JPWO2004006640A1 - 熱交換器 - Google Patents

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Abstract

熱交換機能を備えた単位モジュール(20)を複数並列に配置して熱交換部(16)を形成している。単位モジュール(20)は、波状に形成したヒートレーン(21)の間に伝熱フィン(22)を備えている。単位ジュール(20)のヒートレーン(21)の間に伝熱フィン(22)を設けないで空間(25)を形成し、該空間(25)に防水性及び弾性を備えた鞘部材(30)を介して板部材(40)を挿入することで、単位モジュール(20)を放熱側と吸熱側に区切っている。

Description

本発明は、筐体内の熱を外部に放出する熱交換器に関する。特に、多量の熱を発生させる通信装置等の情報処理電子機器ユニットが格納されるキャビネットに好適に採用できる熱交換器に関する。
例えば、近年、次世代の移動基地局を設置することが急務となっており、その普及と呼応して屋外型の基地局設備に関する需要が国内外で高まっている。このような移動基地局設備では、キャビネット内に高性能な通信装置等の情報処理電子機器ユニットが格納されている。このようなキャビネットは屋外に設置されるので本来、密閉状態であることが好ましい。
しかし、通信装置等から多量の熱が発生するので、これを外部に放散(排出)することが必要である。よって、熱交換率が高く、かつ降雨時等に水が侵入することがない防水性にも優れた熱交換器を備えたキャビネットが必要となる。
図1は、通信装置等を格納する従来のキャビネットの構成例を示した図である。キャビネット100は図示せぬ通信装置等を格納しており、多量の熱を発生させる。そのため、前面側のドアの一部に熱交換器110が設けられている。
上記熱交換器110は、外気FAを吸気するファン111、熱交換部120、通信装置により温められた内部高温空気IHAを熱交換部120に向けて送り込むファン112等を備えている。
上記外気FAは、熱交換部120のヒートパイプ121及びフィン122に接触することで、吸熱して高温の排気HAとなりキャビネット外に排出される。一方、内部高温空気IHAはヒートパイプ121及びフィン122に接触することで吸熱され内部低温空気ICAとなり、再び通信装置の冷却に供される。よって、熱交換器110によりキャビネット100内が過度に高温となることを抑制できる。
また、上記キャビネット100は、野外に設置され、風や雨にさらされる。特に、雨(水)がキャビネット100の内部まで侵入してしまうと、通信装置等の故障の原因となる。そこで、例えば熱交換部120の略中央に防水性の仕切板125を設ける共に、その周部で水が侵入しそうな目地部にはコーキング等でシール処理が施されている。
ところで、近年、特に上記キャビネットが設置される床面積は低減されており、高密度化した通信装置等を狭スペース化されたキャビネット内に収容することが必要となっている。これに伴い、熱交換器を配設するためのスペース確保が困難となるので、より熱交換効率の高い熱交換器が望まれるようになっている。
しかしながら、前述した従来の熱交換器では波状に折り曲げた長いヒートパイプ内に冷媒を流通させる構成であるので熱交換効率が低い。もちろん、複数の熱交換器をキャビネットに設置すれば、熱交換機能を高めることは可能である。しかし、前述したように設置スペースを確保することが困難であるばかりか、コストの上昇、重量の増加による可搬性の低下という問題も発生してしまう。
また、従来の熱交換器構造は長いヒートパイプに多数のフィンを備えた構造であるので、シール処理等の防水処理を施すのが困難であり、高いコストを要していた。さらに、シール処理の作業洩れを検証することが難しく、例え不良箇所が発見できたとしてもこれを修理することが容易でないという問題もあった。
なお、図1で示した以外にも、板状の発熱ユニットと吸熱ユニットを交互に複数貼り合せて熱交換部を有するタイプの熱交換器も知られている。しかし、このタイプの熱交換器の場合には、各ユニット間の接続部分を全てコーキング等でシール処理を施す必要があるので、さらにコストが上昇するという問題が発生する。
