JPWO2003020052A1 - フライ用具材およびこれを用いたフライ調理方法 - Google Patents
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Abstract
実質的にフライ調理時間が同一となるように調整された2種以上のフライ用具材の組み合わせ、およびこれを用いた調理方法が開示される。
Description
技術分野
本発明は、フライ用具材、並びにこれを用いたフライ調理方法およびフライ調理品に関する。
背景技術
従来、1つのフライ調理器におけるフライ調理は、同種の具材について一定量連続して調理を行い、次いで異なる具材を一定量連続して調理していくということを繰返して行っている。具材の種類ごとにフライ調理に必要な時間が異なるため、このような経時的な制限が存在する。複数の調理済のフライ調理品を提供する場合、フライ調理後、保温機能を有するケース等に保存しておき、そこから必要なフライ調理品を取り出し、組合せて行うことで対応している。しかし、この場合も、保管時間が長くなると衣に吸収されている油脂が劣化したり、衣が水分を吸収等して衣がしなってしまう等の風味や味等の品質への悪影響が生じてくる。
確かに、常時全てのフライ作業を監視し、適時必要な処置を取り続けることや、予めフライ調理にかかる時間を見越して具材の種類に応じた時間差をつけて調理を開始することにより、同時に複数の具材を揚げたての状態で得ることができ得る。しかし、現実問題として、このような対応がとれる場所は特殊な専門店等以外では存在しないのが現状であり、通常の使用、例えば飲食店、小売業店舗のバックヤード、コンビニエンスストアー等での使用を考えた場合、到底行えるものではない。
本発明は、複数種の具材のフライ調理を同時に開始した場合でも実質的に同一時間内にフライが終了するように調整された具材を提供することを目的とする。また、本発明は、かかる具材を用いて具材ごとのフライ作業時間が異なる複数の具材においても同時にフライ調理を開始し、終了することができるフライ調理方法を提供することを目的とする。特に、本発明は、1つのフライ調理器でも、揚げたての複数のフライ調理品を同時に提供することができるフライ用具材およびフライ調理方法を提供することを課題とする。
発明の開示
本発明によれば、実質的にフライ調理時間が同一となるように調整された2種以上のフライ用具材の組み合わせが提供される。フライ調理時間は、2種以上のフライ用具材の形状、大きさ、重さ、水分、衣の量、特に大きさおよび/または重量を調節することによって、実質的に同一となるようにすることができる。
また、本発明によれば、実質的にフライ調理時間が同一となるように調整された2種以上のフライ用具材を各具材毎にセットにしまたは複数の具材を混合してセットにしたフライ用具材セットが提供される。
また、本発明によれば、本発明の2種以上のフライ用具材の組み合わせを同時に用いてフライ調理することを特徴とするフライ調理方法(フライ調理品の製造方法)が提供される。
さらに、本発明によれば、本発明のフライ調理方法により得られるフライ調理品を、断熱性および油脂不浸透性である袋状のシートに内包させたことを特徴とするフライ調理品が提供される。
また、本発明は、2種以上のフライ用具材の形状および/または重量を調整することによって実質的にフライ調理時間が同一となるように調整することを特徴とするフライ用具材の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、2種以上のフライ用具材それぞれの内部であって表面から最も遠い部分(具体的には、具材の中心部)までの距離を指標としてフライ調理時間が同一となるように調整することを特徴とするフライ用部材の製造方法を提供する。
また、本発明は、本発明の2種以上のフライ用具材の組み合わせを同時に用いてフライ調理することを含むフライ調理品の提供方法を提供する。
本発明のさらなる展開は、添付の請求の範囲に記載されている。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明は、実質的にフライ調理時間が同一となるように調整された2種以上のフライ用具材の組み合わせを提供する。ここでフライ調理とは、から揚げ、天ぷら等の比較的多量の油脂を熱媒として使用する加熱調理方法であり、上記に限定されない。具材の種類、形態等は特に制限されない。
本発明は、実質的にフライ調理時間が同一となるように予め具材を設計・調整することで、従来の問題を解決し、同時に複数の具材を揚げたての状態で得ることができる。
すなわち、実質的にフライ調理時間が同一となるように予め設計・調整された複数種の具材は、1のフライ調理器に同時に投入し、調理を開始することができ、また、同時にフライ調理を終了させることができる。したがって、従来のフライ調理における経時的な制約を受けない。また、従来、各種具材ごとに調理する場合、複数のフライ調理品を得るには、具材の種類数に各一種の具材に必要な調理時間を乗じ、これを加算した時間が必要であったが、本発明の具材の組み合わせを用いれば、複数種の具材のフライ調理を同時に開始し同時に終了させることができる。したがって、本発明によれば、複数種の具材を用いて、揚げたての複数種の具材を同時にかつ短時間に得ることができる。すなわち、本発明の具材を用いることで、設定された時間、例えば数分間でフライ調理が終了し、かつ、全ての具材が揚げたての状態で得ることができる。
ここで、フライ調理時間の実質的同一とは、具材のフライ調理を終了することができる時間帯について全ての具材において重なっている時間があることをいい、特に好ましくは1の具材を見てフライ調理終了とした場合でも、他の具材の調理も好適に終了しているように調整されていることをいう。
より詳細には、フライ調理において、いわゆる「火を通す(殺菌、加熱変性等)」という目的と、できるだけ風味等を良好にするという品質面からの目的の双方を達成することを勘案した場合、フライ調理時間とは、フライ調理後において具材の中心部の温度が一定の温度、例えば80℃に達する、フライ調理時間の最短時間をいう。つまり、具材の中心部が一定温度、例えば80℃に達しない場合、上記加熱調理の目的である「火を通す(殺菌、加熱変性等)」ことを達成しておらず、また、単に80℃に達することができることを条件とすると、長時間の加熱等による過加熱から焦げや風味劣化という「品質面」の問題が生じ、上記目的を達成することができない。このため、フライ調理時間は上述の通りとされる。
