JPWO2003074845A1 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁装置 Download PDF

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Abstract

三次元カムでバルブの開弁リフト量と開弁作動角を連続的に変える内燃機関の可変動弁装置である。三次元カム(48)は一定幅以内で移動され、三次元カム(48)に接して回転するカムフォロワ(49)から、カムフォロワ(49)の下面に接する滑りホルダ(51)を介し、三次元カム(48)のカムリフトと作用角をバルブ(52)(53)の開弁リフト量と開弁作動角に変換する。カムフォロワ(49)は、下面に設けられた球面形状の突出部(64)が滑りホルダ(51)の中央の凹部(66)に挿入されて、揺動、回転可能に保持される。カムフォロワ(49)が三次元カム(48)のカム面および凸な面(62)と潤滑油を介して回転、揺動することで低摩擦、低磨耗の動弁装置にでき、簡単な構成で高速回転を、バルブによる可変吸入で低燃費と高トルクを可能にする。

Description

技術分野
本発明は、カムシャフトの軸方向にカムリフト量とカムプロフィールが連続的に変化する三次元カムに接して揺動し回転するシム(カムフォロワ)と、シムと接しシムを保持してバルブに当接する滑りホルダで構成され、連続的にバルブの開弁リフト量と開弁作動角を可変する内燃機関の可変動弁装置に関する。
背景技術
自動車の内燃機関の可変動弁装置に関する従来技術として、吸気バルブあるいは排気バルブを、開弁位相のみ変える装置、開弁作動角のみ変える装置、さらにリフト量と開弁作動角を段階的に変える装置が実用化されている。これにより低回転速度、低負荷でのトルクと燃費の向上、高回転速度、高負荷での出力を向上することがある程度可能になった。
バルブの開弁リフト量と開弁作動角、さらには開弁位相を連続的に変える可変動弁装置を用いると、内燃機関の使用状態、たとえば回転速度や負荷に応じた効率的な対応が可能になる。結果、低回転速度から高回転速度までのトルクあるいは出力が連続してより大きくなり、特に低回転速度、低負荷での燃焼が安定し、トルクと燃費がさらに改善される。
バルブの開弁リフト量と開弁作動角あるいは開弁位相を連続的に変える可変動弁装置として、複数の提案がなされている。カムの回転に同期して油圧を落とすタイミングを変える装置、電磁アクチュエータに永久磁石とスプリングを組み合わせた装置、カム軸受け全体を揺動させてロッカーアームの支点に対しカムを移動させる装置、さらには、カムリフト量とカムプロフィールを軸方向に連続して変化させた三次元カムとそれに接して揺動するカムフォロワを用いた装置である。
リフト量を変えるモータと歯車、およびカムの位相を変えるバルブタイミング変換機構をスイングアームに組み合わせ、揺動するスイングアームの端部でロッカーアームのローラー部を押すことにより、バルブの開弁リフト量と開弁位相を連続的に変える装置(BMW−Valvetronic)が2001年に実用化された。また、回転、往復、揺動するリング状リンク、スイングアームと揺動カムにスイングアームの偏心軸受けを回転するモータに組み合わせ、揺動カムでタペットの面を押すことにより、バルブの開弁リフト量、開弁作動角と開弁位相を連続的に変える装置(ユニシアジェックス−VEL)が2001年に発表された。
これらの中で比較的小さい寸法で簡単な構成の装置は、三次元カムを用いる可変動弁装置である。三次元カム(3次元カム、立体カムなどの呼称もある)は、カムシャフトの軸方向にカムプロフィールを連続的に変化させたカム面を有する。三次元カムに接して揺動するカムフォロワ(シム、滑りブロック、追従接触部など呼称は種々ある)と、カムフォロワを摺接させて支持する滑りホルダ(軸受サドル、シムサポートなど呼称は種々ある)を三次元カムとバルブの間に介し、カムシャフトを軸方向に移動させることで、三次元カムのカムリフト量とカムプロフィールをバルブの開弁リフト量と開弁作動角に変換することを目的とする。バルブの開弁位相を連続して変えるには、三次元カムを有するカムシャフトを軸方向に移動させるアクチュエータと独立に回転方向に揺動させる位相変換装置が必要である。カムフォロワが三次元カムと接する部分は、平面状の接面の他、曲率の大きい球面状の接面、クラウン形状の接面、あるいはローラー面で構成される。
三次元カムと、平面状の接面を有するシムを用いた可変動弁装置が、欧州特許出願公開0108238号、米国特許第4517936号、日本国特開昭59−90711号、および欧州特許出願公開0208663号、米国特許第4693214号、日本国特開昭62−7907号、日本国特公平7−45803号において開示されている。欧州特許出願公開108238号に開示された第9図で示すように、三次元カム1に接して、回転せず単一方向に揺動する方形状の滑りブロック2(カムフォロワに相当する)と、軸受けサドル3(滑りホルダに相当する)を介し、直動構成で単一のバルブを駆動する可変動弁装置が公知である。欧州特許出願公開263794号、米国特許第4773359号において、1つの三次元カムで、第9図と近似した構成の滑りブロックと軸受サドルを介して2つのバルブを同時に駆動する可変動弁装置が開示されている。
第9図で示した可変動弁装置に類似した装置に用いられる三次元カムとして、日本国特公平10−44014号、英国特許出願公開2122520号、また日本国特開平10−44014号、日本国特開平11−210427号で開示された三次元カムおよび製造法の従来例がある。第10図で示す三次元カム4の形状は既知のものであり、この形状が基本になる。いずれも単一方向に揺動する平面状の接面に接するカム面にする。カム面は回転する砥石で研削成形されるため、ノーズ部5の曲面は、三次元カム4の最大と最小のカムリフト量を有する両端のカムプロフィール6と7でノーズ部5の面に対する法線8と9が平行となる点10と11を結んだ直線12を連続的に動かした包絡面(線織面やRuled−surfaceとも呼ばれる)で形成される。
三次元カムがシム(カムフォロワに相当する)の平面状の接面に接し、シムが回転可能な可変動弁装置は、日本国実開平3−42001号、日本国特開平10−30414号、日本国特開2001−73721号において開示されている。日本国特開平10−30414号での従来例を第11図で示す。三次元カム13と平面状の接面14で接して全ての方向に揺動可能なシム15と、球面状の摺接部16を有するリフタ17(滑りホルダに相当する)を介して単一のバルブ18を駆動する構成である。シム15を回転させる効果は、三次元カム13との摩擦損失の低減と耐磨耗性の向上である。シム15を全方向に揺動可能にすることにより、カム面の構成を特に厳密に規定しない三次元カム13でも平面状の接面14に連続して接することを可能にしている。
三次元カムがシム(カムフォロワに相当する)のクラウン状の接面に接し、シムが回転可能と考えた可変動弁装置は、米国特許第4850311号で開示されている。この特許での従来例を第12図で示す。第12図(a)で、円形状のシム19は円形状の外周を有するシムサポート20(滑りホルダに相当する)に摺接して回転可能に支持される。カムシャフト21の軸方向と直交する方向に幅を有するシムサポート20の凸部22をフォロワリテーナ23の同方向の凹部24に入れ込み、ここを揺動軸にして、シムサポート20が単一方向に揺動可能に支持される。シム19が三次元カム25に接して回転、揺動する構成にしている。
本発明の内燃機関の可変動弁装置が解決すべき課題を明らかにするために、第1から第6まで、複数の可変動弁装置の従来例で、共通あるいは個別の課題として順に記述する。第9図から第12図で示した第1から第4の従来例において、本発明にも使用する三次元カムを用いた未実用の可変動弁装置とそれに用いる三次元カムの従来例の課題を、図示しないが、第5と第6の従来例において三次元カムを用いない可変動弁装置の課題を示す。
第1の従来例の課題として、欧州特許出願公開0108238号の第9図では、方形状の外形と平面状の接面26を有する滑りブロック2(カムフォロワに相当)は、カムシャフト27の軸の方向と直交する方向の軸を中心に揺動し、三次元カム1のカム面に接する構成である。滑りブロック2の半円形断面の突出部28に対応した形状の凹部を有する軸受サドル3(滑りホルダに相当)の着座部29で摺接させて滑りブロック2を単一方向に揺動させ、三次元カム1の連続して変化するカムリフト量とカムプロフィールをバルブの開弁リフト量と開弁作動角に変換するとしている。
しかし、滑りブロック2の平面状の接面26が三次元カム1の回転方向に固定しているため、潤滑油のまき込みが少なく、数万分の1mm以下の油膜厚さになり、互いの接する部分を流体潤滑や混合潤滑の状態に保つことが難しく、境界潤滑の状態あるいは金属どうしが接触する状態にもなりうる。金属どうしが接触すると、三次元カム1のカム面や滑りブロック2の接面26の磨耗や傷が進むことになる。滑りブロック2の接面26での接する部分は定まった領域であるため、磨耗による滑りブロック2の接面26の変形や、表面の荒れが深刻になる。ひとつの滑りブロックを介して2つのバルブを駆動する構成の場合には接触面圧がより大きくなり、摩擦損失や磨耗がさらに大きな問題になる。
