状の素材のコラム軸方向における一部を、上下方向2箇所で膨出させて形成した一対の第1及び第2膨出部52a,52bを有している。
第1膨出部52aは、それぞれ、図1A、1Bに示した対向平板部4a,4bに対向する一対の第1平面部53,53を備えている。第2膨出部52bは、それぞれ、丸孔55と車体取付部4cとの間に位置する一対の第2平面部54,54を備えている。
第1平面部53は、第1及び第2平面部53,54の間の変化部のスパンをWとすると、該Wより小さい左右方向スパンXを有している。即ち、W≧Xとなっている。なお、Xは、丸孔55をうがった部分のスパンである。
第2平面部54は、Wより小さい左右方向スパンYを有している。即ち、W≧Yとなっている。なお、Yは、第2平面部54の上側のスパンである。
このように、W≧X、W≧Yの関係を満足すれば、Y>Xであっても、Y<Xであってもよい。
なお、W≧X、W≧Yであれば、XとYの関係は如何であってもよく、WとDとの関係も如何であってもよい。
このように、W≧X、W≧Yに形成してあることから、上述した実施の形態と同様に、対向平板部4a,4bでステアリングコラム2を挟持するとき、第1及び第2平面部53,54で強力な締付け力をもって部材同士を圧接させることができる。この結果、ステアリングコラム2の支持において高い支持剛性を得ることができる。
(第7実施の形態:チルト式)
図11は、本発明の第7実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置の横断面図である。
図11は、本発明の第7実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置の横断面図である。
図12Aは、本発明の第7実施の形態に係る車両用チルト式ステアリング装置のステアリングコラムの要部拡大側面図であり、図12Bは、図12Aのb−b線に沿った断面図である。
図11に示すように、チルト式ステアリングコラム装置は、軸心に沿って図示しない軸受を介してステアリングシャフト61を支持するステアリングコラム62と、ステアリングコラム62の膨出部73に取り付けられるクランプ機構63とを有する。
このクランプ機構63は、チルトブラケット64、チルトボルト65(軸杆)、ナット66、チルトレバー68ならびに一対の固定カム69および可動カム70を備える。
チルトブラケット64(車体側ブラケット)は、ステアリングコラム61の両側を軸方向に延びる一対の対向平板部64a,64bと、車体側に固定され、ステアリングコラム61の横断方向に延びる車体取付部64cと、から一体的に構成してある。但し、一対の対向平板部64a,64bと、車体取付部64cとは、別体に構成してあってもよい。一対の対向平板部64a,64bには、それぞれ、チルト調整用長孔79a,79bが形成してある。
なお、本実施の形態では、車体取付部64cは、ステアリングコラム62の軸線よりも下側に配置してあり、一対の対向平板部64a,64bは、この車体取付部64cから略上方に向けて延在してある。
チルトボルト65(軸杆)は、チルトブラケット64の対向平板部64a、64b、ステアリングコラム62の膨出部、チルトレバー68ならびに固定カム69および可動カム70を挿通して設けられ、一端のねじ部にナット66が螺合している。一対の固定カム69および可動カム70は、それぞれチルトブラケット64の対向平板部64aおよびチルトレバー68と係合している。
即ち、チルトレバー68の回転に伴って、常時非回転の固定カム69に対して、可動カム70が回転し、これにより、チルトボルト65(軸杆)がその軸方向に引っ張られて、一対の対向平板部64a,64bの間隔を変化させるようになっている。
図12A、12Bに示すように、ステアリングコラム62は、液圧バルジ成形法で管状の素材からコラムの軸方向中間部の一部を膨出させて形成した膨出部73を有する。
この膨出部73は、それぞれ対向平板部64a,64bと対向する、クランプ機構63のための一対の平面部74と、管状の素材から平面部74に変化する変化部75と、を備えている。
平面部74は、変化部75のスパンをZ2とすると、該Z2より小さいスパンZ1を有している。すなわち、Z2>Z1である。なお、Z1は、丸孔76を穿った部分のスパンである。
また、Z2とDとの関係は、Z2≒Dであるが、如何であってもよい。
平面部74には、液圧バルジ成形法で穿孔される、それぞれチルトボルト(軸杆)を挿通する、貫通孔、たとえば、丸孔76を穿っている。
本実施の形態においては、チルト操作において、チルトレバー68を回動すると、チルトレバー68と係合する可動カム70が固定カム69に対して相対変位する。このとき、チルトボルト65(軸杆)がその軸方向に引っ張られて、チルトブラケット64の対向平板部64a、64bが夫々内側に向かって移動し、ステアリングコラム62の膨出部73を外側から締付ける。
この締付け過程では、クランプ機構のある平面部74と同様に、変化部75でも強い締付け力をもってチルトブラケット64とステアリングコラム62とを圧接することができる。
