JPWO2003069276A1 - 位置計測方法、露光方法、並びにデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、観察視野を介してマークの一部分しか観察できない場合や、観察視野内からマークがずれる場合にも、そのマークの位置情報を正しく計測できる位置計測方法を提供する。この場合、観察系は、マークMの一部分を観察可能でかつマークM全体を観察不能な観察視野PFx、PFyを有する。観察系の観察視野PFx、PFyを介して、マークMが部分的に観察される領域を少なくとも一つ含むように、物体上の複数の領域S1,S2,S3,…を撮像し、その撮像結果に基づいて、撮像されるマークMの一部分がマークMのどの部分であるかを特定し、マークMの一部分を撮像した結果と、特定した結果とに基づいて、マークMの位置情報を求める。
Description
技術分野
本発明は、物体上に形成されたマークを観察系を介して撮像し、その撮像結果に基づいてマークの位置に関する位置情報を計測する位置計測方法に関し、特に、半導体素子や液晶表示素子などのデバイスの製造工程で使用される露光方法及び露光装置に用いられる方法に関する。
背景技術
半導体素子、液晶表示素子等の電子デバイスの製造工程では、プロセス処理を行いながら、基板(ウエハやガラスプレートなど)上に多数層の回路パターンを所定の位置関係で積み重ねて形成する。そのため、露光装置で2層目以降の回路パターンを基板上に露光する際には、マスク(又はレチクル)のパターンと基板上に既に形成されているパターンとの位置合わせ(アライメント)を高精度に行う必要がある。
基板(マスクを含む)上には位置合わせ用のマークが形成されており、このマークの位置に関する位置情報を計測し、その位置情報に基づいて上記の位置合わせが行われる。
マークに対する位置計測技術としては、ハロゲンランプ等を光源とする波長帯域幅の広い光や露光光の照明光で、基板上のマークを照射し、その光学像をCCDカメラ等の撮像手段で画像信号に変換し、その画像信号に基づいてマークの位置情報を計測するFIA(Field Image Aglignment)方式あるいはVRA(Video Reticle Alignment)方式や、レーザ光を基板上のマークに照射し、マークで回折または散乱された光を用いてマークの位置情報を計測するLSA(Laser Step Alignment)方式、基板上のマークに周波数をわずかに変えたレーザ光を2方向から照射し、あるいはレーザ光をマークに対して垂直に照射し、発生した2つの回折光を干渉させ、その位相からマークの位置情報を計測するLIA(LaserInterferometric Alignment)方式などが知られている。
上記位置計測技術のうち、FIA方式やVRA方式など、撮像手段を備える観察系を用いた位置計測方法では、その光学的な分解能がN.A.(開口数)と光の波長とによって大きく左右される。すなわち、N.A.が大きいほど、また、光の波長が小さいほど光学的な分解能は向上する。したがって、上記観察系を用いた位置検出方法において、所定の波長の光に対して、より高精度にマークの位置情報を計測するには、観察用の光学系の倍率を上げて、撮像面上に形成されるマークの光学像をピクセルサイズに対して相対的に大きくし、N.A.を大きくする必要がある。
ところが、観察用の光学系の倍率を上げると、その光学系の観察視野が物体に対して相対的に小さくなるために、基板上のマークの形状によっては、マークの一部分しか撮像できない場合が生じる。また、観察視野がマークからずれてマークを観察できない場合が生じやすい。プロセス条件によってはマークの形状を新たに変更するのは困難であり、その対応方法が課題となる。
また、一般に、観察視野内にマークを最初に配置する際には、観察視野内からマークからずれやすい。
本発明は、上述する事情に鑑みてなされたものであり、観察視野を介してマークの一部分しか観察できない場合や、観察視野内からマークがずれる場合にも、そのマークの位置情報を正しく計測できる位置計測方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、スループットを向上させることができる露光方法及びデバイス製造方法を提供することをも目的とする。
発明の開示
本発明の位置計測方法は、物体上に形成されたマーク(M)を観察系を介して撮像し、この撮像結果に基づいて前記マーク(M)の位置に関する位置情報を計測する位置計測方法において、観察系は、マーク(M)の一部分を観察可能でかつ前ーク(M)全体を観察不能な観察視野(PFx、PFy)を有し、観察系の観察視野(PFx、PFy)を介して、マーク(M)が部分的に観察される領域を少なくとも一つ含むように、物体上の複数の領域(S1,S2,S3,…)を撮像し、複数の領域(S1,S2,S3,…)を撮像した結果に基づいて、撮像される前記マーク(M)の一部分が前記マーク(M)のどの部分であるかを特定し、マーク(M)の一部分を撮像した結果と、この特定した結果とに基づいて、マーク(M)の位置情報を求めることを特徴とする。
この位置計測方法では、観察視野がマークからずれる場合にも、物体上の複数の領域を撮像することにより、その複数の領域のうちの少なくとも一つの領域でマークの一部分が撮像される。そして、このマークの一部分がマークのどの部分であるのかは、複数の領域を撮像した結果に基づいて特定される。そのため、この特定した結果と、マークの一部分を撮像した結果とに基づいて、マーク全体の位置情報を求めることができる。
その結果、観察視野を介してマークの一部分しか観察できない場合や、観察視野内からマークがずれる場合にも、そのマークの位置情報を正しく計測することができる。
上記位置計測方法において、例えば、複数の領域(S1,S2,S3,…)のうち、マーク(M)が部分的に観察される領域の個数に基づいて上記の特定を行ってもよく、あるいは複数の領域(S1,S2,S3,…)のうち、マーク(M)が部分的に観察される領域同士の位置関係に基づいて上記特定を行ってもよい。
また、マーク(M)が、特徴が互いに異なる複数のマーク領域(MA1〜MA4)を含む場合、マーク(M)の一部分を撮像した結果に基づいて、このマーク(M)の一部分が前記複数のマーク領域(MA1〜MA4)のうちのいずれの特徴を有するかを抽出し、この抽出結果に基づいて上記特定を行ってもよい。これにより、マークの位置情報が、より正確に計測される。
また、上記位置計測方法において、複数の領域(S1,S2,S3,…)のうちの隣り合う2つの領域は、所定の方向に対して互いに一部重なるのが好ましい。これにより、上記特定が、より確実に行われる。
また、上記位置計測方法において、観察系の観察視野(PFx、PFy)を物体に対して相対的に移動させながら複数の領域(S1,S2,S3,…)を撮像してもよく、あるいは観察系が複数の観察視野を有し、この複数の観察視野を介して、複数の領域(S1,S2,S3,…)を同時に撮像してもよい。
観察系の観察視野を物体に対して相対的に移動させて複数の領域を撮像する場合、装置構成の簡素化が図られ、複数の観察視野を介して複数の領域を同時に撮像する場合、スループットの向上が図られる。
また、本発明の露光方法は、上記物体が、パターンが形成されたマスク、あるいはこのマスクのパターンが転写される基板であり、上記位置計測方法により計測された前記マークの位置情報に基づいて、マスクあるいは基板を位置決めし、マスクを照明することにより、基板上にパターンの像を転写することを特徴としている。
また、本発明のデバイス製造方法は、上記露光方法を用いて、マスク上に形成されたデバイスパターンを基板上に転写する工程を含むことを特徴としている。
本発明の露光方法及びデバイス製造方法によれば、観察視野を介してマークの一部分しか観察できない場合や、観察視野内からマークがずれる場合にも、そのマークの位置情報を正しく計測することができる。したがって、短時間での基板あるいはマスクの位置決めが可能となり、スループットを向上させることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の位置計測方法の一実施例を概念的に示す図である。本例の位置計測方法は、基板上に形成されたマークMを、観察手段としてのCCDカメラを備える観察系の観察視野を介して撮像し、その撮像結果に基づいて、マークMの中心位置(マークの中心のX座標及びY座標)を求めるものである。なお、図では、X軸用の観察視野PFxを実線で示し、Y軸用の観察視野PFyを破線で示している。また、観察系内の所定の中心点を原点(0,0)として、座標軸X、Yが設定されている。さらに、説明の簡潔化のため、必要に応じて、+X軸方向を右側、−X軸方向を左側、+Y軸方向を上側、−Y軸方向を下側と呼ぶ。
図2は、本例におけるマークMの構成例を示している。マークMは、全体が略矩形状に形成されるとともに、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ分割され、特徴が互いに異なる4つのマーク領域(第1マーク領域MA1、第2マーク領域MA2、第3マーク領域MA3、及び第4マーク領域MA4)を有している。この4つのマーク領域MA1〜MA4は、互いに所定の間隔を空けて配置されている。第1及び第4マーク領域MA1、MA4は、Y軸方向に延びた直線状のラインパターンMLyがX軸方向に所定ピッチで周期的に配列されたマーク要素を含み、第2及び第3マーク領域MA2、MA3は、X軸方向に延びた直線状のラインパターンMLxがY軸方向に所定ピッチで周期的に配列されたマーク要素を含む。また、第1マーク領域MA1と第4マーク領域MA4とは配列周期(ライン・アンド・スペース;L/S)が互いに異なり、第2マーク領域MA2と第3マーク領域MA3とも配列周期が互いに異なる。つまり、ラインパターンの延在方向及びその配列周期によって、4つのマーク領域MA1〜MA4が特徴づけられている。これら4つのマーク領域MA1〜MA4は、クロム等からなる低反射率の背景領域に、高反射率の直線状のラインパターンMLx、MLyを基板上に設けたものからなる。
ここで、図2に示すように、観察系の観察視野PFx、PFyは、上記構成のマークMに比べて小さい。具体的には、観察視野PFx、PFyの1辺の長さが矩形状のマークMの1辺の長さLx、Lyの約1/4となっている。そのため、観察視野PFx、PFyでは、マークMの一部分を観察可能であっても、マークMの全体を観察することはできない。そこで、本例では、マークMの端部を撮像した結果に基づいて、マークMの中心位置を求める。なお、「マークMの端部」とは、X軸及びY軸方向にそれぞれLx、Lyの長さを有するマークM全体の端部のことを言う。
図3A〜図3Cは、マークMの端部として、第2マーク領域MA2の端部を図3Cのように撮像したときに得られる画像データの信号波形の一例を示しており、図3Aは観察視野PFxを介して得られるX軸用のCCDカメラの画像信号波形VHx、図3Bは観察視野PFyを介して得られるY軸用のCCDカメラの画像信号波形VHyを示している。なお、X軸用のCCDカメラは、X軸方向に水平走査線をもち、Y軸用のCCDカメラは、Y軸方向に水平走査線をもち、それぞれ走査線と直交する方向の信号レベルを積算して出力する。
図3Aにおいて、X軸用のCCDカメラによる信号波形VHxには、第2マーク領域MA2におけるラインパターンMLxの右端部に対応した波形部分Vx1と、低反射率の背景領域に対応した無波形部分Vx2とが含まれる。同様に、図3Bにおいて、Y軸用のCCDカメラによる信号波形VHyには、第2マーク領域MA2における上端部のラインパターンMLxに対応した波形部分Vy1と、低反射率の背景領域に対応した無波形部分Vy2とが含まれる。この場合、X軸用の信号波形VHxでは、ラインパターンMLxに対応する波形部分Vx1が走査方向(X軸方向)にほぼ一定の信号レベルを示すのに対し、Y軸用の信号波形VHyでは、ラインパターンMLxに対応する波形部分Vy1に、ラインパターンMLxの間のスペース部分に対応した信号が含まれる。このスペース部分の信号は無波形部分Vy2と同程度の低い信号レベルとなるので、両者を区別するために、ラインパターンMLxに対応する波形がラインパターンMLxの配列ピッチよりも長い区間にわたって含まれないことが、無波形部分Vy2の条件となる。
波形部分Vx1、Vy1と無波形部分Vx2、Vy2とが検出されると、その検出結果に基づいてマークMの端の位置を求めることができる。図3A〜図3Cの例では、波形部分Vx1、Vy1と無波形部分Vx2、Vy2との境界(ラインパターンMLxの最終エッジに対応する極値)がマークMの端(X=a1、Y=b1)として求められる。そして、マークMの端の位置が求められると、そこからマークMの中心位置を算出することができる。図3A〜図3Cの例では、X軸方向において、波形部分Vx1の右側(+X軸方向)に無波形部分Vx2があるので、X軸用のCCDカメラで撮像した領域がマークMの右端部であることが分かり、Y軸方向においては、波形部分Vy1の上側(+Y軸方向)に無波形部分Vy2があるので、Y軸用のCCDカメラで撮像した領域がマークMの上端部であることが分かる。したがって、マークM中心のX座標は(a1−Lx/2)であり、Y座標は(b1−Ly/2)である(Lx:マークMのX軸方向長さ、Ly:マークMのY軸方向長さ。図2参照)。
このように、本例では、マークMに比べて観察系の観察視野PFx、PFyに比べて小さいものの、マークMの端部を撮像した結果に基づいて、マークMの中心位置を求めることができる。なお、ここでは、マークMの第2マーク領域MA2を撮像した例について説明したが、他のマーク領域を撮像した場合も同様に、マークの中心位置を求めることができることは言うまでもない。すなわち、マークMの端部のうち、X軸方向の端部(右端部あるいは左端部)を撮像することにより、マークM中心のX座標を求めることができ、Y軸方向の端部(上端部あるいは下端部)を撮像することにより、マークM中心のY座標を求めることができる。
図1に戻り、符号TAは、上記観察系の原点(0,0)に対して、マークMの中心がずれる可能性のある範囲(許容領域)を示している。こうしたずれは、例えば、マークに対する観察視野の相対的な配置誤差や、基板(あるいはマーク)の形状誤差等が起因となって生じる。本例では、このマークMの中心がずれる可能性のある範囲(許容領域TA)が、マークMよりも大きく、1辺の長さがマークMの約2倍となっている。そのため、本例の観察系では、観察視野PFx、PFyを介してマークMを撮像しようとしても、観察視野PFx、PFyがマークMからずれてマークMを観察できない場合が生じ、しかも、観察視野PFx、PFyでマークMを観察できても、その観察視野PFx、PFy内にマークMの端部が含まれるとは限らない。