また、方形状の滑りブロック2の揺動方向の幅は狭く、滑りブロック2の突出部28と軸受けサドル3の着座部29の面接触による揺動に抵抗する摩擦力が大きく、三次元カム1のカム面に滑りブロック2の側辺部30が噛みやすくなる。噛めば三次元カム1のカム面が荒れることになり、滑りブロック2の平面状の接面26も滑らかな状態を保つことが難しい。
第2の従来例の課題として、欧州特許出願公開0108238号で示された従来例である第10図で示すように、三次元カム4は、第9図で示した単一方向に揺動する滑りブロック2の平面状の接面26に当たり初めてから離れるまで線接触することを基本にして構成されている。三次元カム4のノーズ部5は直線12を連続して動かした包絡面で形成される。この直線12の上でのノーズ部5のカム面に対する法線8と法線9は平行であることが必要である。しかし、従来から提案された研削加工で成形される三次元カム4では、ノーズ部5の直線31の立ち上がり部と直線32の立ち下がり部で決まる作用角を低カムリフト側から高カムリフト側に連続して大きくすることが難しい。直線31の立ち上がり部と直線32の立ち下がり部の近傍でのノーズ部5の回転方向の傾斜の大小と、バルブクリアランスが存在する結果として生じる作用角の差に依存するだけではバルブの開弁作動角の差をあまり大きくできない。
第3の従来例の課題として、日本国特開平10−30414号の第11図では、平面状の接面14を有する半球状のシム15(カムフォロワに相当)は、全ての方向に揺動し、回転して三次元カム13に接する構成である。シム15の下部の球面状の凸部33はリフタ17(滑りホルダに相当)の球面状の摺接部16に摺接可能に係合されるため、シム15は全ての方向に揺動可能で、特に厳密に定義されたカム面でない三次元カム13でも平面状の接面14に連続して点接触や線接触させやすい。しかし、カムシャフト34の中心軸35はシム15の中心から回転方向の上流に配置されている。
シム15の球面状の凸部33をリフタ17の球面状の摺接部16で摺動させるに際し、シム15の外周部の突出部36をリフタ17の外周上部の延出部37に常時当接させて衝突音の発生を抑制し、揺動を規定するとしている。シム15の揺動の中心位置がリフタ17に対して一定であるため、常時当接させることは複雑な形状に伴う個々の機械精度、組立ばらつき、およびバルブクリアランスの変化などを考慮すると難しい。また、局所的で曲率の小さい部分の摺接になるため、シム15の突出部36や、それが接するリフタ17の延出部37の偏磨耗が問題になる。
さらに、シム15の揺動を規制しない場合、シム15の球面状の凸部33が摺動する際の摩擦力の大きさは一定せず、三次元カム13とシム15の平面状の接面14との摩擦力も一定せず、三次元カム13の回転数も絶えず変動するため、特にカムシャフト34の中心軸35と直交する方向のシム15の揺動の振幅は必ずしも一定しなくなる。三次元カム13のカムリフト量やカムプロフィールがバルブ18の開弁リフト量や開弁作動角に再現性よく変換されないことになる。
第4の従来例の課題として、第12図の従来例では、第12図(a)で示すように、シム19(カムフォロワに相当)を支持するシムサポート20(滑りホルダに相当)がカムシャフト21の軸方向のみに揺動し、クラウン状の凸な接面38を有する円形状のシム19を三次元カム25の回転に伴い回転させる構成にしている。第12図(b)で、シム19の回転動作の説明を補充する。回転する三次元カム25(第12図(a)のみで示す)とシム19が接触する部分39で矢印40で示す摩擦力がシム19に作用し、シム19を移動させようとする。矢印40と反対方向のシム19のフランジ41とシムサポート20の外周部端部が接する位置42で、矢印43で示す方向の摩擦力に打ち勝つ力が接線方向に働いた時にシム19が回転する。三次元カム25が点接触する位置39と、フランジ41がシムサポート20の外周部と接する位置42を真上から観て結んだ直線44はシム19の中心45から近く、接する位置42での接線方向の矢印43の摩擦力が大きくなり、それと反対方向のシム19に作用する力が小さくなる。シム19とシムサポート20の円形状の接する部分46での摩擦もあり、シム19が回転しないことも生じる。
シム19が回転するためには、シム19のフランジ41の内側と、シム19とシムサポート20の円形状の接する部分46に絶えず潤滑油が供給されることが前提になる。シム19が揺動する時に、ポンピング作用で、第12図(a)のフォロワリテーナ23の凹部24(ガイド溝)の潤滑油を通路孔47から円形状の接する部分46とフランジ41の内側に供給する構成にしている。
シム19が揺動する時は、円形状の接する部分46が大きな力で密着され、潤滑油が通路孔47から供給されずにシムサポート20の底部から潤滑油が逃げる。結果、フランジ41が接する位置42での摩擦力が大きく、円形状の接する部分46での摩擦も大きくなることもあり、シム19の回転が起きにくくなる。三次元カム25は回転しないシム19のクラウン状の接面38を摺動することになり、摩擦損失と磨耗が大きくなる。複数の溝を円形状の接する部分46に設けても、高い油圧で直接に通路孔47に供給されることなしにフランジ41の部分に潤滑油が供給されず、シム19を回転させることは難しい。また、フランジ41が接する位置42での接触幅が小さく潤滑油が摩擦低減に効果的でないことも、シム19を回転させるには不利である。
また、シム19は三次元カム25に接して揺動することにより連続的な傾斜の変化を繰り返すが、シムサポート20の底部の曲面形状とフォロワレテーナ23の対向する曲面が接する位置を、力を伝える観点から、常に三次元カム25とシム19が接する位置の下側にする構成にすると、シムサポート20の底部の曲面形状の曲率を相対的に小さくして凸部22近傍が凹部24から浮き上がり衝突を繰り返すことなくして、シム19が三次元カム25と接するに必要な傾斜を確保できない問題が生じる。さらに、シム19とシムサポート20は三次元カム25の回転に伴い力を受け、変形が生じない剛性を必要とするため、それぞれ独立にある程度厚い構成にする必要がある。結果、上下に動く全体の質量が大きくなり、内燃機関の高回転速度時でのバルブの追従性に制約が生じる。
第5の従来例の課題として、三次元カムを用いないでバルブの開弁リフト量と開弁位相を連続的に変える可変動弁装置(BMW−Valvetronic)は、摺動箇所が多いことによる摩擦損失の増大、高さ方向に立てた長いスイングアームとリフト量を変えるアクチュエータを上部に設置したことによる内燃機関の高さ寸法や重量の増大、長いスイングアームの変形と動く部分の質量増大による高回転速度でのジャンプやバウンスを伴うバルブ追従性の乱れを発生させる可能性がある。
第6の従来例の課題として、同様に三次元カムを用いないでバルブの開弁リフト量、開弁作動角と開弁位相を連続的に変える可変動弁装置(ユニシアジェックス−VEL)は、摺動箇所と摺動面積の増大による摩擦損失の増大が大きく、動く部分の質量増大、スイングアームと揺動カムを連結したアームなどの変形により高回転速度でのジャンプやバウンスを伴うバルブ追従性の乱れを発生させる可能性がある。
発明の開示
従来例における共通あるいは個別の課題を解決して、摩擦損失と磨耗を低減し、バルブの開弁作動角の差を大きくし、三次元カムの連続して変化するカムリフト量やカムプロフィールあるいは作用角をバルブの開弁リフト量や開弁作動角に再現性よく変換し、動く部分の質量や変形を抑えて高回転速度でのバルブの追従性の制約を少なくし、内燃機関の寸法や重量を増大させない結果に導くため、本発明の内燃機関の可変動弁装置は以下の手段をとる。
請求の範囲第1項での本発明の内燃機関の可変動弁装置の基本構成で示すように、三次元カムを用いる。回転する三次元カムは、接する円形状のカムフォロワを単一方向に揺動させ、回転させる。その結果生じる上下方向の変位でバルブを開閉し、滑らかに、安定した動作を行う。
カムシャフトの軸方向にカムリフト量、カムプロフィールあるいは作用角が連続して変化した三次元カムのカム面に接する円形状のカムフォロワの上側の1の接面を、平面を含むカムフォロワの中心軸に回転対称な面にして、三次元カムのカム面に線接触ないし線接触に近似した局所的な接触をさせる。
滑りホルダの中央近傍に、カムシャフトの中心軸と直交する方向の平行な直線を連続して動かして形成した包絡面の凸な曲面を設ける。この直線に直交する断面における凸な曲面の接線の傾斜の範囲は、三次元カムのノーズ部の頂部とベース円部がカムシャフトの中心軸となす傾斜の範囲を少なくとも含む。カムフォロワの下側の平面状の2の接面を滑りホルダの凸な曲面に線接触させ、凸な曲面の直線の部分と直交する平面の方向のみにカムフォロワを揺動させる。
