以下、実施形態のケーブルおよび配線器具について説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
(第1の実施形態)
第1の実施形態のケーブル15が利用される給電システム1の一例について説明する。給電システム1の構成は、例えば、後述する第2実施形態や変形例でも共通である。
図1は、本実施形態のケーブル15が利用される給電システム1の一例を示す斜視図である。給電システム1は、例えば、電源装置11、分電盤12(電流分配装置)、複数の負荷装置13、筐体14、および複数のケーブル15を備えている。給電システム1は、蓄電池16をさらに備えていてもよい。蓄電池16は、鉛電池、リチウムイオン電池などの2次電池である。
電源装置11は、例えば、分電盤12を介して複数の負荷装置13に比較的高圧(例えば400V)の直流電力を供給する直流電源装置である。ただし、電源装置11は、上記例に限定されない。電源装置11は、電源PSから供給される交流電力を直流電力に変換して分電盤12に供給する整流装置でもよく、電源PSから供給される電力を所定の電力に変換して分電盤12に供給する電力変換装置(コンバータ)でもよい。電源装置11は、直流電力を蓄電池16に供給して蓄電池16を充電し、蓄電池16からの直流電力を所定の電力に変換して分電盤12に供給する電力変換装置(コンバータ)であってもよい。
分電盤12は、電源装置11と複数の負荷装置13との間に配置され、電源装置11から供給される電力を複数の負荷装置13に分けて供給する。分電盤12は、複数の負荷装置13に流れる電流を分流して分配する。なお、給電システム1は、分電盤12に代えて、筐体14に収容された分電ユニット12Aを設けてもよい。分電ユニット12Aは、分電盤12と略同じ役割を果たす。また、分電盤12および分電ユニット12Aは、必須の構成要素ではなく、省略されてもよい。この場合、電源装置11と各負荷装置13は、ケーブル15によって直接に接続されてもよい。
負荷装置13は、例えば、分電盤12を介して電源装置11から供給される直流電力により機能する。負荷装置13は、サーバ装置、通信機器などのICT(Information and Communication Technology)装置、または大容量記憶装置などであるが、これらに限定されない。複数の負荷装置13は、例えば、共通の筐体14(例えばラック)に収容されている。複数の負荷装置13は、例えば、電気的特性が互いに異なる。言い換えると、各負荷装置13に求められる電気的機能は、互いに異なる。
複数のケーブル15は、第1ケーブル15Aと、複数の第2ケーブル15Bとを含む。第1ケーブル15Aは、電源装置11と分電盤12とを電気的に接続し、電源装置11からの直流電力を分電盤12に供給する。一方で、第2ケーブル15Bは、分電盤12と負荷装置13とを個別に接続し、分電盤12により分けられた直流電力を負荷装置13に供給する。第1ケーブル15Aおよび第2ケーブル15Bは、電源装置11、分電盤12、および負荷装置13のうち少なくともに1つで求められる電気的機能を追加する機能ケーブルである。なお、本明細書では、第1ケーブル15Aと第2ケーブル15Bとを互いに区別しない場合は、単に「ケーブル15」と称する。
次に、本実施形態のケーブル15について詳しく説明する。ただし、以下に示す構成はあくまで例示であり、ケーブル15の構成および機能は、以下の例に限定されない。
図2は、本実施形態のケーブル15を用いた給電システム1の配線構造の一例を示す図である。図2に示すように、ケーブル15は、例えば、第1コード部21、第2コード部22、および機能付与部23を有する。第1コード部21は、第1装置(例えば電源装置11、分電盤12または蓄電池16)と機能付与部23との間に設けられ、第1装置と機能付与部23とを電気的に接続している。第1コード部21は、第1装置に接続されるプラグ21aと、機能付与部23に接続されるプラグ21bとを有する。第2コード部22は、機能付与部23と、第2装置(例えば分電盤12または負荷装置13)との間に設けられ、機能付与部23と第2装置とを電気的に接続している。第2コード部22は、第2装置に接続されるプラグ22aと、機能付与部23に接続されるプラグ22bとを有する。
機能付与部23は、第1コード部21と第2コード部22との間に位置する。機能付与部23は、第1装置および第2装置のうち少なくとも一方により求められる電気的機能を有する。機能付与部23は、「配線器具」の一例である。なお、機能付与部23は、プラグ21b,22bが差し込まれる受け口に代えて、別の形状の端子を有してもよい。また、機能付与部23は、第1装置または第2装置に直接に取り付けられてもよい。すなわち、配線器具としての機能付与部23は、コードを有しなくてもよい。機能付与部23は、「機能コネクタ」と称されてもよい。
次に、機能付与部23の構成について詳しく説明する。
図3は、機能付与部23の物理的構成の一例を示す斜視図である。図4は、機能付与部23の電気的構成の一例を示す図である。ここで、+X方向、-X方向、+Y方向、-Y方向、+Z方向、および-Z方向について先に定義する。+X方向は、第1コード部21から第2コード部22に向かう方向である。-X方向は、+X方向とは反対方向である。+X方向と-X方向とを区別しない場合は、単に「X方向」と称する。+Y方向および-Y方向は、X方向とは異なる(例えば略直交する)方向である。+Y方向は、機能付与部23において正極線41、接地線42、および負極線43が並ぶ方向である。-Y方向は、+Y方向とは反対方向である。+Y方向と-Y方向とを区別しない場合は、単に「Y方向」と称する。+Z方向および-Z方向は、X方向およびY方向とは異なる(例えば略直交する)方向である。+Z方向は、機能付与部23のベースユニット31から機能ユニット32A,32B,32Cに向かう方向である。-Z方向は、+Z方向とは反対方向である。+Z方向と-Z方向とを区別しない場合は、単に「Z方向」と称する。
