JPWO2002091069A1 - ファラデー回転子 - Google Patents

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Abstract

ファラデー回転角の温度特性を良好に改善して高品質化を図る。ファラデー回転子(10)に対し、磁気光学結晶(11)に印加する第1の磁界によりファラデー回転を行ない、かつ第2の磁界によりファラデー回転角の制御を第2の磁界の強度の全可変範囲で行う場合に、第1の磁界の方向を除く、第1の磁界と第2の磁界による合成磁界の方向が、磁気光学結晶(11)の磁化容易軸及び磁化困難軸の間で可変するように、磁気光学結晶(11)を配置する。

Description

技術分野
本発明はファラデー回転子に関し、特に光可変減衰器等に使用されるファラデー回転子に関する。
背景技術
光通信技術は、マルチメディア通信の基盤形成の核となるもので、一層のサービスの高度化、広域化が望まれている。また、近年の爆発的なインターネットの普及に伴い、大容量伝送可能な光ネットワークの整備が望まれている。このため、複数の異なる波長の光信号を多重化して伝送するWDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分離多重)通信などが注目され、開発が進められている。
一方、光ネットワークの大容量化の進展により、光デバイスの種類も急速に分化し、高い機能が求められている。光デバイスの代表的なものに、光可変減衰器、光シャッタ、光可変等化器がある。
光可変減衰器(VOA:Variable Optical Attenuator)は、光レベル変動に対して、レベル・ダイアグラムを適正に設定するために、光信号のレベルを可変に制御するデバイスである。
光シャッタは、光通信の運用中に増幅された大きな光パワーに対し、コネクタ外れなどによる人体への損傷を防止するために、コネクタ外れの検出時に、送信光出力をシャット・ダウンするデバイスである。
光可変等化器は、EDFA(Erbium−Doped Fiber Amplifier)の利得の和を一定値に制御して、利得等化を行うことにより、利得波長特性を信号帯域内で平坦化させるデバイスである。なお、EDFAとは、エルビウム(Er3+)を添加した光ファイバを増幅用媒体とした光増幅器(増幅可能な波長範囲が広く、無視できない波長特性を持っている)のことであり、WDM伝送の中継器等に広く用いられている。
これら光可変減衰器、光シャッタ、光可変等化器などの光デバイスの主要な構成部品として、ファラデー回転子が用いられている。ファラデー回転子は、透過光の偏光面を磁界によって回転(この回転をファラデー回転、回転角をファラデー回転角という)させる性質を有する磁気光学結晶を使用したもので、ファラデー回転角によって実質的に光の透過率を制御している。
ファラデー回転子の磁気光学結晶は、通常、イットリウム鉄ガーネット(YIG)などの結晶(以下、ガーネット単結晶と呼ぶ)からなっており、最近では液相エピタキシャル法によって形成したビスマス置換稀土類鉄ガーネット単結晶膜も用いられるようになっている。ビスマス置換稀土類鉄ガーネット単結晶膜の方が、ガーネット単結晶よりもファラデー回転係数が大きいという利点を有している。
ところが、ガーネット単結晶やビスマス置換稀土類鉄ガーネット単結晶膜のいずれに対しても、ファラデー回転角の温度依存性が大きいという共通の欠点がある(周辺の環境温度の変化によってファラデー回転角が変動してしまう)。
したがって、ファラデー回転子のファラデー回転角は、温度特性を持っていることになる。この温度特性は、ファラデー回転角自体の温度特性と磁気異方性の温度特性との和によって与えられる。
なお、磁気光学結晶は、結晶軸の方向により、磁化されやすい軸(磁化容易軸)とされにくい軸(磁化困難軸)があり、磁化しやすい方向があるこのような現象を磁気異方性と呼ぶ。また、磁気異方性の大きさ(磁化困難軸に磁化を向けるエネルギーの大きさ)は、低温ほど大きく(ファラデー回転しにくい)、高温ほど小さい(ファラデー回転しやすい)。
ファラデー回転子は温度特性があるため、光可変減衰器、光シャッタ及び光可変等化器の温度に対する安定性を阻害する原因になっている。このため、環境温度の変化に対して、これら光デバイスに対する動作の安定性を向上させるためには、ファラデー回転子の温度特性を改善する必要がある。
ファラデー回転子の温度特性の改善方法としては、従来では、磁気光学結晶自体の温度係数の符号と磁気異方性の温度係数の符号とが逆になるように、磁気光学結晶を設置することで、ファラデー回転角自体の温度特性と磁気異方性の温度特性とを相殺(キャンセル)させて、ファラデー回転角の温度特性を抑圧していた。
図32はファラデー回転角自体の温度特性と磁気異方性の温度特性とをキャンセルした場合の従来のファラデー回転角を示す図である。縦軸にファラデー回転角、横軸に電流(ファラデー回転子を構成する電磁石に巻かれたコイルに流す駆動電流)をとる。温度が0℃の場合と65℃の場合のファラデー回転角を示している。
温度特性が互いにキャンセルされた範囲Hでは、温度特性が小さくなっているため、ファラデー回転角は温度に依存していない(すなわち、範囲Hでは、0℃の場合と65℃の場合とで、ファラデー回転角はそれぞれ同じような角度をとる)。このように、従来技術では、ファラデー回転角自体の温度特性と磁気異方性の温度特性とをキャンセルさせることで、ファラデー回転角の温度特性を抑圧し改善していた。
上記で示した図32からわかるように、従来では、範囲Hに該当する特定のファラデー回転角に対してだけ、ファラデー回転子の温度特性が小さくなっている(なぜなら、磁気光学結晶のファラデー回転角自体の温度係数は、ファラデー回転角に依存せずほぼ一定であるのに対して、磁気異方性の温度係数は、特定のファラデー回転角近傍に限定された狭い方位だけで影響を及ぼすからである)。
このように、従来の技術では、範囲Hに該当する狭い範囲のファラデー回転角の温度特性は抑圧できるが、範囲H以外も含めた広い範囲のファラデー回転角にわたっては、温度特性を抑圧することができないといった問題があった。
次に従来のファラデー回転子の温度変動(温度によって変わるファラデー回転角の変動分)について具体的な数値を用いて説明する。図33は従来のファラデー回転子のファラデー回転角の温度特性を示す図である。縦軸はファラデー回転角(deg)、横軸は電流(mA)であり、環境温度が0℃(実線)、25℃(太実線)、65℃(点線)のそれぞれの場合のファラデー回転角を示している。
図34は従来のファラデー回転子のファラデー回転角の温度変動を示す図である。図34は、図33の電流20mA〜100mAにおけるファラデー回転角の差角(0℃、25℃、65℃の3つの回転角における、最大値と最小値の差分値)を示している。縦軸は差角である回転角温度変動(deg)、横軸は電流(mA)である。
ファラデー回転子を光可変減衰器や光可変等化器に適用する場合、ファラデー回転角が40度程度以下で温度特性が良好なことが必要である。ところが、図33に示すように、温度範囲0℃から65℃において、ファラデー回転角40度程度でもファラデー回転角に温度特性があることが見えている(すなわち、ファラデー回転角40度あたりでは、各温度のグラフには開きがあり、それぞれのグラフが1本の線として重なっていないということ)。
このことを図34で見ると、ファラデー回転子を構成する電磁石の駆動電流の値が20mAから100mAの範囲で、ファラデー回転角が1.5度程度の温度変動があることがわかる。このことは、ファラデー回転角を構成部品として持つ光デバイスにとっては、許容しがたい温度変動である。
次に従来のファラデー回転子を用いた場合の各種光デバイスに生じる問題点について説明する。図35は従来のファラデー回転子を適用した場合の光可変減衰器の温度変動を示す図である。縦軸は減衰量偏差(dB)、横軸は電流値(mA)であり、温度範囲は0℃から65℃である。
図に示すように、駆動電流の値が0mAから100mAの範囲で、3dB程度の変動がある。光通信の光レベルの設定に当たって、3dBの温度変動は許容できるものではない。
図36は従来のファラデー回転子を適用した場合の光シャッタの温度特性を示す図である。縦軸は減衰量(dB)、横軸は電流(mA)である。図に示すように、電流に対する減衰特性が、減衰量が大きいところで非常に大きな温度特性を有している。
例えば、駆動電流が50mAのところを見ると、65℃のときは、45dBの減衰量が得られていても、温度が25℃になると28dB、温度が0℃になると25dBまで減衰量が低下してしまう。
このように、従来のファラデー回転子を用いた光シャッタでは、同じ電流値でも環境温度によって、シャットダウン時の減衰量が大きく異なってしまう。このため、従来では、環境温度を検出した後に適切な電流値を与えて、シャットダウンの減衰量を設定するといったフィードバック制御回路を別途設けなければならず、光シャッタのコストを引き上げる原因になっていた。
図37は従来のファラデー回転子を適用した場合の光可変等化器の温度特性と等化度温度偏差を示す図である。左縦軸に減衰量(dB)、右縦軸に等化度温度偏差(dB)、横軸は波長(nm)である。
