JPWO2003010697A1 - バナー広告転送サーバーおよびバナー広告転送プログラム - Google Patents
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Abstract
バナー広告に対するクリック数を無理なく増加させることができる。ネットワークによって結ばれた複数のクライアントにバナー広告を転送するサーバーであって、該サーバーは、バナー広告のクリック信号を解析する手段と、同信号をサーバーへの登録者毎にカウントする手段と、当該カウント累計数に応じて前記登録者に係るバナー広告の転送量を決定する手段とを有する。クリック信号解析手段は、クリックされたバナー広告、クリックした登録者、およびクリック時刻を解析する。
Description
技術分野
本発明は、ネットワークによって結ばれた複数のクライアントにバナー広告を転送するサーバーおよびバナー広告転送プログラムに関するものである。
背景技術
インターネットに代表されるコンピュータネットワークの急速な普及に伴い、ネットワーク上の広告手法には多くの関心が寄せられている。このような広告手法として、広告主ホームページへのエントリーアドレスを有し、広告主名や簡単な商品コピーをイメージ化した情報で構成されたバナー広告が知られている。バナー広告は興味を持たれた利用者によって、クリック操作されることにより、前記広告主ホームページにエントリーされ、詳細な広告情報が提供されるものである。しかしながら、バナー広告に掲載可能な情報量には、大きさによる制約が課せられる一方、バナー広告が利用者によってクリックされる割合は、一般に極めて低く、特に我が国ではバナー広告は殆ど普及していない。
特開２０００−１９４６３６号公報には、バナー広告のクリック率を高める工夫として、バナー広告を付加した情報提供方法において、利用者による前記バナー広告の操作結果に基づいて情報提供の可否を決定することを特徴する発明が記載されている。そして、その情報提供の可否決定は、利用者による前記バナー広告の操作検出時に規定ポイントを加算し、利用者による情報提供利用時間で該ポイントを減算し、ポイントが有効（整数値）な時のみ情報提供を許可する度数管理方式としてもよいとされている。
当該発明はバナー広告を付加した情報提供方法であって、バナー広告をクリックしないとサービスや情報の提供が受けられないとしたものであり、サービスや情報提供に価値を見出す特定の閲覧者にはある程度有効であろうが、それ以外の大多数の人々にとっては無価値なものであって、クリック動機を高揚させる動機付けにはならない。
発明の開示
バナー広告は、一般に、衝動的または受動的にアクセスされがちであるが、ホームページのアクセス数の増加策として極めて有効であると共に、今後のＩＴ社会への影響も大きいものと考えられる。本発明者等は、バナー広告が低調な原因には、バナー広告に対する利用者の容認性（または期待感）の欠如と、バナー広告をクリックするための動機付けの欠落があると考え、この点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、クリック数を無理なく増加させることのできるバナー広告転送サーバーおよびバナー広告転送プログラムを提供するものである。
本発明は、ネットワークによって結ばれた複数のクライアントにバナー広告を転送するサーバーであって、該サーバーは、バナー広告のクリック信号を解析する手段と、同信号をサーバーへの登録者毎にカウントする手段と、当該カウント累計数に応じて前記登録者に係るバナー広告の転送量を決定する手段とを有することを特徴とするものである。
前記クリック信号解析手段は、クリックされたバナー広告、クリックした登録者、およびクリック時刻を解析するものであることが好ましい。
前記登録者による直前のクリックに基づくカウント時刻からの経過時間を測定し、予め設定された所定時間を経過していない場合には、カウント作業を行わないことが好ましい。
本発明は、ネットワークによって結ばれた複数のクライアントにサーバーからバナー広告を転送するためのプログラムであって、バナー広告のクリック信号を解析する手段と、同信号をサーバーへの登録者毎にカウントする手段と、当該カウント累計数に応じて前記登録者に係るバナー広告の転送量を決定する手段として機能させることを特徴とするものである。
発明を実施するための最良の形態
（１）本発明を構成するための前提条件
先ず、本発明において、バナー広告とは、広告主ホームページへのエントリーアドレスを有し、広告主名や簡単な商品コピーをイメージ化した情報で構成されたアイコンをいう。
