JPWO2003008364A1 - フッ素化方法 - Google Patents
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Abstract
N−F結合を有する求電子的フッ素化剤を用いて、液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、液体フルオロアルカン又は超臨界フルオロアルカン中で有機化合物のフッ素化を行う、フッ素化方法。また、このフッ素化に、下記式(I)、具体的には例えば下記式(II)で表される四級窒素オニウム塩からなる求電子的フッ素化剤を使用すること。(但し、前記式(I)中、X−はブレンステッド酸の共役塩基である。)(但し、前記式(II)中、X−はブレンステッド酸の共役塩基である。)液体二酸化炭素などの媒体中でのフッ素化を簡便かつ高収率、安全に行えるフッ素化方法を提供すること。
Description
産業上の利用分野
本発明は、求電子的フッ素化剤による有機化合物のフッ素化方法に関するものである。
従来の技術
従来、N−F結合を有する求電子的フッ素化剤を用いたフッ素化反応は、アセトニトリル、ジクロロメタン或いはギ酸など、常温常圧で液体である有機溶媒が用いられてきた。しかしながら、これらの溶媒を用いると、フッ素化生成物と、フッ素化後のN−F結合がN−H結合になった求電子的フッ素化剤前駆体の全部又は一部が、共に溶媒に溶解してしまい、フッ素化生成物の単離精製、及び求電子的フッ素化剤前駆体の効率的な回収が容易ではなかった。
液体又は超臨界二酸化炭素を溶媒として用いるフッ素化技術は、WO00/68170号のように、フッ素ガス、二フッ化キセノン、N,N−ジエチル−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルアミンをフッ素化剤として用いる方法が報告されている。これによれば、求電子的フッ素化剤である二フッ化キセノンを使用して飽和炭化水素に作用させることにより、フッ化物が得られるとあるが、生成物の詳細は記されていない。さらに、収率も30%と低いものである。また、反応進行のためには、105℃、5000psia(340気圧)という過激な条件を必要とするため、簡便に反応を行うのは困難である。
N−F結合を有する求電子的フッ素化剤はこれまで、多数報告されており、高価な二フッ化キセノンに比べ、より経済的で汎用性が高いにもかかわらず、常圧常温で気体である二酸化炭素又はフルオロアルカン中で有機化合物の効率的なフッ素化に用いられた例がない。
発明の目的
そこで本発明の目的は、N−F結合を有する求電子的フッ素化剤を用いる効率的なフッ素化方法、及びフッ素化反応後の処理方法、並びにN−F結合を有する求電子的フッ素化剤のリサイクルを伴うフッ素化方法を提供することにある。
発明の構成
本発明者は、前記課題を解決するため、鋭意研究の結果、N−F結合を有する求電子的フッ素化剤が液体二酸化炭素等の媒体中で高収率に有機化合物をフッ素化することを見出し、本発明に到達した。更に、反応後、N−F結合がN−H結合になった求電子的フッ素化剤前駆体を高収率で容易に回収し、再生できることを見出した。
即ち、本発明は、N−F結合を有する求電子的フッ素化剤を用いて、液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、液体フルオロアルカン又は超臨界フルオロアルカン中で有機化合物のフッ素化を行うフッ素化方法に係り、またこのフッ素化に、下記式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)又は(VI)で表される四級窒素オニウム塩からなる求電子的フッ素化剤を使用することも特徴とするものである。
(但し、前記式(I)中、X−はブレンステッド酸の共役塩基である。)
(但し、前記式(II)中、X−はブレンステッド酸の共役塩基である。)
(但し、前記式(III)中、X−はブレンステッド酸の共役塩基である。)
(但し、前記式(IV)中、X−はブレンステッド酸の共役塩基である。)
(但し、前記式(V)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン置換アルキル基、X−はブレンステッド酸の共役塩基である。)
(但し、前記式(VI)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン置換アルキル基である。)
また、本発明は、前記式(I)で表される四級窒素オニウム塩からなる求電子的フッ素化剤を用いて、液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、液体フルオロアルカン又は超臨界フルオロアルカン中で有機化合物のフッ素化を行った後、下記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩を反応生成物から回収する、フッ素化方法も提供するものである。
(但し、前記式(VII)中、X−はブレンステッド酸の共役塩基である。)
この場合、前記の回収された、前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩をフッ素化した後、再び液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、液体フルオロアルカン又は超臨界フルオロアルカン中で有機化合物のフッ素化を行うのがよい。
また、前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩をフッ素化して、前記式(I)で表される四級窒素オニウム塩を生成し、この生成物を求電子的フッ素化剤として、前記液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、液体フルオロアルカン又は超臨界フルオロアルカン中で、有機化合物のフッ素化を行うのがよい。
また、前記フッ素化反応後、二酸化炭素又はフルオロアルカンを留去し、溶媒を加えることにより、前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩を結晶化し、これを回収するのがよい。
また、前記フッ素化反応後、二酸化炭素又はフルオロアルカンを留去し、さらに揮発性生成物を留去し、前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩を回収するのがよい。
また、前記フッ素化反応後、二酸化炭素又はフルオロアルカンを留去し、さらに揮発性生成物の一部又は全部を留去し、この留去分に溶媒を加えることにより、前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩を結晶化し、これを回収するのがよい。
また、前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩を液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、液体フルオロアルカン又は超臨界フルオロアルカン中で、フッ素ガスによりフッ素化して、前記式(I)で表される四級窒素オニウム塩を再生するのがよい。
本発明はまた、前記式(I)で表される四級窒素オニウム塩を用いて、前記液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、液体フルオロアルカン又は超臨界フルオロアルカン中で有機化合物のフッ素化を行い、請求の範囲の第14項、第15項又は第16項に記載した方法で、フッ素化された生成物を分離し、前記の回収された、前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩を請求の範囲の第17項に記載した方法で、前記式(I)で表される四級窒素オニウム塩に戻し、これを用いて連続的に有機化合物のフッ素化を行う、リサイクル型フッ素化方法も提供するものである。
上記において、請求の範囲の第3項に記載した、前記式(II)で表される四級窒素オニウム塩を用いてフッ素化を行った後、下記式(VIII)で表される四級窒素オニウム塩を回収するのがよい。
また、請求の範囲の第4項に記載した、前記式(III)で表される四級窒素オニウム塩を用いてフッ素化を行った後、下記式(IX)で表される四級窒素オニウム塩を回収するのがよい。
また、請求の範囲の第5項に記載した、前記式(IV)で表される四級窒素オニウム塩を用いてフッ素化を行った後、下記式(X)で表される四級窒素オニウム塩を回収するのがよい。
また、請求の範囲の第6項に記載した、前記式(V)で表される四級窒素オニウム塩を用いてフッ素化を行った後、下記式(XI)で表される四級窒素オニウム塩を回収するのがよい。
(但し、R1、R2、R3、R4及びR5は前記したものと同じである。)
また、請求の範囲の第9項に記載した、前記式(VI)で表される四級窒素オニウム塩を用いてフッ素化を行った後、下記式(XII)で表される四級窒素オニウム塩を回収するのがよい。
(但し、R1、R2、R3及びR4は前記したものと同じである。)
そして、前記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)又は(XI)において、X−がフルオロアルキルスルホン酸の共役塩基であるのがよい。
この場合、前記フルオロアルキルスルホン酸が、トリフルオロメタンスルホン酸であってよい。
本発明において、前記のN−F結合を有する求電子的フッ素化剤としては、N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム塩、1,2−ビス(4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル)エタン塩、1,3−ビス(4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル)プロパン塩、N,N’−ジフルオロ−4,4’−ビピリジニウム塩、1−フルオロ−4−(4−ピリジル)ピリジニウム塩、1−フルオロ−1’−メチル−4,4’−ビピリジニウム塩、N−フルオロベンズ−1,2,3−オキサチアジン−4−オン 2,2−ジオキサイド、N−フルオロベンゼンスルホンイミド、N−フルオロフルオロスルホンイミド、N−フルオロメタンスルホンイミド、N−フルオロキヌクリジニウム塩、N−フルオロピリジニウム塩、N−フルオロ−3,5−ジクロロピリジニウム塩、N−フルオロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ピリジニウム塩、N−フルオロピリジニウムピリジン塩、N−フルオロ−2,4,6−トリメチルピリジニウム塩、N−フルオロペンタクロロピリジニウム塩、N−フルオロパーフルオロ[N−(4−ピリジル)−N−メタンスルホニル]アミド、N−フルオロパーフルオロ−[N−(4−ピリミジル)−N−メタンスルホニル]アミド、N−フルオロ−N−メチル−p−トルエンスルホンアミド、N−フルオロパーフルオロ[N−(4−ピリジル)アセタミド]、N−フルオロ−o−ベンゼンスルホンイミド、(−)−N−フルオロ−2,10−カンファースルタム、(+)−N−フルオロ−2,10−カンファースルタム、(−)−N−フルオロ−2,10−(3,3−ジクロロカンファースルタム)、(+)−N−フルオロ−2,10−(3,3−ジクロロカンファースルタム)、(−)−N−フルオロ−2,10−(3,3−ジメトキシカンファースルタム)、(+)−N−フルオロ−2,10−(3,3−ジメトキシカンファースルタム)、(+)−N−フルオロ−2,10−(3,3−ジメトキシカンファースルタム)、N−フルオロキニジニウム塩、N−フルオロシンコニニウム塩、N−フルオロキニニウム塩、N−フルオロシンコニジウム塩、N−フルオロオキサチアジノン