機能付与部23は、ベースユニット31(配線器具本体)と、複数の機能ユニット32A,32B,32Cとを有する。
まず、ベースユニット31について説明する。ベースユニット31は、第1コード部21と第2コード部22との間に配置され、第1コード部21と第2コード部22とにそれぞれ電気的に接続されている。本実施形態では、ベースユニット31、第1コード部21、および第2コード部22により、「ケーブル本体」の一例が形成されている。ベースユニット31は、機能付与部23の基台を形成しており、複数の機能ユニット32A,32B,32Cが着脱可能に取り付けられる。
詳しく述べると、ベースユニット31は、ベースケース40、正極線41(正極導体)、接地線42(接地極導体)、負極線43(負極導体)、第1コード接続端子部44(電源装置側端子部)、第2コード接続端子部45(負荷装置側端子部)、第1機能ユニット接続端子部46、第2機能ユニット接続端子部47、および第3機能ユニット接続端子部48を有する。
ベースケース40は、例えばX方向に沿う直方体の箱状に形成されている。ベースケース40は、例えば、Z方向の幅に比べてY方向の幅が広い扁平状に形成されている。ベースケース40は、第1コード部21に隣り合う第1端部40aと、第2コード部22に隣り合う第2端部40bとを有する。ベースケース40は、複数の機能ユニット32A,32B,32Cが着脱可能に取り付けられる取付面Sを有する。取付面Sは、例えば、X方向およびY方向に沿う平面である。
正極線41、接地線42、および負極線43は、ベースケース40に収容されている。正極線41は、「第1極線(第1極導体)」の一例である。接地線42は、「第2極線(第2極導体)」の一例である。負極線43は、「第3極線(第3極導体)」の一例である。正極線41、接地線42、および負極線43、例えば、この順で+Y方向に並べられている。本実施形態では、正極線41は、ベースケース40の内部で第1部分41aと第2部分41bとに分断されている(図4参照)。接地線42は、ベースケース40の内部で第1部分42aと第2部分42bとに分断されている。負極線43は、ベースケース40の内部で第1部分43aと第2部分43bとに分断されている。
第1コード接続端子部44は、ベースケース40の第1端部40aに設けられている。第1コード接続端子部44は、正極端子44a、接地端子44b、および負極端子44cを有する。正極端子44aは、ベースケース40の内部で正極線41の第1部分41aに接続されている。接地端子44bは、ベースケース40の内部で接地線42の第1部分42aに接続されている。負極端子44cは、ベースケース40の内部で負極線43の第1部分43aに接続されている。第1コード接続端子部44の正極端子44a、接地端子44b、および負極端子44cは、第1コード部21のプラグ21bの正極端子、接地端子、および負極端子にそれぞれ接続される。第1コード部21のプラグ21bの正極端子、接地端子、および負極端子は、第1コード部21の正極線、接地線、および負極線を介して、第1装置に電気的に接続される。
第2コード接続端子部45は、ベースケース40の第2端部40bに設けられている。第2コード接続端子部45は、正極端子45a、接地端子45b、および負極端子45cを有する。正極端子45aは、ベースケース40の内部で正極線41の第2部分41bに接続されている。接地端子45bは、ベースケース40の内部で接地線42の第2部分42bに接続されている。負極端子45cは、ベースケース40の内部で負極線43の第2部分43bに接続されている。第2コード接続端子部45の正極端子45a、接地端子45b、および負極端子45cは、第2コード部22のプラグ22bの正極端子、接地端子、および負極端子にそれぞれ接続される。第2コード部22のプラグ22bの正極端子、接地端子、および負極端子は、第2コード部22の正極線、接地線、および負極線を介して、第2装置に電気的に接続される。
第1機能ユニット接続端子部46は、ベースケース40の取付面Sに設けられている。第1機能ユニット接続端子部46は、第1端子46aと、第2端子46bとを有する。第1端子46aは、ベースケース40の内部で正極線41の第1部分41aに電気的に接続されている。第2端子46bは、ベースケース40の内部で正極線41の第2部分41bに電気的に接続されている。第1端子46aおよび第2端子46bは、例えば、互いの間に間隔を空けてX方向に並べられている。
第2機能ユニット接続端子部47は、ベースケース40の取付面Sに設けられている。第2機能ユニット接続端子部47は、第1端子47aと、第2端子47bとを有する。第1端子47aは、ベースケース40の内部で接地線42の第1部分42aに電気的に接続されている。第2端子47bは、ベースケース40の内部で接地線42の第2部分42bに電気的に接続されている。第1端子47aと第2端子47bとは、例えば、互いの間に間隔を空けてX方向に並べられている。
第3機能ユニット接続端子部48は、ベースケース40の取付面Sに設けられている。第3機能ユニット接続端子部48は、第1端子48aと、第2端子48bとを有する。第1端子48aは、ベースケース40の内部で負極線43の第1部分43aに電気的に接続されている。第2端子48bは、ベースケース40の内部で負極線43の第2部分43bに電気的に接続されている。第1端子48aと第2端子48bとは、例えば、互いの間に間隔を空けてX方向に並べられている。