そのため、本例の位置計測方法では、観察系の観察視野PFx、PFyを介して、マークMの端部を観察可能な領域を少なくとも一つ含むように、基板上の複数の領域を撮像する。具体的には、上記許容領域TA内で観察視野PFx、PFyを、基板に対して相対的に所定ピッチずつステップ移動させ、各移動先に対応する基板上の領域(観察領域S1,S2,S3,…)を撮像する。ステップ移動の方向は、矩形状の許容領域TAの対角方向であり、X軸(及びY軸)に対してほぼ45°斜め方向である。この観察視野PFx、PFyのステップ移動は、マークMの位置情報を計測可能な撮像結果が得られるまで、許容領域TA内でシフト移動しながら複数回繰り返される。図1には、観察系に予め設定されている観察視野PFx、PFyの4つの移動シーケンス(第1シーケンス〜第4シーケンス)に対応する観察領域S1,S2,S3,…が示されている。
図4は、本例の位置計測方法の全般的な流れを示すフローチャート図である。以下、この図4と先の図1を参照して、本例の位置計測方法の全体の流れを説明する。
まず、観察系では、上記許容領域TAの中央付近を移動するように、第1シーケンスに基づいて、許容領域TA内で観察視野PFx、PFyを所定のピッチでステップ移動させるとともに、各移動先に対応する基板上の観察領域S1〜S7を観察視野PFx、PFyを介して撮像する(ステップ100)。続いて、観察領域S1〜S7を撮像したデータによってマークMの位置情報を計測可能か否かを判別し(ステップ101)、上記計測が困難な場合は、次の第2シーケンスに移る。
第2シーケンスでは、先の図1に示すように、第1シーケンスのステップ方向と垂直な方向に観察視野PFx、PFyの移動ラインをシフトさせ、第1シーケンスと同様に、観察視野PFx、PFyを所定のピッチでステップ移動させ、各移動先に対応する基板上の観察領域S8〜14を撮像する(ステップ102)。続いて、観察領域S8〜S14を撮像したデータによってマークMの位置情報を計測可能か否かを判別し(ステップ103)、上記計測が困難な場合は、次の第3シーケンスに移る。以後同様の手順で、第3シーケンスさらに必要に応じて第4シーケンスに対応する基板上の観察領域S15〜S18、及び観察領域S19〜S22を撮像する(ステップ104、105、106)。
なお、上記各判別工程(ステップ101、103、105)において、撮像データからマークMの位置情報を計測可能な場合には、マークMの位置情報(中心位置)を計測し(ステップ107)、その後のシーケンスに基づく撮像動作は行わない。このように、マークMの位置情報を計測可能となった時点で撮像動作を終了することにより、スループットの低下を抑制することができる。なお、本例では、最初に許容領域TAの中央付近を観察しているが、これは、一般に、許容領域TAの中央付近にマークMが配置されている確率が高いと考えらたためであり、許容領域TA内の複数の観察領域の観察順序は任意に変更可能である。例えば、マークMの位置計測を複数回繰り返したとき、許容領域TA内のある箇所(例えば左上部分)でマークMが観察されることが多い場合には、撮像時間短縮のために、その箇所(例えば左上部分)を先に撮像するようにしてもよい。
ここで、上記第1〜第4シーケンスは、許容領域TA内において観察される複数の観察領域S1,S2,S3,…のうち、少なくとも1つの観察領域でマークMの端部が必ず撮像されるように設定されている。すなわち、観察系において、マークMの端部を観察可能な領域を少なくとも1つ含むように、観察視野PFx、PFyのステップ移動量(移動ピッチ)及びシフト移動量が定められている。
図5は、観察視野PFx、PFyのステップ移動の様子を拡大して示している。図5に示すように、X軸方向に対して、観察視野PFxを介して観察される複数の観察領域のうちの隣り合う2つの観察領域の一部の区間Lpxが重なるように、観察視野PFxの移動ピッチpxが設定されている。また、Y軸方向に対しても同様に、隣り合う2つの観察領域の一部の区間Lpyが重なるように、観察視野PFyの移動ピッチpyが設定されている。この重複区間Lpx、Lpyは、上記マークに含まれるラインパターンの配列ピッチとライン幅との合計以上の長さを有する。このように、隣り合う2つの観察領域が、X軸及びY軸方向に対して一部重なるように配列されることにより、マークMの端部をより確実に撮像することができる。すなわち、例えば、観察視野PFx、PFyの境界とマークMの端とがほぼ重なり、そのときの観察領域においてはマークMの端部の撮像データを得るのが困難な場合にも、上記重複区間を有することにより、その隣の観察領域においてマークMの端部が撮像可能となる。
図6A〜図8Bは、上述したステップ移動する観察視野PFx、PFyを介して、許容領域TA内の様々な位置に配されるマークMを撮像する様子を示しており、観察視野PFx、PFyとマークMとの相対的な位置関係の様々なパターン例を示している。本例の位置計測方法では、許容領域TA(図1参照)内のいずれの位置にマークMが配置されても、すでに説明したように、観察視野PFx、PFyを介して、基板上の複数の観察領域S1,S2,S3,…を観察することにより、少なくとも一つの観察領域でマークMの端部を撮像する。ただし、本例のマークMは、先の図2を用いて説明したように、4つのパターン領域が互いに所定の間隔を空けて配置されているので、このパターン領域の間隔部分を撮像した画像データは、マークMの端部を撮像した画像データに似た信号パターンを示す傾向にある。そのため、本例の位置計測方法では、基板上の複数の観察領域S1,S2,S3,…を撮像した結果に基づいて、マーク端部として観察されたマークの一部分(仮のマーク端部)が正しくマークMの端部であることを特定し、その上で、マークMの中心位置を求める。以下、図5〜図8Bを参照しながら、本例の位置計測方法の詳細について説明する。
図6A〜図6Cは、1つの観察領域において、マークMの一部分がX軸方向及びY軸方向の端部として撮像される例を示している。すなわち、図6Aの例では、複数の観察領域S1〜S7のうちの観察領域S5において、マークMの一部分がX軸方向及びY軸方向の端部として観察される。すなわち、観察領域S5を撮像した画像データのX軸用及びY軸用の信号波形にそれぞれ、マークに対応する波形部分と背景領域に対応する無波形部分とが含まれる。また、図6Bの例では、観察領域S4において、マークMの一部分がX軸方向のマーク端部として観察され、観察領域S5において、マークMの一部分がY軸方向のマーク端部として観察される。さらに、図6Cの例では、観察領域S4において、マークMの一部分がX軸方向のマーク端部として観察され、観察領域S6において、マークMの一部分がY軸方向のマーク端部として観察される。
マークMの一部分が端部として観察される領域が1つの場合、そのマークMの一部分は正しくマークMの端部であると特定される。すなわち、図6A〜図6Cに示す例は、正しくマークMの端部を観察しているとき以外は起こらない。観察したマークMの一部分がマークMの端部であることが特定されれば、先の図3A〜図3Cを用いて説明したように、その特定した結果と、マークMの一部分の撮像データとに基づいて、マークMの中心位置を求めることができる。
図7A及び図7Bは、2つの観察領域において、マークMの一部分がX軸方向及びY軸方向の端部として観察される例を示している。すなわち、図7Aの例では、複数の観察領域S1〜S7のうちの観察領域S2及び観察領域S6において、マークMの一部分がX軸方向及びY軸方向のマーク端部として観察される。また、図7Bの例では、観察領域S3及び観察領域S6において、マークMの一部分がX軸方向及びY軸方向のマーク端部として観察される。なお、図7Aにおける観察領域S4、及び図7Bにおける観察領域S4、S5を撮像した画像データは、マークMの端部を撮像した画像データに似た信号パターンを示すが、それらの観察領域よりも外側の観察領域において、マークMの一部分がマーク端部として観察されていることから、内側の観察領域で観察されるマークMの一部分はマーク端部として認識されない。
マークMの一部分が端部として観察される領域が2つの場合、その2つの領域同士の位置関係に基づいて、観察されるマークMの一部分が正しくマーク端部であるかどうかが判別される。図7A及びBの例では、マーク端部が観察される2つの領域同士が隣り合わない離れた位置関係にある(S2→S6、あるいはS3→S6)。この場合、マーク端部として観察されるマークMの一部分は正しくマークMの端部であると特定される。観察したマークMの一部分がマークMの端部であることが特定されれば、上述したように、その特定した結果と、マークMの一部分の撮像データとに基づいて、マークMの中心位置を求めることができる。
図8A及び図8Bは、図7A及び図7Bと同様に、2つの観察領域において、マークMの一部分がX軸方向及びY軸方向のマーク端部として観察される例を示している。すなわち、図8A及び図8Bの例ではそれぞれ、複数の観察領域S1〜S7のうちの観察領域S4及び観察領域S5において、マークMの一部分がX軸方向及びY軸方向のマーク端部として観察される。
図7A及び図7Bの例と異なり、図8A及び図8Bの例では、マークMの一部分が端部として観察される2つの領域同士が隣り合う位置関係にある(S4→S5)。この場合、これまでに得られた情報だけでは、観察されたマークMの一部分のうちのどれが正しくマークMの端部であるかを特定することはできない。そのため、この場合、マークMの一部分を撮像した画像データから、その部分の特徴抽出を行って、上記特定の補完を行う。
すなわち、先の図2を用いて説明したように、マークMは、特徴が互いに異なる複数のマーク領域MA1〜MA4からなる。そのため、マークMの一部分を撮像した画像データがどのマーク領域の特徴を有しているかを抽出することにより、観察されたマークMの一部分が正しくマークMの端部であるかどうかを判別することが可能となる。なお、この図8のケースが生じるのは、第1マーク領域MA1もしくは第4マーク領域MA4を撮像した場合に限られる。そのため、X軸用の観察視野PFxを介して得られる波形ピッチを計測することにより、マーク領域の特徴として、ラインパターンの配列周期を抽出することができる。つまり、抽出される特徴(配列周期)が第1マーク領域MA1のものであれば、観察視野PFx、PFyとマークMとは、図8Aに示す位置関係にあることが分かるので、X軸方向については観察領域S4で観察されるマークMの一部分、Y軸方向については観察領域S5で観察されるマークMの一部分がそれぞれ、マークMの端部として特定される。また、逆に、抽出される特徴(配列周期)が第4マーク領域MA4のものであれば、観察視野PFx、PFyとマークMとは、図8Bに示す位置関係にあると分かるので、X軸方向については観察領域S5で観察されるマークMの一部分、Y軸方向については観察領域S4で観察されるマークMの一部分がそれぞれ、マークMの端部として特定される。そして、観察されたマークMの一部分のうちのどれが正しくマークMの端部であるのかが特定されれば、上述したように、その特定した結果と、マークMの一部分の撮像データとに基づいて、マークMの中心位置を求めることができる。
図9は、これまで説明した本例の位置計測方法における処理の具体的な流れを示すフローチャート図である。上述したように、本例の位置計測方法では、基板上の複数の観察領域を観察することにより、そのうちの少なくとも一つの観察領域においてマークの一部分をマーク端部(仮のマーク端部)として撮像する(ステップ200)。次に、(1)仮のマーク端部が観察された観察領域の個数を判別する工程(ステップ201)、(2)仮のマーク端部が観察される観察領域同士の位置関係を判別する工程(ステップ202)、(3)仮のマーク端部の画像データの特徴を抽出する工程(ステップ203)の少なくとも1つを経ることによって、観察される仮のマーク端部のうちのどれが正しくマークの端部であるかを特定する(ステップ204)。そして、その特定されたマーク端部の画像データに基づいて、マークの中心位置を求める(ステップ205)。これにより、マークの一部分しか観察できない場合や、観察視野内からマークがずれやすい場合にも、そのマークの位置情報を正しく計測することができる。
なお、観察系に予め設定される観察視野の移動シーケンスは、図1に示したものに限定されない。図1の例では、4つの移動シーケンス(第1シーケンス〜第4シーケンス)に基づいて、許容領域内の複数の観察領域を観察する場合について示したが、図10に示すように、5つの移動シーケンスを用いてもよい。
また、図1及び図10の例においては、第2シーケンスは第1シーケンスで観察された領域から所定間隔を置いた斜め隣の領域を観察するように設定されているが、第1シーケンスで観察された領域の真横、または上下を第2シーケンスで観察するように設定しても良い。
さらには、図1及び図10の例においては、各シーケンス内で観察領域は斜め方向に移動するが、観察領域の軌跡がW字を描くように観察領域を移動させても良い。
また、マークの構成も、図2に示したものに限らず、任意に変更可能である。例えば、図11に示すように、マーク領域MA1〜MA4同士の間隔がほとんどない構成のマークM2も適用可能である。
また、本例では、観察系の観察視野PFx、PFyを基板に対して相対的に移動させながら複数の観察領域S1,S2,S3,…を撮像しているが、これに限らず、観察系が、複数の観察領域S1,S2,S3,…のそれぞれに対応する複数の観察視野を備え、その複数の観察視野を介して、複数の観察領域S1,S2,S3,…を同時に撮像してもよい。観察系の観察視野を基板に対して相対的に移動させて複数の領域を撮像する場合、装置構成の簡素化が図られ、複数の観察視野を介して複数の領域を同時に撮像する場合、スループットの向上が図られる。
なお、以上の実施形態では図2に示した4つのマーク領域で構成されるマークの外側端部を検出してマークの位置情報を検出したが、4つのマーク領域それぞれの内側端部を検出しても良い。
また、図11に示したようなマーク領域MA1〜MA4同士の間隔がほとんど無い構成のマークM2の位置を検出する場合にも、MA1とMA2との境界、MA2とMA4との境界、MA4とMA3との境界、MA3とMA1との境界を検出することで、マークの位置を検出しても良い。例えば観察領域がMA1とMA2との境界に跨る位置にあるとき、領域MA1からはライン部に対応した信号とスペース部に対応した信号とが交互に並ぶ波形が得られ、領域MA2からはほぼ一定の信号が得られるため、MA1とMA2との境界の位置情報を特定することが可能である。
