JPWO2003003822A1 - 水生動物の孵化装置 - Google Patents
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Abstract
孵化装置(10)は、孵化槽(11)と分離槽(12)とが最下部において狭い連通口(13)を介して連通された構造を有する。分離槽(12)には側面開口(14)が形成されている。分離槽(12)の上収容部(12a)の下部及び下収容部(12b)全体の壁面は着色された遮光素材OPによって形成されている。孵化槽(11)及び分離槽(12)の下部には塩水(D)が収容され、分離槽(12)の上部には淡水(E)が収容されて、分離槽(12)内に塩水(D)と淡水(E)の境界面(F)が形成される。孵化槽(11)にて孵化したブラインシュリンプの幼生(2)は、分離槽(12)内に移動したとき、遮光された下部から遮光されていない上部に向けて移動し、やがて側面開口(14)から水槽内に泳ぎ出る。
Description
技術分野
本発明は水生動物の孵化装置に係り、特に、ブラインシュリンプの孵化容器として用いる場合に好適な容器構造に関する。
背景技術
ブラインシュリンプ(アルテミア)は海水で孵化する性質を有する水生動物(エビの一種)であるが、その卵は乾燥卵の状態で長期間保存することができる。このため、ブラインシュリンプの卵から孵化させた幼生は、観賞魚等の水生動物の餌として一般的に用いられている。
ブラインシュリンプの卵は、海水中に入れて攪拌し続けることによって容易に孵化する。一般的な孵化方法は、容器内に塩水(海水や人工海水など)を用意してブラインシュリンプの卵を入れ、その容器中にエアチューブを入れてエアを吹き込むことによって気泡が塩水中を上昇するようにし、この上昇する気泡によって塩水を攪拌させる。卵からは1日ほどでブラインシュリンプの幼生が孵化する。
孵化したブラインシュリンプの幼生は容器内から網などで掬い取られ、水槽内の観賞魚等に餌として与えられる。この場合、容器内には孵化後に残された卵殻や未孵化卵が多数存在しているので、時間が経過すると卵殻や未孵化卵が腐敗して容器内の塩水の水質が悪化するとともに、給餌により幼生とともに卵殻や未孵化卵が水槽内にも導入されるので、これらの卵殻や未孵化卵が腐敗して水槽の水質をも悪化させるという問題点がある。
発明の開示
上記問題点を解決するために、発明者は、孵化した水生動物が容器内で卵殻や未孵化卵から自力で離反するように導くことのできる孵化装置、或いは、孵化した水生動物が容器内から自力で水槽内へと移動するように導くことができる孵化装置を発明した。
この孵化装置は、水生動物を孵化させるための孵化槽と、孵化した水生動物を分離するための分離槽とを有する。前記孵化槽と前記分離槽とは連通口を介して相互に連通している。そして、分離槽の連通口側の領域には、前記分離槽の他の部分よりも高い遮光性を備えた遮光性壁面部が設けられる。
分離槽の連通口側に付与された遮光性によって、連通口の近傍が暗く、連通口から離れた側が明るくなっていることから、孵化槽から連通口を通して分離槽に移動した幼生は、分離槽内において連通口から離れる方向に自ら移動していく。したがって、分離槽内において卵殻や未孵化卵と、幼生とが分離されるので、幼生のみを容易に取り出すことが可能になる。
前記分離槽には側面開口が設けられる場合がある。この側面開口を設けた孵化装置を水中に配置することにより、分離槽内で分離された幼生が側面開口を通って孵化装置外の水中に泳ぎ出るように構成できる。この場合、上記遮光性壁面部は、前記側面開口の近傍を遮光しないように、或いは、上記遮光性壁面部に覆われた領域よりも前記側面開口の近傍における遮光度合が低くなるように構成されていることが好ましい。特に、前記分離槽の前記側面開口の上方にある部分が存在するときには、当該部分についても遮光性壁面部を設けることが望ましい。
このように側面開口を設けた場合には、分離槽の形状としては、全体が上方に向けて側面開口側に傾斜するように構成されていることが望ましい。特に、分離槽の下部分が上方に向けて側面開口側に傾斜していることが好ましい。このようにすると、分離槽内に入り込んだ卵殻が側面開口から外部へと出ないようにすることができる。
また、前記遮光性を付与する態様としては、前記分離槽の壁面の一部を着色して外光の一部を遮光する構造、前記分離槽の壁面の一部を厚肉にして外光の一部を遮光する構造、前記分離槽の壁面の一部を着色するとともに厚肉にする構造、前記分離槽の壁面上に遮光層を形成する構造などが挙げられる。また、壁面の表面を粗面化することによって遮光性を高めることが望ましい。
前記遮光性壁面部は、前記側面開口側よりも前記側面開口とは反対側において前記連通口から離れる方向に、より広範囲に伸びるように構成されていることが好ましい。
前記分離槽には、前記連通口から離れるに従って徐々に断面積が逓増する拡大部が設けられていることが好ましい。この拡大部によって孵化槽から分離槽の拡大部内に水流が流れ込んでも連通口から徐々に断面積が逓増することによって水流が緩和され、分離槽内の静穏が維持される。これによって、孵化槽の全体及び分離槽の下部に塩水を入れ、分離槽の上部に真水を入れて、分離槽内に塩水と真水との境界面が形成されるとき、境界面の静穏を保ち、塩水と真水とが混じりあいにくいようにすることができる。
前記遮光性壁面部は前記拡大部を全て覆うように構成されているとともに、前記連通口から離れる方向に向けて前記拡大部の外縁を越えて伸びるように構成されていることが好ましい。遮光性を付与された壁面領域が拡大部の外縁を越えて伸びるように構成されていることにより、幼生を拡大部の外縁を越えてその先に容易に導くことが可能になる。通常、遮光性壁面部が設けられていない場合には、分離槽内に移動した幼生は塩水と真水の境界面の塩水側に滞留する傾向があるので、前記遮光性壁面部を拡大部の外縁を越えて伸びるように構成することにより、上記境界面を拡大部よりも上方に設定しても、境界面の塩水側における幼生の滞留を防止することが可能になる。
前記連通口は前記孵化槽及び前記分離槽の最下部に設けられていることが好ましい。連通口が孵化槽及び分離槽の最下部に設けられると、連通口を通して分離槽内に紛れ込んだ未孵化卵を自重による沈降によって再び連通口の近傍まで戻すことができるので、分離槽内における未孵化卵の滞留量を低減できる。
前記分離槽は、前記連通口から徐々に上昇する傾斜した内底面を有していることが好ましい。この傾斜した内底面によって分離層内に紛れ込んだ未孵化卵を容易に連通口へ向けて落下させ、再び孵化槽へと戻すことが可能になるので、分離槽内における未孵化卵の滞留量をさらに低減できる。
前記遮光性壁面部は、前記傾斜した内底面を有している部分を全て覆うように構成されているとともに、上方に向けて当該部分の上縁を越えて伸びるように構成されていることが好ましい。これによって幼生と未孵化卵との分離をより効率的に行うことが可能になる。
前記分離槽の上部には上部開口が設けられていることが好ましい。上部開口が設けられていることによって、分離槽内に移動した幼生を上部開口から入射する外光によって導き、未孵化卵などに対して分離することが可能になるとともに、上部開口から幼生のみを取り出すことも可能になる。
前記分離槽の上部開口には遮光性の蓋が取り付けられるように構成されていることが好ましい。上部開口に遮光性の蓋が取り付けられることにより、分離槽内に入射する外光をさらに限定することができるので、側面開口が設けられている場合には側面開口に向けて、側面開口が設けられていない場合でも、遮光性を有しない、或いは、遮光性の低い壁面に向けて、幼生が導かれやすくなる。また、分離槽の側面開口から上部開口に至る部分にも遮光性壁面部が設けられていることが望ましい。
前記孵化槽の上部には上部開口が設けられていることが好ましい。これにより、上部開口から卵を投入することができるとともに、上部開口を通して卵殻などを取り除くことも可能になる。ここで、この上部開口には、前記孵化槽内の前記上部開口の近傍に水流が出入りすることを抑制する水流抑制板が挿入されていることが望ましい。
前記孵化槽の壁面が透光性を有することが好ましい。孵化槽の壁面が透光性を有することによって卵の攪拌状況、孵化状況、卵殻や未孵化卵の様子などを容易に確認することができる。
前記孵化槽には、その内部の水を攪拌する攪拌手段が設けられていることが好ましい。攪拌手段としては、孵化槽内の水を直接攪拌する攪拌子(例えば電動モータや回転磁界発生手段などの回転駆動源を設け、これらの回転駆動源によって回転駆動されるもの)が挙げられる。
上記攪拌手段としては、前記孵化槽内にエアレーションを適用し、気泡によって水流を生じさせるものが挙げられる。この場合、前記孵化槽内には特に攪拌手段を設けることなく、前記孵化槽の下部にエアレーション用の気体導入口のみを設けることが最も好ましい。エアレーションを適用する場合には、例えば孵化槽の上部開口から孵化槽の内部にエアチューブを挿入し、エアチューブの先端を孵化槽の内底部近傍に配置して気泡を発生させる方法があるが、孵化槽の底部に気体導入口を設けることによってエアチューブを孵化槽の外部から気体導入口に接続することにより、孵化槽の内部にエアチューブを導入することなく、孵化槽内に気泡を発生させることが可能になる。
