JPWO2002068671A1 - 乳蛋白質の脱アミド化方法及び乳蛋白質の変性方法 - Google Patents

乳蛋白質の脱アミド化方法及び乳蛋白質の変性方法 Download PDF

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Abstract

蛋白質中のアミド基に直接作用しペプチド結合の切断及び蛋白質の架橋を伴わず脱アミドする作用を有する酵素によって乳蛋白質を脱アミドする場合に、その脱アミド化率及び脱アミド化速度を改善する方法を提供する。また、乳蛋白質の酵素的変性方法を提供する。予め変性させた乳蛋白質に、分子量5000以上の蛋白質中のアミド基に直接作用しペプチド結合の切断及び蛋白質の架橋を伴わず脱アミドする作用を有する蛋白質脱アミド酵素を作用させて脱アミド化を行う。また、当該酵素を用いて乳蛋白質の変性を行う。

Description

技術分野
本発明は、蛋白質のアミド基に直接作用してペプチド結合の切断及び蛋白質の架橋を伴わず脱アミドする作用を有する酵素を利用した乳蛋白質の脱アミド化方法及び脱アミド化乳蛋白質の製造方法に関する。また、当該酵素を用いた乳蛋白質の変性方法及び蛋白質分解物の製造方法に関する。
背景技術
一般に、蛋白質中のグルタミン及びアスパラギン残基を脱アミド化してカルボキシル基を生じさせると、その蛋白質の負電荷が増加し、その結果等電点が低下、水和力が増加する。さらに静電反撥力の上昇による蛋白質間の相互作用の低下すなわち会合性の低下がもたらされる。これらの変化により蛋白質の可溶性、水分散性は大きく増大する。また、蛋白質の負電荷の増加はその蛋白質の折りたたみをほぐし、高次構造を変化させ、分子内部に埋もれていた疎水性領域を分子表面に露出させる。したがって、脱アミド化蛋白質は両親媒性を有し理想的な界面活性剤となり、蛋白質の乳化力、乳化安定性、起泡性、及び泡沫安定性が大きく向上する。
このように、蛋白質の脱アミド化は蛋白質の様々な機能特性の向上をもたらし、その蛋白質の用途は飛躍的に増大する(例えば Molecular Approaches to Improving Food Quality and Safety,D.Chatnagar and T.E.Cleveland,eds.,Van Nostrand Reinhold,New York,1992,p.37)。
蛋白質を酵素的に脱アミド化する方法として、高pH(pH10)条件下でのプロテアーゼ処理法(A.Kato,A.Tanaka,N.Matsudomi,and K.Kobayashi,J.Agric.Food Chem.,35,224,1987)、トランスグルタミナーゼ法(M.Motoki,K.Seguro,A.Nio,and K.Takinami,Agric.Biol.Chem.,50,3025,1986)、ペプチドグルタミナーゼ法(UP 5082672A及びJ.S.Hamada,and W.E.Marshall,J.Food Sci.,54,598,1989)の三つの方法が知られているが、以下のような問題点が指摘されている。
プロテアーゼ法では、その本来の反応であるペプチド結合の切断は避けられず、これにより脱アミド化により期待される蛋白質の機能性の向上が阻害される(特に泡沫安定性が低下する)。また、苦味の生成ももたらされる。
トランスグルタミナーゼ法では、その本来の反応であるグルタミンとリジン間でのイソペプチド結合の形成による架橋反応を押さえるためには、予めリジン残基のε−アミノ基を化学的に保護しておく必要がある。したがって、この方法により食品用の脱アミド化蛋白質を生産する場合には、可逆的保護基であるシトラコニル基などで保護しておいた後グルタミンを脱アミドさせ、その後保護基をはずし、さらに遊離したシトラコニル酸と脱アミド化蛋白質を分離しなければならなかった。このように、製造工程が煩雑であり、またコスト面からも好ましくなく実用化にはほど遠いものであった。
一方、ペプチドグルタミナーゼ法では、本酵素が本来低分子化されたペプチドの脱アミド化をもっぱら触媒する酵素であるため、そのままの状態の蛋白質には作用させることが出来ず(M.Kikuchi,H.Hayashida,E.Nakano,and K.Sakaguchi,Biochemistry,10巻,1222−1229,1971及びB.P.Gill,A.J.O’Shaughnessey,P.Henderson and D.R.Headon,Ir.J.Food Sci.Technol.,9巻,33−41,1985)、蛋白質加水分解物を用いる必要があった(UP 5082672A及びJ.S.Hamada,and W.E.Marshall,J.Food Sci.,54,598,1989)。即ちプロテアーゼとの併用を余儀なくされ、上記のプロテアーゼ法の場合と同様に苦味ペプチドの生成、機能性、特に泡沫安定性の低下という問題を生じる。
これらの問題を解決する方法として、蛋白質に直接作用して脱アミドする作用を有する酵素(蛋白質脱アミド酵素)を用いた蛋白質の脱アミド化法が開示されている(特開2000−50887号公報)。
一方、熱処理、変性剤の処理などにより蛋白質を変性させる方法が知られている。蛋白質を変性させることの意義は、蛋白質分解酵素感受性の向上や消化性の向上、あるいは乳化特性、泡沫特性、ゲル化特性など蛋白質の機能性の向上などが挙げられる。従来においては、物理的方法、化学的方法により蛋白質の変性を行うことが一般的であった。物理的方法には、熱処理、高圧処理などがある。化学的方法には、変性剤(尿素、塩酸グアニジン)、還元剤、酸化剤、酸処理、アルカリ処理などがある。
