JP4120375B2 - ステアリングコラム装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用等の操舵装置を構成するステアリングコラム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のステアリング装置は、不特定多数の運転者により使用(操舵)されるため、個人の体格や運転姿勢等に対応してステアリングホイールの位置を調整できることが望ましい。このような要望に答えるべく、乗用車に限らず貨物車等においても、チルト機構やテレスコピック機構あるいはチルトテレスコピック機構を採用するものが多くなっている。
【0003】
チルト機構は、ステアリングホイールの位置を上下方向に調整するための機構であり、ステアリングコラムを揺動自在に支持するチルトピボットと、所望の位置(揺動角度)でステアリングコラムを固定するチルト固定手段等からなっている。また、テレスコピック機構は、ステアリングホイールの位置を前後方向(ステアリングシャフトの軸方向)に調整するための機構であり、ステアリングシャフトの伸縮に供される二重管式等の伸縮部と、所望の位置(伸縮量)でステアリングシャフトを固定するテレスコ固定手段等からなっている。
【0004】
従来、チルト固定手段としては、鋼管製のステアリングコラムに鋼板製のディスタンスブラケットを溶接接合し、このディスタンスブラケットを車体に固定した鋼板製の車体固定ブラケットにより挟圧及び固定するものが一般的であった。ところが、このような構成を採った場合、構成部材点数や溶接工数が多くなる他、溶接時の熱歪み等に起因する種々の不具合が避けられないため、塑性加工によりステアリングコラムにディスタンス部を膨出成形したものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−7003号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献1に開示されているステアリングコラム装置にも以下に述べる問題があった。例えば、運転者がチルトレバーを締め付けた場合、ディスタンス部における被挟圧部近傍の部位が撓み、操作フィーリングが非常に悪くなると共に、車体側ブラケットによるステアリングコラムの確実な固定が行えなくなる虞がある。また、運転者がチルトレバーを所定値以上の締付力で締め付けた場合、ディスタンス部の撓みが弾性限度を超えて塑性変形する虞等もある。そして、これらの不具合はステアリングコラムの素材に薄肉の鋼管を用いた場合に顕著となるため、ステアリング装置の軽量化を図る上での障害ともなる。
【0007】
本発明は、上記状況に鑑みなされたもので、部品点数や製造コストの低減を図りつつ、ディスタンス部の剛性向上等を実現したステアリングコラム装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するべく、第1の参考例では、ステアリングシャフトをその内部に回動自在に支持する筒状のステアリングコラムを有するステアリングコラム装置であって、 前記ステアリングコラムは前記ステアリングコラムから塑性加工により形成された膨出部を有し、
前記膨出部の外周に管部材が圧接嵌合されていることを特徴とするステアリングコラム装置を提供する。
【0009】
また、本発明では、ステアリングシャフトをその内部に回動自在に支持する筒状のステアリングコラムと、
前記ステアリングコラム部に形成され、車体固定ブラケットに挟圧される被挟圧部を有し、前記ステアリングコラム部を前記車体固定ブラケットに保持するディスタンス部と、を有するステアリングコラムを備え、
前記ステアリングコラムの前記車体固定ブラケットに対する位置が所定の調整範囲で調整可能なステアリングコラム装置であって、
前記ステアリングコラムは塑性加工により前記ステアリングコラム部と一体に形成された膨出部を有し、前記膨出部にはテレスコピック位置調整用の軸方向に延在する長孔が形成され、前記長孔にはテレスコピック位置固定用の締付部材が貫通し、
前記膨出部の前記長孔が形成された部位の外周には、前記長孔の軸方向長さよりも長い軸方向長さを有する管部材がその内周面で前記ステアリングコラム部と前記膨出部とを包囲して圧接嵌合され、前記膨出部と前記管部材とで前記ディスタンス部を構成し、
前記被挟圧部が前記締付部材によって前記車体固定ブラケットに挟圧されることでテレスコピック位置が固定されていることを特徴とするステアリングコラム装置を提供する。
【0012】
また、第1の参考例では、ステアリングシャフトをその内部に回動自在に支持する筒状のステアリングコラムを有するステアリングコラム装置であって、
