JPWO2002052624A1 - 露光装置、光学部材装着部材、光学部材脱着ジグ及びデバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
平行平板(44)を保持する枠材(81)には、外周面に複数の連結部を膨出させるとともに、底板(86)の外面上に複数のジグ装着孔(91)を穿設する。投影光学系の鏡筒に連結される先端鏡筒(83)には、底板(95)の内周縁に複数の脱着用凹部(96)と複数の係合部(84)とを交互に設ける。そして、連結部と係合部(84)とを係合させることで、平行平板(44)を枠材(81)を介して投影光学系の先端鏡筒(83)に取着する。この枠材(81)は、平行平板脱着ジグ(115)を、ジグ装着孔(91)に駆動力伝達軸(119)が挿嵌するように支持させ、連結部と脱着用凹部(96)とが対応するように投影光学系の光軸周りに回転させ、同光軸に沿って移動させることで、先端鏡筒(83)から離脱される。この構成により、不純物で汚染された光学部材を容易に脱着可能な露光装置及び光学部材脱着用ジグ、デバイスを効率よく製造可能なデバイスの製造方法が提供される。
Description
[技術分野]
本発明は、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド等のデバイスの製造プロセス、あるいはレチクル、フォトマスク等のマスクの製造プロセスにおいてフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置に関する。
また、本発明は、フォトリソグラフィ工程で使用される露光装置の一部をなす光学部材を、その露光装置に対して装着するための光学部材装着部材に関する。
さらに、本発明は、フォトリソグラフィ工程で使用される露光装置の一部をなす光学部材を、その露光装置に対して脱着するための光学部材脱着ジグに関する。
その上に、本発明は、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド等のデバイスの製造方法に関する。
[背景技術]
従来の露光装置は、光源からの所定の照明光を、所定のパターンが形成されたレチクル、フォトマスク等のマスク上に照射する。そして、露光装置は、照明光の照射により、パターンの像を、投影光学系を介して、フォトレジスト等の感光性材料が塗布されたウエハ、ガラスプレート等の基板上に転写する。
この露光装置内には、マスクや基板を照明光の光路内に移動するためのステージ、またその光路内に配置されるレンズやミラー等の光学部材を駆動させるためのモータ、ピエゾ等の駆動機構が数多く装備されている。これらの駆動機構には、その良好な駆動性能を確保するため、グリースが使われていたりすることがある。また、それらの駆動機構に給電したり制御信号を供給したりするために、表面が樹脂材料で被覆された電線が接続されている。
このため、露光装置の稼働時において、グリースや被覆電線から微量ながら化学物質が揮散することがある。特に、基板を保持する基板ステージを含む空間内の雰囲気は、基板上に感光性材料が塗布されていることから汚染されやすい条件となっている。このような化学物質等の不純物が、光学部材の表面に付着すると、その光学部材に曇りが生じ、光学部材における照明光の透過率あるいは反射率が低下することになる。
このように、光学部材の表面には、不純物が付着するため、その表面を定期的に洗浄する必要がある。この洗浄方法として、光学部材に紫外光を照射する光洗浄が考えられる。すなわち、マスク及び基板を各ステージに載置しない状態で、光源から照明光を各光学部材に照射して、不純物を光分解させることにより除去することが可能である。
ところが、従来の露光装置では、不純物が含有される汚染雰囲気に露出する光学部材において、その表面に不純物が厚く堆積することがあり、特に感光剤が塗布された基板に対向するような光学部材ではその表面に、グリースや被覆電線から揮散する化学物質の他に、基板に塗布された感光剤から揮散する化学物質等の不純物が強く固着することがある。このような状態になると、不純物を光洗浄のみでほぼ完全に除去できないことが想定される。こうした場合には、不純物で汚染された光学部材を取り外して、洗浄を行うか、あるいは交換するかのいずれかの対策が採られることとなる。
ここで、従来の露光装置では、取り外しの対象となる光学部材が枠材等を介して、他の光学部材とともに鏡筒に対して、例えば複数のネジ等により強固に締結されていることが多い。このような場合には、作業者が前記複数のネジを一本ずつドライバ等で外して、取り外し対象の光学部材の周辺部材を含めて分解する必要が必要があり、大変に面倒な取り外し作業を要する。
また、このような露光装置では、各光学部材は枠材に装着される。ここで、マスク上に形成されたパターンの像を基板に対して投影する露光装置に対しては、高解像度化の要求が日増しに高まっている。特に、半導体素子の製造に使用される露光装置では、近年の回路パターンの著しい微細化に対応すべく、露光精度のさらなる向上要求の増大が顕著である。
このような露光装置の露光精度を左右する要因のひとつとしては、その露光装置で使用される光学系の収差が挙げられる。つまり、光学系が大きな収差を有する場合には、基板上に到達するパターンの像が、想定外に縮小あるいは拡大されたり、歪んだりして、基板上における正確なパターンの像の転写が阻害される。
ここで、この収差には、光学系を構成する各光学部材自体が個別に有する収差の他に、それら光学部材を枠材に保持することにより発生する収差がある。このような枠材への保持により生じる収差は、主として、枠材に機械加工により形成された座面に光学部材が強く押し付けられることにより生じるものである。すなわち、枠材の座面は、切削等の機械加工により形成するため、いかに高精度に加工したとしても、その座面の表面上に微小な荒れやうねり等が存在する。このような座面に光学部材が強く押し付けられると、座面の微小な荒れ、うねり等の影響で、光学部材の光学面に微小な歪みが生じる。この光学面の歪みにより、収差が発生する。
これらの枠材への保持により生じる光学部材における光学面の歪みは、いずれも極めて微小なものであるが、極めて高い露光精度が要求される露光装置においては、無視できない問題となりつつある。また、この光学面の歪みに起因する収差は、光学部材と枠材の座面との接触面積が大きくなるほど大きくなる。
[発明の開示]
本発明の第1の目的は、不純物で汚染された光学部材を容易に脱着することができる露光装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、光学部材を光学部材装着部材あるいは筐体に保持する際に生じる収差を低減して、より正確な露光の可能な露光装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、不純物で汚染された光学部材を筐体に対して容易に脱着することができる光学部材装着部材を提供することにある。
本発明の第4の目的は、光学部材を少なくとも枠材に保持する際に生じる収差を低減することのできる光学部材装着部材を提供することにある。
本発明の第5の目的は、不純物で汚染された光学部材を容易に脱着することができる光学部材脱着用ジグを提供することにある。
本発明の第6の目的は、デバイスを効率よく製造することのできるデバイスの製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様では、光源からの照明光をマスク上に照射するとともに、そのマスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に転写する露光装置が提供される。露光装置は、照明光の光路中に配置される光学部材と、照明光の光路を含む第1空間を、その第1空間より不純物の濃度が高い第2空間から光学部材によって区画する筐体と、筐体に対して、光学部材を脱着自在に保持する保持機構とを有する。
本発明の第2の態様では、マスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に転写する露光装置が提供される。露光装置は、所定位置に形成されたパターンの像または所定位置に配置された発光パターンを検出するための検出光の光路中に配置される光学部材と、検出光の光路を含む第3空間を、その第3空間より不純物の濃度が高い第4空間から光学部材によって区画する筐体と、筐体に対して、光学部材を脱着自在に保持する保持機構とを有する。
本発明の第3の態様では、光源からの照明光をマスク上に照射するとともに、そのマスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に転写する露光装置が提供される。露光装置は、照明光の光路中に配置される光学部材と、照明光の光路を含む第1空間を、その第1空間より不純物の濃度が高い第2空間から光学部材によって区画する筐体と、筐体に対して、光学部材を脱着自在に保持する保持機構とを有し、保持機構は、光学部材の周囲を保持する枠材に設けられた連結部と、筐体に設けられ、連結部が係合する係合部とを有し、連結部と係合部とを第1の位置で係合するとともに、連結部と係合部との係合を第1の位置と異なる第2の位置で解除する。
本発明の第4の態様では、光学部材と前記光学部材の周囲を保持する枠材とを備える光学部材装着部材が提供される。枠材は、外周面から所定の間隔をおいて配置され、かつ外方に向かって突出する複数の突出部を有する。
本発明の第5の態様では、光学部材と前記光学部材の周囲を保持する枠材とを備える光学部材装着部材が提供される。枠材は、外周面から所定の間隔をおいて配置され、かつ外方に向かって突出する複数の突出部と、光学部材の周囲を支持する少なくとも3つの座部と、座部との間で光学部材を弾性的に挟持する弾性保持部材とを有する。
本発明の第6の態様では、光源からの照明光をマスク上に照射するとともに、そのマスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に転写する露光装置に対して、光学部材を脱着するための光学部材脱着ジグが提供される。光学部材脱着ジグは、光学部材の周囲を保持する枠材を支持する支持機構と、枠材に設けられた連結部が筐体に設けられた係合部に対して係合する第1の位置とその係合が解除される第2の位置とに切換移動させるための駆動力を前記枠材に伝達するための駆動力伝達部材とを備える。
本発明の第7の態様では、光源からの照明光をマスク上に照射するとともに、そのマスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に転写するデバイスの製造方法が提供される。デバイスの製造方法は、照明光の光路中に配置される光学部材と、照明光の光路を含む第1空間を、その第1空間より不純物の濃度が高い第2空間から光学部材によって区画する筐体と、筐体に対して、光学部材を脱着自在に保持する保持機構とを有する露光装置を用いてデバイスを製造する。
[発明を実施するための最良の形態]
(第1実施形態)
本発明に従う第1実施形態の半導体素子製造用の露光装置20には、光学系として例えば、図1に示される照明光学系31及び投影光学系41、図2に示される照明光学系60、受光光学系61、空間像検出系63、図3に示されるアライメント光学系68が装備される。そして、これら各光学系の端部には平行平板又はカバーガラスが配置される。すなわち、照明光学系31の端部には平行平板38が配設され、投影光学系41の端部には平行平板44が配置され、照明光学系60の端部及び受光光学系61の端部には不図示の平行平板が配置され、空間像検出系63の端部にはカバーガラス64が配設され、アライメント光学系68の端部には平行平板76が配設される。また、これら平行平板及びカバーガラスは平行平板装着部材79によって保持され、この平行平板装着部材79は、平行平板着脱ジグ115によって筐体に対して着脱される。以下、図1〜図10を参照して露光装置20を説明する。
図1に示すように、露光装置20は、光源としての露光光源21と露光装置本体22とビーム・マッチング・ユニット(以下、「BMU」という。)23とから構成されている。露光光源21は、照明光ELとして、例えばArFエキシマレーザ光(波長:193nm)を出射するエキシマレーザ光源となっている。BMU23は複数の光学素子で構成され、これら複数の光学素子はBMU室39に収容される。このBMU室39は露光光源21と露光装置本体22とを光学的に接続し、このBMU23を介して露光光源21から出射された照明光ELが露光装置本体22内に導かれるようになっている。BMU室39と照明系鏡筒26とは脱ガス発生が抑制された蛇腹部材39で連結される。
露光装置本体22は、照明光ELの照射によりマスクとしてのレチクルR上に形成されたパターンの像をウエハW上に転写するものであり、以下にその概略構成について説明する。
露光装置本体22はチャンバ25内に収容される。チャンバ25内には、照明系鏡筒26と、レチクル室27と、筐体及び鏡筒としての投影系鏡筒28と、第2空間及び第4空間としてのウエハ室29とが、BMU23を介して導入された照明光ELの光軸方向に順次配置されている。このチャンバ25は図示しない空調装置を備えており、露光装置20本体の動作を制御する主制御系30の制御の下で、このチャンバ25の内部が所定の温度及び湿度に保たれるようになっている。
レチクル室27には、駆動装置としてのレチクルステージRSTが配置されている。このレチクルステージRSTにより、所定のパターンが形成されたマスクとしてのレチクルRが、照明光ELの光軸と直交するように保持されるようになっている。また、ウエハ室29には、駆動装置としてのウエハステージWSTが配置されている。そして、このウエハステージWSTにより、照明光ELに対して感光性を有するフォトレジストが塗布された基板としてのウエハWが、その照明光ELの光軸と直交する面内において移動可能、かつその光軸に沿って微動可能に保持されるようになっている。
照明系鏡筒26内には、レチクルRを照明するための照明光学系31が収容されている。この照明光学系31は、複数のミラー32、オプティカルインテグレータをなすフライアイレンズ(ロッドインテグレータでもよい)33、リレー光学系34、コンデンサレンズ35等の光学部材からなっている。フライアイレンズ33は、露光光源21からの照明光ELを入射し、その射出面に多数の二次光源像を形成する。リレー光学系34の後方には、照明光ELの形状を整形するためのレチクルブラインド36が配置されている。
照明系鏡筒26の両端におけるBMU側開口部37a及びレチクル側開口部37bには、照明光学系の一部の光学素子として円板状の平行平板38が配置されている。この平行平板38は、照明光ELを透過する物質(合成石英、蛍石など)により形成されている。BMU側開口部37aに配置された平行平板38によって、BMU室28の内部空間と照明系鏡筒25の内部空間とが分離される。また、照明系鏡筒26は、鏡筒26と平行平板38とによって複数の第1空間としての照明気密室40を区画している。そして、各照明気密室40には、ミラー32、フライアイレンズ33、リレー光学系34、レチクルブラインド36及びコンデンサレンズ35の各光学部材やレチクルブラインド36が単独であるいはいくつか組み合わされて収容されている。
投影系鏡筒28内には、照明光学系31によって照明されるレチクルR上のパターンの像をウエハW上に投影するための投影光学系41が収容されている。この投影光学系41は、投影光学系を構成する光学素子として、複数のレンズエレメント42を有する。投影系鏡筒28の両端の開口部43には、前記平行平板38と同様の平行平板44が配置され、この平行平板44及び投影系鏡筒28によって投影系鏡筒28の内部に第1空間としての投影気密室45を形成している。
BMU室39、照明気密室40、レチクル室27、投影気密室45及びウエハ室29には、パージガス供給系48が接続されている。このパージガス供給系48を介して、BMU室39及び各室40,27,45,29に対して、マイクロデバイス工場のユーティリティプラント内のタンク49より、不活性ガスからなるパージガスが供給されるようになっている。ここで、前記不活性ガスとは、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等の中から選択された単体のガス、あるいはその混合ガスである。
パージガス供給系48の給気配管50中には、パージガス中に含まれる不純物を除去するためのフィルタ51及びパージガスを所定の温度に調整するとともにパージガス中の水分を除去する温調乾燥器52が介装されている。そして、BMU室39及び各室40,27,45,29は、排気配管53を介して半導体素子製造工場の排気ダクト54に接続されている。また、チャンバ25も同排気ダクト54に接続されている。これにより、BMU室39、各気密室40,45内に供給されたパージガスは、排気ダクト54を介して、工場の外部に排出されるようになっている。
なお、この不純物には、ミラー32,フライアイレンズ33、リレー光学系34、コンデンサレンズ35、平行平板38,44及びレンズエレメント42等の光学部材の表面上に、照明光EL照射下で堆積して曇り現象を生じせしめる汚染物質が含まれる。また、ArFエキシマレーザ光を強く吸収する酸素等の吸光物質が含まれる。汚染物質としては、例えば有機ケイ素化合物、アンモニウム塩、硫酸塩、ウエハW上のレジストからの揮散物、駆動部を有する構成部品に使用される摺動性改善剤からの揮散物、チャンバ25内の電気部品に給電あるいは信号供給するための配線の被覆層からの揮散物等がある。
次に、ウエハステージWSTの周辺構成について、説明する。
図2に示すように、ウエハステージWSTは、ウエハ室29の外に配置されたウエハステージ駆動部57により、ウエハWの表面が、投影光学系41の最適結像面に対し、任意方向に傾斜可能で、かつ投影光学系41の光軸方向(Z方向)に微動可能になっている。また、ウエハステージWSTは、任意のショット領域を投影光学系41に対応させるために、投影光学系41の光軸と直交する面内(X方向及びY方向)にも移動可能に構成されている。
これにより、ウエハW上の各ショット領域を一括露光する動作と、次のショット領域まで移動する動作とを繰り返すステップ・アンド・リピート動作が可能になっている。なお、図2において、投影光学系41の光軸(Z方向)に直交するとともに紙面と平行な方向をX方向とし、同光軸及び紙面に直交する方向をY方向とする。
ウエハステージWSTの端部には、干渉計58からのレーザビームを反射する移動鏡59が固定されており、ウエハステージWSTのXY方向の位置は干渉計58によって常時検出される。なお、図2においては、X方向のみの干渉計58及び移動鏡59が示されているが、Y方向にも干渉計及び移動鏡が配置される。そして、ウエハステージWSTの位置情報は、露光装置20本体を制御する主制御系30に送られる。主制御系30は、この位置情報に基づいて前記ウエハステージ駆動部57を制御する。
また、ウエハ室29内には、投影光学系41の光軸を挟むように、照射光学系60と受光光学系61とからなる斜入射方式のウエハ位置検出系(以下、「焦点検出系」という)62が配設されている。照射光学系60は、ウエハWの表面等に向けてピンホールあるいはスリット像を多数形成するための結像光束を、投影光学系41の光軸方向に対して斜め方向より供給するものである。受光光学系61は、その結像光束のウエハWの表面での反射光束を照射光学系60側のピンホールあるいはスリットと対応するピンホールあるいはスリットを介して受光するものである。
この焦点検出系62の構成等は、例えば特開昭60−168112号公報に開示されており、ここでの詳細な説明は省略する。前記焦点検出系62は、予め設定された基準位置に対するウエハWの表面のZ方向の位置偏差を検出する。検出されたウエハWの位置情報は、主制御系30に送られる。主制御系30は、このウエハWの位置情報に基づいて、ウエハWの表面と投影光学系41の結像面とがほぼ一致するようにウエハステージWSTをZ方向に駆動する。
また、ウエハステージWST上のウエハWの近傍には、投影光学系41を介して、レチクルRに形成されたアライメント間のパターン像を検出する空間像検出系63が配備されている。この空間像検出系63は、光学部材としてのカバーガラス64と受光センサ65とを有している。カバーガラス64にはウエハWの表面の高さとほぼ一致するように設定された基準面が形成され、その基準面上には光学的開口が形成されている。受光センサ65は、カバーガラス64の下方に配設される照度センサからなっている。なお、空間像検出系63は、筐体をなすウエハステージWSTと、カバーガラス64とにより区画された第3空間をなすウエハステージWSTの内部に収容されている。
この空間像検出系63では、カバーガラス64の光学的開口を通過したパターン像の光強度を測定する。パターン像の光強度に関する検出信号が、信号処理部66を介して主制御系30に入力されるようになっている。この信号は、主に、焦点検出系62における基準位置の較正に用いられる。