また、従来、通常の広告に対する概念には、図１の上段（１１０）に示すように、広告を提供する側（１１１）と受取る側（１１２）という明確な切り分けがあり、テレビ、ラジオ等に代表される片方向型メディアでは、提供する側から受取る側へ向かう流れ（１１３）が存在した。
これに対して、本発明では、図１の下段（１２０）に示すように、広告を提供する側（１１１）と受取る側（１１２）とが同位的立場（１２３）となり、広告を提供する側（１１１）は広告を提供しつつ受取る立場（１２１）となり、広告を受取る側（１１２）も広告を提供しつつ受取るという立場（１２２）となるものである。
本発明では、ＷＥＢ上にバナー広告の掲載を希望する広告主を会員として組織し、各会員はネットワークに接続された端末機（以下、クライアントと言うこともある。）から、他の会員のバナー広告を受取ることができる者とする。即ち、会員は前記した広告を提供しつつ受取る立場にある者（１２１、１２２）となる。前記クライアントは本発明に係るバナー広告転送サーバーとインターネット等のネットワークにより接続されている。
（２）バナー広告表示ウィンドーの構成
図２は会員が有するクライアントのモニター画面を示しており、その全体にブラウザ画面（２００）が背景表示され、右上隅には、バナー広告を表示するためのウィンドー（以下、表示版（２１０）という。）が図示説明の便宜上、拡大表示されている。図２において表示版（２１０）の形状は横長方形であるが、広告表示に適した形状であれば、必ずしもこの形状に限られない。表示版（２１０）は中央部にメイン広告表示部（２１２）を有し、その上部位置には、横長のメッセージ表示部（２１１）を備えていてもよい。
メイン広告表示部（２１２）の下部位置には、前記メッセージ表示部（２１１）に対応して、他の会員宛にメッセージを送信するためのメッセージ送信ボタン（２１３）と、逆に、他の会員からメッセージを受信するためのメッセージ受信ボタン（２１４）とが、夫々必要により設けられる。当該メッセージ交換機能はバナー広告の広告効果を高めるための一手段である。
メイン広告表示部（２１２）の下部位置には、更にクリック＆アクセス分析データ受信ボタン（２１５）と、サブ広告表示部（２１６）が設けられている。
分析データボタン（２１５）を押すことにより、本発明において、他の会員が登録しているバナー広告を自分が何回クリックしたか、あるいは、自分が登録しているバナー広告が他の会員や非会員によって何回アクセスされたかを知ることができる。即ち、例えば図３に示すように、登録されたバナー広告の累積クリック数（３０１）、同クリック数ランキング（３０２）、自分のバナー広告へのアクセス数（３０３）、同アクセス数ランキング（３０４）などの分析結果が表示される。これらのクリック分析およびアクセス分析については、従来公知の分析手法を用いることができるが、分析用ログファイルは、ウェブログデータにクライアントから送信されるパスワード（識別データ）とを併せた専用のログファイルが必要となる。
なお、この表示版（２１０）自体についても、周知の専用プログラムを起動させることによって表示させるようにしても良いし、ブラウザ上に表示する形式のプログラムによって表示させるようにして良い。
（３）バナー広告表示ウィンドーの作用
クライアントからの要求信号は、接続されたネットワークを通じてバナー広告転送サーバーにより常時監視されている。該要求信号に対してバナー広告転送サーバーから送信される何れかの信号をクライアントが受信した場合、メッセージ信号はメッセージ表示部（２１１）に、広告信号はメイン広告表示部（２１２）に夫々表示される。
サブ広告表示部（２１６）には、バナー広告転送サーバーの運営母体の広告が表示される。サブ広告表示部（２１６）は広告が刻々と入れ替わることがない点で、メイン広告表示部（２１２）と相違するが、サブ広告表示部（２１６）もこれをクリックすることにより指定されたページ（ＵＲＬ）を背面のブラウザ画面（２００）に表示させる点で、メイン広告表示部（２１２）と同様である。
（４）バナー広告転送サーバーおよび同プログラムの詳細説明
図４は、会員によるクライアントの起動後、表示版（２１０）のメイン広告表示部（２１２）にバナー広告が表示されるまでのステップを説明するためのフロー図であり、図の左側にクライアント（４１０）が、図の右側に該クライアントとネットワークで接続されたバナー広告転送サーバー（４２０）が、夫々示されている。
