JPH02141Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、主として学校に於ける家庭科の教材
として使用されるに適した裁縫箱に関する。

（従来の技術） 従来、学校の家庭科で使用する糸、針、はさみ
等の小物や生地など裁縫道具を収容する裁縫箱と
して、例えば実公昭60−21015号公報に見られる
ように、裁縫道具を収容する本体と、これに装着
される比較的深身の側壁を有する蓋体とで構成す
るようにしたものが知られている。

（考案が解決しようとする問題点） 前記従来のものは、蓋体が比較的深身に形成さ
れてはいるが、裁縫箱を縦にして携行した場合
や、机などから落した場合、比較的簡単に蓋体が
本体から外れ、中身の多くの道具を散開し勝ち
で、小学生には取扱いが難しい。

本考案は、こうした不都合がなく、不必要に蓋
体が外れない裁縫箱を提供することを目的とする
ものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案では、裁縫道具を収容する本体に、これ
とは分離独立した比較的深身の側壁を有する蓋体
を被せて装着するようにしたものに於て、該蓋体
をポリプロプレン等の可撓性の合成樹脂により形
成すると共に該蓋体の対向する側壁にこれを外方
へたわめる把手を形成し、更に該蓋体の把手を形
成した側壁の内面と本体の側壁の外面の互に対応
する個所に該蓋体を本体に係着する係合片を設け
ることにより前記問題点を解決するようにした。

（作用） 本体に裁縫道具を収容し、これに蓋体を装着し
て保管或は携帯されるが、該蓋体は、本体への装
着時に該蓋体の側壁の内面に設けた係合片と本体
の側壁の外面に設けた係合片との係合により本体
へ係着された状態になるので、蓋体と本体は携行
中或は落下等によつて簡単に分離することがな
い。また該蓋体は可撓性の合成樹脂で成形され、
その対向する側壁に把手が形成されているので、
蓋体を開ける時該把手をつかんで蓋体の側壁を多
少外方にたわめれば、蓋体と本体とに設けた係合
片の係合が外れ、簡単に蓋体を開けることが出来
る。

（実施例） 本考案の実施例を別紙図面につき説明すると、
第１図に於て符号１は裁縫道具を収容する本体、
２は該本体１に被せるように装着される比較的深
身の側壁３を有する蓋体を示し、図示のものでは
該本体１に区画壁４を備えた中皿４を取出し自在
に収め、その小区画５，５に糸、針、はさみ、物
指しその他の小道具を整理して収め得るように
し、布地等の比較的大きな用品は第２図に見られ
るような該中皿４と本体１の底面６との間の空間
７に収めることが出来るようにした。

こうした構成は従来のものと同様であるが、本
考案のものでは該蓋体２をポリプロピレン、軟質
塩化ビニル等の可撓性の合成樹脂により形成する
と共に該蓋体２の側壁３のうちの対向する側壁３
ａ，３ａにこれら両側壁３ａ，３ａを外方にたわ
める把手８ａ，８ａを形成し、更に両側壁３ａ，
３ａの内面３ｂ，３ｂと本体１の側壁１ａ，１ａ
の外面１ｂ，１ｂの互に対応する個所に該蓋体２
を本体１に係着する係合片９，１０を設け、該蓋
体２は把手８ａ，８ａを外方へたわめて係合片
９，１０の係合を解くことにより本体１から外れ
るようにした。

該把手８ａ，８ａは、蓋体２の側壁３ａ，３ａ
を外方に屈曲させ本体１の側壁１ａ，１ａとの間
に指先が介入し得る程度の間隔１１，１１を存し
て蓋体２の形成時に同時に形成するようにした。
尚、該把手８ａ，８ａはこれを操作して側壁３
ａ，３ａを外方へたわめ得る構成であればよく、
例えば指先が掛る程度の突起であつてもよい。ま
た、係合片９，１０は蓋体２が本体１に装着され
たときに互に係合するように形成され、図示の例
では、本体１の側壁１ａ，１ａの上端縁の中間部
の２個所に、外方へせり出す横方向の突条を形成
して係合片１０とし、蓋体２の前記内面３ｂ，３
ｂの各２個所に該蓋体２を本体１に装着したとき
前記係合片１０と係合する横方向の突条を形成し
てこれを係合片９とした。該本体１及び中皿４は
合成樹脂により成形されるが、実施例では該本体
１を蓋体２と同様のポリプロピレン等の比較的軟
質の合成樹脂で成形し、中皿４をスチロール等の
比較的硬質の合成樹脂で成形するようにした。

図示実施例の裁縫箱は、蓋体２を本体１に被せ
たとき突条からなる係合片９，１０が互に係合す
るので、裁縫箱の携行時や落下させたときに蓋体
２が本体１から外れることを防止出来、使用時に
は把手８ａ，８ａを指でつかみ側壁３ａ，３ａを
外方へ多少たわめて係合片９，１０の係合を解く
ことにより蓋体２を本体１から外すことが出来
る。

（考案の効果） 以上のように本考案の裁縫箱は、可撓性の合成
樹脂で蓋体を形成すると共にその対向する側壁に
把手を形成し、蓋体の該側壁の内面と本体の側壁
の外面とに互に係合する係合片を設けるようにし
たので、本体に蓋体を被せたとき係合片の作用で
蓋体が本体から不要意に外れることがなく、児童
が携行する際或は落下させたときに中身の道具が
散開する不都合を防げ、把手に手を掛けて蓋体の
側壁を外方にたわめるだけで簡単に係合片の係合
を外せるので児童でも容易に蓋体を外すことが出
来、使用が容易である等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の開蓋状態の斜視図、
第２図はその閉蓋状態の要部の断面図である。 １……本体、１ａ，１ａ……側壁、１ｂ，１ｂ
……外面、２……蓋体、３，３ａ，３ａ……側
壁、３ｂ，３ｂ……内面、８ａ，８ａ……把手、
９，１０……係合片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 裁縫道具を収容する本体に、これとは分離独立
   した比較的深身の側壁を有する蓋体を被せて装着
   するようにしたものに於いて、該蓋体をポリプロ
   ピレン等の可撓性の合成樹脂により形成すると共
   に該蓋体の対向する側壁にこれを外方へたわめる
   把手を形成し、更に該蓋体の把手を形成した側壁
   の内面と本体の側壁の外面の互に対応する個所に
   該蓋体を本体に係着する係合片を設けたことを特
   徴とする裁縫箱。