次に、本発明の露光方法の実施例について説明する。
上述した本発明の位置計測方法の実施例は、図12に示すような半導体デバイス製造用の縮小投影型露光装置に好適に使用することができる。図12に示す露光装置10の実施形態例は、マスクとしてのレチクルRと基板としてのウエハWとを1次元方向に同期移動させつつ、レチクルRに形成された回路パターンを、ウエハW上の各ショット領域に転写する、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置、いわゆるスキャニング・ステッパである。
この投影露光装置10は、光源12を含む照明系11、レチクルRを保持するレチクルステージRST、レチクルRに形成されたパターンの像をウエハW上に投影する投影光学系PL、ウエハWを保持する基板ステージとしてのウエハステージWST、一対の観察手段としてのレチクルアライメント顕微鏡22A,22B、ウエハアライメントセンサ27、メインフォーカス検出系(60a,60b)及び制御系等を備えている。
照明系11は、例えばエキシマレーザから成る光源12、ビーム整形用レンズ及びオプチカルインテグレータ(フライアイレンズ)等を含む照度均一化光学系16、照明系開口絞り板(レボルバ)18、リレー光学系20、不図示のレチクルブラインド、折り曲げミラー37及び不図示のコンデンサレンズ系等を含む。ここで、この照明系11の構成各部についてその作用とともに説明すると、光源12から射出された照明ビームIL(エキシマレーザ光(KrF、ArF)等)は、照度均一化光学系16によって光束の一様化、スペックルの低減化等が行われる。ここで、光源12のレーザパルスの発光は後述する主制御装置13によって制御されるようになっている。なお、光源12として、超高圧水銀ランプを用いても良く、この場合には、g線、i線等の紫外域の輝線が照明ビームとして用いられるとともに、不図示のシャッタの開閉が主制御装置13によって制御されることになる。
照度均一化光学系16の出口部分には、円板状部材から成る照明系開口絞り板18が配置されている、この照明系開口絞り板18には、ほぼ等角度間隔で、例えば通常の円形開口より成る開口絞り、小さな円形開口より成りコヒーレンスファクタであるσ値を小さくするための開口絞り、輪帯照明用の輪帯状の開口絞り、及び変形光源法用に複数の開口を偏心させて配置して成る変形開口絞り(いずれも図示省略)等が配置されている。この照明系開口絞り板18は、主制御装置13により制御されるモータ等の駆動系24により回転駆動されるようになっており、これによりいずれかの開口絞りが照明ビームILの光路上に選択的に設定される。
照明系開口絞り板18の後方の照明ビームILの光路上には、不図示のブラインドを介在させてリレー光学系20が設置されている。ブラインドの設置面はレチクルRと共役関係にある。リレー光学系20後方の照明ビームILの光路上には、このリレー光学系20を通過した照明ビームILをレチクルRに向けて反射する折り曲げミラー37が配置され、このミラー37後方の照明ビームILの光路上には不図示のコンデンサレンズが配置されている。このため、リレー光学系20を通過する際に、照明ビームILは、不図示のブラインドでレチクルRの照明領域が規定(制限)された後、ミラー37で垂直下方に折り曲げられて不図示のコンデンサレンズを介してレチクルRの上記照明領域内のパターン領域PAを均一な照度で照明する。
レチクルRは、レチクルステージRST上に載置され、不図示のバキュームチャック等を介して吸着保持されている。レチクルステージRSTは、水平面(XY平面)内で2次元移動可能に構成されており、レチクルRがレチクルステージRSTに載置された後、レチクルRのパターン領域PAの中心点が光軸AXと一致するように位置決めが行なわれる。こうしたレチクルステージRSTの位置決め動作は、主制御装置13によって不図示の駆動系が制御されることにより行われる。また、レチクルRの初期設定のためのレチクルアライメントについては、後に詳述する。なお、レチクルRは図示しないレチクル交換装置により適宜交換されて使用される。
投影光学系PLは、両側テレセントリックな光学配置になるように配置された共通のZ軸方向の光軸AXを有する複数枚のレンズエレメントから構成されている。また、この投影光学系PLとしては、投影倍率が例えば1/4又は1/5のものが使用されている。このため、上述したように、照明ビームILによりレチクルR上の照明領域が照明されると、そのレチクルRのパターン面に形成されたパターンが投影光学系PLによって表面にレジスト(感光材)が塗布されたウエハW上に縮小投影され、ウエハW上の一つのショット領域にレチクルRの回路パターンの縮小像が転写される。但し、図12では、説明の都合上、ウエハW上にレチクルパターン像が結像する露光時の状態以外の場合が示されている。
ウエハステージWSTは、投影光学系PLの下方に配設された定盤(ステージ定盤BS)上に載置されている。このウエハステージWSTは、実際には水平面(XY面)内を2次元移動可能なXYステージと、このXYステージ上に搭載され光軸方向(Z方向)に微動可能なZステージ等から構成されるが、図12ではこれらが代表的にウエハステージWSTとして示されている。以下の説明中では、このウエハステージWSTは、駆動系25によってステージ定盤BSの上面に沿ってXY2次元方向に駆動されるとともに微小範囲(例えば100μm程度)内で光軸AX方向にも駆動されるようになっているものとする。なお、ステージ定盤BSの表面は、平坦に加工されており、且つ低反射率の物質(黒クロム等)により一様にめっき加工が施されている。
また、このウエハステージWST上にウエハホルダ52を介してウエハWが真空吸着等によって固定されている。ウエハステージWSTの2次元的な位置は、このウエハステージWST上に固定された移動鏡53を介してレーザ干渉計56によって所定の分解能(例えば1nm程度)の分解能で常時検出され、このレーザ干渉計56の出力が主制御装置13に与えられている。そして、主制御装置13によって駆動系25が制御され、このような閉ループの制御系により、例えば、ウエハステージWSTはウエハW上の1つのショット領域に対するレチクルRのパターンの転写露光(スキャン露光)が終了すると、次のショットに対する露光開始位置までステッピングされる。また、すべてのショット位置に対する露光が終了すると、ウエハWは不図示のウエハ交換装置によって他のウエハWに交換される。なお、ウエハ交換装置は、ウエハステージWSTから外れた位置に配置され、ウエハWの受け渡しを行うウエハローダ等のウエハ搬送系を備えて構成されている。
また、ウエハW面のZ方向の位置は、メインフォーカス検出系により測定される。メインフォーカス検出系としては、投影光学系PLの結像面に向けてピンホールまたはスリットの像を形成するための結像光束もしくは平行光束を、光軸AXに対して斜め方向より照射する照射光学系60aと、その結像光束もしくは平行光束のウエハW表面(又は後述する基準板WFB表面)での反射光束を受光する受光光学系60bとから成る斜入射光式の焦点検出系が用いられており、受光光学系60bからの信号が主制御装置13に供給されている。そして、主制御装置13では受光光学系60bからの信号に基づき、常に投影光学系PLの最良結像面にウエハWの面が来るように駆動系25を介してウエハWのZ位置を制御する。
また、ウエハステージWST上には、後述するレチクルアライメント及びベースライン計測のためのウエハ基準マーク(ウエハフィデューシャルマーク)WFM1,WFM2,及びWFM3等の各種の基準マークが形成された基準板WFBが設けられている。この基準板WFBの表面位置(Z方向の位置)はウエハWの表面位置とほぼ同一とされている。なお、本例では、ウエハ基準マークWFM1〜WFM3が形成された基準板WFBをウエハステージWST上に設けているが、この基準板WFBは、ステージ定盤上BSであれば他の位置(例えばウエハホルダ52上や移動鏡53上等)にあってもよい。
ウエハアライメントセンサ27としては、ここでは、検出基準となる指標を備え、その指標を基準としてウエハW上のウエハアライメントマーク又は基準板WFB上のウエハ基準マークWFMの位置を検出する例えば特開平4−65603号公報等で公知の画像処理方式の結像式センサが用いられている。このウエハアライメントセンサ27の検出値も主制御装置13に供給されるようになっている。なお、ウエハアライメントセンサとして、例えば特開平10−141915号公報等で公知のレーザスキャン式センサや、レーザ干渉式センサ等の他の方式のものを用いても構わない。
一方のレチクルアライメント顕微鏡22Aは、プリズム28A、半透鏡30A及び観察系32Aを備えている。このレチクルアライメント顕微鏡22Aは、ケースにより一体化され、駆動系26Aによって図12の矢印A、A’方向に移動自在に構成されている。主制御装置13では、後述するレチクルアライメントやベースライン計測を行なう際には、当該レチクルアライメント顕微鏡22Aを駆動系26Aを介して矢印A方向に駆動して図12に示される位置に位置決めし、レチクルアライメントやベースライン計測が終了すると、露光の際に邪魔にならないように、駆動系26Aを介して矢印A’方向に駆動して所定の退避位置に退避させる。
また、他方のレチクルアライメント顕微鏡22Bは、同様に、プリズム28B、半透鏡30B及び観察光学系32Bを備え、ケースにより一体化され、駆動系26Bによって図12の矢印B、B’方向に移動自在に構成されている。そして、このレチクルアライメント顕微鏡22Bも、同様に、主制御装置13により、後述するレチクルアライメントやベースライン計測を行なう際に、図12に示される位置に位置決めされ、レチクルアライメントやベースライン計測が終了すると、所定の退避位置に退避されるようになっている。なお、本実施例では、ミラー37、プリズム28を介して、レチクルアライメント顕微鏡22で検出用照明として使用する露光光(照明ビームIL)を導いているが、本発明はこれに限らず、例えば照明ビームをミラー等で分岐させた後、光ファイバを用いてレチクルアライメント顕微鏡22内に導き、後述する結像光学系40、半透鏡30を介してレチクルR上に照射するように構成しても良い。このように構成すれば、プリズム28は不要となり、また駆動系26は顕微鏡22全体を退避位置へ移動するのではなく、半透鏡30A(30B)のみを図12中の矢印C’(D’)の方向に駆動して所定の退避位置へ退避させるだけで済むようになる。
ここで、一方のレチクルアライメント顕微鏡22Aの構成等について、図13に基づいて詳細に説明する。図13には、図12の投影光学系PL、基準板WFB、及びレチクルアライメント顕微鏡22Aが拡大して示されている。図13に示されるように、プリズム28Aは、照明ビームILをレチクルR上のレチクルマークRM1上に導くためのものである。これは、レチクルマークはパターン領域PAの外側に設けられており、この部分は通常は照明する必要の無い部分であるため、照明系の負荷、照度の無駄を無くすため、通常照明領域より照明ビームILの一部の光束(以下、この光束を便宜上「IL1」と呼ぶものとする)を導くようにしたものである。
この光束IL1の光路上に、半透鏡30Aが配置されており、プリズム28Aにより導かれた光束IL1は半透鏡30Aを介してレチクルマークRM1を照明するとともに、レチクルR及び投影光学系PLを介して基準板WFB上のウエハ基準マークWFM1を照明する。レチクルマークRM1、ウエハ基準マークWFM1からの反射光は、半透鏡30Aでそれぞれ反射され、それらの反射光束は、観察系32Aに入射する。
観察系32Aは、結像光学系40、半透鏡51、レンズ49、瞳分割プリズム50、及びCCDセンサ42を含んで構成されている。
このうち、結像光学系40、半透鏡51及びCCDセンサ42によって、レチクルマークRM1、ウエハ基準マークWFM1の像を検出する検出光学系が構成される。すなわち、上述したように、半透鏡30Aでそれぞれ反射されたレチクルマークRM1、ウエハ基準マークWFM1部分からの反射光束は、半透鏡51を透過して結像光学系40の最良結像面(焦点位置)にそれぞれ結像される。この場合、レチクルパターン面と基準板WFB面とは元々共役関係に設定されているので、レチクルパターン面とCCDセンサ42の受光面とが共役であるものとすれば、CCDセンサ42の受光面にマークRM1、WFM1の像が最良の結像状態でそれぞれ結像し、CCDセンサ42によってマークRM1、WFM1が光電検出される。従って、主制御装置13(図12参照)では、このCCDセンサ42の出力(レチクルアライメント顕微鏡22Aの出力)に基づいてマークRM1、WFM1の像の相対位置を検出する。
結像光学系40としては、ここでは、焦点距離を可変とできる光学系、すなわち所謂内焦式の光学系が用いられている。また、半透鏡51を介してレチクルマークRMの像をCCDセンサ48上に再結像させるレンズ49、このレンズ49とCCDセンサ48との間の瞳面に設けられた瞳分割プリズム50、CCDセンサ48等によって、結像光学系40の焦点ずれを検出する焦点ずれ検出手段としての焦点検出系70が構成されている。この焦点検出系70は、露光用照明ビームILを焦点位置の検出用の検出光束として使用するものである。この焦点検出系70では、レチクルマークRMからの反射光束は、瞳分割プリズム50で二分割された後、CCDセンサ48の受光面に結像する。このとき、結像光学系40の焦点位置がずれると、分割された2光束のCCDセンサ48上での結像位置の間隔が変化する。主制御装置13では、この間隔の変化に基づいて主制御装置13で焦点ずれを検出する。従って、主制御装置13では、このCCDセンサ48の出力に基づいて結像光学系40の焦点ずれを測定し、駆動系54を介して結像光学系40内部の不図示のレンズ群を駆動することでその結像光学系40の焦点をレチクルパターン面とCCDセンサ42の受光面に合せることができるようになっている。この場合、主制御装置13では、CCDセンサ48上での結像位置の間隔が常に一定になるように、結像光学系40内部のレンズ群を駆動することにより、CCDセンサ42に焦点位置を一致させる。つまり、焦点検出系70、主制御装置13、及び駆動系54等により、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bの焦点状態を調節する焦点調節系55が構成される。