等化度温度偏差(温度変動に伴う利得等化レベル)のデータから、従来のファラデー回転子を適用した光可変等化器の等化度温度偏差は、入力光の波長1520nmから1560nmで、0.7dBにも達していることがわかる。
ここで、WDMをはじめとする光通信システムに対して、n段(nは正の整数)の中継が行なわれるものとし、各々の中継器の特性はランダムであると仮定した場合、1段で0.7dBの等化度偏差が生ずると、n段ではn1/2×0.7dBの等化度偏差が生ずる計算(例えば、10段で約2dB、100段で7dB)になるので、このような特性の光可変等化器をWDMシステムに適用することは困難である。
発明の開示
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、磁気異方性による温度特性の影響をなくし、ファラデー回転角の温度特性を良好に改善して高品質化を図ったファラデー回転子を提供することを目的とする。
本発明では上記課題を解決するために、図1に示すような、透過光の偏光面を磁界によって回転させるファラデー回転子10において、磁気光学結晶11に印加する第1の磁界によりファラデー回転を行ない、かつ第2の磁界によりファラデー回転角の制御を第2の磁界の強度の全可変範囲で行う場合に、第1の磁界の方向を除く、第1の磁界と第2の磁界による合成磁界の方向が、磁気光学結晶11の磁化容易軸及び磁化困難軸の間で可変するように、磁気光学結晶11を配置することを特徴とするファラデー回転子10が提供される。
ここで、ファラデー回転子10に対し、磁気光学結晶11に印加する第1の磁界によりファラデー回転を行ない、かつ第2の磁界によりファラデー回転角の制御を第2の磁界の強度の全可変範囲で行う場合に、第1の磁界の方向を除く、第1の磁界と第2の磁界による合成磁界の方向が、磁気光学結晶11の磁化容易軸及び磁化困難軸の間で可変するように、磁気光学結晶11を配置する。
本発明の上記および他の目的、特徴および利点は本発明の例として好ましい実施の形態を表す添付の図面と関連した以下の説明により明らかになるであろう。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明のファラデー回転子の原理図である。ファラデー回転子10は、磁気光学結晶11に印加する第1の磁界(光と同方向または逆方向で一定強度な磁界)によりファラデー回転を行い、かつ第2の磁界(第1の磁界と垂直方向で可変強度な磁界)により、第2の磁界の強度の全可変範囲で、ファラデー回転角の制御を行う可変ファラデー回転子である。
そして、本発明のファラデー回転子10では、第1の磁界の方向を除く、第1の磁界と第2の磁界による合成磁界の方向が、磁気光学結晶11の磁化容易軸及び磁化困難軸の間で可変するように(磁化容易軸及び磁化困難軸が存在しない範囲で可変に移動するように)、磁気光学結晶11を配置する。
すなわち、合成磁界は、第2の磁界の強度を増していくと、第1の磁界方向から第2の磁界方向へ向いていくが、このときに、本発明では、磁気異方性を与える軸である磁化困難軸及び磁化容易軸に、合成磁界がぶつからないように、磁気光学結晶11を配置するものである。なお、図中に示す(hkl)の数値については後述する。
図2は本発明のファラデー回転子10の構成を示す図である。ファラデー回転子10は、磁気光学結晶(ファラデー素子とも呼ぶ)11と、一定磁界(第1の磁界に該当)をファラデー素子11に印加する一対の永久磁石13a、13bと、可変磁界(第2の磁界に該当)をファラデー素子11に印加する電磁石12によって構成される。なお、コイルに電流を流して駆動させる駆動回路(電磁石12も駆動回路の構成要素として含ませる)については後述するものとして、ここでは図示しない。
ここで、永久磁石13a、13bによる磁界の方向を入力光の光軸の方向に一致させ、永久磁石13a、13bによる磁界の方向に対して垂直な方向に電磁石12によって可変磁界を印加している。そして、永久磁石13a、13bがファラデー素子11に印加する一定磁界の強度は、ファラデー素子11の磁化を飽和させる磁界強度に設定する。
永久磁石13a、13bによる磁界によって、ファラデー素子11の磁化は飽和しているので、永久磁石13a、13bによる磁界と電磁石12による磁界との合成磁界による磁気光学結晶の磁化強度は、永久磁石13a、13bのみによる磁界強度と等しく、また電磁石12による磁界強度に応じて、合成磁界の方向が変化するため、ファラデー素子11の磁化の方向も変化する。
したがって、ファラデー素子11の磁化の光軸方向の成分(合成磁界)は、電磁石12による磁界強度に応じて変化していき、これによって入力光に与えるファラデー回転角を制御できるようになっている。
図3は図2のファラデー回転子10をA方向から見た図であり、図4は合成磁界のベクトルを示す図である。入射光方向に永久磁石13a、13bによる一定磁界を磁気光学結晶11に印加し、電磁石12による可変磁界を一定磁界に垂直となるように印加することで、一定磁界と可変磁界によって合成磁界ができる。
この合成磁界は、可変磁界の強度によって方向を変えるが、本発明では合成磁界が動きうる方向に対して、合成磁界がファラデー素子11の磁化容易軸及び磁化困難軸を通過しないように(ただし、可変磁界が0のときの合成磁界となる一定磁界は除く)、ファラデー素子11を配置している。
次にステレオ投影図を用いて本発明について詳しく説明する。図5は本発明を説明するためのステレオ投影図である。磁気光学結晶11として、ガーネット単結晶の(111)面を中心としたステレオ投影図を示している。
ここで、ステレオ投影図とは、結晶の格子面や方位の角度関係を記述する際に、結晶内の一点を中心にした球面を考え、球面上に表示した点や線を、さらに平面上に写した投影図のことである。
また、結晶の格子面はミラー指数によって表される。ミラー指数とは、空間格子の結晶軸を座標軸X、Y、Zに選び、ある格子面がこれらの軸と交わる点の座標をA、B、Cとしたとき、
X/|A|:Y/|B|:Z/|C|=1/h:1/k:1/l …(1)
と表される3つの整数h、k、lを格子面のミラー指数と呼ぶ。また、ある座標軸と平行な場合には整数0で表す。例えば、(0kl)はX軸に平行な格子面となる。なお、負の側で軸と交わる場合には、指数の上にバーをつけて表す(ただし、明細書ではこの記載ができないために、バーを“−”符号で表わす)。さらに、(hkl)面に垂直の方向(法線)を方向指数と呼ぶ。図6に方向指数の例を示す。
図5のステレオ投影図に対し、中心は(111)面で、隣り合う同心円は互いに10度ずつ異なる面を表わし、隣り合う径方向の直線は互いに10度ずつ異なる面を表わしている。このようにして、ガーネット単結晶の任意の面は、ステレオ投影図内の点として表すことができる。
磁気異方性を有するガーネット単結晶は、(111)方位と対称等価な方位(例えば、(−111)、(11−1)等)が磁化容易軸であり、(100)方位と対称等価な方位(例えば、(001)、(010)等)が磁化困難軸である(ガーネット単結晶の構造として、磁化容易軸と磁化困難軸が存在する方位は決まっている)。
図5に対し、(111)方位から(−1−12)方位に電磁石による可変磁界を印加する場合には(すなわち、中心の点(111)から点(−1−12)に向けて可変磁界を印加する場合には)、(111)方位から55度に磁化困難軸(001)aがある。したがって、ガーネット単結晶の磁化は、磁化困難軸の(001)方位aには向き難く、この磁気異方性の影響により、ファラデー回転角に温度特性が生じることになる。
また、(111)方位から(−211)方位に電磁石による磁界を印加する場合には(すなわち、中心の点(111)から点(−211)に向けて可変磁界を印加する場合には)、(111)方位から70度の方位に磁化容易軸(−111)bがある。したがって、ガーネット単結晶の磁化は、磁化容易軸の(−111)方位bには向き易く、この磁気異方性の影響により、ファラデー回転角に温度特性が生じることになる。
一方、(−101)方位に電磁石による可変磁界を印加する場合には(すなわち、中心の点(111)から点(−101)に向けて可変磁界を印加する場合には)、合成磁界の方向は、その途中で磁化困難軸にも磁化容易軸にも一致せず、かつ可変する合成磁界が形成する合成磁界面が、最も近い方向の磁化困難軸(001)方位aと磁化容易軸(−111)方位bが、この方位に関してほぼ対称に位置している(すなわち、(−101)方位は、磁化困難軸(001)方位aと磁化容易軸(−111)方位bから、最も離れている方位にある)。
したがって、(−101)方位に可変磁界を印加する場合には、ガーネット単結晶のファラデー回転角の温度特性に対して、磁気異方性の寄与がほとんどなくなることになる。
このため、ガーネット単結晶自体のファラデー回転角の温度特性だけによって、ファラデー回転子の温度特性が決定されるようになり、このとき、温度係数はほぼ一定な負の値になる。
