JP2004077617A - 光アイソレータ機能付き可変光アッテネータ - Google Patents

光アイソレータ機能付き可変光アッテネータ Download PDF

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岩塚 信治
▲高▼山 清市
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Abstract

【課題】本発明は、小型、低価格であって高性能、高信頼性を有する光アイソレータ機能付き可変光アッテネータを提供することを目的とする。
【解決手段】第1の偏光子10、第1のファラデー回転子20、第2の偏光子12、第2のファラデー回転子22、第3の偏光子14とがこの順に並んで配置された光学素子を有している。第1及び第2のファラデー回転子20、22に対し光軸に平行な方向に飽和磁界を印加する永久磁石30が配置されている。さらに、第1及び第2のファラデー回転子20、22に対し光軸に平行な方向に、永久磁石30の磁界の向きと逆向きの可変磁界を印加する電磁石32が配置されている。コイル32bに通電するとヨーク32a及びヨーク32a両端部間の光学素子に閉磁路が形成されて、予め光軸に平行に飽和磁界が印加されている第1及び第2のファラデー回転子20、22に同時に所望の逆向きの磁界が印加される。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信システムに用いられる光アイソレータ機能付き可変光アッテネータに関する。
【0002】
【従来の技術】
可変光アッテネータとして、印加した磁界の強度によりファラデー回転角を変化させて光の減衰量を制御するいわゆる磁気光学型可変光アッテネータが知られている。磁気光学型可変光アッテネータは、機械的な可動部がないため信頼性が高くまた小型化し易いという利点を有している。磁気光学型可変光アッテネータは、ファラデー回転子と、ファラデー回転子に磁界を印加する電磁石とを有している。電磁石に流す電流量を変化させてファラデー回転子に印加する磁界の強度を制御することによりファラデー回転子の磁化の強さを変化させて、ファラデー回転角を制御できるようになっている。
【0003】
このような可変光アッテネータに光アイソレータの機能を付加したものとして、いくつかの従来技術が知られている。特許第2518362号公報には、モータで偏光子もしくは検光子を回転させて、減衰量を可変にさせながら逆方向損失を維持した光アイソレータ機能付き可変光アッテネータが開示されている。この構成では、常に一定の逆方向損失を維持できるものの、偏光子もしくは検光子を回転させる機構が必要となり、装置が大型になるだけでなく可動部を有するために長期信頼性に問題がある。
【0004】
特開平11−149065号公報に開示された光アイソレータ機能付き可変光アッテネータは、光アッテネータに光アイソレータの機能を有する光学素子を追加したものである。光アイソレータ部分に用いる第1の磁気光学結晶には飽和磁界が印加され、光アッテネータ部分に用いる第2の磁気光学結晶には可変の磁界が印加される。そのため、第1の磁気光学結晶と第2の磁気光学結晶は、近づけて配置することはできず、装置が大型になってしまうという欠点を有する。
【0005】
また、特開平11−212043号公報や特開2001−330810号公報には磁気光学結晶を2枚以上使用した光アッテネータが開示されているが、光アイソレータの機能については全く考慮されていない。
【0006】
また、特表2001−526407号公報に開示された光アッテネータは光アイソレータを利用したものと記載されているが、光アイソレーションと光アッテネーションを同時に実現する具体的な構成は示されていない。
【0007】
さらに、米国特許第6297901号公報には、光アイソレータ機能付きの光アッテネータが開示されているが、単に光アイソレータと光アッテネータを組み合わせたものに過ぎず、光アッテネータでのファラデー回転角の変化に対してどのように光アイソレータのファラデー回転角を調整するかの記載は全くない。
【0008】
特開平9−236784号公報に開示された光アッテネータでは、アッテネーションに最適なファラデー回転角について考察されているが、光アイソレータについては全く考慮されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、従来の光アイソレータ機能付き可変光アッテネータでは可変光アッテネータに単純に光アイソレータを組み合わせているだけで、装置の小型化が困難である。また、従来の単なる可変光アッテネータを開示しているに過ぎない上記先行文献は、戻り光に対して現実の使用に耐え得る大きな減衰率が得られるか否かについていずれも言及していない。
【0010】
本発明の目的は、小型、低価格であって高性能、高信頼性を有する光アイソレータ機能付き可変光アッテネータを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、少なくとも3個の偏光子と、隣合う前記偏光子間にそれぞれ挟まれた少なくとも2個のファラデー回転子と、全ての前記ファラデー回転子に同時に可変磁界を印加する少なくとも1個の磁石とを有することを特徴とする光アイソレータ機能付き可変光アッテネータによって達成される。
【0012】
上記本発明の光アイソレータ機能付き可変光アッテネータであって、前記ファラデー回転子は、飽和磁界が印加されたときのファラデー回転角が45°以上であることを特徴とする。また、前記ファラデー回転角の平均値が50°以上70°以下であることを特徴とする。
【0013】
