JPWO2002073316A1 - 微細パターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
F2エキシマーレーザー光のような短波長の露光光に対して透明性の高い材料を用いて実用性の高い感光性組成物をレジストとして用いた微細パターン形成方法であって、基板あるいは基板上の所定の層の上に、少なくとも、光の照射により酸を発生する化合物と、分子構造中にフッ素原子を含有する化合物を含む感光性組成物を用いて感光性層を形成する工程と、前記感光性層の所定の領域に選択的にエネルギー線を照射して露光する工程と、前記露光後の感光性層を熱処理する工程と、前記熱処理後の感光性層を現像処理して、前記感光性層の露光部分または未露光部分を選択的に除去して微細パターンを形成する工程とを含むことを特徴とする微細レジストパターン形成方法を提供する。
Description
技術分野
本発明は、半導体装置の製造等における微細パターンの形成方法に関するものである。
背景技術
半導体集積回路をはじめとする各種の電子部品は超微細加工が必要とされ、その加工技術にはレジストが広く用いられている。また、電子部品の多機能化、高密度化に伴い、形成されるレジストパターンの超微細化が求められている。こうした超微細化パターンの加工に用いられるレジストとしては、例えば、特開昭63−27829号公報などに開示されているような化学増幅型レジストが挙げられる。
この化学増幅型レジストは、ポジ型とネガ型とに大別することができる。
ポジ型の化学増幅型レジストは、例えばアルカリ可溶性樹脂と可溶性抑止剤と酸発生剤との3成分、またはアルカリ可溶性樹脂に溶解抑止効果を有する基(溶解抑止基)を導入したものと酸発生剤との2成分を含有する組成物であり、未露光の状態では、溶解抑止基によってアルカリ現象液への溶解性が抑えられている。
基板上に形成されたレジスト膜に光、X線または高エネルギー電子線等を照射すると、露光部においては酸発生剤が分解して酸が発生し、さらに、露光後加熱処理を施すことにより、この酸が触媒として作用して溶解抑止剤が分解される。したがって、溶解抑止剤が分解された露光部を現像液で溶解除去することによって、所定のパターンを形成することができる。
一方、ネガ型の化学増幅型レジストは、例えば、酸発生剤と酸によって架橋する置換基を有する化合物と、必要に応じてアルカリ可溶性樹脂とを含む組成物である。ネガ型の場合も前述のポジ型の場合と同様に、基板上に形成されたレジスト膜に光、X線または高エネルギー電子線等を照射すると、露光部分では、酸発生剤から酸が発生する。引き続いて露光後加熱処理を施すことによって、この酸が架橋を促進するので露光部分のアルカリ可溶性が低下する。したがって、現像処理を行なうことにより、こうして架橋した露光部分が残存し、未露光部分が溶解除去されてパターンが形成される。
こうしたレジストを用いてパターンを形成する際の露光装置としては、通常ステッパーと呼ばれる縮小投影型露光装置が一般に用いられる。近年の電子部品の多機能化、高密度化の飛躍的な進行に伴って、より微細な回路が要求されるので、形成されるパターンの微細化が必要となってきている。
前述したような露光装置では、光学像を基板に投影して加工が行なわれるため、その解像性の限界は露光に用いる光の波長に依存している。より微細な加工を行なうために露光に用いる光源の短波長化が進んでおり、来るべきギガビットメモリ時代以降のデバイスの製造には、波長157nmのF2エキシマレーザーを光源とすることが主流となるのは必須である。したがって、F2エキシマレーザーを露光光源として用いて、微細パターンの形成可能な化学増幅型レジストの開発が開始されている。
しかしながら、従来のレジストに用いられてきた材料は波長157nmのF2エキシマーレーザー光に対する吸収が大きく、かかる材料を用いた感光性組成物の露光にF2エキシマーレーザー光を用いた場合には、露光光がレジストの基部まで充分な量到達しないため、基板上に形成された感光性組成物の深さ方向に均一な露光ができず、解像性を高めることが困難であった。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、F2エキシマーレーザー光のような短波長の露光光に対して透明性の高い材料を用いて実用性の高い感光性組成物をレジストとして用いた微細パターン形成方法を提供することを目的とするものである。
発明の開示
本発明は、基板あるいは基板上の所定の層の上に、少なくとも光の照射により酸を発生する化合物と、酸によって分解する成分とを含む感光性層を形成する工程と、前記感光性層の所定の領域に選択的にエネルギー線を照射して露光する工程と、前記露光後の感光性層を熱処理する工程と、前記熱処理後の感光性層を現像処理して、前記感光性層の露光部分または未露光部分を選択的に除去して微細パターンを形成する工程とを含む微細レジストパターン形成方法に関するもので、そこで用いられる感光性組成物に含まれる酸によって分解する成分が、その分子構造中にフッ素原子を含有する化合物であることを特徴とするものである。
なかでも、前記フッ素原子を含有する化合物が主鎖に環状構造を有し、かつ酸の作用によってカルボキシル基に変換する酸解離性官能基を有する含フッ素共重合体であって、含フッ素重合体が式(1):
−(M1)−(M2)−(M3)−(A1)− (1)
(式中、
構造単位M1が、炭素数2または3のエチレン性単量体であって少なくとも1個のフッ素原子を有する単量体に由来する構造単位
構造単位M2が、M1と共重合可能なフッ素原子に置換されていても良い環状の脂肪族不飽和炭化水素に由来する構造単位
構造単位M3が
(式中、Y1は酸解離性官能基;X1、X2は同じかまたは異なりHまたはF;X3はH、F、Cl、CH3またはCF3;X4およびX5は同じかまたは異なり、H、FまたはCF3;Rfは炭素数1〜40の含フッ素アルキレン基または炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキレン基、aは0〜3の整数;b、cおよびdは同じかまたは異なり、0または1)で示される構造単位構造単位A1は(M1)、(M2)、(M3)と共重合可能な単量体に由来する構造単位)で示され、M1が5〜70モル%、M2が5〜70モル%、M3が5〜75モル%、A1が0〜50モル%の含フッ素共重合体であることが好ましい。
またさらにフッ素原子を含有する化合物が主鎖に環状構造を有し、かつ酸の作用によってカルボキシル基に変換する酸解離性官能基を有する含フッ素共重合体であって、含フッ素共重合体が式(2)
−(M1)−(M4)−(A2)− (2)
(式中、
構造単位M1は炭素数2または3のエチレン性単量体であって少なくとも1個のフッ素原子を有する単量体に由来する構造単位
構造単位M4が、M1と共重合可能なフッ素原子に置換されていても良い環状の脂肪族不飽和炭化水素であって酸解離性官能基Y2を有する単量体に由来する構造単位
構造単位A2は(M1)、(M4)と共重合可能な単量体に由来する構造単位)で示され、M1が5〜70モル%、M4が5〜60モル%、A2が0〜50モル%の含フッ素共重合体であることが好ましい。
かかる含フッ素共重合体中の酸解離性官能基Y1、Y2は−C(CH3)3であることが好ましい。
かかる含フッ素共重合体中の酸解離性官能基を有する構造単位は含フッ素共重合体を構成する全構造単位に対して15モル%以上含むことが好ましい。
さらに含フッ素共重合体の酸解離性官能基の一部を解離させ、カルボキシル基に変換したものを用いることが好ましい。
またさらに含フッ素共重合体の酸解離性官能基の一部を解離させ、カルボキシル基を含フッ素共重合体を構成する全構造単位に対して1モル%以上、15モル%未満の範囲で含有させたものを用いることが好ましい。
本発明の微細レジストパターン形成方法においては、エネルギー線としてF2エキシマーレーザー光を用いるのが好ましい。
本発明の微細レジストパターン形成方法においては、エネルギー線としてArFエキシマーレーザー光を用いるのが好ましい。
本発明の微細レジストパターン形成方法においては、エネルギー線としてKrFエキシマーレーザー光を用いるのが好ましい。
本発明の微細レジストパターン形成方法においては、エネルギー線として高エネルギー電子線を用いるのが好ましい。
本発明の微細レジストパターン形成方法においては、エネルギー線として高エネルギーイオンビームを用いるのが好ましい。
本発明の微細レジストパターン形成方法においては、エネルギー線としてエックス線を用いるのが好ましい。
本発明の微細レジストパターン形成方法においてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを溶剤とする感光性組成物を用いて基板上に塗布することをが好ましい。
本発明の微細レジストパターン形成方法において乳酸エチルを溶剤とする感光性組成物を用いて基板上に塗布することをが好ましい。
本発明は、基板あるいは基板上の所定の層の上に、上記のいずれかの方法により微細レジストパターンを形成したあと、この微細レジストパターンを介して前記基板あるいは前記所定の層をエッチングすることにより所望の回路パターンを形成する工程を含むことを特徴とする微細回路パターン形成方法に関するものである。
発明を実施するための最良の形態
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の前提となる化学増幅型レジストには、ポジ型とネガ型とがある。
ポジ型の化学増幅型レジストには、例えば、アルカリ可溶性樹脂と、可溶性抑止剤と、酸発生剤との3成分を含む組成物がある。あるいは、アルカリ可溶性樹脂に溶解抑止効果を有する基(溶解抑止基)を導入したものと、酸発生剤との2成分を含有する組成物がある。このようなポジ型の化学増幅型レジストでは、未露光の状態では、可溶性抑止剤(または溶解抑止基)によってアルカリ現象液への溶解性が抑えられている。
本発明はこのような感光性組成物に、精細な微小パターン形成のために、F2エキシマーレーザー光のような短波長の露光光に対して透明性の高い選択された材料を含むことを基本とするものである。
以下に、まず本発明における透明性の高い高分子材料について説明する。
本発明の微細パターン形成方法に用いる感光性組成物(感光性樹脂)はその分子構造中にフッ素原子を含む化合物を用いることが特徴である。
言い換えれば、本発明の微細パターン形成方法に用いる材料としては、主鎖に環状構造を有し、かつ酸の作用によってカルボキシル基に変換する酸解離性官能基を有する含フッ素共重合体であり
好ましい第一の含フッ素共重合体としては下記の一般式(1)で表される含フッ素重合体が好ましい。
−(M1)−(M2)−(M3)−(A1)− (1)
(式中、
構造単位M1が、炭素数2または3のエチレン性単量体であって少なくとも1個のフッ素原子を有する単量体に由来する構造単位
構造単位M2が、M1と共重合可能なフッ素原子に置換されていても良い環状の脂肪族不飽和炭化水素に由来する構造単位
構造単位M3が
(式中、Y1は酸解離性官能基;X1、X2は同じかまたは異なりHまたはF;X3はH、F、Cl、CH3またはCF3;X4およびX5は同じかまたは異なり、H、FまたはCF3;Rfは炭素数1〜40の含フッ素アルキレン基または炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキレン基、aは0〜3の整数;b、cおよびdは同じかまたは異なり、0または1)であり、
組成比率はM1が5〜70モル%、M2が5〜70モル%、M3が5〜75モル%、A1が0〜50モル%から選ばれるものである。
この含フッ素共重合体は、M3で示された酸解離性の官能基を有するエチレン性単量体の構造単位を必須成分として有するもので、酸の作用によってM3中の酸解離性官能基がカルボキシル基に変換され、重合体にアルカリ水溶液(現像液)に対する溶解性を付与するものである。
これは、M3の構造を選択することによって、共重合性も良好で、酸解離性官能基をポリマー中に高濃度に導入でき酸解離後のアルカリ水溶液(現像液)溶解性を良好に出来る点で好ましい。また、M3の側鎖に−Rf−を導入することも可能であり、ポリマーの透明性を向上できる点で好ましい。
また好ましい第二の含フッ素共重合体としては下記の一般式(2)
−(M1)−(M4)−(A2)− (2)
(式中、
構造単位M1は炭素数2または3のエチレン性単量体であって少なくとも1個のフッ素原子を有する単量体に由来する構造単位、
構造単位M4が、M1と共重合可能なフッ素原子に置換されていても良い環状の脂肪族不飽和炭化水素であって酸解離性官能基Y2を有する単量体に由来する構造単位
構造単位A2は(M1)、(M4)と共重合可能な単量体に由来する構造単位)であり、組成比率はM1が5〜70モル%、M4が5〜60モル%、A2が0〜50モル%から選ばれるものである。
この含フッ素共重合体は環状の脂肪族不飽和炭化水素自体に酸解離性官能基を有する単量体の構造単位M4が必須成分として有するもので、酸の作用によってM4中の酸解離性官能基がカルボキシル基に変換され、重合体にアルカリ水溶液(現像液)に対する溶解性を付与するものである。これは、ガラス転移点を高くすることができ、またさらに透明性とともに、耐ドライエッチ性を向上できる点で好ましい。
式(1)、(2)の含フッ素共重合体において、構造単位M1は含フッ素エチレン性単量体からなるもので共重合体に良好な透明性、特に短波長の紫外線(たとえば157nm)に対する透明性を向上させる効果を与えうる点で好ましい。
構造単位M1を構成する単量体として具体的には、
なかでも、共重合性が良好でかつ透明性を付与する効果が高い点で、
CF2=CF2、CF2=CFCl、が好ましい。
式(1)の含フッ素共重合体において、構造単位M2は環状の脂肪族不飽和炭化水素からなるもので、上記M1を構成する含フッ素エチレン性単量体と共重合可能なものが選ばれる。これらM2を導入することで、透明性に加えて耐ドライエッチ性を向上させることが出来る点で好ましい。
また構造単位M2の水素原子の一部またはすべてをフッ素原子に置換したものであっても良く、重合体にさらなる透明性を付与できる点で好ましい。
構造単位M2を構成する単量体として具体的には
含フッ素脂環式単量体:
式:
(式中、A、B、CおよびDはH、F、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10の含フッ素アルキル基、mは0〜3の整数。ただし、A〜Dのいずれか1つはフッ素原子を含む)
具体的には、
などがあげられる。
そのほか、
などもあげられる。
式(1)の含フッ素共重合体において、構造単位M3は酸の作用によってカルボキシル基に変換する酸解離性官能基を有するエチレン性単量体からなるものであって、フッ素原子を含んでいても、含まなくても良い。
フッ素原子を含まないもの(d=0)としては、具体的には
アクリル系単量体
マレイン酸系単量体
アリル系単量体
スチレン系
などが挙げられ、
また主鎖にフッ素原子を含むもの(d=0)として
フッ素アクリル系単量体
含フッ素アリル系
含フッ素スチレン系
などが挙げられ、
側鎖にフルオロアルキル基(d=1)を有するものとして、
好ましくはM3−1
具体的には
さらに具体的には、
などがあげられる。
また好ましくはM3−2
具体的には
さらに具体的には、
などがあげられる。
そのほか、(M3)を構成する単量体としては
などがあげられ、より具体的には、
などがあげられる。
式(2)の含フッ素共重合体において、構造単位M4はM1を構成する含フッ素エチレン性単量体と共重合可能な環状の脂肪族不飽和炭化水素からなるものであって、さらに酸でカルボキシル基に変換できる酸解離性官能基を有するものである。これらM4を導入することで、アルカリ水溶液(現像液)可溶性の機能と透明性、耐ドライエッチ性の機能を併せ持つことができ、ポリマー全体の耐ドライエッチ性をより向上させることができる点で好ましい。
構造単位M4を構成する単量体は具体的には
脂環式単量体:
さらに構造単位M4の水素原子の一部またはすべてをフッ素原子に置換したものであっても良く重合体にさらなる透明性を付与できる点で好ましい。
具体的には
(式中、A、BおよびCはH、F、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10の含フッ素アルキル基、Rは炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の含フッ素アルキレン基または炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキレン基、aは0または1〜3の整数、bは0または1、Y2は酸解離性の官能基。ただし、bが0またはRがフッ素原子を含まない場合はA〜Cのいずれか1つはフッ素原子または含フッ素アルキル基である)で表わされる含フッ素単量体があげられる。
これらのなかでも、A、B、Cのいずれかがフッ素原子であることが好ましく、またはA〜Cにフッ素原子が含まれない場合はRのフッ素含有率が60%以上であることが好ましく、さらにはパーフルオロアルキル基であることが、重合体に透明性を付与できる点で好ましい。
具体的には、
などがあげられる。
または、
(式中、A、BおよびCはH、F、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10の含フッ素アルキル基、Rは炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の含フッ素アルキレン基または炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキレン基、aは0または1〜3の整数、bは0または1、Y2は酸解離性の官能基である)で表わされる含フッ素単量体があげられる。
具体的には、
などのノルボルネン骨格を有するものが好ましくあげられる。
そのほか、
などもあげられる。
式(1)、(2)の重合体において構造単位A1、A2は任意成分であって、他の構造単位を構成するための単量体と共重合できるものから選ばれる。
例えば、
アクリル系単量体(ただしM1およびM2を与える単量体は除く):
スチレン系単量体:
エチレン系単量体:
マレイン酸系単量体:
アリル系単量体:
アリルエーテル系単量体:
その他の単量体:
より具体的には、
などが挙げられる。
以上に述べた本発明の式(1)、(2)の含フッ素共重合体において、酸解離性官能基Y1、Y2は三級炭素を有する炭化水素基から選ばれるものであって、その三級炭素が直接カルボキシル基に結合した構造を取り得るものであれば良い。例えば、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、アダマンチル基、エチルアダマンチル基などが挙げられるが、酸解離反応性が特に良好な点でt−ブチル基:−C(CH3)3が好ましい。
本発明の式(1)、(2)の含フッ素共重合体は、酸による解離反応後に得られるカルボキシル基含有共重合体が現像液に対して充分な溶解性を有する必要がある。そのために必要な酸解離性官能基の含有率は重合体の構成成分(単量体の種類)や分子量などにより左右され、異なるが含フッ素共重合体を構成する全構造単位に対して15モル%以上であることが好ましく、さらには20モル%以上、より好ましくは、25%以上含有することである。
本発明者らは、酸解離性官能基を有する含フッ素重合体を用いたレジスト組成物の検討、それを用いたレジストパターン形成の検討において、含フッ素重合体がシリコンウエハ基材への密着性が乏しく、現像時の剥離、微細レジストパターンの亀裂の発生、などの問題点を見出した。
またさらに、レジスト塗膜表面の撥水性が高く、パドル現像時に現像液がはじき、現像液がなじまず、均質な現像が得られないという問題も合わせて見出した。
本発明者らは、これら問題点を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、本発明の含フッ素共重合体における酸解離性官能基の一部を解離させ、カルボキシル基とすることで上記二つの問題点を解決できることを見出した。つまり、含フッ素共重合体として、ごく一部でも部分解離(または部分脱保護とも言う)したものを用いることで、基材との密着性が改善され、かつ現像液のはじきも改善され均一な現像が可能となることを見出した。
本発明の含フッ素共重合体において酸解離性官能基を解離(脱保護)させカルボキシル基へ存在させる割合は、共重合体の種類、組成等により異なるが、解離後のカルボキシル基を含フッ素共重合体を構成する全構造単位に対して0.5モル%以上、15モル%未満の範囲で存在させたものを用いることが好ましい。より好ましくは1〜10モル%、さらに好ましくは2〜5モル%である。解離率(脱保護率)が高くなりすぎて、カルボキシル基の含有率が高くなりすぎると、現像時、未露光部分も可溶化してしまい、レジストパターンが形成できなくなる。
解離率(脱保護率)が低すぎてカルボキシル基の含有量が少なすぎると、基材密着性、現像の均一性に対する効果が不充分となる。
次に、本発明の感光性組成物における酸発生剤について説明する。
本発明で用いる感光性組成物において、エネルギー線の照射によって酸を発生する化合物(酸発生剤)としては、例えばF2エキシマーレーザー光等の短波長の光や高エネルギー電子線、イオン線、X線等の照射によって酸を発生する任意の化合物および混合物を用いることができる。
かかるエネルギー線の照射によって酸を発生する化合物(酸発生剤)としては、例えば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、CF3SO3、p−CH3PhSO3、p−NO2PhSO3(ただし、phはフェニル基)等の塩、有機ハロゲン化合物、オルトキノン−ジアジドスルホニルクロリド、またはスルホン酸エステル等を挙げることができる。
前記有機ハロゲン化合物は、ハロゲン化水素酸を形成する化合物であり、かかる化合物は、米国特許第3,515,551号、米国特許第3,536,489号、米国特許第3,779,778号および西ドイツ特許公開公報第2,243,621号等に開示されたものが挙げられる。
前記記載の他の光の照射により酸を発生する化合物は、特開昭54−74728号、特開昭55−24113号、特開昭55−77742号、特開昭60−3626号、特開昭60−138539号、特開昭56−17345号および特開昭56−36209号に開示されている。
このような化合物を具体的に例示すると、ジ(p−ターシャリ−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ベンゾイントシレート、オルトニトロベンジルパラトルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリ(ターシャリ−ブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ベンゼンジアゾニウムパラトルエンスルホネート、4−(ジ−n−プロピルアミノ)−ベンゾニウムテトラフルオロボレート、4−p−トリル−メルカブト−2,5−ジエトキシ−ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、ジフェニルアミン−4−ジアゾニウムサルフェート、4−メチル−6−トリクロロメチル−2−ピロン、4−(3,4,5−トリメトキシ−スチリル)−6−トリクロロメチル−2−ピロン、4−(4−メトキシ−スチリル)−6−(3,3,3−トリクロロ−プロペニル)−2−ピロン、2−トリクロロメチル−ベンズイミダゾール、2−トリブロモメチル−キノリン、2,4−ジメチル−1−トリブロモアセチル−ベンゼン、4−ジブロモアセチル−安息香酸、1,4−ビス−ジブロモメチル−ベンゼン、トリス−ジブロモメチル−S−トリアジン、2−(6−メトキシ−ナフチル−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(ナフチル−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(ナフチル−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−エトキシエチル−ナフチル−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(ベンゾピラニ−3−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−メトキシ−アントラシ−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(フェナンチ−9−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド等がある。スルホン酸エステルとしては、ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸−2,6−ジニトロベンジルエステル等を挙げることができる。