ジオキサイド、N−フルオロパーフルオロピペリジン、N−フルオロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)パーフルオロピペリジン、(11S,12R,14R)−2−フルオロ−14−メチル−11−(メチルエチル)スピロ[4H−ベンゾ[e]−1,2−チアジン−3−2’−シクロヘキサン]−1,1−ジオン、N−フルオロ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾ[1,2−d]イソチアゾール1,1−ジオキシド、N−フルオロ−3−シクロヘキシル−3−メチル−2,3−ジヒドロベンゾ[1,2−d]イソチアゾール1,1−ジオキシド、1,2−ビス(4−フルオロ)1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩、1−フルオロ−4−ヒドロキシ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩、N−フルオロ−1−アザニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン塩、N−フルオロ−4,5−ジニトロイミダゾール、N−フルオロ−2,4−ジニトロイミダゾール、N−フルオロ−2−ブロモ−4,5−ジニトロイミダゾール、N−フルオロ−5−ブロモ−2,4−ジニトロイミダゾール、N−フルオロ−2−ピリドン、N−フルオロ−2−ピロリジノン、テトラフルオロアンモニウム塩、1,3,3,4,4−ペンタフルオロピロリジン−2,5−ジオン、1−ブチル−1−フルオロピペリジニウム塩、N−フルオロ−N−メチル−p−トルエンスルホンアミド、N−フルオロ−2−メタンスルホニルアミノ−2−フェニルエチル アセテート、N−フルオロ−N−(1−フェニル−エチル)−p−トルエンスルホンアミド等を例示できる(Chemical Reviews,1996,96,1737−1755)。
また、本発明で用いる、N−F結合を有する求電子的フッ素化剤の四級窒素オニウム塩における前記ブレンステッド酸は、硫酸、モノメチル硫酸、モノエチル硫酸などの硫酸又はそのモノエステル;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、クロロスルホン酸、フルオロスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ニトロベンゼンスルホン酸、ジニトロトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、1,1,2,2,−テトラフルオロエタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸、トリフルオロエタンスルホン酸などのスルホン酸;トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸などのカルボン酸;HBF4、HPF6、HSbF6、HAsF6、HBCl4、HBCl3F、HSbCl6、HSbCl5Fなどのルイス酸とハロゲン化水素との化合物;又はこれらの混合物;などを例示できる。
この四級窒素オニウム塩の対アニオンX−としては、例えばテトラフルオロボレート、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミデート、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタネート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、パークロレート等を例示することができる。
また、これらのフッ素化剤で、反応が高収率に進行しない場合には、例えばXがBF4である場合には、反応を進行させるために、(RfSO3 −)nMn+、{(RfSO2)2N−}nMn+又は{(RfSO2)3C−}nMn+(但し、RfはC1〜C23のパーフルオロアルキル基、M+は金属カチオン又は窒素オニウム、nは1〜3の整数である)のうち、一つ又はそれ以上を添加することができる。
例えば、対アニオンとしてBF4を使用する場合、BF4が安価であることにより、工業的及び経済的に有利にフッ素化剤を製造することができる。さらに、形成される塩の有機溶媒への溶解度が小さいため、単離が容易になる。しかし、反応に供すると、溶媒に対する溶解度が小さいことが反応進行に不利に働いてしまう。この点を改善するため、例えばCF3SO3Naを添加することが有効である。塩の媒体への溶解度を向上させるために、対アニオンにパーフルオロアルキルを有するスルホン酸塩を添加することは良く知られている(T.Umemoto,M.Nagayoshi,K.Adachi and G.Tomizawa,J.Org.Chem.1998,63,3379)が、本発明者は、これを二酸化炭素など、常圧常温で気体である媒体を使用する場合にも適用できることを見出した。
前記のN−F結合を有する求電子的フッ素化剤のうち、請求の範囲の第9項に記載された式(VI)の両性イオン性フッ素化剤を使用する場合、反応が高収率に進行しない時に、反応をより進行させるため、パーフルオロアルキルスルホン酸(炭素数1〜23)を添加することができる。これは、フッ素化剤のSO3 −をSO3Hに変換することにより、N−F結合の反応性を増加させる効果と、反応媒体への溶解度を向上させることがその主因である。
本発明で用いる、前記のN−F結合を有する求電子的フッ素化剤は、基質の0.5当量から30当量を加えることができる。好ましくは、0.9当量から10当量を用いることができる。しかしながら、これらの量に限定されるものではない。
本発明で使用する、常圧常温で気体である反応媒体としては、二酸化炭素、フルオロホルム、ジフロロメタン等のフルオロアルカンが例示できる。これらは液体又は超臨界状態で使用する。
そして、本発明のフッ素化反応に適用される反応温度範囲は、−100℃〜200℃であってよいが、使用する媒体によって異なり、例えば二酸化炭素の場合、液体から超臨界状態の間である−50℃から100℃が好ましい。より好ましくは、0℃〜80℃の間で反応を行うことができる。反応媒体をフルオロホルムにする場合にも−30℃〜100℃が好ましいが、より好ましくは、0℃〜80℃の間で反応を行うことができるが、これらの温度範囲に限定されるものではない。
本発明のフッ素化反応に適用される反応圧力範囲は、1気圧〜100,000気圧であってよい。使用する媒体により好ましい圧力範囲は異なるが、例えば二酸化炭素やフルオロホルムの場合、液体から超臨界状態の間である5気圧〜10000気圧の間で行うことができる。より好ましくは、10気圧〜1000気圧の間で反応を行うことができるが、これらの圧力範囲に限定されるものではない。
反応後の後処理としては、反応媒体放出後の残渣に有機溶媒、水又は有機溶媒−水混合溶液を加えることにより、結晶性の高いフッ素化体についてはこれを結晶化させ、単離精製することが可能である。ここで使用する有機溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、塩化エチレン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、l−クロロナフタレンなどのハロゲン化炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、イソアミルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセタミドなどの酸アミド類;二硫化炭素、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホンなどの含硫黄化合物;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジイソアミルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、ジメトキシエタンなどのエーテル類;フルフラール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メシチルオキシド、シクロヘキサノンなどのアルデヒド及びケトン類;石油エーテル、リグロイン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン、テトラリンなどの飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、p−シメンなどの芳香族炭化水素;炭酸ジエチル、炭酸グリコール、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、グリコールカルボナート、プロピオン酸メチルなどのエステル類;無水酢酸などのカルボン酸無水物;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、キノリンなどのアミン類;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;などを単独にあるいは2種以上混合して用いることができる。
また、反応媒体放出後の残渣を、抽出で用いられる有機溶媒(例えば四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸メチル、ギ酸エチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)と水で処理し、抽出溶媒を留去後、フッ素化体を蒸留、再結晶、カラム精製などの方法で単離する工程を行うこともできる。
また、反応媒体放出後の残渣に、フッ素化剤及びフッ素化剤前駆体を溶解しにくい有機溶媒を加えることにより、フッ素化体を溶解させる一方、フッ素化剤やフッ素化剤前駆体を析出させて分離することもできる。ここで使用する有機溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、塩化エチレン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジイソアミルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、ジメトキシエタンなどのエーテル類;フルフラール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メシチルオキシド、シクロヘキサノンなどのアルデヒド及びケトン類;石油エーテル、リグロイン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン、テトラリンなどの飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、p−シメンなどの芳香族炭化水素;炭酸ジエチル、炭酸グリコール、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、グリコールカルボナート、プロピオン酸メチルなどのエステル類;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;を単独に若しくは2種以上混合して用いることができる。
