JP2000126592A - 環境汚染ガス除去部材及びその除去部材用液状組成物 - Google Patents

環境汚染ガス除去部材及びその除去部材用液状組成物

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JP2000126592A
JP2000126592A JP11173950A JP17395099A JP2000126592A JP 2000126592 A JP2000126592 A JP 2000126592A JP 11173950 A JP11173950 A JP 11173950A JP 17395099 A JP17395099 A JP 17395099A JP 2000126592 A JP2000126592 A JP 2000126592A
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Tatsuya Oda
達也 小田
Koji Nishimura
厚司 西村
Teruaki Omine
照明 大峯
Yoshika Sekine
嘉香 関根
Akira Kitamura
昭 北村
Takeyuki Tonoki
健之 外木
Tsutomu Mamiya
勉 間宮
Toru Kuzuhara
亨 葛原
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Hitachi Chemical Co Ltd
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ホルムアルデヒド、メチルメルカプタン等の環
境汚染ガスを効果的に除去・分解・無害化する環境汚染
ガス除去部材、及びその製造に好適な液状組成物(中間
物)を提供する。 【解決手段】活性二酸化マンガン粒子をバインダを用い
て支持体に固定させ、環境汚染ガス除去フィルタとす
る。活性二酸化マンガン粒子は、比表面積が70平方メ
ートル/g以上のものが好ましく用いられる。活性二酸
化マンガン粒子(a):5〜40重量%、分散媒体
(b):35〜80重量%、及び分散・結合樹脂
(c):3〜35重量%(ただし、固形分換算)を含む
液状組成物は、上記環境汚染ガス除去フィルタの製造に
好適に使用される。分散・結合樹脂(c)としてはアク
リル樹脂が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築材料、家具、
燃焼器具等から発生され室内空気を汚染するホルムアル
デヒド等のアルデヒド類や、台所ゴミ、工場排水等から
発生されるアンモニアあるいはメチルメルカプタン、エ
チルメルカプタン、硫化水素等の含硫黄ガス等の環境汚
染ガスを分解・除去して、無毒化する環境汚染ガス除去
部材及びその製造に好適な環境汚染ガス除去部材用液状
組成物(中間物)に関する。
【0002】
【従来の技術】建築材料、家具、燃焼器具等から発生さ
れ室内空気を汚染するホルムアルデヒドの除去方法とし
ては、従来、過酸化水素や次亜塩素酸のアルカリ水溶液
による酸化吸収方式(美坂康有,浦木勝,松下政明:空
調・衛生工学,第40巻,第1119頁(196
6))、粒状活性炭、ゼオライト等の物理吸着材によっ
て除去する方法、過酸化カルシウム(高野二郎,斉藤
章,安岡高志,光沢舜明:公害と対策,第17巻,第1
109頁(1981))、ポリエチレンイミン(Ges
ser,H.D.,Fu,S.:Environ.Sc
i.Technol.,vol.24,p.495(1
990))、硫酸アンモニウム(特許第829955
号)等を使用し化学反応によって吸着・除去する方法、
酸化セリウム(Li,C. et al.:J.Cat
al.,vol.125,p.445(1990))の
ように熱エネルギー(熱触媒)を加えてホルムアルデヒ
ドを分解する方法等が知られている。
【0003】また、台所ゴミ、工場排水等から発生され
るアンモニアあるいはメチルメルカプタン、エチルメル
カプタン、硫化水素等の含硫黄ガスを除去する方法とし
ては、活性炭等の吸着剤による方法、二酸化マンガンや
酸化銅等の金属酸化物を多孔性担体に担持させた脱臭剤
により除去する方法等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ホルムアルデヒドの除
去についての上記従来法のうち、過酸化水素や次亜塩素
酸のアルカリ水溶液による酸化吸収方式は、薬液が液体
であるため処理装置が複雑となり、またミスト発生の問
題もあって、一般家庭での使用には適さない。粒状活性
炭、ゼオライト等の物理吸着材によって除去する方法
は、吸着処理後に吸着材の保存状態が変化すると吸着平
衡の関係に従って一旦吸着したホルムアルデヒドが再び
空気中に放出される問題がある。この現象は、物理吸着
に限らず、化学吸着の場合も同様に起こりうる。また、
熱触媒はホルムアルデヒドの分解に有効であるが、熱源
(エネルギー源)が必要となる。メチルメルカプタン、
エチルメルカプタン、硫化水素等の含硫黄ガスの除去に
ついての上記従来法にあっては、これらの含硫黄ガスを