上記本発明の光アイソレータ機能付き可変光アッテネータであって、前記磁石は、前記ファラデー回転子の光軸方向に飽和磁界を印加する永久磁石と、前記飽和磁界の向きと逆方向に可変磁界を印加する電磁石とを有していることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、光アイソレータ機能と光アッテネータ機能を別々に構成するのではなく、一体化した素子構成で実現しており、小型で低コストに製造でき、さらに高信頼性を有し高性能な光アイソレータ機能付き可変光アッテネータを得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態による光アイソレータ機能付き可変光アッテネータについて図1乃至図19を用いて説明する。まず、本実施の形態による光アイソレータ機能付き可変光アッテネータの動作原理について図11乃至図19を用いて説明する。図11は、本実施の形態による光アイソレータ機能付き可変光アッテネータを説明する前提としての従来の可変光アッテネータ100の概略構成を示している。可変光アッテネータ100は、第1の偏光子10、ファラデー回転子20、第2の偏光子12とがこの順に並び、ファラデー回転子20に対し光軸に平行な方向に飽和磁界を印加する永久磁石(不図示)が配置され、さらにファラデー回転子20に対し光軸に平行な方向に、永久磁石の磁界の向きと逆向きの可変磁界を印加する電磁石(不図示)とが配置されている。
【0016】
図12は、図11に示す構成において、飽和磁界が印加されたときのファラデー回転角(以下、飽和回転角と略称する)θfs=45°(deg.)、第1の偏光子10の偏光軸の方位φiと第2の偏光子12の偏光軸の方位φoとのなす角度(第1の偏光子10と第2の偏光子12の相対角度)φ=φo−φi=45°とした場合の順方向損失(IL)と逆方向損失(いわゆる戻り光の減衰量:ISO)、及び順方向損失と逆方向損失とを加えた合成逆方向損失(IL+ISO)とを求めたグラフである。可変光アッテネータ100のファラデー回転子20は、例えばLPE(液相エピタキシャル)法により育成されたガーネット単結晶膜を研磨して形成されている。当該ガーネット単結晶膜は膜面に垂直な垂直磁区構造を有しており、飽和磁界より小さい磁界を印加した場合は磁区構造を有するため回折損失が生じる。図12は回折損失のある場合のデータを示している。
【0017】
図12の横軸は、飽和回転角θfsに対するアッテネーション時のファラデー回転角θfの割合θf/θfsを表しており、縦軸は損失の大きさ(dB表示)を表している。図中、実線は順方向損失(IL)を表し、太い破線は逆方向損失(ISO)を表し、細い破線は合成逆方向損失(IL+ISO)を表している。
【0018】
さて、図12において、割合θf/θfs=1.0のときは、電磁石に電流が流れておらず、永久磁石による飽和磁界だけがファラデー回転子20に印加されている状態である。このときファラデー回転角θf=飽和回転角θfs=+45°であり、ファラデー回転子20を通過した順方向の光の偏光方位は第2の偏光子12の偏光軸に一致するため、可変光アッテネータ100は順方向の光を減衰させることなく透過させて順方向損失(IL)は0dBとなる。一方、第2の偏光子12から入射した戻り光はファラデー回転子20で偏光面が+45°回転させられて、偏光方位が第1の偏光子10の偏光軸と直交するため第1の偏光子10に吸収されて40dB程度の高い逆方向損失(ISO)が得られる。
【0019】
電磁石に流す電流を徐々に大きくして永久磁石による飽和磁界と逆向きの可変磁界の大きさを大きくしていくと、ファラデー回転角θfは徐々に小さくなる。図12に示すように、割合θf/θfs=1.0から割合θf/θfs=0.0までは、ファラデー回転角θfが徐々に小さくなるため、ファラデー回転子20で回転させられる順方向の光の偏光面の偏光方位が第2の偏光子12の偏光軸からずれる割合は徐々に増大する。このため順方向損失(IL)は0dBから徐々に単調に増加する。一方、ファラデー回転子20で回転させられる戻り光の偏光面の偏光方位が第1の偏光子10の偏光軸からずれる割合は急激に減少する。このため逆方向損失(ISO)は急峻に単調に減少する。
【0020】
さらに電磁石に流す電流を大きくして、永久磁石による飽和磁界と逆向きの可変磁界の大きさをさらに大きくしていくと、ファラデー回転角θfは負方向に大きくなる。図12に示すように、割合θf/θfs=0.0から割合θf/θfs=−1.0までは、ファラデー回転子20を通過した順方向の光の偏光方位が第2の偏光子12の偏光軸からずれる割合がさらに増大するため順方向損失(IL)は単調に急激に増加し、一方、ファラデー回転子20を通過した戻り光の偏光面の偏光方位が第1の偏光子10の偏光軸からずれる割合はさらに減少するため逆方向損失(ISO)は徐々に単調に減少する。
【0021】
割合θf/θfs=−1.0のときは、電磁石に最大の電流が流れており、永久磁石による磁界を打ち消して逆向きの飽和磁界がファラデー回転子20に印加されている状態である。このときファラデー回転角θf=−θfs=−45°であり、ファラデー回転子20で偏光面が−45°回転させられた順方向の光の偏光方位は第2の偏光子12の偏光軸と直交するため、可変光アッテネータ100は順方向の光を十分減衰させて40dB程度の順方向損失(IL)が得られる。一方、第2の偏光子12から入射した戻り光はファラデー回転子20で偏光面が−45°回転させられて、偏光方位が第1の偏光子10の偏光面と平行になるため第1の偏光子10を透過する。このため逆方向損失(ISO)はほぼ0dBとなる。
【0022】
このように、従来の可変光アッテネータ100では、割合θf/θfsが1より小さくなるに従い順方向損失(IL)が増加して光アッテネータとして機能するが、一方で逆方向損失(ISO)が急激に減少するため光アイソレータとして機能しないことが分かる。現実の使用においては通常、光アイソレータ機能としては、逆方向損失(ISO)が少なくとも10dB以上あることが要求される。図12に示す飽和回転角θfs=45°の場合には、10dB以上の逆方向損失(ISO)が得られるのは順方向損失(IL)が0≦IL≦3dBの範囲でしかない。
【0023】
