JPWO2003005515A1 - GaN系半導体レーザ装置及び該レーザ装置を用いた光ディスク情報システム - Google Patents

GaN系半導体レーザ装置及び該レーザ装置を用いた光ディスク情報システム Download PDF

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Abstract

2以上のストライプ構造16及び16’を1チップ内に設け、第1のストライプ構造16の緩和振動周波数fr1とし、、第2のストライプ構造16’の緩和振動周波数fr2として、fr1をfr2よりも大きくする。緩和振動周波数の大きな第1のストライプ構造16によって低出力でのRin値を良好とし、緩和振動の小さな第2のストライプ構造16’によって高出力での横モードシングル性と信頼性を確保する。

Description

技術分野
本件発明は窒化ガリウム系化合物半導体(InAlGa1−x−yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を用いたGaN系半導体レーザ装置に関し、詳細には、1チップ内に複数のストライプ構造を設けた多点発光型のGaN系半導体レーザ装置に関する。
背景技術
近年、GaN系レーザダイオードの実用化に伴い、380nm〜430nmの短波長光を使用して光ディスクへの高密度記録を行う光ディスク情報システムの開発が盛んである。こうした光ディスク情報システムでは、光ディスクからの信号読出しを低出力で、光ディスクへの信号書込みを高出力で行う。従来は、単一のストライプ構造を有するGaN系レーザダイオードを光源として用い、レーザダイオードの出力を変えながら読取り/書込みの双方を行っていた。
しかしながら、一般的な単一ストライプ構造のGaN系レーザダイオードを用いて読出し/書込みの双方を行う場合、レーザ出力の読取り/書込み比(以下、「RW比」)を高めて高速でのデータ転送を行うには以下の問題があった。
光情報ディスクシステムにおいて、読取りには、出力の相対ノイズ強度(Relative Intensity Noise、以下、「Rin値」)を低く抑えることが必要であり、書取りには、高出力を横モードシングルかつ長寿命で出力できることが必要である。ところが、一般にRin値は、低出力にする程悪化するため、RW比を高めるために読取り時の出力を単純に低くしては読取時に必要なRin値のレベルを保つことができない。他方、レーザ素子の横モードシングル性や寿命は、高出力にする程悪化するため、RW比を高めるために書込み時の出力を単純に高めては、必要な横モードシングル性や寿命を確保することができない。
また、レーザストライプ構造の設計についても、低出力時のRin値を低くする設計では高い最大出力が得られず、逆に高い最大出力を得るための設計では低出力時のRinが大きくなってしまうため、単一のレーザストライプ構造で双方の特性を満足することは難しい。
したがって、一般的な単一ストライプ構造のGaN系レーザダイオードを用いて読出し/書込みの双方を行う場合、必要なRin値レベルや寿命等を保ちながら、RW比を高めて高速でのデータ転送を行うことが困難であった。
そこで、本件発明は、光ディスク情報システムに必要とされるRin値レベルや寿命を保ちながら、RW比を高めて高速でのデータ転送を可能とするGaN系半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
発明の開示
上記目的を達成するために、本件発明に係るGaN系半導体レーザ装置は、一チップ内に、第1の緩和振動周波数frを有する第1のストライプ構造と、第2の緩和振動周波数frを有する第2のストライプ構造を有し、前記第1の緩和振動周波数frが前記第2の緩和振動周波数frよりも大きなことを特徴とする。
即ち、本件発明の第1の特徴は、2以上のストライプ構造を1チップ内に設け、あるストライプ構造を低出力用にし、別のストライプ構造を高出力用にした点にあり、これにより低出力と高出力の双方での特性を良好にできる。ここで、ストライプ構造は、図に示すようにストライプ状のリッジを形成した構造であっても良く、電流狭窄構造のようにストライプ状の開口部が設けられた構造であっても良く、すなわち、ストライプ状の導波路が設けられ、各導波路に対応した複数の発光点を有する端面発光型のレーザ素子に主に適用できる。また、面発光型のレーザ素子であっても、複数の導波路、発光点において、本発明を適用することもできる。更に、本発明は自励発振型レーザでも、自励発振型でないレーザ素子のいずれにも適用でき、上記緩和振動周波数を有するレーザ素子に適用できる。
また、本件発明の第2の特徴は、レーザダイオードが示す緩和振動周波数frの大小がRin−Power特性に大きな影響を与えることに着目し、緩和振動周波数frが大きなストライプ構造と、緩和振動周波数frの小さなストライプ構造を形成した点にある。緩和振動周波数の大きなストライプ構造によって低出力でのRin値を良好とし、緩和振動の小さなストライプ構造によって高出力での横モードシングル性と信頼性を確保することができる。
したがって、本件発明に係るGaN系レーザ装置を光ディスク情報システムに使用する場合、緩和振動周波数frが大きな第1のストライプ構造を読取用光源とし、緩和振動周波数frが小さな第2のストライプ構造を書き取り用光源とする。また、光ディスク情報システムの読出し用及び書き込み用に使用する場合、第1のストライプ構造と第2のストライプ構造が、互いに独立して駆動可能であることが好ましく、また、第1のストライプ構造と第2のストライプ構造の発光波長の差が5nm以内であることが好ましい。
ここで、第1及び第2のストライプ構造が示す緩和振動周波数fr及びfrは、同一温度、同一条件、且つ同一出力でパルス電流を注入した際の緩和振動光波形から決定される。図3は、GaN系半導体レーザダイオードについて25℃、パルス幅10ns、パルス周期20ns、5mWゼロバイアスの条件で測定した緩和振動光波形の一例を示すグラフである。緩和振動光波形のピーク間隔をd(s)とすると、緩和振動周波数fr=1/d(Hz)となる。