本発明は、上述した従来技術の問題を解決する、改良された熱交換器を提供することを総括的な目的とする。
本発明のより詳細な目的は、熱交換効率の高い熱交換器を提供することであり、さらには優れた防水機能も備えた熱交換器を提供することである。
上記目的は、熱交換機能を備えた単位モジュールを複数並列に配置した熱交換器により達成される。
また、前記単位モジュールについて、この単位モジュールは、波状に形成したヒートレーンの間に伝熱フィンを備えている構成を採用することができる。
これにより、単位モジュールが独立した熱交換機能を備えており、これを複数並列に配設しているので全体として熱交換効率が高い熱交換器となる。よって、熱交換器の小型化を図ることができ、狭スペース化への要請に対応することができる。
また、前記単位モジュールについて、この単位モジュールは、該単位モジュールを放熱側と吸熱側とに区切る区切り機構を備えた構成とすることができる。
これにより、区切り機構で単位モジュールを放熱側と吸熱側とに区切ることができる。
また、前記区切り機構の部材について、この区切り機構は、前記ヒートレーン間に前記伝熱フィンを設けないことにより形成した空間と、該空間に挿入される防水性及び弾性を備えた鞘部材と、該鞘部材に挿入される板状部材とを含んでいる構成とすることができる。
これにより、簡易な構成で単位モジュールを放熱側と吸熱側とに区切る区切り機構を構成することができ、この区切り機構には防水性も付与することもできる。このような区切り機構は、従来のようにコーキング作業を必要とせず作業工数を低減することができる。また、所定の部材を順次挿入するという単純な作業でよいので、本発明の熱交換器はベテランの作業員でなくても組立て作業を行うことができる。
また、前記板状部材について、この板状部材は、前記鞘部材に挿入された状態で後端部が突出する形状に形成され、前記鞘部材は前端側に前記板状部材の後端部を受け入れる連結部を備える構成とすることができる。
これにより、鞘部材に挿入された状態の板状部材の後端部に隣接する鞘部材の連結部に受け入れることで、前後する単位モジュールの位置を容易に定めることができる。
また、単位モジュールが熱交換器内で確実に保持されるという観点から、この単位モジュールを並列状態にして保持する保持部材がさらに配設され、該保持部材には前記単位モジュールを固定するための固定機構を備えた構成とすることができる。
これにより、位置決め機能を備えた複数の単位モジュールを熱交換器内で確実に保持することができる。
また、前述したように優れた熱交換器を外壁の一部に備えているキャビネットであれば、小型化、防水性に優れているので、通信装置等の情報処理電子機器ユニットを格納するのに最適なものを提供することができる。
本発明の他の目的、特徴及び利点は添付の図面を参照しながら、以下の説明を読むことにより、一層明瞭となるであろう。
図1は、通信装置を格納するキャビネットの従来構成例を示した図である。
図2は、実施例に係る熱交換器を備えたキャビネットの側部構成を示した図である。
図3は、実施例の熱交換器を取出して示した図である。
図4は、熱交換部を構成する単位モジュール及びこれらを配列した様子を示した図である。
図5は、実施例のプレートを拡大して示した図である。
図6は、実施例のプレートを受け入れる鞘部材を拡大して示した図である。
図7は、2つの単位モジュールを連結した状態を上面から示した図である。
図8は、複数の単位モジュールで構成された熱交換部を組付ける様子を示した図である。
図9は、第1の固定機構を説明するための図である。
図10は、第1の固定機構の固定用ロッドを拡大して示した図である。
図11は、第1の固定機構を組付ける様子を示した図である。
図12は、第1の固定機構を組付ける様子を示した図である。
図13は、第1の固定機構の組付けが完了した様子を示した図である。
図14は、第2の固定機構を説明するための図である。
図15は、第2の固定機構を組付ける様子を示した図である。
図16は、第2の固定機構を組付ける様子を示した図である。
図17は、第2の固定機構の組付けが完了した様子を示した図である。
なお、上記図において用いられている主要な参照符合を以下に説明する。