発明の開示
上述のように、蛋白質の脱アミド化をする方法として4つの方法が提案されている。中でも、蛋白質に直接作用して脱アミド化する作用を有する酵素(蛋白質脱アミド酵素)を用いた脱アミド化法は、予め蛋白質を分解処理或いは化学修飾する必要がなくそのままの状態の蛋白質を用いて脱アミド化できるため、他の3つの方法に比較して優れた方法であるといえる。
しかしながら、当該酵素の作用について検討したところ、ほとんどの蛋白質に作用して脱アミド化することが出来るものの、蛋白質の種類によって脱アミド化速度や脱アミド化率が異なっており、一部の蛋白質に対しては十分な脱アミド化効果が得られないことが観察された。即ち、脱アミド化速度や脱アミド化率において改善の余地があるものであった。
本発明の第1の局面は以上の課題に鑑みなされたものであり、蛋白質中のアミド基に直接作用してペプチド結合の切断及び蛋白質の架橋を伴わずに脱アミドする作用を有する蛋白質を用いた脱アミド化方法において、脱アミド化速度及び脱アミド化率を改善することを目的とする。
一方、上記のように蛋白質の変性方法は物理的方法又は化学的方法によるものが一般的であった。物理的又は化学的な変性方法では、蛋白質の分解や蛋白質の側鎖の破壊、或いは蛋白質の凝集・不溶化を伴い、食品工業などの産業での利用にあたってしばしば問題になっていた。そこで、酵素を用いた蛋白質の変性方法が模索されている。酵素を用いた方法は、物理・化学的方法に比べ反応の選択性が高く、また温和な条件で行う事が出来るため、望ましくない副反応が伴わず、またエネルギー消費が少なくて済むなどの理由により、物理・化学的方法に勝っているといえる。とりわけ、温和な条件で行うことの出来る酵素的変性方法は、好ましくない副反応、過剰な変性を伴わないという利点、或いは、乳化特性、泡沫特性などの機能性を発揮するために好適な変性状態をもたらすことが期待できるなど、産業上大きな利用価値がある。しかしながら、現状においては適当な酵素的変性方法は知られていない。
本発明の第2の局面は以上の課題に鑑みなされたものであり、酵素を用いた蛋白質の変性方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記本発明の第1の局面における課題に鑑み種々の検討を行った。まず、上記の蛋白質脱アミド酵素を直接作用させた場合には十分な脱アミド化効果が得られなかった蛋白質であるα−ラクトグロブリンを対象として脱アミド化速度、及び脱アミド化率の向上を試みた。その結果、脱アミド化の際に予め変性処理を行ったα−ラクトグロブリンを用いることにより、脱アミド化速度及び最終的な脱アミド化率が著しく向上することを見出した。本発明の第1の局面は、かかる知見に基づくものであり、その構成は次の通りである。即ち、
変性蛋白質(変性乳蛋白質など)に、蛋白質のアミド基に直接作用してペプチド結合の切断及び蛋白質の架橋を伴わず脱アミドする作用を有する酵素を作用させる、ことを特徴とする蛋白質(乳蛋白質など)の脱アミド化方法である。
また、本発明者は、蛋白質脱アミド酵素によって脱アミド化された蛋白質の性状について検討した。そして、分光光学的手法による分析の結果、脱アミド化された蛋白質は3次構造が大きく破壊されていること、即ち変性されていることを見出した。また、この脱アミド化された蛋白質は、3次構造が崩れているのに対し2次構造は保持されていることを見出した。この様な変性状態は、乳化特性、泡沫特性などの機能性を発揮するために好適な構造であることが知られている(D.Panyam and A.Kilala,Trends in Food Sci.Tech.,Vol.7,120−125,1996)。さらに、脱アミド化された蛋白質は、蛋白質分解酵素に対する感受性において著しく改善されていることを見出した。本発明の第2の局面は以上の知見に基づき完成されたものであり、次の構成からなる。即ち、
蛋白質(乳蛋白質など)に、蛋白質のアミド基に直接作用しペプチド結合の切断及び蛋白質の架橋を伴わず脱アミドする作用を有する酵素を作用させる、ことを特徴とする蛋白質(乳蛋白質など)の変性方法である。
発明を実施するための最良の形態
本発明の第1の局面は、変性蛋白質(変性乳蛋白質など)に、蛋白質のアミド基に直接作用してペプチド結合の切断及び蛋白質の架橋を伴わず脱アミドする作用を有する酵素を作用させる、ことを特徴とする蛋白質(乳蛋白質など)の脱アミド化方法である。
本発明における変性蛋白質は、未変性の蛋白質を公知の変性方法によって変性させることにより調製することができる。変性方法としては、例えば、物理的変性方法である熱、圧力等による処理、化学的変性方法である酸、アルカリ、変性剤(尿素、塩酸グアニジン、界面活性剤など)、酸化剤、還元剤、キレート剤等による処理を挙げることができる。これらの処理は単独で行うことができることは勿論のこと、これら中から任意に選択される二以上の処理を同時又は時間をおいて行うこともできる。例えば、蛋白質溶液に変性剤を添加し、熱を加える。これにより、変性剤による変性処理及び熱による変性処理が同時に行われる。
尚、変性処理の方法は、変性させる蛋白質の種類、必要な変性の程度等を考慮して選択することができる。