同様にして、結晶の対称性から(−1−12)方位から120度に位置する(−12−1)方位と(2−1−1)方位にも、磁化困難軸(010)方位dと(100)方位gとがあるので、これらの方位に可変磁界を印加してもファラデー回転角に温度特性が生じることになる。
また、(−211)方位から120度に位置する(11−2)方位と(1−21)方位にも、磁化容易軸(11−1)方位eと(1−11)iとがあるので、これらの方位に可変磁界を印加してもファラデー回転角に温度特性が生じることになる。
したがって、(−101)方位から60度毎の位置にある(−110)方位、(01−1)方位、(10−1)方位、(1−10)方位及び(0−11)方位に対して、可変磁界を印加すれば磁気異方性の影響を受けない。そして、これらの方位は、合成磁界が磁気光学結晶11の磁化容易軸及び磁化困難軸の方位の中間方向で変化する方位になっている。
このように、本発明では、これらの方位のいずれか1つに対して、合成磁界が向くように磁気光学結晶11を配置することにより、合成磁界が磁化容易軸及び磁化困難軸を通過せず、かつ磁化容易軸及び磁化困難軸が互いに対称に近くなる面内を回転させることができるので、磁気異方性による温度特性の影響をなくすことが可能になる。
図7はファラデー素子の配置例を示す図である。図に示す例では、(111)方位に垂直な面と、(−101)方位に垂直な面と、(1−21)方位に垂直な面で磁気光学結晶11を切り出してファラデー素子11を形成している。そして、(111)面から光を入射して光軸の方向と同じ方向に、永久磁石13a、13bの一定磁界を印加し、(−101)面から電磁石12の可変磁界を印加している。
以上説明したように、本発明のファラデー回転子10は、一定磁界と可変磁界による合成磁界の方向が、磁気光学結晶11の磁化容易軸及び磁化困難軸の間で可変するように、磁気光学結晶11を配置することで、磁気異方性の影響をなくして、ファラデー素子のファラデー回転の温度特性だけを利用するものである。
そして、本発明により、低ファラデー回転角領域、すなわち、0度から40度において、ファラデー回転角1度当たり−0.0025(度/℃)程度となって、ファラデー回転角の温度係数が、磁気異方性に依存しないファラデー素子11を得ることができた。
なお、上記では一定磁界を印加するのが永久磁石13a、13bであり、可変磁界を印加するのが電磁石12であるとしたが、一定磁界を電磁石12で印加してもよいし、永久磁石13a、13bの一定磁界を一部遮蔽することによって、可変磁界とすることにしてもよい。また、上記の結晶を同一の配置で複数枚重ねて用いてもよい。
次に本発明のファラデー回転子10を用いた光可変減衰器について説明する。図8は光可変減衰器の構成を示す図である。光可変減衰器2に対し、入力光ファイバC1は、入力光用の光ファイバである。コリメート系20は、フェルール21、コリメート・レンズ23、レンズ・ホルダ22から構成され、入力光信号を平行光にする。
フェルール21は、入力光ファイバC1を接着固定する。コリメート・レンズ23は、入力光ファイバC1から出射される光を平行光にする。レンズ・ホルダ22には、コリメート・レンズ23が固着される。ここで、レンズ・ホルダ22は、入力光ファイバC1とコリメート・レンズ23の距離をコリメート・レンズ23の焦点距離に調整した後に、フェルール21と溶接固定される。
偏光子24は、例えば、ルチルなどの楔型の複屈折結晶より成り、入力光を偏光方向が互いに垂直な常光Oと異常光Eとに分離する。
ファラデー回転子10は、図2の構成を持ち、上述したので説明は省略する(煩雑化をさけるために永久磁石は図示していない)。ファラデー回転子10は、電磁石12による磁界によって光の進行方向の磁界強度を変化させて、常光Oと異常光Eに対するファラデー回転角を変化させる。
検光子25は、例えば、ルチルなどの楔型の複屈折結晶より成り、常光Oをさらに常光OOと異常光OEに分離し、異常光Eをさらに常光EOと異常光EEに分離する。
コリメート系20aは、フェルール21a、コリメート・レンズ23a、コリメート・レンズ23aが固着されるレンズ・ホルダ22aから構成され、検光子25から出射される光を出力光ファイバC1aに結合する。
なお、出力光ファイバC1aとフェルール21aの関係、コリメート・レンズ23aを固着したレンズ・ホルダ22aとフェルール21aの関係は、コリメート系20と同じである。
次に偏光子24と検光子25を構成する複屈折結晶の光学軸が互いに垂直になるように配置した場合の光可変減衰器2の動作について説明する。入力光ファイバC1から出射してコリメート・レンズ23で平行光になった入力光は、偏光子24によって常光Oと異常光Eに分離される。ここで、常光Oと異常光Eの偏光方向は互いに直交している。
常光Oと異常光Eは、ファラデー回転子10を通過する際に、合成磁界の光の進行方向に平行な磁界強度に応じて、偏光方向が回転して出射される。偏光方向を回転させられた常光Oは、検光子25において、さらに常光OOと異常光OEに分離され、偏光方向を回転させられた異常光Eは、検光子25において、さらに常光EOと異常光EEに分離される。
そして、検光子25から出射される常光OOと異常光EEは、互いに平行で、コリメート・レンズ23aによって出力光ファイバC1aのコアに結合されるが、検光子25から出射される常光EOと異常光OEは、平行にはならず広がるために、コリメート・レンズ23aを通っても、出力光ファイバC1aのコアには結合されにくい。
ファラデー回転子10の電磁石12による磁界強度が0の時、ファラデー素子11のファラデー回転角は90度であり、ファラデー回転子10から出射された常光Oは、検光子25からはすべて常光OOとして出射される。
また、ファラデー回転子10から出射された異常光Eは、検光子25からはすべて異常光EEとして出射されるので、この場合には入力光はすべて出力光ファイバC1aのコアに結合されて、理想的には損失が0である。
一方、ファラデー回転子10の電磁石12による磁界強度が十分に大きい時、ファラデー素子11のファラデー回転角は0度に近づき、ファラデー回転子10から出射された常光Oは、検光子25からは異常光OEとして出射される。
また、ファラデー回転子10から出射された異常光Eは、検光子25からは常光EOとして出射されるので、この場合には入力光は出力光ファイバC1aのコアに結合されにくく、損失が最大になる。ファラデー回転角が0度と90度の中間の場合には損失は中間的な値になる。
上記のように、ファラデー回転子10の電磁石12による磁界の強度によってファラデー素子11によるファラデー回転角が90度から0度の範囲で変化し、ファラデー回転角に応じて出力光ファイバC1aのコアに結合する光量が変化するために、図に示す構成によって光可変減衰機能を実現することができる。
なお、光シャッタは、光可変減衰器2を応用したものである。すなわち、電磁石12の電流を光可変減衰器2の減衰量が最低になる電流と、減衰量が最大になる電流との間でスイッチングすれば、最小の減衰量と最大の減衰量とを切り替えることができるので光シャッタを得ることができる(通常は、最大減衰量と最小減衰量との差を30dB程度にすることができる光可変減衰器を光シャッタとして用いる)。
なお、上記の説明では、光可変減衰器2及び光シャッタは、偏光子、ファラデー回転子、検光子を配置して構成したが、反射素子を用いた光可変減衰器及び光シャッタを構成することも可能である。
すなわち、磁気光学結晶11からなるファラデー回転子10の非相反性を利用して、光信号の入射側に偏光子、出射側に反射素子、偏光子と反射素子の間にファラデー回転子10を配置することにより、反射型の光可変減衰器及び反射型の光シャッタを構成することができる。
図9は光可変減衰器2に適用するファラデー回転子10の駆動回路を示す図である。駆動回路120は、コイル12a、磁芯12b、可変電圧源12c(出力電圧に温度係数を持たない)によって構成される(なお、コイル12a、磁芯12bが電磁石12に該当する)。
ここで、例えば、コイル12aにエナメル被覆の銅線を用いた場合、コイル12aの電気抵抗は約50Ωとなり、電気抵抗の温度係数は+0.2Ω/℃程度の正の温度係数となる。
正の温度係数を持つ電気抵抗は、低温時には低抵抗、高温時に高抵抗となる。したがって、ある温度のときの電圧値を電圧源12cに設定しておけば、その温度から低温になったときには、電気抵抗は低抵抗に向かうので、コイル12aに流れる電流は自動的に大きくなる。また、高温になったときには、電気抵抗は高抵抗に向かうので、コイル12aに流れる電流は自動的に小さくなる。
図36で上述した温度特性の図(光シャッタの温度特性の図として示したが光可変減衰器としても同じ)でこのことを見ると、0℃、25℃、65℃のそれぞれの減衰量のピークに対し、本発明の駆動回路120を用いることで、低温に向かえば電流は大きくなり、高温に向かえば電流は小さくなるので、ピークを追従するような形になることがわかる(したがって、減衰量温度変動が低減化されることになる)。