1はキャビネット、10は熱交換器、15は仕切り部、16は熱交換部、17は筐体、20は単位モジュール、21はヒートレーン、22は伝熱フィン、25は空間、30は鞘部材、32は連結部、40はプレート(板状部材)、42は後端部である。
以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。図2は実施例に係る熱交換器を備えたキャビネットの側部概要構成を示した図である。
図2でキャビネット1の内部には、図示せぬ通信装置等の情報処理電子機器ユニットが格納されるようになっている。このキャビネット1の前面扉2はその一部として熱交換器10を備えている。
熱交換器10は筐体17の内部に、吸気口13を介して外気FAを吸気するファン11、外気FAとキャビネット内の空気との熱交換を行なう熱交換部16、通信装置等により温められた内部高温空気IHAを熱交換部16に向けて送り込むファン12等を備えている。
本実施例の熱交換部16は、単体で熱交換機能を備えた単位モジュール20を複数並列に配置して構成されている。この単位モジュール20の詳細な構成については後述するが、熱交換部16は中央で仕切り部15により内側(放熱側)と外側(吸熱側)とに仕切られており、外気と内気とが接触することなく熱交換できるようになっている。
すなわち、外気FAは上記熱交換部16を通過することで吸熱し、高温の排気HAとなって再び排気口14から排出される。その逆に、内部高温空気IHAは熱交換部16を通過することで放熱し内部低温空気ICAとなって再び通信装置側の冷却に供される。よって、キャビネット1内に格納された通信装置等から放出された熱を外部に排出できる。
図3は、上記熱交換器10を取出して示した図である。図3の上段では前記熱交換器10を寝かせ前面側のカバー17COVを外した状態を示し、下段はカバー17COVをセットした状態の熱交換器10の外観を示している。
筺体17は筐体基部17LCA、カバー17COV及びここでは図示されていない下側のベース17BASで構成されている。カバー17COVには前述した吸気口13と排気口14とが形成されている。
筐体基部17LCAの中央部に熱交換部16が位置している。この熱交換部16は前述したように複数の単位モジュール20が並列配置されて構成されている。なお、図3では吸気用のファン11のみが確認できるが、内部側のファン12はファン11の対称位置に存在しており筐体基部17LCAの下に隠れている。
さらに、図4は熱交換部16を構成する上記単位モジュール20及びこれらを配列した様子を示した図である。
図4の上段は1つの単位モジュール20を拡大して示している。同図に示すように、1つの単位モジュール20はヒートレーン21を波状(コルゲート状)に折り曲げて形成されている。図示は省略するが、ヒートレーン21には細いヒートパイプが複数並列に埋設されている。波状に折り曲げられたヒートレーン21の間には複数の伝熱性のフィン22がロウ付けされている。これらのヒートレーン21及び伝熱フィン22は熱伝導性の高い部材、例えばアルミ、銅等で形成されている。ヒートレーン21内の細いヒートパイプには図示せぬ冷媒、例えば冷却用のガスが循環している。この循環は各単位モジュール20で独立している。よって、単位モジュール20のそれぞれが独立の熱交換機能を備えている。
また、上記ヒートレーン21の間の高さ方向での中央位置LVには、上記伝熱フィン22を形成しないことにより空間25が形成されている。この空間25が形成される位置LVは熱交換部16のほぼ中間であり、図2で示した仕切り部15の位置に相当している。
本実施例の熱交換部16は防水性を担保しながら、外気側とキャビネット内部側とを区切る区切り機構を備えている。この点について以下詳細に説明する。
上記のようにヒートレーン21の間には同じ高さ位置に複数の空間25が形成されている。この空間25には扁平で管状に形成された鞘部材30が挿入される。この鞘部材30は例えばネオプレンゴム、シリコン系ゴム等のように弾性及び防水性を備えた部材で形成されている。上記空間25の全てに上記鞘部材30を挿入した状態を図4の中段に示している。
図4の中段の状態から、鞘部材30を挿入したのとは反対側からプレート(板状部材)40を鞘部材30内にさらに挿入する。このプレート40は例えばアルミ材で形成されている。プレート40を全ての鞘部材30に挿入することで仕切構造が実現できる。