変性蛋白質の調製を、後述の蛋白質脱アミド酵素の反応と同時に行うこともできる。例えば、蛋白質を含む溶液に変性剤及び後述の蛋白質脱アミド酵素を添加し、変性剤の存在下で後述の蛋白質脱アミド酵素による反応を行う。
本明細書における蛋白質には、アミノ酸残基のみからなる単純蛋白質だけでなく、糖、脂質等との複合体である複合蛋白質等も含まれる。また、分子量に関しては、好ましくは5,000以上、特に好ましくは10,000〜2,000,000である。
例えば、植物性蛋白質であれば豆類、穀類由来の蛋白質、動物性蛋白質であればカゼイン、β−ラクトグロブリンなどの乳蛋白、オボアルブミンなどの卵蛋白、ミオシン、アクチンなどの肉蛋白、血清アルブミンなどの血液蛋白、ゼラチン、コラーゲンなどの腱蛋白質があげられる。また、酸、アルカリなどによる化学的、あるいはプロテアーゼなどによる酵素的部分分解蛋白質や、各種試薬による化学修飾蛋白質であってもよい。
本発明の方法に用いられる酵素(以下、「蛋白質脱アミド酵素」という)は、蛋白質のアミド基に直接作用してペプチド結合の切断及び蛋白質の架橋を伴わず脱アミドする作用(以下、「蛋白質脱アミド作用」という)を有する。当該作用を有する限りにおいてその種類は特に限定されるものではない。
本発明における蛋白質脱アミド酵素として、分子量が5,000以上の蛋白質(変性蛋白質)に対して脱アミド化作用を有するものが好ましく、特に好ましくは分子量が10,000以上〜2,000,000の範囲の蛋白質(変性蛋白質)に対して脱アミド化作用を有するものが用いられる。
蛋白質脱アミド酵素は、蛋白質脱アミド酵素を産生する微生物の培養液より調製したものを用いることができる。蛋白質脱アミド酵素の調製に用いられる微生物は特に限定されないが、その培養液中に当該酵素を産生する微生物であって、例えば、クリセオバクテリウム(Chryseobacterium)属、フラボバクテリウム(Flavobacterium)属、エンペドバクター(Empedobacter)属、スフィンゴバクテリウム(Sphingobacterum)属、アウレオバクテリウム(Aureobacterium)属、又はミロイデス(Myroides)属に属する微生物を用いることができる。特に、クリセオバクテリウム(Chryseobacterium)属に属するクリセオバクテリウム・エスピー(Chryseobacterium sp.)No.9670を蛋白質脱アミド酵素の調製に用いることが好ましい。クリセオバクテリウム・エスピー(Chryseobacterium sp.)No.9670は、受託番号FERM BP−7351(2000年(平成12年)11月8日付の移管請求に基づき受託番号FERM P−17664の国内寄託から移管)で通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(現在は経済産業省産業技術総合研究所生命工学工業技術研究所)に寄託されている。
上記の微生物の培養液から蛋白質脱アミド酵素を調製する方法は、公知の蛋白質分離、精製方法(遠心分離、UF濃縮、塩析、イオン交換樹脂等を用いた各種クロマトグラフィー等)を用いることができる。例えば、培養液を遠心分離して菌体を除去し、その後塩析、クロマトグラフィー等を組み合わせて目的の酵素を得ることができる。
本発明では、上記の変性蛋白質に上記の蛋白質脱アミド酵素を作用させる。変性蛋白質は溶液又はスラリーあるいはペースト状で反応に供される。また、変性蛋白質を含む溶液等は、水溶液に限らず油脂とのエマルジョンであってもよい。さらに、溶液中に他の蛋白質、塩類、糖類、香料、保湿剤、着色料などが添加されていてもよい。尚、変性蛋白質を含む溶液は、未変性の蛋白質が含まれる溶液において当該蛋白質を変性させること、又は変性蛋白質を予め調製してこれを適当な溶媒に溶解させることにより調製することができる。
蛋白質脱アミド酵素の反応条件(酵素量、反応の時間、温度、反応溶液のpHなど)は、特に限定されないが、通常、蛋白質1gに対し、0.1〜100ユニット、好ましくは1〜10ユニット、反応温度は通常、5〜80℃、好ましくは20〜60℃、反応溶液のpHは通常、2〜10、好ましくは4〜8で10秒〜48時間、好ましくは10分〜24時間反応させる。また、これらの条件は、使用する酵素の純度や変性蛋白質の種類、純度などに応じて適宜変更して行うことができる。
以上のように、変性蛋白質に蛋白質脱アミド酵素を作用させることにより、変性蛋白質中のアミド基を直接脱アミド化することができる。その結果、生じた脱アミド化蛋白質は高度に脱アミド化されたものであり、負電荷の増加に伴い、pIの低下、水和力の上昇、静電反発力の上昇がもたらされる。更に蛋白質の高次構造の変化により、表面疎水性の上昇がもたらされる。これらの効果により、可溶性・分散性の向上、起泡性・泡沫安定性の向上、乳化性・乳化安定性の向上など、蛋白質の機能性の改善がもたらされる。
このように機能性が改善された蛋白質は、主として食品分野での用途が大きく拡大する。多くの植物性蛋白質は、特に通常の食品のpH範囲である弱酸性において、可溶性、分散性、乳化性などの機能性が乏しいため、多くの食品例えばコーヒー・ホワイトナー、ジュースなどの酸性飲料、ドレッシング、マヨネーズ、クリームなどへの使用が制限されていた。しかしながら、例えば小麦グルテンなどの植物性難溶解性蛋白質を本発明の方法により脱アミド化することにより、可溶性、分散性が増大し、これまで使用に適さなかったこれらの食品への使用が可能となり、また分散性の高い天ぷら粉としても使用できる。
