JP2007017632A - 光学素子保持装置、鏡筒及び露光装置並びにデバイスの製造方法 - Google Patents

光学素子保持装置、鏡筒及び露光装置並びにデバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 光学素子の光学性能変化を抑制可能な光学素子保持装置及び鏡筒、高集積度のデバイスを効率及び歩留まりよく製造可能な露光装置及びデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】 光学素子の一方の面側から他方の面側への流体の流通により光学性能変化を抑制可能な光学素子保持装置において、スリット36bにおける枠体31の第1面31a側の第1区画領域58に面する開口部59の全長にわたって、弾性シーリング材60を封入する。また、気密リング32を、枠体31の第1面31a全面にわたって接合する。そして、気密リング32と、載置部34及び枠体31との隙間に封止材57を封入する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、例えば、レンズ、ミラー等の光学素子を保持するための光学素子保持装置に関するものである。また、本発明は、内部に少なくとも1つの光学素子を有する鏡筒に関するものである。さらに、本発明は、例えば半導体素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等のデバイスの製造工程で使用される露光装置及びそのデバイスの製造方法に関するものである。
この種の露光装置における光学系では、厳密に光学調整が行われており、その光学系を構成するレンズ、ミラー等の光学素子は、精密に加工された光学素子保持装置で保持されている。また、光学系の組立時、保存時、搬送時さらに露光装置の動作時においては、温度変化と、個々の光学素子にかかる重力、衝撃等の外力の作用による個々の光学素子の歪みとをできるだけ小さくする必要がある。
特に、露光装置の投影光学系の各レンズは、一般的にレンズセルに取り付けられ、このレンズセルを積層することによって鏡筒が構成される。このレンズセルには、投影光学系の組立中に生じる機械的な問題(例えば鏡筒に加えられた衝撃のレンズへの伝達)、温度変化により生じることのある機械的な問題(例えばレンズの伸縮)を解消するような設計がなされている。
特に、半導体素子では、近年の著しい高集積度化要求に伴って、回路パターンがますます微細化してきている。このため、露光装置では、さらなる露光精度の向上及び高解像度化の要求が高まっており、光学素子の光学面を良好な状態に保つ技術の重要性が増してきている。
このようなレンズに作用する種々の機械的な問題を解消する構造を有するレンズ保持装置としては、例えばレンズを、レンズセル内に形成されたカンチレバータイプの屈曲部の上に配置された3つの受座に接着したものが提案されている(特許文献1参照)。この構成では、温度変化により生じるレンズセル又はレンズの伸縮及び収縮を、カンチレバー屈曲部の曲がりによって吸収し、レンズが機械的応力により歪曲しないようになっている。
米国特許4,733,945号
ところで、上述した構成においては、カンチレバー屈曲部がレンズの半径方向への変位を許容するため、レンズの受座位置とカンチレバー屈曲部とレンズ保持装置の枠体との間に、レンズの光軸方向に連通する隙間が存在する。このため、レンズの一方の光学面側と他方の光学面側との気体がほとんど抵抗なく流通することになる。従って、レンズを保持するレンズ保持装置の内部に、汚染物質が侵入したりすると、その汚染物質がそのレンズ表面のみならず他のレンズ表面に付着するおそれがある。これにより、光学系の光学性能に、予測不能な変化が生じるおそれがあった。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的としては、光学素子の一方の面側から他方の面側への流体の流通により生じる光学素子の光学性能変化を小さく抑えることのできる光学素子保持装置及び鏡筒を提供することにある。その他の目的としては、高集積度のデバイスを効率よく、また歩留まりよく製造可能な露光装置及びデバイスの製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、光学素子の外周を取り囲む枠体と、前記枠体に対して所定間隔離して取り付けられ、前記光学素子の外周部を保持するとともに、温度変化によって生じる前記枠体と前記光学素子との少なくとも一方の膨張または収縮に対応するために、前記光学素子の半径方向に変位可能な変位部材とを備える光学素子保持装置において、前記枠体と前記変位部材との間における流体の流通を調整する流通調整機構を備えることを特徴とするものである。
この請求項1に記載の発明では、枠体と変位部材との間における流体の流通を調整することができる。このため、光学素子、ひいてはその光学素子を含む光学系全体の光学性能の変化の発生を回避することが可能となる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記枠体と前記変位部材とは一体に形成され、前記枠体と前記変位部材との間には、前記枠体と前記変位部材とを所定間隔離すために前記光学素子の光軸方向に延びて形成されたスリットを有し、前記流通調整機構は、前記スリットを介して、前記光学素子の光軸方向における前記枠体の第1面側における第1区画領域と、該第1面と反対側の第2面側における第2区画領域との間における前記流体の流通を調整することを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記枠体と前記変位部材とは別部材で形成され、前記枠体と前記変位部材との間には、前記枠体と前記変位部材とを所定間隔離すために前記光学素子の光軸方向に延びて形成されたスリットを有し、前記流通調整機構は、前記スリットを介して、前記光学素子の光軸方向における前記枠体の第1面側における第1区画領域と、該第1面と反対側の第2面側における第2区画領域との間における前記流体の流通を調整することを特徴とするものである。
これらの請求項2及び3に記載の発明では、枠体と変位部材との間に存在し、光学素子の両側の区画領域を連通するスリットを介した流体の流通が調整される。これにより、請求項1に記載の発明の作用がより確実に発揮される。特に、請求項2に記載の発明では、枠体と変位部材とが一体形成されるため、光学素子保持装置における部品点数と組立工数の削減を図ることができ、光学素子保持装置を安価でしかも精度よく製造することが可能となる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2または3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記流通調整機構は、前記第1面側及び前記第2面側の少なくとも一方に設けられ、前記スリット、前記枠体と前記変位部材とにおける前記スリットの周囲を覆う蓋体を含むことを特徴とするものである。
この請求項4に記載の発明では、請求項2または3のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、簡単な構成で、スリットを介する流体の流通を調整することが可能となる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記変位部材と前記蓋体との間には、前記変位部材の変位を許容する許容空間が形成されていることを特徴とするものである。