なお、可変光アッテネータ100の用途によっては、逆方向損失(ISO)に代えて、合成逆方向損失(IL+ISO)で光アイソレーション特性を決める場合もあるが、その場合には20dB以上の合成逆方向損失(IL+ISO)が要求される。ところが、図12に示すように、合成逆方向損失(ISO+IL)も割合θf/θfsの絶対値が1より小さくなるに従い急激に減少して12dB程度まで減少してしまう。
【0024】
図13は、図11に示す構成において、飽和回転角θfs=40°、第1の偏光子10と第2の偏光子12の相対角度φ=40°とした場合の順方向損失(IL)と逆方向損失(ISO)、及び合成逆方向損失(IL+ISO)とを求めたグラフである。図13は回折損失のある場合のデータを示している。
【0025】
図13の横軸と縦軸及びデータの線種の意味は図12と同様である。図13において、割合θf/θfs=1.0のときは、ファラデー回転子20で偏光面が+40°回転させられた順方向の光の偏光方位は第2の偏光子12の偏光軸に一致するため順方向損失(IL)は0dBとなり、可変光アッテネータ100は順方向の光を減衰させることなく透過させる。一方、第2の偏光子12から入射した戻り光は、ファラデー回転子20で偏光面が+40°回転させられて偏光方位が第1の偏光子10の偏光軸に対して角度80°(≠90°)で入射するため第1の偏光子10で吸収されずに透過する成分が生じており15dB程度の逆方向損失(ISO)となっている。
【0026】
電磁石に流す電流を徐々に大きくして永久磁石による飽和磁界と逆向きの可変磁界の大きさを大きくしていくと、図13に示すように、割合θf/θfs=1.0から割合θf/θfs=0.0までは、ファラデー回転子20を通過した順方向の光の偏光方位が第2の偏光子12の偏光軸からずれる割合が増大して順方向損失(IL)は0dBから徐々に単調に増加し、一方、第2の偏光子12から入射した戻り光の偏光方位が第1の偏光子10の偏光軸からずれる割合が減少するので逆方向損失(ISO)は徐々に単調に減少する。
【0027】
さらに電磁石に流す電流を大きくして永久磁石による飽和磁界と逆向きの可変磁界の大きさをさらに大きくしていくと、ファラデー回転角θfは負方向に大きくなる。図13に示すように、割合θf/θfs=0.0から割合θf/θfs=−1.0までは、ファラデー回転子20を通過した光の偏光方位が第2の偏光子12の偏光軸からずれる割合がさらに増大するため順方向損失(IL)は単調に徐々に増加し、一方、第2の偏光子12から入射した戻り光の偏光方位が第1の偏光子10の偏光軸からずれる割合が減少するので逆方向損失(ISO)は単調に徐々に減少する。
【0028】
割合θf/θfs=−1.0のときは、電磁石に最大の電流が流れており、永久磁石による磁界を打ち消して逆向きの飽和磁界がファラデー回転子20に印加されている状態である。このときファラデー回転角θf=−θfs=−40°であり、第1の偏光子10から入射した順方向の光は、ファラデー回転子20で偏光面が−40°回転させられて偏光方位が第2の偏光子12の偏光軸に対して80°(≠90°)で入射するため第2の偏光子12で一部が透過して15dB程度の順方向損失(IL)が得られる。一方、第2の偏光子12から入射した戻り光はファラデー回転子20で偏光面が−40°回転させられて、偏光方位が第1の偏光子10の偏光軸にほぼ平行になるため第1の偏光子10を透過する。このため逆方向損失(ISO)はほぼ0dBとなる。
【0029】
このように、図13に示すように飽和回転角θfs<45°の場合には、図12に示す飽和回転角θfs=45°の場合と比較してθf/θfsの全範囲において順方向損失(IL)特性と逆方向損失(ISO)特性の双方が低下しており、現実の使用条件を満足できない。
【0030】
図14は、図11に示す構成において、飽和回転角θfs=50°、第1の偏光子10と第2の偏光子12の相対角度φ=50°とした場合の順方向損失(IL)と逆方向損失(ISO)、及び合成逆方向損失(IL+ISO)とを求めたグラフである。図14は回折損失のある場合のデータを示している。
【0031】
図14の横軸と縦軸及びデータの線種の意味は図12と同様である。図14において、割合θf/θfs=1.0のときは、ファラデー回転子20で偏光面が+50°回転させられた順方向の光の偏光方位は第2の偏光子12の偏光軸に一致するため順方向損失(IL)は0dBとなり、可変光アッテネータ100は順方向の光を減衰させることなく透過させる。一方、第2の偏光子12から入射した戻り光は、ファラデー回転子20で偏光面が+50°回転させられて偏光方位が第1の偏光子10の偏光軸に対して100°(≠90°)で入射するため第1の偏光子10で吸収されずに透過する成分が生じており15dB程度の逆方向損失(ISO)となっている。
【0032】
割合θf/θfs=1.0から割合θf/θfs=0.0までは、図14に示すように、ファラデー回転子20を通過した順方向の光の偏光方位が第2の偏光子12の偏光軸からずれる割合が増大して順方向損失(IL)は0dBから徐々に単調に増加する。一方、第2の偏光子12から入射した戻り光はファラデー回転子20で偏光面が回転させられて第1の偏光子10に入射するが、その偏光方位は、割合θf/θfs=1.0から割合θf/θfs=0.0に至るまでに第1の偏光子10の偏光軸を基準として+100°から+90°を経て0°まで変化する。このため、割合θf/θfs=1.0から割合θf/θfs=0.0までの範囲で、逆方向損失(ISO)は、図14に示すように、一旦最大損失(約40dB)まで急峻に増加した後、急峻に減少する。
【0033】
