JP2005347332A - 位置計測装置、露光装置、デバイス製造方法 - Google Patents

位置計測装置、露光装置、デバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 マスク固有の特性によらず、マスクマークを高いコントラストで確実に観察することができる位置計測装置を提供する。
【解決手段】 位置計測装置は、マスクマークRM(7)と、基準部材上の下地領域FM(7)とを照明ビームで照明し、マスクマークRM(7)と下地領域FM(7)とから発生したビームを計測系を用いて同時に観察し、その観察結果に基づいてマスクマークRM(7)の位置情報を求める。下地領域FM(7)は、照明ビームに対する反射率が互いに異なる複数の領域(高反射領域Ma,低反射領域Mb)が同時にマスクマークRM(7)と共に計測系で観察されるように構成されている。
【選択図】 図8

Description

本発明は、位置計測装置、露光装置、デバイス製造方法に関する。
半導体素子、液晶表示素子等の電子デバイスの製造工程では、プロセス処理を行いながら、基板(ウエハやガラスプレートなど)上に多数層の回路パターンを所定の位置関係で積み重ねて形成する。そのため、露光装置で2層目以降の回路パターンを基板上に露光する際には、マスク(又はレチクル)のパターンと基板上に形成されているパターンとの位置合わせ(アライメント)を高精度に行う必要がある。
基板上には位置合わせ用のマークが形成されており、この位置合わせ用マークを露光装置の計測系(あるいは観察系)で観察した結果に基づいて基板上の回路パターンの位置が求められる。この場合において、マスクを介して基板上の位置合わせ用マークを観察し、その観察結果に基づいてマスクと基板上の回路パターンとの位置関係を計測する方法や、基板上の位置合わせ用マークの位置のみをアライメントセンサで計測し、マスクの位置は別途計測しておき、両者の正確な位置情報に基づいて両者の相対的な位置関係を計測する方法などがある。
マスクの位置を計測する位置計測技術としては、マスク上に形成されたマスクマークから発生したビームを計測系(あるいは観察系)を介して観察し、その観察結果に基づいて行うのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−289871号公報
ところで、近年、様々な特性を有するマスクが用いられるようになっており、マスクによっては、マスクマークから発生するビームの強度が弱くなり、マスクマークの像を十分なコントラストで観察できない場合がある。例えば、高反射レチクルと呼ばれるレチクル(マスク)は、一般的な照明ビームに対するマスクマークの反射率が高く、比較的高いコントラストでマスクマークが観察されるのに対し、低反射レチクルあるいはハーフトーンレチクルと呼ばれるレチクル(マスク)は、上記照明ビームに対するマスクマークの反射率が低い(例えば、低反射レチクル:5〜10%程度、ハーフトーンレチクル:5〜10%程度)。そのため、マスクマークからの反射ビームを用いてマスクマークを観察しようとしても、その反射ビームの強度が弱く、低いコントラストでマスクマークが観察される場合がある。この場合、マーク位置の計測精度の低下を招く恐れがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、マスク固有の特性によらず、マスクマークを高いコントラストで確実に観察することができる位置計測装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、露光精度を向上させることができる露光装置、並びに、形成されるパターンの精度を向上させることができるデバイスの製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、実施の形態を示す図1から図10に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の位置計測装置は、マスクステージ(RST)上に載置されているマスク(R)上に形成されたマスクマーク(RM(7))と、基板ステージ(WST)上に設けられている基準部材(WFB)上の下地領域(FM(7))とを照明ビーム(IL’)で照明し、前記マスクマークと前記下地領域とから発生したビームを計測系(22A,22B)を用いて同時に観察し、その観察結果に基づいて前記マスクマークの位置情報を求める位置計測装置であって、前記下地領域は、前記照明ビームに対する反射率が互いに異なる複数の領域(Ma,Mb)が同時に前記マスクマークと共に前記計測系で観察されるように構成されていることを特徴とする。
この位置計測装置では、マスクマークと共に、反射率が互いに異なる複数の領域を同時に観察することにより、マスクマークからの反射ビームの強弱によらず、マスクマークが高いコントラストで観察される。すなわち、マスクマークからの反射ビームが強い場合には下地領域のうちの低い反射率の領域に対してマスクマークが高いコントラストで観察され、マスクマークからの反射ビームが弱い場合には下地領域のうちの高い反射率の領域に対してマスクマークが高いコントラストで観察される。その結果、この位置計測装置では、マスク固有の特性によらず、マスクマークが確実に観察される。
また、この位置計測装置では、例えば、マスク固有の特性に基づいて信号処理のパラメータを調整したり、マスク固有の特性に基づいてマスクマークと共に観察される下地領域を変化させたりといった、マスクマークを高いコントラストで観察するための複雑な調整動作を特に必要とせず、スループットの向上が図られる。