一方、コイル12aの電気抵抗の温度係数が正であるため、電磁石12のコイル12aに供給される駆動電流の温度係数は負で、電磁石12による磁界強度の温度係数も負になる。したがって、永久磁石13a、13bと電磁石12の合成磁界の光軸方向の磁界強度の温度係数は正になるので、駆動回路120の抵抗の温度係数によるファラデー回転角の温度係数は正になる。
また、図1から図7で上述したように、本発明のファラデー回転子10は、ファラデー素子のファラデー回転角の温度係数は、ファラデー回転角1度当たり−0.0025(度/℃)程度となって、ファラデー素子11自体のファラデー回転角の温度係数は負である。
したがって、駆動回路120の抵抗の温度係数によるファラデー回転角の正の温度係数によって、ファラデー素子11自体のファラデー回転角の負の温度係数をキャンセルすることができ、ファラデー回転子10のファラデー回転角の温度特性をさらに改善することができる。
なお、ファラデー素子11のファラデー回転角の温度係数が正であるならば、コイル12aには負の温度係数を有する抵抗体を適用すればよい。負の温度係数を有する抵抗体は、薄膜技術によって容易に得ることができるので、磁芯12bに薄膜抵抗体を形成したセラミック筒をかぶせて、薄膜抵抗体に電圧源12cによって、電流を供給すればよい(この技術は、以降で変形例として示す駆動回路においても同様に適用できる)。
また、上述の出力電圧に温度係数がない電圧源12cは、ダイオードまたはサーミスタ等の温度特性を有する素子によって電圧源を構成するトランジスタの温度特性を補償するという手段によって得られる。
このように、本発明の駆動回路120では、正の温度係数を設けて、電圧で制御することにより、温度変動に伴って、コイル12aに流れる電流も変化させることができるので、減衰量温度変動を低減化することが可能になる。加えて、駆動回路120の抵抗の温度係数によるファラデー回転角の正の温度係数によって、ファラデー素子11自体のファラデー回転角の負の温度係数をキャンセルすることができるので、ファラデー回転角の温度特性をさらに改善することが可能になる。
次に駆動回路120を用いた場合の効果を示す各種特性について、図10〜図13を用いて説明する。図10はファラデー回転子10のファラデー回転角の温度特性を示す図である。駆動回路120を適用した場合の温度依存性を示しており、縦軸はファラデー回転角(deg)、横軸は電圧(V)である。そして、温度25℃、0℃及び65℃について測定している。
図10に示すように、ファラデー回転角が40度以下の場合、ファラデー回転角の温度特性はほとんど認められないことがわかる(40度以下の場合、各温度のグラフには開きがなく、それぞれのグラフが1本の線として重なっている)。
図11はファラデー回転子10のファラデー回転角の温度変動を示す図である。温度範囲0℃から65℃における最大変動値をプロットしたもので、駆動回路120を適用した場合のデータである。縦軸はファラデー回転角の温度変動(deg)、横軸は電圧(V)である。
図11に示すように、ファラデー回転角が40度以下の範囲で温度範囲0℃から65℃における最大変動値が0.5度以下であることがわかる。これを従来のファラデー回転子のファラデー回転角の温度変動値と比較すると大幅に改善されていることがわかる(図34で上述した従来のファラデー回転子では1.5度の温度変動があった)。
図12はファラデー回転子10を適用した光可変減衰器2の温度特性を示す図である。光可変減衰器2のファラデー回転子10に、駆動回路120を適用した場合の温度特性である。縦軸は光可変減衰器2の減衰量(dB)、横軸はファラデー回転子10の電磁石12を駆動する電圧(V)である。そして、25℃、0℃及び65℃について測定している。図12に示すように、1ディビジョンを5dBで減衰量を表示する場合には、減衰量の温度特性はほとんど認められない。
図13はファラデー回転子10を適用した光可変減衰器2の温度変動を示す図である。温度範囲0℃から65℃における最大変動値をプロットしたもので、駆動回路120を適用した場合のデータである。縦軸は光可変減衰器2の減衰量の温度変動(dB)、横軸は電圧(V)である。
図13に示すように、温度範囲0℃から65℃における最大変動値は0.8dB以下となっている。これを従来のファラデー回転子を適用した光可変減衰器における最大変動値で比較すると大幅に改善されていることがわかる(図35で上述した従来の光可変減衰器では3dBの温度変動があった)。
次に駆動回路120の第1の変形例について説明する。図14は光可変減衰器2に適用可能なファラデー回転子10の駆動回路を示す図である。
第1の変形例である駆動回路120−1は、コイル12a、磁芯12b、可変電圧源12c(出力電圧に温度特性を持たない)、電圧源12cの出力端子に直列に接続される直列抵抗12dから構成される。
ここで、設計時には、例えば、ファラデー回転角の温度係数がファラデー回転角1度当たり−0.0025(度/℃)と比較的温度係数が小さいファラデー素子11を適用し、コイル12aの電気抵抗が約50Ω、電気抵抗の温度係数が+0.2Ω/℃程度の場合に、直列抵抗12dとして、ニクロムによる抵抗を直列接続して総抵抗を70Ωとする。
ニクロムの抵抗の温度係数は銅に比較すると1/50程度であるので、ニクロム抵抗を直列接続することによって、総抵抗の温度係数を小さくすることができ、これによってファラデー素子11のファラデー回転角の温度係数と駆動回路120−1の温度係数を合わせることができる。なお、ファラデー素子11のファラデー回転角の温度係数が大きい場合には、直列抵抗として銅より温度係数が大きい抵抗体を使用すればよい。
次に駆動回路120−1を用いた場合の効果を示す各種特性について、図15〜図18を用いて説明する。図15はファラデー回転子10のファラデー回転角の温度特性を示す図である。駆動回路120−1を適用した場合の温度依存性を示している。縦軸はファラデー回転角(deg)、横軸は電圧(V)である。そして、25℃、0℃及び65℃について測定している。図15に示すように、ファラデー回転角が40度以下で、ファラデー回転角の温度特性は、ほとんど認められないことがわかる。
図16はファラデー回転子10のファラデー回転角の温度変動を示す図である。温度範囲0℃から65℃における最大変動値をプロットしたもので、駆動回路120−1を適用した場合のデータである。縦軸はファラデー回転角の温度変動(deg)、横軸は電圧(V)である。
図16に示すように、ファラデー回転角が40度以下の範囲で温度範囲0℃から65℃における最大変動値が0.5度以下である。これを従来のファラデー回転子のファラデー回転角の温度変動値に比較すると大幅に改善されていることがわかる。
図17はファラデー回転子10を適用した光可変減衰器2の温度特性を示す図である。光可変減衰器2のファラデー回転子10に駆動回路120−1を適用した場合の温度特性である。縦軸は光可変減衰器2の減衰量(dB)、横軸はファラデー回転子10の電磁石12を駆動する電圧源12cの電圧(V)である。そして、25℃、0℃及び65℃について測定している。図17に示すように、1ディビジョン5dBで減衰量を表示する場合、減衰量の温度特性はほとんど認められない。
図18はファラデー回転子10を適用した光可変減衰器2の温度変動を示す図である。温度範囲0℃から65℃における最大変動値をプロットしたもので、駆動回路120−1を適用した場合のデータである。縦軸は光可変減衰器2の減衰量の温度変動(dB)、横軸は電圧(V)である。
図18に示すように、温度範囲0℃から65℃における最大変動値が0.6dB以下となっている。これを従来のファラデー回転子を適用した光可変減衰器における最大変動値と比較すると大幅に改善されていることがわかる。
次に本発明の光シャッタの特性について説明する。図19はファラデー回転子10を適用した光シャッタの温度特性を示す図である。光シャッタのファラデー回転子10の電磁石12の駆動回路には、基本的に図9の構成を適用しており、減衰量が最小となる電圧と、減衰量が最大になる電圧とを切り替えるようにしている。縦軸は光シャッタの減衰量(dB)、横軸はファラデー回転子10の電磁石12の駆動回路の電圧源12cの電圧(V)である。
図19の特性を、従来の図36の特性と比較して見れば明らかなように、温度特性は大幅に改善されており、減衰量が最小となる電圧を0ボルト、減衰量が最大になる電圧を4.7ボルトに設定して電圧を切り替えれば、温度範囲0℃から65℃にわたってシャットダウン減衰量40dB程度を安定に得られる光シャッタが実現されている。
このため、従来の光シャッタのような、シャットダウンの電流値を減衰量で検出した情報、または温度を検出した情報によって変動させて、シャットダウンの減衰量を一定に保つといった制御が不要となり、光シャッタのコストダウンを図ることが可能になる。
ここで、駆動回路として、図9の構成を用いても、図14の構成を用いてもファラデー回転角の温度特性、光可変減衰器2の温度特性、光シャッタの温度特性が大幅に改善できることがわかったが、両者を比較した場合、図9の駆動回路120は、図14の駆動回路120−1の構成において直列抵抗12dの抵抗値が0になった特殊ケースである。