緩和振動周波数により、低出力用及び高出力用ストライプ構造の最適化が可能である点について説明する。図4は、GaN系レーザダイオードを高周波重畳駆動した場合のRin値と出力Pの関係を示すグラフである。図4に示すように、レーザダイオードの出力Pを次第に上げていくとRinはほぼリニアに減少していくが、ある程度の出力に達すると極小値が現れ、続いて極大値が現れて再び減少する。通常は、使用する出力が極小値の近傍かやや手前となるようにレーザダイオードが設計される場合が多い。しかし、書込み用の高出力Pに合わせてRin−Power特性を最適化した場合(図中、符号22の曲線)、読出し用の低出力PにおけるRin値が非常に大きくなってしまう。一方、このRin−Power曲線は、緩和振動周波数frを大きくすることにより低出力側にシフトさせることができる(図中、符号20の曲線)。したがって、読出し用の低出力Pに合わせて緩和振動周波数frを大きくしたストライプ構造を別に形成することにより、読出し時におけるRin値を必要なレベルに低下させることができる。
一般的な光ディスク情報システムに必要とされるRW比は、書込み1倍速の場合に約15であり、書込み速度をn倍にするとRW比をn1/2倍にする必要がある。したがって、第1の緩和振動周波数fr及び第2の緩和振動周波数frの差は、書込みの速度が高い程大きく設定することが好ましく、x=(fr−fr)/frで表されるxが好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.6以上とすることが望ましい。
緩和振動周波数は、次の式1で表される。式1において、aは微分利得、ξは光閉じ込め率、ηsepは前面スロープ効率、poutは前面出力、eは電気素量、Vは活性領域の体積(=発光する断面積と共振器長の積)、ηは内部微分量子効率である。
【式1】
Figure 2003005515
したがって、第1及び第2のストライプ構造の光閉じ込め率ξや活性領域の体積V等の構造的なパラメータを調節することにより、第1及び第2のストライプ構造の緩和振動周波数fr及びfrを制御することができる。
例えば、第1のストライプ構造における光閉じ込め率ξを第2のストライプ構造よりも大きくしてfr>frとするには、第1のストライプ構造の有する前端面反射率及び後端面反射率の平均を、第2のストライプ構造の有する前端面反射率及び後端面反射率の平均よりも大きくすれば良い。また、第1のストライプ構造における導波部と周辺部の等価屈折率比を、第2のストライプ構造における導波部と周辺部の等価屈折率比よりも大きくしても良い。例えば、第1及び第2のストライプ構造がリッジ型である場合に、第1のストライプ構造のリッジ深さが、第2のストライプ構造のリッジ深さよりも大きくする。
また、第1のストライプ構造における活性領域の体積Vを第2のストライプ構造よりも小さくしてfr>frとするには、第1のストライプ構造のリッジ幅を第2のストライプ構造よりも狭くしたり、第1のストライプ構造の共振器長を第2のストライプ構造よりも短くすれば良い。
第1のストライプ構造と第2のストライプ構造の活性層は、同一組成で同一高さに形成することが好ましく、これにより活性層を同時形成して工程を簡略化すると共に、発光波長のばらつきを抑制することができる。また、同様に、第1のストライプ構造と第2のストライプ構造のクラッド層も、同一組成で同一高さに形成することが好ましい。
また、本件発明に係るGaN系半導体レーザ装置は、1チップ内に2以上のストライプ構造を有していても良いが、ストライプ構造が形成可能な範囲で互いに近接して形成することが好ましく、最も離れたストライプ構造でも中心同士の距離が150μm以下であることが望ましい。ストライプ構造同士が150μm以上離れると、光ディスク情報システムとの信号のやり取りに不都合が生じるからである。
また、本発明に係る光ディスク情報システムは、380〜430nmの光を使用して光ディスクの読取及び書込みを行う光ディスク情報システムであって、上記本発明のGaN系半導体レーザ装置を備え、第1のストライプ構造を読取用光源とし、第2のストライプ構造を書込み用光源とすることを特徴とする。本発明の光ディスク情報システムによれば、必要なノイズレベルや寿命を保ちながら、RW比を高めて高速でのデータ転送を行うことができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る半導体レーザ装置を示す概略断面図である。図1に示す半導体レーザ装置は、InGa1−xN(0<x<1)を含む量子井戸活性層6を、AlGa1−yN(0<y<1)を含むn型クラッド層4とAlGa1−2N(0<z<1)を含むp型クラッド層8とで挟んだダブルヘテロ構造を有し、p型クラッド層8の一部をリッジ状にしてストライプ構造を形成したリッジ導波路型GaN系半導体レーザ装置である。p型クラッド層8には、2本の平行なリッジ8a及び8a’が隣接して形成されており、2本のストライプ構造16及び16’を構成している。
図1に示す半導体レーザ装置において、ストライプ構造16における前後端面の反射率の平均を約65〜85%とし、ストライプ構造16’における前後端面の反射率の平均を約50〜60%とする。例えば、共振器端面の前面において、ストライプ構造16に対応する部分にのみ反射率約40%のミラーを形成し、ストライプ構造16’に対応する部分にはミラーが形成しない。ストライプ構造16及び16’の後端面には、いずれも反射率約90%のミラーを形成する。
こうして形成されたストライプ構造16の緩和振動周波数fは、ストライプ構造16’の緩和振動周波数frに比べて約30〜50%程度大きくなっている。上述の通り、2本のストライプ構造の持つ緩和振動周波数の差が大きい程RW比を高めるのには有利である。例えば、適切なRinと寿命を達成するには、x=(fr−fr)/frで表されるxが0.1以上、より好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.6以上であることが望ましい。
そして、ストライプ構造16の示すRin−Power特性は、図4の曲線20に示すように極小値が1.5〜2.0mWとなり、ストライプ構造16’が示すRin−Power特性は、図4の曲線22に示すように極小値が4.0〜5.0mwとなる。したがって、図1に示す半導体レーザ装置のストライプ構造16を光ディスク情報装置の読取光源として使用することにより、1.5〜3.0mW程度の低出力で−125dB/Hz以下のRin値を達成することができると共に、ストライプ構造16’を光ディスク情報装置の書き込み光源として使用することにより、40〜70mW程度の高出力において十分な寿命を得ることができる。
以下、図1に示すGaN系半導体レーザ装置について、構造の詳細を説明する。基板1としては、GaNを用いることが好ましいが、窒化物半導体と異なる異種基板を用いても良い。異種基板としては、例えば、C面、R面、及びA面のいずれかを主面とするサファイア、スピネル(MgAlのような絶縁性基板、SiC(6H、4H、3Cを含む)、ZnS、ZnO、GaAs、Si、及び窒化物半導体と格子整合する酸化物基板等、窒化物半導体を成長させることが可能で従来から知られており、窒化物半導体と異なる基板材料を用いることができる。好ましい異種基板としては、サファイア、スピネルが挙げられる。