他方のレチクルアライメント顕微鏡22Bを構成するプリズム28B、半透過鏡30B及び観察光学系32Bも上記レチクルアライメント顕微鏡22Aと同様の構成及び機能を備えており、レチクルR上のレチクルマークRM2、ウエハ基準マークWM2の相対位置ずれを、結像光学系の焦点ずれのない状態で検出する。
制御系は、図12に示す主制御装置13によって主に構成される。主制御装置13は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はミニコンピュータ)によって構成され、露光動作が的確に行われるように、レチクルRとウエハWの位置合わせ、ウエハWのステッピング、露光タイミング等を統括して制御する。また、主制御装置13は、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bの焦点位置の調整を上述の如くして行なう他、装置全体を統括制御する。
次に、上述のようにして構成される本実施形態の露光装置10による重ね合わせ露光時の動作について、特にベースライン計測に伴う動作について図14のフローチャート等を参照して説明する。
前提として、レチクルステージRST上には、レチクルRが載置され、ウエハW上にはそれまでの工程で、既にパターンが形成されており、このパターンとともに不図示のウエハアライメントマークも形成されているものとする。
まず、主制御装置13では、予め定められた設計値に基づいて、駆動系26A、26Bを介して、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bを移動させ、その観察視野内にレチクルR上のレチクルマークRM1,RM2を位置決めする(ステップ300)。
また、主制御装置13では、予め定められた設計値に基づいて、基準板WFB上のウエハ基準マークWFM1,WFM2の中心点が投影光学系PLの光軸AX上に位置するように、レーザ干渉計56の出力をモニタしつつウエハステージWSTを移動させ、ウエハ基準マークWFM1,WFM2をレチクルアライメント顕微鏡22A,22Bの観察視野内に位置決めする(ステップ301)。
そして、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bを用いて、照明ビームILをレチクルR上に導くとともに、レチクルR上のレチクルマークRM1,RM2及び基準板WFB上のウエハ基準マークWFM1,WFM2を同時に観察する。
続いて、主制御装置13では、上述した焦点調節系55によりレチクルマークRM1,RM2に対するレチクルアライメント顕微鏡22A,22Bの焦点状態の調節を行うとともに、メインフォーカス検出系(60a,60b)によりウエハステージWST上のウエハ基準マークWM3に対する投影光学系PLの焦点状態を調節する(ステップ302)。
次に、主制御装置13では、レチクルマークRM1,RM2とウエハ基準マークWFM1,WFM2とを同時に観察した結果に基づいて、両マークRM1、WFM1の相対的な位置関係、及び両マークRM2、WFM2の相対的な位置関係を計測する(ステップ303)。なお、レチクルRの初期設定として、この相対的位置関係の計測結果に基づいて、投影光学系PLに対するレチクルRの位置決め、すなわちレチクルアライメントを行うことができる。
また、主制御装置13では、この相対位置計測と同時に、ウエハアライメントセンサ27を用いて基準板WFB上のウエハ基準マークWFM3を観察し、ウエハ基準マークWFM3とウエハアライメントセンサ27の指標との相対位置関係を計測する。基準板WFB上のウエハ基準マークWFM1,WM2,WM3は、予め定められた設計上の位置関係に正確に従った位置にそれぞれ形成されているため、設計上の配置情報と以上の動作により求められた相対位置関係とから、主制御装置13では基準板WFBを介してレチクルRのパターンの投影位置とウエハアライメントセンサ27の指標との相対距離(所謂ベースライン量)を算出することができる(ベースライン計測、ステップ304)。
その後、主制御装置13では、ウエハW上の複数ショット領域に付設されたウエハアライメントマークの位置をウエハアライメントセンサ27を用いて順次計測し、いわゆるEGA(エンハンストグローバルアライメント)の手法により、ウエハW上の全てのショット配列データを求め、この配列データに従って、ウエハW上のショット領域を順次投影光学系PLの真下(露光位置)に順次位置決めしつつ、光源12のレーザ発光を制御して、いわゆるステップアンドリピート方式で露光を行なう(ステップ305)。なお、EGA等については、特開昭61−44429号公報等で公知であるから、ここでは詳細な説明は省略する。
ここで、上述した本発明の本発明の位置計測方法の実施例は、例えば、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bを移動させ、その観察視野内にレチクルRのレチクルマークRM1,RM2を位置決めする工程(ステップ300)や、ウエハステージWSTを移動させ、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bの観察視野内にウエハ基準マークWFM1,WFM2を位置決めする工程(ステップ301)に好ましく適用することができる。
特に、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bを移動させて、その観察視野内にレチクルマークRM1,RM2を位置決めする工程では、観察視野内からレチクルマークRM1,RM2がずれて配されやすい。そのため、この位置決め工程に上述した位置計測方法の実施例を適用することにより、観察系としてのレチクルアライメント顕微鏡22A,22Bの観察視野内からレチクルマークRM1,RM2がずれて配される場合にも、レチクルマークRM1,RM2の位置情報を正しく計測し、その計測結果に基づいて、短時間でしかも確実にその観察視野内にレチクルマークRM1,RM2を位置決めすることが可能となる。
したがって、上述した本発明の本発明の位置計測方法の実施例をマスクあるいはウエハの位置決めに適用することにより、位置合わせ動作(アライメント動作)の安定化やスループットの向上が図られる。なお、上述した位置計測方法の実施例は、上述したステップ300やステップ301に適用するのに限らず、他の工程に適用してもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかである。したがって、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施例では、露光用の照明ビームをレチクルアライメント用の照明ビームに用いているが、レチクルアライメント用の照明ビームのための光源を新たに設けるようにしてもよい。この場合、その新たな照明ビームに対するレチクルマークの反射率特性に基づいて、レチクルアライメント顕微鏡の観察視野内に配置されるウエハステージ上の領域を定めるようにするとよい。
また、本発明に係る位置計測方法は、露光が正確に行われたかどうかを評価するための位置ずれ計測や、パターン像が描画されているフォトマスクの描画精度の計測にも適用できる。
また、ウエハやレチクル、基準板などに形成されるマークの数や配置位置、及び形状は任意に定めてよい。特にウエハマークは各ショット領域に少なくとも1つ設ければよいし、あるいはショット領域毎にウエハマークを設けずにウエハ上の複数点にそれぞれウエハマークを形成しておくだけでもよい。また、基板上のマークは1次元マーク及び2次元マークのいずれでもよい。
また、本発明が適用される露光装置は、露光用照明ビームに対してマスク(レチクル)と基板(ウエハ)とをそれぞれ相対移動する走査露光方式(例えば、ステップ・アンド・スキャン方式など)に限られるものではなく、マスクと基板とをほぼ静止させた状態でマスクのパターンを基板上に転写する静止露光方式、例えばステップ・アンド・リピート方式などでもよい。さらに、基板上で周辺部が重なる複数のショット領域にそれぞれパターンを転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置などに対しても本発明を適用することができる。また、投影光学系PLは縮小系、等倍系、及び拡大系のいずれでもよいし、屈折系、反射屈折系、及び反射系のいずれでもよい。さらに、投影光学系を用いない、例えばプロキシミティ方式の露光装置などに対しても本発明を適用できる。
また、本発明が適用される露光装置は、露光用照明光としてg線、i線、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、F2レーザ光、及びAr2レーザ光などの紫外光だけでなく、例えばEUV光、X線、あるいは電子線やイオンビームなどの荷電粒子線などを用いてもよい。さらに、露光用光源は水銀ランプやエキシマレーザだけでなく、YAGレーザ又は半導体レーザなどの高調波発生装置、SOR、レーザプラズマ光源、電子銃などでもよい。
また、本発明が適用される露光装置は、半導体デバイス製造用に限られるものではなく、液晶表示素子、ディスプレイ装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、及びDNAチップなどのマイクロデバイス(電子デバイス)製造用、露光装置で用いられるフォトマスクやレチクルの製造用などでもよい。
また、本発明は露光装置だけでなく、デバイス製造工程で使用される他の製造装置(検査装置などを含む)に対しても適用することができる。
また、上述したウエハステージやレチクルステージにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。さらに、ステージの駆動系として平面モータを用いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(定盤、ベース)に設ければよい。
また、ウエハステージの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
また、レチクルステージの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
また、本発明が適用される露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
また、半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行う工程、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作する工程、シリコン材料からウエハを製造する工程、前述した露光装置によりレチクルのパターンをウエハに露光するウエハ処理工程、デバイス組み立て工程(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査工程等を経て製造される。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係る位置計測方法の一実施例を概念的に示す図である。
図2は、マークの構成例を示す平面図である。
図3Aは、マークの端部を撮像したときに得られる画像データの信号波形の一例を示す図であり、X軸用の画像信号波形を示している。
図3Bは、マークの端部を撮像したときに得られる画像データの信号波形の一例を示す図であり、Y軸用の画像信号波形を示している。
図3Cは、図3A及び図3Bに示した信号波形が得られるようなマークMの端部の撮像状況の例を示す図である。
図4は、位置計測方法の全般的な流れの一例を示すフローチャート図である。
図5は、観察視野のステップ移動の様子を拡大して示す図である。
図6Aは、観察視野を介して、許容領域内の様々な位置に配されるマークを撮像する様子を示しており、観察視野とマークとの相対的な位置関係の一例を模式的に示す図である。
図6Bは、観察視野を介して、許容領域内の様々な位置に配されるマークを撮像する様子を示しており、観察視野とマークとの相対的な位置関係の一例を模式的に示す図である。
図6Cは、観察視野を介して、許容領域内の様々な位置に配されるマークを撮像する様子を示しており、観察視野とマークとの相対的な位置関係の一例を模式的に示す図である。
図7Aは、図6に示す観察視野とマークとの相対的な位置関係の他の例を模式的に示す図である。
図7Bは、図6に示す観察視野とマークとの相対的な位置関係の他の例を模式的に示す図である。
図8Aは、図6に示す観察視野とマークとの相対的な位置関係の他の例を模式的に示す図である。
図8Bは、図6に示す観察視野とマークとの相対的な位置関係の他の例を模式的に示す図である。
図9は、位置計測方法における処理の具体的な流れの一例を示すフローチャート図である。
図10は、本発明の位置計測方法の他の実施例を概念的に示す図である。
図11は、マークの他の構成例を示す平面図である。
図12は、露光装置の概略構成の一例を示す図である。
図13は、図12の主要部を拡大して示す図である。
図14は、露光装置の動作の手順の一例を示すフローチャート図である。
本発明は、物体上に形成されたマークを観察系を介して撮像し、その撮像結果に基づいてマークの位置に関する位置情報を計測する位置計測方法に関し、特に、半導体素子や液晶表示素子などのデバイスの製造工程で使用される露光方法及び露光装置に用いられる方法に関する。
背景技術
半導体素子、液晶表示素子等の電子デバイスの製造工程では、プロセス処理を行いながら、基板(ウエハやガラスプレートなど)上に多数層の回路パターンを所定の位置関係で積み重ねて形成する。そのため、露光装置で2層目以降の回路パターンを基板上に露光する際には、マスク(又はレチクル)のパターンと基板上に既に形成されているパターンとの位置合わせ(アライメント)を高精度に行う必要がある。
基板(マスクを含む)上には位置合わせ用のマークが形成されており、このマークの位置に関する位置情報を計測し、その位置情報に基づいて上記の位置合わせが行われる。
マークに対する位置計測技術としては、ハロゲンランプ等を光源とする波長帯域幅の広い光や露光光の照明光で、基板上のマークを照射し、その光学像をCCDカメラ等の撮像手段で画像信号に変換し、その画像信号に基づいてマークの位置情報を計測するFIA(Field Image Aglignment)方式あるいはVRA(Video Reticle Alignment)方式や、レーザ光を基板上のマークに照射し、マークで回折または散乱された光を用いてマークの位置情報を計測するLSA(Laser Step Alignment)方式、基板上のマークに周波数をわずかに変えたレーザ光を2方向から照射し、あるいはレーザ光をマークに対して垂直に照射し、発生した2つの回折光を干渉させ、その位相からマークの位置情報を計測するLIA(LaserInterferometric Alignment)方式などが知られている。
