JPH0429781Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 本考案は、本体と蓋体との両開口部を向かい合
わせて合体することにより、外部と隔離した収納
空間が形成され、その空間に各種用品を安定した
状態に収納し、それら収納品の移動、脱落及び破
損等の防止を図る携帯用ケースに関する。

ロ 従来の技術 従来の上記携帯用ケースとしては、ケース内に
各種用品を収納する場合、例えば実開昭59−
111526号公報に記載の如く、着脱可能な仕切り板
によつて大小のスペースに区画したり、或いはポ
ケツト部を設けたりする等して、それらのスペー
スに各種用品を分散して収納するものや、又実開
昭61−113624号公報に記載の如く、容器内壁の片
面又は両面に、滑り止め突起を形成した空気袋を
設け、容器内又は両空気袋の中間に各種用品を収
納して、それらの隙間を空気袋によつて満たし、
それらの用品がケース内で移動しないようにした
ものがあつた。

ハ 考案が解決しようとする問題点 従来の携帯用ケースにおいて、前者の仕切り板
を設けたケースは、収納スペースと収納した用品
とに隙間が生じてしまい、収納した用品は移動、
脱落及び破損し易いので、詰物等をしなければ安
心できなかつた。又、ポケツト部を設けたもの
は、ポケツト内の収納品を即座に判別できないば
かりか、底の方に位置した小物の出し入れが不便
であつた。

更に後者のケースは、空気袋により収納品の移
動や破損防止はなされるものの、空気注入具やガ
スボンベ等を必要とするため、構造が複雑で扱い
にくく、且つコスト高となる等の欠点があつた。

ニ 問題点を解決するための手段 本考案は、上記従来の携帯用ケースの欠点に鑑
み、簡易な構造により、ケース蓋体の内側に各種
形状の用品を収納可能にすると共に、それらの収
納した小物品のケース内における移動、脱落及び
破損を防止し、且つ取り扱いの便を図るもので、
その構成は、蓋体の内側へその凹部を埋め尽すよ
うに緩衝体を装填し、その緩衝体に各種用品の外
形に対応する切り離し線を一部重複して切り込ん
で各形状のブロツク毎に抜き外し可能に形成する
と共に、緩衝体の全表面に密着する透視可能な押
えシートを備え、更に機能を高めるべく、緩衝体
ブロツクへ、柱状に抜き取られた形状の指入れ穴
を穿設したことにある。

ホ 作用 蓋体の内側に装填された緩衝体から、切り離し
線に沿つて収納すべき用品の外形に対応したブロ
ツクを抜き外し、その抜き外されたスペースに各
種用品を夫々収納し、押えシートを前記緩衝体の
全表面に密着させると、収納した用品の移動、脱
落及び破損等が防止される。

そして、前記ブロツクを抜き外すには、押えシ
ートを剥離させ、緩衝体に穿設された指入れ穴に
指を入れて行なえば簡単である。

ヘ 実施例 本考案に係る携帯用ケースの実施例を図面に基
いて説明する。

第１図において、１は合成樹脂製のケース本体
で、底板２ａと四方の側面板３ａ，４ａ，５ａ，
６ａとが一体的に成形され、外周は、開口側端縁
にＵ字状の溝を有するアルミニユーム合金製の枠
体７ａを嵌着することにより、開口側端縁には、
後述する蓋体１１との合わせ部を形成すると共
に、本体の補強が図られている。又ケース本体１
の内側には、手ざわりの良い柔らかな合成樹脂製
の内張りが施こされ、更に一側面板５ａの外面に
は、合成樹脂製の提げ手８が取り付けられてお
り、その両側には、施錠可能な掛金止め具９が
夫々設けられていると共に、掛金止め具９の内側
位置には、掛金受け１０，１０が備えられてい
る。