また、2種以上の具材とは、その内容物等が異なる2種以上の具材ということである。これらの形状、性状、内容物、衣の種類等に関し特に制限されない。すなわち、名称上は同一であっても内容物や衣の種類等がことなれば、具材としては種類が異なる。たとえは、ジャガイモのコロッケとカニクリームコロッケは種類が異なり、単なる鳥のから揚げと竜田揚げは種類が異なる。
また、フライ調理時間が実質的に同一である場合において、そのフライ調理時間自体も設定することができ、特に短時間に設定する場合、効果が大きく、特に、注文を受けてから調理・販売する場合において、非常に有効である。
また、揚げたて(できたて)とは、フライ調理後、一定温度・一定品質を保った状態であって、消費者ができたてと認識できる状態をいい、必ずしも調理直後のみを意味しない。逆に、調理後、一定時間(通常数分間)保持して、自己熱により調理を進ませることが必要な場合がある。
フライ調理時間は、具材の大きさ、重量、形状、衣の水分等の組成、具材の組成やフライ開始時の具材の温度等を調整することで設計・調整することができ、通常のフライ調理時間より短くしたい場合には、具材を小さくすること、具材の形状を薄くすること等で調整することができる。本発明において、複数の種類の一群の具材が3分間以下に調整されている場合が好ましく、2分30秒以下、さらには2分間以下に設定されていることが好ましく、1分30秒以下、特には1分間以下に設定されていることが好ましい。フライ調理に必要な時間が短いほど、様々な販売システムに応用することができる。
ここで、フライ調理時間を調整する場合において、その指標として、特に具材の大きさ(重量)と具材の形状が重要であり、調整の幅が大きいといえる。特に、形状の影響は大きく、同じ重量の具材であっても、形状によりフライ調理時間を大きく調整することができる。例えば、同じ重量のコロッケを球状、円柱状、扁平状に調整し、フライ調理した場合、フライ調理時間は、扁平状、円柱状、球状の順に長くなり、球状コロッケのフライ調理時間は、扁平状のコロッケの2倍程度となってしまう。これは、具材の形状の影響であり、いいかえると、具材の内部であって表面から最も遠い距離の部分(中心部)までの距離が長いほど調理時間が長く、短いほどフライ調理時間を短くすることができる。
これらのことを指標として、具材の調理時間を調整することができる。
フライ用具材の種類は特に制限されないが、コロッケ、とんかつ、メンチカツ、から揚げ、魚介類フライ、肉類フライ、野菜類フライ、かき揚げ、天ぷら、ハムカツ、フライドポテト、揚げ肉団子、プリフライタイプの天ぷら、油揚げ米菓(揚げ煎餅等)、油揚げスナック、油揚げ、さつま揚げ、アメリカンドッグ、カレーパン、ピロシキ、春巻等が含まれる。特に偏平状具材としては、コロッケ、とんかつ、メンチカツ、ハムカツ、魚のフライ等が含まれる。
これらの具材は、油槽に直接投入することも、キャリアーに固定して油槽に入れることもでき、特に制限されないが、例えば、2種以上の具材を棒状部材に対し串刺し状に設置した状態でフライ調理することもできる。この場合、必要な具材を一組に固定することができること、また、フライ調理後の飲食時においても食べ易い等のメリットを有する。また、フライ調理品として搬送する場合やその場で食べる場合において、通常必要になるパックや袋等を用いることなく、好適に行うことができるというメリットもある。図1は、それぞれ種類の異なる具材11a、11b、11c、11dをいわゆる串12で串刺した状態を示している。
本発明の具材を、各具材ごとにセットにし、または複数の具材を混合してセットにしたフライ用具材セットとして供することができる。例えば、一定フライ調理時間に設定された個々の具材を各種ごとに包装したもの、設定されたフライ調理時間ごとに複数の具材がミックされて包装されたもの等を例示することができる。
本発明は、また、以上のべた2種以上のフライ用具材の組み合わせを同時に用いてフライ調理を行うことを特徴とするフライ調理方法(フライ調理品の製造方法)を提供する。上記本発明の具材はこの使用目的のため提供されたのもである。
これらの具材について、すべて同時にフライ調理を開始することも、複数の群ごとに別々にフライ調理することもできる。すべての具材を同時にフライ調理を開始する際には、それらの具材を1のキャリアーに設置してフライ調理を行うことができる。また、複数の群ごとに別々に行う場合、仕切り板等により複数の層に区分されている油槽を用いることや、複数のキャリアーを用いることにより、好適に行うことができる。
図2は、扁平形状の具材を立てた状態に保持するための具材キャリアーを示す。図2に示すキャリアー20は、全体として箱型に形成され、下部枠体201と、上部枠体202を備え、下部枠体202には取っ手203が連接されている。下部枠体201は、複数の仕切り棒体201a〜203cにより仕切られており、複数種の具材21a〜21dを個別に立てた状態で収容するスペース201sを構成している。上部枠体202は、複数の具材21a〜21dを周囲から支える構成となっている。
図3には、具材を載置する棚段を複数段有する具材キャリアー30が示されている。この具材キャリアー30は、全体として箱型に形成された枠体301を有し、箱型枠体301の内部には複数の棚段302a〜302dが設けられている。棚段302a〜302dは、それぞれ、メッシュもしくは金網上のものであり得る。枠体301の一端には、取っ手303が連接されている。このようなキャリアー30において、棚段毎に種類が異なるが、1つの棚段には1種類の具材を載置してフライ調理を行うことができる。あるいは、1つの棚段に、調理時間が実質的に同じとなるように調整された複数種の具材の組み合わせを載置してそれら具材をフライ調理することもできる。
