JP2000021548A - 避雷器および分電盤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 雷サージ対策の避雷器を備えた分電盤を小形
化する。 【解決手段】 分電盤11に、主幹ブレーカ41と複数の分
岐ブレーカ42とを備える。避雷器44のケース体61の形状
を、分岐ブレーカ26と同一にし、分岐ブレーカ取付部26
のいずれか１か所に避雷器44を取り付ける。避雷器44
は、アース中継端子46に近接して配置する。分電盤11の
ベース14やカバーの変更が不要になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、雷サージから負荷
機器などの回路を保護する避雷器および避雷器を備えた
分電盤に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、主幹ブレーカおよび複数の分岐ブ
レーカなどを備えた分電盤について、雷サージ対策用の
避雷器を備えた構成が知られている。

【０００３】そして、この種の避雷器について、例え
ば、分岐ブレーカの２個分の外形寸法を有する避雷器を
用いた構成が知られている。しかしながら、このように
分岐ブレーカより大きな形状の避雷器を用いた構成で
は、分電盤の表面側を覆うカバーの加工が必要になると
ともに、分岐回路の数を確保するためには、分電盤の寸
法を大きくする必要があり、また、分電盤の大きさが同
一であれば、分岐ブレーカの設置可能数が２個分減少し
てしまう問題を有している。

【０００４】また、例えば、協約形ブレーカサイズの避
雷器を用いた構成が知られている。しかしながら、この
協約形寸法の避雷器は、分岐ブレーカを取り付ける部分
には取り付けできないため、予備スペースなど取り付け
場所を別に確保する必要があり、分岐回路の数を確保す
るためには、分電盤の寸法を大きくする必要があり、ま
た、分電盤の大きさが同一であれば、分岐ブレーカの設
置可能数が例えば４個から６個分減少してしまう問題を
有している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、分岐ブ
レーカの２個分の外形寸法を有する避雷器や、協約形ブ
レーカサイズの避雷器を用いた構成では、分電盤の寸法
が大きくなり、あるいは、分岐ブレーカの設置可能数が
減少する問題を有している。

【０００６】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、分電盤を小形化し、また、製造コストを低減でき
る避雷器および分電盤を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の避雷器
は、過渡的過電圧を制限するサージ吸収回路と；このサ
ージ吸収回路を収納し、分岐ブレーカと略同一寸法のケ
ース体と；を具備したものである。

【０００８】そして、この構成では、避雷器は、ケース
体が分岐ブレーカと略同一寸法であるので、分電盤の構
造の変更の必要なく分岐ブレーカの取付部分に容易に設
置され、最小スペースでの組み込みが可能となる。

【０００９】請求項２記載の分電盤は、主幹ブレーカ取
付部および複数の分岐ブレーカ取付部を設けた筐体と；
主幹ブレーカ取付部に取り付けられた主幹ブレーカと；
分岐ブレーカ取付部の少なくとも１か所に取り付けられ
た分岐ブレーカと；分岐ブレーカ取付部のいずれか１か
所に取り付けられた請求項１記載の避雷器と；を具備し
たものである。

【００１０】そして、この構成では、避雷器は、分岐ブ
レーカ取付部のいずれか１か所に取り付けられるので、
分電盤の構造の変更の必要なく、製造コストが低減され
るとともに、最小スペースでの組み込みが可能であり、
小形化が可能になる。

【００１１】請求項３記載の分電盤は、請求項２記載の
分電盤において、アース中継端子を備え、避雷器は、ア
ース中継端子に近接して配置されたものである。

【００１２】そして、この構成では、避雷器とアース中
継端子とを接続する配線が短くなる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の避雷器および分電
盤の一実施の形態を図面を参照して説明する。

【００１４】図１は本発明の避雷器を備えた分電盤の一
実施の形態を示すカバーを取り外した状態の正面図、図
２は分電盤の正面図、図３は分電盤の構成図、図４は避
雷器の正面図、図５は避雷器の側面図、図６は避雷器の
端面図である。

【００１５】図１および図２において、11は分電盤で、
この分電盤11は、例えば住宅で用いられるもので、分電
盤本体である筐体（函体）12を備え、この筐体12は、壁
面などに取り付けられるベース14と、このベース14の正
面側を開閉可能かつ着脱可能に覆うカバー15とを備えて
いる。そして、ベース14は、壁面に取り付けられる取付
板部21を有し、この取付板部21の周縁部から前側に向け
て縁部22が突出形成されている。そして、取付板部21に
は、壁面にねじなどで取り付ける取付孔23が複数形成さ
れているとともに、屋内配線の電線およびアース線を引
き込む開口部24が複数形成されている。そして、この取
付板部21には、左側に位置して、主幹ブレーカ取付部25
が設けられているとともに、この主幹ブレーカ取付部25
の右側に位置して、上下に４か所ずつ合計８か所に分岐
ブレーカ取付部26が設けられ、さらに、右縁部には、ア
ース中継端子取付部27が設けられている。