さらに、投影光学系41の側面には、オフ・アクシス方式のウエハアライメント顕微鏡(以下、「WA顕微鏡」という)67が、その先端がウエハ室29内に位置するように装備されている。図3に示すように、このWA顕微鏡67は、例えば広波長帯域の光を用いる画像処理方式のアライメント光学系(以下、「FIA光学系」という)68により構成されている。すなわち、照明光源69からの検出光としての出射光MLiは、FIA光学系68内のハーフミラー70で反射され、ウエハW上に形成されたアライメントマークを照明する。そのアライメントマークからの検出光としての反射光MLrは、前記FIA光学系68に戻り、そのFIA光学系68内においてハーフミラー70を透過し、ハーフプリズム71に入射する。そして、このハーフプリズム71において、反射光MLrは2つの光束に分割される。
分割された各光束は、それぞれ2次元CCDよりなるX軸用及びY軸用の2つの撮像素子72の撮像面上にアライメントマークの像を結像させる。このとき、各撮像素子72の撮像面には、FIA光学系68の内部に配置された指標板73上の指標マークの像も同時に結像される。この撮像面における受光像は、光電変換により撮像信号に変換されて信号処理装置74に入力される。この信号処理装置74において、図2に示す主制御系30の制御のもとで、撮像信号に基づいてアライメントマークの投影像の指標マークに対する位置ずれが求められる。なお、FIA光学系68は、筐体としてのFIA筐体75と、前記出射光MLiの出射端と反射光MLrの入射端とを兼ねる光学部材としてのカバーガラス76とにより区画された第3空間としての収容室77内に収容されている。
この場合、WA顕微鏡67の検出中心とレチクルRの投影領域の中心との間隔であるベースライン量に対する指標マークの位置のオフセット量を予め求めておく。そして、このオフセット量とWA顕微鏡67で計測された指標マークに対するアライメントマークの像の位置ずれ量とに基づいて、ウエハステージ駆動部57によりウエハWの位置が調整される。これにより、ウエハW上の各ショット領域が所定位置に配置され、その各ショット領域のアライメントが正確に行われるようになっている。
次に、平行平板38,44及びカバーガラス64,76を、照明系鏡筒26、投影系鏡筒28、ウエハステージWST及びFIA筐体75のそれぞれに対して保持する保持機構80について説明する。ここでは、投影系鏡筒28のウエハW側の開口部43に嵌合される平行平板44の保持機構80、及びその平行平板44を有する光学部材装着部材としての平行平板装着部材79を例に取って説明する。
図4及び図6に示すように、平行平板装着部材79は、平行平板44と、その平行平板44の周囲を保持する枠材81とからなっている。そして、この平行平板装着部材79を、投影系鏡筒28の開口部43に取付けることで、平行平板44が枠材81を介してその開口部43に配置される。そして、この枠材81が、その枠材81に設けられた連結部をなす突出部82と投影系鏡筒28のウエハW側端部をなす先端鏡筒83に設けられた係合部84とからなる保持機構80の係合により投影系鏡筒28に対して保持されるようになっている。
ここで、図4は、投影系鏡筒28のウエハW側端部及び後述する光学部材脱着ジグとしての平行平板脱着ジグ115とを示す斜視図である。また、図5は、投影系鏡筒28のウエハW側端部の正面図であり、図6はその投影系鏡筒28のウエハW側端部を分解して示す斜視図であり、図7はその投影系鏡筒28のウエハW側端部の断面図である。また、図10は、前記枠材81を内側(投影系鏡筒28に装着される側)から見た平面図である。
図7及び図10に示すように、枠材81は略円筒状に形成され、その下方には開口部85が形成されている。この開口部85を形成する底板86における内周縁には、その全周にわたって平行平板44の周線が載置される座面をなす段部87が形成されている。平行平板44は、図10に示すように、底板86の内底面上にネジ止めされる複数(本実施形態では3個)の光学部材保持機構をなす係止金具88を介して枠材81に対して固定されている。
この係止金具88は、平板状の金属薄板がクランク状に屈曲された屈曲板ばね部材かつ係合保持部材となっている。係止金具88は、その基端側が枠材81の底板86上に凹設された金具受け部86aに対して、その金具受け部86aのねじ孔86bに螺入される留めねじ88aにより固定されている。また、係止金具88の先端側は、平行平板44の周縁に沿うように屈曲された形状となっている。そして、係止金具88を、その先端部を平行平板44の周縁に係合させつつ、基端部を枠材81の金具受け部86aに固定することで、平行平板44が枠材81の段部87と係止金具88の先端部との間で弾性的に挟持される。
また、枠材81の上方開口部89側の外周面には、等角度間隔おきに、かつ金具受け部86aを中心に外周面の周方向に所定の長さをもって延びるように複数(本実施形態では3つ)の突出部82が突出されている。この突出部82における上面側には、中央から端に向かって下がり勾配を有する傾斜面90が形成されている。
また、図9は、枠材81を装着した状態における投影系鏡筒28のウエハ側端部の底面図である。この図9に示すように、枠材81における底板86の外面上には、等角度間隔おきに複数(本実施形態では3ヶ所)のジグ装着孔91が穿設されている。このジグ装着孔91は、平行平板44を装着した枠材81を単独で輸送する場合において、その平行平板44を保護するために取着する保護カバーの取付孔を兼ねている。また、このジグ装着孔91は、露光装置本体22を出荷する時に、平行平板44を保護するために取り付ける保護カバーの取付孔を兼ねている。
図6〜図8に示すように、先端鏡筒83は略円筒状に形成され、その下方には開口部94が形成されている。開口部94を形成する底板95における内底面の内周縁には、図8に示すように、その周方向において複数(本実施形態では3つ)の第1の凹部としての脱着用凹部96と複数(本実施形態では3つ)の前記係合部84とが交互に設けられている。その係合部84は、底板95の内底面より一段下がった状態で、脱着用凹部96の底面から突出するように形成されている。この係合部84のうち1つには、その内側面(枠材81の突出部82との摺接面)上に、枠材81の突出部82の回転方向前側端に当接してその突出部82を位置決めする位置決め突起97が設けられている。
また、底板95の内底面上には、平面L字状をなす押圧部材としてのL字状板ばね98が、各係合部84に対応するとともに自由端がその係合部84に対向するように、その一端でネジ止めされている。L字状板ばね98の自由端の端部には、半球状をなす半球状突部98aが形成されている。L字状板ばね98は、この半球状突部98aにおいて、先端鏡筒83の係合部84と係合された状態の枠材81の突出部82に当接する。そして、L字状板ばね98は、その突出部82を係合部84に対して平行平板44の光軸と平行な方向に沿って押し付ける役割を担っている。さらに、底板95の内底面上には、平板状の枠材規制部材99が、各脱着用凹部96に対応するとともに一端がその脱着用凹部96内に露出するように取着されている。
図5に示すように、投影系鏡筒28の鏡筒本体102と先端鏡筒83の円筒部83aとの間には、円筒状をなす一対のチルト部材103,104が介装されている。このチルト部材103,104は、先端鏡筒83に枠材81を介して装着された平行平板44の投影光学系41の光軸に対する傾斜を変更するためのものである。すなわち、両チルト部材103,104は、投影光学系41の光軸に垂直な面に対してわずかに傾いた摺り合わせ面105を介して摺動可能に連結されている。そして、両チルト部材103,104を投影光学系41の光軸周りに相対的に回転させることにより、投影光学系41の光軸に対する平行平板44の法線の傾き角及び傾き方向を調節できるようになっている。
そして、図6に示すように、投影系鏡筒28の鏡筒本体102は、その先端鏡筒83側部分は二重の円筒状となっている。この鏡筒本体102の外筒部106は、チルト部材103,104を介して先端鏡筒83の円筒部83aに連結されている。一方、この鏡筒本体102の内筒部107は、外筒部106に比べて両チルト部材103,104の分だけ長く、かつ内径及び外径が前記枠材81の円筒部81aとほぼ同一となるよう形成されている。この内筒部107は、先端鏡筒83に装着された枠材81の円筒部81aに対し、断面略V字状の円環状をなすシール部材としてのVリング108を介して連続するようになっている。なお、投影光学系41を構成する複数のレンズエレメント42は、内筒部107内に収容される。
図7に示すように、このVリング108は、枠材81の突出部82及び先端鏡筒83の係合部84より内側に配置される。これにより、内筒部107と枠材81と平行平板44との内部に、投影気密室45が区画されるとともに、その投影気密室45の気密性が保たれるようになっている。このVリング108は、その一側片としての第1側片109の外側面110が、そのほぼ全面にわたって鏡筒本体102における内筒部107の端面107aに対して接合されている。そして、その第1側片109に対して斜め方向に延びる他側片としての第2側片111は、そのほぼ全体が弾性変形されつつ、その先端部112の全周において枠材81の円筒部81aの端面81bに当接されるようになっている。このように、このVリング108は、鏡筒本体102側の第1側片109よりも枠材81側の第2側片111の方が弾性変形しやすいものとなっている。
次に、平行平板44を枠材81に装着した状態で、投影系鏡筒28に対して脱着するための光学部材脱着ジグとしての平行平板脱着ジグ(以下、単に「脱着ジグ」という)115について説明する。
図4に示すように、この脱着ジグ115は、その基台116が略円柱状をなしている。その基台116の上面には、そのほぼ全面にわたってフッ素樹脂シート117が接合固定されている。また、その基台116の上面には、支持機構をなす複数(本実施形態で3つ)の磁石118が、枠材81の底板86と対応する位置において、フッ素樹脂シート117に埋め込まれるようにして設けられている。さらに、基台116には、駆動力伝達部材をなす複数(本実施形態では3つ)の駆動力伝達軸119が、上面の周縁の近傍における前記枠材81のジグ装着孔91と対応する位置に突設されている。また、基台116の外周面には、鋸刃状のグリップ部120が形成されている。
次に、前記脱着ジグ115を用いて、平行平板44を装着した枠材81を投影系鏡筒28の先端鏡筒83に対して脱着する際の動作について説明する。
まず、枠材81の突出部82と先端鏡筒83の係合部84とが第1の位置としての係合位置にあるときの突出部82と先端鏡筒83との係合状態について説明する。図7及び図8に示すように、この係合状態では、枠材81の突出部82が先端鏡筒83の係合部84上に、完全に乗り上げて接合した状態となっている。この状態で、突出部82は、L字状板ばね98の付勢力により係合部84側に平行平板44の光軸と平行な方向に沿って押圧されている。そして、突出部82の外周面と係合部84に隣接する底板95の内周面との当接により、枠材81がその径方向に位置決めされている。また、突出部82の回転方向前側端と係合部84の位置決め突起97との当接により、枠材81がその回転方向に位置決めされている。
そして、この係合状態の枠材81を、先端鏡筒83から取り外す際には、まず、図4に示すように脱着ジグ115をその伝達軸119が枠材81のジグ装着孔91に対応する位置に配置する。次に、その伝達軸119を前記ジグ装着孔91に挿嵌させつつ、脱着ジグ115の磁石118により枠材81の底板86を支持させる。この際、その枠材81の底板86は、フッ素樹脂シート117を介して脱着ジグ115に支持されるため、この支持時に平行平板44に金属製の脱着ジグ115が当接したり、金属同士の枠材81と脱着ジグ115とが直接接触したりするのが回避される。これにより、脱着ジグ115により枠材81を支持する際において、不純物の発生が抑制される。
そして、突出部82の端部と位置決め突起97とが離間する方向に脱着ジグ115を回転させると、その回転力が伝達軸119を介して枠材81に伝達される。この回転により、突出部82と係合部84とが摺接状態で相対移動され、突出部82が先端鏡筒83の脱着用凹部96と対応する第2の位置としての脱着位置に配置される。これにより、突出部82と係合部84との係合が解除される。この状態で、枠材81を投影光学系41の光軸方向に沿って下方に移動させると、その枠材81が先端鏡筒83から離脱される。
一方、平行平板44を装着した枠材81を投影系鏡筒28の先端鏡筒83に対して取り付ける場合には、まず脱着ジグ115の伝達軸119をジグ装着孔91に挿嵌させつつ、磁石118により枠材81の底板86を脱着ジグ115に支持させる。次いで、枠材81の突出部82と先端鏡筒83の脱着用凹部96と対応させて、枠材81を投影光学系41の光軸に沿って上方に移動させる。やがて、突出部82は先端鏡筒83の枠材規制部材99に当接し、その突出部82が脱着位置に配置される。この状態から、脱着ジグ115を取り外し時とは逆方向に回転させて、突出部82の端部を位置決め突起97に当接させる。これにより、突出部82が係合位置に配置され、突出部82と係合部84とが係合されて、枠材81の先端鏡筒83に対する取り付けが完了する。このとき、鏡筒本体102における内筒部107の端面107aに固定されたVリング108が、枠材81の円筒部81aの端面81bに接触する。このVリング108により、両チルト部材103,104を回転させたとしても、光路内空間を外気から隔離することができる。
なお、照明系鏡筒26に装着される平行平板38、投影系鏡筒28のレチクル側端に装着される平行平板44及び、空間像検出系63に装着されるカバーガラス64及びFIA光学系68に装着されるカバーガラス76、また焦点検出系62における照射光学系60及び受光光学系61の先端に装着されるカバーガラス(図示略)も、前記と同様な保持機構80を介して装着されている。ここで、これらの場合には、枠材81と先端鏡筒83との間の両チルト部材103,104が省略されることが多い。
従って、本実施形態の露光装置20、平行平板装着部材79及び脱着ジグ115は、以下の利点を有する。
(イ) 露光装置20には、照明光ELの光路を照明気密室40及び投影気密室45を、両気密室40,45より不純物の濃度が高いレチクル室27及びウエハ室29から平行平板38,44とともに区画する照明系鏡筒26及び投影系鏡筒28が設けられている。そして、平行平板38,44が、保持機構80により両鏡筒26,28に対して脱着自在に保持されている。
このため、照明系鏡筒26及び投影系鏡筒28の一部を分解したりすることなく、不純物で汚染された平行平板38,44を各鏡筒26,28に対して容易かつ迅速に脱着することができる。そして、汚染された平行平板38,44の脱着に伴う露光装置20の停止時間を最小限に留めることができる。これにより、平行平板38,44の脱着に伴うデバイス製造の効率低下を最低限に留めることができる。
特に、レチクル室27及びウエハ室29は、レチクルR及びウエハWの交換等でチャンバ25内の他の空間と連通される機会が多く、レチクルR、ウエハWの移動も多いため、不純物の濃度が高くなりやすい。このため、平行平板38,44を取り外しての点検、清掃あるいは平行平板38,44自体の交換の機会が多くなる。従って、平行平板38,44を、保持機構80により両鏡筒26,28に対して脱着自在に保持したことで、デバイス製造の効率低下の抑制効果が、特に顕著に発揮される。
また、汚染されやすい平行平板44が、露光装置20の露光性能上、大きな比重を占める投影光学系41の一部を構成するような場合には、露光装置20における高い露光性能の維持が容易なものとなる。
(ロ) 露光装置20には、ウエハW上に形成されたパターンの像を検出するWA顕微鏡67及びウエハステージWST上の空間像検出系63が装備されている。そして、それらWA顕微鏡67及び空間像検出系63のカバーガラス64,76についても、照明系鏡筒26及び投影系鏡筒28の平行平板38,44と同様の保持機構80、及び平行平板装着部材79と同様の装着部材により保持されている。このため、これらカバーガラス64,76についても、前記(イ)に記載したのとほぼ同様の効果が発揮される。
(ハ) 露光装置20は、保持機構80が、平行平板38,44及びカバーガラス64,76の周囲を保持する枠材81に設けられた突出部82と、先端鏡筒83に設けられ、突出部82が係合する係合部84とを有している。そして、保持機構80は、突出部82と係合部84とを係合位置で係合するとともに、突出部82と係合部84との係合をその係合位置と異なる脱着位置で解除するようになっている。
このような簡単な構成の保持機構80を装備することで、不純物で汚染された平行平板38,44及びカバーガラス64,76を容易かつ迅速に脱着することができるという優れた効果を発揮させることができる。このため、露光装置20の構成が複雑化するのを回避することができる。
(ニ) 露光装置20では、枠材81を先端鏡筒83に対して平行平板38,44及びカバーガラス64,76の光軸周りに回転させることによって、係合位置から着脱位置に移動させて、突出部82と係合部84との係合が解除される。そして、この状態から、前記枠材81を前記平行平板38,44及びカバーガラス64,76の光軸方向に移動させることで、枠材81が先端鏡筒83から離脱するようになっている。
このため、汚染された平行平板38,44及びカバーガラス64,76を、その光軸周りに回転させるとともに、光軸方向に移動させるといった簡単な操作で脱着することができる。
(ホ) 露光装置20において、保持機構80には、枠材81と先端鏡筒83との間に配置され、照明系鏡筒26、投影系鏡筒28、収容室77内の気密性を確保するためのVリング108が装着されている。そして、このVリング108は、保持機構の80の突出部82及び係合部84の内側に配置されている。
枠材81の突出部82と先端鏡筒83の係合部84との係脱をスムースにするために、それらの突出部82と係合部84との間に摺動性改善剤を介在させることがある。このように、摺動性改善剤を介在させたとしても、その摺動性改善剤の影響が照明系鏡筒26、投影系鏡筒28、収容室77の内部に及ぶのを抑制できて、各鏡筒26及び収容室77の内部を清浄に保つことができる。
(ヘ) 投影光学系41では、その投影光学系41のもつ収差を微調整するために、その投影光学系41の先端に配置される平行平板44の投影光学系41の光軸に対する傾斜を変化させることがある。これに対して、露光装置20において、Vリング108が先端鏡筒83に接する第1側片109より、枠材81に接する第2側片111の方が変形しやすくなっている。
このため、Vリング108の存在により、保持機構80を介して保持された平行平板44の傾斜調整が阻害されるのを抑制することができる。従って、投影気密室45の高い気密性を保ちつつ、保持機構80を介して保持された平行平板44に傾斜調整の高い自由度を付与することができる。
(ト) 露光装置20には、先端鏡筒83の係合部84に対向するように、枠材81の突出部82を押圧するL字状板ばね98が設けられている。このため、枠材81の突出部82が、先端鏡筒83の係合部84とL字状板ばね98とで押圧状態で挟持される。従って、前記突出部82と前記係合部84との係合がより安定したものとなり、平行平板38,44及びカバーガラス64,76の照明系鏡筒26、投影系鏡筒28、ウエハステージWST及びFIA筐体75に対する保持の安定性を向上させることができる。
(チ) 露光装置20には、先端鏡筒83の各脱着用凹部96に対応するように、枠材規制部材99が設けられている。このため、枠材81を先端鏡筒83に装着するときに、その枠材81が必要以上に照明系鏡筒26、投影系鏡筒28、ウエハステージWST及びFIA筐体75内に進入するのが規制される。従って、照明系鏡筒26、投影系鏡筒28、ウエハステージWST及びFIA筐体75のさらに奥部に配置された他の光学部材に枠材81が衝突するのを未然に回避することができる。
(リ) 脱着ジグ115には、平行平板38,44の周囲を保持する枠材81を支持する磁石118と、その枠材81にその突出部82を係合位置と脱着位置とに切換移動させるための回転力を伝達する伝達軸119とが設けられている。このため、このような簡単な構成の脱着ジグ115を用いて、平行平板38,44及びカバーガラス64,76を照明系鏡筒26、投影系鏡筒28、ウエハステージWST及びFIA筐体75に対して容易に脱着することができる。しかも、脱着ジグ115を枠材81に対して容易に装着することができて、平行平板38,44及びカバーガラス64,76の脱着作業を一層容易なものとすることができる。
(ヌ) 脱着ジグ115には、枠材81の底板86がフッ素樹脂シート117を介して支持されるようになっている。このため、枠材81を磁石118で支持する際において、平行平板44に金属製の脱着ジグ115が当接したり、金属同士の枠材81と脱着ジグ115とが直接接触したりするのが回避される。従って、脱着ジグ115により枠材81を支持する際において、不純物の発生するのを抑制することができる。