図4には、1のフライ調理器の油槽41が、仕切り板42(例えば、図示のように十字状仕切り板)により複数のフライ室41a〜41dに仕切られている例を示す。このような油槽において、フライ室毎に種類が異なるが、1つのフライ室には1種類の具材を収容してフライ調理を行うことができる。あるいは、1つのフライ室に、調理時間が実質的に同じとなるように調整された複数種の具材の組み合わせを収容してそれら具材をフライ調理することもできる。
本発明において、前記2種以上のフライ用具材を油面から下になるように設置して、すなわち、具材をフライ油中に置いて、加熱・フライ調理を行うことが好ましい。特に、1のキャリアーにこれらの具材を設置して行うことで、具材が浮かび上がることを防止することができ、また、他の群の具材と混合することも防止することができる。具材を油中で加熱調理することで、全ての具材を均一にフライ調理することができる。図5は、1つの油槽30内に図2に示すキャリアーを設定し、フライ油51をその油面51aが具材21a〜21dよりも上になるように収容した状態を示している。
上述したが、2種以上の具材が設置された複数のキャリアーを同時または別々に油槽内に供することができ、実際の作業に適している。この場合、比較的上面は小さく底が深い形状となり、これらの中に具材を浮かび上がらないように固定し、1または2以上を同時または別々に油槽へ投入し、取り上げるという手順となる。
これらのフライ調理品を保存・搬送する場合には、通常、樹脂系の箱型のパックが用いられる。本発明の具材をフライ調理して得られるフライ調理品は、その保存・搬送方法に制限はないが、例えば、断熱性で油脂不浸透性である袋状のシートに内包させることでも行うことができる。この場合、店頭などにおいて、該袋状のシートは場所を取らず、扱い易いため好ましい。特に、具材が小さい場合には、コンパクトであるため搬送等にも便利である。特に、その場で食する場合には大袈裟な樹脂系の箱型パックよりも簡便であり好ましい。また、その内側に油吸収性シートを設置することで余分な油分を除去することができるため好ましい。
ここで、前記袋状のシート内に直接調味料を添加することができる。例えば、塩・コショウを袋のシートに入れて振ることで均一に味付けできるし、ソース等を添加することもできる。袋状であるため、食事を途中で中止しても、その開口している口を閉じて保存・搬送できるため好ましい。通常、フライ調理品は、食卓で味付けし食する場合が多く、逆に、屋外で簡易に味付けし食することが難しいという問題があったが、本方法によれば、気軽に屋外で食することができ、特に、上述棒状に部材で串ざし状に設置された調理品については、より簡易に食することができるため好ましい。
本発明によれば、異なる複数の種類の具材をすべて揚げたての状態で提供することができることから、フライ調理作業者側としては、簡易であり揚げたて状態のフライ調理品を提供することができ、他方需要者(購入者)側は、おいしいフライ調理品を待つことなく入手することができ、しかも店舗としては、過剰製造に対するコスト面のロスや廃棄物の減少が可能であり、本発明によれば、フライ調理品提供に関するシステムや商習慣を改善することができるといえ、また、フライ調理品を屋外等で簡易に食することができることから食習慣の変更の可能性が示唆される。
より詳しくは、本発明は、1つの側面において、本発明の2種以上のフライ用具材の組み合わせを同時に用いてフライ調理することを含むフライ調理品の提供方法を提供する。このフライ調理は、注文を受けてから開始することができる。すなわち、本発明は、フライ調理品の注文販売の新たなシステムを提供する。本発明によれば、上記のように、揚げたて状態のフライ調理品を需要者に待ち時間を感じさせないで提供することができる。
さらに、このような注文販売システムでは、フライ調理品の廃棄率を低減させることができる。注文販売によらないシステムでは、通常30%の廃棄率であったものが、本発明の注文販売システムでは、廃棄率を実質0%へ低減させることができる。これにより、コスト低減、利益アップが達成され、環境・資源面からも有益であり、廃棄費用も低減させることができる。
また、本発明の注文販売システムによれば、フライ調理品の需要者拡大が期待できる。すなわち、通常の注文販売では、でき立てを食べられる反面、需要者がフライ調理品を入手するまで「待つ」ということがある。また、いつまで待つのかが不明であるためにイライラすることもある。特に、フライ品に関しては、個々の具材ごとに調理時間が異なるため、順番にフライ調理する必要があり、数種のフライ調理品を注文した場合には、調理に長時間を必要とする。
これに対し、本発明の注文販売システムでは、上記「待ち」に関するデメリットを解決することができる。すなわち、本発明によれば、注文を受けて短時間でフライ作業を終了させ、出来立てのフライを待たせずに提供することができる。従来では、具材により調理時間が異なることが、フライの種類ごとに調理を行わなければならない原因であり、フライ調理に長時間かかる原因である。本発明においては、全ての具材が同時間で調理が終わるように具材を調整されており、異なる数種のフライ用具材でも同時間で調理が終了するように調整されているので、複数種のフライの組み合わせでも、別々にフライ調理することなく、一度にフライ調理することができる。このため、注文に即対応したフライ調理品の提供が可能となる。さらに、具材を小さくしてフライ調理時間を短時間にすることにより対応性を向上させることができる。これらの場合、フライ作業自体が極めて簡易となるという利点もある。作業側のメリットが大きいこの点のみに注目し、前記“具材だけを”採用する場合も多いと思われる。
また、本発明の注文販売システムによれば、需要者に対し、上手に待たせる、すなわち実質上待っていないという状況を創ることができる。従来の注文販売システムでは、需要者にはいつまで待つかが不明確であり、この不明確な待ち時間で拘束され、時間が無駄になることがあった。
これに対し、本発明の注文販売システムでは、フライ調理時間が予め設定されているので、注文時に待ち時間が予め需要者に知らせることができる。このように、待ち時間が明確であるため、需要者は、時間を有効活用することができる。さらに、店舗側(実施側)にとっては、待ち時間を利用して需要者に他の買い物をして貰えるという利点も生じる。