フッ素化体が揮発物である場合は、反応媒体放出後、フッ素化体を留去、蒸留により精製することができる。フッ素化体の一部あるいは副生成物が留去されずに残る場合は、前記のフッ素化剤及びフッ素化剤前駆体を溶解しにくい1種又は2種以上の溶媒を用いて、これを洗浄することにより、フッ素化体とフッ素化剤及びフッ素化剤前駆体を分離することができる。
このようにして反応後に回収したフッ素化剤前駆体には、未反応のN−F結合を有するフッ素化剤が一部残っている場合がある。この場合、N−F結合を有する化合物を還元剤で還元してN−H結合に戻し、すべてフッ素化剤前駆体として回収してもよいが、N−F結合を有する化合物が残っている状態で、フッ素ガスを導入し、再度フッ素化剤へ誘導することにより、フッ素化剤をリサイクル使用することもできる。
フッ素化剤前駆体をフッ素ガスにより再度フッ素化剤へ誘導する方法は、これまで報告されているように有機溶媒中で行ってもよいが、媒体として、本発明において適用する、常温常圧で気体である二酸化炭素又はフルオロアルカンを用いてもよい。
また、二酸化炭素又はフルオロアルカン中でフッ素化剤を再生させることにより、反応容器からフッ素化剤及びフッ素化剤前駆体を取り出すことなく、フッ素化剤をリサイクルし、連続して有機化合物をフッ素化することができる。
本発明のフッ素化反応の例を下記の表1に示す(但し、Tfはトリフルオロメタンスルホン酸基:以下、同様)が、本発明はこれらに限定されるものではない。
産業上の利用可能性
N−F結合を有する本発明の求電子的フッ素化剤を用いた液体又は超臨界二酸化炭素又はフルオロアルカン中でのフッ素化反応は、無毒、不燃性で安全性に優れており、除去・回収も容易な二酸化炭素等を使用することにより、結果として無溶媒反応となり、残留溶媒の問題も無い、高収率化が可能な反応として有用である。さらに、フッ素化後のフッ素化剤前駆体の回収も極めて容易となり、リサイクルによる経済的なフッ素化を高効率に実施できる。
実施例
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)1によるβ−ナフトールのフッ素化反応:
β−ナフトール0.070g(0.49mmol)及びN,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)0.26g(0.53mmol)を50cc耐圧反応管に仕込み、減圧下、密封した。−70℃に冷却し、二酸化炭素15gを導入後、再度密封し、室温で12時間攪拌した。0℃に冷却して、二酸化炭素を徐々に放出した。残渣をクロロホルム−水で処理後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。
この残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=4:1)に付して、褐色固体として1,1−ジフルオロ−1H−ナフタレン−2−オン0.0783g(89.5%)及び1−フルオロ−β−ナフトール0.0077g(9.8%)の混合物を得た。
この混合物0.086gをエタノール3mlに溶解して、5%Pd−C0.03gを加え、水素雰囲気下、室温で8時間撹拌した。反応液にクロロホルム3mlを加え、セライトでろ過し、ろ液を減圧濃縮して、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.078g(99.0%)を得た。この生成物の同定データは次の通りであった。
1H−NMR(CD3Cl;TMS)δ:5.3(bs,1H,0H),7.23(dd,1H,J=8.6Hz,JH−CC−F=8.6Hz,H−3),7.3〜7.8(m,4H,Ar−H),7.97(d,1H,J=8.6Hz,H−4).
19F−NMR(CD3Cl;CFCl3)δ:−155.3(s,2F).
実施例2
N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(テトラフルオロボラート)2−トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウムによるβ−ナフトールのフッ素化反応:
β−ナフトール0.070g(0.49mmol)、N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(テトラフルオロボラート)0.200g(0.54mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム塩0.18g(0.11mmol)を50cc耐圧反応管に仕込み、減圧下密封した。−70℃に冷却し、二酸化炭素15gを導入後、再度密封し、室温で12時間攪拌した。0℃に冷却して、二酸化炭素を徐々に放出した。
残渣をクロロホルム−水で処理後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。この残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=4:1)に付して、黄褐色結晶として1,1−ジフルオロ−1H−ナフタレン−2−オン0.082g(93.8%)を得た。この生成物の同定データは次の通りであった。
1H−NMR(CD3Cl;TMS)δ:6.24(dt,1H,J=10.1Hz,JH−CCC−F=2.8Hz,H−3),7.3〜7.9(m,4H,Ar−H),7.45(d,1H,J=10.1Hz,H−4).
19F−NMR(CD3Cl;CFCl3)δ:−101.6(s,2F).
この生成物の結晶0.082gをエタノール3mlに溶解して、5%Pd−C0.03gを加え、水素雰囲気下、室温で8時間撹拌した。反応液にクロロホルム3mlを加え、セライトでろ過し、ろ液を減圧濃縮して、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.073g(92.7%)を得た。この生成物の同定データは実施例1に記載したものと同じであった。
実施例3
1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボラート)3によるβ−ナフトールのフッ素化反応:
β−ナフトール0.070g(0.49mmol)と1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボラート)0.344g(0.971mmol)を50cc耐圧反応管に加え、減圧下密封した。−70℃に冷却し、二酸化炭素15gを導入後、再度密封し、室温で12時間攪拌した。0℃に冷却して、二酸化炭素を徐々に放出した。
残渣をクロロホルム−水で処理後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。この残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=4:1)に付して、褐色結晶として1,1−ジフルオロ−1H−ナフタレン−2−オン0.0026g(3.0%)、1−フルオロ−β−ナフトール0.0117g(14.8%)及び原料のβ−ナフトール0.0505g(72.1%)の混合物を得た。
この混合物をエタノール3mlに溶解して、5%Pd−C0.03gを加え、水素雰囲気下、室温で8時間撹拌した。反応液にクロロホルム3mlを加え、セライトでろ過し、ろ液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=4:1)に付して、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.0140g(17.8%)を得た。この生成物の同定データは実施例1に記したものと同じであった。
実施例4
1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボラート)3−トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウムによるβ−ナフトールのフッ素化反応:
β−ナフトール0.350g(2.43mmol)、1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボラート)1.72g(4.86mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム0.167g(0.970mmol)を50cc耐圧反応管に加え、減圧下密封した。−70℃に冷却し、二酸化炭素17gを導入後、再度密封し、室温で12時間攪拌した。0℃に冷却して、二酸化炭素を徐々に放出した。
残渣をクロロホルム−水で処理後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。この残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=4:1)に付して、褐色結晶として1,1−ジフルオロ−1H−ナフタレン−2−オン0.331g(75.7%)と1−フルオロ−β−ナフトール0.079g(20.1%)の混合物を得た。
この結晶をエタノール3mlに溶解して、5%Pd−C0.03gを加え、水素雰囲気下、室温で8時間撹拌した。反応液にクロロホルム3mlを加え、セライトでろ過し、ろ液を減圧濃縮して、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.375g(95.3%)を得た。この生成物の同定データは実施例1に記したものと同じであった。
実施例5
N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)1によるβ−ナフトールのフッ素化反応及び2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)の回収:
β−ナフトール0.14g(0.97mmol)及びN,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホナート)0.52g(1.05mmol)を50cc耐圧反応管に仕込み、減圧下、密封した。−70℃に冷却し、二酸化炭素15gを導入後、再度密封し、室温で12時間撹拌した。
0℃に冷却して、二酸化炭素を徐々に放出し、残渣にジエチルエーテル50mlを加えてよく撹拌した後、ろ過して、不溶物であるフッ素化剤前駆体:2,2’−ビピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホナート)をろ取して乾燥し、449mg(93%)回収することができた。
ろ液を濃縮し、エタノール5mlに溶解して、5%Pd−C0.05gを加え、水素雰囲気下、室温で10時間撹拌した。反応液にクロロホルム5mlを加え、セライトでろ過し、ろ液を減圧濃縮して、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.158g(100%)を得た。
実施例6
N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)1によるβ−ナフトールのフッ素化反応(超臨界CO2中での反応):