(ル) 枠材81は、平行平板38,44及びカバーガラス64,76の周縁に係合して、段部87との間で平行平板38,44及びカバーガラス64,76を挟持する係止金具88を有している。このため、係止金具88により、平行平板38,44及びカバーガラス64,76において、その光軸と交差する方向への移動をより確実に抑制することができる。
また、係止金具88の平行平板38,44及びカバーガラス64,76に対する押圧力を調整することによって、平行平板38,44及びカバーガラス64,76の枠材81の段部87に対する押し付け力を調整することができる。これにより、枠材81への保持による平行平板38,44及びカバーガラス64,76における光学面の歪みの発生を低減することができる。
(ヲ) 平行平板38,44及びカバーガラス64,76に不純物が付着した場合でも、その付着が軽微であるような場合には、露光装置20の動作を一旦停止して、付着物を拭き取るといった拭き洗浄を行うことがある。このような拭き洗浄を行う場合には、平行平板38,44及びカバーガラス64,76に対してその光軸方向に沿って照明系鏡筒26、投影系鏡筒28、空間像検出系63の筐体及びFIA筐体75の内部側へと向かう力が作用することになる。
ここで、枠材81の係止金具88は、平行平板38,44及びカバーガラス64,76周縁に沿うように屈曲された屈曲板ばね部材となっている。このため、拭き洗浄を行うような場合であっても、平行平板38,44及びカバーガラス64,76の光軸方向の移動が、係止金具88の先端部で規制される。これにより、その平行平板38,44及びカバーガラス64,76が他の光学部材と接近して配置されているような場合であっても、それら平行平板38,44及びカバーガラス64,76と他の光学部材との干渉を効果的に抑制することができる。
(ワ) 枠材81は、留めねじ88a、次いで係止金具88を外すことで、平行平板38,44及びカバーガラス64,76を容易に着脱することができる。このため、枠材81に対する平行平板38,44及びカバーガラス64,76の交換を容易かつ迅速に行うことができて、露光装置20の運転コストの低減を図ることできる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の平行平板装着部材131について、第1実施形態とは異なる部分を中心に説明する。
図11は第2実施形態の平行平板装着部材131における枠材132を示す平面図であり、図12は枠材132における平行平板44及び係止金具88を外した状態を示す斜視図である。
第2実施形態においては、図11及び図12に示すように、突出部82が枠材132の外周面における金具受け部86aの中間に対応する位置に突出されている。そして、枠材132の段部87上の各金具受け部86aに対応する部分には、座部133が突設されている。これにより、本実施形態の平行平板装着部材131では、平行平板44の周囲が3対の係止金具88と座部133との間で挟持される。なお、図11及び図12では、理解を容易にするために各座部133の高さ(平行平板44の光軸方向における突出量)を誇張して描いてあり、実際は、この座部133の高さが数μm程度となっている。このため、この平行平板44と枠材132の段部87との間を介して投影系鏡筒28の内部から外部に漏出する不活性ガスの量は、わずかなものとなっている。
第2実施形態の平行平板装着部材131、その平行平板装着部材131を用いた露光装置20、及び平行平板装着部材131の脱着ジグ115は、第1実施形態の(イ)〜(ワ)の利点に加えて、以下の利点を有する。
(カ) 平行平板44は、3対の係止金具88と座部133とで挟持される。このため、平行平板44と枠材132との接触面積が小さくなり、平行平板44に対する座部133の荒れやうねりの影響を低減することができる。従って、平行平板44を平行平板装着部材131で保持することで生じる平行平板44の光学面の歪みを小さくすることができて、露光装置20の露光精度を向上することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態の平行平板装着部材141について、第1及び第2実施形態とは異なる部分を中心に説明する。
第3実施形態においては、図13〜図20に示すように、枠材142において第1及び第2実施形態の係止金具88に代えて、平行平板44を着脱可能に保持する光学部材保持機構をなす平行平板保持機構143が配備されている。また、先端鏡筒83の係合部84に係合する突出部144の構成が、第1及び第2実施形態とは異なっている。
図13は、第3実施形態の平行平板装着部材141における枠材142を示す平面図であり、図14は平行平板保持機構143及び突出部144を拡大して示す斜視図である。また、図15は、平行平板保持機構143を異なる角度から見るとともに分解した状態で示す拡大斜視図である。なお、図15では、平行平板44が省略されている。
図13〜図15に示すように、平行平板保持機構143は、弾性保持部材及び押圧保持部材としてのI字状板ばね145と、位置決め部材をなす板ばねリテーナ146と、調整ワッシャ147とから構成されている。
枠材142の段部87上には、第2実施形態と同様に、等角度間隔で3点の座部133が形成されている。枠材142の底板86には、座部133に対応するように形成された位置決め部をなすリテーナ受け部148が凹設されている。板ばねリテーナ146は、I字状板ばね145を平行平板44に対して所定位置に位置決めするためのものである。リテーナ受け部148は、板ばねリテーナ146を枠材142の所定位置に位置決めするために形成されている。
板ばねリテーナ146は、略Σ字状をなしており、その橋架部149には2つのボルト挿通孔150と1つのジグ取付ねじ孔151が設けられている。板ばねリテーナ146は、リテーナ受け部148に係合した状態で、ボルト挿通孔150に挿通されるボルト152により底板86に固定されている。リテーナ受け部148と板ばねリテーナ146との間には、段差吸収部材をなす調整ワッシャ147がボルト152に挿通された状態で介装されている。
図16は、板ばねリテーナ146とI字状板ばね145とを、平行平板44と対向する面側から見た分解斜視図である。板ばねリテーナ146の橋架部149の両端には、先端部153が突設されている。先端部153の基端側には、I字状板ばね145の両端に係合するとともにそのI字状板ばね145を位置決めする板ばね受け部154が凹設されている。また、板ばね受け部154の内側には、I字状板ばね145の撓みを許容する内側凹部155が形成されている。また、板ばねリテーナ146にI字状板ばね145が係合された状態では、板ばねリテーナ146における枠材142のリテーナ受け部148との接合面146aと、I字状板ばね145の平行平板44と対向する対向面145aとが、ほぼ同一平面状に配置されるようになっている。
I字状板ばね145の中央には、平行平板44の装着状態において平行平板44の周囲に当接する接触部材をなすスリーブ156が、かしめにより装着されている。なお、スリーブ156を脱ガス発生が抑制された接着剤で取付けてもよい。スリーブ156は、たとえば真鍮で形成され、I字状板ばね145は、例えばばね鋼で形成されている。図18に示すように、スリーブ156は、そのスリーブ156と枠材142の座部133とが平行平板44の光軸と平行な直線上にならぶように配置されている。
なお、図18は、I字状板ばね145と枠材142の座部133とによる平行平板44の挟持状態を示したものである。また、図17は、枠材142の座部133上に、平行平板44を載置した状態を示す一部断面斜視図である。
ここで、図17に示すように、枠材142の座部133とリテーナ受け部148とは、座部133上に平行平板44を載置したときに、平行平板44の上面とリテーナ受け部148の受け面148aとの間に所定の段差が生じるように形成されている。なお、図17においては、理解を容易にするために、座部133の高さ(段部87からの突出量)及び平行平板44の上面と受け面148aとの段差は、誇張して描いてある。
枠材142の座部133及びリテーナ受け部148とを切削加工により形成している関係上、平行平板44の上面と受け面148aとの段差には、枠材142の個体間及び各リテーナ受け部148間で、微妙に変動が生じうる。これらの段差における公差は、調整ワッシャ147の厚さを変更することで吸収する。
つまり、調整ワッシャ147は、予め少しずつ厚さの異なるように複数用意されている。そして、各リテーナ受け部148毎の段差に応じて、複数の調整ワッシャ147の中から、受け面148a上に配置された調整ワッシャ147の上面と平行平板44の上面とがほぼ同一平面上となるような最適な厚さの調整ワッシャ147を選択する。各リテーナ受け部148毎に選択された調整ワッシャ147を介して、板ばねリテーナ146をリテーナ受け部148に取り付ける。
ここで、I字状板ばね145と板ばねリテーナ146とは、I字状板ばね145が板ばねリテーナ146に係合された状態で、対向面145aと接合面146aとがほぼ同一平面上となるように形成されている。このため、平行平板44が平行平板装着部材141に挟持された状態では、I字状板ばね145が、その対向面145aからのスリーブ156の突出量分だけ撓むことになる。これにより、平行平板44は、その周囲において、3対の枠材142の段部87上の座部133とI字状板ばね145に装着されたスリーブ156との間に、所定の押圧力が作用した状態で弾性的に挟持される。
ここで、切削加工により形成される座部133の表面上には、微小なうねりや荒れが生じている。I字状板ばね145の撓み量は、平行平板の剛性を考慮して座部133の最も高い位置のみで支持されるように決定される。具体的には、撓み量は平行平板の周縁部の厚み、材質、平行平板の径、重量等を考慮して決定される。このため、座部133は、その表面の最も高い位置で平行平板44を支持することができる。なお、図18においては、理解を容易にするために、座部133の表面のうねり及び荒れを誇張して描いてあり、実際には極めて微小なものである。
板ばねリテーナ146の先端部153の自由端は、平行平板44が装着された状態で平行平板44の周囲に所定の間隔をおいて対応するように形成されており、移動規制手段を構成する移動規制部157を構成している。移動規制部157は、平行平板44にI字状板ばね145の押圧力に抗する力が作用して、平行平板44が光軸方向に移動されると、その平行平板44の周囲に当接して、平行平板44の光軸方向への移動を規制する。
次に、I字状板ばね145、板ばねリテーナ146及び調整ワッシャ147の枠材142に対する取付方法について説明する。図19(a)は、I字状板ばね145、板ばねリテーナ146及び調整ワッシャ147を保持機構取付ジグ158に取り付けた状態を示す斜視図であり、図19(b)は、その状態を反対側から見た斜視図である。
図19(a)及び図19(b)に示すように、まず保持機構取付ジグ158の先端のねじ部159を、板ばねリテーナ146のジグ取付ねじ孔151に螺入して、保持機構取付ジグ158と板ばねリテーナ146とを一体化する。次いで、I字状板ばね145を、その長手方向の両端部が板ばねリテーナ146の長手方向の両端部に揃うように、板ばね受け部154に対して係合させる。この状態で、マグネット160を板ばねリテーナ146の橋架部149に磁着させ、このマグネット160の磁力でもって、I字状板ばね145を板ばねリテーナ146に仮止めする。
次に、枠材142の座部133上に載置された平行平板44の上面と、枠材142のリテーナ受け部148の受け面148aとの段差を測定し、その測定結果に基づいて、所定の厚さの調整ワッシャ147を選択する。そして、選択した調整ワッシャ147を、板ばねリテーナ146のボルト挿通孔150と対応する位置において、板ばねリテーナ146の接合面146aとI字状板ばね145の対向面145aと跨るように磁着させる。
この状態で、板ばねリテーナ146を、平行平板44の載置された枠材142のリテーナ受け部148にその側端縁及び内周壁に沿って係合させる。そして、まず、一方のボルト挿通孔150にボルト152を螺合させる。次に、マグネット160を取り外し、もう一方のボルト挿通孔150にボルト152を螺合させる。最後に、保持機構取付ジグ158のねじ部159を板ばねリテーナ146のジグ取付ねじ孔151から螺脱させて、保持機構取付ジグ158を枠材142から取り外す。
また、図13、図14及び図20に示すように、枠材142の突出部144には、平行平板44の光軸に直交し先端鏡筒83のL字状板ばね98に対向する第1の面としての板ばね側面163に、円錐状の内周面を有する第2の凹部としてのコーン溝164が形成されている。コーン溝164は、突出部144を先端鏡筒83の係合部84に連結させるべく回転させる際の回転方向後ろ側に形成されている。コーン溝164には、介装部材としての介装球体165が収容されている。ここで、介装球体165は、コーン溝164に収容された状態で、一部が板ばね側面163から突出するような大きさに形成されている。
一方、突出部144において、平行平板44の光軸に直交し、先端鏡筒83のい係合部84と係脱される第2の面としての係合部側面166には、係合部側面166から所定の高さをもって突出する接触部としての接触突部167が突出されている。なお、図20では、理解を容易にするために接触突部167の高さ(平行平板44の光軸方向における突出量)を誇張して描いてあり、実際は、この接触突部167の高さが数mm程度例えば、1mm程度以下となっている。接触突部167は、コーン溝164と平行平板44の光軸と、平行な直線L上に配置されている。
そして、枠材142の突出部144と先端鏡筒83の係合部84とが係合された状態では、突出部144の板ばね側面163から突出した介装球体165がL字状板ばね98により押圧される。なお、このL字状板ばね98は、第1実施形態のものとは異なり、半球状突部98aを有しない平板状をなしている。この押圧により、突出部144の接触突部167が先端鏡筒83の係合部84に押しつけられる。
第3実施形態の平行平板装着部材141、その平行平板装着部材141を用いた露光装置20及び平行平板装着部材141の脱着ジグ115は、第1及び第2実施形態の(イ)〜(ヌ)及び(カ)の利点に加えて、以下の利点を有する。
(ヨ) 枠材142の突出部144には、板ばね側面163に先端鏡筒83のL字状板ばね98で押圧される介装球体165を収容する3つのコーン溝164が設けられている。また、突出部144には、係合部側面166に先端鏡筒83の係合部84に接触する3つの接触突部167が設けられている。そして、各コーン溝164と各接触突部167とは、平行平板44の光軸方向に関して、ほぼ平行な方向に配置されている。
このため、突出部144が、接触面積の小さな接触突部167を介して先端鏡筒83の係合部84と係合することになる。これにより、係合部84の表面上の微小なうねりや荒れの影響で、突出部144と係合部84との係合に伴う枠材142の歪みの発生が抑制される。従って、平行平板44の光学面に歪みが生じるのが抑制され、露光装置20における露光精度を向上させることができる。
(タ) 平行平板装着部材141は、I字状板ばね145により、平行平板44の周囲をスリーブ156を介して、枠材142の段部87上の座部133側に押圧して、I字状板ばね145と座部133との間で平行平板44を弾性的に挟持する構成となっている。この平行平板装着部材141では、平行平板44が、I字状板ばね145により加えられる押圧力により、日常あるいは露光装置20の輸送時に作用しうる加速度の範囲内では、枠材142に対して移動しないように保持される。そして、その押圧力は、平行平板44が過度に枠材142の座部133に押し付けられることがない範囲に設定されている。このため、平行平板44が、座部133の表面上の微小なうねり及び荒れの影響を受けて歪められることが抑制される。従って、露光装置20における露光精度を高く維持することがことができる。
(レ) 例えば平行平板44に対する不純物の付着が軽微であるような場合には、露光装置20の動作を一旦停止して、付着物を拭き取るといった拭き洗浄を行うことがある。このような拭き洗浄を行う場合には、平行平板44に対してその光軸方向に沿って投影系鏡筒28の内部側へと向かう力が作用することになる。
ここで、板ばねリテーナ146の先端部153には、平行平板44がI字状板ばね145の押圧力に抗して、その光軸方向に沿って投影系鏡筒28の内部側に移動されたとき、平行平板44の周囲に当接して移動を規制する移動規制部157が形成されている。このため、その平行平板44が他の光学部材と接近して配置されているような場合であっても、平行平板44と他の光学部材との干渉を効果的に抑制することができる。
(ソ) 平行平板装着部材141では、スリーブ156が金属材料からなっている。このため、スリーブ156からの揮散物の発生がほとんどなく、投影系鏡筒28内の雰囲気を清浄に保つことができる。
(ツ) 平行平板装着部材141では、スリーブ156が、枠材142の座部133を通り平行平板44の光軸と平行な直線上に配置されている。このため、I字状板ばね145からの押圧力を、効率よく平行平板44の周囲に導くことができて、I字状板ばね145と座部133との間における平行平板44の挟持を、一層安定したものとすることができる。
(ネ) 平行平板装着部材141では、I字状板ばね145が、平板状の平板ばね部材からなっている。このため、平行平板44に対して、押圧力を安定して付与することができるとともに、その押圧力の制御を容易に行うことができる。
(ラ) 平行平板装着部材141では、枠材142に、I字状板ばね145を平行平板44に対して所定位置に保持する板ばねリテーナ146と、その板ばねリテーナ146を枠材142の所定位置に位置決めするリテーナ受け部148とが設けられている。このため、I字状板ばね145を板ばねリテーナ146に装着し、その板ばねリテーナ146を枠材142のリテーナ受け部148に装着することで、I字状板ばね145を平行平板44に対する所定の位置に、正確かつ容易に配置させることができる。
(ナ) リテーナ受け部148と平行平板44との間の段差は、枠材142、板ばねリテーナ146等の加工公差により変動する。
これに対して、平行平板装着部材141では、I字状板ばね145を板ばねリテーナ146に装着した状態で、I字状板ばね145と板ばねリテーナ146とが面一になるように構成されている。そして、I字状板ばね145を平行平板44の周囲に接触させるとともに、板ばねリテーナ146を枠材142に固定する。I字状板ばね145と枠材142のリテーナ受け部148とに当接して、そのリテーナ受け部148と平行平板44との間の段差を吸収する調整ワッシャ147が設けられている。
このため、異なる厚さを有する複数の調整ワッシャ147の中から、段差の大きさに応じて最適な調整ワッシャ147を選択して装着することで、その段差を容易に吸収することができる。これにより、I字状板ばね145の撓み量を、容易かつ正確に所定の値に設定することができる。
(ム) 平行平板装着部材141では、板ばねリテーナ146の先端部153に、平行平板44のI字状板ばね145側への移動を規制する移動規制部157が形成されている。このため、板ばねリテーナ146が平行平板44の移動を規制する機能をも兼ね備えることとなり、平行平板装着部材141の構成の簡素化を図ることができる。
(ウ) 枠材142では、ボルト152を螺脱させることで、板ばねリテーナ146、I字状板ばね145及び調整ワッシャ147を取り外すことができ、さらに平行平板44を容易に着脱させることができる。このため、枠材142に対して平行平板44の交換を容易かつ迅速に行うことができて、露光装置20の運転コストの低減を図ることできる。
本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明が他の代替案に具体化され得ることは当業者にとって明らかである。特に、本発明は、以下のように変形されてもよい。
第1実施形態において、枠材81に、平行平板38,44及びカバーガラス64,76以外の光学部材、例えばレンズ、ミラー、プリズム等を保持するようにしてもよい。
第2及び第3実施形態において、枠材132,142に、平行平板44以外の光学部材、例えば平行平板38、カバーガラス64,76、レンズ、ミラー、プリズム等を保持するようにしてもよい。
また、投影系鏡筒28のレチクル側の平行平板44に、投影光学系の収差を補正するために、その収差に応じて局所的に異なる面形状を加工してもよい。さらに、レチクル側の平行平板44及びウエハ側の平行平板44の代わりに、投影光学系を構成する光学素子として、例えば負レンズや正レンズが兼用されてもよい。
投影系鏡筒28のウエハW側の平行平板44以外の平行平板38,44及びカバーガラス64,76の少なくとも1つを各実施形態の保持機構80とは異なる、例えば一般的なネジ止め構成等で保持するようにしてもよい。
投影光学系41における鏡筒本体102と先端鏡筒83との間のチルト部材103,104を省略してもよい。