上記の位置計測装置において、前記下地領域(FM(7))には、例えば、前記反射率が高い高反射領域(Ma)と、前記反射率が低い低反射領域(Mb)とが交互に繰り返し形成されているとよい。
この場合、前記高反射領域(Ma)は、例えば、前記基準部材(WFB)上にクロムで形成された領域であり、前記低反射領域(Mb)は、前記基準部材(WFB)上にガラスで形成された領域である。
あるいは、前記複数の領域は、前記反射率が高い領域(Ma)から低い領域(Mb)に前記反射率が徐々に変化する領域を含んでもよい。
このような構成の下地領域がマスクマークと共に観察されることにより、マスクマークからの反射ビームの強弱によらず、マスクマークが高いコントラストで観察される。
本発明の露光装置(10)は、上記の位置計測装置により計測された前記マスクマーク(RM1,RM2)の位置情報に基づいて前記マスク(R)を位置決めし、前記マスクを照明することにより、前記マスク上に形成されたパターンの像を前記基板(W)上に転写することを特徴とする。
この露光装置では、上記位置計測装置によってマスクマークが確実に観察されてマスクマークの位置情報が高い精度で求められることから、その位置情報に基づいてマスクを精度よく位置決めし、露光精度の向上を図ることが可能となる。
本発明のデバイス製造方法によれば、上記の露光装置(10)を用いて、前記マスク(R)上に形成されたデバイスパターンを前記基板(W)上に転写する工程を含むことを特徴とする。
このデバイス製造方法によれば、露光精度の向上により、形成されるパターンの精度の向上が図られる。
本発明の位置計測装置によれば、マスクマークと共に、反射率が互いに異なる複数の領域を同時に観察することにより、マスク固有の特性によらず、マスクマークを高いコントラストで確実に観察することができる。
また、本発明の露光装置によれば、精度よく計測された位置情報に基づいて、基板を露光位置に位置決めすることにより、露光精度を向上させることができる。
また、本発明のデバイス製造方法によれば、露光精度の向上により、形成されるパターンの精度が向上したデバイスを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態例について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に好ましく適用される半導体デバイス製造用の縮小投影型露光装置10の構成を概略的に示している。この投影露光装置10は、マスクとしてのレチクルRと基板としてのウエハWとを1次元方向に同期移動させつつ、レチクルRに形成された回路パターンを、ウエハW上の各ショット領域に転写する、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置、いわゆるスキャニング・ステッパである。
投影露光装置10は、光源12を含む照明系11、レチクルRを保持するレチクルステージRST、レチクルRに形成されたパターンの像をウエハW上に投影する投影光学系PL、ウエハWを保持する基板ステージとしてのウエハステージWST、一対の観察手段(計測手段)としてのレチクルアライメント顕微鏡22A,22B、ウエハアライメントセンサ27、メインフォーカス検出系(60a,60b)、及び制御系等を備えている。
照明系11は、例えばエキシマレーザから成る光源12、ビーム整形用レンズ、及びオプチカルインテグレータ(フライアイレンズ)等を含む照度均一化光学系16の他に、照明系開口絞り板(レボルバ)18、リレー光学系20、不図示のレチクルブラインド、折り曲げミラー37、及び不図示のコンデンサレンズ系等を含む。照明系11の構成各部についてその作用とともに説明すると、光源12から射出された照明ビームIL(エキシマレーザ光(KrF、ArF)等)は、照度均一化光学系16によって光束の一様化や、スペックルの低減化等が行われる。光源12のレーザパルスの発光は後述する主制御装置13によって制御される。なお、光源12として、超高圧水銀ランプを用いても良く、この場合には、g線、i線等の紫外域の輝線が照明ビームとして用いられるとともに、不図示のシャッタの開閉が主制御装置13によって制御される。
照度均一化光学系16の出口部分には、円板状部材からなる照明系開口絞り板18が配置されている、この照明系開口絞り板18には、ほぼ等角度間隔で、例えば通常の円形開口よりなる開口絞り、小さな円形開口よりなりコヒーレンスファクタであるσ値を小さくするための開口絞り、輪帯照明用の輪帯状の開口絞り、及び変形光源法用に複数の開口を偏心させて配置してなる変形開口絞り(いずれも図示省略)等が配置されている。この照明系開口絞り板18は、主制御装置13により制御されるモータ等の駆動系24により回転駆動されるようになっており、これによりいずれかの開口絞りが照明ビームILの光路上に選択的に配置される。
照明系開口絞り板18の後方の露光用照明ビームILの光路上には、不図示のブラインドを介在してリレー光学系20が設置されている。ブラインドの設置面はレチクルRと共役関係にある。リレー光学系20後方の露光用照明ビームILの光路上には、このリレー光学系20を通過した露光用照明ビームILをレチクルRに向けて反射する折り曲げミラー37が配置され、このミラー37後方の露光用照明ビームILの光路上には不図示のコンデンサレンズが配置されている。露光用照明ビームILは、リレー光学系20を通過する際に、不図示のブラインドでレチクルRの照明領域が規定(制限)された後、ミラー37で垂直下方に折り曲げられ、不図示のコンデンサレンズを介してレチクルRの上記照明領域内のパターン領域PAを均一な照度で照明する。