すなわち、直列抵抗12dを有する電圧源12cによってコイル12aに電流を供給する場合、直列抵抗12dの値として0も許容できるということがわかる。そして、数学的には直列抵抗12dの値には無限大も許容できるが、コイル12aに電流を流して、ファラデー回転を起こさせるという実用レベルの話になると、直列抵抗12dの抵抗値が無限大では、コイル12aに電流を流すことができないので許容できない。
また、駆動回路120−1の構成において、直列抵抗12dは固定抵抗であることを想定しているが、可変抵抗であってもよい。そして、電圧源12cに直列な抵抗12dを可変抵抗にすることによって、設計時において、コイル12aの抵抗値及び直列抵抗12dの抵抗値とそれらの温度係数では、ファラデー回転子10のファラデー回転角の温度特性を正確に補償できない場合でも、直列抵抗12dの抵抗値を可変調整することによって、ファラデー回転角の温度特性を正確に補償できるという利点が生ずる。
次に駆動回路120の第2の変形例について説明する。図20は光可変減衰器2に適用可能なファラデー回転子10の駆動回路を示す図である。第2の変形例である駆動回路120−2は、コイル12a、磁芯12b、電流源12e(出力電流に温度係数を持たない)、電流源12eの出力端子に並列に接続される並列抵抗12fから構成される。
なお、出力電流に温度係数がない電流源12eは、ダイオードまたはサーミスタ等の温度特性を有する素子によって電流源を構成するトランジスタの温度特性を補償するという手段によって得られる。
次に駆動回路120−1、120−2それぞれに対する、コイル電流の温度係数及び消費電力について解析的に詳しく説明する。磁気光学結晶11のファラデー回転角1度当たりの温度係数は典型的には−0.0025度/℃程度であるが、市場で供給されている磁気光学結晶について調査すると−0.0012度/℃から−0.0030度/℃くらいの範囲でばらつきを持っている。
今、−0.0015度/℃程度の温度係数の磁気光学結晶を用いた場合、コイル12aの電流値の温度係数はほぼ−0.07mA/℃となる。そして、コイル12aの抵抗値は25℃で48Ω、温度係数は0.18Ω/℃である。
この条件の時、図20の構成の並列抵抗12fを抵抗値が77Ωで温度係数が0.03Ω/℃のタンタル薄膜抵抗とし、出力電流に温度特性がない電流源12eによってコイル12aに電流を供給するのが最適となる。
なお、「最適」というのはファラデー回転角の温度係数を十分に抑圧できて、かつ、コイル12aと外部に接続される抵抗で消費される電力が小さいという条件で判定するものである。
ここで、直列抵抗を有する電圧源によって電流供給する図14の駆動回路120−1の構成において、コイル12aの抵抗値をR1とし、直列抵抗12dの抵抗値をR2とし、電圧源12cの出力電圧をVとし、コイル12aに流れる電流をICとおくと、
IC=V/(R1+R2) …(2)
を得る。
抵抗値R1及びR2には温度特性があって、出力電圧Vには温度特性がないという実際にありうるケースを考えると、電流ICの温度係数(dIC/dT)は、
dIC/dT=−V(dR1/dT+dR2/dT)/(R1+R2)
…(3)
として得られる。
さらに実用的なケース、すなわち、抵抗値R2の温度係数が抵抗値R1の温度係数より十分に小さいというケースを考えると、
dIC/dT=−V(dR1/dT)/(R1+R2)
=−(IC/(R1+R2))×(dR1/dT) …(4)
を得る。
そして、図14の駆動回路120−1の構成の消費電力をWとすると、
W=IC×(R1+R2) …(5)
となる。
一方、出力電流に温度係数がない電流源12eによって電流を供給する図20の駆動回路120−2の構成において、コイル12aの抵抗値をR1とし、並列抵抗12fの抵抗値をR2とし、電流源12eの出力電流をIとし、コイル12aに流れる電流をICとおくと、
IC=I・R2/(R1+R2) …(6)
を得る。
抵抗値R1及びR2には温度特性があって、出力電流Iには温度特性がないという実際にありうるケースを考えると、電流ICの温度係数は
dIC/dT=(I/(R1+R2)×〔(dR2/dt)(R1+R2)−R2(dR1/dt+dR2/dt)〕 …(7)
となる。
さらに実用的なケース、すなわち、抵抗値R2の温度係数が抵抗値R1の温度係数より十分に小さいというケースを考えると、先の直列抵抗12dを有する電圧源12cによる駆動の場合と同じ結果、すなわち、式(4)を得る。
そして、図20の駆動回路120−2の構成の消費電力Wは、
W=ICR1(R1+R2)/R2 …(8)
となる。
図21は駆動回路120−1の直列抵抗12d、または駆動回路120−2の並列抵抗12fの変化に対するコイル電流の温度係数及び消費電力をまとめた図である。なお、直列抵抗12dと並列抵抗12fを区別しないで説明する時には「外部抵抗」ということにする。
コイル電流の温度係数の絶対値は、上記のように外部抵抗の抵抗値R2の温度係数が、コイル抵抗の抵抗値R1の温度係数より十分に小さいとしているので、抵抗値R2の変化に対して、図14に図示した電圧駆動でも図20に図示した電流駆動でも同じ値になって、数学的にはR2が無限大の時に0になる。したがって、コイル電流の温度係数の絶対値については、電圧駆動でも電流駆動でも変わりがない。
ここで、駆動回路120−1に対し、電圧駆動の時に単にR2が無限大であるとすれば、コイルに流れる電流が0になり、ファラデー回転が起きないので実用的には使えない状態である。したがって、電圧源12cに直列に接続する抵抗12dの抵抗値R2を大きくする必要がある時には、電圧源12cの出力電圧Vを大きくしてやる必要があり、消費電力は増加し、R2が無限大という極限では消費電力は無限大になる。
また、駆動回路120−2に対し、電流駆動の時にR2が0ということはコイルに電流が流れず、ファラデー回転が起きないので実用的には使えない状態である。したがって、電流源12eに並列に接続する抵抗12fの抵抗値R2を小さくする必要がある時には、電流源12eの出力電流Iを大きくしてやる必要があり、R2が0という極限では消費電力は無限大になる。
したがって、ファラデー回転が起きる範囲で、コイル電流の温度係数を所要の値にできて消費電力が小さいという条件で回路を設計するのが好ましい。この意味で、同じファラデー回転子を用いて図14の構成または図20の構成で温度補償をする場合、消費電力というパラメータを含めて設計するので、図14の構成と図20の構成に対する温度特性は微妙に異なったものになる。
また、異なる温度係数のファラデー回転子を用いて図14の構成と図20の構成で温度補償をする場合、元来コイル電流に要求される温度係数が異なるので、図14の構成と図20の構成に対する温度特性は異なったものになるのが当然である。
次に図20の駆動回路120−2の構成を適用した場合のファラデー回転子10のファラデー回転角の温度特性、光可変減衰器2の減衰量の温度係数及び光シャッタの減衰量の温度係数のデータについて図22〜図26を用いて説明する。
図22はファラデー回転子10のファラデー回転角の温度特性を示す図である。縦軸はファラデー回転角(deg)、横軸は電流である。図23はファラデー回転子10のファラデー回転角の温度変動を示す図である。縦軸は回転角温度変動(deg)、横軸は電流である。
図22を見れば温度0℃から65℃にわたって従来の温度特性より改善されていることがわかるが、電流値に対する温度変動値で表わした図23を見ればそれがさらにはっきりする。
図24はファラデー回転子10を適用した光可変減衰器2の温度特性を示す図である。縦軸は減衰量(dB)、横軸は電流である。図25はファラデー回転子10を適用した光可変減衰器2の温度変動を示す図である。縦軸は減衰量温度変動(dB)、横軸は電流である。駆動回路120−2の構成によってコイル電流の温度補償をした結果を示している。図25と従来の図35を比較すれば明らかなように、本発明の光可変減衰器2の減衰量の温度特性の方がはるかに良好であることがわかる。
図26はファラデー回転子10を適用した光シャッタの温度特性を示す図である。縦軸は減衰量(dB)、横軸は電流である。駆動回路120−2の構成を用いることによってコイル電流の温度補償をした結果を示している。図26と図36を比較すれば明らかなように、本発明の光シャッタの減衰量の温度特性の方が、はるかに良好であることがわかる。
以上説明したように、ファラデー回転子10の電磁石12のコイルに、並列抵抗12fを有する電流源12eによって電流を供給する構成によっても、コイル電流の温度係数を適切に制御することができ、ファラデー回転子10、光可変減衰器2及び光シャッタの温度特性を大幅に改善することが可能になる。
なお、図20の構成は一般的なもので、図20の構成において並列抵抗12fが無限大というケースもありうることは、図14の構成において直列抵抗12dが0というケースがありうることと同じである。
次に本発明の光可変等化器について説明する。図27は光可変等化器の構成を示す図である。光可変等化器3に対し、入力光ファイバC1は、入力光信号用の光ファイバである。コリメート系30は、入力光ファイバC1を接着固定するフェルール31、入力光ファイバC1から出射される光を平行光にするコリメート・レンズ33、コリメート・レンズ33が固着されるレンズ・ホルダ32を有して構成され、入力光信号を平行光にする。
