JP2002263169A - 高電圧利用殺菌装置 - Google Patents

高電圧利用殺菌装置

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JP2002263169A
JP2002263169A JP2001070284A JP2001070284A JP2002263169A JP 2002263169 A JP2002263169 A JP 2002263169A JP 2001070284 A JP2001070284 A JP 2001070284A JP 2001070284 A JP2001070284 A JP 2001070284A JP 2002263169 A JP2002263169 A JP 2002263169A
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Kensuke Akutsu
顕右 阿久津
Akinori Iwata
顕範 岩田
Koji Ueki
耕司 植木
Hidetoshi Hasegawa
秀翁 長谷川
Koji Takeda
宏治 武田
Yutaka Ueki
裕 植木
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Nippon Paint Co Ltd
Sanyo Electric Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高電圧利用殺菌装置において、多大の電力を
必要とせずに放電側電極と接地側電極との極間距離を従
来よりも大きくする。 【解決手段】 トンネル状の被覆体10の内部にその長
さ方向に沿ってベルトコンベア11を設け、このベルト
コンベア11の上方に放電側電極3を配設すると共に、
ベルトコンベア11の往路側の下方に接地側電極4を配
設する。放電側電極3は針状電極3aを所定の間隔をあ
けて略千鳥状に配設した構成にし、接地側電極4は平板
状に構成し、両電極の極間距離はほぼ30mmとする。
前記ベルトコンベア11上に殺菌対象物12を供給して
一定の速度で搬送し、前記放電側電極3の各針状電極3
aと接地側電極4との間で、高電圧パルスストリーマ放
電を発生させて殺菌対象物12を殺菌する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品や穀類その他
医薬品、漢方薬品、化粧品、飼料、肥料等の固形物全般
の殺菌処理に適した高電圧利用殺菌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、食品や穀類等の殺菌方法としては
加熱殺菌や低温殺菌等が一般的である。ところが、加熱
殺菌や低温殺菌では成分、香り、味、色等の変質や損失
等を伴うことがあり、品質低下が生じて必ずしも適合し
ない。又、薬剤による殺菌では安全性に問題が生じる。
【0003】このような従来の不都合を解消すべく、食
品や穀類等の殺菌処理に適した高電圧を利用した殺菌装
置が開発されている(例えば、特開2000−2959
81)。この高電圧利用殺菌装置は、図5に示すように
高電圧を発生する電源部Aと、発生した高電圧を印加す
る放電側電極Bと接地側電極Cを有する処理装置Dとを
備え、この放電側電極Bと接地側電極Cとの間に殺菌対
象物を介在させ、両電極間でパルスストリーマ放電を発
生させることで殺菌を行うものである。この場合には、
常温で殺菌処理するため殺菌対象物の品質低下を来たす
ことがなく、又薬剤を使用しないため安全性が高く、食
品や穀類等の殺菌方法として適している。
【0004】この高電圧利用殺菌装置では、通常AC2
00ボルトの電源を用い、放電側電極Bに立ち上がり時
間10nS(ナノ秒)、持続時間1μS(マイクロ秒)
以下のパルス高電圧を印加し、接地側電極Cに届くスト
リーマー放電を発生させ、これにより両電極間の広範囲
をプラズマ化する。電源部Aにおいて、電源E(AC2
00V、50Hz)から入力された電圧をスライダック
F及び高電圧トランスGにて昇圧し、全波整流ブリッジ
Hにて整流し、抵抗Iにて電流値を下げてコンデンサJ
に充電する。このコンデンサJに充電された電気エネル
ギーは、スイッチKを投入すると瞬間的に放電され、パ
ルス電圧となって処理装置Dの放電側電極B(針状電
極)と接地側電極C(平板状電極)間に印加される。L
はコンデンサJに並列に接続した抵抗、Mはアースであ