１１は、ケース本体１の開口部１２を覆うこと
ができる蓋体で、天板２ｂ及び四側面板３ｂ，４
ｂ，５ｂ，６ｂとが一体的に形成され、前記下げ
手８が取り付けられているケース本体１の側面板
５ａと対向する側面板６ａの開口側縁に、蝶板１
３，１３を介して蝶着されている。そして前記蓋
体１１の開口側端縁には、前記枠体７ａのＵ字状
溝に嵌合する突起を備えたアルミニユーム合金製
の枠体７ｂが嵌着されている。又蓋体１１の内側
には、凹部を埋め尽すように緩衝体としての発泡
ウレタン１１ａが装填され、側面板５ｂの内側
で、蓋体１１をケース本体１の開口部１２へ被せ
た場合、前記掛金受け１０，１０に対応する部位
には掛金１４，１４が設けられ、ケース本体１を
覆体１１で覆うと、前記枠体７ｂの突起が前記枠
体７ａのＵ字状溝に嵌合し、掛金受け１０，１０
と掛金１４，１４との係止によりロツクされ、外
部から完全に隔離され収納空間が形成される。

又、ケース本体１には蓋体１１が蝶着されてい
る側面板６ａ，６ｂの外面に、合成樹脂製の底鋲
（図示しない）が夫々２個ずつ取り付けられてい
る。

発泡ウレタン１１ａが充填されている蓋体１１
の内側は、各種用品を安定して収納すべく各種形
状の収納室が形成可能となつている。即ち、蓋体
１１の内側には、前記の如く発泡ウレタン１１ａ
が充填され、該発泡ウレタン１１ａには、各種用
品の外形に対応する切り離し線が一部重複して切
り込まれ、その切り離し線に沿つて発泡ウレタン
１１ａから各種形状のブロツクとして抜き外すこ
とができる。抜き外されるブロツクのパターンを
例示すると、左側（第２図において左側、以下こ
れによる。）には、十文字の切り離し線によつて
四等分される方形の切り離し線が切り込み形成さ
れ、更にその各四等分される方形の切り抜き線で
囲まれた内部には、それよりやや小さい相似形状
切り抜き線が切り込まれている。切り離し線は各
ブロツクに対し一部が重複しており、ブロツクを
切り抜く際に同一の切り離し線が共用できるか
ら、切り離し線が少なくて済む。それにより一番
小なる抜き外しブロツク２１ａを抜き外すと、そ
の抜き外しブロツクに相当した収納室２０が形成
され、又前記一番小なる抜き外しブロツク２１ａ
を囲繞している仕切りブロツク２１を抜き外す
と、一回り大きな収納室２０′が形成され、抜き
外しブロツク２１ａと仕切りブロツク２１を全て
抜き外せば、蓋体内面の約半分に相当する大きな
収納室が形成される。よつて抜き外しブロツク２
１ａと仕切りブロツク２１とを組み合わせて、小
なる収納室から大なる収納室まで自由に形成でき
る。又発泡ウレタン１１ａから成る緩衝体には、
切り離し線上にかかるよう、円柱形に抜き外され
て成る指入れ穴２２，２２，……が設けられてい
る。

又、発泡ウレタン１１ａの右側には、前記と同
様に用品の外形に対応する切り離し線によつて、
抜き外しブロツク２３ａ，２３ａ，２３ａを外す
ことにより３個所に長方形の収納室２３が、又抜
き外しブロツク２４ａを外すことにより細長い収
納室２４が２個形成されるようになつている。更
に前記３個所の収納室を形成すべき抜き外す下段
左方の抜き外しブロツク２３ａには、更に長方形
状及び円形状の切り離し線が切り込まれ、その切
り離し線に囲まれたブロツク２３ｂ，２３ｂ部分
のみを抜き外すことにより、長方形状の収容室及
び円形状の収納室が形成される。そして前記左側
と同様、各切り離し線上には、夫々指入れ穴２
５，２５、……が設けられている。

２６は透明な合成樹脂製で、且つ発泡ウレタン
１１ａの面と略同じ大きさの押えシートであり、
基端縁が側面板６ｂと発泡ウレタン１１ａとの間
に挟着され、前記発泡ウレタン１１ａの全表面を
覆うべく密着すると共に、発泡ウレタン１１ａと
押えシート２６相互に設けられた３組の面フアス
ナー２７，２７，２７により発泡ウレタン１１ａ
の表面に止着される。