前記化学放射線の照射により酸を発生し得る化合物(酸発生剤)としては、特にo−キノンジアジド化合物を用いることが好ましい。前記o−キノンジアジド化合物は、特に限定されないが、o−キノンジアジドスルホン酸とフェノール化合物とのエステルが好ましい。o−キノンジアジドスルホン酸とフェノール化合物とのエステルは、常法にしたがってo−キノンジアジドスルホン酸クロライドとフェノール化合物とを反応きせることによって得ることができる。
前記o−キノンジアジドスルホン酸クロライドとしては、例えば1−ベンゾフェノン−2−ジアゾ−4−スルホン酸クロライド、1−ナフトキノン−2−ジアゾ−5−スルホン酸クロライド、1−ナフトキノン−2−ジアゾ−4−スルホン酸クロライド等を用いることができる。
前記フェノール化合物としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ヒドロキシベンゾフェノン、3,3,3′,3′−テトラメチル−1,1′−スビロビインダ5,6,7,5′,6′,7′−ヘキサノール、フェノールフタレイン、p−ヒドロキシベンジリデンマロン酸ジメチル、p−ヒドロキシベンジリデンマロン酸ジニトリル、シアノフェノール、ニトロフェノール、ニトロソフェノール、ヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシ安息香酸メチル、ポリビニルフェノール、ノボラック樹脂等を用いることができる。このようなo−キノンジアジド化合物を以下の式(3)〜式(7)に具体的に例示する。
式(3)
式(4)
式(5)
式(6)
式(7)
前記o−キノンジアジド化合物の中で特に1−ナフトキノン−2−ジアゾ−4−スルホン酸エステルが好適である。かかるエステルはJ.J.Grimwaid,C.Gal,S.Eidelman,SPIE Vol.1262,Advances in Resist Technology and Processing VI1,p444(1990)で発表されているように光照射によりカルボン酸と、カルボン酸よりも強い酸であるスルホン酸を生じることが知られており、触媒作用が大きく特に有効である。
また、前記化学放射線の照射により酸を発生する化合物(酸発生剤)としては、下記の式(8)、式(9)、式(10)でそれぞれ示す一般式(A−1)、(A−2)または(A−3)で表わされる化合物もまた好適に用いられる。
式(8)
上記一般式(A−1)中、R31は一価の有機基、またはハロゲン原子、ニトロ基、およびシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種が導入された一価の有機基を示し、R32、R33およびR34は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、一価の有機基、またはハロゲン原子、ニトロ基およびシアノ基からなる群から選択された少なくとも一種が導入された一価の有機基を表す。
式(9)
上記一般式(A−2)中、R41およびR43は、それぞれ独立に一価の有機基、またはハロゲン原子、ニトロ基、およびシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種が導入された一価の有機基を示し、R42はスルホルニ基またはカルボニル基を表す。
式(10)
上記一般式(A−3)中、R51、R52およびR55は、それぞれ独立に一価の有機基、または、ハロゲン原子、ニトロ基、およびシアノ基からなる群から選はれた少なくとも1種が導入された一価の有機基を示し、R53は水素原子、一価の有機基、またはハロゲン原子、ニトロ基、およびシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種が導入された一価の有機基を示し、R54はスルホニル基、スルフィニル基、硫黄原子、またはカルボニル基を表す。
この前記一般式(A−1)の化合物に、R31、R32、R33およびR34として導入される一価の有機基の具体例としては、アリル、アニシル、アントラキノリル、アセトナフチル、アンスリル、アズレニル、ベンゾフラニル、ベンゾキノリル、ベンゾキサジニル、ベンゾキサゾリル、ベンジル、ビフェニレニル、ボルニル、ブテニル、ブチル、シンナミル、クレゾトイル、クメニル、シクブタンジエニル、シクロブテニル、シクロブチル、シクロペンタジエニル、シクロペンタトリエニル、シクロヘプチル、シクロヘキセニル、シクロペンチル、シクロプロピル、シクロプロペニル、デシル、ジメトキシフェネチル、ジフェニルメチル、ドコシル、ドデシル、エイコシル、エチル、フルオレニル、フルフリル、ゲラニル、ヘプチル、ヘキサデシル、ヘキシル、ヒドロキシメチル、インダニル、イソブチル、イソプロピル、イソプロピルベンジル、イソキアゾリル、メンチル、メシチル、メトキシベンジル、メトキシフェニル、メチル、メチルベンジル、ナフチル、ナフチルメチル、ノニル、ノルボニル、オクタコジル、オクチル、オキサジニル、オキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリル、ベンチル、フェナシル、フェナンスリル、フェネチル、フェニル、フタリジル、プロビニル、プロピル、ピラニル、ピリジル、キナゾニル、キノリル、サリシル、テレフタリル、テトラゾリル、チアゾリル、チアフテニル、チエニル、トリル、トリチル、トリメチルシリルメチル、トリメチルシリルオキシメチル、ウンデシル、バレリル、ベラチル、キシリル等が挙げられる。
また、ハロゲン原子、ニトロ基、およびシアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種が導入された1価の有機基としては、以上に列挙した基の水素原子が置換されてなるものが挙げられる。
前記一般式(A−1)の化合物の具体例としては、フェニルメチルスルホン、エチルフェニルスルホン、フェニルプロピルスルホン、メチルベンジルスルホン、ベンジルスルホン(ジベンジルスルホン)、メチルスルホン、エチルスルホン、ブチルスルホン、メチルエチルスルホン、メチルスルホニルアセトニトリル、フェニルスルホニルアセトニトリル、トルエンスルホニルアセトニトリル、ベンジルフェニルスルホン、ニトロフェニルスルホニルアセトニトリル、フロロフェニルスルホニルアセトニトリル、クロロフェニルスルホニルアセトニトリル、メトキシフェニルスルホニルアセトニトリル、αメチルフェニルスルホニルアセトニトリル、エチルスルホニルアセトニトリル、メチルチオメチルp−トルイルスルホン、フェニルスルホニルアセトフェノン、フェニルスルホニルプロピオニトリル、フェニルスルホニルプロピオン酸およびそのエステル化合物、プロモメチル−2−(フェニルスルホニルメチル)ベンゼン、ナフチルメチルスルホン、1−メチル−2−((フェニルスルホニル)メチル)ベンゼン、トリメチル−3−フェニルスルホニル)オルトプロピオネート等が挙げられる。
本発明において、前記一般式(A−1)の化合物であって、R32、R33およびR34のうち少なくとも1個が電気吸引性基であるものが好ましく、特にシアノ基であるものは、露光時の酸発生効率が高く、感光性粗成物(レジスト)の感度を向上させる点で好ましい。
また、R32、R33およびR34の少なくとも1つが水素原子である化合物は、アルカリ溶解性が高く、レジストに対してアルカリ溶液を使用する現像処理を適用した場合に、スカムの発生を低減させる点で好ましい。
前記一般式(A−1)の化合物では、R31とR32、R33またはR34とが互いに結合して、あるいはR32、R33、R34が相互に結合して環を形成してもよい。この場合、誘導される環状化合物としては、フェニルスルホニルテトラヒドロピラン、フェニルスルホニルシクロヘキサン、3−フェニル 2H−チオピラン1、1−ジオキサイドおよび6−メチル3−フェニル2H−チオビラン1、1−ジオキサイドのようなチオピランジオキサイド化合物、トリメチレンスルホン、テトラメチレンスルホン、4−メチル−2,6,7−トリチアビシクロ[2,2,2]−オクタン−2,2,6,6,7,7−ヘキサオキサイドのようなビスサイクリックトリスルホン化合物、下記式(11)に示す化合物等が挙げられる。
式(11)
前記一般式(A−2)の化合物は、特定の炭素原子に、2個のスルホニル基が、または1個のスルホニル基および1個のカルボニル基が結合した有機化合物である。この化合物(A−2)にR41およびR43として導入される一価の有機基としては、上述した化合物(A−1)に導入される一価の有機基として例示した基と同様のものが挙げられる。また、これらの有機基の水素原子は、ハロゲン原子、ニトロ基、およびシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1個により置換されていてもよい。
前記化合物(A−2)の具体例としては、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(メチルスルホニル)メタン、ビス(エチルスルホニル)メタン、(メチルスルホニル)(フェニルスルホニル)メタン、フェニルスルホニルアセトフェノン、メチルスルホニルアセトフェノン等が挙げられる。
前記化合物(A−2)においても、R41とR43とが、互いに結合して環を形成してもよい。この場合、誘導される環状化合物としては、例えば下記の式(12)に示す環状スルホン化合物が挙げられる。
式(12)
本発明において、前記化合物(A−2)は、アルカリ可溶性、および露光時の酸発生効率が高く、感光性組成物(レジスト)の感度を向上させる点でより好ましい酸発生剤である。
酸発生剤として使用される前記化合物(A−3)は、特定の炭素原子に少なくとも2個のスルホニル基が、更に硫黄を含有する連結基または1個のカルボニル基が結合した有機化合物である。この化合物(A−3)にR51、R52、R53およびR55として導入される一価の有機基としては、上述した化合物(A−1)に導入される一価の有機基として例示した基と同様のものが挙げられる。更に、それらの有機基の水素原子は、ハロゲン基、ニトロ基およびシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1個、また水酸基、カルボキシル基、エステル化されたカルボキシル基により置換されてもよい。一方、R54としては、スルホニル基スルフィニル基、および硫黄原子が好ましい。
前記化合物(A−3)の具体例としては、トリス(フェニルスルホニル)メタン、フェニルチオ−ビス(フェニルスルホニル)−メタン、フェニルメルカプト−ビス(メチルスルホニル)−メタン、トリス(メチルスルホニル)メタン、トリス(エチルスルホニル)メタン、ビス(フェニルスルホニル)−メチルスルホニル−メタン、ビス(メチルスルホニル)−フェニルスルホニル−メタン、フェニルスルホニル−エチルスルホニル−メチルスルホニル−メタン、トリス(4−ニトロフェニルスルホニル)メタン、トリス(2,4−ニトロフェニルスルホニル)メタン、ビス(フェニルスルホニル)−(4−ニトロフェニルスホニル)−メタン、ビス(フェニルスルホニル)−(3−ニトロフェニルスルホニル)−メタン、ビス(フェニルスルホニル)−(2−ニトロフェニルスルホニル)−メタン、ビス(フェニルスルホニル)−(p−トリルスルホニル)−メタン、ビス(メチルスルホニル)−(4−ニトロフェニルスルホニル)−メタン、ビス(メチルスルホニル)−(4−クロロフェニルスルホニル)−メタン、ビス(フェニルスルホニル)−(4−クロロフェニルスルホニル)−メタン、1,1,1−トリス(フェニルスルホニル)エタン等が挙げられる。
上述したような化合物(A−1)、(A−2)または(A−3)にあっては、例えば、R31、R41およびR43の少なくとも1個、またはR51、R52およびR55の少なくとも1個が芳香族基であるものが、特にエキシマレーザによる露光が適用される場合、感光組成物のドライエッチング耐性、耐熱性を向上させる点で好ましい。この他、融点が50℃以上であり、かつ有機溶媒に対する溶解度の高い酸発生剤も好ましい。
一方前記化合物(A−1)、(A−2)または(A−3)が、それぞれスルホンアミド等の塩基性置換基を有するスルホニル化合物である場合、露光により発生する酸が失活することがある。また、スルホン酸等のアルカリ可溶性の大きい酸性基を有するスルホニル化合物である場合、感光性組成物の未露光部におけるアルカリ可溶性を過度に増大させることがある。従って、これらスルホニル化合物に関しては、本発明で用いる組成物における酸発生剤としての使用が著しく制限されることがある。
酸発生剤の配合量は、好ましくは感光性組成物全体100重量部に対して、0.05〜30重量部、より好ましくは0.1〜10重量部である。
この理由は、酸発生剤の配合量が少なすぎると、酸触媒反応を開始するに充分な酸が発生しないため、発生した酸による触媒反応が進行せず、感光性組成物に十分な感光性が付与されがたい。一方、酸発生剤の配合量が多すぎると、感光性組成物のガラス転移点や塗膜性が低下して、得られるレジストパターンの耐熱性や強度などが損なわれるおそれがあるためであり、また、現像後またはエッチング後に残滓が生ずるおそれがあるためである。
また、感光性組成物中の配合量が多すぎると、こうした感光性組成物を特に波長157nmのF2エキシマーレーザー光を用いて露光する際に、上記酸発生剤のうちいくつかは露光に用いる波長における吸光度が高いため感光性組成物の透過率をいちじるしく低下させしめ、均一露光が困難となるからである。
これらの酸発生剤は、単独でまたは2種類以上を混合して用いてもよい。
化学増幅型のレジストにおいて、塩基性物質を添加することにより感光性組成物中における酸の拡散する距離を制御し、解像性を上げる方法が知られている。本発明における感光性組成物においても同様の効果が期待される。この場合添加する塩基性物質の量は光酸発生剤100重量部に対して、好ましくは0.05〜10重量部、より好ましくは0.5から5重量部である。それより少ない場合は充分な効果を発生せしめることが出来ず、反対に多すぎる場合は発生する酸の多くを中和失活させるため、感光性組成物の感度が著しく低下するからである。
次に、本発明の感光性組成物における溶剤について説明する。
本発明で用いる感光性樹脂(感光性組成物)は、アルカリ可溶性樹脂と、F2エキシマーレーザー光などのエネルギー線の照射により酸を発生する化合物(酸発生剤)とを所定の溶媒に溶解することにより調製することができる。
かかる溶媒としては、通常、こうした感光性組成物の溶媒として用いられ得る溶媒であれば、特に限定される物ではないが、例えば、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン(2−ブタノン)、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、等のケトン系溶媒;メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶媒、ラクトン系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のグリコール系溶媒、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等があげられるがこれに限定されるものではない。
これらの溶媒は、単独で使用しても、2種類以上を混合して混合溶媒として使用してもよい。
また、これらの混合溶媒中には、例えばキシレン、トルエン等の芳香族炭化水素またはエタノール、イソプロピルアルコール(2−プロパノール)等の脂肪族アルコールやこれらから誘導される溶媒を適量含んでいてもよい。
上記の溶媒中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)が好ましい。これは感光性組成物中に微量に残った溶媒が感光性組成物の性能に影響するためであり、PGMEAの沸点、溶解度パラメータ、極性等が好適である。
同様にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)の他に乳酸エチルもまたかかる感光性組成物の溶媒として好ましい。
次に、本発明のパターン形成方法について図面を参照して説明する。
ここではフッ素樹脂を用いた感光性組成物をポジ型のレジストとして用いた場合について記述する。
図1は、フッ素樹脂を用いた感光性組成物を用いる本発明の微細パターン形成方法を示す断面図である。
まず、図1(a)に示すように基板11にフッ素樹脂を用いた感光性組成物を回転塗布法等によって0.01〜5μm、好ましくは0.05〜0.5μm、より好ましくは0.1〜0.3μmの膜厚で塗布する。
次いで、150℃以下、好ましくは80〜130℃の所定の温度でプリベーク処理を行って、樹脂層(感光性組成物の層)、すなわちレジスト層12を形成する。
なお、ここで用いられる前記基板としては、例えばシリコンウェハー、表面に各種の絶縁膜、電極および配線などが形成された段差を有するシリコンウェハー、マスクブランクス、GaAs、AlGaAs等のIII−V族化合物半導体ウェハーやII−VI族化合物半導体ウェハー、水晶、石英またはリチウムタンタレイト等の圧電体ウェハーなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。
次に、図1(b)に示すように、レジスト層12に所望のパターンを有するマスク13を介して、矢印15で示す如くF2エキシマーレーザー光などのエネルギー線を照射することによって、特定の領域14を選択的に露光する事によってパターン描画を行なう。
このとき、一般にエネルギー線(あるいは化学放射線)、すなわち、X線、高エネルギー電子線、シンクロトロン放射光、高圧水銀灯の特性線、F2以外のエキシマーレーザー光等を露光光として用いたり、マスクを用いずに電子線、イオンビーム線等を走査して前記レジスト膜を直接パターン露光することも可能であるが、F2エキシマーレーザーを露光光源として用いた場合に、本発明の効果がもっとも発揮される。
続いて、70〜160℃、好ましくは90〜140℃で30秒〜10分間程度の露光後ベーキングを行なうことによって、図1(c)に示した様に、レジスト膜の露光量域14に潜像16を形成させる。このとき、露光によって生じた酸が触媒として作用して溶解抑止基(可溶性抑止剤)が分解されるため、アルカリ溶解性が上昇しレジスト膜の露光部分がアルカリ水溶液に可溶化する。
次いで露光後ベーキングを行ったレジスト膜12に対してアルカリ水溶液で現像処理を行なうと、レジスト膜12の未露光部分はアルカリ水溶液に対する溶解性が低いため基板上に残存するが、一方上述したように露光部分14は現像液に溶解する。
次いで、純水、低級アルコール、またはそれらの混合物などで前記現像液を洗い流したあと、基板を乾燥させることにより、図1(d)に示すような所望のレジストパターン17を形成することができる。
ここではポジ型の化学増幅レジストの場合を示したが、ネガ型レジストに用いた場合にも、露光により発生した酸がアルカリ可溶性樹脂と架橋剤の反応や、置換基の構造を変化させてアルカリ不溶化する反応等に関与するため、上記ポジ型レジストの場合と同様に高い感度でパターンを形成できる等の効果が得られる。
また、ここで用いられるエネルギー線として、F2エキシマーレーザー光を用いた場合について記述したが、ArFエキシマーレーザー光もまた本発明の微細パターン形成方法に用いるエネルギー線として好適である。
また、KrFエキシマーレーザー光もまた本発明の微細パターン形成方法に用いるエネルギー線として好適である。
また、高エネルギー電子線もまた本発明の微細パターン形成方法に用いるエネルギー線として好適である。
また、高エネルギーイオンビームもまた本発明の微細パターン形成方法に用いるエネルギー線として好適である。
また、シンクロトロン放射光などから発生するX線もまた本発明の微細パターン形成方法に用いるエネルギー線として好適である。
なお、以上の例では、基板11の上にレジスト膜を形成する場合について説明したが、レジスト膜はいわゆる基板の直上に形成する場合に限定されるものではなく、密着性向上剤によって処理された基板上に形成してもよい。また、基板は半導体装置製造用に限定されるものではなく、電子装置製造用などのあらゆる基板を含むことは前述した。また基板上に導電膜あるいは絶縁膜など所定の層を設け、その上に形成してもよい。また、かかる基板上に例えばBrewer Science社製のDUV−30、DUV−32、DUV−42、DUV−44のごとき反射防止膜を施した上にレジスト膜を形成することも可能である。
ここで反射防止膜の役割を説明する。基板上に既に形成された下地膜に段差がある場合、この段差部で露光光が反射され、所望の形状のレジスト膜が形成できないという問題点がある。この問題点を解消するために、被加工層(下地層)の上面に露光光の反射を防止するための反射防止膜を設ける技術が知られている。すなわち米国特許第4,910,122号明細書に反射防止膜が開示しているが、これはフォトレジスト層のような感光層の下部に導入され、反射光による欠点を取り除く役割をする。この反射防止膜は光吸収染料を含んでおり均一な薄膜の形を持つものであり、この反射防止膜を導入すれば基板上の下地層から反射される光を吸収し鋭利な感光膜パターンが形成できる。一般的に反射防止膜に要求される反射率は10%以下であり、複素屈折率の1.0<n<3.0、0.4<k<1.3を満たす材料が好適である。
こうした反射防止膜には大別して無機膜と有機膜とがある。無機膜を反射防止膜として用いる場合、反射防止の技術としては、さらに2通りの方法がある。1つ目は、成膜条件によらず同じ屈折率をもつ膜を与える無機材料を用いを膜厚で反射防止能を制御する方法である。2つ目は、成膜条件によって屈折率が変化する無機材料を用い、下地基板に合わせて最適な屈折率を有する膜を成膜し、膜厚と屈折率から吸収と位相を制御して反射防止を行う方法である。1つ目の膜材料の代表例としてはTiN、TiONなどがあり、2つ目の膜材料の代表例としてはSiOx Ny:H、SiO2:Hなどがある。2つ目の方法を用いた反射防止方法は、屈折率の実部、虚部、さらに膜厚がパラメーターになるため、下地に対して反射防止作用を最適化しやすく、より大きな効果が得られる方法である。このように成膜条件によって屈折率をコントロールでき、適切な定在波低減を行なうことができる無機系反射防止膜は優れた反射防止技術である。
より具体的には、たとえばスパッタリング法などを用いて形成するTiNよりなる反射防止膜、プラズマCVD法により形成されるプラズマ窒化膜、化学的気相成長法(CVD法)やスパッタ法を用いて形成されるアモルファスカーボン(a−C:H)系反射防止膜などがある。これらの気相法で形成される反射防止膜は、高段差及び微細な段差を有するデバイスでもステップカバレージ性に優れているという利点がある。
