JPWO2002055586A1 - オキシテトラメチレングリコール共重合体及びその製造方法 - Google Patents

オキシテトラメチレングリコール共重合体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

テトラヒドロフランとネオペンチルグリコールを共重合して得られるオキシテトラメチレングリコール共重合体であって、特定の数平均分子量Mn、分子量分布Mn/Mw、並びに、ネオペンチルグリコール全共重合率Nw及び部分共重合率Nhを有するオキシテトラメチレングリコール共重合体及びその製造方法が開示される。更に、オキシテトラメチレングリコール共重合体と未反応ジオール類を包含する共重合反応混合物に、未反応ジオール類の重量と少なくとも同じ重量の新鮮テトラヒドロフランを添加して、該テトラヒドロフランと共に未反応ジオール類を留去する、オキシテトラメチレングリコール共重合体の精製方法が開示される。

Description

技術分野
本発明はオキシテトラメチレングリコール共重合体及びその製造方法に関する。更に詳細には、テトラヒドロフランとネオペンチルグリコールを共重合して得られるオキシテトラメチレングリコール共重合体であって、特定の数平均分子量、分子量分布及びネオペンチルグリコール共重合率を有するオキシテトラメチレングリコール共重合体及びその製造方法に関する。本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合体は低融点、低ガラス転移点などに代表される改善された低温特性を有し、弾性繊維などの原料として有用である。また、本発明は、テトラヒドロフラン及びジオール類を共重合させる本発明の方法等またはその他の方法によって得られたオキシテトラメチレングリコール共重合体及びジオール類を含有する反応混合物からオキシテトラメチレングリコール共重合体を精製する方法であって、新鮮なテトラヒドロフランの存在下で未反応ジオール類を留去する方法に関する。本発明の精製方法を用いると、ジオール類の固化による凝縮管や配管などの閉塞が起こることなく共重合体を精製し、且つリサイクル可能なジオール類などを回収することが可能となる。
従来技術
近年、テトラヒドロフラン(THF)とジオール類(例えばネオペンチルグリコール)とを共重合して得られるオキシテトラメチレングリコール共重合体やTHFと3−メチルテトラヒドロフランとを共重合して得られるオキシテトラメチレングリコール共重合体が注目を集めている。オキシテトラメチレングリコール共重合体はオキシテトラメチレングリコールのホモポリマー(即ち、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG))に比べて融点が低く、オキシテトラメチレングリコール共重合体を原料とする弾性製品は、PTMGを原料とした弾性製品に比べて伸度、ヒステリシスロス(hysteresis loss)、低温特性等が著しく改善されている。例えば、ポリウレタンウレア弾性繊維の場合、PTMGを使用した従来品は氷点下では瞬間回復性が完全に失われてしまうが、オキシテトラメチレングリコール共重合体を使用したポリウレタンウレア弾性繊維は氷点下でも常温とほとんど変わらない瞬間回復性を示す。
オキシテトラメチレングリコール共重合体は、ヘテロポリ酸を重合触媒として容易に合成することができる。例えば、日本国特開昭60−203633号公報(ヨーロッパ特許公報第158,229B号に対応)、日本国特開昭61−120830号公報(ヨーロッパ特許公報第158,229B号に対応)及び日本国特開昭61−123630号公報は、ジオール類とTHFをヘテロポリ酸触媒の存在下でバッチ反応または連続反応で共重合した物質を開示している。これらの公報に開示されているオキシテトラメチレングリコール共重合体においては、ジオール類は主としてTHFのリビングカチオン重合の停止剤として導入されている。従って、ポリマー鎖に導入されたジオール類の大部分はポリマー鎖の末端に存在しており、ジオール類の共重合度は平均して1分子程度である。上記の公報に開示されている反応方式では、共重合体分子中に導入することができるジオール類の平均分子数(即ち平均共重合度)は約1分子であることから、ジオール類の共重合によって発揮される融点を下げる効果(共重合効果)は限られたものである。また、上記特許出願公報においては、ジオール類の共重合率を向上させる(具体的には10〜35mol程度にする)ための方法として、共重合反応時に水を除去する方法が開示されている。この方法では、水除去工程を通常の共重合工程に加えて行う場合には、触媒であるヘテロポリ酸の配位水量を0.1〜15の範囲に限定している。特に配位水量が6〜15の高配位水量ヘテロポリ酸を触媒として重合反応を実施すると、反応速度が著しく低下し、その結果、重合時間が非常に長くなり、分子量分布の広いオキシテトラメチレングリコール共重合体しか製造することができない。このような分子量分布の広いオキシテトラメチレングリコール共重合体にはガラス転移点が高いという問題がある。
また、日本国特開平6−87951号公報、日本国特開平9−291147号公報、日本国特開平10−87811号公報、日本国特開平10−87812号公報、日本国特開平10−87813号公報等の実施例には、1分子のオキシテトラメチレングリコール共重合体に約1〜5molのネオペンチルグリコール(NPG)を導入させるための方法が記載されている。具体的には、NPGとTHFをヘテロポリ酸触媒存在下、バッチ反応で重合する際に、重合反応時に副生する水を蒸留操作により反応系から除去しながら共重合体を製造する方法が開示されている。バッチ反応においては、反応初期のNPG濃度が高くても、反応終期のNPG濃度は著しく低くなることから、反応初期にNPG共重合率の高い低分子量体が製造される。その後、製造された共重合率の高い、低分子量体同士が重合して高分子量体に成長する傾向にあるため、最終的には共重合率の比較的高い高分子量体が製造される。このような共重合率の高い高分子量体は共重合体全体のガラス転移点を高くする。
上記したように、オキシテトラメチレングリコール共重合体はヘテロポリ酸を重合触媒としてTHFとジオールの共重合反応によって製造される。共重合反応後の反応混合物には数百ppm〜数%の未反応ジオール類が残存するが、未反応ジオール類が残存したままのオキシテトラメチレングリコール共重合体を用いて弾性製品(例えば、ウレタンウレアのような弾性繊維)を製造した場合には、残存する未反応NPGは、弾性体のソフトセグメントとして作用しないため、弾性製品は設計通りの特性を発揮しない。この問題を解決するためには、ジオール類を共重合反応で完全に消費されるような条件で重合を行うか、又は未反応ジオール類を含む共重合体からジオール類を除去する必要がある。
ジオール類を共重合反応で完全に消費するためには、バッチ反応形式で、反応温度を高くし、且つ、反応時に副生する縮合水を徹底的に系外へ除去して反応平衡をずらす必要がある。この方法で未反応ジオール類の残量を100ppm未満にすると、ジオール類や生成したオキシテトラメチレングリコール共重合体の末端水酸基の脱離といった熱による副反応が起こるため、オキシテトラメチレングリコール共重合体が着色したり、品質が低下したりする。また、この方法は、バッチ反応に限定されてしまうことから、上記したようにガラス転移点の低いオキシテトラメチレングリコール共重合体を製造することはできない。
また、未反応ジオール類を含む共重合体からジオール類を除去する方法としては、吸着剤によるジオール類の選択的吸着除去(日本国特開平9−291147号公報)、抽出法による除去(日本国特開平10−87813号公報)、減圧蒸留による除去(日本国特開平1−92221号公報(ヨーロッパ特許公報第305,853B号に対応))等が考案されている。
吸着剤によるジオール類の除去方法においては、使用する吸着剤の種類と吸着されるジオール類の種類および量等によって吸着除去率や吸着剤の破過時間が変動する為、オキシテトラメチレングリコール共重合体の製造条件の変更に伴って吸着剤の種類や量を変更しなければならない。更に、未反応ジオール類以外にオキシテトラメチレングリコール共重合体の低分子量体が大量に吸着剤に吸着される為、低分子量オキシテトラメチレングリコール共重合体のロスが大きい。また、吸着したジオール類を再利用する為には、THF等の溶剤でジオール類を脱着させなければならない。この場合の脱着率も吸着剤に吸着されているジオール類の種類や量により変動する為、脱着に使用する溶剤の量が大きく変動する。吸着された低分子量オキシテトラメチレングリコール共重合体の脱着においても脱着量の変動が激しいため、THF等の溶媒で低分子量オキシテトラメチレングリコール共重合体を脱着した後、溶媒中に含まれる低分子量オキシテトラメチレングリコール共重合体の量を測定し、濃度を調整する工程などが必要となる。従って、この方法も工業的なプロセスとして問題がある。更にこの問題は、残存するジオール類の量が下がれば下がる程顕著になることが知られている。
抽出によるジオール類の除去方法については、日本国特開平10−87813号公報に水を用いたジオール類の抽出除去法が開示されている。この方法においても共重合体中に残存するジオール類の種類や量に応じて抽出剤(水)の使用量が変動する。さらに、この方法では、ジオール類と同時にオキシテトラメチレングリコール共重合体も除去されるためポリマーロスが生じてしまう。また、予め多量の抽出剤を用いることで精製後のオキシテトラメチレングリコール共重合体中のジオール残存量を一定量以下にすることができるが、抽出に伴うポリマーロスが増大する。この方法によって抽出したジオール類をリサイクルする為には、抽出剤である水を蒸留除去する必要があるので、精製工程が複雑となり、工業生産上問題となる。
減圧蒸留によるジオール類の除去方法が日本国特開平1−92221号公報に開示されている。具体的には、圧力が0.3mbar以下、温度が200〜260℃の条件でジオール類を除去する。しかし、この条件ではオキシテトラメチレングリコール共重合体が変質してしまう。また、この方法はPTMGの低分子量成分を分離するための方法であることから、一般的に常温付近で固体状態となるジオール類などに用いると、留去されたジオール類がその後の冷却によって固化し、凝縮管や配管、真空ポンプ周辺等の閉塞を誘発する。従ってこの方法は、実質的にはジオール類を連続蒸留除去するプロセスとして採用することはできない。
発明の概要
以上のような状況に鑑み、本発明者らは、低温物性に優れた新規なオキシテトラメチレングリコール共重合体を開発すべき鋭意研究を行った。その結果、THFとNPGを共重合して製造される共重合体は、分子量が2000以下の比較的低分子量の共重合体においては、NPGの共重合率が10mol%付近でガラス転移点が極小になり、分子量が2000を越える高分子量の共重合体においては、NPG共重合率が5mol%以下の範囲にガラス転移点を極小にするポイントがあることを見出した。このことは、平均分子量が同じ共重合体であっても、分子量に応じてNPG共重合率を制御すれば、従来達成することのできなかった低い融点と低いガラス転移点を有する、低温物性に優れたオキシテトラメチレングリコール共重合体が得られることを意味している。更に本発明者らは、テトラヒドロフランとネオペンチルグリコールとの共重合反応をヘテロポリ酸触媒の存在下で行う際に、共重合反応で副生する水を連続重合反応装置より連続的に除去して、ネオペンチルグリコールがテトラヒドロフランに溶解した溶液を含み、ネオペンチルグリコール濃度がその重量に対して0.05〜3.5重量%である有機相と、水含有ヘテロポリ酸触媒が溶解したテトラヒドロフラン溶液を含み、比重が1.8〜2.3であるテトラヒドロフラン/水含有ヘテロポリ酸触媒相からなる2相反応系を維持しながら連続共重合反応を行うと、本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合体を容易に製造できることを見出した。又、オキシテトラメチレングリコール共重合体及び未反応ジオール類を含む反応混合物からオキシテトラメチレングリコール共重合体を分離精製する際に、新鮮なテトラヒドロフランの存在下で未反応ジオール類を留去すると、凝縮管や配管などのジオール類の固化による閉塞が起こることなく共重合体を精製し、且つリサイクル可能なジオール類などを回収できることを見出した。本発明者らは、上記の知見に基づき本発明を完成するに至ったものである。
従って、本発明の1つの目的は、低い融点と低いガラス転移点を有する、低温物性の改善されたオキシテトラメチレングリコール共重合体を提供することにある。
本発明の他の1つの目的は、上記した低温物性の改善されたオキシテトラメチレングリコール共重合体の製造方法を提供することにある。
更に本発明の他の1つの目的は、ジオール類の固化による凝縮管や配管の閉塞を伴うことなく、効果的にオキシテトラメチレングリコール共重合体及び未反応ジオール類を含む混合物からオキシテトラメチレングリコール共重合体を分離精製するための方法を提供することにある。
本発明の上記及び他の諸目的、諸特徴ならびに諸利益は、添付の図面を参照しながら述べる次の詳細な説明及び請求の範囲から明らかになる。
発明の詳細な説明
本発明の1つの態様によれば、テトラヒドロフランとネオペンチルグリコールを共重合して得られるオキシテトラメチレングリコール共重合体であって、下記の(1)〜(4)の特性を有することを特徴とするオキシテトラメチレングリコール共重合体が提供される。
(1)数平均分子量Mnが800〜5000である。
(2)重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnが次の(i)又は次の(ii)のいずれかを満足する。
(i)Mw/Mn比で表される分子量分布が1.8以下である。
(ii)Mw/Mn比で表される分子量分布が1.8を越え、且つMwとMnが式(I):
Figure 2002055586
で表される関係を満足する。
(3)ネオペンチルグリコール全共重合率Nが6〜30mol%である。但し、該ネオペンチルグリコール全共重合率Nは、オキシテトラメチレングリコール共重合体全体に含まれるネオペンチルグリコール単位とテトラヒドロフラン単位との合計モル量に対するネオペンチルグリコール単位の量のモルパーセントで定義される。
(4)数平均分子量Mn、ネオペンチルグリコール全共重合率N(mol%)、及びオキシテトラメチレングリコール共重合体の高分子量側15重量%画分のネオペンチルグリコール部分共重合率N(mol%)が式(II):
Figure 2002055586
(但し、Nhは、該高分子15重量%画分に含まれるネオペンチルグリコール単位とテトラヒドロフラン単位との合計モル量に対するネオペンチルグリコール単位の量のモルパーセントで定義される。)
で表される関係を満足する。但し、該高分子量側15重量%画分は、該オキシテトラメチレングリコール共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラムにおいて、低分子量から高分子量への全範囲にわたる分子量分布を示すピーク全体の面積に対して15%を示す、該ピークの最大分子量を含む高分子量側の部分の面積に相当する画分である。
本発明の他の1つの態様によれば、ヘテロポリ酸触媒の存在下でテトラヒドロフランとネオペンチルグリコールとを共重合反応に付して、