また、異種基板は、異種基板上に素子構造形成前の下地層となる窒化物半導体を成長させた後、研磨などの方法により除去して、窒化物半導体の単体基板として素子構造を形成してもよく、また、素子構造形成後に、異種基板を除去する方法でも良い。
基板1上には、バッファ層(図示せず)を介して、n型窒化物半導体層であるn型コンタクト層2、n型クラッド層4が形成されている。n型クラッド層4と活性層6の間にn型光ガイド層を形成しても良い。n型窒化物半導体層は、少なくとも活性層6と接する部分において活性層6よりも広いバンドギャップを有することが必要であり、そのためにAlを含む組成であることが好ましい。また、各層は、n型不純物をドープしながら成長させてn型としても良いし、アンドープで成長させてn型としても良い。
n型窒化物半導体層2〜4の上には、活性層6が形成されている。活性層6は、Inx1Ga1−x2N井戸層(0<x<1)とInx2Ga1−x2N障壁層(0≦x<1、x>x)が適当な回数だけ交互に繰り返し積層されたMQW構造を有しており、活性層の両端はいずれも障壁層となっている。井戸層は、アンドープで形成されており、全ての障壁層はSi、Sn等のn型不純物が好ましくは1×1017〜1×1019cm−3の濃度でドープして形成されている。
最終障壁層の上には、p型窒化物半導体層として、p型クラッド層8が形成されている。p型クラッド層8と活性層6の間に、p型電子閉じ込め層やp型光ガイド層を設けても良い。p型クラッド層8は、少なくとも活性層6と接する部分において活性層よりも広いバンドギャップを有することが必要であり、そのためにAlを含む組成であることが好ましい。
p型クラッド層8の途中まで(p型光ガイド層を設ける場合には、その途中まで)2本のリッジストライプ8a及び8a’が形成されており、2本のストライプ構造16及び16’が構成されている。ストライプ構造16及び16’の間で、n型クラッド層4、活性層6及びp型クラッド層8等の素子層は共通である。2本のリッジストライプ8a及び8a’は同一形状で平行に形成されている。その中心同士の距離dは150μm以下、より好ましくは70μm以下とすることが望ましい。中心同士の距離dが近いほど、光ディスク情報システムに使用した場合の信号の読込み時及び書込み時における発光点のずれを小さくすることができる。2本のリッジストライプ8a及び8a’の各々に、p型電極12及び12’とp型パッド電極14及び14’とが形成されている。p型電極12及び12’とp型パッド電極14及び14’とは、いずれもストライプ構造ごとに独立して形成されており、ストライプ構造16及び16’を独立して駆動できるようになっている。
また、上側の層を除去して露出したn型コンタクト層2の表面にn型電極10が形成されている。n型電極10はストライプ構造16と16’の間で共通である。このように、基板同一面側にp電極とn電極を設けてn電極を2本のストライプ構造で共通とする場合、n電極10、読取用ストライプ16及び書込み用ストライプ16’の位置関係は特に限定されないが、共通のn電極10が書込み用ストライプに隣接していることが好ましい。これにより、比較的大きな電流を流す書込み用ストライプ16’への電流経路をより短くして発光効率を向上することができる。尚、n型電極の構成は特に限定されず、n型電極をストライプ構造ごとに独立して設けても、基板同一面側でなく基板裏面に設けても良い。
得られたストライプ構造16及び16’の共振器後端面(モニタ面)には、反射率約90%のミラーがほぼ全面に形成されており、共振器前端面(出射面)には、反射率約40%のミラーがストライプ構造16の側にだけ形成されている。共振器前端面のストライプ構造16’に対応する部分については、へき開又はエッチングにより形成した端面をそのまま使用することができる。ミラーの材料は特に限定されないが、例えば、SiO、Al、TiO、ZrO等を用いることができる。
尚、本実施の形態においては、共振器前端面のミラーの有無によりストライプ構造16と16’の間の光閉じ込め率を調整したが、前後端面の反射率の平均をストライプ構造間で必要な比率にすることができればミラーの構成は特に限定されない。例えば、双方のストライプ構造の前後両方にミラーを形成し、ミラーの反射率のみを異ならせても良い。
実施の形態2.
図2は、実施の形態2におけるGaN系半導体レーザ装置を示す概略断面図である。本実施の形態では、n電極10及び10’をストライプ構造ごとに独立に設けると共に、n型コンタクト層2からp型クラッド層8に到る全ての素子層についてストライプ構造同士の間に分離溝11が形成されている。その他の点は、実施の形態1と同様である。
本実施の形態によれば、読取り用ストライプ構造16と書込み用ストライプ構造16’の間で電流経路の重複を完全になくすことができるため、同時に駆動させた場合にレーザ光に現れるノイズを大幅に抑制することができる。尚、ノイズの抑制をさらに効果的にするため、図5に示すように分離溝11の幅d’を発光点7の近傍についてd’’に広げても良い。
実施の形態3.
実施の形態1及び2では、共振器のミラー構成を変えることによって緩和振動周波数を調整した。本実施の形態においては、ストライプ構造におけるリッジ部分の幅や深さを変えることによって緩和振動周波数を調整する。ミラー構成をストライプ構造間で共通とし、リッジ部分8aの形状をストライプ構造間で異ならせる他は、実施の形態1又は実施の形態2と同様である。
図6Aは、p型クラッド層8のリッジ部分8aの形状を示す模式図である。リッジ部分8aの幅Wと深さDをストライプ構造16と16’の間で異ならせる。即ち、読取り用ストライプ構造16のリッジ部分8aの形状を、ストライプ構造16’に比べて幅Wがより狭く、深さDがより深くなるようにする。幅Wを狭くすることにより活性領域の体積Vを小さくすることができ、深さDを深くすることによってリッジ部分における横方向の屈折率差Δnを大きくして光閉じ込め率ξを高くすることができる。したがって、上述の式1に示すように、ストライプ構造16の緩和振動周波数frをストライプ構造16’の緩和振動周波数frに比べて大きくすることができる。
尚、さらにストライプ構造間での光閉じ込め率ξの差を大きくするために、図6Bに示すように、ストライプ構造のリッジ部分8aを別の材料9で埋め込み、埋め込み材料の有無や材質をストライプ構造の間で変えても良い。
実施の形態3.