上記位置計測技術のうち、FIA方式やVRA方式など、撮像手段を備える観察系を用いた位置計測方法では、その光学的な分解能がN.A.(開口数)と光の波長とによって大きく左右される。すなわち、N.A.が大きいほど、また、光の波長が小さいほど光学的な分解能は向上する。したがって、上記観察系を用いた位置検出方法において、所定の波長の光に対して、より高精度にマークの位置情報を計測するには、観察用の光学系の倍率を上げて、撮像面上に形成されるマークの光学像をピクセルサイズに対して相対的に大きくし、N.A.を大きくする必要がある。
ところが、観察用の光学系の倍率を上げると、その光学系の観察視野が物体に対して相対的に小さくなるために、基板上のマークの形状によっては、マークの一部分しか撮像できない場合が生じる。また、観察視野がマークからずれてマークを観察できない場合が生じやすい。プロセス条件によってはマークの形状を新たに変更するのは困難であり、その対応方法が課題となる。
また、一般に、観察視野内にマークを最初に配置する際には、観察視野内からマークからずれやすい。
本発明は、上述する事情に鑑みてなされたものであり、観察視野を介してマークの一部分しか観察できない場合や、観察視野内からマークがずれる場合にも、そのマークの位置情報を正しく計測できる位置計測方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、スループットを向上させることができる露光方法及びデバイス製造方法を提供することをも目的とする。
発明の開示
本発明の位置計測方法は、物体上に形成されたマーク(M)を観察系を介して撮像し、この撮像結果に基づいて前記マーク(M)の位置に関する位置情報を計測する位置計測方法において、観察系は、マーク(M)の一部分を観察可能でかつ前ーク(M)全体を観察不能な観察視野(PFx、PFy)を有し、観察系の観察視野(PFx、PFy)を介して、マーク(M)が部分的に観察される領域を少なくとも一つ含むように、物体上の複数の領域(S1,S2,S3,…)を撮像し、複数の領域(S1,S2,S3,…)を撮像した結果に基づいて、撮像される前記マーク(M)の一部分が前記マーク(M)のどの部分であるかを特定し、マーク(M)の一部分を撮像した結果と、この特定した結果とに基づいて、マーク(M)の位置情報を求めることを特徴とする。
この位置計測方法では、観察視野がマークからずれる場合にも、物体上の複数の領域を撮像することにより、その複数の領域のうちの少なくとも一つの領域でマークの一部分が撮像される。そして、このマークの一部分がマークのどの部分であるのかは、複数の領域を撮像した結果に基づいて特定される。そのため、この特定した結果と、マークの一部分を撮像した結果とに基づいて、マーク全体の位置情報を求めることができる。
その結果、観察視野を介してマークの一部分しか観察できない場合や、観察視野内からマークがずれる場合にも、そのマークの位置情報を正しく計測することができる。
上記位置計測方法において、例えば、複数の領域(S1,S2,S3,…)のうち、マーク(M)が部分的に観察される領域の個数に基づいて上記の特定を行ってもよく、あるいは複数の領域(S1,S2,S3,…)のうち、マーク(M)が部分的に観察される領域同士の位置関係に基づいて上記特定を行ってもよい。
また、マーク(M)が、特徴が互いに異なる複数のマーク領域(MA1〜MA4)を含む場合、マーク(M)の一部分を撮像した結果に基づいて、このマーク(M)の一部分が前記複数のマーク領域(MA1〜MA4)のうちのいずれの特徴を有するかを抽出し、この抽出結果に基づいて上記特定を行ってもよい。これにより、マークの位置情報が、より正確に計測される。
また、上記位置計測方法において、複数の領域(S1,S2,S3,…)のうちの隣り合う2つの領域は、所定の方向に対して互いに一部重なるのが好ましい。これにより、上記特定が、より確実に行われる。
また、上記位置計測方法において、観察系の観察視野(PFx、PFy)を物体に対して相対的に移動させながら複数の領域(S1,S2,S3,…)を撮像してもよく、あるいは観察系が複数の観察視野を有し、この複数の観察視野を介して、複数の領域(S1,S2,S3,…)を同時に撮像してもよい。
観察系の観察視野を物体に対して相対的に移動させて複数の領域を撮像する場合、装置構成の簡素化が図られ、複数の観察視野を介して複数の領域を同時に撮像する場合、スループットの向上が図られる。
また、本発明の露光方法は、上記物体が、パターンが形成されたマスク、あるいはこのマスクのパターンが転写される基板であり、上記位置計測方法により計測された前記マークの位置情報に基づいて、マスクあるいは基板を位置決めし、マスクを照明することにより、基板上にパターンの像を転写することを特徴としている。
また、本発明のデバイス製造方法は、上記露光方法を用いて、マスク上に形成されたデバイスパターンを基板上に転写する工程を含むことを特徴としている。
本発明の露光方法及びデバイス製造方法によれば、観察視野を介してマークの一部分しか観察できない場合や、観察視野内からマークがずれる場合にも、そのマークの位置情報を正しく計測することができる。したがって、短時間での基板あるいはマスクの位置決めが可能となり、スループットを向上させることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の位置計測方法の一実施例を概念的に示す図である。本例の位置計測方法は、基板上に形成されたマークMを、観察手段としてのCCDカメラを備える観察系の観察視野を介して撮像し、その撮像結果に基づいて、マークMの中心位置(マークの中心のX座標及びY座標)を求めるものである。なお、図では、X軸用の観察視野PFxを実線で示し、Y軸用の観察視野PFyを破線で示している。また、観察系内の所定の中心点を原点(0,0)として、座標軸X、Yが設定されている。さらに、説明の簡潔化のため、必要に応じて、+X軸方向を右側、−X軸方向を左側、+Y軸方向を上側、−Y軸方向を下側と呼ぶ。
図2は、本例におけるマークMの構成例を示している。マークMは、全体が略矩形状に形成されるとともに、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ分割され、特徴が互いに異なる4つのマーク領域(第1マーク領域MA1、第2マーク領域MA2、第3マーク領域MA3、及び第4マーク領域MA4)を有している。この4つのマーク領域MA1〜MA4は、互いに所定の間隔を空けて配置されている。第1及び第4マーク領域MA1、MA4は、Y軸方向に延びた直線状のラインパターンMLyがX軸方向に所定ピッチで周期的に配列されたマーク要素を含み、第2及び第3マーク領域MA2、MA3は、X軸方向に延びた直線状のラインパターンMLxがY軸方向に所定ピッチで周期的に配列されたマーク要素を含む。また、第1マーク領域MA1と第4マーク領域MA4とは配列周期(ライン・アンド・スペース;L/S)が互いに異なり、第2マーク領域MA2と第3マーク領域MA3とも配列周期が互いに異なる。つまり、ラインパターンの延在方向及びその配列周期によって、4つのマーク領域MA1〜MA4が特徴づけられている。これら4つのマーク領域MA1〜MA4は、クロム等からなる低反射率の背景領域に、高反射率の直線状のラインパターンMLx、MLyを基板上に設けたものからなる。
ここで、図2に示すように、観察系の観察視野PFx、PFyは、上記構成のマークMに比べて小さい。具体的には、観察視野PFx、PFyの1辺の長さが矩形状のマークMの1辺の長さLx、Lyの約1/4となっている。そのため、観察視野PFx、PFyでは、マークMの一部分を観察可能であっても、マークMの全体を観察することはできない。そこで、本例では、マークMの端部を撮像した結果に基づいて、マークMの中心位置を求める。なお、「マークMの端部」とは、X軸及びY軸方向にそれぞれLx、Lyの長さを有するマークM全体の端部のことを言う。
図3A〜図3Cは、マークMの端部として、第2マーク領域MA2の端部を図3Cのように撮像したときに得られる画像データの信号波形の一例を示しており、図3Aは観察視野PFxを介して得られるX軸用のCCDカメラの画像信号波形VHx、図3Bは観察視野PFyを介して得られるY軸用のCCDカメラの画像信号波形VHyを示している。なお、X軸用のCCDカメラは、X軸方向に水平走査線をもち、Y軸用のCCDカメラは、Y軸方向に水平走査線をもち、それぞれ走査線と直交する方向の信号レベルを積算して出力する。
図3Aにおいて、X軸用のCCDカメラによる信号波形VHxには、第2マーク領域MA2におけるラインパターンMLxの右端部に対応した波形部分Vx1と、低反射率の背景領域に対応した無波形部分Vx2とが含まれる。同様に、図3Bにおいて、Y軸用のCCDカメラによる信号波形VHyには、第2マーク領域MA2における上端部のラインパターンMLxに対応した波形部分Vy1と、低反射率の背景領域に対応した無波形部分Vy2とが含まれる。この場合、X軸用の信号波形VHxでは、ラインパターンMLxに対応する波形部分Vx1が走査方向(X軸方向)にほぼ一定の信号レベルを示すのに対し、Y軸用の信号波形VHyでは、ラインパターンMLxに対応する波形部分Vy1に、ラインパターンMLxの間のスペース部分に対応した信号が含まれる。このスペース部分の信号は無波形部分Vy2と同程度の低い信号レベルとなるので、両者を区別するために、ラインパターンMLxに対応する波形がラインパターンMLxの配列ピッチよりも長い区間にわたって含まれないことが、無波形部分Vy2の条件となる。
波形部分Vx1、Vy1と無波形部分Vx2、Vy2とが検出されると、その検出結果に基づいてマークMの端の位置を求めることができる。図3A〜図3Cの例では、波形部分Vx1、Vy1と無波形部分Vx2、Vy2との境界(ラインパターンMLxの最終エッジに対応する極値)がマークMの端(X=a1、Y=b1)として求められる。そして、マークMの端の位置が求められると、そこからマークMの中心位置を算出することができる。図3A〜図3Cの例では、X軸方向において、波形部分Vx1の右側(+X軸方向)に無波形部分Vx2があるので、X軸用のCCDカメラで撮像した領域がマークMの右端部であることが分かり、Y軸方向においては、波形部分Vy1の上側(+Y軸方向)に無波形部分Vy2があるので、Y軸用のCCDカメラで撮像した領域がマークMの上端部であることが分かる。したがって、マークM中心のX座標は(a1−Lx/2)であり、Y座標は(b1−Ly/2)である(Lx:マークMのX軸方向長さ、Ly:マークMのY軸方向長さ。図2参照)。
このように、本例では、マークMに比べて観察系の観察視野PFx、PFyに比べて小さいものの、マークMの端部を撮像した結果に基づいて、マークMの中心位置を求めることができる。なお、ここでは、マークMの第2マーク領域MA2を撮像した例について説明したが、他のマーク領域を撮像した場合も同様に、マークの中心位置を求めることができることは言うまでもない。すなわち、マークMの端部のうち、X軸方向の端部(右端部あるいは左端部)を撮像することにより、マークM中心のX座標を求めることができ、Y軸方向の端部(上端部あるいは下端部)を撮像することにより、マークM中心のY座標を求めることができる。
図1に戻り、符号TAは、上記観察系の原点(0,0)に対して、マークMの中心がずれる可能性のある範囲(許容領域)を示している。こうしたずれは、例えば、マークに対する観察視野の相対的な配置誤差や、基板(あるいはマーク)の形状誤差等が起因となって生じる。本例では、このマークMの中心がずれる可能性のある範囲(許容領域TA)が、マークMよりも大きく、1辺の長さがマークMの約2倍となっている。そのため、本例の観察系では、観察視野PFx、PFyを介してマークMを撮像しようとしても、観察視野PFx、PFyがマークMからずれてマークMを観察できない場合が生じ、しかも、観察視野PFx、PFyでマークMを観察できても、その観察視野PFx、PFy内にマークMの端部が含まれるとは限らない。
そのため、本例の位置計測方法では、観察系の観察視野PFx、PFyを介して、マークMの端部を観察可能な領域を少なくとも一つ含むように、基板上の複数の領域を撮像する。具体的には、上記許容領域TA内で観察視野PFx、PFyを、基板に対して相対的に所定ピッチずつステップ移動させ、各移動先に対応する基板上の領域(観察領域S1,S2,S3,…)を撮像する。ステップ移動の方向は、矩形状の許容領域TAの対角方向であり、X軸(及びY軸)に対してほぼ45°斜め方向である。この観察視野PFx、PFyのステップ移動は、マークMの位置情報を計測可能な撮像結果が得られるまで、許容領域TA内でシフト移動しながら複数回繰り返される。図1には、観察系に予め設定されている観察視野PFx、PFyの4つの移動シーケンス(第1シーケンス〜第4シーケンス)に対応する観察領域S1,S2,S3,…が示されている。
図4は、本例の位置計測方法の全般的な流れを示すフローチャート図である。以下、この図4と先の図1を参照して、本例の位置計測方法の全体の流れを説明する。
まず、観察系では、上記許容領域TAの中央付近を移動するように、第1シーケンスに基づいて、許容領域TA内で観察視野PFx、PFyを所定のピッチでステップ移動させるとともに、各移動先に対応する基板上の観察領域S1〜S7を観察視野PFx、PFyを介して撮像する(ステップ100)。続いて、観察領域S1〜S7を撮像したデータによってマークMの位置情報を計測可能か否かを判別し(ステップ101)、上記計測が困難な場合は、次の第2シーケンスに移る。
第2シーケンスでは、先の図1に示すように、第1シーケンスのステップ方向と垂直な方向に観察視野PFx、PFyの移動ラインをシフトさせ、第1シーケンスと同様に、観察視野PFx、PFyを所定のピッチでステップ移動させ、各移動先に対応する基板上の観察領域S8〜14を撮像する(ステップ102)。続いて、観察領域S8〜S14を撮像したデータによってマークMの位置情報を計測可能か否かを判別し(ステップ103)、上記計測が困難な場合は、次の第3シーケンスに移る。以後同様の手順で、第3シーケンスさらに必要に応じて第4シーケンスに対応する基板上の観察領域S15〜S18、及び観察領域S19〜S22を撮像する(ステップ104、105、106)。