る。電界強度としては10〜50KV/cm程度が好ま
しい。
【0005】この高電圧放電回路では、一般的に印加電
圧、パルス数、投入エネルギー、電界強度共に大きい方
が殺菌に有効であり、又パルス数よりも印加電圧が高い
方が有効であり、同一投入エネルギーにおいては電界強
度が高い方が有効である。印加電圧、パルス数、投入エ
ネルギー、電界強度等は殺菌対象物の種類、形態、菌の
種類、形態等によって異なるため特に限定されず、殺菌
対象物が本来有する香味、風味、薬効、性能、分散性等
の品質を損なわない範囲において充分均一に殺菌できる
ように適宜選定して定めるのが好ましい。
【0006】又、処理装置Dにおける殺菌処理時間、殺
菌対象物の処理量、湿度等の殺菌条件も、殺菌対象物の
種類や形態、菌の種類や形態等によって異なるので適宜
選定して決めるのが好ましく、特に限定されない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の高電圧利用
殺菌装置では、放電側電極は所定の間隔をおいて多数配
設された針状電極からなり、接地側電極は平板状電極か
ら構成されており、電極間で部分的に放電が集中するこ
とがなく、電極間に介在される殺菌対象物を品質を損な
うことなく均一に効率良く殺菌することができる。しか
しながら、針状電極と平板状電極との間隔(極間距離)
が約13mm以内であれば充分な殺菌効果が得られる
が、それを超えると殺菌効果が悪化し、30mm程度で
あると殺菌効果が期待できなくなってしまう。放電側の
針状電極先端から発せられるパルスストリーマ放電によ
りプラズマ化された周囲の空気が逃げ、接地側の平板状
電極へのプラズマ到達量が減るのが原因と考えられる。
極間距離が小さいと、その間に介在させる殺菌対象物の
大きさや量が制限され、殺菌処理能率が低下することと
なる。この防止対策としては、例えば針状電極から発す
るパルスストリーマ放電のエネルギーを増大させればよ
いが、そのためには多くの電力が必要となって不経済と
なる。
【0008】本発明は、上記のような従来の問題を解決
するためになされ、多くの電力を必要とせずに、放電側
電極と接地側電極との極間距離を従来よりも大きくでき
るようにした高電圧殺菌装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の手段として、本発明は、高電圧を発生する電源部と、
発生した高電圧を印加する放電側電極及び接地側電極を
有する処理装置とを備え、前記処理装置の前記電極間に
殺菌対象物を介在させて、前記電極間でパルスストリー
マ放電を発生させることにより殺菌する高電圧利用殺菌
装置であって、前記処理装置はトンネル状の被覆体の内
部に配設されたことを要旨とする。又、前記トンネル状
の被覆体の内部にその長さ方向に沿って移動するコンベ
アを設け、このコンベアの上方に放電側電極を配設する
と共に、コンベアの下方に接地側電極を配設し、コンベ
ア上に殺菌対象物を載せ、このコンベアを移動させなが
ら殺菌すること、前記放電側電極は、接地側電極に向け
て略千鳥状に多数配設された針状電極からなり、前記接
地側電極は、各針状電極の先端から所定距離保持して配
設された平板状電極からなること、前記接地側電極は、
無端コンベア状に形成されると共にその上に殺菌対象物
を載せ、一定の速度で前記トンネル状の被覆体内を移動
させながら殺菌すること、を特徴とするものである。
【0010】本発明では、高電圧利用殺菌装置の処理装
置をトンネル状の被覆体の内部に設けたので、放電側電
極から発せられるパルスストリーマ放電によりプラズマ
化された周囲の空気が逃げず、接地側電極へのプラズマ
到達量の減少が防げる。これにより、両電極間の距離を
従来よりも大きくすることが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るの実施形態を
添付図面により説明する。図1(a)、(b)におい
て、10はトンネル状の被覆体であり、その内部に長さ
方向に沿って無端のベルトコンベア11が設けられてい
る。このベルトコンベア11は、一方のドラム11aが
モータ11bにより駆動され、ベルトコンベア上に供給
される殺菌対象物12を一定の速度で搬送できるように
している。ベルトコンベア11は合成樹脂又は合成ゴム
等の体積固有抵抗が約1010〜10 Ω・cm或は
それ以上の材料で形成されたものが好ましい。前記被覆
体10は断面形状が方形となっているが、これに限定さ
れず円形、楕円形等であってもよい。