さらに電磁石に流す電流を大きくして永久磁石による飽和磁界と逆向きの可変磁界の大きさをさらに大きくしていくと、ファラデー回転角θfは負方向に大きくなる。図14に示すように、ファラデー回転子20を通過した順方向の光の偏光方位は、割合θf/θfs=0.0から割合θf/θfs=−1.0に至るまでに第1の偏光子10の偏光軸を基準として0°から−90°を経て−100°まで変化する。このため、割合θf/θfs=0.0から割合θf/θfs=−1.0までの範囲で、順方向損失(IL)は、図14に示すように、一旦最大損失(約40dB)まで急峻に増加した後、急峻に減少する。一方、第2の偏光子12から入射した戻り光は、ファラデー回転子20を通過して光の偏光方位が第1の偏光子10の偏光軸からずれる割合が減少して逆方向損失(ISO)は徐々に単調に減少して0dBに至る。
【0034】
割合θf/θfs=−1.0のときは、ファラデー回転角θf=−θfs=−50°であり、第1の偏光子10から入射した順方向の光は、ファラデー回転子20で偏光面が−50°回転させられて偏光方位が第2の偏光子12の偏光軸に対して−100°(≠−90°)で入射するため第2の偏光子12で一部が透過して15dB程度の順方向損失(IL)が得られる。一方、第2の偏光子12から入射した戻り光はファラデー回転子20で偏光面が−50°回転させられて、偏光方位が第1の偏光子10の偏光軸にほぼ平行になるため第1の偏光子10を透過する。このため逆方向損失(ISO)はほぼ0dBとなる。
【0035】
このように、図14に示すように飽和回転角θfs=50°>45°の場合には、図12に示す飽和回転角θfs=45°の場合と比較してθf/θfs=±1付近を除いて順方向損失(IL)特性と逆方向損失(ISO)特性の双方が向上する。例えば、図12に示すθfs=45°の場合に比して、10dB以上の逆方向損失(ISO)が得られるのは順方向損失(IL)が0≦IL≦5dBの範囲に拡大改善される。
【0036】
同様に、図15は、図11に示す構成において、飽和回転角θfs=55°、第1の偏光子10と第2の偏光子12の相対角度φ=55°とした場合のグラフである。図15は回折損失のある場合のデータを示している。図15に示すように、飽和回転角θfs=55°>45°の場合には、図14に示す飽和回転角θfs=50°の場合と比較してθf/θfs=±1付近を除いて順方向損失(IL)特性と逆方向損失(ISO)特性の双方が向上する。例えば、順方向損失(IL)が0〜10dBの範囲の全てにおいてほぼ10dB以上の逆方向損失(ISO)が得られる。
【0037】
図16は、図11に示す構成において、飽和回転角θfs=60°、第1の偏光子10と第2の偏光子12の相対角度φ=60°とした場合のグラフである。図16は回折損失のある場合のデータを示している。図16に示すように、飽和回転角θfs=60°>45°の場合には、例えば、順方向損失(IL)が0≦IL≦2dB辺りで逆方向損失(ISO)が10dB以下になってしまっている。
【0038】
図17は、図11に示す構成において、飽和回転角θfs=65°、第1の偏光子10と第2の偏光子12の相対角度φ=65°とした場合のグラフである。図17は回折損失のある場合のデータを示している。図17に示すように、飽和回転角θfs=65°>45°の場合には、例えば、順方向損失(IL)が0≦IL≦3dB辺りで逆方向損失(ISO)が10dB以下になってしまっている。
【0039】
図18は、図11に示す構成において、飽和回転角θfs=70°、第1の偏光子10と第2の偏光子12の相対角度φ=70°とした場合のグラフである。図18は回折損失のある場合のデータを示している。図18に示すように、飽和回転角θfs=70°>45°の場合には、例えば、順方向損失(IL)が0≦IL≦4dB辺りで逆方向損失(ISO)が10dB以下になってしまっている。
【0040】
図19は、図11に示す構成において、飽和回転角θfs=90°、第1の偏光子10と第2の偏光子12の相対角度φ=90°とした場合のグラフである。図19は回折損失のある場合のデータを示している。図19に示すように、飽和回転角θfs=90°>45°の場合には、例えば、順方向損失(IL)が0≦IL≦5dB辺りで逆方向損失(ISO)が10dB以下になってしまっている。
【0041】
以上説明したように、本願発明者らは、割合θf/θfs=1すなわちファラデー回転子20が磁気飽和状態で順方向損失(IL)が最小となる可変光アッテネータにおいて、飽和回転角θfsを変化させることにより逆方向損失(ISO)が制御可能であることを見出した。
【0042】
しかしながら、図12乃至図19の例に示すように、順方向損失(IL)が0〜10dBの全範囲において逆方向損失(ISO)を10dB以上にするのは困難であり、順方向損失(IL)が10dBを超える範囲において逆方向損失(ISO)を10dB以上にするのはほとんど不可能であることが分かった。
【0043】
すなわち、ファラデー回転子20が1個の構成では、順方向損失(IL)の広い範囲において十分な逆方向損失(ISO)を確保することは困難であることが分かった。そこで、本願発明者らは、図1及び図2に示すように、ファラデー回転子を2段構成とする光アイソレータ機能付き可変光アッテネータを創案した。
【0044】
図1及び図2は、本実施の形態による光アイソレータ機能付き可変光アッテネータの概略構成を示している。光アイソレータ機能付き可変光アッテネータ1は、第1の偏光子10、第1のファラデー回転子(磁気光学結晶)20、第2の偏光子12、第2のファラデー回転子(磁気光学結晶)22、第3の偏光子14とがこの順に並んで配置された光学素子を有している。第1乃至第3の偏光子10、12、14としては、例えば、偏光ガラス、くさび複屈折偏光子、複屈折板等を用いることができる。
【0045】
また、第1及び第2のファラデー回転子20、22に対し光軸に平行な方向に飽和磁界を印加する永久磁石30(図2では図示を省略)が配置されている。さらに、第1及び第2のファラデー回転子20、22に対し光軸に平行な方向に、永久磁石30の磁界の向きと逆向きの可変磁界を印加する電磁石32(図2では図示を省略)が配置されている。
【0046】