脱着ジグ115における磁石は118は、基台116とフッ素樹脂シート117との間に介装してもよい。
投影系鏡筒28に枠材81,132,142を介して装着される平行平板44を、レチクルR及びウエハWを交換するための自動搬送装置を用いて、自動的に脱着できるようにしてもよい。
突出部82,144の数を、各実施形態に記載したものとは異なる数、例えば4以上としてもよい。この場合には、その突出部82,144の数に対応するように、先端鏡筒83の係合部84、脱着用凹部96及びL字状板ばね98を形成する必要がある。
第2及び第3実施形態において、枠材132,142の段部87に形成される座部133の数を、各実施形態に記載のものとは異なる数、例えば4以上としてもよい。
第3実施形態において、枠材142の段部87に形成される座部133を省略してもよい。
第1実施形態において、突出部82に代えて、第3実施形態の突出部144の構成を採用してもよい。
第3実施形態において、突出部144の板ばね側面163上のコーン溝164と、そのコーン溝164に収容される介装球体165とを省略してもよい。この場合、L字状板ばね98としては、第1実施形態と同様に半球状突部98aを有するものを使用することが望ましい。
第3実施形態において、突出部144の係合部側面166上の接触突部167を省略してもよい。
第3実施形態において、I字状板ばね145の対向面145aからの突出量が種々異なる複数のスリーブ156を用意する。そして、調整ワッシャ147の厚さを一定とし、または調整ワッシャ147を省略して、複数のスリーブ156の中から段差に応じて最適なスリーブ156を選択してI字状板ばね145に取着してもよい。これにより、平行平板44と枠材142のリテーナ受け部148との段差を吸収するとともに、I字状板ばね145の撓み量を設定するようにしてもよい。さらに、調整ワッシャ147の厚さと、スリーブ156の突出量との両方を変更可能にしてもよい。
第3実施形態において、スリーブ156を省略するとともに、予め平行平板44側に突出するように、所定量だけ撓んだI字状板ばね145を用いて、平行平板44に押圧力を付与する構成としてもよい。
以上のようにした場合でも、各実施形態における効果とほぼ同様の効果が得られる。
第3実施形態において、板ばねリテーナ146の先端部153における移動規制部157に、揮散物質少ない樹脂材料、例えばフッ素樹脂等のシートを装着してもよい。このようにすれば、仮に平行平板44が光軸方向に移動されて、移動規制部157に当接したとしても、平行平板44に加えられる衝撃を低減することができる。
露光装置20として、投影光学系を用いることなく、マスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するコンタクト露光装置、マスクと基板とを近接させてマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置の光学系にも適用することができる。また、投影光学系としては、全屈折タイプに限らず、反射屈折タイプであってもよい。
さらに、本発明の露光装置20は、縮小露光型の露光装置に限定されるものではなく、例えば等倍露光型、拡大露光型の露光装置であってもよい。
また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては、石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、または水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置や電子線露光装置などでは、透過型マスク(ステンシルマスク、メンバレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
もちろん、半導体素子の製造に用いられる露光装置20だけでなく、液晶表示素子(LCD)などを含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いられて、デバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置などにも本発明を適用することができる。
さらに、本発明は、マスクと基板とが相対移動した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるスキャニング・ステッパにも適用することができる。
また、露光装置20の光源としては、例えばg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、F2レーザ(157nm)、Kr2レーザ(146nm)、Ar2レーザ(126nm)等を用いてもよい。また、DFB半導体レーザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(またはエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。
なお、露光装置20は、例えば次のように製造される。
すなわち、まず、照明光学系31、投影光学系41を構成する複数のレンズま、ミラー及び平行平板38,44等の光学部材の少なくとも一部を各実施形態の保持機構80で保持し、この照明光学系31及び投影光学系41を露光装置本体22に組み込み、光学調整を行う。次いで、多数の機械部品からなるウエハステージWST(スキャンタイプの露光装置の場合は、レチクルステージRSTも含む)を露光装置本体22に取り付けて配線を接続する。そして、照明光ELの光路内にパージガスを供給するパージガス供給系48の配管を接続した上で、さらに総合調整(電気調整、動作確認など)を行う。
ここで、保持機構80及びその周辺部材を構成する各部品は、超音波洗浄などにより、加工油や、金属物質などの不純物を落としたうえで、組み上げられる。なお、露光装置20の製造は、温度、湿度や気圧が制御され、かつクリーン度が調整されたクリーンルーム内で行うことが望ましい。
実施形態における硝材として、蛍石、石英などを例に説明したが、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、リチウム−カルシウム−アルミニウム−フロオライド、及びリチウム−ストロンチウム−アルミニウム−フロオライド等の結晶や、ジルコニウム−バリウム−ランタン−アルミニウムからなるフッ化ガラスや、フッ素をドープした石英ガラス、フッ素に加えて水素もドープされた石英ガラス、OH基を含有させた石英ガラス、フッ素に加えてOH基を含有した石英ガラス等の改良石英を用いた場合にも、前記実施形態の保持機構80を適用することができる。
次に、リソグラフィ工程で露光装置20を使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
図21は、デバイス(ICやLSI等の半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。図21に示すように、まず、ステップS201(設計ステップ)において、デバイス(マイクロデバイス)の機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS202(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レクチルR等)を製作する。一方、ステップS203(基板製造ステップ)において、シリコン、ガラスプレート等の材料を用いて基板(シリコン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造する。
次に、ステップS204(基板処理ステップ)において、ステップS201〜S203で用意したマスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS205(デバイス組立ステップ)において、ステップS204で処理された基板を用いてデバイス組立を行う。このステップS205には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入等)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップS206(検査ステップ)において、ステップS205で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図22は、半導体デバイスの場合における、図21のステップS204の詳細なフローの一例を示す図である。図22において、ステップS211(酸化ステップ)では、ウエハWの表面を酸化させる。ステップS212(CVDステップ)では、ウエハW表面に絶縁膜を形成する。ステップS213(電極形成ステップ)では、ウエハW上に電極を蒸着によって形成する。ステップS214(イオン打込みステップ)では、ウエハWにイオンを打ち込む。以上のステップS211〜S214のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS215(レジスト形成ステップ)において、ウエハWに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS216(露光ステップ)において、先に説明したリソグラフィシステム(露光装置20)によってマスク(レチクルR)の回路パターンをウエハW上に転写する。次に、ステップS217(現像ステップ)では露光されたウエハWを現像し、ステップS218(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS219(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハW上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップS216)において上記の露光装置20が用いられ、真空紫外域の照明光ELにより解像力の向上が可能となり、しかも露光量制御を高精度に行うことができる。従って、結果的に最小線幅が0.1μm程度の高集積度のデバイスを歩留まりよく生産することができる。
しかも、不純物で汚染された光学部材を、迅速かつ容易に脱着することができて、その脱着の際の作業時間が大幅に短縮され、デバイスを効率よく製造することができる。
次に、各実施形態及び変更例から把握され、請求項に記載の発明にさらに含まれる技術的思想について、それらの作用、効果とともに以下に記載する。
(付記1) 請求項22〜請求項24のうちいずれか一項に記載の光学部材装着部材において、前記弾性保持部材は、前記光学部材の周縁の一部に係合して、前記座部との間で前記光学部材を挟持する係合保持部材を含むことを特徴とする光学部材装着部材。
この付記1に記載の構成によれば、光学素子において、係合保持部材により、その光学素子の光軸と交差する方向への移動をより確実に抑制することができる。
(付記2) 前記付記1に記載の光学部材装着部材において、前記係合保持部材が、前記光学部材の周縁の少なくとも一部に沿うように屈曲された屈曲板ばね部材からなることを特徴とする光学部材装着部材。
この付記2に記載の構成によれば、拭き洗浄を行うような場合であっても、光学部材の光軸方向の移動が、屈曲板ばね部材により規制される。これにより、その光学部材が他の光学部材と接近して配置されているような場合であっても、それら光学部材同士の干渉を効果的に抑制することができる。
(付記3) 請求項22〜請求項24のうちいずれか一項に記載の光学部材装着部材において、前記弾性保持部材は、前記光学部材の周囲の一部を押圧して、前記座部との間で前記光学部材を挟持する押圧保持部材を含むことを特徴とする光学部材装着部材。
この付記3に記載の構成によれば、光学部材を座部との間で挟持するために押圧保持部材により付加される押圧力を、露光装置の日常動作時及び運搬時に作用しうる加速度の範囲内では、枠材に対して光学部材が移動しない程度に設定することが可能になる。従って、光学部材が枠材の座部に過度に押し付けられることがなく、光学部材の光学表面が座部の表面の微小なうねりや荒れの影響を受けて歪められることが抑制される。従って、露光装置における露光精度をさらに向上させることができる。
(付記4) 前記付記3に記載の光学部材装着部材において、前記押圧保持部材を、前記光学部材の周囲に前記押圧保持部材より軟質の材料からなる接触部材を介して接触させることを特徴とする光学部材装着部材。
従って、この付記4に記載の構成によれば、押圧保持部材の押圧により、接触部材が光学部材に対して柔らかくあたることとなり、光学部材の負担を軽減することができる。
(付記5) 前記付記4に記載の光学部材装着部材において、前記接触部材が金属材料からなることを特徴とする光学部材装着部材。
従って、この付記5に記載の構成によれば、接触材料からの揮散物の発生をほとんどなくすることができ、第1空間内の清浄性を高く保つことができる。
(付記6) 前記付記4または付記5に記載の光学部材装着部材において、前記接触部材を、前記座部を通り前記光学部材の光軸とほぼ平行な直線上に配置したことを特徴とする光学部材装着部材。
従って、この付記6に記載の構成によれば、押圧保持部材からの押圧力を、効率よく光学部材の周囲に導くことができて、押圧保持部材と枠材の座部との間における光学部材の挟持を一層安定したものとすることができる。
(付記7) 請求項22〜請求項24、前記付記4〜付記6のうちいずれか一項に記載の光学部材装着部材において、前記押圧保持部材が、平板状の平板ばね部材からなることを特徴とする光学部材装着部材。
従って、この付記7に記載の構成によれば、光学部材に対して押圧力を安定して付与することができるとともに、その押圧力の制御を容易に行うことができる。
(付記8) 請求項22〜請求項24、前記付記4〜付記7のうちいずれか一項に記載の光学部材装着部材において、前記枠材は、前記押圧保持部材を前記光学部材に対して所定位置に保持する位置決め部材と、その位置決め部材を前記枠材の所定位置に位置決めする位置決め部とを有することを特徴とする光学部材装着部材。
従って、この付記8に記載の構成によれば、押圧保持部材を光学部材に対して所定の位置に、正確かつ容易に配置させることができる。
(付記9) 前記付記8に記載の光学部材装着部材において、前記押圧保持部材を前記位置決め部材に装着した状態で、その押圧保持部材と位置決め部材とがほぼ面一になるように構成し、前記押圧保持部材を前記光学部材の周囲に接触させるとともに、前記位置決め部材を前記枠材に固定し、前記押圧保持部材と前記位置決め部とに当接して、その位置決め部と前記光学素子との間の段差を吸収する段差吸収部材を設けたことを特徴とする光学部材装着部材。
従って、この付記9に記載の構成によれば、各種部材の製造公差等により大きさが変動し得る段差を容易に吸収することができ、押圧保持部材の撓み量を容易かつ正確に所定値に設定することができる。
(付記10) 前記付記3〜付記9のうちいずれか一項に記載の光学部材装着部材において、前記押圧保持部材を前記光学部材に対して所定位置に保持する位置決め部材の一部が、前記光学部材に対して、前記押圧保持部材の弾性力に抗する力が作用したときには、前記光学部材の前記押圧保持部材側への移動を規制する移動規制機構を兼ねることを特徴とする光学部材装着部材。
従って、この付記10に記載の構成によれば、光学部材装着部材の構成の簡素化を図ることができる。
(付記11) 請求項22〜請求項24、前記付記1〜付記10のうちいずれか一項に記載の光学部材装着部材において、前記弾性保持部材を、前記枠材に対して着脱可能に取着したことを特徴とする光学部材装着部材。
従って、この付記11に記載の構成によれば、枠材に装着した光学部材を容易かつ迅速に交換することができ、露光装置の運転コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
本発明を本発明の目的及び特徴とともによりよく理解するため、添付図面を参照する。
図1は、露光装置の概略的な構成図。
図2は、図1の投影光学系及びウエハステージの周辺を示す概略的な構成図。
図3は、図2のウエハアライメント顕微鏡を示す概略的な構成図。
図4は、本発明の第1実施形態の露光装置における投影光学系のウエハ側端部及び平行平板脱着ジグを示す斜視図。
図5は、図4の投影光学系のウエハ側端部を示す部分側面図。
図6は、図4の投影光学系のウエハ側端部の分解斜視図。
図7は、図4の投影光学系のウエハ側端部の断面図。
図8は、図7の8−8線に沿った断面図。
図9は、図4の投影光学系のウエハ側端部の底面図。
図10は、図7の枠材のみを示す平面図。
図11は、本発明の第2実施形態の露光装置における枠材を示す平面図。
図12は、図11の枠材の平行平板を外した状態で示す斜視図。
図13は、本発明の第3実施形態の露光装置における枠材を示す平面図。
図14は、図13の平行平板の平行平板保持機構を中心に拡大して示す部分斜視図。
図15は、図14の平行平板保持機構を別の角度から見た分解斜視図。
図16は、図13のI字状板ばね及び板ばねリテーナを別の角度から見た拡大斜視図。
図17は、図13の枠材の座部に平行平板を載置した状態を示す一部断面拡大斜視図。
図18は、図13の平行平板の挟持状態を模式的に示す断面図。
図19(a)、図19(b)は、図13の板ばね及び板ばねリテーナを保持機構取付ジグに装着した状態を2つの異なる方向から見た斜視図。
図20は、図13の枠材における鏡筒との連結部を断面として示す部分拡大斜視図。
図21は、デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート。
図22は、半導体素子の製造工程における基板処理の一例を示すフローチャート。
本発明は、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド等のデバイスの製造プロセス、あるいはレチクル、フォトマスク等のマスクの製造プロセスにおいてフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置に関する。
また、本発明は、フォトリソグラフィ工程で使用される露光装置の一部をなす光学部材を、その露光装置に対して装着するための光学部材装着部材に関する。
さらに、本発明は、フォトリソグラフィ工程で使用される露光装置の一部をなす光学部材を、その露光装置に対して脱着するための光学部材脱着ジグに関する。
その上に、本発明は、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド等のデバイスの製造方法に関する。
[背景技術]
従来の露光装置は、光源からの所定の照明光を、所定のパターンが形成されたレチクル、フォトマスク等のマスク上に照射する。そして、露光装置は、照明光の照射により、パターンの像を、投影光学系を介して、フォトレジスト等の感光性材料が塗布されたウエハ、ガラスプレート等の基板上に転写する。
この露光装置内には、マスクや基板を照明光の光路内に移動するためのステージ、またその光路内に配置されるレンズやミラー等の光学部材を駆動させるためのモータ、ピエゾ等の駆動機構が数多く装備されている。これらの駆動機構には、その良好な駆動性能を確保するため、グリースが使われていたりすることがある。また、それらの駆動機構に給電したり制御信号を供給したりするために、表面が樹脂材料で被覆された電線が接続されている。
このため、露光装置の稼働時において、グリースや被覆電線から微量ながら化学物質が揮散することがある。特に、基板を保持する基板ステージを含む空間内の雰囲気は、基板上に感光性材料が塗布されていることから汚染されやすい条件となっている。このような化学物質等の不純物が、光学部材の表面に付着すると、その光学部材に曇りが生じ、光学部材における照明光の透過率あるいは反射率が低下することになる。
このように、光学部材の表面には、不純物が付着するため、その表面を定期的に洗浄する必要がある。この洗浄方法として、光学部材に紫外光を照射する光洗浄が考えられる。すなわち、マスク及び基板を各ステージに載置しない状態で、光源から照明光を各光学部材に照射して、不純物を光分解させることにより除去することが可能である。
ところが、従来の露光装置では、不純物が含有される汚染雰囲気に露出する光学部材において、その表面に不純物が厚く堆積することがあり、特に感光剤が塗布された基板に対向するような光学部材ではその表面に、グリースや被覆電線から揮散する化学物質の他に、基板に塗布された感光剤から揮散する化学物質等の不純物が強く固着することがある。このような状態になると、不純物を光洗浄のみでほぼ完全に除去できないことが想定される。こうした場合には、不純物で汚染された光学部材を取り外して、洗浄を行うか、あるいは交換するかのいずれかの対策が採られることとなる。
ここで、従来の露光装置では、取り外しの対象となる光学部材が枠材等を介して、他の光学部材とともに鏡筒に対して、例えば複数のネジ等により強固に締結されていることが多い。このような場合には、作業者が前記複数のネジを一本ずつドライバ等で外して、取り外し対象の光学部材の周辺部材を含めて分解する必要が必要があり、大変に面倒な取り外し作業を要する。