本プログラムは、会員による手動操作またはクライアント（４１０）における自動立ち上げにより起動され（４１１）、パスワード入力を経て転送サーバー（４２０）にログインを開始する。このとき、クライアント（４１０）はログインの手続きと共に新規バナー広告を要求する信号を送信する。該信号を受信した転送サーバー（４２０）は、パスワード等によりサーバーに登録された会員であるか否かを判断する（４２１）。ここで、「会員でない」と判断した場合は、予め用意したバナー広告をランダムに選択して、クライアント（４１０）に送信し、一方、「会員である」と判断した場合には、該会員に転送すべきバナー広告の照会作業に入る（４２３）。
該会員に転送すべきバナー広告の決定処理（４２４）では、先ず会員登録時に予め登録された会員別嗜好蓄積部（４２６）に問い合わせ、その情報を基にバナー広告蓄積部（４２７）から複数の候補を絞り込み、さらに、各広告毎に関連付けられた転送回数と優先順位を会員別転送回数蓄積部（４２８）に照会する。後述するように、会員別転送回数蓄積部（４２８）には、会員によるバナー広告のクリック数に応じて、当該会員所有の広告毎に転送回数と優先順位が算出され、蓄積されている。
次に、前記操作で得られた複数のバナー広告候補について、各会員毎にクリックされたバナー広告の履歴データを蓄積したクリックデータ履歴蓄積部（４２５）に照合し、これらの広告候補が過去に該会員に転送されたか否かをチェックし、転送されていない広告候補を優先させる。また、仮に全候補が既に転送された履歴を持つ場合には、転送履歴の古いものを優先すればよい。
上記転送すべきバナー広告が決定（４２４）された後、そのバナー広告が適当数であるか否かを判定する（４２９）。ここで、前記決定したバナー広告の数が所定の設定値に合致すれば、「適当数である」と判定し、それ以外は「適当数でない」と判定する。このとき、例えば、転送すべきバナー広告が一つも選定されず、「適当数でない」と判定されたときには、再度、照会を行い（４２３）、例えば、前記会員別嗜好蓄積部（４２６）との照合条件を緩和し、再度、バナー広告を決定する（４２４）。
「適当数である」と判定された後、これらのバナー広告は転送サーバー（４２０）から会員に配信され（４３０）、クライアント（４１０）のバナー広告蓄積部（４１２）に蓄積される。このとき、クライアント（４１０）への転送信号は転送回数としてカウントされ、前記会員別転送回数蓄積部（４２８）に蓄積される。次いで、クライアント（４１０）では、前記転送サーバー（４２０）によって決定された（４２４）優先順位に従って、表示版（２１０）のメイン広告表示部（２１２）にバナー広告が表示される（４１３）。
次に、各会員の出稿に係るバナー広告の転送回数を算出する方法を、図５に示すフロー図を参照しながら説明する。図５においても、図４と同様に、左側にクライアント（４１０）が、右側に転送サーバー（４２０）が示されている。
前記したように、クライアント（４１０）において、表示版（２１０）のメイン広告表示部（２１２）をクリック（５１１）すると、当該表示部（２１２）によって予め指定されたページ（ＵＲＬ）がクライアント（４１０）のブラウザ画面（２００）に表示されるが（５１２）、その間に転送サーバー（４２０）では当該会員の出稿したバナー広告の転送回数を算出する。
即ち、前記クリック操作（５１１）により、転送サーバー（４２０）には、どのバナー広告を選択（クリック）したか、それはどの会員か、クリックした時刻は、などの情報が添付された信号が、プログラムにより自動的に送信される。
該信号を受け取った転送サーバー（４２０）は、会員、クリックされたバナー広告、時刻に関する情報を取得し、当該情報をクリックデータ履歴蓄積部（４２５）に蓄積すると同時に、該信号が会員のものか否かを判断し（５２２）、「非会員」と判断した場合には、クリック数のカウント作業を終了する（５２３）。他方、「会員」と判断した場合には、次に、該会員に係る直前のクリック時刻からの経過時間を測定し（５２４）、予め設定された時間（例えば、３分間）を経過しているか否かを判定する。ここで、「所定時間を経過していない」と判定された場合には、当該クリックはクリック数を増加する為の行為と見做してカウント作業を行わない（５２３）。そして「所定時間を経過している」と判定された信号について、会員別にクリック数をカウントし（５２５）、これを会員別カウント蓄積部（５２６）に蓄積する。更に、このカウント数を全会員について合計し（５２７）、これを全会員カウント蓄積部（５２８）に蓄積する。