また、製パン・製菓におけるドウの改質のためにも本発明の方法が使用できる。例えばグルテン含量が高いドウは伸展性が低く、ドウのハンドリング性や機械特性に問題があり、また出来上がったパンの体積や品質にも問題があった。グルテンを本発明の方法により脱アミド化することにより、伸展性が向上し、これらの問題を改善することが出来る。また脱アミド化グルテンが乳化剤としての効果も示し、日持ち性、ソフトネスなどの製パン特性も向上する。さらに脱アミド化グルテンを含むドウは、可塑性が低く伸展性に優れているため、クラッカー、ビスケット、クッキー、ピザや或いはパイのクラストの製造にふさわしく、これらの製造にも本発明の方法が使用できる。
またさらに、食品中の蛋白質に起因するアレルギー、不耐症或いは遺伝的疾患などの原因となる蛋白質を本発明の方法により処理し、その毒性、アレルゲン性を除去、低減化することが出来る。
またさらに、本発明の方法により蛋白質のミネラル感受性を低下させ、蛋白質・ミネラル溶液中の可溶性ミネラル含量を高め、ミネラルの人体への吸収性を高めることが出来る。一般に食品中のカルシウムの人体への吸収性は、カルシウムを有機酸やカゼインホスホペプチドを用いて可溶化させると向上することはよく知られている。同じメカニズムにより、本発明の方法により蛋白質を脱アミド化させることにより、多量のカルシウムを可溶化させることが可能である。この脱アミド化蛋白質を用いて、高ミネラル(例えばカルシウム)含有飲料や、ミネラル(例えばカルシウム)の吸収促進剤を製造することもできる。
さらに、アミノ酸系調味料(動物性蛋白質の加水分解物(HAP)、植物性蛋白質の加水分解物(HVP))或いは味噌・醤油製造においては、苦味の低下、プロテアーゼの蛋白質分解率の向上、グルタミン酸含量の増強などの効果がもたらされる。一般に苦味の原因は疎水性ペプチドに由来することは周知のとおりであり、脱アミドにより苦味ペプチドの低減化がもたらされる。N末端にグルタミン酸を有するペプチドは苦味のマスキング効果を有することも知られている。
またさらに蛋白質の機能改変に本発明を利用することができる。脱アミド化する蛋白質が酵素である場合は、その酵素の酵素化学的、物理化学的性質を改変することが出来る。例えば酵素蛋白質を本発明の方法により脱アミドすることにより、酵素蛋白質の等電点が低下しpH安定性を改変することが出来る。また、活性部位の構造や電気的環境を変化させることにより、その酵素の基質親和性、基質特異性、反応速度、pH依存性、温度依存性、温度安定性などを改変することが出来る。
またさらに穀類、豆類蛋白質の抽出・濃縮効率の向上などに利用できる。一般に小麦、大豆など穀類や豆類の蛋白質は水に不溶性の蛋白質が多く、蛋白質を抽出することは容易ではないが、小麦粉や大豆粉の縣濁液に本発明の方法を適用し可溶化すれば、蛋白質を容易に抽出することが出来、また高含量の蛋白質単離物を得ることが出来る。
大豆蛋白質の場合、一般に、脱脂大豆粉またはフレーク(蛋白質含量約50%)から蛋白質を抽出する際には、まず熱処理やエタノール処理或いはpH4.5付近の等電点処理により蛋白質を不溶化させた後、可溶性の多糖を除いて蛋白質含量約70%の大豆蛋白質濃縮物(コンセントレート)が得られる。さらに高純度の蛋白質が望まれる場合は、大豆粉や濃縮物を希釈アルカリに縣濁・溶解し蛋白質を溶解させ不溶性の物質を除いて調製される。このものは大豆蛋白質単離物(アイソレート)と呼ばれ蛋白質を約90%含む。これらの大豆蛋白質製品は、大豆蛋白質の乳化性、ゲル化特性、保水性等の機能性や高栄養価を利用して、ハム・ソーセージや乳児用食品をはじめ様々な食品に利用されている。
これらの大豆蛋白質製品を製造する際に本発明を適用すれば、蛋白質の溶解性の向上により収率の向上ばかりでなくより高濃度の蛋白質製品を製造することが出来る。さらにこのようにして得られた蛋白質製品は、脱アミド化されているため機能性に優れている。従って、畜肉、魚肉製品、麺類など種々の食品に使用した場合優れた効果を示し、また新しいテクスチャーや機能を有する食品の製造が可能となる。
尚、本発明の第1の局面には、蛋白質(乳蛋白質など)を変性させるステップ、及び前記ステップで得られる変性蛋白質(変性乳蛋白質など)に、蛋白質のアミド基に直接作用しペプチド結合の切断及び蛋白質の架橋を伴わず脱アミドする作用を有する酵素を作用させて前記変性蛋白質(変性乳蛋白質など)を脱アミド化するステップ、を含むことを特徴とする脱アミド化蛋白質の製造方法が包含される。
次に、本発明の第2の局面について説明する。上述のように、本発明の第2の局面は、蛋白質(乳蛋白質など)に、蛋白質のアミド基に直接作用しペプチド結合の切断及び蛋白質の架橋を伴わず脱アミドする作用を有する酵素を作用させる、ことを特徴とする蛋白質(乳蛋白質など)の変性方法である。
ここでの蛋白質のアミド基に直接作用しペプチド結合の切断及び蛋白質の架橋を伴わず脱アミドする作用を有する酵素とは、上述の蛋白質脱アミド酵素のことであり、本発明の第1の局面と同様に、分子量が5,000以上の蛋白質(変性蛋白質)に対して脱アミド化作用を有するものが好ましく、特に好ましくは分子量が10,000以上〜2,000,000の範囲の蛋白質に対して脱アミド化作用を有するものが用いられる。蛋白質脱アミド酵素の作用、調製方法等については、上述の通りである。
