JPWO2003084296A1 - 回路の伝送特性補正方法、補正構造、及びこの補正構造に使用される保持具 - Google Patents
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Abstract
プリント回路基板に実装された回路部品間の伝送特性が良くない場合に、これを改善する補正方法及び補正構造である。抵抗、キャパシタンス、及びインダクタンスを補正できるチップ部品を用意しておき、これを回路パターンに設けた2本のジャンパピン(10)の間、或いはホルダの間に交換可能に取り付けることによって回路パターン(3)の伝送特性を改善する。半田を用いることなく回路定数変更を容易かつ効率的に行える他、モジュールを構成する成分を変化させて組み合わせることにより、コンデンサやフィルタとしての様々な機能を回路パターンに追加できる。
Description
技術分野
本発明は回路の伝送特性補正方法、補正構造、及びこの補正構造に使用される保持具に関し、特に、プリント回路基板上に実装される電子部品間を接続する回路パターンの伝送特性を補正する方法、補正構造、及びこの補正構造に使用される保持具に関するものである。
背景技術
パーソナルコンピュータの高速化に伴い、パーソナルコンピュータに内蔵されるプリント回路基板が高密度実装されつつある。一方、プリント回路基板が高密度化されると、プリント回路基板上に形成される回路パターンが多くなって微細化され、ノイズや線間容量等の影響によって回路パターンを流れる信号波形が劣化するおそれがある。このような信号波形の劣化に対処するには、それぞれの回路パターンの伝送特性に合ったダンピング抵抗を回路パターンに挿入し、回路パターンの抵抗値を変更して伝送特性を補正することが一般的である。
従来の回路パターンの伝送特性をダンピング抵抗の挿入によって補正する方法は、隙間を隔てて対向する回路パターン部(部品実装用のパッド)上にそれぞれ半田クリームを印刷しておき、チップ抵抗、チップコンデンサ、チップインダクタ等のチップ部品の両端部を回路パターンの半田クリーム上に置いてから、半田クリームに熱を加えて溶かし、チップ部品を回路パターン間に半田固定するものであった。
ところが、この従来の補正方法では、一旦半田固定したチップ部品を交換する際に、半田固定部を半田ゴテで再加熱して半田を溶かした後にチップ部品を交換し、別のチップ部品を再度半田固定しなければならないために、適切な値のチップ部品が見つかるまでこの作業を繰り返すと、回路パターンの剥がれや半田クワレ等の不具合が生じ、信頼度が劣るという問題があった。
この問題に対して、特開昭62−089394号公報には、回路基板にチップ部品を搭載してなる混成集積回路において、チップ部品の搭載部に部品ホルダを設けることが提案されている。この部品ホルダは、平坦な絶縁部の両端にスプリング性を持つ電極部を設けたものであり、電極部の底面板は回路パターン上に半田付けし、底面板の両側に設けられた側面板でチップ部品の一方の端部を挟んでチップ部品を電気的に接続しながら保持するものである。
また、回路パターンの抵抗値を容易に変更できるジャンパコネクタとしては、特開昭62−089394号公報に開示のホルダの他にも、特開平9−92364号公報に3種類のジャンパコネクタが開示されている。特開平9−92364号公報に開示される第1のジャンパコネクタは、絶縁板の上に貫通して設けられた複数本のポストの中の、2本のポスト間に挿入されるものであり、導電性エラストマーから成るコネクタ本体を絶縁性カバーで覆い、コネクタ本体にポストを挿通する嵌合孔を設けたものである。第2のジャンパコネクタは、側面視U字状の絶縁性カバーの内面に導電性エラストマーを積層したコネクタ本体を有し、プリント回路基板の縁部に装着してプリント回路基板の上下の面に形成された回路パターンを接続するものである。第3のジャンパコネクタは、同様の側面視U字状の絶縁性カバーを有し、対向する内面の一方に導電性エラストマーを積層したコネクタ本体を有し、プリント回路基板の縁部に装着してプリント回路基板の一方の面に形成された平行な回路パターンを接続するものである。
しかしながら、特開昭62−089394号公報に開示のホルダは、チップ部品が回路パターンの特性に適合しない場合には、いちいちチップ部品を交換しなければならず、交換の手間がめんどうであるという問題がある。また、特開平9−92364号公報に開示の3種類のジャンパコネクタにも、コネクタ本体の抵抗値が回路パターンの特性に適合しない場合には、いちいちチップ部品を交換しなければならず、交換の手間がめんどうであるという問題がある。
発明の開示
従って、本発明の目的は、前記従来のチップ部品の交換に際する手間と時間の無駄を省くことができ、補正が必要な回路パターンの伝送特性を簡単に補正することができる回路の伝送特性補正方法、補正構造、及びこの補正構造に使用される保持具を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の回路の伝送特性補正方法は、プリント回路基板の上に実装された電子部品の間を接続する回路の伝送特性を補正する方法であって、回路の回路パターン上に、所定距離離間させた2つの孔を設けておき、回路パターンの伝送特性を補正する場合には、2つの孔に少なくとも1つの回路部品を抜き差し可能に保持できる一対の保持具を取り付け、伝送特性の補正が不十分である場合には、保持具に別の回路部品を追加することにより、回路伝送特性が最適になるように補正することを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の回路の伝送特性補正構造は、プリント回路基板の上に実装された電子部品の間を接続する回路の伝送特性を補正する装置であって、回路の回路パターン上に所定距離離間して設けられた2つの孔と、孔の周囲の回路パターンを拡大して形成されたランド部と、2つの孔に挿入され、半田によって回路パターンと電気的に接続する、少なくとも1つの回路部品を交換可能に保持できる一体又は別体の一対の保持具、及び、一対の保持具の間に交換可能に取り付けられる形状を有し、内蔵される回路素子によって異なる機能となる複数種類の回路部材とを備えることを特徴としている。
この回路の伝送特性補正構造では、以下の形態が可能である。
(1)保持具が導電性金属から成るロッドであり、回路部材には2つの孔間の間隔と同じ間隔で貫通孔が設けられており、これらの貫通孔をロッドに挿通することにより、回路部材の両端が回路パターンに接続されるように構成されている形態。
この場合、ロッドの一端にヘッド部を設けることができる。また、ロッドの一端の近傍にフランジを形成し、このフランジから一端までの長さを、このロッドを取り付ける回路基板の板厚より長くすることができる。
(2)保持具が、絶縁性の材料からなるベースに2本のロッドを2つの孔間の間隔と同じ間隔で突設して構成されたものであり、このベースの底面側には、孔内に挿入されるロッドの基部が突出している形態。
(3)(1),(2)の形態において、回路部材の内部の貫通孔に隣接する部位に、バネ性を備えた端子が設けられており、これら端子のバネ部が貫通孔内に突出しており、これら端子の間に回路素子が接続されている形態。
(4)(1),(2)の形態において、回路部材の貫通孔の軸線上に、ベース部と対向する側壁部とからなるバネ性材料からなる端子が設けられており、軸線はベース部を貫通しており、側壁部の先端部は貫通孔内に突出しており、これら端子の間に回路素子が接続されている形態。
(5)保持具が、導電性金属から成る可撓性を有するホルダであり、このホルダの対向する部位には回路部材を受け入れる凹部が形成されており、一端には取付ピンが突設されており、ホルダは孔に取付ピンを挿通して、半田によって回路パターンと電気的に接続された状態でその基部が固着され、自由端側に設けられた凹部で少なくとも1つの回路部材を挟み込むことにより、回路部材の両端が回路パターンに接続されるように構成されている形態。