除去(吸着又は分解)できてもホルムアルデヒドを有効
に除去できない問題がある。本発明の課題は、ホルムア
ルデヒド等のアルデヒド類を初め、メチルメルカプタ
ン、エチルメルカプタン、硫化水素等の含硫黄ガスも効
果的に除去・分解・無害化し、しかも、取扱が容易な環
境汚染ガス除去部材(例えば、除去フィルタ)を提供す
ることである。また、本発明の課題は、この環境汚染ガ
ス除去部材の製造に好適な液状組成物(中間物)を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)〜
(5)の環境汚染ガス除去部材、及び下記(6)〜
(7)のホルムアルデヒド除去部材に関する。 (1)支持体に活性二酸化マンガン粒子を固着させてな
る、環境汚染ガス除去部材。 (2)活性二酸化マンガン粒子は、比表面積が70平方
メートル/g以上の粒子である、上記(1)の環境汚染
ガス除去部材。 (3)支持体はアルミニウムハニカムである、上記
(1)〜(2)のいずれかの環境汚染ガス除去部材。 (4)支持体はガラス不織布である、上記(1)〜
(2)のいずれかの環境汚染ガス除去部材。
【0006】(5)支持体にマンガン酸化物粒子を固着
させてなる、ホルムアルデヒド除去部材。
【0007】ここで、活性二酸化マンガン粒子又はマン
ガン酸化物粒子の作用は、ホルムアルデヒド、硫化水素
等の種々の環境汚染ガスを酸化する触媒作用が主(これ
らの汚染ガスを吸着する作用も少しある)である。
【0008】本発明は、下記(6)〜(9)の環境汚染
ガス除去部材用液状組成物にも関する。 (6)活性二酸化マンガン粒子(a)と、分散媒体
(b)と、分散・結合樹脂(c)と、を含む環境汚染ガ
ス除去部材用液状組成物。 (7)活性二酸化マンガン粒子(a)は、比表面積が7
0平方メ−トル/g以上の粒子である、上記(6)の環
境汚染ガス除去部材用液状組成物。 (8)組成物の組成は、活性二酸化マンガン粒子
(a):5〜40重量%、分散媒体(b):35〜80
重量%、及び分散・結合樹脂(c):3〜35重量%
(ただし、固形分換算)、である、上記(6)又は
(7)の環境汚染ガス除去部材用液状組成物。 (9)分散・結合樹脂(c)はアクリル樹脂である、上
記(6)〜(8)のいずれかの環境汚染ガス除去部材用
液状組成物。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の環境汚染ガス除去部材に
おいて、用いられる活性二酸化マンガン粒子は、一般式
MnOx(ただし、xは多くの場合1.8〜2.0)で
表される比表面積の大きな多孔性二酸化マンガン粒子
で、マンガン塩を湿式酸化分解して得られる。また、用
いられる活性二酸化マンガン粒子の比表面積は、好まし
くは70平方メートル/g以上、更に好ましくは100
〜2000平方メートル/gであり、粒子の大きさは好
ましくは平均粒径で0.1〜10μm、更に好ましくは
平均粒径で0.1〜4.0μmである。ここで、比表面
積は窒素吸着比表面積(BET)として求めた値であ
る。
【0010】活性二酸化マンガン粒子とともに、更にセ
リウム、銀、銅又は鉄等の金属もしくは金属酸化物粒子
を用いることができる。セリウム酸化物としては、酸化
第一セリウム、酸化第二セリウム等があり、銀酸化物と
しては、酸化銀(I),酸化銀(II),Ag2O3等が
あり、銅酸化物としては、酸化第一銅及び酸化第二銅等
があり、鉄酸化物としては、酸化第一鉄、酸化第二鉄等
がある。これらは、複合酸化物であってもよい。これら
の金属もしくは金属酸化物粒子を用いる場合、その種類
と配合量は除去すべき環境汚染ガスの種類によって異な
ってくる。実験によって適宜配合量を決めればよいが、
活性二酸化マンガン粒子又はマンガン酸化物粒子の作用
を弱める(悪影響を及ぼす)場合もあるので、注意を要
する。ホルムアルデヒドの除去を目的とする場合は、活
性二酸化マンガン量に対して鉄酸化物を好ましくは99
/1〜80/20(重量比)程度を配合する。
【0011】前記セリウム、銀、銅又は鉄の金属もしく
は金属酸化物を用いる場合、その粒径は平均粒径で0.
1〜10μmの範囲の粒子が好ましく用いられる。金属
又は金属酸化物粒子を2種以上混合する必要があるとき
は、乳鉢、ボールミル等を用いて均一に混合すればよ
い。
【0012】環境汚染ガスを分解・除去する主要成分の
活性二酸化マンガン粒子、あるいはそれと共に用いられ
るセリウム、銀、銅又は鉄又はその酸化物粒子(以下、
単に「触媒」ともいう。)は、通常、バインダを用いて
支持体に固着させ、環境汚染ガス除去部材(例えば、フ
ィルタ)とする。ここで、使用できる支持体には種々の
ものがあり、好ましいものは空気を自由に通す支持体
(その支持体材料自体の通気性は問わない)である。そ
のような支持体としては、例えば、多数の中空セルを有
するハニカム構造体がある。ここで、ハニカム構造体の
材質はアルミニウム、ステンレス、銅等の金属、塩化ビ
ニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等のプ
ラスチック類、アルミナ、コージライト等のセラミック
