JPWO2003016181A1 - 布補強コンベヤベルト - Google Patents
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Abstract
1対のプーリ間に掛け回され、いずれかのプーリを回転させることにより無端回走させられて、荷を搬送する布補強コンベヤベルトである。このコンベヤベルトは、厚さ方向に積層するように配設され複数枚、好ましくは4枚の補強布を備え、その内側の補強布の弾性係数は、外側の補強布の弾性係数より大としてある。内側の補強布はポリエステル製の帆布により、また外側の補強布は、ナイロンを代表とするポリアミド製の帆布により形成するのが好ましい。
Description
技術分野
本発明は、布により補強されたコンベヤベルトに関する。
背景技術
従来、コンベヤベルトを補強するため、種々の芯材や補強布がコンベヤベルトの内部に設けられている。
補強布としては、合成繊維製のいわゆる帆布が広く用いられている。補強布は、ベルトの長手方向を向く帯状とし、かつ厚さ方向に複数枚が積層するようにして、コンベヤベルト内に配設される。
図4に示すように、この種の布補強コンベヤベルト(1)は、その端末同士を接合して無端ベルトとし、それを1対のプーリ(2)(3)間に掛け回して、いずれか一方のプーリ(2)または(3)をモータ等により回転させることによって、無端回走させられ、上側の回走路上に搬送物を載置して搬送し、さらに、その下側の回走路に沿って配設した1対のガイドプーリ(4)(5)間から、下方にU字状に引き出されて、その下端部が、下方に向けてばね付勢させたテンションプーリ(6)に掛け回されて使用されることが多い。
図4に示す使用状態において、コンベヤベルト(1)が各プーリ(1)〜(6)のまわりを回走するとき、例えば図5に示すように、コンベヤベルト(1)内に配設された複数の補強布(7)のうち、外側のものには引張り応力が、また内側のものには圧縮応力がかかる。
このような現象は、掛け回されるプーリの外周径が小さいほど、またベルトの厚さや補強布(7)の枚数、すなわちプライ数が大きいほど顕著に現われる。
このような現象に対処するため、従来は、例えば複数の補強布のうち、外側のものの破断強度が内側のものより大となるように、各層の補強布の材質を定めるようにしたものがあるが(特開平11−227919号公報参照)、それだけでは十分とはいえない。特に、外側の補強布の破断強度を大とすると、プーリのまわりを回走するときに、回走抵抗が大となり、駆動用のモータ等を大型の強力なものとしなければならなくなる。
また、図4に示すように、コンベヤベルト(1)は、ガイドプーリ(4)(5)のまわりを回るときは、プーリ(2)(3)のまわりを回るときとは逆の方向に屈曲するので、その両方に好適となるように、各プライの材質を定めるのは困難である。
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、耐屈曲疲労性に優れ、しかも無端回走時に回走抵抗が小さく、円滑に回走しうるようにした布補強コンベヤベルトを提供することを目的としている。
発明の開示
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)長手方向を向く複数枚の補強布を、厚さ方向に積層させて内部に配設した布補強コンベヤベルトにおいて、厚さ方向の内側の補強布の弾性係数を、外側の補強布の弾性係数より大とする。
このようにすることによって、ベルトがプーリの回りを回走するとき、プーリから最も離れた外側の補強布が伸び易く、かつプーリから最も近い補強布が圧縮され易くなり、ベルトの耐屈曲疲労性が向上するとともに、プーリのまわりを回るときのベルトの走行抵抗が軽減し、ベルトは円滑に回走しうるようになる。
(2)上記(1)項において、内側の補強布の弾性係数を、外側の補強布の弾性係数の1.5〜4倍とすると、上記(1)の効果を最もよく発揮することができる。1.5未満とすると、差を設けた効果が十分に発揮できず、また4以上とすると、差が過大となって、かえってバランスが悪くなる。
(3)上記(1)または(2)項において、厚さ方向における補強布の枚数であるプライ数を、4とし、内側の2枚の補強布の弾性係数を、外側の2枚の補強布の弾性係数より大とすると、最小のプライ数で、十分な効果を発揮でき、実用性を高めることができる。なお、プライ数を、4以上とすることもでき、この場合にも、内側の2枚の補強布の弾性係数を、外側の2枚の補強布の弾性係数より大とすると、ほぼ同様の効果を奏することができる。