三次元カムに接する円形のカムフォロワを回転させて摩擦損失と磨耗を低減させるため、カムフォロワの下側の平面状の2の接面の中央に球面形状の突出部を設け、この突出部を滑りホルダの中央近傍の円筒形状の凹部に挿入することで、カムフォロワは回転可能に支持される。この円筒形状の凹部は凸な曲面を形成した面に形成され、凹部の深さ方向の軸は滑りホルダの凸な曲面の直線の部分と直交する平面内に配置される。
三次元カムのカム面がカムフォロワの平面状の1の接面に局所的に接するようにする。局所的に接するとは、カム面が1の接面に互いに大きい曲率で線接触に近似した幾何的な点接触か、あるいはカム面が1の接面に幾何的に線接触した状態を意味する。局所的に接触させるのは、三次元カムとカムフォロワの1の接面との接触領域を特定し、カムフォロワの2の接面と滑りホルダが線接触する部分との潤滑状態の差で生じる摩擦力の差を利用してカムフォロワに回転トルクを与えるためである。
滑りホルダの凸な曲面の形状と配置を決めることで、カムフォロワの2の接面と滑りホルダの線接触する位置、その上側の、三次元カムがカムフォロワの1の接面と局所的に接する領域、およびカムフォロワの揺動の傾きを強制的に規定し、連続的に変位する明確な位置で力を互いに伝え、三次元カムの回転に同期してカムフォロワを介し滑りホルダを上下させ、滑りホルダでバルブの頂部を押し、三次元カムのカムリフト量とカムプロフィールあるいは作用角をバルブの開弁リフト量や開弁作動角に再現性よく変換する。
請求の範囲第2項で示すように、同一方向の回転トルクをカムフォロワに加える構成にする。三次元カムがカムフォロワの1の接面と局所的に接する領域をカムフォロワの回転中心より一方に偏在させる必要があり、カムフォロワの平面状の2の接面が線接触する滑りホルダの凸な曲面の部分を円筒形状の凹部の軸よりカムシャフトの軸方向に偏在させる。三次元カムとカムフォロワの1の接面が局所的に接する領域は、カムフォロワの2の接面と滑りホルダの凸の曲面が線接触する位置の上側になることを前提にしている。力を互いに伝達するには、接する領域と位置が上下にほぼ一致することが必要になる。
請求の範囲第3項で示すように、カムフォロワの回転と揺動の中心のぶれをなくす構成にする。滑りホルダの凹部は深さ方向に軸を有する直円筒形状の孔で、突出部は球面形状の一部で形成される。球面形状の一部を環状部分に残した形状にしてもよい。球面形状の部分が直円筒形状の孔の壁面に接するためには、球面形状の中心の位置は、直円筒形状の凹部の軸に沿い移動しても凹部の開孔部より常に深い位置に配置される。また、カムフォロワが揺動して凹部の軸に対し傾いても凹部の開孔部に突出部を当てないため、突出部の基部を球面形状の径より小さい寸法のくびれた構成にする。
請求の範囲第4項で示すように、カムフォロワの上下の接面に潤滑油を効果的に供給できる構成にする。三次元カムが局所的に接するカムフォロワの1の接面に滑りホルダの凹部から潤滑油を供給するため、カムフォロワの中心軸の位置に突出部から貫通した孔を形成する。また、滑りホルダの凸な曲面に凹部と突出部の間から潤滑油を供給することもできる。潤滑油は油圧ポンプからシリンダヘッドを経て凹部に供給される構成を前提にする。カムフォロワの上側の1の接面が三次元カムと局所的に接する領域、およびカムフォロワの下側の平面状の2の接面と滑りホルダの凸な曲面が線接触する部分に中央から潤滑油を確実に供給することで、局所的に接する部分の摩擦力を線接触する部分の摩擦力より大きくしながら、線接触する部分の摩擦そのものを小さくすることでカムフォロワの回転と揺動を容易にする。
請求の範囲第5項で示すように、三次元カムのカムプロフィールの作用角を連続的に変化させて大きな差を持たせる構成にする。三次元カムのノーズ部は、平面に幾何的に必ず線接触するように、定義された直線を連続して動かした包絡面で形成される。この定義された直線上での包絡面に対する法線は平行にされる。
三次元カムのノーズ部の立ち上がり部と立ち下がり部で規定する作用角を低カムリフト側から高カムリフト側に連続して大きくする構成にして、バルブの開閉のタイミングを決める開弁作動角を連続して大きくする。ベース円の径よりカムシャフトの中心軸から短い距離の曲面を低カムリフト側ほど幅を大きく形成する。ノーズ部の立ち上がり部の近傍から立ち下がり部の近傍で、法線が平行になるように定義された直線を連続させた包絡面で形成する。急激な加速度変化を起こさないなどの実際の可変動弁装置の動作に問題ない前提で、三次元カムを研削成形しやすいものにする。
請求の範囲第6項で示すように、三次元カムのノーズ部の立ち上がり部と立ち下がり部の近傍で大きい加速度変化を生じさせない構成にする。三次元カムの低カムリフト側端部のカムプロフィールの立ち上がり部と立ち下がり部での接線の傾斜を、同じ位置で想定したベース円の接線の傾斜よりカムシャフトの中心軸とノーズ部の頂部を結んだ直線に対して小さい傾斜にする。また、ベース円部とノーズ部の間の曲線をベース円の径よりカムシャフトの中心軸から短い距離の外側に凸な曲率を有する曲線にして、立ち上がり部あるいは立ち下がり部とベース円部との間の曲面をノーズ部の曲面と滑らかに連続し、ベース円の半径よりカムシャフトの中心軸から短い距離の外に凸な曲率を有する曲面にする。
請求の範囲第7項で示すように、カムシャフトに平行に配置した円柱状のロッカーアーム・シャフトを揺動軸にして、滑りホルダを一体化したロッカーアーム揺動させ、滑りホルダの2つの押圧部で2つのバルブを駆動するロッカーアーム構成にする。三次元カムのカムリフト量の差による最大傾斜を緩くしてカムシャフトを軸方向に移動させる際の駆動力を低減し、また三次元カムの作用角の差を大きく取れるようにするため、三次元カムの軸方向の幅を大きくする。そのために、1組の三次元カム、カムフォロワ、および滑りホルダを一体化したロッカーアームで、2つの吸気バルブ、あるいは2つの排気バルブを駆動する構成にして軸方向の移動量と幅に余裕を持たせる。
請求の範囲第8項で示すように、1つの三次元カムで2つのバルブを開閉させる直動構成にしてもよい。シリンダヘッドに設けたピンに滑りホルダのスリーブ孔を挿入し、三次元カムのカムリフト量と作用角に対応して滑りホルダを上下動させて、滑りホルダの2つの押圧部で2つのバルブを駆動する直動構成にする。
請求の範囲第9項で示すように、ロッカーアーム構成で、潤滑油を各部に送る供給経路にする。カムフォロワの1の接面と滑りホルダの凸な曲面へ潤滑油を供給するため、ロッカーアーム・シャフトの孔から、滑りホルダの凹部まで給油経路を形成し、カムフォロワの突出部の貫通した孔につなげる。
請求の範囲第10項で示すように、直動構成で、潤滑油を合理的に送る供給経路にする。カムフォロワの1の接面と滑りホルダの凸な曲面へ潤滑油を供給するため、シリンダヘッドのピンの孔から滑りホルダの凹部までの給油経路を形成し、カムフォロワの突出部の貫通した孔につなげる。
請求の範囲第11項で示すように、均等な駆動力を2つのバルブに分配する構成にする。2つのバルブの頂部を結んだ直線の中点を通り、この直線に直交する平面上に、凸の曲面のカムフォロワと接する範囲の中間の部分を配置する。
請求の範囲第12項で示すように、カムフォロワが滑りホルダの凸な曲面と線接触する部分での接触面圧を均一化する構成にする。三次元カムの傾斜の大きさに対応して、その時にカムフォロワの2の接面が接する部分の滑りホルダの凸な曲面の曲率を連続して大きくする。ここでの三次元カムの傾斜とは、単一方向に揺動するカムフォロワの平面に接した三次元カムのカム面の直線をカムシャフトの中心軸を含み、滑りホルダの凸な曲面の直線に直交する平面に投影してできる直線がカムシャフトの中心軸となす傾斜である。
上記のように構成された可変動弁装置は、カムシャフトの軸方向にカムプロフィールなどが連続変化した三次元カムに接して、円形状のカムフォロワが単一方向に揺動して三次元カムのカム面に追従し、カムフォロワの下側の平面状の2の接面と線接触する滑りホルダが上下に変動する。ロッカーアーム型の場合にはその変動量より大きく、直動型なら同じ変動量を滑りホルダからバルブに与え、三次元カムのカムリフト量やカムプロフィールがバルブの開弁リフト量と開弁作動角に変換される。
三次元カムのノーズ部の立ち上がり部と立ち下がり部の近傍をカムフォロワに大きい加速度変化を与えない形状で、低カムリフト側のカムプロフィールから高カムリフト側のカムプロフィールまで連続して変化した作用角がバルブの連続的に変化する開弁作動角に変換される。
カムフォロワの上側の1の接面が三次元カムに局所的に接する領域と、カムフォロワの下側の2の接面が滑りホルダの凸な曲面に線接触する位置がほぼ上下に一致して特定される。接する領域が回転中心からカムシャフトの軸方向に偏在し、カムフォロワが回転可能に支持され、潤滑油が各接面に供給されることで、カムフォロワは三次元カムの回転に伴い摩擦が小さく回転する。
カムフォロワと滑りホルダの質量を比較的小さく、ロッカーアーを含み高剛性の滑りホルダにできることで、バルブは内燃機関の高回転速度にジャンプやバウンスがなく追従する。