該共重合反応は連続重合反応装置において水の存在下で行ない、その際にテトラヒドロフランとネオペンチルグリコールを連続重合反応装置に連続的に供給し、且つ水の量が二相反応系を形成する量となるように副生する水を連続重合反応装置より連続的に除去し、該二相反応系は、ネオペンチルグリコールがテトラヒドロフランに溶解した溶液を含み、ネオペンチルグリコール濃度がその重量に対して0.05〜3.5重量%である有機相と、水含有ヘテロポリ酸触媒がテトラヒドロフランに溶解した溶液を含み、比重が1.8〜2.3であるテトラヒドロフラン/水含有ヘテロポリ酸触媒相とからなり、
該二相反応系を維持しながら該連続共重合反応を行って、数平均分子量が800〜5000のオキシテトラメチレングリコール共重合体を含有する反応生成した有機相と反応生成したテトラヒドロフラン/水含有ヘテロポリ酸触媒相とを含む共重合反応混合物を形成し;
該オキシテトラメチレングリコール共重合体を含む該反応生成した有機相を該共重合反応混合物から分離し;そして
該オキシテトラメチレングリコール共重合体を該反応生成した有機相から分離精製する
ことを包含することを特徴とする製造方法が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合体はテトラヒドロフランとネオペンチルグリコールを共重合して得られる、下記の(1)〜(4)の特性を有することを特徴とするオキシテトラメチレングリコール共重合体である。
(1)数平均分子量Mnが800〜5000である。
(2)重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnが次の(i)又は次の(ii)のいずれかを満足する。
(i)Mw/Mn比で表される分子量分布が1.8以下である。
(ii)Mw/Mn比で表される分子量分布が1.8を越え、且つMwとMnが式(I):
Figure 2002055586
で表される関係を満足する。
(3)ネオペンチルグリコール全共重合率Nが6〜30mol%である。但し、該ネオペンチルグリコール全共重合率Nは、オキシテトラメチレングリコール共重合体全体に含まれるネオペンチルグリコール単位とテトラヒドロフラン単位との合計モル量に対するネオペンチルグリコール単位の量のモルパーセントで定義される。
(4)数平均分子量Mn、ネオペンチルグリコール全共重合率N(mol%)、及びオキシテトラメチレングリコール共重合体の高分子量側15重量%画分のネオペンチルグリコール部分共重合率N(mol%)が式(II):
Figure 2002055586
(但し、Nは、該高分子15重量%画分に含まれるネオペンチルグリコール単位とテトラヒドロフラン単位との合計モル量に対するネオペンチルグリコール単位の量のモルパーセントで定義される。)
で表される関係を満足する。但し、該高分子量側15重量%画分は、該オキシテトラメチレングリコール共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラムにおいて、低分子量から高分子量への全範囲にわたる分子量分布を示すピーク全体の面積に対して15%を示す、該ピークの最大分子量を含む高分子量側の部分の面積に相当する画分である。
本発明の共重合体は、THFとNPGからなり、テトラメチレンエーテル結合を有するものである。この共重合体は、THFのリビングカチオン重合とそのリビングカチオン重合をNPGの水酸基によって停止する停止反応、NPG末端の水酸基またはNPGモノマーの水酸基とTHF末端の水酸基とが脱水縮合して共重合する共重合反応等の複数の反応が同時に進行する複雑な反応形式によって得られるものである。具体的には、最終的なオキシテトラメチレングリコール共重合体の高分子量のポリマー鎖は長いTHFホモポリマー領域を有し、中〜低分子量のポリマー鎖は短いTHFホモポリマー領域を有する傾向にあるため、オキシテトラメチレングリコール共重合体全体においては、全ポリマー鎖の分子の分子量分布はTHFホモポリマー領域の長さを反映し、分子量が2倍でも、各共重合体鎖に含まれるNPGのモル数は2倍よりも少ない。
本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合体の数平均分子量Mnは800〜5000であり、好ましくは900〜3000である。共重合体の数平均分子量が800未満の場合は、融点やガラス転移点等の低温物性は低くなるが、このようなオキシテトラメチレングリコール共重合体を原料として弾性製品を製造しても、好ましい物性を有する弾性製品を得ることができない。また、共重合体の数平均分子量が5000を越える場合は、共重合体の融点を室温未満にするためにオキシテトラメチレングリコール共重合体全体のネオペンチルグリコール(NPG)共重合率を30mol%よりも高くしなければならない。しかしながら、後述するように、NPG共重合率が30mol%を超えると分子量領域ごとにNPG共重合率を制御することによって得られる効果があまり見られなくなる。
更に本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合体には、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnで表される分子量分布が1.8以下の共重合体と、1.8を越える共重合体の両方が含まれる。分子量分布が1.8以下のものについては、分子量分布は狭い程好ましく、1.7以下であることが好ましい。分子量分布が狭くなることにより、平均分子量よりも非常に高い分子量を有する高分子量ポリマー鎖の量が相対的に減る。高分子量ポリマー鎖は低温物性を悪化させるので、その量が減ることによって共重合体全体の低温物性が向上する。
しかしながら、分子量分布が1.8を越える場合でも、式(I):
Figure 2002055586
で表される関係を満足する共重合体は本発明に含まれる。
上記式で表される指標(以下、屡々、“指標α”と称す。)は、分子量分布と数平均分子量の関係を示しており、共重合体の数平均分子量が大きい場合には、若干分子量分布が広がっても構わないことを意味している。これは、比較的数平均分子量が大きい共重合体においては、この分子量分布が狭くなることによって得られる低温物性改善効果が薄れるからである。つまり、比較的数平均分子量が小さい共重合体においては、上記した分子量分布が狭いこと(即ち、高分子量体が少ないこと)によって得られる低温物性改善効果が大きく発現するが、高分子量画分では、分子量分布が狭くなることによる低温物性改善効果が低分子量領域程は顕著に発揮されないことを意味している。
本発明において指標αは1.100以下であり、好ましくは0.800以下、より好ましくは0.500以下である。指標αが1.100を越えるほどに分子量分布が広い場合には、非常に分子量の高いポリマー鎖が共重合体に含まれていることを意味している。この場合は数平均分子量自体が高くても、このような非常に分子量の高いポリマー鎖の影響を受けて、共重合体の低温物性が低下する。
本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合体のネオペンチルグリコール全共重合率Nは6〜30mol%であり、好ましくは9〜25mol%である。ネオペンチルグリコール全共重合率(NPG全共重合率)Nは、オキシテトラメチレングリコール共重合体全体に含まれるネオペンチルグリコール単位とテトラヒドロフラン単位との合計モル量に対するネオペンチルグリコール単位の量のモルパーセントで定義される。本発明においてNは、H−NMRで測定した値である。具体的には、両サイドがメチレン基であるTHF連鎖のメチレン基のメチレンプロトンの積分値とNPGのメチルプロトンの積分値から計算した。
NPG全共重合率が6mol%未満の場合には、共重合効果が低く、数平均分子量が2000以上の共重合体は室温で固体となる。つまり融点が室温(20℃)よりも高くなる。なお、本発明における共重合効果とは、THFに異なるモノマーを共重合させることで、そのTHFモノマー連鎖の規則性を排除し、ポリマー鎖の分子間相互作用を低下させることによって生じる融点低下を意味する。一方、NPG全共重合率が30mol%を越えると、上記した分子量領域ごとにNPG共重合率を制御することの効果が見られなくなる。
オキシテトラメチレングリコール共重合体の融点を下げるためには、NPG全共重合率を上げれば良く、NPG全共重合率が20mol%以上の共重合体の融点は無くなる。尚、オキシテトラメチレングリコール共重合体においては、NPG全共重合率が20mol%未満の場合には、分子量の上昇に伴い融点が上昇する。また、NPG全共重合率が3〜20mol%の付近にガラス転移点を極小にする点がある。この極小点は分子量により変化し、分子量の上昇に伴い極小点は低下する。これらの特性を考慮し、融点やガラス転移点を低下させる為には、オキシテトラメチレングリコール共重合体のNPG全共重合率が6mol%以上であることが必要である。
更に本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合体は、NPG全共重合率が上記範囲内にあるだけでなく、低分子量側の画分と高分子量側の画分とで異なったNPG共重合率を有する。本発明者らは低温物性が改善されたオキシテトラメチレングリコール共重合体を製造するために鋭意研究を行った結果、分子量が2000以下の比較的低分子量の共重合体においては、NPG共重合率が10mol%付近でガラス転移点が極小になり、分子量が2000を越える高分子量の共重合体においては、NPG共重合率が5mol%以下の範囲にガラス転移点を極小にするポイントがあることを見出した。このことは、平均分子量が同じ共重合体であっても、各分子量画分におけるNPG共重合率を制御することによって、従来得られなかった低い融点及びガラス転移点を有する共重合体が得られることを意味している。本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合体は、各分子量画分ごとにNPG共重合率を制御した結果、数平均分子量Mn、ネオペンチルグリコール全共重合率N(mol%)、及びオキシテトラメチレングリコール共重合体の高分子量側15重量%画分のネオペンチルグリコール部分共重合率N(mol%)が式(II):
Figure 2002055586
(但し、Nは、該高分子15重量%画分に含まれるネオペンチルグリコ
ール単位とテトラヒドロフラン単位との合計モル量に対するネオペンチルグリコール単位の量のモルパーセントで定義される。)
で表される関係を満足する。本発明において「高分子量側15重量%画分」とは、共重合体全体の重量に対する、高分子量側の15重量%を占めるポリマーからなる画分であり、オキシテトラメチレングリコール共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラムにおいて、低分子量から高分子量への全範囲にわたる分子量分布を示すピーク全体の面積に対して15%を示す、該ピークの最大分子量を含む高分子量側の部分の面積に相当する画分である。高分子量側15重量%画分は、実験上、分取GPCによって取得する。具体的には、保持時間の差で分子量分画を行ない、ゲルパーミエーションクロマトグラムのピーク全体の面積に対して15%を示す、該ピークの最大分子量を含む高分子量側の部分の面積に相当する画分を回収する。図1に本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラムの一例を示す。図1においては、左側が高分子量側であり、右側が低分子量側であり、斜線部分が高分子量側15重量%画分に相当する。ゲルパーミエーションクロマトグラムを得るための方法に特に限定はないが、本発明においては分取ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(分取GPC)で行った。本願で用いた分取GPCの実施条件は下記の通りである。
装置:LC−908(日本国、日本分析工業製)
カラム:数平均分子量が3000未満の場合はShodex H2001とH2002、数平均分子量が3000以上の場合はShodex H2001、H2002とH2002.5(いずれも日本国、昭和電工社製)
検出器:示差屈折計(RI)
温度:40℃
溶離液:クロロホルム
溶離液の流速:3ml/min
サンプル:ポリマー濃度3重量%のクロロホルム溶液
サンプル注入量:3ml
分取回数:5回
フラクション分別間隔:10sec
上記のGPCによって得られたクロマトグラムにおいて、低分子量から高分子量への全範囲にわたる分子量分布を示すピーク全体の面積の15重量%となるように高分子量側の画分をまとめ、60℃、5Torrでクロロホルムを蒸留留去し、得られた高分子量側15重量%画分のNPG共重合率を上記と同様にH−NMRで分析した。
尚、上記のような分取GPCでクロマトグラムは横軸が保持時間であり、分析用のGPCのクロマトグラムでは横軸は分子量の対数である。この2つのクロマトグラムを比べると、高分子量側では保持時間と分子量の対数との間で直線性がなくなり、結果として、通常のGPCのクロマトグラムにおいては、高分子量側の横軸が引き延ばされる場合がある。又、使用するカラムの精度によって、得られる分子量分布に差が生じる。このような分取GPCと分析用のGPCとに見られる差は、本発明で使用したような高性能のカラムを用いた場合にはほぼ一致する。従って、本発明においては、分取GPCで高分子量側15重量%画分を回収しているが、これは、分析用GPCのゲルパーミエーションクロマトグラムにおいて、低分子量から高分子量への全範囲にわたる分子量分布を示すピーク全体の面積に対して15%を示す、該ピークの最大分子量を含む高分子量側の部分の面積に相当する画分と実質的に同じものであると考える。本発明においては、分取GPCはLG−908(日本国、日本分析工業製)及びShodex H2001,H2002とH2002.5(いずれも日本国、昭和電工社製)を用いて行い、分析用GPCはHLC−8220GPC(日本国、東ソー(株)社製)及びTSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH2000とTSKgel SuperH1000(共に日本国、東ソー(株)社製)を用いて行った。
上記式においてオキシテトラメチレングリコール共重合体の高分子量側15重量%画分のネオペンチルグリコール部分共重合率Nは、共重合体全体のガラス転移点に大きく影響を与える。高分子量のポリマー鎖においては比較的低いNPG共重合率の時にガラス転移点が極小となるため、高分子量のポリマー鎖のNPG共重合率を低くすることで、ポリマー全体のガラス転移点を下げることができる。
上記式(II)で表される指標(以下、屡々、“指標β”と称す。)は、本願発明者らによって見出された経験式であり、指標βの値は低い方が好ましい。しかしながら、技術的にはβの値は0.035程度が限界である。
上記の特性(1)〜(4)の全てを有する本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合体は、改善された低温物性を有し、優れた物性を有する弾性製品の製造に有利に用いることができる。
次に、改善された低温物性を有する本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合体の製造方法について説明する。
本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合体の製造方法は、ヘテロポリ酸触媒の存在下でテトラヒドロフランとネオペンチルグリコールとを共重合反応に付して、