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、内側の補強布を、ポリエステル製とし、かつ外側の補強布を、ポリアミド製とすると、高性能のコンベヤベルトを安価に製造することができる。
ポリエステル布は、引張られても伸びにくいが、曲げに対しては弱い性質があり、ナイロンを代表とするポリアミド布は、逆に引張られると伸び易く、かつ曲げに対しては、強い性質がある。これらの両者の性質を最大限に利用できる配置としたのが、上記の配置であって、これによって、ナイロン並の小プーリ径への追従性が得られるとともに、伸びを最小限におさえ、ポリエステル並のショートテークアップが可能となる。
さらに、ベルトの接合部分の疲労性も改善することができる。
(5)上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、各プライの補強布の端部同士を互いに突き合わせるとともに、各プライの突き合わせ部を互いにベルト長手方向に位置をずらして、端部同士を接合することにより、無端ベルトとすると、ベルトがプーリのまわりを回走するとき、応力が1箇所に集中するのを防止することができる。
本発明を実施するための最良の形態
本発明の布補強コンベヤベルトの一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、この布補強コンベヤベルト(以下単にベルトという)(10)は、長手方向を向く4プライの補強布(11)(12)(13)(14)を、相互の間にゴム層(15)(16)(17)を挟み、かつ最外層のカバーゴム(18)(19)を添設して、ベルト厚さ方向(図1の上下方向)に積層し、ゴム層(15)(16)(17)及びカバーゴム(18)(19)を加硫して、帯状に形成されている。
帯状としたベルト(10)の端末同士は、図1に示すように、各プライの補強布(11)(12)(13)(14)の端末同士を、例えば10mm程度のわずかの間隙を隔てて互いに突き合わせるとともに、その突き合わせ部(11a)(12a)(13a)(14a)を、互いにベルト長手方向に、例えば250mmずつ位置を順次ずらし、かつそれらの突き合わせ部(11a)(12a)(13a)(14a)を含む範囲のゴム層(15)(16)(17)及びカバーゴム(18)(19)を再加硫することにより互いに接合され、ベルト(10)は無端となっている。
4プライの補強布(11)〜(14)のうち、内側の2プライの補強布(12)(13)は、ポリエステル布、好ましくはポリエステル製の帆布により、外側の2プライの補強布(11)(14)よりも長手方向の弾性係数が大となるように形成されている。外側の補強布(11)(14)は、ポリアミド布、好ましくはポリアミド製の帆布により形成されている。
内側の補強布(12)(13)の弾性係数(E1)と、外側の補強布(11)(14)の弾性係数(E2)との比E1/E2は、1.5〜4の範囲に定めるのが好ましい。
ポリエステル布の具体例としては、少なくとも縦糸がポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルよりなる織布を用いることができる。
ポリエステル布は、縦糸のみがこれらPET、PEN等からなるものであってもよく、縦糸及び横糸が、共にPET、PEN等からなるものであってもよい。
縦糸のみがPET、PEN等からなるポリエステル布の場合、横糸としては、6−ナイロン、6.6−ナイロン、4.6−ナイロン、MXD6ナイロン等のポリアミトや、ビニロン等のポリビニルアルコール、レーヨン、綿、E/C混紡等を用いることができる。
ポリアミド布の具体例としては、少なくとも縦糸が、6−ナイロン、6.6−ナイロン、4.6−ナイロン等のポリアミドよりなる織布を用いることができる。このポリアミド布もまた、縦糸のみが6−ナイロン等からなるものであってもよく、縦糸及び横糸が共に6−ナイロン等からなるものであってもよい。
縦糸のみが6−ナイロン等からなるポリアミド布の場合、横糸としては、PET、PEN等のポリエステルや、ビニロン等のPVAや、レーヨン、綿等を用いることができる。
各補強布(11)〜(14)の横糸は、通常糸(フィラメント糸、スパン糸)に限らず、ナイロン、ビニロン、PET等のモノフィラメント糸を使用することもできる。
