JPWO2003028774A1 - 脱臭剤及びその製造方法並びに脱臭方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、悪臭物質,有害物質等を分解,除去,及び低減することができる脱臭剤及びその製造方法に関する。また、悪臭物質,有害物質等の脱臭方法に関する。
背景技術
近年、住環境やライフスタイルの多様化及び多種多様な商品の供給によって、住居,オフィス,又は魚市場等で発生する様々な臭気(臭い物質)に対して関心が高まっている。そして、容易に悪臭を除去,低減できる脱臭剤に対するニーズも大きくなっている。
不快な悪臭は、種々の発生源、例えば日常の生活環境,工場,屎尿処理場,ゴミ処理場,家畜飼育場,魚市場等の種々の施設から発生しており、「悪臭公害」として問題となっている。悪臭の原因物質には、アンモニアやアミン類(トリメチルアミン,トリエチルアミン等)等の含窒素化合物、硫化水素,二酸化硫黄,メルカプタン類(メチルメルカプタン等)等の含硫黄化合物、アルデヒド類(ホルムアルデヒド,アセトアルデヒド等)、低級脂肪酸類(蟻酸,酢酸,プロピオン酸,吉草酸等)などの数多くの化合物がある(以降においては、これらの化合物を「悪臭物質」と称することがある)。これらの悪臭物質は一般的には環境衛生上有害で、人間の健康を害するおそれがある。また、有害でない悪臭物質であっても、人によっては不快感を受けたりストレスを感じたりする場合がある。
そのため、従来より、家庭で飼育されているペット類の糞尿等から発生する悪臭物質の除去、オフィスで発生するタバコ等の臭いの除去、トイレの消臭、タンスや押入れ等の脱臭、自動車内の除臭、食品工場の消臭等が行われており、特に快適な環境整備が望まれる近年においては、このような臭い物質を充分に除去,低減することが強く望まれている。
上記の悪臭等の臭い物質を除去,低減するために、従来より様々な方法が用いられている。例えば、芳香剤や香料等を用いて上記の臭い物質による臭いをマスキングしたり相殺効果によって悪臭を中和させる方法が一般的に用いられている。また、活性炭やゼオライト等の多孔性物質やベントナイト等の粘土鉱物に上記の臭い物質を吸着させて除去する方法や、酸化剤や還元剤等によって臭い物質を無臭物質に化学的に分解する方法等も一般的に用いられている。
しかしながら、芳香剤や香料等を用いたマスキング作用による感覚的脱臭方法では、臭い物質自体が依然として存在するため、この臭い物質による環境衛生上の問題が残る。また、この臭い物質と芳香剤や香料等との相性が悪いと、別の悪臭を発生させる等の問題がある。
また、脱臭剤として従来から使用されている活性炭等は、臭気成分によって吸着能力に大きな差があるとともに、吸着作用によるため吸着能力(すなわち脱臭能力)に限界がある。さらに、雰囲気中の湿気が臭い物質の吸着の妨げになることがあるために、活性炭等を定期的に交換する必要がある。このため、管理が煩雑になるとともに、長期的な使用コストが高くなる等の欠点がある。
さらに、酸化剤や還元剤等を用いて臭い物質を化学的に分解する方法においては、臭い物質に対応させて適切な酸化剤や還元剤を選択して使用する必要があるため、適切な選択のための試験や操作が面倒であり、安全性やコストの面においても問題がある。
このような背景から、安全性に優れ再生使用が可能な酸化分解触媒の開発が盛んに進められてきている。ここで、「酸化分解」とは、例えば鉄やアルミニウム等の金属又はそれらの酸化物を触媒として、空気中の酸素とアンモニア等の臭い物質とを反応させて酸化し、臭い物質を分解するというものである。
この種の酸化分解を利用する酸化分解触媒系の脱臭剤としては、例えば、酸化珪素,酸化アルミニウム,酸化マンガン等の遷移金属酸化物と白金とを担持させた酸化チタンからなる消臭セラミックス粉体(日本国特許公開公報 平成10年第165815号)、活性炭等の多孔性物質に一種以上の金属酢酸塩を担持したもの(日本国特許公開公報 平成7年第171384号)、ゼオライト又は珪酸マグネシウムと活性アルミナと白金属金属塩とを主剤としたもの(日本国特許公開公報 平成5年第98184号)、ゼオライトに金及び鉄の酸化物を担持したもの(日本国特許公開公報 平成4年第66124号)等が知られている。
しかしながら、上記のような酸化分解触媒系の脱臭剤は、特定の悪臭物質については効果が認められるが、全般的にみれば酸化分解能が充分ではなく長期間効果が維持できないこと、貴金属ないしそれらの酸化物等の添加が必要であること、及び常温領域では酸化分解能が著しく低下すること等の問題点を有しており、克服すべき点が多々ある。
一方、この酸化分解技術において触媒成分を担持させる担体として、又はその担体固有の光触媒作用を利用して悪臭物質を分解する触媒として、二酸化チタンが広く知られている。
これら触媒材料として工業的に利用されている光触媒用二酸化チタンは、一般的には顔料用酸化チタンの製造方法の一つである硫酸法で製造されている。すなわち、原料であるイルメナイト鉱石(FeTiO3)を硫酸で蒸解し、チタン分を可溶性塩とした後に加水分解し、酸化チタンの前駆体であるメタチタン酸として析出させてから焼成する方法で、しかも特殊な処理工程を経て製造されている。
この顔料用酸化チタンの製造工程においては、副産物として多量の硫酸鉄と原料鉱石由来の鉄,チタン,マンガン等の金属が溶解した硫酸酸性の廃酸とが排出され、この廃酸を中和処理することによって石膏及び上記金属の水酸化物及び/又は酸化物等を含む中和スラッジが多量に発生する。
硫酸鉄及び石膏はそのまま工業的に利用することが可能であるが、上記中和スラッジについては一部工業的に有効利用されてはいるが、大部分は産業廃棄物として埋立て処理されているのが現状である。
そこで、本発明は、このような従来技術が有する問題点を解決し、一般家庭でも問題になり、また工業的にも排出される前記悪臭物質に対して優れた脱臭効果を有するとともに、長期間にわたって有効な脱臭効果を維持することができ、また、安全性が高く、しかも取扱いが容易な脱臭剤及びその製造方法を提供することを課題とする。また、前記悪臭物質等の脱臭方法を提供することを併せて課題とする。
発明の開示
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明の脱臭剤は、金属の水酸化物及び酸化物の少なくとも一方を主成分とする脱臭剤であって、前記金属を鉄及びチタンとしたことを特徴とする。
また、本発明の脱臭剤は、金属の水酸化物及び酸化物の少なくとも一方を主成分とする脱臭剤であって、前記金属を鉄,チタン,及びマンガンとしたことを特徴とする。
さらに、本発明の脱臭剤は、金属の水酸化物及び酸化物の少なくとも一方と石膏とを主成分とする脱臭剤であって、前記金属を鉄,チタン,及びマンガンとしたことを特徴とする。
これらの脱臭剤は、含有する各元素の酸化物としての割合を、乾燥状態において、酸化鉄(Fe2O3)は28〜55質量%、酸化チタン(TiO2)は8〜21質量%、酸化カルシウム(CaO)は0.5〜25質量%、酸化マンガン(MnO2)は1〜7質量%、三酸化硫黄(SO3)は4〜36質量%、その他の金属酸化物は2〜15質量%とすることができる。
また、前記その他の金属酸化物は、酸化珪素(SiO2)及び酸化アルミニウム(Al2O3)の少なくとも一方とすることができる。
このような脱臭剤は、種々の悪臭物質に対して優れた脱臭効果を有するとともに、長期間にわたって有効な脱臭効果を維持することができる。また、安全性が高く、しかも取扱いが容易である。
なお、上記の鉄及びチタンの酸化物には、鉄の酸化物とチタンの酸化物との混合物とともに、鉄とチタンとの複合酸化物も含まれる。また、上記の鉄,チタン,及びマンガンの酸化物には、鉄の酸化物とチタンの酸化物とマンガンの酸化物との混合物とともに、鉄とチタンとマンガンとの複合酸化物も含まれる。