上記気相法でなく、有機反射防止膜の基板への形成は、液状物を用いたスピンコート法あるいはディップコート法にて行なわれる。したがって有機系の反射防止膜は、レジスト膜と同じように塗布して形成できるため、反射防止膜の膜形成が容易であり、しかもレジスト膜の膜厚は段差の有無に係わらず一様になる傾向を有し、レジスト膜の膜厚変化に起因する寸法変動を抑制することが可能である。
有機材料を用いた反射防止膜は、一般にベース樹脂、光吸収色素、溶媒、界面活性剤からなる。光吸収色素は、ベース樹脂の主鎖に含まれる場合、樹脂の側鎖として存在する場合、あるいはモノマーとして溶液中に存在する場合がある。ベース樹脂としては、ノボラック系樹脂、ポリビニールフェノール系樹脂、これらの混合体、またはこれらのうち少なくとも1つを含むコポリマー系樹脂である。とくに、反射防止膜形成用溶液は水溶性であることが、ミキシング層が形成されない点で好ましい。具体的には水溶性膜形成成分を含有する塗布液が、後から形成されるレジスト層とミキシング層を形成しない点で好ましい。前記水溶性膜形成成分としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースヘキサヒドロフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテートヘキサヒドロフタレート、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース系重合体;N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N−メチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、アクリル酸などを単量体とする(メタ)アクリル酸系重合体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどのビニル系重合体などをあげることができる。これらの膜形成成分は単独で用いてもよく、また2種以上を組合せて用いてもよい。さらに、水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコールの他に、プルラン等の多糖類、ポリビニルピロリドン単独重合体等が挙げられる。
また、前記ポリマー溶液の溶媒は樹脂成分を溶解させ得るものなら例外なく用いられるが、特にアルコール、芳香族炭化水素、ケトンエステルおよび超純水よりなる群から選択された少なくとも1つであることが好ましい。
反射防止膜には、成膜性を向上させるために第3成分として界面活性剤を添加することがある。界面活性剤としては、ベタイン系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤、アミンカルボン酸塩系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤、またはこれらをフッ素置換した界面活性剤をあげることができる。界面活性剤の配合割合は、水溶液全体に対し0〜2重量%、特に0〜1重量%となる範囲が望ましい。
反射防止膜のベークは、空気中または酸素雰囲気下で、200〜400℃の温度範囲で30秒間ないし5分間程度行なわれることが望ましく、高温ベーク後の膜厚が1500オングストローム以下であることが好ましい。
また、反射防止膜製造用の組成物を塗布した後に、さらに溶媒除去のためのソフトベーク工程を行なうことができ、このソフトベーク工程は100〜250℃の温度範囲で30秒間ないし5分間程度行なうことが望ましい。
前記ソフトベーク工程の後、膜の厚さを調節する工程をさらに実施することもできる。この膜厚調整工程は、好ましくはアルコール、芳香族炭化水素、ケトン、エステルおよび超純水よりなる群から選択された少なくとも1つの溶媒を使用しソフトベークされた膜の上部を取り除くことによって実施することができる。
反射防止膜を用いない場合には、被加工基板上に直接、感光性組成物が塗布されることは既に述べた。この場合の基板材料としては、SOG(Spin On Glass)、SiN、SiON、Al、Ti、TiN、BPSG(リン・ホウ酸シリケートガラス)、酸化クロム、Pt等がある。化学増幅系のレジストの種類によってはパターン下部の食い込みや裾引きなどの現象が起こることがあるので、必要により、上記反射防止膜以外のアンダーコート膜を形成したり、基板を酸素プラズマ処理したり、各種表面処理を施してもよい。
また、このように形成した微細レジストパターンをマスクとして、その下の所定の層をエッチングして導電膜あるいは絶縁膜の所望の微細パターンを形成し、さらに他の工程を重ねて半導体装置など電子装置を製造することができる。これらの工程はよく知られているところであるから、説明は省略する。
以下に実施例および比較例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
合成例1(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた100mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの5.6g、HCFC−141bの40ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)0.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)12.0gを仕込み、40℃にて18時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の9.8kgf/cm2Gから9.5kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体5.7gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネンが50/50%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は3400であった。
合成例2(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンとtert−ブチル−αフルオロアクリレートとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた100mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの8.5g、tert−ブチル−αフルオロアクリレート1.9g、HCFC−141bの40ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)0.5gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)15.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の12.0kgf/cm2Gから10.5kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体8.7gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/tert−ブチル−αフルオロアクリレートが32/57/11モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は1900であった。
合成例3(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンとtert−ブチル−αフルオロアクリレートとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた100mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの12.0g、tert−ブチル−αフルオロアクリレート4.9g、HCFC−141bの40ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)0.5gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)15.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の12.0kgf/cm2Gから10.5kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体5.5gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/tert−ブチル−αフルオロアクリレートが31/30/39モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は4300であった。
合成例4(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンとtert−ブチル−αフルオロアクリレートとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた500mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの19.5g、tert−ブチル−αフルオロアクリレート17.0g、HCFC−141bの240ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)1.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)56.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の11.0kgf/cm2Gから10.2kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体28.5gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/tert−ブチル−αフルオロアクリレートが43/33/24モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は32000であった。
合成例5(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンとtert−ブチル−αフルオロアクリレートとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた500mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの9.5g、tert−ブチル−αフルオロアクリレート13.7g、HCFC−141bの240ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)1.5gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)18.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の12.0kgf/cm2Gから10.5kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後ヘキサンで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体19.5gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/tert−ブチル−αフルオロアクリレートが13/22/65モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は25000であった。
合成例6(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンとtert−ブチル−αフルオロアクリレートとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた500mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの19.7g、tert−ブチル−αフルオロアクリレート16.9g、HCFC−141bの240ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)1.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)56.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の10.1kgf/cm2Gから9.5kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後ヘキサンで再沈殿させ、共重合体を分離した。再沈殿後の恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体23.5gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/tert−ブチル−αフルオロアクリレートが11/19/70モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は31000であった。
合成例7(合成例6で得た共重合体の脱保護)
100mLナスフラスコに合成例6で得たノルボルネンとテトラフルオロエチレンとtert−ブチル−αフルオロアクリレートとの共重合体1.8gを塩化メチレン80gに溶解させ、トリフルオロ酢酸を1.2g加え室温で12時間撹拌した。反応後、過剰のトリフルオロ酢酸と塩化メチレンを減圧留去した。残った固体成分を蒸留水で数回洗い、テトラヒドロフランに溶かしてヘキサンで再沈殿し、共重合体を分離した。この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/tert−ブチル−αフルオロアクリレート/αフルオロアクリル酸が11/19/66/4モル%の共重合体であった。
合成例8(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンとtert−ブチル−αフルオロアクリレートとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた500mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの10.7g、tert−ブチル−αフルオロアクリレート16.9g、HCFC−141bの240ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)1.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)22.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の6.2kgf/cm2Gから5.5kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後ヘキサンで再沈殿させ、共重合体を分離した。再沈殿後の恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体23.5gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/tert−ブチル−αフルオロアクリレートが19/22/59モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は17000であった。
合成例9(合成例8で得た共重合体の脱保護)
100mLナスフラスコに合成例8で得たノルボルネンとテトラフルオロエチレンとtert−ブチル−αフルオロアクリレートとの共重合体5.0gを塩化メチレン80gに溶解させ、トリフルオロ酢酸を4.0g加え40℃で8時間撹拌した。反応後、過剰のトリフルオロ酢酸と塩化メチレンを減圧留去した。残った固体成分を蒸留水で数回洗い、テトラヒドロフランに溶かしてヘキサンで再沈殿し、共重合体を分離した。この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/tert−ブチル−αフルオロアクリレート/αフルオロアクリル酸が19/22/41/18モル%の共重合体であった。
合成例10(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンとCOOH基を有する含フッ素アリルエーテルとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた100mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの5.6g、パーフルオロ(9,9−ジハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネン酸):
10.9g、HCFC−141bの40ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)0.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)12.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の10.1kgf/cm2Gから9.5kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体4.5gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/含フッ素アリルエーテルが30/54/16モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は3800であった。
合成例11(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンと−COOC(CH3)3基を有する含フッ素アリルエーテルとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた100mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの5.6g、パーフルオロ(9,9−ジハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネン酸−tert−ブチルエステル):
4.9g、HCFC−141bの40ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)0.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)12.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の9.1kgf/cm2Gから8.5kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体5.5gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/含フッ素アリルエーテルが55/37/8モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は4500であった。
合成例12(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンと−COOC(CH3)3基を有する含フッ素アリルエーテルとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた100mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの5.6g、パーフルオロ(9,9−ジハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネン酸−tert−ブチルエステル):
11.9g、HCFC−141bの40ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)0.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)12.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の8.6kgf/cm2Gから8.0kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体4.5gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/含フッ素ノルボルネンが47/40/13モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は4400であった。
合成例13(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンと−COOC(CH3)3基を有する含フッ素ノルボルネンとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた100mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの9.0g、と−COOC(CH3)3基を有する含フッ素ノルボルネン:
5.1g、HCFC−141bの40ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)0.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)12.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の9.6kgf/cm2Gから9.0kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体2.2gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/含フッ素ノルボルネンが54/37/9モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は1200であった。
合成例14(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンと−COOC(CH3)3基を有する含フッ素ノルボルネンとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた100mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの2.8g、と−COOC(CH3)3基を有する含フッ素ノルボルネン:
6.3g、HCFC−141bの40ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)0.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)12.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の9.6kgf/cm2Gから9.2kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体2.1gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/含フッ素ノルボルネンが58/27/15モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は5300であった。
合成例15(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンと−COOC(CH3)3基を有する含フッ素ノルボルネンとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた500mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの40.8g、と−COOC(CH3)3基を有する含フッ素ノルボルネン:
71.3g、HCFC−141bの240ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)1.5gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)56.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の9.8kgf/cm2Gから9.2kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体10.1gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/含フッ素ノルボルネンが56/31/13モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は2300であった。
合成例16(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンと−COOC(CH3)3基を有する含フッ素ノルボルネンとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた500mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの11.8g、と−COOC(CH3)3基を有する含フッ素ノルボルネン:
79.3g、HCFC−141bの240ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)3.5gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)50.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の9.8kgf/cm2Gから9.2kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体12.1gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/含フッ素ノルボルネンが56/13/31モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は4600であった。
合成例17(テトラフルオロエチレンと−COOC(CH3)3基を有する含フッ素ノルボルネンとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた300mLのオートクレーブに−COOC(CH3)3基を有する含フッ素ノルボルネン:
15.9g、HCFC−141bの140ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)1.5gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)30.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の9.6kgf/cm2Gから9.3kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体4.1gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/含フッ素ノルボルネンが50/50モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は2500であった。
合成例18(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンと−COOC(CH3)3基を有する含フッ素オキソノルボルネンとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた100mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの7.0g、と−COOC(CH3)3基を有する含フッ素オキソノルボルネン:
4.1g、HCFC−141bの40ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)0.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)12.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の9.8kgf/cm2Gから9.2kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体1.1gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/含フッ素ノルボルネンが48/33/19モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は2500であった。
合成例19(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンと−COOC(CH3)3基を有する含フッ素オキソノルボルネンとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた100mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの5.6g、と−COOC(CH3)3基を有する含フッ素オキソノルボルネン:
3.0g、HCFC−141bの40ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)0.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)12.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の9.8kgf/cm2Gから9.2kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体1.5gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/含フッ素オキソノルボルネンが58/32/10モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は2300であった。
実施例1
合成例11で得た含フッ素共重合体の真空紫外吸収スペクトルを図2に示す。157nmにおける1μmあたりの吸光度は0.93であり、比較例1に示すフッ素を含まないポリマーと比較して157nmにおける透明性が高い。
実施例2
分子構造中にフッ素を持つ高分子材料の157nmにおける吸光度を表1に示す。下記の比較例1に示すフッ素を含まない材料と比較して157nmにおける吸光度が著しく低下しており、透明性が大きく向上している。これにより300nmにおける透過率が10%以上確保できた。
表1において高分子材料の略号は下記の化合物を示す。
上記化合物において用いられた略号は以下の化合物を示す。
比較例1
分子構造中にフッ素をもたない高分子材料の157nmにおける吸光度を表2に示す。これらの樹脂の1μmあたりの吸光度は4以上であり、300nmにおける透過率は5%未満であった。
表2における下記の高分子材料のそれぞれの具体的な名称を示す。
ArFレジスト用樹脂1:2−メチル2−アダマンチルメタクリレート/メバ
ロニックラクトンメタクリレート共重合体
ArFレジスト用樹脂2:2−メチル2−アダマンチルメタクリレート/γ−
ブチロラクトンメタクリレート共重合体
KrFレジスト用樹脂:部分t−BOC保護ポリヒドロキシスチレン
ポリシロキサン1:(ポリジメチルシルセスキオキサン)
ポリシロキサン2:(ポリジフェニルシルセスキオキサン)
表2において、括弧内の数値は共重合比(モル%)を示す。
実施例3
合成例5で得た含フッ素共重合体100重量部に光酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムトリフレートを5重量部添加し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解して調製した感光性組成物の溶液をシリコンウェハー上にスピナーを用いて塗布し、110℃で60秒乾燥して厚さ0.1μmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜に対しF2エキシマーレーザー光(波長157nm)を照射した後、熱板上で120℃で60秒の露光後加熱を施し、2.38重量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液による現像処理を行った。
現像後に残存した感光性組成物の膜厚を図3に示す。
ここで、用いた光酸発生剤の構造を式(13)に示す。
式(13)
PYRを添加した感光性組成物では撥水性が高く、現像が充分に進行しなかっ
たが、他の酸発生剤を添加した感光性組成物では露光量に応じた溶解特性の変化が生じた。
実施例4
合成例5で得た含フッ素共重合体100重量部に光酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムトリフレート5重量部を添加した感光性組成物をクロルベンゼン(PhCl)、乳酸エチル(EL)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)にそれぞれ溶解して調製した感光性組成物の溶液をシリコンウェハー上にスピナーを用いて塗布し、110℃で60秒乾燥して厚さ0.1μmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜に対しF2エキシマーレーザー光(波長157nm)を照射した後、熱板上で120℃で60秒の露光後加熱を施し、2.38重量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液による現像処理を行った。
現像後に残存した感光性組成物の膜厚を図4に示す。
上記のうち、PGMEでは感光性組成物の溶解性が低く基板上に塗布した際に著しい相分離を生じた。PGMEA、乳酸エチルを溶媒とした場合には高感度で、かつ好適な溶解特性を示した。
実施例5
合成例5で得た含フッ素共重合体100重量部に光酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムトリフレート5重量部を添加した感光性組成物をPGMEAに溶解し、更に0.05重量部のN−メチルピロリドン(NMP)を添加して調製した感光性組成物の溶液をシリコンウェハー上にスピナーを用いて塗布し、110℃で60秒乾燥して厚さ0.1μmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜に対しF2エキシマーレーザー光(波長157nm)を照射した後、熱板上で120℃で60秒の露光後加熱を施し、2.38重量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液による現像処理を行った。
現像後に残存した感光性組成物の膜厚を図5に示す。
実施例6
合成例6で得た含フッ素共重合体と合成例8の重合体の酸解離基の一部を合成例7での方法で解離させ、カルボキシル基を4モル%導入した含フッ素共重合体のそれぞれ、100重量部に光酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムトリフレート5重量部を添加し、PGMEAに溶解して調製した感光性組成物の溶液をシリコンウェハー上にスピナーを用いて塗布し、110℃で60秒乾燥して厚さ0.1μmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜に対しF2エキシマーレーザー光(波長157nm)を照射した後、熱板上で120℃で60秒の露光後加熱を施し、2.38重量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液による現像処理を行った。
現像後に残存した感光性組成物の膜厚を図6に示す。
このとき、合成例9の脱保護してカルボキシル基を18モル%導入した重合体を用いて調製した感光性組成物は現像液の溶解性が高く、未露光部分まですべて現像液に溶解した。一方、合成例6のカルボキシル基を含まない重合体を用いた感光性組成物は撥水性を示し、現像液がはじきパドル形成に支障が生じたため、現像の面内均一性が保たれなかった。
一方、合成例7のカルボキシル基を4モル%導入した重合体を用いた感光性組成物は現像液の良好な濡れ性を示し、パドル形成は良好であった。また未露光部分は現像液に不溶であった。
実施例7
合成例7で得た含フッ素共重合体100重量部、および光酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムトリフレート5重量部をPGMEAに溶解して感光性組成物の溶液を調製した。
この溶液を、シリコンウェハー上にスピナーを用いて塗布し、110℃で60秒乾燥して厚さ0.1μmのレジスト膜を形成した。同一条件で無機基板上に形成したこのレジスト膜の157nmの光の透過率は35%であった。
このレジスト膜に対し、F2エキシマーレーザー光(波長157nm)を光源とする縮小露光投影装置で露光を行った後、熱板上で120℃で60秒の露光後加熱を施した。
その後、2.38重量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液による現像処理を行ったところ、レジスト膜の露光部分が選択的に溶解除去されて、微細パターンが形成された。
得られた0.10μmのラインアンドスペースのレジストパターンの電子顕微鏡写真を図7に示す。図7の写真に示す如くパターンの断面形状は良好であり、微細なレジストパターンを23mJ/cm2で形成できた。すなわち下記の比較例2に示すフッ素樹脂を用いない感光性組成物と比較して飛躍的な高解像性が達成できた。
なお、本実施例の感光性組成物を用いて、0.18μm、0.20μm、0.225μm、0.25μm、0.30μm、0.40μm、0.50μmのラインアンドスペースを有するレジストパターンも23mJ/cm2の感度で形成できた。
比較例2
2MAdMA(2−メチル2−アダマンチルメタクリレート)とMLMA(メバロニックラクトンメタクリレート)との共重合体100重量部、および光酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムトリフレート5重量部をPGMEAに溶解して感光性組成物の溶液を調製した。
この溶液を、シリコンウェハー上にスピナーを用いて塗布し、115℃で60秒乾燥して厚さ0.1μmのレジスト膜を形成した。同様の方法により無機基板上に形成したこのレジスト膜の157nmの光の透過率は12%であった。
このレジスト膜に対し、F2エキシマーレーザー光(波長157nm)を光源とする縮小露光投影装置で露光を行った後、熱板上で115℃で60秒の露光後加熱を施した。
その後、2.38重量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液による現像処理を行ったところ、レジスト膜の露光部分が選択的に溶解除去されたが、0.3μmの微細パターンの形状が矩形ではなかった。
また、0.25μmより微細なパターンは痕跡程度しか認められなかった。
以上のように、この比較例2では、フッ素樹脂を用いていない感光性組成物は157nmの透明性が低く、パターンの解像性が劣ることが分かる。
実施例8
合成例5で得た含フッ素重合体100重量部、および光酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムトリフレート5重量部をPGMEAに溶解して感光性組成物の溶液を調製した。
シリコンウェハーを密着向上剤で処理した基板上に、上記の感光性組成物の溶液をスピナーを用いて塗布し、115℃で60秒乾燥して厚さ0.1μmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜に対し、F2エキシマーレーザー光(波長157nm)を光源とする縮小露光投影装置で16mJ・cm−2露光を行った後、熱板上で115℃で60秒の露光後加熱を施した後、2.38重量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液による現像処理を行ったところ、図8左に示すような断面形状のパターンを得た。図8右はシリコン基板上で同様の微細パターニングを行なった際に得られたパターンの断面形状である。
実施例9
合成例5で得た含フッ素重合体100重量部、および光酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムトリフレート5重量部をPGMEAに溶解して感光性組成物の溶液を調製した。
シリコンウェハー上にBrewerScience社製の反射防止膜DUV−30、DUV−32、DUV−42、DUV−44を塗布した基板上に、それぞれ上記の感光性組成物の溶液をスピナーを用いて塗布し、115℃で60秒乾燥して厚さ0.1μmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜に対し、F2エキシマーレーザー光(波長157nm)を光源とする縮小露光投影装置で18mJ・cm−2露光を行った後、熱板上で115℃で60秒の露光後加熱を施した後、2.38重量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液による現像処理を行ったところ、それぞれ図9に示すような断面形状のパターンを得た。図9(e)はシリコン基板上で同様の微細パターニングを行なった際に得られたパターンの断面形状である。
産業上の利用可能性
以上説明したように、本発明によれば、基板あるいは所定の層の上に、F2エキシマーレーザー光などの短波長の露光光の吸収が小さい材料と、F2エキシマーレーザー光などの短波長の光の照射により酸を発生する酸発生剤とを含有する感光性組成物を主成分とする感光性層を形成し、前記感光性層の所定の領域に選択的にF2エキシマーレーザー光などの短波長の光を照射して露光し、前記露光後の感光性層を熱処理し、前記熱処理後の感光性層を現像処理して、前記感光性層の露光部分または未露光部分を選択的に除去することにより、極めて精細な微細パターンを形成することができる。
また、こうして得られた微細パターンをマスクにしてその下地の層をエッチングすることにより所定のパターンを形成し、微細パターンを有する半導体装置などの電子装置を製造することができる。
また、以上述べたように本発明の微細パターン形成方法では、短波長光、特にF2エキシマーレーザーを露光光とした場合の感光性組成物の解像性が従来のものと比較して飛躍的に増大しているため、半導体装置の高密度化による半導体装置の高性能化がなされる。よってその工業的価値は絶大である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の微細パターン形成方法を工程にそって示す断面図。
図2は、本発明におけるフッ素樹脂の真空紫外吸収スペクトル。
図3は、本発明におけるフッ素樹脂を用いた感光性組成物の酸発生剤による性能差を示す感度曲線。
図4は、本発明におけるフッ素樹脂を用いた感光性組成物の溶剤による性能差を示す感度曲線。
図5は、本発明におけるフッ素樹脂を用いた感光性組成物に塩基性物質添加した効果を示す感度曲線。
図6は、本発明におけるフッ素樹脂の保護率の違いによる感光性組成物の性能差を示す感度曲線。
図7は、本発明におけるフッ素樹脂を用いた感光性組成物で形成されたレジストパターンの走査型電子顕微鏡写真。
図8は、本発明におけるフッ素樹脂を用いた感光性組成物において密着性向上剤で基板を処理することによる効果を示すレジストパターン断面の走査型電子顕微鏡写真。
図9は、本発明におけるフッ素樹脂を用いた感光性組成物において基板上に反射防止膜を施すことによる効果を示すレジストパターン断面の走査型電子顕微鏡写真。
本発明は、半導体装置の製造等における微細パターンの形成方法に関するものである。
背景技術
半導体集積回路をはじめとする各種の電子部品は超微細加工が必要とされ、その加工技術にはレジストが広く用いられている。また、電子部品の多機能化、高密度化に伴い、形成されるレジストパターンの超微細化が求められている。こうした超微細化パターンの加工に用いられるレジストとしては、例えば、特開昭63−27829号公報などに開示されているような化学増幅型レジストが挙げられる。
この化学増幅型レジストは、ポジ型とネガ型とに大別することができる。
ポジ型の化学増幅型レジストは、例えばアルカリ可溶性樹脂と可溶性抑止剤と酸発生剤との3成分、またはアルカリ可溶性樹脂に溶解抑止効果を有する基(溶解抑止基)を導入したものと酸発生剤との2成分を含有する組成物であり、未露光の状態では、溶解抑止基によってアルカリ現象液への溶解性が抑えられている。
基板上に形成されたレジスト膜に光、X線または高エネルギー電子線等を照射すると、露光部においては酸発生剤が分解して酸が発生し、さらに、露光後加熱処理を施すことにより、この酸が触媒として作用して溶解抑止剤が分解される。したがって、溶解抑止剤が分解された露光部を現像液で溶解除去することによって、所定のパターンを形成することができる。
一方、ネガ型の化学増幅型レジストは、例えば、酸発生剤と酸によって架橋する置換基を有する化合物と、必要に応じてアルカリ可溶性樹脂とを含む組成物である。ネガ型の場合も前述のポジ型の場合と同様に、基板上に形成されたレジスト膜に光、X線または高エネルギー電子線等を照射すると、露光部分では、酸発生剤から酸が発生する。引き続いて露光後加熱処理を施すことによって、この酸が架橋を促進するので露光部分のアルカリ可溶性が低下する。したがって、現像処理を行なうことにより、こうして架橋した露光部分が残存し、未露光部分が溶解除去されてパターンが形成される。
こうしたレジストを用いてパターンを形成する際の露光装置としては、通常ステッパーと呼ばれる縮小投影型露光装置が一般に用いられる。近年の電子部品の多機能化、高密度化の飛躍的な進行に伴って、より微細な回路が要求されるので、形成されるパターンの微細化が必要となってきている。