また、このような露光装置では、各光学部材は枠材に装着される。ここで、マスク上に形成されたパターンの像を基板に対して投影する露光装置に対しては、高解像度化の要求が日増しに高まっている。特に、半導体素子の製造に使用される露光装置では、近年の回路パターンの著しい微細化に対応すべく、露光精度のさらなる向上要求の増大が顕著である。
このような露光装置の露光精度を左右する要因のひとつとしては、その露光装置で使用される光学系の収差が挙げられる。つまり、光学系が大きな収差を有する場合には、基板上に到達するパターンの像が、想定外に縮小あるいは拡大されたり、歪んだりして、基板上における正確なパターンの像の転写が阻害される。
ここで、この収差には、光学系を構成する各光学部材自体が個別に有する収差の他に、それら光学部材を枠材に保持することにより発生する収差がある。このような枠材への保持により生じる収差は、主として、枠材に機械加工により形成された座面に光学部材が強く押し付けられることにより生じるものである。すなわち、枠材の座面は、切削等の機械加工により形成するため、いかに高精度に加工したとしても、その座面の表面上に微小な荒れやうねり等が存在する。このような座面に光学部材が強く押し付けられると、座面の微小な荒れ、うねり等の影響で、光学部材の光学面に微小な歪みが生じる。この光学面の歪みにより、収差が発生する。
これらの枠材への保持により生じる光学部材における光学面の歪みは、いずれも極めて微小なものであるが、極めて高い露光精度が要求される露光装置においては、無視できない問題となりつつある。また、この光学面の歪みに起因する収差は、光学部材と枠材の座面との接触面積が大きくなるほど大きくなる。
[発明の開示]
本発明の第1の目的は、不純物で汚染された光学部材を容易に脱着することができる露光装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、光学部材を光学部材装着部材あるいは筐体に保持する際に生じる収差を低減して、より正確な露光の可能な露光装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、不純物で汚染された光学部材を筐体に対して容易に脱着することができる光学部材装着部材を提供することにある。
本発明の第4の目的は、光学部材を少なくとも枠材に保持する際に生じる収差を低減することのできる光学部材装着部材を提供することにある。
本発明の第5の目的は、不純物で汚染された光学部材を容易に脱着することができる光学部材脱着用ジグを提供することにある。
本発明の第6の目的は、デバイスを効率よく製造することのできるデバイスの製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様では、光源からの照明光をマスク上に照射するとともに、そのマスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に転写する露光装置が提供される。露光装置は、照明光の光路中に配置される光学部材と、照明光の光路を含む第1空間を、その第1空間より不純物の濃度が高い第2空間から光学部材によって区画する筐体と、筐体に対して、光学部材を脱着自在に保持する保持機構とを有する。
本発明の第2の態様では、マスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に転写する露光装置が提供される。露光装置は、所定位置に形成されたパターンの像または所定位置に配置された発光パターンを検出するための検出光の光路中に配置される光学部材と、検出光の光路を含む第3空間を、その第3空間より不純物の濃度が高い第4空間から光学部材によって区画する筐体と、筐体に対して、光学部材を脱着自在に保持する保持機構とを有する。
本発明の第3の態様では、光源からの照明光をマスク上に照射するとともに、そのマスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に転写する露光装置が提供される。露光装置は、照明光の光路中に配置される光学部材と、照明光の光路を含む第1空間を、その第1空間より不純物の濃度が高い第2空間から光学部材によって区画する筐体と、筐体に対して、光学部材を脱着自在に保持する保持機構とを有し、保持機構は、光学部材の周囲を保持する枠材に設けられた連結部と、筐体に設けられ、連結部が係合する係合部とを有し、連結部と係合部とを第1の位置で係合するとともに、連結部と係合部との係合を第1の位置と異なる第2の位置で解除する。
本発明の第4の態様では、光学部材と前記光学部材の周囲を保持する枠材とを備える光学部材装着部材が提供される。枠材は、外周面から所定の間隔をおいて配置され、かつ外方に向かって突出する複数の突出部を有する。
本発明の第5の態様では、光学部材と前記光学部材の周囲を保持する枠材とを備える光学部材装着部材が提供される。枠材は、外周面から所定の間隔をおいて配置され、かつ外方に向かって突出する複数の突出部と、光学部材の周囲を支持する少なくとも3つの座部と、座部との間で光学部材を弾性的に挟持する弾性保持部材とを有する。
本発明の第6の態様では、光源からの照明光をマスク上に照射するとともに、そのマスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に転写する露光装置に対して、光学部材を脱着するための光学部材脱着ジグが提供される。光学部材脱着ジグは、光学部材の周囲を保持する枠材を支持する支持機構と、枠材に設けられた連結部が筐体に設けられた係合部に対して係合する第1の位置とその係合が解除される第2の位置とに切換移動させるための駆動力を前記枠材に伝達するための駆動力伝達部材とを備える。
本発明の第7の態様では、光源からの照明光をマスク上に照射するとともに、そのマスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に転写するデバイスの製造方法が提供される。デバイスの製造方法は、照明光の光路中に配置される光学部材と、照明光の光路を含む第1空間を、その第1空間より不純物の濃度が高い第2空間から光学部材によって区画する筐体と、筐体に対して、光学部材を脱着自在に保持する保持機構とを有する露光装置を用いてデバイスを製造する。
[発明を実施するための最良の形態]
(第1実施形態)
本発明に従う第1実施形態の半導体素子製造用の露光装置20には、光学系として例えば、図1に示される照明光学系31及び投影光学系41、図2に示される照明光学系60、受光光学系61、空間像検出系63、図3に示されるアライメント光学系68が装備される。そして、これら各光学系の端部には平行平板又はカバーガラスが配置される。すなわち、照明光学系31の端部には平行平板38が配設され、投影光学系41の端部には平行平板44が配置され、照明光学系60の端部及び受光光学系61の端部には不図示の平行平板が配置され、空間像検出系63の端部にはカバーガラス64が配設され、アライメント光学系68の端部には平行平板76が配設される。また、これら平行平板及びカバーガラスは平行平板装着部材79によって保持され、この平行平板装着部材79は、平行平板着脱ジグ115によって筐体に対して着脱される。以下、図1〜図10を参照して露光装置20を説明する。
図1に示すように、露光装置20は、光源としての露光光源21と露光装置本体22とビーム・マッチング・ユニット(以下、「BMU」という。)23とから構成されている。露光光源21は、照明光ELとして、例えばArFエキシマレーザ光(波長:193nm)を出射するエキシマレーザ光源となっている。BMU23は複数の光学素子で構成され、これら複数の光学素子はBMU室39に収容される。このBMU室39は露光光源21と露光装置本体22とを光学的に接続し、このBMU23を介して露光光源21から出射された照明光ELが露光装置本体22内に導かれるようになっている。BMU室39と照明系鏡筒26とは脱ガス発生が抑制された蛇腹部材39で連結される。
露光装置本体22は、照明光ELの照射によりマスクとしてのレチクルR上に形成されたパターンの像をウエハW上に転写するものであり、以下にその概略構成について説明する。
露光装置本体22はチャンバ25内に収容される。チャンバ25内には、照明系鏡筒26と、レチクル室27と、筐体及び鏡筒としての投影系鏡筒28と、第2空間及び第4空間としてのウエハ室29とが、BMU23を介して導入された照明光ELの光軸方向に順次配置されている。このチャンバ25は図示しない空調装置を備えており、露光装置20本体の動作を制御する主制御系30の制御の下で、このチャンバ25の内部が所定の温度及び湿度に保たれるようになっている。
レチクル室27には、駆動装置としてのレチクルステージRSTが配置されている。このレチクルステージRSTにより、所定のパターンが形成されたマスクとしてのレチクルRが、照明光ELの光軸と直交するように保持されるようになっている。また、ウエハ室29には、駆動装置としてのウエハステージWSTが配置されている。そして、このウエハステージWSTにより、照明光ELに対して感光性を有するフォトレジストが塗布された基板としてのウエハWが、その照明光ELの光軸と直交する面内において移動可能、かつその光軸に沿って微動可能に保持されるようになっている。
照明系鏡筒26内には、レチクルRを照明するための照明光学系31が収容されている。この照明光学系31は、複数のミラー32、オプティカルインテグレータをなすフライアイレンズ(ロッドインテグレータでもよい)33、リレー光学系34、コンデンサレンズ35等の光学部材からなっている。フライアイレンズ33は、露光光源21からの照明光ELを入射し、その射出面に多数の二次光源像を形成する。リレー光学系34の後方には、照明光ELの形状を整形するためのレチクルブラインド36が配置されている。
照明系鏡筒26の両端におけるBMU側開口部37a及びレチクル側開口部37bには、照明光学系の一部の光学素子として円板状の平行平板38が配置されている。この平行平板38は、照明光ELを透過する物質(合成石英、蛍石など)により形成されている。BMU側開口部37aに配置された平行平板38によって、BMU室28の内部空間と照明系鏡筒25の内部空間とが分離される。また、照明系鏡筒26は、鏡筒26と平行平板38とによって複数の第1空間としての照明気密室40を区画している。そして、各照明気密室40には、ミラー32、フライアイレンズ33、リレー光学系34、レチクルブラインド36及びコンデンサレンズ35の各光学部材やレチクルブラインド36が単独であるいはいくつか組み合わされて収容されている。
投影系鏡筒28内には、照明光学系31によって照明されるレチクルR上のパターンの像をウエハW上に投影するための投影光学系41が収容されている。この投影光学系41は、投影光学系を構成する光学素子として、複数のレンズエレメント42を有する。投影系鏡筒28の両端の開口部43には、前記平行平板38と同様の平行平板44が配置され、この平行平板44及び投影系鏡筒28によって投影系鏡筒28の内部に第1空間としての投影気密室45を形成している。
BMU室39、照明気密室40、レチクル室27、投影気密室45及びウエハ室29には、パージガス供給系48が接続されている。このパージガス供給系48を介して、BMU室39及び各室40,27,45,29に対して、マイクロデバイス工場のユーティリティプラント内のタンク49より、不活性ガスからなるパージガスが供給されるようになっている。ここで、前記不活性ガスとは、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等の中から選択された単体のガス、あるいはその混合ガスである。
パージガス供給系48の給気配管50中には、パージガス中に含まれる不純物を除去するためのフィルタ51及びパージガスを所定の温度に調整するとともにパージガス中の水分を除去する温調乾燥器52が介装されている。そして、BMU室39及び各室40,27,45,29は、排気配管53を介して半導体素子製造工場の排気ダクト54に接続されている。また、チャンバ25も同排気ダクト54に接続されている。これにより、BMU室39、各気密室40,45内に供給されたパージガスは、排気ダクト54を介して、工場の外部に排出されるようになっている。
なお、この不純物には、ミラー32,フライアイレンズ33、リレー光学系34、コンデンサレンズ35、平行平板38,44及びレンズエレメント42等の光学部材の表面上に、照明光EL照射下で堆積して曇り現象を生じせしめる汚染物質が含まれる。また、ArFエキシマレーザ光を強く吸収する酸素等の吸光物質が含まれる。汚染物質としては、例えば有機ケイ素化合物、アンモニウム塩、硫酸塩、ウエハW上のレジストからの揮散物、駆動部を有する構成部品に使用される摺動性改善剤からの揮散物、チャンバ25内の電気部品に給電あるいは信号供給するための配線の被覆層からの揮散物等がある。
次に、ウエハステージWSTの周辺構成について、説明する。
図2に示すように、ウエハステージWSTは、ウエハ室29の外に配置されたウエハステージ駆動部57により、ウエハWの表面が、投影光学系41の最適結像面に対し、任意方向に傾斜可能で、かつ投影光学系41の光軸方向(Z方向)に微動可能になっている。また、ウエハステージWSTは、任意のショット領域を投影光学系41に対応させるために、投影光学系41の光軸と直交する面内(X方向及びY方向)にも移動可能に構成されている。
これにより、ウエハW上の各ショット領域を一括露光する動作と、次のショット領域まで移動する動作とを繰り返すステップ・アンド・リピート動作が可能になっている。なお、図2において、投影光学系41の光軸(Z方向)に直交するとともに紙面と平行な方向をX方向とし、同光軸及び紙面に直交する方向をY方向とする。
ウエハステージWSTの端部には、干渉計58からのレーザビームを反射する移動鏡59が固定されており、ウエハステージWSTのXY方向の位置は干渉計58によって常時検出される。なお、図2においては、X方向のみの干渉計58及び移動鏡59が示されているが、Y方向にも干渉計及び移動鏡が配置される。そして、ウエハステージWSTの位置情報は、露光装置20本体を制御する主制御系30に送られる。主制御系30は、この位置情報に基づいて前記ウエハステージ駆動部57を制御する。
また、ウエハ室29内には、投影光学系41の光軸を挟むように、照射光学系60と受光光学系61とからなる斜入射方式のウエハ位置検出系(以下、「焦点検出系」という)62が配設されている。照射光学系60は、ウエハWの表面等に向けてピンホールあるいはスリット像を多数形成するための結像光束を、投影光学系41の光軸方向に対して斜め方向より供給するものである。受光光学系61は、その結像光束のウエハWの表面での反射光束を照射光学系60側のピンホールあるいはスリットと対応するピンホールあるいはスリットを介して受光するものである。
この焦点検出系62の構成等は、例えば特開昭60−168112号公報に開示されており、ここでの詳細な説明は省略する。前記焦点検出系62は、予め設定された基準位置に対するウエハWの表面のZ方向の位置偏差を検出する。検出されたウエハWの位置情報は、主制御系30に送られる。主制御系30は、このウエハWの位置情報に基づいて、ウエハWの表面と投影光学系41の結像面とがほぼ一致するようにウエハステージWSTをZ方向に駆動する。
また、ウエハステージWST上のウエハWの近傍には、投影光学系41を介して、レチクルRに形成されたアライメント間のパターン像を検出する空間像検出系63が配備されている。この空間像検出系63は、光学部材としてのカバーガラス64と受光センサ65とを有している。カバーガラス64にはウエハWの表面の高さとほぼ一致するように設定された基準面が形成され、その基準面上には光学的開口が形成されている。受光センサ65は、カバーガラス64の下方に配設される照度センサからなっている。なお、空間像検出系63は、筐体をなすウエハステージWSTと、カバーガラス64とにより区画された第3空間をなすウエハステージWSTの内部に収容されている。
この空間像検出系63では、カバーガラス64の光学的開口を通過したパターン像の光強度を測定する。パターン像の光強度に関する検出信号が、信号処理部66を介して主制御系30に入力されるようになっている。この信号は、主に、焦点検出系62における基準位置の較正に用いられる。
さらに、投影光学系41の側面には、オフ・アクシス方式のウエハアライメント顕微鏡(以下、「WA顕微鏡」という)67が、その先端がウエハ室29内に位置するように装備されている。図3に示すように、このWA顕微鏡67は、例えば広波長帯域の光を用いる画像処理方式のアライメント光学系(以下、「FIA光学系」という)68により構成されている。すなわち、照明光源69からの検出光としての出射光MLiは、FIA光学系68内のハーフミラー70で反射され、ウエハW上に形成されたアライメントマークを照明する。そのアライメントマークからの検出光としての反射光MLrは、前記FIA光学系68に戻り、そのFIA光学系68内においてハーフミラー70を透過し、ハーフプリズム71に入射する。そして、このハーフプリズム71において、反射光MLrは2つの光束に分割される。
分割された各光束は、それぞれ2次元CCDよりなるX軸用及びY軸用の2つの撮像素子72の撮像面上にアライメントマークの像を結像させる。このとき、各撮像素子72の撮像面には、FIA光学系68の内部に配置された指標板73上の指標マークの像も同時に結像される。この撮像面における受光像は、光電変換により撮像信号に変換されて信号処理装置74に入力される。この信号処理装置74において、図2に示す主制御系30の制御のもとで、撮像信号に基づいてアライメントマークの投影像の指標マークに対する位置ずれが求められる。なお、FIA光学系68は、筐体としてのFIA筐体75と、前記出射光MLiの出射端と反射光MLrの入射端とを兼ねる光学部材としてのカバーガラス76とにより区画された第3空間としての収容室77内に収容されている。
この場合、WA顕微鏡67の検出中心とレチクルRの投影領域の中心との間隔であるベースライン量に対する指標マークの位置のオフセット量を予め求めておく。そして、このオフセット量とWA顕微鏡67で計測された指標マークに対するアライメントマークの像の位置ずれ量とに基づいて、ウエハステージ駆動部57によりウエハWの位置が調整される。これにより、ウエハW上の各ショット領域が所定位置に配置され、その各ショット領域のアライメントが正確に行われるようになっている。
次に、平行平板38,44及びカバーガラス64,76を、照明系鏡筒26、投影系鏡筒28、ウエハステージWST及びFIA筐体75のそれぞれに対して保持する保持機構80について説明する。ここでは、投影系鏡筒28のウエハW側の開口部43に嵌合される平行平板44の保持機構80、及びその平行平板44を有する光学部材装着部材としての平行平板装着部材79を例に取って説明する。
図4及び図6に示すように、平行平板装着部材79は、平行平板44と、その平行平板44の周囲を保持する枠材81とからなっている。そして、この平行平板装着部材79を、投影系鏡筒28の開口部43に取付けることで、平行平板44が枠材81を介してその開口部43に配置される。そして、この枠材81が、その枠材81に設けられた連結部をなす突出部82と投影系鏡筒28のウエハW側端部をなす先端鏡筒83に設けられた係合部84とからなる保持機構80の係合により投影系鏡筒28に対して保持されるようになっている。
ここで、図4は、投影系鏡筒28のウエハW側端部及び後述する光学部材脱着ジグとしての平行平板脱着ジグ115とを示す斜視図である。また、図5は、投影系鏡筒28のウエハW側端部の正面図であり、図6はその投影系鏡筒28のウエハW側端部を分解して示す斜視図であり、図7はその投影系鏡筒28のウエハW側端部の断面図である。また、図10は、前記枠材81を内側(投影系鏡筒28に装着される側)から見た平面図である。
図7及び図10に示すように、枠材81は略円筒状に形成され、その下方には開口部85が形成されている。この開口部85を形成する底板86における内周縁には、その全周にわたって平行平板44の周線が載置される座面をなす段部87が形成されている。平行平板44は、図10に示すように、底板86の内底面上にネジ止めされる複数(本実施形態では3個)の光学部材保持機構をなす係止金具88を介して枠材81に対して固定されている。
この係止金具88は、平板状の金属薄板がクランク状に屈曲された屈曲板ばね部材かつ係合保持部材となっている。係止金具88は、その基端側が枠材81の底板86上に凹設された金具受け部86aに対して、その金具受け部86aのねじ孔86bに螺入される留めねじ88aにより固定されている。また、係止金具88の先端側は、平行平板44の周縁に沿うように屈曲された形状となっている。そして、係止金具88を、その先端部を平行平板44の周縁に係合させつつ、基端部を枠材81の金具受け部86aに固定することで、平行平板44が枠材81の段部87と係止金具88の先端部との間で弾性的に挟持される。