例えば光学素子が、温度変化によって膨張または収縮した場合には、変位部材が枠体及び蓋体に対して相対変位することになる。ここで、この請求項5に記載の発明によれば、請求項4記載の発明の作用に加えて、変位部材と蓋体とが干渉することがなく、光学素子の熱膨張または熱収縮に対する変位部材の変位の応答性が良好に保たれる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の発明において、前記蓋体は、可撓性を有する薄膜状のものを含むことを特徴とするものである。
この請求項6に記載の発明では、請求項4または5に記載の発明の作用に加えて、スリット及びその周辺に、例えばテープ状のものを貼り付けるといった極めて簡単な構成で、そのスリットを介した流体の流通を調整することが可能となる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の発明において、前記流通調整機構は、前記枠体と前記変位部材との間に封入され、前記変位部材の変位を許容する弾性シーリング材を含むことを特徴とするものである。
この請求項7に記載の発明では、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、枠体と変位部材との間に弾性シーリング材を封入するといった極めて簡単な構成で、そのスリットを介した流体の流通を調整することが可能となる。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の発明において、前記変位部材は、前記光学素子の外周部の一部分に対向する対向面と、前記対向面に形成され、前記光学素子の外周部に接触する凸状の支持座とを有し、前記対向面と前記光学素子の外周部との間は、前記凸状の支持座で前記光学素子の外周部を支持することによって所定のクリアランスが形成されていることを特徴とするものである。
例えば光学素子の外周部をその全周にわたって枠体等で保持しようする場合、光学素子の光学面の面精度を良好に保とうとすれば、枠体等の表面を極めて厳密に加工する必要がある。これに対して、この請求項8に記載の発明によれば、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、所定のクリアランスが確保され、光学素子は支持座のみで支持される。このため、光学素子支持装置を製造する際に、支持座の部分のみを厳密に加工すればよく、光学素子保持装置の製造を容易に行うことが可能となる。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記枠体は、前記光学素子の外周部の残りの部分に対向する対向面を有し、前記対向面と前記光学素子の外周部との間は、前記変位部材が備える前記凸状の支持座で前記光学素子の外周部が支持されることによって、所定のクリアランスが形成されていることを特徴とするものである。
この請求項9に記載の発明では、請求項8に記載の発明の作用に加えて、支持座が変位部材に形成されていることで、光学素子と枠体とが所定のクリアランスを介して、離間した状態となる。このため、温度変化による光学素子と枠体との相対変位が、変位部材の変位により、光学素子に何らストレスを与えることなく許容される。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記支持座が、該支持座を有する部材に対して該部材より高硬度のジグを押しつけることにより、その押しつけ部の周囲に盛り上げられた凸部であることを特徴とするものである。
この請求項10に記載の発明では、請求項9に記載の発明の作用に加えて、支持座を容易に、かつ精度よく形成することが可能となる。
また、請求項11に記載の発明は、内部に複数の光学素子を保持する鏡筒において、
前記光学素子の少なくとも1つを請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置を介して保持したことを特徴とするものである。
この請求項11に記載の発明では、鏡筒内に収容される光学系を構成する光学素子の光学性能が高く保たれるため、光学系全体の光学性能も高く維持される。
また、請求項12に記載の発明は、所定のパターンを介した露光光を基板に照射して、前記基板を露光する露光装置において、前記露光光が通過する光学素子の少なくとも1つを請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置を介して保持したことを特徴とするものである。
この請求項12に記載の発明では、光学素子の光学性能が高く保持されるため、所定のパターンの露光精度が高められる。このため、高集積度のデバイスを、歩留まりよく製造することが可能となる。
また、請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の発明において、前記所定のパターンを前記基板上に投影する投影光学系を有し、前記光学素子は、前記投影光学系の像面に最も近い光学素子であることを特徴とするものである。
また、請求項14に記載の発明は、請求項12に記載の発明において、前記所定のパターンを前記基板上に投影する投影光学系を有し、前記光学素子は、前記投影光学系の像面に最も近い光学素子に次いで像面に近い光学素子であることを特徴とするものである。
投影光学系では、その像面に近い光学素子ほど、光学素子を汚染し得る流体や投影光学系の光学性能を不安定化する流体に曝されやすいものとなっている。これらの請求項13及び14に記載の発明のように、投影光学系の像面に近い光学素子を、優れた作用を奏する上記各発明の光学素子保持装置で保持することにより、特に顕著に請求項12に記載の発明の作用が奏される。
また、請求項15に記載の発明は、請求項13または14に記載の発明において、前記投影光学系と前記基板との間に所定の液体を介在させることを特徴とするものである。
投影光学系と基板との間に所定の液体を介在させる液浸型露光装置では、その所定の液体が投影光学系内に侵入しやすく、侵入した液体は、投影光学系の光学性能に影響を及ぼしやすい。このため、この請求項15に記載の発明によれば、請求項13または14に記載の発明の作用が、特に顕著に奏される。
また、請求項16に記載の発明は、リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、前記リソグラフィ工程は、請求項12〜15のうちいずれか一項に記載の露光装置を用いることを特徴とするものである。
この請求項16に記載の発明によれば、高集積度のデバイスを歩留まりよく製造することが可能となる。
次に、前記各請求項に記載の発明にさらに含まれる技術的思想について、それらの作用とともに以下に記載する。
(1) 前記蓋体の周縁と前記枠体との間の隙間を封止する封止材を設けたことを特徴とする請求項2〜5のうちいずれか一項に記載の光学素子保持部材。
従って、この(1)のように構成すれば、枠体と蓋体との間の隙間を封止材で封止することにより、スリット側の区画領域と蓋体外側の区画領域とを気密状態または防水した状態で容易に区画することが可能になるという作用が奏される。
(2) 前記蓋体を、前記枠体における前記光学素子の光軸方向と交差する面のほぼ全面を覆うように設けたことを特徴とする請求項4または5に記載の光学素子保持装置。
従って、この(2)のように構成すれば、光学素子保持部材の部品点数及び組立工数の増大を抑制することができ、光学素子保持装置を安価に製作することが可能になるという作用が奏される。
(3) 前記弾性シーリング材は、低反発性の弾性樹脂材料からなることを特徴とする請求項7に記載の光学素子保持装置。
従って、この(3)のように構成すれば、変位部材の変位に対する弾性シーリング材の抵抗力が小さくなり、変位部材における光学素子と枠体との相対変位に対する追従性が向上されるという作用が奏される。