前記孵化槽の底部に気体導入口が設けられる場合には、前記気体導入口は、前記孵化槽の底部から側方に伸びた気体導入部内に設けられていることが好ましい。このときには、前記気体導入部の先端には屈曲した接続具が着脱可能に取り付けられていることが望ましい。
本発明の孵化装置において、装置の外面に取り付けられた吸着保持具を有することが好ましい。この場合、前記吸着保持具の両側に一対の支持突起を備えていることが望ましい。このとき、前記支持突起は、装置の外面に対して傾斜した方向に突出した弾性を有する突起であることが望ましく、さらに、一対の前記支持突起は、装置の外面に対して相互に逆方向に傾斜していることが望ましい。
発明を実施するための好ましい形態
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る第1実施形態の孵化装置の構造を示す断面図である。この孵化装置10は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、アクリル樹脂等の合成樹脂で一体的に構成された容器であり、上部開口11uを備えた孵化槽11と、上部開口12uを備えた分離槽12とが最下部にて連結された構造を備えている。
孵化槽11は、上下方向にほぼ一定の横断面形状を有する上収容部11aと、上収容部11の下端から下方に向けて徐々に横断面積が逓減するように構成された(換言すると、最下部から上方へ向けて徐々に横断面積が逓増するように構成された)下収容部11bとを有する。また、分離槽12も、上下方向にほぼ一定の横断面形状を有する上収容部12aと、上収容部12の下端から下方に向けて徐々に横断面積が逓減するように構成された(換言すると、最下部から上方へ向けて徐々に横断面積が逓増するように構成された)下収容部12b(上記の拡大部に相当する。)とを有する。
孵化槽11と分離槽12の最下部には、両者を連通させる連通口13が形成されている。この連通口13は、その両側に存在する孵化槽11の下収容部11bと分離槽12の下収容部12bのいずれよりも断面積が小さくなるように構成されている。
分離槽12の上収容部12aの側壁には側面開口14が形成され、この側面開口14にはキャップ16が取り付けられる。キャップ16は、側面開口14の開口縁に係合するとともに、装着状態でも水や後述するブラインシュリンプの幼生が通過できるように構成され、例えば網目を備えたものとなっている。
孵化槽11の下収容部11bの底部には気体導入口15が形成されている。この気体導入口15には、図示のようにエアチューブ6を接続して後述するように孵化槽11内にエアレーションを施すことができるように構成されている。
孵化槽11全体は透明素材TP(例えば透明な合成樹脂)で形成され、また、分離槽12の上収容部12aの上半部分(上記側面開口14を含む。)もまた透明素材TPにて形成されている。一方、分離槽12の上収容部12aの残り下半部分と、下収容部12b全体は、黒色や茶色などの適宜の色に着色された遮光素材OPで形成されている。この遮光素材OPは、不透明若しくは半透明の素材で構成されている。遮光素材としては、上記のように外光の少なくとも一部を吸収することにより遮光する着色された素材を用いてもよいが、外光を反射する反射性素材を用いても構わない。この反射性素材は半透過性素材或いはハーフミラーであってもよい。
上記のように構成された本実施形態の孵化装置10においては、海水や人工海水などの塩水Dを孵化槽11及び分離槽12内に入れた後に、分離槽12内に淡水Eを静かに注ぎ込むか、或いは、水槽内にゆっくりと孵化装置10全体を沈めることによって、図示のように水槽内の淡水E中に孵化装置10が配置されるようにする。ここで、孵化槽11及び分離槽12の上部開口11u,12uはいずれも水面上に位置し、また、側面開口14は水中に没している。
このとき、予め塩水Dの量を調節しておくことにより、分離槽12内において塩水Dと淡水Eの境界面Fが形成される。この境界面Fは、分離槽12内の動揺が少なければ数日間は充分に維持される。塩水Dは水(真水)5よりも比重が大きいので、分離槽12内において境界面Fよりも下に塩水Dが位置し、境界面Fよりも上に淡水Eが位置する。また、孵化槽11内には塩水Dのみが収容される。
この状態で、孵化槽11内にブラインシュリンプの卵1(例えば乾燥卵)を投入し、エアチューブ6にエアを送って気体導入口15から孵化槽11の内底部に気泡3を導入する。気泡3は浮力によって孵化槽11内の塩水D中を上昇するので上昇水流が生じ、孵化槽11内に上下に循環する循環水流R(図示矢印)が形成される。
上記の循環水流Rによって孵化槽11内の卵1は塩水D中で攪拌されることにより、良好な孵化環境が形成される。このとき、循環水流Rの一部は連通口13を経て分離槽12の下収容部12b内に入る漏洩水流Sとなり、この漏洩水流Sに伴って卵1の一部は分離槽12内に導入されるが、連通口13の断面積よりも下収容部12bの断面積は大きく、しかも、分離槽12内において上方へ向かうにしたがって断面積が逓増するように構成されている(すなわち、上述の拡大部が構成されている)ので、分離槽12の下収容部12b内に導入された水流は下収容部12bの上部に進むに従って急速に弱まる。したがって、塩水Dと淡水Eの間の境界面Fも比較的静穏に保たれる。また、下収容部12b内に導入された卵4は下収容部12bの傾斜した内底面に沿って沈降していき、それらの多くは連通口13を通って再び孵化槽11の下収容部11bへ戻る。
上記のような良好な孵化環境を保持した状態で1日程度時間が経過すると、卵1は徐々に孵化し、ブラインシュリンプの幼生2が発生する。幼生2は上記の循環水流Rや漏洩水流Sによって移動するとともに自力でも移動する。幼生2の一部は、上記の漏洩水流Sにより、或いは自力で、連通口13を通過して分離槽12の下収容部12b内に移動する。下収容部12b内に移動した幼生2に対しては、上記遮光素材OPによる遮光により外光の照射が制限される。一般に、ブラインシュリンプの幼生2は光に向けて移動する性質を有するので、下収容部12b内に移動した幼生2は、分離槽12の上部に設けられた、透明素材TPに囲まれて外光が入射された領域に向けて移動する。やがて、幼生2は分離槽12の上収容部12aに到達し、そのうちの一部は側面開口14からキャップ16を通過して孵化装置10の外側に泳ぎ出る。
本実施形態では、卵殻や未孵化卵の多くは孵化槽11内に留まり、一部の僅かな卵殻や未孵化卵が分離槽12の下収容部12bの底部近傍に導入されるだけである。分離槽12内に入った卵殻は分離槽12の水面上に浮上し、また、未孵化卵は下収容部12bの傾斜に沿って再び連通口13へ向かって戻る。特に、卵殻は軽いので分離槽12内を浮上するが、このとき、分離槽12は下収容部12bが全体として側面開口14側に傾斜していることにより、浮上していく卵殻は側面開口14から離れた水平位置を上昇し、上部開口12uに向かうので、卵殻が側面開口14から外部へと出て行くことはほとんどない。したがって、孵化したブラインシュリンプの幼生2のみが光に向けて側面開口14から外部へと泳ぎ出るので、水槽内を汚染することがほとんどないとともに、幼生2を孵化装置内から取り出して水槽内に入れる作業も不要になる。
また、孵化装置10内には塩水Dが収容されているが、分離槽12内に境界面Fが配置されるので、水槽内に塩水Dが漏出することを防止できる。また、孵化装置10においては、比較的狭い開口面積を有する連通口13を介して孵化槽11と分離槽12とが連通しているので、孵化槽11内の水流の影響が分離槽12内に伝わりにくいため、塩水Dと淡水Eとの混合を抑制することができる。すなわち、この分離槽12は、卵殻や未孵化卵と幼生2とを分離する機能を有するとともに、塩水Dと淡水Eとを分離する機能をも有するものとなっている。
本実施形態では、孵化槽11を透明素材TPで構成しているので、外部から卵1の攪拌度合、卵1の孵化状態、卵殻や未孵化卵の状態などを容易に把握できるという利点がある。
[第2実施形態]
次に、図2を参照して本発明に係る第2実施形態の孵化装置10’について説明する。この実施形態の孵化装置10’において、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
この孵化装置10’においては、第1実施形態と同様に、分離槽12’の下収容部12bは全て遮光素材OPによって構成され、上収容部12a’は一部が遮光素材OPで、残りが透明素材TPで構成されているが、上収容部12a’の遮光素材OPで構成されている部分が側面開口14の反対側(図示左側)において上部開口12uの開口縁まで伸びている点が上記第1実施形態とは異なるものとなっている。一方、側面開口14の形成されている側(図示右側)では、上記第1実施形態と同様に側面開口14のやや下方まで透明素材TPで形成された領域が存在する。
この実施形態の孵化装置10’においては、遮光素材OPにて形成されている分離槽12の部分が上部開口12uの開口縁まで伸びているので、幼生2が側面開口14側へ導かれ易くなることから、側面開口14を通してより効率的に幼生2を水槽内へと導くことができる。例えば、第1実施形態の孵化装置10においては、幼生2の一部が分離槽12の水面近傍に滞留する可能性がある(上部開口12uから入射する外光に導かれるためである。)が、本実施形態ではそのような可能性を低減し、より高い確率で側面開口14から幼生2が泳ぎ出るように構成できる。