また、枠材81の上方開口部89側の外周面には、等角度間隔おきに、かつ金具受け部86aを中心に外周面の周方向に所定の長さをもって延びるように複数(本実施形態では3つ)の突出部82が突出されている。この突出部82における上面側には、中央から端に向かって下がり勾配を有する傾斜面90が形成されている。
また、図9は、枠材81を装着した状態における投影系鏡筒28のウエハ側端部の底面図である。この図9に示すように、枠材81における底板86の外面上には、等角度間隔おきに複数(本実施形態では3ヶ所)のジグ装着孔91が穿設されている。このジグ装着孔91は、平行平板44を装着した枠材81を単独で輸送する場合において、その平行平板44を保護するために取着する保護カバーの取付孔を兼ねている。また、このジグ装着孔91は、露光装置本体22を出荷する時に、平行平板44を保護するために取り付ける保護カバーの取付孔を兼ねている。
図6〜図8に示すように、先端鏡筒83は略円筒状に形成され、その下方には開口部94が形成されている。開口部94を形成する底板95における内底面の内周縁には、図8に示すように、その周方向において複数(本実施形態では3つ)の第1の凹部としての脱着用凹部96と複数(本実施形態では3つ)の前記係合部84とが交互に設けられている。その係合部84は、底板95の内底面より一段下がった状態で、脱着用凹部96の底面から突出するように形成されている。この係合部84のうち1つには、その内側面(枠材81の突出部82との摺接面)上に、枠材81の突出部82の回転方向前側端に当接してその突出部82を位置決めする位置決め突起97が設けられている。
また、底板95の内底面上には、平面L字状をなす押圧部材としてのL字状板ばね98が、各係合部84に対応するとともに自由端がその係合部84に対向するように、その一端でネジ止めされている。L字状板ばね98の自由端の端部には、半球状をなす半球状突部98aが形成されている。L字状板ばね98は、この半球状突部98aにおいて、先端鏡筒83の係合部84と係合された状態の枠材81の突出部82に当接する。そして、L字状板ばね98は、その突出部82を係合部84に対して平行平板44の光軸と平行な方向に沿って押し付ける役割を担っている。さらに、底板95の内底面上には、平板状の枠材規制部材99が、各脱着用凹部96に対応するとともに一端がその脱着用凹部96内に露出するように取着されている。
図5に示すように、投影系鏡筒28の鏡筒本体102と先端鏡筒83の円筒部83aとの間には、円筒状をなす一対のチルト部材103,104が介装されている。このチルト部材103,104は、先端鏡筒83に枠材81を介して装着された平行平板44の投影光学系41の光軸に対する傾斜を変更するためのものである。すなわち、両チルト部材103,104は、投影光学系41の光軸に垂直な面に対してわずかに傾いた摺り合わせ面105を介して摺動可能に連結されている。そして、両チルト部材103,104を投影光学系41の光軸周りに相対的に回転させることにより、投影光学系41の光軸に対する平行平板44の法線の傾き角及び傾き方向を調節できるようになっている。
そして、図6に示すように、投影系鏡筒28の鏡筒本体102は、その先端鏡筒83側部分は二重の円筒状となっている。この鏡筒本体102の外筒部106は、チルト部材103,104を介して先端鏡筒83の円筒部83aに連結されている。一方、この鏡筒本体102の内筒部107は、外筒部106に比べて両チルト部材103,104の分だけ長く、かつ内径及び外径が前記枠材81の円筒部81aとほぼ同一となるよう形成されている。この内筒部107は、先端鏡筒83に装着された枠材81の円筒部81aに対し、断面略V字状の円環状をなすシール部材としてのVリング108を介して連続するようになっている。なお、投影光学系41を構成する複数のレンズエレメント42は、内筒部107内に収容される。
図7に示すように、このVリング108は、枠材81の突出部82及び先端鏡筒83の係合部84より内側に配置される。これにより、内筒部107と枠材81と平行平板44との内部に、投影気密室45が区画されるとともに、その投影気密室45の気密性が保たれるようになっている。このVリング108は、その一側片としての第1側片109の外側面110が、そのほぼ全面にわたって鏡筒本体102における内筒部107の端面107aに対して接合されている。そして、その第1側片109に対して斜め方向に延びる他側片としての第2側片111は、そのほぼ全体が弾性変形されつつ、その先端部112の全周において枠材81の円筒部81aの端面81bに当接されるようになっている。このように、このVリング108は、鏡筒本体102側の第1側片109よりも枠材81側の第2側片111の方が弾性変形しやすいものとなっている。
次に、平行平板44を枠材81に装着した状態で、投影系鏡筒28に対して脱着するための光学部材脱着ジグとしての平行平板脱着ジグ(以下、単に「脱着ジグ」という)115について説明する。
図4に示すように、この脱着ジグ115は、その基台116が略円柱状をなしている。その基台116の上面には、そのほぼ全面にわたってフッ素樹脂シート117が接合固定されている。また、その基台116の上面には、支持機構をなす複数(本実施形態で3つ)の磁石118が、枠材81の底板86と対応する位置において、フッ素樹脂シート117に埋め込まれるようにして設けられている。さらに、基台116には、駆動力伝達部材をなす複数(本実施形態では3つ)の駆動力伝達軸119が、上面の周縁の近傍における前記枠材81のジグ装着孔91と対応する位置に突設されている。また、基台116の外周面には、鋸刃状のグリップ部120が形成されている。
次に、前記脱着ジグ115を用いて、平行平板44を装着した枠材81を投影系鏡筒28の先端鏡筒83に対して脱着する際の動作について説明する。
まず、枠材81の突出部82と先端鏡筒83の係合部84とが第1の位置としての係合位置にあるときの突出部82と先端鏡筒83との係合状態について説明する。図7及び図8に示すように、この係合状態では、枠材81の突出部82が先端鏡筒83の係合部84上に、完全に乗り上げて接合した状態となっている。この状態で、突出部82は、L字状板ばね98の付勢力により係合部84側に平行平板44の光軸と平行な方向に沿って押圧されている。そして、突出部82の外周面と係合部84に隣接する底板95の内周面との当接により、枠材81がその径方向に位置決めされている。また、突出部82の回転方向前側端と係合部84の位置決め突起97との当接により、枠材81がその回転方向に位置決めされている。
そして、この係合状態の枠材81を、先端鏡筒83から取り外す際には、まず、図4に示すように脱着ジグ115をその伝達軸119が枠材81のジグ装着孔91に対応する位置に配置する。次に、その伝達軸119を前記ジグ装着孔91に挿嵌させつつ、脱着ジグ115の磁石118により枠材81の底板86を支持させる。この際、その枠材81の底板86は、フッ素樹脂シート117を介して脱着ジグ115に支持されるため、この支持時に平行平板44に金属製の脱着ジグ115が当接したり、金属同士の枠材81と脱着ジグ115とが直接接触したりするのが回避される。これにより、脱着ジグ115により枠材81を支持する際において、不純物の発生が抑制される。
そして、突出部82の端部と位置決め突起97とが離間する方向に脱着ジグ115を回転させると、その回転力が伝達軸119を介して枠材81に伝達される。この回転により、突出部82と係合部84とが摺接状態で相対移動され、突出部82が先端鏡筒83の脱着用凹部96と対応する第2の位置としての脱着位置に配置される。これにより、突出部82と係合部84との係合が解除される。この状態で、枠材81を投影光学系41の光軸方向に沿って下方に移動させると、その枠材81が先端鏡筒83から離脱される。
一方、平行平板44を装着した枠材81を投影系鏡筒28の先端鏡筒83に対して取り付ける場合には、まず脱着ジグ115の伝達軸119をジグ装着孔91に挿嵌させつつ、磁石118により枠材81の底板86を脱着ジグ115に支持させる。次いで、枠材81の突出部82と先端鏡筒83の脱着用凹部96と対応させて、枠材81を投影光学系41の光軸に沿って上方に移動させる。やがて、突出部82は先端鏡筒83の枠材規制部材99に当接し、その突出部82が脱着位置に配置される。この状態から、脱着ジグ115を取り外し時とは逆方向に回転させて、突出部82の端部を位置決め突起97に当接させる。これにより、突出部82が係合位置に配置され、突出部82と係合部84とが係合されて、枠材81の先端鏡筒83に対する取り付けが完了する。このとき、鏡筒本体102における内筒部107の端面107aに固定されたVリング108が、枠材81の円筒部81aの端面81bに接触する。このVリング108により、両チルト部材103,104を回転させたとしても、光路内空間を外気から隔離することができる。
なお、照明系鏡筒26に装着される平行平板38、投影系鏡筒28のレチクル側端に装着される平行平板44及び、空間像検出系63に装着されるカバーガラス64及びFIA光学系68に装着されるカバーガラス76、また焦点検出系62における照射光学系60及び受光光学系61の先端に装着されるカバーガラス(図示略)も、前記と同様な保持機構80を介して装着されている。ここで、これらの場合には、枠材81と先端鏡筒83との間の両チルト部材103,104が省略されることが多い。
従って、本実施形態の露光装置20、平行平板装着部材79及び脱着ジグ115は、以下の利点を有する。
(イ) 露光装置20には、照明光ELの光路を照明気密室40及び投影気密室45を、両気密室40,45より不純物の濃度が高いレチクル室27及びウエハ室29から平行平板38,44とともに区画する照明系鏡筒26及び投影系鏡筒28が設けられている。そして、平行平板38,44が、保持機構80により両鏡筒26,28に対して脱着自在に保持されている。
このため、照明系鏡筒26及び投影系鏡筒28の一部を分解したりすることなく、不純物で汚染された平行平板38,44を各鏡筒26,28に対して容易かつ迅速に脱着することができる。そして、汚染された平行平板38,44の脱着に伴う露光装置20の停止時間を最小限に留めることができる。これにより、平行平板38,44の脱着に伴うデバイス製造の効率低下を最低限に留めることができる。
特に、レチクル室27及びウエハ室29は、レチクルR及びウエハWの交換等でチャンバ25内の他の空間と連通される機会が多く、レチクルR、ウエハWの移動も多いため、不純物の濃度が高くなりやすい。このため、平行平板38,44を取り外しての点検、清掃あるいは平行平板38,44自体の交換の機会が多くなる。従って、平行平板38,44を、保持機構80により両鏡筒26,28に対して脱着自在に保持したことで、デバイス製造の効率低下の抑制効果が、特に顕著に発揮される。
また、汚染されやすい平行平板44が、露光装置20の露光性能上、大きな比重を占める投影光学系41の一部を構成するような場合には、露光装置20における高い露光性能の維持が容易なものとなる。
(ロ) 露光装置20には、ウエハW上に形成されたパターンの像を検出するWA顕微鏡67及びウエハステージWST上の空間像検出系63が装備されている。そして、それらWA顕微鏡67及び空間像検出系63のカバーガラス64,76についても、照明系鏡筒26及び投影系鏡筒28の平行平板38,44と同様の保持機構80、及び平行平板装着部材79と同様の装着部材により保持されている。このため、これらカバーガラス64,76についても、前記(イ)に記載したのとほぼ同様の効果が発揮される。
(ハ) 露光装置20は、保持機構80が、平行平板38,44及びカバーガラス64,76の周囲を保持する枠材81に設けられた突出部82と、先端鏡筒83に設けられ、突出部82が係合する係合部84とを有している。そして、保持機構80は、突出部82と係合部84とを係合位置で係合するとともに、突出部82と係合部84との係合をその係合位置と異なる脱着位置で解除するようになっている。
このような簡単な構成の保持機構80を装備することで、不純物で汚染された平行平板38,44及びカバーガラス64,76を容易かつ迅速に脱着することができるという優れた効果を発揮させることができる。このため、露光装置20の構成が複雑化するのを回避することができる。
(ニ) 露光装置20では、枠材81を先端鏡筒83に対して平行平板38,44及びカバーガラス64,76の光軸周りに回転させることによって、係合位置から着脱位置に移動させて、突出部82と係合部84との係合が解除される。そして、この状態から、前記枠材81を前記平行平板38,44及びカバーガラス64,76の光軸方向に移動させることで、枠材81が先端鏡筒83から離脱するようになっている。
このため、汚染された平行平板38,44及びカバーガラス64,76を、その光軸周りに回転させるとともに、光軸方向に移動させるといった簡単な操作で脱着することができる。
(ホ) 露光装置20において、保持機構80には、枠材81と先端鏡筒83との間に配置され、照明系鏡筒26、投影系鏡筒28、収容室77内の気密性を確保するためのVリング108が装着されている。そして、このVリング108は、保持機構の80の突出部82及び係合部84の内側に配置されている。
枠材81の突出部82と先端鏡筒83の係合部84との係脱をスムースにするために、それらの突出部82と係合部84との間に摺動性改善剤を介在させることがある。このように、摺動性改善剤を介在させたとしても、その摺動性改善剤の影響が照明系鏡筒26、投影系鏡筒28、収容室77の内部に及ぶのを抑制できて、各鏡筒26及び収容室77の内部を清浄に保つことができる。
(ヘ) 投影光学系41では、その投影光学系41のもつ収差を微調整するために、その投影光学系41の先端に配置される平行平板44の投影光学系41の光軸に対する傾斜を変化させることがある。これに対して、露光装置20において、Vリング108が先端鏡筒83に接する第1側片109より、枠材81に接する第2側片111の方が変形しやすくなっている。
このため、Vリング108の存在により、保持機構80を介して保持された平行平板44の傾斜調整が阻害されるのを抑制することができる。従って、投影気密室45の高い気密性を保ちつつ、保持機構80を介して保持された平行平板44に傾斜調整の高い自由度を付与することができる。
(ト) 露光装置20には、先端鏡筒83の係合部84に対向するように、枠材81の突出部82を押圧するL字状板ばね98が設けられている。このため、枠材81の突出部82が、先端鏡筒83の係合部84とL字状板ばね98とで押圧状態で挟持される。従って、前記突出部82と前記係合部84との係合がより安定したものとなり、平行平板38,44及びカバーガラス64,76の照明系鏡筒26、投影系鏡筒28、ウエハステージWST及びFIA筐体75に対する保持の安定性を向上させることができる。
(チ) 露光装置20には、先端鏡筒83の各脱着用凹部96に対応するように、枠材規制部材99が設けられている。このため、枠材81を先端鏡筒83に装着するときに、その枠材81が必要以上に照明系鏡筒26、投影系鏡筒28、ウエハステージWST及びFIA筐体75内に進入するのが規制される。従って、照明系鏡筒26、投影系鏡筒28、ウエハステージWST及びFIA筐体75のさらに奥部に配置された他の光学部材に枠材81が衝突するのを未然に回避することができる。
(リ) 脱着ジグ115には、平行平板38,44の周囲を保持する枠材81を支持する磁石118と、その枠材81にその突出部82を係合位置と脱着位置とに切換移動させるための回転力を伝達する伝達軸119とが設けられている。このため、このような簡単な構成の脱着ジグ115を用いて、平行平板38,44及びカバーガラス64,76を照明系鏡筒26、投影系鏡筒28、ウエハステージWST及びFIA筐体75に対して容易に脱着することができる。しかも、脱着ジグ115を枠材81に対して容易に装着することができて、平行平板38,44及びカバーガラス64,76の脱着作業を一層容易なものとすることができる。
(ヌ) 脱着ジグ115には、枠材81の底板86がフッ素樹脂シート117を介して支持されるようになっている。このため、枠材81を磁石118で支持する際において、平行平板44に金属製の脱着ジグ115が当接したり、金属同士の枠材81と脱着ジグ115とが直接接触したりするのが回避される。従って、脱着ジグ115により枠材81を支持する際において、不純物の発生するのを抑制することができる。
(ル) 枠材81は、平行平板38,44及びカバーガラス64,76の周縁に係合して、段部87との間で平行平板38,44及びカバーガラス64,76を挟持する係止金具88を有している。このため、係止金具88により、平行平板38,44及びカバーガラス64,76において、その光軸と交差する方向への移動をより確実に抑制することができる。
また、係止金具88の平行平板38,44及びカバーガラス64,76に対する押圧力を調整することによって、平行平板38,44及びカバーガラス64,76の枠材81の段部87に対する押し付け力を調整することができる。これにより、枠材81への保持による平行平板38,44及びカバーガラス64,76における光学面の歪みの発生を低減することができる。
(ヲ) 平行平板38,44及びカバーガラス64,76に不純物が付着した場合でも、その付着が軽微であるような場合には、露光装置20の動作を一旦停止して、付着物を拭き取るといった拭き洗浄を行うことがある。このような拭き洗浄を行う場合には、平行平板38,44及びカバーガラス64,76に対してその光軸方向に沿って照明系鏡筒26、投影系鏡筒28、空間像検出系63の筐体及びFIA筐体75の内部側へと向かう力が作用することになる。
ここで、枠材81の係止金具88は、平行平板38,44及びカバーガラス64,76周縁に沿うように屈曲された屈曲板ばね部材となっている。このため、拭き洗浄を行うような場合であっても、平行平板38,44及びカバーガラス64,76の光軸方向の移動が、係止金具88の先端部で規制される。これにより、その平行平板38,44及びカバーガラス64,76が他の光学部材と接近して配置されているような場合であっても、それら平行平板38,44及びカバーガラス64,76と他の光学部材との干渉を効果的に抑制することができる。
(ワ) 枠材81は、留めねじ88a、次いで係止金具88を外すことで、平行平板38,44及びカバーガラス64,76を容易に着脱することができる。このため、枠材81に対する平行平板38,44及びカバーガラス64,76の交換を容易かつ迅速に行うことができて、露光装置20の運転コストの低減を図ることできる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の平行平板装着部材131について、第1実施形態とは異なる部分を中心に説明する。
図11は第2実施形態の平行平板装着部材131における枠材132を示す平面図であり、図12は枠材132における平行平板44及び係止金具88を外した状態を示す斜視図である。
第2実施形態においては、図11及び図12に示すように、突出部82が枠材132の外周面における金具受け部86aの中間に対応する位置に突出されている。そして、枠材132の段部87上の各金具受け部86aに対応する部分には、座部133が突設されている。これにより、本実施形態の平行平板装着部材131では、平行平板44の周囲が3対の係止金具88と座部133との間で挟持される。なお、図11及び図12では、理解を容易にするために各座部133の高さ(平行平板44の光軸方向における突出量)を誇張して描いてあり、実際は、この座部133の高さが数μm程度となっている。このため、この平行平板44と枠材132の段部87との間を介して投影系鏡筒28の内部から外部に漏出する不活性ガスの量は、わずかなものとなっている。
第2実施形態の平行平板装着部材131、その平行平板装着部材131を用いた露光装置20、及び平行平板装着部材131の脱着ジグ115は、第1実施形態の(イ)〜(ワ)の利点に加えて、以下の利点を有する。
(カ) 平行平板44は、3対の係止金具88と座部133とで挟持される。このため、平行平板44と枠材132との接触面積が小さくなり、平行平板44に対する座部133の荒れやうねりの影響を低減することができる。従って、平行平板44を平行平板装着部材131で保持することで生じる平行平板44の光学面の歪みを小さくすることができて、露光装置20の露光精度を向上することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態の平行平板装着部材141について、第1及び第2実施形態とは異なる部分を中心に説明する。
第3実施形態においては、図13〜図20に示すように、枠材142において第1及び第2実施形態の係止金具88に代えて、平行平板44を着脱可能に保持する光学部材保持機構をなす平行平板保持機構143が配備されている。また、先端鏡筒83の係合部84に係合する突出部144の構成が、第1及び第2実施形態とは異なっている。