また、これらの脱臭剤は多孔質とすることが好ましい。そして、比表面積が10m2/g以上であり、半径2nm以上の細孔の容積が0.020cm3/g以上であることがより好ましい。
このような構成であれば、種々の悪臭物質に対してより優れた脱臭効果を有するとともに、より長期間にわたって有効な脱臭効果を維持することができる。比表面積や細孔の容積が上記の範囲を外れると、脱臭効果が不充分となるおそれがある。
さらに、これらの脱臭剤は、硫酸法による酸化チタンの製造過程において排出される硫酸酸性の廃酸と、前記製造過程において排出される、鉱石の未溶解分及びチタン,鉄の可溶性塩類を含む溶解残渣スラリーと、の少なくとも一方を原料とすることができる。
この廃酸及び溶解残渣スラリーは、鉄,チタン,マンガン,及び硫酸根を主成分とし、その他の成分として、珪素,マグネシウム,アルミニウム,バナジウム,亜鉛等を含有し、さらにそれ以外の遷移金属を微量成分として含んでいる。よって、前述の脱臭剤を製造するための原料として好適に利用することができる。
硫酸法による酸化チタンの製造過程において多量に排出される廃酸,溶解残渣スラリーのような廃産物を有効利用することができるので、脱臭剤の製造コストを低減することができることに加えて、産業廃棄物の減量を図ることができる。
これらの脱臭剤は、含窒素化合物,含硫黄化合物,アルデヒド類,及び脂肪酸類のうちの少なくとも一種の除去に好適に用いることができる。この含窒素化合物としては、アンモニアやアミンがあげられる。また、含硫黄化合物としては、硫化水素,二酸化硫黄,及びメルカプタン類があげられる。
また、食品の臭いの脱臭、食品貯蔵庫内の脱臭、又は食品製造施設における脱臭には、これらの脱臭剤を用いることが有効である。廃棄物の臭い、腐敗臭、又はカビの臭いの脱臭にも、これらの脱臭剤を用いることが有効である。汚水若しくは下水の臭いの脱臭、又は、ゴミ処理場,屎尿処理場,若しくは汚水処理場における脱臭にも有効である。タバコの臭いや体臭の脱臭にも有効である。動物や動物の糞尿の臭いの脱臭、又は、養鶏場,養豚場,動物園等の動物飼育施設における脱臭にも有効である。機械油,溶剤等の油又は揮発性有機化合物の臭いの脱臭にも有効である。住宅,オフィス,乗用車等の車両,航空機,及び船舶のうちのいずれかの室内の脱臭にも有効である。ロッカー,タンス等の衣類収納用具内、住宅の押入れ内、トイレットルーム内、又は下駄箱内の脱臭にも有効である。さらには、病院内又は工場内の脱臭にも有効である。
上記した種々の脱臭においては閉鎖された空間内の脱臭を行うことが多いが、そのような場合には、前記空間を閉鎖する壁体に空間の内部と外部とを連通する排気路を設け、その排気路内に前述した脱臭剤を配置するとよい。自然排気又は強制排気によって閉鎖された空間内の悪臭物質を含むガスが排気路を通って空間外へ流れれば、脱臭剤により排気路内で効率良く脱臭が行われる。
排気路内に配置する脱臭剤は、粉末状,顆粒状,ペレット状でもよいし、これらを成型した固形物状でもよい。また、粉末状,顆粒状,ペレット状,固形物状の脱臭剤をそのままの状態で用いてもよいし、ガス透過性を有する容器(袋,箱)の中に収納した状態、又は繊維とともに漉き込んだシートの状態で用いてもよい。さらに、脱臭剤は排気路内に載置してもよいし、排気路の内面に固定してもよいし、排風機のような強制排気を行う装置に取り付けてもよい。
さらに、前述の脱臭剤は、TiO2換算で1〜10g/Lの割合でチタンクラスターを含有する酸性溶液に中和剤を添加して、前述の金属の水酸化物及び酸化物の少なくとも一方を前記チタンクラスターに被覆することにより製造することができる。
このチタンクラスターを含有する酸性溶液としては、硫酸,硫酸と塩酸との混酸,又は硫酸と硝酸との混酸に前述の金属を溶解させてなるpHが1以上の酸性溶液に、チタンの水酸化物からなるチタンクラスターをTiO2換算で1〜10g/Lの割合で分散させたものを使用することができる。また、硫酸,硫酸と塩酸との混酸,又は硫酸と硝酸との混酸に前述の金属を溶解させてなる酸性溶液のpHを1〜4に調整することにより、前記チタンクラスターをTiO2換算で1〜10g/Lの割合で形成させたものも同様に使用することができる。
このように、チタンクラスター分散酸性溶液の遊離酸濃度を、塩基性中和剤及び/又はアルカリ性中和剤を用いて調整することにより、金属の水酸化物及び酸化物の少なくとも一方をチタンクラスターに被覆することができ、被覆されたチタンクラスターは溶液から析出する。そして、析出した硫酸根を含む固形物(鉄,チタン等の水酸化物及び/又は酸化物を主成分とする)を、適当な方法により乾燥又は焼成することにより、高い比表面積を有し、且つ優れた脱臭効果を発現する無機粉体を製造することができる。
酸性溶液中のチタンクラスターの濃度(TiO2換算)は、中和剤を添加した際に(中和時に)チタンクラスターを安定させて、前述の金属の水酸化物及び酸化物の少なくとも一方を良好に被覆させるためには、1〜10g/Lとする必要がある。
なお、チタンクラスターとはチタンの水酸化物の微粒子を言い、その粒径はおよそ数nm〜数十nmである。例えば、TiOSO4、Ti2O(SO4)3等を含む硫酸チタンを加水分解することによって得られる水酸化物であり、凝集沈澱しない超微粒子のことである。
さらに、前述の脱臭剤は、硫酸法による酸化チタンの製造過程において排出される硫酸酸性の廃酸と、前記製造過程において排出される、鉱石の未溶解分及びチタン,鉄の可溶性塩類を含む溶解残渣スラリーと、を原料として製造することもできる。
つまり、脱臭剤の製造において用いる前述のチタンクラスターを分散させた酸性溶液及びチタンクラスターを形成させた酸性溶液として、イルメナイト鉱石を原料とする硫酸法による酸化チタンの製造過程において排出される硫酸酸性の廃酸や、イルメナイト鉱石の未溶解成分を主成分としチタン,鉄等の可溶性塩類を含む溶解残渣スラリーを使用することが可能である。
よって、硫酸法による酸化チタンの製造過程において多量に排出される硫酸酸性の廃酸や溶解残渣スラリーのような廃産物を有効利用することができるので、脱臭剤の製造コストを低減することができることに加えて、産業廃棄物の減量化を図ることができる。
前述の廃酸及び溶解残渣スラリーを原料として脱臭剤を製造するにあたっては、まず前記廃酸に中和剤を加えてpHを1〜4に調整する(一次中和工程)。次に、一次中和工程で析出した析出物を除去して得られた溶液に前記溶解残渣スラリーを混合し、酸化雰囲気下において中和剤を加えてpHを8.2〜9.5に調整する(二次中和工程)。
二次中和工程において析出した析出物は、取り出した後に、40〜120℃での乾燥又は900℃以下での焼成を行う。あるいは、40〜120℃での乾燥を行った後に、さらに900℃以下での焼成を行ってもよい。
かくして、二次中和工程において析出した析出物を、上記のような条件で乾燥又は焼成すれば、比表面積が10m2/g以上であり、半径2nm以上の細孔の容積が0.020cm3/g以上である脱臭剤が得られる。
乾燥の温度が40℃未満であると、乾燥に長時間を要してしまう。一方、120℃を超えると金属の水酸化物が保有する構造水の脱水が始まるので、もはや乾燥とは言わない。また、焼成の場合は、ある温度までは金属の水酸化物が保有する構造水の脱水による細孔の容積の増加が認められる。その後、焼成温度が高くなるにともなって粒子の成長や焼結が進み完全な酸化物の形となり、比表面積,細孔の容積ともに減少していく。焼成の温度が900℃を超えると、比表面積及び細孔の容積が前述の範囲外の数値となる。すなわち、焼成を900℃以下の温度で行えば、あるレベル以上の脱臭性能を維持し、且つ、脱臭剤としての安定性,加工性を付与できる。
さらには、二次中和工程において析出した析出物は、乾燥又は焼成の前に水で洗浄することが好ましい。そうすれば、脱臭剤の比表面積が大きくなるため、脱臭性能を向上させることができる。