【0012】5は高電圧利用殺菌装置の処理装置であ
り、放電側電極3がベルトコンベア11の上方に配設さ
れると共に、接地側電極4がベルトコンベア11の往路
側の下方に配設されている。この場合、放電側電極3は
多数の針状電極3aが所定の間隔をあけて略千鳥状に配
設された構成であり、接地側電極4は平板状に構成され
ている。この放電側電極3と接地側電極4とは、ベルト
コンベア11の往路側を挟むようにしてトンネル状の被
覆体10の長さ方向(ベルトコンベア11の搬送方向)
に沿って一定の極間距離Rを保持して配設されている。
【0013】前記処理装置5は図2のように殺菌装置1
に組み込まれており、即ち従来と同様に電源部2は電源
21(AC200V、50Hz)にスライダック22と
高電圧トランス23が直列に接続され、この高電圧トラ
ンス23に全波整流ブリッジ24、第1の抵抗25を直
列に接続すると共に、コンデンサ26を並列に接続し、
更に第2の抵抗28及び前記放電側電極3、接地側電極
4を並列に接続することで閉回路が構成されている。2
7はスイッチで、29はアースである。
【0014】このように構成された殺菌装置1で、前記
電源21から入力された電圧はスライダック22及び高
電圧トランス23で昇圧され、全波整流ブリッジ24で
整流された後第1の抵抗25で電流値が下げられ、コン
デンサ26に充電される。コンデンサ26に充電された
電気エネルギーは、スイッチ27を投入すると瞬間的に
放電され、パルス電圧となって処理装置5の放電側電極
3と接地側電極4間に印加される。
【0015】前記ベルトコンベア11上に供給された殺
菌対象物12は、ベルトコンベア11の搬送に伴って処
理装置5の放電側電極3と接地側電極4との間を通過す
る際に、放電側電極3の針状電極3aから発せられたパ
ルスストリーマ放電により殺菌される。処理装置5は前
記のようにトンネル状の被覆体10の内部に包含されて
おり、両電極3,4間でプラズマ化された空気は外部に
逃げないため、パルスストリーマ放電の接地側電極4へ
の到達量が増大する。従って、両電極3,4間の極間距
離Rは、従来では13mm程度が限界であったが、ほぼ
30mmであっても効率良く殺菌することができる。
【0016】放電側電極3は前記のように針状電極3a
が略千鳥状に配設されており、各針状電極3aに高電圧
を掛けて放電させた場合、各針状電極3aから平板状の
接地側電極4へ同電位のパルスストリーマ放電が放出さ
れ、放電干渉が異なった箇所に発生し、図3に示すよう
に平板状の接地側電極4上でパルスストリーマ放電が行
われる円形箇所Pと、パルスストリーマ放電が行われな
い箇所Qとが生じる。
【0017】しかしながら、前記殺菌対象物12がベル
トコンベア11により矢印方向に搬送されることで、い
ずれかの円形箇所Pを通過することとなり、殺菌むらが
生じることなく充分に均一的に殺菌される。針状電極3
aの間隔は、殺菌対象物12の大きさを考慮して5mm
から30mm未満の範囲に設定することが好ましい。5
mm未満であると電源部2の容量を大きくしなければな
らず、30mm以上であると殺菌対象物12を均一に殺
菌できず殺菌むらが生じる。
【0018】図4は本発明に係る高電圧利用殺菌装置の
他の実施形態を示すもので、トンネル状被覆体10の内
部に処理装置5を配設した構成は前記実施形態と同じで
あるが、前記ベルトコンベア11を用いないでこのベル
トコンベアに類似構造に形成された平板状の接地側電極
4を用いた点が相違している。電源部等は図示しないが
図2に示したものと同様になっている。
【0019】この場合は、ベルトコンベア状の接地側電
極4上に供給した殺菌対象物12を、接地側電極4を一
定の速度で動かすことで搬送するのである。殺菌対象物
12は、接地側電極4により搬送されながら針状電極3
aを備えた放電側電極3の下を通過する際に、パルスス
トリーマ放電により殺菌される。
【0020】この実施形態においても、処理装置5はト
ンネル状の被覆体10の内部に包含されており、両電極
3,4間でプラズマ化された空気は外部に逃げないた
め、パルスストリーマ放電の接地側電極4への到達量が
増大する。従って、両電極3,4間の極間距離Rは、ほ
ぼ30mmであっても効率良く且つ均一に殺菌すること
ができる。
【0021】尚、上記実施形態ではいずれもトンネル状
の被覆体10の下端部は、ベルトコンベアとの間に僅か
な隙間が生じているが、これらの隙間を閉塞して実施す
ることも可能である。その閉塞手段としては、エアカー