特に、上記構成ではパッキンの原理を応用している。即ち、弾性及び防水性を備えた鞘部材30を空間25内に挿入し、この鞘部材30に板状のプレート40を押込むことで防水性が付与される。
そして、図4の下段に示したように、各々形成した各単位モジュール20を複数並列にセットすることで熱交換部16が形成される。
上記の説明から理解できるように、本実施例では上記空間25、これに挿入される鞘部材30、さらにこの鞘部材30に挿入されるプレート40により区切り機構が構成されている。この区切り機構で単位モジュール20の各々がキャビネットの内側と外側(図4では上下)とに区切られ、しかも防水性を付与した構造となっている。
図5は上記プレート40を拡大して示した図である。図5(A)はプレート40の平面図、同(B)その側面図である。図5に示されるように、プレート40は挿入側の幅W1より、後側の幅W2が広くなるように成形されている。
また、図6は上記プレート40を受け入れる鞘部材30を拡大して示した図である。図6で(A)は、鞘部材30の空間25に挿入する側から見た図であり、図6(B)は(A)のA−A断面図、図6(C)は(A)のB−B断面図である。
図6から確認できるように、鞘部材30は内部にプレート40を受け入れる空間を有した管路31となっている。この管路31はプレート40の挿入時に楔効果が生じるように、前端側(図6(C)で左側)の幅が狭く形成されている。そして、その左端側は段状に拡大した連結部32が形成されている。
上記連結部32は後述するように隣接するプレート40の後端部を受け入れて、前後に位置する単位モジュール20間の相互位置を規定するために形成されている。この単位モジュール20の位置決め機構に関して、図7を参照してさらに説明する。
図7は、2つの単位モジュール20A、20Bを連結した状態を上面から示した図である。図7では、2つの単位モジュール20A、20Bの空間25全てに、鞘部材30が挿入され、さらにこの鞘部材30にプレート40が挿入された状態が示されている。
ここで、ハッチングした下から2列目を例に説明すると、単位モジュール20Aに属する鞘部30Aにプレート40Aが挿入されている。このプレート40Aは鞘部30Aに十分に挿入された状態で楔効果を生じさせ、鞘部30Aをヒートレーン20の内壁に押しつけるので十分な防水性を担保している。
そして、上記のようなプレート40Aの状態で、その後端部42Aが鞘部30Aの後端から突出している。この後端部42Aは、後側で隣接する他の単位モジュール20Bに属する鞘部30Bの前端に形成された連結部32Bに収容されている。
上記のように前側の単位モジュール20Aに属するプレート40Aの後端部42Aを、後側の単位モジュール20Bに属する鞘部30Bの連結部32Bに収容するように押込むことで、前後に位置するモジュール20間の位置決めを簡易かつ確実に実現できる。図7では、2つの単位モジュール20A、Bの関係を示したが、並接する複数の単位モジュール20が同様に位置決めされている。
図8は、上記のように複数の単位モジュール20で構成された熱交換部16を熱交換器10の筐体基部17LCAに組付ける様子を示した図である。本実施例の場合には、8個(20A〜20H)の単位モジュール20を前述したように接続して第1熱交換ユニット201としている。さらに、これと同じ構成の第2熱交換ユニット202を形成して、本実施例の熱交換部16は2つの熱交換ユニット201、202で構成されている。
前述したように、各単位モジュール20はそれぞれ独立した冷却機能を有しており、従来のように長く形成したヒートパイプに冷媒を循環させる構成ではない。よって、この熱交換部16は熱交換効率が高く、従来の場合と比較して熱交換効率が1.5倍程度に向上することを本願発明者は確認している。従って、熱交換部16を小型化できるので、熱交換器10を全体として小型化図できる。
上記のように複数の単位モジュール20を併設した熱交換部16は筐体基部17LCAに形成された空間18内に嵌め込まれて固定される。熱交換部16の高さ方向での中央位置LVが前記仕切り部15に相当するように組立てられる。