実施例1
フライ調理時間が3分間となるように設計・調製したコロッケ、ポテト、鶏のから揚げを用いてフライ調理を行った。それぞれの具材の設計・調製の条件および方法を以下に示す。
1)具材の調製
<コロッケ>
マッシュポテト(グレードル食品(株)製)に湯を注ぎながらこねてパテを作り、これにバッタリング、パン粉をつける等の処理を行い、コロッケを作製した。全体の重量が13gとなるように調製した。
<ポテト>
約9.5mm角、長さ約10cmの市販のポテト(日本マッケインフーズ(株)製)を用いた。一食分として120gを用意した。
<鶏のから揚げ>
鶏の胸肉を直径約2cm程度に切り、これをバッター(から揚げの素、日本食研(株)製)に絡ませた後、油温170℃で1分間プリフライした。全体の重量が約10gになるように調製した。
2)フライ調理
前記コロッケ4個、ポテト120g、鶏のから揚げ7個を1つのフライ用籠に入れ、油温180℃で3分間フライ調理を行った。
3)評価
外観 :いずれも外観がよく、こんがりとフライされている。
調理度 :具材の中まで火が通り、好適な揚がり具合である。
食感および風味:食感、風味ともに良好であった。
以上の結果から、前記異なる種類の具材を、同じフライ時間にフライ調理が完了するように調整・設計することにより、また該調製・設計された具材の組み合わせをフライ調理することにより、複数の種類の具材でも一度にフライ作業を行うことができるため、フライ時間が非常に短くてすみ、また作業の手間が少なく、作業自体も簡易になることがわかる。
特に、本実施例においては3分間という短い時間でフライ調理が行われるように設計されているため、上記効果と併せてフライ作業時間が短く、好適な態様である。
実施例2
クレードル食品(株)製のマッシュポテト3重量部に対し7重量部の80℃の湯をゆっくり加えながらよくこねてコロッケパテを調製した。こうして調製されたパテを円板状(長径6.0cm、厚さ1.5cm)、円柱状(直径5.0cm、厚さ2.0cm)および球状(直径4.5cm)に成形した。これら成形パテの重量は、いずれも40gであった。
各成形パテにバッター液(日清製油(株)製フライミックスOT−500/日清製油(株)製ロイヤルショート/水=100:120:270(重量))を7.5gずつ付着させた後、パン粉(フライスター製フライスターカラー生パン粉)を付着させた。小判状成形パテに付着させたパン粉の量は、8.25gであり、円柱状成形パテに付着させたパン粉の量は、6.41gであり、球状成形パテに付着させたパン粉の量は、6.27gであった。こうしてパン粉を付着させたフライ用具材を−35℃で1時間で急速凍結した後、−18℃でほぼ1日間保存した。
保存後の各フライ用具材を180℃のフライ油でフライ調理し、具材の中心温度が80℃となるまでの最短時間を測定し、フライ調理時間として記録した。
その結果、小判状フライ用具材のフライ調理時間は4.5分、円柱状フライ用具材のフライ調理時間は7.5分、球状フライ用具材のフライ調理時間は9分であった。
このように、同じ重量で、同じ材料を用いたフライ用具材であっても、形状が異なることによって、フライ調理時間が大きく異なることがわかる。
実施例3
コロッケパテの重量を変えて相似形状の小判状コロッケを調製し、実施例2と同様の条件でフライ調理を行った。各コロッケのフライ調理時間を実施例2と同様に測定した。結果を以下に示す。
コロッケ重量 フライ時間
66g 4.30分
42g 4.15分
21g 3.15分
13g 2.45分
このように、相似形状のフライ用具材であっても、その重量が異なることにより、フライ調理時間が異なることがわかる。
実施例4
以下に示す重量を有する鶏のから揚げを実施例2と同様にフライ調理した。そのときのフライ時間を測定した。結果を以下に示す。
から揚げ重量 フライ時間
10g 4.30分
20g 5.30分
30g 6.00分
このように、同種のフライ用具材であっても、その重量が異なることにより、フライ調理時間が異なることがわかる。
実施例2〜4は、2種以上のフライ用具材の組み合わせを同じフライ時間で調理するために、各フライ用具材をいかに調製するかの参考となるといえる。
以上述べたように、本発明によれば、1つのフライ調理器でも、揚げたての複数のフライ調理品を同時に提供することができるフライ用具材およびフライ調理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
図1は、棒状部材により串刺しされた形態にある本発明のフライ用具材の組み合わせを示し;
図2は、扁平形状の具材を立てた状態に保持するための具材キャリアーを示す側面図であり;
図3は、具材を載置する棚段を複数段有する具材キャリアーを示す側面図であり;
図4は、複数のフライ室に仕切られた1つの油槽を示す斜視図であり;
図5は、フライ油の中に置かれた具材を示す一部断面側面図である。
本発明は、フライ用具材、並びにこれを用いたフライ調理方法およびフライ調理品に関する。
背景技術
従来、1つのフライ調理器におけるフライ調理は、同種の具材について一定量連続して調理を行い、次いで異なる具材を一定量連続して調理していくということを繰返して行っている。具材の種類ごとにフライ調理に必要な時間が異なるため、このような経時的な制限が存在する。複数の調理済のフライ調理品を提供する場合、フライ調理後、保温機能を有するケース等に保存しておき、そこから必要なフライ調理品を取り出し、組合せて行うことで対応している。しかし、この場合も、保管時間が長くなると衣に吸収されている油脂が劣化したり、衣が水分を吸収等して衣がしなってしまう等の風味や味等の品質への悪影響が生じてくる。
確かに、常時全てのフライ作業を監視し、適時必要な処置を取り続けることや、予めフライ調理にかかる時間を見越して具材の種類に応じた時間差をつけて調理を開始することにより、同時に複数の具材を揚げたての状態で得ることができ得る。しかし、現実問題として、このような対応がとれる場所は特殊な専門店等以外では存在しないのが現状であり、通常の使用、例えば飲食店、小売業店舗のバックヤード、コンビニエンスストアー等での使用を考えた場合、到底行えるものではない。
