JPWO2002001971A1 - 高電圧を利用した殺菌装置およびそれを用いた穀類及び種子等の殺菌対象物の殺菌方法 - Google Patents
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Abstract
穀類及び種子等の殺菌対象物の品質を損なうことなく均一に常温、常圧下で容易に効率よく殺菌できる殺菌装置および殺菌方法。多数配設された針状電極からなる放電側電極と、この放電側電極と離間して絶縁板により表面が覆われている平板状電極からなる接地側電極と、前記放電側電極と接地側電極とを囲う誘電体で形成された殺菌処理装置と、前記電極間に高電圧を印加するための電源とを備え、前記殺菌処理装置内の放電側電極と接地側電極間に穀類及び種子等の殺菌対象物を介在させて、前記電極間でパルスストリーマ放電を発生することにより殺菌する。
Description
技術分野
この発明は、高電圧を利用した殺菌装置およびそれを用いた穀類及び種子等の殺菌対象物の殺菌方法に関するものであり、さらに詳しくは、穀類及び種子、食品、医薬品、漢方薬品、化粧品、飼料、肥料などの固型物全般(以下、穀類及び種子等の殺菌対象物と称す)に適用可能であって、特に加熱不適な穀類、種子、食品には最適に適用できる高電圧を利用した殺菌装置およびそれを用いた穀類及び種子等の殺菌対象物の殺菌方法に関するものである。
背景技術
従来、食品の殺菌方法としては加熱殺菌が一般的に行われている。しかし加熱殺菌では、成分、香り、味、色等の変質、有効成分の逸散等を伴い、食品そのものの品質を低下させる問題があった。
米の殺菌・殺虫には過熱水蒸気で処理を行うことができず、臭化メチルによるくん蒸が行われてきた。しかし、臭化メチルは、引火しやすく危険物に指定されていることや、劇物にも指定され、皮膚に触れると水泡を生じるなど安全性に問題がある上、その高いオゾン破壊の潜在性により大気中に放出されて地球上空のオゾン層に到達すると、オゾン層を破壊する問題がある。
一方、オゾンによる殺菌も行われているが、殺菌効果が不満足であるという問題があり、また、カビの増加を抑えるため、低温貯蔵(例えば、15℃、70〜75%RH)が行われているが、長期低温貯蔵ではカビの増加が懸念される。
また、小豆、トウモロコシ、香辛料などにはコバルト60などを用いる放射線による殺菌が認められているが、大掛かりな設備が必要で設備費が高い上、放射線が外部に漏洩しないように遮蔽が必要となるなどの問題がある。
本発明者は、先に高交流電圧あるいは高電圧をパルス的に印加した放電側電極と接地側電極間に玄米を介在させて、常温、常圧下、前記電極間でパルスストリーマ放電を発生させることにより玄米の芽胞菌などを含む各種菌を殺菌する高電圧殺菌装置および殺菌方法を提案した(特開平11−267183号公報、特願平11−105235号明細書、特願平11−105240号明細書)。
しかしながら、高電圧殺菌装置(特開平11−267183号公報)は湿度を調整した空気中でパルスストリーマ放電によって殺菌を行っていたが、玄米等の殺菌後直ぐに加熱処理を行うものにはどのような殺菌方法でも有効であったが、高電圧殺菌後に長期に保管する穀類や種子及び香辛料等の高電圧殺菌処理後に加熱処理を施さないで貯蔵したりするものでは、完全に微生物や細菌等を死滅させないでおくと貯蔵中に微生物や細菌等が繁殖し、栽培途中や流通過程で腐敗したり、伝染して他の農作物にまで影響を及ぼしたりする危険があった。
本発明は、上記の問題を解決するもので、本発明の第1の目的は、穀類及び種子等の殺菌対象物の品質を損なうことなく均一に常温、常圧下で容易に効率よく殺菌できる高電圧を利用した殺菌装置を提供することであり、本発明の第2の目的は、この殺菌装置を用いて穀類及び種子等の殺菌対象物の品質を損なうことなく均一に常温、常圧下で容易に効率よく殺菌する方法を提供することである。
発明の開示
本発明の請求項1の高電圧を利用した殺菌装置は、多数配設された針状電極からなる放電側電極と、この放電側電極と離間して絶縁板により表面が覆われている平板状電極からなる接地側電極と、前記放電側電極と接地側電極とを囲う誘電体で形成された殺菌処理装置と、前記電極間に高電圧を印加するための電源とを備え、
前記殺菌処理装置内の放電側電極と接地側電極間に穀類及び種子等の殺菌対象物を介在させて、前記電極間でパルスストリーマ放電を発生することにより殺菌することを特徴とする。
本発明においては、前記電極間でパルスストリーマ放電を発生させることにより常温、常圧下で穀類及び種子等の殺菌対象物の各種菌を殺菌する。
直流電圧印加時のコロナ放電では放電側電極のごく近傍が発光するのみであるが、パルスストリーマ放電でははるかに広い領域をプラズマ化できる。これは、パルスストリーマ放電では直流コロナ放電でのスパーク電圧より高い電圧が瞬間的に印加でき高電界領域を広くできること、また直流コロナではイオン空間電荷により放電側電極近傍の電離域の電界強度が低下するため放電が抑制されるが、パルスストリーマ放電では電圧の立ち上がりが急峻なため空間電荷電界による放電抑制がわずかであることなどによるものと考えられる。
パルスストリーマ放電において針状電極からの放電が接合部に短絡しないように接地側電極の放電側電極に対向する表面に、その全表面を覆うように絶縁板を配設する。絶縁板を配設することにより、安全に、かつ均一な放電が行われ、殺菌対象物を均一に効率よく殺菌できる。
パルスストリーマ放電で前記殺菌処理装置内の酸素の一部をオゾンに変換させると共に、このオゾンによって殺菌処理装置内の空気中の水分からOH−を生成させ、かつ、高電圧放電による電位差で細胞膜を破裂させて殺菌を行い、パルスストリーマ放電で相乗的に殺菌を行えるようにすることにより、穀類及び種子等の殺菌対象物の表面に付着している微生物や細菌等を効率的に殺菌できるようにしている。
本発明の請求項2の高電圧を利用した殺菌装置は、穀類及び種子等の殺菌対象物を供給する供給手段と、この供給手段により供給された前記殺菌対象物を蓄えるホッパー部と、このホッパー部に蓄えられた前記殺菌対象物を移送して殺菌処理するための、多数配設された針状電極からなる放電側電極とこの放電側電極と離間して絶縁板により表面が覆われている平板状電極からなる接地側電極とを囲う誘電体で形成された殺菌処理装置と、前記電極間に高電圧を印加するための電源と、前記殺菌処理装置で殺菌処理された殺菌対象物を外部に排出する排出手段とを備え、前記殺菌処理装置内の放電側電極と接地側電極間に穀類及び種子等の殺菌対象物を介在させて、前記電極間でパルスストリーマ放電を発生することにより殺菌することを特徴とする。
パルスストリーマ放電で前記殺菌処理装置内の酸素の一部をオゾンに変換させると共に、このオゾンによって殺菌処理装置内の空気中の水分からOH−を生成させ、かつ、高電圧放電による電位差で細胞膜を破裂させて殺菌を行い、パルスストリーマ放電で相乗的に殺菌を行えるようにすることにより、自動的に連続して穀類及び種子等の殺菌対象物の表面に付着している微生物や細菌等を効率的に殺菌できるようにしている。
本発明の請求項3の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項2記載の殺菌装置において、前記殺菌処理装置の下部に設けた開閉可能なシャッターを開けることより前記殺菌処理装置で殺菌処理された穀類及び種子等の殺菌対象物を前記殺菌処理装置の外部に排出することを特徴とするものである。
殺菌処理装置の下部に設けた開閉可能なシャッターを開けることより前記殺菌処理装置で殺菌処理された穀類及び種子等の殺菌対象物を前記殺菌処理装置の外部に排出し、殺菌処理装置内で殺菌した穀類及び種子等の殺菌対象物を人手に触れることなく貯蔵することができるようにしている。
本発明の請求項4の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項2あるいは請求項3記載の殺菌装置において、前記ホッパー部の下部に設けた開閉可能なシャッターを開けることより前記ホッパー部に一時的に蓄えた穀類及び種子等の殺菌対象物を前記殺菌処理装置に移送することを特徴とする。
ホッパー部の下部に設けた開閉可能なシャッターを開けることより前記ホッパー部に一時的に蓄えた穀類及び種子等の殺菌対象物を前記殺菌処理装置に移送し、多量の穀類及び種子等の殺菌対象物を間隔をあけることなく殺菌処理を施すことができるようにしている。
本発明の請求項5の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の殺菌装置において、前記放電側電極が所定の間隔を置いて多数配設された針状電極からなることを特徴とする。
放電側電極と接地側電極としていずれも平板状電極を用いると、電極の表面積が大きくなるために高電圧を発生する電源部の容量を大きくする必要があり、また両平板状電極は絶対平行であることが必要であり、平行が保たれないと部分的に放電が集中する問題がある。
一方、前記放電側電極として1つの針状電極を用い、前記接地側電極として平板状電極を用いる場合がある(例えば、特開平11−187872号公報の図1(a)に記載の方法を参照)が、この場合は前記電極間に介在された殺菌対象物の広範囲にわたる殺菌ができず殺菌むらがでる問題がある。
所定の間隔を置いて多数配設された針状電極を用いると、均一な放電が行われ電極間に介在された殺菌対象物の広範囲にわたる均一殺菌ができ、殺菌むらがでない。
針状電極は、錆の発生を抑え、耐久性を持たせるため、例えば、ステンレス系材料、白金系材料などの材料で作られたものが好ましい。ステンレス製針状電極は先端が例えば、およそ0.1〜1mmφのものが好ましく、0.1〜0.5mmφ程度と非常に細いものがより好ましい。
印加電圧、周波数、投入エネルギー(cal/cm3)、電界強度などが殺菌対象物の種類、形態、菌の種類、形態などによって異なるので針状電極の間隔は特に限定されず、殺菌対象物が本来有する香味、風味などの品質を損なわない範囲において充分に均一に殺菌できるように適宜選定して決めるのが好ましい。
しかし上記間隔は、通常は、5mmから80mm未満の範囲から選ばれることが望ましい。
本発明の請求項6の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項5記載の殺菌装置において、前記放電側電極が所定の間隔を置いて千鳥状に多数配設された針状電極からなることを特徴とする。
所定の間隔を置いて千鳥状に多数配設された針状電極を用いることにより前記電極間に介在させた殺菌対象物を広範囲にわたって、しかも、より均一に殺菌することができる。
本発明の請求項7の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の殺菌装置において、前記放電側電極と接地側電極間に殺菌対象物を移動させて連続的に殺菌することを特徴とする。
本発明においては、前記殺菌処理装置内に殺菌対象物を一旦充填して殺菌し、次いで殺菌した殺菌対象物を殺菌処理装置から取り出すこともできるが、前記殺菌処理装置内の放電側電極と接地側電極間に殺菌対象物を移動させて殺菌することにより連続的に殺菌して、殺菌した後に殺菌処理装置から連続的に取り出すことができる。このようにすれば殺菌速度や殺菌能率を向上でき、多量の殺菌対象物を容易に殺菌できるので経済性に優れる。
本発明の請求項8の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項7記載の殺菌装置において、前記殺菌処理装置の下面に接地側電極を設け、殺菌対象物をコンベア上に載置して前記放電側電極と接地側電極間に移動させて連続的に殺菌することを特徴とする。
殺菌対象物をコンベア上に載置して前記放電側電極と接地側電極間に移動させて連続的に殺菌すれば、放電側電極と接地側電極間での殺菌対象物の移動が容易になり、連続的に殺菌した後、連続的に殺菌した殺菌対象物を殺菌処理装置から取り出せるので、殺菌速度や殺菌能率をより向上でき、より経済的となる。
本発明の請求項9の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項7記載の殺菌装置において、前記接地側電極をコンベア上に載置したことを特徴とする。
接地側電極をコンベア上に載置することにより、殺菌対象物の移動が容易である上、放電側電極に対向する位置に殺菌対象物が移動してきた時に殺菌が行われるので殺菌も容易であり、連続的に殺菌して、連続的に殺菌処理装置から取り出せるので、殺菌速度や殺菌能率を向上でき、経済的となる。
本発明の請求項10の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項1から請求項9のいずれかに記載の殺菌装置において、前記絶縁板がセラミック板であることを特徴とする。
この目的に使用される絶縁板としては一般的に、アクリル板やガラス板が安価なため使用される。しかし、耐久性や強度的に問題があるので、印加電圧を高くする場合は耐久性、強度および絶縁性の高いセラミック板が好ましい。セラミック板は大きな一枚板であってもよく、あるいは例えば1cm角で1mm厚などのように小さく薄いセラミック板であってもよい。小さいセラミック板は大量生産されているため安価であり、多数の小さいセラミック板を相互に接着するなどして接合して大きなセラミック板として使用することができる。