焼結体のほか、ガラス、黒鉛、紙等があり、いずれも使
用できる。中でも、肉薄で強度を保持でき、かつ軽い点
でアルミニウムが好ましく用いられる。他に用いること
のできる支持体はシート状支持体で、織布、不織布、
紙、発泡体等があり、更に具体的には、ポリオレフィン
系繊維又はポリエステル繊維からなるメルトブロー不織
布又はスパンボンド不織布、ポリエステル樹脂、メラミ
ン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹
脂を含浸した紙、ガラス繊維布やガラス不織布、発泡ウ
レタン、発泡スチレン、ニッケルや銅等の金属発泡体、
ステンレス、銅、アルミ等の網状シート等である。
【0013】支持体に、活性二酸化マンガン粒子やセリ
ウム、銀、銅又は鉄等の金属もしくは金属酸化物粒子を
固着させるときにバインダを用いる場合、そのバインダ
としては、種々のバインダを使用できる。ポリビニルア
ルコール(PVA)、スチレン−ブタジエン共重合体、
ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリクロロプレン、ポ
リイソプレン、ポリウレタン、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合体、アクリル樹脂(ポリアクリル酸エステ
ル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル共
重合体)、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル共重合体、ポリ
エチレン、塩化ビニル重合体、塩化ビニリデン重合体、
エポキシ等のエマルジョンや、これらエマルジョンにメ
ラミン、尿素、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂骨格を
導入したもの、セラミックのアルミナゲルのほか、ポリ
エチレン(特に、高分子量ポリエチレン、超高分子量ポ
リエチレン)、ポリカーボネート、ポリアミドABS樹
脂、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、酢酸セルロース、ポ
リスルホン、ポリスチレンフタレート、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂粒子等である。これ
らの中で、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体、アクリル樹脂等のエマル
ジョンやポリエチレン樹脂粒子等が好ましく用いられ
る。
【0014】本発明の環境汚染ガス除去部材は、種々の
方法でつくることができる。一つの方法は、多数の中空
セルを有するハニカム構造体のセル壁全面に、触媒層を
形成させて部材(この場合、フィルタ)とする方法であ
る。この方法では、ハニカム構造体表面に予めバインダ
層を形成させ、その後触媒を吹き付け、加熱・乾燥させ
て固着させたり、後述のバインダ分散液に触媒を混合し
て触媒分散液を調製したのち、これをハニカム構造体の
セル壁全面に吹き付けたり、あるいは前記触媒分散液へ
ハニカム構造体を浸漬後、加熱・乾燥し固着する等であ
る。この際、バインダの使用量は、触媒量100重量部
に対して、5〜100重量部程度である。
【0015】本発明の環境汚染ガス除去部材をつくる他
の方法は、上で述べたシート状通気性基材に触媒をバイ
ンダで付着させて、シート状部材とする方法である。こ
こで、シート状通気性基材に触媒をバインダを用いて触
媒を固着させる方法は、ハニカム構造体に固着する場合
と同様に行うことができる。また、バインダとして先の
うちの熱可塑性樹脂粒子(熱可塑性樹脂粒子の分散液)
を用い、その粒子表面を加熱軟化させた樹脂粒子を介し
て触媒をシート状通気性基材に固着させることもでき
る。上記のいずれの方法によっても、支持体(ハニカム
構造体やシート状通気性基材)1平方メートル当たり1
0〜30g程度の触媒を固着させることができる。
【0016】本発明の環境汚染ガス除去部材をつくる別
の方法は、上記のようにして得られた触媒固定シートを
更に加工して行う方法である。すなわち、触媒固定シー
トをコルゲート加工、型打ち抜き加工、スリット加工、
エキスパンド加工、接着成形加工等の工程を経てハニカ
ム構造体や積層体とする方法である。本発明の環境汚染
ガス除去部材は、通常、空気清浄機等に組み込み、建築
材料等から発生する種々の環境汚染ガスの分解・除去に
利用する。
【0017】本発明で、特にホルムアルデヒド除去を目
的に使用するマンガン酸化物粒子としては、活性二酸化
マンガンのほかに、二酸化マンガン、一酸化マンガン、
Mn34、Mn23及びMn27等の各粒子があり、好
ましくは活性二酸化マンガン粒子のほかに、二酸化マン
ガン粒子又は四酸化三マンガン粒子であり、最も好まし
くは活性二酸化マンガン粒子である。用いられるマンガ
ン酸化物粒子の比表面積は、先に述べたように、好まし
くは70平方メートル/g以上、更に好ましくは100