[第3実施形態]
次に、図3を参照して本発明に係る第3実施形態の孵化装置10”について説明する。この実施形態の孵化装置10”において、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
この孵化装置10”においては、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、分離槽12”の下収容部12b(拡大部)は全て遮光素材OPによって構成され、上収容部12a”は一部が遮光素材OPで、残りが透明素材TPで構成されているが、上収容部12a”の遮光素材OPで構成されている領域の上端(外縁)が側面開口14の下方においてほぼ水平に構成されている点が上記第1実施形態及び第2実施形態とは異なるものとなっている。
上記のように、本実施形態では、第1実施形態や第2実施形態のように側面開口14の側(図示右側)に偏って透明素材TPで構成された部分が設けられ、側面開口14とは反対側(図示左側)に偏って遮光素材OPで構成された部分が設けられてはおらず、分離槽12の下部の遮光素材OPで構成された部分と、分離槽12”の上部の透明素材TPで構成された部分との境界線がほぼ水平に伸びるように構成されている。このように構成されていても、分離槽12”の下収容部12b”に移動した幼生2は上収容部12aへ移動し、やがて側面開口14を通して分離槽12”の内部から外部へと泳ぎ出ることが確認されている。
幼生2は、上記遮光手段である遮光素材OPがない場合には、境界面Fの近傍の塩水D側領域に滞留する性質があり、境界面Fを超えて淡水E内に移動することが少なくなるので、幼生2を側面開口14を通して外部へ導くことができない。これに対して、境界面Fを越えて上方(側面開口14側)に遮光された領域が伸びていることにより、幼生2は境界面Fを越え、外光の入射されている領域へ向けて泳ぎ出る。通常、境界面Fは断面積の増大した上収容部12a”内に位置するように設定することが、境界面Fの静穏を保ち、塩水Dと淡水Eの混合を抑制する上で望ましいことから、遮光される領域は断面積の逓増する下収容部12bを越えて上収容部12a”の一部にまで延在するように構成されていることが好ましいことになる。
[第4実施形態]
次に、図4を参照して本発明に係る第4実施形態の孵化装置20について説明する。この実施形態の孵化装置20においては、第1実施形態とほぼ同様の、孵化槽21、上部開口21u、上収容部21a、下収容部21b、分離槽22、上部開口22u、上収容部22a、下収容部22b、連通口23、側面開口24、気体導入口25、キャップ26を備えているので、同様の事項については説明を省略する。
この実施形態において、上記第1乃至第3実施形態と異なる点は、孵化槽21及び分離槽22を構成する素材が全体的に着色されており、弱い遮光性を備えている点にある。また、分離槽22の上収容部22aのうちの一部と、下収容部22a全体とからなる領域の壁面は他の部分よりも厚肉に形成され、当該領域において他の部分よりも高い遮光性を有するように構成されている。すなわち、孵化槽21全体は薄肉壁TIによって構成され、分離槽22の上記領域は厚肉壁THによって構成され、分離槽22における上記領域以外の部分(上収容部22aの残部)は薄肉壁TIによって構成されている。
この実施形態では、厚肉壁THが形成されている部分においては、薄肉壁TIが形成されている部分に較べてより高い遮光性を有するので、上記と同様にブラインシュリンプの幼生を淡水E内へ、そして分離槽22の外部へと導く効果を得ることができる。このとき、孵化装置20の製造に際しては遮光素材と透明素材とを接合させる工程が不要であり、均質な素材を用いて一体成形するだけで製造できるため、製造コストを低減することが可能になる。
なお、本実施形態において、厚肉壁THが形成される範囲は、上記第1実施形態乃至第3実施形態のいずれと同じであってもよい。また、厚肉部THの表面(外面又は内面)を粗面に形成することにより、厚肉部THの遮光性をより高めることができる。
[第5実施形態]
次に、図5を参照して本発明に係る第5実施形態の孵化装置30について説明する。この実施形態の孵化装置30においては、第1実施形態とほぼ同様の、孵化槽31、上部開口31u、上収容部31a、下収容部31b、分離槽32、上部開口32u、上収容部32a、下収容部32b、連通口33、側面開口34、気体導入口35、キャップ36を備えているので、同様の事項については説明を省略する。
この孵化装置30においては、孵化槽31及び分離槽32の全体が透明な素材で形成されており、その代わりに、分離槽32の上収容部32aの一部と下収容部32b全体とを遮光層37が覆うように構成されている。この遮光層37は、分離槽32を構成する素材表面に被着された着色層や反射層であってもよく、或いは、分離槽32の表面上を覆うように装着された遮光板(遮光フィルムなど)であってもよい。
なお、本実施形態において、遮光層37が分離槽32を覆う範囲は、上記第1実施形態乃至第4実施形態のいずれと同じであってもよい。
[第6実施形態]
次に、図6を参照して本発明に係る第6実施形態の孵化装置40について説明する。この実施形態の孵化装置40においては、第1実施形態とほぼ同様の、孵化槽41、上部開口41u、上収容部41a、下収容部41b、分離槽42、上部開口42u、上収容部42a、下収容部42b、連通口43、側面開口44、気体導入口45、キャップ46を備えているので、同様の部分については説明を省略する。
この実施形態の孵化装置40が第1実施形態と異なる点は、側面開口44の開口縁を除いて分離槽42のほとんど全てが遮光素材OPにて形成されている点である。この場合、遮光素材OPで形成する代わりに、第4実施形態と同様に厚肉壁によって遮光性を得るようにしてもよく、或いは、第5実施形態と同様に遮光層によって遮光性を得るようにしても構わない。また、本実施形態では、分離槽42の上部開口42uが遮光性の蓋48によって覆われるようになっている。
本実施形態においては、遮光素材OP及び蓋48によって分離槽42内には側面開口44及びその開口縁を除いて外光が入射しにくくなっており、分離槽42内に移動したブラインシュリンプの幼生は側面開口44及びその開口縁のみを目指して進むことになり、より効率的に側面開口44を通して幼生を外部へと泳ぎ出させることができる。
[第7実施形態]
次に、図7及び図8を参照して、本発明に係る第7実施形態の孵化装置50について説明する。
この孵化装置50は全体を透明な樹脂材料を用いたブロー成形によって一体的に成形してなる。孵化装置50には、仕切壁51によって仕切られた孵化槽52及び分離槽53が設けられている。孵化槽52の底部には気体導入口52aが形成され、上部には上部開口52bが形成されている。上部開口52bは上蓋54によって閉鎖されている。分離槽53には、側方に開口した側面開口53aと、孵化槽52に連通する連通口53bと、分離槽53の上端部に開口した上部開口53cとが設けられている。側面開口53aには網目55aを備えた網目キャップ55が取り付けられ、側面開口53aを網目55aが覆うように構成されている。上部開口53cは、上蓋56によって閉鎖されている。
孵化装置50の外壁は、基本的に透明若しくは光透過性の素材で構成されているが、分離槽53の外壁の下部と、上記仕切壁51の下部は半透明若しくは不透明(例えば黒色又は茶色に着色された)の遮光性の素材によって形成されている。もちろん、遮光性の素材を用いる代わりに、上記のように壁を部分的に厚肉化したり、壁を遮光性の層などで覆ったりしても構わない。
この実施形態では、分離槽53が孵化槽52の下部に開口する連通口53bにて連通し、この連通口53bからそのまま孵化槽52の外壁に沿って上方に伸びるように形成されているため、分離槽53の上下高さを大きくとることができるから、塩水Dと淡水Eの間に形成される境界面Fの変動許容範囲を広げることができるとともに、孵化装置50を全体的にコンパクトに構成することができる。また、分離槽53の上端部に上部開口53cが形成されているため、ブラインシュリンプが孵化した後に残る卵殻を上部開口53c内の水面上に浮かせることができ、適宜に卵殻を除去することができる。この卵殻の除去作業は孵化装置50を淡水E中から引き上げることなく行うことができる。したがって、孵化装置50の清掃間隔を低減することができる。
なお、孵化装置50としては、分離槽53の下部において大きく水平断面の拡大した拡大部53dが形成されているため、気体導入口52aからのエア供給によって生じた循環水流に乗って分離槽53内に入り込んだ未孵化卵の侵入速度を緩和させることができ、気体導入口52aに向かって下方へ傾斜した内壁面に沿って未孵化卵を再び孵化槽52内にスムーズに戻すことができる。この場合、図示点線で示すように、拡大部53dの近傍に未孵化卵の上昇を抑制するための抑止板53eを設けてもよい。
[第8実施形態]