また、三次元カムが局所的に接するカムフォロワを回転させることで、摩擦損失と磨耗を低減できるとともに、接する位置を分散して耐久性を得る。また、三次元カム、カムフォロワ、滑りホルダの接面、突出部および凹部の摺動する全ての箇所に潤滑油を直接、集中的に供給することで潤滑の信頼性を確保した上、潤滑油の必要量も低減できる。さらに、ほとんどの使用頻度を占める中回転速度、中負荷以下で、開弁リフト量を低くしてバルブスプリングの反撥力を低減し、摩擦損失を相対的に小さくできる。
三次元カムが接し、あるいは対向するカムフォロワの幅が比較的広く、カムフォロワが揺動する際の摩擦抵抗が小さく、三次元カムの最大傾斜も比較的緩いため、カムフォロワは容易に揺動し、三次元カムのカム面を噛む可能性はほとんどない。
滑りホルダの凸の曲面に対して単一方向の揺動に規制したカムフォロワにより、揺動ばらつきをなくし、三次元カムの各カムプロフィールに対応した再現性のよいバルブの開弁リフト量と開弁作動角が得られる。
三次元カムの作用角の差を大きくしてバルブの開弁作動角の差を大きく確保し、カムリフト量の差を大きくしてバルブの開弁リフト量の差を大きくし、低回点速度、低負荷から高回転速度、高負荷まで高いトルクと出力を、低回点速度、低負荷での燃焼安定性と、中回転速度、中負荷までの低燃費を得ることができる。本発明の可変動弁装置にカムシャフトを軸まわりに揺動する位相変換装置を組むことで、開弁位相を変えることを組み合わせてさらなる効果を得る。
作用角を大きく変化させた三次元カムのノーズ部の立ち上がり部の前と立ち下がり部の後にベース円より低い曲面を形成し、作用角の差を大きくしてもカム面を滑らかに形成することで、大きな加速度変化を受けずに揺動、追従し、バルブは滑らかな開閉動作をする。
カムフォロワを支持する滑りホルダで吸気あるいは排気の2つのバルブの頂部に当接させるロッカーアーム構成、あるいは直動構成にすることで、質量を比較的小さく、剛性を大きくすることができ、高回転速度時のバルブの追従性の制約が小さくなる。また、三次元カムのカムリフト量の差を大きくしてもカム面の最大傾斜角は10数度以下で収まり、カムシャフトを軸方向に動かすのに必要な駆動力が過大にならず、作用角の差を大きくする三次元カムの形状を可能にする。
三次元カムを用いる可変動弁装置に共通したものであるが、従来の4バルブ直動型の内燃機関と比較して内燃機関自体の高さ寸法と重量の増大は小さい。
発明を実施するための最良の形態
本発明をより詳細に説述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。
第1図と第2図は、本発明の内燃機関の可変動弁装置の第1実施例を示す。第1実施例では、2つのバルブを駆動するロッカーアーム構成を採用する。第1図は組立斜視図を示し、三次元カム48、カムフォロワ49、ロッカーアーム50と一体の滑りホルダ51、およびバルブ52、53を上から順に配置して構成される。ロッカーアーム50はロッカーアーム・シャフト54に揺動可能に支持される。第2図は、第1図のロッカーアーム・シャフト54の側からみた一部を切り欠いた全体図を示す。三次元カム48の中間のカムリフト量を有するカムプロフィールのノーズ部55の頂部がカムフォロワ49に接した状態を示し、滑りホルダ51の一部を断面で示す。上下の順は、斜めから水平方向の配置まで含む。
三次元カム48は、ノーズ部55とベース円部56で基本的に構成される。ベース円部56はカムシャフト57の中心軸58から同じ距離での円筒形状の曲面で、ノーズ部55はカムシャフト57の中心軸58に対して傾斜が連続的に変わる曲面で形成され、カムリフト量とカムプロフィールはカムシャフト57の軸方向に連続して変わる。三次元カム48はカムシャフト57の中心軸58の周りで回転され、カムシャフト57の軸方向の移動に伴い移動する。カムシャフト57は、図示されないカムタイミングプーリーからタイミングベルトあるいはタイミングチェーンを介してクランクタイミングプーリーを経てクランクシャフトに連結され、クランクシャフトの回転に同期して回転される。また、カムシャフト57は、シリンダーヘッドの端に配置される図示しない油圧アクチュエータによって必要なストロークで軸方向に移動される。
三次カム48は、カムフォロワ49の上側の平面状の1の接面59に連続して局所的に接する。平面状の面とは、完全な平面を含み、カムフォロワ49の中心軸に回転対称で曲率の大きい面を言うが、第2図以下では、平面状の面を、全体の構成を理解し易くするために、比較的小さい曲率で強調した球面形状の面で示している。また、局所的に接するとは、大きい曲率で幾何的に点接触する、あるいは幾何的に線接触して力学的に応力が局所的な領域に集中することを意味する。実際には点接触部あるいは線接触の近傍は弾性変形して微小面積の面接触になり、局所的に応力が集中する領域では1万分の1mm以下のオーダーで他の部分より潤滑油層の厚さが変わる。
カムフォロワ49の下側の2の接面60を平面状の面にして、2の接面60に接する滑りホルダ51の接面を、カムシャフト57の中心軸58と直交する方向の平行な直線61(図2では示さず)を連続して動かした包絡面の凸な曲面62で形成する。直線61に直交する平面内で、凸な曲面62の接線の傾斜の範囲は、カムシャフト57の中心軸58に対して、三次元カム48のベース円部56がなす零度の傾斜からノーズ部55の頂部63(図2のみで示す)がなす傾斜までの範囲を少なくとも含む。カムフォロワ49の平面状の2の接面60が滑りホルダ51の凸な曲面62の直線61の方向と平行に線接触することで、カムフォロワ49はこの直線61と直交する平面の方向のみに揺動可能となる。三次元カム48のカム面は、単一方向に揺動するカムフォロワ49の平面状の1の接面59を完全な平面と想定し、連続して線接触させる形状を基本にする。
円形状のカムフォロワ49を回転させることで、三次元カム48とカムフォロワ49の平面状の1の接面59が接する際の摩擦損失と磨耗を低減する。カムフォロワ49の下側の平面状の2の接面60の中央に球面形状の突出部64を設け、滑りホルダ51の中央近傍に、凸な曲面62を包絡面でなす直線61と直交する平面に軸65を有する円筒形状の孔の凹部66を形成する。カムフォロワ49を揺動させながら回転可能に支持するために、突出部64を凹部66に挿入する。カムフォロワ49の平面状の2の接面60が滑りホルダ51の凸な曲面62と線接触し、三次元カム48がカムフォロワ49の平面状の1の接面59と局所的に接しながらカムフォロワ49を揺動、回転させるためには、突出部64の球面形状の中心67を凹部66の深さ方向に移動させる必要がある。
凹部66を直円筒形状の孔にして、その径を突出部64の球面形状の径より僅かに大きく形成すると、突出部64の球面形状の中心67は深さ方向にのみ移動することができ、深さ方向と直交する方向には移動しない。突出部64の球面形状が直円筒形状の凹部66の壁面に接するには、凹部66の開孔部68より深い位置に球面形状の中心67を常に配置する必要がある。また、カムフォロワ49が揺動しても、球面形状の突出部64を凹部66の開孔部68に当てないため、突出部64の基部69は球面形状の径より小さいくびれた構成に形成される。
摩擦損失と磨耗を低減するために、三次元カム48とそれに接するカムフォロワ49を同じ方向に回転させる。バルブスプリング70、71は、三次元カム48からの圧縮変位に応じて、最小250ニュートン(約25kgf)から最大500ニュートン(約50kgf)ほどの力で反撥する。2つのバルブ52、53を駆動する場合には、それらの2倍ほどの反撥力が三次元カム48とカムフォロワ49が局所的に接する領域72に加わることになる。
円形状の接面を有するカムフォロワ49の回転方向を一定にするには、カムフォロワ49と三次元カム48が局所的に接する領域72を回転の中心から偏在させ、同じ回転方向の回転トルクを生じさせる必要がある。滑りホルダ51の凸な曲面62がカムフォロワ49の2の接面60と線接触する位置を、凹部66の軸65よりカムシャフト57の軸方向に偏在させる。線接触させる構成を基本とした三次元カム48をカムフォロワ49と形状的に局所的な接触をさせるため、カムフォロワ49の1の接面59を完全な平面でなく、カムフォロワ49の中心軸に回転対称な大きい曲率の球面状の面にしてもよい。
三次元カム48がカムフォロワ49の1の接面59に局所的に接し、三次元カム48とカムフォロワ49の同方向の回転で潤滑油を巻き込みむことで、局所的に接する領域72を混合潤滑状態から境界潤滑状態の範囲にして金属どうしの接触を防ぐ。カムフォロワ49の下側の平面状の2の接面60は、滑りホルダ51の比較的曲率の大きい凸な曲面62と線接触し、カムフォロワ49の回転と揺動で潤滑油を巻き込むことで線接触部は流体潤滑状態から混合潤滑状態の範囲の潤滑にする。
三次元カム48とカムフォロワ49の1の接面59が局所的に接する領域72での摩擦を、滑りホルダ51とカムフォロワ49の2の接面60の線接触部での摩擦より大きくし、局所的に接する領域72を凹部66の軸65よりカムシャフト57の軸方向に偏在させることで同一方向の回転力をカムフォロワ49に与え、カムフォロワ49を同一方向に回転させる。