〜2000平方メートル/gであり、粒子の大きさは好
ましくは平均粒径で0.1〜10μm、更に好ましくは
平均粒径で0.1〜4.0μmである。
【0018】ホルムアルデヒドの除去について、マンガ
ン酸化物粒子とともに、更にセリウム、銀、銅又は鉄等
の金属もしくは金属酸化物粒子を用いることができる。
ここで、セリウム酸化物としては、酸化第一セリウム、
酸化第二セリウム等があり、銀酸化物としては、酸化銀
(I),酸化銀(II),Ag23等があり、銅酸化物と
しては、酸化第一銅、酸化第二銅等があり、鉄酸化物と
しては、酸化第一鉄、酸化第二鉄等がある。これらは、
複合塩であってもよい。銅については、酸化物よりも金
属銅のほうが好ましい。
【0019】セリウム、銀、銅又は鉄等の金属もしくは
金属酸化物粒子を用いる場合、その好ましい使用量は金
属もしくは金属酸化物の種類によって異なるので、実験
により決める。セリウム酸化物の場合はマンガン酸化物
量の10/90〜50/50(重量比)程度であり、銀
酸化物の場合はマンガン酸化物量の0.1/99.9〜
90/10(重量比)程度である。
【0020】本発明のホルムアルデヒド除去部材を製造
する場合、上記で特記した点を除いて、先に述べた環境
汚染ガス除去部材の製造と同様に製造できる。
【0021】次に、環境汚染ガス除去部材の製造に好適
な環境汚染ガス除去部材用液状組成物(中間物)につい
て、説明する。本発明の環境汚染ガス除去部材用液状組
成物(中間物)は、活性二酸化マンガン粒子(a)と、
分散媒体(b)と、分散・結合樹脂(c)と、を含んで
なっている。ここで用いる分散媒体(b)は、活性二酸
化マンガン粒子を安定に分散(又は懸濁)できる液体で
ある。またこの分散媒体は、環境汚染ガス除去部材用液
状組成物の粘度を適宜調整する場合にも使用される。こ
のような分散媒体としては、水、水溶性有機溶剤、水と
水溶性有機溶剤との混合液があり、好ましくは、水と水
溶性有機溶剤との混合液である。ここで、水溶性有機溶
剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等のアルコール類のほかブチルセロソルブ等があり、
好ましくはアルコール類である。水と水溶性有機溶剤と
の混合液を用いる場合、水と水溶性有機溶剤との配合比
率(水/水溶性有機溶剤)は、好ましくは65/35〜
20/80(重量比)であり、更に好ましくは50/5
0〜30/70(重量比)である。
【0022】本発明で用いる分散・結合樹脂(c)は、
活性二酸化マンガン粒子を分散媒体中に分散させる作用
とともに、加熱・乾燥したときに、活性二酸化マンガン
粒子を支持体へ結合させるバインダ作用のある樹脂であ
る。このような分散・結合樹脂(c)としては、アクリ
ル樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン、スチレンーブタジ
エン共重合体、アクリルースチレン共重合体、アクリル
変性ウレタン樹脂又はシリコーン樹脂等があり、好まし
いものはアクリル樹脂である。また、樹脂の型として
は、エマルジョン型、水溶性型、親水性有機溶剤溶解型
等がある。
【0023】エマルジョン型としては、アクリル樹脂エ
マルジョン、酢酸ビニル樹脂エマルジョン、アクリル−
スチレン共重合体エマルジョン、スチレン−ブタジエン
共重合体エマルジョン、アクリル変性ウレタン樹脂エマ
ルジョン、シリコーン樹脂エマルジョン等があり、水溶
性型としては、水溶性アクリル樹脂、水溶性メラミン樹
脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性ポリブタジエン等が
あり、親水性有機溶剤溶解型としては、アクリル樹脂、
フェノール樹脂、アミノ・アルキド樹脂、エポキシ樹
脂、ブチル化メラミン樹脂等がある。これらの樹脂は、
1種を単独で用いることも、2種以上を混合して用いる
こともできる。
【0024】これら分散・結合樹脂(c)は、活性二酸
化マンガン粒子を支持体に塗膜状に形成させたとき、そ
の塗膜の耐衝撃性及び耐水性を向上させる作用もあり、
厚膜を形成させた場合は緩衝材の作用もある。
【0025】分散・結合樹脂(c)のほかに、液状組成
物の支持体への均一な塗布が起こるように、濡れ性向上
剤を添加することができる。濡れ性向上剤として、シリ
コーン樹脂、アクリル系共重合体、ポリエーテル変性ジ
メチルポリシロキサン等を主成分とした添加剤が用いら
れる。ビックケミー社のBYK−346、BYK−34
8、BYK−380、共栄社化学のポリフローWS、グ
ラノール100等がある。配合量は、組成物の全重量を
基準として、好ましくは0.01〜2重量%、更に好ま
しくは0.1〜1重量%である。
【0026】本発明の液状組成物の組成(全重量を基
準)は、製品(環境汚染ガス除去部材)の汚染ガス除去
能、活性二酸化マンガン粒子の固着力、塗工・塗布の際
の作業性を考慮すると、好ましくは、活性二酸化マンガ
ン粒子(a)は5〜40重量%、分散媒体(b)は35
〜80重量%、分散・結合樹脂(c)は3〜35重量%
(ただし、固形分換算)である。なお、製品(環境汚染