本発明の請求項11の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項10記載の殺菌装置において、前記セラミック板が耐電圧の高いセラミック板であることを特徴とする。
耐電圧の高いセラミック板は印加電圧を高くできるので好ましく使用できる。このような耐電圧の高いセラミック板としては、具体的には例えば、アルミナ板が好ましく、高純度アルミナ板がさらに好ましく使用できる。
本発明の請求項12の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項1から請求項11のいずれかに記載の殺菌装置において、前記誘電体が1010〜1014Ω・cm以上の体積固有抵抗を有する材料で形成されていることを特徴とする。
殺菌対象物を殺菌処理するための殺菌処理装置は、安全に殺菌対象物を殺菌するために、1010〜1014Ω・cm以上の体積固有抵抗を有する絶縁性の高い材料で形成されることが好ましい。このような材料としては具体的には例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、各種エンジニアリングプラスチック、FRPなどの電気絶縁性材料を挙げることができる。
本発明の請求項13は、請求項1から請求項12のいずれかに記載の殺菌装置を用いて、放電側電極と接地側電極間に穀類及び種子等の殺菌対象物を介在させて、電界強度20KV/cm〜60KV/cm、周波数100pps〜1000pps、パルス幅0.05μs〜0.5μsの範囲内のパルス高電圧により発生させたパルスストリーマ放電で殺菌することを特徴とする穀類及び種子等の殺菌対象物の殺菌方法である。
上記のパルスストリーマ放電で殺菌することにより芽胞菌などを含む各種菌を容易に効率的かつ経済的に殺菌することができる。
本発明の請求項14は、請求項13記載の殺菌方法において、前記放電側電極に正極性のパルス高電圧を印加することを特徴とする。
放電側電極に正極性のパルス高電圧を印加することにより安定した放電ができる。
放電側電極に正極性のパルス高電圧を印加する替わりに、逆に放電側電極に負極性のパルス高電圧を印加すると、放電側電極にゴミやチリなどが付着し、均一で安定した放電ができなくなる恐れがある。
本発明の請求項15は、請求項13あるいは請求項14記載の殺菌方法において、前記放電側電極に立ち上がり時間10nS(ナノ秒)以上、持続時間1μS(マイクロ秒)以下のパルス高電圧を印加することを特徴とする。
所定の間隔を置いて多数配設された針状電極からなる放電側電極に立ち上がり時間数10ns(ナノ秒)程度以上、持続時間1μs(マイクロ秒)程度以下のパルス高電圧を印加すると、放電側電極から線状に伸びるストリーマー放電が発生し、電極間の広い範囲をプラズマ化でき、前記電極間に介在させた穀類及び種子等の殺菌対象物を均一にむらなく殺菌できる。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の高電圧を利用した殺菌装置の一実施形態の斜視図、図2は図1に示した殺菌装置の放電側電極と、接地側電極および殺菌処理装置の下部に設けた開閉可能なシャッターを説明する説明図、図3は図1に示した殺菌装置の一部断面を示す側面図、図4は図1に示した殺菌装置の殺菌処理装置の下部に設けた開閉可能なシャッターを開いて殺菌処理された穀類及び種子等の殺菌対象物を排出する状態を説明する説明図、図5は図1に示した殺菌装置の放電側電極と、接地側電極を説明する説明図である。
図1〜図5に示したように、本発明の殺菌装置1は、予め穀類及び種子等の殺菌対象物aを準備し、この殺菌対象物を供給する供給手段2と、この供給手段により供給された殺菌対象物aを一時的に蓄えるホッパー部3と、このホッパー部に蓄えられた殺菌対象物aを移送して殺菌処理するための殺菌処理装置4と、この殺菌処理装置で殺菌処理された殺菌対象物aを殺菌処理装置4外に排出する排出手段5とを備えている。殺菌処理装置4はアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、FRPなどの誘電体の電気絶縁性材料(1010〜1014Ω・cm以上の体積固有抵抗を有する材料が好ましい)で容器状に形成されている。
殺菌処理装置4内には、所定の間隔d1を置いて多数配設された針状電極6(錆の発生を抑え、耐久性を持たせるためステンレス系材料で作られたものが好ましい。例えばステンレス製針状電極で先端が0.5mmφと非常に細いものがより好ましい)からなる放電側電極7と、絶縁板8(セラミック板が好ましく使用できる。セラミック板の具体例とては、アルミナ板が挙げられる。純度90%以上の耐電圧の高い高純度アルミナのアルミナ板がより好ましい)により表面が覆われている平板状電極9からなる接地側電極10が設置されている。
多数の針状電極6は導体11(針状電極6と同じようにステンレス系材料で作られたものが好ましい)に図5に示したようにビス61(針状電極6と同じようにステンレス系材料で作られたものが好ましい)によりしっかり固定されて構成された放電側電極7が、殺菌処理装置4の内部側に針状電極6が突出して出るようにして殺菌処理装置4の前面壁12に固定されて装着されている。
接地側電極10は殺菌処理装置4の内部側に絶縁板8により表面が覆われている平板状電極9が放電側電極7に対向してこの放電側電極と所定の間隔(間隔は特に限定されないが、通常約10mm〜50mmである)を維持するように殺菌処理装置4の後面壁13に固定されて装着されている。14は、殺菌処理装置4の前面に設置した安全のための開閉可能な扉である。
本発明においては、多数の針状電極6を所定の一定の間隔d1を置いて配設することが好ましい。多数の針状電極を用いる代わりに1つの針状電極を用いた場合は前記電極間に介在させた殺菌対象物aを広範囲にわたって殺菌ができず殺菌むらがでる。
パルスストリーマ放電を起こさせるための電界強度は20KV/cm〜60KV/cmで、20KV/cm未満では望むべき殺菌率が得られず、60KV/cmを超えると殺菌後に殺菌対象物に亀裂や割れ及び焼けこげが生じる等の品質に問題が生じる恐れがある。また、1秒間にパルスが何回発生したかを表す周波数100ppsの場合で、パルス発生回数が100pps未満の50ppsでは殺菌率が100ppsと比較した場合に低下し、1000ppsを超えると絶縁板8が破損する危険があり、しかも、高電圧発生装置が大掛かりとなり、設備コストが過大になって採算が取れなくなる恐れがある。
パルス幅は0.05μs〜0.5μsの範囲内で、パルス幅が0.05μs未満では、高電圧を印加することができず、印加できた場合でも電圧の安定に欠け、殺菌率にバラツキが生じ、パルス幅が0.5μsを超えると、放電中に短絡し易くなり、殺菌後に焼き焦げや亀裂等の品質に問題が生じる恐れがある。
多数の針状電極6の間隔d1は通常は、5mmから80mm未満、好ましくは10mmから60mm、特に好ましくは25mmから30mmの範囲から選ばれることが望ましい。間隔d1が5mm未満であると殺菌対象物の殺菌はできるが後で説明する電源40の容量を大きくしなければならず、不経済となる恐れがある。一方、間隔d1が80mmを超えると前記電極間に介在させた殺菌対象物aを広範囲にわたって均一に殺菌ができず殺菌むらがでる恐れがある。
供給手段2、ホッパー部3、殺菌処理装置4、排出手段5などは一体的に連結されて構成されており、供給手段2によって供給された殺菌対象物aをホッパー部3に一時的に蓄え、ホッパー部3に蓄えられた殺菌対象物aの所定量を重力により自然落下させて移送して殺菌処理装置4の前記電極7〜10間に介在させ、後で説明する電源40で発生した高電圧を前記電極7〜10間に印加してこの電極間でパルスストリーマ放電を発生させて殺菌する。
供給手段2は、殺菌対象物aの供給口15、コンベア16、このコンベアを駆動するモータ17、コンベア16で移送した殺菌対象物aをホッパー3部内に放出する放出口18などから成り、図3に示したように白矢印で示した方向から供給口15内に供給された殺菌対象物aはモータ17により駆動されるコンベア16により上方に移送されて放出口18を経てホッパー部3へ供給される。
殺菌処理装置4内で殺菌処理された穀類及び種子等の殺菌対象物aは、この殺菌処理装置の下部に設けられた開閉可能なシャッター19を開けることより殺菌処理装置4の外部に自然落下して排出される。
排出手段5は、シャッター19、このシャッターを開閉する駆動装置20(ソレノイドバルブを備えた電気式駆動装置あるいは空気式駆動装置などいずれでもよい)、排出用ダクト21などから成っている。22は本発明の殺菌対象物を殺菌する処理装置1を支持して固定する支持装置である。23は殺菌処理された殺菌対象物aを収容する排出容器である。
本発明の殺菌装置1を用いて殺菌対象物aを殺菌処理する場合は、殺菌処理された殺菌対象物aが再び汚染されないように無菌室内で行うなど充分な管理が必要である。
殺菌処理装置4内の穀類及び種子等の殺菌対象物aは放電側電極7と接地側電極10との間でのパルスストリーマ放電によってこの電極間の空気中の酸素が反応してオゾンガスが発生し、このオゾンガスが空気中の水分と反応してO2 −、OH−、H2O2の3種の活性酸素を生成し、このうちの、OH−(ヒドロキシラジカル)で微生物や細菌等の殺菌が行われる。OH−は、オゾンより高い酸化還元電位を有していることから、細菌等を殺菌する効果が優れている。
図6は本発明で使用する電源40の一例を説明する説明図である。図6に示したように、電源40は、電源部41(AC200V、50Hz)、スライダック42、高電圧トランス43、全波整流ブリッジ44、抵抗45、コンデンサ46、スパークギャップ47、抵抗48、接地手段49などを備えた回路から構成されている。
電源40(AC200V、50Hz)から入力された電圧をスライダック42および高電圧トランス43にて昇圧し、全波整流ブリッジ44にて整流する。その後、抵抗45にて電流値を下げ、コンデンサ46を充電する。コンデンサ46に充電された電気エネルギーは、スパークギャップ47を通して瞬間的に放電され、パルス電圧(例えば、エネルギー波を1秒間に約100回発生させる)となって殺菌対象物aを殺菌する処理装置4の放電側電極7と接地側電極10間に印加され、この電極間でパルスストリーマ放電を発生させることにより、常温、常圧下、前記電極7−10間に介在させた穀類及び種子等の殺菌対象物aの殺菌が行われる。
本発明において、絶縁板8は1枚の板でもよいが小さいセラッミク板(例えば、Al2O3)の端部を相互に接着するなどして接合して作った板でもよい。
絶縁板8として多数の小さなセラミック板(例えば、Al2O3)の端部を相互に接着するなどして接合して作られた絶縁板8を使用する場合は、多数の針状電極6と多数のセラミック板の端部の接合部との相互の位置関係を特定の位置関係とすることが好ましい。
すなわち、各針状電極6から平板状電極9に対して直角に引いた直線がセラミック板に達した点と、セラミック板の端部の接合部との間の距離が、いずれの前記点といずれの接合部との組み合わせであっても10mm以上になるようにすることが好ましい。この距離が約5mm以内であるとその針状電極6からその接合部に放電が必ず短絡する。この距離が約7〜8mmであると印加電圧によってはその針状電極6からその接合部に放電が短絡する。
また、殺菌処理装置4中における殺菌処理時間、穀類及び種子の処理量、湿度などの殺菌条件も、穀類及び種子等の殺菌対象物aの種類、形態、菌の種類などによって異なるので適宜選定して決めるのが好ましく特に限定されない。しかし、穀類及び種子等の殺菌対象物では、凡そ15〜30分間程度のパルスストリーマ放電を行って殺菌を確実にしている。
本発明の殺菌装置1を作動させ、供給手段2により供給された殺菌対象物aをホッパー部3に一時的に蓄え、ホッパー部3に蓄えられた殺菌対象物aを移送して、シャッター19を閉めた殺菌処理装置4の電極7−10間に所定量介在させ、電源40で発生した高電圧を電極7−10間に印加してこの電極間でパルスストリーマ放電を発生させ、殺菌条件下に置くことにより容易に殺菌できる。そして殺菌処理装置4内で殺菌処理された殺菌対象物aは、シャッター19を開けることより殺菌処理装置4の外部に排出される。以上の操作を繰り返すことにより穀類及び種子等の殺菌対象物aの品質を損なうことなく均一に常温、常圧下で効率よく容易に殺菌できるようにしている。
図7は、殺菌処理装置の下部に設けられた開閉可能なシャッターの他の例を説明する説明図であり、図8(A)は図7に示したシャッターを閉じた状態を示す説明図であり、図8(B)は同シャッターを開けた状態を示す説明図である。尚、図7〜8において、図1〜6と構成が共通する部分及び同じ名称のものには同一符号を付してある。