偏光分離素子34は、直線偏光、円偏光、楕円偏光などの任意の偏光状態で入射される入力光信号の偏光を分離する。代表的な偏光分離素子34としては平行ルチル板がある。
偏光分離素子34が紙面に平行な結晶軸X1を有する場合、任意の偏光状態の入力光信号が偏光分離素子34に入射されると、結晶軸X1を含む面に対して任意偏光の振動方向が垂直な常光と、結晶軸X1を含む面に対して任意偏光の振動方向が平行な異常光とに分離される。
ここで、常光は、偏光分離素子34の入射面において屈折することなく直進し、入射面と平行な出射面においても屈折することなく直進する。一方、異常光は、偏光分離素子34の入射面で屈折してから直進し、入射面と平行な出射面において再び屈折してから入射光と平行な方向に出射する。したがって、任意偏光の光を偏光分離素子34に入射することによって、平行な常光と異常光を得ることができる。
偏光面一致制御素子34aは、偏光分離素子34で偏光分離された常光と異常光の振動方向を同一にする1/2波長板である。ここで、偏光面一致制御素子34aは、常光側、異常光側のいずれかに挿入すればよいが、図27では、偏光面一致制御素子34aを常光側に挿入する例を図示している。
一方、波長板中に直交する2つの偏光成分を持つ光が入射されると、波長板の厚さによって2つの偏光間の相対位相を変化させることができる。このうち、1/2波長板は、2つの偏光間の相対位相を1/2波長変化させるものである。一方の偏光を基準にして、もう一方の偏光の位相が1/2波長シフトするから、1/2波長板を通さない場合と比較して、2つの偏光を合成した光の振動方向は90度回転する。
したがって、偏光分離素子34が出射する常光を1/2波長板に通せば、偏光分離素子34が出射する異常光と同一の偏光面の光を得ることができる。また、偏光分離素子34が出射する異常光を1/2波長板に通せば、常光と同じ偏光面の光を得ることができる(このため、偏光面一致制御素子34aは常光側、異常光側のいずれかに挿入すればよい)。
ファラデー回転子10−1は、偏光分離素子34が出射する異常光と、偏光分離素子34が出射する常光の偏光を、異常光の偏光と一致させられた光の偏光角を可変に制御する(なお、図面の煩雑化をさけるために永久磁石は省略している)。
永久磁石でファラデー素子11−1中に示されている光の進行方向に平行な飽和磁界H1を形成し、電磁石12−1でファラデー素子11−1中に示されている光の進行方向に垂直な磁界H2を形成する。
上記の状態で電磁石12−1によって永久磁石の磁界H1と垂直方向の磁界H2をかけると、合成磁界の方向は、磁界H1と磁界H2によって形成される矩形の対角線の方向になる。しかし、ファラデー素子11−1の飽和磁界強度は、磁界の方向にはよらず一定であるので、合成磁界強度は、永久磁石の磁界H1の強度に等しくなる。したがって、合成磁界の磁界H1方向の成分は、永久磁石で与えられている飽和磁界H1より小さくなる。
ところで、ファラデー素子11−1中における偏光の回転角は、光の進行方向の磁界強度によって決まる。上記のように、磁界H2をかけることによって実際の合成磁界強度の磁界H1方向の成分は、飽和磁界H1より小さくなるので、偏光の回転角が変化する。磁界H2は、電磁石12−1のコイルに流す電流によって制御されるので、偏光の回転角も電磁石12−1のコイルに流す電流によって制御される。
透過率波長特性可変素子35は、ガラスなどの透明物質による基板35aと、基板35a上に異なる屈折率を有する誘電体薄膜を多層に形成した多層誘電体薄膜35bとによって構成される。
異なる屈折率を有する誘電体薄膜の代表的なものとしては、二酸化シリコン(SiO)、二酸化チタン(TiO)がある。因みに、二酸化チタンの方が二酸化シリコンより屈折率が高い。
多層誘電体薄膜35bに光が入射される場合、そのP偏光成分とS偏光成分の大きさ、つまり、偏光角によって多層誘電体薄膜における光の透過率が異なる。したがって、偏光角によって光の透過率すなわち光に対する利得または損失が異なることになる。
ここで、P偏光とS偏光について若干説明する。さきの常光と異常光は、平行ルチル板の結晶軸X1を含む平面を基準にして、平面に垂直な方向に振動する光を常光、平面に平行な方向に振動する光を異常光と定義したが、P偏光とS偏光は多層誘電体薄膜35bの面を基準に定義される。
すなわち、光の進行方向(光軸)を含むように多層誘電体薄膜35bの表面に垂直に立てた面に平行な偏光をP偏光、光軸を含むように多層誘電体薄膜35bの表面に垂直に立てた面に垂直な偏光をS偏光と定義する。
そして、多層誘電体薄膜35b中の透過率は、P偏光とS偏光では異なり、かつ、P偏光の透過率もS偏光の透過率も広い波長領域においてかなり顕著な波長特性を持っている。つまり、偏光分離素子34が出射する光と、偏光面一致制御素子34aによって偏光分離素子34が出射する光と同一偏光にさせられた光の偏光角をファラデー回転子10−1によって可変に制御することによって、多層誘電体薄膜35bに対するP偏光とS偏光の成分を可変に制御することができ、これによって多層誘電体薄膜35b中における光の透過率を可変に制御できるのである。
ファラデー回転子10−2は、偏光分離素子34が出射する異常光と、偏光分離素子が出射する常光の偏光を、異常光の偏光と一致させられた光の偏光角をファラデー回転子10−1が回転したのとは反対に同じ偏光角だけ回転させるファラデー回転子である(永久磁石は図中省略)。
そして、永久磁石によってファラデー素子11−2中に示されている光の進行方向に平行な磁界H1とは反対方向で、磁界強度は磁界H1と等しい磁界H1rを形成し、電磁石12−2によって図27のファラデー素子11−2中に示されている磁界H2とは反対方向で、磁界強度は磁界H2と等しい磁界H2rを形成する。
この状態で電磁石12−2によって磁界H1rと垂直方向の磁界H2rをかけると、合成磁界の方向は磁界H1rと磁界H2rによって形成される矩形の対角線の方向になる。
しかし、ファラデー素子11−2の飽和磁界強度は磁界の方向にはよらず一定であるので、実際の合成磁界強度は対角線の長さに相当する磁界強度より小さく、磁界H1rの強度に等しくなる。したがって、合成磁界の磁界H1r方向の成分は、永久磁石で与えられている飽和磁界H1rより小さくなる。
ところで、ファラデー素子中における偏光の回転角は光の進行方向の磁界強度によって決まる。上記のように、磁界H2rをかけることによって実際の合成磁界強度の磁界H1r方向の成分は飽和磁界H1rより小さくなって偏光の回転角が変化する。
上記によって明らかなように、ファラデー回転子10−2において磁界H2rをかけることによって生ずる光の進行方向の磁界強度の変化は、ファラデー回転子10−2において磁界H2をかけることによって生ずる光の進行方向の磁界強度の変化とは逆方向に生ずる。
したがって、ファラデー回転子10−2によって、ファラデー回転子10−1において2条の光に与えられた偏光の回転とは反対方向で、同一の回転角だけ偏光を回転でき、ファラデー素子の入射光の偏光状態に戻すことができる。
偏光面復帰素子36は、偏光面一致制御素子34aと同一のものである。ただ、図27の例では、偏光面一致制御素子34aによって、偏光分離素子34が出射する常光の偏光を異常光の偏光に一致させているので、偏光面復帰素子36は偏光分離素子34が出射する異常光側に挿入して、偏光面復帰素子36を通る光と偏光面復帰素子36を通らない光の偏光が90度異なるようにしている。
なお、単純に偏光面復帰素子36を通る光と偏光面復帰素子36を通らない光の偏光が90度異なるようにするのであれば、偏光面復帰素子36を偏光分離素子34が出射する常光側に挿入してもよいが、2条の光の偏波モード分散を同一にする、すなわち、2条の光に対する光路長を一致させるために、偏光分離素子34の出射側で偏光面一致制御素子34aを挿入しなかった光の方に偏光面復帰素子36を挿入することが好ましい。
位相差制御素子37は、透過率波長特性可変素子35におけるP偏光とS偏光の位相差を補償する。偏光合成素子38は、偏光分離素子34と同一のものである。偏光合成素子38中では、偏光面復帰素子36から入射される、偏光合成素子38の常光と同じ偏光の光は直進し、偏光面復帰素子36を通らずに入射される、偏光合成素子38の異常光と同じ偏光の光は屈折してから直進するので、偏光合成素子38と偏光分離素子34が同一材質で同一寸法であれば、偏光合成素子38の常光と同じ偏光の光と偏光合成素子38の異常光と同じ偏光の光は、偏光合成素子38の入射面と反対側の面において同一の点に到達する。つまり、偏光分離素子34で偏光分離された光が偏光合成素子38で元の偏光状態に合成される。
ここで、位相差制御素子37を適用するのは、透過率波長特性可変素子35中ではP偏光とS偏光との間に無視しえない位相差が生ずることが多く、偏光面復帰素子36において2条の光の一方の偏光を90度回転させただけでは、異常光が混入した常光と常光が混入した異常光が出射されるので、これをそのまま偏光合成すると損失が生ずる上に該損失に波長依存性が生ずるのを避けるためである。なお、位相差制御素子37の挿入位置は図27の位置には限定されない。