電磁石32はコの字状のヨーク32aとヨーク32aに巻き回されたコイル32bとを有している。ヨーク32a両端部には光を透過させるための光導入窓32cが設けられている。第1乃至第3の偏光子10、12、14間に第1及び第2のファラデー回転子20、22をそれぞれ挟んだ光学素子はヨーク32a両端部の間に位置している。ヨーク32a一端部の光導入窓32cから入射した光は、光学素子の光軸を通ってヨーク32a他端部の光導入窓32cから射出するようになっている。コイル32bに通電することによりヨーク32a及びヨーク32a両端部間の光学素子に閉磁路が形成されて、予め光軸に平行に飽和磁界が印加されている第1及び第2のファラデー回転子20、22に同時に所望の逆向きの磁界を印加できるようになっている。
【0047】
本実施の形態による光アイソレータ機能付き可変光アッテネータ1の第1及び第2のファラデー回転子20、22は、例えばLPE(液相エピタキシャル)法により育成されたガーネット単結晶膜を研磨して形成されている。当該ガーネット単結晶膜は膜面に垂直な垂直磁区構造を有しており、第1及び第2のファラデー回転子20、22は、飽和磁界より小さい磁界を印加した場合は磁区構造を有するため回折損失が生じる。
【0048】
図3は、図1及び図2に示す構成において、飽和磁界が印加されたときの第1のファラデー回転子20のファラデー回転角(飽和回転角)θfs1=45°(deg.)、同じく第2のファラデー回転子22のファラデー回転角(飽和回転角)θfs2=45°、第1の偏光子10の偏光軸の方位φiと第2の偏光子12の偏光軸の方位φmとのなす角(第1の偏光子10と第2の偏光子12の相対角度)φ1=φm−φi=45°、第2の偏光子12の偏光軸の方位φmと第3の偏光子14の偏光軸の方位φoとのなす角(第2の偏光子12と第3の偏光子14の相対角度)φ2=φo−φm=45°とした場合の順方向損失(IL)と逆方向損失(ISO)、及び順方向損失と逆方向損失とを加えた合成逆方向損失(IL+ISO)とを求めたグラフである。図3は回折損失のある場合のデータを示している。
【0049】
図3の横軸は割合θf/θfsを表している。ここで、第1のファラデー回転子20と第2のファラデー回転子22とには同時に磁界が印加されるので、飽和回転角θfs1とアッテネーション時の第1のファラデー回転子20のファラデー回転角θf1との割合θf1/θfs1と、飽和回転角θfs2とアッテネーション時の第2のファラデー回転子22のファラデー回転角θf2との割合θf2/θfs2とは、θf1/θfs1=θf2/θfs2=θf/θfsと仮定している。縦軸は、損失の大きさ(dB表示)を表している。図中、実線は順方向損失(IL)を表し、太い破線は逆方向損失(ISO)を表し、細い破線は合成逆方向損失(IL+ISO)を表している。
【0050】
さて、図3において、割合θf/θfs=1.0のときは、電磁石32に電流が流れておらず、永久磁石30による飽和磁界だけがファラデー回転子に印加されている状態である。このとき第1のファラデー回転子20のファラデー回転角θf1=飽和回転角θfs1=+45°であり、第1のファラデー回転子20を通過した順方向の光の偏光方位は第2の偏光子12の偏光軸に一致するため順方向損失(IL)は生じない。さらに、第2のファラデー回転子22のファラデー回転角θf2=飽和回転角θfs2=+45°であり、第2のファラデー回転子22を通過した順方向の光の偏光方位は第3の偏光子14の偏光軸に一致するため、合計の順方向損失(IL)は0dBとなり、可変光アッテネータ1は順方向の光を減衰させることなく透過させる。
【0051】
一方、第3の偏光子14から入射した戻り光は第2のファラデー回転子22で偏光面が+45°回転させられて、偏光方位が第2の偏光子12の偏光軸と直交するため第2の偏光子12で吸収されてしまうため極めて高い逆方向損失(ISO)が得られる。
【0052】
電磁石32に流す電流を徐々に大きくして永久磁石30による飽和磁界と逆向きの可変磁界の大きさを大きくしていくと、ファラデー回転角θf1及びθf2は徐々に小さくなる。図3に示すように、割合θf/θfs=1.0から割合θf/θfs=0.0までは、第1のファラデー回転子20で回転させられた順方向の光の偏光方位が第2の偏光子12の偏光軸からずれる割合が増大するため第2のファラデー回転子22に入射する順方向の光は所定の割合で減衰する。当該減衰光は第2のファラデー回転子22で回転させられて光の偏光方位が第3の偏光子14の偏光軸からさらに大きな割合でずれるため順方向損失(IL)は0dBから徐々にではあるが、図12と比較すると高い勾配で単調に増加する。
【0053】
一方、第3の偏光子14から入射した戻り光は第2のファラデー回転子22で偏光面が回転させられて、偏光方位が第2の偏光子12の偏光軸に対して直交からずれてくるため第2の偏光子12を透過する成分が生じる。しかしながら、当該透過光は第1のファラデー回転子20でさらに偏光面が回転させられた後、第1の偏光子10で吸収される成分があるため、例えば、図12と比較して極めて高い逆方向損失(ISO)が得られている。
【0054】
さらに電磁石32に流す電流を大きくして、永久磁石30による飽和磁界と逆向きの可変磁界の大きさをさらに大きくしていくと、ファラデー回転角θf1及びθf2は共に負方向に大きくなる。図3に示すように、割合θf/θfs=0.0から割合θf/θfs=−1.0までは、第1のファラデー回転子20を通過した順方向の光の偏光方位が第2の偏光子12の偏光軸からずれる割合がさらに増大すると共に、第2のファラデー回転子22を通過した順方向の光の偏光方位が第3の偏光子14の偏光軸からずれる割合がさらに増大するため順方向損失(IL)は単調に急激に増加する。
【0055】
一方、第3の偏光子14から入射した戻り光は、第2のファラデー回転子22を通過した戻り光の偏光方位が第2の偏光子12の偏光軸からずれる割合が減少すると共に、第1のファラデー回転子20を通過した戻り光の偏光方位が第1の偏光子10の偏光軸からずれる割合がさらに減少するため逆方向損失(ISO)は徐々に単調に減少する。