本実施形態では、第1機能ユニット接続端子部46の第1端子46a、第2機能ユニット接続端子部47の第1端子47a、および第3機能ユニット接続端子部48の第1端子48aは、X方向で互いに同じ位置に配置されている。同様に、第1機能ユニット接続端子部46の第2端子46b、第2機能ユニット接続端子部47の第2端子47b、および第3機能ユニット接続端子部48の第3端子48bは、X方向で互いに同じ位置に配置されている。
次に、第1から第3の機能ユニット32A,32B,32Cについて説明する。
第1機能ユニット32Aは、第1ユニットケース50A、第1端子51aA、第2端子51bA、および少なくとも1つの電気要素(例えば第1電気要素52A)を有する。第1ユニットケース50Aは、ベースユニット31の取付面Sに沿う箱状に形成されている。第1ユニットケース50Aは、図示しない固定構造によりベースユニット31の取付面Sに着脱可能に取り付けられる。上記固定構造は、爪と、爪を受ける受け部、またはねじと、ねじが係合するねじ穴などであるが、これらに限定されない。これは第2および第3の機能ユニット32B,32Cの固定構造でも同様である。
第1端子51aAは、Z方向でベースユニット31の第1機能ユニット接続端子部46の第1端子46aに向かい合い、第1機能ユニット接続端子部46の第1端子46aに接続される。第2端子51bAは、Z方向でベースユニット31の第1機能ユニット接続端子部46の第2端子46bに向かい合い、第1機能ユニット接続端子部46の第2端子46bに接続される。これら第1機能ユニット32Aの端子51aA,51bAとベースユニット31の端子46a,46bは、例えばピン(電極)と、ピンが挿入される受け口であるが、これに限定されず、例えば端子台のような構成でもよい。これは第2および第3の機能ユニット32B,32Cの端子の構造でも同様である。第1電気要素52Aは、第1ユニットケース50Aの内部で第1端子51aAと第2端子51bAとの間に電気的に直列に接続されている。このため、第1電気要素52Aは、第1機能ユニット32Aがベースユニット31に取り付けられた場合、ベースユニット31の正極線41の途中に電気的に直列に接続される。第1電気要素52Aの種類については、後述する。
第2機能ユニット32Bは、第2ユニットケース50B、第1端子51aB、第2端子51bB、および少なくとも1つの電気要素(第2電気要素52B)を有する。第2ユニットケース50Bは、ベースユニット31の取付面Sに沿う箱状に形成されている。第2ユニットケース50Bは、図示しない固定構造によりベースユニット31の取付面Sに着脱可能に取り付けられる。第1端子51aBは、Z方向でベースユニット31の第2機能ユニット接続端子部47の第1端子47aに向かい合い、第2機能ユニット接続端子部47の第1端子47aに接続される。第2端子51bBは、Z方向でベースユニット31の第2機能ユニット接続端子部47の第2端子47bに向かい合い、第2機能ユニット接続端子部47の第2端子47bに接続される。第2電気要素52Bは、第2ユニットケース50Bの内部で第1端子51aBと第2端子51bBとの間に電気的に直列に接続されている。このため、第2電気要素52Bは、第2機能ユニット32Bがベースユニット31に取り付けられた場合、ベースユニット31の接地線42の途中に電気的に直列に接続される。第2電気要素52Bの種類については、後述する。
第3機能ユニット32Cは、第3ユニットケース50C、第1端子51aC、第2端子51bC、および少なくとも1つの電気要素(第3電気要素52C)を有する。第3ユニットケース50Cは、ベースユニット31の取付面Sに沿う箱状に形成されている。第3ユニットケース50Cは、図示しない固定構造によりベースユニット31の取付面Sに着脱可能に取り付けられる。第1端子51aCは、Z方向でベースユニット31の第3機能ユニット接続端子部48の第1端子48aに向かい合い、第3機能ユニット接続端子部48の第1端子48aに接続される。第2端子51bCは、Z方向でベースユニット31の第3機能ユニット接続端子部48の第2端子48bに向かい合い、第3機能ユニット接続端子部48の第2端子48bに接続される。第3電気要素52Cは、第3ユニットケース50Cの内部で第1端子51aCと第2端子51bCとの間に電気的に直列に接続されている。このため、第3電気要素52Cは、第3機能ユニット32Cがベースユニット31に取り付けられた場合、ベースユニット31の負極線43の途中に電気的に直列に接続される。第3電気要素52Cの種類については、後述する。
本実施形態では、第1ユニットケース50A、第2ユニットケース50B、および第3ユニットケース50Cの外形は、互いに略同じである。第1機能ユニット32Aの第1端子51aA、第2機能ユニット32Bの第1端子51aB、および第3機能ユニット32Cの第1端子51aCは、X方向で互いに同じ位置に配置されている。第1機能ユニット32Aの第2端子51bA、第2機能ユニット32Bの第2端子51bB、および第3機能ユニット32Cの第2端子51bCは、X方向で互いに同じ位置に配置されている。言い換えると、第1から第3の機能ユニット32A,32B,32Cは、互いに入れ替えてベースユニット31に取り付け可能である。また、第1から第3の機能ユニット32A,32B,32Cのうち少なくとも1つ(本実施形態では、第1から第3の機能ユニット32A,32B,32Cの全て)は、異なる電気的機能を有した別の機能ユニットに載せ替え可能である。
第1機能ユニット32A、第2機能ユニット32B、および第3機能ユニット32Cは、ベースユニット31の取付面S上で、互いに隣り合って一方向(例えばY方向)に並べられている。例えば、第1機能ユニット32A、第2機能ユニット32B、および第3機能ユニット32Cは、ベースユニット31内で正極線41、接地線42、および負極線43が並ぶ方向と略同じ方向に並べられている。