レチクルRは、レチクルステージRST上に、不図示のバキュームチャック等を介して吸着保持されている。レチクルステージRSTは、水平面(XY平面)内で2次元移動可能に構成されており、レチクルRがレチクルステージRSTに載置された後、レチクルRのパターン領域PAの中心点が光軸AXと一致するように位置決めが行なわれる。こうしたレチクルステージRSTの位置決め動作は、主制御装置13によって不図示の駆動系が制御されることにより行われる。なお、レチクルRの初期設定のためのレチクルアライメントについては、後に詳述する。また、レチクルRは図示しないレチクル交換装置により適宜交換されて使用される。
投影光学系PLは、両側テレセントリックな光学配置になるように配置された共通のZ軸方向の光軸AXを有する複数枚のレンズエレメントから構成されている。また、この投影光学系PLとしては、投影倍率が例えば1/4又は1/5のものが使用されている。このため、上述したように、露光用照明ビームILによりレチクルR上の照明領域が照明されると、そのレチクルRのパターン面に形成されたパターンが投影光学系PLによって表面にレジスト(感光材)が塗布されたウエハW上に縮小投影され、ウエハW上の一つのショット領域にレチクルRの回路パターンの縮小像が転写される。
ウエハステージWSTは、投影光学系PLの下方に配設された定盤(ステージ定盤BS)上に載置されている。このウエハステージWSTは、実際には水平面(XY面)内を2次元移動可能なXYステージと、このXYステージ上に搭載され光軸方向(Z方向)に微動可能なZステージ等から構成されるが、図1ではこれらが代表的にウエハステージWSTとして示されている。以下の説明中では、このウエハステージWSTは、駆動系25によってステージ定盤BSの上面に沿ってXY2次元方向に駆動されるとともに微小範囲(例えば100μm程度)内で光軸AX方向にも駆動されるようになっているものとする。なお、ステージ定盤BSの表面は、平坦に加工されており、且つ低反射率の物質(黒クロム等)により一様にめっき加工が施されている。
また、ウエハステージWST上には、ウエハホルダ52を介してウエハWが真空吸着等によって保持される。ウエハステージWSTの2次元的な位置は、ウエハステージWST上に固定された移動鏡53を介してレーザ干渉計56によって所定の分解能(例えば1nm程度)で常時検出される。このレーザ干渉計56の出力は主制御装置13に与えられ、その情報に基づいて、主制御装置13によって駆動系25が制御される。このような閉ループの制御系により、例えば、ウエハステージWSTはウエハW上の1つのショット領域に対するレチクルRのパターンの転写露光(スキャン露光)が終了すると、次のショットに対する露光開始位置までステッピングされる。また、すべてのショット位置に対する露光が終了すると、ウエハWは不図示のウエハ交換装置によって他のウエハWに交換される。なお、ウエハ交換装置は、ウエハステージWSTから外れた位置に配置され、ウエハWの受け渡しを行うウエハローダ等のウエハ搬送系を備えて構成されている。
また、ウエハW面のZ方向の位置は、メインフォーカス検出系により測定される。メインフォーカス検出系としては、投影光学系PLの結像面に向けてピンホールまたはスリットの像を形成するための結像光束もしくは平行光束を、光軸AXに対して斜め方向より照射する照射光学系60aと、その結像光束もしくは平行光束のウエハW表面(又は後述する基準板WFB表面)での反射光束を受光する受光光学系60bとから成る斜入射光式の焦点検出系が用いられており、受光光学系60bからの信号が主制御装置13に供給されている。主制御装置13では受光光学系60bからの信号に基づき、常に投影光学系PLの最良結像面にウエハWの面が来るように駆動系25を介してウエハWのZ位置を制御する。
制御系は、図1中、主制御装置13によって主に構成される。主制御装置13は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はミニコンピュータ)によって構成され、露光動作が的確に行われるように、レチクルRとウエハWとの位置合わせ(アライメント)、ウエハWのステッピング、露光タイミング等を統括して制御する。また、主制御装置13は、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bの焦点位置の調整を行なう他、装置全体を統括制御する。
なお、レチクルアライメント顕微鏡22A,22B、照明系11、及び主制御装置13等により本発明の位置計測装置が構成される。
ここで、ウエハアライメントセンサ27、及びレチクルアライメント顕微鏡22A,22Bについて詳しく説明する。
ウエハアライメントセンサ27としては、検出基準となる指標を備え、その指標を基準としてマークの位置を検出する例えば特開平4−65603号公報等で公知の画像処理方式の結像式センサが用いられる。ウエハステージWST上には、後述するレチクルアライメント及びベースライン計測のためのウエハ基準マーク(ウエハフィデューシャルマーク)WFM1,WFM2,及びWFM3等の各種の基準マークが形成された基準板WFBが設けられている。この基準板WFBの表面位置(Z方向の位置)はウエハWの表面位置とほぼ同一とされている。ウエハアライメントセンサ27は、この基準板WFB上のウエハ基準マークWFMや、ウエハW上のウエハアライメントマークの位置を検出し、その検出結果を主制御装置13に供給する。なお、ウエハアライメントセンサとして、例えば特開平10−141915号公報等で公知のレーザスキャン式センサや、レーザ干渉式センサ等の他の方式のものを用いてもよい。