【0056】
割合θf/θfs=−1.0のときは、電磁石32に最大の電流が流れており、永久磁石30による磁界を打ち消して逆向きの飽和磁界が第1及び第2のファラデー回転子20、22に印加されている状態である。このとき第1及び第2のファラデー回転角θf1、θf2=−θfs=−45°であり、第1のファラデー回転子20を通過した順方向の光の偏光方位が第2の偏光子12の偏光軸に直交するため可変光アッテネータ1は順方向の光を十分減衰させて極めて大きな順方向損失(IL)が得られる。一方、第3の偏光子14から入射した戻り光は第2のファラデー回転子22で偏光面が−45°回転させられて、偏光方位が第2の偏光子12の偏光面と平行になるため第2の偏光子12を透過する。当該透過戻り光は、第1のファラデー回転子20で偏光面が−45°回転させられて、偏光方位が第1の偏光子10の偏光面と平行になるため第1の偏光子10を透過する。このため逆方向損失(ISO)はほぼ0dBとなる。
【0057】
このように、本実施の形態による光アイソレータ機能付き可変光アッテネータ1では、割合θf/θfsが1より小さくなるに従い順方向損失(IL)が増加して光アッテネータとして機能すると共に、逆方向損失(ISO)が従来と比して急激に減少しないため光アイソレータとしても十分機能することが分かる。現実の使用で光アイソレータとして要求される逆方向損失(ISO)は10dB以上であり、図3に示すθfs=45°の場合において、順方向損失(IL)が0〜13dBの範囲において10dB以上の逆方向損失(ISO)が得られている。
【0058】
なお、合成逆方向損失(IL+ISO)においては、光アッテネータとして使用可能な全範囲で20dB以上の損失が得られる。
【0059】
図4は、図1及び図2に示す構成において、第1及び第2のファラデー回転子20、22の飽和回転角θfs1=θfs2=50°、第1乃至第3の偏光子10、12、14の相対角度φ1=φ2=50°とした場合の順方向損失(IL)と逆方向損失(ISO)、及び合成逆方向損失(IL+ISO)とを求めたグラフである。図4は回折損失のある場合のデータを示している。
【0060】
図4の横軸と縦軸及びデータの線種の意味は図3と同様である。図4において、割合θf/θfs=1.0のときは、第1のファラデー回転子20を通過した順方向の光の偏光方位は第2の偏光子12の偏光軸に一致するため順方向損失(IL)は生じない。さらに、第2のファラデー回転子22を通過した順方向の光の偏光方位は第3の偏光子14の偏光軸に一致するため、合計の順方向損失(IL)は0dBとなり、可変光アッテネータ1は順方向の光を減衰させることなく透過させる。
【0061】
一方、第3の偏光子14から入射した戻り光は、第2のファラデー回転子22で偏光面が+50°回転させられて偏光方位が第2の偏光子12の偏光軸に対して+100°(≠90°)で入射するため第2の偏光子12で吸収されずに透過する成分が生じており、当該透過成分が次段の第1のファラデー回転子20で偏光面が+50°回転させられて偏光方位が第1の偏光子10の偏光軸に対して+200°で入射するため第1の偏光子10で吸収されずに透過する成分が生じており30dB程度の逆方向損失(ISO)となっている。
【0062】
割合θf/θfs=1.0から割合θf/θfs=0.0までは、図4に示すように、第1のファラデー回転子20で回転させられた順方向の光の偏光方位が第2の偏光子12の偏光軸からずれる割合が増大するため第2のファラデー回転子22に入射する光は所定の割合で減衰する。当該減衰光は第2のファラデー回転子22で回転させられて偏光方位が第3の偏光子14の偏光軸からさらに大きな割合でずれるため順方向損失(IL)は0dBから徐々に単調増加する。
【0063】
一方、第3の偏光子14から入射した戻り光は第2のファラデー回転子22で偏光面が回転させられて第2の偏光子12に入射するが、その偏光方位は、割合θf/θfs=1.0から割合θf/θfs=0.0に至るまでに第2の偏光子12の偏光軸を基準として+100°から+90°を経て0°まで変化する。このため、割合θf/θfs=1.0から割合θf/θfs=0.0までの範囲で、逆方向損失(ISO)は、図4に示すように、戻り光の偏光方位が+90°に近づくと最大損失(50dB超)まで急峻に増加し、+90°を過ぎると急峻に減少する。
【0064】
さらに電磁石32に流す電流を大きくして、永久磁石30による飽和磁界と逆向きの可変磁界の大きさをさらに大きくしていくと、ファラデー回転角θf1及びθf2は共に負方向に大きくなる。図4に示すように、第1のファラデー回転子20を通過した順方向の光の偏光方位は、割合θf/θfs=0.0から割合θf/θfs=−1.0に至るまでに第1の偏光子10の偏光軸を基準として0°から−90°を経て−100°まで変化する。このため、割合θf/θfs=0.0から割合θf/θfs=−1.0までの範囲で、順方向損失(IL)は、図4に示すように、順方向の光の偏光方位が−90°に近づくと最大損失(50dB超)まで急峻に増加し、−90°を過ぎると急峻に減少する。
【0065】
一方、第3の偏光子14から入射した戻り光は、第2のファラデー回転子22を通過して光の偏光方位が第2の偏光子12の偏光軸からずれる割合が減少すると共に、第1のファラデー回転子20を通過して光の偏光方位が第1の偏光子10の偏光軸からずれる割合が減少するため逆方向損失(ISO)は徐々に単調に減少して0dBに至る。
【0066】
割合θf/θfs=−1.0のときは、第1及び第2のファラデー回転角θf1、θf2=−θfs=−50°であり、第1の偏光子10から入射した順方向の光は、第1のファラデー回転子20で偏光面が−50°回転させられて偏光方位が第2の偏光子12の偏光軸に対して−100°(≠−90°)で入射するため第2の偏光子12で一部が透過して第2のファラデー回転子22に入射し、偏光面が回転させられて一部が第3の偏光子14から射出するので約30dBの順方向損失(IL)が得られる。