最後に、図9を参照して本発明に係る第8実施形態の孵化装置60について詳細に説明する。この孵化装置60は、薄く着色されたアクリル樹脂等の半透明樹脂からなる一対の半型を相互に接着させて構成したものである。この半透明樹脂としては、黒色、或いは、濃色(茶色など)に着色されたものであることが好ましい。
孵化装置60には、仕切壁61によって仕切られた孵化槽62及び分離槽63が設けられている。孵化槽62の底部には、装置側方に伸びるように構成された気体導入部62aが形成され、上部には上部開口62bが形成されている。上部開口62bの近傍の壁内面には、下方に伸びる一対の対向する縦溝62cが形成され、これらの縦溝62cに両側部を係合させるようにして水流抑制板67が上部開口62bから挿入されている。水流抑制板67は図示例では屈折した形状を備えた板状材で構成されている。この水流抑制板67は、孵化槽62の上部開口62bの近傍の内部空間と、それ以外の内部空間とを仕切るように配置されている。水流抑制板67には、適宜に水の出入りを可能にするための開口67aを設けることが好ましい。この開口67aは図示例では側部から切り込まれた切り欠き形状に構成されているが、孔であっても構わない。水流抑制板67は、ブラインシュリンプの乾燥卵を上部開口62bから投入した場合に、乾燥卵が水を吸って重くなるまでは、孵化槽62内において気体導入部62aから導入されるエアによって生ずる水流に巻き込まれないように、水の流れを抑制するためのものである。吸水前の乾燥卵が上記水流に巻き込まれると、孵化槽62から連通口を経て分離槽63内にそのまま入り込み、分離槽63内を浮上して分離槽63の水面に乾燥卵が浮遊した状態で溜まってしまうからである。水流遮断板67の内側において吸水して重くなった卵は、水流遮断板67と孵化槽62の内面との隙間や上記開口67aを通して徐々に孵化槽62の下部に向けて沈降し、上記水流に従って攪拌される。
孵化槽62の外面の高さ方向中央部の近傍には、係止用突起62dが設けられ、この係止用突起62dには、図示の吸着保持具68が係止されるように構成されている。吸着保持具68は、孵化槽62の外面に嵌合する嵌合部材68aと、この嵌合部材68aに取り付けられた吸着盤68bとを備えている。吸着盤68bは、例えば、水槽の内面に対して押し付けられることによって、水槽の内面に吸着し、これによって孵化装置60を水槽内において固定することを可能にする。また、孵化槽62の上記係止用突起62dの上方及び下方には、外面から斜めに突出した、弾性を有する支持突起62e,62fが設けられている。これらの支持突起62e,62fは、その先端が水槽内面に当接することにより、上記吸着保持具68を介して水槽内面に固定された孵化装置60が吸着保持具68を中心にして上方若しくは下方に向けて回動することを防止し、孵化装置60の姿勢を安定化させる。このとき、支持突起62e,62fは孵化槽62の外面に対して傾斜しているので、水槽内面に接触したときに容易に弾性変形するため、吸着時の妨げになりにくく、吸着盤68bを水槽内面へ容易に吸着させることができるようになる。動作が妨げられにくい。なお、図示例では、吸着盤の上下に設けられた一対の支持突起62e,62fが相互に反対側に向けて傾斜しているので、吸着盤68bを水槽内面に押し付けたとき、支持突起が水槽内面に接触しても、吸着盤68bの吸着位置が上下いずれかにずれるといった事態を回避することができる。
孵化槽62の底部には、孵化槽62の側方に向けて伸びた気体導入部62aの先端に接続具69が嵌合している。接続具69は、気体導入部62aに嵌合した大径接続部69aと、この大径接続部69aに対して屈折して上方に向けて伸び、大径接続部69aよりも小径に構成された小径接続部69bとを備えている。この小径接続部69bには、図示しないエアチューブが接続される。このように気体導入部62aを孵化槽62の側方に向けて伸ばし、しかも、先端に屈折した形状の接続具69を取り付けていることにより、図示しないエアチューブが屈曲してエアの導入不良が発生することを防止できる。また、接続具69は気体導入部62aに対して着脱自在に構成されているので、気体導入部62a及び接続具69の内部清掃を容易に行うことができる。
分離槽63には、側方に開口した側面開口63aと、卿化槽62に連通する連通口63bと、分離槽63の上端部に開口した上部開口63cとが設けられている。側面開口63aには複数の小孔65aを備えたキャップ65が取り付けられ、側面開口63aを覆い、小孔65aによって水が流通できるとともにブラインシュリンプの幼生が通過できるが、水槽中の観賞魚等は通過できないように構成されている。キャップ65は装置本体と同様に半透明の素材で構成されていることが好ましい。このキャップ65には小孔65aが形成されているので、水槽内の水流が分離槽63内に入り込み難くなり、その結果、孵化装置内に海水や塩水を導入する場合には、海水や塩水と水槽内の真水との境界面を静穏に保つ効果を与える。
上部開口63cは、上蓋66によって閉鎖されている。上部開口63cの開口縁部の外面には溝63fが形成されている。この溝63fによって上蓋66を取り付けても分離槽63内と外部との間に通気性が確保されるように構成されている。上蓋66は遮光性の素材で構成されていることが好ましい。
分離槽63の下部には、水流が連通口63bから分離槽63内に入ったときに急激にその流通断面積が増大するように、水平断面積がその他の部分よりも大きくなるように構成された拡大部63dが設けられている。拡大部63dと、この拡大部63dの上方に設けられた円筒状の部分に僅かに入った部分とにおいては、壁面の肉厚がその他の部分よりも厚く形成され、その結果、これらの部分には外光が入射しにくくなっている。また、これらの部分の外面は微細な凹凸が形成された粗面となっており、この粗面によって外光が外面にて散乱されるので、外光が内部にさらに入射しにくくなっている。
また、分離槽63の上部、すなわち、側面開口63aよりも上方に存在する部分の壁面は側面開口63aの近傍の壁面よりも肉厚に形成され、その結果、外光が内部に入射しにくくなっている。この側面開口63aよりも上方に存在する部分の外面を上記と同様に粗面化してもよい。
本実施形態では、装置本体が全体に着色された半透明素材によって構成され、肉厚及び表面凹凸によって部分的に遮光性を高めるように構成されているので、製造が容易であり、特に合成樹脂素材を用いる場合には製造コストを低減できるという効果を奏する。
産業上の利用分野
以上説明した本発明は、卵から孵化した幼生が光に向かう性質を有するブラインシュリンプ(アルテミア)のような水生動物を孵化させるための装置としてきわめて有効である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る水生動物の孵化装置の第1実施形態を示す断面図である。
第2図は、本発明に係る水生動物の孵化装置の第2実施形態を示す断面図である。
第3図は、本発明に係る水生動物の孵化装置の第3実施形態を示す断面図である。
第4図は、本発明に係る水生動物の孵化装置の第4実施形態を示す断面図である。
第5図は、本発明に係る水生動物の孵化装置の第5実施形態を示す断面図である。
第6図は、本発明に係る水生動物の孵化装置の第6実施形態を示す断面図である。
第7図は、本発明に係る水生動物の孵化装置の第7実施形態を示す断面図である。
第8図は、第7実施形態の外観を示す斜視図である。
第9図は、本発明に係る水生動物の孵化装置の第8実施形態の外観を示す斜視図である。
本発明は水生動物の孵化装置に係り、特に、ブラインシュリンプの孵化容器として用いる場合に好適な容器構造に関する。
背景技術
ブラインシュリンプ(アルテミア)は海水で孵化する性質を有する水生動物(エビの一種)であるが、その卵は乾燥卵の状態で長期間保存することができる。このため、ブラインシュリンプの卵から孵化させた幼生は、観賞魚等の水生動物の餌として一般的に用いられている。
ブラインシュリンプの卵は、海水中に入れて攪拌し続けることによって容易に孵化する。一般的な孵化方法は、容器内に塩水(海水や人工海水など)を用意してブラインシュリンプの卵を入れ、その容器中にエアチューブを入れてエアを吹き込むことによって気泡が塩水中を上昇するようにし、この上昇する気泡によって塩水を攪拌させる。卵からは1日ほどでブラインシュリンプの幼生が孵化する。
孵化したブラインシュリンプの幼生は容器内から網などで掬い取られ、水槽内の観賞魚等に餌として与えられる。この場合、容器内には孵化後に残された卵殻や未孵化卵が多数存在しているので、時間が経過すると卵殻や未孵化卵が腐敗して容器内の塩水の水質が悪化するとともに、給餌により幼生とともに卵殻や未孵化卵が水槽内にも導入されるので、これらの卵殻や未孵化卵が腐敗して水槽の水質をも悪化させるという問題点がある。
発明の開示
上記問題点を解決するために、発明者は、孵化した水生動物が容器内で卵殻や未孵化卵から自力で離反するように導くことのできる孵化装置、或いは、孵化した水生動物が容器内から自力で水槽内へと移動するように導くことができる孵化装置を発明した。
この孵化装置は、水生動物を孵化させるための孵化槽と、孵化した水生動物を分離するための分離槽とを有する。前記孵化槽と前記分離槽とは連通口を介して相互に連通している。そして、分離槽の連通口側の領域には、前記分離槽の他の部分よりも高い遮光性を備えた遮光性壁面部が設けられる。