ガス除去部材)を調製する際の支持体への塗工・塗布の
方法の違いによっても、本発明の液状組成物の好適な組
成は変わってくる。スプレー塗工の場合、活性二酸化マ
ンガン粒子(a)は好ましくは5〜30重量%(更に好
ましくは、20〜25重量%)、分散媒体(b)は好ま
しくは40〜80重量%(更に好ましくは、60〜70
重量%)、分散・結合樹脂(c)(固形分)は好ましく
は3〜25重量%(更に好ましくは、6〜10重量%)
である。また、はけローラ塗工の場合は、活性二酸化マ
ンガン粒子(a)は好ましくは8〜40重量%(更に好
ましくは、30〜35重量%)、分散媒体(b)は好ま
しくは35〜65重量%(更に好ましくは、50〜60
重量%)、分散・結合樹脂(c)(固形分)は好ましく
は5〜35重量%(更に好ましくは、8〜15重量%)
である。
【0027】本発明の液状組成物には、先に述べたよう
に、必要に応じて、活性二酸化マンガン粒子以外に、他
の金属粒子又は金属酸化物粒子を含有させてもよい。ま
た、濡れ性向上剤を含有させてもよい。
【0028】本発明の環境汚染ガス除去部材用液状組成
物は、スプレー塗工、はけ塗工、浸漬・引上げ等の方法
で、支持体(例えば、ハニカム状アルミニウム)上に形
成される。その後、乾燥機中、分散媒体が蒸発する温
度、通常は、50〜200℃で、5〜60分間加熱する
と、分散媒体が蒸発し、分散・結合樹脂のバインダ作用
で触媒を支持体上に固着させて環境汚染ガス除去部材が
得られる。場合によっては、加熱せずに室温に長時間放
置してもよい。
【0029】
【実施例】以下、実験例及び実施例により、発明を更に
具体的に説明する。 実験例1 各種金属酸化物(酸化銀、酸化パラジウム、酸化銅、酸
化コバルト、酸化亜鉛、二酸化マンガン、酸化鉄、酸化
タングステン、酸化チタン、二酸化セリウム、四酸化三
マンガン、五酸化バナジウム及び酸化ランタン粒子(い
ずれも和光純薬社製。二酸化マンガンについては比表面
積61平方メートル/g、平均粒径5μmのもの。)に
ついて、ホルムアルデヒドガス除去能力と二酸化炭素生
成量とを試験(スクリーニング)した。試験方法は、各
金属酸化物粒子0.5gをガラス製反応容器(1.16
L)の底に撒き、20μLのホルマリン溶液を反応容器
内に設けたガラス製試験管の内壁に沿って滴下したの
ち、反応容器を密閉して25℃で静置した。
【0030】発生したホルムアルデヒドガスの濃度を2
時間後に測定し、空試験値と比較した。HCHO除去率
(%)は次式(1)で計算した。 ([HCHO]bt−[HCHO]t)/[HCHO]bt×100 …(1) ここで、[HCHO]tは時間tにおけるホルムアルデ
ヒド濃度の試料値、[HCHO]btは空試験値であ
る。また、二酸化炭素生成量(ppm)は次式(2)で
計算した。 [CO2]t−[CO2]bt …(2) ここで、[CO2]tは時間tにおける二酸化炭素濃度
の試料値、[CO2]btは空試験値である。なお、濃
度の測定はガステック社製検知管(91Lホルムアルデ
ヒド用、2LL二酸化炭素用)を用いた。結果を図1に
示す。
【0031】ホルムアルデヒド除去率は酸化銀、二酸化
マンガン及び酸化チタンで70%以上と高く、次いで二
酸化セリウム、四酸化三マンガン、酸化コバルト及び酸
化パラジウムが高い値を示した。一方、二酸化炭素生成
量は二酸化マンガンで約300ppmと最も高く、酸化
銀や酸化ランタンでは逆に二酸化炭素濃度が減少した。
ホルムアルデヒドから二酸化炭素が生成する機構は明確
ではないが、ホルムアルデヒドが金属酸化物の塩基性表
面に接触してギ酸が生成し(カニツァーロ反応)、ギ酸
塩となって固定され、これが更に分解して二酸化炭素に
なると推定される。
【0032】実験例2 二酸化マンガン粒子(和光純薬社製。比表面積61平方
メートル/g、平均粒径5μmのもの。)単独及び二酸
化マンガン粒子と二酸化セリウム粒子との混合粒子系を
つくり、上記実験例1と同様な方法で試験した。二酸化
マンガンと二酸化セリウムの混合比率は、重量比で4:
1、1:1、及び1:4とした。結果を図2に示した。
二酸化セリウムは二酸化マンガンに比べてホルムアルデ
ヒド除去率及び二酸化炭素生成量の両方共に低いが、重
量比4:1又は1:1で添加すると、二酸化マンガン単
独に比べて二酸化炭素生成量の増加傾向が見られた。
【0033】実験例3 二酸化マンガン粒子に酸化銀粒子を混合して実験例1と
同様に試験を行った。二酸化マンガンと酸化銀混合比率
は、重量比で9:1及び9.5:0.5とした。結果を
図3に示した。両者の混合系は二酸化マンガン単独に比
べてホルムアルデヒド除去率が向上し、また二酸化炭素
生成量も増加した。
【0034】実験例4 二酸化マンガン粒子単独のほか、二酸化マンガン粒子/
酸化銀粒子混合系、それらに更に酸化銅粒子及び金属銅
粒子を混合した系をつくり、実験例1と同様に試験を行
った。二酸化マンガンと酸化銅の混合比率は2:3、二
酸化マンガンと金属銅の混合比率は2:3、二酸化マン
ガンと酸化銅と酸化銀の混合比率は3.6:5.4:
1、二酸化マンガンと金属銅と酸化銀の混合比率は3.