なお、本発明の脱臭剤は、脱臭効果に著しい影響を与えない範囲の量であれば、上記以外の物質、例えば、コバルト,ニッケル,バナジウム,クロム,ジルコニウム,ニオブ,スカンジウム,イットリウム等の遷移金属の水酸化物及び/又は酸化物、難溶解性硫酸塩等を含有していても何ら問題ない。
発明を実施するための最良の形態
本発明に係る脱臭剤及びその製造方法並びに脱臭方法の実施の形態を、図面を参照しながら以下に詳細に説明する。なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
脱臭剤の出発原料には、硫酸,硫酸と塩酸との混酸,又は硫酸と硝酸との混酸に鉄,チタン.マンガン等の金属を溶解させてなるpHが1以上の酸性溶液に、チタンの水酸化物からなるチタンクラスターをTiO2換算で1〜10g/Lの割合で分散させたチタンクラスター分散酸性溶液を用いることができる。あるいは、硫酸,硫酸と塩酸との混酸,又は硫酸と硝酸との混酸に鉄,チタン,マンガン等の金属を溶解させてなる酸性溶液のpHを1〜4に調整して、前記チタンクラスターをTiO2換算で1〜10g/Lの割合で形成させたチタンクラスター分散酸性溶液を用いることもできる。
また、出発原料として、硫酸法による酸化チタンの製造過程において排出される硫酸酸性の廃酸や、イルメナイト鉱石中のチタンと鉄を主とする可溶性塩類を含む溶液の精製工程から発生する、イルメナイト鉱石の未溶解成分を主成分とし鉄及びチタンの可溶性塩を含む溶解残渣スラリーを用いることもできる。
以下に、前述のチタンクラスター分散酸性溶液の一例を示す。鉄,チタン,マンガン等の硫酸塩を硫酸酸性溶液に溶解して、pH1以下の酸性溶液を得た。そこに、炭酸カルシウム,ドロマイト,消石灰,水酸化ナトリウム等の中和剤の1種以上を添加して酸性溶液を中和し、pHを1〜4に調整した。これにより、TiO2換算で1〜10g/Lの割合でチタンクラスターを生成させた。
なお、以下のようにして得たチタンクラスター分散酸性溶液でもよい。すなわち、前述のpH1以下の酸性溶液に前述の中和剤の1種以上を添加してpH1以上に調整したものに、TiOSO4,Ti2O(SO4)3等を含む硫酸チタンを硫酸酸性下で加水分解することによって得たチタンの水酸化物からなるチタンクラスターを分散させたものである。
上記のチタンクラスター分散酸性溶液は、pHが1〜4の酸性であり、鉄濃度が80g/L以下、チタン濃度が20g/L以下、マンガン濃度が10g/L以下、遊離硫酸濃度が20g/L以下の溶液であることが望ましい。また、他の遷移金属などが含まれていてもよい。さらに、該酸性溶液の温度は反応速度を著しく阻害しない範囲とする必要があり、20〜80℃に保持することが好ましく、30〜60℃に保持することがさらに好ましい。
ここで、該チタンクラスター分散酸性溶液はpHが1〜4の酸性であることが望ましい理由について説明する。チタンクラスターである水酸化チタンは、pH1未満においては溶解してしまうので、チタンクラスターとして存在し得ない。また、pH4超過では、チタンクラスター分散酸性溶液中に溶解している鉄分が析出するという不都合が生じるおそれがある。
また、チタンクラスター分散酸性溶液中の金属の濃度は、本発明の脱臭剤の組成を制御する上で前述した濃度範囲が好都合であり、前記濃度範囲を外れると、金属が完全に溶解しないという不都合が生じるおそれがある。
このようなチタンクラスター分散酸性溶液に前記中和剤の1種以上を添加して中和すると、チタンクラスターに金属をその水酸化物及び/又は酸化物として被覆することができ、被覆されたチタンクラスターは溶液から析出する。このとき、pHが7〜10となるように中和することが好ましく、pHが8.2〜9.5となるように中和することがさらに好ましい。
この中和pHの領域は、析出物の組成が適切な範囲に制御されるとともに鉄やマンガン等の遷移金属イオンが水酸化物などの形で安定化されるので、脱臭効果をもたらす細孔の形成に適している。中和後のpHが10超過であると、鉄分がマグネタイトとして析出したり、使用した中和剤によっては中和反応に費やされずそのまま析出するため、後の脱臭剤としての脱臭性能に悪影響を及ぼすおそれがある。
また、中和剤としてドロマイトや消石灰を使用した場合は、中和により生成する石膏の量が本発明における組成範囲となるように、適当な方法で分離するなどして除去する必要がある。石膏の量が組成範囲以上に含有されていると、脱臭剤としての脱臭性能に悪影響を及ぼすおそれがある。
中和により生じた析出物は、レーキ型ドルシックナー等の沈降濃縮装置を使用して濃縮した後、フィルタープレス等を使用して脱水分離する。このようにして得られた固形物を、通常の乾燥機,スプレードライヤー,回転式乾燥機,又は流動層式乾燥炉等を用いて40〜120℃にて乾燥することにより、脱臭剤が得られる。
また、上記のように乾燥したものを、あるいは、前記中和により生じた析出物を、通常の電気炉,回転炉,又は流動層式焼成炉等を使用して、900℃以下の条件で焼成してもよい。900℃超過の温度で焼成すると、脱臭剤として有効に作用する細孔が消失するおそれがあるため、焼成は900℃以下の温度領域とする必要がある。すなわち、900℃超過の温度で焼成すると、比表面積が10m2/g未満、且つ半径2nm以上の細孔の容積が0.020cm3/g未満となり、脱臭性能が著しく低下する。また、乾燥や焼成を減圧〜真空下で行うことにより、細孔の径,細孔の径分布,細孔の容積等を、脱臭剤として有効に作用するように制御することがより容易となる。
さらに、前述したように、脱臭剤の製造において用いるチタンクラスターを分散させた酸性溶液及びチタンクラスターを形成させた酸性溶液として、イルメナイト鉱石を原料とする硫酸法による酸化チタンの製造過程において排出される硫酸酸性の廃酸を使用することが可能である。また、イルメナイト鉱石中のチタンと鉄を主とする可溶性塩類を含む溶液の精製工程から発生する、イルメナイト鉱石の未溶解成分を主成分としチタン,鉄等の可溶性塩類を含む溶解残渣スラリーを使用することも可能である。
これは、この廃酸及び溶解残渣スラリーが、特に廃酸が、鉄,チタン,マンガン等の溶解成分を充分に含有しており、また、チタンクラスターとなる水酸化チタンをミセル状態で既に含有しているからである。
また、溶解残渣スラリーは、廃酸中のチタンクラスターとなる水酸化チタンの不足分を補填する効果を有する。さらに、溶解残渣スラリーは、鉱石中の未溶解成分であるシリカ及びアルミナを含むため、前述した900℃以下の温度で焼成する工程において、粒子同士の焼結を防ぎ粒成長を抑制する効果を有する。
すなわち、廃酸は、鉄濃度が3〜80g/L、チタン濃度がTiO2換算で1〜10g/L、マンガン濃度が1〜10g/L、遊離硫酸濃度が30〜380g/Lで、pHが1以下の硫酸酸性の溶液である。また、溶解残渣スラリーは、鉄濃度が10〜20g/L(そのうち1〜10%は溶解性の鉄分である)、チタン濃度がTiO2換算で30〜200g/L(そのうち1〜10%は溶解性のチタン分である)、マンガン濃度が0.5〜5g/L、遊離硫酸濃度が5〜50g/Lで、pHが1以下の硫酸酸性のスラリーである。
これらの組成は、原料であるイルメナイト鉱石の成分が鉱石の産地により異なるので、産地の異なる鉱石を組み合わせることによって、上記組成範囲内で制御することができる。
さらに、廃酸,溶解残渣スラリー,及び両者を混合したスラリーの温度は、以降の反応処理における反応速度を所定のレベル以上とするため、20〜80℃に保持することが好ましく、30〜60℃に保持することがさらに好ましい。