以下、第1電気要素52A、第2電気要素52B、および第3電気要素52Cについて説明する。ここで、第1電気要素52A、第2電気要素52B、および第3電気要素52Cは、電源装置11、分電盤12、および負荷装置13のうち少なくともに1つによって要求される電気的機能に応じて、種類および容量などが選択される。例えば、第1電気要素52A、第2電気要素52B、および第3電気要素52Cの種類は、互いに同一でもよく、異なってもよい。このため以下では、第1機能ユニット32A、第2機能ユニット32B、および第3機能ユニット32Cは、互いに区別する必要がない場合、単に「機能ユニット32」と称する。また、第1機能ユニット32A、第2機能ユニット32B、および第3機能ユニット32Cの各々の構成は、互いに区別する必要がない場合、符号末尾のアルファベットを削除して示す。例えば、第1電気要素52A、第2電気要素52B、および第3電気要素52Cは、互いに区別する必要がない場合、単に「電気要素52」と称する。
図5Aと図5Bは、機能ユニット32のいくつかの例を示す図である。例えば、電気要素52は、抵抗(図5A中(a))、コイル(インダクタ)(図5A中(b))、コンデンサ(図5A中(c))、ヒューズ(図5A中(d))、SPD(図5A中(e))、ダイオード(整流素子)(図5A中(f))、ツェナーダイオード(定電圧制限素子)(図5B中(g))、短絡バー(図5B中(h))などである。ただし、電気要素52の例は、上記例に限定されない。なお、「短絡バー」とは、ユニットケース50の内部で第1端子51aと第2端子51bとを直接に接続する金属体(導体)であり、特別な電気的機能(例えば抵抗やインダクタンス)を有しない素子を意味する。なお、機能ユニット32の一例として、ユニットケース50内に電気要素52を含まないもの(図5B中(i))を含めてもよい。この場合、機能ユニット32は、互いに電気的に絶縁された第1端子51aと第2端子51bを有していてもよく、第1端子51aと第2端子51bを有していなくてもよい。
図6は、機能ユニット32の別の例を示す図である。機能ユニット32は、2つ以上の電気要素52を有してもよい。この場合、複数の電気要素52は、電気的に直列に接続されてもよく、並列に接続されてもよい。これら複数の電気要素52は、互いに種類が同じでもよく、異なってもよい。例えば、耐圧が低い複数の電気要素52を直列に接続することにより、耐圧を高めることができる。図6は、3つの電気要素52が第1端子51aと第2端子51bとの間で電気的に直列に接続された例を示す。
本実施形態では、第1から第3の機能ユニット32A,32B,32Cのうち1つは、第1から第3の機能ユニット32A,32B,32Cのうち残りの1つまたは2つに対して異なる電気的機能を有する。第1から第3の機能ユニット32A,32B,32Cは、互いに組み合わされることで、所望の電気的機能を付与する回路を形成する。
図7は、第1から第3の機能ユニット32A,32B,32Cの組み合わせにより実現される回路のいくつかの例を示す図である。例えば、図7中の(a)~(e)は、ケーブル本体、第1装置、および第2装置のうち少なくとも1つに対する過電流保護回路が実現される例である。例えば、図7中の(a)では、第1および第3の電気要素52A,52Cとしてヒューズが設けられ、第2電気要素52Bとして短絡バーが設けられた例である。図7中の(b)は、それぞれ複数の第1および第3の電気要素52A,52Cとして複数のヒューズが設けられ、第2電気要素52Bとして短絡バーが設けられた例である。なお、上記の複数のヒューズは溶断特性が互いに異なるものであってよい。図7中の(c)は、図7中の(a)または(b)の構成に対して、第1および第3の機能ユニット32A,32Cにおいてヒューズが切れた場合に外部に警報を通知する警報器61(警報接点)が設けられた例を示す。なお、第1および第3の機能ユニット32A,32Cは、警報器61に代えて、外部装置に対して有線または無線により通信可能に接続され、ヒューズが切れた場合にヒューズが切れたことを外部装置に知らせる通知部でもよい。
図7中の(d)は、第1および第3の電気要素52A,52Cとしてリレー(断路器または遮断器)が設けられ、第2電気要素52Bとして短絡バーが設けられた例である。図7中の(e)は、図7中の(d)の構成に対して、第1および第3の機能ユニット32A,32Cのリレーの接点の開閉を切り替える遠隔操作部63が設けられた例を示す。遠隔操作部63は、例えば、外部の制御装置に対して有線または無線により通信可能に接続された通信・制御部と、この通信・制御部により制御されてリレーの接点を開閉させる操作部とを含む。なお、図7中の(d)および(e)の構成は、過電流保護等の保護回路としてのスイッチ開路ではなく、単に回路を遮断するスイッチ回路として設けられてもよい。
図8は、第1から第3の機能ユニット32A,32B,32Cの組み合わせにより実現される回路の別のいくつかの例を示す図である。例えば、図8中の(a),(b)は、ケーブル本体を流れる電流を計測する計測回路が実現される例である。図8中の(a)は、第1および第3の電気要素52A,52Cとしてシャント抵抗が設けられ、第2電気要素52Bとして短絡バーが設けられた例である。シャント抵抗である第1の電気要素52Aは、第1の機能ユニット32Aに設けられ、第3の電気要素52Cは、第3の機能ユニット32Cに設けられる。短絡バーである第2電気要素52Bは、第2の機能ユニット32Bに設けられる。図8中の(a)の構成では、第1および第3の機能ユニット32A,32Cにおいて、シャント抵抗の両側に計測用の端子65が設けられている。端子65に接続される電圧計66は、機能ユニット32に内蔵されてもよいし、機能ユニット32の外部に設けられてもよい。