コリメート系30aは、フェルール31a、コリメート・レンズ33a、コリメート・レンズ33aが固着されるレンズ・ホルダ32aを有して構成され、偏光合成素子38から出射される平行光を出力光ファイバC1aに結合する。
出力光ファイバC1aは、光可変等化器3の出力用の光ファイバである。
すなわち、動作についてまとめると、偏光分離素子34によって常光と異常光に分離し、偏光面一致制御素子34aにおいて常光と異常光の偏光面を一致させてからファラデー回転子10−1によって偏光を回転させて透過率波長特性可変素子35に供給し、透過率波長特性可変素子35から出射される2条の光の位相差を補償し、光の偏光状態を元に戻した上で、常光と異常光を合成する。
そして、偏光分離素子34によって常光と異常光に分離するのは、透過率波長特性可変素子35におけるP偏光、S偏光との関係を規定して、透過率波長特性の基準を定めるためである。もし、偏光分離素子34を使用しないで、透過率波長特性可変素子35に入力光信号を入射すれば、入射光の偏光と透過率波長特性可変素子35におけるP偏光、S偏光との関係が不明なために透過率の波長特性の制御が困難になるし、入射光の偏波が変わると透過率の波長特性の制御が不可能になるからである。
また、透過率波長特性可変素子35におけるP偏光とS偏光の位相差を補償するので、透過率波長特性可変素子35の透過率の波長特性は光ファイバ増幅器の利得偏差と逆の特性になる。しかも、図27の構成の光可変等化器3は、透過率波長特性可変素子35によって光可変等化器3の透過率を可変に制御できるという特徴を持っている。これにより、光ファイバ増幅器の入力レベルが変動したり、励起レーザ・ダイオードの出力パワーの変動によって光ファイバ増幅器の利得が変動することがあっても、これらをアダプティブに等化する光可変等化器が得られる。
次に光可変等化器3に適用する駆動回路について説明する。図28は光可変等化器3に適用するファラデー回転子10の駆動回路を示す図である。駆動回路120aは、電磁石12−1に対して、コイル12a−1、磁芯12b−1、電磁石12−2に対して、コイル12a−2、磁芯12b−2を含み、さらに可変電圧源12c(出力電圧に温度係数を持たない)で構成される。
なお、上記と同様に、図27の光可変等化器3において、第1のファラデー回転子10−1と第2のファラデー回転子10−2において透過光に与える回転角は絶対値が同じで逆方向でなければならないので、コイル12a−1とコイル12a−2に流れる電流の向きを逆にしている。なお、駆動回路120aの構成によるファラデー回転子10のファラデー回転角の温度特性の改善の原理は、図9の駆動回路120の構成と同じであるので詳細な説明は省略する。
図29は光可変等化器3に適用するファラデー回転子10の駆動回路を示す図である。駆動回路120a−1は、電磁石12−1に対して、コイル12a−1、磁芯12b−1、電磁石12−2に対して、コイル12a−2、磁芯12b−2を含み、さらに直列抵抗12d−1、12d−2と可変電圧源12c(出力電圧に温度係数を持たない)で構成される。
ここで注意を要するのは、図27の光可変等化器3において第1のファラデー回転子10−1と第2のファラデー回転子10−2において透過光に与える回転角は絶対値が同じで逆方向でなければならないので、コイル12a−1とコイル12a−2に流れる電流の向きを逆にしていることである。なお、駆動回路120a−1の構成によるファラデー回転子10のファラデー回転角の温度特性の改善の原理は、図14の駆動回路120−1の構成と同じであるので詳細な説明は省略する。
図30はファラデー回転子10を適用した光可変等化器3の透過強度特性を示す図である。縦軸は光の透過強度(dB)、横軸は波長(nm)であり、パラメータは電圧源の電圧(V)である。駆動回路120aを用いた場合のデータを示している。
図30に示すように、電圧源12cの電圧を0ボルトから4ボルトまで変化させると、波長1530nmから1560nm強において0dBから約10dBの範囲で透過強度を可変にすることができる。
図31はファラデー回転子10を適用した光可変等化器3の温度特性と等化度温度偏差を示す図である。左側の縦軸は光の透過強度で単位はdB、右側の縦軸は等化度温度偏差で単位はdB、横軸は光の波長で単位はnmである。駆動回路120aを用いた場合のデータを示している。
そして、透過強度のデータは、図30における電圧4ボルトに対応する透過強度で、温度範囲0℃、25℃及び65℃のデータが重なっている。また、等化度温度偏差は電圧4ボルトに対応する透過強度の温度範囲0℃から65℃における透過強度の変動値を求めたものである。
図31に示すように、本発明のファラデー回転子10を適用した光可変等化器3の等化度温度偏差は0.1dB以下であり、従来の光可変等化器に比較して温度特性が大幅に改善されていることがわかる。
すなわち、図28の駆動回路120aの構成を適用することにより、ファラデー回転角の温度特性が良好なファラデー素子及び光可変等化器3を得ることができた。そして、上では図29の構成を適用した結果を示していないが、図28及び図29の構成は図9及び図14の構成を単に組み合わせたものであるから、図29の構成によっても同じ効果が得られる。
また、上記の説明では図20の構成を基本とするコイル電流補償の技術を適用した駆動回路120−2を、光可変等化器3に適用する例を説明していないが、図14の構成でも図20の構成でも同様な効果が得られているので、図20の構成を基本とするコイル電流補償の技術を適用した場合にも同じ効果が得られる。
以上説明したように、本発明によれば、ファラデー回転角の温度特性が良好なファラデー回転子10と、ファラデー回転子10を適用した結果、温度特性が良好になった光可変減衰器2、光シャッタ及び光可変等化器3を実現することが可能になる。
以上説明したように、本発明のファラデー回転子は、磁気光学結晶に印加する第1の磁界によりファラデー回転を行ない、かつ第2の磁界によりファラデー回転角の制御を第2の磁界の強度の全可変範囲で行う場合に、第1の磁界の方向を除く、第1の磁界と第2の磁界による合成磁界の方向が、磁気光学結晶の磁化容易軸及び磁化困難軸の間で可変するように、磁気光学結晶を配置する構成とした。これにより、広い範囲のファラデー回転角にわたって、温度特性を押圧することができるので、ファラデー回転角の温度特性が良好に改善され、高品質化を図ることが可能になる。
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求の範囲およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明のファラデー回転子の原理図である。
図2は、本発明のファラデー回転子の構成を示す図である。
図3は、図2のファラデー回転子をA方向から見た図である。
図4は、合成磁界のベクトルを示す図である。
図5は、本発明を説明するためのステレオ投影図である。
図6は、方向指数の例を示す図である。
図7は、ファラデー素子の配置例を示す図である。
図8は、光可変減衰器の構成を示す図である。
図9は、光可変減衰器に適用するファラデー回転子の電磁石の駆動回路を示す図である。
図10は、ファラデー回転子のファラデー回転角の温度特性を示す図である。
図11は、ファラデー回転子のファラデー回転角の温度変動を示す図である。
図12は、ファラデー回転子を適用した光可変減衰器の温度特性を示す図である。
図13は、ファラデー回転子を適用した光可変減衰器の温度変動を示す図である。
図14は、光可変減衰器に適用可能なファラデー回転子の駆動回路を示す図である。
図15は、ファラデー回転子のファラデー回転角の温度特性を示す図である。
図16は、ファラデー回転子のファラデー回転角の温度変動を示す図である。
図17は、ファラデー回転子を適用した光可変減衰器の温度特性を示す図である。
図18は、ファラデー回転子を適用した光可変減衰器の温度変動を示す図である。
図19は、ファラデー回転子を適用した光シャッタの温度特性を示す図である。
図20は、光可変減衰器に適用可能なファラデー回転子の電磁石の駆動回路を示す図である。
図21は、駆動回路の直列抵抗、または駆動回路の並列抵抗の変化に対するコイル電流の温度係数及び消費電力をまとめた図である。
図22は、ファラデー回転子のファラデー回転角の温度特性を示す図である。
図23は、ファラデー回転子のファラデー回転角の温度変動を示す図である。
図24は、ファラデー回転子を適用した光可変減衰器の温度特性を示す図である。
図25は、ファラデー回転子を適用した光可変減衰器の温度変動を示す図である。
図26は、ファラデー回転子を適用した光シャッタの温度特性を示す図である。
図27は、光可変等化器の構成を示す図である。
図28は、光可変等化器に適用するファラデー回転子の電磁石の駆動回路を示す図である。
図29は、光可変等化器に適用するファラデー回転子の電磁石の駆動回路を示す図である。