本発明の第2の局面では、この蛋白質脱アミド酵素を蛋白質に作用させることにより、蛋白質を脱アミド化して変性させる。ここでの蛋白質は、本発明の第1の局面の場合と同様に、アミノ酸残基のみからなる単純蛋白質だけでなく、糖、脂質等との複合体である複合蛋白質等も含まれる。また、分子量に関しては、好ましくは5,000以上、特に好ましくは10,000〜2,000,000である。例えば、植物性蛋白質であれば豆類、穀類由来の蛋白質、動物性蛋白質であればカゼイン、β−ラクトグロブリンなどの乳蛋白、オボアルブミンなどの卵蛋白、ミオシン、アクチンなどの肉蛋白、血清アルブミンなどの血液蛋白、ゼラチン、コラーゲンなどの腱蛋白質があげられる。また、酸、アルカリなどによる化学的、あるいはプロテアーゼなどによる酵素的部分分解蛋白質や、各種試薬による化学修飾蛋白質であってもよい。
蛋白質は溶液又はスラリーあるいはペースト状で反応に供される。また、蛋白質を含む溶液等は、水溶液に限らず油脂とのエマルジョンであってもよい。さらに、溶液中に他の蛋白質、塩類、糖類、香料、保湿剤、着色料などが添加されていてもよい。
蛋白質脱アミド酵素の反応条件(酵素量、反応の時間、温度、反応溶液のpHなど)は、特に限定されないが、通常、蛋白質1gに対し、0.1〜100ユニット、好ましくは1〜10ユニット、反応温度は通常、5〜80℃、好ましくは20〜60℃、反応溶液のpHは通常、2〜10、好ましくは4〜8で10秒〜48時間、好ましくは10分〜24時間反応させる。また、これらの条件は、使用する酵素の純度や蛋白質の種類、純度などに応じて適宜変更して行うことができる。
以上のように、蛋白質に蛋白質脱アミド酵素を作用させることにより、蛋白質の変性が行われる。即ち、変性蛋白質が得られる。この変性蛋白質は、蛋白質分解酵素に対して感受性の高いものである。したがって、この変性蛋白質に蛋白質分解酵素を作用させれば、効率よく蛋白質分解物を得ることができる。このような蛋白質分解物の製造方法も本発明に含まれるものであり、具体的には、上記の方法により蛋白質を変性させるステップ、前記ステップで得られる変性蛋白質に蛋白質分解酵素を作用させるステップ、を含むことを特徴とする蛋白質分解物の製造方法も本発明に含まれる。
蛋白質分解酵素としては、ペプシン、トリプシン、パパイン等の公知のものを使用することができる。使用する蛋白質分解酵素は、分解対象の蛋白質の種類、蛋白質分解物の性状等を考慮して適宜選択することができる。蛋白分解酵素の反応条件(酵素量、反応の時間、温度、反応溶液のpHなど)も同様に、分解対象の蛋白質の種類、状態、及び量等を考慮して適宜設定することができる。
本発明の第2の局面の方法は、第1の局面の発明と同様に、食品中の蛋白質の可溶性、分散性、起泡性、泡沫安定性、乳化性、乳化安定性といった機能の向上を目的として各種食品に適用することができる。また、製パン・製菓食品中の蛋白質のアレルゲン性の除去、低減にも利用できる。更に、アミノ酸系調味料等の味質の改良にも利用できるものである。
一方、本発明の第2の局面の方法を適用すれば、蛋白質の蛋白分解酵素に対する感受性を高めることができるため、酵素的HAP(動物性蛋白質の加水分解物)、植物性蛋白質の加水分解物(HVP)製造において問題の一つであった低分解率を改善することも出来る。
以下に、本発明の第1の局面及び第2の局面を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]蛋白質脱アミド酵素の調製
クリセオバクテリウム・エスピーNo.9670(通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所受託番号FERM BP−7351)をLB Base培地、25℃で培養した、40時間培養液を4℃、12000rpm(22200×g)、20分間の遠心分離により菌体を除去し、得られた遠心上清を、限外濾過膜(SEP−0013、旭化成製)により約25倍に濃縮後、凍結乾燥して粗酵素粉末を得た。これに、2.0M NaClを含む10mM燐酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)に溶解し、不溶物を4℃、10000rpm(12300×g)、15分間の遠心分離により除いた後、得られた遠心上清を、2.0M NaClを含む10mM燐酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)で平衡化したフェニルセファロースCL−6Bカラム(ファルマシア社製)に供し、2.0Mから0MのNaCl直線濃度勾配により吸着した蛋白質を溶離させた。
蛋白質脱アミド活性画分を集め、限外濾過膜で濃縮後、0.6M NaCl及び0.05% Tween20を含む10mM燐酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)で平衡化したセファクリルS−100カラムに供して、同緩衝液で溶離した。下記の方法により各画分の酵素活性を測定し、蛋白質脱アミド活性画分を集め、限外濾過膜で濃縮し蛋白質脱アミド酵素溶液を得た。
下記の測定法(Z−Gln−Glyを基質とする方法とカゼインを基質とする方法)で活性を測定したところ33.7単位/ml(Z−Gln−Glyを基質)、13.5単位/ml(カゼインを基質)の酵素標品が得られた。