図7、図8において、殺菌処理装置4の下部にはシャッター19Aが設けられており、シャッター19Aに連結されたモータなどの開閉装置24により駆動され回転して開閉可能になっている。図8(A)に示したようにシャッター19Aを閉めた殺菌処理装置4の電極7−10間に所定量の穀類及び種子等の殺菌対象物aを介在させ、前記のように電源40で発生した高電圧を電極7−10間に印加してこの電極間でパルスストリーマ放電を発生させ、殺菌条件下に置くことにより殺菌した後、殺菌処理された殺菌対象物aは、図8(B)に示したように開閉装置24によりシャッター19Aを開けて白矢印で示したように殺菌処理装置4の外部に排出させる。
図9は、ホッパー部の下部および殺菌処理装置の下部に開閉可能なシャッターを設けた穀類及び種子等の殺菌対象物aを殺菌する処理装置の説明図であり、(A)は殺菌処理装置の下部のシャッターを閉め、ホッパー部の下部のシャッターを開けてホッパー部の殺菌対象物を殺菌処理装置へ移送する状態を示す説明図であり、(B)は殺菌処理された殺菌対象物を殺菌処理装置の下部のシャッターを開けて排出する状態を示す説明図である。尚、図9において、図1〜6と構成が共通する部分及び同じ名称のものには同一符号を付してある。
図9において、ホッパー部3および殺菌処理装置4の下部には駆動装置20により開閉されるシャッター19が設けられている。図9(A)に示したよう殺菌処理装置4の下部のシャッター19を閉めた殺菌処理装置4のホッパー部3の下部のシャッター19を開けてホッパー部3に一時的に蓄えられた殺菌対象物aの内から所定量の殺菌対象物aを移送して電極7−10間に介在させ、前記のように電源40で発生した高電圧を電極7−10間に印加してこの電極間でパルスストリーマ放電を発生させ、殺菌条件下に置くことにより殺菌した後、殺菌処理された殺菌対象物aは、駆動装置20により殺菌処理装置4の下部のシャッター19を開けて白矢印で示したように殺菌処理装置4の外部に排出される。
図10は、本発明の高電圧を利用した殺菌装置の他の例を示す斜視図である。尚、図10において、図1〜9と構成が共通する部分及び同じ名称のものには同一符号を付してある。
図10に示した本発明の殺菌装置1Aは、図1〜6に示した本発明の殺菌装置1を大型化した例を示すものである。
殺菌処理装置4内が2つのセパレータ25(セパレータ25は殺菌処理装置4自体と同様に1010〜1014Ω・cm以上の体積固有抵抗を有するアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、FRPなどの電気絶縁性材料で作られたものが好ましい)により分割された3つのセル4−1、4−2、4−3を備えており、各セル4−1、4−2、4−3にそれぞれ複数の放電側電極7と接地側電極10が対応して設けられており、殺菌処理装置4の下部にはモータなどの開閉装置24により駆動され回転して開閉可能なシャッター19Aが設けられており、ホッパー部3から各セル4−1、4−2、4−3内にそれぞれ所定量の穀類及び種子等の殺菌対象物aを移送するために供給手段2は図示しない駆動装置により駆動されてホッパー部3に沿って平行に移動可能になっている以外は、図1〜6に示した本発明の殺菌装置1と同様になっている。
本発明の殺菌装置1Aを作動させ、供給手段2をホッパー部3に沿って平行に移動させながら供給手段2により供給された殺菌対象物aをホッパー部3に一時的に蓄え、ホッパー部3に蓄えられた所定量の殺菌対象物aを移送して、シャッター19Aを閉めた殺菌処理装置4の各セル4−1、4−2、4−3の電極7−10間にそれぞれ所定の量だけ介在させ、前記のように電源40で発生した高電圧を電極7−10間に印加してこの電極間でパルスストリーマ放電を発生させ、殺菌条件下に置くことにより容易に多量の穀類及び種子等の殺菌対象物aを処理して殺菌できる。そして殺菌処理装置4内で殺菌処理された殺菌対象物aは、シャッター19Aを開けることより殺菌処理装置4の外部に排出される。以上の操作を繰り返すことにより多量の穀類及び種子等の殺菌対象物aの品質を損なうことがなく均一に常温、常圧下で効率よく容易に殺菌できる。
図11はホッパー部の下に設けた殺菌処理装置を水平にし、この殺菌処理装置の接地側電極をコンベア状にで形成して搬送できるように設けた本発明の高電圧を利用した殺菌装置の説明図であり、図11において、図1〜6と構成が共通する部分及び同じ名称のものには同一符号を付してある。誘電体で形成された殺菌処理装置は放電側電極と接地側電極とを囲むように形成されている。
図11において、殺菌処理装置4の下部には接地側電極10がコンベア24で駆動できるようにしている。コンベア24は左側から右側に穀類及び種子等の殺菌対象物aを搬送するようにしている。殺菌対象物aは殺菌処理装置4の左側からコンベア24上にホッパー部3から供給され、このコンベア上を移動する間に、前記のように電源40で発生した高電圧を電極7−10間に印加してこの電極間でパルスストリーマ放電を発生させ、殺菌条件下に置くことにより殺菌し、殺菌処理装置4の右側から白矢印で示したように搬出容器23内に排出される。
図19に示すように多数の針状電極6を碁盤の目のように整然と配設した放電側電極7を用いると、各針状電極6に高電圧をかけて放電させた場合、各針状電極6から接地側電極10へ同電位のパルスストリーマ放電が放出されてお互いに干渉が発生し、図20に示すように接地側電極10上でパルスストリーマ放電が行われる四角状の箇所Aと、パルスストリーマ放電が行われない箇所Bが現れ、均一な放電ができないという問題が生じた。
この場合、図21に示すように例え、殺菌対象物を針状電極6と接地側電極10間で矢印で示したように移動させて殺菌を行っても、パルスストリーマ放電が行われる箇所Aを通過する殺菌対象物cは殺菌されるが、パルスストリーマ放電が行われない箇所Bを通過する殺菌対象物dは充分に殺菌されないため、殺菌むらが生じ均一な殺菌ができないという問題があった。
そこで放電側電極として所定の間隔を置いて千鳥状に多数配設された針状電極を用いることによりこの問題を解決できる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図12に、一定の間隔dを置いて千鳥状に多数配設された針状電極6の一例を示す。
図12に示すように、第1列目の針状電極6は横方向に一定の間隔d1を置いて多数配設されており、そして第2列目の針状電極6は第1列目の針状電極6から一定の間隔d2を置いて、第1列目の針状電極6の相隣る2つの針状電極の間に第2列目の1つの針状電極6が互い違いに位置するように、そして横方向には一定の間隔d1を置いて多数配設されており、そして第3列目の針状電極6は第2列目の針状電極6から一定の間隔d2を置いて、第1列目の針状電極6と縦方向において同一位置になるように配設されており、以下同様にして針状電極6が千鳥状に多数配設されている。
d1、d2の大きさは特に限定されないが、通常はd2≒1/2d1〜2d1であり、例えば、式:d2=(√3/2)d1を満足するようにd1、d2を決めて針状電極6を千鳥状に多数配設して、第2列目の針状電極6−1が、第1列目の針状電極6−2および6−3、第2列目の針状電極6−4および6−5、第3列目の針状電極6−6および6−7からそれぞれ略均等に離れて位置するようにすることが好ましい。
このようにすると各針状電極に高電圧をかけて放電させた場合、各針状電極6から接地側電極10へ同電位のパルスストリーマ放電が放出されるが放電干渉が異なった箇所に発生し、図13に示すように接地側電極10上でパルスストリーマ放電が行われる円形状の箇所Aとパルスストリーマ放電が行われない箇所Bが現れる。
しかし、図14に示すように殺菌対象物を針状電極6と接地側電極10間を矢印で示したように移動させると、図13に示すように針状電極6が千鳥状に多数配置されているために、例えば第1列目でパルスストリーマ放電が行われない箇所Bを通過した殺菌対象物は第1列目では殺菌されないが、第2列目においてパルスストリーマ放電が行われる箇所Aを通過するので殺菌が行われる。第3列目以降も同様にして殺菌が行われるので、結果的に図14中に殺菌範囲eで示したように殺菌対象物を殺菌むらなく充分に均一に殺菌することができる。
図15は、図12および図13に示した針状電極6と接地側電極10の説明図である。平板状電極9の上に絶縁板[セラミック板(Al2O3)]8が配設されており、千鳥状に多数配置された針状電極6と平板状電極9上のセラミック板8との間に殺菌対象物(例えば、玄米などの穀類)を介在させて移動させて殺菌する。針状電極6と平板状電極9との間隔は特に限定されないが、通常凡そ10mm〜50mmから選ばれる所定の間隔である。針状電極6平板状電極9との間隔を所定の間隔とすることにより、部分的に放電が集中することがなくなり均一にパルスストリーマ放電が行われる。
図示しない電源部40において発生した高電圧は、パルス電圧(例えば、エネルギー波を1秒間に約100回発生させる)となって針状電極6と平板状電極9間に印加され、常温、常圧下、針状電極6と平板状電極9間でパルスストリーマ放電を発生させることができ、両電極間に介在させて移動させた殺菌対象物の殺菌が行われる。
印加電圧、周波数、投入エネルギー(cal/cm3)、電界強度、間隔dの大きさおよびどのように千鳥状にするか、すなわちどの程度互い違いにするかは特に限定されず、殺菌対象物が本来有する香味、風味、薬効、性能、分散性などの品質を損なわない範囲において充分に均一に殺菌できるように、適宜選定して決めるのが好ましい。
しかし、針状電極を千鳥状に多数配設する場合も針状電極の間隔dは通常は、5mmから30mm未満、好ましくは8mmから30mmの範囲から選ばれることが望ましい。針状電極の間隔dが5mm未満であると殺菌対象物の殺菌はできるが電源部40の容量を大きくしなければならず不経済となる恐れがある。一方、針状電極の間隔dが30mmを超えると針状電極3と平板状電極9間に介在させた殺菌対象物を均一に殺菌ができず殺菌むらがでる恐れがある。
一般的には、印加電圧、周波数、投入エネルギー、電界強度ともに大きい方が殺菌に有効であり、また周波数よりも印加電圧が高い方が有効であり、同一投入エネルギーにおいては電界強度が高い方が有効である。
また、針状電極6と平板状電極9間を移動させる殺菌対象物の移動速度、殺菌処理時間、殺菌対象物の処理量、湿度などの殺菌条件も、殺菌対象物の種類、形態、菌の種類、形態などによって異なるので適宜選定して決めるのが好ましく特に限定されない。
図16は本発明の他の実施形態における高電圧を利用した殺菌装置の概要を示す構成図である。図16において、図1〜6と構成が共通する部分及び同じ名称のものには同一符号を付してある。電源40の詳細は図示しないが図6に示したものと同様になっている。
図16において本発明の殺菌装置1Bの殺菌処理装置4Aは、高電圧を発生する電源40と、発生した高電圧を印加する図示しない多数の針状電極を所定の間隔dを置いて千鳥状に配設した針状電極6と、図示しないセラミック板8および平板状電極9からなる接地側電極10を設けた電極部分30を備えている。図示しない平板状電極9は接地手段49によって接地されている。41は電源部(AC200V、50Hz)である。
上述した殺菌装置1Bを作動させ、殺菌対象物(玄米)aを殺菌処理装置4Aの上部の入口51から内部に供給すると、殺菌対象物(玄米)aは電極部分30に入り図示しない針状電極6と平板状電極9間でパルスストリーマ放電により殺菌される。殺菌された殺菌対象物(玄米)aは、殺菌処理装置4Aの下部の出口52から外部へ排出されて、排出容器23へ入る。このようにして殺菌対象物(玄米)aを常温、常圧下で連続的に均一に容易に殺菌することができる。
図17(A)、17(B)は本発明の他の実施形態における高電圧を利用した殺菌装置の要部概要を示す構成図である。
ホッパー32の下に設けた殺菌処理装置4を水平にし、この殺菌処理装置4の接地側電極10と多数の針状電極6を所定の間隔を置いて千鳥状に配設した放電側電極の間にベルトコンベア31を配設して、殺菌対象物aをベルトコンベア31で搬送できるようにして、両電極間で穀類及び種子等の殺菌対象物aを殺菌する。誘電体で形成された殺菌処理装置4は放電側電極と接地側電極10とを囲むように形成されている。図17において、図1〜6と構成が共通する部分及び同じ名称のものには同一符号を付してある。電源40などは図示しないが図6に示したものと同様になっている。
ベルトコンベア31は、樹脂あるいは合成ゴムなどの体積固有抵抗が約1010〜1014Ω・cmあるいはそれ以上の材料で形成されたものが好ましい。
上述した殺菌装置1Cを作動させ、殺菌対象物(玄米)aをホッパ32からベルトコンベア31上に供給すると、殺菌対象物(玄米)aは矢印方向に連続的に移動して針状電極6と接地側電極10間でパルスストリーマ放電により連続的に殺菌される。そして殺菌された殺菌対象物(玄米)aはベルトコンベア31から排出されて排出容器23中に入れられる。このようにして、殺菌対象物(玄米)aを常温、常圧下で連続的に均一に容易に殺菌することができる。33はベルトコンベア31を駆動するモータである。
図17に示した殺菌装置1C(針状電極6と平板状電極9間の距離13mm)を用いて、殺菌対象物(玄米)aを供給してベルトコンベア31を移動させて周波数100ヘルツ、パルス幅100〜500nm、電界強度5〜40kV/cm、電圧30kv/cm、パルスストリーマ放電時間30分の条件で殺菌を行い、殺菌率を測定した。その結果、殺菌は均一に行われており殺菌率は99%であった。