これらの補強布(11)〜(14)の織り方には、特に制限はなく、平織、ストレートワープ織、綾織、すだれ織等のいずれでもよい。
また、補強布を構成する繊維の撚り数や目付等にも、特に制限はなく、上述の弾性係数の比を満足する設計であればよい。
ゴム層(15)(16)(17)及びカバーゴム(18)(19)の材質は、特に制限はなく、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、エチレン・プロピレンゴム(EPR)等の合成ゴム、またはこれらのブレンドゴムを採用することができる。
カバーゴム(18)(19)と、それらの間の補強材層との厚さの比等は、布補強コンベヤベルト(1)の使用目的等によっても異なるが、通常の場合、補強材層の厚さを0.2〜1.0cm、上側(表)のカバーゴム(18)の厚さを0.3〜1.0cmとし、下側のカバーゴム(19)の厚さを0.2〜0.4cmとし、合計厚さが0.7〜2.4cmの布補強コンベヤベルト(1)とするのが好ましい。
実施例
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
実施例及び比較例で用いた布補強コンベヤベルトは次のとおりである。
共通条件
ベルト全長(無端) 1750mm
上部カバーゴム(18)厚さ 6mm
下部カバーゴム(19)厚さ 3mm
ゴム剪断弾性係数 0.5MPa
構造 第1図に示すとおり
試験方法
ドイツ国工業規格DIN22110に準拠した装置を用いて、上記各ベルトを、直径500mmの1対のプーリ間に掛け回し、ベルトの接合部分が直線回走路に位置するようにして、一方のプーリを他方のプーリから離れる方向に牽引したときの各ベルトにおける図1に1点鎖線で示した部分の距離と張力との関係を測定した。結果を図2に示す。
また同様にして、ベルトの接合部分が一方のプーリの頂部に位置したときのベルトにおける上記と同様の部分の距離と曲げ応力との関係を図3に示す。
図2及び図3におけるA〜Dは、図1に示すA〜Dの各点に対応するピーク値を示す。
比較例1及び2においては、図2の(III)(IV)に示すように、A〜Dのピーク値に大きな差が生じており、張力が一部に集中しているのに対し、実施例1及び2においては、(I)(II)に示すように、A〜Dのピーク値の差が小さく、張力がほぼ均一に分散していることがわかる。
図3においては、(III)の比較例1のものにおけるピーク値のばらつきが最も大きく、(I)の実施例1のものにおけるピーク値のばらつきが最も小さく、ほぼ均一であり、(II)の実施例2のものと、(IV)の比較例2のものとは、ピーク値に若干のばらつきが見られるが、図2と図3の両方の結果を総合的に判断すると、実施例1及び2のものが、比較例1及び2のものより優れていることが判る。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明の布補強コンベヤベルトは、プーリに掛け回されることがある、あらゆる種類のベルトコンベヤに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の布補強コンベヤベルトの接合部分を模式的に示す縦断側面図、図2は、本発明の実施例と比較例とを試験装置に装着して引張したときの同一部分の距離と張力との関係を示す図、図3は、同じく、距離と曲げ応力との関係を示す図、図4は、従来の布補強コンベヤベルトの使用状態を示す概略側面図、図5は、同じく1個のプーリに掛け回されたベルトを模式的に示す図である。
本発明は、布により補強されたコンベヤベルトに関する。
背景技術
従来、コンベヤベルトを補強するため、種々の芯材や補強布がコンベヤベルトの内部に設けられている。
補強布としては、合成繊維製のいわゆる帆布が広く用いられている。補強布は、ベルトの長手方向を向く帯状とし、かつ厚さ方向に複数枚が積層するようにして、コンベヤベルト内に配設される。
図4に示すように、この種の布補強コンベヤベルト(1)は、その端末同士を接合して無端ベルトとし、それを1対のプーリ(2)(3)間に掛け回して、いずれか一方のプーリ(2)または(3)をモータ等により回転させることによって、無端回走させられ、上側の回走路上に搬送物を載置して搬送し、さらに、その下側の回走路に沿って配設した1対のガイドプーリ(4)(5)間から、下方にU字状に引き出されて、その下端部が、下方に向けてばね付勢させたテンションプーリ(6)に掛け回されて使用されることが多い。