該共重合反応は連続重合反応装置において水の存在下で行ない、その際にテトラヒドロフランとネオペンチルグリコールを連続重合反応装置に連続的に供給し、且つ水の量が二相反応系を形成する量となるように副生する水を連続重合反応装置より連続的に除去し、該二相反応系は、ネオペンチルグリコールがテトラヒドロフランに溶解した溶液を含み、ネオペンチルグリコール濃度がその重量に対して0.05〜3.5重量%である有機相と、水含有ヘテロポリ酸触媒がテトラヒドロフランに溶解した溶液を含み、比重が1.8〜2.3であるテトラヒドロフラン/水含有ヘテロポリ酸触媒相とからなり、
該二相反応系を維持しながら該連続共重合反応を行って、数平均分子量が800〜5000のオキシテトラメチレングリコール共重合体を含有する反応生成した有機相と反応生成したテトラヒドロフラン/水含有ヘテロポリ酸触媒相とを含む共重合反応混合物を形成し;
該オキシテトラメチレングリコール共重合体を含む該反応生成した有機相を該共重合反応混合物から分離し;そして
該オキシテトラメチレングリコール共重合体を該反応生成した有機相から分離精製することを包含することを特徴とする製造方法である。
本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合体の原料はテトラヒドロフラン(THF)とネオペンチルグリコール(NPG)である。本発明の共重合体はこの2つのモノマーからなるものであるが、少量の他のエーテル系モノマーを共重合成分として含んでいてもよい。このような共重合成分としては、3−メチルテトラヒドロフラン、1,2−プロピレンオキシド、3−メチルオキセタン等のモノマーが挙げられる。オキシテトラメチレングリコール共重合体に対するNPG以外のモノマーの共重合率もNPGと同様に6〜30モル%である。
本発明で重合触媒として用いるヘテロポリ酸とは、Mo、W、Vの内少なくとも一種の酸化物と、他の元素、例えば、P、Si、As、Ge、B、Ti、Ce、Co等のオキシ酸が縮合して生じるオキシ酸の総称であり、後者に対する前者の原子比は2.5〜12である。
このヘテロポリ酸は、ブレーンステッド酸のまま、またはその塩の状態であっても良い。ヘテロポリ酸およびその塩の具体例としては、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、リンタングストバナジン酸、リンモリブドニオブ酸、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイモリブドタングステン酸、ケイモリブドタングストバナジン酸、ゲルマニウムタングステン酸、ホウタングステン酸、ホウモリブデン酸、ホウモリブドタングステン酸、ホウモリブドバナジン酸、ホウモリブドタングストバナジン酸、コバルトモリブデン酸、コバルトタングステン酸、砒素モリブデン酸、砒素タングステン酸、チタンモリブデン酸、セリウムモリブデン酸およびその金属塩が挙げられる。好ましくは、Mo、Wの内の少なくとも1種の金属酸化物とP、Siの内少なくとも1種のオキシ酸とが縮合したオキシ酸である。
本発明においては、共重合反応を連続重合反応装置において水の存在下で行ない、その際にテトラヒドロフランとネオペンチルグリコールを連続重合反応装置に連続的に供給し、且つ水の量が二相反応系を形成する量となるように副生する水を連続重合反応装置より連続的に除去する。二相反応系は、ネオペンチルグリコールがテトラヒドロフランに溶解した溶液を含み、ネオペンチルグリコール濃度がその重量に対して0.05〜3.5重量%である有機相と、水含有ヘテロポリ酸触媒がテトラヒドロフランに溶解した溶液を含み、比重が1.8〜2.3であるテトラヒドロフラン/水含有ヘテロポリ酸触媒相(以下、屡々、「触媒相」と略す。)とからなる。
一般に、無水のヘテロポリ酸は、無水のTHFには難溶であるが、THFに微量の水を加えた混合溶媒には可溶となるため、可溶な範囲内で水、THF、ヘテロポリ酸を調整することによって比重が1.8〜2.3である触媒相が得られる。本発明で用いる反応系が有機相と触媒相の二相に分かれる理由は明らかではないが、ヘテロポリ酸に少量の水が配位するためと考えられる。
この触媒相の比重が1.8未満になると重合速度が著しく低下し、重合装置内での滞留時間が著しく長くなる。その結果、生成されるオキシテトラメチレングリコール共重合体の分子量分布が広くなり、ガラス転移点の高いオキシテトラメチレングリコール共重合体しか生成することができない。そのため、触媒相の比重は高い方が好ましく、具体的には1.9以上が好ましい。しかし、触媒相の比重が2.3を越えるとヘテロポリ酸触媒の一部が析出し、触媒相がスラリー状態となる。固体となったヘテロポリ酸触媒は触媒相と有機相との間の移動が活発となり、有機相における触媒作用が活発となるため、液状触媒を用いることによって得られる分子量の狭い共重合体の製造が困難となる。また、大量の固体ヘテロポリ酸が析出すると、固体ヘテロポリ酸の表面酸性基のみが触媒活性を発揮するので、有効酸性基が減少し、反応速度の低下を誘発する。
反応系における触媒相の比重は、ヘテロポリ酸への配位水と関係した値である。配位水量がヘテロポリ酸に対して6倍モルのものを使用して触媒相を製造した場合、室温で触媒相の比重は1.6〜1.7の値となる。従って、本発明のように触媒相の比重を1.8以上にするためには、ヘテロポリ酸の配位水量は、ヘテロポリ酸に対して約6倍モル未満でなければならない。但し、触媒相の比重は配位水量のみによって決定される訳ではないので、反応系に含まれるNPGの量や温度の影響も受ける。何れにせよ、本願で用いる重合条件においては、触媒相の比重を1.8以上とするためには、ヘテロポリ酸の配位水量をヘテロポリ酸に対して6倍モル未満とする。
本発明においては、有機相中のNPG濃度を0.05〜3.5重量%に維持する。以下に、NPGの濃度を一定に保持することによる効果を説明する。
本発明の重合反応においては、THFのリビングカチオン重合とそのリビングカチオン重合をNPGの水酸基によって停止する停止反応、ポリマーの末端NPGの水酸基またはNPGモノマーの水酸基と、ポリマーの末端THFの水酸基とが脱水縮合して共重合する共重合反応等の複数の反応が同時に進行する複雑な反応形式でポリマーが成長していく。重合反応の際に、THFのリビングカチオン重合によって生じるTHF連鎖のみのポリマー(即ち、共重合体中に存在する、THFのみからなる領域(THFホモポリマー領域))に広い分子量分布をもたせると、最終的なオキシテトラメチレングリコール共重合体においては、高分子量のポリマー鎖は長いTHFホモポリマー領域を有し、中〜低分子量のポリマー鎖は短いTHFホモポリマー領域を有するものとなる。従って、オキシテトラメチレングリコール共重合体全分子の分子量分布はTHFホモポリマー領域の長さを反映し、分子量が異なっていても、各共重合体鎖に含まれるNPGのmol数はほぼ同じとなる。
このような組成の共重合体を製造するためには、THFのリビングカチオン重合を選択的に起こさなければならない。具体的には、共重合時に有機相中のNPG濃度を0.05〜3.5重量%に一定に維持することによってのみ達成できる。これは、適量のNPGが触媒相中でTHFホモポリマーの界面活性剤として働き、長いTHFホモポリマーが触媒相中に存在することを可能にしているためだと考えられる。
有機相中のNPG濃度は0.05〜3.5重量%に維持しなければならないが、好ましくは0.1〜2重量%、更に好ましくは0.1〜1重量%に維持すると、高分子量のポリマー鎖のNPG共重合率が相対的に低下する。有機相中のNPG濃度が0.05重量%未満では、NPG共重合率が6mol%以上のオキシテトラメチレングリコール共重合体を生成することは不可能なため、得られるオキシテトラメチレングリコール共重合体の融点とガラス転移点が高くなってしまう。
一方、有機相中のNPG濃度が3.5重量%以上であると、NPGによるTHFのリビングカチオン重合の停止反応が顕著となり、非常に短いTHFホモポリマー領域しか生成することができない。その結果、THFホモポリマー領域の分子量分布が非常に狭くなり、オキシテトラメチレングリコール共重合体の分子量分布中の高分子量ポリマー鎖のNPG共重合率が相対的に高くなる。上記したように、高分子量ポリマー鎖においては、比較的低いNPG共重合率の時にガラス転移点が極小となるため、高分子量ポリマー鎖のNPG共重合率を低くすることで、共重合体全体のガラス転移点を下げることができる。
本発明の製造方法においては、共重合反応で副生する水を連続重合反応装置から除去する。連続重合反応では、副生する水を除去しないと、反応系内の水の含有量が増加し、結果として触媒相の触媒比重が低下し、有機相と触媒相との均一化(即ち、二相分離しないで一相になる状態)が生じてしまう。そのため、共重合反応で副生する水を除去して触媒相の比重を一定に維持することが必要である。
以下に重合反応で副生する水の除去方法について説明する。
本発明の製造方法は連続重合反応によるものであるため、副生する水も反応系内より連続的に除去する必要がある。本発明で反応系内から水を除去する方法は、水をTHFと共沸蒸留して除去し、共沸蒸留によって留去されたTHF量と同量のTHFを反応溶液に返す方法である。この場合の水とTHFの共沸蒸留は、図2に示したようなシステムを用いて反応系内の気相蒸気を抜き出しても構わないし、図3に示したようなシステムを用いて触媒相と有機相とを二液相分離した後、水とTHFの共沸蒸気を抜き出しても構わない。
有機相と触媒相の双方が存在する反応系内の水をTHFと共沸蒸留して除去する方法においては、触媒相中の水のmol分率が有機相中の水のmol分率よりも高いため、触媒相と有機相との合計の水のmol分率は、有機相中の水のmol分率よりも高くなる。従って、有機相を触媒相と分離した後、有機相から水を除去する方法よりもこの方法の方が水の除去効率が上がると考えられる。また、この場合、反応器内の圧力を下げ、沸点を低下させて水抜き速度を向上させる方法も効果的である。しかしながら、有機相と触媒相の双方が存在する反応系内の水をTHFと共沸蒸留して除去する場合、共沸に要する蒸発潜熱が反応系の温度へ影響を与えるような高速の反応速度で水の除去を実施すると、反応温度の微調整が困難となることがある。
安定した重合条件を維持しながら水の除去を行うには反応系を有機相と触媒相とに分離した後に、有機相より水とTHFの共沸蒸気を取り出す方法が好ましい。尚、この方法の場合は、抜き出した有機相の一部を反応系に戻して所定の滞留時間を達成することが好ましい。
本発明においては有機相と触媒相の二相反応系で共重合反応が進行するが、共重合反応は主として触媒相中で進行する。反応速度を高くするには、原料モノマーのTHFとNPGとが存在する有機相と重合場である触媒相との接触効率を上げる必要がある。そのため、本発明においては、反応装置の形状や攪拌効率を適正にすることで接触効率を向上させ、反応速度を上げることができる。
次に、連続重合反応装置の形状および攪拌効率について説明する。
本発明の連続重合反応装置は、その内部にバッフルを必ずしも備えていることを必要としないが、バッフルを備えていることが好ましい。また、反応装置内の反応液に関しては、L/D(Lは重合反応液の深さ、Dは反応装置の直径を表す)が、0.5〜10の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1〜3である。
撹拌のための羽根の形状は、U字、タービン、プロペラ、平羽根(パドル)、湾曲羽根、ファドラー型、ブルマージン型等、如何なる形状であってもよいが、中でも、U字、タービン、プロペラ、パドル形状の羽根が好ましく用いられる。これらの羽根は、角度付きやピッチ付きのものであってもよい。羽根の幅は、その構造によって大きく異なるので特に限定はない。撹拌軸に取り付けられる羽根の枚数は、一般的に1〜10枚の範囲内であり、通常は1〜3枚である。羽根の枚数は10枚より多くても特に問題はないが、1枚でも充分である。羽根の大きさに関しては、d/D(dは羽根の長さの2倍で表される羽根の直径、Dは反応装置の直径を表す)が0.1〜0.95、好ましくは0.3〜0.8である。また、撹拌の回転数に関しては、羽根の構造によって回転数領域が大きく異なり、反応装置の構造に応じて所定の領域の撹拌動力(P)が得られるように回転数を調整する。基本的には、小さな回転数で大きな撹拌動力が得られるような羽根の構造であることが好ましい。
攪拌効率を向上させるための方法の1つは、攪拌動力を上げることである。重合反応時の単位反応液容積当たりの撹拌動力(P/V)(ここで、Pは撹拌動力(kW)を表し、Vは反応装置中の全液体容積(m)を表す)が0.1以上であると攪拌効率が良い。P/Vを向上させると反応速度が向上するのでできるだけ大きくすることが好ましいが、P/Vを6より大きくしても効果は変わらない。
また、攪拌効率を高めるために、反応装置中の全液体容積に対する触媒相容積の比(CV/V)(ここで、Vは反応装置中の全液体容積を表し、CVは反応溶液中の触媒相容積を表す。)を0.1〜0.9にすることが好ましい。本発明の連続重合反応においてはCV/Vを大きくすると、原料モノマー(THFとNPG)の反応溶液中での滞留時間(V/F)(ここでは、Vは反応装置中の全液体容積(m)を表し、Fは反応装置中への原料の供給速度(m/h)を表す。)が短くても充分な重合反応を達成することができる。
本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合体の製造方法においては、反応系内の酸素の混入をできるだけ抑制することが好ましい。これは、重合反応時の酸素の混入によるオキシテトラメチレングリコール共重合体の着色を防止するためである。具体的には、反応系内の酸素濃度を1000ppm以下にすることが好ましく、これは窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン等の不活性ガス雰囲気とすることで達成できる。
上記のようにして得られた共重合反応混合物は、反応終了後に静置することでオキシテトラメチレングリコール共重合体を含む反応生成した有機相と触媒相の二相に分離し、反応生成した有機相だけを取り出すことで、大部分の触媒を除去することができる。しかしながら反応生成した有機相には未反応の原料モノマーや少量の触媒が残存するので、更に共重合体を分離精製することが好ましい。共重合体の分離精製方法に特に限定はなく、公知の方法を用いて精製するればよい。例えば、日本国特開昭60−203633号公報、日本国特開昭61−120830号公報、日本国特開昭61−123630号公報、日本国特開平6−87951号公報、日本国特開平9−291147号公報、日本国特開平10−87811号公報、日本国特開平10−87812号公報及び日本国特開平10−87813号公報等の従来技術で行われている精製方法を採用することができる。
本発明の製造方法に続いて行う精製工程の1例について以下に説明する。
触媒相と分離した有機相を蒸留して残存するTHFの一部を除去する。THFの蒸留温度は40〜100℃の範囲が好ましい。有機相の中には触媒が少量溶け込んでいる為、高温条件に長時間曝されるとオキシテトラメチレングリコール共重合体のTHF末端が解重合されたり、未反応のNPGの一部がオキシテトラメチレングリコール共重合体と脱水縮合し、オキシテトラメチレングリコール共重合体中に取り込まれたりするので、70℃以下の比較的低温で行うことが好ましい。従って、最も好ましい範囲は、50〜60℃である。また、蒸留圧力は蒸留時の伝熱面積と反応系内での滞留時間によって最適範囲は若干変化するが、0.1〜5atmの範囲が好ましい。又、留去したTHFの冷却凝縮用冷媒の温度を室温以上とする為には、減圧度が200Torr以上が好ましく、蒸発速度を向上させるという点を考慮すると600Torr以下にすることが好ましい。従って、特に好ましいTHFの蒸留圧力は200〜600Torrである。