比較のために図19に示したように碁盤の目のように整然と多数配設した針状電極6を備えた殺菌装置を用いた以外は上記殺菌装置1Cを用いた実施例と同様にして、殺菌対象物(玄米)aの殺菌を行い、殺菌率を測定した結果、殺菌は不均一であり殺菌率は95%であった。
図18は本発明の他の実施形態における高電圧を利用した殺菌装置の要部概要を示す構成図である。
ホッパー32の下に設けた殺菌処理装置4を水平にし、この殺菌処理装置4のベルトコンベアに類似の構造に形成された接地側電極10で穀類及び種子等の殺菌対象物aを搬送できるようにして、多数の針状電極6を所定の間隔を置いて千鳥状に配設した放電側電極との間で殺菌対象物aを殺菌するようにしている。そして誘電体で形成された殺菌処理装置4は放電側電極と接地側電極10とを囲むように形成されている。図18において、図1〜6と構成が共通する部分及び同じ名称のものには同一符号を付してある。電源40などは図示しないが図6に示したものと同様になっている。
図18において、本発明の殺菌装置1Dを作動させ、殺菌対象物(玄米)aを接地側電極10上に供給すると、殺菌対象物(玄米)aは矢印方向に連続的に移動して千鳥状に配設した針状電極6とこの針状電極6に対応する位置にある接地側電極10間でパルスストリーマ放電により連続的に殺菌される。殺菌された殺菌対象物(玄米)aは接地側電極10から排出される。このようにして殺菌対象物(玄米)aを常温、常圧下で連続的に均一に容易に殺菌することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
上記の説明では、殺菌する際の湿度については特に制御しなかったが、前記の特開平11−267183号公報に記載されているように、放電側電極と接地側電極間に穀類及び種子等の殺菌対象物を介在させて、前記電極間でパルスストリーマ放電を発生することにより常温、常圧下で殺菌する際、湿度を調整して例えば高湿度に制御した雰囲気中で殺菌を行うことができる。高湿度に制御することにより殺菌率を向上できる。
【発明の効果】
本発明の請求項1の高電圧を利用した殺菌装置は、パルスストリーマ放電で殺菌処理装置内の酸素の一部をオゾンに変換させると共に、このオゾンによって殺菌処理装置内の空気中の水分からOH−を生成させ、かつ、高電圧放電による電位差で細胞膜を破裂させて殺菌を行い、パルスストリーマ放電で相乗的に殺菌を行えるようにすることにより、穀類及び種子等の殺菌対象物の表面に付着している微生物や細菌等を効率的に殺菌できるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項2の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項1の殺菌装置と同様な効果を奏するとともに、自動的に連続して穀類及び種子等の殺菌対象物の表面に付着している微生物や細菌などを効率的に殺菌できるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項3の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項2の殺菌装置において、殺菌処理装置の下部に設けた開閉可能なシャッターを開けることより前記殺菌処理装置で殺菌処理された穀類及び種子等の殺菌対象物を前記殺菌処理装置の外部に排出し、殺菌処理装置内で殺菌した穀類及び種子等の殺菌対象物を人手に触れることなく貯蔵することができるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項4の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項2あるいは請求項3記載の殺菌装置において、ホッパー部の下部に設けた開閉可能なシャッターを開けることより前記ホッパー部に一時的に蓄えた穀類及び種子等の殺菌対象物を前記殺菌処理装置に移送し、多量の穀類及び種子等の殺菌対象物を間隔をあけることなく殺菌処理を施すことができるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項5の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の殺菌装置において、所定の間隔を置いて多数配設された針状電極を用いることにより、均一な放電が行われ電極間に介在された殺菌対象物の広範囲にわたる均一殺菌ができ、殺菌むらがでないという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項6の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項5記載の殺菌装置において、所定の間隔を置いて千鳥状に多数配設された針状電極を用いることにより前記電極間に介在させた殺菌対象物を広範囲にわたって、しかも、より均一に殺菌することができるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項7の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の殺菌装置において、殺菌処理装置内の放電側電極と接地側電極間に殺菌対象物を移動させて殺菌することにより連続的に殺菌して、連続的に取り出すことができるので、殺菌速度や殺菌能率を向上でき、経済的となるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項8の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項7記載の殺菌装置において、殺菌対象物をコンベア上に載置して放電側電極と接地側電極間に移動させて連続的に殺菌すれば、放電側電極と接地側電極間での殺菌対象物の移動が容易になり、連続的に殺菌して、連続的に取り出せるので、殺菌速度や殺菌能率をより向上でき、より経済的となるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項9の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項7記載の殺菌装置において、接地側電極をコンベア上に載置することにより、殺菌対象物の移動および殺菌が容易になり、連続的に殺菌して、連続的に取り出せるので、殺菌速度や殺菌能率をより向上でき、より経済的となるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項10の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項1から請求項9のいずれかに記載の殺菌装置において、絶縁板としてセラミック板を用いることにより、耐久性、強度に優れるので、印加電圧を高くすることができるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項11の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項10記載の殺菌装置において、絶縁板として耐電圧の高いセラミック板を用いることにより、より印加電圧を高くすることができるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項12の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項1から請求項11のいずれかに記載の殺菌装置において、前記誘電体が1010〜1014Ω・cm以上の体積固有抵抗を有する材料であるので、安全性が向上するという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項13は、請求項1から請求項12のいずれかに記載の殺菌装置を用いて、放電側電極と接地側電極間に穀類及び種子等の殺菌対象物を介在させて、電界強度20KV/cm〜60KV/cm、周波数100pps〜1000pps、パルス幅0.05μs〜0.5μsの範囲内のパルスストリーマ放電で殺菌することにより、芽胞菌などを含む各種菌を容易に効率的に経済的に殺菌することができるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項14は、請求項13記載の殺菌方法において、放電側電極に正極性のパルス高電圧を印加するので、放電側電極にゴミやチリなどが付着することがなくなり、均一で安定した放電ができるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項15は、請求項13あるいは請求項14記載の殺菌方法において、前記放電側電極に立ち上がり時間10nS(ナノ秒)以上、持続時間1μS(マイクロ秒)以下のパルス高電圧を印加すると、放電側電極から線状に伸びるストリーマー放電が発生し、電極間の広い範囲をプラズマ化でき、前記電極間に介在させた穀類及び種子等の殺菌対象物を均一にむらなく殺菌できるという顕著な効果を奏する。
産業上の利用可能性
本発明は、穀類及び種子等の殺菌対象物の品質を損なうことなく均一に常温、常圧下で容易に効率よく殺菌する高電圧を利用した殺菌装置ならびにその方法を提供し、産業上有用である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の高電圧を利用した殺菌装置の一実施形態の斜視図である。図2は、図1に示した殺菌装置の放電側電極と、接地側電極および殺菌処理装置の下部に設けた開閉可能なシャッターを説明する説明図である。図3は、図1に示した殺菌装置の一部断面を示す側面図である。図4は、図1に示した殺菌装置の殺菌処理装置の下部に設けた開閉可能なシャッターを開いて殺菌処理された玄米を排出する状態を説明する説明図である。図5は、図1に示した殺菌装置の放電側電極と、接地側電極を説明する説明図である。図6は、本発明で使用する電源の一例を説明する説明図である。図7は、殺菌処理装置の下部に設けられた開閉可能なシャッーの他の例を説明する説明図である。図8(A)は図7に示したシャッターを閉じた状態を示す説明図であり、図8(B)は同シャッターを開けた状態を示す説明図である。図9(A)は殺菌処理装置の下部のシャッターを閉め、ホッパー部の下部のシャッターを開けてホッパー部の穀類及び種子等を殺菌処理装置へ移送する状態を示す説明図であり、図9(B)は殺菌処理された殺菌対象物を殺菌処理装置の下部のシャッターを開けて排出する状態を示す説明図である。図10は、本発明の殺菌装置の他の例を示す斜視図である。図11は、本発明の穀類及び種子等をコンベアで搬送して殺菌する殺菌処理装置を示す説明図である。図12は、所定の間隔を置いて千鳥状に多数配設された針状電極の平面説明図である。図13は、接地側電極上でパルスストリーマ放電が行われる箇所とパルスストリーマ放電が行われない箇所を示す平面説明図である。図14は、接地側電極上で殺菌が行われる領域を示す平面説明図である。図15は、針状電極と平板状電極の断面説明図である。図16は、本発明の殺菌装置の他の例を示す説明図である。図17(A)は、本発明の他の殺菌装置の側面からみた要部の概要を示す構成図であり、図17(B)は同殺菌装置の正面からみた要部の概要を示す構成図である。図18は、本発明の他の殺菌装置の要部の概要を示す構成図である。図19は、碁盤の目のように整然と多数配設された従来の針状電極の平面説明図である。図20は、従来の接地側電極上でパルスストリーマ放電が行われる箇所とパルスストリーマ放電が行われない箇所を示す平面説明図である。図21は、従来の接地側電極上で殺菌が行われる領域と殺菌が行われない領域を示す平面説明図である。
この発明は、高電圧を利用した殺菌装置およびそれを用いた穀類及び種子等の殺菌対象物の殺菌方法に関するものであり、さらに詳しくは、穀類及び種子、食品、医薬品、漢方薬品、化粧品、飼料、肥料などの固型物全般(以下、穀類及び種子等の殺菌対象物と称す)に適用可能であって、特に加熱不適な穀類、種子、食品には最適に適用できる高電圧を利用した殺菌装置およびそれを用いた穀類及び種子等の殺菌対象物の殺菌方法に関するものである。
背景技術
従来、食品の殺菌方法としては加熱殺菌が一般的に行われている。しかし加熱殺菌では、成分、香り、味、色等の変質、有効成分の逸散等を伴い、食品そのものの品質を低下させる問題があった。
米の殺菌・殺虫には過熱水蒸気で処理を行うことができず、臭化メチルによるくん蒸が行われてきた。しかし、臭化メチルは、引火しやすく危険物に指定されていることや、劇物にも指定され、皮膚に触れると水泡を生じるなど安全性に問題がある上、その高いオゾン破壊の潜在性により大気中に放出されて地球上空のオゾン層に到達すると、オゾン層を破壊する問題がある。
一方、オゾンによる殺菌も行われているが、殺菌効果が不満足であるという問題があり、また、カビの増加を抑えるため、低温貯蔵(例えば、15℃、70〜75%RH)が行われているが、長期低温貯蔵ではカビの増加が懸念される。
また、小豆、トウモロコシ、香辛料などにはコバルト60などを用いる放射線による殺菌が認められているが、大掛かりな設備が必要で設備費が高い上、放射線が外部に漏洩しないように遮蔽が必要となるなどの問題がある。