前述したような露光装置では、光学像を基板に投影して加工が行なわれるため、その解像性の限界は露光に用いる光の波長に依存している。より微細な加工を行なうために露光に用いる光源の短波長化が進んでおり、来るべきギガビットメモリ時代以降のデバイスの製造には、波長157nmのF2エキシマレーザーを光源とすることが主流となるのは必須である。したがって、F2エキシマレーザーを露光光源として用いて、微細パターンの形成可能な化学増幅型レジストの開発が開始されている。
しかしながら、従来のレジストに用いられてきた材料は波長157nmのF2エキシマーレーザー光に対する吸収が大きく、かかる材料を用いた感光性組成物の露光にF2エキシマーレーザー光を用いた場合には、露光光がレジストの基部まで充分な量到達しないため、基板上に形成された感光性組成物の深さ方向に均一な露光ができず、解像性を高めることが困難であった。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、F2エキシマーレーザー光のような短波長の露光光に対して透明性の高い材料を用いて実用性の高い感光性組成物をレジストとして用いた微細パターン形成方法を提供することを目的とするものである。
発明の開示
本発明は、基板あるいは基板上の所定の層の上に、少なくとも光の照射により酸を発生する化合物と、酸によって分解する成分とを含む感光性層を形成する工程と、前記感光性層の所定の領域に選択的にエネルギー線を照射して露光する工程と、前記露光後の感光性層を熱処理する工程と、前記熱処理後の感光性層を現像処理して、前記感光性層の露光部分または未露光部分を選択的に除去して微細パターンを形成する工程とを含む微細レジストパターン形成方法に関するもので、そこで用いられる感光性組成物に含まれる酸によって分解する成分が、その分子構造中にフッ素原子を含有する化合物であることを特徴とするものである。
なかでも、前記フッ素原子を含有する化合物が主鎖に環状構造を有し、かつ酸の作用によってカルボキシル基に変換する酸解離性官能基を有する含フッ素共重合体であって、含フッ素重合体が式(1):
−(M1)−(M2)−(M3)−(A1)− (1)
(式中、
構造単位M1が、炭素数2または3のエチレン性単量体であって少なくとも1個のフッ素原子を有する単量体に由来する構造単位
構造単位M2が、M1と共重合可能なフッ素原子に置換されていても良い環状の脂肪族不飽和炭化水素に由来する構造単位
構造単位M3が
(式中、Y1は酸解離性官能基;X1、X2は同じかまたは異なりHまたはF;X3はH、F、Cl、CH3またはCF3;X4およびX5は同じかまたは異なり、H、FまたはCF3;Rfは炭素数1〜40の含フッ素アルキレン基または炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキレン基、aは0〜3の整数;b、cおよびdは同じかまたは異なり、0または1)で示される構造単位構造単位A1は(M1)、(M2)、(M3)と共重合可能な単量体に由来する構造単位)で示され、M1が5〜70モル%、M2が5〜70モル%、M3が5〜75モル%、A1が0〜50モル%の含フッ素共重合体であることが好ましい。
またさらにフッ素原子を含有する化合物が主鎖に環状構造を有し、かつ酸の作用によってカルボキシル基に変換する酸解離性官能基を有する含フッ素共重合体であって、含フッ素共重合体が式(2)
−(M1)−(M4)−(A2)− (2)
(式中、
構造単位M1は炭素数2または3のエチレン性単量体であって少なくとも1個のフッ素原子を有する単量体に由来する構造単位
構造単位M4が、M1と共重合可能なフッ素原子に置換されていても良い環状の脂肪族不飽和炭化水素であって酸解離性官能基Y2を有する単量体に由来する構造単位
構造単位A2は(M1)、(M4)と共重合可能な単量体に由来する構造単位)で示され、M1が5〜70モル%、M4が5〜60モル%、A2が0〜50モル%の含フッ素共重合体であることが好ましい。
かかる含フッ素共重合体中の酸解離性官能基Y1、Y2は−C(CH3)3であることが好ましい。
かかる含フッ素共重合体中の酸解離性官能基を有する構造単位は含フッ素共重合体を構成する全構造単位に対して15モル%以上含むことが好ましい。
さらに含フッ素共重合体の酸解離性官能基の一部を解離させ、カルボキシル基に変換したものを用いることが好ましい。
またさらに含フッ素共重合体の酸解離性官能基の一部を解離させ、カルボキシル基を含フッ素共重合体を構成する全構造単位に対して1モル%以上、15モル%未満の範囲で含有させたものを用いることが好ましい。
本発明の微細レジストパターン形成方法においては、エネルギー線としてF2エキシマーレーザー光を用いるのが好ましい。
本発明の微細レジストパターン形成方法においては、エネルギー線としてArFエキシマーレーザー光を用いるのが好ましい。
本発明の微細レジストパターン形成方法においては、エネルギー線としてKrFエキシマーレーザー光を用いるのが好ましい。
本発明の微細レジストパターン形成方法においては、エネルギー線として高エネルギー電子線を用いるのが好ましい。
本発明の微細レジストパターン形成方法においては、エネルギー線として高エネルギーイオンビームを用いるのが好ましい。
本発明の微細レジストパターン形成方法においては、エネルギー線としてエックス線を用いるのが好ましい。
本発明の微細レジストパターン形成方法においてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを溶剤とする感光性組成物を用いて基板上に塗布することをが好ましい。
本発明の微細レジストパターン形成方法において乳酸エチルを溶剤とする感光性組成物を用いて基板上に塗布することをが好ましい。
本発明は、基板あるいは基板上の所定の層の上に、上記のいずれかの方法により微細レジストパターンを形成したあと、この微細レジストパターンを介して前記基板あるいは前記所定の層をエッチングすることにより所望の回路パターンを形成する工程を含むことを特徴とする微細回路パターン形成方法に関するものである。
発明を実施するための最良の形態
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の前提となる化学増幅型レジストには、ポジ型とネガ型とがある。
ポジ型の化学増幅型レジストには、例えば、アルカリ可溶性樹脂と、可溶性抑止剤と、酸発生剤との3成分を含む組成物がある。あるいは、アルカリ可溶性樹脂に溶解抑止効果を有する基(溶解抑止基)を導入したものと、酸発生剤との2成分を含有する組成物がある。このようなポジ型の化学増幅型レジストでは、未露光の状態では、可溶性抑止剤(または溶解抑止基)によってアルカリ現象液への溶解性が抑えられている。
本発明はこのような感光性組成物に、精細な微小パターン形成のために、F2エキシマーレーザー光のような短波長の露光光に対して透明性の高い選択された材料を含むことを基本とするものである。
以下に、まず本発明における透明性の高い高分子材料について説明する。
本発明の微細パターン形成方法に用いる感光性組成物(感光性樹脂)はその分子構造中にフッ素原子を含む化合物を用いることが特徴である。
言い換えれば、本発明の微細パターン形成方法に用いる材料としては、主鎖に環状構造を有し、かつ酸の作用によってカルボキシル基に変換する酸解離性官能基を有する含フッ素共重合体であり
好ましい第一の含フッ素共重合体としては下記の一般式(1)で表される含フッ素重合体が好ましい。
−(M1)−(M2)−(M3)−(A1)− (1)
(式中、
構造単位M1が、炭素数2または3のエチレン性単量体であって少なくとも1個のフッ素原子を有する単量体に由来する構造単位
構造単位M2が、M1と共重合可能なフッ素原子に置換されていても良い環状の脂肪族不飽和炭化水素に由来する構造単位
構造単位M3が
(式中、Y1は酸解離性官能基;X1、X2は同じかまたは異なりHまたはF;X3はH、F、Cl、CH3またはCF3;X4およびX5は同じかまたは異なり、H、FまたはCF3;Rfは炭素数1〜40の含フッ素アルキレン基または炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキレン基、aは0〜3の整数;b、cおよびdは同じかまたは異なり、0または1)であり、
組成比率はM1が5〜70モル%、M2が5〜70モル%、M3が5〜75モル%、A1が0〜50モル%から選ばれるものである。
この含フッ素共重合体は、M3で示された酸解離性の官能基を有するエチレン性単量体の構造単位を必須成分として有するもので、酸の作用によってM3中の酸解離性官能基がカルボキシル基に変換され、重合体にアルカリ水溶液(現像液)に対する溶解性を付与するものである。
これは、M3の構造を選択することによって、共重合性も良好で、酸解離性官能基をポリマー中に高濃度に導入でき酸解離後のアルカリ水溶液(現像液)溶解性を良好に出来る点で好ましい。また、M3の側鎖に−Rf−を導入することも可能であり、ポリマーの透明性を向上できる点で好ましい。
また好ましい第二の含フッ素共重合体としては下記の一般式(2)
−(M1)−(M4)−(A2)− (2)
(式中、
構造単位M1は炭素数2または3のエチレン性単量体であって少なくとも1個のフッ素原子を有する単量体に由来する構造単位、
構造単位M4が、M1と共重合可能なフッ素原子に置換されていても良い環状の脂肪族不飽和炭化水素であって酸解離性官能基Y2を有する単量体に由来する構造単位
構造単位A2は(M1)、(M4)と共重合可能な単量体に由来する構造単位)であり、組成比率はM1が5〜70モル%、M4が5〜60モル%、A2が0〜50モル%から選ばれるものである。
この含フッ素共重合体は環状の脂肪族不飽和炭化水素自体に酸解離性官能基を有する単量体の構造単位M4が必須成分として有するもので、酸の作用によってM4中の酸解離性官能基がカルボキシル基に変換され、重合体にアルカリ水溶液(現像液)に対する溶解性を付与するものである。これは、ガラス転移点を高くすることができ、またさらに透明性とともに、耐ドライエッチ性を向上できる点で好ましい。
式(1)、(2)の含フッ素共重合体において、構造単位M1は含フッ素エチレン性単量体からなるもので共重合体に良好な透明性、特に短波長の紫外線(たとえば157nm)に対する透明性を向上させる効果を与えうる点で好ましい。
構造単位M1を構成する単量体として具体的には、
なかでも、共重合性が良好でかつ透明性を付与する効果が高い点で、
CF2=CF2、CF2=CFCl、が好ましい。
式(1)の含フッ素共重合体において、構造単位M2は環状の脂肪族不飽和炭化水素からなるもので、上記M1を構成する含フッ素エチレン性単量体と共重合可能なものが選ばれる。これらM2を導入することで、透明性に加えて耐ドライエッチ性を向上させることが出来る点で好ましい。
また構造単位M2の水素原子の一部またはすべてをフッ素原子に置換したものであっても良く、重合体にさらなる透明性を付与できる点で好ましい。
構造単位M2を構成する単量体として具体的には
含フッ素脂環式単量体:
式:
(式中、A、B、CおよびDはH、F、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10の含フッ素アルキル基、mは0〜3の整数。ただし、A〜Dのいずれか1つはフッ素原子を含む)
具体的には、
などがあげられる。
そのほか、
などもあげられる。
式(1)の含フッ素共重合体において、構造単位M3は酸の作用によってカルボキシル基に変換する酸解離性官能基を有するエチレン性単量体からなるものであって、フッ素原子を含んでいても、含まなくても良い。
フッ素原子を含まないもの(d=0)としては、具体的には
アクリル系単量体
マレイン酸系単量体
アリル系単量体
スチレン系
などが挙げられ、
また主鎖にフッ素原子を含むもの(d=0)として
フッ素アクリル系単量体
含フッ素アリル系
含フッ素スチレン系
などが挙げられ、
側鎖にフルオロアルキル基(d=1)を有するものとして、
好ましくはM3−1
具体的には
さらに具体的には、
などがあげられる。
また好ましくはM3−2
具体的には
さらに具体的には、
などがあげられる。
そのほか、(M3)を構成する単量体としては
などがあげられ、より具体的には、
などがあげられる。
式(2)の含フッ素共重合体において、構造単位M4はM1を構成する含フッ素エチレン性単量体と共重合可能な環状の脂肪族不飽和炭化水素からなるものであって、さらに酸でカルボキシル基に変換できる酸解離性官能基を有するものである。これらM4を導入することで、アルカリ水溶液(現像液)可溶性の機能と透明性、耐ドライエッチ性の機能を併せ持つことができ、ポリマー全体の耐ドライエッチ性をより向上させることができる点で好ましい。
構造単位M4を構成する単量体は具体的には
脂環式単量体:
さらに構造単位M4の水素原子の一部またはすべてをフッ素原子に置換したものであっても良く重合体にさらなる透明性を付与できる点で好ましい。
具体的には
(式中、A、BおよびCはH、F、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10の含フッ素アルキル基、Rは炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の含フッ素アルキレン基または炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキレン基、aは0または1〜3の整数、bは0または1、Y2は酸解離性の官能基。ただし、bが0またはRがフッ素原子を含まない場合はA〜Cのいずれか1つはフッ素原子または含フッ素アルキル基である)で表わされる含フッ素単量体があげられる。
これらのなかでも、A、B、Cのいずれかがフッ素原子であることが好ましく、またはA〜Cにフッ素原子が含まれない場合はRのフッ素含有率が60%以上であることが好ましく、さらにはパーフルオロアルキル基であることが、重合体に透明性を付与できる点で好ましい。
具体的には、
などがあげられる。
または、
(式中、A、BおよびCはH、F、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10の含フッ素アルキル基、Rは炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の含フッ素アルキレン基または炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキレン基、aは0または1〜3の整数、bは0または1、Y2は酸解離性の官能基である)で表わされる含フッ素単量体があげられる。
具体的には、
などのノルボルネン骨格を有するものが好ましくあげられる。
そのほか、
などもあげられる。
式(1)、(2)の重合体において構造単位A1、A2は任意成分であって、他の構造単位を構成するための単量体と共重合できるものから選ばれる。
例えば、
アクリル系単量体(ただしM1およびM2を与える単量体は除く):
スチレン系単量体:
エチレン系単量体:
マレイン酸系単量体:
アリル系単量体:
アリルエーテル系単量体:
その他の単量体:
より具体的には、
などが挙げられる。
以上に述べた本発明の式(1)、(2)の含フッ素共重合体において、酸解離性官能基Y1、Y2は三級炭素を有する炭化水素基から選ばれるものであって、その三級炭素が直接カルボキシル基に結合した構造を取り得るものであれば良い。例えば、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、アダマンチル基、エチルアダマンチル基などが挙げられるが、酸解離反応性が特に良好な点でt−ブチル基:−C(CH3)3が好ましい。
本発明の式(1)、(2)の含フッ素共重合体は、酸による解離反応後に得られるカルボキシル基含有共重合体が現像液に対して充分な溶解性を有する必要がある。そのために必要な酸解離性官能基の含有率は重合体の構成成分(単量体の種類)や分子量などにより左右され、異なるが含フッ素共重合体を構成する全構造単位に対して15モル%以上であることが好ましく、さらには20モル%以上、より好ましくは、25%以上含有することである。
本発明者らは、酸解離性官能基を有する含フッ素重合体を用いたレジスト組成物の検討、それを用いたレジストパターン形成の検討において、含フッ素重合体がシリコンウエハ基材への密着性が乏しく、現像時の剥離、微細レジストパターンの亀裂の発生、などの問題点を見出した。
またさらに、レジスト塗膜表面の撥水性が高く、パドル現像時に現像液がはじき、現像液がなじまず、均質な現像が得られないという問題も合わせて見出した。
本発明者らは、これら問題点を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、本発明の含フッ素共重合体における酸解離性官能基の一部を解離させ、カルボキシル基とすることで上記二つの問題点を解決できることを見出した。つまり、含フッ素共重合体として、ごく一部でも部分解離(または部分脱保護とも言う)したものを用いることで、基材との密着性が改善され、かつ現像液のはじきも改善され均一な現像が可能となることを見出した。
本発明の含フッ素共重合体において酸解離性官能基を解離(脱保護)させカルボキシル基へ存在させる割合は、共重合体の種類、組成等により異なるが、解離後のカルボキシル基を含フッ素共重合体を構成する全構造単位に対して0.5モル%以上、15モル%未満の範囲で存在させたものを用いることが好ましい。より好ましくは1〜10モル%、さらに好ましくは2〜5モル%である。解離率(脱保護率)が高くなりすぎて、カルボキシル基の含有率が高くなりすぎると、現像時、未露光部分も可溶化してしまい、レジストパターンが形成できなくなる。
解離率(脱保護率)が低すぎてカルボキシル基の含有量が少なすぎると、基材密着性、現像の均一性に対する効果が不充分となる。
次に、本発明の感光性組成物における酸発生剤について説明する。
本発明で用いる感光性組成物において、エネルギー線の照射によって酸を発生する化合物(酸発生剤)としては、例えばF2エキシマーレーザー光等の短波長の光や高エネルギー電子線、イオン線、X線等の照射によって酸を発生する任意の化合物および混合物を用いることができる。
かかるエネルギー線の照射によって酸を発生する化合物(酸発生剤)としては、例えば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、CF3SO3、p−CH3PhSO3、p−NO2PhSO3(ただし、phはフェニル基)等の塩、有機ハロゲン化合物、オルトキノン−ジアジドスルホニルクロリド、またはスルホン酸エステル等を挙げることができる。
前記有機ハロゲン化合物は、ハロゲン化水素酸を形成する化合物であり、かかる化合物は、米国特許第3,515,551号、米国特許第3,536,489号、米国特許第3,779,778号および西ドイツ特許公開公報第2,243,621号等に開示されたものが挙げられる。
前記記載の他の光の照射により酸を発生する化合物は、特開昭54−74728号、特開昭55−24113号、特開昭55−77742号、特開昭60−3626号、特開昭60−138539号、特開昭56−17345号および特開昭56−36209号に開示されている。
このような化合物を具体的に例示すると、ジ(p−ターシャリ−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ベンゾイントシレート、オルトニトロベンジルパラトルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリ(ターシャリ−ブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ベンゼンジアゾニウムパラトルエンスルホネート、4−(ジ−n−プロピルアミノ)−ベンゾニウムテトラフルオロボレート、4−p−トリル−メルカブト−2,5−ジエトキシ−ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、ジフェニルアミン−4−ジアゾニウムサルフェート、4−メチル−6−トリクロロメチル−2−ピロン、4−(3,4,5−トリメトキシ−スチリル)−6−トリクロロメチル−2−ピロン、4−(4−メトキシ−スチリル)−6−(3,3,3−トリクロロ−プロペニル)−2−ピロン、2−トリクロロメチル−ベンズイミダゾール、2−トリブロモメチル−キノリン、2,4−ジメチル−1−トリブロモアセチル−ベンゼン、4−ジブロモアセチル−安息香酸、1,4−ビス−ジブロモメチル−ベンゼン、トリス−ジブロモメチル−S−トリアジン、2−(6−メトキシ−ナフチル−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(ナフチル−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(ナフチル−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−エトキシエチル−ナフチル−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(ベンゾピラニ−3−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−メトキシ−アントラシ−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(フェナンチ−9−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド等がある。スルホン酸エステルとしては、ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸−2,6−ジニトロベンジルエステル等を挙げることができる。
前記化学放射線の照射により酸を発生し得る化合物(酸発生剤)としては、特にo−キノンジアジド化合物を用いることが好ましい。前記o−キノンジアジド化合物は、特に限定されないが、o−キノンジアジドスルホン酸とフェノール化合物とのエステルが好ましい。o−キノンジアジドスルホン酸とフェノール化合物とのエステルは、常法にしたがってo−キノンジアジドスルホン酸クロライドとフェノール化合物とを反応きせることによって得ることができる。
前記o−キノンジアジドスルホン酸クロライドとしては、例えば1−ベンゾフェノン−2−ジアゾ−4−スルホン酸クロライド、1−ナフトキノン−2−ジアゾ−5−スルホン酸クロライド、1−ナフトキノン−2−ジアゾ−4−スルホン酸クロライド等を用いることができる。
前記フェノール化合物としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ヒドロキシベンゾフェノン、3,3,3′,3′−テトラメチル−1,1′−スビロビインダ5,6,7,5′,6′,7′−ヘキサノール、フェノールフタレイン、p−ヒドロキシベンジリデンマロン酸ジメチル、p−ヒドロキシベンジリデンマロン酸ジニトリル、シアノフェノール、ニトロフェノール、ニトロソフェノール、ヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシ安息香酸メチル、ポリビニルフェノール、ノボラック樹脂等を用いることができる。このようなo−キノンジアジド化合物を以下の式(3)〜式(7)に具体的に例示する。
式(3)
式(4)
式(5)
式(6)
式(7)
前記o−キノンジアジド化合物の中で特に1−ナフトキノン−2−ジアゾ−4−スルホン酸エステルが好適である。かかるエステルはJ.J.Grimwaid,C.Gal,S.Eidelman,SPIE Vol.1262,Advances in Resist Technology and Processing VI1,p444(1990)で発表されているように光照射によりカルボン酸と、カルボン酸よりも強い酸であるスルホン酸を生じることが知られており、触媒作用が大きく特に有効である。