ウエハアライメントセンサ27の投影像面側(ウエハ側)における光軸は、投影光学系PLの光軸AXと並行に配されており、ウエハアライメントセンサ27の光軸と投影光学系PLの露光フィールド内の基準位置である光軸AXとの間の距離、いわゆるベースライン量が、ウエハW上の各ショット領域を投影光学系PLの視野内に配するときの基準量となる。つまり、ウエハアライメントセンサ27によってアライメント用のウエハマークWMのX座標及びY座標を計測するとともに、この計測結果に上記ベースライン量を加算して得られる値に基づいて、ウエハステージWSTを駆動し、ウエハWをX方向及びY方向にステッピング移動させることにより、ウエハWの各ショット領域の中心を投影光学系PLの露光フィールド内の基準位置(光軸AX)に正確にアライメントすることができる。なお、本例では、ウエハステージWST上に配置された基準マーク(WFM1、WFM2、WFM3)を、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bとウエハアライメントセンサ27とで同時に観察することにより、上述したベースライン量、すなわちウエハアライメントセンサ27の光軸と投影光学系PLの露光フィールド内の基準位置との間の距離を計測する、いわゆる同時ベースライン計測を行う。
アライメント照明系は、検出用照明として露光光と共通波長の照明ビームIL’を用いる構成からなる。これは、露光光(露光用照明ビームIL)の一部の光束をミラー82等で分岐させた後、光ファイバを用いてレチクルアライメント顕微鏡22A,22B内に導き、さらにその光束を、レチクルR上に導く。
レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bはそれぞれ、検出用照明をレチクルRに導くアライメント照明系、比較的に粗い検出を実施するためのサーチ計測系、及び比較的に精密な検出を実施するためのファイン計測系等からなる。
図2に、レチクルアライメント顕微鏡22Aの構成を代表的に示す。なお、他方のレチクルアライメント顕微鏡22Bも同様の構成及び機能を備えているのでここではその説明を省略する。
アライメント照明系は、可動ミラー82、集光レンズ83、結像レンズ84、偏向ミラー85等を含み、ハーフミラー86によりファイン計測系及びサーチ計測系に接続されている。
可動ミラー82は、照明ビームILの光路を切り換えるためのミラーであり、照明ビームILを反射させない第1の位置と照明ビームILを反射させる第2の位置との間で移動可能である。可動ミラー82が第1の位置にあるときにはウエハ露光用の光路が得られ、可動ミラー82が第2の位置にあるときには、アライメント用の照明光IL’が得られるようになっている。可動ミラー82は主制御装置13によりその位置が選択される。
また、落射ミラー30Aは、図2中の矢印A−A’の方向に、照明位置と退避位置との間を移動自在に配置されている。主制御装置13では、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bを用いてアライメントを行う際には、不図示の駆動系を介して落射ミラー30Aを矢印A方向に駆動して図2に示される照明位置に位置決めし、アライメントが終了すると、露光の際に邪魔にならないように、不図示の駆動系を介して落射ミラー30Aを矢印A’方向に駆動して所定の退避位置に退避させる。
アライメント照明系により導かれた照明ビームは落射ミラー30Aを介してレチクルマークRM1を照明するとともに、レチクルR及び投影光学系PLを介して基準板WFB上のウエハ基準マークWFM1を照明する。レチクルマークRM1、ウエハ基準マークWFM1からの反射ビームは、落射ミラー30Aでそれぞれ反射され、それらの反射ビームは、サーチ計測系及びファイン計測系に入射する。
サーチ計測系は、落射ミラー30A、第1対物レンズ72、ハーフミラー73、偏向ミラー74及び第2対物レンズ75等を含むサーチ光学系とサーチ計測用カメラ76を含んで構成される。ファイン計測系は、落射ミラー30A、第1対物レンズ72、第2対物レンズ77等を含むファイン光学系とファイン計測用カメラ78を含んで構成される。サーチ計測用カメラ76及びファイン計測用カメラ78として、本実施形態では、CCD等の撮像素子をそれぞれ用いる。また、サーチ計測用カメラ76としては低分解能のもの(レンズ倍率が小さい値の結像レンズ系を介して撮像するもの)を、ファイン計測用カメラ78としては高分解能のもの(レンズ倍率が高い値の結像レンズ系を介して撮像するもの)を用いている。さらに、サーチ光学系は拡大倍率が低く、開口数(N.A.)が小さく設定されており、ファイン光学系は拡大倍率が高く、開口数が大きく設定されている。サーチ計測用カメラ76及びファイン計測用カメラ78の撮像信号(光電変換信号)は、主制御装置13に供給される。
レチクルRの位置決め(アライメント)を行う際には、主制御装置13により可動ミラー82を第2の位置に設定し、アライメント照明系を介してレチクルRのレチクルマークRM1を照明する。レチクルR及び基準板WFBでの反射ビームは、サーチ光学系を介してサーチ計測用カメラ76に入射し、レチクルマークRM1、及びウエハ基準マークWFM1の像が同時にサーチ計測用カメラ76の受光面に結像される。また、レチクルR及び基準板WFBでの反射ビームは、ファイン光学系を介してファイン計測用カメラ78に入射し、レチクルマークRM、及びウエハ基準マークWFM1の像が同時にファイン計測用カメラ78の受光面に結像される。
次に、上述のようにして構成される本実施形態の露光装置10による重ね合わせ露光時の動作について、特にベースライン計測に伴う動作について図3のフローチャート等を参照して説明する。