本発明者は、先に高交流電圧あるいは高電圧をパルス的に印加した放電側電極と接地側電極間に玄米を介在させて、常温、常圧下、前記電極間でパルスストリーマ放電を発生させることにより玄米の芽胞菌などを含む各種菌を殺菌する高電圧殺菌装置および殺菌方法を提案した(特開平11−267183号公報、特願平11−105235号明細書、特願平11−105240号明細書)。
しかしながら、高電圧殺菌装置(特開平11−267183号公報)は湿度を調整した空気中でパルスストリーマ放電によって殺菌を行っていたが、玄米等の殺菌後直ぐに加熱処理を行うものにはどのような殺菌方法でも有効であったが、高電圧殺菌後に長期に保管する穀類や種子及び香辛料等の高電圧殺菌処理後に加熱処理を施さないで貯蔵したりするものでは、完全に微生物や細菌等を死滅させないでおくと貯蔵中に微生物や細菌等が繁殖し、栽培途中や流通過程で腐敗したり、伝染して他の農作物にまで影響を及ぼしたりする危険があった。
本発明は、上記の問題を解決するもので、本発明の第1の目的は、穀類及び種子等の殺菌対象物の品質を損なうことなく均一に常温、常圧下で容易に効率よく殺菌できる高電圧を利用した殺菌装置を提供することであり、本発明の第2の目的は、この殺菌装置を用いて穀類及び種子等の殺菌対象物の品質を損なうことなく均一に常温、常圧下で容易に効率よく殺菌する方法を提供することである。
発明の開示
本発明の請求項1の高電圧を利用した殺菌装置は、多数配設された針状電極からなる放電側電極と、この放電側電極と離間して絶縁板により表面が覆われている平板状電極からなる接地側電極と、前記放電側電極と接地側電極とを囲う誘電体で形成された殺菌処理装置と、前記電極間に高電圧を印加するための電源とを備え、
前記殺菌処理装置内の放電側電極と接地側電極間に穀類及び種子等の殺菌対象物を介在させて、前記電極間でパルスストリーマ放電を発生することにより殺菌することを特徴とする。
本発明においては、前記電極間でパルスストリーマ放電を発生させることにより常温、常圧下で穀類及び種子等の殺菌対象物の各種菌を殺菌する。
直流電圧印加時のコロナ放電では放電側電極のごく近傍が発光するのみであるが、パルスストリーマ放電でははるかに広い領域をプラズマ化できる。これは、パルスストリーマ放電では直流コロナ放電でのスパーク電圧より高い電圧が瞬間的に印加でき高電界領域を広くできること、また直流コロナではイオン空間電荷により放電側電極近傍の電離域の電界強度が低下するため放電が抑制されるが、パルスストリーマ放電では電圧の立ち上がりが急峻なため空間電荷電界による放電抑制がわずかであることなどによるものと考えられる。
パルスストリーマ放電において針状電極からの放電が接合部に短絡しないように接地側電極の放電側電極に対向する表面に、その全表面を覆うように絶縁板を配設する。絶縁板を配設することにより、安全に、かつ均一な放電が行われ、殺菌対象物を均一に効率よく殺菌できる。
パルスストリーマ放電で前記殺菌処理装置内の酸素の一部をオゾンに変換させると共に、このオゾンによって殺菌処理装置内の空気中の水分からOH−を生成させ、かつ、高電圧放電による電位差で細胞膜を破裂させて殺菌を行い、パルスストリーマ放電で相乗的に殺菌を行えるようにすることにより、穀類及び種子等の殺菌対象物の表面に付着している微生物や細菌等を効率的に殺菌できるようにしている。
本発明の請求項2の高電圧を利用した殺菌装置は、穀類及び種子等の殺菌対象物を供給する供給手段と、この供給手段により供給された前記殺菌対象物を蓄えるホッパー部と、このホッパー部に蓄えられた前記殺菌対象物を移送して殺菌処理するための、多数配設された針状電極からなる放電側電極とこの放電側電極と離間して絶縁板により表面が覆われている平板状電極からなる接地側電極とを囲う誘電体で形成された殺菌処理装置と、前記電極間に高電圧を印加するための電源と、前記殺菌処理装置で殺菌処理された殺菌対象物を外部に排出する排出手段とを備え、前記殺菌処理装置内の放電側電極と接地側電極間に穀類及び種子等の殺菌対象物を介在させて、前記電極間でパルスストリーマ放電を発生することにより殺菌することを特徴とする。
パルスストリーマ放電で前記殺菌処理装置内の酸素の一部をオゾンに変換させると共に、このオゾンによって殺菌処理装置内の空気中の水分からOH−を生成させ、かつ、高電圧放電による電位差で細胞膜を破裂させて殺菌を行い、パルスストリーマ放電で相乗的に殺菌を行えるようにすることにより、自動的に連続して穀類及び種子等の殺菌対象物の表面に付着している微生物や細菌等を効率的に殺菌できるようにしている。
本発明の請求項3の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項2記載の殺菌装置において、前記殺菌処理装置の下部に設けた開閉可能なシャッターを開けることより前記殺菌処理装置で殺菌処理された穀類及び種子等の殺菌対象物を前記殺菌処理装置の外部に排出することを特徴とするものである。
殺菌処理装置の下部に設けた開閉可能なシャッターを開けることより前記殺菌処理装置で殺菌処理された穀類及び種子等の殺菌対象物を前記殺菌処理装置の外部に排出し、殺菌処理装置内で殺菌した穀類及び種子等の殺菌対象物を人手に触れることなく貯蔵することができるようにしている。
本発明の請求項4の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項2あるいは請求項3記載の殺菌装置において、前記ホッパー部の下部に設けた開閉可能なシャッターを開けることより前記ホッパー部に一時的に蓄えた穀類及び種子等の殺菌対象物を前記殺菌処理装置に移送することを特徴とする。
ホッパー部の下部に設けた開閉可能なシャッターを開けることより前記ホッパー部に一時的に蓄えた穀類及び種子等の殺菌対象物を前記殺菌処理装置に移送し、多量の穀類及び種子等の殺菌対象物を間隔をあけることなく殺菌処理を施すことができるようにしている。
本発明の請求項5の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の殺菌装置において、前記放電側電極が所定の間隔を置いて多数配設された針状電極からなることを特徴とする。
放電側電極と接地側電極としていずれも平板状電極を用いると、電極の表面積が大きくなるために高電圧を発生する電源部の容量を大きくする必要があり、また両平板状電極は絶対平行であることが必要であり、平行が保たれないと部分的に放電が集中する問題がある。
一方、前記放電側電極として1つの針状電極を用い、前記接地側電極として平板状電極を用いる場合がある(例えば、特開平11−187872号公報の図1(a)に記載の方法を参照)が、この場合は前記電極間に介在された殺菌対象物の広範囲にわたる殺菌ができず殺菌むらがでる問題がある。
所定の間隔を置いて多数配設された針状電極を用いると、均一な放電が行われ電極間に介在された殺菌対象物の広範囲にわたる均一殺菌ができ、殺菌むらがでない。
針状電極は、錆の発生を抑え、耐久性を持たせるため、例えば、ステンレス系材料、白金系材料などの材料で作られたものが好ましい。ステンレス製針状電極は先端が例えば、およそ0.1〜1mmφのものが好ましく、0.1〜0.5mmφ程度と非常に細いものがより好ましい。
印加電圧、周波数、投入エネルギー(cal/cm3)、電界強度などが殺菌対象物の種類、形態、菌の種類、形態などによって異なるので針状電極の間隔は特に限定されず、殺菌対象物が本来有する香味、風味などの品質を損なわない範囲において充分に均一に殺菌できるように適宜選定して決めるのが好ましい。
しかし上記間隔は、通常は、5mmから80mm未満の範囲から選ばれることが望ましい。
本発明の請求項6の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項5記載の殺菌装置において、前記放電側電極が所定の間隔を置いて千鳥状に多数配設された針状電極からなることを特徴とする。
所定の間隔を置いて千鳥状に多数配設された針状電極を用いることにより前記電極間に介在させた殺菌対象物を広範囲にわたって、しかも、より均一に殺菌することができる。
本発明の請求項7の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の殺菌装置において、前記放電側電極と接地側電極間に殺菌対象物を移動させて連続的に殺菌することを特徴とする。
本発明においては、前記殺菌処理装置内に殺菌対象物を一旦充填して殺菌し、次いで殺菌した殺菌対象物を殺菌処理装置から取り出すこともできるが、前記殺菌処理装置内の放電側電極と接地側電極間に殺菌対象物を移動させて殺菌することにより連続的に殺菌して、殺菌した後に殺菌処理装置から連続的に取り出すことができる。このようにすれば殺菌速度や殺菌能率を向上でき、多量の殺菌対象物を容易に殺菌できるので経済性に優れる。
本発明の請求項8の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項7記載の殺菌装置において、前記殺菌処理装置の下面に接地側電極を設け、殺菌対象物をコンベア上に載置して前記放電側電極と接地側電極間に移動させて連続的に殺菌することを特徴とする。
殺菌対象物をコンベア上に載置して前記放電側電極と接地側電極間に移動させて連続的に殺菌すれば、放電側電極と接地側電極間での殺菌対象物の移動が容易になり、連続的に殺菌した後、連続的に殺菌した殺菌対象物を殺菌処理装置から取り出せるので、殺菌速度や殺菌能率をより向上でき、より経済的となる。
本発明の請求項9の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項7記載の殺菌装置において、前記接地側電極をコンベア上に載置したことを特徴とする。
接地側電極をコンベア上に載置することにより、殺菌対象物の移動が容易である上、放電側電極に対向する位置に殺菌対象物が移動してきた時に殺菌が行われるので殺菌も容易であり、連続的に殺菌して、連続的に殺菌処理装置から取り出せるので、殺菌速度や殺菌能率を向上でき、経済的となる。
本発明の請求項10の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項1から請求項9のいずれかに記載の殺菌装置において、前記絶縁板がセラミック板であることを特徴とする。
この目的に使用される絶縁板としては一般的に、アクリル板やガラス板が安価なため使用される。しかし、耐久性や強度的に問題があるので、印加電圧を高くする場合は耐久性、強度および絶縁性の高いセラミック板が好ましい。セラミック板は大きな一枚板であってもよく、あるいは例えば1cm角で1mm厚などのように小さく薄いセラミック板であってもよい。小さいセラミック板は大量生産されているため安価であり、多数の小さいセラミック板を相互に接着するなどして接合して大きなセラミック板として使用することができる。
本発明の請求項11の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項10記載の殺菌装置において、前記セラミック板が耐電圧の高いセラミック板であることを特徴とする。
耐電圧の高いセラミック板は印加電圧を高くできるので好ましく使用できる。このような耐電圧の高いセラミック板としては、具体的には例えば、アルミナ板が好ましく、高純度アルミナ板がさらに好ましく使用できる。
本発明の請求項12の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項1から請求項11のいずれかに記載の殺菌装置において、前記誘電体が1010〜1014Ω・cm以上の体積固有抵抗を有する材料で形成されていることを特徴とする。
殺菌対象物を殺菌処理するための殺菌処理装置は、安全に殺菌対象物を殺菌するために、1010〜1014Ω・cm以上の体積固有抵抗を有する絶縁性の高い材料で形成されることが好ましい。このような材料としては具体的には例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、各種エンジニアリングプラスチック、FRPなどの電気絶縁性材料を挙げることができる。
本発明の請求項13は、請求項1から請求項12のいずれかに記載の殺菌装置を用いて、放電側電極と接地側電極間に穀類及び種子等の殺菌対象物を介在させて、電界強度20KV/cm〜60KV/cm、周波数100pps〜1000pps、パルス幅0.05μs〜0.5μsの範囲内のパルス高電圧により発生させたパルスストリーマ放電で殺菌することを特徴とする穀類及び種子等の殺菌対象物の殺菌方法である。
上記のパルスストリーマ放電で殺菌することにより芽胞菌などを含む各種菌を容易に効率的かつ経済的に殺菌することができる。
本発明の請求項14は、請求項13記載の殺菌方法において、前記放電側電極に正極性のパルス高電圧を印加することを特徴とする。
放電側電極に正極性のパルス高電圧を印加することにより安定した放電ができる。
放電側電極に正極性のパルス高電圧を印加する替わりに、逆に放電側電極に負極性のパルス高電圧を印加すると、放電側電極にゴミやチリなどが付着し、均一で安定した放電ができなくなる恐れがある。