具体的には、まず廃酸を塩基性中和剤である炭酸カルシウム,ドロマイト,消石灰等を用いて中和してpHを1〜4とし(一次中和)、含有する遊離硫酸を石膏として析出させる。次に、析出した石膏を取り除いた酸性溶液に、前記溶解残渣スラリーを混合,攪拌して均一なスラリーとする。なお、遊離硫酸の大部分を石膏として固定し析出させ分離するのは、脱臭剤の組成を制御する目的とともに工業上有用な石膏を副製品として産出することにある。溶解残渣スラリーは原料であるイルメナイト鉱石の組成に依存した未溶解成分及び鉄,チタン等の可溶性塩を含むため、廃酸を一次中和し石膏を析出させ分離した酸性溶液と溶解残渣スラリーとを混合し均一なスラリーとすることにより、脱臭剤としての基本的な成分組成が確立する。
次に、アルカリ性中和剤である水酸化ナトリウム等と塩基性中和剤であるドロマイト,消石灰等との一方又は両方を用いて、該混合スラリーを酸化雰囲気下で中和してpHを8.2〜9.5とする(二次中和)。そうすると、脱臭剤の主要成分である鉄,マンガン,チタン,及び石膏の組成が制御されつつ析出するとともに、マンガン等の遷移金属が安定化する。この工程においては、脱臭剤の主要組成が整えられ、鉄やマンガン等の遷移金属イオンが水酸化物などの形に安定化されるとともに、脱臭効果をもたらす細孔が形成される。
その後、析出物をレーキ型ドルシックナー等の沈降濃縮装置を使用して濃縮した後、フィルタープレス等を使用して析出した中和スラッジを脱水分離する。そして、得られた中和スラッジを、通常の乾燥機,スプレードライヤー,回転式乾燥機,流動層式乾燥炉等を使用して40〜120℃にて乾燥することにより、脱臭剤が得られる。また、該乾燥物又は前記中和スラッジを、通常の電気炉,回転炉,又は流動層式焼成炉等により900℃以下の条件で焼成して、脱臭剤としてもよい。
このようにして得られた粉体状の脱臭剤は、鉄,チタンの水酸化物及び/又は酸化物、あるいは鉄,チタン,マンガンの水酸化物及び/又は酸化物、あるいは鉄,チタン,マンガンの水酸化物及び/又は酸化物と石膏、を主成分としている。そして、その粒径は0.01〜212μmであり、前述の中和過程,乾燥過程,又は焼成過程で形成された細孔の存在が多数確認されている。その比表面積は10〜200m2/gと大きく、しかも半径が2nm以上の細孔の容積は0.020〜0.500cm3/gである。
この細孔は、主に酸化鉄や酸化チタンで構成されているため、悪臭物質を含有するガスとの反応性を高める作用を有している。よって、酸化鉄,酸化マンガン等の遷移金属の酸化物上において悪臭物質を速やかに吸着するとともに酸化チタン上でも吸着して、脱臭効果を促進するものと考えられる。また、脱臭剤の組成から、悪臭物質を吸着するだけではなく酸化分解する効果も期待できる。
すなわち、この脱臭剤は、硫化水素,アンモニア,二酸化硫黄,メチルメルカプタン,アルデヒド等の日常的,工業的に排出される種々の悪臭物質に対して極めて有効な脱臭効果を有し、環境温度が40℃となっても吸着物の脱着がほとんどないという性質を有している。よって、その脱臭効果は、一般的に脱臭剤として使用されている活性炭以上であり、長期間にわたって有効な脱臭性能を持続することが可能である。また、活性炭と同様に安全性が高く、しかも取扱いが容易なものである。
この脱臭剤は、得られた組成そのままの状態で使用することも可能である。また、本発明の技術的思想に基づいて、組成等をさらに変形することも可能である。すなわち、悪臭物質の種類が特定されている環境において本脱臭剤を使用する場合、例えばアンモニアが多量に存在している場合には、脱臭剤中のアルミナの含有量を増やすと、特にアンモニアを効率的に脱臭することができる。このように、脱臭剤に含有されている金属の水酸化物,酸化物の量及び種類を環境に応じて適宜選択するとよい。
さらに、脱臭に効果のあることが公知の他の物質を、添加物として含有させることも可能である。また、脱臭機能に著しい影響を与えない範囲であれば、他の物質、例えば遷移金属の水酸化物及び/又は酸化物、両性金属の水酸化物及び/又は酸化物を共存させても問題ない。さらに、石膏に代表される難溶解性硫酸塩等を共存させても何ら問題ない。
この脱臭剤は、得られたままの形態(粉体)においても脱臭剤として利用することが可能であるが、比表面積や細孔の容積を著しく低下させない適切な方法であれば、造粒,成型等を施して取扱いに便利な形状として使用することも可能である。
例えば、加圧成型,押出し成型等によりシート状,板状,フィルター状等に形成した成型体を得てもよい。この時、バインダーは添加してもよいし、しなくてもよい。また、900℃以下の温度で焼成することにより焼結させて、ペレット状,シート状,板状,フィルター状,ハニカム状等の焼成成型体に加工することも可能である。
さらに、脱臭剤及び/又は該脱臭剤の造粒品,成型品は、悪臭物質との接触を妨げない構造の容器又は包装部材等に充填することにより、輸送,保管,使用,交換,回収等が容易な形態とすることが可能である。
あるいは、得られたままの粉体状の脱臭剤を適当な方法で分散スラリーとし、不織布や他の材料で形成されたハニカム構造を有する部材を該スラリー中に浸漬して、前記部材に脱臭剤を含浸するか、又は該スラリーをそれら表面に塗布等の方法により担持させると、より効率良く悪臭物質の除去を行うことが可能な脱臭器を構成することができる。
また、成型体や焼成成型体は、そのまま使用することもできるが、ガス透過性のフィルムで包むか、あるいはガス透過性の容器中に入れて使用してもよい。なお、成型体をガス透過性あるいはガス貫通性の容器に入れ、排風機等により悪臭物質を含む気流を該成型体である脱臭層に送気すると、脱臭効果が向上するので好ましい。
このような脱臭剤及び/又は該脱臭剤の造粒品,成型品は、その吸着能から、脱臭機能が期待できないような使用条件においても、悪臭物質、特に硫黄系悪臭物質を効果的に脱臭することができる。すなわち、本脱臭剤は、使用する環境雰囲気の湿度が高い状態においても使用することができる。
以下に、具体的な実施例をあげて、本発明の脱臭剤をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
脱臭剤の原料には、硫酸法による酸化チタンの製造過程において排出される硫酸酸性の廃酸及び溶解残渣スラリーを使用した。この廃酸は、鉄濃度が13g/L、チタン濃度がTiO2換算で2.5g/L、マンガン濃度が1.2g/L、遊離硫酸濃度が68g/Lで、pHが1以下の硫酸酸性の溶液である。
溶解残渣スラリーは、鉄濃度が15g/L(そのうち可溶性の鉄分が1.5g/L)、チタン濃度がTiO2換算で166g/L(そのうち可溶性のチタン分が2.8g/L)、マンガン濃度が1.5g/L、遊離硫酸濃度が43g/Lで、pHが1以下の硫酸酸性のスラリーである。
まず、チタンクラスター分散酸性溶液を調製するため、廃酸の液温を30〜40℃の範囲に保持した。そして、炭酸カルシウムを中和剤として用いて一次中和を行い、中和後のpHを3.0に調整した。そうすると、石膏が析出するので遠心分離機で濾別した。この濾液は、チタンクラスターをTiO2換算で1.2g/Lを含み、鉄濃度が12.4g/L、遊離硫酸濃度が6g/Lであった。
次に、この濾液約2500部に溶解残渣スラリー約80部を添加し、均一なスラリーとした。そして、液温を40〜50℃の範囲に保持しながら、塩基性中和剤又はアルカリ性中和剤を使用して酸化雰囲気下で二次中和を行い、中和後のpHを9.0に調整した。二次中和後の析出物を含むスラリーをレーキ式ドルシックナーで濃縮した後、フィルタープレスにて脱水し、得られた析出物を100℃で乾燥して脱臭剤を得た。
ここで、二次中和において使用する中和剤を塩基性中和剤である消石灰とした場合の脱臭剤を「実施例1」とし、アルカリ性中和剤である水酸化ナトリウムとした場合の脱臭剤を「実施例2」とする。そして、脱臭剤として一般的によく知られている活性炭を「比較例」とした。
塩基性中和剤である消石灰やドロマイト等を二次中和における中和剤とする場合は、原料とした廃酸及び溶解残渣スラリーの金属組成や遊離硫酸濃度条件によっては、脱臭剤の組成を目的の組成とするため該中和工程で生成する石膏を適当な方法で分離,除去する必要があるが、本実施例では石膏の除去は行わなかった。