図4に示す使用状態において、コンベヤベルト(1)が各プーリ(1)〜(6)のまわりを回走するとき、例えば図5に示すように、コンベヤベルト(1)内に配設された複数の補強布(7)のうち、外側のものには引張り応力が、また内側のものには圧縮応力がかかる。
このような現象は、掛け回されるプーリの外周径が小さいほど、またベルトの厚さや補強布(7)の枚数、すなわちプライ数が大きいほど顕著に現われる。
このような現象に対処するため、従来は、例えば複数の補強布のうち、外側のものの破断強度が内側のものより大となるように、各層の補強布の材質を定めるようにしたものがあるが(特開平11−227919号公報参照)、それだけでは十分とはいえない。特に、外側の補強布の破断強度を大とすると、プーリのまわりを回走するときに、回走抵抗が大となり、駆動用のモータ等を大型の強力なものとしなければならなくなる。
また、図4に示すように、コンベヤベルト(1)は、ガイドプーリ(4)(5)のまわりを回るときは、プーリ(2)(3)のまわりを回るときとは逆の方向に屈曲するので、その両方に好適となるように、各プライの材質を定めるのは困難である。
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、耐屈曲疲労性に優れ、しかも無端回走時に回走抵抗が小さく、円滑に回走しうるようにした布補強コンベヤベルトを提供することを目的としている。
発明の開示
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)長手方向を向く複数枚の補強布を、厚さ方向に積層させて内部に配設した布補強コンベヤベルトにおいて、厚さ方向の内側の補強布の弾性係数を、外側の補強布の弾性係数より大とする。
このようにすることによって、ベルトがプーリの回りを回走するとき、プーリから最も離れた外側の補強布が伸び易く、かつプーリから最も近い補強布が圧縮され易くなり、ベルトの耐屈曲疲労性が向上するとともに、プーリのまわりを回るときのベルトの走行抵抗が軽減し、ベルトは円滑に回走しうるようになる。
(2)上記(1)項において、内側の補強布の弾性係数を、外側の補強布の弾性係数の1.5〜4倍とすると、上記(1)の効果を最もよく発揮することができる。1.5未満とすると、差を設けた効果が十分に発揮できず、また4以上とすると、差が過大となって、かえってバランスが悪くなる。
(3)上記(1)または(2)項において、厚さ方向における補強布の枚数であるプライ数を、4とし、内側の2枚の補強布の弾性係数を、外側の2枚の補強布の弾性係数より大とすると、最小のプライ数で、十分な効果を発揮でき、実用性を高めることができる。なお、プライ数を、4以上とすることもでき、この場合にも、内側の2枚の補強布の弾性係数を、外側の2枚の補強布の弾性係数より大とすると、ほぼ同様の効果を奏することができる。
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、内側の補強布を、ポリエステル製とし、かつ外側の補強布を、ポリアミド製とすると、高性能のコンベヤベルトを安価に製造することができる。
ポリエステル布は、引張られても伸びにくいが、曲げに対しては弱い性質があり、ナイロンを代表とするポリアミド布は、逆に引張られると伸び易く、かつ曲げに対しては、強い性質がある。これらの両者の性質を最大限に利用できる配置としたのが、上記の配置であって、これによって、ナイロン並の小プーリ径への追従性が得られるとともに、伸びを最小限におさえ、ポリエステル並のショートテークアップが可能となる。
さらに、ベルトの接合部分の疲労性も改善することができる。
(5)上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、各プライの補強布の端部同士を互いに突き合わせるとともに、各プライの突き合わせ部を互いにベルト長手方向に位置をずらして、端部同士を接合することにより、無端ベルトとすると、ベルトがプーリのまわりを回走するとき、応力が1箇所に集中するのを防止することができる。
本発明を実施するための最良の形態