6:5.4:1とした。結果を図4に示した。二酸化マ
ンガンに酸化銅又は金属銅を混合するとホルムアルデヒ
ド除去率は低下したが、金属銅を混合した場合は二酸化
炭素生成量が増加した。二酸化マンガン及び酸化銀の混
合系においても同様の結果が得られた。混合した金属銅
は二酸化炭素の生成を促す作用があると思われる。
【0035】実験例5 二酸化マンガンと活性二酸化マンガンの両触媒について
比較試験を行った。試験条件は実験例1と同様であり、
用いた触媒は試薬グレード二酸化マンガン(和光純薬
製、比表面積61平方メートル/g、平均粒径5μm)
と活性二酸化マンガン(日本重化学工業製、比表面積1
63平方メートル/g、平均粒径1.2μm)の両者で
ある。試験は両者の性能差を明確にするため、触媒粒子
の使用量を0.05〜1gまで変化させ、試験を開始し
て20時間後に容器内のガス濃度を測定した。結果を図
5に示す。図5から明らかなように、活性二酸化マンガ
ンの方がホルムアルデヒド除去率は高く、除去率50%
を達成するのに必要な触媒量は、試薬グレードの二酸化
マンガンの量に比べて約1/2であった。
【0036】実施例1 ハニカム構造体に触媒を固着し
た環境汚染ガス除去部材 支持体となるハニカム構造体として300mm×300
mm×(厚み)25mmで、セル数500個/平方イン
チのアルミハニカム(AL−C500、新日本コア製)
を予め用意した。容器に水を秤取し、活性二酸化マンガ
ン(比表面積100平方メートル/g、平均粒径1.3
μm)20重量部を撹拌しながら少しずつ加え、十分な
撹拌の後、撹拌しながら水分散バインダ(ポリゾ−ルA
P−6740、昭和高分子製)2重量部を少しずつ添加
して混合した。これを目開き300μmのフィルタでろ
過し、通過液を塗工液(固形分濃度は約25重量%)と
した。次に、遠心塗工機のドラムに予め用意したアルミ
ハニカムを装着し、スプレー容器に前記塗工液を投入
し、ドラム回転数50rpm、吐出量10L/分、塗工
時間3分の条件で塗布し、次いで、回転数を300rp
mまで高めてアルミハニカム内部に塗工液を均一に行き
渡らせた。これを150℃の乾燥器中で30分間加熱し
たのち、25mm×25mm×(厚み)25mmに切断
し、性能試験用環境汚染ガス除去部材(図6)を得た
(Aとする)。
【0037】別に、次の3例の環境汚染ガス除去部材
(支持体:アルミハニカム)を作製した。用いた触媒は
3種類で、比表面積63平方メートル/g、平均粒径
3.7μmの二酸化マンガン(RB−A、三井金属
製)、比表面積55平方メートル/g、平均粒径5.0
μmの二酸化マンガン(試薬グレード、和光純薬製)、
比表面積330平方メートル/g、平均粒径6.0μm
の四酸化三マンガン(カルライト400、Carus社
製)で、環境汚染ガス除去部材の調製方法は上と同様で
ある。
【0038】これらについても25mm×25mm×
(厚み)25mmに切断し、性能試験用部材を得た。得
られた環境汚染ガス除去部材を順にそれぞれ、B,C,
Dとする。A〜Dの4種類の環境汚染ガス除去部材につ
いて、ホルムアルデヒド分解・除去能を評価した。各環
境汚染ガス除去部材を内寸25mm×25mm、長さ5
00mmのアクリル角パイプの中央部に挿入固定した。
角パイプの両端を封じると共にホルムアルデヒドガスを
流せるようにガスホースを接続した。更に、片端にホル
ムアルデヒドガス発生器を流量計を挟んで接続した。ホ
ルムアルデヒドガス発生器から2L/分の流速でホルム
アルデヒドガス(ホルムアルデヒド濃度:3ppm)を
角パイプ内に導入し、環境汚染ガス除去部材を通過さ
せ、他端から排出した。1時間後に環境汚染ガス除去部
材前後の位置でホルムアルデヒド濃度をホルムアルデヒ
ドガス検知管(91L及び91LL、ガステック製)で
測定し、ホルムアルデヒド除去率を以下の式を用いて求
めた。 除去率(%)=〔(入口側濃度)−(出口側濃度)〕/
(入口側濃度)×100 環境汚染ガス除去部材のホルムアルデヒド除去率はAが
90%で最も優れ、次いでDの75%であった。また、
Bは30%であり、Cは10%であった。
【0039】実施例2 不織布に触媒を固着した環境汚
染ガス除去部材 支持体となる不織布として幅500mm×厚み0.3m
m、坪量90g/平方メートルのガラス不織布(GTC
−3000、三菱製紙製)を用意した。また、活性二酸
化マンガンを支持体に塗布するための塗工液は、実施例
1と同様に調製した。ダイヘッドコータ法(横型塗工
機)で、ガラス不織布に塗工液を塗工し、加熱・乾燥し
た。塗工速度は2m/分で、加熱・乾燥は150℃で行
った。得られたシート状物は、単位面積当たり50重量
%がガラス不織布、他の50重量%が活性二酸化マンガ
ン及びバインダ樹脂であった。得られたシート状物を3