前提として、レチクルステージRST上には、レチクルRが載置され、ウエハW上にはそれまでの工程で、既にパターンが形成されており、このパターンとともに不図示のウエハアライメントマークも形成されているものとする。
まず、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bを用いて、アライメント用照明ビームIL’をレチクルR上に導くとともに、レチクルR上のレチクルマークRM1,RM2及び基準板WFB上のウエハ基準マークWFM1,WFM2を同時に観察する(ステップ100)。
このとき、主制御装置13では、予め定められた設計値に基づいて、不図示の駆動系を介して、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bを移動させ、その観察視野内にレチクルR上のレチクルマークRM1,RM2を位置決めする。また、主制御装置13では、予め定められた設計値に基づいて、基準板WFB上のウエハ基準マークWFM1,WFM2の中心点が投影光学系PLの光軸AX上に位置するように、レーザ干渉計56の出力をモニタしつつウエハステージWSTを移動させ、ウエハ基準マークWFM1,WFM2をレチクルアライメント顕微鏡22A,22Bの観察視野内に位置決めする。
次に、主制御装置13では、レチクルマークRM1,RM2とウエハ基準マークWFM1,WFM2とを同時に観察した結果に基づいて、両マークRM1、WFM1の相対的な位置関係、及び両マークRM2、WFM2の相対的な位置関係を計測し、その計測結果に基づいて、レチクルRの初期設定として、投影光学系PLに対するレチクルRの位置決め、すなわちレチクルアライメントを行う(ステップ101)。
ここで、レチクルアライメントでは、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bにおけるサーチ計測系の計測結果に基づいて比較的に粗くレチクルRの位置決め(サーチアライメント)を行い、その後、ファイン計測系の計測結果に基づいて精密なレチクルRの位置決め(ファインアライメント)を行う。
図4はレチクルRに形成されたレチクルマークRM1,RM2の構成例を示し、図5は基準板WFB上に形成された基準マーク(WFM1、WFM2、WFM3)の構成例を示している。
図4において、レチクルRには、実デバイスを製造するための回路パターンがパターン領域PAに形成され、その外側にレチクルマークRM1,RM2が設けられている。回路パターンやレチクルマークRM1,RM2は、例えばパターンジェネレータやEB露光装置などの装置により、設計データを基にしてレチクルRの母材であるガラス板上に転写され、光透過部もしくは遮光部(クロム膜等)として形成されている。レチクルマークRM1,RM2はそれぞれ、Y方向に離間して配置された7ケのマークRM(1)〜RM(7)を含む。このうち、レチクルマークRM1,RM2の各中央に配されるマークRM(7)が主にサーチ計測系を用いたサーチアライメントに用いられ、他のマークRM(1)〜RM(6)が主にファイン計測系を用いたファインアライメントに用いられる。
図5において、ウエハステージWST上に設けられた基準板WFB上には、レチクルアライメント顕微鏡22A,22B用の基準マークWFM1、WFM2と、ウエハアライメントセンサ用の基準マークWFM3とが設けられている。基準マークWFM1、WFM2は、レチクルR上のレチクルマークRM1,RM2に対応するピッチでX方向に互いに離間して配置されており、それぞれが先の図4に示したマークRM(1)〜RM(7)に対応するピッチでY方向に互いに離間して配置された7組のマークFM(1)〜FM(7)を含む。なお、マークFM(7)は、サーチ計測系によってレチクルR上のマークRM(7)と同時に観察される下地領域である。一方、基準マークWFM3は、基準マークWFM1、WFM2の各マークFM(1)〜FM(6)から設計上のベースライン量だけ所定の方向(ここでは−Y方向)に離れた位置にそれぞれ配置された6ケのマークFM(8)〜FM(13)を含む。
レチクルアライメントの工程では、まず、レチクルR上のマークRM(7)と基準板WFB上のマークFM(7)とをサーチ計測系で同時に観察すると、レチクルR上のマークRM(7)の位置を計測し、その結果に基づいて、レチクルアライメント顕微鏡22A,22B(サーチ計測系、ファイン計測系)の観察視野の中心にレチクルRを位置決めする(サーチアライメント)。
そして、サーチアライメントの後、レチクルR上のマークRM(1)〜(6)と基準板WFB上のマークFM(1)〜(6)とをファイン計測系で同時に観察し、その相対的な位置関係を計測した結果に基づいて、精密にレチクルRを位置決めする(ファインアライメント)。
なお、レチクルR上のマークRM(1)と基準板WFB上のマークFM(1)との相対的な位置関係を計測すると同時に、ウエハアライメントセンサ27でマークFM(8)を検出してその位置情報(例えばウエハアライメントセンサ27の光軸中心からの基準マークFM(8)の位置ずれ量)を計測することにより、それらの計測結果に基づいて、実際のベースライン量を計測することができる(ベースライン計測:ステップ102)。また、レチクルR上の他のマークRM(2)〜RM(6)、及びそれに対応する基準板WFB上のマークFM(9)〜FM(13)に対しても同様に位置情報の計測を行い、それらを用いて最小二乗法などの統計演算処理することにより、レチクル座標系とウエハ座標系との位置関係を求めることができ、そのデータはレチクルステージRSTやウエハステージWSTの位置制御の際の補正値として使用される。