酵素活性測定法:酵素活性の測定は以下のように従い、基質としてZ−Gln−Gly及びカゼインを使用した。
活性測定方法:10mM Z−Gln−Glyを含む176mMリン酸緩衝液(pH6.5)100μlに酵素溶液10μlを添加して、37℃、60分間インキュベートした後、12%トリクロロ酢酸溶液100μlを加えて反応を停止する。遠心分離(15000rpm、4℃、5分間)した後、上清について以下のようにF−kit ammonia(ベーリンガー・マンハイム社製)を用いて測定する(A1)。別に酵素溶液の代わりに水を用いて同様にして測定する(A2)。
F−kit ammonia 100μl試薬2に上清10μlと水190μlを加え室温で5分間放置後100μlを用いての340nmの吸光度(E1)を測定する。残りの200μlに、1.0μlの試薬3(グルタメートデヒドロゲナーゼ)を加えた後、更に20分間室温に放置した後に残りの200μlの340nmの吸光度(E2)を測定する。
上記条件下で1分間あたり1μmolのアンモニアを遊離する酵素量を1単位とし、以下の式に従って求める。
u/ml=1.76×[A1(E1−E2)−A2(E1−E2)]
基質として10mM Z−Gln−Glyに代えて1%カゼイン(ハマーステン、メルク社製)を用いて同様にして活性を求め、蛋白質に結合するアミド基に作用することを確認する。
[実施例2]変性α−ラクトアルブミンの蛋白質脱アミド酵素による処理
α−ラクトアルブミン(シグマ社製)を10mg/mlの濃度で20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.0)に溶解し、実施例1で得られた蛋白質脱アミド酵素を1.82μg/mlの濃度で添加し、42℃で振トウした。α−ラクトアルブミンを変性させるために、変性剤(キレート剤)として5mMのエチレンジアミン四酢酸を添加して(Matsumuraら,Food Hydrocol.,Vol.8,555−566,1994)脱アミド化反応を行った。反応のタイムコースを図1に示す。この図で脱アミド化率(Degree of deamidation,%)は、蛋白質中の全グルタミン残基中の脱アミドされたグルタミン残基の割合を示す。全グルタミン残基数は、α−ラクトアルブミンの全アミノ酸配列(Brewら,J.Biol.Chem.,Vol.245,4570−4582,1970)から求め、脱アミド化されたグルタミン残基数は反応中に遊離したアンモニア量から求めた。
このように、α−ラクトアルブミンを変性すること(モルテン・グロビュール状態にする)により蛋白質脱アミド酵素による脱アミド反応が著しく促進されることが判る。即ち、ネイティブなα−ラクトアルブミンは、4時間で20%、24時間で55%の脱アミド化率であったのに対し、変性状態(モルテン・グルビュール状態)のα−ラクトアルブミンは4時間で61%、24時間で66%の脱アミド化率であった。脱アミド化反応速度及び最終の脱アミド化率双方において、改善されている。
[実施例3]蛋白質脱アミド酵素処理を施したα−ラクトアルブミンの高次構造の変化
実施例2で得られた種々の脱アミド化率の脱アミド化α−ラクトアルブミン(D20:脱アミド化率20%、D55:脱アミド化率55%、D61:脱アミド化率61%)の高次構造の変化を近紫外領域CD(circular dichroizm、円二色)分析を行った結果を図2に示す。分析は2mMエチレンジアミン四酢酸(図2A)或いは2mM CaCl(図2B)を含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.0)中で行った。コントロールとして脱アミド化していないα−ラクトアルブミンを用いた(Native)。結果、何れの溶液中でも脱アミド化されたα−ラクトアルブミンは270nm付近のスペクトラム強度が減少していた。そしてこの減少度は、脱アミド化率が上昇するにつれて大きくなっていることが判る。このことは、脱アミド化されることによって、α−ラクトアルブミン中の側鎖の芳香環グループが離れたこと、即ち3次構造が崩れたことを意味する。そしてその3次構造の破壊の程度が、脱アミド化率が高くなるに従って大きくなっていることがわかる。また、一般にα−ラクトアルブミンはエチレンジアミン四酢酸存在下では、3次構造が崩れた状態となり、カルシウム存在下では安定化されることが知られている(Kuwajimaら、Biochemistry,Vol.29,8240−8249)。このことは、脱アミド化していないα−ラクトアルブミン(Native)のスペクトラムが、エチレンジアミン四酢酸存在下において、CaCl存在下に比べて大きく強度が減少していることから判る。高度に脱アミド化されたα−ラクトアルブミンのカルシウム存在下でのスペクトラム強度(図2BのD61)が、脱アミド化していないα−ラクトアルブミンのエチレンジアミン四酢酸存在下のスペクトラム強度(図2AのNative)とほぼ同じレベルであることから、脱アミド化による3次構造の変化は、カルシウムの存在によってももはや安定化されないほど大きなものであることが示される。