前記ステアリングコラムの外周に管部材が圧接嵌合された膨出部を有するステアリングコラム装置の製造方法において、
前記管部材に前記ステアリングコラムを挿通して、前記管部材の位置する前記ステアリングコラム部分を膨出塑性加工することによって、
前記管部材を前記ステアリングコラムの外周に圧接嵌合することを特徴とするステアリングコラム装置の製造方法を提供する。
【0013】
また、本発明では、ステアリングシャフトをその内部に回動自在に支持する筒状のステアリングコラムと、
前記ステアリングコラム部に形成され、車体固定ブラケットに挟圧される被挟圧部を有し、前記ステアリングコラム部を前記車体固定ブラケットに保持するディスタンス部と、を有するステアリングコラムを備え、
前記ステアリングコラムの前記車体固定ブラケットに対する位置が所定の調整範囲で調整可能であり、
前記ステアリングコラムは、前記ステアリングコラム部と一体に形成された膨出部を有し、前記膨出部にはテレスコピック位置調整用の軸方向に延在する長孔が形成され、前記長孔にはテレスコピック位置固定用の締付部材が貫通し、
前記膨出部の前記長孔が形成された部位の外周には、前記長孔の軸方向長さよりも長い軸方向長さを有する管部材がその内周面で前記ステアリングコラム部と前記膨出部とを包囲して圧接嵌合され、前記膨出部と前記管部材とで前記ディスタンス部を構成し、前記被挟圧部が前記締付部材によって前記車体固定ブラケットに挟圧されることでテレスコピック位置が固定されるステアリングコラム装置の製造方法において、
前記管部材の中空部に前記ステアリングコラムとなる筒状の素材を挿通して、前記管部材位置する前記筒状の素材の部分を膨出塑性加工することによって前記膨出部を有する前記ステアリングコラムを形成し且つ前記管部材を前記ステアリングコラム部と前記膨出部との外周に圧接嵌合することを特徴とするステアリングコラム装置の製造方法を提供する。
【0014】
また、第2の参考例では、ステアリングシャフトをその内部に回動自在に支持する筒状のステアリングコラムと、
前記ステアリングコラムは、前記車体固定ブラケットに挟圧される被挟圧部を有するディスタンス部とを備え、
前記ステアリングコラムの前記車体固定ブラケットに対する位置が所定の調整範囲で調整可能であり、
前記ステアリングコラムの端部外周に管部材が圧接嵌合された膨出部を有するステアリングコラム装置の製造方法において、
前記管部材に前記ステアリングコラムの端部を挿通して、前記端部に先端が楕円状のマンドレルを圧入して、前記マンドレルをその軸中心に回転して、前記端部を膨出塑性加工することによって、
前記管部材を前記ステアリングコラムの端部外周に圧接嵌合することを特徴とするステアリングコラム装置の製造方法を提供する。
【0015】
これらの発明によれば、ディスタンス部全体の剛性が向上し、被挟圧部に大きな締付力が印可されても撓みが生じ難くなる。また、ステアリングコラムに車体取付部材等の各種管部材の取付けが容易となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るステアリングコラム装置の実施形態を説明する。
図1は第1実施形態に係るステアリングコラム装置の側面図であり、図2は図1中の拡大A−A断面図であり、図3は、本実施の形態に係るアッパコラムの側面図である。
【0017】
図1、図2において、ステアリングコラム1は、それぞれ車体固定ブラケットである固定ブラケット3とピボットブラケット5とを介して車体側メンバ7に装着されており、一方軸受9,11を介してアッパステアリングシャフト(以下、単にステアリングシャフトと記す)13を回動自在に支持している。ステアリングシャフト13には、その上端にステアリングホイール(不図示)が取り付けられる一方、下端にはユニバーサルジョイント(不図示)を介してロアステアリングシャフト(不図示)が連結される。
【0018】
固定ブラケット3は、車体側メンバ7の車両後方側に固定され、ステアリングコラム1の横断方向に延びる一対の水平部3a、3aと該一対の水平部分3a、3aに一体で該一対の水平部分3a、3aより垂下して、ステアリングコラム1の両側を軸方向に延びる一対の対向平板部3b、3bとを有している。該一対の対向平板部3b、3bには一対のチルト調整用長孔15、15が形成してある。
【0019】