(6)(5)の形態において、回路部材が回路素子部と、この回路素子部の両端に位置する2つの導体部とから構成され、これら導体部の自由端部がホルダの凹部に保持される形状に形成されている形態。
(7)以上の全ての形態において、プリント回路基板の回路パターン形成面にレジストが施されており、ランド部と、このランド部間の配線パターンをカットする部位において、このレジストが少なくとも剥離されている形態。
更に、上記目的を達成する本発明の保持具は、プリント回路基板の上に形成された回路パターンの伝送特性を補正するために、回路パターン上に取り付けられてチップ状の回路部品を抜き差し可能に保持する保持具であって、可撓性を有するホルダ部と、このホルダ部を回路パターンに取り付ける取付基部とを備え、導電性金属から構成される一対のホルダから成り、一対のホルダのホルダ部の対向する部位には、回路部材の一方の端部を受け入れる凹部が複数個所形成されており、取付基部にはそれぞれ取付ピンが突設されており、取付ピンが回路パターン上の孔に挿通され、凹部が対向する状態で半田によって取付基部が回路パターンと電気的に接続されて使用されることを特徴としている。
以上のように構成された本発明の回路の伝送特性補正方法、補正構造、及びこの補正構造に使用される保持具によれば、半田を用いることなくダンピング抵抗等のチップ部品の定数変更を容易かつ効率的に行えることに加えて、複数個のチップ部品を1個所に配置できるので、チップ部品のモジュールを構成する成分を変化させて組み合わせることにより、コンデンサやフィルタとしての様々な機能を果たすことができるという効果がある。
発明を実施するための最良の態様
本発明は、高密度化されたプリント回路基板における実装部品間の回路パターンを流れる信号波形が劣化した場合に、それぞれの回路パターンの伝送特性に合ったダンピング抵抗等の回路素子を挿入することにより、回路パターンの伝送特性を補正して信号波形の劣化を防止する方法、構造、及びこの構造に使用される保持具を提供するものである。
図1Aは本発明の回路の伝送特性補正方法を適用する回路を示す図である。図1Aには、回路基板上に第1の集積回路(IC)1と第2の集積回路(IC)2とが実装され、IC1とIC2との間が複数本の回路パターン3で接続されている状態が示されている。このような回路に本発明を適用する場合、各回路パターン3の受信側のIC(ここではIC2とする)の近傍に、所定距離を隔てて2つのランド部4を設け、このランド部4の中央には貫通孔5を設けておく。この貫通孔5はスルホールとしても良い。
また、本発明では、後述するように、ジャンパまたは回路部品としての回路素子モジュールの実装スペースSが必要となるため、隣接する回路パターンに対しては、2つのランド部4を設ける位置を、実装スペースSが重ならないように、互い違いにずらせておく。
図1Bは図1Aの2つのランド部4の近傍を部分的に拡大した図である。一般に、回路基板の上には絶縁被覆としてのレジスト6が一面に施されており、ランド部4のように回路部品が半田付けされる場所には、レジスト6の剥離部7がある。一方、本発明では、2つのランド部4の間の部分の回路パターン3は、ランド部4に回路部品を取り付ける場合にはカットする必要があるので、この部分のレジスト6にも、回路パターン3をカットし易いようにレジスト剥離部8を設けている。この回路パターンカット用のレジスト剥離部8は、図1Cに示すように、スリット状に2個所に設けても良いものである。このように、回路パターン3の途中に回路パターンカット用のレジスト剥離部8を設けておけば、回路パターン3のカットがし易いと共に、レジスト6がないので回路パターンがカットされたか否かのを確認を確実に行うことができる。
図2Aから図3Bは、図1Aから図1Cで説明した回路パターン3に回路部品を取り付けるのに使用するジャンパピンの構成を示すものである。
図2Aは、本発明において回路部品を回路パターン3に取り付けるために使用するジャンパピン10の、第1の実施例の構成を示すものである。第1の実施例のジャンパピン10は、導電性金属から構成される円柱状のロッドを備えており、その一端にヘッド部11が設けられている。第1の実施例のジャンパピン10は、図2Bに示すように、回路パターン3が設けられた基板50の、ランド部4の裏面側から孔5に挿入し、半田18でランド部4に固定される。
図2Cは、本発明において回路部品を回路パターン3に取り付けるために使用するジャンパピン10の、第2の実施例の構成を示すものである。第2の実施例のジャンパピン10は、導電性金属から構成される円柱状のロッドを備えており、その一方の端部の近傍にフランジ部12が設けられている。フランジ部12からジャンパピン10の端部までの長さLは、このジャンパピン10が取り付けられる回路基板の厚さよりも長くなっている。第2の実施例のジャンパピン10は、図2Dに示すように、回路パターン3が設けられ基板50の、ランド部4側から孔5に挿入される。このため、孔5はスルホールとなっており、基板50の裏面側の孔5の周囲には裏面ランド部9が設けられている。第2の実施例のジャンパピン10は、表面ランド部4にフランジ部12が接触するまで差し込まれ、この時に裏面ランド部9から突出したジャンパピン10の端部が半田18により裏面ランド部9に固定される。
図3Aは、本発明において回路部品を回路パターン3に取り付けるために使用するジャンパピン10の、第3の実施例の構成を示すものである。第3の実施例のジャンパピン10は、導電性金属から構成される円柱状の2本のロッドが、矩形の薄板状のジャンパベース13に固着されて形成される。ジャンパベース13の裏面から突出するジャンパピン10の端部までの高さHは、このジャンパピン10が取り付けられる回路基板の厚さよりも大きくなっている。また、2本のジャンパピン10の間隔Pは、図1Aから図1Cに示した1つの回路パターン3の上の2つの孔5の間隔と同じである。
第3の実施例のジャンパピン10は、図3Bに示すように、回路パターン3が設けられた基板50の、ランド部4側から孔5に挿入されてジャンパベース13が回路パターン3の上に設置される。この時、前もって孔5と孔5の間の回路パターン3はカットしておく。2つの孔5はスルホールとなっており、基板50の裏面側の孔5の周囲には裏面ランド部9が設けられている。第3の実施例のジャンパピン10の端部は、回路パターン3の上にジャンパベース13が載置された状態で、裏面ランド部9から突出するので、これを裏面ランド部9に半田18を用いて固定することにより、2本のジャンパピン10が回路パターン3の上に固定される。
なお、第1から第3の実施例のジャンパピン10は、図1Aに示した回路パターン3の全ての孔5に予め取り付けておいても良いが、回路パターン3の伝送特性の補正が必要な時だけ後付けで取り付けるようにしても良いものである。
図4Aから図4Cは、図2Aから図3Bで説明した本発明で使用するジャンパピン10に取り付ける回路部品である回路素子モジュールの第1の形態を示すものである。図4Aは第1の形態の第1の実施例の抵抗モジュール20を示すものである。抵抗モジュール20は薄い板状の直方体の形状をしており、2つのピン挿通孔21を備えている。抵抗モジュール20に設けられている2つのピン挿通孔21の間の距離Qは、図1A〜1Cに示した2つの孔5の間の距離と同じである。また、抵抗モジュール20の2つの孔5の間には所定の抵抗値を有する抵抗成分が接続されている。従って、この抵抗モジュール20が2つのピン挿通孔21を介して2本のピンに取り付けられると、2本のピンの間に抵抗が接続された状態となる。