なお、上記のように脱臭剤を製造する際に、析出物を100℃で乾燥する前に水で洗浄すると、脱臭剤の比表面積が大きくなるため、脱臭性能を向上させることができる。この水洗による脱臭性能の向上効果については、後に詳述する。
実施例及び比較例の脱臭剤の評価方法は以下の通りである。
(1)元素分析
蛍光X線測定装置(島津製作所株式会社製 LAB CENTER XRF1700)を用いて、30kV・20mAのCu−Kα線でX線強度を測定し、ファンダメンタルパラメータ法(FP法)により各成分の含有量を算出した。なお、サンプルには、脱臭剤の粉末をプレス成型したものを用いた。
(2)BET法比表面積、細孔分布測定
BET比表面積測定装置(CARLO−ERBA社製 Sorptomatic 1990)を用いて、液体窒素温度における窒素ガス吸着量Vm(cm3/g)を測定し比表面積を求めた。また、細孔分布はDH法(Dollimore−Hel法)により算出した。
(3)X線回折
X線回折装置(理学電機株式会社製 RINT2100型)を用いて、30kV,20mAのCu−Kα線で、2°/minの操作速度で3〜70°まで走査した。そして、JCPDS(Joint Committee of Powder、Diffraction Standard)ファイルにより検索し、化合物の同定を行った。
(4)脱臭試験
100℃で2時間乾燥させた試料1.00gを直径60mmのガラスシャーレに載せ、25℃、相対湿度50%において飽和するまで吸湿させた。この試料1.00gを悪臭物質の種類毎に用意したテトラバッグ(容量3.0L)に封入し、さらに、所定濃度に調整した悪臭物質であるアンモニア,硫化水素,二酸化硫黄,メチルメルカプタン,及びホルムアルデヒドガスをそれぞれテトラバッグに封入した。なお、試料は封入しておらず悪臭物質のみを封入した対照用テトラバッグもそれぞれ用意した。
これらのテトラバッグについて、経過時間ごとに悪臭物質の残留濃度を測定した。残留濃度測定にはガス検知管(アンモニア検知管,硫化水素検知管,二酸化硫黄検知管,メチルメルカプタン検知管,及びホルムアルデヒド検知管で、いずれもガステック社製である)を用いた。
なお、この測定は、25℃において1時間の吸着試験を行った後に、40℃において1時間の脱着試験を行う、サイクル試験を2回繰返して行った。
次に、実施例1,2及び比較例の脱臭剤について、(1)〜(3)の評価を行った結果について説明する。
上記のように製造した実施例1の脱臭剤は、最大粒径が212μm以下で、平均粒径が1.24μmの粉体であった。また、その比表面積は92.3m2/g、細孔容積は0.24cm3/gで、細孔分布は半径2nmにピークを有していた。さらに、含有される化合物は、半水石膏及び酸化鉄−酸化チタン(複合酸化物)からなる。
乾燥状態における各元素の酸化物としての割合は、Fe2O3;35.5質量%、CaO;8.9質量%、SO3;11.6質量%、TiO2;12.1質量%、MnO2;3.1質量%、SiO2;4.3質量%、Al2O3;1.3質量%であった。
また、上記のように製造した実施例2の脱臭剤は、最大粒径が212μm以下で、平均粒径が1.18μmの粉体であった。また、その比表面積は104.5m2/g、細孔容積は0.26cm3/gで、細孔分布は半径2nmにピークを有していた。さらに、含有される化合物は、酸化鉄−酸化チタン(複合酸化物)からなる。
乾燥状態における各元素の酸化物としての割合は、Fe2O3;47.1質量%、CaO;0.8質量%、SO3;5.0質量%、TiO2;17.4質量%、MnO2;5.2質量%、SiO2;7.2質量%、Al2O3;2.2質量%であった。
さらに、比較例の脱臭剤は、一般的に市販されている冷蔵庫用ヤシ殻活性炭であり、最大粒径が100μm以下で、平均粒径が50μmの粉体であった。また、その比表面積は859m2/gで、細孔容積は0.61cm3/gであった。そして、その主要成分は炭素であり、その他成分としてCa,K,Fe,Si,S等を含有していた。
次に、実施例1,2及び比較例の脱臭剤に対して上記(4)の脱臭試験を行った結果について、表及び図を参照しながら説明する。
表1は悪臭物質が硫化水素の場合の脱臭試験結果であり、図1は表1をグラフ化したものである。同様に、表2及び図2は悪臭物質がアンモニアの場合、表3及び図3は二酸化硫黄の場合、表4及び図4はメチルメルカプタンの場合、表5及び図5はホルムアルデヒドの場合である。いずれのグラフにおいても、実施例1のデータを△印、実施例2のデータを○印、比較例のデータを□印で示してある。
まず、悪臭物質が硫化水素の場合について説明する。なお、硫化水素の場合は、初期濃度(封入した硫化水素ガスの濃度)は20.0ppmないし20.2ppmである。表1及び図1から明らかなように、実施例1及び2はいずれも、脱臭剤として一般的に利用されている比較例の活性炭よりも吸着速度が速く、しかも40℃においても脱着現象が起こらなかった。よって、実施例1及び2はいずれも、極めて良好な脱臭効果を有していることが分かる。
次に、悪臭物質がアンモニアの場合について説明する。なお、アンモニアの場合は、初期濃度は100ppmである。表2及び図2から明らかなように、実施例1及び2はいずれも比較例よりも吸着速度が速く、しかも脱着現象も比較例の60〜80%程度と低く抑えられていた。よって、実施例1及び2はいずれも、良好な脱臭効果を有していることが分かる。
さらに、悪臭物質が二酸化硫黄の場合について説明する。なお、二酸化硫黄の場合は、初期濃度は100ppm,89ppm,ないし90ppmである。表3及び図3から明らかなように、実施例1及び2はいずれも比較例よりも吸着速度が速く、しかも脱着現象が起こらなかった。よって、実施例1及び2はいずれも、極めて良好な脱臭効果を有していることが分かる。
さらに、悪臭物質がメチルメルカプタンの場合について説明する。なお、メチルメルカプタンの場合は、初期濃度は20.2ppmないし20.5ppmである。表4及び図4から明らかなように、実施例1及び2はいずれも比較例よりも吸着速度が速く、しかも脱着現象も実施例2についてはほとんど起こらなかった。よって、極めて良好な脱臭効果を有していることが分かる。
さらに、悪臭物質がホルムアルデヒドの場合について説明する。なお、ホルムアルデヒドの場合は、初期濃度は20.5ppmである。表5及び図5から明らかなように、実施例1及び2はいずれも比較例と同等の吸着速度を示し、しかも脱着現象もほとんど起こらなかった。よって、実施例1及び2はいずれも、良好な脱臭効果を有していることが分かる。
次に、長期にわたる脱臭効果を確認するため、硫化水素を悪臭物質として用いて繰返し吸着試験を行った。すなわち、実施例2の脱臭剤0.10gを直径60mmのガラスシャーレに載せ、25℃で相対湿度50%において飽和するまで吸湿させた。この脱臭剤を封入したテトラバッグ(容量3.0L)に、所定量の硫化水素ガスを封入して数時間吸着させた後、再び所定量の硫化水素を封入し吸着させるという操作を48回繰り返した。なお、封入する硫化水素ガスの濃度は、1回目から42回目までは93ppm又は94ppmで、43回目以降は90ppmである。また、この吸着試験は遮光状態で行った。
試験結果を表6に示し、表6をグラフ化したものを図6に示す。表6及び図6の累積時間は、各回の吸着時間の累積を示すものである。
実施例2の脱臭剤は、吸着試験を48回繰り返し累積吸着時間が800時間を超えても、封入された硫化水素ガスの全量を吸着している。このことから実施例2の脱臭剤は、長期にわたって脱臭効果を持続し、その吸着速度の点においても優れていることが分かった。
以上のように、実施例1,2の脱臭剤はいずれも、硫化水素,アンモニア,二酸化硫黄,メチルメルカプタン,ホルムアルデヒドに対して極めて有効な脱臭効果を示した。また、環境温度40℃においても吸着物の脱着がほとんどなく、一般に脱臭剤として使用されている活性炭以上の脱臭効果を有していた。
