JPS649789B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （利用分野） 本発明は、カラーフアクシミリやカラー複写機
等に好適なカラー画像読取装置に関し、特に、色
調の異なる単色光線で、原稿を順次照明し、同一
の画素から得られた各色調ごとの電気的読取り信
号に基づいて、各画素ごとのカラー信号を得るよ
うにしたカラー画像読取装置に関するものであ
る。

（従来技術） 最近、分光放射特性の異なる（例えば、赤色と
青色の）複数光源を切り換えて原稿を照明し、そ
れぞれの読取る信号を用いて所定の演算を行なう
ことにより、カラー画像の読取り行う方式が提案
されている。

例えば、その一例として、昭和56年度電子通信
学会総合全国大会の第1116番論文には、「光源順
次点灯三色原稿読取り」方式が示されている。

ここでは、赤色および青色の蛍光灯によつて原
稿上の同一読取ラインを交互に照射して、それぞ
れの読取ラインごとに赤色および青色の光電変換
信号を読出している。

そして、得られた２種の光電変換信号に所定の
演算を施すことによつて、各画素ごとに、赤、
青、黒のカラー信号を出力するようにしている。

このような従来の、色蛍光灯を用いたカラー画
像読取装置の欠点は、一般に、緑や赤などの色蛍
光灯は、蛍光体の特性により、消灯後の残光時間
が長いために、例えば前掲の論文では赤色蛍光体
の残光時間が約2msと長いため赤の残光時間を原
稿送り時間とし読取速度の低下を防いでいる。し
かしこの蛍光体を用いて１ラインの読取時間を
2ms以下に高速化することは各色の発行時間が重
なるため困難であつた。

このような欠点を改善するには、残光性の少な
いLED（発光ダイオード）などを、原稿照射光源
として用いることが考えられる。しかし、 LED等は、発光量が少ないので、高速読取の
際に、広いダイナミツクレンジがとれず、画像読
取の品質が低下するという別の欠点を生ずる。

（目的） 本発明は、前述の欠点を除去するためになされ
たものであり、その目的は、読取速度の高速化と
広いダイナミツクレンジの確保とを両立させるこ
とのできるカラー画像読取装置を提供することに
ある。

（概要） 前記の目的を達成するために、本発明は、照明
光源として、残光時間の短かい白色蛍光灯に、赤
や緑などの特定波長の光のみを通過させる帯域フ
イルタを組合わせたものを用いる点に特徴があ
る。さらに、本発明は、前記帯域フイルタとして
シリンドリカルレンズを用いる点に特徴がある。

（実施例） 以下に、図面を参照して、本発明を詳細に説明
する。

第１図は本発明の一実施例のブロツク図であ
り、第２図はその動作を説明するためのタイムチ
ヤートである。

残光時間の短い白色蛍光灯１０、例えば残光時
間が0.1msのＷ―SDL型の前面には、赤色光のみ
を透過するような帯域通過特性を有する赤パス形
のシリンドリカルレンズ１７が、原稿１６の読取
ライン上を照明するように配置される。一方、青
色蛍光灯も、原稿上の、前記と同じ読取ライン上
を照明するように配置される。

点灯回路１２および２２は、点灯制御部１１お
よび２１から供給される点灯制御パルス（第２図
の波形Ｆ，Ｇ）にしたがつて、各蛍光灯１０およ
び２０を交互に点灯させる。この様子は、第２図
の波形Ｂ，Ｃに示されている。

原稿１６上の読取ラインにある画像の像が、光
学系１３によつてイメージセンサ１４上に結像さ
れる。イメージセンサ１４は、像の明るさに応じ
た電気信号を各画素ごとに出力する（第２図の波
形Ａ）。

ドライブ信号DSは、点灯制御部１１，２１お
よびイメージセンサ駆動回路４０に供給され、各
蛍光灯の点灯制御とイメージセンサ１４の読取走
査との同期を取るのに役立てられる。

第２図のタイムチヤートから明らかなように、
動作時にドライブ信号DS（波形Ｅ）が入力される
と、例えば、まず、点灯制御部２１が波形Ｆで示
すような点灯制御パルスを発生する。

これによつて、点灯回路２２が付勢され、波形
Ｂで示すように、青色蛍光灯２０が発光し、原稿
１６を照明する。原稿１６の読取ライン上の像
は、光学系１３によつてイメージセンサ１４上に
結像される。

イメージセンサ１４がイメージセンサ駆動回路
４０によつて駆動され、クロツクパルス発生回路
４２から供給されるクロツクパルスCLKにした
がつて、各画素ごとにアナログ画信号ACEへの
光電変換が行なわれる。

得られたアナログ画信号ACEは、Ａ／Ｄ変換
回路５１でデジタル信号DCEに変換され、スイ
ツチ回路５２を介して、ラインメモリ５３に一旦
記憶される。

次のドライプ信号DSに応答して、今度は点灯
制御部１１が波形Ｇで示すような点灯制御パルス
を発生する。これによつて、点灯回路１２が付勢
され、波形Ｃで示すように、残光時間の短い白色
蛍光灯が発光し、原稿１６を赤色光で照明する。