次に有機相に炭素数6〜10の飽和炭化水素を加え、残存する触媒を更に除去する。触媒の除去に使用する飽和炭化水素は炭素数6〜10のものが好ましく、具体的には、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、2−エチルヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等が挙げられる。飽和炭化水素を加えた有機相の組成比は、オキシテトラメチレングリコール共重合体が10〜60重量%、THFは1〜30重量%、飽和炭化水素は10〜89重量%の範囲である。飽和炭化水素はオキシテトラメチレングリコール共重合体中に溶け込んでいる触媒をオキシテトラメチレングリコール共重合体中より不溶化する為の貧溶媒として使用されるが、オキシテトラメチレングリコール共重合体と飽和炭化水素だけを混合した場合、共重合体と飽和炭化水素が二液相分離してしまい、飽和炭化水素の貧溶媒としての効果を充分に発揮するには至らない。そこで、触媒の良溶媒でもあるTHFをオキシテトラメチレングリコール共重合体と飽和炭化水素とが相分離しないように界面活性剤としての役割をもたせる程度に用いる。従って、飽和炭化水素とオキシテトラメチレングリコール共重合体が二液相分離しない最小限の量のTHFが存在していることが好ましい。飽和炭化水素は、触媒の貧溶媒として効果的に働き、触媒の除去に充分な量となるように、オキシテトラメチレングリコール共重合体の重量に対して等量以上入れる必要がある。
飽和炭化水素の添加によって相分離した触媒は極少量である為、その一部は有機相に混じってしまう。従って、有機相を1μm以下の孔径のフィルターで濾別することが好ましい。最も効果的に触媒相を濾別するには0.5μ以下のフィルターを使用する。
これらの処理によってオキシテトラメチレングリコール共重合体中に含有する触媒の残量は100ppm以下となる。さらにオキシテトラメチレングリコール共重合体が含有する触媒量を下げる場合には、有機相をそのまま活性炭、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、アルミナおよびシリカアルミナなどの固体吸着剤と接触させると良い。この場合の温度は、溶液が固化せず、かつ、沸騰しない温度であればよい。一般的には、−30〜100℃、好ましくは0〜67℃、さらに好ましくは15〜50℃で吸着剤による処理を行う。固体吸着剤による処理によって、オキシテトラメチレングリコール共重合体中の触媒残量は10ppm以下にすることができる。触媒の除去に用いる固体吸着剤としては、活性炭が特に好ましい。
このようにして得られた混合物は原料モノマーであるTHFとNPG並びに触媒除去に使用した飽和炭化水素などを含んでいる。この混合物はそのまま後述する本発明の精製方法に付してTHF、NPG及び飽和炭化水素を除去してもよいし、THFを留去してから本発明の精製方法に付してもよい。THFを留去すると、飽和炭化水素相とオキシテトラメチレングリコール共重合体相とに混合物が2相分離するため、飽和炭化水素相をも分離することができる。こうして得られたオキシテトラメチレングリコール共重合体相は、オキシテトラメチレングリコール共重合体が30〜70%、NPGが0.02〜10%、飽和炭化水素が30〜70%の溶液である。このような溶液に含まれたNPGや飽和炭化水素は、本発明の精製方法のみならず、従来から用いられている精製方法、例えば、日本国特開平9−291147号公報、日本国特開平10−87813号公報及び日本国特開平1−92221号公報等に記載の方法によって除去することもできる。しかし、反応混合物に含まれる該未反応NPGの重量と少なくとも同じ重量の新鮮テトラヒドロフランを該反応混合物に添加して、該反応混合物を新鮮テトラヒドロフランの存在下で温度が80〜160℃、圧力が5〜760Torrの条件下で連続蒸留に付し、該添加テトラヒドロフランと共に該反応混合物に含まれる該未反応NPGを留去することを特徴とする本発明の精製方法を採用することが好ましい。この方法を用いると、未反応NPGの凝縮系における固化などを伴うことなくNPGを分離することが可能であり、更に分離したNPGを共重合反応系へリサイクルすることができる。また、得られたオキシテトラメチレングリコール共重合体は熱分解しやすい低分子量成分が微量となる為、熱的に安定である。
本発明の製造方法によって得られるオキシテトラメチレングリコール共重合体は、融点やガラス転移点といった低温物性が非常に改善されている。そのため、本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合体を用いて、低温物性に優れた弾性繊維(例えば、ポリエステル弾性繊維、ポリウレタン弾性繊維等)、ポリウレタン樹脂、ポリエステルエラストマー等を製造することができる。
又、本発明の製造方法においては、NPGを他のジオール類に代えることによって、上記した本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合体以外の低温特性の優れたオキシテトラメチレングリコール共重合体を製造することが可能である。
本発明の他の1つの態様によれば、テトラヒドロフランと下記式(1):
Figure 2002055586
(式中、RとRは名々独立に水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基を表し、p,q及びrは名々独立に0〜6の整数を表し、但しp,q及びrの合計は2以上である)、
で表されるジオール類とを共重合することで得られるオキシテトラメチレングリコール共重合体を、該オキシテトラメチレングリコール共重合体と未反応ジオール類を包含する共重合反応混合物から精製する方法にして、
該反応混合物に含まれる該未反応ジオール類の重量と少なくとも同じ重量の新鮮テトラヒドロフランを該反応混合物に添加して、該反応混合物を新鮮テトラヒドロフランの存在下で温度が80〜160℃、圧力が5〜760Torrの条件下で連続蒸留に付し、該添加テトラヒドロフランと共に該反応混合物に含まれる該未反応ジオール類を留去することを特徴とする精製方法が提供される。
上記したように、オキシテトラメチレングリコール共重合体の精製方法の基本的特徴は、未反応のジオール類の除去にある。本発明の精製方法により初めて、使用するジオール類がたとえ常温付近で固体状態となるジオール類であっても、凝縮器や配管等の蒸留機器内でジオール類を固化させることなくオキシテトラメチレングリコール共重合体から分離することが可能となった。又、本発明の精製方法を用いて分離したジオール類は、容易に共重合反応へリサイクルすることができる。
本発明の精製方法は、テトラヒドロフランと上記式(1)で表されるジオール類とを共重合することで得られるオキシテトラメチレングリコール共重合体を、該オキシテトラメチレングリコール共重合体と未反応ジオール類を包含する共重合反応混合物から精製する方法である。本発明の精製方法に付すことのできる反応混合物は、テトラヒドロフランと上記式(1)で表されるジオール類とを無機酸触媒を用いた共重重合反応に付すことで得られる反応混合物であり、数平均分子量250〜5000のオキシテトラメチレングリコール共重合体を主成分とする。
はじめに本発明の精製方法に付すことのできる反応混合物について説明する。
上記式(1)で表されるジオール類の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチルブタン−1,4−ジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール等が挙げられる。ジオール類は一種でも複数種を混合して用いてもかまわない。これらのジオール類の中では、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチルブタン−1,4−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール等の炭素数2〜6のジオール類は比較的低沸点である為、蒸留による回収が容易である。また、これらのジオール類の中でも、ネオペンチルグリコールと1,6−ヘキサンジオールは、THFとの共重合で得られる共重合体を用いて物性の優れたウレタン弾性体を製造することができるので好ましい。
反応混合物を得るために用いることができる無機酸触媒とは、ブレーンステッド酸性またはルイス酸性を示す無機酸であればどのようなものでも構わない。最も触媒に適した無機酸としては、ヘテロポリ酸が挙げられる。ヘテロポリ酸とは、Mo、W、Vの内少なくとも一種の酸化物と、他の元素、例えば、P、Si、As、Ge、B、Ti、Ce、Co等のオキシ酸が縮合して生じるオキシ酸の総称であり、後者に対する前者の原子比は2.5〜12である。
このヘテロポリ酸は、ブレーンステッド酸のまま、またはその塩の状態であっても良い。ヘテロポリ酸およびその塩の具体例としては、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、リンタングストバナジン酸、リンモリブドニオブ酸、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイモリブドタングステン酸、ケイモリブドタングストバナジン酸、ゲルマニウムタングステン酸、ホウタングステン酸、ホウモリブデン酸、ホウモリブドタングステン酸、ホウモリブドバナジン酸、ホウモリブドタングストバナジン酸、コバルトモリブデン酸、コバルトタングステン酸、砒素モリブデン酸、砒素タングステン酸、チタンモリブデン酸、セリウムモリブデン酸およびその金属塩である。
共重合反応には、重合触媒となる無機酸、原料モノマーであるTHFとジオール類、及び反応停止剤を用いる。反応停止剤の具体例としては、水や共重合モノマーであるジオール類が挙げられる。
共重合反応は、ジオール類がテトラヒドロフランに溶解した溶液を含む有機相と、水含有ヘテロポリ酸触媒がテトラヒドロフランに溶解した溶液を含み、比重が1.8〜2.3であるテトラヒドロフラン/水含有ヘテロポリ酸触媒相とからなる二相反応系で行う。尚、共重合反応により製造されるオキシテトラメチレングリコール共重合体は有機相中に溶解している。
無機酸は、無水のTHFには難溶であるが、THFに微量の水を加えた混合溶媒には可溶である。その理由は未だ明らかにされていないが、無機酸に少量の水が配位するためと考えられる。反応系に存在する水、ジオール類、THFなどの量を調整することによって、反応系は有機相と、比重が1.8〜2.3のTHF/水含有無機酸触媒相とに分かれる。
オキシテトラメチレングリコール共重合体を製造するための共重合反応は、バッチ方式でも連続方式でも構わない。
共重合反応の反応温度は、共重合反応が進行する温度であれば特に限定はない。しかし、1つの共重合体ポリマー鎖に2分子以上のジオール類を挿入する為には、通常は脱水反応が必要である。脱水反応を行うためには、50℃以上の高温で共重合反応を実施する必要がる。また、ジオール類の熱分解と生成した共重合体の解重合を考慮すると、反応温度は100℃以下であることが好ましい。特に、55〜80℃の範囲で共重合を実施すると、ジオール類の分解および生成したオキシテトラメチレングリコール共重合体の解重合が抑制され、低圧力条件で共重合を実施できるので好ましい。
また、1つの共重合体ポリマー鎖に2分子以上のジオール類を挿入する場合には、反応によって副生する水を反応系より抜き出すことで反応速度が向上する。反応系より水を除去する方法としては、反応溶液から水/THFの共沸蒸気を取り出し、抜き出したTHFと同量のTHFを反応液に返す方法を採用することができる。この水抜き工程は連続的に実施しても断続的に実施しても構わないが、重合操作上の観点から、連続的に水/THF蒸気成分を抜き出し、同時に連続的に水分量の少ないTHFを注入する方法が簡便である。
この場合の水とTHFの共沸蒸留は、反応系内の気相蒸気を抜き出しても構わないし、触媒相と有機相とを二液相分離した後、水とTHFの共沸蒸気を抜き出しても構わない。
有機相、触媒相の双方が存在する反応系内の水をTHFと共沸蒸留して除去する方法においては、触媒相中の水のmol分率が有機相中の水のmol分率よりも高いため、触媒相と有機相との合計の水のmol分率は、有機相中の水のmol分率よりも高くなる。従って、有機相を触媒相と分離した後、有機相から水を除去する方法よりも、この方法の方が水の除去効率が高いと考えられる。また、この場合は、反応装置内の圧力を下げ、沸点を低下させて水抜き速度を向上させる方法も効果的である。しかしながら、有機相と触媒相の双方が存在する反応系内の水をTHFと共沸蒸留して除去する方法では、共沸に要する蒸発潜熱が反応系の温度へ影響を与えるような高速の反応速度で水の除去を実施すると、反応温度の微調整が困難となる場合がある。
安定した重合条件を維持しながら水の除去を行うには反応系を有機相と触媒相とに分離した後に、有機相より水とTHFの共沸蒸気を取り出す方法が好ましい。尚、この方法の場合は、抜き出した有機相の一部を反応系に戻して所定の滞留時間を達成することが好ましい。
オキシテトラメチレングリコール共重合体を製造する際には、反応系内の酸素の混入をできるだけ抑制することが好ましい。これは、重合反応時の酸素の混入によって生成したオキシテトラメチレングリコール共重合体が着色するためである。具体的には、反応系内の酸素濃度を1000ppm以下にすることが好ましく、これは窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン等の不活性ガス雰囲気とすることで達成できる。
上記のようにして得られた反応混合物は、反応終了後に静置することで、オキシテトラメチレングリコール共重合体を含有する反応生成した有機相と触媒相の二相に分離し、反応生成した有機相だけを取り出せば、大部分の触媒を除去することができる。しかしながら反応生成した有機相には少量の触媒が残存するので、更に残存触媒などを除去した後に本発明の精製方法を実施することが好ましい。
本発明の精製方法に付すことのできる反応混合物の調製方法の一例について、次に説明する。
触媒相と分離した有機相を蒸留して残存するTHFの一部を蒸留除去する。THFの蒸留温度は40〜100℃の範囲が好ましい。有機相の中には触媒が少量溶け込んでいる為、高温条件に長時間曝されるとオキシテトラメチレングリコール共重合体のTHF末端が解重合されたり、未反応ジオール類の一部がオキシテトラメチレングリコール共重合体と脱水縮合し、オキシテトラメチレングリコール共重合体中に取り込まれたりするので、70℃以下の比較的低温で行うことが好ましい。従って、最も好ましい範囲は、50〜60℃である。また、蒸留圧力は蒸留時の伝熱面積と反応系内での滞留時間によって最適範囲は若干変化するが、0.1〜5atmの範囲で使用される。蒸発THFの冷却凝縮用冷媒の温度を室温以上とする為には、圧力は200Torr以上が好ましく、蒸発速度を向上させるという点を考慮すると600Torr以下にすることが好ましい。従って、特に好ましいTHF蒸留圧力は、200〜600Torrである。