図8中の(b)は、第1および第3の電気要素52A,52Cとして変流器を通る導体が設けられ、第2電気要素52Bとして短絡バーが設けられた例である。変流器である第1の電気要素52Aは、第1の機能ユニット32Aに設けられ、第3の電気要素52Cは、第3の機能ユニット32Cに設けられる。短絡バーである第2電気要素52Bは、第2の機能ユニット32Bに設けられる。図8中の(b)の構成では、第1および第3の機能ユニット32A,32Cにおいて、変流器の計測用の端子67が設けられている。端子67に接続される電流計68は、機能ユニット32に内蔵されてもよいし、機能ユニット32の外部に設けられてもよい。
なお、図8中の(a)および(b)の構成は、ケーブル本体に流れる電流を計測することで、ケーブル本体を経て供給される電力の電力品質を計測する計測回路として設けられてもよい。この場合の「電力品質」とは、負荷装置13に流れる電流の変動量による電圧変動を間接的に検出したものや、ケーブル本体を介して供給可能な電流の限界値に対するマージンなどである。例えば、上記の「電力品質」として、停電時間、停電回数、停電の発生頻度、補償範囲外の電圧変動の発生回数などのうちの少なくとも何れかの項目を含む。なお、上記の評価の対象を計画的に実施されたものを除いてもよい。
図8中の(c)は、漏電(例えば地絡)を計測する計測回路が実現される例である。図8中の(c)は、第1および第3の電気要素52A,52Cとして短絡バーが設けられ、第2電気要素52Bとしてシャント抵抗が設けられた例である。短絡バーである第1の電気要素52Aは、第1の機能ユニット32Aに設けられ、第3の電気要素52Cは、第3の機能ユニット32Cに設けられる。シャント抵抗である第2電気要素52Bは、第2の機能ユニット32Bに設けられる。第2機能ユニット32Bにおいて、シャント抵抗の両側には、計測用の端子65が設けられている。端子65に接続される電圧計66は、機能ユニット32に内蔵されてもよいし、機能ユニット32の外部に設けられてもよい。また、機能ユニット32Bは、シャント抵抗と端子65に代えて、変流器を通る導体と端子67を有してもよい。
以上のような構成によれば、電源装置11および負荷装置13のうち少なくとも一方の初期費用の削減を図ることができる。すなわち、電気回路に設けられる機能部は、システムの信頼度や負荷装置の種類などによって好ましい機能や形状が異なる。これに対応するため、電源装置や負荷装置は、様々なシステムに適用できるように、必要な機能部が電源装置や負荷装置の中に予め組み込まれている。このため、電源装置や負荷装置の初期費用が高くなるとともに、電源装置や負荷装置のサイズが大きくなる場合がある。また別の観点で見ると、電源装置は、個別の負荷装置に対して最適化された専用の仕様とされる場合がある。この場合、個別の負荷装置に合わせて電源装置を開発する必要があるため、開発費用がかかり、その結果、初期費用が高くなる。
一方で、本実施形態では、ケーブル15は、ベースユニット31と、ベースユニット31に着脱可能に取り付けられ、正極線41の途中に電気的に直列に接続された第1電気要素52Aを含む第1機能ユニット32Aと、ベースユニット31に着脱可能に取り付けられ、接地線42の途中に電気的に直列に接続された第2電気要素52Bを含む第2機能ユニット32Bと、ベースユニット31に着脱可能に取り付けられ、負極線43の途中に電気的に直列に接続された第3電気要素52Cを含む第3機能ユニット32Cとを有する。このような構成によれば、例えば、電源装置11や負荷装置13内に設けられている電源部の特性が期待する特性と異なる場合、第1から第3の機能ユニット32A,32B,32Cにより必要な機能を付加することができる。これにより、様々な機能部または最適な機能部を電源装置11や負荷装置13の中に予め組み込んでおく必要が無くなりまたは小さくなり、またシステムの特性に応じて電源装置11や負荷装置13を開発する必要も小さくなる。例えば、電源装置11や負荷装置13は、必要となる最低限の機能だけを持っていればよい。このため、電源装置11および負荷装置13のうち少なくとも一方の初期費用の削減を図ることができる。また、装置の小型化を図ることができる場合もある。
本実施形態によれば、個々の負荷装置13に接続されたケーブル15の機能ユニット32A,32B,32Cを好ましいものに選択することで、個々の負荷装置13の電気的特性に応じた電気的機能を付与することができる。また、電源装置11や分電盤12、負荷装置13に本来含まれる機能部をケーブル15に持たせることにより、電源装置11や分電盤12、負荷装置13の小型化を図ることができる。また、負荷装置13が電源装置11や分電盤12などに対応していなくても、ケーブル15の機能で補うことで使用可能になる。また、負荷装置13の容量増大(増設)などにも、ケーブル15の取り替えや追加などで柔軟に対応することができる。さらに、設計段階で予期していなかった機能追加などにも柔軟に対応することができる。
本実施形態では、第1から第3の機能ユニット32A,32B,32Cは、ベースユニット31上で互いに隣り合って一方向に並べられている。このような構成によれば、複数の機能ユニット32をコンパクトに纏めることができ、ケーブル15の小型化を図ることができる。これにより、ケーブル15を含む給電システム1のコンパクト化を図ることができる。
本実施形態では、第1から第3の機能ユニット32A,32B,32Cは、ベースユニット31内で正極線41、接地線42、および負極線43が並ぶ方向と略同じ方向に並べられている。このような構成によれば、第1から第3の機能ユニット32A,32B,32Cと、正極線41、接地線42、および負極線43との接続関係を単純化することができるので、ケーブル15のさらなる小型化を図ることができる。