図6はサーチアライメント時にサーチ計測系で観察されるレチクルR上のマークRM(7)の例を示し、図7はサーチ計測系で観察される基準板WFB上のマークFM(7)の例を示している。
図6に示すように、レチクルR上のマークRM(7)は、X、Y方向に伸びた線状パターンを含む十字マーク(二次元マーク)からなる。
一方、図7に示すように、基準板WFB上のマークFM(7)は、サーチ計測系で使用されるビーム(照明ビームIL’)に対して反射率が高い領域(高反射領域Ma:図7に白抜きで示す領域)と、反射率が低い領域(低反射領域Mb:図7におけるハッチング領域)とを含み、本例では、これらが交互に繰り返し形成されたパターンからなる。
より具体的には、マークFM(7)は、全体の大きさがサーチ計測系の観察視野と同程度もしくはそれ以上の大きさに設定され、互いにほぼ同形状(本例では矩形)の高反射領域Maと低反射領域Mbとが交互に配列されたパターン、すなわち複数の高反射領域Maと複数の低反射領域Mbとがそれぞれ千鳥状に配列されたパターンからなる。高反射領域Ma及び低反射領域Mbの個々の形状やその大きさはレチクルR上のマークRM(7)の形状(線幅など)に応じて適宜設定される。
ここで、高反射領域Maは、例えば、基準板WFB上にクロムで形成された領域であり、低反射領域Mbは、例えば、基準板WFB上にガラスで形成された領域である。高反射領域Ma及び低反射領域Mbは、反射率が互いに異なる関係(両者の反射率の差が大きい関係)にあればよく、上記の他、高反射領域Maをクロム以外の金属材料を用いて形成してもよく、また、低反射領域Mbを低反射率の物質(黒クロム等)を用いたメッキ加工により形成してもよい。なお、前述したように、基準板WFB上のマークFM(7)は、サーチ計測系によってレチクルR上のマークRM(7)と共に観察される下地領域であり、サーチアライメント時には、マークFM(7)に含まれる高反射領域Maと低反射領域Mbとが同時にレチクルR上のマークRM(7)と共にサーチ計測系で観察される。
図8(a)及び(b)はそれぞれレチクルR上のマークRM(7)と基準板上のマーク(7)とを同時に観察した様子を示しており、このうち、図8(a)はレチクルR上のマークRM(7)が高反射の場合、図8(b)はマークRM(7)が低反射の場合を示している。
図8(a)に示すように、レチクルR上のマークRM(7)が高反射の場合、すなわちマークRM(7)からの反射ビームが強い場合には、基準板WFB上のマークFM(7)のうちの低反射領域Mbに対してレチクルR上のマークRM(7)が高いコントラストで観察される。つまり、低反射領域Mbからの反射ビームは弱いので、高反射のレチクルR上のマークRM(7)との間で光強度の差が大きく生じ、この差に基づき、レチクルR上のマークRM(7)が高いコントラストで観察される。
逆に、図8(b)に示すように、レチクルR上のマークRM(7)が低反射の場合、すなわちマークRM(7)からの反射ビームが弱い場合には、基準板WFB上のマークFM(7)のうちの高反射領域Maに対してレチクルR上のマークRM(7)が高いコントラストで観察される。つまり、高反射領域Maからの反射ビームは高いので、低反射のレチクルR上のマークRM(7)との間で光強度の差が大きく生じ、この差に基づき、レチクルR上のマークRM(7)が高いコントラストで観察される。
その結果、サーチ計測系において、レチクルRのマークRM(7)の反射特性に関わらず、高反射領域Maと低反射領域Mbとのいずれかに対してレチクルR上のマークRM(7)が高いコントラストで観察される。そして、この観察時に得られる光電変換信号を一次元あるいは二次元的に処理することにより、レチクルR上のマークRM(7)の位置情報が計測され、この計測結果に基づいて、レチクルRの位置決め(サーチアライメント)が行われる。
図3に戻り、レチクルアライメント及びベースライン計測の後、主制御装置13では、ウエハW上の複数ショット領域に付設されたウエハアライメントマークの位置をウエハアライメントセンサ27を用いて順次計測し、いわゆるEGA(エンハンストグローバルアライメント)の手法により、ウエハW上の全てのショット配列データを求め、この配列データに従って、ウエハW上のショット領域を順次投影光学系PLの真下(露光位置)に順次位置決めしつつ、光源12のレーザ発光を制御して、いわゆるステップアンドリピート方式で露光を行なう(ステップ103)。なお、EGA等については、特開昭61−44429号公報等で公知であるから、ここでは詳細な説明は省略する。
このように、本例によれば、サーチアライメント時において、基準板WFB上の高反射領域Maと低反射領域Mbとを同時に、レチクルR上のマークRM(7)と共に観察することにより、レチクルRの固有の特性によらず、レチクルR上のマークRM(7)を高いコントラストで確実に観察することができる。しかも、観察されるマークの高コントラスト化を図るための調整動作、例えば、レチクル固有の特性に基づいて信号処理アルゴリズムのパラメータを調整したり、あるいはレチクル固有の特性に基づいてレチクル上のマークと共に観察される下地領域を変化させたりといった複雑な調整動作を必要としないことから、スループット面でも有利である。
なお、本例では、サーチアライメント時にのみ、基準板WFB上の高反射領域Maと低反射領域Mbとを同時に観察しているが、同様の処理をファインアライメント時にも適用してもよい。サーチ計測系を用いたサーチアライメントでは、レチクルアライメント顕微鏡22A,22Bの観察視野のほぼ中心にレチクルR上のマークRM(7)が配置されればよく、要求される位置決め精度はファインアライメントに比べると低い。