次に有機相に含まれる残存触媒を除去する。残存触媒を除去する方法に特に限定はなく、触媒除去カラムを用いる方法、ハロゲン系溶媒を使用する方法、飽和炭化水素による触媒の沈殿などが挙げられる。触媒除去カラムを用いて触媒を除去する場合には、有機相を活性炭、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、アルミナおよびシリカアルミナなどの固体吸着剤を充填したカラムに通せばよい。触媒の除去に用いる固体吸着剤としては、活性炭が特に好ましい。また、触媒除去を行う温度は、溶液が固化せず、かつ、沸騰しない温度であればよい。一般的には、−30〜100℃、好ましくは0〜67℃、さらに好ましくは15〜50℃で吸着剤による処理を行う。
ハロゲン系溶媒を使用する方法においては、炭素数1〜15のハロゲン系炭化水素、例えば、クロロホルム、トリクロルトリフルオロエタン、トリクロルフルオロエタン、クロルベンゼン等を有機相に添加して触媒を沈殿させる。
飽和炭化水素を用いる方法においては、炭素数6〜10の飽和炭化水素を有機相に加え、2相分離する。この方法は、触媒除去効率が高く、プラントにおける機材の腐食などを招く危険性も少ないことから非常に好ましい。重合反応後に触媒を除去するために使用される飽和炭化水素は炭素数6〜10のものが好ましく、具体的には、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、2−エチルヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等が挙げられる。これら飽和炭化水素は、後述するように飽和炭化水素のみを留去する場合には、より低分子である炭素数8以下の飽和炭化水素を使用することが好ましい。また、飽和炭化水素をジオール類と添加THFとともに留去する場合には、留去した飽和炭化水素のリサイクルを容易にするために、THFと沸点分離可能な飽和炭化水素、即ち、THFと沸点に差のある炭素数7以上の飽和炭化水素が好ましい。
飽和炭化水素を加えた有機相の組成比としては、オキシテトラメチレングリコール共重合体が10〜60重量%、THFは1〜30重量%、飽和炭化水素は10〜89重量%の範囲である。飽和炭化水素はオキシテトラメチレングリコール共重合体中に溶け込んでいる触媒をオキシテトラメチレングリコール共重合体中より不溶化する為の貧溶媒として使用される。オキシテトラメチレングリコール共重合体と飽和炭化水素だけを混合した場合、共重合体と飽和炭化水素が二液相分離してしまい、飽和炭化水素の貧溶媒としての効果を充分に発揮するには至らない。そこで、オキシテトラメチレングリコール共重合体と飽和炭化水素とが相分離しないように、触媒の良溶媒でもあるTHFを界面活性剤としての役割をもたせる程度に使用する。THFは飽和炭化水素とオキシテトラメチレングリコール共重合体が二液相分離しない最小限の量が存在していることが好ましい。飽和炭化水素は、触媒の貧溶媒として効果的に働き、触媒の除去に充分な量となるように、オキシテトラメチレングリコール共重合体の重量に対して等量以上入れる必要がある。
飽和炭化水素の添加によって相分離した触媒は除去する。分離した触媒相は極少量である為、その一部は有機相に混じってしまう。そこで、有機相を1μm以下の孔径のフィルターで濾過することが好ましい。最も効果的に触媒相を濾別するには0.5μ以下のフィルターを使用する。
これらの処理によってオキシテトラメチレングリコール共重合体中に含まれる触媒の残量は100ppm以下となる。さらにオキシテトラメチレングリコール共重合体中に含まれる触媒量を下げたい場合は、上記した触媒除去カラムを用いた処理を行なってもよい。このような処理によって、オキシテトラメチレングリコール共重合体中の触媒残量は10ppm以下とすることができる。
このようにして得られた反応混合物は未反応の原料モノマーであるTHFとジオール類並びに触媒除去に使用した飽和炭化水素などを含んでいる。反応混合物はそのまま本発明の精製方法に付してオキシテトラメチレングリコール共重合体を精製してもよいし、THFを留去してから本発明の精製方法に付してもよい。THFを留去すると、反応混合物が炭化水素相とオキシテトラメチレングリコール共重合体相とに2相分離するため、炭化水素も分離することができる。
次に、オキシテトラメチレングリコール共重合体と未反応ジオール類を包含する共重合反応混合物からオキシテトラメチレングリコール共重合体を精製する方法について詳細に説明する。
本発明の精製方法は、反応混合物に含まれる未反応ジオール類の重量と少なくとも同じ重量の新鮮テトラヒドロフランを該反応混合物に添加して、該反応混合物を新鮮テトラヒドロフランの存在下で温度が80〜160℃、圧力が5〜760Torrの条件下で連続蒸留に付し、該添加テトラヒドロフランと共に該反応混合物に含まれる該未反応ジオール類を留去することを特徴とする精製方法である。
本発明の精製方法に用いることができる反応混合物は、飽和炭化水素を含むものでも、飽和炭化水素を含まないものでもよい。触媒除去に飽和炭化水素を用いた場合に得られる反応混合物には、オキシテトラメチレングリコール共重合体が30〜70%、ジオール類が0.02〜10%、飽和炭化水素が30〜70%含まれている。また、触媒除去に飽和炭化水素を用いなかった場合、例えば触媒除去カラムで触媒除去を行った場合には、反応混合物にはオキシテトラメチレングリコール共重合体が20〜99%、THFが1〜80%、ジオール類が0.02〜10%含まれている。尚、反応混合物にはTHFが含まれている場合と触媒除去などで大部分のTHFが除去されている場合がある。
飽和炭化水素を含有する反応混合物からオキシテトラメチレングリコール共重体を精製するための方法には2種類の方法がある。具体的には、飽和炭化水素を未反応ジオール類及び添加THFと共に一度の蒸留で除去する一段精製法と、飽和炭化水素を留去し、次に未反応ジオール類を添加THFと共に留去する二段精製法である。尚、飽和炭化水素を含まない反応混合物からオキシテトラメチレン共重合体を精製する場合にも一段精製法を用いる。
先ず最初に一段精製方法について、図4を用いて説明する。
図4は、本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合を、一段精製法によって連続的に精製するためのシステムの一例を示す概略図である。
反応混合物は反応混合物タンク16に貯蔵されており、ここからポンプ24を用いて蒸留塔26の上部へ移送される。蒸留塔26においては蒸留温度を80〜160℃に設定する。80〜160℃の蒸留温度範囲ではオキシテトラメチレングリコール共重合体はほとんど蒸気圧を有さないため、蒸留塔をそのまま下部へ移動する。一方、飽和炭化水素とジオール類は蒸気成分となりオキシテトラメチレングリコール共重合体から分離される。
すでに述べたように、ジオール類は常温付近で固化するため、蒸留塔から蒸気成分として分離してもその後の凝縮器27で固化が起こってしまい、配管の閉塞といった問題を生じる。そこで本発明においては、ジオール類の固化を防止する方法として、新鮮THFタンク29から新鮮THFを加熱器31で気化させながらポンプ30で蒸留塔26の下部より添加し、添加THFと共にジオール類を蒸留することでジオール類の固化を防止する。
尚、本発明において「新鮮THF」とは新たに添加するTHFを意味し、反応混合物に残存する未反応モノマーであるTHFとは別のTHFである。このTHFは未使用のTHFでも、後述するようにリサイクルしたTHFでもよい。
蒸留塔の下部より添加する新鮮THFを大量に用いれば、ジオール類の蒸発速度を向上させることができる。しかしながら、添加THFの量を多くすると、蒸留したTHFを凝縮させる為のエネルギーコストが増大する。従って、新鮮THFの添加量はジオールの固化を防止するための最低量であればよく、具体的には反応混合物に含まれるジオール類の重量と少なくとも同じ重量であればよい。必要な新鮮THFの添加量は蒸留塔上部より流し入れる反応混合物に含まれるジオール類の量により変動するが、通常は、反応混合物の流量の1倍以上、好ましくは2以上のTHFを流す。また、蒸留塔内の温度が130℃以下の場合には、反応混合物の流量の2.5倍以上のTHFを流すことが好ましい。いずれの場合も、THFの流量は100倍以下、好ましくは20倍以下、より好ましくは5倍以下とする。又、反応混合物に含まれる未反応ジオール類の量は微量であるため、このような流量比でTHFを流した場合のジオール類の重量に対するTHFの重量は800倍以上、好ましくは1500倍以上であり、50,000倍以下である。
ジオール類の留去は多段蒸留で行うことが好ましい。また、蒸留塔内の圧力は低いほどジオール類の蒸留除去効率が上がるので好ましい。具体的には760Torr以下で蒸留を実施する。しかし、蒸留塔より排出される蒸気を凝縮するエネルギー量を低くする為には、5Torr以上の圧力が必要である。従って、本発明の精製方法においては、未反応ジオール類の除去は5〜760Torr、好ましくは100〜600Torr、特に好ましくは300〜500Torrの圧力で実施する。
以上のように、本発明の精製方法においては、蒸留塔上部よりジオール類、飽和炭化水素及びオキシテトラメチレングリコール共重合体を包含する反応混合物を送入して反応混合物を下方へ流し、蒸留塔下部より高温のTHFの蒸気を添加し、THFの蒸気を炊き上げながら、蒸留塔の各段で反応混合物に含まれるジオール類および飽和炭化水素を気化させて添加THFの蒸気と共に蒸留塔塔頂より排出させる。本発明で行うのこのような蒸留の方法をストリッピング法と称する。
ストリッピング法によりジオール類と飽和炭化水素を除去した反応混合物は、オキシテトラメチレングリコール共重合体とTHFとからなる粘稠な液体である。この液体中のTHFとその他の低沸点成分を、次に遠心式分子蒸留装置32で分離する。THFの分離に用いる蒸留温度は80〜180℃である。この時の蒸留温度が可能な限り低い方がオキシテトラメチレングリコール共重合体の熱劣化を抑止する上で好ましい。具体的には、160℃以下の温度で蒸留することが好ましい。また、圧力は高真空にすることが好まれるが、装置上の問題により、0.01〜10Torrの範囲が最適である。遠心式分子蒸留装置以外の種々の分子蒸留装置も使用可能である。具体的には、ポットスチル型、流下膜型、遠心型等の分子蒸留装置が挙げられる。遠心型としては、ロータリートレイ型、アーサー型等が挙げられる。
このようにTHFを分離することによって、オキシテトラメチレングリコール共重合体の精製は完了する。精製されたオキシテトラメチレングリコール共重合体は共重合体タンク33に回収され、分離されたTHFと低沸点成分は原料タンク28に回収される。
精製後のオキシテトラメチレングリコール共重合体をガスクロマトグラフィーで分析し、その組成を確認することができる。その結果、ジオール類が500ppm以下、飽和炭化水素が1000ppm以下、オキシテトラメチレングリコール共重合体が98%以上である。
上記の一段精製法においては、ストリッピング法で除去したTHF、ジオール類及び飽和炭化水素は混合物として得られる。このような飽和炭化水素の混入した原料モノマーを再度共重合反応に用いると、飽和炭化水素が共重合反応の反応速度に悪影響を及ぼすことがある。従って、回収した原料モノマーを共重合反応に再利用するためには、事前に飽和炭化水素を混合物から分離除去する必要がある。
次に二段精製法について、図5を用いて説明する。
図5は、本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合を、二段精製法によって連続的に精製するためのシステムの1例を示す概略図である。
二段精製法は、反応混合物から飽和炭化水素のみを留去し、その後、ジオール類をストリッピング法で留去することによってオキシテトラメチレングリコール共重合体を精製する方法である。
反応混合物を反応混合物タンク16からポンプ17を用いて遠心式分子蒸留装置19に送入し、飽和炭化水素を除去する。遠心式分子蒸留装置19での蒸留は、溶液温度が70〜160℃の条件で行う。この温度が高すぎると、オキシテトラメチレングリコール共重合体の分解や着色を誘発するので、可能な限り低い温度を採用することが望まれる。しかし、蒸留温度が低すぎるとオキシテトラメチレングリコール共重合体中に大量の飽和炭化水素が残存してしまうので、好ましい温度範囲は90〜130℃である。
蒸留時の圧力については、使用する蒸留装置や蒸留温度によって異なるが、1〜450Torrの範囲とする。蒸留設備を比較的小さくする場合は、圧力を100Torr以下にする必要がある。
尚、飽和炭化水素の蒸留除去に用いる分子蒸留装置は、遠心式分子蒸留装置に限定されるものではなく、上記したような種々の分子蒸留装置を用いることができる。
このように遠心式分子蒸留装置19で飽和炭化水素を除去した後の混合物に含まれる飽和炭化水素の量は、オキシテトラメチレングリコール共重合体に対して重量比で0.0001〜0.002まで下げることができる。
遠心式分子蒸留装置19で分離除去された飽和炭化水素は蒸留塔20に送入された後に回収されるが、ジオール類の一部も飽和炭化水素とともに除去される。ジオール類は常温付近で固化するので、このままでは蒸留塔内や凝縮系で固化してしまう。これを防止する為には、留去された飽和炭化水素(ジオール類を含んでいる)にジオール類の良溶媒となる水を添加し、その後、凝縮することが好ましい。具体的には、遠心式分子蒸留装置19で分離したジオール類を含む飽和炭化水素にポンプ24を用いて水を混合しておく。この時の水の使用量は、蒸留塔内でジオール類を固化させない程度の量で充分である。具体的には、反応混合物中に含まれる未反応ジオール類の重量に対して5倍以上である。また、水は飽和炭化水素と共沸して飽和炭化水素の沸点を低下させるので、飽和炭化水素の留去を容易にする為(即ち、水の共沸効果を発揮させる為)には、使用する水の重量は飽和炭化水素の重量に対して0.1〜1、好ましくは0.25〜0.5である。
予め水を混合しておいた飽和炭化水素を蒸留塔20に送入する。飽和炭化水素中には水が含まれている為、飽和炭化水素に含まれるジオール類は蒸留塔20内で凝縮する際に、必ず良溶媒である水と同時に凝縮される。従って、蒸留塔20の中でジオール類が固化することはない。また、蒸留塔20で蒸留する際には、蒸留塔の各段における液組成中の水濃度が一定となる様にポンプ34を用いて蒸留塔20の塔頂より水を注入する。また、蒸留塔20の塔頂より排出されるジオール蒸気は、ポンプ24と34を用いて注入された水とともに凝縮器21で凝縮される。凝縮後の飽和炭化水素と水はデカンター22で二液相分離し、水は再利用する。
飽和炭化水素を除去した反応混合物はポンプ25によって蒸留塔26に送入する。蒸留塔26を用いたジオール類の留去は先に説明したストリッピング法で行う。ストリッピング法の実施条件は、上記した一段精製法の場合と同じである。
ストリッピング法による蒸留によって反応混合物からオキシテトラメチレングリコール共重合体とTHFとの混合物が得られる。得られた混合物は一段精製法で得られるものと同様に、オキシテトラメチレングリコール共重合体とTHFとからなる粘稠な液体である。この液体中のTHFとその他の低沸点成分は、一段精製法と同様に遠心式分子蒸留装置32で分離する。精製されたオキシテトラメチレングリコール共重合体は共重合体タンク33に回収され、分離された低沸点成分は原料タンク28に回収される。
精製後のオキシテトラメチレングリコール共重合体をガスクロマトグラフィーで分析し、その組成を確認することができる。その結果、ジオール類が500ppm以下、飽和炭化水素が1000ppm以下、オキシテトラメチレングリコール共重合体が98%以上である。
以上の二つの精製方法によって得られたオキシテトラメチレングリコール共重合体は熱分解しやすい低分子量成分が微量となる為、熱的に安定である。