実施の形態1及び2では、共振器のミラー構成を変えることによって緩和振動周波数を調整した。本実施の形態においては、ストライプ構造における共振器の長さを変えることによって緩和振動周波数を調整する。ミラー構成をストライプ構造間で共通とし、共振器長をストライプ構造間で異ならせる他は、実施の形態1又は実施の形態2と同様である。
図7は、並列に形成されたストライプ構造を示す模式図である。共振器長をストライプ構造16と16’の間で異ならせる。即ち、読取り用ストライプ構造16の共振器長Lを、ストライプ構造16’の共振器長Lに比べて短くする。共振器長Lを短くすることによりストライプ構造16における活性領域の体積Vをストライプ構造16’よりも小さくすることができる。したがって、上述の式1に示すように、ストライプ構造16の緩和振動周波数frをストライプ構造16’の緩和振動周波数frに比べて大きくすることができる。
実施の形態1乃至4では、共振器のミラー構成、リッジ形状、及び共振器長によって緩和振動周波数をストライプ構造間で異ならせる手段について説明した。これらの手段は、各々独立に採用するだけでなく適宜組み合わせても良い。また、式1に示すパラメータ、即ち微分利得a、光閉じ込め率ξ、前面スロープ効率ηsep、前面出力pout、活性領域の体積V、内部微分量子効率ηをストライプ構造間で異ならせる手段であれば、他のいかなる手段を採用しても良い。
また、実施の形態1乃至4では、ストライプ構造を2本設ける構成についてのみ説明したが、ストライプ構造を3本以上設けて、各々に必要とされる特性に応じて緩和振動周波数を異ならせても良い。
以下,本件発明の実施例について説明する。
〔実施例1〕
大略図2に示す構造のGaN系半導体装置を以下のようにして作製した。
(基板1)
2インチφ、C面を主面とするサファイアよりなる異種基板をMOVPE反応容器内にセットし、温度を500℃にして、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH)を用い、GaNよりなるバッファ層を200Åの膜厚で成長させ、その後、温度を上げて、アンドープのGaNを1.5μmの膜厚で成長させて、下地層とする。次に、下地層表面にストライプ状のマスクを複数形成して、マスク開口部(窓部)から窒化物半導体、本実施例ではGaNを選択成長させて、横方向の成長を伴った成長(ELOG)により成膜された窒化物半導体層を備えた窒化物半導体基板を得る。この時、選択成長時のマスクは、SiOからなり、マスク幅15μm、開口部(窓部)幅5μmとする。
(バッファ層)
窒化物半導体基板の上に、バッファ層成長後、温度を1050℃にして、TMG(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、アンモニアを用い、Al0.05Ga0.95Nよりなるバッファ層を4μmの膜厚で成長させる。この層は、AlGaNのn型コンタクト層と、GaNからなる窒化物半導体基板との間で、バッファ層として機能する。次に、窒化物半導体からなる下地層の上に、素子構造となる各層を積層する。
(n型コンタクト層2)
次に得られたバッファ層上にTMG、TMA、アンモニア、不純物ガスとしてシランガスを用い、1050℃でSiドープしたAl0.05Ga0.95Nよりなるn型コンタクト層2を4μmの膜厚で成長させる。
(クラック防止層)
次に、TMG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニアを用い、温度を800℃にしてIn0.06Ga0.94Nよりなるクラック防止層を0.15μmの膜厚で成長させる。
(n型クラッド層4)
次に、温度を1050℃にして、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用い、アンドープのAl0.05Ga0.95NよりなるA層を25Åの膜厚で成長させ、続いて、TMAを止め、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cmドープしたGaNよりなるB層を25Åの膜厚で成長させる。そして、この操作をそれぞれ200回繰り返してA層とB層の積層し、総膜厚1μmの多層膜(超格子構造)よりなるn型クラッド層4を成長させる。
(n型光ガイド層)
次に、同様の温度で、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、アンドープのGaNよりなるn型光ガイド層を0.15μmの膜厚で成長させる。また、n型不純物をドープしてもよい。
(活性層6)
次に、温度を800℃にして、原料ガスにTMI(トリメチルインジウム)、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cmドープしたIn0.05Ga0.95Nよりなる障壁層(B)を140Åの膜厚で、シランガスを止め、アンドープのIn0.1Ga0.9Nよりなる井戸層(W)を55Åの膜厚で、この障壁層(B)、井戸層(W)を、(B)/(W)/(B)/(W)の順に積層する。最後に障壁層として、原料ガスにTMI(トリメチルインジウム)、TMG及びアンモニアを用い、アンドープのIn0.05Ga0.95Nを成長させる。活性層6は、総膜厚約500Åの多重量子井戸構造(MQW)となる。
(p型電子閉込め層)
次に、同様の温度で、原料ガスにTMA、TMG及びアンモニアを用い、不純物ガスとしてCpMg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、Mgを1×1019/cmドープしたAl0.3Ga0.7Nよりなるp型電子閉込層を100Åの膜厚で成長させる。
(p型光ガイド層)
次に、温度を1050℃にして、原料ガスにTMG及びアンモニアを用い、アンドープのGaNよりなるp型光ガイド層を0.15μmの膜厚で成長させる。このp型光ガイド層は、アンドープとして成長させるが、p型電子閉込め層108、p型クラッド層109等の隣接層からのMgの拡散により、Mg濃度が5×1016/cmとなりp型を示す。
(p型クラッド層8)
続いて、1050℃でアンドープAl0.05Ga0.95Nよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、続いてTMAを止め、CpMgを用いて、MgドープGaNよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、それを90回繰り返して総膜厚0.45μmの超格子層よりなるp型クラッド層8を成長させる。
(p型コンタクト層)
最後に、1050℃で、p型クラッド層8の上に、Mgを1×1020/cmドープしたp型GaNよりなるp型コンタクト層を150Åの膜厚で成長させる。反応終了後、反応容器内において、ウエハを窒素雰囲気中、700℃でアニーリングを行い、p型層を更に低抵抗化する。