図30は、ファラデー回転子を適用した光可変等化器の透過強度特性を示す図である。
図31は、本発明のファラデー回転子を適用した光可変等化器の温度特性と等化度温度偏差を示す図である。
図32は、ファラデー回転角自体の温度特性と磁気異方性の温度特性とをキャンセルした場合の従来のファラデー回転角を示す図である。
図33は、従来のファラデー回転子のファラデー回転角の温度特性を示す図である。
図34は、従来のファラデー回転子のファラデー回転角の温度変動を示す図である。
図35は、従来のファラデー回転子を適用した場合の光可変減衰器の温度変動を示す図である。
図36は、従来のファラデー回転子を適用した場合の光シャッタの温度特性を示す図である。
図37は、従来のファラデー回転子を適用した場合の光可変等化器の温度特性と等化度温度偏差を示す図である。

Claims (16)

  1. 透過光の偏光面を磁界によって回転させるファラデー回転子において、
    磁気光学結晶に印加する第1の磁界によりファラデー回転を行ない、かつ第2の磁界によりファラデー回転角の制御を、前記第2の磁界の強度の全可変範囲で行う場合に、
    前記第1の磁界の方向を除く、前記第1の磁界と前記第2の磁界による合成磁界の方向が、前記磁気光学結晶の磁化容易軸及び磁化困難軸の間で可変するように、前記磁気光学結晶を配置することを特徴とするファラデー回転子。
  2. コイルが巻かれた磁芯を含み前記第2の磁界を生成するための電磁石と、出力電圧に温度係数のない電圧源と、前記電圧源と直列に接続した直列抵抗とから構成され、または前記電磁石と、出力電流に温度係数がない電流源と、前記電流源と並列に接続した並列抵抗とから構成される駆動回路をさらに有することを特徴とする請求の範囲第1項記載のファラデー回転子。
  3. 前記コイルの線材を銅または銅化合物のいずれかにすることを特徴とする請求の範囲第2項記載のファラデー回転子。
  4. 前記直列抵抗または前記並列抵抗を構成する抵抗体は、ニクロムであることを特徴とする請求の範囲第2項記載のファラデー回転子。
  5. 前記直列抵抗または前記並列抵抗は、可変抵抗であることを特徴とする請求の範囲第2項記載のファラデー回転子。
  6. 前記直列抵抗が0または前記並列抵抗が無限大であることを特徴とする請求の範囲第2項記載のファラデー回転子。
  7. 光信号のレベルを可変に制御する光可変減衰器において、
    複屈折結晶から成り、光信号の入射側に配置する偏光子と、
    複屈折結晶から成り、光信号の出射側に配置する検光子と、
    磁気光学結晶に印加する第1の磁界によりファラデー回転を行ない、かつ第2の磁界によりファラデー回転角の制御を、前記第2の磁界の強度の全可変範囲で行う場合に、前記第1の磁界の方向を除く、前記第1の磁界と前記第2の磁界による合成磁界の方向が、前記磁気光学結晶の磁化容易軸及び磁化困難軸の間で可変するように、前記磁気光学結晶が配置され、前記偏光子と前記検光子との間に挿入されたファラデー回転子と、
    を有することを特徴とする光可変減衰器。
  8. 前記ファラデー回転子に対し、コイルが巻かれた磁芯を含み前記第2の磁界を生成するための電磁石と、出力電圧に温度係数のない電圧源と、前記電圧源と直列に接続した直列抵抗とから構成され、または前記電磁石と、出力電流に温度係数がない電流源と、前記電流源と並列に接続した並列抵抗とから構成される駆動回路をさらに有することを特徴とする請求の範囲第7項記載の光可変減衰器。
  9. 光信号のレベルを可変に制御する光可変減衰器において、
    複屈折結晶から成り、光信号の入射側に配置する偏光子と、
    光信号を反射する反射素子と、
    磁気光学結晶に印加する第1の磁界によりファラデー回転を行ない、かつ第2の磁界によりファラデー回転角の制御を、前記第2の磁界の強度の全可変範囲で行う場合に、前記第1の磁界の方向を除く、前記第1の磁界と前記第2の磁界による合成磁界の方向が、前記磁気光学結晶の磁化容易軸及び磁化困難軸の間で可変するように、前記磁気光学結晶が配置され、前記偏光子と前記反射素子との間に挿入されたファラデー回転子と、
    を有することを特徴とする光可変減衰器。
  10. 前記ファラデー回転子に対し、コイルが巻かれた磁芯を含み前記第2の磁界を生成するための電磁石と、出力電圧に温度係数のない電圧源と、前記電圧源と直列に接続した直列抵抗とから構成され、または前記電磁石と、出力電流に温度係数がない電流源と、前記電流源と並列に接続した並列抵抗とから構成される駆動回路をさらに有することを特徴とする請求の範囲第9項記載の光可変減衰器。
  11. 光出力をシャットダウンする光シャッタにおいて、
    複屈折結晶から成り、光信号の入射側に配置する偏光子と、
    複屈折結晶から成り、光信号の出射側に配置する検光子と、
    磁気光学結晶に印加する第1の磁界によりファラデー回転を行ない、かつ第2の磁界によりファラデー回転角の制御を、前記第2の磁界の強度の全可変範囲で行う場合に、前記第1の磁界の方向を除く、前記第1の磁界と前記第2の磁界による合成磁界の方向が、前記磁気光学結晶の磁化容易軸及び磁化困難軸の間で可変するように、前記磁気光学結晶が配置され、前記偏光子と前記検光子との間に挿入されたファラデー回転子と、
    光減衰量を最小にする電流値と最大にする電流値との間でスイッチングする駆動回路と、
    を有することを特徴とする光シャッタ。
  12. 前記駆動回路は、コイルが巻かれた磁芯を含み前記第2の磁界を生成するための電磁石と、出力電圧に温度係数のない電圧源と、前記電圧源と直列に接続した直列抵抗とから構成され、または前記電磁石と、出力電流に温度係数がない電流源と、前記電流源と並列に接続した並列抵抗とから構成されることを特徴とする請求の範囲第11項記載の光シャッタ。
  13. 光出力をシャットダウンする光シャッタにおいて、
    複屈折結晶から成り、光信号の入射側に配置する偏光子と、
    光信号を反射する反射素子と、
    磁気光学結晶に印加する第1の磁界によりファラデー回転を行ない、かつ第2の磁界によりファラデー回転角の制御を、前記第2の磁界の強度の全可変範囲で行う場合に、前記第1の磁界の方向を除く、前記第1の磁界と前記第2の磁界による合成磁界の方向が、前記磁気光学結晶の磁化容易軸及び磁化困難軸の間で可変するように、前記磁気光学結晶が配置され、前記偏光子と前記反射素子との間に挿入されたファラデー回転子と、
    光減衰量を最小にする電流値と最大にする電流値との間でスイッチングする駆動回路と、
    を有することを特徴とする光シャッタ。
  14. 前記駆動回路は、コイルが巻かれた磁芯を含み前記第2の磁界を生成するための電磁石と、出力電圧に温度係数のない電圧源と、前記電圧源と直列に接続した直列抵抗とから構成され、または前記電磁石と、出力電流に温度係数がない電流源と、前記電流源と並列に接続した並列抵抗とから構成されることを特徴とする請求の範囲第13項記載の光シャッタ。
  15. 利得等化を行う光可変等化器において、
    入力光を常光と異常光とに分離する偏光分離素子と、
    偏光分離された2条の光の偏光を一致させる偏光面一致制御素子と、
    磁気光学結晶に印加する第1の磁界によりファラデー回転を行ない、かつ第2の磁界によりファラデー回転角の制御を、前記第2の磁界の強度の全可変範囲で行う場合に、前記第1の磁界の方向を除く、前記第1の磁界と前記第2の磁界による合成磁界の方向が、前記磁気光学結晶の磁化容易軸及び磁化困難軸の間で可変するように、前記磁気光学結晶が配置され、偏光を一致させた2条の光の偏光角に回転を与える第1のファラデー回転子と、
    前記回転に対応する透過率の波長特性を与える透過率波長特性可変素子と、
    磁気光学結晶に印加する第1の磁界によりファラデー回転を行ない、かつ第2の磁界によりファラデー回転角の制御を、前記第2の磁界の強度の全可変範囲で行う場合に、前記第1の磁界の方向を除く、前記第1の磁界と前記第2の磁界による合成磁界の方向が、前記磁気光学結晶の磁化容易軸及び磁化困難軸の間で可変するように、前記磁気光学結晶が配置され、前記第1のファラデー回転子によって与えられた偏光角の回転とは逆で絶対値が等しい偏光角の回転を与える第2のファラデー回転子と、
    前記透過率波長特性可変素子で生じるP偏光とS偏光の位相差を補償する位相差制御素子と、
    常光と異常光を合成する偏光面復帰素子と、
    を有することを特徴とする光可変等化器。
  16. 前記第1のファラデー回転子及び前記第2のファラデー回転子に対し、コイルが巻かれた磁芯を含み前記第2の磁界を生成するための電磁石と、出力電圧に温度係数のない電圧源と、前記電圧源と直列に接続した直列抵抗とから構成され、または前記電磁石と、出力電流に温度係数がない電流源と、前記電流源と並列に接続した並列抵抗とから構成される駆動回路をさらに有することを特徴とする請求の範囲第15項記載の光可変等化器。
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