さらに、二段精製法においては一連の精製工程の中で飽和炭化水素とジオール類が別々に分離されているため、分離した飽和炭化水素とジオール類の再利用が容易である。
発明を実施するための最良の形態
以下に実施例及び比較例によって本発明をさらに具体的に説明するが、これは本発明の範囲を限定するものではない。
次の実施例及び比較例において、各種物性は以下の方法により測定する。
(1)オキシテトラメチレングリコール共重合体の数平均分子量
数平均分子量は、ポリマーのOH価から算出する。
i)方法
▲1▼50mlのナスフラスコに想定分子量の1.39倍量(mg単位)のオキシテトラメチレングリコール共重合体を入れる(例えば、想定分子量が1800の場合は、1800×1.39=2502(mg))。
▲2▼そこに無水フタル酸のピリジン溶液(無水フタル酸14gをピリジン100mlに溶解させた溶液)を約5.0g入れる。
▲3▼ナスフラスコにエアーコンデンサーを取り付け、98℃のオイルバスにつけ、2時間ゆっくり撹拌する。
▲4▼その後、ナスフラスコをオイルバスから取り出し、室温で約1時間冷却する。
▲5▼エアーコンデンサー上部より50重量%ピリジン水溶液を流し入れる。
▲6▼ナスフラスコ内の溶液を撹拌混合し、その後、指示薬としてフェノールフタレインを用い、1NのKOH水溶液で中和滴定する。
▲7▼オキシテトラメチレングリコール共重合体を入れずに、無水フタル酸のピリジン溶液の投入量を3.5gとした以外は、上記▲1▼〜▲6▼と同じ操作を実施し、これをブランクの滴定結果とする。
▲8▼以下に示す数式を用いて、OH価および数平均分子量(Mn)を算出する。
OH価=[X×無水フタル酸ピリジン溶液量(g)−KOH水溶液の滴定量(ml)]×KOHのファクター×56.1/オキシテトラメチレングリコール共重合体量(g)
(式中、Xはブランク(無水フタル酸のピリジン溶液)のKOH水溶液滴定量(ml)を示す)
(KOHのファクターは1NのKOH水溶液の実際の有効アルカリ度である。)
下記の式に基づき、OH価よりMnを算出する:
Mn=112,200/OH価。
(2)オキシテトラメチレングリコール共重合体の分子量分布
分子量分布は、分析用ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで求めた。
i)機器
装置:HLC−8220GPC(日本国、東ソー(株)社製)
カラム:TSKgel SuperH3000を1本、TSKgel SuperH2000を2本及びTSKgel SuperH1000を2本(共に日本国、東ソー(株)社製)
ii)測定条件
検出器:示差屈折計(RI)
温度:40℃
溶離液:クロロホルム(HPLCグレード)
溶離液の流速:0.4ml/分
サンプル:ポリマーを0.5重量%でクロロホルムに溶解した溶液
サンプル注入量:20μl
標準物質:ポリスチレン(Mn=96000、30300、13000、7000、5050、2100、1300、580)とスチレンモノマー(Mn=104)
(3)オキシテトラメチレングリコール共重合体の分取ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(分取GPC)
i)機器
装置:日本分析工業 LC−908(日本国、日本分析工業製)
カラム:数平均分子量が3000未満の場合はShodex H2001及びShodex H2002を用い、数平均分子量が3000以上の場合はShodex H2001、Shodex H2002及びShodex H2002.5(共に日本国、昭和電工(株)製)を用いる。
ii)測定条件
検出器:示差屈折計(RI)
温度:40℃
溶離液:クロロホルム
溶離液の流速:3ml/分
サンプル:1.5gのサンプルをクロロホルム48.5gに加えて調製した、ポリマー濃度が3重量%の溶液
サンプル注入量:3ml
分取回数:5回
フラクション分別間隔:10秒
(4)オキシテトラメチレングリコール共重合体の高分子量側15重量%画分の取得
上記(3)の条件で分取GPCを行い、得られたGPCチャート(横軸が保持時間、縦軸がRI検出電圧)上でピーク全体の面積に対して15%を示す、ピークの最大分子量を含む高分子量側の部分の面積に相当する画分を回収する。回収した画分を60℃、5Torrで蒸留してクロロホルムを留去し、オキシテトラメチレングリコール共重合体の高分子量側15重量%画分とする。
(5)ネオペンチルグリコール(NPG)共重合率
NPG共重合率は、H−NMRで、両サイドがメチレン基であるTHF連鎖のメチレン基のメチレンプロトンの積分値とNPGのメチルプロトンの積分値から計算する。
i)機器
装置:d−400(日本国、日本電子社製)
ii)条件
観測周波数:400MHz(H)
パルス幅:45°
観測温度:室温
積算回数:64回
溶媒:CDCl
(6)ガラス転移点
下記の示差走査熱量測定計を用いて、ガラス転移点を求める。
i)機器
装置:DSC220C(日本国、セイコー電子工業社製)
ii)条件
昇温速度:10℃/分
測定温度範囲:−100〜100℃
測定雰囲気:窒素ガス雰囲気(流量:40ml/分)
サンプル量:10〜11mg
(7)オキシテトラメチレングリコール共重合体の耐熱性
下記の機器および条件にてThermogravimetric analysis(TGA)にかけ、サンプル重量の5重量%が減少する温度を測定し、この温度を耐熱性の指標とする。
i)機器
装置:TA2950(米国、TA Instrument社製)
ii)条件
昇温速度:10℃/分
測定温度範囲:室温〜500℃
測定雰囲気:窒素ガス雰囲気(パージ時間1時間)
(8)ネオペンチルグリコール(NPG)量の定量
有機相や反応混合物に含まれるNPGの量はガスクロマトグラフィーで測定する。具体的には、以下の条件でガスクロマトグラフィーを行ってNPGを分離し、クロマトグラムのピーク面積からNPG量を算出する。
i)機器
装置:GC17A(日本国、島津製作所社製)
カラム:ULTRA1(米国、Hewlett Packard社製)
液相:Crosslinked Methyl Siloxane(長さ:25m、内径:0.2mm、液相膜厚:0.33μm)
ii)条件
温度:インジェクション 300℃
検出器 300℃
カラム 60℃を5分間保持した後、20℃/分で昇温し、300℃で8分間保持する
サンプル:反応溶液を10重量%となるようにアセトンで希釈したもの
iii)定量方法
NPGの濃度がそれぞれ50、100、500、1000、5000ppmであるNPGのアセトン溶液を作製し、これらをGCで分析する。GC分析によって得られたクロマトグラムから、ピーク面積とNPG濃度との関係を算出し、この結果を基にサンプル中のNPG濃度を算出する。
(9)ヘテロポリ酸含有量
本願で触媒として用いたヘテロポリ酸はタングステンを含有するものなので、ヘテロポリ酸中のタングステンの濃度をICP−マスで定量分析し、その値をヘテロポリ酸含有量とする。
A.装置
ICP−MS型式PQΩ(英国、VGエレメンタル社製)
B.測定法
▲1▼石英ルツボにサンプルを約5g入れる。
▲2▼サンプル入りのルツボを加熱して、サンプルをか焼し、分解生成物を得る。
▲3▼上記▲2▼で得られた分解生成物に35%塩酸2mlを加え、ホットプレート上で加熱して、分解生成物を溶解させる。
▲4▼内部標準となるIn(インジウム)1ppm水溶液0.1mlを加える。
▲5▼上記▲4▼で得られた溶液に水を加えて、全容積を25mlとする。
▲6▼これを測定用溶液として、ICP−マス分析に付す。
C.検量線の作成
▲1▼種々の濃度(5〜10000重量重量ppb)のタングステンの検量線用標準液を作成する。
▲2▼その検量線用標準液5gに内部標準となるInの1ppm水溶液0.1mlを加える。
▲3▼得られた混合溶液に水を加えて、全容積を25mlとする。
▲4▼その溶液をICP−マス分析に付して、検量線を作成する。
D.定量法
作成したタングステンの検量線を基に、各サンプルのタングステンの濃度を算出する。
実施例1(オキシテトラメチレングリコール共重合体の連続製造方法)
2リットルのセパラブルフラスコに、水分が120ppm以下のテトラヒドロフラン(THF)を1リットルとネオペンチルグリコール(NPG)を53.3g加え、室温で撹拌して溶液を得る。そこにヘテロポリ酸触媒(HPA)であるリンタングステン酸6水和物650gを加え、さらに室温で約1時間撹拌する。得られた混合物を静置して、上相の有機相と下相の触媒相との二相に分離させる。
次に、図2に示す連続重合装置を用いてオキシテトラメチレングリコール共重合体を製造する。
触媒相を反応器2に投入し、続いて上相の有機相を反応器2と触媒分離器3に満たす。反応器2はバッフルとタービン羽根2枚を有している。図2の全系を窒素雰囲気とし、反応器2の撹拌(単位反応容積当たりの攪拌動力は5.6kW/m)を開始し、反応器温度を66〜69℃まで上昇させる。その後、NPG1218gとリンタングステン酸6水和物266gとをTHF12516gに溶解させたTHF溶液を原料タンク1に投入し、そこから79ml/hrの速度で反応器2に供給する。反応器2の中の反応液は、反応器2と触媒分離器3との間で循環させるが、この時、触媒分離器3の中で相分離した上相の有機相はフローアップさせて冷却器4を通して有機相受け器5に捕集する。重合反応で副生する水を除去するために、反応器2から水をTHFとの共沸蒸気として取り出す。取り出した共沸蒸気は凝縮器7で凝縮し、水とTHFをTHF/水受けタンク8に捕集する。THF/水受けタンク8に捕集された水とTHFは、ポンプ12を用いてTHF/水受けタンク8から一定速度で抜き出し、THF/水貯蔵タンク9に捕集する。尚、共沸留去によって反応系内から抜き出したTHFと同量のTHFを、THFタンク6からポンプ11を用いてTHF(水分120ppm以下)を反応器2に供給する。THFの供給速度はポンプ12の速度と同じとする。
以上のようにして、反応器2の中の反応液体積を610ml、触媒相の体積を330ml(従って、全液体体積に対する触媒相体積の比は0.54)とし、有機相中のNPG濃度を0.80%、触媒相の比重を2.15に維持しながら、反応温度が68℃に安定した後、連続重合装置を33時間連続的に運転する。引き続いて、100時間連続的に反応を実施して共重合体を生成する。共重合反応混合物は触媒分離器3で反応生成した有機相と触媒相とに分離し、有機相のみを有機相受け器5に捕集し、共重合体を含む反応生成した有機相とする。
共重合体を含む反応生成した有機相に対して0.5重量%の水と4.0重量%の水酸化カルシウムを添加し、約1時間撹拌し、残存していたリンタングステン酸をカルシウム塩として沈殿させる。沈殿物をポリテトラフルオロエチレン製のメンブレンフィルター(孔径:0.2μm)で濾別し、濾液を得る。得られた濾液中の未反応の低沸点成分(原料THF等)を80℃、10Torr以下の圧力で留去し、粗オキシテトラメチレングリコール共重合体を得る。さらに、粗オキシテトラメチレングリコール共重合体のうちの5gを50mlのナスフラスコに入れ、120℃、0.05Torr以下の条件で5分間ナスフラスコをゆっくり回転させながら未反応NPGを留去し、オキシテトラメチレングリコール共重合体を得る。
以上のようにして得られたオキシテトラメチレングリコール共重合体の数平均分子量は1610であり、NPG全共重合率Nは15.6mol%である。
次に、粗オキシテトラメチレングリコール共重合体を分取GPCにかけて、オキシテトラメチレングリコール共重合体の高分子量側15重量%画分を得る。高分子量側15重量%画分のNPG部分共重合率Nは9.9mol%である。
得られたオキシテトラメチレングリコール共重合体の融点とガラス転移点をその他の特性と共に表2に示す。
実施例2〜8
表1に示す条件(THF、NPG及びリンタングステン酸6水和物(HPA)の原料液組成、原料液注入速度(F)、全液体体積(V)、触媒相体積(CV)、触媒相比重、NPG濃度、単位反応容積当たりの攪拌動力(P/V)並びに運転安定化時間(Hr))で重合反応を行う以外は実施例1と実質的に同様の操作でオキシテトラメチレングリコール共重合体を製造する。得られたオキシテトラメチレングリコール共重合体の特性を表2に示す。
Figure 2002055586
Figure 2002055586
比較例1
分留塔、冷却器、還流バルブ等から分留装置一式並びに攪拌機とTHF供給口が取り付けられた2リットルのセパラブルフラスコを用いてオキシテトラメチレングリコール共重合体を製造する。セパラブルフラスコにTHF220gとNPG185gを仕込み、攪拌して均一に溶解する。攪拌しながらそこに500gのリンタングステン酸6水和物を加えて溶解する。フラスコをオイルバスにつけ、オイルバスの温度を100℃で一定に維持しながら、冷却器上部より10ml/分の速度で窒素を吹き込む。フラスコには、内圧が0.2kg/cm・Gに達した時点で開放される排気弁を設置し、反応器内圧力を0.2kg/cm・G付近に維持する。反応液が85℃に達した時間を反応開始時間とし、以降THFの供給によって反応液の温度を85℃に調整する。反応開始40分後、分留塔下部の温度を約70℃に設定し、含水THFの留出を開始する。このようにして共重合反応を14時間続行する。反応の途中から触媒相が分離し始め、触媒相の分散状態に変化が見られ、粘度が増していく。
反応終了後、攪拌を止めて反応混合物を静置し、20分経過後に2相分離した混合物の上相である反応生成した有機相640gを取り出す。フラスコには約340ccの触媒相が残る。有機相640gに水酸化カルシウム5gを加え、室温で約1時間攪拌し、残存している触媒を沈殿させる。沈殿物を濾別し、濾液を60℃、10Torrで蒸留してTHFを留去し、粗オキシテトラメチレングリコール共重合体を得る。粗オキシテトラメチレングリコール共重合体10gを100mlのナスフラスコに入れ、120℃、0.1Torr以下の条件に5分間放置し、残存するNPGを除去し、オキシテトラメチレングリコール共重合体を得る。得られた共重合体の数平均分子量は1820で、NPG全共重合率は30mol%である。また、残存するNPGの濃度は1重量%以上である。式(I)の左辺の特性αの値は2.0×10−4で本発明の条件を満足しているが、式(II)の左辺の特性βの値は、0.0567で本発明の条件を満足していない。その他の特性は表3に示す。
比較例2
分留塔、冷却器、還流バルブ等から分留装置一式並びに攪拌機とTHF供給口が取り付けられた2リットルのセパラブルフラスコを用いてオキシテトラメチレングリコール共重合体を製造する。セパラブルフラスコににTHF220gとNPG150gを仕込み、攪拌して均一に溶解する。攪拌しながらそこに500gのリンタングステン酸6水和物を加えて溶解する。フラスコをオイルバスにつけ、オイルバスの温度を85℃で一定に維持しながら、冷却器上部より10ml/minの速度で窒素を吹き込む。フラスコには、内圧が0.2kg/cm・Gに達した時点で開放される排気弁を設置し、反応器内圧力を0.2kg/cm・G付近に維持する。反応液が85℃に達した時間を反応開始時間とし、以降THFの供給によって反応液の温度を74℃に調整する。反応開始40分後、分留塔下部の温度を約70℃に設定し、含水THFの留出を開始する。このようにして共重合反応を18時間続行する。反応の途中から触媒相が分離し始め、触媒相の分散状態に変化が見られ、粘度が増していく。