図4Bは第1の形態の第2の実施例のコンデンサモジュール30を示すものである。コンデンサモジュール30の外形は抵抗モジュール20と同じであり、2つのピン挿通孔31の間の距離も抵抗モジュール20と同じである。抵抗モジュール20との相違点は、コンデンサモジュールの2つの挿通孔31の間には、所定のキャパシタンスを備えたコンデンサが接続されている点のみである。従って、このコンデンサモジュール30が2つのピン挿通孔31を介して2本のピンに取り付けられると、2本のジャンパピン10の間にコンデンサが接続された状態となる。
図4Cは第1の形態の第3の実施例のコイルモジュール40を示すものである。コイルモジュール40の外形は抵抗モジュール20と同じであり、2つのピン挿通孔41の間の距離も抵抗モジュール20と同じである。抵抗モジュール20との相違点は、コイルモジュール40の2つの挿通孔41の間には、所定のインダクタンスを備えたコイルが接続されている点のみである。従って、このコイルモジュール40が2つのピン挿通孔41を介して2本のピンに取り付けられると、2本のジャンパピン10の間にコイルが接続された状態となる。
図4Dは、図4Aに示した抵抗モジュール20の内部の構成の一例を具体的に示すものである。抵抗モジュール20は全体が絶縁カバー22で覆われている。この絶縁カバー22の表面と裏面には2個所ずつピン挿通孔21が設けられている。ピン挿通孔21から絶縁カバー22の両端までの間には絶縁材料製のスペーサ23が設けられている。絶縁カバー22の内側には、ピン挿通孔21に対向する端子24がある。この端子24はバネ性を有しており、その一端がピン挿通孔21内に突出している。そして、ピン挿通孔21内にジャンパピンが挿入されると、端子24はジャンパピンに電気的に接触しつつ内部側に移動する。これら2つの端子24の背面側にはそれぞれ導電体25が設けられており、導電体25に挟まれて抵抗素子26がある。
コンデンサモジュール30及びコイルモジュール40も図4Dに示した抵抗モジュール20と同様の構造をしている。即ち、コンデンサモジュール30は、図4Dの抵抗素子26の部分にコンデンサが設けられたものであり、コイルモジュール40は図4Dの抵抗素子26の部分にコイルが設けられたものである。
ここで、以上のように構成された回路パターン3、ジャンパピン10、及び、抵抗モジュール20等の回路部品を用いて回路パターン3の伝送特性を補正する方法について説明する。
図1Aで説明した回路パターン3の1つの伝送特性を補正する場合は、まず、図5Aに示すように、伝送特性を補正する回路パターン3のランド部4とランド部4の間の部分をカットしてカット部19を形成する。この状態で、ランド部4の孔5に第1から第3の実施例のジャンパピン10の何れかを取り付ける。
図5Bは、本発明の回路の伝送特性補正方法の第1の実施例を説明するものである。第1の実施例では、ランド部4の孔5に第1又は第2の実施例のジャンパピン10を、図2B又は図2Dで説明したように固着し、これに抵抗モジュール20を取り付ける。抵抗モジュール20はピン挿通孔21にジャンパピン10を挿通するだけで簡単に取り付けられ、回路パターン3のランド部4の間に所定の抵抗がダンピング抵抗として挿入されることになる。
この状態で、抵抗モジュール20の抵抗値が適切ではなく、伝送特性にまだ改善の余地がある場合には、更に別の抵抗モジュール20を追加するか、或いは抵抗値の異なる別の抵抗モジュール20に交換すれば良い。例えば、別の抵抗モジュール20を既に取り付けられている抵抗モジュール20の上に追加する場合は、既に取り付けられている抵抗モジュール20の抵抗値を減らす場合であり、別の抵抗モジュールに交換する場合は、抵抗値を増やす場合である。
図5Cは、本発明の回路の伝送特性補正方法の第2の実施例を説明するものである。第2の実施例では、ランド部4の孔5に第3の実施例のジャンパピン10を、図3Bで説明したようにジャンパベース13と共に固着し、これに抵抗モジュール20を取り付ける。抵抗モジュール20はピン挿通孔21にジャンパピン10を挿通するだけで簡単に取り付けられ、回路パターン3に所定の抵抗がダンピング抵抗として挿入されることになる。
また、図5Cに示すように、抵抗モジュール20の代わりに、コンデンサモジュール30をジャンパピン10に取り付ければ、フィルタ回路を回路パターン3に挿入することができる。
そして、本発明では、ジャンパピン10に抵抗モジュール等の回路素子モジュールを取り付けていく構成にしたので、抵抗モジュールの上方に余ったジャンパピン10に波形測定用プローブを接触させることにより波形の確認も容易にできる。また、波形測定用プローブをジャンパピン10に接続させたまま、回路素子モジュールの追加、交換を容易に行うことができるので、回路の伝送特性を容易に補正することが可能である。
図6Aから6Cは、前述の本発明の回路の伝送特性補正方法の第1の実施例に使用する、ジャンパピン10に取り付ける回路素子モジュールの第2の形態を示すものである。第2の形態の回路素子モジュールは縦型をしている。
図6Aは第2の形態の第1の実施例であり、抵抗モジュール20Aの構成を示すものである。縦型をした抵抗モジュール20Aの絶縁カバー22Aの中には、バネ性を備えた2つの端子24Aが設けられている。そして、抵抗モジュール20Aのピン挿通孔21Aは矩形であり、この端子24Aのバネ性を有する部分を通り、端子24Aを上下方向に貫通して設けられている。2つの端子24Aの内部側にはそれぞれ導電体25Aが設けられており、導電体25Aに挟まれて抵抗素子26Aがある。
コンデンサモジュール30A及びコイルモジュール40Aも図6Aに示した抵抗モジュール20Aと同様の構造をしている。即ち、コンデンサモジュール30Aは、図6Bに示すように、抵抗モジュール20Aの抵抗素子26Aの部分にコンデンサ32Aが設けられたものであり、コイルモジュール40Aは、図6Cに示すように、抵抗モジュール20Aの抵抗素子26Aの部分にコイル42Aが設けられたものである。
図7Aから7Dは、本発明の回路の伝送特性補正方法の第2の実施例に使用する、ジャンパピン10に取り付ける回路部品の第3の形態を示すものである。第3の形態の回路部品は第1の形態の回路部品と同様に薄板状をしている。
図7Aは第3の形態の第1の実施例であり、抵抗モジュール20Bの構成を示すものである。薄板状をした抵抗モジュール20Bの構成は単純であり、図7Dにその断面を示すように、2つの導電体25Bで抵抗素子26Bを挟んだだけのものである。
コンデンサモジュール30B及びコイルモジュール40Bも図7Aに示した抵抗モジュール20Bと同様の構造をしている。即ち、コンデンサモジュール30Bは、図7Bに示すように、抵抗モジュール20Bの抵抗素子26Bの部分にコンデンサ32Bが設けられたものであり、コイルモジュール40Bは、図7Cに示すように、抵抗モジュール20Bの抵抗素子26Bの部分にコイル42Bが設けられたものである。
以上のように構成された第3の形態の抵抗モジュール20B、コンデンサモジュール30B、及びコイルモジュール40Bは、図8Aに示すような2つのホルダ14に挟んで使用される。ホルダ14はバネ性を有する縦長の本体部に回路部品を受け入れるための凹部15が複数個設けて構成されており、その基部にはホルダ14を基板に取り付けるための取付ピン16が突設されている。このホルダ14は、2個をその凹部15を対向させた状態で基板に固着して使用する。
ここで、以上のように構成された回路パターン3、ホルダ14、及び、抵抗モジュール20B等の回路素子モジュールを用いて回路パターン3の伝送特性を補正する方法について説明する。
図1Aで説明した回路パターン3の1つの伝送特性を補正する場合は、まず、図8Bに示すように、伝送特性を補正する回路パターン3のランド部4とランド部4の間の部分をカットしてカット部19を形成する。この状態で、ランド部4の孔5にホルダ14の取付ピン16を挿通し、ホルダ14の凹部15を対向させた状態で、ランド部4、或いは、裏面ランド部9に半田で固着する。