分離槽の連通口側に付与された遮光性によって、連通口の近傍が暗く、連通口から離れた側が明るくなっていることから、孵化槽から連通口を通して分離槽に移動した幼生は、分離槽内において連通口から離れる方向に自ら移動していく。したがって、分離槽内において卵殻や未孵化卵と、幼生とが分離されるので、幼生のみを容易に取り出すことが可能になる。
前記分離槽には側面開口が設けられる場合がある。この側面開口を設けた孵化装置を水中に配置することにより、分離槽内で分離された幼生が側面開口を通って孵化装置外の水中に泳ぎ出るように構成できる。この場合、上記遮光性壁面部は、前記側面開口の近傍を遮光しないように、或いは、上記遮光性壁面部に覆われた領域よりも前記側面開口の近傍における遮光度合が低くなるように構成されていることが好ましい。特に、前記分離槽の前記側面開口の上方にある部分が存在するときには、当該部分についても遮光性壁面部を設けることが望ましい。
このように側面開口を設けた場合には、分離槽の形状としては、全体が上方に向けて側面開口側に傾斜するように構成されていることが望ましい。特に、分離槽の下部分が上方に向けて側面開口側に傾斜していることが好ましい。このようにすると、分離槽内に入り込んだ卵殻が側面開口から外部へと出ないようにすることができる。
また、前記遮光性を付与する態様としては、前記分離槽の壁面の一部を着色して外光の一部を遮光する構造、前記分離槽の壁面の一部を厚肉にして外光の一部を遮光する構造、前記分離槽の壁面の一部を着色するとともに厚肉にする構造、前記分離槽の壁面上に遮光層を形成する構造などが挙げられる。また、壁面の表面を粗面化することによって遮光性を高めることが望ましい。
前記遮光性壁面部は、前記側面開口側よりも前記側面開口とは反対側において前記連通口から離れる方向に、より広範囲に伸びるように構成されていることが好ましい。
前記分離槽には、前記連通口から離れるに従って徐々に断面積が逓増する拡大部が設けられていることが好ましい。この拡大部によって孵化槽から分離槽の拡大部内に水流が流れ込んでも連通口から徐々に断面積が逓増することによって水流が緩和され、分離槽内の静穏が維持される。これによって、孵化槽の全体及び分離槽の下部に塩水を入れ、分離槽の上部に真水を入れて、分離槽内に塩水と真水との境界面が形成されるとき、境界面の静穏を保ち、塩水と真水とが混じりあいにくいようにすることができる。
前記遮光性壁面部は前記拡大部を全て覆うように構成されているとともに、前記連通口から離れる方向に向けて前記拡大部の外縁を越えて伸びるように構成されていることが好ましい。遮光性を付与された壁面領域が拡大部の外縁を越えて伸びるように構成されていることにより、幼生を拡大部の外縁を越えてその先に容易に導くことが可能になる。通常、遮光性壁面部が設けられていない場合には、分離槽内に移動した幼生は塩水と真水の境界面の塩水側に滞留する傾向があるので、前記遮光性壁面部を拡大部の外縁を越えて伸びるように構成することにより、上記境界面を拡大部よりも上方に設定しても、境界面の塩水側における幼生の滞留を防止することが可能になる。
前記連通口は前記孵化槽及び前記分離槽の最下部に設けられていることが好ましい。連通口が孵化槽及び分離槽の最下部に設けられると、連通口を通して分離槽内に紛れ込んだ未孵化卵を自重による沈降によって再び連通口の近傍まで戻すことができるので、分離槽内における未孵化卵の滞留量を低減できる。
前記分離槽は、前記連通口から徐々に上昇する傾斜した内底面を有していることが好ましい。この傾斜した内底面によって分離層内に紛れ込んだ未孵化卵を容易に連通口へ向けて落下させ、再び孵化槽へと戻すことが可能になるので、分離槽内における未孵化卵の滞留量をさらに低減できる。
前記遮光性壁面部は、前記傾斜した内底面を有している部分を全て覆うように構成されているとともに、上方に向けて当該部分の上縁を越えて伸びるように構成されていることが好ましい。これによって幼生と未孵化卵との分離をより効率的に行うことが可能になる。
前記分離槽の上部には上部開口が設けられていることが好ましい。上部開口が設けられていることによって、分離槽内に移動した幼生を上部開口から入射する外光によって導き、未孵化卵などに対して分離することが可能になるとともに、上部開口から幼生のみを取り出すことも可能になる。
前記分離槽の上部開口には遮光性の蓋が取り付けられるように構成されていることが好ましい。上部開口に遮光性の蓋が取り付けられることにより、分離槽内に入射する外光をさらに限定することができるので、側面開口が設けられている場合には側面開口に向けて、側面開口が設けられていない場合でも、遮光性を有しない、或いは、遮光性の低い壁面に向けて、幼生が導かれやすくなる。また、分離槽の側面開口から上部開口に至る部分にも遮光性壁面部が設けられていることが望ましい。
前記孵化槽の上部には上部開口が設けられていることが好ましい。これにより、上部開口から卵を投入することができるとともに、上部開口を通して卵殻などを取り除くことも可能になる。ここで、この上部開口には、前記孵化槽内の前記上部開口の近傍に水流が出入りすることを抑制する水流抑制板が挿入されていることが望ましい。
前記孵化槽の壁面が透光性を有することが好ましい。孵化槽の壁面が透光性を有することによって卵の攪拌状況、孵化状況、卵殻や未孵化卵の様子などを容易に確認することができる。
前記孵化槽には、その内部の水を攪拌する攪拌手段が設けられていることが好ましい。攪拌手段としては、孵化槽内の水を直接攪拌する攪拌子(例えば電動モータや回転磁界発生手段などの回転駆動源を設け、これらの回転駆動源によって回転駆動されるもの)が挙げられる。
上記攪拌手段としては、前記孵化槽内にエアレーションを適用し、気泡によって水流を生じさせるものが挙げられる。この場合、前記孵化槽内には特に攪拌手段を設けることなく、前記孵化槽の下部にエアレーション用の気体導入口のみを設けることが最も好ましい。エアレーションを適用する場合には、例えば孵化槽の上部開口から孵化槽の内部にエアチューブを挿入し、エアチューブの先端を孵化槽の内底部近傍に配置して気泡を発生させる方法があるが、孵化槽の底部に気体導入口を設けることによってエアチューブを孵化槽の外部から気体導入口に接続することにより、孵化槽の内部にエアチューブを導入することなく、孵化槽内に気泡を発生させることが可能になる。
前記孵化槽の底部に気体導入口が設けられる場合には、前記気体導入口は、前記孵化槽の底部から側方に伸びた気体導入部内に設けられていることが好ましい。このときには、前記気体導入部の先端には屈曲した接続具が着脱可能に取り付けられていることが望ましい。
本発明の孵化装置において、装置の外面に取り付けられた吸着保持具を有することが好ましい。この場合、前記吸着保持具の両側に一対の支持突起を備えていることが望ましい。このとき、前記支持突起は、装置の外面に対して傾斜した方向に突出した弾性を有する突起であることが望ましく、さらに、一対の前記支持突起は、装置の外面に対して相互に逆方向に傾斜していることが望ましい。
発明を実施するための好ましい形態
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る第1実施形態の孵化装置の構造を示す断面図である。この孵化装置10は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、アクリル樹脂等の合成樹脂で一体的に構成された容器であり、上部開口11uを備えた孵化槽11と、上部開口12uを備えた分離槽12とが最下部にて連結された構造を備えている。
孵化槽11は、上下方向にほぼ一定の横断面形状を有する上収容部11aと、上収容部11の下端から下方に向けて徐々に横断面積が逓減するように構成された(換言すると、最下部から上方へ向けて徐々に横断面積が逓増するように構成された)下収容部11bとを有する。また、分離槽12も、上下方向にほぼ一定の横断面形状を有する上収容部12aと、上収容部12の下端から下方に向けて徐々に横断面積が逓減するように構成された(換言すると、最下部から上方へ向けて徐々に横断面積が逓増するように構成された)下収容部12b(上記の拡大部に相当する。)とを有する。
孵化槽11と分離槽12の最下部には、両者を連通させる連通口13が形成されている。この連通口13は、その両側に存在する孵化槽11の下収容部11bと分離槽12の下収容部12bのいずれよりも断面積が小さくなるように構成されている。
分離槽12の上収容部12aの側壁には側面開口14が形成され、この側面開口14にはキャップ16が取り付けられる。キャップ16は、側面開口14の開口縁に係合するとともに、装着状態でも水や後述するブラインシュリンプの幼生が通過できるように構成され、例えば網目を備えたものとなっている。
孵化槽11の下収容部11bの底部には気体導入口15が形成されている。この気体導入口15には、図示のようにエアチューブ6を接続して後述するように孵化槽11内にエアレーションを施すことができるように構成されている。