次に同じサンプルについて、遠紫外領域CD分析を行った結果を図3に示す。分析は2mMエチレンジアミン四酢酸(図3A)或いは2mM CaCl(図3B)を含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.0)中で行った。この様に、何れの溶液中でも脱アミド化されたα−ラクトアルブミンはどれも、コントロールの脱アミド化していないα−ラクトアルブミン(Native)とほぼ類似のスペクトラムを示した。このことは、脱アミド化されたα−ラクトアルブミンは2次構造においては変化を受けていないことを示す。
この様に、蛋白質脱アミド酵素によって脱アミド化することにより蛋白質を変性させることが出来ることが判る。また、この変性状態は、3次構造が崩れているのに対し2次構造は保持されている温和な変性状態であり、蛋白質の機能性にとって好適な状態である。
[実施例4]蛋白質脱アミド酵素処理を施したα−ラクトアルブミンのトリプシン分解
実施例2で得られた脱アミド化α−ラクトアルブミン(脱アミド化率46.5%)を限外ろ過膜により脱塩後、10mg/mlの濃度で2mM CaClを含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.0)に溶解し、基質蛋白質に対し重量比で100分の1量のトリプシンを加え、37℃で反応させた。コントロールとして、脱アミド化処理をしていないα−ラクトアルブミンに対して同様の処理を行った。0.5,1,2,4,24時間後にサンプリングしてSDS電気泳動用の緩衝液中で加熱して反応を止め、20% SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した。結果を図4に示す。図に示されるように、コントロールの脱アミド化処理をしていないα−ラクトアルブミンをトリプシン処理した場合、4時間目までほとんどインタクトなα−ラクトアルブミンのバンドが変化せず、24時間で若干薄くなっているものの、低分子領域に分解されたペプチドは観察されなかった(図4A)。一方、脱アミド化されたα−ラクトアルブミンの場合は、トリプシン処理0.5時間で既に断片化ペプチドが生成し、それと共にインタクトなα−ラクトアルブミンのバンドが減少し始めた。反応後1時間でかなりのインタクトなα−ラクトアルブミンが消失し、2時間で完全に消失した。断片化ペプチドも24時間でかなり消失しており、分解が進んでいることが判る(図4B)。
この様に、蛋白質脱アミド酵素によって脱アミド化して蛋白質を変性させることにより、目的の蛋白質の蛋白質分解酵素による分解を促進する事が出来る。
産業上の利用の可能性
以上説明したように、蛋白質中のアミド基に直接作用しペプチド結合の切断及び蛋白質の架橋を伴わず脱アミドする作用を有する酵素を用いて蛋白質の脱アミド反応を行う際に、脱アミド化される蛋白質として変性蛋白質を用いることにより、脱アミド化速度及び脱アミド化率を著しく改善することが出来る。また、蛋白質中のアミド基に直接作用しペプチド結合の切断及び蛋白質の架橋を伴わず脱アミドする作用を有する酵素を用いて蛋白質の脱アミド反応を行うことにより、蛋白質分解酵素に対する感受性の高い状態に変性させることができる。この変性方法は、従来知られていない酵素的蛋白質変性方法であるため、従来の物理的又は化学的な蛋白質変性方法では困難であった、副反応が生ずることを回避することが可能となる。また、本発明の変性方法により得られる蛋白質は蛋白質分解酵素感受性が高いため、これを原料として蛋白分解物を効率よく製造することが可能となる。また、本発明の方法では温和な条件により蛋白質を変性することができるため、乳化特性、泡沫特性、ゲル化特性などの機能が向上した蛋白質を得ることができるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例2における変性状態及び未変性状態のα−ラクトアルブミンの蛋白質脱アミド酵素による脱アミド化反応のタイムコースを示す図である。
●は未変性α−ラクトアルブミン、○は変性α−ラクトアルブミンを表す。
図2は、実施例3における脱アミド化α−ラクトアルブミンの近紫外領域円二色分析スペクトラムを示す図である。
Aは、2mM エチレンジアミン四酢酸存在下、Bは2mM CaCl存在下のグラフであり、Nativeは未変性α−ラクトアルブミン、D20は脱アミド化率20%の脱アミド化α−ラクトアルブミン、D55は脱アミド化率55%の脱アミド化α−ラクトアルブミン、D61は脱アミド化率61%の脱アミド化α−ラクトアルブミンを表す。
図3は、実施例3における脱アミド化α−ラクトアルブミンの遠紫外領域円二色分析スペクトラムを示す図である。
Aは、2mM エチレンジアミン四酢酸存在下、Bは2mM CaCl存在下のグラフであり、Nativeは未変性α−ラクトアルブミン、D20は脱アミド化率20%の脱アミド化α−ラクトアルブミン、D55は脱アミド化率55%の脱アミド化α−ラクトアルブミン、D61は脱アミド化率61%の脱アミド化α−ラクトアルブミンを表す。
図4は、実施例4におけるトリプシン処理した脱アミド化α−ラクトアルブミンのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動パターンのタイムコースを示す図である。
Aは未処理のα−ラクトアルブミン、Bは脱アミド化α−ラクトアルブミンを表す。レーン1、2、3、4、5はそれぞれ、トリプシン処理時間0.5、1、2、4、24時間のサンプルを表す。

Claims (21)