円形状のカムフォロワ49の1の接面59と滑りホルダ51の凸な曲面62に中央近傍から集中的に潤滑油を供給することで、三次元カム48とカムフォロワ49、カムフォロワ49と滑りホルダ51の間での摩擦損失と磨耗を低くすることができる。そのために、カムフォロワ49の中心軸の位置に、突出部64から貫通した孔73を形成し、凹部66に供給される潤滑油をこの貫通した孔73を通過させてカムフォロワ49の1の接面59に供給する。また、潤滑油は突出部64と凹部66の間から滑りホルダ51の凸な曲面62にも供給される。潤滑油は図示しないオイルポンプから凹部66に高い油圧で供給される。
第2図では、ほぼ中間のカムリフト量を有する三次元カム48のカムプロフィールがカムフォロワ49に接する配置を示している。実際の運転モードでは、中間のカムリフト量より低いカムプロフィールでのトルクと出力でほとんど間に合う。カムリフト量が小さいことは、バルブスプリング70、71からの反発力が相対的に小さく、それだけ摩擦損失や磨耗を少なくできることになる。
第1図と第2図で示す第1実施例では、カムシャフト57と平行にシリンダヘッド74に固定された円形断面のロッカーアーム・シャフト54(第2図では図示されていない)を、滑りホルダ51を一体化したロッカーアーム50に設けたシャフト受孔75に挿入し、三次元カム48の回転に同期してカムフォロワ49と滑りホルダ51をロッカーアーム・シャフト54の中心軸76に対して揺動させて、2つのバルブ52、53の頂部77、78を滑りホルダ51の両端の押圧部79、80でバルブ52、53を軸方向に押すことになる。カムフォロワ49の動きは、三次元カム48の傾斜と滑りホルダ51の凸な曲面62で強制的に一定に決まるため、三次元カム48のカムリフト量とカムプロフィールをバルブ52、53の開弁リフト量と開弁作動角に再現性よく変換するためには、ロッカーアーム50を変形させない構成にすればよい。
ロッカーアーム50に一体化された滑りホルダ51の2つの押圧部79と80の間を凸な曲面62を有する屋根構造部81を設け、肉抜き構成で質量の増大を避けて高剛性の構成にて、従来のロッカーアーム型の動弁装置の動作部分の質量と近似させる。動弁質量の軽減と、滑りホルダ51を一体化したロッカーアーム50の高剛性化によって、高回転速度でジャンプやバウンスを伴わないバルブの追従性を得ることができる。
三次元カム48からカムフォロワ49、滑りホルダ51を介してバルブ52、53の頂部77、78までの間隔は、従来のDOHC4バルブの動弁装置に較べて、10mm以下の増加に留めることが可能で、内燃機関全体の高さ寸法と重量の増加を抑えることできる。
第3図は、本発明の内燃機関の可変動弁装置の第1実施例での三次元カムの異なる回転位置での各部分の関係を示すものである。第3図(a)では、三次元カム48のノーズ部55の最大傾斜を有する頂部82がカムフォロワ49に接した状態を示す。カムリフト量の異なるカムプロフィールに関係なく、三次元カム48の傾斜と滑りフォルダ51の凸な曲面62の形状で、三次元カム48とカムフォロワ49の1の接面59とが局所的に接する領域83、およびカムフォロワ49と滑りホルダ51の凸な曲面62とが接する位置84が決まる。
カムフォロワ49の突出部64の球面形状の中心67の凹部66での位置は、第3図(a)の三次元カム48のノーズ部55の頂部82である最大の傾斜部分が接した状態での球面形状の中心67の位置に較べて、第3図(b)のベース円部56が対向した状態での球面形状の中心67の位置は、直円筒状の凹部66の深い位置にある。突出部64のこれらの球面形状の中心67の位置は、カムフォロワ49の揺動とともに上下に移動する。突出部64の球面形状の部分は、凹部66の壁面が上下方向に立っていて潤滑油も潤沢にあるため、壁面との摩擦が小さく滑らかに上下に移動する。凹部66での回転方向の摩擦も小さい。突出部64の下への移動に関しては、摩擦よりも凹部66の潤滑油を急速に逃がす構成の方が抵抗力を小さくする効果が大きい場合もある。
第3図(b)では、バルブクリアランスがある条件で、カムフォロワ49の片側の位置85でベース円部56と接触している状態を示すが、カムフォロワ49が三次元カム48と離れている状態が一般的である。バルブクリアランス以上のカムリフト量の三次元カム48のカム面に接すると、三次元カム48とカムフォロワ49との接する領域と、カムフォロワ49と滑りホルダ49が接する位置は、カムフォロワ49の中心軸に対してカムシャフト57の軸方向で高カムリフト側に偏在することになる。
第4図は、第1実施例の一部を拡大した図で、本発明の内燃機関の可変動弁装置に共通した挙動を説明するものである。第2図と第3図で示した三次元カム48とバルブ52、53の大部分は省かれている。また、カムフォロワ49の上側の1の接面59は実際より小さい曲率の面で示されている。第4図(a)は、三次元カム48のノーズ部55の立ち上がり部の近傍がカムフォロワ49の上側の平面状の1の接面59と接してバルブを開き始めようとする状態を示す。カムフォロワ49の下側の平面状の2の接面60は滑りホルダ51の凸な曲面62の位置86で線接触する。円形状のカムフォロワ49の1の接面59は、位置86のほぼ上の領域87で三次元カム48と局所的に接する。三次元カム48の傾斜の増大に伴い、カムフォロワ49の2の接面60が滑りホルダ51の凸な曲面62と線接触する位置86は、凸の曲面62の接線の傾斜が連続的に変化する右側に移動していく。
第4図(b)は、三次元カム48のノーズ部55の最大の傾斜部分がカムフォロワ49の1の接面59と接した状態を示す。三次元カム48とカムフォロワ49の1の接面59が局所的に接する領域88は、カムフォロワ49の2の接面60と滑りホルダ51の凸な曲面62が線接触する位置89のほぼ上側に決まる。位置89での凸な曲面62の接線の傾斜は、三次元カム48が接している部分で三次元カム48の傾斜(ノーズ部の最大傾斜)とほぼ同じになる。カムフォロワ49の1の接面59の曲率によって互いの傾斜には相対的に差が生じる。
カムフォロワ49の2の接面60が凸の曲面62に線接触する第4図(a)の位置86から第4図(b)の位置89までの範囲を、滑りホルダ51の凹部66の軸67に対してカムシャフトの軸方向(第4図を示す面に平行な横方向)に偏在させ、カムフォロワ49に一定方向の回転トルクを与えるようにする。また、位置86から位置89までの線接触する範囲の中間の位置を、滑りホルダ51の両端の押圧部79、80に当接するバルブの2つの頂部を結んだ直線の中点に配置する。
第4図(b)で凸な曲面62で線接触する位置89は、凸な曲面62の最も高い位置90に較べると低い位置にある。この高さの差だけ三次元カム48の各々のカムプロフィールでの最大のカムリフト量が低くなるが、ほぼ同じ厚さを全面に有するカムフォロワ49が傾くほど実質的な厚さが大きくなるため、高さの差と厚みの変化の差分だけ最大カムリフト量は低下する。この差分は凸な曲面62の曲率の大きさにより変わる。実際には、凸な曲面62の曲率半径が30mm以下ならば、この差分による各カムプロフィールでの最大カムリフト量の低下より、バルブクリアランスによる最大カムリフト量の低下の方が大きいと考えてよい。
バルブを開き始めようとする時に、三次元カム48がカムフォロワ49と局所的に接するのは第4図(a)で示す領域87であり、三次元カム48がノーズ部55の最大の傾斜の部分でカムフォロワ49と局所的に接するのは、第4図(b)で示す領域88である。この2つの領域87と88は、より大きい傾斜の大きいノーズ部が接するほど三次元カム48の高いカムリフト側(右側)にずれる。
第5図は、本発明の内燃機関の可変動弁装置に用いる三次元カムの形状の例を示す。構成を分かりやすくするため、実際の形状にはない実線や破線で示した。存在するのは、図中の側端部のみであり、側端部の部分も角とりをすれば存在しない。低カムリフト側から高カムリフト側に作用角を連続的に大きくし、作用角を決めるノーズ部の立ち上がり部と立ち下がり部の構成を従来の三次元カムと異なるものにしている。バルブの開弁リフト量が小さい時には開弁作動角を小さくし、開弁リフト量が大きい時には開弁作動角を大きくして低回転速度、低負荷から高回転速度、高負荷まで内燃機関の効率を良くし、バルブに大きな加速度変化を与えずに開閉することを目的にしている。ノーズ部の立ち上がり部と立ち下がり部とは、カムシャフトの中心軸からベース円の半径と同じ距離のノーズ部の始めと終わりの部分を言う。
三次元カム91のベース円部92とノーズ部93の間の曲面、およびノーズ部93の曲面を低カムリフト側端部94のカムプロフィールと高カムリフト側端部95のカムプロフィールを結んだ直線96を連続的に動かした包絡面で形成する。包絡面を構成する直線96は、低カムリフト側端部94の位置97での法線98と高カムリフト側端部95の位置99での法線100が平行になるように定義される。この直線96の上での包絡面に対する法線は全て平行にされる。