孵化槽11全体は透明素材TP(例えば透明な合成樹脂)で形成され、また、分離槽12の上収容部12aの上半部分(上記側面開口14を含む。)もまた透明素材TPにて形成されている。一方、分離槽12の上収容部12aの残り下半部分と、下収容部12b全体は、黒色や茶色などの適宜の色に着色された遮光素材OPで形成されている。この遮光素材OPは、不透明若しくは半透明の素材で構成されている。遮光素材としては、上記のように外光の少なくとも一部を吸収することにより遮光する着色された素材を用いてもよいが、外光を反射する反射性素材を用いても構わない。この反射性素材は半透過性素材或いはハーフミラーであってもよい。
上記のように構成された本実施形態の孵化装置10においては、海水や人工海水などの塩水Dを孵化槽11及び分離槽12内に入れた後に、分離槽12内に淡水Eを静かに注ぎ込むか、或いは、水槽内にゆっくりと孵化装置10全体を沈めることによって、図示のように水槽内の淡水E中に孵化装置10が配置されるようにする。ここで、孵化槽11及び分離槽12の上部開口11u,12uはいずれも水面上に位置し、また、側面開口14は水中に没している。
このとき、予め塩水Dの量を調節しておくことにより、分離槽12内において塩水Dと淡水Eの境界面Fが形成される。この境界面Fは、分離槽12内の動揺が少なければ数日間は充分に維持される。塩水Dは水(真水)5よりも比重が大きいので、分離槽12内において境界面Fよりも下に塩水Dが位置し、境界面Fよりも上に淡水Eが位置する。また、孵化槽11内には塩水Dのみが収容される。
この状態で、孵化槽11内にブラインシュリンプの卵1(例えば乾燥卵)を投入し、エアチューブ6にエアを送って気体導入口15から孵化槽11の内底部に気泡3を導入する。気泡3は浮力によって孵化槽11内の塩水D中を上昇するので上昇水流が生じ、孵化槽11内に上下に循環する循環水流R(図示矢印)が形成される。
上記の循環水流Rによって孵化槽11内の卵1は塩水D中で攪拌されることにより、良好な孵化環境が形成される。このとき、循環水流Rの一部は連通口13を経て分離槽12の下収容部12b内に入る漏洩水流Sとなり、この漏洩水流Sに伴って卵1の一部は分離槽12内に導入されるが、連通口13の断面積よりも下収容部12bの断面積は大きく、しかも、分離槽12内において上方へ向かうにしたがって断面積が逓増するように構成されている(すなわち、上述の拡大部が構成されている)ので、分離槽12の下収容部12b内に導入された水流は下収容部12bの上部に進むに従って急速に弱まる。したがって、塩水Dと淡水Eの間の境界面Fも比較的静穏に保たれる。また、下収容部12b内に導入された卵4は下収容部12bの傾斜した内底面に沿って沈降していき、それらの多くは連通口13を通って再び孵化槽11の下収容部11bへ戻る。
上記のような良好な孵化環境を保持した状態で1日程度時間が経過すると、卵1は徐々に孵化し、ブラインシュリンプの幼生2が発生する。幼生2は上記の循環水流Rや漏洩水流Sによって移動するとともに自力でも移動する。幼生2の一部は、上記の漏洩水流Sにより、或いは自力で、連通口13を通過して分離槽12の下収容部12b内に移動する。下収容部12b内に移動した幼生2に対しては、上記遮光素材OPによる遮光により外光の照射が制限される。一般に、ブラインシュリンプの幼生2は光に向けて移動する性質を有するので、下収容部12b内に移動した幼生2は、分離槽12の上部に設けられた、透明素材TPに囲まれて外光が入射された領域に向けて移動する。やがて、幼生2は分離槽12の上収容部12aに到達し、そのうちの一部は側面開口14からキャップ16を通過して孵化装置10の外側に泳ぎ出る。
本実施形態では、卵殻や未孵化卵の多くは孵化槽11内に留まり、一部の僅かな卵殻や未孵化卵が分離槽12の下収容部12bの底部近傍に導入されるだけである。分離槽12内に入った卵殻は分離槽12の水面上に浮上し、また、未孵化卵は下収容部12bの傾斜に沿って再び連通口13へ向かって戻る。特に、卵殻は軽いので分離槽12内を浮上するが、このとき、分離槽12は下収容部12bが全体として側面開口14側に傾斜していることにより、浮上していく卵殻は側面開口14から離れた水平位置を上昇し、上部開口12uに向かうので、卵殻が側面開口14から外部へと出て行くことはほとんどない。したがって、孵化したブラインシュリンプの幼生2のみが光に向けて側面開口14から外部へと泳ぎ出るので、水槽内を汚染することがほとんどないとともに、幼生2を孵化装置内から取り出して水槽内に入れる作業も不要になる。
また、孵化装置10内には塩水Dが収容されているが、分離槽12内に境界面Fが配置されるので、水槽内に塩水Dが漏出することを防止できる。また、孵化装置10においては、比較的狭い開口面積を有する連通口13を介して孵化槽11と分離槽12とが連通しているので、孵化槽11内の水流の影響が分離槽12内に伝わりにくいため、塩水Dと淡水Eとの混合を抑制することができる。すなわち、この分離槽12は、卵殻や未孵化卵と幼生2とを分離する機能を有するとともに、塩水Dと淡水Eとを分離する機能をも有するものとなっている。
本実施形態では、孵化槽11を透明素材TPで構成しているので、外部から卵1の攪拌度合、卵1の孵化状態、卵殻や未孵化卵の状態などを容易に把握できるという利点がある。
[第2実施形態]
次に、図2を参照して本発明に係る第2実施形態の孵化装置10’について説明する。この実施形態の孵化装置10’において、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
この孵化装置10’においては、第1実施形態と同様に、分離槽12’の下収容部12bは全て遮光素材OPによって構成され、上収容部12a’は一部が遮光素材OPで、残りが透明素材TPで構成されているが、上収容部12a’の遮光素材OPで構成されている部分が側面開口14の反対側(図示左側)において上部開口12uの開口縁まで伸びている点が上記第1実施形態とは異なるものとなっている。一方、側面開口14の形成されている側(図示右側)では、上記第1実施形態と同様に側面開口14のやや下方まで透明素材TPで形成された領域が存在する。
この実施形態の孵化装置10’においては、遮光素材OPにて形成されている分離槽12の部分が上部開口12uの開口縁まで伸びているので、幼生2が側面開口14側へ導かれ易くなることから、側面開口14を通してより効率的に幼生2を水槽内へと導くことができる。例えば、第1実施形態の孵化装置10においては、幼生2の一部が分離槽12の水面近傍に滞留する可能性がある(上部開口12uから入射する外光に導かれるためである。)が、本実施形態ではそのような可能性を低減し、より高い確率で側面開口14から幼生2が泳ぎ出るように構成できる。
[第3実施形態]
次に、図3を参照して本発明に係る第3実施形態の孵化装置10”について説明する。この実施形態の孵化装置10”において、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
この孵化装置10”においては、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、分離槽12”の下収容部12b(拡大部)は全て遮光素材OPによって構成され、上収容部12a”は一部が遮光素材OPで、残りが透明素材TPで構成されているが、上収容部12a”の遮光素材OPで構成されている領域の上端(外縁)が側面開口14の下方においてほぼ水平に構成されている点が上記第1実施形態及び第2実施形態とは異なるものとなっている。
上記のように、本実施形態では、第1実施形態や第2実施形態のように側面開口14の側(図示右側)に偏って透明素材TPで構成された部分が設けられ、側面開口14とは反対側(図示左側)に偏って遮光素材OPで構成された部分が設けられてはおらず、分離槽12の下部の遮光素材OPで構成された部分と、分離槽12”の上部の透明素材TPで構成された部分との境界線がほぼ水平に伸びるように構成されている。このように構成されていても、分離槽12”の下収容部12b”に移動した幼生2は上収容部12aへ移動し、やがて側面開口14を通して分離槽12”の内部から外部へと泳ぎ出ることが確認されている。
幼生2は、上記遮光手段である遮光素材OPがない場合には、境界面Fの近傍の塩水D側領域に滞留する性質があり、境界面Fを超えて淡水E内に移動することが少なくなるので、幼生2を側面開口14を通して外部へ導くことができない。これに対して、境界面Fを越えて上方(側面開口14側)に遮光された領域が伸びていることにより、幼生2は境界面Fを越え、外光の入射されている領域へ向けて泳ぎ出る。通常、境界面Fは断面積の増大した上収容部12a”内に位置するように設定することが、境界面Fの静穏を保ち、塩水Dと淡水Eの混合を抑制する上で望ましいことから、遮光される領域は断面積の逓増する下収容部12bを越えて上収容部12a”の一部にまで延在するように構成されていることが好ましいことになる。
[第4実施形態]
次に、図4を参照して本発明に係る第4実施形態の孵化装置20について説明する。この実施形態の孵化装置20においては、第1実施形態とほぼ同様の、孵化槽21、上部開口21u、上収容部21a、下収容部21b、分離槽22、上部開口22u、上収容部22a、下収容部22b、連通口23、側面開口24、気体導入口25、キャップ26を備えているので、同様の事項については説明を省略する。