図8Cは基板50に固着したホルダ14の凹部15の間に抵抗モジュール20Bを取り付けた状態を示すものである。なお、この図には基板50上の回路パターンの図示は省略してある。抵抗モジュール20Bはホルダ14の凹部15の間に挿入するだけで簡単に取り付けられ、回路パターン3のランド部4の間に所定の抵抗がダンピング抵抗として挿入されることになる。
この状態で、ホルダ14に取り付けた抵抗モジュール20Bの抵抗値が適切ではなく、伝送特性にまだ改善の余地がある場合には、更に別の抵抗モジュール20Bを追加するか、或いは別の抵抗値を有する抵抗モジュール20Bに交換すれば良い。図8Cは、ホルダ14の間に同じサイズの抵抗モジュール20Bを複数個取り付けた例を示すものである。
一方、本発明に使用するホルダ14はバネ性を有するので、図8Cに示したサイズの抵抗モジュール20Bよりも大きなサイズの抵抗モジュール20Bを取り付けることができる。この例を図8Dに示す。図8Dは、大型の抵抗モジュール27を、ホルダ14の一番上の凹部15の間に取り付けた状態を示すものである。このように、本発明で使用するホルダ14は、従来では取り付けが困難であった回路部品を回路素子モジュールの形で回路パターン上に実装することができるので、サイズの異なるチップ部品への載せ替えも可能となって、かなりの種類の回路部品を保持することができる。
以上説明したように、本発明の方法によれば、半田を用いることなく、回路部品を交換することができるので、回路パターンの伝送特性を簡単に補正することができる。
図9Aは図1Aの回路パターン3において、ダンピング抵抗を付加しなかった場合の、1つの回路パターン3上の信号受信側の受信信号を示す波形図である。一般に、伝送回路では、受信側の信号波形に着目して伝送特性を検出するが、回路パターン3の上にダンピング抵抗が全くない場合は、図に破線で示すようにリンギング(波形の揺れ)が生じている。
これに対して、図9Bに示すように、図1Aの回路パターン3において、ダンピング抵抗を付加した場合は、回路パターン3の上にダンピング抵抗が全くない場合に比べて、図に破線で示すように、リンギング(波形の揺れ)が抑えられている。このリンギングを抑えるためのダンピング抵抗の値を決定することは、従来技術では大変な作業であったが、前述の実施例で説明したように、本発明では、ジャンパピン10またはホルダ14の間に挿入する回路部品の追加や交換が非常に簡単に行えるので、図9Bに示すようなリンギングを抑えた信号波形を容易に実現することができる。
産業上の利用可能性
本発明に示される、回路の伝送特性補正方法、構造、及びこの構造に使用される保持具によれば、半田を用いることなくダンピング抵抗等の回路定数変更を容易かつ効率的に行える他、モジュールを構成する成分を変化させて組み合わせることにより、コンデンサやフィルタとしての様々な機能を果たす効果がある。
【図面の簡単な説明】
本発明の上記および他の目的、特徴、利点等を以下に添付図面に示す実施例に従って詳細に説明するが、図中において、
図1Aは本発明の回路の伝送特性補正方法を適用する回路を示す図である。
図1Bは図1Aを部分的に拡大した図であり、レジストの形成状態の一例を示す図である。
図1Cは図1Aを部分的に拡大した図であり、レジストの形成状態の別の例を示す図である。
図2Aは本発明に使用するジャンパピンの第1の実施例を示す斜視図である。
図2Bは図2Aに示したジャンパピンの基板への固定方法を示す部分拡大断面図である。
図2Cは本発明に使用するジャンパピンの第2の実施例を示す斜視図である。
図2Dは図2Cに示したジャンパピンの基板への固定方法を示す部分拡大断面図である。
図3Aは本発明に使用するジャンパピンの第3の実施例を示す斜視図である。
図3Bは図3Aに示したジャンパピンの基板への固定方法を示す部分拡大断面図である。
図4Aは本発明に使用するジャンパピンに取り付ける回路部品の第1の形態の第1の実施例を示す斜視図である。
図4Bは本発明に使用するジャンパピンに取り付ける回路部品の第1の形態の第2の実施例を示す斜視図である。
図4Cは本発明に使用するジャンパピンに取り付ける回路部品の第1の形態の第3の実施例を示す斜視図である。
図4Dは図4Aに示した本発明に使用するジャンパピンに取り付ける回路部品の断面図である。
図5Aは図1Bの回路パターンの一部がカットされた状態を示す部分拡大図である。
図5Bは本発明の回路の伝送特性補正方法の第1の実施例を説明する組立斜視図である。
図5Cは本発明の回路の伝送特性補正方法の第2の実施例を説明する組立斜視図である。
図6Aは本発明に使用するジャンパピンに取り付ける回路部品の第2の形態の第1の実施例を示す斜視図である。
図6Bは本発明に使用するジャンパピンに取り付ける回路部品の第2の形態の第2の実施例を示す斜視図である。
図6Cは本発明に使用するジャンパピンに取り付ける回路部品の第2の形態の第3の実施例を示す斜視図である。
図7Aは本発明に使用する回路部品の第3の形態の第1の実施例を示す斜視図である。
図7Bは本発明に使用する回路部品の第3の形態の第2の実施例を示す斜視図である。
図7Cは本発明に使用する回路部品の第3の形態の第3の実施例を示す斜視図である。
図7Dは図7Aに示した回路部品の断面図である。
図8Aは本発明に使用するホルダの斜視図である。
図8Bは図7Aから7Cに示した回路部品を取り付けるホルダの構造、および、これを回路パターンに取り付けた状態を示す斜視図である。
図8Cは図8Bのホルダに図7Aから7Cに示した回路部品を取り付ける状態を説明する側面図である。
図8Dは、図8Bのホルダにサイズの大きな第3の形態の回路部品を取り付けた状態を示す側面図である。
図9Aは図1Aの回路において、ダンピング抵抗を付加しなかった場合の、1つの回路パターンの上の信号受信側の受信信号を示す波形図である。
図9Bは図1Aの回路において、ダンピング抵抗を付加した場合の、1つの回路パターンの上の信号受信側の受信信号を示す波形図である。
本発明は回路の伝送特性補正方法、補正構造、及びこの補正構造に使用される保持具に関し、特に、プリント回路基板上に実装される電子部品間を接続する回路パターンの伝送特性を補正する方法、補正構造、及びこの補正構造に使用される保持具に関するものである。
背景技術
パーソナルコンピュータの高速化に伴い、パーソナルコンピュータに内蔵されるプリント回路基板が高密度実装されつつある。一方、プリント回路基板が高密度化されると、プリント回路基板上に形成される回路パターンが多くなって微細化され、ノイズや線間容量等の影響によって回路パターンを流れる信号波形が劣化するおそれがある。このような信号波形の劣化に対処するには、それぞれの回路パターンの伝送特性に合ったダンピング抵抗を回路パターンに挿入し、回路パターンの抵抗値を変更して伝送特性を補正することが一般的である。
従来の回路パターンの伝送特性をダンピング抵抗の挿入によって補正する方法は、隙間を隔てて対向する回路パターン部(部品実装用のパッド)上にそれぞれ半田クリームを印刷しておき、チップ抵抗、チップコンデンサ、チップインダクタ等のチップ部品の両端部を回路パターンの半田クリーム上に置いてから、半田クリームに熱を加えて溶かし、チップ部品を回路パターン間に半田固定するものであった。
ところが、この従来の補正方法では、一旦半田固定したチップ部品を交換する際に、半田固定部を半田ゴテで再加熱して半田を溶かした後にチップ部品を交換し、別のチップ部品を再度半田固定しなければならないために、適切な値のチップ部品が見つかるまでこの作業を繰り返すと、回路パターンの剥がれや半田クワレ等の不具合が生じ、信頼度が劣るという問題があった。
この問題に対して、特開昭62−089394号公報には、回路基板にチップ部品を搭載してなる混成集積回路において、チップ部品の搭載部に部品ホルダを設けることが提案されている。この部品ホルダは、平坦な絶縁部の両端にスプリング性を持つ電極部を設けたものであり、電極部の底面板は回路パターン上に半田付けし、底面板の両側に設けられた側面板でチップ部品の一方の端部を挟んでチップ部品を電気的に接続しながら保持するものである。