以上のようにして窒化物半導体を成長させ各層を積層した後、RIE(反応性イオンエッチング)を用いClガスによりエッチングし、図2に示すように、n電極を形成すべきn型コンタクト層2の表面を基板の両側で露出させと同時に、エッチング端面として共振器面となる前端面、後端面を形成する。また、素子の中央付近に、基板1に達する分離溝11を幅20μmで形成する。分離溝11は、さらに図5に示すように、バッファ層に達する深さまで幅40μmに広げる。このように窒化物半導体を深くエッチングするには保護膜としてSiOが最適である。
次にストライプ状の導波路領域として、リッジストライプ8a及び8a’を分離溝11を挟んで平行に形成する。リッジストライプ形成のための保護膜はSi酸化物(主として、SiO)とする。リッジストライプの上面の幅Wを1.8μm、リッジの深さDは0.5μmとし、2本のリッジストライプの中心同士の距離を50μmとする。この時、リッジストライプの深さは、p型コンタクト層、およびp型クラッド層8、p型光ガイド層の一部をエッチングして、p型光ガイド層が一部残る深さとなる。
次に、リッジストライプ形成後、Zr酸化物(主としてZrO)よりなる保護膜15を、分離溝11とリッジストライプ8a及び8a’の上面を除いて、リッジストライプの側面及びそれに連続する平面(p型光ガイド層の露出面)に形成する。
そして、露出したリッジストライプ部分のp型コンタクト層の上面にNi/Auよりなるp電極12及び12’を形成する。既に露出させたn型コンタクト層2の表面にはTi/Alよりなるストライプ状のn電極10及び10’をストライプと平行な方向で形成する。
次に、p電極上にNi−Ti−Au(1000Å−1000Å−8000Å)よりなる取り出し(パット)電極14及び14’を設け、n電極上にも同様のパット電極を設ける。
n型コンタクト層2露出時に形成したエッチング端面に、ストライプ16の前端面には反射率が40%となるミラーを、ストライプ16、16’の後端面には反射率90%となるミラーを、フォトリソグラフィーによりそれぞれ形成する。
以上のようにして、n電極とp電極とを形成した後、ストライプ状の電極に垂直な方向で、窒化物半導体のM面(GaNのM面、(11−00)など)で、端面より外側でバー状に分割して、更にバー状のウエハを分割してレーザ素子を得る。この時、共振器長は650μmである。
共振器の前端面(出射面)にミラーを形成した側を読取り用ストライプ16とし、ミラーを形成しない側を書込み用ストライプ16’として特性を評価した。25℃において、パルス幅10ns、パルス周期20ns、5mWゼロバイアスの条件で緩和振動周波数を測定したところ、読取り用ストライプ16の緩和振動周波数frは1.9GHzであり、書込み用ストライプ16’の緩和振動周波数frは1.4GHzであった。
また、読取り用ストライプ16の出力2.0mWにおけるRinが−128dB/Hz、スロープ効率ηsepは0.6W/Aであり、Rinが−125dB/Hzとなる出力は1.5mWであった。一方、書込み用ストライプ16’の出力2.0mWにおけるRinは−118dB/Hz、スロープ効率ηsepは1.2W/Aであり、Rinが−125dB/Hzとなる出力は4.0mWであった。
作製したGaN系半導体レーザ装置を光ディスク情報装置に用い、読込み用ストライプ16の出力を2.0mWとし、書込み用ストライプ16’の出力を30mWとした時の寿命は、書込み用ストライプに律速され5000hであった。
〔実施例2〕
実施例1のGaN系半導体レーザ装置を光ディスク情報システムで2倍速の書込みレートで使用するため、読込み用ストライプ16の出力を2.0mWとし、書込み用ストライプ16’の出力を45mWとした時の寿命は、書込み用ストライプに律速され2500hであった。
〔比較例1〕
実施例1の書込み用ストライプ16’のみを光ディスク情報システムに用い、1本のストライプで読込みと書込みの両方を行った。読込み時のRinを−125dB/Hzにするため、読込み時の出力を4.0mWとし、書込み時の出力を60mWとした。この時の寿命は1500hであり、実施例1に比べて1/3以下の寿命であった。また、2倍速の書込みレートで使用するため、書込み時の出力を84mWとした時の寿命は1000hであり、実施例2の半分以下の寿命であった。
〔比較例2〕
実施例1の読込み用ストライプ16のみを光ディスク情報システムに用い、1本のストライプで読込みと書込みの両方を行った。読込み時の出力を2.0mWとし、書込み時の出力を30mWとした時の寿命は、1000hであり、実施例1の約1/5の寿命であった。
本発明に係るGaN系半導体レーザ装置は、2以上のストライプ構造を1チップ内に設け、あるストライプ構造を低出力用にし、別のストライプ構造を高出力用にしたため、低出力と高出力の双方での特性を良好にできる。また、緩和振動周波数frが大きなストライプ構造と、緩和振動周波数frの小さなストライプ構造を形成したため、緩和振動周波数の大きなストライプ構造によって低出力でのRin値を良好とし、緩和振動の小さなストライプ構造によって高出力での横モードシングル性と信頼性を確保することができる。したがって、本件発明に係るGaN系半導体レーザ装置を光ディスク情報システムに用いることにより、必要とされるRin値レベルや寿命を保ちながら、RW比を高めて高速でのデータ転送を行うことができる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施の形態1に係るGaN系半導体レーザ装置を示す断面図である。
図2は、本発明の実施の形態2に係るGaN系半導体レーザ装置を示す断面図である。
図3は、緩和振動光学波形の一例を示すグラフである。
図4は、Rin−Power特性の一例を示すグラフである。
図5は、リッジ部に形成する分離溝の形状を示す模式図である。
図6A及び図6Bは、リッジ部の構成を示す模式図である。
図7は、共振器長により緩和振動周波数を異ならせる構成を示す模式図である。
【0001】
明 細 書
GaN系半導体レーザ装置及び該レーザ装置を用いた光ディスク情報システム
技術分野
本件発明は窒化ガリウム系化合物半導体(InAlGa1−x−yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を用いたGaN系半導体レーザ装置に関し、詳細には、1チップ内に複数のストライプ構造を設けた多点発光型のGaN系半導体レーザ装置に関する。
背景技術
近年、GaN系レーザダイオードの実用化に伴い、380nm〜430nmの短波長光を使用して光ディスクへの高密度記録を行う光ディスク情報システムの開発が盛んである。こうした光ディスク情報システムでは、光ディスクからの信号読取りを低出力で、光ディスクへの信号書込みを高出力で行う。従来は、単一のストライプ構造を有するGaN系レーザダイオードを光源として用い、レーザダイオードの出力を変えながら読取り/書込みの双方を行っていた。
しかしながら、一般的な単一ストライプ構造のGaN系レーザダイオードを用いて読取り/書込みの双方を行う場合、レーザ出力の読取り/書込み比(以下、「RW比」)を高めて高速でのデータ転送を行うには以下の問題があった。