ベース円部92とノーズ部93の間において、低カムリフト側端部94のカムプロフィールをベース円の半径よりカムシャフトの中心軸101から短い距離の凸な曲線102で形成する。この凸な曲線102と高カムリフト側端部95のカムプロフィールを結ぶ直線を、直線96と同様に法線が平行になるように定義して、連続的に動かして包絡面を形成する。直線104と破線103の間、および破線105と直線106の間の曲面は、ベース円の半径よりカムシャフトの中心軸101から短い距離の曲面になる。中心軸101の左側から観て時計回り方向に三次元カム91が回転すると、破線103と破線105は三次元カム91のノーズ部93の立ち上がり部と立ち下がり部を示し、直線104と直線106はベース円部92の終わりと初めに対応する。
直線上での包絡面に対する法線が平行となるように定義された直線96は、高カムリフト側端部95の立ち上がり部107の前後で、カムシャフトの中心軸101を含む平面内になる直線104、高いカムリフト側がノーズ部93の頂部108の方向に傾いた直線109、中心軸101と同じ平面になる直線110、低いカムリフト側がノーズ部93の頂部108の方向に傾いた直線111、中心軸101と同じ平面内になる直線112、さらには高いカムリフト側がノーズ部93の頂部108の方向に傾いた直線113で示すように、ベース円部92の側からノーズ部93の頂部108まで連続して変化する。中心軸101とノーズ部93の頂部108を含む平面の反対側においても、ほぼ同じように形成される。
直線上での包絡面に対する法線が平行となるように定義された直線96は、回転する幅の広い研削砥石で加工されてできる直線であり、平面に線接触する直線にもなる。研削砥石の回転中心に対して研削されるカム面を急激に変化させることは加工精度を確保するのが難しくなる。また、破線103と破線105で示す立ち上がり部と立ち下がり部の近傍のノーズ部93にカムフォロワを線接触させても、先にベース円部92の側の曲面に当てないことが可能になり、カムフォロワに急激な加速度変化を起こさせない形状にできる。
したがって、法線が平行になるように定義された直線96がカムシャフトの中心軸101と同じ平面になる複数の箇所の直線104、直線110および112のうち少なくともノーズ部93の頂部108に最も近い直線112の箇所から定義された直線96を連続して動かした包絡面でノーズ部93の曲面と、ベース円部92とノーズ部93の間の曲面の一部を形成する。ベース円部92とノーズ部93の間の残りの曲面を、低カムリフト側端部94のカムプロフィールの凸な曲線102と高カムリフト側端部95のカムプロフィールを結んだ直線をカムシャフトの中心軸101と同じ平面内にして、この直線を連続して動かした包絡面で形成すると簡単である。ベース円部92とノーズ部93の間の残りの曲面を、法線が平行なるように定義された直線で形成した包絡面の曲面と、カムシャフトの中心軸101と同じ平面内の直線で形成した包絡面の曲面とは形状の差はほとんどなく、バルブクリアランスが0.15mmほどある場合を前提にすると、実際の動作において2つの曲面は変わらないと考えてよい。
破線103で示したノーズ部93の立ち上がり部の近傍で、法線が平行になるよう定義された直線96による包絡面を滑らかに連続した面にするため、低カムリフト側端部94のカムプロフィールの立ち上がり部114と立ち下がり部115での接線がベース円部から連続していると想定したベース円の接線より、カムシャフトの中心軸101とノーズ部の頂部108を低カムリフト側端部94で結んだ直線116に対する傾きを小さくし、カムシャフトの中心軸101からベース円の径より短い距離の凸な曲線102と同じ傾斜で連続させる。破線105で示したノーズ部93の立ち下がり部の近傍でも同様に滑らかな面を形成する。
破線103と直線104の間、および破線105と直線106の間の曲面が、高カムリフト側端部95の部分を除き、ベース円の半径よりカムシャフトの中心軸101から短い距離になるため、破線103と破線105で示す立ち上がり部と立ち下がり部においてカムフォロワの平面に局所的に接するようにする場合、カムフォロワの平面が三次元カム91の別の箇所に当たらない滑らかに連続した曲面を形成できる。カムフォロワが三次元カム91と連続して局所的に接し、破線103と破線105の立ち上がり部と立ち下がり部で急激な加速度変化を受けることなく摺接できることになる。
三次元カム91の破線103の立ち上がり部から、ノーズ部93の曲面を経て、破線105の立ち下がり部に到るまでの中心軸101を中心とし、中心軸101に垂直な平面での角度が、それぞれのカムプロフィールでの作用角となる。この作用角および作用角の差は自由には設定できない。最大作用角を大きくするには制約は少ないが、作用角の差は限定されるため、最小作用角を小さくするには限界が伴う。作用角の差を決める判断は、カムフォロワが三次元カム91に如何に滑らかに接し、摺動するかで決まる。おおよそ第5図で示した作用角の範囲ほどならば、ノーズ部93の破線103の立ち上がり部と破線105の立ち下がり部でカムフォロワの接面が接する際に、ベース円部92の側の曲面に当たることがなく、滑らかな摺動が可能になる。
三次元カム91の破線103の立ち上がり部と破線105の立ち下がり部の近傍において、カムフォロワの平面状の1の接面が接し始め、接し終わる時のカムフォロワの姿勢が、カムフォロワを三次元カムのカム面に滑らかに摺接させることに影響する。第4図(a)で、バルブクリアランスがある場合に、カムフォロワ49が三次元カム48に接してバルブを開き初める、あるいは閉じ終わる時の姿勢で示すように、カムフォロワ49がこの姿勢で三次元カム48から離れ、同じ姿勢で三次元カムに接し始めるようにすると、カムフォロワ49の姿勢が原因で滑らかな摺動が妨げられることはない。
三次元カム48に接して回転するカムフォロワ49(図3、図4参照)は回転コマ運動によリ姿勢を維持する慣性を有する。カムフォロワ49は、バルブクリアランスがあると、第5図の三次元カム91の破線105の立ち下がり部近傍のノーズ部93の少し頂部108の側でバルブを閉め、カム面から離れる。離れた時の姿勢を基本的に保ち、カムフォロワ49の低カムリフト側の1の接面がベース円部92と接して僅かに姿勢を修正する過程をカムプロフィールによっては経て、ベース円部92を周り、破線103の立ち上がり部近傍のノーズ部93の少し頂部108の側で接し始め、バルブを開く。結果、三次元カム91がカムフォロワ49から離れてから再び滑らかに当たり始め、バルブを開く。
三次元カム91をカムフォロワ49に摺接させる際に、低カムリフト側端部94から5mmほど内側のカムプロフィール117で最小カムリフト量と最小作用角を、高カムリフト側端部95から6mmほど内側のカムプロフィール118で最大カムリフト量と最大作用角を得る。最小から最大のカムリフト量までの全てのカムプロフィールはカムシャフトの中心軸101に直交した平面に収まらず、ノーズ部93の立ち上がり部と立ち下がり部が低カムリフト側にシフトする。第1実施例の第4図でも示したように、このシフト量は三次元カム91の最大傾斜と滑りホルダの接面の凸な曲面の形状で決まるため、どのカムプロフィールにおいてもほとんど同じである。
結果、高回転速度でのバルブ動作の共振を軽減するカムプロフィールにするためには、三次元カム48の最大のカムリフト量の近傍で、カムシャフトの中心軸に直交する平面での断面上にない各カムプロフィールを直交する平面に投影し、その形状の関数をフーリエ展開した級数の高次の項を小さくする必要がある。
第5図で示した三次元カム91で、例として、最小カムリフト量のカムプロフィール117での作用角を128度、最大カムリフト量のカムプロフィール118での作用角を148度とする。バルブクリアランス(三次元カムのベース円部92とカムフォロワの接面の間の間隔に相当)が零の場合では、バルブの開弁作動角で最小256度と最大296度の2倍に変換され、開弁作動角の差は40度である。バルブクリアランスが0.15mmある場合には、三次元カム91の実質的な作用角は、最小90度と最大123度ほどになり、バルブの開弁作動角に変換されると、最小180度と最大246度ほどになり、差は66度で、26度ほど強調される。
三次元カムの低カムリフト側と高カムリフト側に作用角の差を設けず、バルブクリアランスと各カムプロフィールの傾斜の緩急に依存するだけでバルブの開弁作動角に差をつける場合、バルブクリアランスを同じ0.15mmにすると、強調された開弁作動角とほぼ同じ26度ほどの差になる。特に吸気バルブに用いて内燃機関のトルクや出力に明確な差をつけるほどの大きい差にはできない。低カムリフト側と高カムリフト側のカムリフト量の差を比較的小さくする排気バルブでは、バルブクリアランスのみに依存して開弁作動角の差を設けることはほとんどできない。また、バルブクリアランスの大きさにのみに依存する開弁作動角は変動し、固定分を有しないため、使用状態により短時間で変わり、初期設定状態や経時変化でのばらつきが大きく、実用的でない。