また、回路パターンの抵抗値を容易に変更できるジャンパコネクタとしては、特開昭62−089394号公報に開示のホルダの他にも、特開平9−92364号公報に3種類のジャンパコネクタが開示されている。特開平9−92364号公報に開示される第1のジャンパコネクタは、絶縁板の上に貫通して設けられた複数本のポストの中の、2本のポスト間に挿入されるものであり、導電性エラストマーから成るコネクタ本体を絶縁性カバーで覆い、コネクタ本体にポストを挿通する嵌合孔を設けたものである。第2のジャンパコネクタは、側面視U字状の絶縁性カバーの内面に導電性エラストマーを積層したコネクタ本体を有し、プリント回路基板の縁部に装着してプリント回路基板の上下の面に形成された回路パターンを接続するものである。第3のジャンパコネクタは、同様の側面視U字状の絶縁性カバーを有し、対向する内面の一方に導電性エラストマーを積層したコネクタ本体を有し、プリント回路基板の縁部に装着してプリント回路基板の一方の面に形成された平行な回路パターンを接続するものである。
しかしながら、特開昭62−089394号公報に開示のホルダは、チップ部品が回路パターンの特性に適合しない場合には、いちいちチップ部品を交換しなければならず、交換の手間がめんどうであるという問題がある。また、特開平9−92364号公報に開示の3種類のジャンパコネクタにも、コネクタ本体の抵抗値が回路パターンの特性に適合しない場合には、いちいちチップ部品を交換しなければならず、交換の手間がめんどうであるという問題がある。
発明の開示
従って、本発明の目的は、前記従来のチップ部品の交換に際する手間と時間の無駄を省くことができ、補正が必要な回路パターンの伝送特性を簡単に補正することができる回路の伝送特性補正方法、補正構造、及びこの補正構造に使用される保持具を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の回路の伝送特性補正方法は、プリント回路基板の上に実装された電子部品の間を接続する回路の伝送特性を補正する方法であって、回路の回路パターン上に、所定距離離間させた2つの孔を設けておき、回路パターンの伝送特性を補正する場合には、2つの孔に少なくとも1つの回路部品を抜き差し可能に保持できる一対の保持具を取り付け、伝送特性の補正が不十分である場合には、保持具に別の回路部品を追加することにより、回路伝送特性が最適になるように補正することを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の回路の伝送特性補正構造は、プリント回路基板の上に実装された電子部品の間を接続する回路の伝送特性を補正する装置であって、回路の回路パターン上に所定距離離間して設けられた2つの孔と、孔の周囲の回路パターンを拡大して形成されたランド部と、2つの孔に挿入され、半田によって回路パターンと電気的に接続する、少なくとも1つの回路部品を交換可能に保持できる一体又は別体の一対の保持具、及び、一対の保持具の間に交換可能に取り付けられる形状を有し、内蔵される回路素子によって異なる機能となる複数種類の回路部材とを備えることを特徴としている。
この回路の伝送特性補正構造では、以下の形態が可能である。
(1)保持具が導電性金属から成るロッドであり、回路部材には2つの孔間の間隔と同じ間隔で貫通孔が設けられており、これらの貫通孔をロッドに挿通することにより、回路部材の両端が回路パターンに接続されるように構成されている形態。
この場合、ロッドの一端にヘッド部を設けることができる。また、ロッドの一端の近傍にフランジを形成し、このフランジから一端までの長さを、このロッドを取り付ける回路基板の板厚より長くすることができる。
(2)保持具が、絶縁性の材料からなるベースに2本のロッドを2つの孔間の間隔と同じ間隔で突設して構成されたものであり、このベースの底面側には、孔内に挿入されるロッドの基部が突出している形態。
(3)(1),(2)の形態において、回路部材の内部の貫通孔に隣接する部位に、バネ性を備えた端子が設けられており、これら端子のバネ部が貫通孔内に突出しており、これら端子の間に回路素子が接続されている形態。
(4)(1),(2)の形態において、回路部材の貫通孔の軸線上に、ベース部と対向する側壁部とからなるバネ性材料からなる端子が設けられており、軸線はベース部を貫通しており、側壁部の先端部は貫通孔内に突出しており、これら端子の間に回路素子が接続されている形態。
(5)保持具が、導電性金属から成る可撓性を有するホルダであり、このホルダの対向する部位には回路部材を受け入れる凹部が形成されており、一端には取付ピンが突設されており、ホルダは孔に取付ピンを挿通して、半田によって回路パターンと電気的に接続された状態でその基部が固着され、自由端側に設けられた凹部で少なくとも1つの回路部材を挟み込むことにより、回路部材の両端が回路パターンに接続されるように構成されている形態。
(6)(5)の形態において、回路部材が回路素子部と、この回路素子部の両端に位置する2つの導体部とから構成され、これら導体部の自由端部がホルダの凹部に保持される形状に形成されている形態。
(7)以上の全ての形態において、プリント回路基板の回路パターン形成面にレジストが施されており、ランド部と、このランド部間の配線パターンをカットする部位において、このレジストが少なくとも剥離されている形態。
更に、上記目的を達成する本発明の保持具は、プリント回路基板の上に形成された回路パターンの伝送特性を補正するために、回路パターン上に取り付けられてチップ状の回路部品を抜き差し可能に保持する保持具であって、可撓性を有するホルダ部と、このホルダ部を回路パターンに取り付ける取付基部とを備え、導電性金属から構成される一対のホルダから成り、一対のホルダのホルダ部の対向する部位には、回路部材の一方の端部を受け入れる凹部が複数個所形成されており、取付基部にはそれぞれ取付ピンが突設されており、取付ピンが回路パターン上の孔に挿通され、凹部が対向する状態で半田によって取付基部が回路パターンと電気的に接続されて使用されることを特徴としている。
以上のように構成された本発明の回路の伝送特性補正方法、補正構造、及びこの補正構造に使用される保持具によれば、半田を用いることなくダンピング抵抗等のチップ部品の定数変更を容易かつ効率的に行えることに加えて、複数個のチップ部品を1個所に配置できるので、チップ部品のモジュールを構成する成分を変化させて組み合わせることにより、コンデンサやフィルタとしての様々な機能を果たすことができるという効果がある。
発明を実施するための最良の態様
本発明は、高密度化されたプリント回路基板における実装部品間の回路パターンを流れる信号波形が劣化した場合に、それぞれの回路パターンの伝送特性に合ったダンピング抵抗等の回路素子を挿入することにより、回路パターンの伝送特性を補正して信号波形の劣化を防止する方法、構造、及びこの構造に使用される保持具を提供するものである。
図1Aは本発明の回路の伝送特性補正方法を適用する回路を示す図である。図1Aには、回路基板上に第1の集積回路(IC)1と第2の集積回路(IC)2とが実装され、IC1とIC2との間が複数本の回路パターン3で接続されている状態が示されている。このような回路に本発明を適用する場合、各回路パターン3の受信側のIC(ここではIC2とする)の近傍に、所定距離を隔てて2つのランド部4を設け、このランド部4の中央には貫通孔5を設けておく。この貫通孔5はスルホールとしても良い。
また、本発明では、後述するように、ジャンパまたは回路部品としての回路素子モジュールの実装スペースSが必要となるため、隣接する回路パターンに対しては、2つのランド部4を設ける位置を、実装スペースSが重ならないように、互い違いにずらせておく。