β−ナフトール0.070g(0.49mmol)及びN,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)0.26g(0.53mmol)を50cc耐圧反応管に仕込み、減圧下、密封した。−70℃に冷却し、二酸化炭素25gを導入後、再度密封し、35℃、75気圧で12時間攪拌した。0℃に冷却して、二酸化炭素を徐々に放出した。残渣をクロロホルム−水で処理後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。
この残渣0.086gをエタノール3mlに溶解して、5%Pd−C0.03gを加え、水素雰囲気下、室温で8時間攪拌した。反応液にクロロホルム3mlを加え、セライトで濾過し、濾液を減圧濃縮し、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.078g(99.0%)を得た。
実施例7
N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)1によるβ−ナフトールのフッ素化反応(フルオロホルム中での反応):
β−ナフトール0.070g(0.49mmol)及びN,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)0.26g(0.53mmol)を50cc耐圧反応管に仕込み、減圧下、密封した。−70℃に冷却し、フルオロホルム25gを導入後、再度密封し、15℃、50気圧で12時間攪拌した。0℃に冷却して、フルオロホルムを徐々に放出した。残渣をクロロホルム−水で処理後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。
この残渣0.086gをエタノール3mlに溶解して、5%Pd−C0.03gを加え、水素雰囲気下、室温で8時間攪拌した。反応液にクロロホルム3mlを加え、セライトで濾過し、濾液を減圧濃縮し、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.078g(99.0%)を得た。
実施例8
N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)1によるβ−ナフトールのフッ素化反応(超臨界フルオロホルム中での反応):
β−ナフトール0.070g(0.49mmol)及びN,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)0.26g(0.53mmol)を50cc耐圧反応管に仕込み、減圧下、密封した。−70℃に冷却し、フルオロホルム25gを導入後、再度密封し、27℃、60気圧で12時間攪拌した。0℃に冷却して、フルオロホルムを徐々に放出した。残渣をクロロホルム−水で処理後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。
この残渣0.086gをエタノール3mlに溶解して、5%Pd−C0.03gを加え、水素雰囲気下、室温で8時間攪拌した。反応液にクロロホルム3mlを加え、セライトで濾過し、濾液を減圧濃縮し、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.078g(99.0%)を得た。
実施例9
1−フルオロ−6−トリフルオロメチル−2−ピリジンスルホナート4によるβ−ナフトールのフッ素化反応:
β−ナフトール0.147g(1.02mmol)及び1−フルオロ−6−トリフルオロメチル−2−ピリジンスルホナート0.55g(2.24mmol)を50cc耐圧反応管に仕込み、減圧下、密封した。−70℃に冷却し、二酸化炭素20gを導入後、再度密封し、室温で21.5時間攪拌した。0℃に冷却して、二酸化炭素を徐々に放出した。残渣に塩化メチレン:n−ヘキサン=1:4を加え、析出結晶を吸引濾取した。濾液を濃縮し、この残渣0.178gをエタノール5mlに溶解して、5%Pd−C0.05gを加え、水素雰囲気下、室温で8時間攪拌した。反応液にクロロホルム5mlを加え、セライトで濾過し、濾液を減圧濃縮し、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.164g(99%)を得た。
吸引濾取の結晶に酢酸エチルを加え、抽出後、濾過後の濾液を濃縮、乾燥することにより、一部1−フルオロ−6−トリフルオロメチル−2−ピリジンスルホナートを含む6−トリフルオロメチル−2−ピリジンスルホン酸0.522gを得た。
実施例10
1−フルオロ−6−トリフルオロメチル−2−ピリジンスルホナート4によるβ−ナフトールのフッ素化反応:
β−ナフトール0.147g(1.02mmol)、1−フルオロ−6−トリフルオロメチル−2−ピリジンスルホナート0.55g(2.24mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸0.34g(2.24mmol)を50cc耐圧反応管に仕込み、減圧下、密封した。−70℃に冷却し、二酸化炭素20gを導入後、再度密封し、室温で21.5時間攪拌した。0℃に冷却して、二酸化炭素を徐々に放出した。
この残渣に塩化メチレン:n−ヘキサン=1:4を加え、析出結晶を吸引濾取した。濾液を濃縮し、この残渣0.178gをエタノール5mlに溶解して、5%Pd−C0.05gを加え、水素雰囲気下、室温で8時間攪拌した。反応液にクロロホルム5mlを加え、セライトで濾過し、濾液を減圧濃縮し、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.165g(>99%)を得た。
吸引濾取の結晶に酢酸エチルを加え、抽出後、濾過後の濾液を濃縮、乾燥することにより、一部1−フルオロ−6−トリフルオロメチル−2−ピリジンスルホナートのトリフルオロメタンスルホン酸塩を含む6−トリフルオロメチル−2−ピリジンスルホン酸のトリフルオロメタンスルホン酸塩0.85gを得た。
参考例1
N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)1によるアセトニトリル中でのβ−ナフトールのフッ素化反応:
通常のガラス製ナス型フラスコに、β−ナフトール0.070g(0.49mmol)と脱水アセトニトリル19ml(15g)を加え溶解した後、アルゴン雰囲気下攪拌しながら、N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)0.260g(0.53mmol)を加えた。室温で12時間攪拌してから減圧濃縮して得た残渣をクロロホルム−水で処理後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮した。
この残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=4:1)に付して、褐色液体として、1,1−ジフルオロ−1H−ナフタレン−2−オン0.0519g(59.3%)及び1−フルオロ−β−ナフトール0.0251g(31.9%)の混合物を得た。
この混合物0.077gをエタノール3mlに溶解して、5%Pd−C0.03gを加え、水素雰囲気下、室温で8時間攪拌した。反応液にクロロホルム3mlを加え、セライトで濾過し、濾液を減圧濃縮し、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.067g(85.1%)を得た。この生成物の同定データは実施例1に記したものと同じであった。
実施例11
50mlのオートクレーブに2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)50mg(0.11mmol)及び二酸化炭素15gを加え、−70℃に冷却した後、真空ポンプで脱気した。これに−70℃冷却下、窒素ガスで24vol%に希釈したフッ素ガス(1.2mmol)を加え、室温まで徐々に昇温させた。
その後、ガス成分を放出し、窒素ガスをしばらく流した後、反応液にエーテルを加え、析出した結晶(N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート))をろ取した。ろ取した結晶を減圧下乾燥し、N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)を53g(98%)得た。
本発明は、求電子的フッ素化剤による有機化合物のフッ素化方法に関するものである。
従来の技術
従来、N−F結合を有する求電子的フッ素化剤を用いたフッ素化反応は、アセトニトリル、ジクロロメタン或いはギ酸など、常温常圧で液体である有機溶媒が用いられてきた。しかしながら、これらの溶媒を用いると、フッ素化生成物と、フッ素化後のN−F結合がN−H結合になった求電子的フッ素化剤前駆体の全部又は一部が、共に溶媒に溶解してしまい、フッ素化生成物の単離精製、及び求電子的フッ素化剤前駆体の効率的な回収が容易ではなかった。
液体又は超臨界二酸化炭素を溶媒として用いるフッ素化技術は、WO00/68170号のように、フッ素ガス、二フッ化キセノン、N,N−ジエチル−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルアミンをフッ素化剤として用いる方法が報告されている。これによれば、求電子的フッ素化剤である二フッ化キセノンを使用して飽和炭化水素に作用させることにより、フッ化物が得られるとあるが、生成物の詳細は記されていない。さらに、収率も30%と低いものである。また、反応進行のためには、105℃、5000psia(340気圧)という過激な条件を必要とするため、簡便に反応を行うのは困難である。
N−F結合を有する求電子的フッ素化剤はこれまで、多数報告されており、高価な二フッ化キセノンに比べ、より経済的で汎用性が高いにもかかわらず、常圧常温で気体である二酸化炭素又はフルオロアルカン中で有機化合物の効率的なフッ素化に用いられた例がない。
発明の目的
そこで本発明の目的は、N−F結合を有する求電子的フッ素化剤を用いる効率的なフッ素化方法、及びフッ素化反応後の処理方法、並びにN−F結合を有する求電子的フッ素化剤のリサイクルを伴うフッ素化方法を提供することにある。
発明の構成
本発明者は、前記課題を解決するため、鋭意研究の結果、N−F結合を有する求電子的フッ素化剤が液体二酸化炭素等の媒体中で高収率に有機化合物をフッ素化することを見出し、本発明に到達した。更に、反応後、N−F結合がN−H結合になった求電子的フッ素化剤前駆体を高収率で容易に回収し、再生できることを見出した。
即ち、本発明は、N−F結合を有する求電子的フッ素化剤を用いて、液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、液体フルオロアルカン又は超臨界フルオロアルカン中で有機化合物のフッ素化を行うフッ素化方法に係り、またこのフッ素化に、下記式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)又は(VI)で表される四級窒素オニウム塩からなる求電子的フッ素化剤を使用することも特徴とするものである。
(但し、前記式(I)中、X−はブレンステッド酸の共役塩基である。)
(但し、前記式(II)中、X−はブレンステッド酸の共役塩基である。)
(但し、前記式(III)中、X−はブレンステッド酸の共役塩基である。)