テン又は垂れ幕等を用いることができる。又、本発明は
上記実施形態に限定されるものではないので、本発明の
趣旨から逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能であ
る。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高電圧利用殺菌装置において従来はオープンタイプであ
った処理装置(放電側電極及び接地側電極)を、トンネ
ル状の被覆体で覆うことによりセミクローズド又はクロ
ーズドタイプとしたので、パルスストリーマ放電により
プラズマ化された空気の逸散が無く、接地側電極への到
達量を増大させることができる。これにより、従来は両
電極間の極間距離の限界が約13mmであったのを、多
大の電力を必要とせずにほぼ30mm程度まで大きくす
ることが可能となり、両電極間に介在させる殺菌対象物
の大きさや量の制限が緩和され、殺菌対象物の範囲が広
がると共に殺菌効率が著しく向上する等の優れた効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高電圧利用殺菌装置の実施形態を
示すもので、(a)は要部の概略断面図、(b)はその
縦断側面図
【図2】高電圧利用殺菌装置の構成を示す回路図
【図3】針状電極による殺菌領域を示す説明図
【図4】本発明に係る高電圧利用殺菌装置の他の実施形
態を示す要部の説明図
【図5】従来の高電圧利用殺菌装置の構成を示す回路図
【符号の説明】
1…殺菌装置 2…電源部 3…放電側電極 4…接地側電極 5…処理装置 10…トンネル状の被覆体 11…ベルトコンベア 12…殺菌対象物 21…電源 22…スライダック 23…高電圧トランス 24…全波整流ブリッジ 25…第1の抵抗 26…コンデンサ 27…スイッチ 28…第2の抵抗 29…アース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 顕範 大阪府大阪市北区大淀北2丁目1番2号 日本ペイント株式会社内 (72)発明者 植木 耕司 大阪府大阪市北区大淀北2丁目1番2号 日本ペイント株式会社内 (72)発明者 長谷川 秀翁 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 武田 宏治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 植木 裕 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 4B021 LT03 4C058 AA21 AA22 BB02 EE23 EE26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高電圧を発生する電源部と、発生した高電
    圧を印加する放電側電極及び接地側電極を有する処理装
    置とを備え、前記処理装置の前記電極間に殺菌対象物を
    介在させて、前記電極間でパルスストリーマ放電を発生
    させることにより殺菌する高電圧利用殺菌装置であっ
    て、前記処理装置はトンネル状の被覆体の内部に配設さ
    れたことを特徴とする高電圧利用殺菌装置。
  2. 【請求項2】前記トンネル状の被覆体の内部にその長さ
    方向に沿って移動するコンベアを設け、このコンベアの
    上方に放電側電極を配設すると共に、コンベアの下方に
    接地側電極を配設し、コンベア上に殺菌対象物を載せ、
    このコンベアを移動させながら殺菌する請求項1記載の
    高電圧利用殺菌装置。
  3. 【請求項3】前記放電側電極は、接地側電極に向けて略
    千鳥状に多数配設された針状電極からなり、前記接地側
    電極は、各針状電極の先端から所定距離保持して配設さ
    れた平板状電極からなる請求項1又は2記載の高電圧利
    用殺菌装置。
  4. 【請求項4】前記接地側電極は、無端コンベア状に形成
    されると共にその上に殺菌対象物を載せ、一定の速度で
    前記トンネル状の被覆体内を移動させながら殺菌する請
    求項1記載の高電圧利用殺菌装置。
JP2001070284A 2001-03-13 2001-03-13 高電圧利用殺菌装置 Pending JP2002263169A (ja)

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