なお、上記各判別工程(ステップ101、103、105)において、撮像データからマークMの位置情報を計測可能な場合には、マークMの位置情報(中心位置)を計測し(ステップ107)、その後のシーケンスに基づく撮像動作は行わない。このように、マークMの位置情報を計測可能となった時点で撮像動作を終了することにより、スループットの低下を抑制することができる。なお、本例では、最初に許容領域TAの中央付近を観察しているが、これは、一般に、許容領域TAの中央付近にマークMが配置されている確率が高いと考えらたためであり、許容領域TA内の複数の観察領域の観察順序は任意に変更可能である。例えば、マークMの位置計測を複数回繰り返したとき、許容領域TA内のある箇所(例えば左上部分)でマークMが観察されることが多い場合には、撮像時間短縮のために、その箇所(例えば左上部分)を先に撮像するようにしてもよい。
ここで、上記第1〜第4シーケンスは、許容領域TA内において観察される複数の観察領域S1,S2,S3,…のうち、少なくとも1つの観察領域でマークMの端部が必ず撮像されるように設定されている。すなわち、観察系において、マークMの端部を観察可能な領域を少なくとも1つ含むように、観察視野PFx、PFyのステップ移動量(移動ピッチ)及びシフト移動量が定められている。
図5は、観察視野PFx、PFyのステップ移動の様子を拡大して示している。図5に示すように、X軸方向に対して、観察視野PFxを介して観察される複数の観察領域のうちの隣り合う2つの観察領域の一部の区間Lpxが重なるように、観察視野PFxの移動ピッチpxが設定されている。また、Y軸方向に対しても同様に、隣り合う2つの観察領域の一部の区間Lpyが重なるように、観察視野PFyの移動ピッチpyが設定されている。この重複区間Lpx、Lpyは、上記マークに含まれるラインパターンの配列ピッチとライン幅との合計以上の長さを有する。このように、隣り合う2つの観察領域が、X軸及びY軸方向に対して一部重なるように配列されることにより、マークMの端部をより確実に撮像することができる。すなわち、例えば、観察視野PFx、PFyの境界とマークMの端とがほぼ重なり、そのときの観察領域においてはマークMの端部の撮像データを得るのが困難な場合にも、上記重複区間を有することにより、その隣の観察領域においてマークMの端部が撮像可能となる。
図6A〜図8Bは、上述したステップ移動する観察視野PFx、PFyを介して、許容領域TA内の様々な位置に配されるマークMを撮像する様子を示しており、観察視野PFx、PFyとマークMとの相対的な位置関係の様々なパターン例を示している。本例の位置計測方法では、許容領域TA(図1参照)内のいずれの位置にマークMが配置されても、すでに説明したように、観察視野PFx、PFyを介して、基板上の複数の観察領域S1,S2,S3,…を観察することにより、少なくとも一つの観察領域でマークMの端部を撮像する。ただし、本例のマークMは、先の図2を用いて説明したように、4つのパターン領域が互いに所定の間隔を空けて配置されているので、このパターン領域の間隔部分を撮像した画像データは、マークMの端部を撮像した画像データに似た信号パターンを示す傾向にある。そのため、本例の位置計測方法では、基板上の複数の観察領域S1,S2,S3,…を撮像した結果に基づいて、マーク端部として観察されたマークの一部分(仮のマーク端部)が正しくマークMの端部であることを特定し、その上で、マークMの中心位置を求める。以下、図5〜図8Bを参照しながら、本例の位置計測方法の詳細について説明する。
図6A〜図6Cは、1つの観察領域において、マークMの一部分がX軸方向及びY軸方向の端部として撮像される例を示している。すなわち、図6Aの例では、複数の観察領域S1〜S7のうちの観察領域S5において、マークMの一部分がX軸方向及びY軸方向の端部として観察される。すなわち、観察領域S5を撮像した画像データのX軸用及びY軸用の信号波形にそれぞれ、マークに対応する波形部分と背景領域に対応する無波形部分とが含まれる。また、図6Bの例では、観察領域S4において、マークMの一部分がX軸方向のマーク端部として観察され、観察領域S5において、マークMの一部分がY軸方向のマーク端部として観察される。さらに、図6Cの例では、観察領域S4において、マークMの一部分がX軸方向のマーク端部として観察され、観察領域S6において、マークMの一部分がY軸方向のマーク端部として観察される。
マークMの一部分が端部として観察される領域が1つの場合、そのマークMの一部分は正しくマークMの端部であると特定される。すなわち、図6A〜図6Cに示す例は、正しくマークMの端部を観察しているとき以外は起こらない。観察したマークMの一部分がマークMの端部であることが特定されれば、先の図3A〜図3Cを用いて説明したように、その特定した結果と、マークMの一部分の撮像データとに基づいて、マークMの中心位置を求めることができる。
図7A及び図7Bは、2つの観察領域において、マークMの一部分がX軸方向及びY軸方向の端部として観察される例を示している。すなわち、図7Aの例では、複数の観察領域S1〜S7のうちの観察領域S2及び観察領域S6において、マークMの一部分がX軸方向及びY軸方向のマーク端部として観察される。また、図7Bの例では、観察領域S3及び観察領域S6において、マークMの一部分がX軸方向及びY軸方向のマーク端部として観察される。なお、図7Aにおける観察領域S4、及び図7Bにおける観察領域S4、S5を撮像した画像データは、マークMの端部を撮像した画像データに似た信号パターンを示すが、それらの観察領域よりも外側の観察領域において、マークMの一部分がマーク端部として観察されていることから、内側の観察領域で観察されるマークMの一部分はマーク端部として認識されない。
マークMの一部分が端部として観察される領域が2つの場合、その2つの領域同士の位置関係に基づいて、観察されるマークMの一部分が正しくマーク端部であるかどうかが判別される。図7A及びBの例では、マーク端部が観察される2つの領域同士が隣り合わない離れた位置関係にある(S2→S6、あるいはS3→S6)。この場合、マーク端部として観察されるマークMの一部分は正しくマークMの端部であると特定される。観察したマークMの一部分がマークMの端部であることが特定されれば、上述したように、その特定した結果と、マークMの一部分の撮像データとに基づいて、マークMの中心位置を求めることができる。
図8A及び図8Bは、図7A及び図7Bと同様に、2つの観察領域において、マークMの一部分がX軸方向及びY軸方向のマーク端部として観察される例を示している。すなわち、図8A及び図8Bの例ではそれぞれ、複数の観察領域S1〜S7のうちの観察領域S4及び観察領域S5において、マークMの一部分がX軸方向及びY軸方向のマーク端部として観察される。
図7A及び図7Bの例と異なり、図8A及び図8Bの例では、マークMの一部分が端部として観察される2つの領域同士が隣り合う位置関係にある(S4→S5)。この場合、これまでに得られた情報だけでは、観察されたマークMの一部分のうちのどれが正しくマークMの端部であるかを特定することはできない。そのため、この場合、マークMの一部分を撮像した画像データから、その部分の特徴抽出を行って、上記特定の補完を行う。
すなわち、先の図2を用いて説明したように、マークMは、特徴が互いに異なる複数のマーク領域MA1〜MA4からなる。そのため、マークMの一部分を撮像した画像データがどのマーク領域の特徴を有しているかを抽出することにより、観察されたマークMの一部分が正しくマークMの端部であるかどうかを判別することが可能となる。なお、この図8のケースが生じるのは、第1マーク領域MA1もしくは第4マーク領域MA4を撮像した場合に限られる。そのため、X軸用の観察視野PFxを介して得られる波形ピッチを計測することにより、マーク領域の特徴として、ラインパターンの配列周期を抽出することができる。つまり、抽出される特徴(配列周期)が第1マーク領域MA1のものであれば、観察視野PFx、PFyとマークMとは、図8Aに示す位置関係にあることが分かるので、X軸方向については観察領域S4で観察されるマークMの一部分、Y軸方向については観察領域S5で観察されるマークMの一部分がそれぞれ、マークMの端部として特定される。また、逆に、抽出される特徴(配列周期)が第4マーク領域MA4のものであれば、観察視野PFx、PFyとマークMとは、図8Bに示す位置関係にあると分かるので、X軸方向については観察領域S5で観察されるマークMの一部分、Y軸方向については観察領域S4で観察されるマークMの一部分がそれぞれ、マークMの端部として特定される。そして、観察されたマークMの一部分のうちのどれが正しくマークMの端部であるのかが特定されれば、上述したように、その特定した結果と、マークMの一部分の撮像データとに基づいて、マークMの中心位置を求めることができる。
図9は、これまで説明した本例の位置計測方法における処理の具体的な流れを示すフローチャート図である。上述したように、本例の位置計測方法では、基板上の複数の観察領域を観察することにより、そのうちの少なくとも一つの観察領域においてマークの一部分をマーク端部(仮のマーク端部)として撮像する(ステップ200)。次に、(1)仮のマーク端部が観察された観察領域の個数を判別する工程(ステップ201)、(2)仮のマーク端部が観察される観察領域同士の位置関係を判別する工程(ステップ202)、(3)仮のマーク端部の画像データの特徴を抽出する工程(ステップ203)の少なくとも1つを経ることによって、観察される仮のマーク端部のうちのどれが正しくマークの端部であるかを特定する(ステップ204)。そして、その特定されたマーク端部の画像データに基づいて、マークの中心位置を求める(ステップ205)。これにより、マークの一部分しか観察できない場合や、観察視野内からマークがずれやすい場合にも、そのマークの位置情報を正しく計測することができる。
なお、観察系に予め設定される観察視野の移動シーケンスは、図1に示したものに限定されない。図1の例では、4つの移動シーケンス(第1シーケンス〜第4シーケンス)に基づいて、許容領域内の複数の観察領域を観察する場合について示したが、図10に示すように、5つの移動シーケンスを用いてもよい。
また、図1及び図10の例においては、第2シーケンスは第1シーケンスで観察された領域から所定間隔を置いた斜め隣の領域を観察するように設定されているが、第1シーケンスで観察された領域の真横、または上下を第2シーケンスで観察するように設定しても良い。
さらには、図1及び図10の例においては、各シーケンス内で観察領域は斜め方向に移動するが、観察領域の軌跡がW字を描くように観察領域を移動させても良い。
また、マークの構成も、図2に示したものに限らず、任意に変更可能である。例えば、図11に示すように、マーク領域MA1〜MA4同士の間隔がほとんどない構成のマークM2も適用可能である。
また、本例では、観察系の観察視野PFx、PFyを基板に対して相対的に移動させながら複数の観察領域S1,S2,S3,…を撮像しているが、これに限らず、観察系が、複数の観察領域S1,S2,S3,…のそれぞれに対応する複数の観察視野を備え、その複数の観察視野を介して、複数の観察領域S1,S2,S3,…を同時に撮像してもよい。観察系の観察視野を基板に対して相対的に移動させて複数の領域を撮像する場合、装置構成の簡素化が図られ、複数の観察視野を介して複数の領域を同時に撮像する場合、スループットの向上が図られる。
なお、以上の実施形態では図2に示した4つのマーク領域で構成されるマークの外側端部を検出してマークの位置情報を検出したが、4つのマーク領域それぞれの内側端部を検出しても良い。
また、図11に示したようなマーク領域MA1〜MA4同士の間隔がほとんど無い構成のマークM2の位置を検出する場合にも、MA1とMA2との境界、MA2とMA4との境界、MA4とMA3との境界、MA3とMA1との境界を検出することで、マークの位置を検出しても良い。例えば観察領域がMA1とMA2との境界に跨る位置にあるとき、領域MA1からはライン部に対応した信号とスペース部に対応した信号とが交互に並ぶ波形が得られ、領域MA2からはほぼ一定の信号が得られるため、MA1とMA2との境界の位置情報を特定することが可能である。
次に、本発明の露光方法の実施例について説明する。
上述した本発明の位置計測方法の実施例は、図12に示すような半導体デバイス製造用の縮小投影型露光装置に好適に使用することができる。図12に示す露光装置10の実施形態例は、マスクとしてのレチクルRと基板としてのウエハWとを1次元方向に同期移動させつつ、レチクルRに形成された回路パターンを、ウエハW上の各ショット領域に転写する、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置、いわゆるスキャニング・ステッパである。
この投影露光装置10は、光源12を含む照明系11、レチクルRを保持するレチクルステージRST、レチクルRに形成されたパターンの像をウエハW上に投影する投影光学系PL、ウエハWを保持する基板ステージとしてのウエハステージWST、一対の観察手段としてのレチクルアライメント顕微鏡22A,22B、ウエハアライメントセンサ27、メインフォーカス検出系(60a,60b)及び制御系等を備えている。
照明系11は、例えばエキシマレーザから成る光源12、ビーム整形用レンズ及びオプチカルインテグレータ(フライアイレンズ)等を含む照度均一化光学系16、照明系開口絞り板(レボルバ)18、リレー光学系20、不図示のレチクルブラインド、折り曲げミラー37及び不図示のコンデンサレンズ系等を含む。ここで、この照明系11の構成各部についてその作用とともに説明すると、光源12から射出された照明ビームIL(エキシマレーザ光(KrF、ArF)等)は、照度均一化光学系16によって光束の一様化、スペックルの低減化等が行われる。ここで、光源12のレーザパルスの発光は後述する主制御装置13によって制御されるようになっている。なお、光源12として、超高圧水銀ランプを用いても良く、この場合には、g線、i線等の紫外域の輝線が照明ビームとして用いられるとともに、不図示のシャッタの開閉が主制御装置13によって制御されることになる。