【００１６】また、カバー15は、中央を開口部31とした
枠状をなすカバー本体32と、このカバー本体32の開口部
31に嵌め込まれた主幹パネル33および分岐パネル34を備
えている。そして、主幹パネル33には、１カ所に主幹用
窓孔35が形成されているとともに、分岐パネル34には、
各分岐ブレーカ取付部26に対してそれぞれ分岐用窓孔36
が形成されている。また、上下の分岐用窓孔36の間に
は、負荷などを表示する銘板が貼り付けられている。

【００１７】そして、主幹ブレーカ取付部25には、回路
遮断機である主幹ブレーカ41が取り付けられている。ま
た、８か所の分岐ブレーカ取付部26のうち、主幹ブレー
カ41側の７か所には、分岐ブレーカ（分岐回路）42が取
り付けられている。そして、分岐ブレーカ取付部26の右
端側である最終回路位置の１カ所には、避雷器44が取り
付けられている。さらに、アース中継端子取付部27に
は、アース中継端子46が取り付けられている。

【００１８】そして、主幹ブレーカ41は、例えば、定格
電流６０Ａの単３中性線欠相保護付の漏電ブレーカ（３
Ｐ２Ｅ）を構成する開閉接点機構を収納したケース51を
備え、このケース51の正面側には、主幹用窓孔35から突
出する操作スイッチ52が設けられている。また、ケース
51の上下には、それぞれ３個の端子部53が設けられ、負
荷側の端子部53には、それぞれ銅製のバー（ブスバー）
である電圧線である線Ｎ、線Ｌ1 、線Ｌ2 が接続されて
いる。また、これら線Ｎ、線Ｌ1 、線Ｌ2 は、合成樹脂
製の絶縁カバー54により覆われている。

【００１９】また、分岐ブレーカ42は、いわゆる安全ブ
レーカで、例えば、２０Ａの１１０Ｖ（２Ｐ１Ｅ）およ
び２２０Ｖ（２Ｐ２Ｅ）が適宜選択して取り付けられて
いる。そして、上側の４個の分岐ブレーカ42群の電源側
は、線Ｎと線Ｌ1 とに接続され、下側の分岐ブレーカ42
群の電源側は、線Ｎと線Ｌ2 とに接続されて、主幹ブレ
ーカ41の負荷側の端子部53に接続されている。そして、
各分岐ブレーカ42の負荷側は、家庭内の配線55を介し
て、冷蔵庫など種々の電気機器56に接続されている。ま
た、この分岐ブレーカ42の正面側には、分岐用窓孔36か
ら突出する操作スイッチ57が設けられている。

【００２０】また、避雷器44は、雷サージ対策用のアレ
スタ（surge arrester）であり、図１ないし図６に示す
ように、分岐ブレーカ42とほぼ同一寸法、すなわち、分
岐ブレーカ取付部26に取り付け可能な寸法、例えば、幅
寸法３２mm、長手寸法７０mm、高さ寸法３９mmで、取付
孔60の位置も分岐ブレーカ42と同一とされたケース体61
を備えている。なお、避雷器44の寸法がこのように小さ
くできたのは、放電耐量を小さくしたことが貢献してい
る。具体的には、線間で６．５kA、対地間で１０kAとな
っている。そして、このケース体61には、上側に、Ｎ用
接点63およびＬ2 用接点64が形成され、下側に、Ｌ1 用
接点65、Ｅ用接点66が設けられている。そして、ケース
体61の内側には、非直線抵抗体などからなる回路が収納
され、雷によるサージが加わった際に、Ｌ1 用接点65あ
るいはＬ2 用接点64を、Ｎ用接点63およびＥ用接点66に
設置させるようになっている。さらに、このケース体61
の前面には、回路が正常に作動していることを示すＬＥ
Ｄなどのランプからなる表示部68が設けられており、こ
れら表示部68は、分岐用窓孔36から外部に露出するよう
になっている。また、このケース体61の側面には、定格
などを示す表示69が貼着などして設けられている。

【００２１】そして、この避雷器44は、Ｎ用接点63およ
びＬ2 用接点64が、分岐ブレーカ42と同様に金属板など
を用い、線Ｎと線Ｌ2 とに接続されているとともに、Ｌ
1 用接点65は、先端部に圧着端子Ｌ1bを付けたリード線
Ｌ1aで線Ｌ1 に接続され、さらに、Ｅ用接点66は、リー
ド線Ｅa を介してアース中継端子46に接続され、このア
ース中継端子46に接続されたアース線Ｅを介して、設置
されている。