本発明の布補強コンベヤベルトの一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、この布補強コンベヤベルト(以下単にベルトという)(10)は、長手方向を向く4プライの補強布(11)(12)(13)(14)を、相互の間にゴム層(15)(16)(17)を挟み、かつ最外層のカバーゴム(18)(19)を添設して、ベルト厚さ方向(図1の上下方向)に積層し、ゴム層(15)(16)(17)及びカバーゴム(18)(19)を加硫して、帯状に形成されている。
帯状としたベルト(10)の端末同士は、図1に示すように、各プライの補強布(11)(12)(13)(14)の端末同士を、例えば10mm程度のわずかの間隙を隔てて互いに突き合わせるとともに、その突き合わせ部(11a)(12a)(13a)(14a)を、互いにベルト長手方向に、例えば250mmずつ位置を順次ずらし、かつそれらの突き合わせ部(11a)(12a)(13a)(14a)を含む範囲のゴム層(15)(16)(17)及びカバーゴム(18)(19)を再加硫することにより互いに接合され、ベルト(10)は無端となっている。
4プライの補強布(11)〜(14)のうち、内側の2プライの補強布(12)(13)は、ポリエステル布、好ましくはポリエステル製の帆布により、外側の2プライの補強布(11)(14)よりも長手方向の弾性係数が大となるように形成されている。外側の補強布(11)(14)は、ポリアミド布、好ましくはポリアミド製の帆布により形成されている。
内側の補強布(12)(13)の弾性係数(E1)と、外側の補強布(11)(14)の弾性係数(E2)との比E1/E2は、1.5〜4の範囲に定めるのが好ましい。
ポリエステル布の具体例としては、少なくとも縦糸がポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルよりなる織布を用いることができる。
ポリエステル布は、縦糸のみがこれらPET、PEN等からなるものであってもよく、縦糸及び横糸が、共にPET、PEN等からなるものであってもよい。
縦糸のみがPET、PEN等からなるポリエステル布の場合、横糸としては、6−ナイロン、6.6−ナイロン、4.6−ナイロン、MXD6ナイロン等のポリアミトや、ビニロン等のポリビニルアルコール、レーヨン、綿、E/C混紡等を用いることができる。
ポリアミド布の具体例としては、少なくとも縦糸が、6−ナイロン、6.6−ナイロン、4.6−ナイロン等のポリアミドよりなる織布を用いることができる。このポリアミド布もまた、縦糸のみが6−ナイロン等からなるものであってもよく、縦糸及び横糸が共に6−ナイロン等からなるものであってもよい。
縦糸のみが6−ナイロン等からなるポリアミド布の場合、横糸としては、PET、PEN等のポリエステルや、ビニロン等のPVAや、レーヨン、綿等を用いることができる。
各補強布(11)〜(14)の横糸は、通常糸(フィラメント糸、スパン糸)に限らず、ナイロン、ビニロン、PET等のモノフィラメント糸を使用することもできる。
これらの補強布(11)〜(14)の織り方には、特に制限はなく、平織、ストレートワープ織、綾織、すだれ織等のいずれでもよい。
また、補強布を構成する繊維の撚り数や目付等にも、特に制限はなく、上述の弾性係数の比を満足する設計であればよい。
ゴム層(15)(16)(17)及びカバーゴム(18)(19)の材質は、特に制限はなく、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、エチレン・プロピレンゴム(EPR)等の合成ゴム、またはこれらのブレンドゴムを採用することができる。
カバーゴム(18)(19)と、それらの間の補強材層との厚さの比等は、布補強コンベヤベルト(1)の使用目的等によっても異なるが、通常の場合、補強材層の厚さを0.2〜1.0cm、上側(表)のカバーゴム(18)の厚さを0.3〜1.0cmとし、下側のカバーゴム(19)の厚さを0.2〜0.4cmとし、合計厚さが0.7〜2.4cmの布補強コンベヤベルト(1)とするのが好ましい。
実施例
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
実施例及び比較例で用いた布補強コンベヤベルトは次のとおりである。
共通条件
ベルト全長(無端) 1750mm
上部カバーゴム(18)厚さ 6mm
下部カバーゴム(19)厚さ 3mm
ゴム剪断弾性係数 0.5MPa
構造 第1図に示すとおり
試験方法