この実施形態において、上記第1乃至第3実施形態と異なる点は、孵化槽21及び分離槽22を構成する素材が全体的に着色されており、弱い遮光性を備えている点にある。また、分離槽22の上収容部22aのうちの一部と、下収容部22a全体とからなる領域の壁面は他の部分よりも厚肉に形成され、当該領域において他の部分よりも高い遮光性を有するように構成されている。すなわち、孵化槽21全体は薄肉壁TIによって構成され、分離槽22の上記領域は厚肉壁THによって構成され、分離槽22における上記領域以外の部分(上収容部22aの残部)は薄肉壁TIによって構成されている。
この実施形態では、厚肉壁THが形成されている部分においては、薄肉壁TIが形成されている部分に較べてより高い遮光性を有するので、上記と同様にブラインシュリンプの幼生を淡水E内へ、そして分離槽22の外部へと導く効果を得ることができる。このとき、孵化装置20の製造に際しては遮光素材と透明素材とを接合させる工程が不要であり、均質な素材を用いて一体成形するだけで製造できるため、製造コストを低減することが可能になる。
なお、本実施形態において、厚肉壁THが形成される範囲は、上記第1実施形態乃至第3実施形態のいずれと同じであってもよい。また、厚肉部THの表面(外面又は内面)を粗面に形成することにより、厚肉部THの遮光性をより高めることができる。
[第5実施形態]
次に、図5を参照して本発明に係る第5実施形態の孵化装置30について説明する。この実施形態の孵化装置30においては、第1実施形態とほぼ同様の、孵化槽31、上部開口31u、上収容部31a、下収容部31b、分離槽32、上部開口32u、上収容部32a、下収容部32b、連通口33、側面開口34、気体導入口35、キャップ36を備えているので、同様の事項については説明を省略する。
この孵化装置30においては、孵化槽31及び分離槽32の全体が透明な素材で形成されており、その代わりに、分離槽32の上収容部32aの一部と下収容部32b全体とを遮光層37が覆うように構成されている。この遮光層37は、分離槽32を構成する素材表面に被着された着色層や反射層であってもよく、或いは、分離槽32の表面上を覆うように装着された遮光板(遮光フィルムなど)であってもよい。
なお、本実施形態において、遮光層37が分離槽32を覆う範囲は、上記第1実施形態乃至第4実施形態のいずれと同じであってもよい。
[第6実施形態]
次に、図6を参照して本発明に係る第6実施形態の孵化装置40について説明する。この実施形態の孵化装置40においては、第1実施形態とほぼ同様の、孵化槽41、上部開口41u、上収容部41a、下収容部41b、分離槽42、上部開口42u、上収容部42a、下収容部42b、連通口43、側面開口44、気体導入口45、キャップ46を備えているので、同様の部分については説明を省略する。
この実施形態の孵化装置40が第1実施形態と異なる点は、側面開口44の開口縁を除いて分離槽42のほとんど全てが遮光素材OPにて形成されている点である。この場合、遮光素材OPで形成する代わりに、第4実施形態と同様に厚肉壁によって遮光性を得るようにしてもよく、或いは、第5実施形態と同様に遮光層によって遮光性を得るようにしても構わない。また、本実施形態では、分離槽42の上部開口42uが遮光性の蓋48によって覆われるようになっている。
本実施形態においては、遮光素材OP及び蓋48によって分離槽42内には側面開口44及びその開口縁を除いて外光が入射しにくくなっており、分離槽42内に移動したブラインシュリンプの幼生は側面開口44及びその開口縁のみを目指して進むことになり、より効率的に側面開口44を通して幼生を外部へと泳ぎ出させることができる。
[第7実施形態]
次に、図7及び図8を参照して、本発明に係る第7実施形態の孵化装置50について説明する。
この孵化装置50は全体を透明な樹脂材料を用いたブロー成形によって一体的に成形してなる。孵化装置50には、仕切壁51によって仕切られた孵化槽52及び分離槽53が設けられている。孵化槽52の底部には気体導入口52aが形成され、上部には上部開口52bが形成されている。上部開口52bは上蓋54によって閉鎖されている。分離槽53には、側方に開口した側面開口53aと、孵化槽52に連通する連通口53bと、分離槽53の上端部に開口した上部開口53cとが設けられている。側面開口53aには網目55aを備えた網目キャップ55が取り付けられ、側面開口53aを網目55aが覆うように構成されている。上部開口53cは、上蓋56によって閉鎖されている。
孵化装置50の外壁は、基本的に透明若しくは光透過性の素材で構成されているが、分離槽53の外壁の下部と、上記仕切壁51の下部は半透明若しくは不透明(例えば黒色又は茶色に着色された)の遮光性の素材によって形成されている。もちろん、遮光性の素材を用いる代わりに、上記のように壁を部分的に厚肉化したり、壁を遮光性の層などで覆ったりしても構わない。
この実施形態では、分離槽53が孵化槽52の下部に開口する連通口53bにて連通し、この連通口53bからそのまま孵化槽52の外壁に沿って上方に伸びるように形成されているため、分離槽53の上下高さを大きくとることができるから、塩水Dと淡水Eの間に形成される境界面Fの変動許容範囲を広げることができるとともに、孵化装置50を全体的にコンパクトに構成することができる。また、分離槽53の上端部に上部開口53cが形成されているため、ブラインシュリンプが孵化した後に残る卵殻を上部開口53c内の水面上に浮かせることができ、適宜に卵殻を除去することができる。この卵殻の除去作業は孵化装置50を淡水E中から引き上げることなく行うことができる。したがって、孵化装置50の清掃間隔を低減することができる。
なお、孵化装置50としては、分離槽53の下部において大きく水平断面の拡大した拡大部53dが形成されているため、気体導入口52aからのエア供給によって生じた循環水流に乗って分離槽53内に入り込んだ未孵化卵の侵入速度を緩和させることができ、気体導入口52aに向かって下方へ傾斜した内壁面に沿って未孵化卵を再び孵化槽52内にスムーズに戻すことができる。この場合、図示点線で示すように、拡大部53dの近傍に未孵化卵の上昇を抑制するための抑止板53eを設けてもよい。
[第8実施形態]
最後に、図9を参照して本発明に係る第8実施形態の孵化装置60について詳細に説明する。この孵化装置60は、薄く着色されたアクリル樹脂等の半透明樹脂からなる一対の半型を相互に接着させて構成したものである。この半透明樹脂としては、黒色、或いは、濃色(茶色など)に着色されたものであることが好ましい。
孵化装置60には、仕切壁61によって仕切られた孵化槽62及び分離槽63が設けられている。孵化槽62の底部には、装置側方に伸びるように構成された気体導入部62aが形成され、上部には上部開口62bが形成されている。上部開口62bの近傍の壁内面には、下方に伸びる一対の対向する縦溝62cが形成され、これらの縦溝62cに両側部を係合させるようにして水流抑制板67が上部開口62bから挿入されている。水流抑制板67は図示例では屈折した形状を備えた板状材で構成されている。この水流抑制板67は、孵化槽62の上部開口62bの近傍の内部空間と、それ以外の内部空間とを仕切るように配置されている。水流抑制板67には、適宜に水の出入りを可能にするための開口67aを設けることが好ましい。この開口67aは図示例では側部から切り込まれた切り欠き形状に構成されているが、孔であっても構わない。水流抑制板67は、ブラインシュリンプの乾燥卵を上部開口62bから投入した場合に、乾燥卵が水を吸って重くなるまでは、孵化槽62内において気体導入部62aから導入されるエアによって生ずる水流に巻き込まれないように、水の流れを抑制するためのものである。吸水前の乾燥卵が上記水流に巻き込まれると、孵化槽62から連通口を経て分離槽63内にそのまま入り込み、分離槽63内を浮上して分離槽63の水面に乾燥卵が浮遊した状態で溜まってしまうからである。水流遮断板67の内側において吸水して重くなった卵は、水流遮断板67と孵化槽62の内面との隙間や上記開口67aを通して徐々に孵化槽62の下部に向けて沈降し、上記水流に従って攪拌される。
孵化槽62の外面の高さ方向中央部の近傍には、係止用突起62dが設けられ、この係止用突起62dには、図示の吸着保持具68が係止されるように構成されている。吸着保持具68は、孵化槽62の外面に嵌合する嵌合部材68aと、この嵌合部材68aに取り付けられた吸着盤68bとを備えている。吸着盤68bは、例えば、水槽の内面に対して押し付けられることによって、水槽の内面に吸着し、これによって孵化装置60を水槽内において固定することを可能にする。また、孵化槽62の上記係止用突起62dの上方及び下方には、外面から斜めに突出した、弾性を有する支持突起62e,62fが設けられている。これらの支持突起62e,62fは、その先端が水槽内面に当接することにより、上記吸着保持具68を介して水槽内面に固定された孵化装置60が吸着保持具68を中心にして上方若しくは下方に向けて回動することを防止し、孵化装置60の姿勢を安定化させる。このとき、支持突起62e,62fは孵化槽62の外面に対して傾斜しているので、水槽内面に接触したときに容易に弾性変形するため、吸着時の妨げになりにくく、吸着盤68bを水槽内面へ容易に吸着させることができるようになる。動作が妨げられにくい。なお、図示例では、吸着盤の上下に設けられた一対の支持突起62e,62fが相互に反対側に向けて傾斜しているので、吸着盤68bを水槽内面に押し付けたとき、支持突起が水槽内面に接触しても、吸着盤68bの吸着位置が上下いずれかにずれるといった事態を回避することができる。