その後、ファン11、ファン12を組付けることで、図3で示したような熱交換器10が完成する。なお、この図8では下側のベース17BASを示したが上側のカバー17COVの図示は省略している。
ところで、本実施例の熱交換器10は、筐体基部17LCAに形成した空間18内に精度良く熱交換部16を固定するための好ましい固定機構を備えている。図9から図13は好適に採用できる第1の固定機構例について示している。
図9は、図8で示した片側の第1熱交換ユニット201を保持部材に固定する様子を示した図である。熱交換部16の単位モジュール20は前述したような位置決め機構を備えているので、前後に隣接する単位モジュール20を確実に位置決めできる。この状態を長期に保持できるようにしたのが、以下で説明する第1の固定機構である。
図9で、各単位モジュール20は下側での一対の下保持部材51と、上側での一対の上保持部材53とにより保持されるようになっている。下保持部材51は単位モジュール20の底面を支持する鍔部54を備えている。また、下保持部材51及び上保持部材53は、最初に保持される単位モジュール20Aの一端を位置決めするため爪状のストッパ部51ST、53STを端部に備えている。
また、上記下保持部材51及び上保持部材53には、後述するツマミ70を挿入するための開孔52、54が単位モジュール20の幅に対応した位置に形成されている。
図9では最初の単位モジュール20Aを上記下保持部材51及び上保持部材53に固定する様子を示している。単位モジュール20Aがストッパ部51ST、53STに当接した後、一対の下保持部材51間及び一対の上保持部材53間に固定用ロッド60を配置する。その際、上の固定用ロッド60を開孔54の間、下の固定用ロッド60を開孔52の間に配置し、外側からツマミ70を挿入してこの固定用ロッド60を回転させる。なお、図9では、参照符号Aで示す領域を拡大して示している。
上記固定用ロッド60はツマミ70により回転させられることで、単位モジュール20Aの背部をストッパ部51ST、53ST側に押し付けるように作用させることができる。この点について図10を用いて説明する。
図10は、固定用ロッド60を拡大して示した図である。同図の左には、端部側から見た固定用ロッド60を示している。図10で確認できるように、固定用ロッド60の両端には上記ツマミ70を受ける挿入部65が形成されている。固定用ロッド60は略円柱状であり、その両端には中心からαオフセットさせた位置に上記挿入部65が形成されている。よって、ツマミ70をこの挿入部65に挿入してから固定用ロッド60を回転させると、単位モジュール20Aの背部から長さα分の押込みを行なうことができる。この様子を示したのが図11である。
なお、この図11でも、参照符号B、Cで示す領域を拡大して示している。これらの図から明らかなように、ツマミ70を介して上下の固定用ロッド60を回すことにより、単位モジュール20Aをストッパ部51ST、53ST側に確実に押し付けて固定することができる。
最初の単位モジュール20Aを固定した後は、図11及び図12に示すように、順次20B〜20Hについても同様に固定すればよい。そして、図13に示すように、最終的に保持部材51、53に固定された第1熱交換ユニット201を形成できる。
上記のように各単位モジュール20を順に固定する際には、前述した位置決め機構が有効に機能するので第1熱交換ユニット201を精度良く形成でき、固定用ロッド60を用いた固定機構によりその状態を保持できる。第2熱交換ユニット202も同様に形成できる。
さらに、図14から図17では第1の固定機構と同様に好適に採用できる第2の固定機構例について示している。この第2の固定機構例の説明は、先の第1の固定機構と比較して特徴部分を中心に説明する。
図14は、先に示した図9と同様に、第1熱交換ユニット201を保持部材に固定する様子を示した図である。本第2の固定機構では1対の側板81が保持部材となっている。この側板81には、ツマミ70が挿入される開孔82が形成されている。この開孔82は、第1の固定機構で開孔52、54を形成した場合と同様に、単位モジュール20の幅に対応した位置に形成されている。さらに、側板81を支持する支持部材85が配設されている。
本第2の固定機構では、参照符号Dで示す領域を拡大して示すように、小判型のカム90が前述した固定用ロッド60の代わりに機能している。