照度均一化光学系16の出口部分には、円板状部材から成る照明系開口絞り板18が配置されている、この照明系開口絞り板18には、ほぼ等角度間隔で、例えば通常の円形開口より成る開口絞り、小さな円形開口より成りコヒーレンスファクタであるσ値を小さくするための開口絞り、輪帯照明用の輪帯状の開口絞り、及び変形光源法用に複数の開口を偏心させて配置して成る変形開口絞り(いずれも図示省略)等が配置されている。この照明系開口絞り板18は、主制御装置13により制御されるモータ等の駆動系24により回転駆動されるようになっており、これによりいずれかの開口絞りが照明ビームILの光路上に選択的に設定される。
照明系開口絞り板18の後方の照明ビームILの光路上には、不図示のブラインドを介在させてリレー光学系20が設置されている。ブラインドの設置面はレチクルRと共役関係にある。リレー光学系20後方の照明ビームILの光路上には、このリレー光学系20を通過した照明ビームILをレチクルRに向けて反射する折り曲げミラー37が配置され、このミラー37後方の照明ビームILの光路上には不図示のコンデンサレンズが配置されている。このため、リレー光学系20を通過する際に、照明ビームILは、不図示のブラインドでレチクルRの照明領域が規定(制限)された後、ミラー37で垂直下方に折り曲げられて不図示のコンデンサレンズを介してレチクルRの上記照明領域内のパターン領域PAを均一な照度で照明する。
レチクルRは、レチクルステージRST上に載置され、不図示のバキュームチャック等を介して吸着保持されている。レチクルステージRSTは、水平面(XY平面)内で2次元移動可能に構成されており、レチクルRがレチクルステージRSTに載置された後、レチクルRのパターン領域PAの中心点が光軸AXと一致するように位置決めが行なわれる。こうしたレチクルステージRSTの位置決め動作は、主制御装置13によって不図示の駆動系が制御されることにより行われる。また、レチクルRの初期設定のためのレチクルアライメントについては、後に詳述する。なお、レチクルRは図示しないレチクル交換装置により適宜交換されて使用される。
投影光学系PLは、両側テレセントリックな光学配置になるように配置された共通のZ軸方向の光軸AXを有する複数枚のレンズエレメントから構成されている。また、この投影光学系PLとしては、投影倍率が例えば1/4又は1/5のものが使用されている。このため、上述したように、照明ビームILによりレチクルR上の照明領域が照明されると、そのレチクルRのパターン面に形成されたパターンが投影光学系PLによって表面にレジスト(感光材)が塗布されたウエハW上に縮小投影され、ウエハW上の一つのショット領域にレチクルRの回路パターンの縮小像が転写される。但し、図12では、説明の都合上、ウエハW上にレチクルパターン像が結像する露光時の状態以外の場合が示されている。
ウエハステージWSTは、投影光学系PLの下方に配設された定盤(ステージ定盤BS)上に載置されている。このウエハステージWSTは、実際には水平面(XY面)内を2次元移動可能なXYステージと、このXYステージ上に搭載され光軸方向(Z方向)に微動可能なZステージ等から構成されるが、図12ではこれらが代表的にウエハステージWSTとして示されている。以下の説明中では、このウエハステージWSTは、駆動系25によってステージ定盤BSの上面に沿ってXY2次元方向に駆動されるとともに微小範囲(例えば100μm程度)内で光軸AX方向にも駆動されるようになっているものとする。なお、ステージ定盤BSの表面は、平坦に加工されており、且つ低反射率の物質(黒クロム等)により一様にめっき加工が施されている。
また、このウエハステージWST上にウエハホルダ52を介してウエハWが真空吸着等によって固定されている。ウエハステージWSTの2次元的な位置は、このウエハステージWST上に固定された移動鏡53を介してレーザ干渉計56によって所定の分解能(例えば1nm程度)の分解能で常時検出され、このレーザ干渉計56の出力が主制御装置13に与えられている。そして、主制御装置13によって駆動系25が制御され、このような閉ループの制御系により、例えば、ウエハステージWSTはウエハW上の1つのショット領域に対するレチクルRのパターンの転写露光(スキャン露光)が終了すると、次のショットに対する露光開始位置までステッピングされる。また、すべてのショット位置に対する露光が終了すると、ウエハWは不図示のウエハ交換装置によって他のウエハWに交換される。なお、ウエハ交換装置は、ウエハステージWSTから外れた位置に配置され、ウエハWの受け渡しを行うウエハローダ等のウエハ搬送系を備えて構成されている。
また、ウエハW面のZ方向の位置は、メインフォーカス検出系により測定される。メインフォーカス検出系としては、投影光学系PLの結像面に向けてピンホールまたはスリットの像を形成するための結像光束もしくは平行光束を、光軸AXに対して斜め方向より照射する照射光学系60aと、その結像光束もしくは平行光束のウエハW表面(又は後述する基準板WFB表面)での反射光束を受光する受光光学系60bとから成る斜入射光式の焦点検出系が用いられており、受光光学系60bからの信号が主制御装置13に供給されている。そして、主制御装置13では受光光学系60bからの信号に基づき、常に投影光学系PLの最良結像面にウエハWの面が来るように駆動系25を介してウエハWのZ位置を制御する。
また、ウエハステージWST上には、後述するレチクルアライメント及びベースライン計測のためのウエハ基準マーク(ウエハフィデューシャルマーク)WFM1,WFM2,及びWFM3等の各種の基準マークが形成された基準板WFBが設けられている。この基準板WFBの表面位置(Z方向の位置)はウエハWの表面位置とほぼ同一とされている。なお、本例では、ウエハ基準マークWFM1〜WFM3が形成された基準板WFBをウエハステージWST上に設けているが、この基準板WFBは、ステージ定盤上BSであれば他の位置(例えばウエハホルダ52上や移動鏡53上等)にあってもよい。
ウエハアライメントセンサ27としては、ここでは、検出基準となる指標を備え、その指標を基準としてウエハW上のウエハアライメントマーク又は基準板WFB上のウエハ基準マークWFMの位置を検出する例えば特開平4−65603号公報等で公知の画像処理方式の結像式センサが用いられている。このウエハアライメントセンサ27の検出値も主制御装置13に供給されるようになっている。なお、ウエハアライメントセンサとして、例えば特開平10−141915号公報等で公知のレーザスキャン式センサや、レーザ干渉式センサ等の他の方式のものを用いても構わない。
一方のレチクルアライメント顕微鏡22Aは、プリズム28A、半透鏡30A及び観察系32Aを備えている。このレチクルアライメント顕微鏡22Aは、ケースにより一体化され、駆動系26Aによって図12の矢印A、A’方向に移動自在に構成されている。主制御装置13では、後述するレチクルアライメントやベースライン計測を行なう際には、当該レチクルアライメント顕微鏡22Aを駆動系26Aを介して矢印A方向に駆動して図12に示される位置に位置決めし、レチクルアライメントやベースライン計測が終了すると、露光の際に邪魔にならないように、駆動系26Aを介して矢印A’方向に駆動して所定の退避位置に退避させる。
また、他方のレチクルアライメント顕微鏡22Bは、同様に、プリズム28B、半透鏡30B及び観察光学系32Bを備え、ケースにより一体化され、駆動系26Bによって図12の矢印B、B’方向に移動自在に構成されている。そして、このレチクルアライメント顕微鏡22Bも、同様に、主制御装置13により、後述するレチクルアライメントやベースライン計測を行なう際に、図12に示される位置に位置決めされ、レチクルアライメントやベースライン計測が終了すると、所定の退避位置に退避されるようになっている。なお、本実施例では、ミラー37、プリズム28を介して、レチクルアライメント顕微鏡22で検出用照明として使用する露光光(照明ビームIL)を導いているが、本発明はこれに限らず、例えば照明ビームをミラー等で分岐させた後、光ファイバを用いてレチクルアライメント顕微鏡22内に導き、後述する結像光学系40、半透鏡30を介してレチクルR上に照射するように構成しても良い。このように構成すれば、プリズム28は不要となり、また駆動系26は顕微鏡22全体を退避位置へ移動するのではなく、半透鏡30A(30B)のみを図12中の矢印C’(D’)の方向に駆動して所定の退避位置へ退避させるだけで済むようになる。
ここで、一方のレチクルアライメント顕微鏡22Aの構成等について、図13に基づいて詳細に説明する。図13には、図12の投影光学系PL、基準板WFB、及びレチクルアライメント顕微鏡22Aが拡大して示されている。図13に示されるように、プリズム28Aは、照明ビームILをレチクルR上のレチクルマークRM1上に導くためのものである。これは、レチクルマークはパターン領域PAの外側に設けられており、この部分は通常は照明する必要の無い部分であるため、照明系の負荷、照度の無駄を無くすため、通常照明領域より照明ビームILの一部の光束(以下、この光束を便宜上「IL1」と呼ぶものとする)を導くようにしたものである。
この光束IL1の光路上に、半透鏡30Aが配置されており、プリズム28Aにより導かれた光束IL1は半透鏡30Aを介してレチクルマークRM1を照明するとともに、レチクルR及び投影光学系PLを介して基準板WFB上のウエハ基準マークWFM1を照明する。レチクルマークRM1、ウエハ基準マークWFM1からの反射光は、半透鏡30Aでそれぞれ反射され、それらの反射光束は、観察系32Aに入射する。
観察系32Aは、結像光学系40、半透鏡51、レンズ49、瞳分割プリズム50、及びCCDセンサ42を含んで構成されている。
このうち、結像光学系40、半透鏡51及びCCDセンサ42によって、レチクルマークRM1、ウエハ基準マークWFM1の像を検出する検出光学系が構成される。すなわち、上述したように、半透鏡30Aでそれぞれ反射されたレチクルマークRM1、ウエハ基準マークWFM1部分からの反射光束は、半透鏡51を透過して結像光学系40の最良結像面(焦点位置)にそれぞれ結像される。この場合、レチクルパターン面と基準板WFB面とは元々共役関係に設定されているので、レチクルパターン面とCCDセンサ42の受光面とが共役であるものとすれば、CCDセンサ42の受光面にマークRM1、WFM1の像が最良の結像状態でそれぞれ結像し、CCDセンサ42によってマークRM1、WFM1が光電検出される。従って、主制御装置13(図12参照)では、このCCDセンサ42の出力(レチクルアライメント顕微鏡22Aの出力)に基づいてマークRM1、WFM1の像の相対位置を検出する。
結像光学系40としては、ここでは、焦点距離を可変とできる光学系、すなわち所謂内焦式の光学系が用いられている。また、半透鏡51を介してレチクルマークRMの像をCCDセンサ48上に再結像させるレンズ49、このレンズ49とCCDセンサ48との間の瞳面に設けられた瞳分割プリズム50、CCDセンサ48等によって、結像光学系40の焦点ずれを検出する焦点ずれ検出手段としての焦点検出系70が構成されている。この焦点検出系70は、露光用照明ビームILを焦点位置の検出用の検出光束として使用するものである。この焦点検出系70では、レチクルマークRMからの反射光束は、瞳分割プリズム50で二分割された後、CCDセンサ48の受光面に結像する。このとき、結像光学系40の焦点位置がずれると、分割された2光束のCCDセンサ48上での結像位置の間隔が変化する。主制御装置13では、この間隔の変化に基づいて主制御装置13で焦点ずれを検出する。従って、主制御装置13では、このCCDセンサ48の出力に基づいて結像光学系40の焦点ずれを測定し、駆動系54を介して結像光学系40内部の不図示のレンズ群を駆動することでその結像光学系40の焦点をレチクルパターン面とCCDセンサ42の受光面に合せることができるようになっている。この場合、主制御装置13では、CCDセンサ48上での結像位置の間隔が常に一定になるように、結像光学系40内部のレンズ群を駆動することにより、CCDセンサ42に焦点位置を一致させる。つまり、焦点検出系70、主制御装置13、及び駆動系54等により、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bの焦点状態を調節する焦点調節系55が構成される。
他方のレチクルアライメント顕微鏡22Bを構成するプリズム28B、半透過鏡30B及び観察光学系32Bも上記レチクルアライメント顕微鏡22Aと同様の構成及び機能を備えており、レチクルR上のレチクルマークRM2、ウエハ基準マークWM2の相対位置ずれを、結像光学系の焦点ずれのない状態で検出する。
制御系は、図12に示す主制御装置13によって主に構成される。主制御装置13は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はミニコンピュータ)によって構成され、露光動作が的確に行われるように、レチクルRとウエハWの位置合わせ、ウエハWのステッピング、露光タイミング等を統括して制御する。また、主制御装置13は、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bの焦点位置の調整を上述の如くして行なう他、装置全体を統括制御する。
次に、上述のようにして構成される本実施形態の露光装置10による重ね合わせ露光時の動作について、特にベースライン計測に伴う動作について図14のフローチャート等を参照して説明する。
前提として、レチクルステージRST上には、レチクルRが載置され、ウエハW上にはそれまでの工程で、既にパターンが形成されており、このパターンとともに不図示のウエハアライメントマークも形成されているものとする。
まず、主制御装置13では、予め定められた設計値に基づいて、駆動系26A、26Bを介して、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bを移動させ、その観察視野内にレチクルR上のレチクルマークRM1,RM2を位置決めする(ステップ300)。
また、主制御装置13では、予め定められた設計値に基づいて、基準板WFB上のウエハ基準マークWFM1,WFM2の中心点が投影光学系PLの光軸AX上に位置するように、レーザ干渉計56の出力をモニタしつつウエハステージWSTを移動させ、ウエハ基準マークWFM1,WFM2をレチクルアライメント顕微鏡22A,22Bの観察視野内に位置決めする(ステップ301)。