孵化槽62の底部には、孵化槽62の側方に向けて伸びた気体導入部62aの先端に接続具69が嵌合している。接続具69は、気体導入部62aに嵌合した大径接続部69aと、この大径接続部69aに対して屈折して上方に向けて伸び、大径接続部69aよりも小径に構成された小径接続部69bとを備えている。この小径接続部69bには、図示しないエアチューブが接続される。このように気体導入部62aを孵化槽62の側方に向けて伸ばし、しかも、先端に屈折した形状の接続具69を取り付けていることにより、図示しないエアチューブが屈曲してエアの導入不良が発生することを防止できる。また、接続具69は気体導入部62aに対して着脱自在に構成されているので、気体導入部62a及び接続具69の内部清掃を容易に行うことができる。
分離槽63には、側方に開口した側面開口63aと、卿化槽62に連通する連通口63bと、分離槽63の上端部に開口した上部開口63cとが設けられている。側面開口63aには複数の小孔65aを備えたキャップ65が取り付けられ、側面開口63aを覆い、小孔65aによって水が流通できるとともにブラインシュリンプの幼生が通過できるが、水槽中の観賞魚等は通過できないように構成されている。キャップ65は装置本体と同様に半透明の素材で構成されていることが好ましい。このキャップ65には小孔65aが形成されているので、水槽内の水流が分離槽63内に入り込み難くなり、その結果、孵化装置内に海水や塩水を導入する場合には、海水や塩水と水槽内の真水との境界面を静穏に保つ効果を与える。
上部開口63cは、上蓋66によって閉鎖されている。上部開口63cの開口縁部の外面には溝63fが形成されている。この溝63fによって上蓋66を取り付けても分離槽63内と外部との間に通気性が確保されるように構成されている。上蓋66は遮光性の素材で構成されていることが好ましい。
分離槽63の下部には、水流が連通口63bから分離槽63内に入ったときに急激にその流通断面積が増大するように、水平断面積がその他の部分よりも大きくなるように構成された拡大部63dが設けられている。拡大部63dと、この拡大部63dの上方に設けられた円筒状の部分に僅かに入った部分とにおいては、壁面の肉厚がその他の部分よりも厚く形成され、その結果、これらの部分には外光が入射しにくくなっている。また、これらの部分の外面は微細な凹凸が形成された粗面となっており、この粗面によって外光が外面にて散乱されるので、外光が内部にさらに入射しにくくなっている。
また、分離槽63の上部、すなわち、側面開口63aよりも上方に存在する部分の壁面は側面開口63aの近傍の壁面よりも肉厚に形成され、その結果、外光が内部に入射しにくくなっている。この側面開口63aよりも上方に存在する部分の外面を上記と同様に粗面化してもよい。
本実施形態では、装置本体が全体に着色された半透明素材によって構成され、肉厚及び表面凹凸によって部分的に遮光性を高めるように構成されているので、製造が容易であり、特に合成樹脂素材を用いる場合には製造コストを低減できるという効果を奏する。
産業上の利用分野
以上説明した本発明は、卵から孵化した幼生が光に向かう性質を有するブラインシュリンプ(アルテミア)のような水生動物を孵化させるための装置としてきわめて有効である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る水生動物の孵化装置の第1実施形態を示す断面図である。
第2図は、本発明に係る水生動物の孵化装置の第2実施形態を示す断面図である。
第3図は、本発明に係る水生動物の孵化装置の第3実施形態を示す断面図である。
第4図は、本発明に係る水生動物の孵化装置の第4実施形態を示す断面図である。
第5図は、本発明に係る水生動物の孵化装置の第5実施形態を示す断面図である。
第6図は、本発明に係る水生動物の孵化装置の第6実施形態を示す断面図である。
第7図は、本発明に係る水生動物の孵化装置の第7実施形態を示す断面図である。
第8図は、第7実施形態の外観を示す斜視図である。
第9図は、本発明に係る水生動物の孵化装置の第8実施形態の外観を示す斜視図である。
Claims (24)
- 水生動物を孵化させるための孵化装置であって、
水生動物の卵を孵化させるための孵化槽と、水生動物を分離するための分離槽とを有し、
前記孵化槽と前記分離槽とを連通する連通口を備え、
前記分離槽における前記連通口側の領域には、前記分離槽の他の部分よりも高い遮光性を備えた遮光性壁面部が形成されていることを特徴とする孵化装置。 - 前記分離槽には、前記分離槽の側面に形成された側面開口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の孵化装置。
- 前記遮光性壁面部は、前記側面開口側よりも前記側面開口とは反対側において前記連通口から離れる方向に、より広範囲に伸びるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の孵化装置。
- 前記遮光性壁面部は、前記側面開口の上方にも設けられていることを特徴とする請求項2に記載の孵化装置。
- 前記孵化槽及び前記分離槽は着色された半透明の素材で一体に構成され、前記遮光性壁面部は他の壁面部分よりも肉厚に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の孵化装置。
- 前記遮光性壁面部の表面は粗面となっていることを特徴とする請求項5に記載の孵化装置。
- 前記分離槽には、前記連通口から離れるに従って徐々に断面積が逓増する拡大部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の孵化装置。
- 前記遮光性壁面部は、前記拡大部の全体を覆うように構成されているとともに、前記連通口から離れる方向に向けて前記拡大部の外縁を越えて伸びるように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の孵化装置。
- 前記連通口は前記孵化槽及び前記分離槽の最下部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の孵化装置。
- 前記分離槽は、前記連通口から徐々に上昇する傾斜した内底面を有していることを特徴とする請求項9に記載の孵化装置。
- 前記遮光性壁面部は前記傾斜した内底面を有している部分を全て覆うように構成されているとともに、上方に向けて当該部分の上縁を越えて伸びるように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の孵化装置。
- 前記分離槽の上部には上部開口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の孵化装置。
- 前記分離槽の上部開口には遮光性の蓋が取り付けられていることを特徴とする請求項12に記載の孵化装置。
- 前記分離槽の前記側面開口から前記上部開口に至る部分にも前記遮光性壁面部が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の孵化装置。
- 前記孵化槽の上部には上部開口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の孵化装置。
- 前記上部開口には、前記孵化槽内の前記上部開口の近傍に水流が出入りすることを抑制する水流抑制板が挿入されていることを特徴とする請求項15に記載の孵化装置。
- 前記孵化槽の壁面が透光性を有することを特徴とする請求項1に記載の孵化装置。
- 前記孵化槽の底部に気体導入口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の孵化装置。
- 前記気体導入口は、前記孵化槽の底部から側方に伸びた気体導入部内に設けられていることを特徴とする請求項18に記載の孵化装置。
- 前記気体導入部の先端には屈曲した接続具が着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項19に記載の孵化装置。
- 装置の外面に取り付けられた吸着保持具を有することを特徴とする請求項1に記載の孵化装置。
- 前記吸着保持具の両側に一対の支持突起を備えていることを特徴とする請求項21に記載の孵化装置。
- 前記支持突起は、装置の外面に対して傾斜した方向に突出した弾性を有する突起であることを特徴とする請求項22に記載の孵化装置。
- 一対の前記支持突起は、装置の外面に対して相互に逆方向に傾斜していることを特徴とする請求項23に記載の孵化装置。
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