本発明は、複数種の具材のフライ調理を同時に開始した場合でも実質的に同一時間内にフライが終了するように調整された具材を提供することを目的とする。また、本発明は、かかる具材を用いて具材ごとのフライ作業時間が異なる複数の具材においても同時にフライ調理を開始し、終了することができるフライ調理方法を提供することを目的とする。特に、本発明は、1つのフライ調理器でも、揚げたての複数のフライ調理品を同時に提供することができるフライ用具材およびフライ調理方法を提供することを課題とする。
発明の開示
本発明によれば、実質的にフライ調理時間が同一となるように調整された2種以上のフライ用具材の組み合わせが提供される。フライ調理時間は、2種以上のフライ用具材の形状、大きさ、重さ、水分、衣の量、特に大きさおよび/または重量を調節することによって、実質的に同一となるようにすることができる。
また、本発明によれば、実質的にフライ調理時間が同一となるように調整された2種以上のフライ用具材を各具材毎にセットにしまたは複数の具材を混合してセットにしたフライ用具材セットが提供される。
また、本発明によれば、本発明の2種以上のフライ用具材の組み合わせを同時に用いてフライ調理することを特徴とするフライ調理方法(フライ調理品の製造方法)が提供される。
さらに、本発明によれば、本発明のフライ調理方法により得られるフライ調理品を、断熱性および油脂不浸透性である袋状のシートに内包させたことを特徴とするフライ調理品が提供される。
また、本発明は、2種以上のフライ用具材の形状および/または重量を調整することによって実質的にフライ調理時間が同一となるように調整することを特徴とするフライ用具材の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、2種以上のフライ用具材それぞれの内部であって表面から最も遠い部分(具体的には、具材の中心部)までの距離を指標としてフライ調理時間が同一となるように調整することを特徴とするフライ用部材の製造方法を提供する。
また、本発明は、本発明の2種以上のフライ用具材の組み合わせを同時に用いてフライ調理することを含むフライ調理品の提供方法を提供する。
本発明のさらなる展開は、添付の請求の範囲に記載されている。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明は、実質的にフライ調理時間が同一となるように調整された2種以上のフライ用具材の組み合わせを提供する。ここでフライ調理とは、から揚げ、天ぷら等の比較的多量の油脂を熱媒として使用する加熱調理方法であり、上記に限定されない。具材の種類、形態等は特に制限されない。
本発明は、実質的にフライ調理時間が同一となるように予め具材を設計・調整することで、従来の問題を解決し、同時に複数の具材を揚げたての状態で得ることができる。
すなわち、実質的にフライ調理時間が同一となるように予め設計・調整された複数種の具材は、1のフライ調理器に同時に投入し、調理を開始することができ、また、同時にフライ調理を終了させることができる。したがって、従来のフライ調理における経時的な制約を受けない。また、従来、各種具材ごとに調理する場合、複数のフライ調理品を得るには、具材の種類数に各一種の具材に必要な調理時間を乗じ、これを加算した時間が必要であったが、本発明の具材の組み合わせを用いれば、複数種の具材のフライ調理を同時に開始し同時に終了させることができる。したがって、本発明によれば、複数種の具材を用いて、揚げたての複数種の具材を同時にかつ短時間に得ることができる。すなわち、本発明の具材を用いることで、設定された時間、例えば数分間でフライ調理が終了し、かつ、全ての具材が揚げたての状態で得ることができる。
ここで、フライ調理時間の実質的同一とは、具材のフライ調理を終了することができる時間帯について全ての具材において重なっている時間があることをいい、特に好ましくは1の具材を見てフライ調理終了とした場合でも、他の具材の調理も好適に終了しているように調整されていることをいう。
より詳細には、フライ調理において、いわゆる「火を通す(殺菌、加熱変性等)」という目的と、できるだけ風味等を良好にするという品質面からの目的の双方を達成することを勘案した場合、フライ調理時間とは、フライ調理後において具材の中心部の温度が一定の温度、例えば80℃に達する、フライ調理時間の最短時間をいう。つまり、具材の中心部が一定温度、例えば80℃に達しない場合、上記加熱調理の目的である「火を通す(殺菌、加熱変性等)」ことを達成しておらず、また、単に80℃に達することができることを条件とすると、長時間の加熱等による過加熱から焦げや風味劣化という「品質面」の問題が生じ、上記目的を達成することができない。このため、フライ調理時間は上述の通りとされる。
また、2種以上の具材とは、その内容物等が異なる2種以上の具材ということである。これらの形状、性状、内容物、衣の種類等に関し特に制限されない。すなわち、名称上は同一であっても内容物や衣の種類等がことなれば、具材としては種類が異なる。たとえは、ジャガイモのコロッケとカニクリームコロッケは種類が異なり、単なる鳥のから揚げと竜田揚げは種類が異なる。
また、フライ調理時間が実質的に同一である場合において、そのフライ調理時間自体も設定することができ、特に短時間に設定する場合、効果が大きく、特に、注文を受けてから調理・販売する場合において、非常に有効である。
また、揚げたて(できたて)とは、フライ調理後、一定温度・一定品質を保った状態であって、消費者ができたてと認識できる状態をいい、必ずしも調理直後のみを意味しない。逆に、調理後、一定時間(通常数分間)保持して、自己熱により調理を進ませることが必要な場合がある。
フライ調理時間は、具材の大きさ、重量、形状、衣の水分等の組成、具材の組成やフライ開始時の具材の温度等を調整することで設計・調整することができ、通常のフライ調理時間より短くしたい場合には、具材を小さくすること、具材の形状を薄くすること等で調整することができる。本発明において、複数の種類の一群の具材が3分間以下に調整されている場合が好ましく、2分30秒以下、さらには2分間以下に設定されていることが好ましく、1分30秒以下、特には1分間以下に設定されていることが好ましい。フライ調理に必要な時間が短いほど、様々な販売システムに応用することができる。