ステアリングコラム1は、鋼管を素材とするハイドロフォーム成形品のアッパコラム21と、アッパコラム21に摺動自在に内嵌する鋼管製のロアコラム23とからなっている。アッパコラム21には、ハイドロフォーム法によりアッパコラム21の膨出部を塑性加工する際に、アッパコラム21の拡管によりアッパコラム21の外周に予め所定の形状に形成された管部材55が圧接嵌合され、アッパコラム21と管部材55とが一体的に膨出されてディスタンス部29が形成されている。ディスタンス部29には、固定ブラケット3の対向平板部3b、3bにそれぞれ面接触して固定ブラケット3に支持される一対の平らな被挟圧部25,27が形成され、これら被挟圧部25,27に一対のテレスコピック調整長孔37、37が形成してある。ディスタンス部29は、アジャストレバー35を回動することによって、アジャストレバー35に結合された固定ブラケット3を貫通するアジャストボルト31とアジャストナット33とにより、固定ブラケット3を介して所定の締結力で挟圧及び固定されている。
【0020】
一方、ロアコラム23には、ピボットブラケット5に対応する部位にロアブラケット41が溶接接合されている。ロアブラケット41は、ピボットブラケット5に挟持されており、ピボットブラケット5を貫通するピボットボルト43とナット45とにより支持されている。
【0021】
ステアリングコラム1は、ピボットボルト43を軸に揺動可能となっており、アジャストレバー35を操作することにより、運転者はチルト調整孔15内でアジャストボルト31が移動する範囲でステアリングホイールの上下位置(図1中、上下方向)を調整することができる。また、アッパコラム21は、ロアコラム23に対して摺動可能となっており、アジャストレバー35を操作することにより、運転者はテレスコピック調整孔37、37内でアジャストボルト31が移動する範囲でステアリングホイールの前後位置(図1中、左右方向)を調整することができる。
【0022】
本実施形態のアッパコラム21では、固定ブラケット3の対向平板部3b、3bに当接する平らな被挟圧部25,27がアッパコラム21に管部材55が嵌合されたディスタンス部29の両側部に形成されている。管部材55は、アッパコラム21が鋼管の素材から後述するハイドロフォーム法で膨出成形される際に、後述する方法によりアッパコラム21のディスタンス部29の外周に圧接嵌合される。アッパコラム21の外周に管部材55を一体的に設けディスタンス部29を形成する。アッパコラム21の固定ブラケット3の対向平板部3b、3bに当接するディスタンス部29部分の肉厚を厚くすることができ、ステアリングコラム1の軽量化を達成すると同時に、ディスタンス部29の剛性を高めることができる。
【0023】
以下、本実施形態の作用を述べる。
運転者の交代等によってステアリングホイールの位置が不適切となった場合、本実施形態のステアリングコラム装置では、運転者が先ずアジャストレバー35を時計回りに回動させて、アジャストボルト31に対してアジャストナット33を緩める。すると、固定ブラケット3を介してアッパコラム21のディスタンス部29に作用していたアジャストボルト31の軸力が消滅し、ステアリングコラム1がピボットピン31を支点に所定量揺動可能になると同時に、アッパコラム21がロアコラム23に対して所定量摺動可能になる。これにより、運転者は、ステアリングコラム1をチルトあるいはテレスコ動させ、ステアリングホイールを所望の位置に調整することができる。
【0024】
ステアリングホイールの位置調整を終えると、運転者は、アジャストレバー35を反時計回りに回動させて、アジャストボルト31に対してアジャストナット33を締め付ける。すると、アジャストボルト31に所定の軸力が発生し、固定ブラケット3の対向平板部3b、3bがディスタンス部29の被挟圧面25,27に圧接し、固定ブラケット3に対してアッパコラム21(すなわち、ステアリングホイール)が所望の位置で固定される。
【0025】
この際、本実施形態では、ディスタンス部29を含む部位に管部材55が嵌合されているため、ディスタンス部29の剛性がアッパコラム21に膨出部のみを形成したものに比べて高くなっている。これにより、固定ブラケット3によるアッパコラム21の支持が確実に行われるようになり、乗車時や降車時に運転者が体重を掛けてもステアリングホイール(ステアリングコラム1)が所期の位置からずれ難くなる他、走行時におけるステアリングシャフト13やステアリングホイールの振動が抑制され、車両衝突時におけるアッパコラム21等の意図しない移動も起こり難くなった。また、アジャストレバー35を強い締付力で締め付けられることでアジャストボルト31に過大な軸力が発生しても、ディスタンス部29に弾性変形や塑性変形が生じ難くなり、長期間に亘って安定した締め付けが行える。
【0026】
次いで、本実施の形態のアッパコラム21の製造方法について詳説する。図3に示すように、本実施の形態では、予め所定形状に形成された管部材55に鋼管の素材21をハイドロフォーム法により拡管して圧接嵌合した前述形状のディスタンス部29(膨出部とも記す)を形成し、ディスタンス部29には、一対のテレスコピック調整長孔37、37が穿孔されてアッパコラム21が形成されている。