(4) 前記流通調整機構が、前記枠体と前記変位部材との間を通過する光線に対して遮光性を有する物質を含んで構成されていることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置。
従って、この(4)のように構成すれば、枠体と変位部材との間を通過する迷光を遮断することができて、露光装置に組み上げた状態で露光精度を向上せしめるという作用が奏される。
(5) 前記所定のクリアランスに、前記光学素子と前記枠体との相対変位を許容しつつ前記クリアランスを封止する封止材を設けたことを特徴とする請求項8または9に記載の光学素子保持装置。
従って、この(5)のように構成すれば、枠体と光学素子との間のクリアランスを封止材で封止することにより、スリット側の区画領域と蓋体外側の区画領域とを気密または液密な状態で容易に区画することが可能になるという作用が奏される。
(6) 前記複数の光学素子により区画される複数の区画領域の少なくとも1つに所定の気体を供給する供給機構を設けたことを特徴とする請求項13〜15のうちいずれか一項に記載の鏡筒。
従って、この(6)のように構成すれば、鏡筒内に侵入し、鏡筒内に収容された光学系の光学性能を劣化あるいは不安定化させる物質をいち早く鏡筒外に排出でき、光学系の光学性能を高く保つことが可能になるという作用が奏される。
(7) 前記供給機構を、前記区画領域のうちで少なくとも最も前記投影光学系の像面に最も近い区画領域または最も前記投影光学系の像面に最も近い区画領域に次いで像面に近い区画領域に設けたことを特徴とする(6)に記載の鏡筒。
従って、この(7)のように構成すれば、特に光学系の光学性能を劣化あるいは不安定化させる物質が侵入しやすい区画領域に、供給機構を設けることで、特に顕著に前記(6)に記載の作用が奏される。また、鏡筒内から漏出したガスの流れによって、位置計測装置の計測環境が変化することを抑制することが可能となる。
以上詳述したように、本発明によれば、光学素子の一方の面側から他方の面側への流体の流通により生じる光学素子の光学性能変化を抑制可能な光学素子保持装置及び鏡筒を提供することができる。また、高集積度のデバイスを効率よく、また歩留まりよく製造可能な露光装置及びデバイスの製造方法を提供することができる。
(第1実施形態)
以下に、本発明の第1実施形態について露光装置と光学素子保持装置と鏡筒とを、半導体素子製造用の露光装置と、その内部のレンズ等の光学素子を保持する光学素子保持装置と、投影光学系を収容する鏡筒とに具体化した図1〜図9に基づいて説明する。
図1は、露光装置21の概略構成を示す図である。図1に示すように、露光装置21は、光源22と、照明光学系23と、マスクとしてのレチクルRを保持するレチクルステージ24と、投影光学系25と、基板としてのウエハWを保持するウエハステージ26とから構成されている。
前記光源22は、ArFエキシマレーザ光源からなっている。照明光学系23は、図示しないリレーレンズ、フライアイレンズ、ロッドレンズ等のオプティカルインテグレータ、コンデンサレンズ等の各種レンズ系及び開口絞り等を含んで構成されている。そして、光源22から出射される露光光ELが、この照明光学系23を通過することにより、レチクルR上のパターンを均一に照明するように調整される。
前記レチクルステージ24は、照明光学系23の下方、すなわち、後述する投影光学系25の物体面側において、そのレチクルRの載置面が投影光学系25の光軸方向とほぼ直交するように配置されている。
投影光学系25は、光学素子としてのレンズ28と、このレンズ28を収容するレンズセル29とを備える。また、レンズセル29を積層することによって、投影光学系25を収容する鏡筒27が構成される。この鏡筒27には、露光光ELに対して不活性な不活性ガス(例えば、窒素またはヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガス)を、鏡筒27の内部空間に供給するパージガス供給装置25aが接続されている。
ウエハステージ26は、投影光学系25の像面側において、ウエハWの載置面が投影光学系25の光軸方向と交差するように配置されている。このウエハステージ26の側面には反射鏡26aが形成されている。そして、この反射鏡26aに対して所定の計測光を出射するとともに、反射鏡26aでの反射光を受光して、そのウエハステージ26の位置、つまりウエハWの位置を計測するための干渉計26bが配備されている。また、ウエハステージ26の近傍には、投影光学系25を挟むようにして、ウエハWに対して斜め方向から所定の計測光を投射する送光系30aと、ウエハWの表面での反射光を受光する受光系30bとからなる斜入射方式のオートフォーカス装置30が配備されている。
そして、前記露光光ELにて照明されたレチクルR上のパターンの像が、投影光学系25を通して所定の縮小倍率に縮小された状態で、ウエハステージ26上のウエハWに投影転写されるようになっている。
次に、レンズセル29の詳細構成について説明する。
図2は、レンズセル29を示す斜視図である。レンズ28は合成石英や蛍石等の硝材からなり、その外周部をなすフランジ部28aが形成されている(図8参照)。図2に示すように、レンズセル29は、枠体31と、その枠体31の第1面31a全体を覆う流通調整機構及び蓋体としての気密リング32とからなっている。枠体31及び気密リング32は金属材料により円環状に形成される。レンズセル29が複数積み重なって1つの鏡筒27が構成されている。
図3はレンズセル29から気密リング32を取り外した状態で示す斜視図、図4はレンズセル29を下方(投影光学系25の像面側)から見た一部切欠斜視図である。図3及び図4に示すように、枠体31には、等角度間隔をおいて配設された3つの保持部33が形成されている。そして、これらの保持部33において、レンズ28のフランジ部28aが保持されるようになっている。
図5は保持部33を下方(投影光学系25の像面側)から見た斜視図であり、図6はその保持部33を分解して示す下方から見た斜視図である。図5及び図6に示すように、保持部33は、大きく分けて変位部材としての載置部34とクランプ部材35とからなっている。
図7は、載置部34を中心とした枠体31の部分平面図である。なお、図7においては、理解を容易にするために、切り欠きバネ37の厚さを大きくした状態で描いている。
図7に示すように、枠体31には、ワイヤ放電加工によって、レンズ28の光軸と平行な方向に貫通した複数のスリット36a,36bが形成され、これらのスリット36a,36bによって、平面略凸字状の載置部34が区画形成されている。この複数のスリット36a,36bの存在により、載置部34が、枠体31に対して、レンズ28の接線方向に延びる薄板状をなす一対の切り欠きバネ37を介して、レンズ28の半径方向に変位可能な状態で連結されている。
ここで、載置部34と切り欠きバネ37とは、ともに枠体31と一体に(一個の部材で)形成され、レンズ28と枠体31とのレンズ28の半径方向における相対変位を許容するタンジェントバー構造のフレクシャを構成している。
図8は、図7の8−8線における断面図であり、保持部33を中心としたレンズセル29の部分断面図である。図7及び図8に示すように、枠体31及び載置部34の内周側には、レンズ28のフランジ部28aに対向する対向面としての段部38が形成されている。この載置部34における段部38の中央には、レンズ28のフランジ部28aに接触して、そのフランジ部28aを支持する凸状の支持座39が形成されている。
そして、レンズ28のフランジ部28aを支持座39で支持することにより、レンズ28のフランジ部28aと、載置部34の段部38との間には、所定のクリアランス40が形成される。また、レンズ28のフランジ部28aを支持座39で支持することにより、レンズ28のフランジ部28aと、枠体31の段部38との間にも、同様の所定のクリアランス40が形成される。