図1Bは図1Aの2つのランド部4の近傍を部分的に拡大した図である。一般に、回路基板の上には絶縁被覆としてのレジスト6が一面に施されており、ランド部4のように回路部品が半田付けされる場所には、レジスト6の剥離部7がある。一方、本発明では、2つのランド部4の間の部分の回路パターン3は、ランド部4に回路部品を取り付ける場合にはカットする必要があるので、この部分のレジスト6にも、回路パターン3をカットし易いようにレジスト剥離部8を設けている。この回路パターンカット用のレジスト剥離部8は、図1Cに示すように、スリット状に2個所に設けても良いものである。このように、回路パターン3の途中に回路パターンカット用のレジスト剥離部8を設けておけば、回路パターン3のカットがし易いと共に、レジスト6がないので回路パターンがカットされたか否かのを確認を確実に行うことができる。
図2Aから図3Bは、図1Aから図1Cで説明した回路パターン3に回路部品を取り付けるのに使用するジャンパピンの構成を示すものである。
図2Aは、本発明において回路部品を回路パターン3に取り付けるために使用するジャンパピン10の、第1の実施例の構成を示すものである。第1の実施例のジャンパピン10は、導電性金属から構成される円柱状のロッドを備えており、その一端にヘッド部11が設けられている。第1の実施例のジャンパピン10は、図2Bに示すように、回路パターン3が設けられた基板50の、ランド部4の裏面側から孔5に挿入し、半田18でランド部4に固定される。
図2Cは、本発明において回路部品を回路パターン3に取り付けるために使用するジャンパピン10の、第2の実施例の構成を示すものである。第2の実施例のジャンパピン10は、導電性金属から構成される円柱状のロッドを備えており、その一方の端部の近傍にフランジ部12が設けられている。フランジ部12からジャンパピン10の端部までの長さLは、このジャンパピン10が取り付けられる回路基板の厚さよりも長くなっている。第2の実施例のジャンパピン10は、図2Dに示すように、回路パターン3が設けられ基板50の、ランド部4側から孔5に挿入される。このため、孔5はスルホールとなっており、基板50の裏面側の孔5の周囲には裏面ランド部9が設けられている。第2の実施例のジャンパピン10は、表面ランド部4にフランジ部12が接触するまで差し込まれ、この時に裏面ランド部9から突出したジャンパピン10の端部が半田18により裏面ランド部9に固定される。
図3Aは、本発明において回路部品を回路パターン3に取り付けるために使用するジャンパピン10の、第3の実施例の構成を示すものである。第3の実施例のジャンパピン10は、導電性金属から構成される円柱状の2本のロッドが、矩形の薄板状のジャンパベース13に固着されて形成される。ジャンパベース13の裏面から突出するジャンパピン10の端部までの高さHは、このジャンパピン10が取り付けられる回路基板の厚さよりも大きくなっている。また、2本のジャンパピン10の間隔Pは、図1Aから図1Cに示した1つの回路パターン3の上の2つの孔5の間隔と同じである。
第3の実施例のジャンパピン10は、図3Bに示すように、回路パターン3が設けられた基板50の、ランド部4側から孔5に挿入されてジャンパベース13が回路パターン3の上に設置される。この時、前もって孔5と孔5の間の回路パターン3はカットしておく。2つの孔5はスルホールとなっており、基板50の裏面側の孔5の周囲には裏面ランド部9が設けられている。第3の実施例のジャンパピン10の端部は、回路パターン3の上にジャンパベース13が載置された状態で、裏面ランド部9から突出するので、これを裏面ランド部9に半田18を用いて固定することにより、2本のジャンパピン10が回路パターン3の上に固定される。
なお、第1から第3の実施例のジャンパピン10は、図1Aに示した回路パターン3の全ての孔5に予め取り付けておいても良いが、回路パターン3の伝送特性の補正が必要な時だけ後付けで取り付けるようにしても良いものである。
図4Aから図4Cは、図2Aから図3Bで説明した本発明で使用するジャンパピン10に取り付ける回路部品である回路素子モジュールの第1の形態を示すものである。図4Aは第1の形態の第1の実施例の抵抗モジュール20を示すものである。抵抗モジュール20は薄い板状の直方体の形状をしており、2つのピン挿通孔21を備えている。抵抗モジュール20に設けられている2つのピン挿通孔21の間の距離Qは、図1A〜1Cに示した2つの孔5の間の距離と同じである。また、抵抗モジュール20の2つの孔5の間には所定の抵抗値を有する抵抗成分が接続されている。従って、この抵抗モジュール20が2つのピン挿通孔21を介して2本のピンに取り付けられると、2本のピンの間に抵抗が接続された状態となる。
図4Bは第1の形態の第2の実施例のコンデンサモジュール30を示すものである。コンデンサモジュール30の外形は抵抗モジュール20と同じであり、2つのピン挿通孔31の間の距離も抵抗モジュール20と同じである。抵抗モジュール20との相違点は、コンデンサモジュールの2つの挿通孔31の間には、所定のキャパシタンスを備えたコンデンサが接続されている点のみである。従って、このコンデンサモジュール30が2つのピン挿通孔31を介して2本のピンに取り付けられると、2本のジャンパピン10の間にコンデンサが接続された状態となる。
図4Cは第1の形態の第3の実施例のコイルモジュール40を示すものである。コイルモジュール40の外形は抵抗モジュール20と同じであり、2つのピン挿通孔41の間の距離も抵抗モジュール20と同じである。抵抗モジュール20との相違点は、コイルモジュール40の2つの挿通孔41の間には、所定のインダクタンスを備えたコイルが接続されている点のみである。従って、このコイルモジュール40が2つのピン挿通孔41を介して2本のピンに取り付けられると、2本のジャンパピン10の間にコイルが接続された状態となる。
図4Dは、図4Aに示した抵抗モジュール20の内部の構成の一例を具体的に示すものである。抵抗モジュール20は全体が絶縁カバー22で覆われている。この絶縁カバー22の表面と裏面には2個所ずつピン挿通孔21が設けられている。ピン挿通孔21から絶縁カバー22の両端までの間には絶縁材料製のスペーサ23が設けられている。絶縁カバー22の内側には、ピン挿通孔21に対向する端子24がある。この端子24はバネ性を有しており、その一端がピン挿通孔21内に突出している。そして、ピン挿通孔21内にジャンパピンが挿入されると、端子24はジャンパピンに電気的に接触しつつ内部側に移動する。これら2つの端子24の背面側にはそれぞれ導電体25が設けられており、導電体25に挟まれて抵抗素子26がある。
コンデンサモジュール30及びコイルモジュール40も図4Dに示した抵抗モジュール20と同様の構造をしている。即ち、コンデンサモジュール30は、図4Dの抵抗素子26の部分にコンデンサが設けられたものであり、コイルモジュール40は図4Dの抵抗素子26の部分にコイルが設けられたものである。
ここで、以上のように構成された回路パターン3、ジャンパピン10、及び、抵抗モジュール20等の回路部品を用いて回路パターン3の伝送特性を補正する方法について説明する。
図1Aで説明した回路パターン3の1つの伝送特性を補正する場合は、まず、図5Aに示すように、伝送特性を補正する回路パターン3のランド部4とランド部4の間の部分をカットしてカット部19を形成する。この状態で、ランド部4の孔5に第1から第3の実施例のジャンパピン10の何れかを取り付ける。
図5Bは、本発明の回路の伝送特性補正方法の第1の実施例を説明するものである。第1の実施例では、ランド部4の孔5に第1又は第2の実施例のジャンパピン10を、図2B又は図2Dで説明したように固着し、これに抵抗モジュール20を取り付ける。抵抗モジュール20はピン挿通孔21にジャンパピン10を挿通するだけで簡単に取り付けられ、回路パターン3のランド部4の間に所定の抵抗がダンピング抵抗として挿入されることになる。