また、サーチ計測系を介して得られる光電変換信号からレチクルR上のマーク(7)の位置情報を求めるための処理アルゴリズム(一次元処理、二次元処理など)は、下地領域としての基準板WFB上のマーク(7)の構成(パターン)に応じて適宜決定される。また、レチクルRの光学的特性が予めわかっている場合には、それに基づいて処理アルゴリズムを設定してもよい。
また、レチクルRや基準板WFB、ウエハWなどに形成されるマークの数や配置位置、及び形状は任意に定めてよい。サーチ計測系で下地領域として観察される基準板WFBのマークFM(7)についても、反射率が互いに異なる複数の領域がサーチ計測系で同時に観察されればよく、その構成は任意に変更可能である。
図9(a)及び図10(a)は、レチクルR上のマークRM(7)と同時に観察される基準板WFB上のマークFM(7)(下地領域)の他の例を示し、図9(b)及び図10(b)は、それら各マークFM(7)をレチクルR上のマークRM(7)と同時に観察した様子を示している。
図9(a)の例では、基準板WFB上のマークFM(7)は、X方向及びY方向に対して斜め方向に配列された縞状のパターンからなる。すなわち、本例のマークFM(7)は、それぞれX方向に対して斜めに延在する線状の高反射領域Maと低反射領域Mbとが繰り返し交互に配列されたパターンからなる。
図9(b)に示すように、このマークFM(7)とレチクルR上のマークRM(7)とを同時に観察すると、先の図8(b)に示したものと同様に、レチクルRのマークRM(7)の反射特性に関わらず、高反射領域Maと低反射領域Mbとのいずれかに対してレチクルR上のマークRM(7)が高いコントラストで観察される。
図10(a)の例では、基準板WFB上のマークFM(7)は、高反射領域Maと低反射領域MbとがX方向に対して斜め方向に分けて形成されるとともに、高反射領域Maと低反射領域Mbとの間に反射率が徐々に変化する領域(反射率変化領域Mc)が形成されている。すなわち、本例のマークFM(7)は、図中右斜め下に形成される高反射領域Maと、図中左斜め上に形成される低反射領域Mbと、高反射領域Maから低反射領域Mbに向かって徐々に反射率が小さくなる反射率変化領域Mcとを含むパターンからなる。なお、上記各領域Ma、Mb、Mcに明確な境界があるわけではなく、マークFM(7)において、X方向に対して斜め方向に一定の割合で反射率が徐々に変化している。
図10(b)に示すように、本例では、下地領域としてのマークFM(7)内で反射率が徐々に変化することから、このマークFM(7)とレチクルR上のマークRM(7)とを同時に観察すると、レチクルRのマークRM(7)の反射特性に関わらず、マークFM(7)内のいずれかの領域に対してレチクルR上のマークRM(7)が高いコントラストで観察される。
ここで、図10(a)に示すマークFM(7)を下地領域として使用する場合、マークFM(7)からの反射ビームの強度は例えばX方向に沿って徐々に変化することから、光電変換信号からレチクルR上のマーク(7)の位置情報を求めるための処理アルゴリズムとして、折り返し自己相関方式を用いることができる。折り返し自己相関方式は、計測系から得られる信号を所定の点にて対称に折り返して両信号のマッチングの度合を求めることによりマークの位置情報を求めるものであり、特開昭56−2284号公報等で公知であるから、ここでは詳細な説明は省略する。
なお、上述した実施の形態例において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲においてプロセス条件や設計要求等に基づき種々変更可能である。本発明は、以下のような変更をも含むものとする。
例えば、上記実施例では、露光用の照明ビームをレチクルアライメント用の照明ビームに用いているが、レチクルアライメント用の照明ビームのための光源を新たに設けるようにしてもよい。
また、本発明に係る位置計測装置は、露光が正確に行われたかどうかを評価するための位置ずれ計測や、パターン像が描画されているフォトマスクの描画精度の計測にも適用できる。
また、本発明が適用される露光装置は、露光用照明ビームに対してマスク(レチクル)と基板(ウエハ)とをそれぞれ相対移動する走査露光方式(例えば、ステップ・アンド・スキャン方式など)に限られるものではなく、マスクと基板とをほぼ静止させた状態でマスクのパターンを基板上に転写する静止露光方式、例えばステップ・アンド・リピート方式などでもよい。さらに、基板上で周辺部が重なる複数のショット領域にそれぞれパターンを転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置などに対しても本発明を適用することができる。また、投影光学系PLは縮小系、等倍系、及び拡大系のいずれでもよいし、屈折系、反射屈折系、及び反射系のいずれでもよい。さらに、投影光学系を用いない、例えばプロキシミティ方式の露光装置などに対しても本発明を適用できる。
また、本発明が適用される露光装置は、露光用照明光としてg線、i線、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、F 、レーザ光、及びAr 、レーザ光などの紫外光だけでなく、例えばEUV光、X線、あるいは電子線やイオンビームなどの荷電粒子線などを用いてもよい。さらに、露光用光源は水銀ランプやエキシマレーザだけでなく、YAGレーザ又は半導体レーザなどの高調波発生装置、SOR、レーザプラズマ光源、電子銃などでもよい。