本発明の請求項15は、請求項13あるいは請求項14記載の殺菌方法において、前記放電側電極に立ち上がり時間10nS(ナノ秒)以上、持続時間1μS(マイクロ秒)以下のパルス高電圧を印加することを特徴とする。
所定の間隔を置いて多数配設された針状電極からなる放電側電極に立ち上がり時間数10ns(ナノ秒)程度以上、持続時間1μs(マイクロ秒)程度以下のパルス高電圧を印加すると、放電側電極から線状に伸びるストリーマー放電が発生し、電極間の広い範囲をプラズマ化でき、前記電極間に介在させた穀類及び種子等の殺菌対象物を均一にむらなく殺菌できる。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の高電圧を利用した殺菌装置の一実施形態の斜視図、図2は図1に示した殺菌装置の放電側電極と、接地側電極および殺菌処理装置の下部に設けた開閉可能なシャッターを説明する説明図、図3は図1に示した殺菌装置の一部断面を示す側面図、図4は図1に示した殺菌装置の殺菌処理装置の下部に設けた開閉可能なシャッターを開いて殺菌処理された穀類及び種子等の殺菌対象物を排出する状態を説明する説明図、図5は図1に示した殺菌装置の放電側電極と、接地側電極を説明する説明図である。
図1〜図5に示したように、本発明の殺菌装置1は、予め穀類及び種子等の殺菌対象物aを準備し、この殺菌対象物を供給する供給手段2と、この供給手段により供給された殺菌対象物aを一時的に蓄えるホッパー部3と、このホッパー部に蓄えられた殺菌対象物aを移送して殺菌処理するための殺菌処理装置4と、この殺菌処理装置で殺菌処理された殺菌対象物aを殺菌処理装置4外に排出する排出手段5とを備えている。殺菌処理装置4はアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、FRPなどの誘電体の電気絶縁性材料(1010〜1014Ω・cm以上の体積固有抵抗を有する材料が好ましい)で容器状に形成されている。
殺菌処理装置4内には、所定の間隔d1を置いて多数配設された針状電極6(錆の発生を抑え、耐久性を持たせるためステンレス系材料で作られたものが好ましい。例えばステンレス製針状電極で先端が0.5mmφと非常に細いものがより好ましい)からなる放電側電極7と、絶縁板8(セラミック板が好ましく使用できる。セラミック板の具体例とては、アルミナ板が挙げられる。純度90%以上の耐電圧の高い高純度アルミナのアルミナ板がより好ましい)により表面が覆われている平板状電極9からなる接地側電極10が設置されている。
多数の針状電極6は導体11(針状電極6と同じようにステンレス系材料で作られたものが好ましい)に図5に示したようにビス61(針状電極6と同じようにステンレス系材料で作られたものが好ましい)によりしっかり固定されて構成された放電側電極7が、殺菌処理装置4の内部側に針状電極6が突出して出るようにして殺菌処理装置4の前面壁12に固定されて装着されている。
接地側電極10は殺菌処理装置4の内部側に絶縁板8により表面が覆われている平板状電極9が放電側電極7に対向してこの放電側電極と所定の間隔(間隔は特に限定されないが、通常約10mm〜50mmである)を維持するように殺菌処理装置4の後面壁13に固定されて装着されている。14は、殺菌処理装置4の前面に設置した安全のための開閉可能な扉である。
本発明においては、多数の針状電極6を所定の一定の間隔d1を置いて配設することが好ましい。多数の針状電極を用いる代わりに1つの針状電極を用いた場合は前記電極間に介在させた殺菌対象物aを広範囲にわたって殺菌ができず殺菌むらがでる。
パルスストリーマ放電を起こさせるための電界強度は20KV/cm〜60KV/cmで、20KV/cm未満では望むべき殺菌率が得られず、60KV/cmを超えると殺菌後に殺菌対象物に亀裂や割れ及び焼けこげが生じる等の品質に問題が生じる恐れがある。また、1秒間にパルスが何回発生したかを表す周波数100ppsの場合で、パルス発生回数が100pps未満の50ppsでは殺菌率が100ppsと比較した場合に低下し、1000ppsを超えると絶縁板8が破損する危険があり、しかも、高電圧発生装置が大掛かりとなり、設備コストが過大になって採算が取れなくなる恐れがある。
パルス幅は0.05μs〜0.5μsの範囲内で、パルス幅が0.05μs未満では、高電圧を印加することができず、印加できた場合でも電圧の安定に欠け、殺菌率にバラツキが生じ、パルス幅が0.5μsを超えると、放電中に短絡し易くなり、殺菌後に焼き焦げや亀裂等の品質に問題が生じる恐れがある。
多数の針状電極6の間隔d1は通常は、5mmから80mm未満、好ましくは10mmから60mm、特に好ましくは25mmから30mmの範囲から選ばれることが望ましい。間隔d1が5mm未満であると殺菌対象物の殺菌はできるが後で説明する電源40の容量を大きくしなければならず、不経済となる恐れがある。一方、間隔d1が80mmを超えると前記電極間に介在させた殺菌対象物aを広範囲にわたって均一に殺菌ができず殺菌むらがでる恐れがある。
供給手段2、ホッパー部3、殺菌処理装置4、排出手段5などは一体的に連結されて構成されており、供給手段2によって供給された殺菌対象物aをホッパー部3に一時的に蓄え、ホッパー部3に蓄えられた殺菌対象物aの所定量を重力により自然落下させて移送して殺菌処理装置4の前記電極7〜10間に介在させ、後で説明する電源40で発生した高電圧を前記電極7〜10間に印加してこの電極間でパルスストリーマ放電を発生させて殺菌する。
供給手段2は、殺菌対象物aの供給口15、コンベア16、このコンベアを駆動するモータ17、コンベア16で移送した殺菌対象物aをホッパー3部内に放出する放出口18などから成り、図3に示したように白矢印で示した方向から供給口15内に供給された殺菌対象物aはモータ17により駆動されるコンベア16により上方に移送されて放出口18を経てホッパー部3へ供給される。
殺菌処理装置4内で殺菌処理された穀類及び種子等の殺菌対象物aは、この殺菌処理装置の下部に設けられた開閉可能なシャッター19を開けることより殺菌処理装置4の外部に自然落下して排出される。
排出手段5は、シャッター19、このシャッターを開閉する駆動装置20(ソレノイドバルブを備えた電気式駆動装置あるいは空気式駆動装置などいずれでもよい)、排出用ダクト21などから成っている。22は本発明の殺菌対象物を殺菌する処理装置1を支持して固定する支持装置である。23は殺菌処理された殺菌対象物aを収容する排出容器である。
本発明の殺菌装置1を用いて殺菌対象物aを殺菌処理する場合は、殺菌処理された殺菌対象物aが再び汚染されないように無菌室内で行うなど充分な管理が必要である。
殺菌処理装置4内の穀類及び種子等の殺菌対象物aは放電側電極7と接地側電極10との間でのパルスストリーマ放電によってこの電極間の空気中の酸素が反応してオゾンガスが発生し、このオゾンガスが空気中の水分と反応してO2 −、OH−、H2O2の3種の活性酸素を生成し、このうちの、OH−(ヒドロキシラジカル)で微生物や細菌等の殺菌が行われる。OH−は、オゾンより高い酸化還元電位を有していることから、細菌等を殺菌する効果が優れている。
図6は本発明で使用する電源40の一例を説明する説明図である。図6に示したように、電源40は、電源部41(AC200V、50Hz)、スライダック42、高電圧トランス43、全波整流ブリッジ44、抵抗45、コンデンサ46、スパークギャップ47、抵抗48、接地手段49などを備えた回路から構成されている。
電源40(AC200V、50Hz)から入力された電圧をスライダック42および高電圧トランス43にて昇圧し、全波整流ブリッジ44にて整流する。その後、抵抗45にて電流値を下げ、コンデンサ46を充電する。コンデンサ46に充電された電気エネルギーは、スパークギャップ47を通して瞬間的に放電され、パルス電圧(例えば、エネルギー波を1秒間に約100回発生させる)となって殺菌対象物aを殺菌する処理装置4の放電側電極7と接地側電極10間に印加され、この電極間でパルスストリーマ放電を発生させることにより、常温、常圧下、前記電極7−10間に介在させた穀類及び種子等の殺菌対象物aの殺菌が行われる。
本発明において、絶縁板8は1枚の板でもよいが小さいセラッミク板(例えば、Al2O3)の端部を相互に接着するなどして接合して作った板でもよい。
絶縁板8として多数の小さなセラミック板(例えば、Al2O3)の端部を相互に接着するなどして接合して作られた絶縁板8を使用する場合は、多数の針状電極6と多数のセラミック板の端部の接合部との相互の位置関係を特定の位置関係とすることが好ましい。
すなわち、各針状電極6から平板状電極9に対して直角に引いた直線がセラミック板に達した点と、セラミック板の端部の接合部との間の距離が、いずれの前記点といずれの接合部との組み合わせであっても10mm以上になるようにすることが好ましい。この距離が約5mm以内であるとその針状電極6からその接合部に放電が必ず短絡する。この距離が約7〜8mmであると印加電圧によってはその針状電極6からその接合部に放電が短絡する。
また、殺菌処理装置4中における殺菌処理時間、穀類及び種子の処理量、湿度などの殺菌条件も、穀類及び種子等の殺菌対象物aの種類、形態、菌の種類などによって異なるので適宜選定して決めるのが好ましく特に限定されない。しかし、穀類及び種子等の殺菌対象物では、凡そ15〜30分間程度のパルスストリーマ放電を行って殺菌を確実にしている。
本発明の殺菌装置1を作動させ、供給手段2により供給された殺菌対象物aをホッパー部3に一時的に蓄え、ホッパー部3に蓄えられた殺菌対象物aを移送して、シャッター19を閉めた殺菌処理装置4の電極7−10間に所定量介在させ、電源40で発生した高電圧を電極7−10間に印加してこの電極間でパルスストリーマ放電を発生させ、殺菌条件下に置くことにより容易に殺菌できる。そして殺菌処理装置4内で殺菌処理された殺菌対象物aは、シャッター19を開けることより殺菌処理装置4の外部に排出される。以上の操作を繰り返すことにより穀類及び種子等の殺菌対象物aの品質を損なうことなく均一に常温、常圧下で効率よく容易に殺菌できるようにしている。
図7は、殺菌処理装置の下部に設けられた開閉可能なシャッターの他の例を説明する説明図であり、図8(A)は図7に示したシャッターを閉じた状態を示す説明図であり、図8(B)は同シャッターを開けた状態を示す説明図である。尚、図7〜8において、図1〜6と構成が共通する部分及び同じ名称のものには同一符号を付してある。
図7、図8において、殺菌処理装置4の下部にはシャッター19Aが設けられており、シャッター19Aに連結されたモータなどの開閉装置24により駆動され回転して開閉可能になっている。図8(A)に示したようにシャッター19Aを閉めた殺菌処理装置4の電極7−10間に所定量の穀類及び種子等の殺菌対象物aを介在させ、前記のように電源40で発生した高電圧を電極7−10間に印加してこの電極間でパルスストリーマ放電を発生させ、殺菌条件下に置くことにより殺菌した後、殺菌処理された殺菌対象物aは、図8(B)に示したように開閉装置24によりシャッター19Aを開けて白矢印で示したように殺菌処理装置4の外部に排出させる。
図9は、ホッパー部の下部および殺菌処理装置の下部に開閉可能なシャッターを設けた穀類及び種子等の殺菌対象物aを殺菌する処理装置の説明図であり、(A)は殺菌処理装置の下部のシャッターを閉め、ホッパー部の下部のシャッターを開けてホッパー部の殺菌対象物を殺菌処理装置へ移送する状態を示す説明図であり、(B)は殺菌処理された殺菌対象物を殺菌処理装置の下部のシャッターを開けて排出する状態を示す説明図である。尚、図9において、図1〜6と構成が共通する部分及び同じ名称のものには同一符号を付してある。
図9において、ホッパー部3および殺菌処理装置4の下部には駆動装置20により開閉されるシャッター19が設けられている。図9(A)に示したよう殺菌処理装置4の下部のシャッター19を閉めた殺菌処理装置4のホッパー部3の下部のシャッター19を開けてホッパー部3に一時的に蓄えられた殺菌対象物aの内から所定量の殺菌対象物aを移送して電極7−10間に介在させ、前記のように電源40で発生した高電圧を電極7−10間に印加してこの電極間でパルスストリーマ放電を発生させ、殺菌条件下に置くことにより殺菌した後、殺菌処理された殺菌対象物aは、駆動装置20により殺菌処理装置4の下部のシャッター19を開けて白矢印で示したように殺菌処理装置4の外部に排出される。
図10は、本発明の高電圧を利用した殺菌装置の他の例を示す斜視図である。尚、図10において、図1〜9と構成が共通する部分及び同じ名称のものには同一符号を付してある。
図10に示した本発明の殺菌装置1Aは、図1〜6に示した本発明の殺菌装置1を大型化した例を示すものである。