【0067】
一方、第3の偏光子14から入射した戻り光は第2のファラデー回転子22で偏光面が−50°回転させられて、偏光方位が第2の偏光子12の偏光軸にほぼ平行になるため第2の偏光子12を透過する。当該透過光は第1のファラデー回転子20で偏光面が−50°回転させられて、偏光方位が第1の偏光子10の偏光軸にほぼ平行になるため第1の偏光子10を透過する。このため逆方向損失(ISO)はほぼ0dBとなる。
【0068】
このように、図4に示す飽和回転角θfs1=θfs2=50°>45°の場合には、図14に示す飽和回転角θfs=50°の場合と比較して割合θf/θfsの全範囲において順方向損失(IL)特性と逆方向損失(ISO)特性の双方が向上する。図4に示す例によれば、順方向損失(IL)が0〜23dBの範囲において10dB以上の逆方向損失(ISO)が得られる。
【0069】
同様に、図5は、図1に示す構成において、飽和回転角θfs1=θfs2=55°、第1乃至第3の偏光子10、12、14間の相対角度φ1=φ2=55°とした場合のグラフである。図5は回折損失のある場合のデータを示している。図5に示すように、飽和回転角θfs1=θfs2=55°>45°の場合には、順方向損失(IL)が0〜35dBの範囲において10dB以上の逆方向損失(ISO)が得られる。
【0070】
同様に、図6は、図1に示す構成において、飽和回転角θfs1=45°、θfs2=70°、第1及び第2の偏光子10、12間の相対角度φ1=45°、第2及び第3の偏光子12、14間の相対角度φ1=70°とした場合のグラフである。図6は回折損失のある場合のデータを示している。図6に示すように、飽和回転角θfs1=45°、θfs2=70°の場合には、順方向損失(IL)が0〜32dBの範囲において20dB以上の逆方向損失(ISO)が得られる。
【0071】
同様に、図7は、図1に示す構成において、飽和回転角θfs1=45°、θfs2=90°、第1及び第2の偏光子10、12間の相対角度φ1=45°、第2及び第3の偏光子12、14間の相対角度φ1=90°とした場合のグラフである。図7は回折損失のある場合のデータを示している。図7に示すように、飽和回転角θfs1=45°、θfs2=90°の場合には、順方向損失(IL)が0〜40dBの範囲において17dB以上の逆方向損失(ISO)が得られる。
【0072】
このように、本実施の形態によれば、光アイソレータとして十分な逆方向損失(ISO)を確保した状態で、可変光アッテネータとして順方向損失(IL)を広範囲に変化させることができる。特に、飽和回転角θfsの平均値が50°〜70°の範囲において優れたアイソレーション及びアッテネーション特性を実現できる。
【0073】
次に、図8乃至図10を用いて、ファラデー回転子を3段構成にした本実施形態の変形例に係る光アイソレータ機能付き可変光アッテネータについて説明する。図8は、本変形例に係る光アイソレータ機能付き可変光アッテネータ50の概略構成を示している。光アイソレータ機能付き可変光アッテネータ50は、第1の偏光子60、第1のファラデー回転子(磁気光学結晶)70、第2の偏光子62、第2のファラデー回転子(磁気光学結晶)72、第3の偏光子64、第3のファラデー回転子74、第4の偏光子66とがこの順に並んで配置された光学素子を有している。
【0074】
また、第1乃至第3のファラデー回転子70、72、74に対し光軸に平行な方向に飽和磁界を印加する永久磁石80、81が配置されている。さらに、第1乃至第3のファラデー回転子70、72、74に対し光軸に直交する方向に、永久磁石80、81の磁界の向きに直交する可変磁界を印加する電磁石82が配置されている。
【0075】
電磁石82に通電することにより、第1乃至第3のファラデー回転子70、72、74に対し、予め光軸に平行に印加されている飽和磁界に直交する磁界を印加することができる。これにより、第1乃至第3のファラデー回転子70、72、74内の磁化ベクトルの方位を回転させて、ファラデー回転角の制御に寄与する光軸方向の磁化ベクトル成分を変化させることができ、飽和磁界強度を保ちながらファラデー回転角を変化させることができる。
【0076】
本実施の形態による光アイソレータ機能付き可変光アッテネータ50の第1乃至第3のファラデー回転子70、72、74は、例えばLPE法により育成されたガーネット単結晶膜を研磨して形成されている。当該ガーネット単結晶膜は上記飽和磁界中で動作させるため回折損失は生じないか無視できるほど小さくなる。
【0077】
図9は、図8に示す構成において、飽和回転角θfs1=θfs2=θfs3=60°、第1乃至第4の偏光子60、62、64、66間の相対角度φ1=φ2=φ3=60°とした場合のグラフである。図9は回折損失のない場合のデータを示している。図9に示すように、飽和回転角θfs1=θfs2=θfs3=60°>45°の場合には、順方向損失(IL)が0〜33dBの範囲において10dB以上の逆方向損失(ISO)が得られる。
【0078】
図10は、図8に示す構成において、飽和回転角θfs1=45°、θfs2=60°、θfs3=90°、第1及び第2の偏光子60、62間の相対角度φ1=45°、第2及び第3の偏光子62、64間の相対角度φ2=60°、第3及び第4の偏光子64、66間の相対角度φ3=90°とした場合のグラフである。図10は回折損失のない場合のデータを示している。図10に示す場合には、順方向損失(IL)が0〜50dB近くの範囲において25dB以上の逆方向損失(ISO)が得られる。
【0079】
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、ファラデー回転子の段数を2段及び3段の場合で説明したが、本発明はこれに限らず、4段以上にすることももちろん可能である。
【0080】