  1. 変性乳蛋白質に、蛋白質のアミド基に直接作用してペプチド結合の切断及び蛋白質の架橋を伴わず脱アミドする作用を有する酵素を作用させる、ことを特徴とする乳蛋白質の脱アミド化方法。
  2. 前記酵素が分子量5,000以上の蛋白質に対して前記作用を有する酵素である、ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 前記酵素が分子量10,000以上の蛋白質に対して前記作用を有する酵素である、ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。
  4. 前記酵素が微生物由来である、ことを特徴とする請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載の方法。
  5. 前記微生物がクリセオバクテリウム(Chryseobacterium)属、フラボバクテリウム(Flavobacterium)属、エンペドバクター(Empedobacter)属、スフィンゴバクテリウム(Sphingobacterum )属、アウレオバクテリウム(Aureobacterium)属、又はミロイデス(Myroides)属に属する、ことを特徴とする請求の範囲第4項に記載の方法。
  6. 前記微生物がクリセオバクテリウム(Chryseobacterium)属に属するクリセオバクテリウム・エスピー(Chryseobacterium sp.)No.9670(FERMBP−7351)である、ことを特徴とする請求の範囲第4項に記載の方法。
  7. 前記変性乳蛋白質が、熱、圧力、酸、アルカリ、変性剤、酸化剤、還元剤、及びキレート剤よりなる群から選択される一又は二以上による変性処理により得られた変性乳蛋白質である、ことを特徴とする請求の範囲第1項〜第6項のいずれかに記載の方法。
  8. 乳蛋白質を変性させるステップ、及び
    前記ステップで得られる変性乳蛋白質に、蛋白質のアミド基に直接作用しペプチド結合の切断及び蛋白質の架橋を伴わず脱アミドする作用を有する酵素を作用させて前記変性乳蛋白質を脱アミド化するステップ、を含むことを特徴とする脱アミド化乳蛋白質の製造方法。
  9. 前記酵素が分子量5,000以上の蛋白質に対して前記作用を有する酵素である、ことを特徴とする請求の範囲第8項に記載の方法。
  10. 前記酵素が分子量10,000以上の蛋白質に対して前記作用を有する酵素である、ことを特徴とする請求の範囲第8項に記載の方法。
  11. 前記酵素が微生物由来である、ことを特徴とする請求の範囲第8項〜10項のいずれかに記載の方法。
  12. 前記微生物がクリセオバクテリウム(Chryseobacterium)属、フラボバクテリウム(Flavobacterium)属、エンペドバクター(Empedobacter)属、スフィンゴバクテリウム(Sphingobacterum)属、アウレオバクテリウム(Aureobacterium)属、又はミロイデス(Myroides)属に属する、ことを特徴とする請求の範囲第11項に記載の方法。
  13. 前記微生物がクリセオバクテリウム(Chryseobacterium)属に属するクリセオバクテリウム・エスピー(Chryseobacterium sp.)No.9670(FERM BP−7351)である、ことを特徴とする請求の範囲第11項に記載の方法。
  14. 前記変性させるステップが、熱、圧力、酸、アルカリ、変性剤、酸化剤、還元剤、及びキレート剤よりなる群から選択される一又は二以上による処理からなる、ことを特徴とする請求の範囲第11項〜第13項のいずれかに記載の方法。
  15. 乳蛋白質に、蛋白質のアミド基に直接作用しペプチド結合の切断及び蛋白質の架橋を伴わず脱アミドする作用を有する酵素を作用させる、ことを特徴とする乳蛋白質の変性方法。
  16. 前記酵素が分子量5,000以上の蛋白質に対して前記作用を有する酵素である、ことを特徴とする請求の範囲第15項に記載の方法。
  17. 前記酵素が分子量10,000以上の蛋白質に対して前記作用を有する酵素である、ことを特徴とする請求の範囲第15項に記載の方法。
  18. 前記酵素が微生物由来である、ことを特徴とする請求の範囲第15項〜第17項のいずれかに記載の方法。
  19. 前記微生物がクリセオバクテリウム(Chryseobacterium)属、フラボバクテリウム(Flavobacterium)属、エンペドバクター(Empedobacter)属、スフィンゴバクテリウム(Sphingobacterum)属、アウレオバクテリウム(Aureobacterium)属、又はミロイデス(Myroides)属に属する、ことを特徴とする請求の範囲第18項に記載の方法。
  20. 前記微生物がクリセオバクテリウム(Chryseobacterium)属に属するクリセオバクテリウム・エスピー(Chryseobacterium sp.)No.9670(FERM BP−7351)である、ことを特徴とする請求の範囲第18項に記載の方法。
  21. 請求の範囲第15項〜第20項のいずれかに記載の方法により蛋白質を変性させるステップ、及び前記ステップで得られる変性蛋白質に蛋白質分解酵素を作用させるステップを含むことを特徴とする蛋白質分解物の製造法。
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