殺菌処理装置4内が2つのセパレータ25(セパレータ25は殺菌処理装置4自体と同様に1010〜1014Ω・cm以上の体積固有抵抗を有するアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、FRPなどの電気絶縁性材料で作られたものが好ましい)により分割された3つのセル4−1、4−2、4−3を備えており、各セル4−1、4−2、4−3にそれぞれ複数の放電側電極7と接地側電極10が対応して設けられており、殺菌処理装置4の下部にはモータなどの開閉装置24により駆動され回転して開閉可能なシャッター19Aが設けられており、ホッパー部3から各セル4−1、4−2、4−3内にそれぞれ所定量の穀類及び種子等の殺菌対象物aを移送するために供給手段2は図示しない駆動装置により駆動されてホッパー部3に沿って平行に移動可能になっている以外は、図1〜6に示した本発明の殺菌装置1と同様になっている。
本発明の殺菌装置1Aを作動させ、供給手段2をホッパー部3に沿って平行に移動させながら供給手段2により供給された殺菌対象物aをホッパー部3に一時的に蓄え、ホッパー部3に蓄えられた所定量の殺菌対象物aを移送して、シャッター19Aを閉めた殺菌処理装置4の各セル4−1、4−2、4−3の電極7−10間にそれぞれ所定の量だけ介在させ、前記のように電源40で発生した高電圧を電極7−10間に印加してこの電極間でパルスストリーマ放電を発生させ、殺菌条件下に置くことにより容易に多量の穀類及び種子等の殺菌対象物aを処理して殺菌できる。そして殺菌処理装置4内で殺菌処理された殺菌対象物aは、シャッター19Aを開けることより殺菌処理装置4の外部に排出される。以上の操作を繰り返すことにより多量の穀類及び種子等の殺菌対象物aの品質を損なうことがなく均一に常温、常圧下で効率よく容易に殺菌できる。
図11はホッパー部の下に設けた殺菌処理装置を水平にし、この殺菌処理装置の接地側電極をコンベア状にで形成して搬送できるように設けた本発明の高電圧を利用した殺菌装置の説明図であり、図11において、図1〜6と構成が共通する部分及び同じ名称のものには同一符号を付してある。誘電体で形成された殺菌処理装置は放電側電極と接地側電極とを囲むように形成されている。
図11において、殺菌処理装置4の下部には接地側電極10がコンベア24で駆動できるようにしている。コンベア24は左側から右側に穀類及び種子等の殺菌対象物aを搬送するようにしている。殺菌対象物aは殺菌処理装置4の左側からコンベア24上にホッパー部3から供給され、このコンベア上を移動する間に、前記のように電源40で発生した高電圧を電極7−10間に印加してこの電極間でパルスストリーマ放電を発生させ、殺菌条件下に置くことにより殺菌し、殺菌処理装置4の右側から白矢印で示したように搬出容器23内に排出される。
図19に示すように多数の針状電極6を碁盤の目のように整然と配設した放電側電極7を用いると、各針状電極6に高電圧をかけて放電させた場合、各針状電極6から接地側電極10へ同電位のパルスストリーマ放電が放出されてお互いに干渉が発生し、図20に示すように接地側電極10上でパルスストリーマ放電が行われる四角状の箇所Aと、パルスストリーマ放電が行われない箇所Bが現れ、均一な放電ができないという問題が生じた。
この場合、図21に示すように例え、殺菌対象物を針状電極6と接地側電極10間で矢印で示したように移動させて殺菌を行っても、パルスストリーマ放電が行われる箇所Aを通過する殺菌対象物cは殺菌されるが、パルスストリーマ放電が行われない箇所Bを通過する殺菌対象物dは充分に殺菌されないため、殺菌むらが生じ均一な殺菌ができないという問題があった。
そこで放電側電極として所定の間隔を置いて千鳥状に多数配設された針状電極を用いることによりこの問題を解決できる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図12に、一定の間隔dを置いて千鳥状に多数配設された針状電極6の一例を示す。
図12に示すように、第1列目の針状電極6は横方向に一定の間隔d1を置いて多数配設されており、そして第2列目の針状電極6は第1列目の針状電極6から一定の間隔d2を置いて、第1列目の針状電極6の相隣る2つの針状電極の間に第2列目の1つの針状電極6が互い違いに位置するように、そして横方向には一定の間隔d1を置いて多数配設されており、そして第3列目の針状電極6は第2列目の針状電極6から一定の間隔d2を置いて、第1列目の針状電極6と縦方向において同一位置になるように配設されており、以下同様にして針状電極6が千鳥状に多数配設されている。
d1、d2の大きさは特に限定されないが、通常はd2≒1/2d1〜2d1であり、例えば、式:d2=(√3/2)d1を満足するようにd1、d2を決めて針状電極6を千鳥状に多数配設して、第2列目の針状電極6−1が、第1列目の針状電極6−2および6−3、第2列目の針状電極6−4および6−5、第3列目の針状電極6−6および6−7からそれぞれ略均等に離れて位置するようにすることが好ましい。
このようにすると各針状電極に高電圧をかけて放電させた場合、各針状電極6から接地側電極10へ同電位のパルスストリーマ放電が放出されるが放電干渉が異なった箇所に発生し、図13に示すように接地側電極10上でパルスストリーマ放電が行われる円形状の箇所Aとパルスストリーマ放電が行われない箇所Bが現れる。
しかし、図14に示すように殺菌対象物を針状電極6と接地側電極10間を矢印で示したように移動させると、図13に示すように針状電極6が千鳥状に多数配置されているために、例えば第1列目でパルスストリーマ放電が行われない箇所Bを通過した殺菌対象物は第1列目では殺菌されないが、第2列目においてパルスストリーマ放電が行われる箇所Aを通過するので殺菌が行われる。第3列目以降も同様にして殺菌が行われるので、結果的に図14中に殺菌範囲eで示したように殺菌対象物を殺菌むらなく充分に均一に殺菌することができる。
図15は、図12および図13に示した針状電極6と接地側電極10の説明図である。平板状電極9の上に絶縁板[セラミック板(Al2O3)]8が配設されており、千鳥状に多数配置された針状電極6と平板状電極9上のセラミック板8との間に殺菌対象物(例えば、玄米などの穀類)を介在させて移動させて殺菌する。針状電極6と平板状電極9との間隔は特に限定されないが、通常凡そ10mm〜50mmから選ばれる所定の間隔である。針状電極6平板状電極9との間隔を所定の間隔とすることにより、部分的に放電が集中することがなくなり均一にパルスストリーマ放電が行われる。
図示しない電源部40において発生した高電圧は、パルス電圧(例えば、エネルギー波を1秒間に約100回発生させる)となって針状電極6と平板状電極9間に印加され、常温、常圧下、針状電極6と平板状電極9間でパルスストリーマ放電を発生させることができ、両電極間に介在させて移動させた殺菌対象物の殺菌が行われる。
印加電圧、周波数、投入エネルギー(cal/cm3)、電界強度、間隔dの大きさおよびどのように千鳥状にするか、すなわちどの程度互い違いにするかは特に限定されず、殺菌対象物が本来有する香味、風味、薬効、性能、分散性などの品質を損なわない範囲において充分に均一に殺菌できるように、適宜選定して決めるのが好ましい。
しかし、針状電極を千鳥状に多数配設する場合も針状電極の間隔dは通常は、5mmから30mm未満、好ましくは8mmから30mmの範囲から選ばれることが望ましい。針状電極の間隔dが5mm未満であると殺菌対象物の殺菌はできるが電源部40の容量を大きくしなければならず不経済となる恐れがある。一方、針状電極の間隔dが30mmを超えると針状電極3と平板状電極9間に介在させた殺菌対象物を均一に殺菌ができず殺菌むらがでる恐れがある。
一般的には、印加電圧、周波数、投入エネルギー、電界強度ともに大きい方が殺菌に有効であり、また周波数よりも印加電圧が高い方が有効であり、同一投入エネルギーにおいては電界強度が高い方が有効である。
また、針状電極6と平板状電極9間を移動させる殺菌対象物の移動速度、殺菌処理時間、殺菌対象物の処理量、湿度などの殺菌条件も、殺菌対象物の種類、形態、菌の種類、形態などによって異なるので適宜選定して決めるのが好ましく特に限定されない。
図16は本発明の他の実施形態における高電圧を利用した殺菌装置の概要を示す構成図である。図16において、図1〜6と構成が共通する部分及び同じ名称のものには同一符号を付してある。電源40の詳細は図示しないが図6に示したものと同様になっている。
図16において本発明の殺菌装置1Bの殺菌処理装置4Aは、高電圧を発生する電源40と、発生した高電圧を印加する図示しない多数の針状電極を所定の間隔dを置いて千鳥状に配設した針状電極6と、図示しないセラミック板8および平板状電極9からなる接地側電極10を設けた電極部分30を備えている。図示しない平板状電極9は接地手段49によって接地されている。41は電源部(AC200V、50Hz)である。
上述した殺菌装置1Bを作動させ、殺菌対象物(玄米)aを殺菌処理装置4Aの上部の入口51から内部に供給すると、殺菌対象物(玄米)aは電極部分30に入り図示しない針状電極6と平板状電極9間でパルスストリーマ放電により殺菌される。殺菌された殺菌対象物(玄米)aは、殺菌処理装置4Aの下部の出口52から外部へ排出されて、排出容器23へ入る。このようにして殺菌対象物(玄米)aを常温、常圧下で連続的に均一に容易に殺菌することができる。
図17(A)、17(B)は本発明の他の実施形態における高電圧を利用した殺菌装置の要部概要を示す構成図である。
ホッパー32の下に設けた殺菌処理装置4を水平にし、この殺菌処理装置4の接地側電極10と多数の針状電極6を所定の間隔を置いて千鳥状に配設した放電側電極の間にベルトコンベア31を配設して、殺菌対象物aをベルトコンベア31で搬送できるようにして、両電極間で穀類及び種子等の殺菌対象物aを殺菌する。誘電体で形成された殺菌処理装置4は放電側電極と接地側電極10とを囲むように形成されている。図17において、図1〜6と構成が共通する部分及び同じ名称のものには同一符号を付してある。電源40などは図示しないが図6に示したものと同様になっている。
ベルトコンベア31は、樹脂あるいは合成ゴムなどの体積固有抵抗が約1010〜1014Ω・cmあるいはそれ以上の材料で形成されたものが好ましい。
上述した殺菌装置1Cを作動させ、殺菌対象物(玄米)aをホッパ32からベルトコンベア31上に供給すると、殺菌対象物(玄米)aは矢印方向に連続的に移動して針状電極6と接地側電極10間でパルスストリーマ放電により連続的に殺菌される。そして殺菌された殺菌対象物(玄米)aはベルトコンベア31から排出されて排出容器23中に入れられる。このようにして、殺菌対象物(玄米)aを常温、常圧下で連続的に均一に容易に殺菌することができる。33はベルトコンベア31を駆動するモータである。
図17に示した殺菌装置1C(針状電極6と平板状電極9間の距離13mm)を用いて、殺菌対象物(玄米)aを供給してベルトコンベア31を移動させて周波数100ヘルツ、パルス幅100〜500nm、電界強度5〜40kV/cm、電圧30kv/cm、パルスストリーマ放電時間30分の条件で殺菌を行い、殺菌率を測定した。その結果、殺菌は均一に行われており殺菌率は99%であった。
比較のために図19に示したように碁盤の目のように整然と多数配設した針状電極6を備えた殺菌装置を用いた以外は上記殺菌装置1Cを用いた実施例と同様にして、殺菌対象物(玄米)aの殺菌を行い、殺菌率を測定した結果、殺菌は不均一であり殺菌率は95%であった。
図18は本発明の他の実施形態における高電圧を利用した殺菌装置の要部概要を示す構成図である。
ホッパー32の下に設けた殺菌処理装置4を水平にし、この殺菌処理装置4のベルトコンベアに類似の構造に形成された接地側電極10で穀類及び種子等の殺菌対象物aを搬送できるようにして、多数の針状電極6を所定の間隔を置いて千鳥状に配設した放電側電極との間で殺菌対象物aを殺菌するようにしている。そして誘電体で形成された殺菌処理装置4は放電側電極と接地側電極10とを囲むように形成されている。図18において、図1〜6と構成が共通する部分及び同じ名称のものには同一符号を付してある。電源40などは図示しないが図6に示したものと同様になっている。
図18において、本発明の殺菌装置1Dを作動させ、殺菌対象物(玄米)aを接地側電極10上に供給すると、殺菌対象物(玄米)aは矢印方向に連続的に移動して千鳥状に配設した針状電極6とこの針状電極6に対応する位置にある接地側電極10間でパルスストリーマ放電により連続的に殺菌される。殺菌された殺菌対象物(玄米)aは接地側電極10から排出される。このようにして殺菌対象物(玄米)aを常温、常圧下で連続的に均一に容易に殺菌することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
上記の説明では、殺菌する際の湿度については特に制御しなかったが、前記の特開平11−267183号公報に記載されているように、放電側電極と接地側電極間に穀類及び種子等の殺菌対象物を介在させて、前記電極間でパルスストリーマ放電を発生することにより常温、常圧下で殺菌する際、湿度を調整して例えば高湿度に制御した雰囲気中で殺菌を行うことができる。高湿度に制御することにより殺菌率を向上できる。
【発明の効果】
