JPH0543672Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【0001】

【産業上の利用分野】 この考案はコロツケ種表
面に衣およびパン粉からなる外被を被着したコロ
ツケ生地に関する。

【0002】

【従来の技術】 一般に、揚物料理として知られ
るコロツケは、まず魚、カニ、エビ、鳥獣肉、
卵、野菜などのうち１種または２〜３種を主材料
として蒸煮またはゆで煮し、あるいは炒めた後、
細かく切るか粉砕した後、調味してコロツケ種を
調製する。

【0003】 このようなコロツケ種は、さらにその
外形状を木の葉（小判）型、俵型などに成形し、
これに小麦粉、生卵を順に被着するか、または、
小麦粉、食塩、乾燥卵などを配合した所定の衣液
に浸け、ついでパン粉を付けてコロツケ生地とす
る。業務用ではこれを急速冷凍して流通させ、消
費者、小売店が適宜食用油で揚げてコロツケ料理
としている。

【0004】

【考案が解決しようとする課題】 上記したコロ
ツケは、食用油で揚げた後、温かく柔らかいうち
に食することが好ましいため、惣菜として皿に移
し、箸かナイフ、フオークなどの食器を用いなけ
れば食べるのが難しいものである。そのため、こ
のようなコロツケをもつと簡便に食し得る状態、
たとえば、大型のソーセージ等のように串刺しの
状態で食器を用いずに食べられないか、という新
しい利用形態の開発が求められていた。

【0005】 しかし、油で揚げた後、食事に適する
温度（40〜50℃）でのコロツケ種は柔らかくて、
いわゆる串持ちが悪く、また串の外周円に沿つて
食用油がコロツケ種に浸み込むので串とコロツケ
種が離れ易く、これらを一体に保持しながら食す
ることは困難であつた。

【0006】 この考案は、上記したようにコロツケ
を、温かく柔らかい状態で食する場合に、手を汚
さないように串刺しして食することが難しいとい
う問題点を解決し、コロツケ生地を油で揚げた
際、このものを串刺しの状態で確実に保持して食
し得るようにすることを課題としている。

【0007】

【課題を解決するための手段】 上記の課題を解
決するため、この考案においてはコロツケ種表面
に衣およびパン粉からなる外被を被着したコロツ
ケ生地において、このコロツケ生地に串を刺して
設けると共にこの串の外周面と生地端面とに跨が
つて継手状外被を被着した構成を採用したのであ
る。

【0008】 また、前記コロツケ種は、５重量％以
上のナチユラルチーズが混入されているものであ
つてよい。

【0009】

【作用】 上記したように構成されるこの考案に
係るコロツケ生地は、コロツケ生地端面に突出す
る串の外周面と前記生地端面とに跨る継手状外被
を有するので、食用油で揚げた際に、串の外周面
に沿つて食用油がコロツケ種に浸み込まず、串と
コロツケ種が離れない。また、継手状外被を介し
て外被と共にコロツケ生地が串に固定されるの
で、コロツケ生地を串刺しの状態で保持して食す
ることができる。ナチユラルチーズが５重量％以
上混入されたコロツケ種は、ナチユラルチーズが
高温の油中で溶けた後、食事に適当な温度で串に
粘着するので、前記保持状態が一層確実になる。

【0010】

【実施例】 この考案の実施例を以下図面に基づ
いて説明する。

【0011】 図１に示すように、実施例はコロツケ
種１表面に衣２およびパン粉３からなる外被４を
被着したコロツケ生地Ａに、串５を刺して設け、
この串５の外周面と生地端面ａとに跨つて継手状
外被６を被着してコロツケ生地を構成したもので
ある。

【0012】 コロツケ種１は、熱湯で煮たジヤガイ
モを粉砕し、玉ねぎのみじん切りとひき肉を炒め
て加え、塩、コシヨウ等で調味し、さらに全体量
の５重量％の硬質のナチユラルチーズを添加し、
混合器に入れて均一に混合したものを成型器に
て、長手状の俵型に成形したものである。

【0013】 衣２は、全卵を用いるか、または、小
麦粉、食塩、ベーキング・パウダー、乾燥全卵、
脱脂粉乳、シヨートニング、グルタミン酸ソーダ
等を配合した汎用の衣液を用いてもよく、このよ
うな衣液中に、前記したコロツケ種１を順次、通
過させる。なお、衣液には市販のピザソースを混
入すると、色調の良いものが得られる。

【0014】 パン粉３は、その被着量が、コロツケ
生地Ａの重量の10〜15％程度が一般的であり、そ
の粒の大きさは粉状のものと共に、５mm程度の小
片を含ませることが好ましい。

【0015】 コロツケ種１に、順次衣２およびパン
粉３を被着した後、コロツケ生地Ａの端面ａより
２／３程度の深さまで木製の串５を挿通する。この
ような串５は、断面円形のものを示したが、細長
く平らに成形したへら状のもの、その他の形状の
ものであつてよいのはもちろんである。

【0016】 継手状外被６は串５を刺した状態のコ
ロツケ生地Ａに対して前記した外被４と同様の材
料からなる衣２およびパン粉３を被着している。
その場合の被着方法としては、衣液を刷毛（図示
せず）で塗布するか、回転自在な状態で横に並べ
た前記のコロツケ生地Ａに、衣液の適量を滴下す
るなどしてもよく、その後、パン粉３を振りかけ
るようにして被着する。また、継手状外被６は、
前記したようにコロツケ生地Ａ全体を被う外被４
と同質の外被を採用する他、油で揚げた際に前記
外被４より一層硬質となるように、適当な硬化成
分を添加するか、またはパン粉３を硬質の大粒の
ものにする等の手法により、一層、保持力を高め
ることができる。

【0017】 また、ナチユラルチーズは、油で揚げ
た際のコロツケ種内温度（80〜90℃）で溶けた状
態となり、コロツケの食べごろの内部温度（40〜
50℃）で粘性を増すものであつて、例えば半硬性
のブリツクチーズ、ロマノチーズ、硬性のチエダ
ーチーズ、エダムチーズ、ゴーダチーズ、パルメ
ザンチーズなどが好ましいものとして挙げられ
る。このようなナチユラルチーズの添加量はコロ
ツケ種全重量の５重量％以上である。なぜなら５
重量％未満の少量では、串５に対する粘着性がき
わめて劣り、添加しない場合と大差がないからで
ある。

【0018】

【効果】 この考案は、以上説明したように油で
揚げられたコロツケを温かいうちに串刺しの状態
で保持して食べられるので、コロツケを時間、場
所を選ばず広く軽食に適した利用形態とすること
ができ、食品としての利用性を顕著に高めること
ができる。したがつて、この考案の産業上の利用
価値はきわめて高いということができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の一部を切り欠いて示す斜視図

【図２】同上の縦断面図。

【符号の説明】

Ａ……コロツケ生地 ａ……生地端面 １……コロツケ種 ２……衣 ３……パン粉 ４……外被 ５……串 ６……継手状外被。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コロツケ種表面に衣およびパン粉
   からなる外被を被着したコロツケ生地において、
   このコロツケ生地に串を刺して設けると共にこの
   串の外周面と生地端面とに跨がつて継手状外被を
   被着したことを特徴とするコロツケ生地。
2. 【請求項２】 前記コロツケ種には５重量％以上
   のナチユラルチーズが混入されている請求項１記
   載のコロツケ生地。