また、脱臭剤の製造過程における中和工程(二次中和工程)において使用する中和剤の種類により、悪臭物質に対する脱臭効果が異なり、塩基性中和剤である消石灰を使用するよりもアルカリ性中和剤である水酸化ナトリウムを使用する方が、比表面積や細孔容積が10%程度大きくなって脱臭性能がより良好となることが分かった。
次に、前述した水洗による脱臭性能の向上効果について説明する。
前述したように、二次中和工程において析出した析出物は、乾燥又は焼成する前に水で洗浄することが好ましい。そうすれば、比表面積が大きくなるため、脱臭剤の脱臭性能を向上させることができる。このことを実験により確認した結果を以下に説明する。
前述の脱臭剤の製造過程と同様にして、二次中和工程(中和剤は消石灰である)まで行った。そして、得られたスラリーから水分を脱水して析出物を分離した。この析出物10gにイオン交換水200mlを混合し、十分に撹拌することによって析出物を水洗した。水洗の際には、この混合スラリーを約50℃に加温した。この混合スラリーを静置して析出物を沈澱させた後、濾過して析出物を分離した。そして、この析出物に蒸留水200mlを再度混合し、前述と同様に水洗した後、沈澱させ濾過した。このような水洗,沈澱,濾過という操作を繰り返し20回行った。
このような析出物の水洗による濾液のpH変化を調査したところ、図7のグラフに示すように、pHが8.6から7.4に変化したことから、水洗前に過剰に含まれていたCa(OH)2分が徐々に溶出していったことが推定される。また、水洗した析出物についてX線回折と赤外吸収スペクトルとを測定したところ、水洗前には存在していたCaSO4・1/2H2Oに起因するピークがほぼ消失していた。
さらに、水洗した析出物について、窒素ガス吸着法により比表面積と細孔容積とを測定した。その結果、水洗により比表面積が92m2/gから137m2/gに上昇し、細孔容積が0.238cm3/gから0.248cm3/gに上昇していた。
これらの結果から、水洗により石膏及び消石灰が除去されるとともに、比表面積が大きくなっていることが分かった。
なお、本実施例では、水洗温度を約50℃として水洗を行なったが、析出物中に含有される金属の水酸化物,酸化物,及び硫酸塩等の水に対する溶解性あるいは水による分解性などを考慮して、水洗は10〜80℃の範囲内で行なうことが好ましい。
水洗した析出物を100℃で2時間乾燥させた試料について、前述と同様の方法により脱臭試験を行った。その結果を図8〜図11のグラフに示す。グラフから分かるように、水洗を行った脱臭剤と水洗を行っていない脱臭剤(実施例1と同じもの)とを比較すると、アンモニアとメチルメルカプタンの脱臭試験に関しては、水洗品の方が脱臭性能が優れていた。
次に、前述の実施例1及び実施例2の脱臭剤と、実施例2の脱臭剤を500℃又は700℃で1時間焼成した後に造粒したものと、を用いて、種々の実用的な用途での脱臭試験を行った。この実用的な脱臭試験においては、人間の嗅覚により脱臭後の臭いの程度を評価した。なお、以降は、実施例2の脱臭剤を500℃で焼成したものを実施例3の脱臭剤と記し、700℃で焼成したものを実施例4の脱臭剤と記す。
〔実用的脱臭試験1〕
容量6.5Lのビニール袋に脱臭剤90gとたくあん漬け一切れ(8.0g)とを入れ、24時間後にビニール袋内の臭いを評価した。なお、脱臭剤は、粉末状のものを不織布製の袋に充填して用いた。ただし、この袋は、通気性を有していれば布,紙等の他の材料で構成してもよい。また、ビニール袋にたくあん漬けのみを入れたものをブランク試験とした。
その結果、実施例2及び実施例3の脱臭剤については、たくあん漬けの臭いは残っていたもののブランク試験と比較して臭いが大幅に弱くなっており、脱臭効果が認められた。また、実施例4の脱臭剤については、たくあん漬けの臭いはわずかしか残っておらず、優れた脱臭効果が認められた。
ここでビニール袋からたくあん漬けのみを取り出し、1日放置した後に再度臭いの程度を評価した。その結果、実施例2の脱臭剤についてはたくあん漬けの臭いはわずかしか残っていなかった。また、実施例3及び実施例4の脱臭剤についてはほとんど無臭であった。
〔実用的脱臭試験2〕
容量500mLの容器に醤油1gをしみ込ませた紙片と実施例2の脱臭剤90gとを入れ、1日後に臭いの程度を評価した。その結果、いずれの脱臭剤についても、醤油の臭いはなくなっており優れた脱臭効果が認められた。
〔実用的脱臭試験3〕
肉(牛肉及び豚肉の合い挽きミンチ肉と細かく切ったウィンナソーセージとを混合したもの)を容量45Lのビニール袋に入れ、室温で1日放置した。このビニール袋内の肉の臭気を含むガスを、実施例1の脱臭剤2gを入れた容量10Lのビニール袋に導入し、室温で1日放置した後に臭いの程度を評価した。
魚(細かく切った鰯),野菜(細かく切ったセロリ,玉ねぎ,ねぎ,にんにく,ピーマン,及びゆずを混合したもの),銀杏(細かく切ったもの)についても、同様の試験を行った。なお、脱臭剤を入れていない容量10Lのビニール袋を食材毎に用意し、これに各食材の臭気を含むガスを導入した場合をそれぞれの食材についてのブランク試験とした。
その結果、各食材の臭いは残っていたものの、ブランク試験と比較して臭いが弱くなっており、脱臭効果が認められた。
〔実用的脱臭試験4〕
実用的脱臭試験3で作製した各食材を入れた容量45Lのビニール袋を、室温で1週間放置して各食材を腐敗させた。そして、実用的脱臭試験3と同様に、このビニール袋内の腐敗臭を含むガスを、実施例1の脱臭剤2gを入れた容量10Lのビニール袋に導入し、室温で1日放置した後に臭いの程度を評価した。なお、脱臭剤を入れていない容量10Lのビニール袋を食材毎に用意し、これに各食材の腐敗臭を含むガスを導入した場合をそれぞれの食材についてのブランク試験とした。
その結果、各食材の腐敗臭は残っていたものの、ブランク試験と比較して臭いが弱くなっており、脱臭効果が認められた。特に、銀杏については腐敗臭が大幅に弱くなっており、優れた脱臭効果が認められた。
〔実用的脱臭試験5〕
脱臭剤90gを入れた容量20Lのポリ容器に、下水道汚泥のホッパー内から採取したガスを充填した。容器を密閉した状態で8日間放置した後に、臭いの程度を評価した。なお、ポリ容器に脱臭剤を入れていないものをブランク試験とした。
その結果、実施例2及び実施例3の脱臭剤については、下水汚泥特有の臭いはわずかしか残っておらず、優れた脱臭効果が認められた。また、実施例4の脱臭剤については、下水汚泥特有の臭いはほとんど残っていなかった。
〔実用的脱臭試験6〕
20足の靴を収納した容積0.24m3の下駄箱に、実施例3及び実施例4の脱臭剤90gを入れて放置した。1週間後に下駄箱内の臭いの程度を評価した結果、いずれの脱臭剤についても靴に起因する臭いはほとんど感じられなかった。
本試験においては、粉末状又は顆粒状の脱臭剤を不織布製,布製,又は紙製の袋に充填し、それをさらに通気性を有する箱に収納して用いたが、粉末状又は顆粒状の脱臭剤を固形物状に成型したものを用いても、同様の脱臭効果が期待できる。
また、図12に示すように、シート状,パネル状に成型した脱臭剤1を下駄箱2内に敷き詰め、その上に靴3を載置するようにしてもよい。あるいは、このシート状,パネル状に成型した脱臭剤は、下駄箱2の内壁面(例えば、内側面,内側の上面,扉の裏面等)に取り付けても、同様の脱臭効果が期待できる。
さらに、シート状,パネル状に成型した脱臭剤の代わりに、粉末状の脱臭剤を付着させたフィルムや、粉末状の脱臭剤を漉き込んだ紙を用いても、同様の脱臭効果が期待できる。
〔実用的脱臭試験7〕
肉,野菜等の種々の食材が収納されている冷蔵庫の冷蔵室(容積0.10m3)内に、実施例4の脱臭剤90gを入れ放置した。3日後に冷蔵室内の臭いの程度を評価した結果、臭いが弱くなっており脱臭効果が認められた。