(但し、前記式(IV)中、X−はブレンステッド酸の共役塩基である。)
(但し、前記式(V)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン置換アルキル基、X−はブレンステッド酸の共役塩基である。)
(但し、前記式(VI)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン置換アルキル基である。)
また、本発明は、前記式(I)で表される四級窒素オニウム塩からなる求電子的フッ素化剤を用いて、液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、液体フルオロアルカン又は超臨界フルオロアルカン中で有機化合物のフッ素化を行った後、下記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩を反応生成物から回収する、フッ素化方法も提供するものである。
(但し、前記式(VII)中、X−はブレンステッド酸の共役塩基である。)
この場合、前記の回収された、前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩をフッ素化した後、再び液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、液体フルオロアルカン又は超臨界フルオロアルカン中で有機化合物のフッ素化を行うのがよい。
また、前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩をフッ素化して、前記式(I)で表される四級窒素オニウム塩を生成し、この生成物を求電子的フッ素化剤として、前記液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、液体フルオロアルカン又は超臨界フルオロアルカン中で、有機化合物のフッ素化を行うのがよい。
また、前記フッ素化反応後、二酸化炭素又はフルオロアルカンを留去し、溶媒を加えることにより、前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩を結晶化し、これを回収するのがよい。
また、前記フッ素化反応後、二酸化炭素又はフルオロアルカンを留去し、さらに揮発性生成物を留去し、前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩を回収するのがよい。
また、前記フッ素化反応後、二酸化炭素又はフルオロアルカンを留去し、さらに揮発性生成物の一部又は全部を留去し、この留去分に溶媒を加えることにより、前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩を結晶化し、これを回収するのがよい。
また、前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩を液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、液体フルオロアルカン又は超臨界フルオロアルカン中で、フッ素ガスによりフッ素化して、前記式(I)で表される四級窒素オニウム塩を再生するのがよい。
本発明はまた、前記式(I)で表される四級窒素オニウム塩を用いて、前記液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、液体フルオロアルカン又は超臨界フルオロアルカン中で有機化合物のフッ素化を行い、請求の範囲の第14項、第15項又は第16項に記載した方法で、フッ素化された生成物を分離し、前記の回収された、前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩を請求の範囲の第17項に記載した方法で、前記式(I)で表される四級窒素オニウム塩に戻し、これを用いて連続的に有機化合物のフッ素化を行う、リサイクル型フッ素化方法も提供するものである。
上記において、請求の範囲の第3項に記載した、前記式(II)で表される四級窒素オニウム塩を用いてフッ素化を行った後、下記式(VIII)で表される四級窒素オニウム塩を回収するのがよい。
また、請求の範囲の第4項に記載した、前記式(III)で表される四級窒素オニウム塩を用いてフッ素化を行った後、下記式(IX)で表される四級窒素オニウム塩を回収するのがよい。
また、請求の範囲の第5項に記載した、前記式(IV)で表される四級窒素オニウム塩を用いてフッ素化を行った後、下記式(X)で表される四級窒素オニウム塩を回収するのがよい。
また、請求の範囲の第6項に記載した、前記式(V)で表される四級窒素オニウム塩を用いてフッ素化を行った後、下記式(XI)で表される四級窒素オニウム塩を回収するのがよい。
(但し、R1、R2、R3、R4及びR5は前記したものと同じである。)
また、請求の範囲の第9項に記載した、前記式(VI)で表される四級窒素オニウム塩を用いてフッ素化を行った後、下記式(XII)で表される四級窒素オニウム塩を回収するのがよい。
(但し、R1、R2、R3及びR4は前記したものと同じである。)
そして、前記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)又は(XI)において、X−がフルオロアルキルスルホン酸の共役塩基であるのがよい。
この場合、前記フルオロアルキルスルホン酸が、トリフルオロメタンスルホン酸であってよい。
本発明において、前記のN−F結合を有する求電子的フッ素化剤としては、N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム塩、1,2−ビス(4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル)エタン塩、1,3−ビス(4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル)プロパン塩、N,N’−ジフルオロ−4,4’−ビピリジニウム塩、1−フルオロ−4−(4−ピリジル)ピリジニウム塩、1−フルオロ−1’−メチル−4,4’−ビピリジニウム塩、N−フルオロベンズ−1,2,3−オキサチアジン−4−オン 2,2−ジオキサイド、N−フルオロベンゼンスルホンイミド、N−フルオロフルオロスルホンイミド、N−フルオロメタンスルホンイミド、N−フルオロキヌクリジニウム塩、N−フルオロピリジニウム塩、N−フルオロ−3,5−ジクロロピリジニウム塩、N−フルオロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ピリジニウム塩、N−フルオロピリジニウムピリジン塩、N−フルオロ−2,4,6−トリメチルピリジニウム塩、N−フルオロペンタクロロピリジニウム塩、N−フルオロパーフルオロ[N−(4−ピリジル)−N−メタンスルホニル]アミド、N−フルオロパーフルオロ−[N−(4−ピリミジル)−N−メタンスルホニル]アミド、N−フルオロ−N−メチル−p−トルエンスルホンアミド、N−フルオロパーフルオロ[N−(4−ピリジル)アセタミド]、N−フルオロ−o−ベンゼンスルホンイミド、(−)−N−フルオロ−2,10−カンファースルタム、(+)−N−フルオロ−2,10−カンファースルタム、(−)−N−フルオロ−2,10−(3,3−ジクロロカンファースルタム)、(+)−N−フルオロ−2,10−(3,3−ジクロロカンファースルタム)、(−)−N−フルオロ−2,10−(3,3−ジメトキシカンファースルタム)、(+)−N−フルオロ−2,10−(3,3−ジメトキシカンファースルタム)、(+)−N−フルオロ−2,10−(3,3−ジメトキシカンファースルタム)、N−フルオロキニジニウム塩、N−フルオロシンコニニウム塩、N−フルオロキニニウム塩、N−フルオロシンコニジウム塩、N−フルオロオキサチアジノン ジオキサイド、N−フルオロパーフルオロピペリジン、N−フルオロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)パーフルオロピペリジン、(11S,12R,14R)−2−フルオロ−14−メチル−11−(メチルエチル)スピロ[4H−ベンゾ[e]−1,2−チアジン−3−2’−シクロヘキサン]−1,1−ジオン、N−フルオロ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾ[1,2−d]イソチアゾール1,1−ジオキシド、N−フルオロ−3−シクロヘキシル−3−メチル−2,3−ジヒドロベンゾ[1,2−d]イソチアゾール1,1−ジオキシド、1,2−ビス(4−フルオロ)1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩、1−フルオロ−4−ヒドロキシ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩、N−フルオロ−1−アザニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン塩、N−フルオロ−4,5−ジニトロイミダゾール、N−フルオロ−2,4−ジニトロイミダゾール、N−フルオロ−2−ブロモ−4,5−ジニトロイミダゾール、N−フルオロ−5−ブロモ−2,4−ジニトロイミダゾール、N−フルオロ−2−ピリドン、N−フルオロ−2−ピロリジノン、テトラフルオロアンモニウム塩、1,3,3,4,4−ペンタフルオロピロリジン−2,5−ジオン、1−ブチル−1−フルオロピペリジニウム塩、N−フルオロ−N−メチル−p−トルエンスルホンアミド、N−フルオロ−2−メタンスルホニルアミノ−2−フェニルエチル アセテート、N−フルオロ−N−(1−フェニル−エチル)−p−トルエンスルホンアミド等を例示できる(Chemical Reviews,1996,96,1737−1755)。
また、本発明で用いる、N−F結合を有する求電子的フッ素化剤の四級窒素オニウム塩における前記ブレンステッド酸は、硫酸、モノメチル硫酸、モノエチル硫酸などの硫酸又はそのモノエステル;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、クロロスルホン酸、フルオロスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ニトロベンゼンスルホン酸、ジニトロトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、1,1,2,2,−テトラフルオロエタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸、トリフルオロエタンスルホン酸などのスルホン酸;トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸などのカルボン酸;HBF4、HPF6、HSbF6、HAsF6、HBCl4、HBCl3F、HSbCl6、HSbCl5Fなどのルイス酸とハロゲン化水素との化合物;又はこれらの混合物;などを例示できる。
この四級窒素オニウム塩の対アニオンX−としては、例えばテトラフルオロボレート、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミデート、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタネート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、パークロレート等を例示することができる。