また、本発明が適用される露光装置は、半導体デバイス製造用に限られるものではなく、液晶表示素子、ディスプレイ装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、及びDNAチップなどのマイクロデバイス(電子デバイス)製造用、露光装置で用いられるフォトマスクやレチクルの製造用などでもよい。
また、本発明は露光装置だけでなく、デバイス製造工程で使用される他の製造装置(検査装置などを含む)に対しても適用することができる。
また、上述したウエハステージやレチクルステージにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。さらに、ステージの駆動系として平面モ−タを用いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(定盤、ベース)に設ければよい。
また、ウエハステージの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
また、レチクルステージの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
また、本発明が適用される露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
また、半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行う工程、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作する工程、シリコン材料からウエハを製造する工程、前述した露光装置によりレチクルのパターンをウエハに露光するウエハ処理工程、デバイス組み立て工程(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査工程等を経て製造される。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
半導体デバイス製造用の縮小投影型露光装置の構成を概略的に示す図である。 レチクルアライメント顕微鏡の構成を示す図である。 露光装置による重ね合わせ露光時の動作の手順の一例を示すフローチャート図である。 レチクルに形成されたレチクルマークの構成例を示す図である。 基準板上に形成された基準マークの構成例を示す図である。 計測系で観察されるレチクル上のマークの例を示す図である。 計測系で観察される基準板上のマークの例を示す図である。 レチクル上のマークと基準板上のマークとを同時に観察した様子を示す図であり、(a)はレチクル上のマークが高反射の場合、(b)はレチクル上のマークが低反射の場合を示している。 (a)はレチクル上のマークと同時に観察される基準板上のマーク(下地領域)の他の例を示す図であり、(b)は基準板上のマークとレチクル上のマークとを同時に観察した様子を示す図である。 (a)はレチクル上のマークと同時に観察される基準板上のマーク(下地領域)の他の例を示す図であり、(b)は基準板上のマークとレチクル上のマークとを同時に観察した様子を示す図である。
符号の説明
R…レチクル(マスク)、W…ウエハ(基板)、PL…投影光学系、IL…照明ビーム、RST…レチクルステージ(マスクステージ)、WST…ウエハステージ(基板ステージ)、RM1、RM2、RM(7)…レチクルマーク(マスクマーク)、WFM1、WFM2、WFM3…ウエハ基準マーク、WFB…基準板(基準部材)、FM(7)…基準板上のマーク(下地領域)、Ma…高反射領域、Mb…低反射領域、10…露光装置、13…主制御装置、27…ウエハアライメントセンサ、22A、22B…レチクルアライメント顕微鏡(計測系)。

Claims (6)

  1. マスクステージ上に載置されているマスク上に形成されたマスクマークと、基板ステージ上に設けられている基準部材上の下地領域とを照明ビームで照明し、前記マスクマークと前記下地領域とから発生したビームを計測系を用いて同時に観察し、その観察結果に基づいて前記マスクマークの位置情報を求める位置計測装置であって、
    前記下地領域は、前記照明ビームに対する反射率が互いに異なる複数の領域が同時に前記マスクマークと共に前記計測系で観察されるように構成されていることを特徴とする位置計測装置。
  2. 前記下地領域には、前記反射率が高い高反射領域と、前記反射率が低い低反射領域とが交互に繰り返し形成されていることを特徴とする請求項1に記載の位置計測装置。
  3. 前記高反射領域は、前記基準部材上にクロムで形成された領域であり、前記低反射領域は、前記基準部材上にガラスで形成された領域であることを特徴とする請求項2に記載の位置計測装置。
  4. 前記複数の領域は、前記反射率が高い領域から低い領域に前記反射率が徐々に変化する領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の位置計測装置。
  5. 請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の位置計測装置により計測された前記マスクマークの位置情報に基づいて前記マスクを位置決めし、
    前記マスクを照明することにより、前記マスク上に形成されたパターンの像を前記基板上に転写することを特徴とする露光装置。
  6. 請求項5に記載の露光装置を用いて、前記マスク上に形成されたデバイスパターンを前記基板上に転写する工程を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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