図9は、支持座39の形成方法に関する説明図である。図9に示すように、支持座39は、載置部34の段部38に対して、その載置部34を構成する部材より高硬度の尖頭部を有するジグ41を押しつけることにより、その押しつけ部38aの周囲に盛り上げられた凸部38bにより構成されている。
図6に示すように、クランプ部材35は、支持座39に対応して配置され、クランプ本体42とパッド部材43とからなっている。
クランプ本体42は、押さえ面ブロック44と、枠体31に取り付けるための取付部45と、押さえ面ブロック44と取付部45とを連結する腕部46とからなっている。これら押さえ面ブロック44と取付部45と腕部46とは、一体に形成されている。
押さえ面ブロック44の上面には、支持座39に対向するように押さえ面47が形成されている。取付部45と押さえ面ブロック44とは所定の間隔をおいて離間されている。そして、この取付部45を、パッド部材43を介して枠体31にボルト48により締結することにより、クランプ本体42が枠体31に対して固定されるようになっている。
また、腕部46は、押さえ面ブロック44と取付部45との両端を接続するように一対設けられている。各腕部46は、平面コ字状になし、取付部45に対して弾性変形可能に形成されている。
パッド部材43は、クランプ本体42の取付部45と枠体31との間に挟持される挟持部49と、押さえ面47とレンズ28のフランジ部28aとの間に介装される作用部50と、それら挟持部49と作用部50とを連結するとともに弾性変形可能な薄板状の薄板部51とからなっている。作用部50の上面には、レンズ28のフランジ部28aに接触し、そのフランジ部28aを支持する押さえ座52(図8参照)が、載置部34の支持座39に対応するように形成されている。この押さえ座52は、載置部34の支持座39と同様に構成されている。
そして、このように構成されたクランプ部材35は、図5及び図8に示すように、ボルト48を締め込むことにより、クランプ本体42の腕部46が弾性変形されて、押さえ面ブロック44の押さえ面47に載置部34側への押圧力を付与する。この押圧力は、パッド部材43の押さえ座52を介して、レンズ28のフランジ部28aに作用する。これにより、レンズ28のフランジ部28aが、載置部34の支持座39と、パッド部材43の押さえ座52との間に挟持される。
図6及び図8に示すように、気密リング32の裏面、すなわち枠体31の第1面31aに対向する面には、枠体31の載置部34及び切り欠きバネ37を含む領域に対応するように凹部55が形成されている。これにより、気密リング32と、載置部34及び切り欠きバネ37との間に、レンズ28及び枠体31の少なくとも一方の熱膨張または収縮に伴って、載置部34及び切り欠きバネ37がレンズ28の半径方向への変位が生じたときに、その変位が許容される許容空間56が形成される。
また、気密リング32の裏面と、枠体31及び載置部34の上面との間の隙間には、グリス、磁性流体等の封止材57が、気密リング32の内周縁の全周にわたって封入されている。この封止材57として、グリスを使用する場合には、ケミカルクリーン性に優れた、例えばフッ素系のグリスを使用することが望ましい。さらに、レンズ28と枠体31及び載置部34の内周面との間にも、同様の封止材57が、レンズ28のフランジ部28aの全周にわたって封入されている。
ここで、封止材57は、外力が作用したときのみ所定の流動性が出現するようなものであり、通常は封入された状態のままで、ほとんどその場に留まっている。一方、気密リング32またはレンズ28と、載置部34及び切り欠きバネ37との間に、レンズ28及び枠体31の少なくとも一方の熱膨張及び収縮に伴って、載置部34及び切り欠きバネ37にレンズ28の半径方向への変位が生じたときには、封止材57が流動状態となって、その変位が抵抗を生じることなく許容される。
また、各スリット36a,36bにおける枠体31の第1面31a側の第1区画領域58に面する開口部59の全長にわたって、流通調整機構としての弾性シーリング材60が封入されている。この弾性シーリング材60としては、例えばシリコーン系、変性シリコーン系、ポリイソブチレン系、ポリサルファイド系、変性ポリサルファイド系、アクリル系、ポリウレタン系、アクリルウレタン系、ブチルゴム系、油性コーキング材等のシーリング材、及びこれらのシーリング材の混合物から適宜選択して使用することができる。これらの弾性シーリング材60は、所定の弾性変形性を有しており、載置部34及び切り欠きバネ37のレンズ28の半径方向への変位を、ほとんど抵抗を生じることなく許容する。
これら、気密リング32、封止材57及び弾性シーリング材60の存在により、スリット36a,36b、レンズ28と枠体31及び載置部34との間のクリアランス40を介した枠体31の第1面31a側とその反対の第2面31b側との連通が遮断される。これにより、枠体31の第1面31a側の第1区画領域58と、第2面31b側の第2区画領域61との間のガスの流通が抑制される。
なお、スリット36a,36bの幅が非常に狭い場合は、粘性によってグリスでも気密ができる。
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(ア) このレンズセル29では、温度変化によって生じる枠体31とレンズ28との少なくとも一方の膨張または収縮に対応するために、レンズ28の半径方向に変位可能な載置部34及び切り欠きバネ37とを備えている。そして、枠体31と、載置部34及び切り欠きバネ37との間におけるガスの流通を抑制する気密リング32及び弾性シーリング材60を備えている。
このため、投影光学系25内にレンズ28を汚染したり、露光光ELの特性変化させるような物質が侵入したとしても、その物質が他の区画領域へと移行することが抑制され、レンズ28、ひいては投影光学系25の光学性能が大きく変化することを回避することができる。また、鏡筒27内に供給された不活性ガスが、レンズセル29を介して漏出することが抑制される。
(イ) このレンズセル29では、枠体31と、載置部34及び切り欠きバネ37とは一体に形成され、枠体31と載置部34及び切り欠きバネ37との間には、レンズ28の光軸方向に延びるスリット36a,36bが形成されている。そして、これらスリット36a,36bを介した、レンズ28の光軸方向における枠体31の第1面31a側における第1区画領域58と、第2面31b側における第2区画領域61との間におけるガスの流通が抑制されている。
このため、スリット36a,36bを介してガスが流通することがほとんどなく、(ア)に記載の効果がより確実に発揮される。また、枠体31と、載置部34及び切り欠きバネ37とが一体形成されるため、レンズセル29における部品点数と組立工数の削減を図ることができ、レンズセル29を安価でしかも精度よく製造することができる。
(ウ) このレンズセル29では、枠体31の第1面31a側に設けられ、スリット36a,36b、枠体31と載置部34及び切り欠きバネ37との周囲を覆う気密リング32が設けられている。このため、枠体31と載置部34及び切り欠きバネ37との上に気密リング32を配置するという簡単な構成で、スリット36a,36bを介するガスの流通を抑制することができる。
(エ) このレンズセル29では、気密リング32が、枠体31におけるレンズ28の光軸方向と交差する第1面31aのほぼ全面を覆うように設けられている。このため、レンズセル29の部品点数及び組立工数の増大を抑制することができ、レンズセル29を安価に製作することができる。
(オ) このレンズセル29では、気密リング32の周縁と枠体31との間の隙間に封止材57が封止されている。このため、枠体31の第1面31a側の第1区画領域58と第2面31b側の第2区画領域61とを気密な状態で容易に区画することができる。