各会員の出稿に係るバナー広告の転送回数は、当該会員による他の会員の出稿に係るバナー広告のクリック数に応じて算出し、原則として所定期間（例えば、１日、１週間、１ヵ月など）のカウント累計数を基準として算出（５２９）するが、必要により、適宜補正を行ってもよい。
例えば、会員別カウント蓄積部（５２６）と全会員カウント蓄積部（５２８）の数値を照合し、全会員カウント数に対する会員カウント数の割合から、当該会員出稿に係るバナー広告の転送回数を算出（５２９）することにより、会員のクリック数あるいは全会員の合計クリック数を越えた転送回数を設定することが可能になる。
また、会員の経年によるクリック数の沈滞化を防止したり、既存会員に対する新規に登録された会員の不利を解消するために、例えば、過去１週間分のクリック数の標本標準偏差を算出し、累計数により設定された「各会員のバナー広告の転送回数」を増減することもできる。
上記算出されたバナー広告の転送回数は、会員毎にまたは会員出稿に係るバナー広告毎に、転送回数蓄積部（４２８）に蓄積される。
本発明によれば、バナー広告の広告主とバナー広告の閲覧者が同位的立場になることから、「見ること＝見られること」という単純明快な動機付けが存在し、バナー広告に対する利用者の容認性（または期待感）を向上させ、クリック数を無理なく増加させることができる。
（５）発明の効果
本発明は、利用時間といった曖昧さの残る度数管理を行うことなく、バナー広告のクリック回数を適正にカウントすると共に、バナー広告の転送回数を前記カウント累計数に応じて決定することとしたので、不公平感や不公正感が生じることがない。
【図面の簡単な説明】
図１は、本発明における広告提供者と広告閲覧者の立場を、従来の広告概念と対比した説明図であり、図２は、本発明におけるバナー広告表示用ウィンドーのモニター表示画面であり、図３は、クリック＆アクセス分析データボタンを押して表示される画面であり、図４は、表示版にバナー広告が表示されるまでのステップを説明するためのフロー図であり、図５は、各会員の出稿に係るバナー広告の転送回数を算出するステップを説明するためのフロー図である。
本発明は、ネットワークによって結ばれた複数のクライアントにバナー広告を転送するサーバーおよびバナー広告転送プログラムに関するものである。
背景技術
インターネットに代表されるコンピュータネットワークの急速な普及に伴い、ネットワーク上の広告手法には多くの関心が寄せられている。このような広告手法として、広告主ホームページへのエントリーアドレスを有し、広告主名や簡単な商品コピーをイメージ化した情報で構成されたバナー広告が知られている。バナー広告は興味を持たれた利用者によって、クリック操作されることにより、前記広告主ホームページにエントリーされ、詳細な広告情報が提供されるものである。しかしながら、バナー広告に掲載可能な情報量には、大きさによる制約が課せられる一方、バナー広告が利用者によってクリックされる割合は、一般に極めて低く、特に我が国ではバナー広告は殆ど普及していない。
特開２０００−１９４６３６号公報には、バナー広告のクリック率を高める工夫として、バナー広告を付加した情報提供方法において、利用者による前記バナー広告の操作結果に基づいて情報提供の可否を決定することを特徴する発明が記載されている。そして、その情報提供の可否決定は、利用者による前記バナー広告の操作検出時に規定ポイントを加算し、利用者による情報提供利用時間で該ポイントを減算し、ポイントが有効（整数値）な時のみ情報提供を許可する度数管理方式としてもよいとされている。
当該発明はバナー広告を付加した情報提供方法であって、バナー広告をクリックしないとサービスや情報の提供が受けられないとしたものであり、サービスや情報提供に価値を見出す特定の閲覧者にはある程度有効であろうが、それ以外の大多数の人々にとっては無価値なものであって、クリック動機を高揚させる動機付けにはならない。
発明の開示
バナー広告は、一般に、衝動的または受動的にアクセスされがちであるが、ホームページのアクセス数の増加策として極めて有効であると共に、今後のＩＴ社会への影響も大きいものと考えられる。本発明者等は、バナー広告が低調な原因には、バナー広告に対する利用者の容認性（または期待感）の欠如と、バナー広告をクリックするための動機付けの欠落があると考え、この点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、クリック数を無理なく増加させることのできるバナー広告転送サーバーおよびバナー広告転送プログラムを提供するものである。