00mmに切断し、シート状の環境汚染ガス除去部材を
得た。
【0040】実施例3 発泡体シートに触媒を固着した
環境汚染ガス除去部材 支持体となる発泡体として300mm×300mm×厚
み5.0mm、セル数50個/平方インチのポリウレタ
ンフォーム(エバーライトSF、HR−50、ブリジス
トン製)を用意した。このポリウレタンフォームを下記
アクリル系粘着剤溶液(樹脂分8重量%)に浸漬した
後、余分な溶液をロールを通して除去し、支持体骨格表
面に粘着性を付与した。 (アクリル系粘着剤溶液) アクリル系共重合体(HTR−600LB、帝国化学産
業製):50重量部 アクリル系共重合体(Q−1851、日本カーバイド
製):50重量部 架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン工業製):1
重量部 溶剤(トルエン):1161.5重量部 次いで、100℃で10分間乾燥し、溶剤を除去した
後、比表面積100平方メートル/g、平均粒径1.3
μmの活性二酸化マンガン粉中に挿入し、搖動させるこ
とにより、活性二酸化マンガン粉を固着させ、環境汚染
ガス除去部材を得た。
【0041】実施例4 通気性セル構造体のセル内に触
媒を固着した環境汚染ガス除去部材 支持体として、平均粒径2.3mmの破砕状活性炭(触
媒用破砕炭CT、キャタラー工業製)を用意した。この
活性炭に実施例3で示したアクリル系粘着剤溶液に浸漬
した後、余分な溶液をロールを通して除去し、支持体骨
格表面に粘着性を付与した。これらを更に100℃で1
0分間乾燥し、溶剤を除去した。比表面積が100平方
メートル/g、平均粒径が1.3μmの活性二酸化マン
ガン粉2重量部と先に得た粘着性付与済み活性炭50重
量部を粉体混合機に投入し、回転混合させ、活性炭表面
に活性二酸化マンガン粉を固着した。こうして得られた
活性二酸化マンガン固定活性炭破砕粉を300mm×3
00mm×厚み10mm、セルサイズ12mmの紙製ハ
ニカム基体(KLC−100、新日本コア製)のセル内
に充填した。さらに、ハニカムの両面に通気性のシート
紙(MK和紙、三木特殊製紙製)を貼り付け、環境汚染
ガス除去部材とした。
【0042】実施例5 ハニカム構造体に触媒を固着し
た環境汚染ガス除去部材の含硫黄ガスの除去能 実施例1で得られた除去部材Aを用い、含硫黄ガス(メ
チルメルカプタン及び硫化水素)の除去能の評価試験を
行った。比較としては、触媒の代わりに粒状活性炭(二
村化学社製)をハニカム構造体に固定した活性炭固着フ
ィルタを使用した。評価装置は、実施例1における装置
と同じ装置を使用した。標準ガスボンベから各成分が5
ppmとなるように調整されたガスを、除去部材を充填
したアクリル角パイプの一端に導入し他端から排出し、
除去部材前後の位置における含硫黄ガス濃度をメチルメ
ルカプタン検知管(70L、ガステック製)及び硫化水
素検知管(4LT、ガステック製)で測定した。測定結
果を図7に示した。図7から、除去部材Aは比較の活性
炭固着部材よりもメチルメルカプタン及び硫化水素をよ
く除去できることが分かる。
【0043】実施例6 <一次配合>活性二酸化マンガン粒子(日本重化学工業
製、比表面積163平方メートル/g、平均粒径1.2
μm)28重量部と、水溶性アクリル樹脂「ヒタロイド
7200」(日立化成工業製、樹脂分50%)1.3重
量部と、分散媒体としてのイソプロピルアルコール/水
混合液(1:1、重量比)18.8重量部とを、ガラス
容器に入れて、更にガラスビ−ズ(粒径2mm)を適量
入れ、容器を密閉し、ペイントシェーカにて1時間混合
撹拌した。その後、生絹ろ過を行い、一次配合液とし
た。
【0044】<二次配合>塗工に適した液状物とするた
め、塗工直前に二次配合を行った。アルミ板にスプレー
塗工することを前提とし、一次配合液に水分散アクリル
樹脂「ヒタロイドAE8200」(日立化成工業製、樹
脂分32%)6.6重量部、濡れ性向上剤「BYK−3
48」(ビックケミー製)0.2重量部及び粘度調整用
としてのイソプロピルアルコール/水混合液(1:1、
重量比)45.1重量部を加え、ガラス棒にて撹拌し、
本発明の液状組成物を得た。この液状組成物の粘度は、
粘度カップ(アネスト岩田製、NK−2粘度カップ)で
測定したところ9秒であった。
【0045】塗工される支持体として200mm×15
0mm×0.3mm(厚み)のアルミ板を用意した(塗
工前の重量も測定)。得られた液状組成物をスプレーガ
ンの容器に入れ、手動によりアルミ板表面に塗工後、1
50℃で30分間加熱・乾燥した。活性二酸化マンガン
粒子の塗布量は16.9g/平方メートルであった。内
容積40Lのステンレス製恒温容器内に得られた塗工サ
ンプルを置き、ホルムアルデヒド発生装置を用いて4.