また、前記化学放射線の照射により酸を発生する化合物(酸発生剤)としては、下記の式(8)、式(9)、式(10)でそれぞれ示す一般式(A−1)、(A−2)または(A−3)で表わされる化合物もまた好適に用いられる。
式(8)
上記一般式(A−1)中、R31は一価の有機基、またはハロゲン原子、ニトロ基、およびシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種が導入された一価の有機基を示し、R32、R33およびR34は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、一価の有機基、またはハロゲン原子、ニトロ基およびシアノ基からなる群から選択された少なくとも一種が導入された一価の有機基を表す。
式(9)
上記一般式(A−2)中、R41およびR43は、それぞれ独立に一価の有機基、またはハロゲン原子、ニトロ基、およびシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種が導入された一価の有機基を示し、R42はスルホルニ基またはカルボニル基を表す。
式(10)
上記一般式(A−3)中、R51、R52およびR55は、それぞれ独立に一価の有機基、または、ハロゲン原子、ニトロ基、およびシアノ基からなる群から選はれた少なくとも1種が導入された一価の有機基を示し、R53は水素原子、一価の有機基、またはハロゲン原子、ニトロ基、およびシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種が導入された一価の有機基を示し、R54はスルホニル基、スルフィニル基、硫黄原子、またはカルボニル基を表す。
この前記一般式(A−1)の化合物に、R31、R32、R33およびR34として導入される一価の有機基の具体例としては、アリル、アニシル、アントラキノリル、アセトナフチル、アンスリル、アズレニル、ベンゾフラニル、ベンゾキノリル、ベンゾキサジニル、ベンゾキサゾリル、ベンジル、ビフェニレニル、ボルニル、ブテニル、ブチル、シンナミル、クレゾトイル、クメニル、シクブタンジエニル、シクロブテニル、シクロブチル、シクロペンタジエニル、シクロペンタトリエニル、シクロヘプチル、シクロヘキセニル、シクロペンチル、シクロプロピル、シクロプロペニル、デシル、ジメトキシフェネチル、ジフェニルメチル、ドコシル、ドデシル、エイコシル、エチル、フルオレニル、フルフリル、ゲラニル、ヘプチル、ヘキサデシル、ヘキシル、ヒドロキシメチル、インダニル、イソブチル、イソプロピル、イソプロピルベンジル、イソキアゾリル、メンチル、メシチル、メトキシベンジル、メトキシフェニル、メチル、メチルベンジル、ナフチル、ナフチルメチル、ノニル、ノルボニル、オクタコジル、オクチル、オキサジニル、オキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリル、ベンチル、フェナシル、フェナンスリル、フェネチル、フェニル、フタリジル、プロビニル、プロピル、ピラニル、ピリジル、キナゾニル、キノリル、サリシル、テレフタリル、テトラゾリル、チアゾリル、チアフテニル、チエニル、トリル、トリチル、トリメチルシリルメチル、トリメチルシリルオキシメチル、ウンデシル、バレリル、ベラチル、キシリル等が挙げられる。
また、ハロゲン原子、ニトロ基、およびシアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種が導入された1価の有機基としては、以上に列挙した基の水素原子が置換されてなるものが挙げられる。
前記一般式(A−1)の化合物の具体例としては、フェニルメチルスルホン、エチルフェニルスルホン、フェニルプロピルスルホン、メチルベンジルスルホン、ベンジルスルホン(ジベンジルスルホン)、メチルスルホン、エチルスルホン、ブチルスルホン、メチルエチルスルホン、メチルスルホニルアセトニトリル、フェニルスルホニルアセトニトリル、トルエンスルホニルアセトニトリル、ベンジルフェニルスルホン、ニトロフェニルスルホニルアセトニトリル、フロロフェニルスルホニルアセトニトリル、クロロフェニルスルホニルアセトニトリル、メトキシフェニルスルホニルアセトニトリル、αメチルフェニルスルホニルアセトニトリル、エチルスルホニルアセトニトリル、メチルチオメチルp−トルイルスルホン、フェニルスルホニルアセトフェノン、フェニルスルホニルプロピオニトリル、フェニルスルホニルプロピオン酸およびそのエステル化合物、プロモメチル−2−(フェニルスルホニルメチル)ベンゼン、ナフチルメチルスルホン、1−メチル−2−((フェニルスルホニル)メチル)ベンゼン、トリメチル−3−フェニルスルホニル)オルトプロピオネート等が挙げられる。
本発明において、前記一般式(A−1)の化合物であって、R32、R33およびR34のうち少なくとも1個が電気吸引性基であるものが好ましく、特にシアノ基であるものは、露光時の酸発生効率が高く、感光性粗成物(レジスト)の感度を向上させる点で好ましい。
また、R32、R33およびR34の少なくとも1つが水素原子である化合物は、アルカリ溶解性が高く、レジストに対してアルカリ溶液を使用する現像処理を適用した場合に、スカムの発生を低減させる点で好ましい。
前記一般式(A−1)の化合物では、R31とR32、R33またはR34とが互いに結合して、あるいはR32、R33、R34が相互に結合して環を形成してもよい。この場合、誘導される環状化合物としては、フェニルスルホニルテトラヒドロピラン、フェニルスルホニルシクロヘキサン、3−フェニル 2H−チオピラン1、1−ジオキサイドおよび6−メチル3−フェニル2H−チオビラン1、1−ジオキサイドのようなチオピランジオキサイド化合物、トリメチレンスルホン、テトラメチレンスルホン、4−メチル−2,6,7−トリチアビシクロ[2,2,2]−オクタン−2,2,6,6,7,7−ヘキサオキサイドのようなビスサイクリックトリスルホン化合物、下記式(11)に示す化合物等が挙げられる。
式(11)
前記一般式(A−2)の化合物は、特定の炭素原子に、2個のスルホニル基が、または1個のスルホニル基および1個のカルボニル基が結合した有機化合物である。この化合物(A−2)にR41およびR43として導入される一価の有機基としては、上述した化合物(A−1)に導入される一価の有機基として例示した基と同様のものが挙げられる。また、これらの有機基の水素原子は、ハロゲン原子、ニトロ基、およびシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1個により置換されていてもよい。
前記化合物(A−2)の具体例としては、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(メチルスルホニル)メタン、ビス(エチルスルホニル)メタン、(メチルスルホニル)(フェニルスルホニル)メタン、フェニルスルホニルアセトフェノン、メチルスルホニルアセトフェノン等が挙げられる。
前記化合物(A−2)においても、R41とR43とが、互いに結合して環を形成してもよい。この場合、誘導される環状化合物としては、例えば下記の式(12)に示す環状スルホン化合物が挙げられる。
式(12)
本発明において、前記化合物(A−2)は、アルカリ可溶性、および露光時の酸発生効率が高く、感光性組成物(レジスト)の感度を向上させる点でより好ましい酸発生剤である。
酸発生剤として使用される前記化合物(A−3)は、特定の炭素原子に少なくとも2個のスルホニル基が、更に硫黄を含有する連結基または1個のカルボニル基が結合した有機化合物である。この化合物(A−3)にR51、R52、R53およびR55として導入される一価の有機基としては、上述した化合物(A−1)に導入される一価の有機基として例示した基と同様のものが挙げられる。更に、それらの有機基の水素原子は、ハロゲン基、ニトロ基およびシアノ基からなる群から選ばれた少なくとも1個、また水酸基、カルボキシル基、エステル化されたカルボキシル基により置換されてもよい。一方、R54としては、スルホニル基スルフィニル基、および硫黄原子が好ましい。
前記化合物(A−3)の具体例としては、トリス(フェニルスルホニル)メタン、フェニルチオ−ビス(フェニルスルホニル)−メタン、フェニルメルカプト−ビス(メチルスルホニル)−メタン、トリス(メチルスルホニル)メタン、トリス(エチルスルホニル)メタン、ビス(フェニルスルホニル)−メチルスルホニル−メタン、ビス(メチルスルホニル)−フェニルスルホニル−メタン、フェニルスルホニル−エチルスルホニル−メチルスルホニル−メタン、トリス(4−ニトロフェニルスルホニル)メタン、トリス(2,4−ニトロフェニルスルホニル)メタン、ビス(フェニルスルホニル)−(4−ニトロフェニルスホニル)−メタン、ビス(フェニルスルホニル)−(3−ニトロフェニルスルホニル)−メタン、ビス(フェニルスルホニル)−(2−ニトロフェニルスルホニル)−メタン、ビス(フェニルスルホニル)−(p−トリルスルホニル)−メタン、ビス(メチルスルホニル)−(4−ニトロフェニルスルホニル)−メタン、ビス(メチルスルホニル)−(4−クロロフェニルスルホニル)−メタン、ビス(フェニルスルホニル)−(4−クロロフェニルスルホニル)−メタン、1,1,1−トリス(フェニルスルホニル)エタン等が挙げられる。
上述したような化合物(A−1)、(A−2)または(A−3)にあっては、例えば、R31、R41およびR43の少なくとも1個、またはR51、R52およびR55の少なくとも1個が芳香族基であるものが、特にエキシマレーザによる露光が適用される場合、感光組成物のドライエッチング耐性、耐熱性を向上させる点で好ましい。この他、融点が50℃以上であり、かつ有機溶媒に対する溶解度の高い酸発生剤も好ましい。
一方前記化合物(A−1)、(A−2)または(A−3)が、それぞれスルホンアミド等の塩基性置換基を有するスルホニル化合物である場合、露光により発生する酸が失活することがある。また、スルホン酸等のアルカリ可溶性の大きい酸性基を有するスルホニル化合物である場合、感光性組成物の未露光部におけるアルカリ可溶性を過度に増大させることがある。従って、これらスルホニル化合物に関しては、本発明で用いる組成物における酸発生剤としての使用が著しく制限されることがある。
酸発生剤の配合量は、好ましくは感光性組成物全体100重量部に対して、0.05〜30重量部、より好ましくは0.1〜10重量部である。
この理由は、酸発生剤の配合量が少なすぎると、酸触媒反応を開始するに充分な酸が発生しないため、発生した酸による触媒反応が進行せず、感光性組成物に十分な感光性が付与されがたい。一方、酸発生剤の配合量が多すぎると、感光性組成物のガラス転移点や塗膜性が低下して、得られるレジストパターンの耐熱性や強度などが損なわれるおそれがあるためであり、また、現像後またはエッチング後に残滓が生ずるおそれがあるためである。
また、感光性組成物中の配合量が多すぎると、こうした感光性組成物を特に波長157nmのF2エキシマーレーザー光を用いて露光する際に、上記酸発生剤のうちいくつかは露光に用いる波長における吸光度が高いため感光性組成物の透過率をいちじるしく低下させしめ、均一露光が困難となるからである。
これらの酸発生剤は、単独でまたは2種類以上を混合して用いてもよい。
化学増幅型のレジストにおいて、塩基性物質を添加することにより感光性組成物中における酸の拡散する距離を制御し、解像性を上げる方法が知られている。本発明における感光性組成物においても同様の効果が期待される。この場合添加する塩基性物質の量は光酸発生剤100重量部に対して、好ましくは0.05〜10重量部、より好ましくは0.5から5重量部である。それより少ない場合は充分な効果を発生せしめることが出来ず、反対に多すぎる場合は発生する酸の多くを中和失活させるため、感光性組成物の感度が著しく低下するからである。
次に、本発明の感光性組成物における溶剤について説明する。
本発明で用いる感光性樹脂(感光性組成物)は、アルカリ可溶性樹脂と、F2エキシマーレーザー光などのエネルギー線の照射により酸を発生する化合物(酸発生剤)とを所定の溶媒に溶解することにより調製することができる。
かかる溶媒としては、通常、こうした感光性組成物の溶媒として用いられ得る溶媒であれば、特に限定される物ではないが、例えば、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン(2−ブタノン)、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、等のケトン系溶媒;メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶媒、ラクトン系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のグリコール系溶媒、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等があげられるがこれに限定されるものではない。
これらの溶媒は、単独で使用しても、2種類以上を混合して混合溶媒として使用してもよい。
また、これらの混合溶媒中には、例えばキシレン、トルエン等の芳香族炭化水素またはエタノール、イソプロピルアルコール(2−プロパノール)等の脂肪族アルコールやこれらから誘導される溶媒を適量含んでいてもよい。
上記の溶媒中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)が好ましい。これは感光性組成物中に微量に残った溶媒が感光性組成物の性能に影響するためであり、PGMEAの沸点、溶解度パラメータ、極性等が好適である。
同様にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)の他に乳酸エチルもまたかかる感光性組成物の溶媒として好ましい。
次に、本発明のパターン形成方法について図面を参照して説明する。
ここではフッ素樹脂を用いた感光性組成物をポジ型のレジストとして用いた場合について記述する。
図1は、フッ素樹脂を用いた感光性組成物を用いる本発明の微細パターン形成方法を示す断面図である。
まず、図1(a)に示すように基板11にフッ素樹脂を用いた感光性組成物を回転塗布法等によって0.01〜5μm、好ましくは0.05〜0.5μm、より好ましくは0.1〜0.3μmの膜厚で塗布する。
次いで、150℃以下、好ましくは80〜130℃の所定の温度でプリベーク処理を行って、樹脂層(感光性組成物の層)、すなわちレジスト層12を形成する。
なお、ここで用いられる前記基板としては、例えばシリコンウェハー、表面に各種の絶縁膜、電極および配線などが形成された段差を有するシリコンウェハー、マスクブランクス、GaAs、AlGaAs等のIII−V族化合物半導体ウェハーやII−VI族化合物半導体ウェハー、水晶、石英またはリチウムタンタレイト等の圧電体ウェハーなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。
次に、図1(b)に示すように、レジスト層12に所望のパターンを有するマスク13を介して、矢印15で示す如くF2エキシマーレーザー光などのエネルギー線を照射することによって、特定の領域14を選択的に露光する事によってパターン描画を行なう。
このとき、一般にエネルギー線(あるいは化学放射線)、すなわち、X線、高エネルギー電子線、シンクロトロン放射光、高圧水銀灯の特性線、F2以外のエキシマーレーザー光等を露光光として用いたり、マスクを用いずに電子線、イオンビーム線等を走査して前記レジスト膜を直接パターン露光することも可能であるが、F2エキシマーレーザーを露光光源として用いた場合に、本発明の効果がもっとも発揮される。
続いて、70〜160℃、好ましくは90〜140℃で30秒〜10分間程度の露光後ベーキングを行なうことによって、図1(c)に示した様に、レジスト膜の露光量域14に潜像16を形成させる。このとき、露光によって生じた酸が触媒として作用して溶解抑止基(可溶性抑止剤)が分解されるため、アルカリ溶解性が上昇しレジスト膜の露光部分がアルカリ水溶液に可溶化する。
次いで露光後ベーキングを行ったレジスト膜12に対してアルカリ水溶液で現像処理を行なうと、レジスト膜12の未露光部分はアルカリ水溶液に対する溶解性が低いため基板上に残存するが、一方上述したように露光部分14は現像液に溶解する。
次いで、純水、低級アルコール、またはそれらの混合物などで前記現像液を洗い流したあと、基板を乾燥させることにより、図1(d)に示すような所望のレジストパターン17を形成することができる。
ここではポジ型の化学増幅レジストの場合を示したが、ネガ型レジストに用いた場合にも、露光により発生した酸がアルカリ可溶性樹脂と架橋剤の反応や、置換基の構造を変化させてアルカリ不溶化する反応等に関与するため、上記ポジ型レジストの場合と同様に高い感度でパターンを形成できる等の効果が得られる。
また、ここで用いられるエネルギー線として、F2エキシマーレーザー光を用いた場合について記述したが、ArFエキシマーレーザー光もまた本発明の微細パターン形成方法に用いるエネルギー線として好適である。
また、KrFエキシマーレーザー光もまた本発明の微細パターン形成方法に用いるエネルギー線として好適である。
また、高エネルギー電子線もまた本発明の微細パターン形成方法に用いるエネルギー線として好適である。
また、高エネルギーイオンビームもまた本発明の微細パターン形成方法に用いるエネルギー線として好適である。
また、シンクロトロン放射光などから発生するX線もまた本発明の微細パターン形成方法に用いるエネルギー線として好適である。
なお、以上の例では、基板11の上にレジスト膜を形成する場合について説明したが、レジスト膜はいわゆる基板の直上に形成する場合に限定されるものではなく、密着性向上剤によって処理された基板上に形成してもよい。また、基板は半導体装置製造用に限定されるものではなく、電子装置製造用などのあらゆる基板を含むことは前述した。また基板上に導電膜あるいは絶縁膜など所定の層を設け、その上に形成してもよい。また、かかる基板上に例えばBrewer Science社製のDUV−30、DUV−32、DUV−42、DUV−44のごとき反射防止膜を施した上にレジスト膜を形成することも可能である。
ここで反射防止膜の役割を説明する。基板上に既に形成された下地膜に段差がある場合、この段差部で露光光が反射され、所望の形状のレジスト膜が形成できないという問題点がある。この問題点を解消するために、被加工層(下地層)の上面に露光光の反射を防止するための反射防止膜を設ける技術が知られている。すなわち米国特許第4,910,122号明細書に反射防止膜が開示しているが、これはフォトレジスト層のような感光層の下部に導入され、反射光による欠点を取り除く役割をする。この反射防止膜は光吸収染料を含んでおり均一な薄膜の形を持つものであり、この反射防止膜を導入すれば基板上の下地層から反射される光を吸収し鋭利な感光膜パターンが形成できる。一般的に反射防止膜に要求される反射率は10%以下であり、複素屈折率の1.0<n<3.0、0.4<k<1.3を満たす材料が好適である。
こうした反射防止膜には大別して無機膜と有機膜とがある。無機膜を反射防止膜として用いる場合、反射防止の技術としては、さらに2通りの方法がある。1つ目は、成膜条件によらず同じ屈折率をもつ膜を与える無機材料を用いを膜厚で反射防止能を制御する方法である。2つ目は、成膜条件によって屈折率が変化する無機材料を用い、下地基板に合わせて最適な屈折率を有する膜を成膜し、膜厚と屈折率から吸収と位相を制御して反射防止を行う方法である。1つ目の膜材料の代表例としてはTiN、TiONなどがあり、2つ目の膜材料の代表例としてはSiOx Ny:H、SiO2:Hなどがある。2つ目の方法を用いた反射防止方法は、屈折率の実部、虚部、さらに膜厚がパラメーターになるため、下地に対して反射防止作用を最適化しやすく、より大きな効果が得られる方法である。このように成膜条件によって屈折率をコントロールでき、適切な定在波低減を行なうことができる無機系反射防止膜は優れた反射防止技術である。
より具体的には、たとえばスパッタリング法などを用いて形成するTiNよりなる反射防止膜、プラズマCVD法により形成されるプラズマ窒化膜、化学的気相成長法(CVD法)やスパッタ法を用いて形成されるアモルファスカーボン(a−C:H)系反射防止膜などがある。これらの気相法で形成される反射防止膜は、高段差及び微細な段差を有するデバイスでもステップカバレージ性に優れているという利点がある。
上記気相法でなく、有機反射防止膜の基板への形成は、液状物を用いたスピンコート法あるいはディップコート法にて行なわれる。したがって有機系の反射防止膜は、レジスト膜と同じように塗布して形成できるため、反射防止膜の膜形成が容易であり、しかもレジスト膜の膜厚は段差の有無に係わらず一様になる傾向を有し、レジスト膜の膜厚変化に起因する寸法変動を抑制することが可能である。
有機材料を用いた反射防止膜は、一般にベース樹脂、光吸収色素、溶媒、界面活性剤からなる。光吸収色素は、ベース樹脂の主鎖に含まれる場合、樹脂の側鎖として存在する場合、あるいはモノマーとして溶液中に存在する場合がある。ベース樹脂としては、ノボラック系樹脂、ポリビニールフェノール系樹脂、これらの混合体、またはこれらのうち少なくとも1つを含むコポリマー系樹脂である。とくに、反射防止膜形成用溶液は水溶性であることが、ミキシング層が形成されない点で好ましい。具体的には水溶性膜形成成分を含有する塗布液が、後から形成されるレジスト層とミキシング層を形成しない点で好ましい。前記水溶性膜形成成分としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースヘキサヒドロフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテートヘキサヒドロフタレート、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース系重合体;N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N−メチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、アクリル酸などを単量体とする(メタ)アクリル酸系重合体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどのビニル系重合体などをあげることができる。これらの膜形成成分は単独で用いてもよく、また2種以上を組合せて用いてもよい。さらに、水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコールの他に、プルラン等の多糖類、ポリビニルピロリドン単独重合体等が挙げられる。
また、前記ポリマー溶液の溶媒は樹脂成分を溶解させ得るものなら例外なく用いられるが、特にアルコール、芳香族炭化水素、ケトンエステルおよび超純水よりなる群から選択された少なくとも1つであることが好ましい。
反射防止膜には、成膜性を向上させるために第3成分として界面活性剤を添加することがある。界面活性剤としては、ベタイン系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤、アミンカルボン酸塩系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤、またはこれらをフッ素置換した界面活性剤をあげることができる。界面活性剤の配合割合は、水溶液全体に対し0〜2重量%、特に0〜1重量%となる範囲が望ましい。
反射防止膜のベークは、空気中または酸素雰囲気下で、200〜400℃の温度範囲で30秒間ないし5分間程度行なわれることが望ましく、高温ベーク後の膜厚が1500オングストローム以下であることが好ましい。