本発明は、ネットワークによって結ばれた複数のクライアントにバナー広告を転送するサーバーであって、該サーバーは、バナー広告のクリック信号を解析する手段と、同信号をサーバーへの登録者毎にカウントする手段と、当該カウント累計数に応じて前記登録者に係るバナー広告の転送量を決定する手段とを有することを特徴とするものである。
前記クリック信号解析手段は、クリックされたバナー広告、クリックした登録者、およびクリック時刻を解析するものであることが好ましい。
前記登録者による直前のクリックに基づくカウント時刻からの経過時間を測定し、予め設定された所定時間を経過していない場合には、カウント作業を行わないことが好ましい。
本発明は、ネットワークによって結ばれた複数のクライアントにサーバーからバナー広告を転送するためのプログラムであって、バナー広告のクリック信号を解析する手段と、同信号をサーバーへの登録者毎にカウントする手段と、当該カウント累計数に応じて前記登録者に係るバナー広告の転送量を決定する手段として機能させることを特徴とするものである。
発明を実施するための最良の形態
（１）本発明を構成するための前提条件
先ず、本発明において、バナー広告とは、広告主ホームページへのエントリーアドレスを有し、広告主名や簡単な商品コピーをイメージ化した情報で構成されたアイコンをいう。
また、従来、通常の広告に対する概念には、図１の上段（１１０）に示すように、広告を提供する側（１１１）と受取る側（１１２）という明確な切り分けがあり、テレビ、ラジオ等に代表される片方向型メディアでは、提供する側から受取る側へ向かう流れ（１１３）が存在した。
これに対して、本発明では、図１の下段（１２０）に示すように、広告を提供する側（１１１）と受取る側（１１２）とが同位的立場（１２３）となり、広告を提供する側（１１１）は広告を提供しつつ受取る立場（１２１）となり、広告を受取る側（１１２）も広告を提供しつつ受取るという立場（１２２）となるものである。
本発明では、ＷＥＢ上にバナー広告の掲載を希望する広告主を会員として組織し、各会員はネットワークに接続された端末機（以下、クライアントと言うこともある。）から、他の会員のバナー広告を受取ることができる者とする。即ち、会員は前記した広告を提供しつつ受取る立場にある者（１２１、１２２）となる。前記クライアントは本発明に係るバナー広告転送サーバーとインターネット等のネットワークにより接続されている。
（２）バナー広告表示ウィンドーの構成
図２は会員が有するクライアントのモニター画面を示しており、その全体にブラウザ画面（２００）が背景表示され、右上隅には、バナー広告を表示するためのウィンドー（以下、表示版（２１０）という。）が図示説明の便宜上、拡大表示されている。図２において表示版（２１０）の形状は横長方形であるが、広告表示に適した形状であれば、必ずしもこの形状に限られない。表示版（２１０）は中央部にメイン広告表示部（２１２）を有し、その上部位置には、横長のメッセージ表示部（２１１）を備えていてもよい。
メイン広告表示部（２１２）の下部位置には、前記メッセージ表示部（２１１）に対応して、他の会員宛にメッセージを送信するためのメッセージ送信ボタン（２１３）と、逆に、他の会員からメッセージを受信するためのメッセージ受信ボタン（２１４）とが、夫々必要により設けられる。当該メッセージ交換機能はバナー広告の広告効果を高めるための一手段である。
メイン広告表示部（２１２）の下部位置には、更にクリック＆アクセス分析データ受信ボタン（２１５）と、サブ広告表示部（２１６）が設けられている。
分析データボタン（２１５）を押すことにより、本発明において、他の会員が登録しているバナー広告を自分が何回クリックしたか、あるいは、自分が登録しているバナー広告が他の会員や非会員によって何回アクセスされたかを知ることができる。即ち、例えば図３に示すように、登録されたバナー広告の累積クリック数（３０１）、同クリック数ランキング（３０２）、自分のバナー広告へのアクセス数（３０３）、同アクセス数ランキング（３０４）などの分析結果が表示される。これらのクリック分析およびアクセス分析については、従来公知の分析手法を用いることができるが、分析用ログファイルは、ウェブログデータにクライアントから送信されるパスワード（識別データ）とを併せた専用のログファイルが必要となる。
なお、この表示版（２１０）自体についても、周知の専用プログラムを起動させることによって表示させるようにしても良いし、ブラウザ上に表示する形式のプログラムによって表示させるようにして良い。
（３）バナー広告表示ウィンドーの作用
