JPS6499Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、メダル、装身具等の収納物品を収
納することができ、かつその収納物品を店頭にお
いて展示する場合に使用し得る物品収納ケースに
関するものである。

メダルあるいはネツクレス等の装身具はケース
に収納されて保管、運搬の取扱いがなされ、これ
らを店頭等において展示する場合にはケースから
取出してシヨーウインドー等の展示用デイスプレ
ー場に配列される。しかしながらこれらのケース
は、その収納している商品のイメージを高めるた
めにそれ自体が美麗に作成されているので単なる
保管や運搬にのみ使用することは不経剤であり、
これを収納している物品のデイスプレー器具とし
ても利用することが望まれる。しかしながらこれ
らの商品は平面的なデイスプレーよりも立体的な
デイスプレーの方が、顧客が観察しやすく、従つ
て顧客の注意を惹いて顕著なデイスプレー効果を
発揮するにもかかわらず、従来の物品収納ケース
は、立体的なデイスプレーをなすのに適した構成
となつていないため他に立体的なデイスプレー器
具を要したり、または立体的なデイスプレーが可
能な場合でも構成部材や製造工程の簡単さ、使用
材料等の減少、安全性や扱い易さ、堅牢さ等にお
いて十分とは言えないものがあつた。

この考案は上記の如き事情に鑑みてなされたも
のであつて、物品を収納する従来の用法が可能で
あると共に、その収納している物品の立体的なデ
イスプレーが可能で、かつ構造や製造工程の簡単
な、使用材料の少ない、安全性と扱い易さに優
れ、堅牢な、脚つき物品収納ケースを提供するこ
とを目的としている。

この目的に対応して、この考案の脚つき物品収
納ケースは、表側に深さの小さい第１の物品収納
用凹部と深さの大きい第２の物品収納用凹部とを
有する物品収納部を備えた身体と、前記身体と係
合して前記物品収納部との間に物品を収納する蓋
体と、及び一端が前記身体に係合していて前記係
合部を中心として身体に対して回転変位可能であ
り、かつ身体の下側のほぼ半分あるいは半分以上
に対応する板状の脚体とを備え、前記脚体は前記
第２の物品収納用凹部の底壁とほぼ同一平面内に
おいて前記第１の物品収納用凹部の裏側の空間内
に収納可能に構成されていることを特徴としてい
る。

以下、この考案の詳細を、一実施例を示す図面
について説明する。

第１図において１は脚つき物品収納ケースであ
る。脚つき物品収納ケース１は全体として直方体
の外形をなし、身体２と蓋体３と及び脚体４とか
らなつている。

身体２は第１図に示すように表側に上端開放の
物品収納用凹部５が形成されている。物品収納用
凹部５はメダルや装身具の本体部分を収納するの
に適した大きさを持つ円形の深さの小さい第１物
品収納用凹部５ａと、メダルの吊下げ用リボンや
装身具の鎖部分や付属品等を収納するのに適した
大きさをもつ長方形のケースの深さ一杯の深さを
もつ、第２物品収納用凹部５ｂと、及び第１物品
収納用凹部５ａと第２物品収納用凹部５ｂとの連
絡部分５ｃとから成つている。連絡部分５ｃはメ
ダルのリボン通し用凸部の収納や、装身具につづ
く鎖を第２物品収納用凹部に導く連絡通路用に適
した浅い溝状をなし、その凹部底面は第１物品収
納用凹部５ａの底面につながる同一平面である。

第２物品収納用凹部５ｂは身体２の表側におい
て上側のほぼ半分あるいは半分以下の部分を占め
ている。

身体２は例えばプラスチツクで各所でほぼ一様
の厚みになるように一体的に成形されている。

従つて、身体２の裏側は、ほぼ物品収納用凹部
５の凹凸を逆にした面をもち、第２図に示すよう
に身体２の側枠の底周縁部２ａと同じ高さに第２
物品収納用凹部５ｂの底の裏面５b′があつて、身
体２の裏面の上側のほぼ半分あるいは半分以下を
占め、残りの下側ほぼ半分あるいは半分以上は平
らな面ではなくそれらの面の高さも側枠の底周縁
部２ａより低い。これらの上側と下側の境界には
第２物品収納用凹部５ｂの側面であつてかつ他の
物品収納用凹部との区画をなしている面５b″があ
り、面５b″の下側の部分に対応して長方形の板状
の脚体４が、側枠の底周縁部２ａと同じ高さに設
けられており、第２物品収納用凹部５ｂの底の裏
面５b′と同一の平面上に並び、脚つき物品収納ケ
ース１の背面は外形上一つづきの平面と類似した
構成となつている。（第１図） この脚体４は身体２の裏側の少なくとも一部分
を覆う背面カバー片としての機能をも有する。脚
体４は、面５b″に接する側の一端を回転の軸とし
て身体２に対して回転変位可能であるように、身
体２の左右の側枠の内側にヒンジにより取付けら
れている。即ち、身体２の左右の側枠の脚体４取
り付け位置には小さな穴６がそれぞれ設けられて
おり、一方脚体４の左右の上側端近傍には取付部
分７がそれぞれ設けられており、取付部分７が有
する円柱状軸部（図示せず）がそれぞれ穴６に嵌
合してヒンジを形成している。