光情報ディスクシステムにおいて、読取りには、出力の相対ノイズ強度(Relative Intensity Noise、以下、「Rin値」)を低く抑えることが必要であり、書込みには、高出力を横モードシングルかつ長寿命で出力できることが必要である。ところが、一般にRin値は、低出力にする程悪化するため、RW比を高めるために読取り時の出力を単純に低くしては読取り時に必要なRin値のレベルを保つことができない。他方、レーザ素子の横モードシングル性や寿命は、高出力にする程悪化するため、RW比を高めるために書込み時の出力を単純に高めては、必要な横モードシングル性や寿命を確保することができない。
また、レーザストライプ構造の設計についても、低出力時のRin値を低くす
【0002】
る設計では高い最大出力が得られず、逆に高い最大出力を得るための設計では低出力時のRinが大きくなってしまうため、単一のレーザストライプ構造で双方の特性を満足することは難しい。
したがって、一般的な単一ストライプ構造のGaN系レーザダイオードを用いて読取り/書込みの双方を行う場合、必要なRin値レベルや寿命等を保ちながら、RW比を高めて高速でのデータ転送を行うことが困難であった。
そこで、本件発明は、光ディスク情報システムに必要とされるRin値レベルや寿命を保ちながら、RW比を高めて高速でのデータ転送を可能とするGaN系半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
発明の開示
上記目的を達成するために、本件発明に係るGaN系半導体レーザ装置は、一チップ内に、第1の緩和振動周波数frを有する第1のストライプ構造と、第2の緩和振動周波数frを有する第2のストライプ構造を有し、前記第1の緩和振動周波数frが前記第2の緩和振動周波数frよりも大きなことを特徴とする。
即ち、本件発明の第1の特徴は、2以上のストライプ構造を1チップ内に設け、あるストライプ構造を低出力用にし、別のストライプ構造を高出力用にした点にあり、これにより低出力と高出力の双方での特性を良好にできる。ここで、ストライプ構造は、図に示すようにストライプ状のリッジを形成した構造であっても良く、電流狭窄構造のようにストライプ状の開口部が設けられた構造であっても良く、すなわち、ストライプ状の導波路が設けられ、各導波路に対応した複数の発光点を有する端面発光型のレーザ素子に主に適用できる。また、面発光型のレーザ素子であっても、複数の導波路、発光点において、本発明を適用することもできる。更に、本発明は自励発振型レーザでも、自励発振型でないレーザ素子のいずれにも適用でき、上記緩和振動周波数を有するレーザ素子に適用できる。
また、本件発明の第2の特徴は、レーザダイオードが示す緩和振動周波数frの大小がRin−Power特性に大きな影響を与えることに着目し、緩和振動周波数frが大きなストライプ構造と、緩和振動周波数frの小さなストライプ
【0003】
構造を形成した点にある。緩和振動周波数の大きなストライプ構造によって低出力でのRin値を良好とし、緩和振動の小さなストライプ構造によって高出力での横モードシングル性と信頼性を確保することができる。
したがって、本件発明に係るGaN系レーザ装置を光ディスク情報システムに使用する場合、緩和振動周波数frが大きな第1のストライプ構造を読取り用光源とし、緩和振動周波数frが小さな第2のストライプ構造を書込み用光源とする。また、光ディスク情報システムの読取り用及び書込み用に使用する場合、第1のストライプ構造と第2のストライプ構造が、互いに独立して駆動可能であることが好ましく、また、第1のストライプ構造と第2のストライプ構造の発光波長の差が5nm以内であることが好ましい。
ここで、第1及び第2のストライプ構造が示す緩和振動周波数fr及びfrは、同一温度、同一条件、且つ同一出力でパルス電流を注入した際の緩和振動光波形から決定される。図3は、GaN系半導体レーザダイオードについて25℃、パルス幅10ns、パルス周期20ns、5mWゼロバイアスの条件で測定した緩和振動光波形の一例を示すグラフである。緩和振動光波形のピーク間隔をd(s)とすると、緩和振動周波数fr=1/d(Hz)となる。
緩和振動周波数により、低出力用及び高出力用ストライプ構造の最適化が可能である点について説明する。図4は、GaN系レーザダイオードを高周波重畳駆動した場合のRin値と出力Pの関係を示すグラフである。図4に示すように、レーザダイオードの出力Pを次第に上げていくとRinはほぼリニアに減少していくが、ある程度の出力に達すると極小値が現れ、続いて極大値が現れて再び減少する。通常は、使用する出力が極小値の近傍かやや手前となるようにレーザダイオードが設計される場合が多い。しかし、書込み用の高出力Pに合わせてRin−Power特性を最適化した場合(図中、符号22の曲線)、読取り用の低出力PにおけるRin値が非常に大きくなってしまう。一方、このRin−Power曲線は、緩和振動周波数frを大きくすることにより低出力側にシフトさせることができる(図中、符号20の曲線)。したがって、読取り用の低出力Pに合わせて緩和振動周波数frを大きくしたストライプ構造を別に形成することにより、読取り時におけるRin値を必要なレベルに低下させることがで
【0004】
きる。
一般的な光ディスク情報システムに必要とされるRW比は、書込み1倍速の場合に約15であり、書込み速度をn倍にするとRW比を15のn1/2倍にする必要がある。したがって、第1の緩和振動周波数fr及び第2の緩和振動周波数frの差は、書込みの速度が高い程大きく設定することが好ましく、x=(fr−fr)/frで表されるxが好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.6以上とすることが望ましい。
緩和振動周波数は、次の式1で表される。式1において、aは微分利得、ξは光閉じ込め率、ηsepは前面スロープ効率、poutは前面出力、eは電気素量、Vは活性領域の体積(=発光する断面積と共振器長の積)、ηは内部微分量子効率である。
【式1】
Figure 2003005515
したがって、第1及び第2のストライプ構造の光閉じ込め率ξや活性領域の体積V等の構造的なパラメータを調節することにより、第1及び第2のストライプ構造の緩和振動周波数fr及びfrを制御することができる。
例えば、第1のストライプ構造における光閉じ込め率ξを第2のストライプ構造よりも大きくしてfr>frとするには、第1のストライプ構造の有する前端面反射率及び後端面反射率の平均を、第2のストライプ構造の有する前端面反射率及び後端面反射率の平均よりも大きくすれば良い。また、第1のストライプ構造における導波部と周辺部の等価屈折率比を、第2のストライプ構造における導波部と周辺部の等価屈折率比よりも大きくしても良い。例えば、第1及び第2のストライプ構造がリッジ型である場合に、第1のストライプ構造のリッジ深さが、第2のストライプ構造のリッジ深さよりも大きくする。
また、第1のストライプ構造における活性領域の体積Vを第2のストライプ構造よりも小さくしてfr>frとするには、第1のストライプ構造のリッジ幅を第2のストライプ構造よりも狭くしたり、第1のストライプ構造の共振器長を第2のストライプ構造よりも短くすれば良い。