そして、図14及び図15で示すように、各開孔82を間にしてカム90とツマミ70とが対で配設されている。よって、ツマミ70を回すことにより、カム90が回転して単位モジュール20Aの背部を支持部材85側に押し付けるように作用させることができる。本第2の固定機構の場合は、4箇所のツマミ70を回して1つの単位モジュール20が固定されることになる。なお、この図15でも、参照符号E、Fで示す領域を拡大して示している。
最初の単位モジュール20Aを固定した後は、図15及び図16に示すように、順次20B〜20Hについても同様に固定すればよい。そして、図16に示すように補強部材87を支持部材85に固定して側板81を背面から固定すると、最終的に保持部材81に固定された第1熱交換ユニット201を形成できる。
本固定機構を採用した場合にも、各単位モジュール20を順に固定する際には、前述した位置決め機構が有効に機能するので第1熱交換ユニット201を精度良く形成でき、カム90を用いた固定機構によりその状態を保持できる。第2熱交換ユニット202も同様に形成できる。
以上説明したように、本実施例の熱交換器10は独立した熱交換機能を有する単位モジュールを複数並列に配置しているので、従来の熱交換器と比較して機能が向上している。よって、小型化が可能であり、小スペース化に対応できる。
また、熱交換器10の熱交換部16は、ヒートレーン21に設けた空間25に鞘部材30を挿入し、さらにこの鞘部材30にプレート40を挿入するという簡易な作業により防水機能も備えた区切り構造を形成できる。よって、従来のようにコーキング等で処理する必要がないので、組付け工程を簡素化できる。
さらに、プレート40の後端部に鞘部材30前端の連結部32を挿入するという簡単な工夫で単位モジュール20間の相互位置を正確に設定することもできる。
さらに、前述した第1或いは第2の固定機構を採用することで、熱交換部16の状態を長期安定に維持することができる。
なお、前述した実施例では、キャビネットの扉の一部として熱交換器を設ける例を示したが、これに限らずキャビネットの側壁等の外壁の一部として熱交換器を設けてもよいことは言うまでもない。
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求した本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変形例や実施例が考えられる。

Claims (7)

  1. 熱交換機能を備えた単位モジュールを複数並列に配置した、ことを特徴とする熱交換器。
  2. 請求1項記載の熱交換器において、
    前記単位モジュールは、波状に形成したヒートレーンの間に伝熱フィンを備えている、ことを特徴とする熱交換器。
  3. 請求項1又は2に記載の熱交換器において、
    前記単位モジュールは、該単位モジュールを放熱側と吸熱側とに区切る区切り機構を備えている、ことを特徴とする熱交換器。
  4. 請求項3に記載の熱交換器において、
    前記区切り機構は、前記ヒートレーン間に前記伝熱フィンを設けないことにより形成した空間と、該空間に挿入される防水性及び弾性を備えた鞘部材と、該鞘部材に挿入される板状部材とを含んでいる、ことを特徴とする熱交換器。
  5. 請求項4に記載の熱交換器において、
    前記板状部材は前記鞘部材に挿入された状態で後端部が突出する形状に形成され、前記鞘部材は前端側に前記板状部材の後端部を受け入れる連結部を備えている、ことを特徴とする熱交換器。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の熱交換器において、
    前記単位モジュールを並列状態にして保持する保持部材がさらに配設され、該保持部材には前記単位モジュールを固定するための固定機構を備えている、ことを特徴とする熱交換器。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の熱交換器を外壁の一部に備えていることを特徴とするキャビネット。
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