その結果、前記青色光によつて読取られたライ
ンと同一のラインの、赤色光による読取りが、前
述と同様にして行なわれる。

赤色光による読取り信号は、前記と同様に、
Ａ／Ｄ変換回路５１でデイジタル信号に変換さ
れ、スイツチ回路５２を介して色情報メモリ５４
に直接供給される。

同時に、これと同期して、さきにラインメモリ
５３に記憶されていた青色光による読取り信号
が、ラインメモリ５３から読出され、色情報メモ
リ５４に供給される。

すなわち、原稿１６上の同一読取ライン上の
個々の画素に関する、青色光および赤色光による
読取り信号が同時に色情報メモリ５４に供給され
る。

色情報メモリ５４には、青色光および赤色光に
よる読取り信号をパラメータとして、第３図に示
すようなカラー信号が記憶されている。第３図の
例では、横軸が青色光による読取り信号レベルで
あり、縦軸が赤色光による読取り信号レベルであ
る。

同図からも明らかなように、この実施例による
各画素のカラー判別は、次のように行なわれる。

(1) 青色光による読取り信号レベルが大きく、一
方、赤色光による読取り信号レベルが小さいと
きは、該当画素は青色であると判定する。

(2) 青色光による読取り信号レベルが小さく、一
方、赤色光による読取り信号レベルが大きいと
きは、該当画素は赤色であると判定する。

(3) 青色光および赤色光による読取り信号レベル
が共に大きいときは、該当画素は白色であると
判定する。

(4) 青色光および赤色光による読取り信号レベル
が共に小さいときは、該当画素は黒色であると
判定する。

以上のようにして、この実施例によれば、２色
の光源を交互に同一周期で点灯し、原稿１６上の
読取ライン上を照明することにより高速で読取り
をおこないながら、各画素を４色に識別すること
ができる。

（変形例） 本発明は、次のように変形して実施することが
できる。

(1) シリンドリカルレンズ１７の代りに、平板の
色フイルタを用いる。

ただし、シリンドリカルレンズ形のフイルタ
を用いた場合にくらべ、集光性が悪いので照射
光の強度が低下する。

シリンドリカルレンズ形のフイルタを使う
と、平板フイルタの場合に比べて、約50％程度
照射光量を増加することができる。

(2) 蛍光灯として、反射面を有するアパーチヤ形
のものを用いる。これにより、原稿照射光量を
さらに増加することができる。

(3) すべての色用の光源として、白色蛍光灯と単
色（赤、緑、青など）フイルタとを組合せたも
のを用いる。

(4) 光源として、例えば、第４図に示すように、
赤、緑、青の三色を用い、これらを時順次的に
点灯させる。

第４図において、第１図と同一の符号は、同一
または同等部分をあらわしている。同図におい
て、２５は原稿１６を載置するためのプラテンガ
ラス、１０Ｂ，１０Ｇは残光時間の短い白色蛍光
灯（例えば、市販のＷ―SDL型）、１７Ｂ，１７
Ｇは前記各蛍光灯１０Ｂ，１０Ｇの前面に配置さ
れた青パス形および緑パス形のシリンドリカルレ
ンズである。これら３種の蛍光灯光源によつて、
原稿１６上の同一の読取り領域が順次に照明され
る。

（効果） 以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば、つぎのような効果が達成される。

(1) 残光時間の短い白色蛍光灯は、例えば、赤色
蛍光灯に比べて、残光時間が短かいので、読取
り速度を上げることができる。また、蛍光灯
は、一般的に、光量を上げることも容易である
ので、ダイナミツクレンジを大きくすることも
容易である。

(2) 色情報メモリを用いるので、色分離演算が不
要となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すブロツク図、
第２図はその動作を説明するためのタイムチヤー
ト、第３図は相異なる２色で照明した場合に、各
色ごとに得られる読取り信号の大きさと、得られ
るカラー判定結果との関係を示す。色情報メモリ
の内容の一例を示す図、第４図は本発明の他の実
施例の要部を示す側面図である。 １０，２０…蛍光灯、１１，２１…点灯制御
部、１２，２２…点灯回路、１４…イメージセン
サ、１６…原稿、１７，１７Ｂ，１７Ｇ…シリン
ドリカルレンズ（帯域フイルタ）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 原稿の同一読取り領域を照射するように配置
   され、互いに相異なる色調の光を放射する複数の
   蛍光灯光源と、前記蛍光灯光源を順次に発光させ
   る点灯制御手段と、原稿の読取り領域からの反射
   光強度に応じた電気的アナログ信号を、各色蛍光
   灯光源による照射ごとに、かつ各画素ごとに出力
   するイメージセンサと、原稿の読取り領域の像を
   前記イメージセンサ上に結像させる光学的手段
   と、一つの画素に関して、各色蛍光灯光源による
   照射ごとに前記イメージセンサから得られる複数
   の電気的出力に基づいて、当該画素の色調を判別
   するカラー判別回路とを具備し、前記蛍光灯光源
   の少くとも一つは、残光の短い白色蛍光灯と、こ
   れにそつて、その前面に配置された色フイルタと
   よりなることを特徴とするカラー画像読取装置。 ２ 前記蛍光灯光源の少くとも一つは、赤色光源
   であり、色フイルタが赤色透過フイルタであるこ
   とを特徴とする前記特許請求の範囲第１項記載の
   カラー画像読取装置。 ３ 色フイルタは、シリンドリカルレンズ形であ
   ることを特徴とする前記特許請求の範囲第１また
   は第２項記載のカラー画像読取装置。 ４ カラー判別回路は、一つの画素に関して、各
   色蛍光灯光源による照射ごとに前記イメージセン
   サから得られる複数の電気的出力をパラメータと
   して、当該画素の色調を記憶している色情報メモ
   リであることを特徴とする前記特許請求の範囲第
   １，２，３項のいずれかに記載のカラー画像読取
   装置。