(カ) このレンズセル29では、載置部34及び切り欠きバネ37と気密リング32との間には、載置部34及び切り欠きバネ37の変位を許容する許容空間56が形成されている。
このため、レンズ28や枠体31が、温度変化によって膨張または収縮した場合には、載置部34及び切り欠きバネ37が枠体31及び気密リング32に対して相対変位しても、載置部34及び切り欠きバネ37と気密リング32とが干渉することがない。従って、レンズ28や枠体31の熱膨張または熱収縮に対する載置部34及び切り欠きバネ37の変位の応答性を、良好に保つことができる。
(キ) このレンズセル29では、枠体31と、載置部34及び切り欠きバネ37との間に形成されたスリット36a,36b内に、弾性シーリング材60が封入されている。
このため、スリット36a,36b内に弾性シーリング材60を封入するといった極めて簡単な構成で、載置部34及び切り欠きバネ37の変位を許容しつつ、スリット36a,36bを介したガスの流通を抑制することができる。
(ク) このレンズセル29では、載置部34は、レンズ28のフランジ部28aに対向する段部38と、その段部38に形成され、レンズ28のフランジ部28aに接触する凸状の支持座39とを有している。そして、載置部34の段部38とレンズ28のフランジ部28aとの間には、支持座39でレンズ28のフランジ部28aを支持することによって所定のクリアランス40が形成されるようになっている。また、枠体31の段部38とレンズ28のフランジ部28aとの間には、支持座39でレンズ28のフランジ部28aを支持することによって所定のクリアランス40が形成されるようになっている。
例えばレンズ28のフランジ部28aを、その全周にわたって枠体等で保持しようする場合、レンズ28の光学面の面精度を良好に保とうとすれば、枠体等の表面を極めて厳密に加工する必要がある。
これに対して、このレンズセル29では、所定のクリアランス40が確保され、レンズ28は支持座39のみで支持される。このため、レンズセル29を製造する際に、支持座39の部分のみを厳密に加工すればよく、レンズセル29の製造を容易に行うことができる。また、枠体31とレンズ28とが、クリアランス40を介して離間されているため、温度変化によるレンズ28と枠体31との相対変位を、レンズ28に何らストレスを与えることなく行わせることができる。
(ケ) このレンズセル29では、載置部34の支持座39とパッド部材43の押さえ座52とが、載置部34及びパッド部材43に対して、より高硬度のジグ41を押しつけることにより、その押しつけ部38aの周囲に盛り上げられた凸部38bで構成されている。このため、載置部34の支持座39とパッド部材43の押さえ座52とを容易に、かつ精度よく形成することができる。
(コ) この鏡筒27では、レンズ28を前記(ア)〜(ケ)に記載の優れた効果を有するレンズセル29で保持している。このため、鏡筒27内に収容され、投影光学系25を構成するレンズ28の光学性能が高く保たれ、投影光学系25の光学性能を高く維持することができる。
(サ) この鏡筒27では、複数のレンズ28により区画される第1及び第2区画領域58,61に不活性ガスを供給するパージガス供給装置25aが設けられている。
このため、鏡筒27内に侵入し、鏡筒27内に収容された投影光学系25の光学性能を劣化あるいは不安定化させる物質をいち早く鏡筒27外に排出でき、投影光学系25の光学性能を高く保つことができる。
(シ) この露光装置21では、露光光ELが通過するレンズ28を前記(ア)〜(ケ)に記載の優れた効果を有するレンズセル29で保持している。このため、レンズ28の光学性能が高く保持されるため、露光精度を高めることができる。従って、高集積度のデバイスを、歩留まりよく製造することが可能となる。
(ス) この露光装置21では、投影光学系25の像面に最も近いレンズ28を、前記(ア)〜(ケ)に記載の優れた効果を有するレンズセル29で保持している。
露光装置21では、投影光学系25において、その像面に近いレンズ28ほど、汚染し得る物質や投影光学系25の光学性能を不安定化する物質を含むガスに曝されやすいものとなっている。このため、本発明のレンズセル29は、投影光学系25の像面に近いレンズ28等の光学素子を保持する光学素子保持装置として、特に好適である。
(第2実施形態)
つぎに、本発明の光学素子保持装置の第2実施形態について、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
この第2実施形態のレンズセル29においては、図10に示すように、気密リング32に代えて、可撓性を有し薄膜状をなす流通調整機構及び蓋体としての粘着テープ71が、スリット36a,36bを含んで、枠体31の載置部34と切り欠きバネ37とを覆うように貼付されている。この粘着テープ71は、可撓性を有しているため、レンズ28及び枠体31の少なくとも一方の温度変化により、枠体31と、載置部34及び切り欠きバネ37とが相対変位しようとしたとしても、その相対変位が阻害されることがない。
また、この粘着テープ71の粘着面とは反対側の基材面側には、露光光ELを遮光するアルミ箔等の遮光性薄膜(図示略)が設けられている。
従って、本実施形態のレンズセル29によれば、前記第1実施形態における(ア)、(イ)、(キ)〜(ス)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(セ) このレンズセル29では、スリット36a,36b及びその周囲を覆うように、可撓性を有する粘着テープ71が貼付されている。このため、スリット36a,36b及びその周囲に、粘着テープ71を貼り付けるといった極めて簡単な構成で、そのスリット36a,36bを介したガスの流通を抑制することができる。
(ソ) このレンズセル29では、スリット36a,36b及びその周囲を覆うように貼付された粘着テープ71に、露光光ELに対して遮光性を有するアルミ箔が積層されている。このため、スリット36a,36bの間を通過する迷光を遮断することができて、露光装置21に組み上げた状態で露光精度を向上させることができる。
(第3実施形態)
つぎに、本発明の光学素子保持装置の第3実施形態について、前記第1実施形態と異なる部分を中心に、図11及びず12に基づいて説明する。図11はこの第3実施形態の露光装置76を示す概略構成図となっており、図12はこの第3実施形態の投影光学系25の像面側部分を示す断面図となっている。
この第3実施形態の露光装置76は、図11に示すように、投影光学系25と、その投影光学系25の像面に最も近いレンズ77とウエハWとの間の光路空間を液体LQで満たした液浸型露光装置となっている。この露光装置76では、その投影光学系25の像面に最も近い光学素子としての第1レンズ77とウエハWとの間の光路空間を液体LQで満して、第1液浸領域LT1を形成する第1液浸機構78を備えている。この露光装置76は、投影光学系25の投影領域(露光光ELが照射される領域)を含むウエハWの一部に、投影領域よりも大きく、かつウエハWよりも小さい液体LQの第1液浸領域LT1を局所的に形成する局所液浸方式を採用している。
また、第1レンズ77と、その第1レンズ77に次いで投影光学系25の像面に近い光学素子としての第2レンズ79との間の光路空間を液体LQで満して第2液浸領域LT2を形成する第2液浸機構80を備えている。
図11及び図12に示すように、第1液浸機構78は、液体LQを供給する第1供給口81と、液体LQを回収する第1回収口82とを有する第1ノズル部材83とを備えている。また第1液浸機構78は、第1ノズル部材83の第1供給口81を介して投影光学系25の像面側に液体LQを供給する第1液体供給装置84と、第1ノズル部材83の第1回収口82を介して投影光学系25の像面側の液体LQを回収する第1液体回収装置85と備えている。