また、反射防止膜製造用の組成物を塗布した後に、さらに溶媒除去のためのソフトベーク工程を行なうことができ、このソフトベーク工程は100〜250℃の温度範囲で30秒間ないし5分間程度行なうことが望ましい。
前記ソフトベーク工程の後、膜の厚さを調節する工程をさらに実施することもできる。この膜厚調整工程は、好ましくはアルコール、芳香族炭化水素、ケトン、エステルおよび超純水よりなる群から選択された少なくとも1つの溶媒を使用しソフトベークされた膜の上部を取り除くことによって実施することができる。
反射防止膜を用いない場合には、被加工基板上に直接、感光性組成物が塗布されることは既に述べた。この場合の基板材料としては、SOG(Spin On Glass)、SiN、SiON、Al、Ti、TiN、BPSG(リン・ホウ酸シリケートガラス)、酸化クロム、Pt等がある。化学増幅系のレジストの種類によってはパターン下部の食い込みや裾引きなどの現象が起こることがあるので、必要により、上記反射防止膜以外のアンダーコート膜を形成したり、基板を酸素プラズマ処理したり、各種表面処理を施してもよい。
また、このように形成した微細レジストパターンをマスクとして、その下の所定の層をエッチングして導電膜あるいは絶縁膜の所望の微細パターンを形成し、さらに他の工程を重ねて半導体装置など電子装置を製造することができる。これらの工程はよく知られているところであるから、説明は省略する。
以下に実施例および比較例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
合成例1(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた100mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの5.6g、HCFC−141bの40ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)0.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)12.0gを仕込み、40℃にて18時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の9.8kgf/cm2Gから9.5kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体5.7gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネンが50/50%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は3400であった。
合成例2(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンとtert−ブチル−αフルオロアクリレートとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた100mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの8.5g、tert−ブチル−αフルオロアクリレート1.9g、HCFC−141bの40ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)0.5gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)15.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の12.0kgf/cm2Gから10.5kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体8.7gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/tert−ブチル−αフルオロアクリレートが32/57/11モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は1900であった。
合成例3(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンとtert−ブチル−αフルオロアクリレートとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた100mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの12.0g、tert−ブチル−αフルオロアクリレート4.9g、HCFC−141bの40ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)0.5gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)15.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の12.0kgf/cm2Gから10.5kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体5.5gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/tert−ブチル−αフルオロアクリレートが31/30/39モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は4300であった。
合成例4(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンとtert−ブチル−αフルオロアクリレートとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた500mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの19.5g、tert−ブチル−αフルオロアクリレート17.0g、HCFC−141bの240ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)1.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)56.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の11.0kgf/cm2Gから10.2kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体28.5gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/tert−ブチル−αフルオロアクリレートが43/33/24モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は32000であった。
合成例5(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンとtert−ブチル−αフルオロアクリレートとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた500mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの9.5g、tert−ブチル−αフルオロアクリレート13.7g、HCFC−141bの240ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)1.5gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)18.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の12.0kgf/cm2Gから10.5kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後ヘキサンで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体19.5gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/tert−ブチル−αフルオロアクリレートが13/22/65モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は25000であった。
合成例6(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンとtert−ブチル−αフルオロアクリレートとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた500mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの19.7g、tert−ブチル−αフルオロアクリレート16.9g、HCFC−141bの240ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)1.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)56.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の10.1kgf/cm2Gから9.5kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後ヘキサンで再沈殿させ、共重合体を分離した。再沈殿後の恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体23.5gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/tert−ブチル−αフルオロアクリレートが11/19/70モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は31000であった。
合成例7(合成例6で得た共重合体の脱保護)
100mLナスフラスコに合成例6で得たノルボルネンとテトラフルオロエチレンとtert−ブチル−αフルオロアクリレートとの共重合体1.8gを塩化メチレン80gに溶解させ、トリフルオロ酢酸を1.2g加え室温で12時間撹拌した。反応後、過剰のトリフルオロ酢酸と塩化メチレンを減圧留去した。残った固体成分を蒸留水で数回洗い、テトラヒドロフランに溶かしてヘキサンで再沈殿し、共重合体を分離した。この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/tert−ブチル−αフルオロアクリレート/αフルオロアクリル酸が11/19/66/4モル%の共重合体であった。
合成例8(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンとtert−ブチル−αフルオロアクリレートとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた500mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの10.7g、tert−ブチル−αフルオロアクリレート16.9g、HCFC−141bの240ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)1.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)22.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の6.2kgf/cm2Gから5.5kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後ヘキサンで再沈殿させ、共重合体を分離した。再沈殿後の恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体23.5gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/tert−ブチル−αフルオロアクリレートが19/22/59モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は17000であった。
合成例9(合成例8で得た共重合体の脱保護)
100mLナスフラスコに合成例8で得たノルボルネンとテトラフルオロエチレンとtert−ブチル−αフルオロアクリレートとの共重合体5.0gを塩化メチレン80gに溶解させ、トリフルオロ酢酸を4.0g加え40℃で8時間撹拌した。反応後、過剰のトリフルオロ酢酸と塩化メチレンを減圧留去した。残った固体成分を蒸留水で数回洗い、テトラヒドロフランに溶かしてヘキサンで再沈殿し、共重合体を分離した。この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/tert−ブチル−αフルオロアクリレート/αフルオロアクリル酸が19/22/41/18モル%の共重合体であった。
合成例10(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンとCOOH基を有する含フッ素アリルエーテルとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた100mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの5.6g、パーフルオロ(9,9−ジハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネン酸):
10.9g、HCFC−141bの40ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)0.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)12.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の10.1kgf/cm2Gから9.5kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体4.5gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/含フッ素アリルエーテルが30/54/16モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は3800であった。
合成例11(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンと−COOC(CH3)3基を有する含フッ素アリルエーテルとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた100mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの5.6g、パーフルオロ(9,9−ジハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネン酸−tert−ブチルエステル):
4.9g、HCFC−141bの40ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)0.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)12.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の9.1kgf/cm2Gから8.5kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体5.5gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/含フッ素アリルエーテルが55/37/8モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は4500であった。
合成例12(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンと−COOC(CH3)3基を有する含フッ素アリルエーテルとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた100mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの5.6g、パーフルオロ(9,9−ジハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネン酸−tert−ブチルエステル):
11.9g、HCFC−141bの40ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)0.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)12.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の8.6kgf/cm2Gから8.0kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体4.5gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/含フッ素ノルボルネンが47/40/13モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は4400であった。
合成例13(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンと−COOC(CH3)3基を有する含フッ素ノルボルネンとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた100mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの9.0g、と−COOC(CH3)3基を有する含フッ素ノルボルネン:
5.1g、HCFC−141bの40ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)0.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)12.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の9.6kgf/cm2Gから9.0kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体2.2gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/含フッ素ノルボルネンが54/37/9モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は1200であった。
合成例14(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンと−COOC(CH3)3基を有する含フッ素ノルボルネンとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた100mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの2.8g、と−COOC(CH3)3基を有する含フッ素ノルボルネン:
6.3g、HCFC−141bの40ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)0.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)12.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の9.6kgf/cm2Gから9.2kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体2.1gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/含フッ素ノルボルネンが58/27/15モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は5300であった。
合成例15(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンと−COOC(CH3)3基を有する含フッ素ノルボルネンとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた500mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの40.8g、と−COOC(CH3)3基を有する含フッ素ノルボルネン:
71.3g、HCFC−141bの240ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)1.5gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)56.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の9.8kgf/cm2Gから9.2kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体10.1gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/含フッ素ノルボルネンが56/31/13モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は2300であった。
合成例16(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンと−COOC(CH3)3基を有する含フッ素ノルボルネンとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた500mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの11.8g、と−COOC(CH3)3基を有する含フッ素ノルボルネン:
79.3g、HCFC−141bの240ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)3.5gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)50.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の9.8kgf/cm2Gから9.2kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体12.1gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/含フッ素ノルボルネンが56/13/31モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は4600であった。