脚体４の下側の端の中央には半円形の切欠部９
が設けられており、切欠部９によつて脚体４を支
持して脚体４を身体２に対して身体２の外側に回
転変位させ得る。このときの回転変位の大きさは
面５″上に一体的に形成された２つの半円柱型の
突起条８によつてデイスプレーに適する所定の角
度以上にならないように制限されている。

脚体４が身体２に対して身体２の内側に回転変
位するのを防止しかつ脚体４を身体２の側枠の底
周縁部２ａと同じ高さの平面となるよう位置決め
し得る２つの突起条１１が、側枠下側の内側の突
起条８に対向する位置にそれぞれに形成されてい
る。

脚体４の裏面下端縁に沿つて半円柱状の突起条
１２が設けられており、脚体４はこの突起条１２
において突起条１１と接当するように、かつ、脚
体４を回転変位させて脚体として作用させた状態
で床等に置いたときに、脚体４の下端縁のみなら
ず、突起条１２を床面に接当して床との接当面積
を増加させるように構成されている。

蓋体３は、下端開口の箱状体であつて身体２に
係合して身体２の物品収納用凹部５と協働して収
納物品（図示せず）を収納する。蓋体３は例えば
透明のブラスチツクで構成する。

第２物品収納用凹部５b′の底面の上端近傍には
吊下げ用の穴１３が設けられている。

このように構成された脚つき物品収納ケース１
に例えばメダルとメダル吊下げ用リボンのような
収納物品を収納するとそれぞれの収納物品がそれ
らの形状、大きさ等に適した物品収納用凹部５
ａ，５ｂ，５ｃに収納されるため余分なパツキン
グや容器内包装、スペーサー等を要さず、かつ背
面はほぼ一つづきの平面と類似した構成であり外
形が整つているので容器外包装や保管運搬、手に
よる支持等の取扱いが容易であり、裏面の外見、
手触りも良い。

デイスプレー場において展示するときは、そで
に収納物品はそのまま展示できる状態に収納され
ているので収納物品については何等の操作も必要
とせず、単に切欠部９において支持して脚体４を
身体２の外側に回転変位させ、突起条８によつて
回転変位が制限されて止まる位置において、身体
２を脚体４にもたせかけた傾斜姿勢で床に置く。
脚体が大きく一つづきに構成されしかも突起条１
２も床面に接当して床面との摩擦を大きくするた
め、極めて安定性に優れ、また堅牢である。この
展示用姿勢への転換には回転変位のための力とし
て脚体４の重力を利用することがき、この場合は
切欠部９用いずとも片手で瞬時に行なうことが
き、扱いが極めて簡単である。

また単純な形状の脚体が背面片を兼ねるため、
構造が簡単であり、複雑な形の脚体を別途に製造
する必要がないため製造工程も少なくてすみ、使
用材料量も減少する。

なお、穴１３によつて吊下げて展示することも
可能である。

なお、この実施例では容器外形を直方体とした
が楕円柱や、他の任意の形とすることができる。
背面の下側ほぼ半分あるいは半分以上の部分に脚
体が対応すればよく、脚体はメツシユや穴あき状
等でも良い。また背面の上側ほぼ半分あるいは半
分以下の部分は、脚体と同じ高さである必要はな
い、背面の大きい部分を脚体がカバーするので背
面はほぼ一つづきの面と類似した外形となり、扱
い易さは確保される。従つて物品収納用凹部の
数、大きさ、形状、深さ、配列等は任意に選択す
ることができる。

以上の説明から明らかな通り、この考案によれ
ば、物品を収納する従来の用法が可能であると共
に、その収納している物品の立体的なデイスプレ
ーが可能で、かつ構造や製造工程の簡単な、使用
材料の少ない、安全性と扱い易さに優れ、堅牢
な、脚つき物品収納ケースを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は脚つき物品収納容器の縦断面図、及び
第２図は蓋体を取り除いた脚つき物品容器の背面
斜視図である。 １……脚つき物品収納ケース、２……身体、３
……蓋体、４……脚体、５……物品収納用凹部、
５ａ……第１物品収納用凹部、５ｂ……第２物品
収納用凹部、５b″……面、５ｃ……連絡部分、６
……穴、７……取付部分、８……突起条、９……
切欠部、１１……突起条、１２……突起条、１３
……穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表側に深さの小さい第１の物品収納用凹部と深
   さの大きい第２の物品収納用凹部とを有する物品
   収納部を備えた身体と、前記身体と係合して前記
   物品収納部との間に物品を収納する蓋体と、及び
   一端が前記身体に係合していて前記係合部を中心
   として身体に対して回転変位可能であり、かつ身
   体の下側のほぼ半分あるいは半分以上に対応する
   板状の脚体とを備え、前記脚体は前記第２の物品
   収納用凹部の底壁とほぼ同一平面内において前記
   第１の物品収納用凹部の裏側の空間内に収納可能
   に構成されていることを特徴とする脚つき物品収
   納ケース。