第1ノズル部材83は、投影光学系25の像面の近傍に設けられており、ウエハWの上方において第1レンズ77を囲むように環状に形成されている。ここで、第1レンズ77は、鏡筒27より露出している。第1液浸機構78の動作は、図示しない制御装置により制御される。
第2液浸機構80は、液体LQを供給する第2供給口88と、液体LQを回収する第2回収口89とを有する第2ノズル部材90とを備えている。また、第2液浸機構80は、第2ノズル部材90の第2供給口88を介して第1レンズ77と第2レンズ79との間に液体LQを供給する第2液体供給装置91と、第2ノズル部材90の第2回収口89を介して第2液体供給装置91から供給された液体LQを回収する第2液体回収装置92と備えている。
第2ノズル部材90は、第1ノズル部材83の上方において、第2レンズ79を保持するレンズセル29に接合するように設けられており、第1レンズ77と第2レンズ79との間の光路空間を囲むように環状に形成されている。第2液浸機構80の動作は、図示しない制御装置により制御される。また、第2ノズル部材90は、第1レンズ77を保持するレンズセルとしての機能も備えている。
ここで、第2液体供給装置91により、第2液浸領域LT2内に液体LQを供給した場合に、第2レンズ79と第2ノズル部材90との間における第2液浸領域LT2の上部に液体LQの供給されない空隙LTGが形成される。そして、レンズセル29には、この空隙LTGに開口するとともに、不活性ガスを供給するパージガス供給装置25aに接続されるガス供給口93が形成されている。また、レンズセル29には、この空隙LTGに開口するとともに、その空隙LTG内のガスを鏡筒27の系外に排出するガス排出口94が形成されている。
従って、本実施形態によれば、前記第1実施形態における(ア)〜(ス)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(タ) この露光装置76では、投影光学系25の像面に最も近い第1レンズ77に次いで像面に近い第2レンズ79を、前記(ア)〜(ケ)の優れた効果を有するレンズセル29で保持している。
投影光学系25では、その像面に近い光学素子ほど、光学素子を汚染し得る流体や投影光学系25の光学性能を不安定化する流体に曝されやすいものとなっている。特に、投影光学系25とウエハWとの間に液体LQを満たして、露光を行う液浸型の露光装置76では、投影光学系25内に、その投影光学系25の光学特性を変化させやすい液体LQが侵入しやすい。従って、このため、本発明のレンズセル29は、投影光学系25の像面に近い第2レンズ79等の光学素子を保持する光学素子保持装置として、また液浸型の露光装置76の光学素子保持装置として、特に好適である。
(チ) この露光装置76では、投影光学系25の像面に最も近い第1レンズ77と、その第1レンズ77に次いで投影光学系25の像面に近い第2レンズ79との間の第2液浸領域LT2に、液体LQが供給されている。そして、その第2液浸領域LT2の上方において、第2ノズル部材90と第2レンズ79との間に形成される空隙LTGに、パージガス供給装置25aから不活性ガスが供給されるようになっている。
このため、投影光学系25の第2液浸領域LT2及び空隙LTG内に侵入した物質、例えば酸素やクリーンルーム内に極微量浮遊する有機物、アンモニウム塩、硝酸塩等が、第2液浸領域LT2の液体LQに吸収され、液体LQの透過率低下を防ぐことができる。
(変形例)
なお、本発明の実施形態は、以下のように変形してもよい。
・ 前記各実施形態においては、載置部34の段部38に対してジグ41を押しつけることにより形成される凸部38bをもって、レンズ28の支持座39とした。これに対して、例えば載置部34の段部38に対して、枠体31の第1面31a側からドリル等の工具を用いて、貫通する直前まで切削加工を行い、その際に載置部34の段部38に形成される凸部をもってレンズ28の支持座39としてもよい。
・ 前記各実施形態において、スリット36a,36b内に封入する弾性シーリング材60として、ポリウレタン発泡体を使用してもよい。また、ポリウレタン発泡体の中でも、特に低反発性のポリウレタン発泡体を使用すれば、載置部34及び切り欠きバネ37の変位に対する弾性シーリング材60の抵抗力が小さくなる。従って、載置部34及び切り欠きバネ37におけるレンズ28と枠体31との相対変位に対する追従性を向上させることができる。
・ 前記各実施形態において、レンズ28のフランジ部28aと、枠体31と載置部34との少なくとも一方の段部38との間のクリアランス40に、グリス、磁性流体等の封止材57を封入してもよい。このように構成すれば、レンズ28と枠体31との相対変位を許容しつつ、枠体31の第1面31a側の第1区画領域58と第2面31b側の第2区画領域61とを気密な状態で容易に区画することができる。
・ 前記各実施形態では、枠体31と載置部34と切り欠きバネ37とを一体の部材で形成したが、枠体31と載置部34と切り欠きバネ37との少なくとも1つを別部材で形成してもよい。
・ 前記各実施形態では、弾性シーリング材60を、スリット36a,36b内のレンズ28の光軸方向における一部に封入したが、スリット36a,36bの内部全体に封入するようにしてもよい。
・ 前記各実施形態では、スリット36a,36bを介する流体の流通を遮断するように構成した。これに対して、スリット36a,36bを介する流体の流通を、完全に遮断することなく、各レンズ28、第1及び第2レンズ77,79、投影光学系25の光学性能に影響を与えない程度に制限するように構成してもよい。これは、例えば弾性シーリング材60に代えて、若干の通気性を有するスポンジ材をスリット36a,36b内に配置する構成として、スポンジ材の通気性を調整することにより実現できる。また、例えば弾性シーリング材60を、スリット36a,36bの開口部59全体に設けることなく、ところどころに弾性シーリング材60の存在しない部分を設けて、その開口量を調整することによって実現することができる。さらに、例えば第1及び第3実施形態において、弾性シーリング材60を省略するとともに、気密リング32と、枠体31及び載置部34との間の封止材57を省略して、気密リング32と、枠体31及び載置部34との間の隙間の大きさを調整することにより実現することができる。加えて、例えば第2実施形態において、粘着テープ71を通気性を有する基材で構成することにより実現することができる。
・ 前記第1及び第3実施形態では、気密リング32を枠体31の第1面31a全体を覆うように設けた。これに対して、気密リング32は、スリット36a,36bとそのスリット36a,36bの周囲の枠体31及び載置部34とを覆っていれば、必ずしも第1面31a全体を覆っていなくてもよい。
・ 前記第1及び第3実施形態では、気密リング32を枠体31の第1面31a側に設けたが、第2面31b側に設けてもよい。また、気密リング32を、第1面31aと第2面31bとの両側に設けてもよい。
・ 前記第1及び第3実施形態において、気密リング32を省略してもよい。すなわち、スリット36a,36bを介する流体の流通を、弾性シーリング材60のみによって調整するようにしてもよい。この場合、弾性シーリング材60に露光光ELを遮光する物質、例えば金属粉や露光光ELの波長領域に吸収を示すような物質を混合してもよい。
・ 前記第1及び第3実施形態において、弾性シーリング材60を省略してもよい。すなわち、スリット36a,36bを介する流体の流通を、気密リング32のみによって調整するようにしてもよい。