反応終了後、攪拌を止めて共重合反応混合物を静置し、20分経過後に2相分離した混合物の上相である反応生成した有機相740gを取り出す。フラスコには約340ccの触媒相が残る。有機相640gに水酸化カルシウム7gを加え、室温で約1時間攪拌し、残存している触媒を沈殿させる。沈殿物を濾別し、濾液を60℃、10Torrで蒸留してTHFを留去し、粗オキシテトラメチレングリコール共重合体を得る。粗オキシテトラメチレングリコール共重合体10gを100mlのナスフラスコに入れ、120℃、0.1Torr以下の条件に5分間放置し、残存するNPGを除去し、オキシテトラメチレングリコール共重合体を得る。得られた共重合体の分子量は1800で、NPG全共重合率は21mol%である。また、残存するNPGの濃度は1重量%以上である。式(I)の左辺の特性αの値は3.2×10−8で本発明の条件を満足しているが、式(II)の左辺の特性βの値は、0.0568で本発明の条件を満足していない。その他の特性は表3に示す。
比較例3
分留塔、冷却器、還流バルブ等から分留装置一式並びに攪拌機とTHF供給口が取り付けられた2リットルのセパラブルフラスコを用いてオキシテトラメチレングリコール共重合体を製造する。セパラブルフラスコににTHF200gとNPG76gを仕込み、攪拌して均一に溶解する。攪拌しながらそこに500gのリンタングステン酸6水和物を加えて溶解する。フラスコをオイルバスにつけ、オイルバスの温度を80℃で一定に維持する。反応液が71℃に達した時間を反応開始時間とし、以降THFの供給によって反応液の温度を71℃に調整する。反応開始40分後、分留塔下部の温度を約69℃に設定し、含水THFの留出を開始する。このようにして共重合反応を24時間続行する。尚、反応は窒素雰囲気下の常圧で行った。反応の途中から触媒相が分離し始め、触媒相の分散状態に変化が見られ、粘度が増していく。
反応終了後、攪拌を止めて共重合反応混合物を静置し、20分経過後に2相分離した混合物の上相である反応生成した有機相920gを取り出した。フラスコには約340ccの触媒相が残る。有機相640gに水酸化カルシウム9gを加え、室温で約1時間攪拌し、残存している触媒を沈殿させる。沈殿物を濾別し、濾液を60℃、10Torrで蒸留してTHFを留去し、粗オキシテトラメチレングリコール共重合体を得る。粗オキシテトラメチレングリコール共重合体10gを100mlのナスフラスコに入れ、120℃、0.1Torr以下の条件に5分間放置し、残存するNPGを除去して、オキシテトラメチレングリコール共重合体を得る。得られた共重合体の分子量は1750で、NPG全共重合率は10mol%である。また、残存するNPGの濃度は500ppmである。分子量分布Mw/Mnは1.8で本発明の条件を満足しているが、式(II)の左辺の特性βの値は、0.0562で本発明の条件を満足していない。その他の特性は表3に示す。
比較例4
攪拌装置、留出器および冷却器を取り付けた2リットルのセパラブルフラスコを用いてオキシテトラメチレングリコール共重合体を製造する。セパラブルフラスコににTHF920gとNPG80gを仕込み、攪拌して均一に溶解する。攪拌しながらそこに600gのリンタングステン酸2水和物を加えて溶解する。フラスコをオイルバスにつけ、オイルバスの温度を75℃で一定に維持して15時間攪拌を続ける。ポリマー末端として消費される量以上に生成する水は、THFと共に反応系外へ留去する。留去した液はタイプ3Aのモレキュラーシーブス200gを充填したガラス製の吸着塔(直径:44mm、高さ:100mm)に塔下部より送液して水を吸着除去し、塔上部から抜き出したもの(主にTHF)の全量を反応器に戻す。尚、吸着塔には予め含水率50pp以下のTHFを満たしておく。15時間の反応における反応系からの留出液は約2.4kgである。
反応終了後、共重合反応混合物を室温で静置して二相に分離し、上相である反応生成した有機相をデカンテーションで取り出す。得られた有機相に水酸化カルシウムを加え、残存している触媒を沈殿させる。沈殿物を濾別し、濾液からTHFとNPGを蒸発除去し、粘ちょうな共重合体を得る。得られた共重合体の分子量は1730で、NPG全共重合率は13mol%である。また、残存するNPGの濃度は800ppmである。式(I)の左辺の特性αの値は1.2×10−8で本発明の条件を満足しているが、式(II)の左辺の特性βの値は、0.0564で本発明の条件を満足していない。その他の特性は表3に示す。
比較例5
攪拌装置、留出器および冷却器を取り付けた2リットルのセパラブルフラスコを用いてオキシテトラメチレングリコール共重合体を製造する。セパラブルフラスコににTHF900gとNPG51gを仕込み、攪拌して均一に溶解する。攪拌しながらそこに510gのリンタングステン酸6水和物を加えて溶解する。フラスコをオイルバスにつけ、オイルバスの温度を75℃で一定に保持して10時間攪拌を続ける。ポリマー末端として消費される量以上に生成する水はTHFと共に反応系外へ留去する。なお、留去された量に相当する量のTHFを連続的に反応系に補填する。
反応終了後、共重合反応混合物を室温で静置して二相に分離し、上相である反応生成した有機相をデカンテーションで取り出す。得られた有機相に水酸化カルシウム8gを加え、30分間攪拌した後に一昼夜静置し、残存している触媒を沈殿させる。沈殿物を濾別し、濾液を40℃、20Torrの条件で蒸留し、THFを留去する。その後、120℃、0.1Torr以下、ポリマー膜厚が1cm以下となる条件で5分間放置してNPGを除去し、粘ちょうな共重合体180gを得る。得られた共重合体の分子量は1720で、NPG全共重合率は10mol%である。また、残存するNPGの濃度は600ppmである。式(I)の左辺の特性αの値は8.5×10−8で本発明の条件を満足しているが、式(II)の左辺の特性βの値は、0.0565で本発明の条件を満足していない。その他の特性は表3に示す。
Figure 2002055586
比較例6〜8(触媒相比重が1.8未満の連続重合法)
表4に示した条件(THF、NPG及びリンタングステン酸6水和物(HPA)の原料液組成、原料液注入速度(F)、全液体体積(V)、触媒相体積(CV)、触媒相比重、NPG濃度、単位反応容積当たりの攪拌動力(P/V)並びに運転安定化時間(Hr))で重合反応を行う以外は実施例1と実質的に同様の操作でオキシテトラメチレングリコール共重合体を製造する。得られたオキシテトラメチレングリコール共重合体の特性を表5に示す。表5から明らかなように、比較例6〜8で得られる共重合体においては、式(II)の左辺の特性βの値は本発明の条件を満足しているが、式(I)の左辺の特性αの値は本発明の条件を満足していない。
Figure 2002055586
Figure 2002055586
実施例9(重合反応は実施例1と同じであるが、Ca(OH)による触媒除去を実施しない方法)
2リットルのセパラブルフラスコに、水分が120ppm以下のテトラヒドロフラン(THF)を1リットルとネオペンチルグリコール(NPG)を53.3g加え、室温で撹拌し溶解する。そこにヘテロポリ酸触媒(HPA)であるリンタングステン酸6水和物650gを加え、さらに室温で約1時間撹拌する。得られた混合物を静置して、上相の有機相と下相の触媒相との二相に分離する。
次に、図2に示す連続重合装置を用いてオキシテトラメチレングリコール共重合体を製造する。
触媒相を反応器2に投入し、続いて上相の有機相を反応器2と触媒分離器3に満たす。反応器2はバッフルとタービン羽根2枚を有している。図2の全系を窒素雰囲気とし、反応器2の撹拌を開始し、反応器温度を66〜69℃まで上昇させる。その後、NPG1218gとリンタングステン酸6水和物266gとをTHF12516gに溶解させたTHF溶液を原料タンク1に投入し、そこから79ml/hrの速度で反応器2に供給する。反応器2の中の反応液は、反応器2と触媒分離器3との間で循環させたが、この時、触媒分離器3の中で相分離した上相の有機相はフローアップさせて冷却器4を通して有機相受け器5に捕集する。重合反応で副生する水を除去するために、反応器2から水をTHFとの共沸蒸気として取り出す。取り出した共沸蒸気は凝縮器7で凝縮し、水とTHFをTHF/水受けタンク8に捕集する。THF/水受タンク8に捕集された水とTHFは、ポンプ12を用いてTHF/水受けタンク8から一定速度で抜き出し、THF/水貯蔵タンク9に捕集する。尚、共沸留去によって反応系内から抜き出したTHFと同量のTHFを、THFタンク6からポンプ11を用いてTHF(水分120ppm以下)を反応器2に供給する。THFの供給速度はポンプ12の速度と同じにする。
以上のようにして、反応器2の中の反応液体積を610ml、触媒相の体積を330mlとし、有機相中のNPG濃度を0.80%、触媒相の比重を2.15に維持しながら、反応温度が68℃に安定した後、連続重合装置を33時間連続的に運転する。引き続いて、100時間連続的に反応を実施して共重合体を生成する。共重合反応混合物は触媒分離器3で反応生成した有機相と触媒相とに分離し、有機相のみを有機相受け器5に捕集し、共重合体を含む反応生成した有機相とする。
この時の反応器2の反応液体積は610ml、触媒相の体積は330mlであり、反応溶液中の有機相中のNPG濃度は0.80%である。
安定運転時の有機相のみを捕集した有機相受け器5から反応混合物5kgを取り出す。反応混合物から50℃、50mmHgの条件下でTHF留去し、反応混合物の共重合体濃度が45〜60重量%となるように濃縮する。
得られた濃縮液に、濃縮液の重量の1.5倍の重量のn−オクタンを添加して撹拌し、そこに溶解していた触媒を触媒相として再度有機相より2液相分離する。この時の触媒相は極少量である為、下相の触媒溶液を分離した後、上相の液中に分散している触媒を孔径0.2μmのPTFE製のメンブレンフィルターで濾別する。濾液は透明になる。濾液のヘテロポリ酸濃度は、タングステン濃度として8ppmである。
濾液(即ち触媒相を分離した後の有機相)を約1kgの活性炭を詰めたカラムに5リットル/hrの速度でポンプより送り込み、濾液中に微量に溶け込んでいる触媒を活性炭で吸着除去する。活性炭処理後の反応混合物のリンタングステン酸濃度は、タングステン濃度として0.5ppmである。
その後、理論段10段を有するオールダショウ蒸留塔を用いて反応混合物からTHFを蒸留分離(50℃、440mmHg)し、THFが除去されたオキシテトラメチレングリコール共重合体のオクタン溶液を得る。得られた溶液を40℃に冷却し、2液相分離して、部分的に精製された反応混合物を得る。反応混合物の組成は、オキシテトラメチレングリコール共重合体が53重量%、n−オクタンが46重量%、NPGが1重量%であり、オキシテトラメチレングリコール共重合体の数平均分子量は1710、NPG全共重合率は15.5mol%である。
実施例10(二段精製法)
実施例9で得られた反応混合物について、図5に示すシステムを用いた二段精製法でオキシテトラメチレングリコール共重合体を精製する。
実施例9で得られた反応混合物を反応混合物タンク16からポンプ17を介してミキサー18に12ml/分の流速で送液する。水はポンプ24を介して3.2ml/分の流速でミキサー18に送液し、ミキサー18で反応混合物に水を混合する。得られた混合物を遠心式分子蒸留装置19(120℃、50Torr)で処理した後、蒸留塔20(オールダショウ蒸留塔、理論段数:20段、塔径:50mm、塔高:1350mm)でオクタンと水の混合物を留去する。蒸留は、ポンプ34で0.92ml/分の流速で水を蒸留塔塔頂より送液しながら行う。留去されたオクタンと水の混合物はデカンター22で水とオクタンの2液に相分離し、下相の水はポンプ24を介してミキサー18に、ポンプ34を介して蒸留塔20にリサイクルする。また、上相のオクタン相はオクタン貯蔵タンク23に回収する。回収したオクタンは触媒の相分離に用いることができる。
遠心式分子蒸留装置19より排出した反応混合物をポンプ25を介して6.2ml/分の流速で蒸留塔26(理論段数:17段、塔径:80mm、塔高:1272mm、充填剤:メラパックCY)へ送液する。また、ポンプ30を介して流速20ml/分で新鮮THFタンク29から新鮮THFを加熱器31に送り、そこから120℃のTHF蒸気を蒸留塔26の下部から添加する。この時、NPGの流量に対するTHFの流量比は約170である。蒸留塔26は、内部蒸気が120℃に維持される様に外部から保温する。また、蒸留塔内の減圧度は450Torrとなるように調整する。蒸留塔26の塔頂より排出されるTHFを主とする蒸気は、凝縮器27で冷却して液化し、原料タンク28に送られる。蒸留塔26の下部より排出される高温液体はオキシテトラメチレングリコール共重合体を90%以上含んでいる。この液体はそのまま遠心式分子蒸留装置32に送られ、減圧度0.5Torr、温度120℃の条件下でTHFを分離する。分離したTHFは原料タンク28に回収し、精製されたオキシテトラメチレングリコール共重合体は共重合体タンク33に回収する。尚、蒸留塔26の塔内条件が安定し、蒸留塔内にポリマーが満たされた時点で、原料タンク28を別の原料タンク28’(図示せず)に切替え、安定条件下でTHF蒸気成分を回収する。
安定条件下で原料タンク28’(図示せず)で回収されたTHF溶液のNPG濃度は0.6%、オクタン濃度は0.1%である。
また、共重合体タンク33に回収した精製されたオキシテトラメチレングリコール共重合体のオキシテトラメチレングリコール共重合体含有量は99%以上、NPGが80ppm未満、n−オクタンが50ppm未満であり、数平均分子量が1710、分子量分布は1.75、NPG全共重合率は15.6mol%であり、式(II)の左辺の特性βの値は0.0543である。また、耐熱性は333℃であり、APHAに準拠して測定した色度は10である。
尚、精製後の組成分析については、NPG、n−オクタンはガスクロマトグラフィーで分析すると、それぞれの分析の測定限界よりも少ない量である。また、オキシテトラメチレングリコール共重合体については、80℃、5Torrで30分間処理して低沸点成分を留去し、留去成分を残存THFと仮定して定量する。THF、NPG及びn−オクタンの総量を除いた成分をオキシテトラメチレングリコール共重合体の含有量として算出する。
実施例11(実施例10で回収したTHF及びNPGを用いた共重合体の製造)
実施例10で原料タンク28’(図示せず)に回収したTHF溶液4kgを取りだし、そこにNPG濃度が8.7%、リンタングステン酸6水和物が1.9%となるようにNPGとリンタングステン酸6水和物を添加する。得られた混合溶液を原料液とし、実施例9と実質的に同様に共重合反応に付す。但し、原料液が少量であるため、安定時の運転時間は25時間とし、反応混合物を得る。
得られた反応混合物のうち1.5kgを取り出し、これを実施例9と同様の条件で部分精製し、更に、実施例1と同様に精製してオキシテトラメチレングリコール共重合体を得る。得られたオキシテトラメチレングリコール共重合体はオキシテトラメチレングリコール共重合体の含有量が99%以上、NPGが80ppm未満、n−オクタン50ppm未満であり、数平均分子量が1780、分子量分布が1.77、NPG全共重合率が15.8mol%であり、式(II)の左辺の特性βの値は0.0543である。また、耐熱性は334℃であり、APHAに準拠して測定した色度は10であった。
尚、精製後の組成分析については、NPG、n−オクタンはガスクロマトグラフィーで分析すると、それぞれの分析の測定限界よりも少ない量である。また、オキシテトラメチレングリコール共重合体については、80℃、5Torrで30分間処理して低沸点成分を留去し、留去成分を残存THFとして仮定して定量する。THF、NPG及びn−オクタンの総量を除いた成分をオキシテトラメチレングリコール共重合体の含有量として算出する。