【0005】
第1のストライプ構造と第2のストライプ構造の活性層は、同一組成で同一高さに形成することが好ましく、これにより活性層を同時形成して工程を簡略化すると共に、発光波長のばらつきを抑制することができる。また、同様に、第1のストライプ構造と第2のストライプ構造のクラッド層も、同一組成で同一高さに形成することが好ましい。
また、本件発明に係るGaN系半導体レーザ装置は、1チップ内に2以上のストライプ構造を有していても良いが、ストライプ構造が形成可能な範囲で互いに近接して形成することが好ましく、最も離れたストライプ構造でも中心同士の距離が150μm以下であることが望ましい。ストライプ構造同士が150μm以上離れると、光ディスク情報システムとの信号のやり取りに不都合が生じるからである。
また、本発明に係る光ディスク情報システムは、380〜430nmの光を使用して光ディスクの読取り及び書込みを行う光ディスク情報システムであって、上記本発明のGaN系半導体レーザ装置を備え、第1のストライプ構造を読取り用光源とし、第2のストライプ構造を書込み用光源とすることを特徴とする。本発明の光ディスク情報システムによれば、必要なノイズレベルや寿命を保ちながら、RW比を高めて高速でのデータ転送を行うことができる。
図面の簡単な説明
図1は、本発明の実施の形態1に係るGaN系半導体レーザ装置を示す断面図である。
図2は、本発明の実施の形態2に係るGaN系半導体レーザ装置を示す断面図である。
図3は、緩和振動光学波形の一例を示すグラフである。
図4は、Rin−Power特性の一例を示すグラフである。
図5は、リッジ部に形成する分離溝の形状を示す模式図である。
図6A及び図6Bは、リッジ部の構成を示す模式図である。
図7は、共振器長により緩和振動周波数を異ならせる構成を示す模式図である。
【0007】
共に、ストライプ構造16’を光ディスク情報装置の書込み光源として使用することにより、40〜70mW程度の高出力において十分な寿命を得ることができる。
以下、図1に示すGaN系半導体レーザ装置について、構造の詳細を説明する。基板1としては、GaNを用いることが好ましいが、窒化物半導体と異なる異種基板を用いても良い。異種基板としては、例えば、C面、R面、及びA面のいずれかを主面とするサファイア、スピネル(MgAlのような絶縁性基板、SiC(6H、4H、3Cを含む)、ZnS、ZnO、GaAs、Si、及び窒化物半導体と格子整合する酸化物基板等、窒化物半導体を成長させることが可能で従来から知られており、窒化物半導体と異なる基板材料を用いることができる。好ましい異種基板としては、サファイア、スピネルが挙げられる。
また、異種基板は、異種基板上に素子構造形成前の下地層となる窒化物半導体を成長させた後、研磨などの方法により除去して、窒化物半導体の単体基板として素子構造を形成してもよく、また、素子構造形成後に、異種基板を除去する方法でも良い。
基板1上には、バッファ層(図示せず)を介して、n型窒化物半導体層であるn型コンタクト層2、n型クラッド層4が形成されている。n型クラッド層4と活性層6の間にn型光ガイド層を形成しても良い。n型窒化物半導体層は、少なくとも活性層6と接する部分において活性層6よりも広いバンドギャップを有することが必要であり、そのためにAlを含む組成であることが好ましい。また、各層は、n型不純物をドープしながら成長させてn型としても良いし、アンドープで成長させてn型としても良い。
n型窒化物半導体層2〜4の上には、活性層6が形成されている。活性層6は、Inx1Ga1−x2N井戸層(0<x<1)とInx2Ga1−x2N障壁層(0≦x<1、x>x)が適当な回数だけ交互に繰り返し積層されたMQW構造を有しており、活性層の両端はいずれも障壁層となっている。井戸層は、アンドープで形成されており、全ての障壁層はSi、Sn等のn型不純物が好ましくは1×1017〜1×1019cm−3の濃度でドープして形成されている。
最終障壁層の上には、p型窒化物半導体層として、p型クラッド層8が形成さ
【0008】
れている。p型クラッド層8と活性層6の間に、p型電子閉じ込め層やp型光ガイド層を設けても良い。p型クラッド層8は、少なくとも活性層6と接する部分において活性層よりも広いバンドギャップを有することが必要であり、そのためにAlを含む組成であることが好ましい。
p型クラッド層8の途中まで(p型光ガイド層を設ける場合には、その途中まで)2本のリッジストライプ8a及び8a’が形成されており、2本のストライプ構造16及び16’が構成されている。ストライプ構造16及び16’の間で、n型クラッド層4、活性層6及びp型クラッド層8等の素子層は共通である。2本のリッジストライプ8a及び8a’は同一形状で平行に形成されている。その中心同士の距離dは150μm以下、より好ましくは70μm以下とすることが望ましい。中心同士の距離dが近いほど、光ディスク情報システムに使用した場合の信号の読取り時及び書込み時における発光点のずれを小さくすることができる。2本のリッジストライプ8a及び8a’の各々に、p型電極12及び12’とp型パッド電極14及び14’とが形成されている。p型電極12及び12’とp型パッド電極14及び14’とは、いずれもストライプ構造ごとに独立して形成されており、ストライプ構造16及び16’を独立して駆動できるようになっている。
また、上側の層を除去して露出したn型コンタクト層2の表面にn型電極10が形成されている。n型電極10はストライプ構造16と16’の間で共通である。このように、基板同一面側にp電極とn電極を設けてn電極を2本のストライプ構造で共通とする場合、n電極10、読取り用ストライプ16及び書込み用ストライプ16’の位置関係は特に限定されないが、共通のn電極10が書込み用ストライプに隣接していることが好ましい。これにより、比較的大きな電流を流す書込み用ストライプ16’への電流経路をより短くして発光効率を向上することができる。尚、n型電極の構成は特に限定されず、n型電極をストライプ構造ごとに独立して設けても、基板同一面側でなく基板裏面に設けても良い。
得られたストライプ構造16及び16’の共振器後端面(モニタ面)には、反射率約90%のミラーがほぼ全面に形成されており、共振器前端面(出射面)には、反射率約40%のミラーがストライプ構造16の側にだけ形成されている。
【0010】
6’に比べて幅Wがより狭く、深さDがより深くなるようにする。幅Wを狭くすることにより活性領域の体積Vを小さくすることができ、深さDを深くすることによってリッジ部分における横方向の屈折率差Δnを大きくして光閉じ込め率ξを高くすることができる。したがって、上述の式1に示すように、ストライプ構造16の緩和振動周波数frをストライプ構造16’の緩和振動周波数frに比べて大きくすることができる。
尚、さらにストライプ構造間での光閉じ込め率ξの差を大きくするために、図6Bに示すように、ストライプ構造のリッジ部分8aを別の材料9で埋め込み、埋め込み材料の有無や材質をストライプ構造の間で変えても良い。
実施の形態4.