・ 前記第2実施形態において、弾性シーリング材60を省略してもよい。すなわち、スリット36a,36bを介する流体の流通を、粘着テープ71のみによって調整するようにしてもよい。
・ 前記第2実施形態において、粘着テープ71は、露光光ELに対する遮光性物質を積層していないものとしてもよい。
・ 前記各実施形態では、本発明の光学素子保持装置を、レンズ28を保持するレンズセル29に具体化した。これに対して、本発明の光学素子保持装置は、例えばミラー、ハーフミラー、平行平板、プリズム、プリズムミラー、ロッドレンズ、フライアイレンズ、位相差板、絞り板等の他の光学素子を保持する光学素子保持装置に具体化してもよい。
・ この発明の光学素子保持装置は、前記実施形態の露光装置21,76の投影光学系25における横置きタイプのレンズ28の保持構成に限定されることなく、例えば露光装置21,76の照明光学系23における光学素子の保持構成、縦置きタイプの光学素子の保持構成に具体化してもよい。さらに、他の光学機械、例えば顕微鏡、干渉計等の光学系における光学素子の保持構成に具体化してもよい。
・ 前記各実施形態では、押さえ面ブロック44がパッド部材43を介して、レンズ28のフランジ部28aを押圧するように構成した。これに対して、パッド部材43を省略して、押さえ面ブロック44が直接フランジ部28aを押圧するようにしてもよい。この場合、押さえ面ブロック44におけるレンズ28のフランジ部28aとの対向面に押さえ座52を設けることが望ましい。
・ 前記各実施形態のクランプ本体42では、長く延長された腕部46が、押さえ面ブロック44を付勢するようになっている。これに対して、この腕部46に代えて、例えば板状の板バネ、コイルバネ等を採用して押さえ面ブロック44を付勢するようにしてもよい。
以上のようにした場合でも、前記実施形態における効果とほぼ同様の効果が得られる。
・ また、露光装置として、投影光学系を用いることなく、マスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するコンタクト露光装置、マスクと基板とを近接させてマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置の光学系にも適用することができる。また、投影光学系としては、全屈折タイプに限らず、反射屈折タイプ、全反射タイプであってもよい。
さらに、本発明の露光装置は、縮小露光型の露光装置に限定されるものではなく、例えば等倍露光型、拡大露光型の露光装置であってもよい。
また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては、石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、または水晶などが用いられる。
もちろん、半導体素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、液晶表示素子(LCD)などを含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いられて、デバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置などにも本発明を適用することができる。
さらに、本発明は、マスクと基板とが相対移動した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるスキャニング・ステッパ、マスクと基板とが静止した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式のステッパとを問わず適用することができる。
・ また、露光装置の光源としては、例えばg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、Fレーザ(157nm)、Krレーザ(146nm)、Arレーザ(126nm)等を用いてもよい。また、DFB半導体レーザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(またはエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。
なお、前記実施形態の露光装置21,76は、例えば次のように製造される。
すなわち、まず、照明光学系23、投影光学系25を構成する複数のレンズ28、第1及び第2レンズ77,79またはミラー等の光学素子の少なくとも一部を本実施形態のレンズセル29等の光学素子保持装置で保持し、この照明光学系23及び投影光学系25を露光装置21,76の本体に組み込み、光学調整を行う。次いで、多数の機械部品からなるウエハステージ26(スキャンタイプの露光装置の場合は、レチクルステージ24も含む)を露光装置21,76の本体に取り付けて配線を接続する。そして、露光光の光路内にガスを供給するガス供給配管を接続した上で、さらに総合調整(電気調整、動作確認など)を行う。
ここで、光学素子保持装置を構成する各部品は、超音波洗浄などにより、加工油や、金属物質などの不純物を落としたうえで、組み上げられる。なお、露光装置21,76の製造は、温度、湿度や気圧が制御され、かつクリーン度が調整されたクリーンルーム内で行うことが望ましい。
次に、上述した露光装置21,76をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
図13は、デバイス(ICやLSI等の半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。図13に示すように、まず、ステップS101(設計ステップ)において、デバイス(マイクロデバイス)の機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS102(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レクチルR等)を製作する。一方、ステップS103(基板製造ステップ)において、シリコン、ガラスプレート等の材料を用いて基板(シリコン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造する。
次に、ステップS104(基板処理ステップ)において、ステップS101〜S103で用意したマスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS105(デバイス組立ステップ)において、ステップS104で処理された基板を用いてデバイス組立を行う。このステップS105には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入等)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップS106(検査ステップ)において、ステップS105で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図14は、半導体デバイスの場合における、図13のステップS104の詳細なフローの一例を示す図である。図14において、ステップS111(酸化ステップ)では、ウエハWの表面を酸化させる。ステップS112(CVDステップ)では、ウエハW表面に絶縁膜を形成する。ステップS113(電極形成ステップ)では、ウエハW上に電極を蒸着によって形成する。ステップS114(イオン打込みステップ)では、ウエハWにイオンを打ち込む。以上のステップS111〜S114のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS115(レジスト形成ステップ)において、ウエハWに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS116(露光ステップ)において、先に説明したリソグラフィシステム(露光装置21,76)によってマスク(レチクルR)の回路パターンをウエハW上に転写する。次に、ステップS117(現像ステップ)では露光されたウエハWを現像し、ステップS118(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS119(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハW上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップS116)において上記の露光装置21が用いられ、真空紫外域の露光光ELにより解像力の向上が可能となり、しかも露光量制御を高精度に行うことができる。従って、結果的に最小線幅が0.1μm程度の高集積度のデバイスを歩留まりよく生産することができる。