また、これらのフッ素化剤で、反応が高収率に進行しない場合には、例えばXがBF4である場合には、反応を進行させるために、(RfSO3 −)nMn+、{(RfSO2)2N−}nMn+又は{(RfSO2)3C−}nMn+(但し、RfはC1〜C23のパーフルオロアルキル基、M+は金属カチオン又は窒素オニウム、nは1〜3の整数である)のうち、一つ又はそれ以上を添加することができる。
例えば、対アニオンとしてBF4を使用する場合、BF4が安価であることにより、工業的及び経済的に有利にフッ素化剤を製造することができる。さらに、形成される塩の有機溶媒への溶解度が小さいため、単離が容易になる。しかし、反応に供すると、溶媒に対する溶解度が小さいことが反応進行に不利に働いてしまう。この点を改善するため、例えばCF3SO3Naを添加することが有効である。塩の媒体への溶解度を向上させるために、対アニオンにパーフルオロアルキルを有するスルホン酸塩を添加することは良く知られている(T.Umemoto,M.Nagayoshi,K.Adachi and G.Tomizawa,J.Org.Chem.1998,63,3379)が、本発明者は、これを二酸化炭素など、常圧常温で気体である媒体を使用する場合にも適用できることを見出した。
前記のN−F結合を有する求電子的フッ素化剤のうち、請求の範囲の第9項に記載された式(VI)の両性イオン性フッ素化剤を使用する場合、反応が高収率に進行しない時に、反応をより進行させるため、パーフルオロアルキルスルホン酸(炭素数1〜23)を添加することができる。これは、フッ素化剤のSO3 −をSO3Hに変換することにより、N−F結合の反応性を増加させる効果と、反応媒体への溶解度を向上させることがその主因である。
本発明で用いる、前記のN−F結合を有する求電子的フッ素化剤は、基質の0.5当量から30当量を加えることができる。好ましくは、0.9当量から10当量を用いることができる。しかしながら、これらの量に限定されるものではない。
本発明で使用する、常圧常温で気体である反応媒体としては、二酸化炭素、フルオロホルム、ジフロロメタン等のフルオロアルカンが例示できる。これらは液体又は超臨界状態で使用する。
そして、本発明のフッ素化反応に適用される反応温度範囲は、−100℃〜200℃であってよいが、使用する媒体によって異なり、例えば二酸化炭素の場合、液体から超臨界状態の間である−50℃から100℃が好ましい。より好ましくは、0℃〜80℃の間で反応を行うことができる。反応媒体をフルオロホルムにする場合にも−30℃〜100℃が好ましいが、より好ましくは、0℃〜80℃の間で反応を行うことができるが、これらの温度範囲に限定されるものではない。
本発明のフッ素化反応に適用される反応圧力範囲は、1気圧〜100,000気圧であってよい。使用する媒体により好ましい圧力範囲は異なるが、例えば二酸化炭素やフルオロホルムの場合、液体から超臨界状態の間である5気圧〜10000気圧の間で行うことができる。より好ましくは、10気圧〜1000気圧の間で反応を行うことができるが、これらの圧力範囲に限定されるものではない。
反応後の後処理としては、反応媒体放出後の残渣に有機溶媒、水又は有機溶媒−水混合溶液を加えることにより、結晶性の高いフッ素化体についてはこれを結晶化させ、単離精製することが可能である。ここで使用する有機溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、塩化エチレン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、l−クロロナフタレンなどのハロゲン化炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、イソアミルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセタミドなどの酸アミド類;二硫化炭素、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホンなどの含硫黄化合物;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジイソアミルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、ジメトキシエタンなどのエーテル類;フルフラール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メシチルオキシド、シクロヘキサノンなどのアルデヒド及びケトン類;石油エーテル、リグロイン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン、テトラリンなどの飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、p−シメンなどの芳香族炭化水素;炭酸ジエチル、炭酸グリコール、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、グリコールカルボナート、プロピオン酸メチルなどのエステル類;無水酢酸などのカルボン酸無水物;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、キノリンなどのアミン類;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;などを単独にあるいは2種以上混合して用いることができる。
また、反応媒体放出後の残渣を、抽出で用いられる有機溶媒(例えば四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸メチル、ギ酸エチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)と水で処理し、抽出溶媒を留去後、フッ素化体を蒸留、再結晶、カラム精製などの方法で単離する工程を行うこともできる。
また、反応媒体放出後の残渣に、フッ素化剤及びフッ素化剤前駆体を溶解しにくい有機溶媒を加えることにより、フッ素化体を溶解させる一方、フッ素化剤やフッ素化剤前駆体を析出させて分離することもできる。ここで使用する有機溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、塩化エチレン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジイソアミルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、ジメトキシエタンなどのエーテル類;フルフラール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メシチルオキシド、シクロヘキサノンなどのアルデヒド及びケトン類;石油エーテル、リグロイン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン、テトラリンなどの飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、p−シメンなどの芳香族炭化水素;炭酸ジエチル、炭酸グリコール、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、グリコールカルボナート、プロピオン酸メチルなどのエステル類;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;を単独に若しくは2種以上混合して用いることができる。
フッ素化体が揮発物である場合は、反応媒体放出後、フッ素化体を留去、蒸留により精製することができる。フッ素化体の一部あるいは副生成物が留去されずに残る場合は、前記のフッ素化剤及びフッ素化剤前駆体を溶解しにくい1種又は2種以上の溶媒を用いて、これを洗浄することにより、フッ素化体とフッ素化剤及びフッ素化剤前駆体を分離することができる。
このようにして反応後に回収したフッ素化剤前駆体には、未反応のN−F結合を有するフッ素化剤が一部残っている場合がある。この場合、N−F結合を有する化合物を還元剤で還元してN−H結合に戻し、すべてフッ素化剤前駆体として回収してもよいが、N−F結合を有する化合物が残っている状態で、フッ素ガスを導入し、再度フッ素化剤へ誘導することにより、フッ素化剤をリサイクル使用することもできる。
フッ素化剤前駆体をフッ素ガスにより再度フッ素化剤へ誘導する方法は、これまで報告されているように有機溶媒中で行ってもよいが、媒体として、本発明において適用する、常温常圧で気体である二酸化炭素又はフルオロアルカンを用いてもよい。
また、二酸化炭素又はフルオロアルカン中でフッ素化剤を再生させることにより、反応容器からフッ素化剤及びフッ素化剤前駆体を取り出すことなく、フッ素化剤をリサイクルし、連続して有機化合物をフッ素化することができる。
本発明のフッ素化反応の例を下記の表1に示す(但し、Tfはトリフルオロメタンスルホン酸基:以下、同様)が、本発明はこれらに限定されるものではない。
産業上の利用可能性
N−F結合を有する本発明の求電子的フッ素化剤を用いた液体又は超臨界二酸化炭素又はフルオロアルカン中でのフッ素化反応は、無毒、不燃性で安全性に優れており、除去・回収も容易な二酸化炭素等を使用することにより、結果として無溶媒反応となり、残留溶媒の問題も無い、高収率化が可能な反応として有用である。さらに、フッ素化後のフッ素化剤前駆体の回収も極めて容易となり、リサイクルによる経済的なフッ素化を高効率に実施できる。
実施例
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)1によるβ−ナフトールのフッ素化反応:
β−ナフトール0.070g(0.49mmol)及びN,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)0.26g(0.53mmol)を50cc耐圧反応管に仕込み、減圧下、密封した。−70℃に冷却し、二酸化炭素15gを導入後、再度密封し、室温で12時間攪拌した。0℃に冷却して、二酸化炭素を徐々に放出した。残渣をクロロホルム−水で処理後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。
この残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=4:1)に付して、褐色固体として1,1−ジフルオロ−1H−ナフタレン−2−オン0.0783g(89.5%)及び1−フルオロ−β−ナフトール0.0077g(9.8%)の混合物を得た。
この混合物0.086gをエタノール3mlに溶解して、5%Pd−C0.03gを加え、水素雰囲気下、室温で8時間撹拌した。反応液にクロロホルム3mlを加え、セライトでろ過し、ろ液を減圧濃縮して、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.078g(99.0%)を得た。この生成物の同定データは次の通りであった。
1H−NMR(CD3Cl;TMS)δ:5.3(bs,1H,0H),7.23(dd,1H,J=8.6Hz,JH−CC−F=8.6Hz,H−3),7.3〜7.8(m,4H,Ar−H),7.97(d,1H,J=8.6Hz,H−4).