ここで、フライ調理時間を調整する場合において、その指標として、特に具材の大きさ(重量)と具材の形状が重要であり、調整の幅が大きいといえる。特に、形状の影響は大きく、同じ重量の具材であっても、形状によりフライ調理時間を大きく調整することができる。例えば、同じ重量のコロッケを球状、円柱状、扁平状に調整し、フライ調理した場合、フライ調理時間は、扁平状、円柱状、球状の順に長くなり、球状コロッケのフライ調理時間は、扁平状のコロッケの2倍程度となってしまう。これは、具材の形状の影響であり、いいかえると、具材の内部であって表面から最も遠い距離の部分(中心部)までの距離が長いほど調理時間が長く、短いほどフライ調理時間を短くすることができる。
これらのことを指標として、具材の調理時間を調整することができる。
フライ用具材の種類は特に制限されないが、コロッケ、とんかつ、メンチカツ、から揚げ、魚介類フライ、肉類フライ、野菜類フライ、かき揚げ、天ぷら、ハムカツ、フライドポテト、揚げ肉団子、プリフライタイプの天ぷら、油揚げ米菓(揚げ煎餅等)、油揚げスナック、油揚げ、さつま揚げ、アメリカンドッグ、カレーパン、ピロシキ、春巻等が含まれる。特に偏平状具材としては、コロッケ、とんかつ、メンチカツ、ハムカツ、魚のフライ等が含まれる。
これらの具材は、油槽に直接投入することも、キャリアーに固定して油槽に入れることもでき、特に制限されないが、例えば、2種以上の具材を棒状部材に対し串刺し状に設置した状態でフライ調理することもできる。この場合、必要な具材を一組に固定することができること、また、フライ調理後の飲食時においても食べ易い等のメリットを有する。また、フライ調理品として搬送する場合やその場で食べる場合において、通常必要になるパックや袋等を用いることなく、好適に行うことができるというメリットもある。図1は、それぞれ種類の異なる具材11a、11b、11c、11dをいわゆる串12で串刺した状態を示している。
本発明の具材を、各具材ごとにセットにし、または複数の具材を混合してセットにしたフライ用具材セットとして供することができる。例えば、一定フライ調理時間に設定された個々の具材を各種ごとに包装したもの、設定されたフライ調理時間ごとに複数の具材がミックされて包装されたもの等を例示することができる。
本発明は、また、以上のべた2種以上のフライ用具材の組み合わせを同時に用いてフライ調理を行うことを特徴とするフライ調理方法(フライ調理品の製造方法)を提供する。上記本発明の具材はこの使用目的のため提供されたのもである。
これらの具材について、すべて同時にフライ調理を開始することも、複数の群ごとに別々にフライ調理することもできる。すべての具材を同時にフライ調理を開始する際には、それらの具材を1のキャリアーに設置してフライ調理を行うことができる。また、複数の群ごとに別々に行う場合、仕切り板等により複数の層に区分されている油槽を用いることや、複数のキャリアーを用いることにより、好適に行うことができる。
図2は、扁平形状の具材を立てた状態に保持するための具材キャリアーを示す。図2に示すキャリアー20は、全体として箱型に形成され、下部枠体201と、上部枠体202を備え、下部枠体202には取っ手203が連接されている。下部枠体201は、複数の仕切り棒体201a〜203cにより仕切られており、複数種の具材21a〜21dを個別に立てた状態で収容するスペース201sを構成している。上部枠体202は、複数の具材21a〜21dを周囲から支える構成となっている。
図3には、具材を載置する棚段を複数段有する具材キャリアー30が示されている。この具材キャリアー30は、全体として箱型に形成された枠体301を有し、箱型枠体301の内部には複数の棚段302a〜302dが設けられている。棚段302a〜302dは、それぞれ、メッシュもしくは金網上のものであり得る。枠体301の一端には、取っ手303が連接されている。このようなキャリアー30において、棚段毎に種類が異なるが、1つの棚段には1種類の具材を載置してフライ調理を行うことができる。あるいは、1つの棚段に、調理時間が実質的に同じとなるように調整された複数種の具材の組み合わせを載置してそれら具材をフライ調理することもできる。
図4には、1のフライ調理器の油槽41が、仕切り板42(例えば、図示のように十字状仕切り板)により複数のフライ室41a〜41dに仕切られている例を示す。このような油槽において、フライ室毎に種類が異なるが、1つのフライ室には1種類の具材を収容してフライ調理を行うことができる。あるいは、1つのフライ室に、調理時間が実質的に同じとなるように調整された複数種の具材の組み合わせを収容してそれら具材をフライ調理することもできる。
本発明において、前記2種以上のフライ用具材を油面から下になるように設置して、すなわち、具材をフライ油中に置いて、加熱・フライ調理を行うことが好ましい。特に、1のキャリアーにこれらの具材を設置して行うことで、具材が浮かび上がることを防止することができ、また、他の群の具材と混合することも防止することができる。具材を油中で加熱調理することで、全ての具材を均一にフライ調理することができる。図5は、1つの油槽30内に図2に示すキャリアーを設定し、フライ油51をその油面51aが具材21a〜21dよりも上になるように収容した状態を示している。
上述したが、2種以上の具材が設置された複数のキャリアーを同時または別々に油槽内に供することができ、実際の作業に適している。この場合、比較的上面は小さく底が深い形状となり、これらの中に具材を浮かび上がらないように固定し、1または2以上を同時または別々に油槽へ投入し、取り上げるという手順となる。
これらのフライ調理品を保存・搬送する場合には、通常、樹脂系の箱型のパックが用いられる。本発明の具材をフライ調理して得られるフライ調理品は、その保存・搬送方法に制限はないが、例えば、断熱性で油脂不浸透性である袋状のシートに内包させることでも行うことができる。この場合、店頭などにおいて、該袋状のシートは場所を取らず、扱い易いため好ましい。特に、具材が小さい場合には、コンパクトであるため搬送等にも便利である。特に、その場で食する場合には大袈裟な樹脂系の箱型パックよりも簡便であり好ましい。また、その内側に油吸収性シートを設置することで余分な油分を除去することができるため好ましい。