第1実施形態の露光装置を示す概略構成図。 図1のレンズセルを示す斜視図。 図1のレンズセルを気密リング32を取り外した状態で示す斜視図。 図1のレンズセルを下方から見た一部切欠斜視図。 図2の保持部を下方から見た斜視図。 図2の保持部を分解して示す下方から見た斜視図。 図2の載置部を中心とした枠体の部分平面図。 図7の8−8線断面図。 図8の支持座の形成方法に関する説明図。 第2実施形態のレンズセルを示す斜視図。 第3実施形態の露光装置を示す概略構成図。 図11の投影光学系25の像面側部分を示す断面図。 デバイスの製造例のフローチャート。 半導体デバイスの場合における図10の基板処理に関する詳細なフローチャート。
符号の説明
21,76…露光装置、25…投影光学系、27…鏡筒、28…光学素子としてのレンズ、29…光学素子保持装置としてのレンズセル、31…枠体、31a…第1面、31b…第2面、32…流通調整機構及び蓋体としての気密リング、34…変位部材としての載置部、36a,36b…スリット、37…変位部材としての切り欠きバネ、38…対向面としての段部、38a…押しつけ部、38b…凸部、39…支持座、40…クリアランス、41…ジグ、56…許容空間、58…第1区画領域、60…流通調整機構としての弾性シーリング材、61…第2区画領域、71…流通調整機構及び蓋体としての粘着テープ、77…投影光学系の像面に最も近い光学素子としての第1レンズ、79…投影光学系の像面に最も近い光学素子に次いで像面に近い光学素子としての第2レンズ、EL…露光光、LQ…液体、W…基板としてのウエハ。

Claims (16)

  1. 光学素子の外周を取り囲む枠体と、前記枠体に対して所定間隔離して取り付けられ、前記光学素子の外周部を保持するとともに、温度変化によって生じる前記枠体と前記光学素子との少なくとも一方の膨張または収縮に対応するために、前記光学素子の半径方向に変位可能な変位部材とを備える光学素子保持装置において、
    前記枠体と前記変位部材との間における流体の流通を調整する流通調整機構を備えることを特徴とする光学素子保持装置。
  2. 前記枠体と前記変位部材とは一体に形成され、前記枠体と前記変位部材との間には、前記枠体と前記変位部材とを所定間隔離すために前記光学素子の光軸方向に延びて形成されたスリットを有し、前記流通調整機構は、前記スリットを介して、前記光学素子の光軸方向における前記枠体の第1面側における第1区画領域と、該第1面と反対側の第2面側における第2区画領域との間における前記流体の流通を調整することを特徴とする請求項1に記載の光学素子保持装置。
  3. 前記枠体と前記変位部材とは別部材で形成され、前記枠体と前記変位部材との間には、前記枠体と前記変位部材とを所定間隔離すために前記光学素子の光軸方向に延びて形成されたスリットを有し、前記流通調整機構は、前記スリットを介して、前記光学素子の光軸方向における前記枠体の第1面側における第1区画領域と、該第1面と反対側の第2面側における第2区画領域との間における前記流体の流通を調整することを特徴とする請求項1に記載の光学素子保持装置。
  4. 前記流通調整機構は、前記第1面側及び前記第2面側の少なくとも一方に設けられ、前記スリット、前記枠体と前記変位部材とにおける前記スリットの周囲を覆う蓋体を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の光学素子保持装置。
  5. 前記変位部材と前記蓋体との間には、前記変位部材の変位を許容する許容空間が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の光学素子保持装置。
  6. 前記蓋体は、可撓性を有する薄膜状のものを含むことを特徴とする請求項4または5に記載の光学素子保持装置。
  7. 前記流通調整機構は、前記枠体と前記変位部材との間に封入され、前記変位部材の変位を許容する弾性シーリング材を含むことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置。
  8. 前記変位部材は、前記光学素子の外周部の一部分に対向する対向面と、前記対向面に形成され、前記光学素子の外周部に接触する凸状の支持座とを有し、前記対向面と前記光学素子の外周部との間は、前記凸状の支持座で前記光学素子の外周部を支持することによって所定のクリアランスが形成されていることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置。
  9. 前記枠体は、前記光学素子の外周部の残りの部分に対向する対向面を有し、前記対向面と前記光学素子の外周部との間は、前記変位部材が備える前記凸状の支持座で前記光学素子の外周部が支持されることによって、所定のクリアランスが形成されていることを特徴とする請求項8に記載の光学素子保持装置。
  10. 前記支持座が、該支持座を有する部材に対して該部材より高硬度のジグを押しつけることにより、その押しつけ部の周囲に盛り上げられた凸部であることを特徴とする請求項9に記載の光学素子保持装置。
  11. 内部に複数の光学素子を保持する鏡筒において、
    前記光学素子の少なくとも1つを請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置を介して保持したことを特徴とする鏡筒。
  12. 所定のパターンを介した露光光を基板に照射して、前記基板を露光する露光装置において、
    前記露光光が通過する光学素子の少なくとも1つを請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置を介して保持したことを特徴とする露光装置。
  13. 前記所定のパターンを前記基板上に投影する投影光学系を有し、前記光学素子は、前記投影光学系の像面に最も近い光学素子であることを特徴とする請求項12に記載の露光装置。
  14. 前記所定のパターンを前記基板上に投影する投影光学系を有し、前記光学素子は、前記投影光学系の像面に最も近い光学素子に次いで像面に近い光学素子であることを特徴とする請求項12に記載の露光装置。
  15. 前記投影光学系と、前記基板との間に所定の液体を介在させることを特徴とする請求項13または14のうちいずれか一項に記載の露光装置。
  16. リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、
    前記リソグラフィ工程は、請求項12〜15のうちいずれか一項に記載の露光装置を用いることを特徴とするデバイスの製造方法。
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