ストリッピング工程および遠心式分子蒸留工程で回収されるTHFやジオール類は、共重合反応の反応速度や生成するオキシテトラメチレングリコール共重合体の品質にほとんど影響を与えず、リサイクルすることが可能である。
実施例12(一段精製法)
安定重合運転時間を150時間とした以外は、実施例9と同様に重合反応を実施する。その後、生成した反応液中のTHFの一部を蒸留分離し、n−オクタンを添加して触媒を相液分離および濾過分離する。更にTHFを蒸留分離し、反応液をオクタン相(上相)とポリマー相(下相)に二液層分離し、ポリマー相を回収して約10kgの反応混合物を得る。
反応混合物の組成はオキシテトラメチレングリコール共重合体が49%、n−オクタンが49%、THFが1%、NPGが1%である。
上記で得られた反応混合物について、図4に示すシステムを用いた一段精製法でオキシテトラメチレングリコール共重合体を精製する。
反応混合物を反応混合物タンク16からポンプ24を介して4.4ml/分の流速で蒸留塔26へ送液する。また、ポンプ30を介して流速8ml/分で新鮮THFタンク29から新鮮THFを加熱器31に送り、そこから120℃のTHF蒸気を蒸留塔26の下部から添加する。この時、NPGの流量に対するTHFの流量比は約182である。蒸留塔26は、内部蒸気が120℃に維持されるように外部から保温した。また、蒸留塔内の減圧度は450Torrとなるように調整する。蒸留塔26の塔頂より排出されるTHFを主とする蒸気は、凝縮器27で冷却して液化し、原料タンク28に送る。蒸留塔26の下部より排出される高温液体はオキシテトラメチレングリコール共重合体を90%以上含んでいる。この液体はそのまま遠心式分子蒸留装置32に送り、減圧度0.5Torr、温度120℃の条件下でTHFを分離する。分離されたTHFは原料タンク28に回収し、精製されたオキシテトラメチレングリコール共重合体は共重合体タンク33に回収する。尚、蒸留塔26の塔内条件が安定し、蒸留塔内にポリマーが満たされた時点で、原料タンク28を別の原料タンク28’(図示せず)に切替え、安定条件下でTHF蒸気成分を回収する。
安定条件下で原料タンク28’(図示せず)で回収されたTHF溶液のNPG濃度は0.5%、オクタン濃度は18%である。
また、共重合体タンク33に回収した、精製されたオキシテトラメチレングリコール共重合体のオキシテトラメチレングリコール共重合体含有量は99%以上、NPGが80ppm未満、n−オクタンが50ppm未満であり、数平均分子量が1800、分子量分布が1.78、NPG全共重合率は15.1mol%であり、式(II)の左辺の特性βの値は0.00519である。また、耐熱性は333℃であり、APHAに準拠して測定した色度は10であった。
尚、精製後の組成分析については、NPG、n−オクタンはガスクロマトグラフィーで分析すると、それぞれの分析の測定限界よりも少ない量である。また、オキシテトラメチレングリコール共重合体については、80℃、5Torrで30分間処理して低沸点成分を留去し、留去成分を残存THFと仮定して定量する。THF、NPG及びn−オクタンの総量を除いた成分をオキシテトラメチレングリコール共重合体の含有量として算出する。
実施例13(実施例12で回収したTHFを用いた共重合体の製造)
実施例12で原料タンク28’(図示せず)に回収したTHF溶液のうち6kgを取り出し、蒸留分離によってn−オクタンの含有率を1%以下にする。具体的には、濃縮部と回収部が共に理論段5段を有する連続蒸留用蒸留塔にTHF溶液を連続的に注入し、塔頂よりTHFとn−オクタンを主とする成分を取り出し、塔底よりNPGとオリゴマーの混合物を取り出す。使用する蒸留塔の塔径は5cm、塔高は1mであり、蒸留塔内圧力は830mmHgとし、塔頂での還流比は3とする。塔底から排出されるNPGとオリゴマーの混合物中のn−オクタン濃度は1%以下であり、塔頂から得られた蒸留液の組成は、THF81%、n−オクタン19%、NPGは0.1%程度である。この塔頂から得られた蒸留液を理論段十段のオールダショウ蒸留塔を用いて、常圧、還流比4の条件下、バッチ式の蒸留分離によってn−オクタンの含有率が0.01%のTHF溶液を得る。このTHF溶液4kgに、一回目の連続蒸留において塔底から得られたNPGとオリゴマーの混合物60gを混合し、新たにNPGとリンタングステン酸6水和物も添加して、NPG濃度が8.7%、タングステン酸6水和物が1.9%の混合溶液を調製する。得られた混合溶液を原料液として用い、実施例9と同様に重合反応を行う。原料液が少量であるため、安定時の運転時間を15時間とし、反応混合物を得る。
得られた反応混合物のうち1.0kgを取り出し、これを実施例3と同様の条件で精製してオキシテトラメチレングリコール共重合体を得る。得られたオキシテトラメチレングリコール共重合体はオキシテトラメチレングリコール共重合体の含有量が98%以上、NPGが80ppm未満、n−オクタン50ppm未満であり、数平均分子量が1790、分子量分布が1.77、NPG全共重合率が16.0mol%であり、式(II)の左辺の特性βの値は0.0516である。また、耐熱性は335℃であり、APHAに準拠して測定した色度は10未満である。
ストリッピング工程および遠心式分子蒸留工程で回収されたTHFやジオール類は、共重合反応の反応速度や生成するオキシテトラメチレングリコール共重合体の品質にほとんど影響を与えず、リサイクルすることが可能である。
実施例14(1,6−ヘキサンジオールをジオール類として用いた共重合体の精製)
実施例9で用いたネオペンチルグリコールを同じモル量の1,6−ヘキサンジオールに変更する以外は、実施例9と実質的に同様にオキシテトラメチレングリコール共重合体を製造し、反応混合物を得る。得られた反応混合物の組成は、THFと1,6−ヘキサンジオールからなるオキシテトラメチレングリコール共重合体が55重量%、n−オクタン45重量%、1,6−ヘキサンジオールが1重量%である。
得られた反応混合物を実施例10と実質的に同様の方法で精製した。具体的には、蒸留塔26の下部に導入するTHF蒸気の流速を、反応混合物に含まれる1,6−ヘキサンジオールの重量の5.3倍となるように(即ち、導入した反応混合物の流量に対するTHFの流量比が約901となるように)変更した以外は実施例10と同様に精製した。その結果、共重合体タンク33に回収する精製されたオキシテトラメチレングリコール共重合体のオキシテトラメチレングリコール共重合体含有量は99%以上、1,6−ヘキサンジオールが80ppm未満、n−オクタンが50ppm未満であり、数平均分子量が1700、1,6−ヘキサンジオール全共重合率は15mol%である。
実施例15(1,3−プロパンジオールをジオール類として用いた共重合体の精製)
実施例9で用いたネオペンチルグリコールを同じモル量の1,3−プロパンジオールに変更する以外は、実施例9と実質的に同様にオキシテトラメチレングリコール共重合体を製造し、反応混合物を得る。得られた反応混合物の組成は、THFと1,3−プロパンジオールからなるオキシテトラメチレングリコール共重合体が55重量%、n−オクタン45重量%、1,6−ヘキサンジオールが1重量%である。
得られた反応混合物を実施例10と同じ方法で精製した。その結果、共重合体タンク33に回収する精製されたオキシテトラメチレングリコール共重合体のオキシテトラメチレングリコール共重合体含有量は99%以上、1,3−プロパンジオールが80ppm未満、n−オクタンが50ppm未満であり、数平均分子量が1700、1,3−プロパンジオール全共重合率は15mol%である。
産業上の利用可能性
テトラヒドロフランとネオペンチルグリコールを共重合して得られる、特定の数平均分子量、分子量分布及びネオペンチルグリコール共重合率を有する本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合体は、融点とガラス転移点が低い。そのため、本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合体は、低温物性に優れる高性能なポリウレタン、ポリウレタンウレア、ポリエステル等の原料として有用である。
又、本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合体の精製方法を用いると、ジオール類による凝縮管や配管などの閉塞が起こることなく共重合体を精製し、且つリサイクル可能なジオール類などを回収することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合体の分子量分布を示すゲルパーミエーションクロマトグラムの一例であり、図の左側が高分子量側であり、右側が低分子量側であり、斜線部分は分子量分布を示すピークの面積の15%に相当する、該ピークの最大分子量を含む高分子量側15重量%画分に相当する部分である。
図2は、本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合を連続製造するためのシステムの1例を示す概略図である。
図3は、本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合を連続製造するためのシステムの1例を示す概略図である。
図4は、本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合を、一段精製法によって連続的に精製するためのシステムの1例を示す概略図である。
図5は、本発明のオキシテトラメチレングリコール共重合を、二段精製法によって連続的に精製するためのシステムの1例を示す概略図である。
(符号の説明)
1,28:原料タンク
2:反応器
3:触媒分離器
4:冷却器
5:有機相受け器
6:THFタンク
7,21,27:凝縮器
8:THF/水受けタンク
9:THF/水貯蔵タンク
10〜12,14〜15,17,24〜25,30,34:ポンプ
13:蒸発釜
16:反応混合物タンク
18:ミキサー
19,32:遠心式分子蒸留装置
20,26:蒸留塔
22:デカンター
23:オクタン貯蔵タンク
29:新鮮THFタンク
31:加熱器
33:共重合体タンク

Claims (8)

  1. テトラヒドロフランとネオペンチルグリコールを共重合して得られるオキシテトラメチレングリコール共重合体であって、下記の(1)〜(4)の特性を有することを特徴とするオキシテトラメチレングリコール共重合体。
    (1)数平均分子量Mnが800〜5000である。
    (2)重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnが次の(i)又は次の(ii)のいずれかを満足する。
    (i)Mw/Mn比で表される分子量分布が1.8以下である。
    (ii)Mw/Mn比で表される分子量分布が1.8を越え、且つMwとMnが式(I):
    Figure 2002055586
    で表される関係を満足する。
    (3)ネオペンチルグリコール全共重合率Nが6〜30mol%である。但し、該ネオペンチルグリコール全共重合率Nは、オキシテトラメチレングリコール共重合体全体に含まれるネオペンチルグリコール単位とテトラヒドロフラン単位との合計モル量に対するネオペンチルグリコール単位の量のモルパーセントで定義される。
    (4)数平均分子量Mn、ネオペンチルグリコール全共重合率N(mol%)、及びオキシテトラメチレングリコール共重合体の高分子量側15重量%画分のネオペンチルグリコール部分共重合率N(mol%)が式(II):
    Figure 2002055586
    (但し、Nは、該高分子15重量%画分に含まれるネオペンチルグリコール単位とテトラヒドロフラン単位との合計モル量に対するネオペンチルグリコール単位の量のモルパーセントで定義される。)
    で表される関係を満足する。但し、該高分子量側15重量%画分は、該オキシテトラメチレングリコール共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラムにおいて、低分子量から高分子量への全範囲にわたる分子量分布を示すピーク全体の面積に対して15%を示す、該ピークの最大分子量を含む高分子量側の部分の面積に相当する画分である。
  2. 請求項1のオキシテトラメチレングリコール共重合体を製造する方法にして、
    ヘテロポリ酸触媒の存在下でテトラヒドロフランとネオペンチルグリコールとを共重合反応に付して、
    該共重合反応は連続重合反応装置において水の存在下で行ない、その際にテトラヒドロフランとネオペンチルグリコールを連続重合反応装置に連続的に供給し、且つ水の量が二相反応系を形成する量となるように副生する水を連続重合反応装置より連続的に除去し、該二相反応系は、ネオペンチルグリコールがテトラヒドロフランに溶解した溶液を含み、ネオペンチルグリコール濃度がその重量に対して0.05〜3.5重量%である有機相と、水含有ヘテロポリ酸触媒がテトラヒドロフランに溶解した溶液を含み、比重が1.8〜2.3であるテトラヒドロフラン/水含有ヘテロポリ酸触媒相とからなり、
    該二相反応系を維持しながら該連続共重合反応を行って、数平均分子量が800〜5000のオキシテトラメチレングリコール共重合体を含有する反応生成した有機相と反応生成したテトラヒドロフラン/水含有ヘテロポリ酸触媒相とを含む共重合反応混合物を形成し;
    該オキシテトラメチレングリコール共重合体を含む該反応生成した有機相を該共重合反応混合物から分離し;そして
    該オキシテトラメチレングリコール共重合体を該反応生成した有機相から分離精製する
    ことを包含することを特徴とする製造方法。
  3. 該テトラヒドロフラン/水含有ヘテロポリ酸触媒相の比重が1.9〜2.3であることを特徴とする請求項2の製造方法。
  4. テトラヒドロフランと下記式(1):
    Figure 2002055586
    (式中、RとRは名々独立に水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基を表し、p,q及びrは名々独立に0〜6の整数を表し、但しp,q及びrの合計は2以上である)、
    で表されるジオール類とを共重合することで得られるオキシテトラメチレングリコール共重合体を、該オキシテトラメチレングリコール共重合体と未反応ジオール類を包含する共重合反応混合物から精製する方法にして、
    該反応混合物に含まれる該未反応ジオール類の重量と少なくとも同じ重量の新鮮テトラヒドロフランを該反応混合物に添加して、該反応混合物を新鮮テトラヒドロフランの存在下で温度が80〜160℃、圧力が5〜760Torrの条件下で連続蒸留に付し、該添加テトラヒドロフランと共に該反応混合物に含まれる該未反応ジオール類を留去することを特徴とする精製方法。
  5. 該反応混合物が更に炭素数6〜10の飽和炭化水素を含有することを特徴とする請求項4の精製方法。
  6. 該飽和炭化水素を、該未反応ジオール類及び該添加テトラヒドロフランと共に留去することを特徴とする請求項5の精製方法。
  7. 該未反応ジオール類を留去する前に、該飽和炭化水素を温度が70〜160℃、圧力が1〜450Torrの条件下で留去することを更に包含することを特徴とする、請求項5の精製方法。
  8. 該ジオール類がネオペンチルグリコールあることを特徴とする請求項4〜7の精製方法。
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