本発明の請求項1の高電圧を利用した殺菌装置は、パルスストリーマ放電で殺菌処理装置内の酸素の一部をオゾンに変換させると共に、このオゾンによって殺菌処理装置内の空気中の水分からOH−を生成させ、かつ、高電圧放電による電位差で細胞膜を破裂させて殺菌を行い、パルスストリーマ放電で相乗的に殺菌を行えるようにすることにより、穀類及び種子等の殺菌対象物の表面に付着している微生物や細菌等を効率的に殺菌できるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項2の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項1の殺菌装置と同様な効果を奏するとともに、自動的に連続して穀類及び種子等の殺菌対象物の表面に付着している微生物や細菌などを効率的に殺菌できるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項3の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項2の殺菌装置において、殺菌処理装置の下部に設けた開閉可能なシャッターを開けることより前記殺菌処理装置で殺菌処理された穀類及び種子等の殺菌対象物を前記殺菌処理装置の外部に排出し、殺菌処理装置内で殺菌した穀類及び種子等の殺菌対象物を人手に触れることなく貯蔵することができるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項4の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項2あるいは請求項3記載の殺菌装置において、ホッパー部の下部に設けた開閉可能なシャッターを開けることより前記ホッパー部に一時的に蓄えた穀類及び種子等の殺菌対象物を前記殺菌処理装置に移送し、多量の穀類及び種子等の殺菌対象物を間隔をあけることなく殺菌処理を施すことができるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項5の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の殺菌装置において、所定の間隔を置いて多数配設された針状電極を用いることにより、均一な放電が行われ電極間に介在された殺菌対象物の広範囲にわたる均一殺菌ができ、殺菌むらがでないという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項6の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項5記載の殺菌装置において、所定の間隔を置いて千鳥状に多数配設された針状電極を用いることにより前記電極間に介在させた殺菌対象物を広範囲にわたって、しかも、より均一に殺菌することができるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項7の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の殺菌装置において、殺菌処理装置内の放電側電極と接地側電極間に殺菌対象物を移動させて殺菌することにより連続的に殺菌して、連続的に取り出すことができるので、殺菌速度や殺菌能率を向上でき、経済的となるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項8の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項7記載の殺菌装置において、殺菌対象物をコンベア上に載置して放電側電極と接地側電極間に移動させて連続的に殺菌すれば、放電側電極と接地側電極間での殺菌対象物の移動が容易になり、連続的に殺菌して、連続的に取り出せるので、殺菌速度や殺菌能率をより向上でき、より経済的となるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項9の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項7記載の殺菌装置において、接地側電極をコンベア上に載置することにより、殺菌対象物の移動および殺菌が容易になり、連続的に殺菌して、連続的に取り出せるので、殺菌速度や殺菌能率をより向上でき、より経済的となるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項10の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項1から請求項9のいずれかに記載の殺菌装置において、絶縁板としてセラミック板を用いることにより、耐久性、強度に優れるので、印加電圧を高くすることができるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項11の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項10記載の殺菌装置において、絶縁板として耐電圧の高いセラミック板を用いることにより、より印加電圧を高くすることができるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項12の高電圧を利用した殺菌装置は、請求項1から請求項11のいずれかに記載の殺菌装置において、前記誘電体が1010〜1014Ω・cm以上の体積固有抵抗を有する材料であるので、安全性が向上するという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項13は、請求項1から請求項12のいずれかに記載の殺菌装置を用いて、放電側電極と接地側電極間に穀類及び種子等の殺菌対象物を介在させて、電界強度20KV/cm〜60KV/cm、周波数100pps〜1000pps、パルス幅0.05μs〜0.5μsの範囲内のパルスストリーマ放電で殺菌することにより、芽胞菌などを含む各種菌を容易に効率的に経済的に殺菌することができるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項14は、請求項13記載の殺菌方法において、放電側電極に正極性のパルス高電圧を印加するので、放電側電極にゴミやチリなどが付着することがなくなり、均一で安定した放電ができるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項15は、請求項13あるいは請求項14記載の殺菌方法において、前記放電側電極に立ち上がり時間10nS(ナノ秒)以上、持続時間1μS(マイクロ秒)以下のパルス高電圧を印加すると、放電側電極から線状に伸びるストリーマー放電が発生し、電極間の広い範囲をプラズマ化でき、前記電極間に介在させた穀類及び種子等の殺菌対象物を均一にむらなく殺菌できるという顕著な効果を奏する。
産業上の利用可能性
本発明は、穀類及び種子等の殺菌対象物の品質を損なうことなく均一に常温、常圧下で容易に効率よく殺菌する高電圧を利用した殺菌装置ならびにその方法を提供し、産業上有用である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の高電圧を利用した殺菌装置の一実施形態の斜視図である。図2は、図1に示した殺菌装置の放電側電極と、接地側電極および殺菌処理装置の下部に設けた開閉可能なシャッターを説明する説明図である。図3は、図1に示した殺菌装置の一部断面を示す側面図である。図4は、図1に示した殺菌装置の殺菌処理装置の下部に設けた開閉可能なシャッターを開いて殺菌処理された玄米を排出する状態を説明する説明図である。図5は、図1に示した殺菌装置の放電側電極と、接地側電極を説明する説明図である。図6は、本発明で使用する電源の一例を説明する説明図である。図7は、殺菌処理装置の下部に設けられた開閉可能なシャッーの他の例を説明する説明図である。図8(A)は図7に示したシャッターを閉じた状態を示す説明図であり、図8(B)は同シャッターを開けた状態を示す説明図である。図9(A)は殺菌処理装置の下部のシャッターを閉め、ホッパー部の下部のシャッターを開けてホッパー部の穀類及び種子等を殺菌処理装置へ移送する状態を示す説明図であり、図9(B)は殺菌処理された殺菌対象物を殺菌処理装置の下部のシャッターを開けて排出する状態を示す説明図である。図10は、本発明の殺菌装置の他の例を示す斜視図である。図11は、本発明の穀類及び種子等をコンベアで搬送して殺菌する殺菌処理装置を示す説明図である。図12は、所定の間隔を置いて千鳥状に多数配設された針状電極の平面説明図である。図13は、接地側電極上でパルスストリーマ放電が行われる箇所とパルスストリーマ放電が行われない箇所を示す平面説明図である。図14は、接地側電極上で殺菌が行われる領域を示す平面説明図である。図15は、針状電極と平板状電極の断面説明図である。図16は、本発明の殺菌装置の他の例を示す説明図である。図17(A)は、本発明の他の殺菌装置の側面からみた要部の概要を示す構成図であり、図17(B)は同殺菌装置の正面からみた要部の概要を示す構成図である。図18は、本発明の他の殺菌装置の要部の概要を示す構成図である。図19は、碁盤の目のように整然と多数配設された従来の針状電極の平面説明図である。図20は、従来の接地側電極上でパルスストリーマ放電が行われる箇所とパルスストリーマ放電が行われない箇所を示す平面説明図である。図21は、従来の接地側電極上で殺菌が行われる領域と殺菌が行われない領域を示す平面説明図である。
Claims (15)
- 多数配設された針状電極からなる放電側電極と、この放電側電極と離間して絶縁板により表面が覆われている平板状電極からなる接地側電極と、前記放電側電極と接地側電極とを囲う誘電体で形成された殺菌処理装置と、前記電極間に高電圧を印加するための電源とを備え、前記殺菌処理装置内の放電側電極と接地側電極間に穀類及び種子等の殺菌対象物を介在させて、前記電極間でパルスストリーマ放電を発生することにより殺菌することを特徴とする高電圧を利用した殺菌装置。
- 穀類及び種子等の殺菌対象物を供給する供給手段と、この供給手段により供給された前記殺菌対象物を蓄えるホッパー部と、このホッパー部に蓄えられた前記殺菌対象物を移送して殺菌処理するための、多数配設された針状電極からなる放電側電極とこの放電側電極と離間して絶縁板により表面が覆われている平板状電極からなる接地側電極とを囲う誘電体で形成された殺菌処理装置と、前記電極間に高電圧を印加するための電源と、前記殺菌処理装置で殺菌処理された殺菌対象物を外部に排出する排出手段とを備え、前記殺菌処理装置内の放電側電極と接地側電極間に穀類及び種子等の殺菌対象物を介在させて、前記電極間でパルスストリーマ放電を発生することにより殺菌することを特徴とする高電圧を利用した殺菌装置。
- 前記殺菌処理装置の下部に設けた開閉可能なシャッターを開けることより前記殺菌処理装置で殺菌処理された穀類及び種子等の殺菌対象物を前記殺菌処理装置の外部に排出することを特徴とする請求項2記載の殺菌装置。
- 前記ホッパー部の下部に設けた開閉可能なシャッターを開けることより前記ホッパー部に一時的に蓄えた穀類及び種子等の殺菌対象物を前記殺菌処理装置に移送することを特徴とする請求項2あるいは請求項3記載の殺菌装置。
- 前記放電側電極が所定の間隔を置いて多数配設された針状電極からなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の殺菌装置。
- 前記放電側電極が所定の間隔を置いて千鳥状に多数配設された針状電極からなることを特徴とする請求項5記載の殺菌装置。
- 前記放電側電極と接地側電極間に殺菌対象物を移動させて連続的に殺菌することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の殺菌装置。
- 前記殺菌処理装置の下面に接地側電極を設け、殺菌対象物をコンベア上に載置して前記放電側電極と接地側電極間に移動させて連続的に殺菌することを特徴とする請求項7記載の殺菌装置。
- 前記接地側電極をコンベア上に載置したことを特徴とする請求項7記載の殺菌装置。
- 前記絶縁板がセラミック板であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の殺菌装置。
- 前記セラミック板が耐電圧の高いセラミック板であることを特徴とする請求項10記載の殺菌装置。
- 前記誘電体が1010〜1014Ω・cm以上の体積固有抵抗を有する材料であることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の殺菌装置。
- 請求項1から請求項12のいずれかに記載の殺菌装置を用いて、放電側電極と接地側電極間に穀類及び種子等の殺菌対象物を介在させて、電界強度20KV/cm〜60KV/cm、周波数100pps〜1000pps、パルス幅0.05μs〜0.5μsの範囲内のパルス高電圧により発生させたパルスストリーマ放電で殺菌することを特徴とする穀類及び種子等の殺菌対象物の殺菌方法。
- 前記放電側電極に正極性のパルス高電圧を印加することを特徴とする請求項13記載の殺菌方法。
- 前記放電側電極に立ち上がり時間10nS(ナノ秒)以上、持続時間1μS(マイクロ秒)以下のパルス高電圧を印加することを特徴とする請求項13あるいは請求項14記載の殺菌方法。
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