ここで、前記袋状のシート内に直接調味料を添加することができる。例えば、塩・コショウを袋のシートに入れて振ることで均一に味付けできるし、ソース等を添加することもできる。袋状であるため、食事を途中で中止しても、その開口している口を閉じて保存・搬送できるため好ましい。通常、フライ調理品は、食卓で味付けし食する場合が多く、逆に、屋外で簡易に味付けし食することが難しいという問題があったが、本方法によれば、気軽に屋外で食することができ、特に、上述棒状に部材で串ざし状に設置された調理品については、より簡易に食することができるため好ましい。
本発明によれば、異なる複数の種類の具材をすべて揚げたての状態で提供することができることから、フライ調理作業者側としては、簡易であり揚げたて状態のフライ調理品を提供することができ、他方需要者(購入者)側は、おいしいフライ調理品を待つことなく入手することができ、しかも店舗としては、過剰製造に対するコスト面のロスや廃棄物の減少が可能であり、本発明によれば、フライ調理品提供に関するシステムや商習慣を改善することができるといえ、また、フライ調理品を屋外等で簡易に食することができることから食習慣の変更の可能性が示唆される。
より詳しくは、本発明は、1つの側面において、本発明の2種以上のフライ用具材の組み合わせを同時に用いてフライ調理することを含むフライ調理品の提供方法を提供する。このフライ調理は、注文を受けてから開始することができる。すなわち、本発明は、フライ調理品の注文販売の新たなシステムを提供する。本発明によれば、上記のように、揚げたて状態のフライ調理品を需要者に待ち時間を感じさせないで提供することができる。
さらに、このような注文販売システムでは、フライ調理品の廃棄率を低減させることができる。注文販売によらないシステムでは、通常30%の廃棄率であったものが、本発明の注文販売システムでは、廃棄率を実質0%へ低減させることができる。これにより、コスト低減、利益アップが達成され、環境・資源面からも有益であり、廃棄費用も低減させることができる。
また、本発明の注文販売システムによれば、フライ調理品の需要者拡大が期待できる。すなわち、通常の注文販売では、でき立てを食べられる反面、需要者がフライ調理品を入手するまで「待つ」ということがある。また、いつまで待つのかが不明であるためにイライラすることもある。特に、フライ品に関しては、個々の具材ごとに調理時間が異なるため、順番にフライ調理する必要があり、数種のフライ調理品を注文した場合には、調理に長時間を必要とする。
これに対し、本発明の注文販売システムでは、上記「待ち」に関するデメリットを解決することができる。すなわち、本発明によれば、注文を受けて短時間でフライ作業を終了させ、出来立てのフライを待たせずに提供することができる。従来では、具材により調理時間が異なることが、フライの種類ごとに調理を行わなければならない原因であり、フライ調理に長時間かかる原因である。本発明においては、全ての具材が同時間で調理が終わるように具材を調整されており、異なる数種のフライ用具材でも同時間で調理が終了するように調整されているので、複数種のフライの組み合わせでも、別々にフライ調理することなく、一度にフライ調理することができる。このため、注文に即対応したフライ調理品の提供が可能となる。さらに、具材を小さくしてフライ調理時間を短時間にすることにより対応性を向上させることができる。これらの場合、フライ作業自体が極めて簡易となるという利点もある。作業側のメリットが大きいこの点のみに注目し、前記“具材だけを”採用する場合も多いと思われる。
また、本発明の注文販売システムによれば、需要者に対し、上手に待たせる、すなわち実質上待っていないという状況を創ることができる。従来の注文販売システムでは、需要者にはいつまで待つかが不明確であり、この不明確な待ち時間で拘束され、時間が無駄になることがあった。
これに対し、本発明の注文販売システムでは、フライ調理時間が予め設定されているので、注文時に待ち時間が予め需要者に知らせることができる。このように、待ち時間が明確であるため、需要者は、時間を有効活用することができる。さらに、店舗側(実施側)にとっては、待ち時間を利用して需要者に他の買い物をして貰えるという利点も生じる。
実施例1
フライ調理時間が3分間となるように設計・調製したコロッケ、ポテト、鶏のから揚げを用いてフライ調理を行った。それぞれの具材の設計・調製の条件および方法を以下に示す。
1)具材の調製
<コロッケ>
マッシュポテト(グレードル食品(株)製)に湯を注ぎながらこねてパテを作り、これにバッタリング、パン粉をつける等の処理を行い、コロッケを作製した。全体の重量が13gとなるように調製した。
<ポテト>
約9.5mm角、長さ約10cmの市販のポテト(日本マッケインフーズ(株)製)を用いた。一食分として120gを用意した。
<鶏のから揚げ>
鶏の胸肉を直径約2cm程度に切り、これをバッター(から揚げの素、日本食研(株)製)に絡ませた後、油温170℃で1分間プリフライした。全体の重量が約10gになるように調製した。
2)フライ調理
前記コロッケ4個、ポテト120g、鶏のから揚げ7個を1つのフライ用籠に入れ、油温180℃で3分間フライ調理を行った。
3)評価
外観 :いずれも外観がよく、こんがりとフライされている。
調理度 :具材の中まで火が通り、好適な揚がり具合である。
食感および風味:食感、風味ともに良好であった。
以上の結果から、前記異なる種類の具材を、同じフライ時間にフライ調理が完了するように調整・設計することにより、また該調製・設計された具材の組み合わせをフライ調理することにより、複数の種類の具材でも一度にフライ作業を行うことができるため、フライ時間が非常に短くてすみ、また作業の手間が少なく、作業自体も簡易になることがわかる。
特に、本実施例においては3分間という短い時間でフライ調理が行われるように設計されているため、上記効果と併せてフライ作業時間が短く、好適な態様である。
実施例2