5ppmの濃度のホルムアルデヒドガスを流量0.5L
/分の条件で容器内に連続して流し、ステンレス製恒温
容器の出口におけるホルムアルデヒド濃度を経時的に測
定した。ホルムアルデヒド濃度の測定は、検知管(ガス
テック製、91L)を用いた。比較として、塗工なしの
アルミ板を用いて同様に測定した。結果を図1に示し
た。図1において、(a)はホルムアルデヒドの出口濃
度、(b)は除去率を示す。除去率は、次式により求め
た。 (Cbt―Ct)/Cbt×100 ここで、Cbtは空試験(容器内に何も置かずに、同様
にホルムアルデヒド濃度の経時変化を測定した試験)の
t時間後のホルムアルデヒドの出口濃度(ppm)、C
tはt時間後のホルムアルデヒドの出口濃度である。
【0046】空試験では、出口濃度は自然換気により入
口濃度よりも小さい2.6ppmとなった。容器内に塗
工なしアルミ板を設置した場合は、出口濃度は空試験の
場合の出口濃度と同じであり、除去率は0であった。こ
れに対して、本発明の塗工サンプルを設置した場合に
は、1.5時間でホルムアルデヒド濃度は最低値(除去
率はピーク)を示し、5時間以後はほぼ一定値(出口濃
度1.4ppm、除去率44%)を示した。
【0047】
【発明の効果】請求項1〜4の環境汚染ガス除去部材
は、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類を初め、メチル
メルカプタン、エチルメルカプタン、硫化水素等の含硫
黄ガスも効果的に除去・分解・無害化する。また、取扱
が容易で、特別の熱源(エネルギー源)を要しない。ま
た、空気清浄機等に組み込み、建築材料等から発生する
ホルムアルデヒドや、台所等で発生するメチルメルカプ
タン、エチルメルカプタン等の含硫黄ガスの分解・除去
に利用される。請求項5のホルムアルデヒドガス除去部
材は、ホルムアルデヒドを効果的に除去・分解・無害化
する。また、取扱が容易で、特別の熱源(エネルギー
源)を要しない。また、空気清浄機等に組み込みまれ、
建築材料等から発生するホルムアルデヒドの分解・除去
に利用される。請求項6〜9の環境汚染ガス除去部材用
液状組成物を支持体に塗布したのち、固着させれば、環
境汚染ガス除去部材(例えば、除去フィルタ)を製造で
きる。支持体の形状は、種々の形状(ハニカム状、シー
ト状等)が利用できる。得られた環境汚染ガス除去部材
は、建材、台所ゴミ、工場排水等で発生するホルムアル
デヒド、硫化水素、メチルメルカプタン、エチルメルカ
プタン、アンモニアを効果的に分解・除去し、無害化す
る。特に、ホルムアルデヒドホルムの除去に有効であ
る。請求項6〜9の環境汚染ガス除去部材用液状組成物
を、建材、家具等の表面に塗布すれば、そのまま住空間
の環境汚染ガスの除去(分解・除去)に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種金属酸化物粒子のホルムアルデヒド除去率
及び二酸化炭素生成量を示す棒グラフである(実験例
1)。
【図2】二酸化マンガン粒子及び二酸化セリウム粒子の
配合比とホルムアルデヒド除去率及び二酸化炭素生成量
の関係を示す棒グラフである(実験例2)。
【図3】二酸化マンガン粒子及び酸化銀粒子の配合比と
ホルムアルデヒド除去率及び二酸化炭素生成量の関係を
示す棒グラフである(実験例3)。
【図4】二酸化マンガン粒子、酸化銀及び酸化銅(又は
金属銅)の配合比とホルムアルデヒド除去率及び二酸化
炭素生成量の関係を示す棒グラフである(実験例4)。
【図5】活性二酸化マンガンのホルムアルデヒド除去率
と二酸化マンガンのホルムアルデヒド除去率の比較を示
すグラフである(実験例5)。
【図6】本発明の環境汚染ガス除去部材の一実施例の斜
視図で、ハニカム構造体に触媒を固着させたものであ
る。
【図7】本発明の環境汚染ガス除去部材の含硫黄ガス
(メチルメルカプタン及び硫化水素)の除去能を評価し
たグラフである。比較は活性炭固着フィルタである。
【図8】本発明の環境汚染ガス除去部材用液状組成物を
塗布したアルミ板サンプル(○印)のホルムアルデヒド
除去性能(経時変化)を示すグラフである。(a)はホ
ルムアルデヒドの出口濃度、(b)はホルムアルデヒド
の除去率。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/68 B01J 35/04 301Z 35/04 301 C09D 133/00 C09D 133/00 B01D 53/36 C (72)発明者 大峯 照明 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 関根 嘉香 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 (72)発明者 北村 昭 茨城県下館市大字小川1500番地 下館産業 株式会社内 (72)発明者 外木 健之 茨城県下館市大字小川1500番地 下館産業 株式会社内 (72)発明者 間宮 勉 茨城県鹿島郡波崎町大字砂山五番壱 日立 化成工業株式会社鹿島工場内 (72)発明者 葛原 亨 茨城県鹿島郡波崎町大字砂山五番壱 日立 化成工業株式会社鹿島工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体に活性二酸化マンガン粒子を固着さ
    せてなる、環境汚染ガス除去部材。
  2. 【請求項2】活性二酸化マンガン粒子は、比表面積が7
    0平方メートル/g以上の粒子である、請求項1の環境
    汚染ガス除去部材。
  3. 【請求項3】支持体はアルミニウムハニカムである、請
    求項1又は2の環境汚染ガス除去部材。
  4. 【請求項4】支持体はガラス不織布である、請求項1又
    は2の環境汚染ガス除去部材。
  5. 【請求項5】支持体にマンガン酸化物粒子を固着させて
    なる、ホルムアルデヒド除去部材。
  6. 【請求項6】活性二酸化マンガン粒子(a)と、分散媒
    体(b)と、分散・結合樹脂(c)と、を含む環境汚染
    ガス除去部材用液状組成物。
  7. 【請求項7】活性二酸化マンガン粒子(a)は、比表面
    積が70平方メ−トル/g以上の粒子である、請求項6
    の環境汚染ガス除去部材用液状組成物。
  8. 【請求項8】組成物の組成は、活性二酸化マンガン粒子
    (a):5〜40重量%、分散媒体(b):35〜80
    重量%、及び分散・結合樹脂(c):3〜35重量%
    (ただし、固形分換算)、である請求項6又は7の環境
    汚染ガス除去部材用液状組成物。
  9. 【請求項9】分散・結合樹脂(c)はアクリル樹脂であ
    る、請求項6〜8のいずれかの環境汚染ガス除去部材用
    液状組成物。
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