ドイツ国工業規格DIN22110に準拠した装置を用いて、上記各ベルトを、直径500mmの1対のプーリ間に掛け回し、ベルトの接合部分が直線回走路に位置するようにして、一方のプーリを他方のプーリから離れる方向に牽引したときの各ベルトにおける図1に1点鎖線で示した部分の距離と張力との関係を測定した。結果を図2に示す。
また同様にして、ベルトの接合部分が一方のプーリの頂部に位置したときのベルトにおける上記と同様の部分の距離と曲げ応力との関係を図3に示す。
図2及び図3におけるA〜Dは、図1に示すA〜Dの各点に対応するピーク値を示す。
比較例1及び2においては、図2の(III)(IV)に示すように、A〜Dのピーク値に大きな差が生じており、張力が一部に集中しているのに対し、実施例1及び2においては、(I)(II)に示すように、A〜Dのピーク値の差が小さく、張力がほぼ均一に分散していることがわかる。
図3においては、(III)の比較例1のものにおけるピーク値のばらつきが最も大きく、(I)の実施例1のものにおけるピーク値のばらつきが最も小さく、ほぼ均一であり、(II)の実施例2のものと、(IV)の比較例2のものとは、ピーク値に若干のばらつきが見られるが、図2と図3の両方の結果を総合的に判断すると、実施例1及び2のものが、比較例1及び2のものより優れていることが判る。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明の布補強コンベヤベルトは、プーリに掛け回されることがある、あらゆる種類のベルトコンベヤに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の布補強コンベヤベルトの接合部分を模式的に示す縦断側面図、図2は、本発明の実施例と比較例とを試験装置に装着して引張したときの同一部分の距離と張力との関係を示す図、図3は、同じく、距離と曲げ応力との関係を示す図、図4は、従来の布補強コンベヤベルトの使用状態を示す概略側面図、図5は、同じく1個のプーリに掛け回されたベルトを模式的に示す図である。
Claims (5)
- 長手方向を向く複数枚の補強布を、厚さ方向に積層させるようにして内部に配設した布補強コンベヤベルトにおいて、
厚さ方向の内側の補強布の弾性係数を、外側の補強布の弾性係数より大としたことを特徴とする布補強コンベヤベルト。 - 内側の補強布の弾性係数を、外側の補強布の弾性係数の1.5〜4倍とした請求項1記載の布補強コンベヤベルト。
- 厚さ方向における補強布の枚数であるプライ数を、4以上とし、内側の2枚の補強布の弾性係数を、外側の2枚の補強布の弾性係数より大とした請求項1または2記載の布補強コンベヤベルト。
- 内側の補強布を、ポリエステル製とし、かつ外側の補強布を、ポリアミド製とした請求項1〜3のいずれかに記載の布補強コンベヤベルト。
- 各プライの補強布の端部同士を互いに突き合わせるとともに、各プライの突き合わせ部を互いにベルト長手方向に位置をずらして、端部同士を接合することにより、無端ベルトとした請求項1〜4のいずれかに記載の布補強コンベヤベルト。
Applications Claiming Priority (1)
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JPWO2003016181A1 true JPWO2003016181A1 (ja) | 2004-12-02 |
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JP2003521120A Pending JPWO2003016181A1 (ja) | 2001-08-09 | 2001-08-09 | 布補強コンベヤベルト |
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CN106927186B (zh) * | 2015-12-30 | 2020-12-11 | 山西凤凰胶带有限公司 | 管式传送带 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH02261711A (ja) * | 1989-03-31 | 1990-10-24 | Tokai Rubber Ind Ltd | コンベヤベルト |
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