19F−NMR(CD3Cl;CFCl3)δ:−155.3(s,2F).
実施例2
N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(テトラフルオロボラート)2−トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウムによるβ−ナフトールのフッ素化反応:
β−ナフトール0.070g(0.49mmol)、N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(テトラフルオロボラート)0.200g(0.54mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム塩0.18g(0.11mmol)を50cc耐圧反応管に仕込み、減圧下密封した。−70℃に冷却し、二酸化炭素15gを導入後、再度密封し、室温で12時間攪拌した。0℃に冷却して、二酸化炭素を徐々に放出した。
残渣をクロロホルム−水で処理後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。この残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=4:1)に付して、黄褐色結晶として1,1−ジフルオロ−1H−ナフタレン−2−オン0.082g(93.8%)を得た。この生成物の同定データは次の通りであった。
1H−NMR(CD3Cl;TMS)δ:6.24(dt,1H,J=10.1Hz,JH−CCC−F=2.8Hz,H−3),7.3〜7.9(m,4H,Ar−H),7.45(d,1H,J=10.1Hz,H−4).
19F−NMR(CD3Cl;CFCl3)δ:−101.6(s,2F).
この生成物の結晶0.082gをエタノール3mlに溶解して、5%Pd−C0.03gを加え、水素雰囲気下、室温で8時間撹拌した。反応液にクロロホルム3mlを加え、セライトでろ過し、ろ液を減圧濃縮して、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.073g(92.7%)を得た。この生成物の同定データは実施例1に記載したものと同じであった。
実施例3
1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボラート)3によるβ−ナフトールのフッ素化反応:
β−ナフトール0.070g(0.49mmol)と1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボラート)0.344g(0.971mmol)を50cc耐圧反応管に加え、減圧下密封した。−70℃に冷却し、二酸化炭素15gを導入後、再度密封し、室温で12時間攪拌した。0℃に冷却して、二酸化炭素を徐々に放出した。
残渣をクロロホルム−水で処理後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。この残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=4:1)に付して、褐色結晶として1,1−ジフルオロ−1H−ナフタレン−2−オン0.0026g(3.0%)、1−フルオロ−β−ナフトール0.0117g(14.8%)及び原料のβ−ナフトール0.0505g(72.1%)の混合物を得た。
この混合物をエタノール3mlに溶解して、5%Pd−C0.03gを加え、水素雰囲気下、室温で8時間撹拌した。反応液にクロロホルム3mlを加え、セライトでろ過し、ろ液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=4:1)に付して、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.0140g(17.8%)を得た。この生成物の同定データは実施例1に記したものと同じであった。
実施例4
1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボラート)3−トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウムによるβ−ナフトールのフッ素化反応:
β−ナフトール0.350g(2.43mmol)、1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボラート)1.72g(4.86mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム0.167g(0.970mmol)を50cc耐圧反応管に加え、減圧下密封した。−70℃に冷却し、二酸化炭素17gを導入後、再度密封し、室温で12時間攪拌した。0℃に冷却して、二酸化炭素を徐々に放出した。
残渣をクロロホルム−水で処理後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。この残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=4:1)に付して、褐色結晶として1,1−ジフルオロ−1H−ナフタレン−2−オン0.331g(75.7%)と1−フルオロ−β−ナフトール0.079g(20.1%)の混合物を得た。
この結晶をエタノール3mlに溶解して、5%Pd−C0.03gを加え、水素雰囲気下、室温で8時間撹拌した。反応液にクロロホルム3mlを加え、セライトでろ過し、ろ液を減圧濃縮して、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.375g(95.3%)を得た。この生成物の同定データは実施例1に記したものと同じであった。
実施例5
N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)1によるβ−ナフトールのフッ素化反応及び2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)の回収:
β−ナフトール0.14g(0.97mmol)及びN,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホナート)0.52g(1.05mmol)を50cc耐圧反応管に仕込み、減圧下、密封した。−70℃に冷却し、二酸化炭素15gを導入後、再度密封し、室温で12時間撹拌した。
0℃に冷却して、二酸化炭素を徐々に放出し、残渣にジエチルエーテル50mlを加えてよく撹拌した後、ろ過して、不溶物であるフッ素化剤前駆体:2,2’−ビピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホナート)をろ取して乾燥し、449mg(93%)回収することができた。
ろ液を濃縮し、エタノール5mlに溶解して、5%Pd−C0.05gを加え、水素雰囲気下、室温で10時間撹拌した。反応液にクロロホルム5mlを加え、セライトでろ過し、ろ液を減圧濃縮して、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.158g(100%)を得た。
実施例6
N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)1によるβ−ナフトールのフッ素化反応(超臨界CO2中での反応):
β−ナフトール0.070g(0.49mmol)及びN,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)0.26g(0.53mmol)を50cc耐圧反応管に仕込み、減圧下、密封した。−70℃に冷却し、二酸化炭素25gを導入後、再度密封し、35℃、75気圧で12時間攪拌した。0℃に冷却して、二酸化炭素を徐々に放出した。残渣をクロロホルム−水で処理後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。
この残渣0.086gをエタノール3mlに溶解して、5%Pd−C0.03gを加え、水素雰囲気下、室温で8時間攪拌した。反応液にクロロホルム3mlを加え、セライトで濾過し、濾液を減圧濃縮し、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.078g(99.0%)を得た。
実施例7
N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)1によるβ−ナフトールのフッ素化反応(フルオロホルム中での反応):
β−ナフトール0.070g(0.49mmol)及びN,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)0.26g(0.53mmol)を50cc耐圧反応管に仕込み、減圧下、密封した。−70℃に冷却し、フルオロホルム25gを導入後、再度密封し、15℃、50気圧で12時間攪拌した。0℃に冷却して、フルオロホルムを徐々に放出した。残渣をクロロホルム−水で処理後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。
この残渣0.086gをエタノール3mlに溶解して、5%Pd−C0.03gを加え、水素雰囲気下、室温で8時間攪拌した。反応液にクロロホルム3mlを加え、セライトで濾過し、濾液を減圧濃縮し、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.078g(99.0%)を得た。
実施例8
N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)1によるβ−ナフトールのフッ素化反応(超臨界フルオロホルム中での反応):
β−ナフトール0.070g(0.49mmol)及びN,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)0.26g(0.53mmol)を50cc耐圧反応管に仕込み、減圧下、密封した。−70℃に冷却し、フルオロホルム25gを導入後、再度密封し、27℃、60気圧で12時間攪拌した。0℃に冷却して、フルオロホルムを徐々に放出した。残渣をクロロホルム−水で処理後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。