このように、本実施の形態においては、チルトブラケット64の対向平板部64a、64b間でステアリングコラム62を挟持するとき、平面部74と同様に、変化部75でも強い締付け力をもって、対向平板部64a,64bを圧接することができ、特別の部材を介在させることなく、ステアリングコラム62の支持剛性を高めることができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々変形可能である。例えば、本発明に係る車両用位置調整式ステアリングコラム装置は、チルト式、テレスコピック式、及びチルト・テレスコピック式のいずれであってもよい。
以上説明したように、本発明によれば、特別の部材を介在させることなく、ステアリングコラムの支持剛性を高めることが可能になる。また、ステアリングコラムに一体的に形成した膨出部と、車体取付ブラケットの対向平板部との接触面積を増大して、ステアリングコラムの車体への保持力を高くすることができる車両用ステアリング装置を提供することができる。
Claims (4)
- 車体に取付けるための車体取付部、及び略上下方向に延在した左右一対の対向平板部を有する車体側ブラケットと、
ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、管状の素材の一部を膨出して形成してあり且つ前記車体側ブラケットの一対の対向平板部に圧接するための膨出部を有するステアリングコラムと、
前記一対の対向平板部、及び前記膨出部を貫通する軸杆と、操作レバーの回転に伴って、前記軸杆に作用して前記一対の対向平板部の間隔を調整するための調整機構と、を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置において、
前記ステアリングコラムは、前記軸杆から少なくとも前記車体取付部までの間に、前記軸杆が前記膨出部を貫通する貫通部位の幅と、略同じ幅の部位を有することを特徴とする車両用位置調整式ステアリング装置。 - 車体に取付けるための車体取付部、及び略上下方向に延在した左右一対の対向平板部を有する車体側ブラケットと、
ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、管状の素材の一部を膨出して形成してあり且つ前記車体側ブラケットの一対の対向平板部に圧接するための膨出部を有するステアリングコラムと、
前記一対の対向平板部、及び前記膨出部を貫通する軸杆と、操作レバーの回転に伴って、該軸間に作用して前記一対の対向平板部の間隔を調整するための調整機構と、を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置において、
前記ステアリングコラムは、前記軸杆から少なくとも前記車体取付部までの間に、前記軸杆が前記膨出部を貫通する貫通部位の幅よりも、大きい幅の部位を有することを特徴とする車両用位置調整式ステアリング装置。 - 車体に取付けるための車体取付部、及び略上下方向に延在した左右一対の対向平板部を有する車体側ブラケットと、
ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、管状の素材の一部を膨出して形成してあり且つ前記車体側ブラケットの一対の対向平板部に圧接するための第1膨出部を有するステアリングコラムと、
前記一対の対向平板部、及び前記第1膨出部を貫通する軸杆と、操作レバーの回転に伴って、該軸間に作用して前記一対の対向平板部の間隔を調整するための調整機構と、を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置において、
前記ステアリングコラムは、その略中央部から前記車体取付部側で膨出した第2膨出部を有し、
前記ステアリングコラムは、前記軸杆から少なくとも前記車体取付部までの間に、前記軸杆が前記第1膨出部を貫通する貫通部位の幅、及び前記第2膨出部の幅と、略同じ幅の部位を有することを特徴とする車両用位置調整式ステアリング装置。 - 車体に取付けるための車体取付部、及び略上下方向に延在した左右一対の対向平板部を有する車体側ブラケットと、
ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、管状の素材の一部を膨出して形成してあり且つ前記車体側ブラケットの一対の対向平板部に圧接するための第1膨出部を有するステアリングコラムと、
前記一対の対向平板部、及び前記第1膨出部を貫通する軸杆と、操作レバーの回転に伴って、該軸杆に作用して前記一対の対向平板部の間隔を調整するための調整機構と、を備えた車両用位置調整式ステアリングコラム装置において、
前記ステアリングコラムは、その略中央部から前記車体取付部側で膨出した第2膨出部を有し、
前記ステアリングコラムは、前記軸杆から少なくとも前記車体取付部までの間に、前記軸杆が前記第1膨出部を貫通する貫通部位の幅、及び前記第2膨出部の幅よりも、大きい幅の部位を有することを特徴とする車両用位置調整式ステアリング装置。
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