本実施形態では、第1から第3の機能ユニット32A,32B,32Cのうち1つは、第1から第3の機能ユニット32A,32B,32Cのうち残りの1つまたは2つに対して異なる電気的機能を有する。このような構成によれば、第1から第3の機能ユニット32A,32B,32Cの組み合わせにより、様々な機能を有する回路を実現することができる。
本実施形態では、第1から第3の機能ユニット32A,32B,32Cのうち少なくとも1つは、異なる電気的機能を有した別の機能ユニットに載せ替え可能である。このような構成によれば、負荷装置13の取り換えや使用状態の変更に応じてケーブル15が持つ電気的機能を柔軟に変更することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第4機能ユニット32Dが設けられた点で第1の実施形態とは異なる。なお、以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態と同様である。
図9は、本実施形態の機能付与部23の物理的構成の一例を示す斜視図である。図10は、機能付与部23の電気的構成の一例を示す図である。本実施形態では、機能付与部23は、第1の実施形態の構成に加えて、第4機能ユニット32Dを備えている。第4機能ユニット32Dは、異なる電気的機能を有した別の機能ユニットに載せ替え可能である。
詳しく述べると、ベースユニット31は、第4機能ユニット接続端子部49を有する。第4機能ユニット接続端子部49は、ベースケース40の取付面Sに設けられている。第4機能ユニット接続端子部49は、第1端子49a、第2端子49b、および第3端子49cを有する。第1端子49aは、ベースケース40の内部で正極線41の第2部分41bに電気的に接続されている。第2端子49bは、ベースケース40の内部で接地線42の第2部分42bに電気的に接続されている。第3端子49cは、ベースケース40の内部で負極線43の第2部分43bに接続されている。第1端子49a、第2端子49b、および第3端子49cは、例えば、Y方向に並べられている。
第4機能ユニット32Dは、第4ユニットケース70、第1端子71a、第2端子71b、第3端子71c、第4電気要素72A、および第5電気要素72Bを有する。第4ユニットケース70は、ベースユニット31の取付面Sに沿う箱状に形成されている。第4ユニットケース70は、図示しない固定構造によりベースユニット31の取付面Sに着脱可能に取り付けられる。第1端子71aは、Z方向でベースユニット31の第4機能ユニット接続端子部49の第1端子49aに向かい合い、第4機能ユニット接続端子部49の第1端子49aに接続される。第2端子71bは、Z方向でベースユニット31の第4機能ユニット接続端子部49の第2端子49bに向かい合い、第4機能ユニット接続端子部49の第2端子49bに接続される。第3端子71cは、Z方向でベースユニット31の第4機能ユニット接続端子部49の第3端子49cに向かい合い、第4機能ユニット接続端子部49の第3端子49cに接続される。また、第4機能ユニット32Dは、第1端子71a、第2端子71b、および第3端子71cに電気的に接続される接続点Aを有する(図10参照)。
第4電気要素72Aは、第4ユニットケース70の内部で第1端子71aと接続点Aとの間に電気的に直列に接続されている。このため、第4電気要素72Aは、第4機能ユニット32Dがベースユニット31に取り付けられた場合、ベースユニット31の正極線41と、ベースユニット31の接地線42との間の電気的に接続される。別の観点で見ると、第4電気要素72Aは、ベースユニット31の正極線41と、ベースユニット31の負極線43との間の電気的に接続される。
第5電気要素72Bは、第4ユニットケース70の内部で第3端子71cと接続点Aとの間に電気的に直列に接続されている。これにより、第5電気要素72Bは、第4機能ユニット32Dがベースユニット31に取り付けられた場合、ベースユニット31の負極線43と、ベースユニット31の接地線42との間の電気的に接続される。別の観点で見ると、第5電気要素72Bは、ベースユニット31の正極線41と、ベースユニット31の負極線43との間の電気的に接続される。
図11は、機能付与部23の別の例を示す図である。この例では、第4機能ユニット32Dは、図10を参照して上述した構成に加え、第6電気要素72Cを含む。第6電気要素72Cは、第4ユニットケース70の内部で第2端子71bと接続点Aとの間に電気的に直列に接続されている。このため、第6電気要素72Cは、第4機能ユニット32Dがベースユニット31に取り付けられた場合、ベースユニット31の正極線41と、ベースユニット31の接地線42との間の電気的に接続される。別の観点で見ると、第6電気要素72Cは、ベースユニット31の負極線43と、ベースユニット31の接地線42との間の電気的に接続される。
図12は、機能付与部23のさらに別の例を示す図である。この例では、第4機能ユニット32Dは、図10に示された第4電気要素72Aおよび第5電気要素72Bに代えて、第4電気要素72Dを有する。第4電気要素72Dは、第4ユニットケース70の内部で第1端子71aと第3端子71cとの間に電気的に直列に接続されている。第4電気要素72Dは、接地線42には電気的に接続されていない。第6電気要素72Cは、第4機能ユニット32Dがベースユニット31に取り付けられた場合、ベースユニット31の正極線41と、ベースユニット31の負極線43との間の電気的に接続される。