クライアントからの要求信号は、接続されたネットワークを通じてバナー広告転送サーバーにより常時監視されている。該要求信号に対してバナー広告転送サーバーから送信される何れかの信号をクライアントが受信した場合、メッセージ信号はメッセージ表示部（２１１）に、広告信号はメイン広告表示部（２１２）に夫々表示される。
サブ広告表示部（２１６）には、バナー広告転送サーバーの運営母体の広告が表示される。サブ広告表示部（２１６）は広告が刻々と入れ替わることがない点で、メイン広告表示部（２１２）と相違するが、サブ広告表示部（２１６）もこれをクリックすることにより指定されたページ（ＵＲＬ）を背面のブラウザ画面（２００）に表示させる点で、メイン広告表示部（２１２）と同様である。
（４）バナー広告転送サーバーおよび同プログラムの詳細説明
図４は、会員によるクライアントの起動後、表示版（２１０）のメイン広告表示部（２１２）にバナー広告が表示されるまでのステップを説明するためのフロー図であり、図の左側にクライアント（４１０）が、図の右側に該クライアントとネットワークで接続されたバナー広告転送サーバー（４２０）が、夫々示されている。
本プログラムは、会員による手動操作またはクライアント（４１０）における自動立ち上げにより起動され（４１１）、パスワード入力を経て転送サーバー（４２０）にログインを開始する。このとき、クライアント（４１０）はログインの手続きと共に新規バナー広告を要求する信号を送信する。該信号を受信した転送サーバー（４２０）は、パスワード等によりサーバーに登録された会員であるか否かを判断する（４２１）。ここで、「会員でない」と判断した場合は、予め用意したバナー広告をランダムに選択して、クライアント（４１０）に送信し、一方、「会員である」と判断した場合には、該会員に転送すべきバナー広告の照会作業に入る（４２３）。
該会員に転送すべきバナー広告の決定処理（４２４）では、先ず会員登録時に予め登録された会員別嗜好蓄積部（４２６）に問い合わせ、その情報を基にバナー広告蓄積部（４２７）から複数の候補を絞り込み、さらに、各広告毎に関連付けられた転送回数と優先順位を会員別転送回数蓄積部（４２８）に照会する。後述するように、会員別転送回数蓄積部（４２８）には、会員によるバナー広告のクリック数に応じて、当該会員所有の広告毎に転送回数と優先順位が算出され、蓄積されている。
次に、前記操作で得られた複数のバナー広告候補について、各会員毎にクリックされたバナー広告の履歴データを蓄積したクリックデータ履歴蓄積部（４２５）に照合し、これらの広告候補が過去に該会員に転送されたか否かをチェックし、転送されていない広告候補を優先させる。また、仮に全候補が既に転送された履歴を持つ場合には、転送履歴の古いものを優先すればよい。
上記転送すべきバナー広告が決定（４２４）された後、そのバナー広告が適当数であるか否かを判定する（４２９）。ここで、前記決定したバナー広告の数が所定の設定値に合致すれば、「適当数である」と判定し、それ以外は「適当数でない」と判定する。このとき、例えば、転送すべきバナー広告が一つも選定されず、「適当数でない」と判定されたときには、再度、照会を行い（４２３）、例えば、前記会員別嗜好蓄積部（４２６）との照合条件を緩和し、再度、バナー広告を決定する（４２４）。
「適当数である」と判定された後、これらのバナー広告は転送サーバー（４２０）から会員に配信され（４３０）、クライアント（４１０）のバナー広告蓄積部（４１２）に蓄積される。このとき、クライアント（４１０）への転送信号は転送回数としてカウントされ、前記会員別転送回数蓄積部（４２８）に蓄積される。次いで、クライアント（４１０）では、前記転送サーバー（４２０）によって決定された（４２４）優先順位に従って、表示版（２１０）のメイン広告表示部（２１２）にバナー広告が表示される（４１３）。
次に、各会員の出稿に係るバナー広告の転送回数を算出する方法を、図５に示すフロー図を参照しながら説明する。図５においても、図４と同様に、左側にクライアント（４１０）が、右側に転送サーバー（４２０）が示されている。
前記したように、クライアント（４１０）において、表示版（２１０）のメイン広告表示部（２１２）をクリック（５１１）すると、当該表示部（２１２）によって予め指定されたページ（ＵＲＬ）がクライアント（４１０）のブラウザ画面（２００）に表示されるが（５１２）、その間に転送サーバー（４２０）では当該会員の出稿したバナー広告の転送回数を算出する。