この残渣0.086gをエタノール3mlに溶解して、5%Pd−C0.03gを加え、水素雰囲気下、室温で8時間攪拌した。反応液にクロロホルム3mlを加え、セライトで濾過し、濾液を減圧濃縮し、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.078g(99.0%)を得た。
実施例9
1−フルオロ−6−トリフルオロメチル−2−ピリジンスルホナート4によるβ−ナフトールのフッ素化反応:
β−ナフトール0.147g(1.02mmol)及び1−フルオロ−6−トリフルオロメチル−2−ピリジンスルホナート0.55g(2.24mmol)を50cc耐圧反応管に仕込み、減圧下、密封した。−70℃に冷却し、二酸化炭素20gを導入後、再度密封し、室温で21.5時間攪拌した。0℃に冷却して、二酸化炭素を徐々に放出した。残渣に塩化メチレン:n−ヘキサン=1:4を加え、析出結晶を吸引濾取した。濾液を濃縮し、この残渣0.178gをエタノール5mlに溶解して、5%Pd−C0.05gを加え、水素雰囲気下、室温で8時間攪拌した。反応液にクロロホルム5mlを加え、セライトで濾過し、濾液を減圧濃縮し、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.164g(99%)を得た。
吸引濾取の結晶に酢酸エチルを加え、抽出後、濾過後の濾液を濃縮、乾燥することにより、一部1−フルオロ−6−トリフルオロメチル−2−ピリジンスルホナートを含む6−トリフルオロメチル−2−ピリジンスルホン酸0.522gを得た。
実施例10
1−フルオロ−6−トリフルオロメチル−2−ピリジンスルホナート4によるβ−ナフトールのフッ素化反応:
β−ナフトール0.147g(1.02mmol)、1−フルオロ−6−トリフルオロメチル−2−ピリジンスルホナート0.55g(2.24mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸0.34g(2.24mmol)を50cc耐圧反応管に仕込み、減圧下、密封した。−70℃に冷却し、二酸化炭素20gを導入後、再度密封し、室温で21.5時間攪拌した。0℃に冷却して、二酸化炭素を徐々に放出した。
この残渣に塩化メチレン:n−ヘキサン=1:4を加え、析出結晶を吸引濾取した。濾液を濃縮し、この残渣0.178gをエタノール5mlに溶解して、5%Pd−C0.05gを加え、水素雰囲気下、室温で8時間攪拌した。反応液にクロロホルム5mlを加え、セライトで濾過し、濾液を減圧濃縮し、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.165g(>99%)を得た。
吸引濾取の結晶に酢酸エチルを加え、抽出後、濾過後の濾液を濃縮、乾燥することにより、一部1−フルオロ−6−トリフルオロメチル−2−ピリジンスルホナートのトリフルオロメタンスルホン酸塩を含む6−トリフルオロメチル−2−ピリジンスルホン酸のトリフルオロメタンスルホン酸塩0.85gを得た。
参考例1
N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)1によるアセトニトリル中でのβ−ナフトールのフッ素化反応:
通常のガラス製ナス型フラスコに、β−ナフトール0.070g(0.49mmol)と脱水アセトニトリル19ml(15g)を加え溶解した後、アルゴン雰囲気下攪拌しながら、N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)0.260g(0.53mmol)を加えた。室温で12時間攪拌してから減圧濃縮して得た残渣をクロロホルム−水で処理後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮した。
この残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=4:1)に付して、褐色液体として、1,1−ジフルオロ−1H−ナフタレン−2−オン0.0519g(59.3%)及び1−フルオロ−β−ナフトール0.0251g(31.9%)の混合物を得た。
この混合物0.077gをエタノール3mlに溶解して、5%Pd−C0.03gを加え、水素雰囲気下、室温で8時間攪拌した。反応液にクロロホルム3mlを加え、セライトで濾過し、濾液を減圧濃縮し、淡黄色の結晶として1−フルオロ−β−ナフトール0.067g(85.1%)を得た。この生成物の同定データは実施例1に記したものと同じであった。
実施例11
50mlのオートクレーブに2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)50mg(0.11mmol)及び二酸化炭素15gを加え、−70℃に冷却した後、真空ポンプで脱気した。これに−70℃冷却下、窒素ガスで24vol%に希釈したフッ素ガス(1.2mmol)を加え、室温まで徐々に昇温させた。
その後、ガス成分を放出し、窒素ガスをしばらく流した後、反応液にエーテルを加え、析出した結晶(N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート))をろ取した。ろ取した結晶を減圧下乾燥し、N,N’−ジフルオロ−2,2’−ビピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホナート)を53g(98%)得た。
Claims (25)
- N−F結合を有する求電子的フッ素化剤を用いて、液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、液体フルオロアルカン又は超臨界フルオロアルカン中で有機化合物のフッ素化を行う、フッ素化方法。
- 前記ブレンステッド酸が、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸、トリフルオロエタンスルホン酸などのフルオロアルキルスルホン酸;HBF4、HPF6、HSbF6、HAsF6、HBCl4、HBCl3F、HSbCl6、HSbCl5Fなどのルイス酸とハロゲン化水素との化合物;又はこれらの混合物;からなる、請求の範囲の第2項〜第6項のいずれか1項に記載したフッ素化方法。
- 前記XがBF4である場合、(RfSO3 −)nMn+、{(RfSO2)2N−}nMn+又は{(RfSO2)3C−}nMn+(但し、Rfは炭素数1〜23のパーフルオロアルキル基、Mn+は金属カチオン又は窒素オニウム、nは1〜3の整数である。)の少なくとも1つを添加して前記フッ素化を行う、請求の範囲の第7項に記載したフッ素化方法。
- 前記式(VI)で表される前記求電子的フッ素化剤に、パーフルオロアルキルスルホン酸を添加して前記フッ素化を行う、請求の範囲の第9項に記載したフッ素化方法。
- 前記の回収された、前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩をフッ素化した後、再び液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、液体フルオロアルカン又は超臨界フルオロアルカン中で有機化合物のフッ素化を行う、請求の範囲の第11項に記載したフッ素化方法。
- 前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩をフッ素化して、前記式(I)で表される四級窒素オニウム塩を生成し、この生成物を求電子的フッ素化剤として、前記液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、液体フルオロアルカン又は超臨界フルオロアルカン中で、有機化合物のフッ素化を行う、請求の範囲の第11項に記載したフッ素化方法。
- 前記フッ素化反応後、二酸化炭素又はフルオロアルカンを留去し、溶媒を加えることにより、前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩を結晶化し、これを回収する、請求の範囲の第11項に記載したフッ素化方法。
- 前記フッ素化反応後、二酸化炭素又はフルオロアルカンを留去し、さらに揮発性生成物を留去し、前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩を回収する、請求の範囲の第11項に記載したフッ素化方法。
- 前記フッ素化反応後、二酸化炭素又はフルオロアルカンを留去し、さらに揮発性生成物の一部又は全部を留去し、この留去分に溶媒を加えることにより、前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩を結晶化し、これを回収する、請求の範囲の第11項に記載したフッ素化方法。
- 前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩を液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、液体フルオロアルカン又は超臨界フルオロアルカン中で、フッ素ガスによりフッ素化して、前記式(I)で表される四級窒素オニウム塩を再生する、請求の範囲の第13項に記載したフッ素化方法。
- 前記式(I)で表される四級窒素オニウム塩を用いて、前記液体二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、液体フルオロアルカン又は超臨界フルオロアルカン中で有機化合物のフッ素化を行い、請求の範囲の第14項、第15項又は第16項に記載した方法で、フッ素化された生成物を分離し、前記の回収された、前記式(VII)で表される四級窒素オニウム塩を請求の範囲の第17項に記載した方法で、前記式(I)で表される四級窒素オニウム塩に戻し、これを用いて連続的に有機化合物のフッ素化を行う、リサイクル型フッ素化方法。
- 前記式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)又は(XI)において、X−がフルオロアルキルスルホン酸の共役塩基である、請求の範囲の第2項〜第6項及び第11項〜第22項のいずれか1項に記載したフッ素化方法。
- 前記フルオロアルキルスルホン酸が、トリフルオロメタンスルホン酸である、請求の範囲の第24項に記載したフッ素化方法。
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