図13Aと図13Bは、第4機能ユニット32Dのいくつかの例を示す図である。ただし、電気要素72A,72B,72C,72Dの例は、以下の例に限定されない。図13A中の(a)は、第4および第5の電気要素72A,72Bが抵抗であるとともに、第6電気要素72Cが存在しないまたは短絡バーである例である。図13A中の(b)は、第4および第5の電気要素72A,72Bがコンデンサであるとともに、第6電気要素72Cが存在しないまたは短絡バーである例である。図13A中の(c)は、第4および第5の電気要素72A,72BがSPDであるとともに、第6電気要素72Cが存在しないまたは短絡バーである例である。図13A中の(d)は、第4から第6の電気要素72A,72B,72Cがコンデンサである例である。図13A中の(e)は、第4から第6の電気要素72A,72B,72CがSPDである。図13A中の(f)は、第4および第5電気要素72A,72Bが電圧計である例である。図13B中の(g)は、第4電気要素72Dとして電圧計が設けられた例である。図13B中の(h)は、第4電気要素72Dとして発光素子が設けられた例である。なお、LED(light emitting diode)は、発光素子の一例である。図13B中の(h)では、LEDの駆動電流を制限する電流調整回路の図示を省略している。
図13B中の(i)は、第4から第6の電気要素72A,72B,72Cの代わりに、正極線41、接地線42、および負極線43に接続された計測モジュール81が設けられた例である。計測モジュール81は、正極線41、接地線42、および負極線43に電気的に接続された電源回路82と、センサ83と、制御部84と、無線モジュール85とを有する。電源回路82は、ケーブル本体から電力が供給される。電源回路82は、センサ83、制御部84、および無線モジュール85に電力を供給する。センサ83は、例えば、第4機能ユニット32Dに作用する衝撃加速度を計測する加速度センサと、第4機能ユニット32Dの温度を計測する温度センサとのうち少なくとも一方を含む。制御部84は、マイクロコンピュータのようなプロセッサがソフトウェアを実行することで実現される。ただし、制御部84は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアにより実現されてもよい。制御部84は、センサ83による計測結果を、無線モジュール85を通じて外部に無線送信する。なお、第4機能ユニット32Dは、無線モジュール85を有することに代えて、有線により外部装置と接続されてもよい。
図14は、第1から第4の機能ユニット32A,32B,32C,32Dの組み合わせにより実現される回路のいくつかの例を示す図である。例えば、図14中の(a)は、ケーブル本体を経て供給される電力のノイズを除去するフィルタ回路が実現される例である。例えば、図14中の(a)は、第1および第3の電気要素52A,52Cとして抵抗が設けられ、第2電気要素52Bとして短絡バーが設けられ、第4電気要素72Aおよび第5電気要素72Bとしてコンデンサが設けられた例である。このような構成によれば、LPF(ローパスフィルタ)が実現される。また、図14中(b)に示すように、第1電気要素52Aとして抵抗が設けられ、第2および第3の電気要素52B,52Cとして短絡バーが設けられ、第4電気要素72Dとしてコンデンサが設けられることでもLPFが実現される。なおこれら代えて、第1電気要素52Aとしてコンデンサを設け、第2および第3の電気要素52B,52Cとして短絡バーを設け、第4電気要素72Dとして抵抗を設けることで、HPF(ハイパスフィルタ)を実現することもできる。また、第1から第4の機能ユニット32A,32B,32C,32Dの電気要素を任意に選択することで、所望の帯域制限フィルタを実現することもできる。
図14中の(c)は、ケーブル本体を経て供給される電力の電圧を平滑化する平滑化回路が実現される例である。例えば、図14中の(c)は、第1および第3の電気要素52A,52Cとして短絡バーが設けられ、第4電気要素72Aおよび第5電気要素72Bとしてコンデンサが設けられた例である。このような構成によれば、ケーブル本体を経て供給される電力の電圧が平滑化される。また、第4電気要素72Aおよび第5電気要素72Bに代えて、第4電気要素72Dとしてコンデンサを設けることでも平滑化回路が実現される。例えば、ノイズなどにより電圧が変動する場合等に、そのノイズ成分に適したコンデンサを上記のように設けることで、局所的な耐ノイズ対策を実現することもできる。
図14中の(d)は、ケーブル本体、分電盤12、および負荷装置13のうち少なくとも1つに対する過電圧保護回路(サージ電圧保護回路)が実現される例である。例えば、図14中の(d)は、第1から第3の電気要素52A,52B,52Cとして短絡バーが設けられ、第4電気要素72Aおよび第5電気要素72BとしてSPDが設けられた例である。このような構成によれば、過電圧保護回路が実現される。なお、第1および第3の電気要素52A,52Cとしてヒューズ、PTC(正特性)サーミスタなどが採用されてもよい。
図14中の(e)は、ケーブル本体を経て供給される電力の電圧を計測する計測回路が実現される例である。例えば、図14中の(e)は、第1から第3の電気要素52A,52B,52Cとして短絡バーが設けられ、第4電気要素72Aおよび第5電気要素72Bとして電圧計(変圧器)が設けられた例である。このような構成によれば、ケーブル本体を経て供給される電力の電圧を計測する計測回路が実現される。また、図14中(f)に示すように、第4電気要素72Aおよび第5電気要素72Bに代えて、第4電気要素72Dとして電圧計を設けることでも同様の計測回路を実現することができる。