クレードル食品(株)製のマッシュポテト3重量部に対し7重量部の80℃の湯をゆっくり加えながらよくこねてコロッケパテを調製した。こうして調製されたパテを円板状(長径6.0cm、厚さ1.5cm)、円柱状(直径5.0cm、厚さ2.0cm)および球状(直径4.5cm)に成形した。これら成形パテの重量は、いずれも40gであった。
各成形パテにバッター液(日清製油(株)製フライミックスOT−500/日清製油(株)製ロイヤルショート/水=100:120:270(重量))を7.5gずつ付着させた後、パン粉(フライスター製フライスターカラー生パン粉)を付着させた。小判状成形パテに付着させたパン粉の量は、8.25gであり、円柱状成形パテに付着させたパン粉の量は、6.41gであり、球状成形パテに付着させたパン粉の量は、6.27gであった。こうしてパン粉を付着させたフライ用具材を−35℃で1時間で急速凍結した後、−18℃でほぼ1日間保存した。
保存後の各フライ用具材を180℃のフライ油でフライ調理し、具材の中心温度が80℃となるまでの最短時間を測定し、フライ調理時間として記録した。
その結果、小判状フライ用具材のフライ調理時間は4.5分、円柱状フライ用具材のフライ調理時間は7.5分、球状フライ用具材のフライ調理時間は9分であった。
このように、同じ重量で、同じ材料を用いたフライ用具材であっても、形状が異なることによって、フライ調理時間が大きく異なることがわかる。
実施例3
コロッケパテの重量を変えて相似形状の小判状コロッケを調製し、実施例2と同様の条件でフライ調理を行った。各コロッケのフライ調理時間を実施例2と同様に測定した。結果を以下に示す。
コロッケ重量 フライ時間
66g 4.30分
42g 4.15分
21g 3.15分
13g 2.45分
このように、相似形状のフライ用具材であっても、その重量が異なることにより、フライ調理時間が異なることがわかる。
実施例4
以下に示す重量を有する鶏のから揚げを実施例2と同様にフライ調理した。そのときのフライ時間を測定した。結果を以下に示す。
から揚げ重量 フライ時間
10g 4.30分
20g 5.30分
30g 6.00分
このように、同種のフライ用具材であっても、その重量が異なることにより、フライ調理時間が異なることがわかる。
実施例2〜4は、2種以上のフライ用具材の組み合わせを同じフライ時間で調理するために、各フライ用具材をいかに調製するかの参考となるといえる。
以上述べたように、本発明によれば、1つのフライ調理器でも、揚げたての複数のフライ調理品を同時に提供することができるフライ用具材およびフライ調理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
図1は、棒状部材により串刺しされた形態にある本発明のフライ用具材の組み合わせを示し;
図2は、扁平形状の具材を立てた状態に保持するための具材キャリアーを示す側面図であり;
図3は、具材を載置する棚段を複数段有する具材キャリアーを示す側面図であり;
図4は、複数のフライ室に仕切られた1つの油槽を示す斜視図であり;
図5は、フライ油の中に置かれた具材を示す一部断面側面図である。
Claims (18)
- 実質的にフライ調理時間が同一となるように調整された2種以上のフライ用具材の組み合わせ。
- フライ調理時間が3分間以下に調整された請求項1に記載のフライ用具材の組み合わせ。
- フライ用具材が、コロッケ、とんかつ、メンチカツ、から揚げ、魚介類フライ、肉類フライ、野菜類フライ、かき揚げ、天ぷら、ハムカツ、フライドポテト、揚げ肉団子、プリフライタイプの天ぷら、油揚げ米菓(揚げ煎餅等)、油揚げスナック、油揚げ、さつま揚げ、アメリカンドッグ、カレーパン、ピロシキ、春巻から選ばれる2種以上である請求項1に記載のフライ用具材の組み合わせ。
- 2種以上の具材が棒状部材により串刺しされた形態にある請求項1に記載のフライ用具材の組み合わせ。
- 前記2種以上のフライ用具材のフライ調理時間が、該フライ用具材の重量および/形状を調整することによって実質的に同一とされる請求項1に記載のフライ用具材の組み合わせ。
- 前記2種以上のフライ用具材のフライ調理時間が、該フライ用具材の内部であって表面から最も遠い部分までの距離を指標として調整されている請求項1に記載のフライ用具材の組み合わせ。
- 請求項1に記載の具材を、フライ用具材を各具材毎にセットにしまたは複数の具材を混合してセットにしたフライ用具材セット。
- 請求項1に記載の2種以上のフライ用具材の組み合わせを同時に用いてフライ調理することを特徴とするフライ調理品の製造方法。
- 2種以上のフライ用具材をフライ油層の上面より下になるように設置してフライ調理を行うことを特徴とする請求項8に記載のフライ調理品の製造方法。
- 2種以上の具材を1のキャリアーに設置してフライ調理を行うことを特徴とする請求項9に記載のフライ調理品の製造方法。
- 2種以上の具材が設置された複数のキャリアーを同時または別々に油層内に供してフライ調理を行うことを特徴とする請求項9に記載のフライ調理品の製造方法。
- 請求項8に記載のフライ調理方法により得られるフライ調理品を、断熱性および油脂不浸透性である袋状のシートに内包させたことを特徴とするフライ調理品。
- 袋状のシートの内側に油吸収剤が設けられていることを特徴とする請求項12に記載のフライ調理品。
- 前記袋状のシート内において直接調味料が添加されたことを特徴とする請求項13に記載のフライ調理品。
- 2種以上のフライ用具材の形状および/または重量を調整することによって実質的にフライ調理時間が同一となるように調整することを特徴とするフライ用具材の製造方法。
- 2種以上のフライ用具材それぞれの内部であって表面から最も遠い部分までの距離を指標としてフライ調理時間が同一となるように調整することを特徴とするフライ用部材の製造方法。
- 請求項1に記載の2種以上のフライ用具材の組み合わせを同時に用いてフライ調理することを含むフライ調理品の提供方法。
- フライ調理を注文を受けてから開始することを特徴とする請求項17に記載のフライ調理品の提供方法。
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