【0027】
ハイドロフォーム法とは、薄肉の鋼管を金型内に収納し、鋼管内に圧力水若しくは油を充填し、鋼管を膨出させて所望の形状に成形する方法であり、若しくは、簡易な方法として、ゴムなどを用い充填して膨張させる方法であり、プレス成形の後に溶接して閉断面構造の部材を製造する場合に比べて、溶接個所が無いことから熱変形が少なく、加工、製造コストの削減や軽量化を図れるといった利点がある。
【0028】
図4(a)〜(c)は、本実施の形態のアッパコラム21のハイドロフォーム法による製造工程を模式的に示した断面図である。
図4(a)において、金型60内に予め所定の形状に形成した管部材55を所定の位置に設置した後、アッパコラム21となる鋼管の素材21を挿通する。管部材55は、金型60に形成されている前述したディスタンス部29の形状に適合する形状に前もって形成されている。その後、不図示の軸押しシリンダを鋼管の素材21の両端部21a,21bに挿入し、鋼管の素材21の内部21cに水若しくは油を注入する。鋼管の素材21の内部21cに水圧(油圧)を与えつつ、鋼管の素材21を軸押しシリンダで図中の矢印P、P方向に押圧し、図4bに示すように、鋼管の素材21を金型60に形成された形状に膨出させる。このとき、管部材55は膨出する鋼管の素材21の外周に圧接嵌合される。次いで、図4cに示すように、水圧(油圧)を加えた状態で、鋼管の素材21と管部材55とに形成された膨出部29に一対のチルトテレスコ調整長孔37、37をパンチで内側に打ち抜いて形成する。このようにして、管部材55を膨出部29に圧接嵌合したアッパコラム21がハイドロフォーム法によって形成される。
【0029】
このように、本実施の形態によれば、膨出部29に管部材55を有し、一対のチルトテレスコ調整長孔37,37有するアッパコラム21が形成されるため、アッパコラム21自体を高剛性にして、アッパコラムの21の固定ブラケット3への保持力を高くすることができる。なお、長孔パンチ(テレスコ用)以外にもチルト用として丸孔をパンチしても良い。
【0030】
次いで、第1の参考例として上述のハイドロフォーム法を用いた圧着嵌合による車体取付部材等の各種管部材の固定例について説明する。
【0031】
図5において、金型70に所定形状の管部材72(例えば、第1実施形態のロアブラケット)を第2の膨出部76に設置した後、鋼管の素材21をハイドロフォーム法により拡管し、膨出部29と第2の膨出部76を形成し、管部材72を第2の膨出部72に圧着嵌合している。次いで膨出部29に一対のチルトテレスコ調整孔37、37をパンチしてコラム部材21を成形している。
【0032】
図6(a)(b)(c)は、種々の所定形状の管部材を示した図である。図6(a)は円筒形状の管部材82の内周部に回り止め突起84を設けた管部材の例である。この管部材を、上述のハイドロフォーム法により鋼管の素材21に嵌合固定することによって、鋼管の素材21に管部材82を確実に固定することができる。図6(b)は四角形状の管部材86を用いた場合、図6(c)は三角形状の管部材88を用いた場合を示す。いずれも、鋼管の素材21の外周部に非円形内径断面形状を有する管部材を嵌合固定することによって管部材の回り止めを実現することができる。
【0033】
図7は、第2の参考例で、管部材の異なる圧接嵌合方法を示す図である。図7(a)に示すように、ハイドロフォーム法により膨出部29を形成されたアッパコラム21の端部に、管部材94を圧接嵌合する場合を示している。アッパコラム21の端部に管部材94を配置し、図7(b)に示す楕円マンドレル96を、アッパコラム21の端部に圧入する(図7c参照)。楕円マンドレル96の先端部98は断面が楕円状に形成されており、楕円状の短軸方向の長さが、アッパコラム21の内径と略等しく形成されている。次いで、楕円マンドレル96を軸中心に回転すると、楕円状の長軸方向の長さによって、アッパコラム21の端部が拡管され、アッパコラム21の端部に管部材94を圧接嵌合する。本楕円マンドレルの拡管による嵌合固定法は、ハイドロフォーム法に比べ設備が小型で済むなどの利点がある。