この状態で、抵抗モジュール20の抵抗値が適切ではなく、伝送特性にまだ改善の余地がある場合には、更に別の抵抗モジュール20を追加するか、或いは抵抗値の異なる別の抵抗モジュール20に交換すれば良い。例えば、別の抵抗モジュール20を既に取り付けられている抵抗モジュール20の上に追加する場合は、既に取り付けられている抵抗モジュール20の抵抗値を減らす場合であり、別の抵抗モジュールに交換する場合は、抵抗値を増やす場合である。
図5Cは、本発明の回路の伝送特性補正方法の第2の実施例を説明するものである。第2の実施例では、ランド部4の孔5に第3の実施例のジャンパピン10を、図3Bで説明したようにジャンパベース13と共に固着し、これに抵抗モジュール20を取り付ける。抵抗モジュール20はピン挿通孔21にジャンパピン10を挿通するだけで簡単に取り付けられ、回路パターン3に所定の抵抗がダンピング抵抗として挿入されることになる。
また、図5Cに示すように、抵抗モジュール20の代わりに、コンデンサモジュール30をジャンパピン10に取り付ければ、フィルタ回路を回路パターン3に挿入することができる。
そして、本発明では、ジャンパピン10に抵抗モジュール等の回路素子モジュールを取り付けていく構成にしたので、抵抗モジュールの上方に余ったジャンパピン10に波形測定用プローブを接触させることにより波形の確認も容易にできる。また、波形測定用プローブをジャンパピン10に接続させたまま、回路素子モジュールの追加、交換を容易に行うことができるので、回路の伝送特性を容易に補正することが可能である。
図6Aから6Cは、前述の本発明の回路の伝送特性補正方法の第1の実施例に使用する、ジャンパピン10に取り付ける回路素子モジュールの第2の形態を示すものである。第2の形態の回路素子モジュールは縦型をしている。
図6Aは第2の形態の第1の実施例であり、抵抗モジュール20Aの構成を示すものである。縦型をした抵抗モジュール20Aの絶縁カバー22Aの中には、バネ性を備えた2つの端子24Aが設けられている。そして、抵抗モジュール20Aのピン挿通孔21Aは矩形であり、この端子24Aのバネ性を有する部分を通り、端子24Aを上下方向に貫通して設けられている。2つの端子24Aの内部側にはそれぞれ導電体25Aが設けられており、導電体25Aに挟まれて抵抗素子26Aがある。
コンデンサモジュール30A及びコイルモジュール40Aも図6Aに示した抵抗モジュール20Aと同様の構造をしている。即ち、コンデンサモジュール30Aは、図6Bに示すように、抵抗モジュール20Aの抵抗素子26Aの部分にコンデンサ32Aが設けられたものであり、コイルモジュール40Aは、図6Cに示すように、抵抗モジュール20Aの抵抗素子26Aの部分にコイル42Aが設けられたものである。
図7Aから7Dは、本発明の回路の伝送特性補正方法の第2の実施例に使用する、ジャンパピン10に取り付ける回路部品の第3の形態を示すものである。第3の形態の回路部品は第1の形態の回路部品と同様に薄板状をしている。
図7Aは第3の形態の第1の実施例であり、抵抗モジュール20Bの構成を示すものである。薄板状をした抵抗モジュール20Bの構成は単純であり、図7Dにその断面を示すように、2つの導電体25Bで抵抗素子26Bを挟んだだけのものである。
コンデンサモジュール30B及びコイルモジュール40Bも図7Aに示した抵抗モジュール20Bと同様の構造をしている。即ち、コンデンサモジュール30Bは、図7Bに示すように、抵抗モジュール20Bの抵抗素子26Bの部分にコンデンサ32Bが設けられたものであり、コイルモジュール40Bは、図7Cに示すように、抵抗モジュール20Bの抵抗素子26Bの部分にコイル42Bが設けられたものである。
以上のように構成された第3の形態の抵抗モジュール20B、コンデンサモジュール30B、及びコイルモジュール40Bは、図8Aに示すような2つのホルダ14に挟んで使用される。ホルダ14はバネ性を有する縦長の本体部に回路部品を受け入れるための凹部15が複数個設けて構成されており、その基部にはホルダ14を基板に取り付けるための取付ピン16が突設されている。このホルダ14は、2個をその凹部15を対向させた状態で基板に固着して使用する。
ここで、以上のように構成された回路パターン3、ホルダ14、及び、抵抗モジュール20B等の回路素子モジュールを用いて回路パターン3の伝送特性を補正する方法について説明する。
図1Aで説明した回路パターン3の1つの伝送特性を補正する場合は、まず、図8Bに示すように、伝送特性を補正する回路パターン3のランド部4とランド部4の間の部分をカットしてカット部19を形成する。この状態で、ランド部4の孔5にホルダ14の取付ピン16を挿通し、ホルダ14の凹部15を対向させた状態で、ランド部4、或いは、裏面ランド部9に半田で固着する。
図8Cは基板50に固着したホルダ14の凹部15の間に抵抗モジュール20Bを取り付けた状態を示すものである。なお、この図には基板50上の回路パターンの図示は省略してある。抵抗モジュール20Bはホルダ14の凹部15の間に挿入するだけで簡単に取り付けられ、回路パターン3のランド部4の間に所定の抵抗がダンピング抵抗として挿入されることになる。
この状態で、ホルダ14に取り付けた抵抗モジュール20Bの抵抗値が適切ではなく、伝送特性にまだ改善の余地がある場合には、更に別の抵抗モジュール20Bを追加するか、或いは別の抵抗値を有する抵抗モジュール20Bに交換すれば良い。図8Cは、ホルダ14の間に同じサイズの抵抗モジュール20Bを複数個取り付けた例を示すものである。
一方、本発明に使用するホルダ14はバネ性を有するので、図8Cに示したサイズの抵抗モジュール20Bよりも大きなサイズの抵抗モジュール20Bを取り付けることができる。この例を図8Dに示す。図8Dは、大型の抵抗モジュール27を、ホルダ14の一番上の凹部15の間に取り付けた状態を示すものである。このように、本発明で使用するホルダ14は、従来では取り付けが困難であった回路部品を回路素子モジュールの形で回路パターン上に実装することができるので、サイズの異なるチップ部品への載せ替えも可能となって、かなりの種類の回路部品を保持することができる。
以上説明したように、本発明の方法によれば、半田を用いることなく、回路部品を交換することができるので、回路パターンの伝送特性を簡単に補正することができる。
図9Aは図1Aの回路パターン3において、ダンピング抵抗を付加しなかった場合の、1つの回路パターン3上の信号受信側の受信信号を示す波形図である。一般に、伝送回路では、受信側の信号波形に着目して伝送特性を検出するが、回路パターン3の上にダンピング抵抗が全くない場合は、図に破線で示すようにリンギング(波形の揺れ)が生じている。
これに対して、図9Bに示すように、図1Aの回路パターン3において、ダンピング抵抗を付加した場合は、回路パターン3の上にダンピング抵抗が全くない場合に比べて、図に破線で示すように、リンギング(波形の揺れ)が抑えられている。このリンギングを抑えるためのダンピング抵抗の値を決定することは、従来技術では大変な作業であったが、前述の実施例で説明したように、本発明では、ジャンパピン10またはホルダ14の間に挿入する回路部品の追加や交換が非常に簡単に行えるので、図9Bに示すようなリンギングを抑えた信号波形を容易に実現することができる。
産業上の利用可能性
本発明に示される、回路の伝送特性補正方法、構造、及びこの構造に使用される保持具によれば、半田を用いることなくダンピング抵抗等の回路定数変更を容易かつ効率的に行える他、モジュールを構成する成分を変化させて組み合わせることにより、コンデンサやフィルタとしての様々な機能を果たす効果がある。
【図面の簡単な説明】
本発明の上記および他の目的、特徴、利点等を以下に添付図面に示す実施例に従って詳細に説明するが、図中において、
図1Aは本発明の回路の伝送特性補正方法を適用する回路を示す図である。