実施の形態1及び2では、共振器のミラー構成を変えることによって緩和振動周波数を調整した。本実施の形態においては、ストライプ構造における共振器の長さを変えることによって緩和振動周波数を調整する。ミラー構成をストライプ構造間で共通とし、共振器長をストライプ構造間で異ならせる他は、実施の形態1又は実施の形態2と同様である。
図7は、並列に形成されたストライプ構造を示す模式図である。共振器長をストライプ構造16と16’の間で異ならせる。即ち、読取り用ストライプ構造16の共振器長Lを、ストライプ構造16’の共振器長Lに比べて短くする。共振器長Lを短くすることによりストライプ構造16における活性領域の体積Vをストライプ構造16’よりも小さくすることができる。したがって、上述の式1に示すように、ストライプ構造16の緩和振動周波数frをストライプ構造16’の緩和振動周波数frに比べて大きくすることができる。
実施の形態1乃至4では、共振器のミラー構成、リッジ形状、及び共振器長によって緩和振動周波数をストライプ構造間で異ならせる手段について説明した。これらの手段は、各々独立に採用するだけでなく適宜組み合わせても良い。また、式1に示すパラメータ、即ち微分利得a、光閉じ込め率ξ、前面スロープ効率ηsep、前面出力pout、活性領域の体積V、内部微分量子効率ηをストライプ構造間で異ならせる手段であれば、他のいかなる手段を採用しても良い。
また、実施の形態1乃至4では、ストライプ構造を2本設ける構成についての
【0014】
成する。
そして、露出したリッジストライプ部分のp型コンタクト層の上面にNi/Auよりなるp電極12及び12’を形成する。既に露出させたn型コンタクト層2の表面にはTi/Alよりなるストライプ状のn電極10及び10’をストライプと平行な方向で形成する。
次に、p電極上にNi−Ti−Au(1000Å−1000Å−8000Å)よりなる取り出し(パット)電極14及び14’を設け、n電極上にも同様のパット電極を設ける。
n型コンタクト層2露出時に形成したエッチング端面に、ストライプ16の前端面には反射率が40%となるミラーを、ストライプ16、16’の後端面には反射率90%となるミラーを、フォトリソグラフィーによりそれぞれ形成する。
以上のようにして、n電極とp電極とを形成した後、ストライプ状の電極に垂直な方向で、窒化物半導体のM面(GaNのM面、(11−00)など)で、端面より外側でバー状に分割して、更にバー状のウエハを分割してレーザ素子を得る。この時、共振器長は650μmである。
共振器の前端面(出射面)にミラーを形成した側を読取り用ストライプ16とし、ミラーを形成しない側を書込み用ストライプ16’として特性を評価した。25℃において、パルス幅10ns、パルス周期20ns、5mWゼロバイアスの条件で緩和振動周波数を測定したところ、読取り用ストライプ16の緩和振動周波数frは1.9GHzであり、書込み用ストライプ16’の緩和振動周波数frは1.4GHzであった。
また、読取り用ストライプ16の出力2.0mWにおけるRinが−128dB/Hz、スロープ効率ηsepは0.6W/Aであり、Rinが−125dB/Hzとなる出力は1.5mWであった。一方、書込み用ストライプ16’の出力2.0mWにおけるRinは−118dB/Hz、スロープ効率ηsepは1.2W/Aであり、Rinが−125dB/Hzとなる出力は4.0mWであった。
作製したGaN系半導体レーザ装置を光ディスク情報装置に用い、読取り用ストライプ16の出力を2.0mWとし、書込み用ストライプ16’の出力を30mWとした時の寿命は、書込み用ストライプに律速され5000hであった。
【0015】
〔実施例2〕
実施例1のGaN系半導体レーザ装置を光ディスク情報システムで2倍速の書込みレートで使用するため、読取り用ストライプ16の出力を2.0mWとし、書込み用ストライプ16’の出力を45mWとした時の寿命は、書込み用ストライプに律速され2500hであった。
〔比較例1〕
実施例1の書込み用ストライプ16’のみを光ディスク情報システムに用い、1本のストライプで読取りと書込みの両方を行った。読取り時のRinを−125dB/Hzにするため、読取り時の出力を4.0mWとし、書込み時の出力を60mWとした。この時の寿命は1500hであり、実施例1に比べて1/3以下の寿命であった。また、2倍速の書込みレートで使用するため、書込み時の出力を84mWとした時の寿命は1000hであり、実施例2の半分以下の寿命であった。
〔比較例2〕
実施例1の読取り用ストライプ16のみを光ディスク情報システムに用い、1本のストライプで読取りと書込みの両方を行った。読取り時の出力を2.0mWとし、書込み時の出力を30mWとした時の寿命は、1000hであり、実施例1の約1/5の寿命であった。
本発明に係るGaN系半導体レーザ装置は、2以上のストライプ構造を1チップ内に設け、あるストライプ構造を低出力用にし、別のストライプ構造を高出力用にしたため、低出力と高出力の双方での特性を良好にできる。また、緩和振動周波数frが大きなストライプ構造と、緩和振動周波数frの小さなストライプ構造を形成したため、緩和振動周波数の大きなストライプ構造によって低出力でのRin値を良好とし、緩和振動の小さなストライプ構造によって高出力での横モードシングル性と信頼性を確保することができる。したがって、本件発明に係るGaN系半導体レーザ装置を光ディスク情報システムに用いることにより、必要とされるRin値レベルや寿命を保ちながら、RW比を高めて高速でのデータ転送を行うことができる。

Claims (14)

  1. 一チップ内に、第1の緩和振動周波数frを有する第1のストライプ構造と、第2の緩和振動周波数frを有する第2のストライプ構造を有し、前記第1の緩和振動周波数frが前記第2の緩和振動周波数frよりも大きなことを特徴とするGaN系半導体レーザ装置。
  2. 前記第1のストライプ構造が、光ディスク情報システムの読取用光源であり、前記第2のストライプ構造が、光ディスク情報システムの書き取り用光源であることを特徴とする請求項1記載のGaN系半導体レーザ装置。
  3. 前記第1のストライプ構造と、前記第2のストライプ構造が、互いに独立して駆動可能であることを特徴とする請求項1記載のGaN系半導体レーザ装置。
  4. 前記第1のストライプ構造と前記第2のストライプ構造の発光波長の差が5nm以内であることを特徴とする請求項1記載のGaN系半導体レーザ装置。
  5. 前記第1の緩和振動周波数fr及び前記第2の緩和振動周波数frが、(fr−fr)/fr>0.1を満たすことを特徴とする請求項1記載のGaN系半導体レーザ装置。
  6. 前記第1のストライプ構造の有する前端面反射率及び後端面反射率の平均が、前記第2のストライプ構造の有する前端面反射率及び後端面反射率の平均よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のGaN系半導体レーザ装置。
  7. 前記第1のストライプ構造における導波部と周辺部の等価屈折率比が、前記第2のストライプ構造における導波部と周辺部の等価屈折率比よりも大きなことを特徴とする請求項1記載のGaN系半導体レーザ。
  8. 前記第1及び第2のストライプ構造がリッジ型であり、前記第1のストライプ構造のリッジ深さが、前記第2のストライプ構造のリッジ深さよりも大きなことを特徴とする請求項1記載のGaN系半導体レーザ。
  9. 前記第1及び第2のストライプ構造がリッジ型であり、前記第1のストライプ構造のリッジ幅が、前記第2のストライプ構造のリッジ幅よりも狭いことを特徴とする請求項1記載のGaN系半導体レーザ。
  10. 前記第1のストライプ構造の共振器長が、前記第2のストライプ構造の共振器長より短いことを特徴とする請求項1記載のGaN系半導体レーザ。
  11. 前記第1のストライプ構造と前記第2のストライプ構造の活性層が、同一組成で同一高さに形成されたことを特徴とする請求項1記載のGaN系半導体レーザ装置。
  12. 前記第1のストライプ構造と前記第2のストライプ構造のクラッド層が、同一組成で同一高さに形成されたことを特徴とする請求項1記載のGaN系半導体レーザ装置。
  13. 前記第1のストライプ構造の中心と前記第2のストライプ構造の中心との間の距離が、150μm以下であることを特徴とする請求項1記載のGaN系半導体レーザ装置。
  14. 380〜430nmの光を使用して光ディスクの読取及び書込みを行う光ディスク情報システムであって、
    請求項1乃至13のいずれか1項に記載のGaN系半導体レーザ装置を備え、前記第1のストライプ構造を読取用光源とし、前記第2のストライプ構造を書込み用光源とすることを特徴とする光ディスク情報システム。
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