【0034】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様は上記実施形態に限られるものではない。例えば、ステアリングコラムの素材としては、炭素鋼や種々の合金鋼等が採用可能である。また、ステアリングコラムの塑性加工にあたっては、ラバーバルジ成形法や爆発バルジ成形法、プレス成形法等、ハイドロフォーム法以外の方法を採用してもよい。また、上記実施形態はチルト・テレスコピック式のステアリングコラム装置に本発明を適用したものであるが、チルト機構のみあるいはテレスコピック機構のみを備えたステアリングコラム装置に適用してもよい。また、管部材は、その内径が閉じた部材であれば良い。そのため、管部材は平板に孔を空けたものであっても良い。なお、全ての実施例において管部材はアルミや樹脂製でも良い。その他、ステアリングコラム装置の具体的構造や各構成部材の素材や形状等についても、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、部品点数や製造コストの低減を図りつつ、ディスタンス部の剛性向上等を実現したステアリングコラム装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るステアリングコラム装置の側面図である。
【図2】図1中のA−A拡大断面図である。
【図3】実施形態に係るアッパコラムの側面図である。
【図4】本実施の形態のアッパコラムのハイドロフォーム法による製造工程を模式的に示した断面図。
【図5】ハイドロフォーム法を用いた管部材の圧接嵌合例を示す図。
【図6】種々の管部材の形状を示す図。
【図7】管部材の楕円マンドレルを用いた嵌合固定方法を示す図。
【符号の説明】
1 ステアリングコラム
3 固定ブラケット
5 ピボットブラケット
7 車体側メンバ
9,11 軸受
13 ステアリングシャフト
15 チルト調整孔
21 アッパコラム(鋼管の素材)
25,27 被挟圧部
29 ディスタンス部(膨出部)
31 アジャストボルト(チルトボルト)
33 アジャストナット(ナット)
35 アジャストレバー(チルトレバー)
37 テレスコピック調整長孔
41 ロアブラケット
43 ピボットボルト
55 管部材
60、70 金型
72 管部材
76 第2の膨出部
82 円筒形状管部材
84 回り止め突起
86 四角形状管部材
88 三角形状管部材
94 管部材
96 楕円マンドレル

Claims (2)

  1. ステアリングシャフトをその内部に回動自在に支持する筒状のステアリングコラムと、
    前記ステアリングコラム部に形成され、車体固定ブラケットに挟圧される被挟圧部を有し、前記ステアリングコラム部を前記車体固定ブラケットに保持するディスタンス部と、を有するステアリングコラムを備え、
    前記ステアリングコラムの前記車体固定ブラケットに対する位置が所定の調整範囲で調整可能なステアリングコラム装置であって、
    前記ステアリングコラムは塑性加工により前記ステアリングコラム部と一体に形成された膨出部を有し、前記膨出部にはテレスコピック位置調整用の軸方向に延在する長孔が形成され、前記長孔にはテレスコピック位置固定用の締付部材が貫通し、
    前記膨出部の前記長孔が形成された部位の外周には、前記長孔の軸方向長さよりも長い軸方向長さを有する管部材がその内周面で前記ステアリングコラム部と前記膨出部とを包囲して圧接嵌合され、前記膨出部と前記管部材とで前記ディスタンス部を構成し、
    前記被挟圧部が前記締付部材によって前記車体固定ブラケットに挟圧されることでテレスコピック位置が固定されていることを特徴とするステアリングコラム装置。
  2. ステアリングシャフトをその内部に回動自在に支持する筒状のステアリングコラムと、
    前記ステアリングコラム部に形成され、車体固定ブラケットに挟圧される被挟圧部を有し、前記ステアリングコラム部を前記車体固定ブラケットに保持するディスタンス部と、を有するステアリングコラムを備え、
    前記ステアリングコラムの前記車体固定ブラケットに対する位置が所定の調整範囲で調整可能であり、
    前記ステアリングコラムは、前記ステアリングコラム部と一体に形成された膨出部を有し、前記膨出部にはテレスコピック位置調整用の軸方向に延在する長孔が形成され、前記長孔にはテレスコピック位置固定用の締付部材が貫通し、
    前記膨出部の前記長孔が形成された部位の外周には、前記長孔の軸方向長さよりも長い軸方向長さを有する管部材がその内周面で前記ステアリングコラム部と前記膨出部とを包囲して圧接嵌合され、前記膨出部と前記管部材とで前記ディスタンス部を構成し、前記被挟圧部が前記締付部材によって前記車体固定ブラケットに挟圧されることでテレスコピック位置が固定されるステアリングコラム装置の製造方法において、
    前記管部材の中空部に前記ステアリングコラムとなる筒状の素材を挿通して、前記管部材位置する前記筒状の素材の部分を膨出塑性加工することによって前記膨出部を有する前記ステアリングコラムを形成し且つ前記管部材を前記ステアリングコラム部と前記膨出部との外周に圧接嵌合することを特徴とするステアリングコラム装置の製造方法。
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