合成例17(テトラフルオロエチレンと−COOC(CH3)3基を有する含フッ素ノルボルネンとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた300mLのオートクレーブに−COOC(CH3)3基を有する含フッ素ノルボルネン:
15.9g、HCFC−141bの140ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)1.5gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)30.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の9.6kgf/cm2Gから9.3kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体4.1gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/含フッ素ノルボルネンが50/50モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は2500であった。
合成例18(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンと−COOC(CH3)3基を有する含フッ素オキソノルボルネンとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた100mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの7.0g、と−COOC(CH3)3基を有する含フッ素オキソノルボルネン:
4.1g、HCFC−141bの40ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)0.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)12.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の9.8kgf/cm2Gから9.2kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体1.1gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/含フッ素ノルボルネンが48/33/19モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は2500であった。
合成例19(ノルボルネンとテトラフルオロエチレンと−COOC(CH3)3基を有する含フッ素オキソノルボルネンとの共重合体の合成)
バルブ、圧力ゲージおよび温度計を備えた100mLのオートクレーブに2−ノルボルネンの5.6g、と−COOC(CH3)3基を有する含フッ素オキソノルボルネン:
3.0g、HCFC−141bの40ml、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(TCP)0.3gを入れ、ドライアイス/メタノール液で冷却しながら系内を窒素ガスで充分置換した。ついでバルブよりテトラフルオロエチレン(TFE)12.0gを仕込み、40℃にて12時間浸とうして反応させた。反応の進行と共にゲージ圧は反応前の9.8kgf/cm2Gから9.2kgf/cm2Gまで低下した。
未反応モノマーを放出したのち、重合溶液を取り出し濃縮後メタノールで再沈殿させ、共重合体を分離した。恒量になるまで真空乾燥を行ない、共重合体1.5gを得た。
この共重合体の組成比は、1H−NMRおよび19F−NMR分析の結果より、TFE/2−ノルボルネン/含フッ素オキソノルボルネンが58/32/10モル%の共重合体であった。
GPC分析により数平均分子量は2300であった。
実施例1
合成例11で得た含フッ素共重合体の真空紫外吸収スペクトルを図2に示す。157nmにおける1μmあたりの吸光度は0.93であり、比較例1に示すフッ素を含まないポリマーと比較して157nmにおける透明性が高い。
実施例2
分子構造中にフッ素を持つ高分子材料の157nmにおける吸光度を表1に示す。下記の比較例1に示すフッ素を含まない材料と比較して157nmにおける吸光度が著しく低下しており、透明性が大きく向上している。これにより300nmにおける透過率が10%以上確保できた。
表1において高分子材料の略号は下記の化合物を示す。
上記化合物において用いられた略号は以下の化合物を示す。
比較例1
分子構造中にフッ素をもたない高分子材料の157nmにおける吸光度を表2に示す。これらの樹脂の1μmあたりの吸光度は4以上であり、300nmにおける透過率は5%未満であった。
表2における下記の高分子材料のそれぞれの具体的な名称を示す。
ArFレジスト用樹脂1:2−メチル2−アダマンチルメタクリレート/メバ
ロニックラクトンメタクリレート共重合体
ArFレジスト用樹脂2:2−メチル2−アダマンチルメタクリレート/γ−
ブチロラクトンメタクリレート共重合体
KrFレジスト用樹脂:部分t−BOC保護ポリヒドロキシスチレン
ポリシロキサン1:(ポリジメチルシルセスキオキサン)
ポリシロキサン2:(ポリジフェニルシルセスキオキサン)
表2において、括弧内の数値は共重合比(モル%)を示す。
実施例3
合成例5で得た含フッ素共重合体100重量部に光酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムトリフレートを5重量部添加し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解して調製した感光性組成物の溶液をシリコンウェハー上にスピナーを用いて塗布し、110℃で60秒乾燥して厚さ0.1μmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜に対しF2エキシマーレーザー光(波長157nm)を照射した後、熱板上で120℃で60秒の露光後加熱を施し、2.38重量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液による現像処理を行った。
現像後に残存した感光性組成物の膜厚を図3に示す。
ここで、用いた光酸発生剤の構造を式(13)に示す。
式(13)
PYRを添加した感光性組成物では撥水性が高く、現像が充分に進行しなかっ
たが、他の酸発生剤を添加した感光性組成物では露光量に応じた溶解特性の変化が生じた。
実施例4
合成例5で得た含フッ素共重合体100重量部に光酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムトリフレート5重量部を添加した感光性組成物をクロルベンゼン(PhCl)、乳酸エチル(EL)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)にそれぞれ溶解して調製した感光性組成物の溶液をシリコンウェハー上にスピナーを用いて塗布し、110℃で60秒乾燥して厚さ0.1μmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜に対しF2エキシマーレーザー光(波長157nm)を照射した後、熱板上で120℃で60秒の露光後加熱を施し、2.38重量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液による現像処理を行った。
現像後に残存した感光性組成物の膜厚を図4に示す。
上記のうち、PGMEでは感光性組成物の溶解性が低く基板上に塗布した際に著しい相分離を生じた。PGMEA、乳酸エチルを溶媒とした場合には高感度で、かつ好適な溶解特性を示した。
実施例5
合成例5で得た含フッ素共重合体100重量部に光酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムトリフレート5重量部を添加した感光性組成物をPGMEAに溶解し、更に0.05重量部のN−メチルピロリドン(NMP)を添加して調製した感光性組成物の溶液をシリコンウェハー上にスピナーを用いて塗布し、110℃で60秒乾燥して厚さ0.1μmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜に対しF2エキシマーレーザー光(波長157nm)を照射した後、熱板上で120℃で60秒の露光後加熱を施し、2.38重量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液による現像処理を行った。
現像後に残存した感光性組成物の膜厚を図5に示す。
実施例6
合成例6で得た含フッ素共重合体と合成例8の重合体の酸解離基の一部を合成例7での方法で解離させ、カルボキシル基を4モル%導入した含フッ素共重合体のそれぞれ、100重量部に光酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムトリフレート5重量部を添加し、PGMEAに溶解して調製した感光性組成物の溶液をシリコンウェハー上にスピナーを用いて塗布し、110℃で60秒乾燥して厚さ0.1μmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜に対しF2エキシマーレーザー光(波長157nm)を照射した後、熱板上で120℃で60秒の露光後加熱を施し、2.38重量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液による現像処理を行った。
現像後に残存した感光性組成物の膜厚を図6に示す。
このとき、合成例9の脱保護してカルボキシル基を18モル%導入した重合体を用いて調製した感光性組成物は現像液の溶解性が高く、未露光部分まですべて現像液に溶解した。一方、合成例6のカルボキシル基を含まない重合体を用いた感光性組成物は撥水性を示し、現像液がはじきパドル形成に支障が生じたため、現像の面内均一性が保たれなかった。
一方、合成例7のカルボキシル基を4モル%導入した重合体を用いた感光性組成物は現像液の良好な濡れ性を示し、パドル形成は良好であった。また未露光部分は現像液に不溶であった。
実施例7
合成例7で得た含フッ素共重合体100重量部、および光酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムトリフレート5重量部をPGMEAに溶解して感光性組成物の溶液を調製した。
この溶液を、シリコンウェハー上にスピナーを用いて塗布し、110℃で60秒乾燥して厚さ0.1μmのレジスト膜を形成した。同一条件で無機基板上に形成したこのレジスト膜の157nmの光の透過率は35%であった。
このレジスト膜に対し、F2エキシマーレーザー光(波長157nm)を光源とする縮小露光投影装置で露光を行った後、熱板上で120℃で60秒の露光後加熱を施した。
その後、2.38重量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液による現像処理を行ったところ、レジスト膜の露光部分が選択的に溶解除去されて、微細パターンが形成された。
得られた0.10μmのラインアンドスペースのレジストパターンの電子顕微鏡写真を図7に示す。図7の写真に示す如くパターンの断面形状は良好であり、微細なレジストパターンを23mJ/cm2で形成できた。すなわち下記の比較例2に示すフッ素樹脂を用いない感光性組成物と比較して飛躍的な高解像性が達成できた。
なお、本実施例の感光性組成物を用いて、0.18μm、0.20μm、0.225μm、0.25μm、0.30μm、0.40μm、0.50μmのラインアンドスペースを有するレジストパターンも23mJ/cm2の感度で形成できた。
比較例2
2MAdMA(2−メチル2−アダマンチルメタクリレート)とMLMA(メバロニックラクトンメタクリレート)との共重合体100重量部、および光酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムトリフレート5重量部をPGMEAに溶解して感光性組成物の溶液を調製した。
この溶液を、シリコンウェハー上にスピナーを用いて塗布し、115℃で60秒乾燥して厚さ0.1μmのレジスト膜を形成した。同様の方法により無機基板上に形成したこのレジスト膜の157nmの光の透過率は12%であった。
このレジスト膜に対し、F2エキシマーレーザー光(波長157nm)を光源とする縮小露光投影装置で露光を行った後、熱板上で115℃で60秒の露光後加熱を施した。
その後、2.38重量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液による現像処理を行ったところ、レジスト膜の露光部分が選択的に溶解除去されたが、0.3μmの微細パターンの形状が矩形ではなかった。
また、0.25μmより微細なパターンは痕跡程度しか認められなかった。
以上のように、この比較例2では、フッ素樹脂を用いていない感光性組成物は157nmの透明性が低く、パターンの解像性が劣ることが分かる。
実施例8
合成例5で得た含フッ素重合体100重量部、および光酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムトリフレート5重量部をPGMEAに溶解して感光性組成物の溶液を調製した。
シリコンウェハーを密着向上剤で処理した基板上に、上記の感光性組成物の溶液をスピナーを用いて塗布し、115℃で60秒乾燥して厚さ0.1μmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜に対し、F2エキシマーレーザー光(波長157nm)を光源とする縮小露光投影装置で16mJ・cm−2露光を行った後、熱板上で115℃で60秒の露光後加熱を施した後、2.38重量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液による現像処理を行ったところ、図8左に示すような断面形状のパターンを得た。図8右はシリコン基板上で同様の微細パターニングを行なった際に得られたパターンの断面形状である。
実施例9
合成例5で得た含フッ素重合体100重量部、および光酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムトリフレート5重量部をPGMEAに溶解して感光性組成物の溶液を調製した。
シリコンウェハー上にBrewerScience社製の反射防止膜DUV−30、DUV−32、DUV−42、DUV−44を塗布した基板上に、それぞれ上記の感光性組成物の溶液をスピナーを用いて塗布し、115℃で60秒乾燥して厚さ0.1μmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜に対し、F2エキシマーレーザー光(波長157nm)を光源とする縮小露光投影装置で18mJ・cm−2露光を行った後、熱板上で115℃で60秒の露光後加熱を施した後、2.38重量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド(TMAH)水溶液による現像処理を行ったところ、それぞれ図9に示すような断面形状のパターンを得た。図9(e)はシリコン基板上で同様の微細パターニングを行なった際に得られたパターンの断面形状である。
産業上の利用可能性
以上説明したように、本発明によれば、基板あるいは所定の層の上に、F2エキシマーレーザー光などの短波長の露光光の吸収が小さい材料と、F2エキシマーレーザー光などの短波長の光の照射により酸を発生する酸発生剤とを含有する感光性組成物を主成分とする感光性層を形成し、前記感光性層の所定の領域に選択的にF2エキシマーレーザー光などの短波長の光を照射して露光し、前記露光後の感光性層を熱処理し、前記熱処理後の感光性層を現像処理して、前記感光性層の露光部分または未露光部分を選択的に除去することにより、極めて精細な微細パターンを形成することができる。
また、こうして得られた微細パターンをマスクにしてその下地の層をエッチングすることにより所定のパターンを形成し、微細パターンを有する半導体装置などの電子装置を製造することができる。
また、以上述べたように本発明の微細パターン形成方法では、短波長光、特にF2エキシマーレーザーを露光光とした場合の感光性組成物の解像性が従来のものと比較して飛躍的に増大しているため、半導体装置の高密度化による半導体装置の高性能化がなされる。よってその工業的価値は絶大である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の微細パターン形成方法を工程にそって示す断面図。
図2は、本発明におけるフッ素樹脂の真空紫外吸収スペクトル。
図3は、本発明におけるフッ素樹脂を用いた感光性組成物の酸発生剤による性能差を示す感度曲線。
図4は、本発明におけるフッ素樹脂を用いた感光性組成物の溶剤による性能差を示す感度曲線。
図5は、本発明におけるフッ素樹脂を用いた感光性組成物に塩基性物質添加した効果を示す感度曲線。
図6は、本発明におけるフッ素樹脂の保護率の違いによる感光性組成物の性能差を示す感度曲線。
図7は、本発明におけるフッ素樹脂を用いた感光性組成物で形成されたレジストパターンの走査型電子顕微鏡写真。
図8は、本発明におけるフッ素樹脂を用いた感光性組成物において密着性向上剤で基板を処理することによる効果を示すレジストパターン断面の走査型電子顕微鏡写真。
図9は、本発明におけるフッ素樹脂を用いた感光性組成物において基板上に反射防止膜を施すことによる効果を示すレジストパターン断面の走査型電子顕微鏡写真。
Claims (16)
- 基板あるいは基板上の所定の層の上に、少なくとも、光の照射により酸を発生する化合物と、分子構造中にフッ素原子を含有する化合物を含む感光性組成物を用いて感光性層を形成する工程と、前記感光性層の所定の領域に選択的にエネルギー線を照射して露光する工程と、前記露光後の感光性層を熱処理する工程と、前記熱処理後の感光性層を現像処理して、前記感光性層の露光部分または未露光部分を選択的に除去して微細パターンを形成する工程とを含むことを特徴とする微細レジストパターン形成方法。
- 前記フッ素原子を含有する化合物が主鎖に環状構造を有し、かつ酸の作用によってカルボキシル基に変換する酸解離性官能基を有する含フッ素共重合体であって、含フッ素重合体が式(1):
−(M1)−(M2)−(M3)−(A1)− (1)
(式中、
構造単位M1が、炭素数2または3のエチレン性単量体であって少なくとも1個のフッ素原子を有する単量体に由来する構造単位
構造単位M2が、M1と共重合可能なフッ素原子に置換されていても良い環状の脂肪族不飽和炭化水素に由来する構造単位
構造単位M3が
(式中、Y1は酸解離性官能基;X1、X2は同じかまたは異なりHまたはF;X3はH、F、Cl、CH3またはCF3;X4およびX5は同じかまたは異なり、H、FまたはCF3;Rfは炭素数1〜40の含フッ素アルキレン基または炭素数2〜100のエーテル結合を有する含フッ素アルキレン基、aは0〜3の整数;b、cおよびdは同じかまたは異なり、0または1)
構造単位A1は(M1)、(M2)、(M3)と共重合可能な単量体に由来する構造単位)で示され、M1が5〜70モル%、M2が5〜70モル%、M3が5〜75モル%、A1が0〜50モル%の含フッ素共重合体であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の微細レジストパターン形成方法。 - 前記フッ素原子を含有する化合物が主鎖に環状構造を有し、かつ酸の作用によってカルボキシル基に変換する酸解離性官能基を有する含フッ素共重合体であって、含フッ素共重合体が式(2)
−(M1)−(M4)−(A2)− (2)
(式中、
構造単位M1は炭素数2または3のエチレン性単量体であって少なくとも1個のフッ素原子を有する単量体に由来する構造単位、
構造単位M4が、M1と共重合可能なフッ素原子に置換されていても良い環状の脂肪族不飽和炭化水素であって酸解離性官能基Y2を有する単量体に由来する構造単位
構造単位A2は(M1)、(M4)と共重合可能な単量体に由来する構造単位)で示され、M1が5〜70モル%、M4が5〜60モル%、A2が0〜50モル%の含フッ素共重合体であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の微細レジストパターン形成方法。 - 酸解離性官能基Y1、Y2が−C(CH3)3である請求の範囲第2項または第3項記載の微細レジストパターン形成方法。
- 酸解離性官能基を有する構造単位が含フッ素共重合体を構成する全構造単位に対して15モル%以上含むことを特徴とする請求の範囲第2項〜第4項のいずれかに記載の微細レジストパターン形成方法。
- 含フッ素共重合体の酸解離性官能基の一部を解離させ、カルボキシル基に変換したものを用いることを特徴とした請求の範囲第2項〜第5項のいずれかに記載の微細レジストパターン形成方法。
- 含フッ素共重合体の酸解離性官能基の一部を解離させ、カルボキシル基を含フッ素共重合体を構成する全構造単位に対して1モル%以上、15モル%未満の範囲で含有させたものを用いることを特徴とした請求の範囲第6項記載の微細レジストパターン形成方法。
- 前記エネルギー線としてF2エキシマーレーザー光を用いることを特徴とする請求の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載の微細レジストパターン形成方法。
- 前記エネルギー線としてArFエキシマーレーザー光を用いることを特徴とする請求の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載の微細レジストパターン形成方法。
- 前記エネルギー線としてKrFエキシマーレーザー光を用いることを特徴とする請求の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載の微細レジストパターン形成方法。
- 前記エネルギー線として高エネルギー電子線を用いることを特徴とする請求の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載の微細レジストパターン形成方法。
- 前記エネルギー線として高エネルギーイオンビームを用いることを特徴とする請求の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載の微細レジストパターン形成方法。
- 前記エネルギー線としてエックス線を用いることを特徴とする請求の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載の微細レジストパターン形成方法。
- 微細レジストパターン形成に用いる感光性組成物をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)の溶液として基板上に塗布することを特徴とする請求の範囲第1項〜第13項のいずれかに記載の微細レジストパターン形成方法。
- 微細レジストパターン形成に用いる感光性組成物を乳酸エチルの溶液として基板上に塗布することを特徴とする請求の範囲第1項〜第13項のいずれかに記載の微細レジストパターン形成方法。
- 基板あるいは基板上の所定の層の上に、請求の範囲第1項〜第15項のいずかれに記載の方法により微細レジストパターンを形成したあと、この微細レジストパターンを介して前記基板あるいは前記所定の層をエッチングすることにより所望の回路パターンを形成する工程を含むことを特徴とする微細回路パターン形成方法。
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