そして、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bを用いて、照明ビームILをレチクルR上に導くとともに、レチクルR上のレチクルマークRM1,RM2及び基準板WFB上のウエハ基準マークWFM1,WFM2を同時に観察する。
続いて、主制御装置13では、上述した焦点調節系55によりレチクルマークRM1,RM2に対するレチクルアライメント顕微鏡22A,22Bの焦点状態の調節を行うとともに、メインフォーカス検出系(60a,60b)によりウエハステージWST上のウエハ基準マークWM3に対する投影光学系PLの焦点状態を調節する(ステップ302)。
次に、主制御装置13では、レチクルマークRM1,RM2とウエハ基準マークWFM1,WFM2とを同時に観察した結果に基づいて、両マークRM1、WFM1の相対的な位置関係、及び両マークRM2、WFM2の相対的な位置関係を計測する(ステップ303)。なお、レチクルRの初期設定として、この相対的位置関係の計測結果に基づいて、投影光学系PLに対するレチクルRの位置決め、すなわちレチクルアライメントを行うことができる。
また、主制御装置13では、この相対位置計測と同時に、ウエハアライメントセンサ27を用いて基準板WFB上のウエハ基準マークWFM3を観察し、ウエハ基準マークWFM3とウエハアライメントセンサ27の指標との相対位置関係を計測する。基準板WFB上のウエハ基準マークWFM1,WM2,WM3は、予め定められた設計上の位置関係に正確に従った位置にそれぞれ形成されているため、設計上の配置情報と以上の動作により求められた相対位置関係とから、主制御装置13では基準板WFBを介してレチクルRのパターンの投影位置とウエハアライメントセンサ27の指標との相対距離(所謂ベースライン量)を算出することができる(ベースライン計測、ステップ304)。
その後、主制御装置13では、ウエハW上の複数ショット領域に付設されたウエハアライメントマークの位置をウエハアライメントセンサ27を用いて順次計測し、いわゆるEGA(エンハンストグローバルアライメント)の手法により、ウエハW上の全てのショット配列データを求め、この配列データに従って、ウエハW上のショット領域を順次投影光学系PLの真下(露光位置)に順次位置決めしつつ、光源12のレーザ発光を制御して、いわゆるステップアンドリピート方式で露光を行なう(ステップ305)。なお、EGA等については、特開昭61−44429号公報等で公知であるから、ここでは詳細な説明は省略する。
ここで、上述した本発明の本発明の位置計測方法の実施例は、例えば、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bを移動させ、その観察視野内にレチクルRのレチクルマークRM1,RM2を位置決めする工程(ステップ300)や、ウエハステージWSTを移動させ、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bの観察視野内にウエハ基準マークWFM1,WFM2を位置決めする工程(ステップ301)に好ましく適用することができる。
特に、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bを移動させて、その観察視野内にレチクルマークRM1,RM2を位置決めする工程では、観察視野内からレチクルマークRM1,RM2がずれて配されやすい。そのため、この位置決め工程に上述した位置計測方法の実施例を適用することにより、観察系としてのレチクルアライメント顕微鏡22A,22Bの観察視野内からレチクルマークRM1,RM2がずれて配される場合にも、レチクルマークRM1,RM2の位置情報を正しく計測し、その計測結果に基づいて、短時間でしかも確実にその観察視野内にレチクルマークRM1,RM2を位置決めすることが可能となる。
したがって、上述した本発明の本発明の位置計測方法の実施例をマスクあるいはウエハの位置決めに適用することにより、位置合わせ動作(アライメント動作)の安定化やスループットの向上が図られる。なお、上述した位置計測方法の実施例は、上述したステップ300やステップ301に適用するのに限らず、他の工程に適用してもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかである。したがって、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施例では、露光用の照明ビームをレチクルアライメント用の照明ビームに用いているが、レチクルアライメント用の照明ビームのための光源を新たに設けるようにしてもよい。この場合、その新たな照明ビームに対するレチクルマークの反射率特性に基づいて、レチクルアライメント顕微鏡の観察視野内に配置されるウエハステージ上の領域を定めるようにするとよい。
また、本発明に係る位置計測方法は、露光が正確に行われたかどうかを評価するための位置ずれ計測や、パターン像が描画されているフォトマスクの描画精度の計測にも適用できる。
また、ウエハやレチクル、基準板などに形成されるマークの数や配置位置、及び形状は任意に定めてよい。特にウエハマークは各ショット領域に少なくとも1つ設ければよいし、あるいはショット領域毎にウエハマークを設けずにウエハ上の複数点にそれぞれウエハマークを形成しておくだけでもよい。また、基板上のマークは1次元マーク及び2次元マークのいずれでもよい。
また、本発明が適用される露光装置は、露光用照明ビームに対してマスク(レチクル)と基板(ウエハ)とをそれぞれ相対移動する走査露光方式(例えば、ステップ・アンド・スキャン方式など)に限られるものではなく、マスクと基板とをほぼ静止させた状態でマスクのパターンを基板上に転写する静止露光方式、例えばステップ・アンド・リピート方式などでもよい。さらに、基板上で周辺部が重なる複数のショット領域にそれぞれパターンを転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置などに対しても本発明を適用することができる。また、投影光学系PLは縮小系、等倍系、及び拡大系のいずれでもよいし、屈折系、反射屈折系、及び反射系のいずれでもよい。さらに、投影光学系を用いない、例えばプロキシミティ方式の露光装置などに対しても本発明を適用できる。
また、本発明が適用される露光装置は、露光用照明光としてg線、i線、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、F2レーザ光、及びAr2レーザ光などの紫外光だけでなく、例えばEUV光、X線、あるいは電子線やイオンビームなどの荷電粒子線などを用いてもよい。さらに、露光用光源は水銀ランプやエキシマレーザだけでなく、YAGレーザ又は半導体レーザなどの高調波発生装置、SOR、レーザプラズマ光源、電子銃などでもよい。
また、本発明が適用される露光装置は、半導体デバイス製造用に限られるものではなく、液晶表示素子、ディスプレイ装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、及びDNAチップなどのマイクロデバイス(電子デバイス)製造用、露光装置で用いられるフォトマスクやレチクルの製造用などでもよい。
また、本発明は露光装置だけでなく、デバイス製造工程で使用される他の製造装置(検査装置などを含む)に対しても適用することができる。
また、上述したウエハステージやレチクルステージにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。さらに、ステージの駆動系として平面モータを用いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(定盤、ベース)に設ければよい。
また、ウエハステージの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
また、レチクルステージの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
また、本発明が適用される露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
また、半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行う工程、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作する工程、シリコン材料からウエハを製造する工程、前述した露光装置によりレチクルのパターンをウエハに露光するウエハ処理工程、デバイス組み立て工程(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査工程等を経て製造される。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係る位置計測方法の一実施例を概念的に示す図である。
図2は、マークの構成例を示す平面図である。
図3Aは、マークの端部を撮像したときに得られる画像データの信号波形の一例を示す図であり、X軸用の画像信号波形を示している。
図3Bは、マークの端部を撮像したときに得られる画像データの信号波形の一例を示す図であり、Y軸用の画像信号波形を示している。
図3Cは、図3A及び図3Bに示した信号波形が得られるようなマークMの端部の撮像状況の例を示す図である。
図4は、位置計測方法の全般的な流れの一例を示すフローチャート図である。
図5は、観察視野のステップ移動の様子を拡大して示す図である。
図6Aは、観察視野を介して、許容領域内の様々な位置に配されるマークを撮像する様子を示しており、観察視野とマークとの相対的な位置関係の一例を模式的に示す図である。
図6Bは、観察視野を介して、許容領域内の様々な位置に配されるマークを撮像する様子を示しており、観察視野とマークとの相対的な位置関係の一例を模式的に示す図である。
図6Cは、観察視野を介して、許容領域内の様々な位置に配されるマークを撮像する様子を示しており、観察視野とマークとの相対的な位置関係の一例を模式的に示す図である。
図7Aは、図6に示す観察視野とマークとの相対的な位置関係の他の例を模式的に示す図である。
図7Bは、図6に示す観察視野とマークとの相対的な位置関係の他の例を模式的に示す図である。
図8Aは、図6に示す観察視野とマークとの相対的な位置関係の他の例を模式的に示す図である。
図8Bは、図6に示す観察視野とマークとの相対的な位置関係の他の例を模式的に示す図である。
図9は、位置計測方法における処理の具体的な流れの一例を示すフローチャート図である。
図10は、本発明の位置計測方法の他の実施例を概念的に示す図である。
図11は、マークの他の構成例を示す平面図である。
図12は、露光装置の概略構成の一例を示す図である。
図13は、図12の主要部を拡大して示す図である。
図14は、露光装置の動作の手順の一例を示すフローチャート図である。
Claims (14)
- 物体上に形成されたマークを観察系を介して撮像し、この撮像結果に基づいて前記マークの位置に関する位置情報を計測する位置計測方法において、
前記観察系は、前記マークの一部分を観察可能でかつ前記マーク全体を観察不能な観察視野を有し、
前記観察系の観察視野を介して、前記マークが部分的に観察される領域を少なくとも一つ含むように、前記物体上の複数の領域を撮像し、
この複数の領域を撮像した結果に基づいて、撮像される前記マークの一部分が前記マークのどの部分であるかを特定し、
前記マークの一部分を撮像した結果と、前記特定した結果とに基づいて、前記マークの位置情報を求める位置計測方法。 - 前記複数の領域のうち、前記マークが部分的に観察される領域の個数に基づいて、前記特定を行う請求項1に記載の位置計測方法。
- 前記複数の領域のうち、前記マークが部分的に観察される領域同士の位置関係に基づいて、前記特定を行う請求項1に記載の位置計測方法。
- 前記マークは、特徴が互いに異なる複数のマーク領域を含み、
前記マークの一部分を撮像した結果に基づいて、このマークの一部分が前記複数のマーク領域のうちのいずれの特徴を有するかを抽出し、この抽出結果に基づいて前記特定を行う請求項1に記載の位置計測方法。 - 前記複数の領域のうちの隣り合う2つの領域は、所定の方向に対して互いに一部重なる請求項1に記載の位置計測方法。
- 前記観察系の観察視野を前記物体に対して相対的に移動させながら前記複数の領域を撮像する請求項1に記載の位置計測方法。
- 前記観察系は、複数の観察視野を有し、
この複数の観察視野を介して、前記複数の領域を同時に撮像する請求項1に記載の位置計測方法。 - 物体上に形成されたマークの全体を観察不能であり、前記マークの特徴形状部分を撮像する観察系を備えた位置計測装置で、前記マークの位置情報を検出して前記物体の位置情報を計測する位置計測方法において、
前記マークは、前記特徴形状部分を複数有し、
前記マークに対して前記観察視野の位置を複数設定し、
前記複数設定された観察視野で撮像された複数の撮像結果に基づいて、特定の特徴形状部分を撮像した特定撮像結果を特定し、
前記特定撮像結果に基づいて、前記マークの位置情報を検出する位置計測方法。 - 前記観察視野を複数設定する工程は、前記マークに対して前記観察視野を相対移動させながら撮像を行うことによって、複数の観察視野を設定する請求項8に記載の位置計測方法。
- 前記観察系は複数の観察視野を有し、
この複数の観察視野を介して前記複数の領域を同時に撮像することによって、複数の観察視野を設定する請求項8に記載の位置計測方法。 - 前記マークの特定の特徴形状部分は、マークの端部である請求項8に記載の位置計測方法。
- 前記マークは、全体が矩形状に形成されるとともに、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ分割されて4つの領域を有するマークである請求項8に記載の位置計測方法。
- 前記物体は、パターンが形成されたマスク、あるいはこのマスクのパターンが転写される基板であり、
請求項1から請求項12のうちのいずれか一項に記載の位置計測方法により計測された前記マークの位置情報に基づいて、前記マスクあるいは前記基板を位置決めし、
前記マスクを照明することにより、前記基板上に前記パターンの像を転写する露光方法。 - 請求項13に記載の露光方法を用いて、前記マスク上に形成されたデバイスパターンを前記基板上に転写する工程を含むデバイス製造方法。
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