図1Bは図1Aを部分的に拡大した図であり、レジストの形成状態の一例を示す図である。
図1Cは図1Aを部分的に拡大した図であり、レジストの形成状態の別の例を示す図である。
図2Aは本発明に使用するジャンパピンの第1の実施例を示す斜視図である。
図2Bは図2Aに示したジャンパピンの基板への固定方法を示す部分拡大断面図である。
図2Cは本発明に使用するジャンパピンの第2の実施例を示す斜視図である。
図2Dは図2Cに示したジャンパピンの基板への固定方法を示す部分拡大断面図である。
図3Aは本発明に使用するジャンパピンの第3の実施例を示す斜視図である。
図3Bは図3Aに示したジャンパピンの基板への固定方法を示す部分拡大断面図である。
図4Aは本発明に使用するジャンパピンに取り付ける回路部品の第1の形態の第1の実施例を示す斜視図である。
図4Bは本発明に使用するジャンパピンに取り付ける回路部品の第1の形態の第2の実施例を示す斜視図である。
図4Cは本発明に使用するジャンパピンに取り付ける回路部品の第1の形態の第3の実施例を示す斜視図である。
図4Dは図4Aに示した本発明に使用するジャンパピンに取り付ける回路部品の断面図である。
図5Aは図1Bの回路パターンの一部がカットされた状態を示す部分拡大図である。
図5Bは本発明の回路の伝送特性補正方法の第1の実施例を説明する組立斜視図である。
図5Cは本発明の回路の伝送特性補正方法の第2の実施例を説明する組立斜視図である。
図6Aは本発明に使用するジャンパピンに取り付ける回路部品の第2の形態の第1の実施例を示す斜視図である。
図6Bは本発明に使用するジャンパピンに取り付ける回路部品の第2の形態の第2の実施例を示す斜視図である。
図6Cは本発明に使用するジャンパピンに取り付ける回路部品の第2の形態の第3の実施例を示す斜視図である。
図7Aは本発明に使用する回路部品の第3の形態の第1の実施例を示す斜視図である。
図7Bは本発明に使用する回路部品の第3の形態の第2の実施例を示す斜視図である。
図7Cは本発明に使用する回路部品の第3の形態の第3の実施例を示す斜視図である。
図7Dは図7Aに示した回路部品の断面図である。
図8Aは本発明に使用するホルダの斜視図である。
図8Bは図7Aから7Cに示した回路部品を取り付けるホルダの構造、および、これを回路パターンに取り付けた状態を示す斜視図である。
図8Cは図8Bのホルダに図7Aから7Cに示した回路部品を取り付ける状態を説明する側面図である。
図8Dは、図8Bのホルダにサイズの大きな第3の形態の回路部品を取り付けた状態を示す側面図である。
図9Aは図1Aの回路において、ダンピング抵抗を付加しなかった場合の、1つの回路パターンの上の信号受信側の受信信号を示す波形図である。
図9Bは図1Aの回路において、ダンピング抵抗を付加した場合の、1つの回路パターンの上の信号受信側の受信信号を示す波形図である。
Claims (12)
- プリント回路基板の上に実装された電子部品の間を接続する回路の伝送特性を補正する方法であって、
前記回路の回路パターン上に、所定距離離間させた2つの孔を設けておき、前記回路パターンの伝送特性を補正する場合には、前記2つの孔に少なくとも1つの回路部品を抜き差し可能に保持できる一対の保持具を取り付け、伝送特性の補正が不十分である場合には、前記保持具に別の回路部品を追加することにより、前記回路伝送特性が最適になるように補正することを特徴とする回路の伝送特性補正方法。 - プリント回路基板の上に実装された電子部品の間を接続する回路の伝送特性を補正する構造であって、
前記回路の回路パターン上に所定距離離間して設けられた2つの孔と、
前記孔の周囲の回路パターンを拡大して形成されたランド部と、
前記2つの孔に挿入され、半田によって前記回路パターンと電気的に接続する、少なくとも1つの回路部品を交換可能に保持できる一体又は別体の一対の保持具、及び、
前記一対の保持具の間に交換可能に取り付けられる形状を有し、内蔵される回路素子によって異なる機能となる複数種類の回路部材とを備えることを特徴とする回路の伝送特性補正構造。 - 前記保持具が、導電性金属から成るロッドであり、前記回路部材には、前記2つの孔間の間隔と同じ間隔で貫通孔が設けられており、これらの貫通孔を前記ロッドに挿通することにより、前記回路部材の両端が前記回路パターンに接続されるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の回路の伝送特性補正構造。
- 前記ロッドの一端にヘッド部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の回路の伝送特性補正構造。
- 前記ロッドの一端の近傍にフランジが形成されており、このフランジから前記一端までの長さは、このロッドを取り付ける回路基板の板厚より長いことを特徴とする請求項3に記載の回路の伝送特性補正構造。
- 前記保持具が、絶縁性の材料からなるベースに2本の前記ロッドを前記2つの孔間の間隔と同じ間隔で突設して構成されたものであり、このベースの底面側には、前記孔内に挿入される前記ロッドの基部が突出していることを特徴とする請求項3に記載の回路の伝送特性補正構造。
- 前記回路部材の内部の前記貫通孔に隣接する部位に、バネ性を備えた端子が設けられており、これら端子のバネ部が前記貫通孔内に突出しており、これら端子の間に回路素子が接続されていることを特徴とする請求項3から6の何れか1項に記載の回路の伝送特性補正構造。
- 前記回路部材の前記貫通孔の軸線上に、ベース部と対向する側壁部とからなるバネ性材料からなる端子が設けられており、前記軸線は前記ベース部を貫通しており、前記側壁部の先端部は、前記貫通孔内に突出しており、これら端子の間に回路素子が接続されていることを特徴とする請求項3から6の何れか1項に記載の回路の伝送特性補正構造。
- 前記保持具が、導電性金属から成る可撓性を有するホルダであり、このホルダの対向する部位には前記回路部材を受け入れる凹部が形成されており、一端には取付ピンが突設されており、前記ホルダは前記孔に前記取付ピンを挿通して、半田によって前記回路パターンと電気的に接続された状態でその基部が固着され、自由端側に設けられた前記凹部で少なくとも1つの回路部材を挟み込むことにより、前記回路部材の両端が前記回路パターンに接続されるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の回路の伝送特性補正構造。
- 前記回路部材は回路素子部と、この回路素子部の両端に位置する2つの導体部とから構成され、これら導体部の自由端部は前記ホルダの凹部に保持される形状に形成されていることを特徴とする請求項9に記載の回路の伝送特性補正構造。
- 前記プリント回路基板の回路パターン形成面にレジストが施されており、前記ランド部と、このランド部間の配線パターンをカットする部位において、このレジストが少なくとも剥離されていることを特徴とする請求項2から10の何れか1項に記載の回路の伝送特性補正構造。
- プリント回路基板の上に形成された回路パターンの伝送特性を補正するために、前記回路パターン上に取り付けられてチップ状の回路部品を抜き差し可能に保持する保持具であって、
可撓性を有するホルダ部と、このホルダ部を前記回路パターンに取り付ける取付基部とを備え、導電性金属から構成される一対のホルダから成り、
前記一対のホルダのホルダ部の対向する部位には、前記回路部材の一方の端部を受け入れる凹部が複数個所形成されており、
前記取付基部にはそれぞれ取付ピンが突設されており、
前記取付ピンが前記回路パターン上の孔に挿通され、前記凹部が対向する状態で半田によって前記取付基部が前記回路パターンと電気的に接続されて使用されることを特徴とする保持具。
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