本試験においては、顆粒状の脱臭剤を不織布製,布製,又は紙製の袋に充填し、それをさらに通気性を有する箱に収納して用いたが、粉末状又は顆粒状の脱臭剤を固形物状に成型したものを用いても、同様の脱臭効果が期待できる。
また、前述の下駄箱の場合と同様に、脱臭剤をシート状,パネル状に成型したものや、粉末状の脱臭剤を付着させたフィルムを、冷蔵室の内壁面に取り付けても、同様の脱臭効果が期待できる。
さらに、冷蔵室内の換気を行う換気口に脱臭剤を取り付けて、換気口を通る空気が脱臭剤に接触するようにしても、前述と同等の脱臭効果が期待できる。このとき、換気口に取り付ける脱臭剤は、粉末状,顆粒状,又は固形物状でもよいし、フィルター状に形成したものでもよい。
〔実用的脱臭試験8〕
脱臭剤を入れた容量5Lのビニール袋に、汚水処理場の浄化槽の上部空間から採取したガスを充填した。ビニール袋を密閉した状態で10秒間放置した後に、臭いの程度を評価した。それと同時に、ガス検知管(ガステック社製の4LT及び4LK)により硫化水素濃度を測定し、前述の臭いの程度と比較した。なお、ビニール袋に脱臭剤を入れていないものをブランク試験とした。
その結果を表7に示す。表7から分かるように、実施例2〜4のいずれの脱臭剤についても脱臭効果が認められた。特に、実施例3の脱臭剤については優れた脱臭効果が認められた。
なお、図13に示すように、浄化槽11内の悪臭物質を含む滞留ガスをファン12で吸引して外気に放出する際に、浄化槽11とファン12との間に設けられたスラッジフィルタ13と、ファン12の吸込口付近及び排出口付近のダクトとの一方又は両方に脱臭剤を取り付けておけば、外気に放出される浄化槽11内の滞留ガスを脱臭することができる。このとき、取り付ける脱臭剤は、粉末状や顆粒状でもよいし固形物状でもよい。
〔実用的脱臭試験9〕
容積2.6m3のトイレットルーム内に実施例2の脱臭剤90gを置き、トイレットルームの使用時以外は密閉状態にして3日後に臭いの程度を評価した。その結果、トイレットルーム内の臭いが弱くなっており、脱臭効果が認められた 。
本試験においては、粉末状又は顆粒状の脱臭剤を固形物状に成型したものを用いたが、粉末状又は顆粒状の脱臭剤を不織布製,布製,又は紙製の袋に充填し、それをさらに通気性を有する箱に収納して用いても、同様の脱臭効果が期待できる。
また、前述の下駄箱の場合と同様に、脱臭剤をシート状,パネル状に成型したものをトイレットルームの内壁面に取り付けても、同様の脱臭効果が期待できる。さらに、粉末状の脱臭剤を付着させたフィルムや粉末状の脱臭剤を漉き込んだ紙を、トイレットルームの内壁面に貼り付けても、同様の脱臭効果が期待できる。
さらにまた、図14に示すように、トイレットルーム内の換気を行う換気口21に脱臭剤を取り付けても、前述と同等の脱臭効果が期待できる。すなわち、トイレットルーム内の臭気を含むガスが換気口21を通る際に、脱臭剤に接触して脱臭される。このとき、換気口21に取り付ける脱臭剤は、粉末状,顆粒状,又は固形物状でもよいし、フィルター状に形成したものでもよい。
〔実用的脱臭試験10〕
作業着等の衣類が収納された容積0.27m3のロッカー内に、実施例3の脱臭剤60gを入れて放置した。衣類の着替えをする時以外は密閉状態を保ち、3日後にロッカー内の臭いの程度を評価した結果、体臭はほとんど感じられなかった。
本試験においては、粉末状又は顆粒状の脱臭剤を固形物状に成型したものを用いたが、粉末状又は顆粒状の脱臭剤を不織布製,布製,又は紙製の袋に充填し、それをさらに通気性を有する箱に収納して用いても、同様の脱臭効果が期待できる。
また、前述の下駄箱の場合と同様に、脱臭剤をシート状,パネル状に成型したものをロッカーの内壁面に取り付けても、同様の脱臭効果が期待できる。さらに、粉末状の脱臭剤を付着させたフィルムや粉末状の脱臭剤を漉き込んだ紙を、ロッカーの内壁面に貼り付けても、同様の脱臭効果が期待できる。
さらにまた、上記のロッカー内の脱臭と同様にして、タンス等の衣類収納用具内の脱臭や、住宅の押入れ内の脱臭を行うことも可能である。そして、住宅,オフィス,乗用車,航空機,及び船舶の室内の脱臭を行うことも可能である。住宅の場合は、通気性を有する袋に大量(例えば10〜25kg)の脱臭剤を充填し床下に載置すれば、室内特有の臭いの脱臭が期待できる。
〔実用的脱臭試験11〕
容積0.08m3の犬小屋の天井に実施例2の脱臭剤90gを吊り下げ、3日間放置した後に臭いの程度を評価した。この犬小屋はヨークシャーテリア(雌3歳、体重2.8kg、体高25cm、体長35cm)が使用しているものであり、犬小屋内に居室している時間は1日あたり5〜6時間である(なお、排泄は犬小屋より離れた砂場で行なう)。その結果、いずれの脱臭剤についても犬が持つ特有の臭いが弱くなっており、脱臭効果が認められた。
本試験においては、粉末状の脱臭剤を不織布製,布製,又は紙製の袋に充填して用いたが、脱臭剤を固形物状に成型したものを用いても、同様の脱臭効果が期待できる。
また、前述の下駄箱の場合と同様に、脱臭剤をシート状,パネル状に成型したものを犬小屋の内壁面に取り付けても、同様の脱臭効果が期待できる。さらに、粉末状の脱臭剤を付着させたフィルムや粉末状の脱臭剤を漉き込んだ紙を、犬小屋の内壁面に貼り付けても、前述と同等の脱臭効果が期待できる。
養鶏場,養豚場,動物園等の動物飼育施設においても、前述の犬小屋内の脱臭と同様にして、動物の臭いや動物の糞尿の臭いの脱臭が期待できる。すなわち、脱臭剤をシート状,パネル状に成型したもの、粉末状の脱臭剤を付着させたフィルム、又は粉末状の脱臭剤を漉き込んだ紙を、動物飼育施設の内壁面に取り付けることにより、前述と同様な脱臭効果が期待できる。
例えば、図15に示すように、動物飼育施設31内の滞留ガスをブロアー32で吸引して外気に放出する際に、脱臭剤33を充填した脱臭剤充填塔34を通せば、動物飼育施設31内の脱臭を行うことが可能となる上、脱臭されたガスを外気に放出することが可能となる。
さらに、動物の糞尿の処理施設における曝気槽の換気口に固形物状に成型した脱臭剤を取り付けて、換気口を通る悪臭を含むガスが脱臭剤に接触するようにすれば、前記処理施設の脱臭が期待できる。
さらにまた、集積した動物の糞尿に粉末状又は顆粒状の脱臭剤を振り掛けて糞尿を覆っても、糞尿の臭いを抑えることができる。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明の脱臭剤は、種々の悪臭物質に対して優れた脱臭効果を有するとともに、長期間にわたって有効な脱臭効果を維持することが可能である。それに加えて、安全性が高く、しかも取扱いが容易である。
また、本発明の脱臭剤の製造方法は、廃産物を有効利用しているため低コストで脱臭剤を製造することができることに加えて、産業廃棄物の減量を図ることが可能となる。
さらに、本発明の脱臭方法は種々の臭いを効率良く脱臭することが可能であり、悪臭の発生する様々な場所の脱臭に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、悪臭物質が硫化水素の場合の脱臭試験の結果を示すグラフである。
図2は、悪臭物質がアンモニアの場合の脱臭試験の結果を示すグラフである。
図3は、悪臭物質が二酸化硫黄の場合の脱臭試験の結果を示すグラフである。
図4は、悪臭物質がメチルメルカプタンの場合の脱臭試験の結果を示すグラフである。
図5は、悪臭物質がホルムアルデヒドの場合の脱臭試験の結果を示すグラフである。
図6は、繰返し吸着試験の結果を示すグラフである。
図7は、析出物の水洗による濾液のpHの変化を示すグラフである。
図8は、悪臭物質が硫化水素の場合における、水洗を行った脱臭剤の脱臭試験の結果を示すグラフである。
図9は、悪臭物質がアンモニアの場合における、水洗を行った脱臭剤の脱臭試験の結果を示すグラフである。
図10は、悪臭物質が二酸化硫黄の場合における、水洗を行った脱臭剤の脱臭試験の結果を示すグラフである。