本発明の内燃機関の動弁装置は、低回転速度、低負荷から、高回転速度、高負荷までスロットル・バルブによらずに、吸気バルブさらには排気バルブの開弁リフト量と開弁作動角で対応できることを目標としている。特にアイドリング時のような低回転速度、低負荷では、吸気バルブのリフト量を1.5mm以下、開弁作動角をピストンの上死点から下死点ほどにできるだけ小さくする必要がある。高回転速度、高負荷に対応するには、吸気バルブのリフト量を9.0mmほど、開弁作動角を260度ほど確保する必要があり、カムフォロワの平面状の接面に連続して局所的に接し、カムフォロワに大きい加速度変化を起こすことない第5図で示すような三次元カムにしなければならない。
スロットル・バルブに依存しないでも、吸気バルブのリフト量が小さいと、絞り損失がなくなる訳ではない。ただし、開弁作動角を小さくこともあり、絞り損失を大幅に小さくできる。吸気バルブの開く時間は、バルブ開閉の1周期に対して4分の1程度とすると、同じ空気量をシリンダー内に吸入する場合、スロットル・バルブで吸入するのに比較して空気流入部の断面積は数分の1で済むため、大幅に絞り損失が小さくなる。
ガソリンを理論空燃比で燃焼させることを基本にした内燃機関では、圧縮時の温度上昇が低い少ない吸気で低回転速度、低負荷時の燃焼を安定させるためには、ある程度の絞り損失は必要であり、絞り損失でのエネルギーを吸気の温度上昇に変えて燃焼を安定させる。ただし、吸気バルブのリフト量を小さくすることにより吸気の流動速度を大きくできるため、燃焼速度を速くし、安定した燃焼を得やすく、さらにはトルクと燃費の改善を得る。従って、必要程度の絞り損失を得る開弁リフト量に対応する三次元カムの最小リフト量にすればよい。
実際に本発明の内燃機関の可変動弁装置を用いる場合、スロットル・バルブは様々な運転モードに柔軟に対応するために有効と考える。しかし、基本的にはスロットル・バルブに依存しないで対応する。その対応範囲は、三次元カムを有するカムシャフトを移動させるアクチュエータのレスポンスの能力にも依存する。本発明の内燃機関の可変動弁装置を排気バルブに用いる場合、吸気バルブほどではないにしても、特に低回転速度、低負荷時にシリンダ内の燃焼圧を下死点近くまでクランクシャフトの回転トルクに変換することでトルクと燃費の改善が得られる。吸気バルブと排気バルブに本発明の内燃機関の可変動弁装置を用いて適正に設計した場合、低、中回転速度でのトルクが大きくなり、高回転速度での出力が大きく、同排気量の単なる4バルブのものに較べて、平均的に燃費は25パーセント以上向上する。
第6図は、第1図と第2図で示す本発明の第1実施例のロッカーアーム構成の可変動弁装置での潤滑油の経路を示す断面図である。油圧ポンプに連結したロッカーアーム・シャフト54の中心軸の孔119から径方向の孔120に連続した1の給油経路を形成する。ロッカーアーム50にシャフト受孔75から凹部66に到る孔121で2の給油経路を形成する。1の給油経路と2の給油経路を連結し、貫通した孔73から三次元カム48と局所的に接するカムフォロワ49の1の接面59に、凹部66と突出部64の間からカムフォロワ49に線接触する滑りホルダ51の凸な曲面62に潤滑油を高い油圧で供給する。
径方向の孔120などからロッカーアーム・シャフト54とロッカーアーム50のシャフト受孔75の間に潤滑油を供給できる。図示しないが、押圧部79が摺接する部分に、溝で潤滑油を導く構成にしてよい。回転するカムフォロワ49の上側と下側の中心近傍から潤滑油が供給されることで、外側方向にまんべんなく拡散し、接する部分が確実に潤滑油で潤滑される。
三次元カム48でカムフォロワ49を押さない状態の場合には径方向の孔120と孔121を対向させない、あるいは少し対向させる状態にして、その間は潤滑油の供給を止めるか、少しの量だけ供給するようにしてもよい。潤滑油の使用量を抑制、あるいは、油圧で凹部66から持ち上げられてベース円部56に密着したカムフォロワ49がノーズ部55の立ち上がり部で不要な加速度変化を起こさないようにする。潤滑油は接する箇所の近傍から集中的に供給されるため、接する部分に潤滑油を潤沢に用いても使用量は比較的少なく済み、油圧ポンプから油圧で供給されるため潤滑油が途切れることなく、信頼性の高い潤滑を行うことができる。
第7図は、本発明の内燃機関の可変動弁装置を直動構成に適用した第2実施例の断面図と潤滑油の供給経路を示す。三次元カム122に接して揺動し回転するカムフォロワ123を介して滑りホルダ124を上下動させる。滑りホルダ124のカムシャフトの軸と平行な2つの押圧部で2つのバルブ125(1つのみを示す)を駆動する。滑りホルダ124は、スリーブ孔126に挿入され、シリンダヘッド127に立てたピン128に沿って上下に直動する。
油圧ポンプに連結したシリンダヘッド127の孔129から、シリンダヘッド127に立てたピン128の中心軸に設けた孔130と径方向の孔131および円環状の溝132に到る1の給油経路を形成し、滑りホルダ124のスリーブ孔126から凹部133に到る孔134を梁135の部分に形成した2の給油経路に連結して、貫通した孔136から三次元カム122と局所的に接するカムフォロワ123の1の接面137に、また、凹部133と突出部138の間からカムフォロワ123に線接触する滑りホルダ124の凸な曲面139に潤滑油を油圧で供給する。回転するカムフォロワ123の上側と下側の中心近傍から潤滑油が供給されることで、外側方向にまんべんなく拡散し、急速に位置が変化する接する部分が確実に潤滑油で潤滑される。
三次元カムの異なるカムプロフィールで動作させるためにはカムシャフトを軸方向に移動させるアクチュエータが必要である。しかし、これのみではバルブの開弁位相を連続的に変えることはできない。位相変換装置を用いてカムシャフトの軸方向の変位に対応させてカムシャフトを軸の回転方向に揺動させる。この揺動により、バルブの開弁作動角の中心角を変えることができる。アクチュエータや位相変換装置はシリンダヘッドの外側部に設置される。
第8図は、本発明の内燃機関の可変動弁装置のバルブタイミングの例を示す。アクチュエータでカムシャフトを駆動し、位相変換装置で位相を変える吸気用と排気用の三次元カムを独立に用いる。
図8(a)のバルブタイミングでは、吸気バルブ(IN)の開弁作動角は上死点(TDC)前24度から下死点(BDC)後24度まで、排気バルブ(EX)の開弁作動角は、下死点前46度から上死点後21度までとする。最低カムリフト量のカムプロフィールを用いて、吸気バルブの開弁リフト量を1.5mm以下に、排気バルブの開弁リフト量を6.0mmにする。図8(b)のバルブタイミングでは、吸気バルブの開弁作動角は上死点前26度から下死点後76度まで、排気バルブの開弁作動角は、下死前79度から上死点後29度までとする。吸気、排気の三次元カムの開弁リフト量のカムプロフィールを用いて吸気バルブの開弁リフト量を9.0mmに、排気バルブの開弁リフト量を8.0mmにする。ここでは、バルブタイミングはバルブのリフト量が零でなくなる、あるいは零になるタイミングを意味する。
図8(a)のバルブタイミングでは、吸気バルブの中心角は上死点後90度、排気バルブの中心角は上死点前102.5度で、図8(b)のバルブタイミングでは、吸気バルブの中心角は上死点後115度、排気バルブの中心角は上死点前115度となり、吸気バルブの開弁位相を最大25度、排気バルブの開弁位相を最大12.5度連続して変える必要がある。バルブクリアランスの多少の差によっては中心角はあまり変動しない。
バルブクリアランスの大きさによってバルブの開弁作動角は変わり、バルブクリアランスが大きくなるほど開弁作動角は小さくなる。バルブクリアランスが吸気バルブ、排気バルブともに0.12mmの場合には、図8(a)と図8(b)で示すバルブタイミングは、図8(c)と図8(d)で示すバルブタイミングになる。図8(c)のバルブタイミングでは、吸気バルブの開弁作動角は上死点から下死点まで、排気バルブの開弁作動角は下死点前25度から上死点までになる。図8(d)のバルブタイミングでは、吸気バルブの開弁作動角は上死点前10度から下死点後60度まで、排気バルブの開弁作動角は下死点前60度から上死点後10度までになる。実用的には0.12mm程度のバルブクリアランスを前提にしたバルブタイミングが考えられる。
図8(c)のバルブタイミングと、吸気バルブの開弁リフト量が1.2mm、排気バルブの開弁リフト量が5.0mmに近いバルブ開閉でアイドリングに対応する。図8(d)のバルブタイミングと、吸気バルブの開弁リフト量9.0mm、排気バルブの開弁リフト量が8.0mmに近いバルブ開閉で最大出力に対応する。バルブタイミングでは、アイドリングなどの低回転速度における吸気バルブと排気バルブの開弁オーバーラップを考慮する必要がある。ただし、スロットルで吸気を絞るのに較べて、吸気ポートの負圧を小さくすることが可能で、オーバーラップ時の排気ガスの吸気ポートへの逆流を少なくすることが可能である。排気バルブが開くタイミングは、ある一定の低回転速度、負荷までは固定してそれ以上においては連続的に変えると、燃費を向上しながらアクチュエータの駆動損失や油圧ポンプの容量負荷を低減できる。バルブタイミングは目的によって決めればよい。
産業上の利用可能性