即ち、前記クリック操作（５１１）により、転送サーバー（４２０）には、どのバナー広告を選択（クリック）したか、それはどの会員か、クリックした時刻は、などの情報が添付された信号が、プログラムにより自動的に送信される。
該信号を受け取った転送サーバー（４２０）は、会員、クリックされたバナー広告、時刻に関する情報を取得し、当該情報をクリックデータ履歴蓄積部（４２５）に蓄積すると同時に、該信号が会員のものか否かを判断し（５２２）、「非会員」と判断した場合には、クリック数のカウント作業を終了する（５２３）。他方、「会員」と判断した場合には、次に、該会員に係る直前のクリック時刻からの経過時間を測定し（５２４）、予め設定された時間（例えば、３分間）を経過しているか否かを判定する。ここで、「所定時間を経過していない」と判定された場合には、当該クリックはクリック数を増加する為の行為と見做してカウント作業を行わない（５２３）。そして「所定時間を経過している」と判定された信号について、会員別にクリック数をカウントし（５２５）、これを会員別カウント蓄積部（５２６）に蓄積する。更に、このカウント数を全会員について合計し（５２７）、これを全会員カウント蓄積部（５２８）に蓄積する。
各会員の出稿に係るバナー広告の転送回数は、当該会員による他の会員の出稿に係るバナー広告のクリック数に応じて算出し、原則として所定期間（例えば、１日、１週間、１ヵ月など）のカウント累計数を基準として算出（５２９）するが、必要により、適宜補正を行ってもよい。
例えば、会員別カウント蓄積部（５２６）と全会員カウント蓄積部（５２８）の数値を照合し、全会員カウント数に対する会員カウント数の割合から、当該会員出稿に係るバナー広告の転送回数を算出（５２９）することにより、会員のクリック数あるいは全会員の合計クリック数を越えた転送回数を設定することが可能になる。
また、会員の経年によるクリック数の沈滞化を防止したり、既存会員に対する新規に登録された会員の不利を解消するために、例えば、過去１週間分のクリック数の標本標準偏差を算出し、累計数により設定された「各会員のバナー広告の転送回数」を増減することもできる。
上記算出されたバナー広告の転送回数は、会員毎にまたは会員出稿に係るバナー広告毎に、転送回数蓄積部（４２８）に蓄積される。
本発明によれば、バナー広告の広告主とバナー広告の閲覧者が同位的立場になることから、「見ること＝見られること」という単純明快な動機付けが存在し、バナー広告に対する利用者の容認性（または期待感）を向上させ、クリック数を無理なく増加させることができる。
（５）発明の効果
本発明は、利用時間といった曖昧さの残る度数管理を行うことなく、バナー広告のクリック回数を適正にカウントすると共に、バナー広告の転送回数を前記カウント累計数に応じて決定することとしたので、不公平感や不公正感が生じることがない。
【図面の簡単な説明】
図１は、本発明における広告提供者と広告閲覧者の立場を、従来の広告概念と対比した説明図であり、図２は、本発明におけるバナー広告表示用ウィンドーのモニター表示画面であり、図３は、クリック＆アクセス分析データボタンを押して表示される画面であり、図４は、表示版にバナー広告が表示されるまでのステップを説明するためのフロー図であり、図５は、各会員の出稿に係るバナー広告の転送回数を算出するステップを説明するためのフロー図である。
Claims (4)
- ネットワークによって結ばれた複数のクライアントにバナー広告を転送するサーバーであって、該サーバーは、バナー広告のクリック信号を解析する手段と、同信号をサーバーへの登録者毎にカウントする手段と、当該カウント累計数に応じて前記登録者に係るバナー広告の転送量を決定する手段とを有するバナー広告転送サーバー。
- 前記クリック信号解析手段が、クリックされたバナー広告、クリックした登録者、およびクリック時刻を解析するものである請求項１記載のバナー広告転送サーバー。
- 前記登録者による直前のクリックに基づくカウント時刻からの経過時間を測定し、予め設定された所定時間を経過していない場合には、カウント作業を行わない請求項２記載のバナー広告転送サーバー。
- ネットワークによって結ばれた複数のクライアントにサーバーからバナー広告を転送するためのプログラムであって、バナー広告のクリック信号を解析する手段と、同信号をサーバーへの登録者毎にカウントする手段と、当該カウント累計数に応じて前記登録者に係るバナー広告の転送量を決定する手段として機能させるためのプログラム。
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