図11は、悪臭物質がメチルメルカプタンの場合における、水洗を行った脱臭剤の脱臭試験の結果を示すグラフである。
図12は、本発明の脱臭剤を下駄箱の脱臭に用いた例を示す図である。
図13は、本発明の脱臭剤を浄化槽の脱臭に用いた例を示す図である。
図14は、本発明の脱臭剤をトイレットルームの脱臭に用いた例を示す図である。
図15は、本発明の脱臭剤を動物飼育施設の脱臭に用いた例を示す図である。
Claims (26)
- 金属の水酸化物及び酸化物の少なくとも一方を主成分とする脱臭剤であって、前記金属を鉄及びチタンとしたことを特徴とする脱臭剤。
- 金属の水酸化物及び酸化物の少なくとも一方を主成分とする脱臭剤であって、前記金属を鉄,チタン,及びマンガンとしたことを特徴とする脱臭剤。
- 金属の水酸化物及び酸化物の少なくとも一方と石膏とを主成分とする脱臭剤であって、前記金属を鉄,チタン,及びマンガンとしたことを特徴とする脱臭剤。
- 含有する各元素の酸化物としての割合は、乾燥状態において、酸化鉄(Fe2O3)は28〜55質量%、酸化チタン(TiO2)は8〜21質量%、酸化カルシウム(CaO)は0.5〜25質量%、酸化マンガン(MnO2)は1〜7質量%、三酸化硫黄(SO3)は4〜36質量%、その他の金属酸化物は2〜15質量%であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載の脱臭剤。
- 酸化珪素(SiO2)及び酸化アルミニウム(Al2O3)の少なくとも一方を前記その他の金属酸化物として含有することを特徴とする請求の範囲第4項に記載の脱臭剤。
- 多孔質であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第5項のいずれかに記載の脱臭剤。
- 比表面積が10m2/g以上であり、半径2nm以上の細孔の容積が0.020cm3/g以上であることを特徴とする請求の範囲第6項に記載の脱臭剤。
- 硫酸法による酸化チタンの製造過程において排出される硫酸酸性の廃酸と、前記製造過程において排出される、鉱石の未溶解分及びチタン,鉄の可溶性塩類を含む溶解残渣スラリーと、の少なくとも一方を原料とすることを特徴とする請求の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載の脱臭剤。
- 含窒素化合物,含硫黄化合物,アルデヒド類,及び脂肪酸類のうちの少なくとも一種の除去に請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の脱臭剤を用いることを特徴とする脱臭方法。
- 前記含窒素化合物は、アンモニア及びアミンの少なくとも一方であることを特徴とする請求の範囲第9項に記載の脱臭方法。
- 前記含硫黄化合物は、硫化水素,二酸化硫黄,及びメルカプタン類のうちの少なくとも一種であることを特徴とする請求の範囲第9項に記載の脱臭方法。
- 食品の臭いの脱臭、食品貯蔵庫内の脱臭、又は食品製造施設における脱臭に、請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の脱臭剤を用いることを特徴とする脱臭方法。
- 廃棄物の臭いの脱臭、腐敗臭の脱臭、又はカビの臭いの脱臭に、請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の脱臭剤を用いることを特徴とする脱臭方法。
- 汚水若しくは下水の臭いの脱臭、又は、ゴミ処理場,屎尿処理場,若しくは汚水処理場における脱臭に、請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の脱臭剤を用いることを特徴とする脱臭方法。
- タバコの臭いの脱臭に請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の脱臭剤を用いることを特徴とする脱臭方法。
- 体臭の脱臭に請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の脱臭剤を用いることを特徴とする脱臭方法。
- 動物の臭いの脱臭、動物の糞尿の臭いの脱臭、又は、養鶏場,養豚場,動物園等の動物飼育施設における脱臭に、請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の脱臭剤を用いることを特徴とする脱臭方法。
- 機械油,溶剤等の油又は揮発性有機化合物の臭いの脱臭に、請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の脱臭剤を用いることを特徴とする脱臭方法。
- 住宅,オフィス,乗用車等の車両,航空機,及び船舶のうちのいずれかの室内の脱臭に、請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の脱臭剤を用いることを特徴とする脱臭方法。
- ロッカー,タンス等の衣類収納用具内の脱臭、住宅の押入れ内の脱臭、トイレットルーム内の脱臭、又は下駄箱内の脱臭に、請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の脱臭剤を用いることを特徴とする脱臭方法。
- 病院内の脱臭又は工場内の脱臭に請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の脱臭剤を用いることを特徴とする脱臭方法。
- 閉鎖された空間内の脱臭を行う方法において、この空間内から空間外へ自然排気又は強制排気によって流れる気流の排気路を、前記空間を閉鎖する壁体に設け、前記排気路に請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の脱臭剤を配置することを特徴とする脱臭方法。
- 前記脱臭剤は粉末状,顆粒状,又は固形物状であり、これをそのままの状態、通気性を有する容器内に収納した状態、又は繊維とともに漉き込んだシートの状態で用いることを特徴とする請求の範囲第22項に記載の脱臭方法。
- 請求の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載の脱臭剤を製造するに際して、硫酸,硫酸と塩酸との混酸,若しくは硫酸と硝酸との混酸に前記金属を溶解させてなるpHが1以上の酸性溶液に、チタンの水酸化物からなるチタンクラスターをTiO2換算で1〜10g/Lの割合で分散させたもの、又は、硫酸,硫酸と塩酸との混酸,若しくは硫酸と硝酸との混酸に前記金属を溶解させてなる酸性溶液のpHを1〜4に調整することにより、前記チタンクラスターをTiO2換算で1〜10g/Lの割合で形成させたものに、中和剤を添加して、前記金属の水酸化物及び酸化物の少なくとも一方を前記チタンクラスターに被覆することを特徴とする脱臭剤の製造方法。
- 硫酸法による酸化チタンの製造過程において排出される硫酸酸性の廃酸と、前記製造過程において排出される、鉱石の未溶解分及びチタン,鉄の可溶性塩類を含む溶解残渣スラリーと、を原料とする脱臭剤の製造方法であって、
前記廃酸に中和剤を加えて、pHを1〜4に調整する一次中和工程と、
前記一次中和工程で析出した析出物を除去して得られた溶液に前記溶解残渣スラリーを混合し、さらに酸化雰囲気下において中和剤を加えてpHを8.2〜9.5に調整する二次中和工程と、
前記二次中和工程において析出した析出物を取り出し40〜120℃で乾燥する乾燥工程、又は、前記乾燥工程で得られた乾燥物若しくは前記二次中和工程において析出した析出物を900℃以下で焼成する焼成工程と、
を備えることを特徴とする脱臭剤の製造方法。 - 前記二次中和工程の後に前記析出物を水で洗浄する水洗工程を備えることを特徴とする請求の範囲第25項に記載の脱臭剤の製造方法。
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