以上のように構成された携帯用ケースに、各種
用品を収納するには、先ず収納しようとする用品
の形状、寸法に応じてそれに相応した大きさの収
納室を、抜き外しブロツクや仕切りブロツクを取
り外すことにより形成し、そのスペースに用品を
夫々収納した後、押えシートによつて、発泡ウレ
タンの全表面を覆い、面フアスナーで止着させ
る。それにより各用品は収納室に嵌め込まれた状
態でシートにより押えられ、収納された各種用品
は移動せず、脱落や破損は確実に防止される。

このように、大小各用品は蓋体の内側に納めら
れ、収納効率は優れたものとなつている。

そして、収納した各種用品を収納室から取り出
す場合にも、押えシートが透明体であるので、用
品の判別が容易にでき頗る便である。この押えシ
ートは半透明のものでも良く、要は収納室の用品
を容易に判別できるよう透過性を有していれば良
い。

又、各種用品の収納に先立つて、収納室を形成
すべくブロツクを取り外す場合、切り離し線上に
指入れ穴が設けられているので、その指入れ穴に
指を入れて、ブロツクを簡単に取り外す事ができ
る。この指入れ穴は、円柱状に抜き取つた形状ば
かりでなく、角柱、円錐、角錐状に抜きとつた形
状の穴等、指が容易に入る形状で、しかも抜き外
しブロツクや仕切りブロツクの取り外しが簡単に
出来るものであれば如何ように形成しても良い。
更に、指入れ穴の位置は特に限定されない。

尚、本実施例において、第１図及び第２図示の
如き蓋体内側に設けられる収納室の形状、寸法及
び個数は一例であつて、収納する各種用品の形状
や寸法等に応じ、単独並びに重複させて如何よう
にでも設計製作することができる。又、予め顧客
の注文に応じ、各種形状、寸法の切り込み部を形
成したケースを製作し、オーダ品として提供する
ことも出来る。

ト 効果 以上説明の如く、本考案の携帯用ケースは、蓋
体内側の緩衝体に、各種用品の外形に対応する切
り離し線が切り込まれ、それによつて形成される
ブロツクを抜き外して、そのスペースに各種用品
を収納し、押えシートによりそれらの収納品を押
えるものであるから、顧客からの特別注文による
オーダケースの場合は勿論のこと、レデイメード
ケースの場合でも、各種形状、寸法の用品を収納
出来ると共に、収納したそれらの用品の移動、脱
落又は破損を確実に防止出来る。

又切り離し線上に指入れ穴が設けられているの
で、各ブロツクの着脱が容易で、取り扱いが至便
であり、蓋体内側の空間を全面的に利用して、各
種の大小用品を収納出来るので、その収納率は極
めて高く、携帯用ケースとしてその実用的価値は
大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例としての携帯用ケース
の要部斜視図、第２図は蓋体及び押えシートの斜
視図である。 １……ケース本体、２ａ……底板、２ｂ……天
板、３ａ，３ｂ，４ａ，４ｂ……側板、５ａ，５
ｂ……上板、６ａ，６ｂ……下板、７ａ，７ｂ…
…枠体、８……提げ手、９……掛金止め具、１０
……掛金受け、１１……蓋体、１１ａ……発泡ウ
レタン、１２……開口部、１３……蝶番、１４…
…掛金、２１……仕切りブロツク、２１ａ，２３
ａ，２３ｂ，２４ａ……抜き外しブロツク、２
２，２５……指入れ穴、２０，２０′，２３，２
４……収納室、２６……押えシート、２７……面
フアスナー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 本体と蓋体との両開口部を向かい合わせて合
   体することにより、外部と隔離した収納空間が
   形成されるケースにおいて、前記蓋体の内側へ
   その凹部を埋め尽すように緩衝体を装填し、そ
   の緩衝体に、各種用品の外形に対応する切り離
   し線を一部重複して切り込んで各形状のブロツ
   ク毎に抜き外し可能に形成すると共に、緩衝体
   の全表面に密着する透視可能な押えシートを備
   えて成る携帯用ケース。 ２ 緩衝体ブロツクへ、柱状に抜き取られた形状
   の指入れ穴を穿設して成る請求項１記載の携帯
   用ケース。