【００２２】そして、この避雷器44は、雷によるサージ
が加わった際に、例えば、Ｎ用接点63と線Ｌ1 用接点65
との間、あるいは、Ｎ用接点63とＬ2 用接点64との間に
２４０Ｖの電圧が加わった場合、およびＮ用接点63とＥ
用接点66との間に６８０Ｖの電圧が加わった場合に、端
子間を導通させ、電気機器56を保護するようになってい
る。

【００２３】そして、本実施の形態によれば、避雷器44
のケース体61を、分岐ブレーカ42とほぼ同一寸法とし、
表示部68および端子63，64，65，66の配置も近似させた
ため、分電盤11の筐体12のベース14およびカバー15を変
更することなく、１個の分岐ブレーカ取付部26に、分電
盤11に添付されるねじなどの固定具で固定できるととも
に、電圧線の接続の際も、線Ｎ、線Ｌ2 すなわちブスバ
ーの送り端子を利用することができる。そこで、避雷器
44の設置に要するスペースを分岐ブレーカ42の１個分と
最小スペースでの組み込みが可能であり、従来の大きな
避雷器を用いる構成に比べて、分電盤11を小形化するこ
とが可能になり、あるいは、同一寸法の分電盤11であれ
ば、より多くの分岐ブレーカ42を取付できるとともに、
構造の簡略化、設置作業の容易化を実現でき、製造コス
トを低減することができる。

【００２４】また、避雷器44を分岐ブレーカ42の最終回
路位置、すなわち、アース中継端子46に隣接して組み込
んだため、アースのためのリード線Ｅa を短くすること
ができ、アースの効果を高め、製造コストを低減するこ
とができる。

【００２５】なお、本実施の形態の避雷器44は、中性点
を通して、柱上トランス第二種設置に雷サージを流すた
め、必ずしもＥ用接点66をアース中継端子46に接続する
必要はないが、Ｅ用接点66を設置することにより、より
保護機能を向上できる。

【００２６】また、アース中継端子46は、必ずしもベー
ス14の側端部に取り付ける必要はなく、図１に破線Ａで
示すように、ベース14の下端部などに取り付けることも
できる。そして、避雷器44は、いずれの分岐ブレーカ取
付部26にも取り付けできるため、アース中継端子に近接
した分岐ブレーカ取付部26に取り付けることにより、配
線を短くすることができる。

【００２７】また、筐体12には、リミッタスペースを設
け、このリミッタスペースにリミッタを取り付けること
もできる。

【００２８】

【発明の効果】請求項１記載の避雷器によれば、避雷器
は、ケース体が分岐ブレーカと略同一寸法であるため、
分電盤の構造の変更の必要なく分岐ブレーカの取付部分
に容易に設置でき、最小スペースでの組み込みが可能と
なり、分電盤の小形化が可能になる。

【００２９】請求項２記載の分電盤によれば、避雷器が
分岐ブレーカ取付部のいずれか１か所に取り付けられる
ため、分電盤の構造の変更の必要なく、製造コストを低
減できるとともに、最小スペースで組み込みでき、小形
化できる。

【００３０】請求項３記載の分電盤によれば、請求項２
記載の効果に加え、避雷器を複数の分岐ブレーカ取付部
のうちからアース中継端子に近接して配置することによ
り、避雷器とアース中継端子とを接続する配線を短くで
き、アースの効果を向上できるとともに、構成を簡略化
して製造コストを低減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の避雷器を備えた分電盤の一実施の形態
を示すカバーを取り外した状態の正面図である。

【図２】同上分電盤の正面図である。

【図３】同上分電盤の構成図である。

【図４】同上避雷器の正面図である。

【図５】同上避雷器の側面図である。

【図６】同上避雷器の端面図である。

【符号の説明】

11 分電盤 12 筐体 25 主幹ブレーカ取付部 26 分岐ブレーカ取付部 41 主幹ブレーカ 42 分岐ブレーカ 44 避雷器 46 アース中継端子 61 ケース体

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 過渡的過電圧を制限するサージ吸収回路
   と；このサージ吸収回路を収納し、分岐ブレーカと略同
   一寸法のケース体と；を具備したことを特徴とする避雷
   器。
2. 【請求項２】 主幹ブレーカ取付部および複数の分岐ブ
   レーカ取付部を設けた筐体と；主幹ブレーカ取付部に取
   り付けられた主幹ブレーカと；分岐ブレーカ取付部の少
   なくとも１か所に取り付けられた分岐ブレーカと；分岐
   ブレーカ取付部のいずれか１か所に取り付けられた請求
   項１記載の避雷器と；を具備したことを特徴とする分電
   盤。
3. 【請求項３】 アース中継端子を備え、 避雷器は、アース中継端子に近接して配置されたことを
   特徴とする請求項２記載の分電盤。