なお、本願では、光アッテネータ機能と共に光アイソレータ機能を有する装置の名称を光アイソレータ機能付き可変光アッテネータとしたが、本発明は装置名称に拘束されず、例えば、可変光アッテネータ機能付き光アイソレータ等の名称を有する均等構成の装置にももちろん適用できる。
【0081】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、小型、低価格であって高性能、高信頼性を有する光アイソレータ機能付き可変光アッテネータを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による光アイソレータ機能付き可変光アッテネータの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態による光アイソレータ機能付き可変光アッテネータの概略構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態による光アイソレータ機能付き可変光アッテネータによる順方向損失(IL)、逆方向損失(ISO)、及び合成逆方向損失(IL+ISO)のグラフを示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態による光アイソレータ機能付き可変光アッテネータによる順方向損失(IL)、逆方向損失(ISO)、及び合成逆方向損失(IL+ISO)のグラフを示す図である。
【図5】本発明の一実施の形態による光アイソレータ機能付き可変光アッテネータによる順方向損失(IL)、逆方向損失(ISO)、及び合成逆方向損失(IL+ISO)のグラフを示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態による光アイソレータ機能付き可変光アッテネータによる順方向損失(IL)、逆方向損失(ISO)、及び合成逆方向損失(IL+ISO)のグラフを示す図である。
【図7】本発明の一実施の形態による光アイソレータ機能付き可変光アッテネータによる順方向損失(IL)、逆方向損失(ISO)、及び合成逆方向損失(IL+ISO)のグラフを示す図である。
【図8】本発明の一実施の形態による光アイソレータ機能付き可変光アッテネータの変形例に係る概略構成を示す図である。
【図9】本発明の一実施の形態による光アイソレータ機能付き可変光アッテネータによる順方向損失(IL)、逆方向損失(ISO)、及び合成逆方向損失(IL+ISO)のグラフを示す図である。
【図10】本発明の一実施の形態による光アイソレータ機能付き可変光アッテネータによる順方向損失(IL)、逆方向損失(ISO)、及び合成逆方向損失(IL+ISO)のグラフを示す図である。
【図11】従来の可変光アッテネータの概略構成を示す図である。
【図12】図11に示す可変光アッテネータによる順方向損失(IL)、逆方向損失(ISO)、及び合成逆方向損失(IL+ISO)のグラフを示す図である。
【図13】図11に示す可変光アッテネータによる順方向損失(IL)、逆方向損失(ISO)、及び合成逆方向損失(IL+ISO)のグラフを示す図である。
【図14】図11に示す可変光アッテネータによる順方向損失(IL)、逆方向損失(ISO)、及び合成逆方向損失(IL+ISO)のグラフを示す図である。
【図15】図11に示す可変光アッテネータによる順方向損失(IL)、逆方向損失(ISO)、及び合成逆方向損失(IL+ISO)のグラフを示す図である。
【図16】図11に示す可変光アッテネータによる順方向損失(IL)、逆方向損失(ISO)、及び合成逆方向損失(IL+ISO)のグラフを示す図である。
【図17】図11に示す可変光アッテネータによる順方向損失(IL)、逆方向損失(ISO)、及び合成逆方向損失(IL+ISO)のグラフを示す図である。
【図18】図11に示す可変光アッテネータによる順方向損失(IL)、逆方向損失(ISO)、及び合成逆方向損失(IL+ISO)のグラフを示す図である。
【図19】図11に示す可変光アッテネータによる順方向損失(IL)、逆方向損失(ISO)、及び合成逆方向損失(IL+ISO)のグラフを示す図である。
【符号の説明】
1、50 光アイソレータ機能付き可変光アッテネータ
10、60 第1の偏光子
12、62 第2の偏光子
14、64 第3の偏光子
20、70 第1のファラデー回転子
22、72 第2のファラデー回転子
30、80、81 永久磁石
32、82 電磁石
32a ヨーク
32b コイル
32c 光導入窓
66 第4の偏光子
74 第3のファラデー回転子
100 可変光アッテネータ

Claims (4)

  1. 少なくとも3個の偏光子と、
    隣合う前記偏光子間にそれぞれ挟まれた少なくとも2個のファラデー回転子と、
    全ての前記ファラデー回転子に同時に可変磁界を印加する少なくとも1個の磁石と
    を有することを特徴とする光アイソレータ機能付き可変光アッテネータ。
  2. 請求項1記載の光アイソレータ機能付き可変光アッテネータであって、
    前記ファラデー回転子は、
    飽和磁界が印加されたときのファラデー回転角が45°以上であること
    を特徴とする光アイソレータ機能付き可変光アッテネータ。
  3. 請求項2記載の光アイソレータ機能付き可変光アッテネータであって、
    前記ファラデー回転角の平均値が50°以上70°以下であること
    を特徴とする光アイソレータ機能付き可変光アッテネータ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光アイソレータ機能付き可変光アッテネータであって、
    前記磁石は、
    前記ファラデー回転子の光軸方向に飽和磁界を印加する永久磁石と、
    前記飽和磁界の向きと逆方向に可変磁界を印加する電磁石とを有していること
    を特徴とする光アイソレータ機能付き可変光アッテネータ。
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