図13は、第3実施形態の平行平板装着部材141における枠材142を示す平面図であり、図14は平行平板保持機構143及び突出部144を拡大して示す斜視図である。また、図15は、平行平板保持機構143を異なる角度から見るとともに分解した状態で示す拡大斜視図である。なお、図15では、平行平板44が省略されている。
図13〜図15に示すように、平行平板保持機構143は、弾性保持部材及び押圧保持部材としてのI字状板ばね145と、位置決め部材をなす板ばねリテーナ146と、調整ワッシャ147とから構成されている。
枠材142の段部87上には、第2実施形態と同様に、等角度間隔で3点の座部133が形成されている。枠材142の底板86には、座部133に対応するように形成された位置決め部をなすリテーナ受け部148が凹設されている。板ばねリテーナ146は、I字状板ばね145を平行平板44に対して所定位置に位置決めするためのものである。リテーナ受け部148は、板ばねリテーナ146を枠材142の所定位置に位置決めするために形成されている。
板ばねリテーナ146は、略Σ字状をなしており、その橋架部149には2つのボルト挿通孔150と1つのジグ取付ねじ孔151が設けられている。板ばねリテーナ146は、リテーナ受け部148に係合した状態で、ボルト挿通孔150に挿通されるボルト152により底板86に固定されている。リテーナ受け部148と板ばねリテーナ146との間には、段差吸収部材をなす調整ワッシャ147がボルト152に挿通された状態で介装されている。
図16は、板ばねリテーナ146とI字状板ばね145とを、平行平板44と対向する面側から見た分解斜視図である。板ばねリテーナ146の橋架部149の両端には、先端部153が突設されている。先端部153の基端側には、I字状板ばね145の両端に係合するとともにそのI字状板ばね145を位置決めする板ばね受け部154が凹設されている。また、板ばね受け部154の内側には、I字状板ばね145の撓みを許容する内側凹部155が形成されている。また、板ばねリテーナ146にI字状板ばね145が係合された状態では、板ばねリテーナ146における枠材142のリテーナ受け部148との接合面146aと、I字状板ばね145の平行平板44と対向する対向面145aとが、ほぼ同一平面状に配置されるようになっている。
I字状板ばね145の中央には、平行平板44の装着状態において平行平板44の周囲に当接する接触部材をなすスリーブ156が、かしめにより装着されている。なお、スリーブ156を脱ガス発生が抑制された接着剤で取付けてもよい。スリーブ156は、たとえば真鍮で形成され、I字状板ばね145は、例えばばね鋼で形成されている。図18に示すように、スリーブ156は、そのスリーブ156と枠材142の座部133とが平行平板44の光軸と平行な直線上にならぶように配置されている。
なお、図18は、I字状板ばね145と枠材142の座部133とによる平行平板44の挟持状態を示したものである。また、図17は、枠材142の座部133上に、平行平板44を載置した状態を示す一部断面斜視図である。
ここで、図17に示すように、枠材142の座部133とリテーナ受け部148とは、座部133上に平行平板44を載置したときに、平行平板44の上面とリテーナ受け部148の受け面148aとの間に所定の段差が生じるように形成されている。なお、図17においては、理解を容易にするために、座部133の高さ(段部87からの突出量)及び平行平板44の上面と受け面148aとの段差は、誇張して描いてある。
枠材142の座部133及びリテーナ受け部148とを切削加工により形成している関係上、平行平板44の上面と受け面148aとの段差には、枠材142の個体間及び各リテーナ受け部148間で、微妙に変動が生じうる。これらの段差における公差は、調整ワッシャ147の厚さを変更することで吸収する。
つまり、調整ワッシャ147は、予め少しずつ厚さの異なるように複数用意されている。そして、各リテーナ受け部148毎の段差に応じて、複数の調整ワッシャ147の中から、受け面148a上に配置された調整ワッシャ147の上面と平行平板44の上面とがほぼ同一平面上となるような最適な厚さの調整ワッシャ147を選択する。各リテーナ受け部148毎に選択された調整ワッシャ147を介して、板ばねリテーナ146をリテーナ受け部148に取り付ける。
ここで、I字状板ばね145と板ばねリテーナ146とは、I字状板ばね145が板ばねリテーナ146に係合された状態で、対向面145aと接合面146aとがほぼ同一平面上となるように形成されている。このため、平行平板44が平行平板装着部材141に挟持された状態では、I字状板ばね145が、その対向面145aからのスリーブ156の突出量分だけ撓むことになる。これにより、平行平板44は、その周囲において、3対の枠材142の段部87上の座部133とI字状板ばね145に装着されたスリーブ156との間に、所定の押圧力が作用した状態で弾性的に挟持される。
ここで、切削加工により形成される座部133の表面上には、微小なうねりや荒れが生じている。I字状板ばね145の撓み量は、平行平板の剛性を考慮して座部133の最も高い位置のみで支持されるように決定される。具体的には、撓み量は平行平板の周縁部の厚み、材質、平行平板の径、重量等を考慮して決定される。このため、座部133は、その表面の最も高い位置で平行平板44を支持することができる。なお、図18においては、理解を容易にするために、座部133の表面のうねり及び荒れを誇張して描いてあり、実際には極めて微小なものである。
板ばねリテーナ146の先端部153の自由端は、平行平板44が装着された状態で平行平板44の周囲に所定の間隔をおいて対応するように形成されており、移動規制手段を構成する移動規制部157を構成している。移動規制部157は、平行平板44にI字状板ばね145の押圧力に抗する力が作用して、平行平板44が光軸方向に移動されると、その平行平板44の周囲に当接して、平行平板44の光軸方向への移動を規制する。
次に、I字状板ばね145、板ばねリテーナ146及び調整ワッシャ147の枠材142に対する取付方法について説明する。図19(a)は、I字状板ばね145、板ばねリテーナ146及び調整ワッシャ147を保持機構取付ジグ158に取り付けた状態を示す斜視図であり、図19(b)は、その状態を反対側から見た斜視図である。
図19(a)及び図19(b)に示すように、まず保持機構取付ジグ158の先端のねじ部159を、板ばねリテーナ146のジグ取付ねじ孔151に螺入して、保持機構取付ジグ158と板ばねリテーナ146とを一体化する。次いで、I字状板ばね145を、その長手方向の両端部が板ばねリテーナ146の長手方向の両端部に揃うように、板ばね受け部154に対して係合させる。この状態で、マグネット160を板ばねリテーナ146の橋架部149に磁着させ、このマグネット160の磁力でもって、I字状板ばね145を板ばねリテーナ146に仮止めする。
次に、枠材142の座部133上に載置された平行平板44の上面と、枠材142のリテーナ受け部148の受け面148aとの段差を測定し、その測定結果に基づいて、所定の厚さの調整ワッシャ147を選択する。そして、選択した調整ワッシャ147を、板ばねリテーナ146のボルト挿通孔150と対応する位置において、板ばねリテーナ146の接合面146aとI字状板ばね145の対向面145aと跨るように磁着させる。
この状態で、板ばねリテーナ146を、平行平板44の載置された枠材142のリテーナ受け部148にその側端縁及び内周壁に沿って係合させる。そして、まず、一方のボルト挿通孔150にボルト152を螺合させる。次に、マグネット160を取り外し、もう一方のボルト挿通孔150にボルト152を螺合させる。最後に、保持機構取付ジグ158のねじ部159を板ばねリテーナ146のジグ取付ねじ孔151から螺脱させて、保持機構取付ジグ158を枠材142から取り外す。
また、図13、図14及び図20に示すように、枠材142の突出部144には、平行平板44の光軸に直交し先端鏡筒83のL字状板ばね98に対向する第1の面としての板ばね側面163に、円錐状の内周面を有する第2の凹部としてのコーン溝164が形成されている。コーン溝164は、突出部144を先端鏡筒83の係合部84に連結させるべく回転させる際の回転方向後ろ側に形成されている。コーン溝164には、介装部材としての介装球体165が収容されている。ここで、介装球体165は、コーン溝164に収容された状態で、一部が板ばね側面163から突出するような大きさに形成されている。
一方、突出部144において、平行平板44の光軸に直交し、先端鏡筒83のい係合部84と係脱される第2の面としての係合部側面166には、係合部側面166から所定の高さをもって突出する接触部としての接触突部167が突出されている。なお、図20では、理解を容易にするために接触突部167の高さ(平行平板44の光軸方向における突出量)を誇張して描いてあり、実際は、この接触突部167の高さが数mm程度例えば、1mm程度以下となっている。接触突部167は、コーン溝164と平行平板44の光軸と、平行な直線L上に配置されている。
そして、枠材142の突出部144と先端鏡筒83の係合部84とが係合された状態では、突出部144の板ばね側面163から突出した介装球体165がL字状板ばね98により押圧される。なお、このL字状板ばね98は、第1実施形態のものとは異なり、半球状突部98aを有しない平板状をなしている。この押圧により、突出部144の接触突部167が先端鏡筒83の係合部84に押しつけられる。
第3実施形態の平行平板装着部材141、その平行平板装着部材141を用いた露光装置20及び平行平板装着部材141の脱着ジグ115は、第1及び第2実施形態の(イ)〜(ヌ)及び(カ)の利点に加えて、以下の利点を有する。
(ヨ) 枠材142の突出部144には、板ばね側面163に先端鏡筒83のL字状板ばね98で押圧される介装球体165を収容する3つのコーン溝164が設けられている。また、突出部144には、係合部側面166に先端鏡筒83の係合部84に接触する3つの接触突部167が設けられている。そして、各コーン溝164と各接触突部167とは、平行平板44の光軸方向に関して、ほぼ平行な方向に配置されている。
このため、突出部144が、接触面積の小さな接触突部167を介して先端鏡筒83の係合部84と係合することになる。これにより、係合部84の表面上の微小なうねりや荒れの影響で、突出部144と係合部84との係合に伴う枠材142の歪みの発生が抑制される。従って、平行平板44の光学面に歪みが生じるのが抑制され、露光装置20における露光精度を向上させることができる。
(タ) 平行平板装着部材141は、I字状板ばね145により、平行平板44の周囲をスリーブ156を介して、枠材142の段部87上の座部133側に押圧して、I字状板ばね145と座部133との間で平行平板44を弾性的に挟持する構成となっている。この平行平板装着部材141では、平行平板44が、I字状板ばね145により加えられる押圧力により、日常あるいは露光装置20の輸送時に作用しうる加速度の範囲内では、枠材142に対して移動しないように保持される。そして、その押圧力は、平行平板44が過度に枠材142の座部133に押し付けられることがない範囲に設定されている。このため、平行平板44が、座部133の表面上の微小なうねり及び荒れの影響を受けて歪められることが抑制される。従って、露光装置20における露光精度を高く維持することがことができる。
(レ) 例えば平行平板44に対する不純物の付着が軽微であるような場合には、露光装置20の動作を一旦停止して、付着物を拭き取るといった拭き洗浄を行うことがある。このような拭き洗浄を行う場合には、平行平板44に対してその光軸方向に沿って投影系鏡筒28の内部側へと向かう力が作用することになる。
ここで、板ばねリテーナ146の先端部153には、平行平板44がI字状板ばね145の押圧力に抗して、その光軸方向に沿って投影系鏡筒28の内部側に移動されたとき、平行平板44の周囲に当接して移動を規制する移動規制部157が形成されている。このため、その平行平板44が他の光学部材と接近して配置されているような場合であっても、平行平板44と他の光学部材との干渉を効果的に抑制することができる。
(ソ) 平行平板装着部材141では、スリーブ156が金属材料からなっている。このため、スリーブ156からの揮散物の発生がほとんどなく、投影系鏡筒28内の雰囲気を清浄に保つことができる。
(ツ) 平行平板装着部材141では、スリーブ156が、枠材142の座部133を通り平行平板44の光軸と平行な直線上に配置されている。このため、I字状板ばね145からの押圧力を、効率よく平行平板44の周囲に導くことができて、I字状板ばね145と座部133との間における平行平板44の挟持を、一層安定したものとすることができる。
(ネ) 平行平板装着部材141では、I字状板ばね145が、平板状の平板ばね部材からなっている。このため、平行平板44に対して、押圧力を安定して付与することができるとともに、その押圧力の制御を容易に行うことができる。
(ラ) 平行平板装着部材141では、枠材142に、I字状板ばね145を平行平板44に対して所定位置に保持する板ばねリテーナ146と、その板ばねリテーナ146を枠材142の所定位置に位置決めするリテーナ受け部148とが設けられている。このため、I字状板ばね145を板ばねリテーナ146に装着し、その板ばねリテーナ146を枠材142のリテーナ受け部148に装着することで、I字状板ばね145を平行平板44に対する所定の位置に、正確かつ容易に配置させることができる。
(ナ) リテーナ受け部148と平行平板44との間の段差は、枠材142、板ばねリテーナ146等の加工公差により変動する。
これに対して、平行平板装着部材141では、I字状板ばね145を板ばねリテーナ146に装着した状態で、I字状板ばね145と板ばねリテーナ146とが面一になるように構成されている。そして、I字状板ばね145を平行平板44の周囲に接触させるとともに、板ばねリテーナ146を枠材142に固定する。I字状板ばね145と枠材142のリテーナ受け部148とに当接して、そのリテーナ受け部148と平行平板44との間の段差を吸収する調整ワッシャ147が設けられている。
このため、異なる厚さを有する複数の調整ワッシャ147の中から、段差の大きさに応じて最適な調整ワッシャ147を選択して装着することで、その段差を容易に吸収することができる。これにより、I字状板ばね145の撓み量を、容易かつ正確に所定の値に設定することができる。
(ム) 平行平板装着部材141では、板ばねリテーナ146の先端部153に、平行平板44のI字状板ばね145側への移動を規制する移動規制部157が形成されている。このため、板ばねリテーナ146が平行平板44の移動を規制する機能をも兼ね備えることとなり、平行平板装着部材141の構成の簡素化を図ることができる。
(ウ) 枠材142では、ボルト152を螺脱させることで、板ばねリテーナ146、I字状板ばね145及び調整ワッシャ147を取り外すことができ、さらに平行平板44を容易に着脱させることができる。このため、枠材142に対して平行平板44の交換を容易かつ迅速に行うことができて、露光装置20の運転コストの低減を図ることできる。
本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明が他の代替案に具体化され得ることは当業者にとって明らかである。特に、本発明は、以下のように変形されてもよい。
第1実施形態において、枠材81に、平行平板38,44及びカバーガラス64,76以外の光学部材、例えばレンズ、ミラー、プリズム等を保持するようにしてもよい。
第2及び第3実施形態において、枠材132,142に、平行平板44以外の光学部材、例えば平行平板38、カバーガラス64,76、レンズ、ミラー、プリズム等を保持するようにしてもよい。
また、投影系鏡筒28のレチクル側の平行平板44に、投影光学系の収差を補正するために、その収差に応じて局所的に異なる面形状を加工してもよい。さらに、レチクル側の平行平板44及びウエハ側の平行平板44の代わりに、投影光学系を構成する光学素子として、例えば負レンズや正レンズが兼用されてもよい。
投影系鏡筒28のウエハW側の平行平板44以外の平行平板38,44及びカバーガラス64,76の少なくとも1つを各実施形態の保持機構80とは異なる、例えば一般的なネジ止め構成等で保持するようにしてもよい。
投影光学系41における鏡筒本体102と先端鏡筒83との間のチルト部材103,104を省略してもよい。
脱着ジグ115における磁石は118は、基台116とフッ素樹脂シート117との間に介装してもよい。
投影系鏡筒28に枠材81,132,142を介して装着される平行平板44を、レチクルR及びウエハWを交換するための自動搬送装置を用いて、自動的に脱着できるようにしてもよい。
突出部82,144の数を、各実施形態に記載したものとは異なる数、例えば4以上としてもよい。この場合には、その突出部82,144の数に対応するように、先端鏡筒83の係合部84、脱着用凹部96及びL字状板ばね98を形成する必要がある。
第2及び第3実施形態において、枠材132,142の段部87に形成される座部133の数を、各実施形態に記載のものとは異なる数、例えば4以上としてもよい。
第3実施形態において、枠材142の段部87に形成される座部133を省略してもよい。
第1実施形態において、突出部82に代えて、第3実施形態の突出部144の構成を採用してもよい。
第3実施形態において、突出部144の板ばね側面163上のコーン溝164と、そのコーン溝164に収容される介装球体165とを省略してもよい。この場合、L字状板ばね98としては、第1実施形態と同様に半球状突部98aを有するものを使用することが望ましい。
第3実施形態において、突出部144の係合部側面166上の接触突部167を省略してもよい。
第3実施形態において、I字状板ばね145の対向面145aからの突出量が種々異なる複数のスリーブ156を用意する。そして、調整ワッシャ147の厚さを一定とし、または調整ワッシャ147を省略して、複数のスリーブ156の中から段差に応じて最適なスリーブ156を選択してI字状板ばね145に取着してもよい。これにより、平行平板44と枠材142のリテーナ受け部148との段差を吸収するとともに、I字状板ばね145の撓み量を設定するようにしてもよい。さらに、調整ワッシャ147の厚さと、スリーブ156の突出量との両方を変更可能にしてもよい。
第3実施形態において、スリーブ156を省略するとともに、予め平行平板44側に突出するように、所定量だけ撓んだI字状板ばね145を用いて、平行平板44に押圧力を付与する構成としてもよい。
以上のようにした場合でも、各実施形態における効果とほぼ同様の効果が得られる。
第3実施形態において、板ばねリテーナ146の先端部153における移動規制部157に、揮散物質少ない樹脂材料、例えばフッ素樹脂等のシートを装着してもよい。このようにすれば、仮に平行平板44が光軸方向に移動されて、移動規制部157に当接したとしても、平行平板44に加えられる衝撃を低減することができる。
露光装置20として、投影光学系を用いることなく、マスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するコンタクト露光装置、マスクと基板とを近接させてマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置の光学系にも適用することができる。また、投影光学系としては、全屈折タイプに限らず、反射屈折タイプであってもよい。
さらに、本発明の露光装置20は、縮小露光型の露光装置に限定されるものではなく、例えば等倍露光型、拡大露光型の露光装置であってもよい。
また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては、石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、または水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置や電子線露光装置などでは、透過型マスク(ステンシルマスク、メンバレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
もちろん、半導体素子の製造に用いられる露光装置20だけでなく、液晶表示素子(LCD)などを含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いられて、デバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置などにも本発明を適用することができる。
さらに、本発明は、マスクと基板とが相対移動した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるスキャニング・ステッパにも適用することができる。