以上のように本発明にかかる内燃機関の可変動弁装置は、自動車のエンジンに用いるのに適している。バルブの開弁リフト量と開弁作動角を連続的に変え、バルブによる可変吸入を可能にすることで大きいトルクと低燃費を得、比較的簡単な構成ゆえ高出力と高回転に対応でき、さらに理論空燃比の燃焼で対応できる範囲が広いことで低排気ガスが容易であるため産業上の利用効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明にかかる内燃機関の可変動弁装置のロッカーアーム構成の第1の実施例を組立斜視図を示し、第2図は、第1の実施例を一部断面で示す図である。
第3図は、第1の実施例での各部分が接する状態を示す図で、第4図は、各部分が接する位置を示す拡大図である。
第5図は、この発明の内燃機関の可変動弁装置に用いる三次元カムの形状を示す図である。
第6図は、第1の実施例での潤滑油の供給経路を示す断面図である。
第7図は、本発明にかかる内燃機関の可変動弁装置の直動構成の第2の実施例の断面図と潤滑油の供給経路を示す。
第8図は、この発明にかかる内燃機関の可変動弁装置のバルブタイミング図を示す。
第9図は、三次元カムを用いた従来の可変動弁装置の例を示す。
第10図は、従来の三次元カムの形状を示す図である。
第11図と第12図は、三次元カムを用いた従来の可変動弁装置の他の例を示す図である。

Claims (12)

  1. カムシャフトの軸方向にカムリフト量とカムプロフィールが連続的に変化する三次元カムと、該カムシャフトを軸方向に移動させる駆動手段を有する内燃機関の可変動弁装置において、該三次元カム、カムフォロワ、滑りホルダ、およびバルブが上から下に順に配置され、円形状の該カムフォロワは、該三次元カムに接する1の接面を上側に、該滑りホルダに接する2の接面を下側に有し、該1の接面は平面を含む該カムフォロワの中心軸に回転対称な面で、該2の接面は中央に球面形状の突出部を有する平面状の面で形成され、該滑りホルダは該カムフォロワの該2の接面に接する凸な曲面と中央近傍に凹部を有し、該凸な曲面は該カムシャフトの中心軸と直交する方向の平行な直線を連続して動かした包絡面で形成されて該三次元カムの傾斜の範囲に対応した接線の傾斜を連続して有し、該凹部は該直線と直交する平面に軸を有する円筒形状の孔で形成され、該カムフォロワは該突出部が該凹部に挿入されることで回転可能に、平面状の該2の接面が該凸な曲面に接することで該凸な曲面の直線と直交する平面方向のみに揺動可能にされ、該三次元カムの回転に同期して該カムフォロワが回転、揺動しながら上下に移動し、該滑りホルダが該カムフォロワを介して上下に動き、該滑りホルダに頂部が当接された該バルブが上下に往復動する構成にすることにより、連続して変化した該三次元カムのカムリフト量とカムプロフィールを連続的に変化する該バルブの開弁リフト量と開弁作動角に変換することを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記滑りホルダの前記凸な曲面の前記カムフォロワの2の接面と接する部分を、前記凹部の軸より前記カムシャフトの軸方向に偏在させることを特徴とする請求の範囲第1項記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記滑りホルダの前記凹部を直円筒形状の孔で形成し、前記カムフォロワの前記突出部を、前記凹部の開孔部から常に深い位置に中心を有する球面形状の一部と、前記球面形状の径より小さい寸法のくびれた構成の基部(69)で形成することを特徴とする請求の範囲第1項記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 前記カムフォロワの中心軸の位置に、前記突出部から貫通した孔を形成することを特徴とする請求の範囲第1項記載の内燃機関の可変動弁装置。
  5. 低カムリフト側端部(94)のカムプロフィールにベース円部(92)とノーズ部(93)の間がベース円の半径より前記カムシャフトの中心軸(101)から短い距離の外に凸な曲線(102)を設け、低カムリフト側端部(94)のカムプロフィールのベース円の半径と同じ距離のノーズ部の立ち上がり部(114)と立ち下がり部(115)が前記カムシャフトの中心軸(101)となす作用角を、高カムリフト側端部(95)のカムプロフィールの立ち上がり部(107)と立ち下がり部が前記カムシャフトの中心軸(101)となす作用角より小さくし、低カムリフト側端部(94)のカムプロフィールと高カムリフト側端部(95)のカムプロフィールでの法線が平行になる位置(97)、(99)を結んだ直線(96)を定義し、高カムリフト側端部(95)のカムプロフィールのノーズ部(93)の立ち上がり部(107)と立ち下がり部の近傍で前記カムシャフトの中心軸(101)と同一な平面に含まれる複数の定義された該直線のうち、少なくとも最もノーズ部(93)の頂部(108)に近い定義された該直線の位置からノーズ部の頂部(108)まで定義された該直線を連続して動かした包絡面でノーズ部(93)の曲面と、ベース円部(92)とノーズ部(93)の間の曲面の一部を形成した三次元カムを用いることを特徴とする請求の範囲第1項記載の内燃機関の可変動弁装置。
  6. 低カムリフト側端部(94)のノーズ部(93)の立ち上がり部(114)と立ち下がり部(115)において、低カムリフト側端部(94)のカムプロフィールの接線が前記カムシャフトの中心軸(101)とノーズ部(93)の頂部(108)を結んだ直線(116)となす傾斜を、立ち上がり部(114)と立ち下がり部(115)で想定したベース円の接線が該直線(116)となす傾斜より小さくした前記三次元カムを用いることを特徴とする請求の範囲第5項記載の内燃機関の可変動弁装置。
  7. 前記滑りホルダ(51)の前記カムシャフトの軸方向の両端に設けた2つの押圧部(79)、(80)を2つの前記バルブ(52)、(53)の前記頂部(77)、(78)に当接し、前記カムシャフト(57)と平行に円柱状のロッカーアーム・シャフト(54)を配置し、ロッカーアーム(50)に一体化した前記滑りホルダ(51)の前記凹部(66)の軸を2つの前記バルブ(52)、(53)と該ロッカーアーム・シャフト(54)の間の位置に配置し、前記三次元カム(48)の回転に同期して前記カムフォロワ(49)および前記滑りホルダ(51)を該ロッカーアーム・シャフト(54)を軸として揺動させるロッカーアーム構成にすることを特徴とする請求の範囲第1項記載の内燃機関の可変動弁装置。
  8. 前記滑りホルダ(124)の前記カムシャフトの軸方向の両端に設けた押圧部に2つの前記バルブ(125)の前記頂部を当接し、前記凹部(133)の前記軸を2つの前記頂部を結んだ直線の近傍に配置し、2つの前記頂部の位置と三角形の頂点に対応する位置に前記バルブ(125)の軸と平行な中心軸有するスリーブ孔(126)を前記滑りホルダ(124)に形成し、該スリーブ孔(126)と同じ中心軸と該スリーブ孔(126)の径と近似した小さい径を有する円柱形状のピン(128)をシリンダヘッド(127)に立て、該スリーブ孔(126)に該ピン(128)を挿入し、前記三次元カム(122)の回転に同期して前記カムフォロワ(123)および前記滑りホルダ(124)を前記バルブ(125)の軸方向に往復動させる直動構成にすることを特徴とする請求の範囲第1項記載の内燃機関の可変動弁装置。
  9. 前記ロッカーアーム・シャフト(54)の中心軸の孔(119)から径方向の孔(120)に連続した1の給油経路を形成し、前記ロッカーアーム・シャフト(54)に当接する部分から前記凹部(66)に到る孔(121)で2の給油経路を前記ロッカーアーム(50)に形成し、潤滑油が該1の給油経路から該2の給油経路を経由して前記カムフォロワ(49)と前記滑りホルダ(51)の外側に供給される構成にすることを特徴とする請求の範囲第7項記載の内燃機関の可変動弁装置。
  10. 前記ピン(128)の中心軸に設けた孔(130)から径方向の孔(131)に連続し、外周の円環状の溝(132)に到る3の給油経路を前記ピン(128)に形成し、前記スリーブ孔(126)から前記凹部(133)に到る孔(134)で4の給油経路を前記滑りホルダ(124)に形成し、潤滑油が該3の給油経路から該4の給油経路を経由して前記カムフォロワ(123)と前記滑りホルダ(124)の外側に供給される構成にすることを特徴とする請求の範囲第8項記載の内燃機関の可変動弁装置。
  11. 2つの前記バルブの前記頂部を結んだ直線の中点を通り該直線に垂直な平面上に、前記カムフォロワが前記滑りホルダの前記凸な曲面に接する範囲の中間の部分を配置することを特徴とする請求の範囲第7項、第8項記載の内燃機関の可変動弁装置。
  12. 前記カムフォロワの平坦状の前記2の接面と接する位置での前記滑りホルダの前記凸な曲面の曲率を、前記カムフォロワに接する前記三次元カムの傾斜の大きさに対応させて大きくすることを特徴とする請求の範囲第1項記載の内燃機関の可変動弁装置。
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