図14中の(g)は、ケーブル本体を経て供給される電力の電流、電圧、電力、および電力品質を計測する計測回路が実現される例である。例えば、図14中の(g)は、第1および第3の電気要素52A,52Cとして変流器を通る導体が設けられ、第2電気要素52Bとして短絡バーが設けられ、第4電気要素72Aおよび第5電気要素72Bとして電圧計が設けられた例である。また、第4機能ユニット32Dは、第1および第3機能ユニット32A,32Cの端子67に接続される端子87を有する。第4機能ユニット32Dは、第1および第3機能ユニット32A,32Cの変流器が検出した電流を計測する電流計68を有する。このような構成によれば、ケーブル本体を経て供給される電力の電流、電圧、電力、および電力品質を計測する計測回路を実現することができる。
図15は、第1から第4の機能ユニット32A,32B,32C,32Dの組み合わせにより実現される回路の別の例を示す図である。図15に示す例では、第1および第3の電気要素52A,52Cとして変流器を通る導体が設けられ、第2の電気要素52Bとして短絡バーが設けられている。第4機能ユニット32Dは、正極線41、接地線42、および負極線43に接続された計測モジュール81Aを有する。計測モジュール81Aは、第4電気要素72Aおよび第5電気要素72Bとして設けられた複数の電圧計と、第1および第3機能ユニット32A,32Cの変流器が検出した電流を計測する電流計68と、電源回路82と、センサ83と、制御部84と、無線モジュール85と、ディスプレイ91とを含む。制御部84は、ディスプレイ91および無線モジュール85を制御する。制御部84は、第4電気要素72Aおよび第5電気要素72Bとして設けられた複数の電圧計と、電流計68との計測結果に基づき、ケーブル本体を経て供給される電力の電流、電圧、電力、および電力品質を計算し、計算結果をディスプレイ91に表示させるとともに、無線モジュール85により外部に送信する。また、制御部84は、センサ83の検出結果をディスプレイ91に表示させるとともに、無線モジュール85により外部に送信する。なお、第4機能ユニット32Dは、無線モジュール85を有することに代えて、有線により外部装置と接続されてもよい。また、第1および第2の実施形態で説明した他の計測回路を含む構成は、図15に示す例と組み合わされて、それら計測回路の計測結果がディスプレイ91に表示されるとともに、外部に送信されてもよい。
これらのような構成によれば、第1の実施形態の機能に加えて、ケーブル本体に電気的に並列に接続される電気要素を用いて、ケーブル本体に電気的機能を持たせることができる。これにより、より様々な電気的機能を提供することができる。
ここで、例えば、負荷装置Aの動作に影響を与えるノイズの周波数成分が10kHz~50kHzに存在するのに対し、負荷装置Bの動作に影響を与えるノイズの周波数成分が1MHz~10MHzに存在する場合、これら両方のノイズを抑えるための機能部を電源装置11に予め設けようとすると、それぞれの周波数帯域のノイズを抑圧するために必要とされるノイズフィルタの数が多くなり、電源装置11における部品が増える場合がある。一方で、本実施形態の構成によれば、個々の負荷装置13の電気的特性(耐ノイズ性など)に応じてその負荷装置13に接続されるケーブル15のフィルタ回路の電気的特性を個別に設定することで、電源装置11においてノイズを抑圧するために必要な部品点数を減らすことができる。
以上、いくつかの実施形態について説明したが、実施形態は、上記例に限定されない。図16は、第2の実施形態の変形例における機能付与部の一例を示す斜視図である。例えば、機能付与部23は、ケーブル15の途中に設けられることに代えて、ケーブル15の端部に設けられてもよい。すなわち、第1コード部21は、第1装置に接続されるプラグ21aを有する。第2コード部22は、第2装置に接続されるプラグ22aを有する。機能付与部23は、プラグ21aまたはプラグ22aと一体に設けられてもよい。また、図16に示すように、機能付与部23、第1コード部21、および第2コード部22は、一体に形成されてもよい。さらに、ベースユニット31は、直線状に形成される必要はなく、スペースの有効利用の観点からL字形に形成されてもよい。或いは、機能付与部23は、ケーブル15を別体にした配線器具であってもよい。
ベースユニットの形状は、上記に限定されない。図17と図18とを、参照してベースユニットの変形例について説明する。図17は、実施形態の変形例におけるベースユニットの斜視図である。図18は、実施形態の変形例におけるベースユニットの平面図である。図18に示す平面図は、ベースユニット31Aに複数の機能ユニット32A,32B,32Cを取り付ける取付面Sを直視したものである。取付面Sの一部に、ベースケース40Aを貫通する開口部60が、正極線41、接地線42及び負極線43を2対1に分けるように設けられている。図18の平面図に示す例では、正極線41と接地線42が通る正極側と、負極線43が通る負極側とが、開口部60を挟み、分かれて配置されている。この開口部60は、電流検出用のケーブルクランプをベースユニット31Aに配置する際に利用される。少なくとも正極線41と負極線43とがベースケース40Aの開口部60を挟む位置に配置されていることにより、電流検出用のケーブルクランプを、開口部60に通して配置することで、正極線41と負極線43の何れかの電流を測定できる。上記の変形例のベースユニット31Aであれば、コードの被覆を剥がして正極線41と負極線43を分離することなく、上記の電流の検出を可能にする。
機能ユニット32A,32B,32C,32Dにより実現される回路は、上記例に限定されない。機能ユニット32A,32B,32C,32Dにより実現される回路は、例えば、力率改善回路や、電圧変換回路などでもよいし、別のケーブルを取り付け可能にするために正極線41,接地線42,負極線43をそれぞれ分岐させる分岐回路などでもよい。また、第1極線、第2極線、第3極線を通る電流は、直流電流に限定されず、交流電流でもよい。