また、露光装置20の光源としては、例えばg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、F2レーザ(157nm)、Kr2レーザ(146nm)、Ar2レーザ(126nm)等を用いてもよい。また、DFB半導体レーザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(またはエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。
なお、露光装置20は、例えば次のように製造される。
すなわち、まず、照明光学系31、投影光学系41を構成する複数のレンズま、ミラー及び平行平板38,44等の光学部材の少なくとも一部を各実施形態の保持機構80で保持し、この照明光学系31及び投影光学系41を露光装置本体22に組み込み、光学調整を行う。次いで、多数の機械部品からなるウエハステージWST(スキャンタイプの露光装置の場合は、レチクルステージRSTも含む)を露光装置本体22に取り付けて配線を接続する。そして、照明光ELの光路内にパージガスを供給するパージガス供給系48の配管を接続した上で、さらに総合調整(電気調整、動作確認など)を行う。
ここで、保持機構80及びその周辺部材を構成する各部品は、超音波洗浄などにより、加工油や、金属物質などの不純物を落としたうえで、組み上げられる。なお、露光装置20の製造は、温度、湿度や気圧が制御され、かつクリーン度が調整されたクリーンルーム内で行うことが望ましい。
実施形態における硝材として、蛍石、石英などを例に説明したが、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、リチウム−カルシウム−アルミニウム−フロオライド、及びリチウム−ストロンチウム−アルミニウム−フロオライド等の結晶や、ジルコニウム−バリウム−ランタン−アルミニウムからなるフッ化ガラスや、フッ素をドープした石英ガラス、フッ素に加えて水素もドープされた石英ガラス、OH基を含有させた石英ガラス、フッ素に加えてOH基を含有した石英ガラス等の改良石英を用いた場合にも、前記実施形態の保持機構80を適用することができる。
次に、リソグラフィ工程で露光装置20を使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
図21は、デバイス(ICやLSI等の半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。図21に示すように、まず、ステップS201(設計ステップ)において、デバイス(マイクロデバイス)の機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS202(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レクチルR等)を製作する。一方、ステップS203(基板製造ステップ)において、シリコン、ガラスプレート等の材料を用いて基板(シリコン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造する。
次に、ステップS204(基板処理ステップ)において、ステップS201〜S203で用意したマスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS205(デバイス組立ステップ)において、ステップS204で処理された基板を用いてデバイス組立を行う。このステップS205には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入等)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップS206(検査ステップ)において、ステップS205で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図22は、半導体デバイスの場合における、図21のステップS204の詳細なフローの一例を示す図である。図22において、ステップS211(酸化ステップ)では、ウエハWの表面を酸化させる。ステップS212(CVDステップ)では、ウエハW表面に絶縁膜を形成する。ステップS213(電極形成ステップ)では、ウエハW上に電極を蒸着によって形成する。ステップS214(イオン打込みステップ)では、ウエハWにイオンを打ち込む。以上のステップS211〜S214のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS215(レジスト形成ステップ)において、ウエハWに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS216(露光ステップ)において、先に説明したリソグラフィシステム(露光装置20)によってマスク(レチクルR)の回路パターンをウエハW上に転写する。次に、ステップS217(現像ステップ)では露光されたウエハWを現像し、ステップS218(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS219(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハW上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップS216)において上記の露光装置20が用いられ、真空紫外域の照明光ELにより解像力の向上が可能となり、しかも露光量制御を高精度に行うことができる。従って、結果的に最小線幅が0.1μm程度の高集積度のデバイスを歩留まりよく生産することができる。
しかも、不純物で汚染された光学部材を、迅速かつ容易に脱着することができて、その脱着の際の作業時間が大幅に短縮され、デバイスを効率よく製造することができる。
次に、各実施形態及び変更例から把握され、請求項に記載の発明にさらに含まれる技術的思想について、それらの作用、効果とともに以下に記載する。
(付記1) 請求項22〜請求項24のうちいずれか一項に記載の光学部材装着部材において、前記弾性保持部材は、前記光学部材の周縁の一部に係合して、前記座部との間で前記光学部材を挟持する係合保持部材を含むことを特徴とする光学部材装着部材。
この付記1に記載の構成によれば、光学素子において、係合保持部材により、その光学素子の光軸と交差する方向への移動をより確実に抑制することができる。
(付記2) 前記付記1に記載の光学部材装着部材において、前記係合保持部材が、前記光学部材の周縁の少なくとも一部に沿うように屈曲された屈曲板ばね部材からなることを特徴とする光学部材装着部材。
この付記2に記載の構成によれば、拭き洗浄を行うような場合であっても、光学部材の光軸方向の移動が、屈曲板ばね部材により規制される。これにより、その光学部材が他の光学部材と接近して配置されているような場合であっても、それら光学部材同士の干渉を効果的に抑制することができる。
(付記3) 請求項22〜請求項24のうちいずれか一項に記載の光学部材装着部材において、前記弾性保持部材は、前記光学部材の周囲の一部を押圧して、前記座部との間で前記光学部材を挟持する押圧保持部材を含むことを特徴とする光学部材装着部材。
この付記3に記載の構成によれば、光学部材を座部との間で挟持するために押圧保持部材により付加される押圧力を、露光装置の日常動作時及び運搬時に作用しうる加速度の範囲内では、枠材に対して光学部材が移動しない程度に設定することが可能になる。従って、光学部材が枠材の座部に過度に押し付けられることがなく、光学部材の光学表面が座部の表面の微小なうねりや荒れの影響を受けて歪められることが抑制される。従って、露光装置における露光精度をさらに向上させることができる。
(付記4) 前記付記3に記載の光学部材装着部材において、前記押圧保持部材を、前記光学部材の周囲に前記押圧保持部材より軟質の材料からなる接触部材を介して接触させることを特徴とする光学部材装着部材。
従って、この付記4に記載の構成によれば、押圧保持部材の押圧により、接触部材が光学部材に対して柔らかくあたることとなり、光学部材の負担を軽減することができる。
(付記5) 前記付記4に記載の光学部材装着部材において、前記接触部材が金属材料からなることを特徴とする光学部材装着部材。
従って、この付記5に記載の構成によれば、接触材料からの揮散物の発生をほとんどなくすることができ、第1空間内の清浄性を高く保つことができる。
(付記6) 前記付記4または付記5に記載の光学部材装着部材において、前記接触部材を、前記座部を通り前記光学部材の光軸とほぼ平行な直線上に配置したことを特徴とする光学部材装着部材。
従って、この付記6に記載の構成によれば、押圧保持部材からの押圧力を、効率よく光学部材の周囲に導くことができて、押圧保持部材と枠材の座部との間における光学部材の挟持を一層安定したものとすることができる。
(付記7) 請求項22〜請求項24、前記付記4〜付記6のうちいずれか一項に記載の光学部材装着部材において、前記押圧保持部材が、平板状の平板ばね部材からなることを特徴とする光学部材装着部材。
従って、この付記7に記載の構成によれば、光学部材に対して押圧力を安定して付与することができるとともに、その押圧力の制御を容易に行うことができる。
(付記8) 請求項22〜請求項24、前記付記4〜付記7のうちいずれか一項に記載の光学部材装着部材において、前記枠材は、前記押圧保持部材を前記光学部材に対して所定位置に保持する位置決め部材と、その位置決め部材を前記枠材の所定位置に位置決めする位置決め部とを有することを特徴とする光学部材装着部材。
従って、この付記8に記載の構成によれば、押圧保持部材を光学部材に対して所定の位置に、正確かつ容易に配置させることができる。
(付記9) 前記付記8に記載の光学部材装着部材において、前記押圧保持部材を前記位置決め部材に装着した状態で、その押圧保持部材と位置決め部材とがほぼ面一になるように構成し、前記押圧保持部材を前記光学部材の周囲に接触させるとともに、前記位置決め部材を前記枠材に固定し、前記押圧保持部材と前記位置決め部とに当接して、その位置決め部と前記光学素子との間の段差を吸収する段差吸収部材を設けたことを特徴とする光学部材装着部材。
従って、この付記9に記載の構成によれば、各種部材の製造公差等により大きさが変動し得る段差を容易に吸収することができ、押圧保持部材の撓み量を容易かつ正確に所定値に設定することができる。
(付記10) 前記付記3〜付記9のうちいずれか一項に記載の光学部材装着部材において、前記押圧保持部材を前記光学部材に対して所定位置に保持する位置決め部材の一部が、前記光学部材に対して、前記押圧保持部材の弾性力に抗する力が作用したときには、前記光学部材の前記押圧保持部材側への移動を規制する移動規制機構を兼ねることを特徴とする光学部材装着部材。
従って、この付記10に記載の構成によれば、光学部材装着部材の構成の簡素化を図ることができる。
(付記11) 請求項22〜請求項24、前記付記1〜付記10のうちいずれか一項に記載の光学部材装着部材において、前記弾性保持部材を、前記枠材に対して着脱可能に取着したことを特徴とする光学部材装着部材。
従って、この付記11に記載の構成によれば、枠材に装着した光学部材を容易かつ迅速に交換することができ、露光装置の運転コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
本発明を本発明の目的及び特徴とともによりよく理解するため、添付図面を参照する。
図1は、露光装置の概略的な構成図。
図2は、図1の投影光学系及びウエハステージの周辺を示す概略的な構成図。
図3は、図2のウエハアライメント顕微鏡を示す概略的な構成図。
図4は、本発明の第1実施形態の露光装置における投影光学系のウエハ側端部及び平行平板脱着ジグを示す斜視図。
図5は、図4の投影光学系のウエハ側端部を示す部分側面図。
図6は、図4の投影光学系のウエハ側端部の分解斜視図。
図7は、図4の投影光学系のウエハ側端部の断面図。
図8は、図7の8−8線に沿った断面図。
図9は、図4の投影光学系のウエハ側端部の底面図。
図10は、図7の枠材のみを示す平面図。
図11は、本発明の第2実施形態の露光装置における枠材を示す平面図。
図12は、図11の枠材の平行平板を外した状態で示す斜視図。
図13は、本発明の第3実施形態の露光装置における枠材を示す平面図。
図14は、図13の平行平板の平行平板保持機構を中心に拡大して示す部分斜視図。
図15は、図14の平行平板保持機構を別の角度から見た分解斜視図。
図16は、図13のI字状板ばね及び板ばねリテーナを別の角度から見た拡大斜視図。
図17は、図13の枠材の座部に平行平板を載置した状態を示す一部断面拡大斜視図。
図18は、図13の平行平板の挟持状態を模式的に示す断面図。
図19(a)、図19(b)は、図13の板ばね及び板ばねリテーナを保持機構取付ジグに装着した状態を2つの異なる方向から見た斜視図。
図20は、図13の枠材における鏡筒との連結部を断面として示す部分拡大斜視図。
図21は、デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート。
図22は、半導体素子の製造工程における基板処理の一例を示すフローチャート。
Claims (27)
- 光源からの照明光をマスク上に照射するとともに、そのマスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に転写する露光装置において、
前記照明光の光路中に配置される光学部材と、
前記照明光の光路を含む第1空間を、その第1空間より不純物の濃度が高い第2空間から前記光学部材によって区画する筐体と、
前記筐体に対して、前記光学部材を脱着自在に保持する保持機構とを有することを特徴とする露光装置。 - 請求項1に記載の露光装置において、前記第2空間は、前記光学部材及び前記マスク及び前記基板の少なくとも1つを駆動する駆動装置を有する空間であることを特徴とする露光装置。
- 請求項1または請求項2に記載の露光装置において、前記保持機構は、前記光学部材の周囲を保持する枠材に設けられた連結部と、前記筐体に設けられ、前記連結部が係合する係合部とを有し、前記連結部と前記係合部とを第1の位置で係合するとともに、前記連結部と前記係合部との係合を前記第1の位置と異なる第2の位置で解除することを特徴とする露光装置。
- 請求項3に記載の露光装置において、前記枠材を前記筐体に対して前記光学部材の光軸周りに回転させることによって、前記第1の位置から前記第2の位置に移動して、前記連結部と前記係合部との係合を解除し、
前記連結部と前記係合部との係合を解除した後に、前記枠材を前記光学部材の光軸方向に移動させることにより前記筐体から離脱するようにしたことを特徴とする露光装置。 - 請求項3または請求項4に記載の露光装置において、前記連結部は、前記枠材の外周面から所定の間隔をおいて配置され、かつ外方に向かって突出する複数の突出部からなり、前記筐体には、前記突出部と前記第1の位置で係合する係合部と、前記第2の位置で前記突出部と前記係合部との係合の解除を許容する複数の第1の凹部とを有することを特徴とする露光装置。
- 請求項3〜請求項5のうちいずれか一項に記載の露光装置において、前記保持機構は、前記枠材と前記筐体との間に配置され、前記筐体内の気密性を確保するためのシール部材を有し、
前記シール部材は、前記連結部または前記係合部の内側に配置されることを特徴とする露光装置。 - 請求項6に記載の露光装置において、前記シール部材は、前記筐体に接する一側片より、前記枠材に接する他側片の方が変形しやすいことを特徴とする露光装置。
- 請求項3〜請求項7のうちいずれか一項に記載の露光装置において、前記筐体の前記係合部には、前記枠材の連結部を前記光学部材の光軸とほぼ平行な方向に押圧する押圧部材を設けたことを特徴とする露光装置。
- 請求項8に記載の露光装置において、前記連結部は、前記光学部材の光軸とほぼ直交する2つの面と、
前記2つの面のうち第1の面に設けられ、前記押圧部材で押圧される介装部材を収容する少なくとも3つの第2の凹部と、
前記2つの面のうち第2の面に設けられ、前記筐体の係合部に接触する少なくとも3つの接触部とを有し、
前記少なくとも3つの第2の凹部と前記少なくとも3つの接触部とは、前記光学部材の光軸方向に関して、ほぼ平行な方向に配置されることを特徴とする露光装置。 - 請求項3〜請求項9のうちいずれか一項に記載の露光装置において、前記枠材は、前記光学部材の周囲を支持する少なくとも3つの座部を有することを特徴とする露光装置。
- 請求項10に記載の露光装置において、前記枠材は、前記座部との間で前記光学部材を弾性的に挟持する弾性保持部材を有することを特徴とする露光装置。
- 請求項11に記載の露光装置において、前記弾性保持部材は、前記光学部材の周囲の一部を押圧して、前記座部との間で前記光学部材を挟持する押圧保持部材を含むことを特徴とする露光装置。
- 請求項12に記載の露光装置において、前記光学部材に対して、前記押圧保持部材の押圧力に抗する力が作用したときには、前記光学部材の前記押圧保持部材側への移動を規制する移動規制機構を備えることを特徴とする露光装置。
- 請求項1〜請求項13のうちいずれか一項に記載の露光装置において、前記所定のパターンの像を前記基板上に転写する投影光学系を有し、
前記筐体は、前記投影光学系を収容する鏡筒であり、
前記光学部材は、前記基板に対向して配置されることを特徴とする露光装置。 - 請求項14に記載の露光装置において、前記光学部材は、前記投影光学系を構成する複数の光学素子の一つであることを特徴とする露光装置。
- マスク上に形成された所定のパターンの像を基板上に転写する露光装置において、
所定位置に形成されたパターンの像または所定位置から出射される発光パターンを検出するための検出光の光路中に配置される光学部材と、
前記検出光の光路を含む第3空間を、その第3空間より不純物の濃度が高い第4空間から前記光学部材とともに区画する筐体と、
前記筐体に対して、前記光学部材を脱着自在に保持する保持機構とを有することを特徴とする露光装置。 - 光学部材と前記光学部材の周囲を保持する枠材とを備える光学部材装着部材において、
前記枠材の外周面から所定の間隔をおいて配置され、かつ外方に向かって突出する複数の突出部を有することを特徴とする光学部材装着部材。 - 請求項17に記載の光学部材装着部材において、前記枠材を外部の装置の筐体に対して連結する連結部を前記枠材に設け、前記連結部は、前記光学部材の光軸とほぼ直交する2つの面と、前記2つの面のうち第1の面に設けられ、前記押圧部材で押圧される介装部材を収容する少なくとも3つの第2の凹部を有することを特徴とする光学部材装着部材。
- 請求項17又は請求項18に記載の光学部材装着部材において、前記枠材を外部の装置の筐体に対して連結する連結部を前記枠材に設け、前記連結部は、前記光学部材の光軸とほぼ直交する2つの面と、前記2つの面のうち第2の面に設けられ、前記筐体の係合部に接触する少なくとも3つの接触部とを有することを特徴とする光学部材装着部材。
- 請求項19に記載の光学部材装着部材において、前記少なくとも3つの第2の凹部と前記少なくとも3つの接触部とは、前記光学部材の光軸方向に関して、ほぼ平行な方向に配置されることを特徴とする光学部材装着部材。
- 請求項18に記載の光学部材装着部材において、前記介装部材が球体からなり、前記第2の凹部が円錐状の内周面を有するコーン溝からなることを特徴とする光学部材装着装置。
- 請求項17〜請求項21のうちいずれか一項に記載の光学部材装着部材において、前記枠材は、前記光学部材の周囲を支持する少なくとも3つの座部と、前記座部との間で前記光学部材を弾性的に挟持する弾性保持部材とを有することを特徴とする光学部材装着部材。
- 請求項22に記載の光学部材装着部材において、前記光学部材に対して、前記弾性保持部材の弾性力に抗する力が作用したときには、前記光学部材の前記弾性保持部材側への移動を規制する移動規制機構を備えることを特徴とする光学部材装着部材。
- 請求項17〜請求項23のうちいずれか一項に記裁の光学部材装着装置において、前記枠材には、前記光学部材を着脱可能に保持する光学部材保持機構を有することを特徴とする光学部材装着部材。
- 請求項1〜請求項16のうちいずれか一項に記載の露光装置における光学部材を脱着するための光学部材脱着ジグであって、
前記光学部材の周囲を保持する枠材を支持する支持機構と、
前記枠材に設けられた連結部が前記筐体に設けられた係合部に対して係合する第1の位置とその係合が解除される第2の位置とに切換移動させるための駆動力を前記枠材に伝達するための駆動力伝達部材とを備えたことを特徴とする光学部材脱着ジグ。 - 請求項25に記載の光学部材脱着ジグにおいて、前記支持機構は磁石を有することを特徴とする光学部材脱着ジグ。
- 請求項1〜請求項16のうちいずれか一項に記載の露光装置を用いてデバイスを製造することを特徴とするデバイスの製造方法。
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